(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-03-24
(54)【発明の名称】ラテラルフロー装置
(51)【国際特許分類】
G01N 33/543 20060101AFI20220316BHJP
G01N 37/00 20060101ALI20220316BHJP
G01N 35/08 20060101ALI20220316BHJP
【FI】
G01N33/543 521
G01N37/00 101
G01N35/08 A
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021545961
(86)(22)【出願日】2020-02-06
(85)【翻訳文提出日】2021-10-04
(86)【国際出願番号】 EP2020052994
(87)【国際公開番号】W WO2020161238
(87)【国際公開日】2020-08-13
(32)【優先日】2019-02-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
(71)【出願人】
【識別番号】521345648
【氏名又は名称】フィブロテクス・オー・ウー
【氏名又は名称原語表記】FibroTx OU
【住所又は居所原語表記】Maealuse 4, 12618 Tallinn, Estonia
(74)【代理人】
【識別番号】100114890
【氏名又は名称】アインゼル・フェリックス=ラインハルト
(74)【代理人】
【識別番号】100098501
【氏名又は名称】森田 拓
(74)【代理人】
【識別番号】100116403
【氏名又は名称】前川 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100134315
【氏名又は名称】永島 秀郎
(74)【代理人】
【識別番号】100162880
【氏名又は名称】上島 類
(72)【発明者】
【氏名】トーマス ニューマン
(72)【発明者】
【氏名】ペトゥルス ヨハネス ルイス スペー
(72)【発明者】
【氏名】アラム カツァルヤン
(72)【発明者】
【氏名】アヴェ ラース
【テーマコード(参考)】
2G058
【Fターム(参考)】
2G058CE01
2G058EB19
(57)【要約】
本発明は、ほ乳類の皮膚から取得された試験サンプル内の1種以上の試験分析物の存在または量を検出するための、ラテラルフローアッセイ装置に基づくキットおよび方法に関する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ほ乳類の皮膚表面から得られた試験サンプル内の1種以上の試験分析物の存在または量を検出するためのキットであって、
a)多孔質支持アセンブリ(100,301)を形成する1つ以上の多孔質要素を備えたカセット(300)を備えるラテラルフローアッセイ装置であって、前記カセット(300)は、サンプル収集パッド(201,101)を受容し、保持するように構成されており、前記サンプルパッド(200,301)は、前記カセット(300)に挿入された時に、前記サンプル収集パッド(201,101)が、前記多孔質支持アセンブリ(100,301)と接触するように構成されている、ラテラルフローアッセイ装置と、
b)バッファー溶液を収容するブリスターパック(302)であって、前記カセット(300)は、前記ブリスターパック(302)を受容するように構成されている、ブリスターパック(302)と、
c)前記試験サンプルの収集に使用されるように構成されたサンプル収集パッド(201,101)とを備える、
キット。
【請求項2】
前記カセットが、上部(303)および下部(304)を備え、前記カセットの前記上部(303)が、前記ブリスターパック(302)を受容するように構成された座部(305)を備え、前記座部(305)が、任意に、前記ブリスターパック(302)の下部の直径に等しいかまたはほぼ等しい直径を有することを特徴とする、請求項1記載のキット。
【請求項3】
前記カセットの上部(303)が、前記ブリスターパック(302)を受容するように構成された座部(305)と、前記ブリスターを覆うハウジング(306)とを備え、前記ハウジング(306)が、任意に、前記ブリスターパック(302)を前記座部(305)内に配置し、位置決めするように構成された配置部材を備えることを特徴とする、請求項1または2記載のキット。
【請求項4】
前記ハウジングが、上部(309)および下部を備え、前記ハウジング(306)が、前記ハウジング(306)の前記下部から突出する、少なくとも1つの第1のロック部材(307)および少なくとも1つの第2のロック部材(308)を備え、前記少なくとも1つの第1のロック部材(307)が、任意に、前記少なくとも1つの第2のロック部材(308)より長いことを特徴とする、請求項1から3までのいずれか1項記載のキット。
【請求項5】
前記少なくとも1つの第1のロック部材(307)が、前記ハウジングを、前記ブリスターパックを覆う位置(「ボタンアップ位置」)で前記カセット内に固定し、前記少なくとも1つの第2のロック部材(308)が、前記ハウジングを、作動位置(「ボタンダウン位置」)で前記カセット内に固定することを特徴とする、請求項1から4までのいずれか1項記載のキット。
【請求項6】
前記カセットの前記上部(303)が、前記ブリスターパック(302)およびシム(310)を受容するように構成された座部(305)を備え、前記シムが、前記ブリスターパック(302)と前記座部(305)の底部との間に配置されることを特徴とする、請求項1から5までのいずれか1項記載のキット。
【請求項7】
前記シム(310)が、前記カセットの前記下部(304)に向かって下向きに面する側、前記ブリスターパック(302)に向かって上向きに面する側または両側上の接着剤であることを特徴とする、請求項1から6までのいずれか1項記載のキット。
【請求項8】
前記シム(310)が、2mm~5mmの範囲、好ましくは、3mmの直径を有する中央孔(311)を有することを特徴とする、請求項1から7までのいずれか1項記載のキット。
【請求項9】
前記シム(310)が、前記座部(305)の一体化された部分であることを特徴とする、請求項1から8までのいずれか1項記載のキット。
【請求項10】
前記座部の前記底部が、少なくとも1つの突出部(312)を備え、前記少なくとも1つの突出部(312)が、前記ハウジング(306)が前記座部(305)に向かってハウジングを押すことにより作動される時に、前記ブリスターパック(302)の前記底部を穿孔し、前記ブリスターパック(302)から前記バッファー溶液を放出するように構成されており、前記突出部(312)が、任意に、前記突出部の上部から前記座部の前記底部までかつ前記座部の前記底部を通って延在する中央管状ダクト(313)を備えることを特徴とする、請求項1から9までのいずれか1項記載のキット。
【請求項11】
中央管状ダクト(313)を備える前記突出部(312)が、前記ハウジング(306)が作動される時に、前記ブリスターパック(302)からのバッファー溶液の通過を可能にするように構成されていることを特徴とする、請求項10記載のキット。
【請求項12】
前記ブリスターパック(302)が、ブリスタードーム(314)およびブリスター底部フィルム(315)を備え、前記ブリスター底部フィルム(315)が、その外面上に接着剤を備えることを特徴とする、請求項1から11までのいずれか1項記載のキット。
【請求項13】
前記ブリスターパック(302)内の前記バッファー溶液の容積が、少なくとも130マイクロリットルであり、例えば、130~170マイクロリットルの範囲、好ましくは、155~165マイクロリットルの範囲にあることを特徴とする、請求項1から12までのいずれか1項記載のキット。
【請求項14】
前記座部(305)が、前記ブリスターパック(302)から放出された前記バッファー溶液が前記多孔質支持アセンブリ(301,100)と接触するのを可能にするように構成された開口部(316)を備えることを特徴とする、請求項1から13までのいずれか1項記載のキット。
【請求項15】
前記多孔質支持アセンブリ(100,301)が、検出領域(DA)を備え、前記カセット(300)が、前記検出領域(DA)の目視検査のために構成された検査窓(317)を備え、前記カセット(300)の前記上部(303)の前記上面が、任意に、前記検出領域(DA)の画像検出および/または前記検出領域(DA)の向きの画像検出に適した少なくとも1つの基準点、例えば、前記検査窓(317)の印刷マークおよび/もしくは形状または前記カセット(300)の形状を備えることを特徴とする、請求項1から14までのいずれか1項記載のキット。
【請求項16】
カセットが、乾燥剤の錠剤、カプセル剤または小袋を備えることを特徴とする、請求項1から15までのいずれか1項記載のキット。
【請求項17】
前記カセットが、前記サンプル収集パッド(201,101)を受容するように構成されたサンプルポート(318)を備え、前記サンプル収集パッド(201,101)が、任意に、支持部材(202)に取り付けられており、前記サンプルポート(318)が、任意に、前記多孔質支持アセンブリ(100,301)の上にかつそれと接触して、前記サンプル収集パッド(201,101)を位置決めするように構成された1つ以上のレールを備えることを特徴とする、請求項1から16までのいずれか1項記載のキット。
【請求項18】
前記サンプル収集パッド(201,101)または前記支持部材(202)に取り付けられたサンプル収集パッド(201,101)が、前記サンプル収集パッド(201,101)または前記支持部材(202)に取り付けられたサンプル収集パッド(201,101)が前記サンプルポート(318)に挿入された時に、バッファー溶液が前記サンプルポート(318)から漏出するのを防止する厚さを有することを特徴とする、請求項17記載のキット。
【請求項19】
1種以上の試験分析物の存在または量を検出するための方法であって、
下記の工程:
a)別個のスワブを使用してほ乳類、例えば、ヒトの皮膚表面から得られる試験サンプルを含む、請求項1から18までのいずれか1項で定義されたサンプル収集パッド(201)、例えば、このサンプル収集パッド(201)を備える別個のスワブ(200)を提供する工程と、
b)前記試験サンプルを含有する前記サンプル収集パッドを、請求項1から18までのいずれか1項で定義された、多孔質支持アセンブリ(100,301)を備える前記カセット(300)およびバッファー溶液を含むブリスターパック(302)および前記ブリスターを覆うハウジング(306)内に挿入する工程と、
c)前記ハウジング(306)を動作させて穿孔し、前記バッファー溶液を分注する工程と、
d)バッファー溶液および試験サンプルが、前記多孔質支持アセンブリ(100,301)を通って移動するのを可能にする工程と、任意に、更なる工程
e)検出領域(DA)の画像をキャプチャし、画像プロセッサおよびデータベースを備えるコンピュータシステムに前記画像を送信する工程とを含み、
前記画像特徴は、前記画像から前記画像プロセッサにより抽出され、前記画像特徴は、前記データベースに記憶され、前記コンピュータシステムは、前記画像特徴に基づいて少なくとも1つの出力データを生成し、前記画像は、画像をキャプチャするように構成されたモバイルデバイス、例えば、携帯電話を使用してキャプチャされ、前記コンピュータシステムにより生成された出力データは、前記モバイルデバイスに送信される、
方法。
【請求項20】
カメラを備える電子デバイスを使用して対象の皮膚状態を評価する方法であって、
(vii)ユーザインタフェースを介して、対象の皮膚状態の評価のためのリクエストを取得する工程と、
(viii)ユーザインタフェースを介して、
前記対象を識別するデータ、
1種以上の試験分析物を検出するのに使用され、皮膚の表面から得られ、前記試験装置から距離を置いて配置されたカメラを使用して記録される、請求項1から18までのいずれか1項記載のラテラルフロー装置の前記検出領域(DA)の少なくとも1つの前記検出領域(DA)の画像を含むユーザ入力を取得する工程と、
(ix)前記対象を識別する前記データに基づいて、前記対象を登録する工程と、
(x)前記少なくとも1つの画像を含む前記ユーザ入力を処理する工程と、
(xi)対象の前記皮膚状態の評価を生成する工程と、
(xii)前記ユーザインタフェースに、前記皮膚状態の前記評価を出力しかつ/または前記皮膚状態に対応するスキンケアのための推奨を出力する工程とを含む、
方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ほ乳類の皮膚から取得された試験サンプル内の1種以上の試験分析物の存在または量を検出するための、ラテラルフローアッセイ装置に基づくキットおよび方法に関する。
【0002】
発明の背景
ゲノミクス、トランスクリプトミクス、プロテオミクスおよびレギュロミクスの急速な発展により、分子機構および細胞機構を大規模に分析することが可能となった。これらの研究の重要な結果の1つは、機能ゲノミクスの発展と、異なる個体由来の細胞がゲノム構造、遺伝子およびタンパク質発現プロファイル、特定の細胞機能を制御するレギュラトリー機構に大きな違いがあることの理解であった。これにより、1種以上のバイオマーカの存在、非存在および/または濃度によりほ乳類の現在の状態を評価するために、バイオマーカを検出しかつ/または定量化することへの関心がもたらされた。
【0003】
また、個別化医療および個別化スキンケアの分野のように、どの程度効果的な治療が個人レベルで行われているかを評価する必要もある。
【0004】
個別化スキンケアに関して、化粧品のしわ防止効果および老化防止効果の主張される効果は、典型的には、これらの製品が全ての個人に対して同様の効果を有するという仮定に基づいている。しかしながら、これは当てはまらない。人および皮膚の種類の違いにより、化粧品の反応が異なるため、特定の種類のスキンケア製品に対する個人の効果または反応性を決定することができるポイントオブケア装置が必要である。
【0005】
皮膚の「質」は、皮膚の形態、構造および機能を制御し、レギュレーションする生物学的プロセスにより決まる。皮膚の性能に関与する基本的な生物学的メカニズムは、皮膚における種々の細胞集団の維持、更新および機能に関連する。例えば、皮膚線維芽細胞は、細胞外マトリックスのホメオスタシスを制御し、ケラチノサイトは、皮膚のバリア機能を制御し、免疫細胞および因子は、炎症過程および感染との闘いを担う。これらのプロセスを制御する機能的ネットワーク(分子メカニズム)は、比較的周知であり、これらのネットワークにおける重要なプレーヤーが特定されている。種々のサイトカインおよび成長因子のレベルおよび活性により、皮膚における細胞プロセスのバランス、例えば、種々の細胞集団の増殖および分化、細胞外マトリックスの合成および分解、代謝活性等がレギュレーションされる。これらの活性の組み合わせにより、皮膚の「質」および皮膚の美的外観がもたらされる。
【0006】
インターロイキンのレベルを使用して、皮膚状態を決定し、皮膚の「質」(外観、機能、構造)を改善する方法を推奨することもできる。
【0007】
ラテラルフローアッセイ法が直面する課題の1つは、試験するためのサンプルの提供、特に、皮膚上からのサンプルの提供、特に、再現可能かつ/または均一な様式での皮膚上からのサンプルの提供である。
【0008】
国際公開第2014184151号には、ラテラルフローアッセイ技術に基づき、皮膚表面からの分泌因子および拡散因子の非侵襲的分析を可能にする、ポイントオブケア診断デバイスが記載されている。
【0009】
米国特許出願公開第2005/0175992号明細書には、ヒト体液中の標的の迅速診断のための方法が記載されている。特に、サンプルがスワブ部材を使用して眼液から非侵襲的に収集される、ラテラルフローアッセイ法が利用される。
【0010】
結果として、皮膚から分析物を取得し、分析するためのキットおよび方法、特に、迅速な検出を可能にするポイントオブケア装置が、当技術分野において必要とされている。
【0011】
発明の概要
本発明は、上記された先行技術を考慮してなされた。本発明の目的は、ほ乳類の皮膚表面から取得された試験サンプル内の1種以上の試験分析物の存在または量を検出するための、キットを提供することである。
【0012】
第1の態様では、本発明は、ほ乳類の皮膚表面から得られた試験サンプル内の1種以上の試験分析物の存在または量を検出するためのキットであって、
a)多孔質支持アセンブリ(100,301)を形成する1つ以上の多孔質要素を備えたカセット(300)を備えるラテラルフローアッセイ装置であって、前記カセット(300)は、サンプル収集パッド(201,101)を受容し、保持するように構成されており、前記サンプルパッド(200,301)は、前記カセット(300)に挿入された時に、前記多孔質支持アセンブリ(100,301)と接触するように構成されている、ラテラルフローアッセイ装置と、
b)(任意に)バッファー溶液を含み、前記カセット(300)がブリスター(302)を受容するように構成されたブリスターパック(302)と、
c)(任意に)前記試験サンプルの収集に使用されるように構成されたサンプル収集パッド(201,101)とを備える、キットを提供する。
【0013】
第2の態様では、本発明は、1種以上の試験分析物の存在または量を検出するための方法であって、
下記の工程:
a)別個のスワブを使用してほ乳類、例えば、ヒトの皮膚表面から得られる試験サンプルを含む、本明細書に記載されたサンプル収集パッド(201,101)、例えば、サンプル収集パッド(201)を備える別個のスワブを提供する工程と、
b)前記試験サンプルを含有する前記サンプル収集パッドを、本明細書で定義された、多孔質支持アセンブリ(100,301)を備えるカセット(300)およびバッファー溶液を含むブリスターパック(302)および前記ブリスターを覆うハウジング(306)内に挿入する工程と、
c)ハウジング(306)を動作させて穿孔し、前記バッファー溶液を分注する工程と、
d)バッファー溶液および試験サンプルが、多孔質支持アセンブリ(100,301)を通って移動するのを可能にする工程とを含む、方法を提供する。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】本発明の多孔質支持アセンブリ(100)(ラテラルフローアッセイストリップまたは試験ストリップとも呼ばれる)の種々の実施形態の斜視図である。
図1aは、多孔質支持アセンブリ(100)を、サンプル収集パッド(101)、コンジュゲートパッド(102)、検出ゾーン(105)およびインジケータゾーン(106)(両ゾーンは、多孔質支持体(107)上に固定されている)、ウィッキングパッド(104)ならびにバッキング材料(108)と共に示す図である。「L」は、ラテラルフローの方向を示し、領域「DA」は、検出領域を規定する。
図1bは、サンプル収集パッド(101)が残りの多孔質支持アセンブリから取り外された多孔質支持アセンブリ(100)を示す図である。
図1cは、サンプルパッド(101);コンジュゲートパッド(102);多孔質支持体(107)上の検出ゾーン(105)およびインジケータゾーン(106);ならびにウィッキングパッド(104)が隣接しているかまたは重なり合っており、バッキング材料(108)上に配置されている、
図1aの代替的な実施形態を示す図である。
【
図2】本発明の実施形態において、支持部材(202)の遠位端(204)に開口部(205)を有する支持部材(202)を備える、別個のスワブ(200)の種々の図である。別個のスワブ(200)は、開口部の周囲に取り付けられ、これを覆うサンプル収集パッド(201)の有する状態およびこれを有しない状態で開示されている。支持部材(202)は、支持部材(202)の縁部の1つに切り口(206)を備える。切り口(206)は、カセット(300)における隆起部と相互作用して、ラテラルフロー装置(300)内の挿入位置にスワブを向け、その位置を固定するように構成されている。
図2に、さらに、支持部材(202)の近位端(203)の幅がフィンガーグリップを形成するように延長されている、別個のスワブ(200)の実施形態が開示される。
【
図3】本発明の実施形態におけるラテラルフロー装置(300)およびその部品を示す図である。
【
図4】
図4aは、本発明の実施形態において、ハウジング(306)がブリスターパック(302)を覆う使用準備位置(ボタンアップ位置)にあるハウジングを有するカセット(300)の種々の図である。
図4bは、本発明の実施形態において、ハウジング(306)がブリスターパック(302)を穿孔し、バッファー溶液を放出するように作動された作動(使用)位置(ボタンダウン位置)にあるハウジングを有するカセット(300)の種々の図である。
【
図5】本発明の実施形態における組み立てられたカセット(300)および別個のスワブを示す図である。
【
図6a】本発明の実施形態、すなわち、ラテラルフロー装置(300)の種々の図である。
【
図6b】本発明の実施形態、すなわち、ラテラルフロー装置(300)の種々の図である。
【
図7】本発明の実施形態におけるブリスターパック(302)を示す図である。
【
図8】本発明の実施形態における突出ロック部材(307,308)を備えるハウジング(306)ことを示す図である。
【
図9】ランニングバッファーディスペンサとして種々の充填容量のブリスターによりカセットをランする図である。105μlのブリスター充填容量-ランせずに試験。125μlのブリスター充填容量-ランの約5分後に試験を開始、ランは完了(バックグラウンド染色)していない。135μlのブリスター充填容量-満足のいく試験ラン。145μlのブリスター充填容量-満足のいく試験ラン。155μlのブリスター充填容量-満足のいく試験ラン。165μlのブリスター充填容量-2つのカセットのうちの一方のみが満足のいく試験ランを示した。
【
図10】
図9に示されたカセットからの試験ストリップの図である(ランニングバッファーディスペンサとして種々の充填容量のブリスターによるラン)。上から下へ:乾燥試験ストリップ(比較のみのため)、105μlのブリスターによるラン、125μlのブリスターによるラン、135μlのブリスターによるラン、145μlのブリスターによるラン、155μlのブリスターによるランおよび165μlのブリスターによるラン。
【
図11】C083サンプル収集パッド、ランニングバッファーを145μlのブリスターから放出した図である。上から下へ:C083+標準1、正常なラン;C083+標準1、正常なラン;C083+標準2、正常なラン;C083+標準、正常なラン;C083+標準3、ランが開始されなかった;C083+標準3、正常なラン。
【
図12】元の薄い(0.02”(0.51mm))担体を有するCFP230サンプル収集パッド、ランニングバッファーを145μlのブリスターから放出した図である。上から下へ:CFP230 薄い+標準1、正常なラン;CFP230 薄い+標準1、ランが開始されなかった;CFP230 薄い+標準2、ランが開始されなかった;CFP230 薄い+標準、正常なラン;CFP230 薄い+標準3、ランが開始されなかった;CFP230 薄い+標準3、ランが開始されなかった。
【
図13】より厚い(0.04”(1.02mm))担体を有するCFP230サンプル収集パッド、ランニングバッファーを145μlのブリスターから放出した図である。上から下へ:CFP230 0.04”(1.02mm)+標準1、正常なラン;CFP230 0.04”(1.02mm)+標準1、正常なラン;CFP230 0.04”(1.02mm)+標準2、正常なラン;CFP230 0.04”(1.02mm)+標準、正常なラン;CFP230 0.04”(1.02mm)+標準3、正常なラン;CFP230 0.04”(1.02mm)+標準3、正常なラン。
【
図14】より厚い(0.06”(1.52mm))担体を有するCFP230サンプル収集パッド、ランニングバッファーを145μlのブリスターから放出した図である。上から下へ:CFP230 0.06”(1.52mm)+標準1、正常なラン;CFP230 0.06”(1.52mm)+標準2、正常なラン;CFP230 0.06”(1.52mm)+標準3、正常なラン;CFP230 0.06”(1.52mm)+標準1、正常なラン;CFP230 0.06”(1.52mm)+標準2、正常なラン;CFP230 0.04”(1.02mm)+標準3、正常なラン。
【
図15】皮膚スワブを種々のサンプル収集パッドにより試験した図である。ランニングバッファーを145μlのブリスターから放出した。上から下へ:C083+頬のサンプル、正常なラン;C083+頬のサンプル、遅れて開始かつ不完全なラン;CFP230 薄い+頬のサンプル、ランが開始されなかった;CFP230 薄い+頬のサンプル、ランが開始されなかった;CFP230 0.04”(1.02mm)+頬のサンプル、正常なラン;CFP230 0.06”(1.52mm)+頬のサンプル、ランが開始されなかった。
【
図16】試験ラン:155μlの充填容量のブリスターおよび薄い(0.02”(0.51mm))担体を有するサンプル収集パッドの図である。第1の列、上から3番目まで:ランに失敗。第2の列、上から5番目まで:ランの開始が10分遅れた。
【
図17】試験ラン:155μlの充填容量のブリスターおよび0.04”(1.02mm)の担体を有するサンプル収集パッドの図である。
【
図18】試験ラン:155μlの充填容量のブリスターおよび0.04”(1.02mm)の担体を有するサンプル収集パッドの図である。第1の列、上から1番目まで:ランに失敗。第2の列、上から3番目まで:ランに失敗。
【
図19】試験ラン:165μlの充填容量のブリスターおよび薄い(0.02”(0.51mm))担体を有するサンプル収集パッドの図である。第2の列、上から3番目まで:ランに失敗。
【
図20】試験ラン:165μlの充填容量のブリスターおよびより厚い0.04”(1.02mm)の担体を有するサンプル収集パッドの図である。
【
図21】試験ラン:165μlの充填容量のブリスターおよびより厚い0.06”(1.52mm)の担体を有するサンプルパッドの図である。第1の列、上から1番下まで:開始が2分遅れた。
【0015】
当業者であれば、
図1~
図8に示された特定の特徴が、本開示の利益を考慮すれば、必ずしも一定の縮尺で描かれていないことを認識するであろう。図面中の幾つかの特徴の寸法および特性は、本明細書に開示された例示的な実施例のより良好な理解を容易にするために、図面中の他の特徴に対して拡大され、歪められまたは変更されている場合がある。
【0016】
当業者であれば、更なる実施形態を得るために、図面の個々の特徴が交換され得ることをさらに認識するであろう。
【0017】
発明を実施するための形態
本発明の実施形態を説明する際に、明確にするために、特定の用語を頼るであろう。ただし、本発明は、そのように選択された特定の用語に限定されることを意図するものではなく、各特定の用語は、同様の目的を達成するために同様の方法で作用する全ての技術的均等物を含むと理解される。
【0018】
サンプル内の1種以上の試験分析物の存在を検出しまたは定量するためのキット
本発明の一態様は、ほ乳類の皮膚表面から得られた試験サンプル内の1種以上の試験分析物の存在または量を検出するためのキットであって、
a)多孔質支持アセンブリ(100,301)を形成する1つ以上の多孔質要素を備えたカセット(300)を備えるラテラルフローアッセイ装置であって、前記カセット(300)は、サンプル収集パッド(201,101)を受容し、保持するように構成されており、前記サンプルパッド(200,301)は、前記カセット(300)に挿入された時に、前記多孔質支持アセンブリ(100,301)と接触するように構成されている、ラテラルフローアッセイ装置と、
b)(任意に)バッファー溶液を収容するブリスターパック(302)であって、前記カセット(300)は、前記ブリスターパック(302)を受容するように構成されている、ブリスターパック(302)と、
c)(任意に)前記試験サンプルの収集に使用されるように構成されたサンプル収集パッド(201,101)とを備える、キットを提供する。
【0019】
好ましい実施形態では、キットは、前記ブリスターパック(302)および前記サンプル収集パッド(201,101)を備える。
【0020】
前記多孔質支持アセンブリとの接触により、前記サンプル収集パッドから前記多孔質支持アセンブリへのサンプルの移動が可能になると理解されたい。
【0021】
好ましい実施形態では、サンプル収集パッド(201,101)は、本明細書に記載されたように、前記サンプル収集パッド(201,101)を備える別個のスワブ(200)として提供される。
【0022】
本発明のキットを、特に、診断目的で(ただし、これには限定されない)、試験サンプル内の1種以上の試験分析物の存在または非存在を検出するために、ポイントオブケア用途に使用することができる。
【0023】
カセットの本体は、典型的には、上部(303)および下部(304)を備えるかまたはこれらからなる。組み立てられたカセットの上部(303)および下部(304)は、典型的には、1つ以上のロック部材(320)により一緒に保持される。上部(303)および/または下部(304)は、1つ以上の支持ピン(319)を備えることができる。支持ピン(319)は、組み立てられたカセット(300)の安定性に寄与する。
【0024】
ブリスターパックは、典型的には、ブリスタードーム(314)およびブリスター底部フィルム(315)を備える。ブリスターパック(302)は、ポリプロピレン(PP)、アルミニウム、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリアミド(PA)またはそれらの組み合わせからなる群から選択される材料製であることができる。一実施形態では、ブリスター底部フィルム(315)は、前記ブリスタードーム(314)に溶接されまたは接着されている。一実施形態では、ブリスタードーム(314)は、75~150マイクロメートルの範囲の厚さを有する。座部(305)におけるブリスターパック(302)の配置が維持されるのを確実にするために、ブリスター底部フィルム(315)は、ブリスターパック(302)の位置を座部(305)内に固定する接着剤を備えてもよい。このため、一実施形態では、ブリスター底部フィルム(315)は、外面上に接着剤を備える。
【0025】
ブリスターは、多孔質支持アセンブリ(100,301)(試験ストリップとも呼ばれる)を通るサンプルの移動を容易にするバッファー溶液を含む。適切なバッファー溶液は、当技術分野において周知である。このようなバッファー溶液の例は、PBS(リン酸緩衝生理食塩水)バッファー、TRISバッファーおよびカゼイン希釈剤ブロッカーであるtween(Senova希釈剤)を含むが、これらに限定されない。バッファー溶液は、任意に、保存剤または殺生物剤を含み得る。本発明者らは、ブリスター(302)からのバッファーの放出を作動させるのに必要な力の量およびバッファーが多孔質支持アセンブリ(100,301)を通って移動し始めるまでの時間に、バッファーが影響を及ぼし得ることを発見した。バッファーの物理的性質、例えば、粘度は、ブリスターパックから多孔質支持アセンブリ(100,301)上にバッファーを移動させる性能に影響を及ぼし得る。
【0026】
ブリスターパック(302)は、多孔質支持アセンブリ(100,301)を通るサンプルの完全な移動を容易にするのに十分な容量のバッファー溶液を含むものとし、好ましくは、過剰な容量のバッファー溶液を含まないものとする。一実施形態では、前記ブリスターパック(302)中のバッファー溶液の容量は、少なくとも130マイクロリットルであり、例えば、130~170マイクロリットルの範囲、好ましくは、155~165マイクロリットルの範囲にある。
【0027】
好ましい実施形態では、前記カセットの上部は、前記ブリスターパック(302)を受容するように構成された座部(305)を備える。本発明者らは、座部におけるブリスターの配置ミスがラテラルフローアッセイの性能に悪影響を及ぼし得ることを発見した。このため、一実施形態では、前記座部(305)の直径は、ブリスターパック(302)の下部の直径、すなわち、ブリスター底部フィルム(315)の直径に等しいかまたはほぼ等しいがそれより大きい。座部は、座部の壁がブリスターパック(302)の底部からブリスタードーム(314)の最高点までの距離と本質的に等しいかまたはそれより高く、その結果、ブリスターパック(302)が座部(305)内に本質的に嵌め込まれるように構成されていることができる。
【0028】
一実施形態では、カセット(300)は、座部(305)内に位置決めされた時に、前記ブリスターパック(302)を覆うように構成された蓋を備える。一実施形態では、この蓋は、ブリスターパック(302)に押し付けられて、ブリスターパックからバッファー溶液を放出させるように構成されている。
【0029】
好ましい実施形態では、前記カセットの上部は、前記ブリスターパック(302)を受容するように構成された座部(305)と、前記ブリスターを覆うハウジング(306)とを備える。組み立てられたカセットでは、ブリスターパック(302)は、ハウジング(306)が前記ブリスターを覆った状態で座部内に位置決めされる。キットは、好ましくは、ブリスターパック(302)が座部(302)内にあり、ハウジング(306)が前記ブリスターを覆った状態で、組み立てられたカセット(300)として提供される。このため、一実施形態では、ブリスター(302)は、ハウジング(306)が前記ブリスターパックを覆った状態で、カセットの座部(305)内に挿入される。ハウジングは、典型的には、上部(309)および下部を備える。一実施形態では、ハウジング(306)は、ボタンの下部から突出する、少なくとも1つの第1の(好ましくは1組の)ロック部材(307)と、少なくとも1つの(好ましくは1組の)第2のロック部材(308)とを備える。一実施形態では、少なくとも1つの(好ましくは1組の)第1のロック部材(307)により、ハウジングがカセット内の前記ブリスターパックを覆う位置に固定される。この位置では、ブリスターパック(302)を備えるカセットが、使用準備完了状態(「ボタンアップ位置」)にある。また、第1のロック部材(307)により、カセットがユーザにより分解されることも防止される。別の実施形態では、少なくとも1つ(好ましくは1組)の第2のロック部材(308)により、ハウジングがカセット内の作動位置に固定される。この位置では、カセットは、バッファー溶液を放出するために穿孔されたブリスターパック(302)を備える作動(使用)状態(「ボタンダウン位置」)にある。ハウジングは、この位置でロックされており、使用されていないカセットと誤ってカセットを取り違えることはない。ロック部材(308,307)は、典型的には、カセット(300)の座部(305)の対応する開口部に把持するフック等のように形成される。一実施形態では、少なくとも1つの第1のロック部材(307)は、前記少なくとも1つの第2のロック部材(308)より長い。
【0030】
このため、ブリスターパック(302)を覆い、ブリスターパック(302)の位置を座部(305)内に固定するのとは別に、ハウジング(306)または蓋は、典型的には、ハウジングを座部(305)に向かって押し下げることによりブリスター(302)からバッファー溶液を放出させるためのボタンとして使用されるように構成されている。
【0031】
ハウジングの内部は、座部(305)内のブリスターパック(302)の配置に寄与する構造を備えてもよい。一実施形態では、ハウジング(306)は、ブリスターパック(302)を座部(305)内に配置し、位置決めするように構成された配置部材を備える。別の実施形態では、ハウジング(306)は、前記ブリスター(302)を座部(305)内に配置し、位置決めし、ブリスターパック(302)上に均一な圧力を確保するように構成された配置部材を備える。
【0032】
ブリスターパック(302)を覆い、ブリスターパック(302)の位置を座部(305)内に固定するのとは別に、ハウジングは、典型的には、ハウジングを座部(305)に向かって押し下げることによりブリスター(302)からバッファー溶液を放出させるためのボタンとして使用されるように構成されている。一実施形態では、ハウジング(306)の上部は、ボタン(309)の上部の凹形状、凸形状または粗い上面等、ボタンの摺動を指により妨げるように構成されている。
【0033】
座部(305)の底部は、典型的には、ブリスターパック(302)の底部に向いた1つ以上の突出部(312)を備える。ハウジングが、座部(305)に向かって押されると、1つ以上の突出部(312)により、ブリスター底部フィルム(315)が穿孔され、ブリスター(302)からバッファー溶液が放出される。このため、一実施形態では、座部の底部は、少なくとも1つの突出部(312)を備える。別の実施形態では、突出部(312)は、前記座部(305)の中央に位置決めされる。更なる実施形態では、突出部(312)は、前記ハウジング(306)が座部(305)に向かってハウジングを押すことにより作動された時に、ブリスターパック(302)の底部を穿孔し、ブリスターパック(302)からバッファー溶液を放出するように構成されている。
【0034】
一実施形態では、突出部(312)は、突出部の頂部から座部の底部までかつ座部の底部を通って延在する中央管状ダクト(313)を備える。中央管状ダクト(313)により、穿孔されたブリスターパック(302)から多孔質支持アセンブリ(301,100)へのバッファー溶液の通過が可能となる。別の実施形態では、中央管状ダクト(313)は、前記ハウジング(306)が作動されると、ブリスターパック(302)からのバッファー溶液の通過を可能にするように構成されている。このダクトは、突出部がブリスター底部フィルム(315)を破壊する時の圧力を低減し、それにより、座部(305)およびカセットの他の部分がバッファー溶液で不要に飛び散るのを防止するために含まれる場合がある。
【0035】
本発明の一実施形態では、座部(305)は、ブリスターパック(302)から放出されたバッファー溶液が多孔質支持アセンブリ(301,100)と接触することが可能となるように構成された開口部(316)を備える。開口部(316)は、バッファーがブリスターパック(302)から放出された時に、多孔質支持アセンブリ(301,100)へのバッファー溶液の均一な分散を提供するのに寄与する。座部は、1つ以上の開口部(316)、例えば、2つ、3つ、4つまたは5つの開口部(316)を備えることができる。開口部(316)の形状は、例えば、円形、長方形、三角形であることができる。座部(305)は、例えば、3つの開口部(316)、例えば、ファンブレードの形状を有する、すなわち、座部(305)の周囲付近で広く、中央に向かって狭くなる3つの開口部(316)を備えることができる。
【0036】
好ましくは、カセットは、シム(310)を備える。一実施形態では、カセットは、前記ブリスターパック(302)およびシム(310)を受容するように構成された座部(305)を備え、前記シムは、ブリスターパック(302)と前記座部(305)の底部との間に配置される。シムは、ブリスター底部フィルム(315)のための支持体として機能し、ブリスターパック(302)からのバッファー溶液の放出を制御する、例えば、バッファー溶液の破裂放出を防止するのに寄与する。
【0037】
一実施形態では、シム(310)は、水不透過性材料製である。別の実施形態では、シム(310)は、ポリプロピレン(PP)、アルミニウム、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリアミド(PA)またはそれらの組み合わせからなる群から選択される材料製である。別の実施形態では、シム(310)は、カセットの下部に向かって下向きに面する側上、ブリスターに向かって上向きに面する側または両側上の接着剤である。
【0038】
一実施形態では、シム(310)は、中央孔(311)を有する。この孔の形状および直径は、変化する場合がある。一実施形態では、シムは、2mm~5mmの範囲、好ましくは、3mmまたは約3mmの直径を有する。この孔のサイズは、ブリスターの穿孔およびからのバッファー溶液の放出を作動させるために必要な力の量ならびに多孔質支持アセンブリ(301,100)におけるバッファー/サンプル移動の開始に影響を及ぼす。
【0039】
一実施形態では、シム(310)は、座部(305)の一体化された部材である。別の実施形態では、シム(310)は、ブリスターパック(302)と前記座部(305)の底部との間に配置された別個の部品である。
【0040】
一実施形態では、カセットは、乾燥剤の錠剤、カプセル剤または小袋を備える。乾燥剤の錠剤、カプセル剤または小袋の位置を、カセット(300)の底部にある支持ピンにより固定することができる。
【0041】
本発明のキットの別個のスワブは、ほ乳類の皮膚表面から試験サンプルを収集するのに適した構成である。好ましい実施形態では、ほ乳類は、ヒトである。スワブ(200,301)は、支持部材(202)を備え、それに、サンプル収集パッド(201,101)が、好ましくは、支持部材の片側に取り付けられている。支持部材(202)は、典型的には、例えば、サンプル収集パッド(201,101)を皮膚上に置き、支持部材(202)を使用してパッドを皮膚の周りに移動させて移動を制御することにより、サンプルが皮膚から収集される時のハンドルとして使用される。
【0042】
一実施形態では、支持部材は、細長く、例えば、部材の長さは、部材の幅の少なくとも2倍、例えば、部材の幅の2.5倍、例えば、部材の幅の3倍、例えば、部材の幅の少なくとも4倍である。一実施形態では、支持部材は、フィンガーグリップとして構成された1つの近位端(203)と、前記サンプル収集パッド(201,101)が取り付けられている反対側の遠位端(204)とを有するように構成されている。近位端(203)の形状は、2本以上の指の間で支持部材(202)のしっかりとした把持を可能にするように構成されていることができる。
図2に、支持部材(202)の近位端(203)の幅が、より良好なフィンガーグリップを提供するように延長されている例が開示される。このため、一実施形態では、支持部材の近位端(203)は、遠位端(204)より幅が広い。一実施形態では、支持部材の近位端(203)の面積および形状は、成人の親指の髄に対応する。これにより、支持部材のしっかりとした把持が可能となる。
【0043】
一実施形態では、支持部材(202)は、支持部材の長手方向軸または両方の軸に沿って可撓性である。支持部材(202)は、サンプル収集パッド(201,101)が皮膚に押し付けられ、サンプル材料を収集するために皮膚の周りを移動する時に、支持部材(202)がわずかに曲がるであろうように、可撓性材料である材料製であることができる。支持部材(202)の可撓性により、皮膚を傷つけるリスクが低減される。好ましい実施形態では、支持部材(202)は、プラスチック材料製であり、例えば、支持部材(202)は、プラスチック材料製であることができ、プラスチック材料の厚さは、長手方向軸に沿って支持部材(202)を可撓性にする、約2mm未満、例えば、1mm以下、例えば、2mm~0.5mm、例えば、2~1mmである。
【0044】
本発明の好ましい実施形態では、支持部材(202)の遠位端(204)は、サンプル収集パッド(201,101)により覆われるように構成された開口部(205)を備える。この実施形態では、支持部材(202)に取り付けられたサンプル収集パッド(201,101)は、開口部およびその周囲を覆う。一実施形態では、前記サンプル収集パッド(201,101)は、前記サンプル収集パッドが前記開口部(205)を覆うように、支持部材(202)に取り付けられている。
【0045】
サンプル収集パッド(201,101)は、開口部の周囲に近い支持部材(202)に取り付けられ得る。サンプル収集パッド(201,101)は、開口部の周囲からさらに離れて支持部材(202)に取り付けられてもよい。サンプル収集パッド(201,101)は、典型的には、支持部材(202)の片側に取り付けられる。一実施形態では、開口部(205)の面積は、サンプル収集パッド(201,101)の面積の少なくとも50%、例えば、サンプル収集パッドの面積の少なくとも60%、例えば、サンプル収集パッドの少なくとも70%、例えば、サンプル収集パッドの少なくとも70%、例えば、サンプル収集パッドの少なくとも80%、例えば、サンプル収集パッドの少なくとも90%、例えば、サンプル収集パッドの少なくとも95%に対応する。
【0046】
カセット(300)に挿入されると、スワブ(200)のサンプル収集パッド(201,101)は、多孔質支持アセンブリ(100)の一部を形成する。すなわち、サンプル収集パッドは、アセンブリの他の要素と接触する。開口部により、多孔質支持アセンブリ内でのラテラルフローを容易にするために、流動バッファーの添加のためのサンプル収集パッド(201,101)へのアクセスが可能となる。本発明の文脈において、ランニングバッファーは、多孔質支持アセンブリにおけるラテラルフローを容易にするのに適した任意の液体バッファー、例えば、PBSバッファーである。
【0047】
サンプル収集バッド(201,101)は、皮膚上で試験サンプルを収集し、その後、多孔質支持アセンブリ(100)と嵌合し、その一部を形成し、試験サンプルを多孔質支持アセンブリ(100)に放出するのに適した材料製である。一実施形態では、サンプル収集パッド(201,101)は、セルロース材料、セルロース誘導体、例えば、ニトロセルロース、ポリエーテルスルホン、ポリエチレン、ナイロン、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリエステル、ポリプロピレン、ガラス繊維、綿または布製である。好ましい実施形態では、サンプル収集パッド(201,101)は、セルロース材料、セルロース誘導体、例えば、ニトロセルロース製である。
【0048】
サンプル収集パッド(201,101)は、シート等の形態にあることができる。一実施形態では、サンプル収集パッド(201,101)は、1つ以上のシートの層等、例えば、2つのシートの層の形態にある。
【0049】
サンプル収集パッド(201,101)の平均厚さは、好ましくは、2mm未満であり、例えば、1~0.80mmの範囲にあり、好ましくは、1mm未満、例えば、0.95mm未満、例えば、0.85mm未満であり、例えば、0.85~0.80mmの範囲にあり、例えば、0.83mmである。一実施形態では、サンプル収集パッド(201,101)は、2つのシートの層の形態にあり、各シートの厚さは、0.50mm未満であり、例えば、0.49~0.40mmの範囲にある。
【0050】
1種以上の試験分析物の吸収間の任意の偏りまたはサンプル収集パッド(201,101)からの1種以上の試験分析物の放出における任意の偏りを防止しまたは低減するために、サンプル収集パッド(201,101)を、ブロッキングバッファー(すなわち、サンプル収集パッドへの1種以上の分析物の望ましくない結合を最小限にするバッファー)により前処理することができる。一実施形態では、ブロッキングバッファーは、1%のBSAを含むPBSバッファーまたは10mMのホウ酸塩、3%のBSA、1%のPVP-40および0.25%のTriton X100(pH8.0)を含むバッファーである。
【0051】
特定の実施形態では、サンプル収集パッド(201,101)は、ブロッキングバッファーで前処理されたセルロース材料またはセルロース誘導体、例えば、ニトロセルロースの形態にあり、サンプル収集パッド(201,101)は、0.85~0.80mmの範囲、例えば、0.83mmの厚さを有する。
【0052】
実施形態において、カセット(300)は、前記サンプル収集パッド(201,101)を受容するように構成されたサンプルポート(318)を備える。
【0053】
一実施形態では、スワブ(200)は対称である。このため、一実施形態では、カセットのサンプルポート(318)へのスワブ(200)の挿入は、向きに特有ではない。本発明の別の実施形態では、別個のスワブ(200)の支持部材(202)は、前記支持部材(202)の遠位端(204)の縁部上またはその近くに切り口(206)を備える。カセット(300)は、スワブがカセット(300)のポート(318)に挿入された時に、支持部材(202)上の切り口(206)と嵌合し、前記支持部材(202)の遠位端(204)を方向付け、位置決めする隆起部(303)を備える。このため、隆起部/切り口構成により、スワブ、特に、サンプル収集パッド(201,101)が、カセット(300)内で正しく方向付けられ、位置決めされるのが確実となる。このため、隆起部/切り口構成により、スワブ(200)のサンプル収集パッド(201,101)が多孔質支持アセンブリ(100)の一部を形成する、すなわち、サンプル収集パッドがアセンブリの他の要素と接触するように、スワブ、特に、サンプル収集パッド(201,101)のみが、カセット(300)に挿入され得ることが確実となる。したがって、一実施形態では、別個のスワブ(200)は、前記支持部材(202)の遠位端(204)の縁部上またはその近くに切り口(206)を備え、カセット(300)は、支持部材上の切り口(206)と嵌合する隆起部を備えるサンプルポート(318)を備え、その結果、カセット(300)に挿入されると、スワブ(200)のサンプル収集パッド(201,101)は、多孔質支持アセンブリ(100)の一部を形成する、すなわち、サンプル収集パッドは、アセンブリの他の要素と接触する。
【0054】
サンプルポート(318)は、サンプル収集パッドが挿入位置にある時に、ポート(318)を通るバッファー溶液の逆流を防止するために、ポートをシールするための構造要素を備えることができる。一実施形態では、サンプル収集パッド(201,101)または支持部材(202)に取り付けられたサンプル収集パッド(201,101)は、サンプル収集パッド(201,101)または支持部材(202)に取り付けられたサンプル収集パッド(201,101)がサンプルポート(318)に挿入された時に、バッファー溶液がサンプルポート(318)を通って漏出するのを防止する厚さを有する。
【0055】
一実施形態では、サンプルポート(318)は、サンプル収集パッド(201,101)を前記多孔質支持アセンブリ(100,301)の上に接触させて位置決めするように構成された1つ以上のレールを備える。別の実施形態では、カセット(300)は、カセット(300)内のサンプル収集パッド(201,101,301)の位置が固定されるように、前記多孔質支持アセンブリ(100,301)の遠位端を受容するように構成されたポート(318)を備える。
【0056】
本発明の文脈において、ラテラルフローという用語は、液体(試験分析物を含む)の溶解されまたは分散された成分が多孔質支持アセンブリ(100、キャピラリーベッド、試験ストリップまたはラテラルフローストリップとも呼ばれる)を通って液体と共に横方向に移動する液体流を指す。ただし、成分は、永久的に捕捉されないかまたは液体中での移動から除外される他の手段により捕捉されるという条件である。このようなラテラルフローによるアッセイは、ラテラルフローアッセイと呼ばれる。多孔質支持アセンブリが、非吸水性材料製であることが好ましい場合、液体中の成分は、キャピラリーベッドを通って本質的に等しい速度で移動するであろう。多孔質支持アセンブリが、吸水性材料製である場合、1種以上の成分の移動は、この材料により影響を受ける場合がある。多孔質支持アセンブリが、吸水性材料を含むかまたはそれからなる場合、この材料は、多孔質支持アセンブリの特性を変化させるために、ブロッキング剤、例えば、BSAを含むPBSバッファーで処理され得る。その結果、流動特性は、非吸水性材料の流動特性と同一または本質的に同一となる。
【0057】
ラテラルフローアッセイは、毛管力の作用により流体を輸送する能力を有する多孔質支持アセンブリ(100)-キャピラリーベッド(例えば、多孔質紙または焼結ポリマー)-に基づく。多孔質支持アセンブリ(100)は、多孔質支持要素のアセンブリであり、これらの要素同士が、流体(例えば、ランニングバッファー)がアセンブリに適用される時に流体連通する。多孔質支持アセンブリ(100)の多孔質支持要素の1つは、サンプル収集パッド(101,200)であり、これは、スワブがカセット(300)内の挿入位置にある時に、多孔質支持アセンブリ(100)の一部となる。多孔質支持アセンブリ(100)は、ラテラルフローアッセイストリップとも呼ばれる。
【0058】
本発明の一実施形態では、ラテラルフロー装置は、それが前記スワブに取り付けられたサンプル収集パッドと嵌合された時に、多孔質支持アセンブリ(100)を形成するように構築され、サンプル収集パッドと嵌合したカセット(300)は、溶出ゾーン(101)、コンジュゲートゾーン(102)および検出領域(DA)を備える。
【0059】
コンジュゲートゾーンは、多孔質支持アセンブリ(100)、例えば、多孔質支持ストリップ(107)のより大きな多孔質要素の一体化された部分である場合がある。また、コンジュゲートゾーンは、多孔質支持アセンブリ(100)の要素の形態にある場合もある。好ましい実施形態では、コンジュゲートゾーンは、コンジュゲートパッド(102)の形態にある。
【0060】
サンプル収集パッド(101,200)は、スポンジとして機能し、試験サンプルを保持する。それが浸漬されると、1種以上の試験分析物を含有する試験サンプルは、サンプル収集パッド(101,200)から多孔質支持アセンブリ(100)の隣接する要素に移動するであろう。サンプル収集パッド(101,200)と多孔質支持アセンブリの隣接する要素との間の中間相は、溶出ゾーンと呼ばれる。多孔質支持アセンブリの隣接する要素は、典型的には、好ましくは、コンジュゲートパッド(102)の形態にあるコンジュゲートゾーンである。コンジュゲートゾーン/コンジュゲートパッド(102)は、典型的には、1種以上のインジケータ親和性分子、例えば、試験サンプル内の1種以上の試験分析物に結合するように設計された検出プローブが標識された親和性分子)を含有する。試験サンプルおよび1種以上の親和性分子が混合され、試験サンプル内の1種以上の試験分析物に対する親和性を有する1種以上の親和性分子は、検出ゾーン(105)を含有する場合があり、インジケータゾーン(106)を含有する場合がある検出領域(DA)にさらに移動しながら互いに結合するであろう。検出ゾーン(105)およびインジケータゾーン(106)は両方とも、別のセットの1種以上の親和性分子が固定されている1つ以上のストライプを有する。コンジュゲートパッドからの親和性分子と混合された試験サンプルが、検出領域(DA)に到達するまでに、試験サンプル内の1種以上の分析物は、コンジュゲートパッドからの親和性分子に結合されているであろう。ついで、この複合体は、検出ゾーン(105)中のストライプ上の親和性分子により結合されるであろう。しばらくして、ますます多くの流体が、検出ゾーンを通過すると、検出プローブが蓄積し、ストライプの色が変わる。検出プローブは、例えば、検出プローブが標識された親和性分子を調製するために、親和性分子にコンジュゲートされた金またはラテックス粒子であることができる。また、検出領域(DA)は、ラテラルフローアッセイが適切に行われたことを検証するためのコントロールとして機能し得るインジケータゾーン(106)を備えることができる。また、このようなインジケータゾーン(106)は、コンジュゲートパッドからの検出プローブが標識された親和性分子にのみ結合する親和性分子が固定化された1つ以上のストライプも備えることができる。一方、検出ゾーン(105)中の親和性分子は、分析物とインジケータ親和性分子、例えば、コンジュゲートパッドからの検出プローブが標識された親和性分子との間の複合体に結合する。検出領域(DA)を通過した後に、流体は、ウィッキングパッド(104)に入る。これは、通常、多孔質支持アセンブリ(100)全体を通って移動した流体を受容する。このため、一実施形態では、検出領域(DA)は、1種以上の試験分析物を選択的に保持するための1種以上の親和性分子を含有する検出ゾーン(105)と、任意に、1種以上のインジケータ親和性分子を選択的に保持するための1種以上の親和性分子を含有するインジケータゾーン(106)とを備える。
【0061】
検出ゾーン(105)は、インジケータゾーン(106)の上流または下流に位置することができる。検出器ゾーンまたはインジケータゾーン内のラインまたはストライプは、試験サンプルの流れに対して実質的に垂直な方向に配設することができる。一部の実施形態では、このラインは、試験サンプルの流れに実質的に平行な方向であってもよい。検出ゾーン(105)またはインジケータゾーン(106)内のラインまたはストライプは、ラインまたはストライプである必要はなく、他の形状、例えば、ドットまたはパターン等であることもできる。
【0062】
一実施形態では、カセットは、ウィッキングパッド(104)をさらに備える。ウィッキングパッドは、多孔質支持アセンブリ(100)の一部であり、毛管作用およびサンプルパッド(101)、コンジュゲートパッド(102)から検出領域(DA)を通る流体の流れを促進するのを補助することができる。
【0063】
別の実施形態では、カセットは、溶出ゾーンから離れて面する前記多孔質支持アセンブリ(100)の裏面上にバッキング材料(108)を備える。バッキング層(108)は、多孔質支持アセンブリ(100)を通って流れる流体がバッキング層(108)を通って漏出しないように、液体不透過性である。支持体に適した材料の例は、ガラス;ポリマー材料、例えば、ポリスチレン、ポリプロピレン、ポリエステル、ポリブタジエン、ポリ塩化ビニル、ポリアミド、ポリカーボネート、エポキシド、メタクリレートおよびポリメラミンを含むが、これらに限定されない。
【0064】
多孔質支持アセンブリ(100)は、2つ以上の多孔質要素、例えば、1つ以上の多孔質要素とサンプル収集パッド(201,101)とのアセンブリであり、この場合、サンプル収集パッドを備えるスワブ(200)は、ラテラルフローアッセイデバイス(300)に挿入される。これらの要素は、好ましくは、膜、例えば、シート状膜の形態にある。多孔質支持アセンブリ(100)は、4mm以下(例えば、4、3、2、1mm未満)の厚さと、その厚さより大きい幅および長さの両方とを有する場合がある。一部の実施形態では、多孔質支持アセンブリ(100)の幅および長さは両方とも、厚さより大きい(例えば、3、4、5、6、7、8、9、10、50倍以上または4、5、6、7、8、9、10、50倍まで)。一部の実施形態では、多孔質支持アセンブリ(100)は、四角形、例えば、長方形であり、一部の実施形態では、多孔質支持アセンブリ(100)は、円形である。多孔質支持アセンブリ(100)が、不規則な形状、すなわち、正方形または長方形とは異なる形状である場合には、幅、長さおよび厚さは、このような不規則な形状の最大値を指す。例えば、円径の幅は直径であろう。幅および長さの例は、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、35、40mm、例えば、5~30mmの範囲等の幅および長さである場合がある。
【0065】
このため、一実施形態では、カセット(300)の多孔質支持アセンブリ(100)は、4mm以下に等しい平均厚さと、その厚さより大きい幅および長さの両方とを有し、カセットは、多孔質支持アセンブリの幅および長さにより形成される平面の方向にラテラルフロー方向(L)を有するように構成されている。
【0066】
実施形態において、多孔質支持アセンブリ(100,301)は、検出領域(DA)を備え、前記カセット(300)は、検査窓(317)を備える。更なる実施形態では、検査窓(317)は、検出領域(DA)の目視検査のために構成されている。別の実施形態では、検査窓(317)は、検出領域(DA)の全領域上に入射光を確保するように構成されている。さらに別の実施形態では、カセット(300)の上部(303)の上面は、検出領域(DA)の画像検出および/または検出領域(DA)の向きの画像検出に適した少なくとも1つの基準点、例えば、検査窓(317)の印刷マークおよび/もしくは形状またはカセット(300)の形状を備える。
【0067】
サンプル内の1種以上の試験分析物の存在を検出しまたは定量するための方法
本発明の一態様は、1種以上の試験分析物の存在または量を検出するための方法であって、
下記の工程:
a)サンプルパッドを使用してほ乳類、例えば、ヒトの皮膚表面から得られる試験サンプルを含む、本明細書で定義されたサンプル収集パッド(201,101)を提供する工程と、
b)前記試験サンプルを含有する前記サンプル収集パッド(201,101)を、本明細書で定義された、多孔質支持アセンブリ(100,301)を備えるカセット(300)およびバッファー溶液を含むブリスターパック(302)および前記ブリスターを覆うハウジング(306)内に挿入する工程と、
c)ハウジング(306)を動作させて穿孔し、前記バッファー溶液を分注する工程と、
d)バッファー溶液および試験サンプルが、多孔質支持アセンブリ(100,301)を通って移動するのを可能にする工程とを含む、方法に関する。
【0068】
このアッセイにより、結果が評価される、すなわち、1種以上の試験分析物がサンプル中に存在するかどうかが決定され、任意に、1種以上の試験分析物の量が決定される前での展開が可能となる。
【0069】
一実施形態では、前記サンプル収集パッド(201,101)は、別個のスワブ(200)を提供するために、支持部材(202)に取り付けられる。
【0070】
対象は、ほ乳類、好ましくは、ヒトである。試験サンプルは、ほ乳類の皮膚、好ましくは、ヒトの皮膚に適用されるサンプル収集パッド(201)、例えば、サンプル収集パッド(201)を備える別個のスワブ(200)を使用して得ることができる。皮膚の領域は、例えば、額、頬、内側腕または通常太陽に曝される腕の部分であってもよい。別個のスワブは、所定の面積、例えば、5cm2を超えない面積に適用され得る。また、別個のスワブは、所定の時間、例えば、5秒または30秒適用されてもよい。また、試験サンプルは、スワブの所定の動き、例えば、皮膚上のスワブのz字型の動きを適用することにより収集され得る。
【0071】
1種以上の試験分析物の吸収間の任意の偏りまたはサンプル収集パッド(201,101)からの1種以上の試験分析物の放出における任意の偏りを防止しまたは低減するために、サンプル収集パッド(201,101)は、ブロッキングバッファーで前処理され得る。一実施形態では、ブロッキングバッファーは、1%のBSAを含むPBSバッファーまたは10mMのホウ酸塩、3%のBSA、1%のPVP-40および0.25%のTriton X100(pH8.0)を含むバッファーである。
【0072】
サンプリングを、サンプル収集パッド(201)を固定量の流体で湿潤させることにより補助することができる。好ましい実施形態では、別個のスワブ(200)のサンプル収集パッド(201)は、サンプル収集の前に、バッファー(例えば、固定量のバッファー)で予め湿潤される。バッファーは、任意の適切なバッファー、例えば、PBSバッファーであることができる。サンプル収集パッドを予め湿潤させるのに使用されるバッファーは、この手順のラテラルフローアッセイ工程においてランニングバッファーとして使用されるのと同じバッファーであることができる。
【0073】
別の好ましい実施形態では、ランニングバッファーは、カセット(300)に挿入されたサンプル収集パッドに添加される。ランニングバッファーは、多孔質支持アセンブリ(100)におけるラテラルフローおよびアッセイの展開を容易にしまたはこれらに十分な流体を提供するために、ラテラルフローアッセイ装置に挿入されたサンプル収集パッドに添加される。
【0074】
本発明のキットを、サンプル収集パッド(201,101)、例えば、別個のスワブ(200)を使用して得られた皮膚上に存在する分析物を試験するのに使用され得る。この場合、サンプル収集パッド(201,101)は、支持部材(202)に取り付けられている。一実施形態では、1種以上の試験分析物は、ほ乳類の皮膚上に存在するケモカイン、インターロイキン、成長因子、ホルモン、酵素および他の分子からなるリストから選択され、例えば、IL-1a、IL-1b、IL-1RA、IL-8、CCL-2、CCL-5、CCL-27、CXCL-1、CXCL-2、CXCL-9、Trappin2/Elafin、hBD-1、hBD-2、VEGFおよびTSLPからなるリストから選択される。好ましい実施形態では、試験分析物は、IL-8、IL-1aおよびIL-1RAの組み合わせである。
【0075】
言及されたように、本発明のキットは、本明細書に定義されたサンプル収集パッド(201,101)を使用して、皮膚から得られる試験サンプル内の1種以上の試験分析物の存在または非存在を検出するためのポイントオブケア用途のためのものである。読み出しを、視覚的に、すなわち、検出ゾーン(105)において試験ストライプとも呼ばれる1つ以上の着色された試験ラインの存在または非存在により行うことができ、試験の確認/検証を、インジケータゾーン(106)における1つ以上の着色されたインジケータライン/ストライプの存在および/または非存在により行うことができる。試験は、定性的(存在または非存在)かつ定量的であることができ、検出/定量を、読み取り機器により補助することができまたはラテラルフローアッセイのユーザの目による純粋に視覚的な検出であることができる。
【0076】
必要に応じて、一部の実施形態では、プローブの強度を測定するのに適した読み取り機器、例えば、光学読み取り装置を使用することができる。光学読み取り装置の実際の構成および構造は、一般的には、測定されるプローブに応じて変化し得る。例えば、利用することができる光学検出技術は、発光(例えば、蛍光、リン光等)、吸光度(例えば、蛍光または非蛍光)、回折等を含むが、これらに限定されない。分析物の存在または濃度の定性的、定量的または半定量的決定を、本発明に従って達成することができる。例えば、分析物の量を、検出ゾーン(105)およびインジケータゾーン(106)に結合した検出プローブにより生じるシグナルの強度を使用することにより、定量的または半定量的に決定することができる。
【0077】
好ましい実施形態では、検出領域(DA)の画像を、画像をキャプチャするのに適したデバイス、例えば、カメラを備える携帯電話を使用してキャプチャする。その後、画像を、画像プロセッサおよびデータベースを備えるコンピュータシステム(例えば、遠隔に配置されたサーバ)に送信することができ、そこで、画像を、画像特徴を抽出し、特徴をデータベースに記憶された対応する特徴と比較することにより分析する。ついで、コンピュータシステムは、前記画像特徴に基づいて、出力データを生成することができ、この出力データを、ユーザに送信する、例えば、画像をキャプチャするのに使用された携帯電話に返信することができる。
【0078】
このため、本発明の一実施形態では、本発明の方法は、e)検出領域(DA)の画像をキャプチャし、画像プロセッサおよびデータベースを備えるコンピュータシステムに前記画像を送信する工程をさらに含み、画像特徴を、画像プロセッサにより画像から抽出し、前記画像特徴を、前記データベースに記憶し、前記コンピュータシステムは、前記画像特徴に基づいて、少なくとも1つの出力データを生成する。更なる実施形態では、画像を、画像をキャプチャするように構成されたモバイルデバイス、例えば、携帯電話を使用してキャプチャする。更なる実施形態では、コンピュータシステムにより生成された出力データを、モバイルデバイスに送信する。
【0079】
さらに別の実施形態では、カセット(300)の上部(303)の上面は、検出領域(DA)の画像検出および/または検出領域(DA)の向きの画像検出に適した少なくとも1つの基準点を備える。
【0080】
このため、本発明の一実施形態では、本発明の方法は、e)検出領域(DA)の画像をキャプチャし、画像プロセッサおよびデータベースを備えるコンピュータシステムに前記画像を送信する工程をさらに含み、カセット(300)の上部(303)の上面は、検出領域(DA)の画像検出および/または検出領域(DA)の向きの画像検出に適した、前記画像をキャプチャするためのデバイスにより認識される少なくとも1つの基準点を備える。一実施形態では、前記少なくとも1つの基準点は、検査窓(317)の印刷マークおよび/もしくは形状またはカセット(300)の形状である。
【0081】
本発明の更なる態様は、カメラを備える電子デバイスにおいて対象の皮膚状態を評価するための方法であって、
ユーザインタフェースを介して、対象の皮膚状態の評価のためのリクエストを取得する工程と、
ユーザインタフェースを介して、
前記対象を識別するデータ、
1種以上の試験分析物を検出するのに使用される試験装置の検出領域(DA)、好ましくは、1種以上の試験分析物を検出するのに使用され、ほ乳類、好ましくは、ヒトの皮膚の表面から得られ、試験装置から距離を置いて配置されたカメラを使用して記録される、本発明のラテラルフロー装置の検出領域(DA)の少なくとも1つの画像を含むユーザ入力を取得する工程と、
対象を識別するデータに基づいて、前記対象を登録する工程と、
前記少なくとも1つの画像を含むユーザ入力を処理する工程と、
対象の皮膚状態の評価を生成する工程と、
ユーザインタフェースに、皮膚状態の前記評価を出力しかつ/または皮膚状態に対応するスキンケアのための推奨を出力する工程とを含む、方法に関する。
【0082】
一実施形態では、この方法は、
ユーザインタフェースを介して、性別および年齢からなるリストから選択される前記対象についての少なくとも1つの客観的入力データパラメータを含むユーザ入力を取得する工程と、
前記少なくとも1つの客観的入力データパラメータを含むユーザ入力を処理する工程とをさらに含む。
【0083】
更なる実施形態では、この方法は、
ユーザインタフェースを介して、皮膚乾燥およびスキンケアルーチンからなるリストから選択される前記対象についての少なくとも1つの主観的入力データパラメータを含むユーザ入力を取得する工程と、
前記少なくとも1つの主観的入力データパラメータを含むユーザ入力を処理する工程とをさらに含む。
【0084】
一実施形態では、この方法は、
ユーザインタフェースを介して、温度、湿度、太陽時および汚染からなるリストから選択される前記対象の居住地についての少なくとも1つの入力データパラメータを含むユーザ入力を取得する工程と、
前記対象の居住地についての前記少なくとも1つの主観的入力データパラメータを含むユーザ入力を処理する工程とをさらに含む。
【0085】
更なる実施形態では、ユーザインタフェースに出力される皮膚状態の前記評価は、スキンケアのための推奨を含む。一実施形態では、前記カメラは、試験装置の検出領域の所定の形状を検出するように構成されている。更なる実施態様では、前記カメラは、ラテラルフロー装置の前記免疫クロマトグラフィー試験ストリップ上の検出領域の目視検査のために構成された検査窓の形状を検出するように構成されている。
【0086】
一実施形態では、前記検出領域は、1種以上の試験分析物を選択的に保持し、存在する各試験分析物の可視マーカ、例えば、スポットまたはバンドを生成するための1種以上の親和性分子を含有する1つ以上の検出ゾーンを備える。
【0087】
別の実施形態では、コンピュータデバイスのプロセッサは、前記マーカの強度を検出し、マーカ強度に基づいて、検出された各マーカについての数値を割り当てるように構成されている。
【0088】
更なる実施形態では、皮膚状態の前記評価を、ユーザインタフェースにグラフィカルに表示する。一実施形態では、ユーザ入力を、データベースに記憶する。別の実施形態では、プロセッサは、皮膚状態の評価に対応する所定の評価テキストまたはグラフィック表示を出力するように構成されている。さらに別の実施形態では、プロセッサは、皮膚状態に対応するスキンケアのための所定の推奨を出力するように構成されている。更なる実施形態では、プロセッサは、皮膚状態に対応するスキンケアのための所定の推奨を出力するように構成されており、この場合、前記所定の推奨を、スキンケアレジメンを提案する前記皮膚状態のための複数の推奨を含むデータベースから取得し、提案されるスキンケアレジメンは同一であり、前記複数の推奨の各推奨は、推奨の代替的な表現を表す。
【0089】
一実施形態では、プロセッサは、学習推奨ネットワークを含み、前記学習推奨ネットワークを使用して、予め定義された皮膚状態のための予め定義されたスキンケアレジメンを含むデータベースからスキンケアレジメンを取得して、前記スキンケアレジメンを含むスキンケアのための推奨を生成し、スキンケアのための前記推奨をユーザインタフェースに出力するように構成されている。
【0090】
別の実施形態では、学習推奨ネットワークは、前記客観的入力パラメータ、前記主観的入力パラメータおよび前記対象の居住地についての前記入力パラメータからなる群から選択される少なくとも1つの入力パラメータを使用する。
【0091】
別の実施形態では、電子デバイスは、前記ユーザ入力を処理し、皮膚状態の評価を生成するためのサーバコンピュータと相互接続される。更なる実施形態では、電子デバイスは、前記ユーザ入力を処理し、皮膚状態の評価を生成するためのサーバコンピュータと相互接続され、前記サーバコンピュータは、クラウドおよびリモートサーバコンピュータからなる群から選択される。
【0092】
一実施形態では、カメラを備える電子デバイスは、ハンドヘルド/ポータブルデバイス(例えば、スマートフォン)である。更なる実施形態では、電子デバイスは、iOSまたはAndroidから選択されるオペレーションシステムを有するハンドヘルド/ポータブルデバイスである。
【0093】
更なる態様は、先の主張のいずれかの方法を実行するように構成されたサーバコンピュータを備える、システムに関する。
【0094】
さらに別の態様は、コンピュータシステム上で実行された場合、先の主張のいずれかの方法を実行するためのプログラムで符号化された、コンピュータ可読媒体に関する。
【0095】
本明細書における「備える(comprising)」、「備える(comprise)」および「備える(comprises)」という用語は、本発明者らにより、任意に、あらゆる場合において、「からなる(consisting of)」、「からなる(consist of)」および「からなる(consists of)」という用語とそれぞれ置換可能であることが意図される。
【0096】
本発明の実施形態を説明する際に、明確にするために、特定の用語を頼るであろう。ただし、本発明は、そのように選択された特定の用語に限定されることを意図するものではなく、各特定の用語は、同様の目的を達成するために同様の方法作用する全ての技術的均等物を含むと理解される。
【0097】
本発明は、下記の非限定的な項目においてさらに説明する。
【0098】
項目1.ほ乳類の皮膚表面から得られた試験サンプル内の1種以上の試験分析物の存在または量を検出するためのキットであって、
a)多孔質支持アセンブリ(100,301)を形成する1つ以上の多孔質要素を備えたカセット(300)を備えるラテラルフローアッセイ装置であって、前記カセット(300)は、サンプル収集パッド(201,101)を受容し、保持するように構成されており、前記サンプルパッド(200,301)は、前記カセット(300)に挿入された時に、前記多孔質支持アセンブリ(100,301)と接触するように構成されている、ラテラルフローアッセイ装置と、
b)バッファー溶液を収容するブリスターパック(302)であって、前記カセット(300)は、前記ブリスターパック(302)を受容するように構成されている、ブリスターパック(302)と、
c)前記試験サンプルの収集に使用されるように構成されたサンプル収集パッド(201,101)とを備える、
キット。
【0099】
項目2.前記カセットが、上部(303)および下部(304)を備えることを特徴とする、項目1記載のキット。
【0100】
項目3.前記カセットの上部が、前記ブリスターパック(302)を受容するように構成された座部(305)を備えることを特徴とする、項目1または2記載のキット。
【0101】
項目4.前記カセットの上部が、前記ブリスターパック(302)を受容するように構成された座部(305)と、前記ブリスターを覆うハウジング(306)とを備えることを特徴とする、項目1から3までのいずれか1つ記載のキット。
【0102】
項目5.前記座部(305)の直径が、ブリスターパック(302)の下部の直径に等しいかまたはほぼ等しいことを特徴とする、項目1から4までのいずれか1つ記載のキット。
【0103】
項目6.ハウジングが、上部(309)および下部を備えることを特徴とする、項目1から5までのいずれか1つ記載のキット。
【0104】
項目7.ハウジング(306)が、ハウジングの下部から突出する、少なくとも1つの第1のロック部材(307)および少なくとも1つの第2のロック部材(308)を備えることを特徴とする、項目1から6までのいずれか1つ記載のキット。
【0105】
項目8.前記少なくとも1つの第1のロック部材(307)が、ハウジングを、前記ブリスターパックを覆う位置(「ボタンアップ位置」)でカセット内に固定することを特徴とする、項目1から7までのいずれか1つ記載のキット。
【0106】
項目9.前記少なくとも1つの第2のロック部材(308)が、ハウジングを、作動位置(「ボタンダウン位置」)でカセット内に固定することを特徴とする、項目1から8までのいずれか1つ記載のキット。
【0107】
項目10.前記少なくとも1つの第1のロック部材(307)が、前記少なくとも1つの第2のロック部材(308)より長いことを特徴とする、項目1から9までのいずれか1つ記載のキット。
【0108】
項目11.前記ハウジング(306)が、ブリスターパック(302)を座部(305)内に配置し、位置決めするように構成された配置部材を備えることを特徴とする、項目1から10までのいずれか1つ記載のキット。
【0109】
項目12.前記ハウジング(306)が、前記ブリスターパック(302)を座部(305)内に配置し、位置決めしかつブリスターパック上に均一な圧力を確保するように構成された配置部材を備えることを特徴とする、項目1から11までのいずれか1つ記載のキット。
【0110】
項目13.前記ブリスターパック(302)が、ハウジング(306)が前記ブリスターパックを覆った状態で、カセットの座部(305)内に挿入されることを特徴とする、項目1から12までのいずれか1つ記載のキット。
【0111】
項目14.前記ハウジング(306)が、ボタンの摺動を指により妨げるように構成されたハウジング(306)の上部、例えば、ボタンの上部の凹形状、凸形状または粗い上面を備えることを特徴とする、項目1から13までのいずれか1つ記載のキット。
【0112】
項目15.前記カセットの上部(303)が、前記ブリスターパック(302)およびシム(310)を受容するように構成された座部(305)を備え、前記シムが、ブリスターパック(302)と前記座部(305)の底部との間に配置されることを特徴とする、項目1から14までのいずれか1つ記載のキット。
【0113】
項目16.前記シム(310)が、水不透過性材料製であることを特徴とする、項目1から15までのいずれか1つ記載のキット。
【0114】
項目17.前記シム(310)が、ポリプロピレン(PP)、アルミニウム、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリアミド(PA)またはそれらの組み合わせからなる群から選択される材料製であることを特徴とする、項目1から16までのいずれか1つ記載のキット。
【0115】
項目18.前記シム(310)が、カセットの下部に向かって下向きに面する側、ブリスターに向かって上向きに面する側または両側上の接着剤であることを特徴とする、項目1から17までのいずれか1つ記載のキット。
【0116】
項目19.前記シム(310)が、中央孔(311)を有することを特徴とする、項目1から18までのいずれか1つ記載のキット。
【0117】
項目20.シムの前記中央孔(311)が、2mm~5mmの範囲、好ましくは、3mmの直径を有することを特徴とする、項目1から19までのいずれか1つ記載のキット。
【0118】
項目21.前記シム(310)が、座部(305)の一体化された部分であることを特徴とする、項目1から20までのいずれか1つ記載のキット。
【0119】
項目22.座部の底部が、少なくとも1つの突出部(312)を備えることを特徴とする、項目1から21までのいずれか1つ記載のキット。
【0120】
項目23.座部の底部が、前記座部(305)の中央に配置された突出部(312)を備えることを特徴とする、項目1から22までのいずれか1つ記載のキット。
【0121】
項目24.前記突出部(312)が、突出部の上部から座部の底部までかつ座部の底部を通って延在する中央管状ダクト(313)を備えることを特徴とする、項目1から23までのいずれか1つ記載のキット。
【0122】
項目25.前記突出部(312)が、前記ハウジング(306)が座部(305)に向かってハウジングを押すことにより作動される時に、ブリスターパック(302)の底部を穿孔し、ブリスターパック(302)からバッファー溶液を放出するように構成されていることを特徴とする、項目1から24までのいずれか1つ記載のキット。
【0123】
項目26.中央管状ダクト(313)を備える前記突出部(312)が、前記ハウジング(306)が作動される時に、ブリスターパック(302)からのバッファー溶液の通過を可能にするように構成されていることを特徴とする、項目1から25までのいずれか1つ記載のキット。
【0124】
項目27.前記ブリスターパック(302)が座部(305)内に配置された時に、前記ブリスターパック(302)を覆うように構成された蓋を備えることを特徴とする、項目1から26までのいずれか1つ記載のキット。
【0125】
項目28.前記ブリスターパック(302)が、ブリスタードーム(314)およびブリスター底部フィルム(315)を備えることを特徴とする、項目1から27までのいずれか1つ記載のキット。
【0126】
項目29.ブリスターパック(302)が、ポリプロピレン(PP)、アルミニウム、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリアミド(PA)またはそれらの組み合わせからなる群から選択される材料製であることを特徴とする、項目1から28までのいずれか1つ記載のキット。
【0127】
項目30.前記ブリスタードーム(314)が、75~150マイクロメートルの範囲の厚さを有することを特徴とする、項目1から29までのいずれか1つ記載のキット。
【0128】
項目31.前記ブリスター底部フィルム(315)が、前記ブリスタードーム(314)に溶接されていることを特徴とする、項目1から30までのいずれか1つ記載のキット。
【0129】
項目32.前記ブリスター底部フィルム(315)が、その外面上に接着剤を備えることを特徴とする、項目1から31までのいずれか1つ記載のキット。
【0130】
項目33.前記ブリスターが、PBSおよびカゼイン希釈剤ブロッカーであるtween、好ましくは、PBSからなる群から選択されるバッファー溶液を含み、前記バッファー溶液が、任意に、保存剤または殺生物剤を含むことを特徴とする、項目1から32までのいずれか1つ記載のキット。
【0131】
項目34.前記ブリスターパック(302)内のバッファー溶液の容積が、少なくとも130マイクロリットルであり、例えば、130~170マイクロリットルの範囲、好ましくは、155~165マイクロリットルの範囲にあることを特徴とする、項目1から33までのいずれか1つ記載のキット。
【0132】
項目35.前記座部(305)が、ブリスターパック(302)から放出されたバッファー溶液が多孔質支持アセンブリ(301,100)と接触するのを可能にするように構成された開口部(316)を備えることを特徴とする、項目1から34までのいずれか1つ記載のキット。
【0133】
項目36.前記開口部(316)が、バッファーがブリスターパック(302)から放出された時に、多孔質支持アセンブリ(301,100)へのバッファーの均一な分散を提供するように構成されていることを特徴とする、項目1から35までのいずれか1つ記載のキット。
【0134】
項目37.前記多孔質支持アセンブリ(100,301)が、検出領域(DA)を備え、前記カセット(300)が、検出領域(DA)の目視検査のために構成された検査窓(317)を備えることを特徴とする、項目1から36までのいずれか1つ記載のキット。
【0135】
項目38.前記検査窓(317)が、検出領域(DA)の全領域における入射光を確保するように構成されていることを特徴とする、項目37記載のキット。
【0136】
項目39.カセット(300)の上部(303)の前記上面が、検出領域(DA)の画像検出および/または検出領域(DA)の向きの画像検出に適した少なくとも1つの基準点、例えば、検査窓(317)の印刷マークおよび/もしくは形状またはカセット(300)の形状を備えることを特徴とする、項目1から38までのいずれか1つ記載のキット。
【0137】
項目40.カセットが、乾燥剤の錠剤、カプセル剤または小袋を備えることを特徴とする、項目1から39までのいずれか1つ記載のキット。
【0138】
項目41.前記カセットが、前記サンプル収集パッド(201,101)を受容するように構成されたサンプルポート(318)を備えることを特徴とする、項目1から40までのいずれか1つ記載のキット。
【0139】
項目42.前記サンプル収集パッド(201,101)が、支持部材(202)に取り付けられていることを特徴とする、項目1から41までのいずれか1つ記載のキット。
【0140】
項目43.前記サンプル収集パッド(201,101)または支持部材(202)に取り付けられたサンプル収集パッド(201,101)が、サンプル収集パッド(201,101)または支持部材(202)に取り付けられたサンプル収集パッド(201,101)がサンプルポート(318)に挿入された時に、バッファー溶液がサンプルポート(318)から漏出するのを防止する厚さを有することを特徴とする、項目1から42までのいずれか1つ記載のキット。
【0141】
項目44.前記サンプルポート(318)が、前記多孔質支持アセンブリ(100,301)の上にかつそれと接触して、サンプル収集パッド(201,101)を位置決めするように構成された1つ以上のレールを備えることを特徴とする、項目1から43までのいずれか1つ記載のキット。
【0142】
項目45.前記支持部材(202)の前記遠位端(204)の縁部の1つが、切り口(206)を備え、カセットのポート(318)が、スワブがカセットに挿入された時に、前記支持部材の遠位端を配向し、位置決めするように構成された隆起部を備えることを特徴とする、項目1から44までのいずれか1つ記載のキット。
【0143】
項目46.別個のスワブ(200)が、前記支持部材(202)の遠位端(204)の縁部またはその近傍に切り口(206)を備え、カセット(300)のポート(318)が、支持部材上の切り口(206)と嵌合する隆起部を備え、その結果、スワブ(200)のサンプル収集パッド(201,101)が、カセット(300)内に挿入されると、多孔質支持アセンブリ(100)の一部を形成することを特徴とする、項目1から45までのいずれか1つ記載のキット。
【0144】
項目47.前記支持部材(202)の前記遠位端(204)が、開口部(205)を備え、前記サンプル収集パッド(201,101)が、前記サンプル収集パッドが前記開口部(205)を覆うように支持部材(202)に取り付けられていることを特徴とする、項目1から46までのいずれか1つ記載のキット。
【0145】
項目48.前記支持部材(202)が、支持部材の長手方向軸に沿って可撓性であることを特徴とする、項目1から47までのいずれか1つ記載のキット。
【0146】
項目49.支持部材(202)が、サンプル収集パッド(201,101)が皮膚に押し付けられ、試験サンプルを収集するために皮膚の周りを動いた時に、支持部材(202)がわずかに曲がるように、可撓性を有する材料製であることを特徴とする、項目1から48までのいずれか1つ記載のキット。
【0147】
項目50.支持部材(202)が、プラスチック材料、例えば、プラスチック材料製であり、プラスチック材料の厚さが、約2mm未満、例えば、1mm以下であることを特徴とする、項目1から49までのいずれか1つ記載のキット。
【0148】
項目51.前記支持部材が、フィンガーグリップとして構成された1つの近位端(203)と、前記サンプル収集パッド(201)が取り付けられた反対側の遠位端(204)とを有するように構成されていることを特徴とする、項目1から50までのいずれか1つ記載のキット。
【0149】
項目52.サンプル収集パッド(201,101)が、セルロース材料、セルロース誘導体、例えば、ニトロセルロース、ポリエーテルスルホン、ポリエチレン、ナイロン、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリエステル、ポリプロピレン、ガラス繊維、綿または布製であり、任意に、前記サンプル収集パッド(201,101)が、任意に、ブロッキングバッファーにより前処理されることを特徴とする、項目1から51までのいずれか1つ記載のキット。
【0150】
項目53.サンプル収集パッド(201,101)が、ブロッキングバッファー、例えば、1%のBSAを含むPBSバッファーまたは10mMのホウ酸塩、3%のBSA、1%のPVP-40および0.25%のTriton X100(pH8.0)を含むバッファーにより前処理されることを特徴とする、項目1から52までのいずれか1つ記載のキット。
【0151】
項目54.サンプル収集パッド(201,101)が、1つ以上のシート等の層、例えば、2つのシートの層の形態にあることを特徴とする、項目1から53までのいずれか1つ記載のキット。
【0152】
項目55.カセット(300)が、カセット(300)内のサンプル収集パッド(201,101,301)の位置が固定されるように、前記スワブの遠位端を受容するように構成されたポート(318)を備えることを特徴とする、項目1から54までのいずれか1つ記載のキット。
【0153】
項目56.カセット(300)が、前記スワブに取り付けられたサンプル収集パッドと嵌合された時に、多孔質支持アセンブリ(100,301)を形成するように構築され、サンプル収集パッドと嵌合されたカセット(300)が、溶出ゾーン(101)、コンジュゲートゾーン、例えば、コンジュゲートパッド(102)および検出領域(DA)の形態にあるゾーンならびに任意に、ウィッキングパッド(104)を備え、検出領域(DA)が、1種以上の試験分析物を選択的に保持するための1種以上の親和性分子を含有する検出ゾーン(105)と、任意に、1種以上のインジケータ親和性分子を選択的に保持するための1種以上の親和性分子を含有するインジケータゾーン(106)と、任意に、検出領域(DA)の目視検査のために構成された検査窓(317)とを備えることを特徴とする、項目1から55までのいずれか1つ記載のキット。
【0154】
項目57.1種以上の試験分析物の存在または量を検出するための方法であって、
下記の工程:
a)別個のスワブを使用してほ乳類、例えば、ヒトの皮膚表面から得られる試験サンプルを含む、項目1から56までのいずれか1つで定義されたサンプル収集パッド(201)、例えば、このサンプル収集パッド(201)を備える別個のスワブ(200)を提供する工程と、
b)前記試験サンプルを含有する前記サンプル収集パッドを、項目1から56までのいずれか1つで定義された、多孔質支持アセンブリ(100,301)を備えるカセット(300)およびバッファー溶液を含むブリスターパック(302)および前記ブリスターを覆うハウジング(306)内に挿入する工程と、
c)ハウジング(306)を動作させて穿孔し、前記バッファー溶液を分注する工程と、
d)バッファー溶液および試験サンプルが、多孔質支持アセンブリ(100,301)を通って移動するのを可能にする工程とを含む、
方法。
【0155】
項目58.サンプル収集パッド(201,101)が、ブロッキングバッファー、例えば、1%のBSAを含むPBSバッファーまたは10mMのホウ酸塩、3%のBSA、1%のPVP-40および0.25%のTriton X100(pH8.0)を含むバッファーにより前処理される、項目57記載の方法。
【0156】
項目59.サンプル収集パッド(201,101)が、サンプル収集の前に予め湿潤される、項目57または58記載の方法。
【0157】
項目60.前記試験分析物が、IL-8、IL-1aおよびIL-1RAである、項目57から59までのいずれか1つ記載の方法。
【0158】
項目61.さらに、
e)検出領域(DA)の画像をキャプチャし、画像プロセッサおよびデータベースを備えるコンピュータシステムに前記画像を送信する工程とを含み、
画像特徴が、画像から画像プロセッサにより抽出され、前記画像特徴が、前記データベースに記憶され、前記コンピュータシステムが、前記画像特徴に基づいて少なくとも1つの出力データを生成し、画像が、画像をキャプチャするように構成されたモバイルデバイス、例えば、携帯電話を使用してキャプチャされ、コンピュータシステムにより生成された出力データが、前記モバイルデバイスに送信される、項目57から60までのいずれか1つ記載の方法。
【0159】
項目62.検出領域(DA)の目視検査により1種以上の試験分析物の存在を決定する工程を含む、項目57から61までのいずれか1つ記載の方法。
【0160】
項目63.カメラを備える電子デバイスを使用して対象の皮膚状態を評価する方法であって、
(i)ユーザインタフェースを介して、対象の皮膚状態の評価のためのリクエストを取得する工程と、
(ii)ユーザインタフェースを介して、
前記対象を識別するデータ、
1種以上の試験分析物を検出するのに使用され、皮膚の表面から得られ、試験装置から距離を置いて配置されたカメラを使用して記録される、項目1から56までのいずれか1つ記載のラテラルフロー装置の検出領域(DA)の少なくとも1つの検出領域(DA)の画像を含むユーザ入力を取得する工程と、
(iii)対象を識別するデータに基づいて、前記対象を登録する工程と、
(iv)前記少なくとも1つの画像を含むユーザ入力を処理する工程と、
(v)対象の皮膚状態の評価を生成する工程と、
(vi)ユーザインタフェースに、皮膚状態の前記評価を出力しかつ/または皮膚状態に対応するスキンケアのための推奨を出力する工程とを含む、
方法。
【0161】
実施例
実施例1
アッセイ性能に対するブリスターパック容量の影響を試験した。
【0162】
カセット部品、試験ストリップおよびPBSを含むブリスターを組み立てて、フロー装置を形成した。
【0163】
種々の容量で充填されたブリスターパックを試験して、試験性能のバッファー容量の影響を評価した。種々のバッファー容量を有するブリスターパックを、カセットに挿入し、ランニングバッファーを、カセット内のストリップに放出した。開始容量が145μl以上で、完全な試験ランが示され、より少ないブリスター充填容量は、試験が適切にランされるのに十分ではなかった(
図9および
図10)。
【0164】
このデータから、105μlの充填容量のブリスターは、試験ランを開始するのに十分ではなく、125μlのブリスターでは、部分的な試験ランのみが可能となったことが実証される。スワブなしで試験した場合、145μlのブリスター充填容量は、試験が適切にランされるのに十分であった。スワブを使用して試験した場合、135μlの充填容量のブリスターにより、十分な量のPBS(ランニングバッファー)が分注され、完全な試験ストリップランが可能であった。
【0165】
実施例2
カセット部品、試験ストリップおよび145ulのPBSを含むブリスターを組み立てて、一連のラテラルフロー装置を形成した。続けて、それらのラテラルフロー装置を使用して、種々の厚さのプラスチックハンドル(または担体)からなりかつ/または種々の材料を有するサンプリングパッドを含有する、種々のスワブの機能性を評価した。
【0166】
試験の機能性を、Qiagen ESEQuant LR3で分析した場合、30分後に試験ストリップ上のシグナル強度として評価した。
【0167】
試験を、1)標準タンパク質溶液および2)皮膚からのサンプルを使用して行った。
【0168】
【0169】
30μlの標準溶液を、各異なるサンプルパッド上にピペットで移した(各サンプルについて2つの平行実施)。加えて、40μlの希釈剤を、サンプルパッドの十分な湿潤を可能にするために、各サンプルパッドに添加した。続けて、サンプルパッドを、4mmの試験ストリップを含有する試験カセットに挿入し、ボタン(およびブリスターのハウジング)を押して、カセット上部の145μlの充填容量ブリスターからランニングバッファーを放出した。シグナル強度を、Qiagen ESEQuant LR3で30分後に読み取った。
【0170】
皮膚分析のために、30μlのランニングバッファーを、サンプルパッド上にピペットで移し、サンプルパッドを皮膚(1名のボランティアの頬、それぞれ2つまたは1つの平行実施)上に約5秒間拭いた。担体を有するサンプルパッドを、4mmの試験ストリップを含有するカセットに挿入した。試験を開始するために、ボタンを押して、カセット上部の145μlのバッファーが充填されたブリスターパックからランニングバッファーを放出した。シグナル強度を、Qiagen ESEQuant LR3で30分後に読み取った。
【0171】
試験されたスワブ
- ブロッキングされたC083スワブ
- ブロッキングされておらず、ヒートステーキングされたSterlitech CFP 230スワブ
- 元のスワブハンドル(薄いプラスチック、0.02”(約0.51mm))
- 0.04”(約1.02mm)のスワブハンドル
- 0.06”(約1.52mm)のスワブハンドル
【表2】
【0172】
データから、多くの試験が正常にランするのに失敗したことが実証される。より厚いスワブ担体を使用した場合、より良好なランが得られたが、その場合でさえ、全ての試験が正常にランされたわけではなかった。ランを、
図11~
図15に示す。
【0173】
データから、
- 種々のサンプルパッド(またはサンプルパッド担体)を標準タンパク質溶液または皮膚についてかつランニングバッファー放出に145μlの充填容量のブリスターを使用した場合、多くの試験はランに失敗した。30回中合計9回の試験は、正常にランされなかったかまたは全くランされなかった
- より厚いスワブ担体を使用した場合、ランはより良好であったが、全ての試験が正常にランされたわけではなかった
ことが実証される。
【0174】
実施例3
実施例1から、135μlのブリスター充填容量のランニングバッファー(PBS)が試験をランするのに十分であることを実証されるが、145μlの充填容量のブリスターを使用した試験では、多くの試験が正常にランするのに失敗したことが示された。したがって、より多量のPBSを含むブリスターパックを試験し、試験カセットを視覚的に観察して、試験の誤動作の可能性のある理由を調べた。
【0175】
したがって、カセット部品、試験ストリップおよび種々の容量のPBSを含むブリスターを組み立てて、一連のラテラルフロー装置を形成した。続けて、それらのラテラルフロー装置を試験して、ブリスター容量と試験の機能性との間の相関を評価した。
【0176】
試験の機能性を、カセットボタンを押した後に、試験がランを開始するまでの時間として評価した。
【0177】
30μlの希釈剤を、サンプルパッド上にピペットで移した。サンプルパッドを、4mmの試験ストリップを含有するカセットに挿入し、ボタンを押して、カセット上部の155μlまたは165μlの充填容量ブリスターからランニングバッファーを放出した。
【0178】
結果を、視覚的に評価した。
【0179】
試験されたスワブ
- ブロッキングされておらず、ヒートステーキングされたSterlitech CFP 230スワブ
- 元のスワブハンドル(薄いプラスチック、0.02”(約0.51mm)(?))
- 0.04”(約1.02mm)のスワブハンドル
- 0.06”(約1.52mm)のスワブハンドル
試験ランの結果を、
図16~
図21に示す。
【0180】
155μlのブリスターについて、35個中の4個のカセットがランしなかった(3個は、全くランせず、1個は、ブリスターを穿孔した後10分でランを開始した)。
【0181】
165μlのブリスターについて、33個中の1個のカセットは、全くランしなかった。少数のカセットについて、ランニングバッファーを放出するためにボタンを押した後、ランの開始が遅れた(0.5~2分)が、ランは、正常に完了した。
【0182】
結果の総括
- 以前に、試験をランするのには、135μlのブリスター容量で十分であることが示された。145μlのブリスター容量では、試験の多くが、正常にランしなかった-30回中の合計9回の試験が正常にランせずまたは全くランしなかった。
【0183】
- ブリスター充填容量を155μlまたは165μlに増加させると、正常にランされる試験の量が改善する(それぞれ、35回中の4回の試験または33回中の1回の試験が失敗であった)。
【0184】
- ブリスター充填容量を増加させると、カセットが溢れる可能性がある。
【0185】
- ランニングバッファーの液滴がカセットの内側にあり、カセットから飛び散るのも明らかに見えた。
【0186】
- バッファーが、ブリスターから飛び散った場合、試験ストリップに到達し、ランニングバッファーとして適切に機能する体積容量は、かなり異なり、予測することができない。ランニングバッファー量の変動は、試験結果に影響を及ぼすであろう。
【0187】
結論:ブリスターパックの充填容量を増加させると、ランできない試験カセットの数が減少した。しかしながら、ランニングバッファーの液滴が、カセットの内側で観察されかつカセットの外側のバッファーの飛沫が観察された(データを示さず)。このため、ブリスターパック内のランニングバッファーの容量が多すぎると、カセットが溢れるおそれがある。データから、試験ストリップに実際に到達するランニングバッファーの変動が、試験結果に実際に影響を及ぼすことを実証される。このため、ブリスターパック中のバッファーの容量は、2つの方法で試験の機能性に影響を及ぼすと考えられる。容量が少なすぎると、例えば、試験の不完全なランとして試験に影響を及ぼす。容量が多すぎると、試験ストリップにより実際に吸収されるバッファー容量に変動性を導入されることにより試験に影響を及ぼす場合がある。このため、試験性能は、ブリスターパック中のバッファー容量に決定的に依存するという結論が得られる。
【0188】
実施例4
カセット部品、試験ストリップおよび種々のPBSを含むブリスターを組み立てて、一連のラテラルフロー装置を形成した。続けて、これらのラテラルフロー装置を試験して、ブリスターパックの位置とブリスターパックの固定と、試験の機能性との間の相関を評価した。
【0189】
試験の機能性を、カセットボタンを押した後に、1)試験がランを開始するまでの時間および2)カセットの内側に飛び散ったバッファーの視覚的サインとして評価した。
【0190】
145μlの充填容量を有するブリスターを、カセットに挿入した。このカセットを下記の方法で組み立てた。
【0191】
- 正常(ブリスターが中央に正しく配置されている)
- 位置ずれ(ブリスターが中央に配置されていない)
- 接着剤(ブリスターが中央に正しく配置され、両面接着剤で固定されている)
カセットに番号をつけた。研究を盲検化し、配置を、研究を行った後に明らかにした。
【0192】
30μlの希釈剤を、サンプルパッド(0.04”(約1.02mm)厚のハンドル)上にピペットで移し、サンプルパッドを、4mmの試験ストリップを含有するカセットに挿入し、ボタンを押して、カセットの145μlの充填容量ブリスターからランニングバッファーを放出した。ボタンを押してから、カセット窓の目に見える液体の先端が見えるまでの時間を測定し、記録した。
【0193】
【0194】
【0195】
【0196】
【0197】
4つのカセットが、ボタンを押した後1分以上でランを開始し、それらのうちの1つは、2分以上遅れた(ランは完了せず)。1分以上経過して開始したカセットのうちの2つは、正常に配置され、2つは位置ずれであり、接着剤のものはなかった。
【0198】
ボタンを押した後1分で開始した試験は、許容できないと考えられた。
【0199】
現在の実験では、正しい位置に接着剤で固定されたブリスターが、最良に機能した。17/20の試験が、30秒以内の時間で開始し、1分超の試験はなかった。データから、ブリスターの適切な配置の重要性が確認される。
【0200】
実施例5
カセット部品、試験ストリップおよび145μlのPBSを含むブリスターを組み立てて、一連のラテラルフロー装置を形成した。続けて、これらのラテラルフロー装置を試験して、ブリスターパックの位置、カセットの構成、ブリスターパックの固定および試験の機能性間の相関を評価した。試験の機能性を、試験がランを開始するまでの時間として評価した。
【0201】
カセットを、下記の方法で組み立てた。
【0202】
- 接着剤(ブリスターが、中央に正しく配置され、両面接着剤で固定されており、接着剤の中央に小さな丸い孔がある)
- 大きな縁部を有するブリスター(その結果、ブリスターは、カセット内で動くことができず、位置がずれる)
- 疎水性被覆カセット、正常なブリスター
【0203】
30μlの希釈剤を、サンプルパッド(0.04”(約1.02mm)厚のハンドル)上にピペットで移した。続けて、サンプルパッドを、皮膚上で軽く拭き、4mmの試験ストリップを含有するカセットに挿入した。ついで、ボタンを押して、カセット上部の145μlの充填容量ブリスターからランニングバッファーを放出した。ボタンを押してから、カセット窓の目に見える流体の先端が見えるまでの時間を測定し、記録した。
【0204】
【0205】
【0206】
【0207】
【0208】
【0209】
【0210】
実験から、試験の90%が、接着剤を使用せずにカセットに組み立てられたブリスターを有するカセットでランされ、一方、試験の10%が、ブリスターを破壊した後1分以上でランしまたは開始しなかったことが明らかである。
【0211】
ブリスターパックが、意図的に配置されまたは位置ずれされているかのいずれの場合にも、同様の結果が得られた。これは、正確なブリスター位置が重要なパラメータではないかまたはブリスターが試験手順の間にカセットの座部の内側を移動し得ることを示す。
【0212】
接着剤で接着されたブリスター(中央周囲の四角形)では、100%のカセットが1分以内にランし、最初の30秒以内に85%が開始したが、最初の15秒以内には45%しか開始しなかった。ブリスターが接着剤で接着された場合、平均ラン開始時間はより短い(接着されていない場合の23~24秒と比較して18.3秒)。
【0213】
より広い縁部のブリスターによる試験では、1分以内に70%のカセットしかランしなかった(10回中2回の試験は、全くランしなかった)。これは、ブリスターパックのより広い縁部が試験ランを妨げ、補助しなかったことを示す。
【0214】
試験カセットの疎水性被覆により、100%のカセットが1分間でランするが、70%のみが、最初の30秒で開始し、10%のみが、最初の15秒で開始し、長い平均ラン開始時間につながる。
【0215】
中央に小さな丸い孔を有する接着剤により、100%のカセットがランし、95%が、30秒以内に開始し、80%が、最初の15秒以内に開始した。また、平均ラン開始時間もかなり短く、より大きな四角形孔を有する接着剤では18.3秒、接着されなかった場合に23~24秒と比較して、丸い孔の接着剤では、12.1秒であった。
【0216】
実施例6
カセット部品、試験ストリップおよび145μlのPBSを含むブリスターを組み立てて、一連のラテラルフロー装置を形成した。続けて、これらのラテラルフロー装置を、機能性について試験して、片面スワブ対両面スワブの機能性間の相関を評価した。加えて、ブリスターパックの固定を、この実験設定で試験した。試験の機能性を、試験がランを開始するまでの時間として評価した。
【0217】
CFP230サンプル収集パッドの第2の層を、PVA接着剤を使用して、片面スワブの他方の面に接着した。50μlの希釈剤を、サンプルパッド(0.04”(約1.02mm)厚のハンドル)上にピペットで移し、サンプルパッドを、皮膚上に軽く拭き、4mmの試験ストリップを含有するカセットに挿入し、ボタンを押して、カセット上部の145μlの充填容量ブリスターからランニングバッファーを放出した。
【0218】
【0219】
両面スワブを使用しても、通常の片面スワブと比較して、試験ラン特性は改善されない。ブリスターを接着するために接着剤を使用することにより、依然として試験ランは改善される。
【0220】
実施例7
カセット部品、試験ストリップおよびPBSまたはSenovaバッファーを含むブリスターを組み立てて、一連のラテラルフロー装置を形成した。カセット上部プレートとブリスターパックとの間に、種々の直径の開口部を有するシムを導入した。続けて、それらのラテラルフロー装置を試験し、シム開口サイズと試験の機能性との間の相関を評価した。
【0221】
試験の機能性を、1)ハウジングの上部を押し下げて、ブリスターの穿孔を作動させる力、2)試験がランを開始するまでの時間および3)ランニングバッファー間の差として評価した。
【0222】
【0223】
【0224】
データから、3mmの直径を有する中央孔を有するシムが最適であることが実証される。
【0225】
【0226】
データから、Senovaバッファーにより、バッファーを放出するためにブリスターの穿孔を作動させるのに必要な力が増大することが示唆される。また、データから、Senovaバッファーにより、ランが遅延することも示唆される。
【国際調査報告】