(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-03-24
(54)【発明の名称】絶対位置を測定するための位置測定デバイス
(51)【国際特許分類】
G01D 5/249 20060101AFI20220316BHJP
【FI】
G01D5/249 T
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021546015
(86)(22)【出願日】2020-02-11
(85)【翻訳文提出日】2021-08-05
(86)【国際出願番号】 DE2020100090
(87)【国際公開番号】W WO2020164666
(87)【国際公開日】2020-08-20
(31)【優先権主張番号】102019103465.5
(32)【優先日】2019-02-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】502367454
【氏名又は名称】イーツェー-ハウス ゲーエムベーハー
(74)【代理人】
【識別番号】110000855
【氏名又は名称】特許業務法人浅村特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】フィッシャー、ペーター
(72)【発明者】
【氏名】ハーツ、マンフレット
(72)【発明者】
【氏名】キューラー、クリスチャン
(72)【発明者】
【氏名】バクター、クリスチャン
(72)【発明者】
【氏名】シェルナー、ハルトムート
【テーマコード(参考)】
2F077
【Fターム(参考)】
2F077AA27
2F077AA43
2F077CC02
2F077NN02
2F077NN17
2F077NN24
2F077NN28
2F077NN30
2F077PP12
2F077PP19
2F077RR03
2F077RR11
2F077RR23
2F077RR29
2F077TT66
2F077TT67
(57)【要約】
本発明は、バイナリコード1、2を有する材料測定器4と、バイナリコード1、2をスキャンするセンサデバイス6とを備える位置測定デバイス3、及び絶対位置を測定するための対応する方法に関する。センサデバイス6は、同一の符号語長Lを有する、第1の数Mの符号語Cを有する第1のバイナリコード1をスキャンするように設計される。材料測定器4のバイナリコード2は、第1のバイナリコード1の一部分を形成し、第1のバイナリコード1上にマッピングすることができる第2の数mの符号語Cを有するバイナリコード2である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
バイナリコード(1、2)と、前記バイナリコード(1、2)をスキャンするセンサデバイス(6)とを有する測定基準(4)で絶対位置を測定するための位置測定デバイスであって、前記センサデバイス(6)は、同一の符号語長(L)を有する第1の数(M)の符号語(C)を有する第1のバイナリコード(1)をスキャンするように設計されている位置測定デバイスにおいて、前記測定基準(4)の前記バイナリコード(2)は、前記第1のバイナリコード(1)上にマッピングすることができる第2の数(m)の符号語(C)を有する、前記第1のバイナリコード(1)の一部分を形成するバイナリコード(2)であることを特徴とする、位置測定デバイス。
【請求項2】
前記第2のバイナリコード(2)は、事前定義のマッピングルールを利用して前記第1のバイナリコード(1)上にマッピングすることができることを特徴とする、請求項1に記載の位置測定デバイス。
【請求項3】
前記バイナリコード(1、2)は、固有の符号語(C)を有し、その各々は、前記バイナリコード(1、2)が延在する前記符号語長(L)を有する固有のコード位置(P
M、P
m)に割り当てられることを特徴とする、請求項1又は2に記載の位置測定デバイス。
【請求項4】
前記第2のバイナリコード(2)の前記コード位置(P
m)は、とりわけマッピングルール(V)を利用して、前記第1のバイナリコード(1)の前記コード位置(P
M)上にマッピングすることができることを特徴とする、請求項3に記載の位置測定デバイス。
【請求項5】
前記マッピングは、変倍係数及び/又は位置変位を考慮することを特徴とする、請求項4に記載の位置測定デバイス。
【請求項6】
前記変倍係数は、符号語(C)の前記第1の数(M)と符号語(C)の前記第2の数(m)の関係性を確立することを特徴とする、請求項5に記載の位置測定デバイス。
【請求項7】
前記第2のバイナリコード(2)の前記符号語(C)は、とりわけ前記第1のバイナリコード(1)の前記一部分において、前記第1のバイナリコード(1)の前記符号語(C)と同じシーケンスを有することを特徴とする、請求項3から6までのいずれか一項に記載の位置測定デバイス。
【請求項8】
前記スキャンされたセンサ信号を処理するため、及び/又は前記符号語(C)をコード位置(P)に変換するためのさらなる処理ユニット(8)を特徴とする、請求項1から7までのいずれか一項に記載の位置測定デバイス。
【請求項9】
前記符号語(C)のコード位置(P
M、P
m)への前記変換は、ルックアップテーブルを利用して、及び/又はフィードバックシフトレジスタを利用して行われることを特徴とする、請求項1から8までのいずれか一項に記載の位置測定デバイス。
【請求項10】
前記同一の符号語長(L)を有する第1の数(M)の符号語(C)を有する前記第1のバイナリコード(1)は、完全なコードであり、とりわけそこでは全ての可能なM=2
Lビットの組み合わせが出現することを特徴とする、請求項1から9までのいずれか一項に記載の位置測定デバイス。
【請求項11】
前記第1のバイナリコード(1)及び/又は前記第2のバイナリコード(2)は閉じたコード(1)であり、とりわけ、最後の符号語(C)を越えて、とりわけ最後のコード位置(P
M、P
m)を越えて、前記第1の符号語(C)、とりわけ前記第1のコード位置(P
M、P
m)が再び後に続くことを特徴とする、請求項1から10までの一項に記載の位置測定デバイス。
【請求項12】
前記測定基準(4)は、回転測定基準(4)として、とりわけ円形ディスク又はローラとして設計されることを特徴とする、請求項1から11までのいずれか一項に記載の位置測定デバイス。
【請求項13】
前記第2のバイナリコード(2)を前記第1のバイナリコード(1)上にマッピングするために、固有のコード位置(P)が、前記第1のバイナリコード(1)内の前記第2のバイナリコード(2)の開始値及び終了値(S、E)を通して、又は符号語の第2の数(m)及び前記第1のバイナリコード(1)内の前記第2のバイナリコード(2)の開始値又は終了値(s、E)を通して前記さらなる処理ユニット(8)において事前定義されることを特徴とする、請求項1から12までのいずれか一項に記載の位置測定デバイス。
【請求項14】
前記第2のバイナリコード(2)は開始位置(P
S)を有し、この開始位置は、前記第2のバイナリコード(2)を前記第1のバイナリコード(1)上にマッピングするために、前記測定基準(4)の前記それぞれのコード位置(P
M)から差し引くことができることを特徴とする、請求項1から13までのいずれか一項に記載の位置測定デバイス。
【請求項15】
前記センサデバイス(6)は、少なくとも多様なセンサ素子(7)を備え、その結果、符号語(C)の全体の符号語長(L)を同時に又は順序通りに捕らえることができることを特徴とする、請求項1から14までのいずれか一項に記載の位置測定デバイス。
【請求項16】
前記位置測定デバイス(3)は、測定又はカウント位置測定デバイス(3)として設計されることを特徴とする、請求項1から15までのいずれか一項に記載の位置測定デバイス
【請求項17】
バイナリコード(1、2)と、前記バイナリコード(1、2)をスキャンするセンサデバイス(6)とを有する測定基準(4)で絶対位置を測定するための位置測定デバイス(3)で絶対位置を測定するため方法において、前記センサデバイス(6)は、同一の符号語長(L)を有する第1の数(M)の符号語(C)を有する第1のバイナリコード(1)をスキャンするように設計されている方法であって、前記測定基準(4)の前記バイナリコード(2)は、前記第1のバイナリコード(1)上にマッピングされる第2の数(m)の符号語(C)を有する、前記第1のバイナリコード(1)の一部分を形成するバイナリコード(2)であることを特徴とする、方法。
【請求項18】
前記バイナリコード(1、2)は、固有の符号語(C)を有し、その各々は、前記バイナリコード(1、2)が延在する前記符号語長(L)を有する固有のコード位置(P
M、P
m)に割り当てられること、及び前記第2のバイナリコード(2)の前記コード位置(P
m)は、とりわけマッピングルール(V)を利用して前記第1のバイナリコード(1)の前記コード位置(P
M)にマッピングすることができることを特徴とする、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
前記マッピングは、変倍係数及び/又は位置変位を考慮することを特徴とする、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
前記変倍係数は、符号語(C)の前記第1の数(M)と符号語(C)の前記第2の数(m)の関係性を確立することを特徴とする、請求項19に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、バイナリコードと、バイナリコードをスキャンするセンサデバイスとを有する測定基準で絶対位置を測定するための位置測定デバイスに関し、センサデバイスは、同一の符号語長を有する第1の数の符号語を有する第1のバイナリコードをスキャンするように設計されている。本発明はさらに、位置測定デバイスで絶対位置を測定するための対応する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
本発明は、例えば、シャフト又はキャリッジの構成要素の移動及び/又は位置を捕らえるための技術の多くの分野で使用される位置測定デバイスにおいて採用することができる。測定用の基準測定器又はセンサデバイスのいずれかが、この目的のために、捕るべき構成要素に配置され、その結果、センサデバイスに対する測定基準の相対移動を捕らえることができる。対応する位置測定デバイスでは、測定基準は、センサデバイスによってスキャンされ、その一方で測定基準は、測定されるべき構成要素に結合され、センサデバイスが、特に静止しているときであっても、測定されるべき構成要素の任意の位置を固有に捕らえることができるような方法で設計されている。測定基準とセンサデバイスとの間の、各ケースにおけるその時点での相対的な配置は、絶対位置の測定にとって十分である。
【0003】
位置測定に関する種々のセンサ原理が知られており、例えば光学又は磁気による方法である。光学位置測定デバイスがしたがって、例えば知られており、そこでは、測定基準が光源に曝され、測定基準に衝突する光は、特有のパターンに従って調節される。測定基準は、この目的のために、異なる反射性を備えた、又は透明の領域と、不透明な領域とで構成することができる。透過光又は反射構成を使用することができる。調節された光は、センサデバイスによって検出することができ、位置信号に変換され得る。磁気位置測定デバイスも同様に知られており、そこでは、測定基準は異なる極性の磁気領域を備える。静止しているときに検出される磁場及び/又は測定基準の移動によってもたらされる磁場の変化は、このとき、例えばホールセンサなどのセンサデバイスによって検出することができる。たいてい正弦波センサ信号及び余弦センサ信号をこのようにして生成することができ、評価することができ、そして、構成要素の位置に関する情報を提供することができる。この種の位置測定デバイスは、例えばDE 10 2011 050 834 A1又はDE 10 2014 112 459 A1から既知である。
【0004】
位置測定デバイスはさらに、構成要素の直線移動及び/又は直線位置を捕らえる線形位置測定デバイスとして、又は構成要素の回転移動及び/又は角度位置を捕らえる回転位置測定デバイスとしてのいずれかで設計することができる。測定基準は、この目的のために、測定基準の直線又は放射状の目盛りを有することができる。
【0005】
測定基準上のコード位置は、例えばバイナリコードなどのデジタルコードを利用して符号化することができ、測定基準の個々の領域は、バイナリコードの1ビットに対応するように各々構成されており、個々の領域は、一緒に結合されるとき、バイナリコードの事前定義された符号語長の個々の符号語を形成する。
【0006】
絶対位置を特定するための既知の位置測定デバイスは、互いの隣に配置された複数の位置トラックを備える測定基準を有する。このケースでは、絶対位置は、移動の方向に垂直に配置された複数のセンサ素子を用いて読み出すことができる。しかしながら、この種の解決策には、より長いバイナリコードに対して多数の位置トラックが必要とされ、これらは、その後、測定基準の比較的長い幅にわたって並行してスキャンする必要があり、したがって互いに近接して位置しなければならず、このことは、クロストーク及び位置合わせの許容値の低下につながる可能性があるという欠点がある。
【0007】
代替として、位置測定デバイスはそれ故、単一トラックのシフトコードを備えた測定基準を有することが知られている。このようなケースでは、位置情報は、符号化された領域が移動の方向に1つずつ配置された状態で、単一の位置トラックにおいて符号化され、情報は、移動の方向に1つずつ配置されたセンサ素子を利用して読み出される。次いでビットの数がセンサ領域内で捕らえられ、バイナリコードは、センサデバイスに対する移動の間に変位し、これにより、符号語内のビットの位置は各々1つだけ変化し、その一方で1ビットが、片側ではセンサデバイスによって捕らえられた領域を離れ、他のビットが、他方の側でこの領域に入力される。
【0008】
固定の割り当てでコード位置へのコードの変換を実行するコード変換器を含むことができるさらなる処理ユニットが、センサデバイスの後に続くことができる。
【0009】
記載される位置測定デバイスは、本発明の基盤であってもよく、本発明は、この用途で使用することができる。種々のセンサ原理を、本発明で利用することもできる。
【0010】
そのような位置測定デバイスは当然のことながら、過去に使用が証明されている。しかしながら、とりわけセンサデバイスのセンサ素子の移動方向における固定された長さ及び領域の長さが理由で、或いは、これに伴う測定基準上のビットシーケンスが理由で、それぞれのセンサデバイスは、各ケースにおいて、特有のサイズの1つの測定基準を有する位置測定デバイスにしか使用することしかできないという欠点が見つかっている。回転位置測定デバイスの場合、これは、ビットシーケンスが位置決めされるべき半径もまた、ビットの事前定義された長さ及びフルバイナリコードにおけるビットの数によって決められることを意味している。例えば、より小さい、又はより大きい直径を有する回転式の測定用の基準測定器がそれ故使用されるべきであり、個々の領域は、そうでなければもはやセンサデバイスによって正確に捕らえることができないため、例えば集積回路上の変更されたセンサデバイスに基づいて、完全に新しいシステムを実装する必要がある。ビットの長さが変わらないままである場合、及び/又はセンサデバイス上のビット長が測定基準上のものと一致するように調節されない場合、同一の符号化を伴う2つのコード位置が存在する場合、不連続性が生じる、又は最悪の場合には、固有ではないコード位置すら生じる可能性がある。
【0011】
1つの回転にわたるバイナリ符号化を有するインデックストラックを備え、及びそれ故、絶対角度に関する情報を提供する増分エンコーダが、US 5 998 784 Aから知られている。この疑似絶対スキャンは、連続して行われ、測定基準に対する移動を要する。選択されたバイナリコードは、完全であり得る、又は異なる測定基準のために短縮される場合がある。短縮されたバイナリコードの符号語の位置値への割り当ては、短縮コードのために記憶されたコード変換を利用して行われる。コード変換は、それ故、それぞれの測定基準に対して各々の時間に前もって再度実装する必要がある。異なる測定基準に対して同一のコード変換を使用することは不可能である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0012】
【特許文献1】DE 10 2011 050 834 A1
【特許文献2】DE 10 2014 112 459 A1
【特許文献3】US 5 998 784 A
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
このような背景に対して、本発明は、使用される測定基準のサイズ、とりわけ直径を、とりわけ変わらないコード変換で調節することができ、それにも関わらずバイナリコードの確実で信頼できる読み出しが可能である、冒頭で言及したタイプの位置測定デバイスを開示する目的に対処する。
【課題を解決するための手段】
【0014】
この目的は、測定基準のバイナリコードは、第1のバイナリコード上にマッピングすることができる第2の数の符号語を有する第1のバイナリコードの一部分を形成するバイナリコードである点において、冒頭で言及したタイプの位置測定デバイスによって、本発明にしたがって達成される。詳細にはここでは、バイナリコードは、第1のバイナリコードの一部分において再現することができる。2つのバイナリコードは、固有の符号語を含むことができ、その各々は、バイナリコードが延在する符号語長を有する固有のコード位置に割り当てられる。
【0015】
第2のバイナリコードを第1のバイナリコードの一部分として、及びとりわけ固定されたマッピング関係の仕様の結果として再現することによって、第2のバイナリコードから導出されるコード位置は、同一の符号語長の符号語に固有に割り当てることができ、同一の機能ブロック及び位置測定デバイス素子をしたがって、第1のバイナリコードのように、第2のバイナリコードのさらなる処理のために使用することができる。したがって、完全に新しい位置測定デバイス及び/又はセンサデバイスが各用途に対して構築されることはもはや必要ではない。むしろ、測定基準のサイズを、それぞれの用途に必要とされるように適合させることが可能である。異なる用途及び構成要素に対して、とりわけ異なる直径の測定基準に対して位置測定デバイスを実現することができる。とりわけ、位置測定デバイスの測定基準のみを交換することが可能であり、その一方でセンサデバイス及びさらなる処理ユニットは、コード変換と共に、維持することができる。同一のセンサデバイス及びさらなる処理ユニットを使用するマッピングの結果として異なる測定基準をスキャンすることが可能である。
【0016】
事前定義されたマッピングルールを利用して第2のバイナリコードを第1のバイナリコード上にマッピングすることができる場合、この文脈において、とりわけ有利であることが分かっている。この方法において、測定基準は、極めて異なる位置測定デバイスシステムに対して、及びより長くなるように選択されている第1のバイナリコードと比較して符号語の数の点で短縮された第2のバイナリコードに対して、簡素なやり方で適合させることができる。マッピングルールが、変倍ルール又は変換ルールで形成される場合、とりわけ有利であることが分かっている。
【0017】
バイナリコードのマッピングは、2つのバイナリコードの個々の符号語に永久に割り当てられたコード位置をマッピングすることによって行うことができる。とりわけマッピングルールを利用して、第2のバイナリコードのコード位置を第1のバイナリコードのコード位置にマッピングすることが可能である。これは以下のように表すことができる。
Pm→PM
【0018】
マッピングは、特に好ましくは、Pmを数学的に関数fと関連付ける式
Pm°f(M、m、PS)=PM
を用いて行われる。
PMは、ここでは、第1のバイナリコードの突き止められた位置を表し、この位置の上に、第2のバイナリコードの突き止められた位置Pmをマッピングすることができ、Mは、同一の符号語長を有する第1のバイナリコードの符号語の第1の数であり、mは、同一の符号語長を有する第2のバイナリコードの符号語の第2の数であり、PSは、第1のバイナリコードにおける第2のバイナリコードの開始位置である。開始値Sは、ここでは、開始位置に割り当てることもできる。コード位置PM、Pm及びPSは、回転システムの場合角度(°、度で)として、線形システムでは距離(mmで)として定義することができる。位置の他の寸法もまた可能である。
【0019】
割り当てられたコード数CNMに対する以下の関係式
PM=CNMx360°/M
を、ここではPMに適用することができる。
【0020】
コード数CNmを備えたm個のコード位置を有する短縮されたコードスペースにおいて、その各々は、削減された測定基準上のコード位置Pmに割り当てられ、
以下の、
Pm=CNmx360°/m
が、これに応じてコード位置Pmに適用される。
【0021】
変倍及び/又は変位を好ましくは、マッピングに考慮することができる。関数fは、この目的のために変倍及び/又は変位を含むことができる。簡単に言えば、変倍は、第1のトリミングされたバイナリコードが第2のコードにどのくらい残っているかを示すことができ、変位は、第1のバイナリコードの一部が切り取られている位置を示すことができる。
【0022】
変倍は、変倍係数によって指定することができる。Mとmの比率は、変倍係数によって考慮することができる。サイズ比は、変倍を利用して考慮することができ、これは、異なる数の符号語、M及びmに反映される。変倍係数は、Mとmの比率を確立することができる。変倍は、例えば、m/Mに比例して、より少ない符号語Cで行うことができ、これにより、より小さい直径の測定基準で行うことができる。
【0023】
変位は、切り取られている部分が、第1のバイナリコードにおける好適な場所に位置することから、生じる場合があり、その結果、閉じたバイナリコードが再び出現する。より小さい測定基準に関して、トリミングされた、第1のバイナリコードのコードスペースからの開始値Sは、CNm=0で新たなゼロ位置として設定することができる。これは、結果としてゼロ位置の変位を有することができる。より小さい測定基準上の開始値Sに割り当てられた、これによりゼロ位置に割り当てられたトリミングされたより大きな測定基準の開始位置PSは、以下のように記述することができ、
PS=Sx360°/M
第2のバイナリコードの短縮されたコードスペースにおける開始値としてのSをこうして、第1のバイナリコードのコードスペース内に定めることができ、これにより、より大きなトリミングされた測定基準上の開始位置PSは、より小さい測定基準上のゼロ位置との関係に設定することができる。
【0024】
位置変位は、開始値がS=0である場合には起こらない。変位は、それ故全てのケースにおいて必須ではない。
【0025】
以下のマッピングルールVは、PMとPmとのマッピング関係を記述するために使用することができる。
PM=m/M*Pm+PS
【0026】
このマッピングルールはしたがって、m/Mによって表される変倍と、PSによって表される変位の両方を含んでいる。
【0027】
マッピングはしたがって、変倍及び/又は位置変位を考慮して行うことができる。変倍はここでは、符号語の第1の数と符号語(C)の第2の数の関係性を確立することができる。
【0028】
マッピングルールVは、PMとPmのマッピング関係を記述する。本発明の実際の用途では、Pmは、突き止めるべき値であり、マッピングルールVは、以下のように再構成することもできる。
Pm=(M/m)*(PM-PS)
【0029】
マッピングルールVは、好ましくは、それらに割り当てられたコード位置PMを有する第1のバイナリコードから、第2のバイナリコードの開始位置PSを好ましくは差し引くことができ、事前定義された係数による乗算を通して第2のバイナリコードの値の範囲にマッピングすることができ、とりわけ第1の数Mの符号語を第2の数mの符号語にマッピングすることができるという事実を含む。
【0030】
バイナリコードは、各々が、バイナリコードが延在する符号語長の中の固有のコード位置に割り当てられた固有の符号語を有することがさらに好ましい。バイナリ符号語の固有のシーケンシングを通して、絶対位置を突き止めるためのさらなる測定なしに、センサデバイスを利用する測定基準の読み取りを直接行うことができることを保証することが可能である。測定基準がセンサデバイスに対してビット単位で変位される場合、事前に決められた符号長を有するバイナリ符号語の特有のシーケンスを生成することができ、そこでは、各符号語は正確に一度しか出現しない。各符号語は一度しか出現しないため、正確に1つのコード位置を、各符号語に割り当てることができることになる。第1のバイナリコード及び第2のバイナリコードの符号語は好ましくは、同一の符号語長、とりわけLビットを有する。5から16ビットの間の符号語長を有する符号語が、とりわけ有利であることが分かっている。しかしながら符号語長はここでは、とりわけ符号語の数に応じて選択することができる。
【0031】
第2のバイナリコードに残っている符号語が、第1のバイナリコードの符号語と同一のシーケンスを有する、とりわけその一部分にあるシーケンスを有する場合、さらに有利である。簡素なマッピング、及びそれによる第2のバイナリコードの第1のバイナリコードへの移し替え、並びにそれ故、第1のバイナリコード用に設計されたセンサデバイスの使用は、この方法において簡素なやり方で可能である。固有の割り当てをこのようにして保証することができる。
【0032】
測定基準は、単一のトラックと共に、及び/又はバイナリ位置マーキングを有する少なくとも1つの位置トラックを備えた複数のトラックと共に設計される場合、さらに有利である。絶対位置はしたがって、簡素なやり方で読み出すことができる。位置マーキングはここでは好ましくは、測定基準の符号化された領域から、とりわけ測定基準の反射領域及び/又は透過領域及び/又は偏光領域から形成することができる。さらなるトラック、インデックストラック、第2の、好ましくはこれもまた反転された絶対トラック、増分トラックなども、特に好ましく設けることができ、その結果、測定基準は、とりわけ差分式に、及び/又はアレイサンプリングの行程においてスキャンされ得る、或いは補間を通してより細かく分割することもできる。
【0033】
第1のバイナリコードが、疑似乱数生成器を利用して生成され得ることがさらに提案されている。それ自体が周期的に繰り返す疑似乱数ビットシーケンスを、特に所与の開始値で、この目的のために生成することができる。最大長のバイナリコードは好ましくは、好適な疑似乱数生成器を利用して生成することができる。反復が生じる前に、このケースでは生成器によって全ての可能なビットの組み合わせが生成される。既存のハードウェアを、これによって最も有効に活用することができる。測定基準の個々の領域の疑似乱数分配は、このようにして生成することができ、そこでは個々の領域は、バイナリコードの個々のビットに対応することができる。個別に符号化された領域はここでは、1つずつ配置され、その結果、測定基準の特有の数の連続した領域は、絶対コード位置を固有に定義する符号語を各々形成する。測定基準が1ビットだけ変位されるとき、新たな符号語は既に形成され、異なる符号語のシーケンスが、絶対的に捕らえられるべき全範囲にわたって利用可能である。この種の連続する、又は一連のコードは、チェーンコード又は疑似乱数コードと呼ばれることが多い。
【0034】
別の実施例は、スキャンされたセンサ信号をさらに処理するためのさらなる処理ユニットを提供する。さらなる処理ユニットは、とりわけ好ましくは、このようなコード位置信号を、異なる測定基準からのセンサデバイスを利用して捕らえられるような方法で設計することができる。さらなる処理ユニットは、とりわけ、増分信号を生成する機能ブロックを含むことができる。整流信号が、代替として、又は追加で、生成される場合もある。移動の速度及び/又は方向の測定としてのさらなる信号、例えば増分AB信号などが好ましくは、さらなる処理ユニットにおいて、突き止められた符号語から、とりわけそれらから突き止められたコード位置から突き止めることができる。さらなる処理ユニットは、多重値を形成する、又は線形システムでは多重長値を形成するカウンタとして設計される場合もある。さらなる処理ユニットはさらには、BiSS、SPIなどのインターフェースであってもよい。
【0035】
有利な実施例によれば、コードスペース内でスキャンされた符号語の位置への変換は、ルックアップテーブルを利用して、及び/又はフィードバックのために復号された
シフトレジスタを利用して行われる。或いは、又は追加で、他の数学的な方法を使用することもできる。センサデバイスを利用して突き止められたバイナリコードは、使用される位置測定デバイス及び/又は使用される測定基準から独立してこのようにして固有の位置に変換することができる。位置を、これによって突き止め、処理することができる。同一の機能及び/又は回路ブロックを、第1のバイナリコードのように、第2のバイナリコードを処理するためのこのようにして使用することができ、変換を、とりわけ、センサデバイスの後に続くさらなる処理ユニットにおいて実行することができる。
【0036】
同一の符号長を有する第1の数の符号語を有する第1のバイナリコードが、完全なコードである場合、さらに有利である。本発明の意味において、完全なバイナリコードは、全ての可能な符号語がコードスペース内に出現するコードを指すことができる。完全なバイナリコードは、とりわけ、全ての可能なM=2Lビットの組み合わせが生じるコードであってよく、ここではMは、第1の数の符号語を記述し、Lは符号語長を記述する。
【0037】
第1及び/又は第2のバイナリコードが閉じたコードである場合、さらに好ましく、ここでは、最後の符号語を越えて、とりわけ最後のコード位置を越えて、第1の符号語、とりわけ第1のコード位置が再び後に続く。閉じたコードは、とりわけ、先行する、又は続いて起こる符号語を、各ケースにおいて1ビットのシフト演算を通して生成することができる、一連の符号語を有することができる。コードは好ましくは周期的であり得る。対応する閉じたバイナリコードは好ましくは、コードの終わりからコードの始まりに戻るときですら、不連続性を提示しない。
【0038】
第2のバイナリコードの場合には、このような挙動は、第1のバイナリコードとの比較において削除されている符号語を有する領域の始まりと、終わりを含めた、その、とりわけ完全な第1のバイナリコードの挙動に基本的に匹敵し、それ故、同等のやり方でほとんど労力を必要とせずに扱うことができる。完全な第2のバイナリコードの領域内のコードの不連続性は、このようにして回避することができる。
【0039】
構築の観点から、測定基準は、回転測定基準として、とりわけ円形ディスク又はローラとして設計されることがさらに提案されている。このようなケースでは、第2のバイナリコードの、とりわけ同等の部分の、第1のバイナリコード上へのマッピングは、とりわけバイナリコードが閉じたコードとして設計される場合、簡単なやり方で行うことができる。
【0040】
さらなる実施例は、第2のバイナリコードを第1のバイナリコード上にマッピングするために、固有のコード位置が、開始値及び終了値を通して、又は符号語の第2の数m及び第1のバイナリコード内の第2のバイナリコードの開始値又は終了値を通して、さらなる処理ユニット内で事前定義されることを提供する。このようにして、さらなる処理ユニット内の評価システムで2つのバイナリコードの間の相関を実行することができる。位置出力は、例えば、0とM-1との間のコード位置が常に出力されるような方法でこうして調節することができ、この場合、Mは、第1のバイナリコードの符号語の第1の数を表す。この領域における探索及び追加を制限するために、並びにたった一度提示されるバイナリコードとの一致を見つけるために、開始位置及び終了位置が評価のために指定される場合、有利である。
【0041】
使用されるべきそれぞれの測定基準に対してマッピングを実施するためには、3つのパラメータ
-第1のバイナリコード内の開始値S、
-第1のバイナリコード内の終了値E、及び/又は
-第2の符号語の数mのうちの少なくとも2つがさらなる処理ユニットに対して指定されるだけで十分である。第1の符号語の数Mは、記憶されたコード変換のおかげで、任意のイベントにおいてさらなる処理ユニットに知られており、固定値としてそこに記憶することができる。3つの値は、関係式m=M-(S-E-1)を利用して変換することができる。
【0042】
第2のバイナリコードが、第2のバイナリコードを第1のバイナリコード上にマッピングするために、測定基準の現在のコード位置から差し引くことができる開始位置を開始アドレスに有する場合、さらに有利である。第2のバイナリコードと第1のバイナリコードの相関はこうして、簡素なやり方で確立することができ、マッピングが達成される。
【0043】
本発明のさらなる実施例において、少なくとも多様なセンサ素子を備え、その結果、符号語の全体の符号語長Lを同時に、又は順序通りに、とりわけ部分的に、又は全体として順序通りに捕らえることができる、センサデバイスが提案される。センサ素子の数は、符号語長Lに対応することがとりわけ好ましい。特定の用途に応じて、センサ素子は好ましくは、感光性センサとして、とりわけフォトダイオードとして、及び/又は磁場センサとして、とりわけホールセンサとして設計することができ、これを利用して、測定基準によって調節される変化を、とりわけ効果的に且つ簡素に測定することができ、且つ対応する信号強度に変換することができる。
【0044】
位置測定デバイスが、測定又はカウント位置測定デバイスとして設計される場合が好ましい。測定システムとして設計されるとき、測定を行って位置を突き止めることができ、そこでは、使用されているバイナリコード内に位置するコード位置が捕らえられる。信号の評価は好ましくは、さらなる処理ユニットによって実施することができ、位置出力は好ましくは、完全なバイナリコードにわたって連続することができる。
【0045】
カウントシステムとして、符号語又はインデックス信号の認識に続いて、測定値に対する同期及び/又はチェックが再び行われるまで、これらを超えてカウントし続ける位置測定デバイスが、とりわけ示されている。しかしながら、第2のバイナリコードの場合に回転又は移動中、その間のカウントによって突き止められたコード位置はまた、使用中、コード領域の外に位置する場合もある。必要であれば、このような理由のためにさらなる処理ユニットによって修正を行うことができる。第2のバイナリコードの第1の分離点に到達すると、さらなる処理ユニットは、この目的のために、第2のバイナリコードの第2の分離点までジャンプすることができ、そこからカウントが続けられる。
【0046】
冒頭で言及したタイプの方法において、測定基準のバイナリコードが、第1のバイナリコード上にマッピングされる第2の数の符号語を有する第1のバイナリコードの一部分を形成するバイナリコードである点において、その目的は達成される。
【0047】
位置測定デバイスと関連して既に記載した利点は、このことから生じる。位置測定デバイスの特徴の全ては、個々に、又は組み合わせて、本発明による方法に適用することもできる。
【0048】
既に記載したように、2つのバイナリコードはとりわけ、バイナリコードが延在する符号語長を有する固有のコード位置に各々割り当てられる固有の符号語を有することができる。
【0049】
第2のバイナリコードのコード位置は、とりわけマッピングルール(V)を利用して、
第1のバイナリコードのコード位置の上にマッピングすることができる。マッピングは、変倍係数及び/又は位置変位を考慮して行うことができる。変倍係数は、符号語の第1の数Mと符号語の第2の数mの関係性を確立することができる。
【0050】
本発明のさらなる詳細及び利点は、図面に示される例示の実施例を参照して以下により詳細に説明される。
【図面の簡単な説明】
【0051】
【
図1a】第1のバイナリコードを有する測定基準を備えた位置測定デバイスを示す図である。
【
図1b】
図1aによる第1のバイナリコードの例示の実施例の表になった例証を示す図である。
【
図2】事前定義された切欠き領域によって短縮されており、その結果、
図1aの第1のバイナリコードの一部分のみが残っている、
図1による測定基準を示す図である。
【
図3a】第1のバイナリコードの一部分を形成する第2のバイナリコードを有する短縮された測定基準を備えた位置測定デバイスを示す図である。
【
図3b】
図3aによる第1のバイナリコードの例示の実施例の表になった例証を示す図である。
【
図7】さらなる処理ユニットを備えた位置測定デバイスのブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0052】
より詳細には示されていない構成要素の絶対位置を突き止めるために、極めて異なる技術分野で使用され得る位置測定デバイス3の一部が、
図1~
図3に例示されている。機能ブロックに分割された、位置測定デバイス3のブロック図が、
図7に示される。
【0053】
位置測定デバイス3は、要求通りに、光学又は磁気位置測定デバイス3として具現化することができる。そのような位置測定デバイス3は、測定基準4並びにセンサデバイス6を備えることができる。光学位置測定デバイス3のケースでは、測定基準4は、異なるように反射性の領域又は光透過性の領域9を備えることができ、そこでは、測定基準4の目盛りは、図示されない光源によって照射される。磁気位置測定デバイス3のケースでは、測定基準4の目盛りはこれに反して磁気位置マーキング9を備え、その磁力は異なっている。用途に応じて、測定基準4は、線形又は円形の目盛りをさらに備えることができる。
【0054】
例示の本実施例によれば、測定基準4は、回転測定基準4として設計されている。測定基準4は、バイナリコード1、2の方式で設計され、バイナリコード1、2の1ビットに各々が対応するコード位置マーキング9の形態の符号化された領域を備える位置トラック5を備える。コード位置マーキング9は、センサデバイス6の助けを借りて、及びとりわけ多様なセンサ素子7を利用してスキャンすることができる。位置トラック5のコード位置マーキング9の移動の捕捉は、その位置における変化を再現するコード位置を提供する。用途に応じて、複数の位置トラック5、例えばさらなる、場合によっては反転された絶対トラックなど、或いはインデックストラック又は増分トラックなどが設けられる場合もあり、これを利用して、インデックスマーキング又は増分の1つ又は複数をスキャンすることができる。
【0055】
位置測定デバイス3の動作中、位置トラック5のコード位置マーキング9は、例示の本実施例に従って円形測定基準4を用いて、移動の方向Bでの回転の軸を囲む半径を有する円形トラックに沿って移動され、センサデバイス6のセンサ素子7によって検出される。測定基準4は好ましくは、この目的のために、回転測定基準4として、とりわけ円形ディスク又はローラとして設計することができる。測定基準4は、代替として、例えば線形目盛りとして設計される場合もある。
【0056】
測定基準4の位置トラック5のコード位置マーキング9は、例示の本実施例では、バイナリコード1、2として設計される。バイナリコード1、2は疑似乱数生成器を利用して生成することができる、例えば疑似乱数コードであり得る。事前に決められた開始値Sで、それ自体を周期的に繰り返す見かけ上のランダムビットシーケンスが、このようにして生成される。バイナリコード1、2はここでは、変位に応答して新たな符号語Cが常に生成されるような方法で設計されている。開始の値Sが再び始まる、閉じたバイナリコード1、2の終わりであっても、不連続性は全く生じない。バイナリコード1、2は、とりわけシフトコードとして設計され得る。このことは、場所の1つ又は複数だけ変位されたときに、新たな、及び再び固有の符号語Cが生成されることを意味している。
【0057】
図1では、測定基準4は、第1のバイナリコード1で符号化された目盛りを備える。第1のバイナリコード1は、第1の数Mの符号語Cを有し、その各々が、事前定義された符号語長Lを有する。符号語長Lは、必要に応じて選択することができ、任意の数のビット、とりわけN個のビットを有することができる。例示の本実施例によれば、符号語Cは、5ビットの符号語長Lを有する。第1の数Mの符号語Cは、ここでは、32であるように選択され、すなわち2の5乗ビットである。しかしながら他の構成も考えられ、その場合、異なる第1の数Mの符号語C及び/又は異なる符号語長Lが選択される。バイナリコード1の助けを借りて、全てのコード位置P
Mを固有に特定することができ、その結果、とりわけコードスペース内のコード数CN
Mに割り当てられたコード位置の全て、及びしたがって物理的コード位置P
Mの全て、とりわけ角度値を、測定基準4に対して固有に特定することができる。詳細には、使用されるバイナリコード1は、完全な、及び/又は閉じたバイナリコード1である。完全なコード1はここでは、M=2
Lビットの組み合わせの全てが出現するものである。閉じたバイナリコード1、2は、バイナリコード1、2の終わりからその自由に定義可能な開始までさえ、いかなる不連続性も持たない。
【0058】
バイナリコード1、2における不連続性は、ここでは、シフトコードが1ビットだけ変位されるとき、コード位置PM、Pmにおける連続する変化として定義され、単一のステップで構成されてはいない。不連続性を有するバイナリコード1、2は、本発明による実施及び評価を、制限を伴って、及び/又はビットシーケンスの一部分において可能にする。
【0059】
図1bに見ることができるように、第1のバイナリコード1は、このケースでは、とりわけCN
M=0、及びコード位置P
M=0で始まり、以下のビットシーケンス01001 01100 11111 00011 01110 10100 00を有する。符号語長L=5で、M=32の符号語Cの全体は、この完全なコード1で形成することができ、符号語Cは、各ケースにおける1ビットのシフト演算を通して、先行する符号語Cから各々生成することができ、これらは固有である。このような符号語Cは、
図1bの表での順序でコード数CN
Mで対応するように番号が付けられ、且つコードスペースを形成する。またこの表に見ることができるように、バイナリコード1がまたがる符号語長Lを有する測定基準4上の固有の物理的コード位置P
M(度での)もまた、各々の固有の符号語Cに割り当てることができる。表におけるそれぞれのコード数CN
Mはここでは、コード位置P
M=CN
Mx360°/Mに対応し、ここでは、物理的コード位置P
Mは、符号語Cの時計周りの意味においてLビットの最後に割り当てられる。
図1a及び
図1bでは、コードスペースにおけるコード数CN
M0での符号語C 00000、及び物理的コード位置P
M=0が、開始位置として選択されている。360°の全角度は、線形システムでは、M個のコード位置P
Mを有するセグメントに対応する。
【0060】
これらの固有のコード位置PMを今度は、測定基準4に空間的に割り当てられたセンサデバイス6を利用して読み出すことができる。この目的のために、センサデバイス6のセンサ素子2を利用して位置マーキング9をスキャンすることができる。センサデバイス6は、例示の本実施例によれば、半径方向に互いの隣に配置された5つのセンサ素子7を備える。本ケースでは、これは符号語長Lに対応する。本発明は、しかしながらこれに制限されるものではない。むしろ、より多くの、又はより少ないセンサ素子7が設けられるさらなる構成を考えることが可能である。センサデバイス6にとって少なくとも多様なセンサ素子7を有することがとりわけ好ましく、その結果、符号語Cの全体の符号語長Lを同時に又は順序通りに、とりわけ部分的に、又は全体として順序通りに捕らえることができる。
【0061】
センサ素子7は各々、基本的に同一の長さを有し、技術的に最小の距離離れてセンサトラック11上に配置される。センサ素子7の長さは好ましくは、測定基準4の位置トラック5の位置マーキング9の長さに合わせて調節される。位置測定デバイス3はしたがって、デジタル値を捕らえるために固定されたサイズのセンサ素子7を有し、これにより、コード位置マーキング9の長さ、及びこれにより1つのビットの長さが事前定義される(特定の制限の範囲内で)。バイナリコード1、2の位置への割り当ては変更することができないため、位置測定デバイス3は、完全なバイナリコード1を有する測定基準4を捕らえるように設計される。
【0062】
回転位置測定デバイス3の場合、このことは、ビットシーケンスを配置する必要がある半径もまた、フルバイナリコード1における事前定義された長さのビット9及び固定された数のビット9によって決められることを意味する。より小さい半径が目下使用されている場合、完全なバイナリコード1におけるビット9の長さは、より小さくなり、その結果として、これはもはや、とりわけ所与のセンサデバイス6のセンサ素子7によって正確に捕らえることができない。一方で、測定基準上のものと一致させたセンサ素子7の長さ及びビット9の長さが変更されないままである場合、バイナリコード1の一部分のみを使用することができる。本発明によって、符号語Cが削除されるとき、完全なバイナリコード1に当然存在するが、正確な位置に位置していない、及びこれにより残りの使用領域内のコード位置に位置していない、或いはさらには、排除された領域内に位置するビットの組み合わせが読み出される可能性が阻止される。センサ素子7によって捕らえられたコード位置は、そうでなければ、例えば、非連続である、又は同一の符号化を伴う2つのコード位置が存在する場合、固有でない場合すらある。
【0063】
ここで異なる測定基準4と共に、とりわけ異なる直径を有する異なる測定基準4と共に、とりわけ位置マーキング9の長さが同じままである事前定義されたシステム3を利用して、位置測定デバイス3に対処することを可能にする可能性を実現するために、より小さい測定基準4上で、バイナリコード2が、第1のバイナリコード1の一部を形成し、第1のバイナリコード1上にマッピングすることができる第2の数mの符号語Cを有するバイナリコード2であるような方法でバイナリコード1を調節することができる。このようにして、第1のバイナリコード1の特定の部分を削除することができ、それにもかかわらず固有のコード位置割り当てを達成することができる。
図2の例示は、一例として、失われた部分10を有して、数Mの符号語Cに対して設計された第1の測定基準4のそのようなバイナリコード1を示しており、このコード1は、分離点T1、T2を有する。
【0064】
この短縮されたコード1は、このとき、
図3aの一例によって示されるように、とりわけ、より小さい設計の第2の測定基準4に移すことができる。第2のバイナリコード2はとりわけ、このとき、分離点T1、T2で結合させることができる。例えば
図2及び
図3bに見ることができるように、符号語Cの一部は、バイナリコード1から除去されており、例えばコード数CN
M5から10を有する符号語Cを比較されたい。このようにして、異なる直径を有する測定基準4に対して同一のスキャナを使用することができる。
【0065】
第2のバイナリコード2は、第1のバイナリコード1の一部のコードを表しており、もはや完全ではないが、それ自体で閉じており、またシフトコードとして不連続性も全く持たない。このような挙動は、第1のバイナリコード1の挙動に概ね対応しており、それ故さらなる処理ユニット8においてほとんど労力を必要とせずに、同様のやり方で扱うことができる。
【0066】
本発明によれば、第2のバイナリコード2は、とりわけ事前定義されたマッピングルールを利用して第1のバイナリコード1上にマッピングすることができる。
【0067】
マッピングは、第2のバイナリコード2のコード位置Pmを、第1のバイナリコード1のコード位置PM上にマッピングすることができるような方法で行われる。マッピングルールはここでは、PmとPMのマッピング関係を提供する。
【0068】
マッピングルールVは、例えば、式
PM=(m/M)*Pm+PS
又は
Pm=(M/m)*(PM-PS)
を利用して同じ方法で記述することができる。PmとPMのマッピング関係は、固定され、固有であるため、指定されたマッピングルールを利用してPmをPM上にマッピングすることができ、またPMをPm上にマッピングすることもできる。m<Mでのそれぞれの測定基準に対する第2のバイナリコード2の最初の生成では、第1のバイナリコード1の削除された部分は、これが、固定され、且つ固有のマッピング関係となるような方法で選択される。それぞれのマッピングはこのとき、マッピングルールVを利用して計算することができる。
【0069】
マッピングルールVは、変倍係数を用いる変倍及び位置変位を含む。m位置を有するより小さいコードディスク4を捕らえるときに、M位置を有する大きなコードディスク4の位置の一部が失われるため、これは必須である。しかしながらさらなる処理ユニット8は好ましくは、大きなコードディスク4の全ての位置を予想し、その一方で、サイズ関係は、同時に所与の考慮の対象とならなければならない。これはマッピングによって達成される。
【0070】
第2のバイナリコード2もまた、固有の符号語Cを有し、その各々は、バイナリコード1、2が延在する符号語長Lを有する固有のコード位置Pmに割り当てられる。第2のバイナリコード2の符号語Cはここでは、バイナリコード1に関して削除された符号語Cを伴って、第1のバイナリコード1の符号語Cと同一のシーケンスを有する。第2のバイナリコード2は、連続する位置値を可能にし、なおも閉じているシフトコードとして、不連続性は全く持たない。バイナリコード2は、新たなコード数CNm=0で、開始値Sについてバイナリコード1からのコード数CNM11で始まり、新たなコード数CNm=25で、終了位置Eで完全なバイナリコード1からのコード数CNM4で終了する。
【0071】
上記で参照されたマッピングルールはしたがって、バイナリコード2の符号語Cに対応するコード位置Pmの変位と、とりわけ位置Psによる変位と、係数M/m又はm/Mによる、とりわけバイナリコードの角度値としての物理的コード位置Pの乗算による変倍に対応する。
【0072】
図3bの表におけるそれぞれのコード数CN
mはここでは、コード位置P
m=CN
mx360°/mに対応する。
【0073】
コード数CNmは、0から25まで延在し、CNM=31からCNM=0の完全なバイナリコード1のコード数CNmに関するオーバーフローを考慮に入れている。
【0074】
図3bの表は、CN
Mの値が列挙されており、とりわけ、本発明の背景をより理解するのに役立っている。本発明の実際の実現では、位置P
mの計算は、その後のマッピングを伴って
図1bに例示されるコード変換によって行われるため、
図3bによる表は、センサデバイスに記憶する必要はない。
【0075】
測定基準4が第2のバイナリコード2を有する目盛りを備える、
図3a及び
図3bの例示の実施例によって示されるように、第2のバイナリコード2は、例示の本実施例によれば、以下のビットシーケンス:11110 00110 11101 01000 00100 1を有する。このビットシーケンスは、時計周りの方向の測定基準4の移動と共に、コード開始値Sで記録される。符号語長L=5が依然として同じ状態のままで、このコード2で、m=26の固有の符号語Cの全体を形成することができる。
図3bの表に見ることができるように、バイナリコード2がまたがる符号語長Lを有する固有の物理的コード位置P
mもまたこれにより、各固有の符号語Cに割り当てることができる。
【0076】
第2のバイナリコード2を第1のバイナリコード1上にマッピングするために、開始値S及び符号語Cの第2の数m、又は開始値S及び終了値E、又は終了値E及び符号語Cの第2の数mを、例えば特定することができる。第2のバイナリコード2の第1のバイナリコード1への固有のマッピング、及びこれにより、位置測定デバイス3のさらなる構成要素の有用性、とりわけセンサトラック11上のセンサ素子7及びさらなる処理ユニット8の有用性を、このようにして達成することができる。第2のバイナリコード2はとりわけ、第2のバイナリコード2を第1のバイナリコード1上にマッピングするために、とりわけ角度値として、それぞれのコード位置PMから差し引くことができる開始位置PSを有することができる。
【0077】
図3bの表によれば、コード数CN
m=11は、例えば、
図1の完全な測定基準4上の角度値P
M=CN
Mx360°/M=11x360°/32=123.75°(0°に対応するCN
M=0を参照して)、及び
図2のトリミングされた測定基準4上の開始位置P
Sに対応する。角度分解能は、360°/32=11.25°であり、コード数CN
M=16は、完全なバイナリコード1を有する測定基準上の180°に対応する。
【0078】
図3aにおけるより小さい測定基準上にマッピングされた
図2のトリミングされた測定基準の角度分解能は、360°/26=13.85°である。CN
m=0(0°に対応する)で、CN
m=1はここでは、角度13.85°に対応し、CN
m=13は角度180°に対応する。
【0079】
第2のバイナリコード2の位置マーキング9もまた、センサデバイス6によって記録することができ、その後、さらなる処理のためにさらなる処理ユニット8に送ることができる。第1のバイナリコード1の符号語C及び第2のバイナリコード2の符号語Cのコード位置PMへの変換は、その後、さらなる処理ユニット8において行うことができ、例えばルックアップテーブル及び/又は他の数学的な方法を利用して、例えばフィードバックシフトレジスタを利用して、行うことができる。さらなる処理ユニット8は、この目的のために機能ブロックとしてコード変換器12を備える。このようにして各ケースにおいて突き止められたコード位置PMは、その後、さらなる処理ユニット8によって処理することができ、そこからさらなる信号を生成することができる。さらなる処理ユニット8は、デジタル及び/又はアナログ機能及び回路ブロック12、13、14で構成することができ、これらは、異なる直径の測定基準4及び割り当てられたコードスペースに対して同じように使用される。異なる直径を有する測定基準4をしたがって、センサデバイス6及びさらなる処理ユニット8の集積回路としての単一のハードウェア実現と共に、例えばスキャンし、評価することができる。位置測定デバイス3において、増分A/B信号を、例えば、移動の速度及び方向に対する測定として生成することができる。第2のバイナリコード2の処理のために、第1のバイナリコード1に対して使用されるのと同じ機能ブロックを使用することを可能にするために、すなわち、とりわけコード変換器12の機能ブロック、マッパー13の機能ブロック及び下流の機能ブロック14を使用することを可能にするために、第2のバイナリコード2の第1のバイナリコード1上へのマッピングを行うことができる。
【0080】
さらなる処理ユニット8は、例えば、コード変換器12及び/又はマッパー13に続く以下の機能ブロック14を有することができる。
【0081】
さらなる処理ユニット8はここでは、増分信号及び/又は整流信号を生成するブロックを提供する。さらなる処理ユニット8は、多重値を形成するカウンタとしてさらに設計される。詳細には、さらなる処理ユニット8は、例えばBiSS、SPIなどのインターフェースを提供する。
【0082】
既に記載したように、マッパー13もまた、コード変換器12に統合することができる、及び/又はコード変換器12に続く複数の機能ブロック14の1つ又は複数に統合することができる。
【0083】
本発明による位置測定デバイス3は、測定を利用して位置の連続確認が行われる測定システム、及び/又はカウントシステム3の両方において使用することができる。
【0084】
本発明による位置測定デバイスの場合、位置測定デバイス3の絶対位置を簡素なやり方で生成することができる。測定基準4の異なる半径に対して、位置測定デバイス3のために異なるセンサデバイス6及びさらなる処理ユニット8を設ける必要はもはやない。第2の数mの符号語Cを有する第2のバイナリコード2を第1の数Mの符号語Cを有する第1のバイナリコード1上にマッピングし、その各々が符号語長Lを有することによって、とりわけ、より小さい直径を有する測定基準4をそれぞれのシステム3に合わせて調節することができ、記録された信号はしたがって、既存のさらなる処理ユニット8によって、問題なく処理される。Lビットで設計される単一の固定センサ配列、及び位置マーキング9の長さに対応する固定長を有するセンサ素子7で、符号語Cを閉鎖コードで決定することができるため、有利には、本発明はそれ故、とりわけ回転式の光学又は磁気位置測定デバイス3において利用することができる。この結果として、コード1、2全体のそれぞれの長さ、及びこれにより測定基準4の直径もまた特定することができる。変倍は、m/Mに比例して、より少ない符号語Cで、これにより、より小さい直径の測定基準4で行われる。
【0085】
測定基準の回転位置を突き止めるための本発明による位置測定デバイスでの測定プロセスのフローが、
図4から
図6を参照して再度詳細に以下に記載される。
図4は、
図1aに対応し、
図5は
図2に対応し、
図6は、
図3aに対応しており、位置情報は、実例として各ケースにおいて追加されている。
【0086】
位置測定デバイス3は、
図4によれば、測定基準4と、センサデバイス6と、さらなる処理ユニット8とを備える。第1のバイナリコード1は、測定基準4上に存在しており、これはセンサデバイス6によって、それに対応してスキャンすることができる。センサデバイス6は、符号語Cでサンプリングするように設計されており、本実例では、5つのセンサ素子7を有する。センサデバイス6は、チップ上に統合することができる。さらなる処理ユニット8は、センサデバイス6に接続される。これを、センサデバイス6と一緒に共通のチップ上に統合することができる。
【0087】
さらなる処理ユニット8は、複数の機能ブロック、すなわち符号語の位置情報への変換を実行するコード変換器12と、マッピング関係を考慮に入れるマッパー13と、さらなる機能ブロック14とを備える。さらなる処理ユニットの機能ブロック12、13、14は、必須ではないが別個のユニットとして設計される場合もある。機能ブロック12、13、14の個々の、複数の、又は全ての機能はまた、共通のユニットに、例えば共通の集積回路において実現される場合もある。
【0088】
よりよい理解のために、既知の測定法を最初に説明する。
【0089】
例示の実施例では、符号語Cは、シフトコード変換のために、
図1bに例示される表に記憶される。コード変換は、コード変換器12によって実施され、コード変換器において表の変換が実施される。好ましくはコード変換は、シフトレジスタによって、又は記憶されたルックアップテーブルを用いて実現される。しかしながら他のタイプのコード変換も可能である。
【0090】
対応するコード数CNMが、各符号語Cに固有に割り当てられており、符号語Cに番号付けするために使用することができる。コード数CNMの数M=32が結果として例示の実施例について生じる。
【0091】
センサトラック11のセンサ素子7は、バイナリコード1をスキャンする。
図4に例示される測定基準4の位置において、符号語C「01101」が、これに対応してスキャンされ、
図1bによって実施されるコード変換にしたがってCN
M値「21」に対応している。対応する位置P
Mは、例示の実施例では角度位置に対応しており、その後、CN
M値を利用して、例えばコンピュータ計算により突き止められる。
図1bにおいて与えられた式をこの目的のために使用することができ、これによるとP
M=21x360°/32=236.25°である。スキャンされた符号語C「01101」はしたがって、測定基準4の位置P
M=236.25°に対応する。この手順は、今までのところ本発明の実現を含んでいない。
【0092】
例えば、利用できる空間が原因で、より小さい測定基準が必要とされることが理由で、又はより低い分解能が必要とされることのみが理由で、同一のセンサデバイス6と共に他の測定基準も使用することができることを達成することが、本発明によってこのとき可能である。バイナリコード1を有する測定基準4はそれ故、本発明のさらなる説明のために、
図6によるより小さい直径を有する測定基準4によって置き換えられる。
【0093】
図6によるより小さい測定基準4は、第2のバイナリコード2を有し、これは、第1のバイナリコード1のとりわけ連続した部分を形成する。バイナリコード2はしたがって、より小さい数の符号語Cを有し、すなわちm=26であり、位置デバイス3のこの数mは、測定基準4を交換する際に指定されるべきである。センサデバイス6及びさらなる処理ユニット8は、コード変換を実行するコード変換器12と一緒に保持され、交換されない。
【0094】
センサデバイス6が次に第2のバイナリコード2をスキャンする場合、このとき
図6に例示される測定基準4の位置において、符号語C「10111」がそれに応じてスキャンされることになる。
図1bによる、変更されない、記憶されたコード変換で、スキャンされた符号語C「10111」は、CN
M値「23」に対応する。この値を利用して、先に記載した手順と同様に、位置P
Mを突き止めることができ、これにしたがってP
M(CN
M=23)=23x360°/32=258.75°となる。
【0095】
しかしながら、このようにして突き止められた符号語C「10111」に対応する角度位置の位置P
Mは、第1のバイナリコード1を有する、
図4によるより大きな測定基準4上の位置に対応するため、
図1bによるコード変換から突き止められた位置P
Mをさらに、マッパー13によって実際の位置P
m上にマッピングする必要がある。
【0096】
本実例では、これは、マッピングルールP
m=M/m(P
M-P
S)を利用して行われる。M/mはここでは、異なる数の符号語C、すなわちM=32及びm=26から生じる変倍係数に対応する。コードの短縮により、より小さい測定基準のゼロ位置の異なる位置合わせが生じているため、位置P
Sは、
図4の測定基準4と比較したとき、
図6の測定基準4の位置変位に対応する。
【0097】
数Mは、さらなる処理ユニット8に知られている。マッパー13は、例えば、記憶されたコード変換からMを読み取ることができる、又はMは、マッパー13に数値として直接記憶することもできる。
【0098】
開始位置P
S(
図5)は、例えばコード位置P
Mの確認と同様に、例えばP
S=Sx360°/Mを利用して突き止めることができる。開始値Sは、この目的のために測定基準を交換する際、これに応じて指定する必要がある。しかしながら終了値E及び/又は位置変位P
Sを直接指定することも可能である。
【0099】
図6に例示される一例の実施例について、M/m=32/26=1.231の変倍係数及びP
S=11x360°/32=123.75°の位置(
図5)がこれにより、トリミングされた測定基準に対して生じる。位置P
M=258.75°の位置P
mへのマッピングについて、それはそれ故、P
m=32/26x(258.75°-123.75°)=166.154°に従う。これは、
図3bのコード表からのコード数CN
M=11に対応するコード「10011」を有する新たなゼロ位置P
m=0°に関連する、
図6による短縮された測定基準4の突き止めるべき実際の位置に対応する。
【0100】
マッパー13は、周期的オーバーフローを突き止め、考慮に入れることができるように構成される。一例の実施例のバイナリコード1、2は、閉じたコードであり、その結果、異なる「P
M-P
S」を形成するときに必須であるマッピングルールを適用して、常に「0」を超えるか、「0」である必要があるということを念頭に置いている。異なる項が0未満である場合、変倍の前にそれに追加の360°を加える必要がある。測定基準4を有し、バイナリコード2を有するセンサデバイス6が、例えば符号語C「00001」をスキャンした場合、このとき、それは、
図1bによる記憶されたコード変換からCN
M=1となる。位置P
M=11.25°で、異なる項についての結果はP
M-P
S=-112.5°となり、これは「0」より小さい。コードの周期的な閉じた性質のために、位置P
m=M/m(P
M-P
S+360°)=304.615°が、それ故突き止められる。
【0101】
先に記載した例示の実施例では、位置PM及びPmは、角度位置として与えられた。位置の他の寸法を使用することも可能である。使用される位置の寸法は、とりわけさらなる処理ユニット8の機能ブロック14に一致させることができる。例えば、さらなる処理ユニット8が角度情報を必要としないという前提であれば、他の位置の寸法をこれに応じて使用することができる。位置の寸法は、例えば、増分値である場合もある。位置の寸法は、コード数CN自体の形式を有することが、とりわけ可能である。
1つの実例がここで、このようなケースについて提示される。
【0102】
先に記載した手順と同様に、符号語C「10111」は、
図6による測定基準4上のセンサデバイス6によって最初にスキャンされ、
図1bによるコード変換において、CN
M値「23」に対応する。ここで、しかしながら、角度寸法は、位置P
Mについての寸法として使用されないが、CN
M自体の形式として使用され、ここでは、純粋に明確化の目的のために、識別子P’
Mが、実施の数値として以下で使用される。この位置でのCN
M値はしたがって、第1のバイナリコード1を有する
図4による測定基準4の位置P’
MMに対応し、実際の位置にさらにマッピングされる必要がある。
【0103】
マッピングは、既に説明したマッピングルールP’m=M/m (P’M -P’S)を通してマッパー13内で同じ方法で行われ、CN値として表される位置P’は、ここで再び変倍され、変位される。変倍係数M/mは、コード数CNの異なる数M、mから生じ、変位P’Sは開始値Sに対応する。開始値Sは、直接指定することができる。終了値Eを指定し、数Mとmとの差から開始値Sを突き止めることも等しく可能である、
【0104】
符号語C「10111」に割り当てられたCN
M値「23」について、P’
m=32/26x(23-11)=14.77の位置値がこれにより結果として生じる。これは、突き止めるべき
図6による測定基準4の実際の位置に対応し、その一方でコード数自体の形式は、位置寸法として選択される。この値P’
mは、さらなる処理ユニット8によって、とりわけ機能ブロック14によって処理することができる。
【0105】
この実例は、マッピングが位置情報Pの寸法から独立することができることを明確にする。さらにより多くの位置寸法を、これに応じて使用することができる。位置寸法は有利には、さらなる処理ユニット8によってそれらを処理することができるように選択される。
【0106】
同一のセンサデバイス6を当然のことながら、任意の数m<Mの符号語を有するさらなる測定基準4に対しても利用することができる。測定基準4のそれぞれの設計は、マッパー13を考慮しており、この目的のために、使用されるべき測定基準4のより少ないパラメータのみを、とりわけパラメータm及びPS、又はこれらのパラメータが突き止めることができる他の情報、例えばS及びEなどをマッパー13に対して指定する必要がある。
【0107】
実装されたマッパー13を備えたさらなる処理ユニット8もまた、当然のことながら、
図4の測定基準4と共に機能し、このケースでは、M=m、Ps=0、及びそれ故P
m=P
Mである。
【0108】
本発明による位置デバイス3は、第1のバイナリコードと第2のバイナリコード2との間の、又は位置PMとPmとの間の指定された、固定の、固有のマッピング関係を通して、異なるバイナリコード1、2を有する異なる測定基準4の使用をこれにより可能にし、その一方で、使用中のハードウェアの維持、とりわけセンサデバイス6、及びさらなる処理ユニット8など、並びにとりわけひとたび実装されたコード変換を維持することで、位置測定デバイス3の面倒で費用のかかる再装備の必要がなくなる。
【0109】
測定基準4の設計は、第2のバイナリコード2が第1のバイナリコード1上にマッピングされるような方法で、本発明によって選択される。マッピング関係は、固定され固有であり、その結果、このようなマッピング関係を使用して、測定されるべき位置を突き止めることができる。
【符号の説明】
【0110】
1 第1のバイナリコード
2 第2のバイナリコード
3 位置測定デバイス
4 測定基準
5 位置トラック
6 センサデバイス
7 センサ素子
8 さらなる処理ユニット
9 位置マーキング
10 一部分
11 センサトラック
12 コード変換器
13 マッパー
14 機能ブロック
M 符号語の第1の数
m 符号語の第2の数
C 符号語
L 符号語長L
CNM 第1の符号語表におけるコード数
CNm 第2の符号語表におけるコード数
S コードの開始値
E コードの終了値
PM 第1のバイナリコードにおけるコード位置
Pm 第2のバイナリコードにおけるコード位置
PS 開始位置
B 移動の方向
T1、T2 分離点
V マッピングルール
【国際調査報告】