(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-03-24
(54)【発明の名称】チェーン洗浄モジュール、当該チェーン洗浄モジュールを備えたコンベヤ、および、コンベヤチェーンの洗浄方法
(51)【国際特許分類】
B65G 45/18 20060101AFI20220316BHJP
B08B 13/00 20060101ALI20220316BHJP
B08B 1/04 20060101ALI20220316BHJP
B08B 3/04 20060101ALI20220316BHJP
B65G 45/22 20060101ALI20220316BHJP
【FI】
B65G45/18 A
B08B13/00
B08B1/04
B08B3/04 A
B65G45/22
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021545975
(86)(22)【出願日】2020-02-06
(85)【翻訳文提出日】2021-09-15
(86)【国際出願番号】 SE2020050114
(87)【国際公開番号】W WO2020162822
(87)【国際公開日】2020-08-13
(32)【優先日】2019-02-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】SE
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】517199190
【氏名又は名称】フレックスリンク アーベー
【氏名又は名称原語表記】FlexLink AB
【住所又は居所原語表記】SE-415 50 GOTEBORG, SWEDEN
(74)【代理人】
【識別番号】110003063
【氏名又は名称】特許業務法人牛木国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】フェルリニ,ジャンルカ
【テーマコード(参考)】
3B116
3B201
【Fターム(参考)】
3B116AA07
3B116AA47
3B116AB53
3B116BA02
3B116BA08
3B116BA15
3B201AA06
3B201AA47
3B201AB53
3B201BA02
3B201BA08
3B201BA15
3B201BB92
(57)【要約】
複数のプレートチェーンリンク(3)を備えるエンドレスのコンベヤチェーン(2)を洗浄するためのチェーン洗浄モジュール(1)であって、チェーン洗浄モジュール(1)が、スポンジ(9)を備えた第1の回転ホイール(5)と、コンベヤチェーン(2)の軸受面(15)に軸受するブラシ(10)を備えた第2の回転ホイール(6)と、第2の回転ホイール(6)をコンベヤチェーン(2)の移動方向と反対方向に駆動するように適合された駆動ユニット(7)とを備え、チェーン洗浄モジュール(1)が洗浄液を収容するように適合されたタンク部材(11)を備え、第1の回転ホイール(5)のスポンジ(9)がタンク部材(11)内に部分的に延在し、スポンジが、第1の回転ホイール(5)がコンベヤチェーン(2)によって駆動されるような第2の位置(14)でコンベヤチェーン(2)の軸受面(15)上に負荷を掛けるように配置される。このようにして、コンベヤチェーンの軸受面を容易に洗浄することができるチェーン洗浄モジュールが提供される。コンベヤ(40)および洗浄方法も請求される。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のプレートチェーンリンク(3)そ備えるエンドレスのコンベヤチェーン(2)を洗浄するためのチェーン洗浄モジュール(1)であって、当該チェーン洗浄モジュール(1)は、ハウジング(4)と、第1の回転ホイール(5)と、前記コンベヤチェーン(2)の軸受面(15)に軸受するブラシ(10)を備えた第2の回転ホイール(6)と、前記第2の回転ホイール(6)を駆動するように適合された駆動ユニット(7)と、前記コンベヤチェーン(2)の戻り経路で前記コンベヤチェーン(2)を滑るように支持するように適合された湾曲したコンベヤチェーン径路(8)と、洗浄液を保持するように適合されたタンク部材(11)であって、前記第1の回転ホイール(5)が前記タンク部材(11)の中に部分的に延在しているタンク部材(11)と、を備え、前記第1の回転ホイール(5)がスポンジ(9)を備え、前記第1の回転ホイール(5)は、第1の位置(13)と第2の位置(14)とを有する可動ユニット(12)上に配置されており、前記スポンジ(9)は、前記第1の回転ホイール(5)が前記コンベヤチェーン(2)によって駆動されるように、前記第2の位置(14)において前記コンベヤチェーン(2)の前記軸受面(15)を圧迫するように配置されている、ことを特徴とするチェーン洗浄モジュール。
【請求項2】
前記可動ユニット(12)が、電気式または空気圧式のリニアアクチュエータを備えることを特徴とする請求項1に記載のチェーン洗浄モジュール。
【請求項3】
前記駆動ユニット(7)が、前記コンベヤチェーン(2)の移動方向と反対方向に前記第2の回転ホイール(6)を回転させるように構成されることを特徴とする請求項1または2に記載のチェーン洗浄モジュール。
【請求項4】
前記駆動ユニット(7)が、前記コンベヤチェーン(2)によって駆動されるように構成されることを特徴とする請求項1~3のいずれか1項に記載のチェーン洗浄モジュール。
【請求項5】
前記駆動ユニット(7)が歯付きホイール(32)を備えることを特徴とする請求項4に記載のチェーン洗浄モジュール。
【請求項6】
前記駆動ユニット(7)が電気モータを備えることを特徴とする請求項1~3のいずれか1項に記載のチェーン洗浄モジュール。
【請求項7】
前記チェーン洗浄モジュール(1)が前記タンク部材(11)に配置された浮動体(16)を備え、当該浮動体(16)は洗浄液用の入口バルブ(17)に接続されることを特徴とする請求項1~6のいずれか1項に記載のチェーン洗浄モジュール。
【請求項8】
前記スポンジ(9)が、前記第1の回転ホイール(5)に取り外し可能に構成されることを特徴とする請求項1~7のいずれか1項に記載のチェーン洗浄モジュール。
【請求項9】
前記ブラシ(10)が、前記第2の回転ホイールに取り外し可能に構成されることを特徴とする請求項1~8のいずれか1項に記載のチェーン洗浄モジュール。
【請求項10】
前記タンク部材(11)に出口(27)が設けられることを特徴とする請求項1~9のいずれか1項に記載のチェーン洗浄モジュール。
【請求項11】
請求項1~10のいずれか1項に記載のチェーン洗浄モジュールを少なくとも1つ備える、コンベヤ(40)。
【請求項12】
複数のプレートチェーンリンク(3)を備えるエンドレスのコンベヤチェーンの軸受面を洗浄する方法であって、
前記コンベヤチェーンによって駆動される第1の回転ホイールに配置されたスポンジで、前記コンベヤチェーンの軸受面を濡らす工程と、
前記コンベヤチェーンの軸受面を、第2の回転ホイールに配置されたブラシでブラッシングする工程であって、前記第2の回転ホイールは前記コンベヤチェーンの移動方向と反対方向に回転する工程と、
を備える方法。
【請求項13】
前記第1の回転ホイールは、前記スポンジが前記コンベヤチェーンの軸受面を圧迫する位置から、前記スポンジが前記コンベヤチェーンの軸受面から間隔を空けて配置される位置まで、移動可能であることを特徴とする請求項12に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の連結されたプレートチェーンリンクからなるコンベヤチェーンを洗浄するためのチェーン洗浄モジュールに関する。当該チェーン洗浄モジュールは、コンベヤチェーンの洗浄を簡素化し、必要とされる洗浄液の量を減少させることができる。
【背景技術】
【0002】
工場内の異なるステーション間で物体を移動させるために使用されるような搬送装置は、通常、複数の連結されたプレートチェーンリンクからなるエンドレスのコンベヤチェーンを備えたコンベヤトラックで構成される。コンベヤトラックは、コンベヤビームで支持されるエンドレスのコンベヤチェーンからなる。コンベヤチェーンは、摩擦および摩耗を低減するために、コンベヤビーム上の摺動面を滑る。この表面は、コンベヤビーム自体であっても、スライドレールのような追加の部品であってもよい。コンベヤトラックは、湾曲部や屈曲部を備えてもよく、コンベヤトラックの端部領域には、チェーンを駆動する駆動ユニットか、または戻り径路のためにチェーンを支持するアイドラエンド(遊び終端)ユニットがある。
【0003】
このような利用できるコンベヤには様々なデザインがある。製品は、コンベヤベルトまたはチェーン上で直接搬送される場合と、製品キャリア上で搬送される場合とがある。コンベヤチェーンは、搬送される製品を支えることができるように設計された、多数の個別のプレートチェーンリンクで構成されている。コンベヤシステムは、様々な種類の製品に対応している。医療機器や工場オートメーション等のいくつかの製品に対しては、環境は清潔で埃のない状態であるが、それでも、汚染物質や漏出物を除去するために、コンベヤチェーンが清掃しやすいことが非常に重要である。その他の製品に対しては、環境および/または製品が埃っぽかったり、濡れていたり、および/または、汚れていたりすることがある。これらの製品に対しても、コンベヤの摩耗を減らし、信頼性の高い動作を保証するために、コンベヤチェーンが清掃しやすいことが重要である。
【0004】
そのような産業の一つが食品産業であり、主に製造または包装の過程で良好な衛生状態を確保するために、商品の取り扱いに対して清潔さに関する様々な要件が課せられている。これは、食品が汚染されないことを確実にするために必要なことである。食品の種類に応じて、多かれ少なかれ、衛生的な要求が課せられる。これらの要求を満たすために、よく多くの対策が取られる。これらは、例えば、コンベヤの一部を定期的に洗浄したり、少ない間隔でより徹底的に洗浄したりするなど、様々な洗浄方法を含む。また、定期的にコンベヤシステムを部分的に分解し、チェーンを取り外してコンベヤシステムとチェーンを洗浄する方法も含むことができる。
【0005】
その他、環境がきれいで製品もきれいな場合には、搬送される製品がある製品から別の製品に変わるときに、別の製品が搬送される前にある製品の痕跡が取り除かれるように、コンベヤチェーンが清掃しやすいことが重要な場合もある。一つの理由は、例えば、アレルゲンの痕跡が他の製品に付着するのを防ぐためである。
【0006】
衛生的なコンベヤシステムを洗浄するための様々なアプローチが知られている。ほとんどのシステムでは、コンベヤの内部にアクセスするために、コンベヤチェーンをコンベヤトラックの上の位置に上げることができる。チェーンおよびコンベヤの両方を洗浄するために、コンベヤチェーンを取り外すこともできる。さらに、コンベヤのすべての部品を清掃できるように、カバーやガイドレール等のコンベヤの他の部品を取り外すことも知られている。
【0007】
コンベヤチェーンの戻り経路に配置された洗浄ステージにコンベヤチェーンを通過させることも知られている。洗浄ステージでは、コンベヤチェーンが洗浄液の入った容器を通過し、コンベヤチェーン全体が洗浄液に浸るようになっている。洗浄ステージは、洗浄ステージの洗浄効果を高めるブラシを備えてもよい。US 6601691 B1およびDE 8712326 U1は、周知のコンベヤチェーン洗浄装置の例を示している。
【0008】
コンベヤの一部を取り外したり、コンベヤチェーンを持ち上げたりすることで、コンベヤ全体を洗浄することができる。このためには、コンベヤシステムを部分的に分解する必要があり、これには多くの時間、労力および人手が必要である。部品を取り外して洗浄する場合、洗浄中は部品をどこかに保管しておかなければならいという別の問題があり、これにより、取り外した部品が汚染されるリスクも高まる。ファスナー等の部品を紛失して交換できず、コンベヤシステムの故障に繋がるリスクもある。コンベヤチェーン全体を洗浄液に浸すことで、コンベヤチェーン全体が洗浄されるが、その後、乾燥させなければ再び使用することができない。洗浄液はいずれ汚染されるが、これは比較的頻繁に洗浄液を交換しなければならないということを意味する。
【0009】
JP 61188316 A、US 10046920 B1、DE 9310626 U1およびUS 6601691B1は、コンベヤチェーンを洗浄するための様々な装置および方法を示している。
【0010】
これらの周知の装置は、いくつかの用途では上手く機能するが、チェーン洗浄装置を改良する余地が依然としてある。
【発明の概要】
【0011】
したがって、本発明の目的は、コンベヤチェーン用の改良されたチェーン洗浄モジュールを提供することである。本発明のさらなる目的は、そのようなチェーン洗浄モジュールを備えるコンベヤを提供することである。本発明のさらなる目的は、コンベヤチェーンを洗浄するための方法を提供することである。
【0012】
本発明による問題の解決は、チェーン洗浄モジュールに関しては請求項1の特徴的な部分に、コンベヤに関しては請求項11に、方法に関しては請求項12に記載される。他の請求項には、チェーン洗浄モジュールおよび方法の有利な実施形態とさらなる発展が含まれる。
【0013】
複数のプレートチェーンリンクを含むエンドレスコンベヤチェーンを洗浄するためのチェーン洗浄モジュールにおいて、チェーン洗浄モジュールが、ハウジングと、第1の回転ホイールと、第2の回転ホイールと、駆動ユニットと、コンベヤチェーンの戻り経路においてコンベヤチェーンを滑るように支持するように適合された湾曲したコンベヤチェーン径路とを備え、本発明の目的は、第1の回転ホイールがスポンジを備え、第2の回転ホイールがブラシを備え、駆動ユニットが第2の回転ホイールを駆動するように適合されており、チェーン洗浄モジュールが洗浄液を保持するように適合されたタンク部材を備え、第1の回転ホイールのスポンジがタンク部材内に部分的に延在している点で、達成される。
【0014】
本発明に係るチェーン洗浄モジュールの第1の実施形態によって、チェーン洗浄モジュールは、コンベヤチェーンの戻り径路でコンベヤチェーンの軸受面を洗浄する、コンベヤチェーンの簡単な洗浄を可能にする。チェーン洗浄モジュールを使用すると、全部のコンベヤチェーンまで洗浄しなくても、製品とコンベヤチェーンとの間の接触面を簡単な方法で洗浄することができる。これにより、時間および洗浄液を節約することができる。これは、特に乾燥した製品や、製品が比較的頻繁に、例えば毎日数回変更される場合に有利である。コンベヤチェーンの洗浄は、連続的に行ってもよいし、特定の時間に行ってもよい。スポンジを備えた第1の回転ホイールは、スポンジがコンベヤチェーンの軸受面を圧迫する位置と、スポンジがコンベヤチェーンから間隔を空けて配置される位置との2つの位置に配置されることができる。
【0015】
第2のホイールには、コンベヤチェーンの移動方向と反対方向に回転するように適合されたブラシが設けられている。当該ブラシは、コンベヤチェーンの表面に付着した埃、粒子、および残った洗浄液を除去することができる。これにより、洗浄プロセスの後、コンベヤチェーンをすぐに使用することができる。ブラシは、コンベヤチェーンの軸受面に接触するように適合されている。ブラシは、コンベヤチェーンの軸受面から塵埃等を除去するように適合されており、したがって、コンベヤチェーンの軸受面と常に接触している。
【0016】
全部の洗浄モジュールは、使用中に洗浄液が逃げたり漏れたりしないように隠されている。洗浄モジュールは、2つの出口ポートをさらに備え、第1の出口ポートは、洗浄液のためにタンク部材に配置され、第2の出口ポートは、ブラシによって除去された過剰な洗浄液を回収するために配置される。タンク部材には、洗浄液用の入口バルブに接続された浮動体が設けられてもよい。これにより、タンク部材内に常に十分な量の洗浄液を確保することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
以下では、添付の図面に示された実施形態を参照しながら、本発明についてより詳細に説明する。
【
図1】本発明に係るチェーン洗浄モジュールを示す。
【
図2】第1の回転ホイールが第1の位置にある状態の本発明に係るチェーン洗浄モジュールの切断側面図を示す。
【
図3】第1の回転ホイールが第2の位置にある状態の本発明に係るチェーン洗浄モジュールの切断側面図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下に記載されるさらなる発展をともなう本発明の実施形態は、例としてのみみなされるものであり、決して特許請求の範囲による保護の範囲を限定するものではない。
【0019】
図1は、本発明に係るチェーン洗浄モジュールの斜視図を示す。
図2および
図3は、本発明に係るチェーン洗浄モジュールの切断図を示す。
【0020】
チェーン洗浄モジュール1は、ハウジング4を備える。当該ハウジングは、コンベヤビームに取付けられるように適合されており、コンベヤビームのTスロットに配置されたねじおよびナットを用いて、コンベヤビームの側面に取付けられる。チェーン洗浄モジュールは、コンベヤチェーンの戻り経路に配置される。コンベヤチェーン2は、複数のプレートチェーンリンク3を連結してエンドレスのプレートチェーンリンクを形成したプレートチェーンである。コンベヤチェーンがチェーン洗浄モジュールのコンベヤチェーン径路8内で経路変更できるように、コンベヤビームの通常の戻り経路には切り欠きが必要である。ハウジングは、前部側壁20、後部側壁21、下部側壁22および上部側壁23を備える。側壁は、チェーン洗浄モジュールのコンベヤチェーン径路を完全に隠す。これにより、洗浄液がチェーン洗浄モジュールから漏れないこと、および、外部からの埃や粒子がチェーン洗浄モジュール内に入らないことを確実にする。
【0021】
チェーン洗浄モジュール1は、第1のドア24および第2のドア25をさらに備える。第1のドアおよび第2のドアは、チェーン洗浄モジュールの内部へのアクセスを容易にするために配置されており、この場合、コンベヤチェーンの洗浄に使用されるスポンジおよびブラシの交換を容易にするために配置されている。ハウジングには、洗浄液を収容する容器に接続可能な流体入口26が設けられている。ハウジングは、第1の流体出口および第2の流体出口28をさらに備え、第1の出口27は第1の容器29に接続され、第2の出口28は第2の容器30に接続される。第1の出口27は、洗浄液を交換する際に洗浄液を排出するように適合され、第2の出口は、洗浄プロセス中にコンベヤチェーンから払い落された過剰な洗浄液を排出するように適合される。チェーン洗浄モジュールは、図示の例では、第1および第2の容器を保持するフレーム31も備えている。
【0022】
側壁は、洗浄液がチェーン洗浄モジュールから逃げるのを防ぐとともに、チェーン洗浄モジュールに指や他の物体が巻き込まれるのを防ぐ保護カバーとしても機能する。これにより、使用中に、チェーン洗浄モジュールの内部に届くことができなくなる。
【0023】
図2は、チェーン洗浄モジュール1の切断図を示す。チェーン洗浄モジュールは、コンベヤチェーン径路8、第1の回転ホイール5、第2の回転ホイール6、および、駆動ユニット7を備える。コンベヤチェーン径路8は、コンベヤチェーンの戻り径路において、第1および第2の回転ホイールを通過するようにコンベヤチェーンを迂回させる。第1の回転ホイール5には、ある種のスポンジ9が設けられる。スポンジは、コンベヤチェーンの軸受面15を洗浄液で濡らすように適合される。第2の回転ホイール6は、ブラシ10を備え、当該ブラシは、コンベヤチェーンの軸受面から埃および粒子を連続的に払い落とし、コンベヤチェーンが洗浄される際にコンベヤチェーンの軸受面から洗浄液を払い落とすように適合される。駆動ユニット7は、第2のホイールを、コンベヤチェーンの移動方向とは反対方向に回転させるように適合される。駆動ユニットは、第2のホイールに直接接続された電気モータであってもよい。図示の例では、駆動ユニットは、コンベヤチェーンの後側に噛み合う歯付きホイール32を備え、このようにしてコンベヤチェーンによって駆動される。この場合、第2のホイールは、ベルト等を介して歯付きホイールによって駆動される。
【0024】
チェーン洗浄モジュールは、第1の回転ホイール5に配置されるタンク部材11をさらに備える。タンク部材11は、洗浄液を保持するように適合される。全部のコンベヤチェーンはタンク部材を通過してはならないので、タンク部材の容積は比較的小さくてよく、これにより、洗浄液の交換が容易になり、交換しなければならない洗浄液の量が減少する。タンク部材は、入口バルブ17を介して入口26に接続される浮動体16を備える。洗浄液のレベルが第1の所定レベル以下になると、浮動体が入口バルブを開き、第2の所定レベルに達して浮動体が入口バルブを閉じるまで、洗浄液がタンク部材に入る。
【0025】
第1の回転ホイール5は、第1の回転ホイールが取り付けられる摺動可能なブラケット19を備える可動ユニット12に配置される。第1の回転ホイールは、
図2に示す第1の位置13と、
図3に示す第2の位置14とに配置されることができる。第1の位置13では、第1の回転ホイール5のスポンジ9は、コンベヤチェーン2の軸受面15から間隔を空けて配置される。第2の位置14では、第1の回転ホイール5のスポンジ9は、コンベヤチェーンの軸受面15に重みをかけている。可動ユニット12は、ハンドル18によって制御され、第1の回転ホイールを第1の位置から第2の位置へ、または、第2の位置から第1の位置へと移動させることができる。第1の回転ホイールは、スポンジがコンベヤチェーンの軸受面に重みをかけると、コンベヤチェーンとともに回転する。スポンジは洗浄液の中に入り込み、第1の回転ホイールが回転する際に、コンベヤチェーンの軸受面を洗浄液で濡らす。可動ユニットは、電子制御ユニット(ECU)によって制御される電気式アクチュエータまたは空気圧式アクチュエータのいずれかのリニアアクチュエータを備えてもよく、これにより、コンベヤチェーンの洗浄は、例えば、一定の時間間隔で、または、生産される物品の交換が予定されるという信号がECUに送られたときに、実行されることができる。
【0026】
浮動体は、第1の回転ホイールのスポンジが常に洗浄液の中に届くように、洗浄液のレベルが常に所定のレベル以上であることを確実にする。コンベヤチェーンの洗浄は、連続的に行ってもよいし、別の製品を搬送する場合など、特定のタイミングで行ってもよい。
【0027】
第2の回転ホイール6には、ブラシ10が設けられている。ブラシ10は、図示の例では常にコンベヤチェーンの軸受面15に接触しているが、第2の回転ホイールを可動ユニットに配置することも可能であり、当該可動ユニットは、第1の可動ユニットとは独立して制御することができる。図示の例では、駆動ユニットはコンベヤチェーンによって駆動され、これは、ブラシが軸受面を常にブラッシングして、塵や粒子等が常に除去されることを意味する。ブラシ10およびスポンジ9の両方とも、それぞれ第2のドアおよび第1のドアを通して容易に交換することができる。
【0028】
洗浄液を交換する場合は、入口を閉じて、新しい洗浄液がタンク部材に入らないようにする。第1の出口が開かれ、洗浄液は第1の容器29に流れることができる。同時に、スポンジを洗浄または交換することができる。ブラシで払い落とされた過剰な洗浄液は、第2の出口から第2の容器に排出されてもよい。
【0029】
チェーン洗浄モジュールは、異なる製品を搬送するコンベヤシステムに使用することができるが、主に製品からの埃および粒子がコンベヤチェーンの軸受面に付着する可能性のある乾燥製品を対象としている。同じ製品を搬送する際にはブラシを使って軸受面を洗浄し、新しい製品を搬送する際には洗浄液とスポンジを使って軸受面を洗浄し、前の製品の残留物をすべて除去することができる。軸受面のみが洗浄されるため、チェーン洗浄モジュールは、全部のプレートチェーンリンクを汚染する可能性がある液体や湿った製品には適していない。
【0030】
本発明は、上述の実施形態に限定されるものとはみなされず、後続の特許請求の範囲内で多くの追加の変形や変更が可能である。チェーン洗浄モジュールは、任意のサイズおよび形状を有し、コンベヤチェーンの戻り径路の任意の位置に配置されてもよい。
【符号の説明】
【0031】
1 チェーン洗浄モジュール
2 コンベヤチェーン
3 プレートチェーンリンク
4 ハウジング
5 第1の回転ホイール
6 第2の回転ホイール
7 駆動ユニット
8 コンベヤチェーン径路
9 スポンジ
10 ブラシ
11 タンク部材
12 可動ユニット
13 第1の位置
14 第2の位置
15 軸受面
16 浮動体
17 入口バルブ
18 ハンドル
19 ブラケット
20 前部側壁
21 後部側壁
22 下部側壁
23 上部側壁
24 第1のドア
25 第2のドア
26 流体入口
27 第1の流体出口
28 第2の流体出口
29 第1の容器
30 第2の容器
31 フレーム
32 歯付きホイール
40 コンベヤ
【国際調査報告】