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特表2022-519736再生可能発電資源および電荷貯蔵デバイスの協調制御
<図1A>
  • 特表-再生可能発電資源および電荷貯蔵デバイスの協調制御 図1A
  • 特表-再生可能発電資源および電荷貯蔵デバイスの協調制御 図1B
  • 特表-再生可能発電資源および電荷貯蔵デバイスの協調制御 図2
  • 特表-再生可能発電資源および電荷貯蔵デバイスの協調制御 図3
  • 特表-再生可能発電資源および電荷貯蔵デバイスの協調制御 図4
  • 特表-再生可能発電資源および電荷貯蔵デバイスの協調制御 図5
  • 特表-再生可能発電資源および電荷貯蔵デバイスの協調制御 図6
  • 特表-再生可能発電資源および電荷貯蔵デバイスの協調制御 図7A
  • 特表-再生可能発電資源および電荷貯蔵デバイスの協調制御 図7B
  • 特表-再生可能発電資源および電荷貯蔵デバイスの協調制御 図7C
  • 特表-再生可能発電資源および電荷貯蔵デバイスの協調制御 図7D
  • 特表-再生可能発電資源および電荷貯蔵デバイスの協調制御 図7E
  • 特表-再生可能発電資源および電荷貯蔵デバイスの協調制御 図8
  • 特表-再生可能発電資源および電荷貯蔵デバイスの協調制御 図9
  • 特表-再生可能発電資源および電荷貯蔵デバイスの協調制御 図10
  • 特表-再生可能発電資源および電荷貯蔵デバイスの協調制御 図11A
  • 特表-再生可能発電資源および電荷貯蔵デバイスの協調制御 図11B
  • 特表-再生可能発電資源および電荷貯蔵デバイスの協調制御 図12A
  • 特表-再生可能発電資源および電荷貯蔵デバイスの協調制御 図12B
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-03-24
(54)【発明の名称】再生可能発電資源および電荷貯蔵デバイスの協調制御
(51)【国際特許分類】
   H02J 3/38 20060101AFI20220316BHJP
   H02J 7/35 20060101ALI20220316BHJP
   H02J 3/28 20060101ALI20220316BHJP
   H02J 3/46 20060101ALI20220316BHJP
【FI】
H02J3/38 120
H02J3/38 130
H02J3/38 160
H02J7/35 K
H02J3/28
H02J3/46
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021546335
(86)(22)【出願日】2020-02-07
(85)【翻訳文提出日】2021-10-06
(86)【国際出願番号】 US2020017268
(87)【国際公開番号】W WO2020163749
(87)【国際公開日】2020-08-13
(31)【優先権主張番号】62/802,928
(32)【優先日】2019-02-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】16/579,282
(32)【優先日】2019-09-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】521240675
【氏名又は名称】8エムイー ノバ,エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【弁理士】
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100109346
【弁理士】
【氏名又は名称】大貫 敏史
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【弁理士】
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100134120
【弁理士】
【氏名又は名称】内藤 和彦
(72)【発明者】
【氏名】ハンセン,ルーカス
(72)【発明者】
【氏名】ガノー-ハリデー,フィリップ
(72)【発明者】
【氏名】ラメシュ,ガウタム
(72)【発明者】
【氏名】アクヨル,ボラ
(72)【発明者】
【氏名】カーペンター,ブランドン
(72)【発明者】
【氏名】モンダル,ラーフル
【テーマコード(参考)】
5G066
5G503
【Fターム(参考)】
5G066HA15
5G066HB02
5G066HB08
5G066HB09
5G066JA01
5G066JB02
5G066JB03
5G066JB04
5G066JB05
5G503AA01
5G503AA06
5G503AA07
5G503BB02
5G503BB03
5G503CA08
5G503CC08
5G503DA07
5G503DA16
5G503DA18
5G503GB06
5G503GD03
5G503GD06
(57)【要約】
再生可能電気エネルギー源(RES)と電気エネルギー貯蔵(EES)デバイスの協調制御の方法は、RESによる電気エネルギー生産の時間依存予測、および少なくとも1つの充電状態(SOC)目標値を含むEESのSOCスケジュールを利用する。電気生成エネルギー生産の更新された時間依存予測、および/または更新されたSOCスケジュールに基づいて、充電/放電制御信号の生成を定期的に更新する一方で、時変充電/放電制御信号が、SOC目標値を満たすために必要な速度において充電することにより、SOCスケジュールを満たすことを確実にするように構成されている。構成可能なリフレッシュ期間を使用して、RES-ESS設備から電気グリッドに供給される集約されたエネルギーの新しいベースポイント値の計算および使用を含む、時変制御信号の更新を制限することができる。
【選択図】図1B
【特許請求の範囲】
【請求項1】
(i)再生可能電気エネルギー生成資源、および(ii)前記再生可能電気エネルギー生成資源によって生産生された電力で充電可能な電気エネルギー貯蔵デバイスを制御するための方法であって、
(A)前記再生可能電気エネルギー生成資源による電気エネルギー生産の時間依存予測および(B)少なくとも1つの充電状態(SOC)目標値を含む前記電気エネルギー貯蔵デバイスのSOCスケジュールを利用して、前記電気エネルギー貯蔵デバイスのための時変充電/放電制御信号であって、SOC目標スケジュールを満たすために必要な平均速度において充電することにより、前記SOCスケジュールが満たされることを確実にするように構成されている前記時変充電/放電制御信号を生成することを行う一方で、項目:(i)電気エネルギー生産の更新された時間依存予測、または(ii)更新されたSOCスケジュールのうちの少なくとも1つに基づいて、前記時変充電/放電制御信号の前記生成を定期的に更新することを含む、方法。
【請求項2】
リフレッシュ期間の満了時に、前記時変制御信号の前記生成を定期的に更新することをさらに含み、前記定期的更新が、前記リフレッシュ期間の満了時に、前記再生可能電気エネルギー生成資源および前記電気エネルギー貯蔵デバイスから電気グリッドに供給される集約されたエネルギーのための新しいベースポイント値を計算および使用することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記電気エネルギー貯蔵デバイスが、前記再生可能電気エネルギー生成資源からのみ充電される、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記SOCスケジュールが満たされることを確実にするために、少なくとも1つの発電設備の予測された生産と実際の生産との間の差異に応じて、前記時変充電/放電制御信号を変更することをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記時変充電/放電制御信号が、前記再生可能電気エネルギー生成資源の相対的生産が増加している期間に、前記SOCスケジュールが満たされていることを確実にしながら、前記時変充電/放電制御信号の値を増加させて、前記再生可能電気エネルギー生成資源および前記電気エネルギー貯蔵デバイスによって前記電気グリッドに供給される集約された電力出力を平滑化するようにさらに構成されている、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記時変充電/放電制御信号が、複数の制御モードのうちの1つ以上の制御モードの採用によって、変化しやすくなっており、前記方法が、
前記複数の制御モードの各制御モードについて、上限値、下限値、および理想値を含む複数の制御信号候補値を生成することと、
前記時変充電/放電制御信号を生成するために、複数の制御モード間の制御信号候補値の共通部分を特定するか、または最も優先度の高い制御モードの理想値を選択することと、をさらに含む、請求項1~5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
前記複数の制御モードが、モード:充電-放電モード、協調充電放電モード、有効電力制限モード、有効電力応答モード、有効電力平滑化モード、および価格設定信号モードのうちの2つ以上を含む、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記複数の制御モードが、モード:ボルト-ワットモード、周波数-ワット曲線モード、および自動生成制御モードのうちの少なくとも1つをさらに含む、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記再生可能電気エネルギー生成資源が、光起電力アレイを含み、前記電気エネルギー貯蔵デバイスが、バッテリアレイを含み、電気エネルギー生産の前記時間依存予測が、太陽光生産予測を含む、請求項1~5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項10】
前記再生可能電気エネルギー生成資源が、少なくとも1つの風力タービンを含み、前記電気エネルギー貯蔵デバイスが、バッテリアレイを含み、電気エネルギー生産の前記時間依存予測が、風力生産予測を含む、請求項1~5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項11】
電気エネルギー生産の前記時間依存予測が、現地空イメージング、衛星イメージング、および気象モデリングのうちの2つ以上に基づくアンサンブルを含む、請求項1~5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項12】
少なくとも1つのプロセッサによって、(i)再生可能電気エネルギー生成資源、および(ii)前記再生可能電気エネルギー生成資源によって生産された電力で充電可能な電気エネルギー貯蔵デバイスを制御するための、プログラム命令を含む非一時的コンピュータ可読媒体であって、前記方法が、
前記少なくとも1つのプロセッサによって、(A)前記再生可能電気エネルギー生成資源による電気エネルギー生産の時間依存予測および(B)少なくとも1つの充電状態(SOC)目標値を含む前記電気エネルギー貯蔵デバイスのSOCスケジュールを利用して、前記電気エネルギー貯蔵デバイスのための時変充電/放電制御信号であって、SOC目標スケジュールを満たすために必要な平均速度において充電することにより、前記SOCスケジュールが満たされることを確実にするように構成されている前記時変充電/放電制御信号を生成することを行う一方で、電気エネルギー生産の更新された時間依存予測、または更新されたSOCスケジュールのうちの少なくとも1つに基づいて、前記時変充電/放電制御信号の前記生成を定期的に更新することを含む、非一時的コンピュータ可読媒体。
【請求項13】
前記電気エネルギー貯蔵デバイスが、前記再生可能電気エネルギー生成資源からのみ充電される、請求項12に記載の非一時的コンピュータ可読媒体。
【請求項14】
前記方法は、前記SOCスケジュールが満たされることを確実にするために、少なくとも1つの発電設備の予測された生産と実際の生産との間の差異に応じて、前記時変充電/放電制御信号を変更することをさらに含む、請求項12に記載の非一時的コンピュータ可読媒体。
【請求項15】
前記時変充電/放電制御信号が、前記再生可能電気エネルギー生成資源の相対的生産が増加している期間に、前記時変充電/放電制御信号の値を増加させて、前記再生可能電気エネルギー生成資源および前記電気エネルギー貯蔵デバイスによって電気グリッドに供給される集約された電力出力を平滑化する一方で、前記SOCスケジュールが満たされていることを確実にするようにさらに構成されている、請求項12に記載の非一時的コンピュータ可読媒体。
【請求項16】
前記時変充電/放電制御信号が、複数の制御モードのうちの1つ以上の制御モードの採用によって、変化しやすくなっており、前記方法が、
前記複数の制御モードの各制御モードについて、上限値、下限値、および理想値を含む複数の制御信号候補値を生成することと、
前記時変充電/放電制御信号を生成するために、複数の制御モード間の制御信号候補値の共通部分を特定するか、または最も優先度の高い制御モードの理想値を選択することと、をさらに含む、請求項12に記載の非一時的コンピュータ可読媒体。
【請求項17】
前記複数の制御モードが、モード:充電-放電モード、協調充電放電モード、有効電力制限モード、有効電力応答モード、有効電力平滑化モード、および価格設定信号モードのうちの2つ以上を含む、請求項16に記載の非一時的コンピュータ可読媒体。
【請求項18】
前記複数の制御モードが、モード:ボルト-ワットモード、周波数-ワット曲線モード、および自動生成制御モードのうちの少なくとも1つをさらに含む、請求項16に記載の非一時的コンピュータ可読媒体。
【請求項19】
前記再生可能電気エネルギー生成資源が、光起電力アレイを含み、前記電気エネルギー貯蔵デバイスが、バッテリアレイを含み、電気エネルギー生産の前記時間依存予測が、太陽光生産予測を含む、請求項12~16のいずれか一項に記載の非一時的コンピュータ可読媒体。
【請求項20】
前記再生可能電気エネルギー生成資源が、少なくとも1つの風力タービンを含み、前記電気エネルギー貯蔵デバイスが、バッテリアレイを含み、電気エネルギー生産の前記時間依存予測が、風力生産予測を含む、請求項12~16のいずれか一項に記載の非一時的コンピュータ可読媒体。
【請求項21】
電気エネルギー生産の前記時間依存予測が、現地空イメージング、衛星イメージング、および気象モデリングのうちの2つ以上に基づくアンサンブルを含む、請求項12~16のいずれか一項に記載の非一時的コンピュータ可読媒体。
【請求項22】
前記方法が、リフレッシュ期間の満了時に、前記時変制御信号の前記生成を定期的に更新することをさらに含み、前記定期的更新が、前記リフレッシュ期間の満了時に、前記再生可能電気エネルギー生成資源および前記電気エネルギー貯蔵デバイスから電気グリッドに供給される集約されたエネルギーのための新しいベースポイント値を計算および使用することを含む、請求項12~16のいずれか一項に記載の非一時的コンピュータ記憶媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2019年2月8日に出願された米国仮特許出願第62/802,928号、および2019年9月23日に出願された米国特許出願第16/579,282号の優先権を主張するものであり、前述の出願の全内容は、あらゆる目的のために本明細書に参照によって組み込まれる。
【0002】
本明細書の主題は、電気グリッドに集約された電力出力を供給するためなど、再生可能電気エネルギー生成資源および関連する電気エネルギー電荷貯蔵デバイスを協調して制御するための方法に関する。
【背景技術】
【0003】
近年、光起電力(PV)および風力発電機などの再生可能発電資源が、大幅に増加している。自然および気象条件による太陽光および風力発電の非定常性は、ネットワーク周波数および電圧偏差をもたらす可能性がある。再生可能発電資源による電力供給の割合がより多くなり始め、石炭火力および原子力発電ユニットなどの従来のベースロード発電ユニットに取って代わるようになると、グリッド相互接続、電力品質、信頼性、安定性、保護、ならびに生成のディスパッチおよび制御などの技術的課題が出てくる。太陽光および風力発電の断続的な性質とその出力の急激な変動により、エネルギー貯蔵デバイス(バッテリエネルギー貯蔵システムやBESSなど)は、電気グリッドとの互換性を高めるのに興味深いものとなる。
【0004】
再生可能発電と電気エネルギー貯蔵デバイスを共同設置すると、敷地造成、土地の取得、許可、相互接続、設置作業、ハードウェア、および諸経費に関するコストを削減することにより、コスト節約を提供することができる。さらに、通常、電気エネルギー貯蔵デバイスが現地の再生可能発電資源からのみ充電される場合、節税がもたらされる場合がある。
【0005】
様々な考慮事項が、BESSの利用に影響を与え得る。リチウムベースのバッテリは、満充電容量またはそれに近い場合、加速的に劣化する可能性がある。統合された再生可能発電および電荷貯蔵設備をディスパッチしようとするグリッドオペレータは、所与の1日のうちの特定の時間において特定のバッテリ充電状態(SOC)条件を達成することを必要とし得る(SOCは一般的に、バッテリの全容量のうち、さらなる放電に利用可能な割合として定義される)。バッテリが100%SOCになると、関連する再生可能発電資源の電力出力の急激な増加を吸収することもできなくなり、そのため、電気グリッドで受け入れることができないいずれの余剰電力も、不必要に、電力インバータでクリッピングして、熱として放散させる必要があり得る。
【0006】
上記を考慮して、再生可能電気エネルギー生成資源および関連する電気エネルギー電荷貯蔵デバイスを制御するための改善された方法の必要性が存在する。
【発明の概要】
【0007】
本開示は、様々な態様において、再生可能電気エネルギー生成資源および電気エネルギー貯蔵デバイスの協調制御のための方法に関し、この方法は、再生可能電気エネルギー生成資源による電気エネルギー生産の時間依存予測と、電気エネルギー貯蔵のための充電状態(SOC)スケジュールとを利用し、電気エネルギー生産予測とSOCスケジュールは両方とも変更される場合がある。
【0008】
一態様では、本開示は、(i)再生可能電気エネルギー生成資源、および(ii)再生可能電気エネルギー生成資源によって生産された電力で充電可能な電気エネルギー貯蔵デバイスを制御するための方法に関する。この方法は、(A)再生可能電気エネルギー生成資源による電気エネルギー生産の時間依存予測および(B)少なくとも1つの充電状態(SOC)目標値を含む電気エネルギー貯蔵デバイスのSOCスケジュールを利用して、電気エネルギー貯蔵デバイスのための時変充電/放電制御信号であって、SOC目標値を満たすために必要な平均速度において充電することにより、SOCスケジュールが満たされることを確実にするように構成されている時変充電/放電制御信号を生成することを行う一方で、電気エネルギー生産の更新された時間依存予測、または更新されたSOCスケジュールのうちの少なくとも1つに基づいて、時変充電/放電制御信号の生成を定期的に更新することを含む。
【0009】
特定の実施形態では、電気エネルギー貯蔵デバイスは、再生可能電気エネルギー生成資源からのみ充電される。
【0010】
特定の実施形態では、この方法は、SOCスケジュールが満たされることを確実にするために、少なくとも1つの発電設備の予測された生産と実際の生産との間の差異に応じて、時変充電/放電制御信号を変更することをさらに含む。
【0011】
特定の実施形態では、時変充電/放電制御信号は、構成可能なリフレッシュ期間内に一度だけ変更することが許可され、リフレッシュ期間中にRES-ESS設備の集約電力出力を維持し、それによってエネルギー市場および/またはエネルギーバランス市場への参加を可能にする。
【0012】
特定の実施形態では、この方法は、リフレッシュ期間の満了時に、時変制御信号の生成を定期的に更新することをさらに含み、定期的更新は、リフレッシュ期間の満了時に、再生可能電気エネルギー生成資源および電気エネルギー貯蔵デバイスから電気グリッドに供給される集約されたエネルギーのための新しいベースポイント値を計算および使用することを含む。特定の実施形態では、リフレッシュ期間は構成可能であり、時変充電/放電制御信号は、リフレッシュ期間ごとに1回だけ変更することが許可されている。
【0013】
特定の実施形態では、時変充電/放電制御信号は、再生可能電気エネルギー生成資源の相対的生産が増加している期間に、SOCスケジュールが満たされていることを確実にしながら、時変充電/放電制御信号の値を増加させて、再生可能電気エネルギー生成資源および電気エネルギー貯蔵デバイスによって電気グリッドに供給される集約された電力出力を平滑化するようにさらに構成されている。
【0014】
特定の実施形態では、時変充電/放電制御信号は、複数の制御モードのうちの1つ以上の制御モードの採用によって、変化しやすくなっており、この方法は、複数の制御モードの各制御モードについて、上限値、下限値、および理想値を含む複数の制御信号候補値を生成することと、時変充電/放電制御信号を生成するために、複数の制御モード間の制御信号候補値の共通部分を特定するか、または最も優先度の高い制御モードの理想値を選択することと、をさらに含む。
【0015】
特定の実施形態では、複数の制御モードは、モード:充電-放電モード、協調充電放電モード、有効電力制限モード、有効電力応答モード、有効電力平滑化モード、および価格設定信号モードのうちの2つ以上を含む。
【0016】
特定の実施形態では、複数の制御モードは、モード:ボルト-ワットモード、周波数-ワット曲線モード、および自動生成制御モードのうちの少なくとも1つをさらに含む。
【0017】
特定の実施形態では、再生可能電気エネルギー生成資源は、光起電力アレイを含み、電気エネルギー貯蔵デバイスは、バッテリアレイを含み、電気エネルギー生産の時間依存予測は、太陽光生産予測を含む。
【0018】
特定の実施形態では、再生可能電気エネルギー生成資源は、少なくとも1つの風力タービンを含み、電気エネルギー貯蔵デバイスは、バッテリアレイを含み、電気エネルギー生産の時間依存予測は、風力生産予測を含む。
【0019】
特定の実施形態では、電気エネルギー生産の時間依存予測は、現地空イメージング、衛星イメージング、および気象モデリングのうちの2つ以上に基づくアンサンブルを含む。
【0020】
特定の実施形態では、電気エネルギー生産の時間依存予測は、電気グリッドに供給される集約された光起電力と貯蔵エネルギーの新しいベースポイント値(PV+S出力ベースポイント値)が計算される頻度を決定するリフレッシュ速度を含む。特定の実施形態では、既存のPV+S出力値は、新しいPV+S出力ベースポイント値が計算されるまで使用される。
【0021】
別の態様では、本開示は、少なくとも1つのプロセッサによって、(i)再生可能電気エネルギー生成資源、および(ii)再生可能電気エネルギー生成資源によって生産された電力で充電可能な電気エネルギー貯蔵デバイスを制御するための、プログラム命令を含む非一時的コンピュータ可読媒体に関し、方法は、少なくとも1つのプロセッサによって、(A)再生可能電気エネルギー生成資源による電気エネルギー生産の時間依存予測および(B)少なくとも1つの電気エネルギー貯蔵デバイスの充電状態(SOC)目標値を含むSOCスケジュールを利用して、電気エネルギー貯蔵デバイスのための時変充電/放電制御信号であって、SOC目標スケジュールを満たすために必要な平均速度において充電することにより、SOCスケジュールが満たされることを確実にするように構成されている時変充電/放電制御信号を生成することを行う一方で、電気エネルギー生産の更新された時間依存予測、または更新されたSOCスケジュールのうちの少なくとも1つに基づいて、時変充電/放電制御信号の生成を定期的に更新することを含む。特定の実施形態では、コンピュータ可読媒体に含まれるプログラム命令は、本明細書に開示されるような追加の方法ステップを実行するように構成され得る。
【0022】
別の態様では、前述の態様のうちのいずれか、および/または本明細書に記載されているような様々な別個の態様および特徴を組み合わせて、追加の利点を得ることができる。本明細書に開示されるような様々な特徴および要素のいずれも、本明細書で反対の指示がない限り、1つ以上の他の開示された特徴および要素と組み合わせることができる。
【0023】
本開示の他の態様、特徴、および実施形態は、続く開示および添付の請求項からより完全に明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0024】
本明細書に組み込まれ、その一部を形成する添付の図面は、本開示のいくつかの態様を示しており、説明とともに、本開示の原理を説明するのに役立つ。
【0025】
図1A】一実施形態による、再生可能エネルギー源とエネルギー貯蔵システム(例えば、光起電力(PV)アレイ、およびPVアレイによって生産された電力で充電可能なバッテリアレイ)を制御するための、AC結合計測および制御システムの様々な構成要素間の相互接続を示す概略図である。
図1B図1AのAC結合計測および制御システムの特定の構成要素を示す概略図である。
図2】一実施形態による、再生可能電気エネルギー生成資源をディスパッチするためのプロセッサベースのエネルギーディスパッチ制御システム、および再生可能電気エネルギー生成資源によって生産された電力で充電可能な電気エネルギー貯蔵デバイスのブロック図である。
図3】一実施例による、PVアレイと、PVアレイによって生産された電力で充電可能なバッテリアレイとを含むシステムを使用して、電気エネルギー貯蔵デバイスを充電して充電状態(SOC)目標値に到達させるための論理図である。
図4】一実施形態による、PVアレイと、PVアレイによって生産された電力で充電可能なバッテリアレイとを含むシステムを使用して、電気エネルギー貯蔵デバイスを放電するための論理図である。
図5】本明細書で開示されているような方法で制御した場合の、1日の06:00~21:00の期間について、再生可能電気エネルギー生成資源(RES)と、再生可能電気エネルギー生成資源で生産された電力で充電可能な電気エネルギー貯蔵デバイス(ESS)とを含むシステムのモデル化された出力プロットである。
図6】各制御モードが複数の制御信号候補値を含み、連続的に接続された制御モードが単一の有効電力コマンドとして使用可能なベースポイント信号を生成するように構成されている、異なる制御モードの連続(または積み重ね)配置を示す第1の図である。
図7A-7E】異なる例による、複数の連続的に接続された制御モードの制御信号候補値と、正味出力値を特定する表を具体化している。
図8】一実施形態による、異なる時間において接続された制御モードの異なる組み合わせを利用する方法で制御した場合の、再生可能電気エネルギー生成資源(RES)と、再生可能電気エネルギー生成資源によって生産された電力で充電可能な電気エネルギー貯蔵デバイス(ESS)とを含むシステムの例示的な出力プロットである。
図9】単一の有効電力コマンドを生産するように構成されている連続的に接続されたベースポイントおよび非ベースポイント制御モードを含む、複数の制御信号候補値を含む異なる制御モードの連続(または積み重ね)配置を示す第2の図である。
図10】一実施形態による、再生可能電気エネルギー生成資源と、再生可能電気エネルギー生成資源によって生産された電力で充電可能な電気エネルギー貯蔵デバイスを制御するためのシステムの1つ以上の構成要素として含めることができるコンピュータシステムの汎用表現の概略図である。
図11A】本明細書で開示されているような方法で制御されるが、構成可能なリフレッシュ期間がない場合の、1日の06:00~21:00を含む期間について、再生可能電気エネルギー生成資源(RES)と、RESによって生産された電力で充電可能な電気エネルギー貯蔵デバイス(ESS)を含むシステムのモデル化された出力プロットである。
図11B】30分のリフレッシュ期間を利用して、本明細書に開示された方法によって制御され、ベースポイント値が30分ごとに再計算される場合の、図11Aに示される同じRES-ESSシステムおよび期間のモデル化された出力プロットである。
図12A-12B】それぞれリフレッシュ期間を利用しているが、図12Bでは、SOC目標スケジュールを満たすために、制御期間の開始から終了までの太陽光生産予測を考慮した静的ウィンドウを使用している、再生可能電気エネルギー生成資源(RES)と、RESによって生産される電力で充電可能な電気エネルギー貯蔵デバイス(ESS)を含むシステムのモデル化された出力プロットが提供される。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下に示す実施形態は、当業者が実施形態を実施できるようにするための必要な情報を表し、実施形態を実施するための最良の態様を示している。添付の図面図に照らして以下の説明を読むと、当業者は、本開示の概念を理解し、本明細書で特に扱われていないこれらの概念の適用を認識するが、そのような概念および適用は、本開示および添付の請求項の範囲に入ることを理解すべきである。
【0027】
本明細書では、「第1」、「第2」などの用語を使用して様々な要素を説明する場合があるが、これらの要素はこれらの用語によって限定されるべきではないことが理解されよう。これらの用語は、ある要素を別の要素と区別するためにのみ使用される。例えば、本開示の範囲から逸脱することなく、第1の要素を第2の要素と呼ぶことができ、同様に、第2の要素を第1の要素と呼ぶことができる。本明細書で使用するように、「および/または」という用語は、関連する列挙された項目のうちの1つ以上のありとあらゆる組み合わせを含む。
【0028】
本明細書で使用される用語は、特定の実施形態を説明することのみを目的とし、本開示を限定することを意図するものではない。本明細書で使用される場合、単数形「a」、「an」、および「the」は、特に文脈が明示しない限り、複数形も含むことが意図される。本明細書で使用される場合、「備える」、「備えている」、「含む」、および/または「含んでいる」という用語は、述べられた特徴、整数、ステップ、動作、要素、および/または構成要素の存在を指定するが、1つ以上の他の特徴、整数、ステップ、動作、要素、構成要素、および/またはそれらのグループの存在または追加を排除しないことがさらに理解されよう。
【0029】
別段の定義がない限り、本明細書で使用されるすべての用語(技術的および科学的用語を含む)は、本開示が属する技術分野の当業者が一般的に理解しているのと同じ意味を有する。本明細書で使用される用語は、本明細書および関連技術の文脈におけるそれらの意味と一致する意味を有すると解釈されるべきであり、本明細書で明示的に定義されていない限り、理想化された、または過度に形式的な意味で解釈されないことがさらに理解されよう。
【0030】
Modular Energy Storage Association(MESA)は最近、「DNP3 Application Note AN2018-001-DNP3 Profile for Communications with Distributed Energy Resources」と題した明細書を公開しており、「DNP」とは、分散型ネットワークプロトコルを指す。このMESAの明細書は、スタンドアロンのエネルギー貯蔵システムの制御モードを定義する。これらの制御モードのうちの1つは、「協調充電/放電(CCD)」と呼ばれる。CCDモードでは、エネルギー貯蔵システム(ESS)に、充電または放電によって特定の充電状態(SOC)に到達するためのスケジュールが与えられる。例えば、ESSは、午後5時までに100%SOCに到達し、午後10時までに10%SOCに到達するように指示される場合がある。このスケジュールは、毎日繰り返される場合がある。ESSは、光起電力(PV)発電機またはいずれかの他の再生可能エネルギー源と協力するように、共同設置および制御することができる。
【0031】
本出願文献に記載された実施形態は、統合された再生可能エネルギー源(「RES」)(例えば、PV、風力など)およびエネルギー貯蔵システム(「ESS」)設備またはプラントのためのCCDモードの非常に望ましい実装態様を提供し、この組み合わせは、ここではRES-ESSまたはRES-ESS設備(光起電力および貯蔵または「PV+S」設備はその一部)と呼ばれ得る。RES-ESS設備は、充電時に所望のSOCに到達する。特定の実施形態では、RES-ESS設備は、RES生成が高いときに充電を優先することによって、所望のSOCに到達する。例えば、より多くのRES生成が利用可能な場合、ESSはより多く充電され、RES生成が制限されている場合、ESSはあまり(または全く)充電されない場合がある。特定の実施形態では、RES-ESS設備は、RESからのみESSを充電するので、最大投資税額控除(ITC)を利用して、設備の有効原価を削減することができる。特定の実施形態では、ESSは、RES-ESS設備に接続された電気グリッドからさらに充電され得る。
【0032】
本明細書に開示される方法は、正確な再生可能エネルギー生産予測(例えば、PVまたは風力生産のための)をCCDモードの実装態様に統合することによって可能になり得る。特定の実施形態では、SOCスケジュールで指定された周期的な最大SOC値(例えば、特定の日についての最大SOCで、その値は100%未満であってもよい)をできるだけ遅く達成することで、DC/ACインバータで別様にクリップされてしまう過剰なエネルギーの最大回収を可能にする。特定の実施形態では、SOCスケジュールで指定された周期的な最大SOC値は、SOCスケジュールを満たす最低の平均充電率においてESSを充電することによって、可能な限り遅く達成され得、特定の実施形態では、これは、SOCスケジュールを満たすことが依然として可能な最小の可能な平均SOCを維持することを伴い得る。ESSをできるだけ遅く充電することにより、RES-ESSプラントによって生成される収益をさらに増やす付帯的なサービスを実装するための余裕がESSに残される。
【0033】
ESSの平均SOCを可能な限り低く維持することの利点の1つは、さまざまなタイプのリチウムポリマーバッテリが高い平均SOCを維持すると、劣化の増大が呈されると広く認識されているため、ESSに関連付けられたバッテリの寿命を延ばすことができることにある。
【0034】
本明細書に開示された方法の利用はまた、RES-ESSプラントの出力を有益に平滑化することができ、それにより、ユーティリティおよびグリッドオペレータに非常に望ましい属性を提供することができる。CCDモードの単純な実装態様(すなわち、本開示を読むことの利益なしで)は、SOC目標に到達するためにできるだけ早く充電するために、グリーディ充電を伴うが、そのような戦略は、DC結合貯蔵システムのためにクリッピングされたエネルギーを潜在的に浪費する可能性が高まり得(これにより、プラントの運用にかかる有効原価が増大する)、またはAC結合RES-ESSのプラントの非平滑な出力がもたらされ得る。さらに、前述のように、高いSOCを長期間維持すると、ESSの寿命全体にわたって劣化が増大すると予想される。CCDモードのやや効率的な実装態様は、RES-ESS設備が、現在の時間とSOC目標時間との間でESSを線形に充電するように、充電を補間することができる。この提案された戦略には、RES-ESS設備がその日の再生可能エネルギー生産予測に従ってエネルギーを生産できない場合、望ましいSOCが満たされない場合があるという欠点がある。
【0035】
特定の実施形態では、電気エネルギー生産の時間依存予測は、現場空イメージング(例えば、カメラを使用する)、衛星イメージング、または気象モデリングに基づき得る。特定の実施形態では、電気エネルギー生産の時間依存予測は、現場空イメージング(例えば、カメラを使用する)、衛星イメージング、および気象モデリングのうちの2つ以上(または3つすべて)のアンサンブルに基づき得る。
【0036】
図1Aは、一実施形態によるRES-ESS設備11における、複数の生成ユニット14A~14N(光起電力ユニットを含む光起電力(PV)アレイなど)を含む再生可能電気エネルギー生成デバイス14、および再生可能電気エネルギー生成デバイス14によって生産される電力で充電可能な複数のエネルギー貯蔵ユニット24A~24N(バッテリユニットを含むバッテリアレイなど)を含むエネルギー貯蔵デバイス24を制御するためのAC結合計測および制御システム10の様々な構成要素間の相互接続を示す概略図である。RES-ESS設備11は、再生可能電気エネルギー生成デバイス14(例えば、PVパネル、風力タービンなどのアレイなど)と、単一の変電所30に結合され、および/または単一地所、領域、または構造に設置され得るエネルギー貯蔵デバイス24(例えば、リチウムベースのバッテリのアレイ)とを組み合わせることができる。
【0037】
図1Aは、インバータ16、26を使用して、再生可能電気エネルギー生成デバイス14(例えば、特定の実施形態ではPVアレイ)によって生産されたDC電力、またはエネルギー貯蔵デバイス24によって放出された電力を、AC電気グリッド34)に結合するためのAC電力に変換するAC結合RES-ESS設備11を示しているが、特定の実施形態では、RES-ESS設備11は、DC結合RES-ESS設備を具体化し得る。特定の実施形態では、エネルギー貯蔵デバイス24は、様々な構造および化学物質、コンデンサ、またはフライホイールもしくは揚水発電施設などの機械的エネルギー貯蔵デバイスを使用するバッテリ24A、24Bのうちの少なくとも1つ(またはそれらの組み合わせ)を含み得る。特定の実施形態では、エネルギー貯蔵デバイス24は、(例えば、水を電気分解して水素を放出するように構成されている)少なくとも1つの加水分解ユニット、および(例えば、水素を放出可能に結合するための吸着媒体、貯蔵容器、および/または可逆化学反応物容器もしくはベッド)水素貯蔵ユニットを含み得る。特定の実施形態では、エネルギー貯蔵デバイス24は、任意選択で、コンデンサで増強されたバッテリなどの電荷貯蔵デバイスからなる場合がある。
【0038】
特定の実施形態では、RES-ESSディスパッチャユニット36は、RES-ESS設備11に設置され得るESSコントローラ22と通信することによって、エネルギー貯蔵デバイス24(例えば、バッテリ)の充電または放電を制御する能力を有する。RES SCADA(監視制御およびデータ取得)コントローラ12は、再生可能電気エネルギー生成デバイス14(任意選択でPVアレイに具体化される)に関連付けられたRESインバータ16と動作可能に結合され、ESSコントローラ22は、エネルギー貯蔵デバイス24に関連付けられたESSインバータ26と動作可能に結合されており、RES SCADAコントローラ12およびESSコントローラ22の両方が、RES-ESSディスパッチャユニット36と通信している。特定の実施形態では、(例えば、電力ユーティリティまたはグリッドオペレータの)ユーティリティ制御センタ38は、DNP3を使用してRES-ESSディスパッチャユニット36と通信し、異なる構成オプションを設定することができる。さらに、RES-ESSディスパッチャユニット36は、CCDおよび他の制御モードを実装するために使用する正確な再生可能生成予測(例えば、太陽発電予測)を受信(または生成)する。図1Aに示されるように、特定の実施形態は、RES-ESS(例えば、PV+S)設備出力を測定するためのRES+ESS電力量計32、RES出力を測定するためのRES電力量計19、およびESS出力を測定するためのESS電力量計29など、容易に利用可能な電力量計を利用することができる。RES電力量計19からの信号は、RES SCADAコントローラ12に提供され、ESS電力量計29からの信号は、ESSコントローラ22に提供される。RES-ESS設備11によって生成された電力は、保護および適切な電圧変換を実装する発電機ステップアップ(GSU)変電所30を介して電力システム(例えば、AC電気グリッド34)に提供され得る。RES変圧器18およびESS変圧器28は、それぞれインバータ16、26とGSU変電所30との間に配置されて、電圧変換ユーティリティを提供することができる(例えば、特定の実装態様において、AC電力信号を34.5kVにおいてGSU変電所30に供給する)。
【0039】
図1Bは、制御およびセンサ関連の構成要素の相互接続を含む、図1AのAC結合計測および制御システムの特定の構成要素を示す概略図である。図1Bに示すように、RES-ESSディスパッチャユニット36は、ユーティリティ制御センタ38とRES-ESS設備11との間に配置されている。RES-ESS設備11内で、RES SCADAコントローラ12は、(例えば、再生可能電気エネルギー生成デバイス14の一部として配置可能な)再生可能電気エネルギー生成ユニット14A~14Nによって生産されたDC電力のAC変換を提供するように構成されているRESインバータ16A~16N(ここで、Nはいずれかの適切な数を表す)と動作可能に結合される。同様に、RES-ESS設備11内で、ESSコントローラ22は、(例えば、エネルギー貯蔵デバイス24の一部として配置可能な)エネルギー貯蔵ユニット24A~24Nによって供給されるDC電力のAC変換を提供するように構成されているESSインバータ26A~26Nと動作可能に結合される。RES-ESS設備11はさらに、少なくとも1つのセンサ40を含み、これは、RES-ESS設備11に近接する空の状態(雲の存在など)を決定するのに有用な1つ以上の空イメージングセンサを含み得、少なくとも1つのセンサ40からの出力信号は、RES-ESSディスパッチャユニット36に供給される。RES-ESSディスパッチャユニット36はまた、(i)必ずしもRES-ESS設備11に関連付けられていない1つ以上のセンサ42(例えば、衛星イメージングセンサなど)からの信号、(ii)気象モデリングユニット44によって提供される気象データ、(iii)再生可能電気エネルギー生成デバイス14および/または1つ以上の他の再生可能電気エネルギー生成デバイスもしくはユニットによる生成を予測することができる予測ユニット46からの信号を受信することができる。特定の実施形態では、電気エネルギー生産の時間依存予測は、予測ユニット46によって実行され得るか、またはRES-ESSディスパッチャユニット36によって実行され得る。特定の実施形態では、電気エネルギー生産の時間依存予測は、センサ(複数化)40によって提供される現地空イメージング、センサ(複数可)42によって提供される衛星イメージング、および気象モデリングユニット44によって提供される気象データのうちの1つ、2つ、または3つすべてを利用することができる。特定の実施形態では、他のタイプのセンサを使用することができる。
【0040】
図2は、一実施形態による、RES-ESS設備(例えば、再生可能電気エネルギー生成資源、および再生可能電気エネルギー生成資源によって生産された電力で充電可能な電気エネルギー貯蔵デバイスを含む)をディスパッチするためのプロセッサベースのエネルギーディスパッチ制御システム50を示すブロック図である。制御システム50は、機能ブロックとして、ユーティリティインターフェース52、手動入力54、設定コンバイナ56、およびエネルギーディスパッチャ58を含む。ユーティリティインターフェース52は、電力システムユーティリティと、かつエネルギーディスパッチャ58と通信して、構成コマンド(例えば、CCDモード構成コマンド)を受信し、プラントステータスおよび状態情報62を送信する。ユーティリティによって設定されるCCDモード構成の例は、所定の時間における第1のSOC目標を含み、第2の所定の時間における第2のSOC目標を含むスケジュールであり得る。例えば、ユーティリティは、ESSが午後5時までに90%のSOCに到達し、午後10時までに10%のSOCに到達することを望んでいる場合がある。ユーティリティインターフェース52は、DNP3リンク60を介してDNP3(分散ネットワークプロトコル)情報を受信し、公開されたDNP3構成点を内部データ構造に変換する役割を担う。ユーティリティインターフェース52は、DNP3リンク60を介して、いずれかのデータ構造の変更をユーティリティに通信する役割も担う。手動入力54は、MESA-ESS SCADA点によってアドレス指定できない構成パラメータを含む。設定コンバイナ56は、1つの実装態様では、いずれかの構成入力を検証し、それらをエネルギーディスパッチャ58に渡す。設定コンバイナ56は、ユーティリティまたはグリッドオペレータによって提供されるMESA-ESSスケジュール/モード/曲線を受信し、オプティマイザによって生産されたスケジュールを受信し、いずれかの潜在的な手動入力54を受信し、次いで、組み合わされたスケジュール/モード/曲線を生成する。エネルギーディスパッチャ58は、RES-ESS設備(またはプラント)の(協調充電/放電またはCCDを含むがこれらに限定されない)制御モードを実行し、かつ再生可能エネルギー生産予測64を利用してESSの充電または放電レベルを決定するエンジンである。エネルギーディスパッチャ58は、RES-ESSプラントの現在の状態を観察し、RESによる電気エネルギー生産の時間依存予測を利用し、設定コンバイナ56によって生成されるいずれかの組み合わせたMESA-ESSスケジュール/モード/曲線を利用することによって、短い時間スケールでRES-ESS fの出力を制御する役割を担っている。再生可能エネルギーの予測には、再生可能エネルギー源(PVアレイ、風力タービンなど)によって生成されると予想される電力の時系列の点が含まれる場合がある。このような予測は、(タイムスタンプ、電力値)のフォーマットを有し、指定された間隔の時間値のセット(例えば、1分間隔で15分、1時間間隔で36時間など)を含む場合がある。これらの潜在的なフォーマットおよび時間枠は、例示的な予測の性質を示すために提供されており、開示を制限することを意図するものではない。エネルギーディスパッチャ58は、アラートならびにRES-ESSプラント状態および/またはステータス情報をユーティリティインターフェース52に渡す役割も担っている。
【0041】
特定の実施形態では、協調充電/放電(CCD)モードを利用してRES-ESSプラントを制御するための、本明細書に開示される方法は、融合プロセスに従って他の(例えば、PV+S)制御アルゴリズムと同時に機能し得る。このような融合プロセスでは、各制御アルゴリズムによって生成される理想値、最小値(下限)、および最大値(上限)が使用され(各アルゴリズムは異なる制御モードに対応する)、制御アルゴリズムの構成された優先度に基づいて、融合によって、最終的なESS充電または放電目標が生成される。これに関して、特定の実施形態では、時変充電/放電制御信号は、複数の制御モードのうちの1つ以上の制御モードの採用によって変化しやすくなっており、複数の制御モードの各制御モードについて、上限値、下限値、および理想値を含む信号候補値が生成される。さらに、複数の制御モード間の制御信号候補値の共通部分が特定されるか、または最も優先度の高い制御モードの理想値が選択されて、時変充電/放電制御信号が生成される。本明細書に開示される方法で利用できる制御モードの例には、MESA-ESS仕様で指定される有効電力モード:充電-放電(CD)モード、協調充電放電(CCD)モード、有効電力制限(APL)モード、有効電力応答(APR)モード、有効電力平滑化(APS)モード、価格設定信号(PS)モード、ボルト-ワット(VW)モード、周波数-ワット曲線(FWC)モード、および自動生成制御(AGC)モードが含まれる。このようなモードについては、以下で説明する。
【0042】
図3および図4は、それぞれ、PVアレイ、およびPVアレイによって生産された電力で充電可能なバッテリアレイを含むシステムを使用する、電気エネルギー貯蔵デバイスの充電および放電の論理図を具体化している。PVは本明細書で参照されているが、開示された概念は、いずれかの1つ以上のタイプの再生可能電気エネルギー生成ユニット(風力、太陽光、潮汐など)に及ぶことを理解されたい。図3および図4は、いくつかの変数に言及する。図3および図4を詳細に説明する前に、そのような図に記載されている変数を、次の表1に記載している。
【表1】
【0043】
充電論理。図3は、一実施例による、PVアレイと、PVアレイによって生産された電力で充電可能なバッテリアレイとを含むシステムを使用して、電気エネルギー貯蔵デバイスを充電して充電状態(SOC)目標値に到達するための、充電論理100を提供する図である。CCDモードは、設定された開始時刻から設定された終了時刻まで動作し、ESSを特定の時間までに所望のSOC目標に到達させるように機能する。CCDモードは、エネルギーディスパッチャ内のループで実行でき、リフレッシュ期間の考察に続いて、以下で説明するように、各リフレッシュ期間において、Bess_Ideal、Bess_Max、およびBess_Minの3つの値を計算してコントローラに返す。
【0044】
指定された時間間隔を除いて、RES-ESS設備出力が変動する能力を制限するために、CCDモードの実行前にリフレッシュ期間が検討される。ディスパッチの観点から、RES-ESSの出力変動を指定された時間間隔に制限することは、様々な生成購入および供給取引が、一般に、特定の(所定の)時間ブロックに対して常時電力出力としてスケジュールされるため、電気システム(例えば、グリッド)のオペレータが、指定されたシステム負荷を満たすために、異なる生成資源を協調させることを可能にするため、魅力的である。エネルギー市場またはエネルギーバランス市場への入札による参加には、指定された期間電力を供給するという確約が必要である。この問題に対処するために、リフレッシュ期間は、本明細書に開示されるシステムおよび方法で使用され得、リフレッシュ期間は、システムオペレータにとって都合のよい期間(例えば、15分、30分、または別の選択可能な時間間隔)であるように選択される。リフレッシュ期間は、(例えば、新しいベースポイント値の確立のための)RES-ESS制御アルゴリズムの2つの連続した実行間の時間に対応する。BESS_min、BESS_ideal、およびBESS-maxの値は、リフレッシュ期間の満了時に1度再計算されるが、これらの値が再計算された後は、次のリフレッシュ期間の満了まで一定のままである。これを図3に示す。決定ブロック102は、現在の時間がリフレッシュ頻度と一致するかどうかを検討する。決定ブロック102のクエリが偽である場合(すなわち、現在のリフレッシュ期間がまだ終了していない場合)、BESS_min、BESS_ideal、およびBESS-maxの各々の値は変更されないままである(すなわち、BESS_minは、ブロック102において以前に計算されたMin設定点のままであり、BESS_iedalは、ブロック104において以前に計算されたIdeal設定点のままであり、BESS_maxは、ブロック106において以前に計算されたMax設定点のままである)。決定ブロック102のクエリが真である場合(すなわち、現在のリフレッシュ期間が終了した場合)、決定ブロック110から開始して、BESS_min、BESS_ideal、およびBESS-maxの各々の値を再計算することができる。
【0045】
Bess_Idealの計算。決定ブロック110は、予測が利用可能であるかどうかを検討する。予測が利用可能である場合(つまり、決定ブロック110での照会が真である場合)、BESSは、PV生成が高いときに充電を優先し、BESS_min、BESS_ideal、およびBESS_maxはブロック112、114、および116においてそれぞれ計算される。ブロック114において、BESS_idealは、proportional_charge_powerおよびBESS銘板放電電力容量の最小値に設定される。グリッド充電が許可されていない実装態様では、取得できる最高の充電レベルは、PVから生成された電力に等しくなる。予測が利用できない場合(すなわち、決定ブロック110での照会が偽である場合)、特定の実施形態では、BESSは、すべてのタイムステップでchargeable_pv全体を充電することによって、「グリーディ充電」を実行する。特定の実施形態では、予測が利用できない場合、BESS_ideal設定点は、ブロック122において示されるように、WhまたはBESS銘板放電電力容量で管理するためのSOEの最小値である。
【0046】
Bess_Maxの計算。特定の実施形態では、利用可能なエネルギーの量がSOC目標に到達するのに必要なエネルギーの量よりも少ない場合、CCDのためのBESS_max電力設定点は、BESS_ideal電力設定点と同じである。特定の実施形態では、BESS_max電力設定点は、ブロック116において示されているように、BESSの銘板放電電力容量である。予測が利用できない場合(すなわち、決定ブロック110における照会が偽である場合)、ブロック124において示されているように、BESS_max電力設定点は、BESS銘板放電電力容量である。
【0047】
Bess_Minの計算。予測が利用可能な場合(つまり、決定ブロック110での照会が真である場合)、充電用のBESS_min電力設定点(最も負の電力設定点)は、ブロック112で示されるように、(i)(ECP相互接続制限(ワット)×残り時間(時間))-時間間隔でのPVエネルギー生産(ワット時)+管理するSOE(ワット時)、(ii)Bess銘板放電電力、または(iii)このモードのBess_ideal設定点のうちの最小値である。予測が利用できない場合(すなわち、決定ブロック110における照会が偽の場合)、ブロック120に示すように、BESS_min電力設定点は、Whで管理するSOEまたはBESS銘板放電電力容量の最小値である。
【0048】
放電の論理。図4は、一実施形態による、PVアレイと、PVアレイによって生産された電力で充電可能なバッテリアレイとを含むシステムを使用して、電気エネルギー貯蔵デバイスを放電するための放電論理130を提供する図である。以前と同様に、指定された時間間隔を除いて、RES-ESS設備出力が変動する能力を制限するために、CCDモードの実行前にリフレッシュ期間が検討される。図4に示されるように、決定ブロック132は、現在の時間がリフレッシュ頻度と一致するかどうかを検討する。決定ブロック132のクエリが偽である場合(すなわち、現在のリフレッシュ期間がまだ終了していない場合)、BESS_min、BESS_ideal、およびBESS-maxの各々の値は変更されないままである(すなわち、BESS_minは、ブロック134において以前に計算されたMin設定点のままであり、BESS_idealは、ブロック136において以前に計算されたIdeal設定点のままであり、BESS_maxは、ブロック138において以前に計算されたMax設定点のままである)。決定ブロック132のクエリが真である場合(すなわち、現在のリフレッシュ期間が終了した場合)、決定ブロック140から開始して、BESS_min、BESS_ideal、およびBESS-maxの各々の値を再計算することができる。
【0049】
図4を引き続き参照すると、CCDモードは、設定された開始時刻から設定された終了時刻まで動作し、ESSを特定の時間までに所望のSOC目標に到達させるように機能する。CCDモードは、エネルギーディスパッチャ内のループで実行でき、以下で説明するように、各リフレッシュ期間において、Bess_Ideal、Bess_Max、およびBess_Minの3つの値を計算してコントローラに返す。
【0050】
Bess_Idealの計算。決定ブロック140は、予測が利用可能であるかどうかを検討する。予測が利用可能である場合(つまり、決定ブロック140での照会が真である場合)、BESSは、PV生成が低いときに放電を優先し、BESS_min、BESS_ideal、およびBESS_maxはブロック142、144、および146においてそれぞれ計算される。ブロック144において、Bess_idealは充電可能PVおよびproportional_charge_powerの最小値に設定される。放電期間が日中でない場合、BESS_ideal電力設定点は、avg_discharge_powerになり得る。予測が利用できない場合(すなわち、決定ブロック140での照会が偽である場合)、ブロック154において示されているように、理想的なBESS放電電力設定点は、chargeable_pvである。
【0051】
Bess_Minの計算。予測が利用可能かどうかに関係なく(つまり、決定ブロック140において照会が真か偽かどうか)、Min BESS電力設定点は、ブロック142および152において示されているように、(i)SOE_to_Manage(ワット時)またはchargeable_PVの最小値になる。
【0052】
Bess_Maxの計算。予測が利用可能である場合(すなわち、決定ブロック140における照会が真である場合)、論理は決定ブロック146に進み、available_energyが、SOE_to_manage以下であるかどうかの照会を提示する。決定ブロック146における照会が真である場合、Max BESS電力設定点は、ブロック148において示されているように、充電可能PVおよびproportional_charge_powerの最小値である。決定ブロック146における照会が偽である場合、Max BESS電力設定点は、ブロック150において示されているように、BESS放電電力銘板容量である。決定ブロック140に戻ると、決定ブロック140における照会が偽である場合、ブロック156において示されているように、Max BESS電力設定点は、chargeable_pvである。
【0053】
図5は、本明細書で開示されているような方法で制御した場合の、1日の06:00~21:00の期間について、再生可能電気エネルギー生成資源(RES)と、再生可能電気エネルギー生成資源で生産された電力で充電可能な電気エネルギー貯蔵デバイス(例えば、バッテリエネルギー貯蔵システムまたはBESS)とを含むシステムの例示的な出力プロットである。出力プロットには、メガワット単位のPV生成(PV MW)、バッテリエネルギー貯蔵システムの充電状態(BESS SOC)、および電気グリッドに供給される集約された光起電力と貯蔵エネルギー(PV+S出力)が含まれる。SOCスケジュールでは、12:00までにBESSの80%SOCを達成し、20:00(8:00PM)までに0%SOCを達成する必要がある。充電アルゴリズムは07:00頃~12:00に採用され、放電アルゴリズムは12:00~20:00に採用される。充電アルゴリズムが採用されている間、PV生成の一部分がBESSを充電するために割り当てられるため、PV MWは必ずしもPV+S出力ではない。BESSのSOCは、07:00~12:00に上昇するが、直線的な速度ではない。矢印端を有する縦の破線で示されているように、充電アルゴリズムの使用中は、より多いPV生成が利用可能である場合、BESS充電量が多くなり、より少ないPV生成が利用可能である場合、BESS充電量が少なくなる。逆に、放電アルゴリズムが使用されている間、より多いPV生成が利用可能である場合、より少ない量のエネルギーがBESSから放電され、より少ないPV生成が利用可能である場合、より多い量のエネルギーがBESSから放電される。
【0054】
本明細書で前述したように、MESA-ESS仕様では、有効電力モード:[1]充電-放電(CD)モード、[2]協調充電-放電(CCD)モード、[3]有効電力制限(APL)モード、[4]有効電力応答(APR)モード、[5]有効電力平滑化(APS)モード、[6]価格信号(PS)モード、[7]ボルト-ワット(VW)モード、[8]周波数-ワット曲線(FWC)モード、および[9]自動生成制御(AGC)モードについて説明している。モード[1]~[6]は、「ベースポイント」と呼ばれ得るバッテリ有効電力出力をもたらし、そのため、モード[1]~[6]は、ベースポイントモードと呼ばれ得る。モード[7]~[9]は、ベースポイントに正または負の電力を加える「付加」モードであり、非ベースポイントモードと呼ばれ得る。非ベースポイントモードの固有の特性は、APSモードが、次のベースポイントを計算するときに、それらから得られる追加電力を考慮しないことである。
【0055】
MESA-ESS仕様では、異なる有効電力制御モードがどのように機能すべきかを詳述し、それらを組み合わせる可能性を特定しているが、このような文献では、異なる制御モードの機能をどのように組み合わせたり積み重ねたりするかを定義しようとはしていない。通常、各有効モードは、いずれかの所与の時点において、様々な電力応答で満たすことができる。例えば、4時間のバッテリ(例えば、4時間で0%~100%まで充電可能)に、バッテリを充電する8時間ウィンドウがある場合、バッテリは、最初に全部充電しても、最後に全部充電しても、8時間ウィンドウの間に均等に充電しても構わない。この柔軟性を活用して、充電ウィンドウや太陽光発電の平滑化など、複数のモードを同時に実装することができる。本明細書で説明する融合プロセスにより、異なるMESA-ESS有効電力制御モードを組み合わせて、互換性がある場合はそれぞれの制御モードに適応する出力を生成することができ、また、各制御モードを他の制御モードよりも優先させることができる。
【0056】
本明細書で前述したように、各有効電力制御モード専用のアルゴリズムは、定義された要件を満たすことが可能な一方(例えば、SOCスケジュールに従って)、BESSによって適応可能な理想値、最小(下限-最大の負または最小の正に対応)値、最大(上限-最大の正または最小の負に対応)値を出力することができる。特定の実施形態では、そのような値は、BESS測定器に関して定義され得る電力設定点を具体化し、それにより、負の値は充電を表し、正の値は放電を表す。各モードの理想的なBESS電力設定点は、その機能を実行するために、それが最も効率的に動作するための好ましい有効電力要件を表している。3つの設定値(理想、最小、および最大)は、異なる有効電力制御モードに対して異なる意味を持ち得る。例えば、協調充電放電管理(CCD)モードの場合、最小および最大BESS電力設定点は、SOC目標がなお達成されていることを満たしながら、モードがその瞬間に適応できる最小および最大BESS電力をそれぞれ表す。理想的な電力設定点は、SOC目標に最適な方法で到達するために必要なBESS有効電力として定義することができる。
【0057】
電力を特定の有効電力制限未満に制限する有効電力制限制御モードの場合、最大BESS電力設定点は、制御モードが適応できる最大電力(つまり、電力閾値)であるが、この場合の最小BESS電力設定点は、制御モードには設定下限閾値がないため、RES-ESSプラントの最小動作限界になり得る。
【0058】
モードの積み重ねは、異なる制御モードを順次接続することによって実行することができる。これは、ある制御モードの最小、最大、および理想の設定点を、それぞれの制御モードの優先順で、次の制御モードに渡すことによって実装することができる。順番の次の制御モードは、前の制御モードの設定点の値を計算に使用してから、独自の設定点の値を出力することができる。
【0059】
図6は、制御システム160によって使用可能な異なる制御モード162、164、166の連続(または積み重ね)配置を示す第1の図であり、各制御モードは、複数の制御信号候補値を含み、連続的に接続された制御モードは、単一の有効電力コマンドを生成する。最高の優先度であるステージングモード162は、BESSの動作限界からなり、常に最高の優先度(例えば、優先度0)である。すべての制御モードは、ステージングモード162で定義された制限(最小および最大)内で動作する必要がある。積み重ね制御モードは、優先度の低いモードの要件が優先度の高いモードの制限内にあるかどうかを順次テストする。優先度の低いモードが範囲外の場合、優先度の高いモードの設定点は、優先度の低いモードの設定値を上書きすることによって優先される。図示するように、次に高い優先度のモードは、それぞれ、CCDモード164およびAPSモード166である。ベースポイント信号168は、複数の制御モード162、164、166の間で制御信号候補値の共通部分を特定することによって、または最も優先度の高い制御モード162、164、166の理想値を選択することによって生成され、本実施形態では、ベースポイント信号168は、RES-ESS設備の1つ以上の構成要素を制御するために使用可能な、時変充電/放電制御信号(例えば、有効電力コマンド信号)169として機能する。
【0060】
前述のように、ステージングモードは、デフォルトで最も優先度の高いモードであり、ESSの現在の動作制限(例えば、BESS)を含んでいる。このモードの最小と最大は、ESSの現在の動作状態と条件を使用して計算される。ステージングモードによって対処される制限の例には、基本的なシステム制限(例えば、エネルギー源または自主制限)、銘板およびデバイス制限(例えば、力率1における銘板最大電圧定格および銘板有効生成電力定格))、および現在の動作制限(例えば、最大電圧および最大有効生成電力)が含まれる。自主制限のエネルギー源の例として、システムが利用できない電力を生産できないこと、およびワット数の制限が、太陽光資源の利用可能性、および/または熱的条件、エラー、故障などの要因によってインバータがそれ自体に課す制限に起因し得ることを検討されたい。
【0061】
図7A図7Eは、5つの異なる例による、複数の連続的に接続された制御モードの制御信号候補値と、正味出力値を特定する表を具体化している。図7Aでは、すべての制御モードは、より優先度の高いモードによって設定された範囲内にあり、-20MWの値がベースポイントの正味出力として選択されている。図7Bでは、すべての制御モードは、より高い優先度モードによって設定された範囲外であり、0MWの値がベースポイントの正味出力として選択されている。図7Cでは、すべての制御モードが部分的に重複しており、10MWの値がベースポイントの正味出力として選択されている。図7Dでは、優先度の高いCCDモードは、優先度の低いAPSモードに部分的に適応することができ、10MWの値がベースポイントの正味出力として選択されている。図7Eでは、優先度の高いCCDモードと優先度の低いAPSモードの設定点が互いに衝突し、それによって、CCDモード範囲内でAPSモード範囲に最も近い値(すなわち、0MW)がベースポイントの正味出力として選択されている。
【0062】
特定の実施形態では、異なる制御モード(または制御モードの組み合わせ)を、異なる時間において動作させることができる。
【0063】
図8は、一実施例による、異なる時間において接続された制御モードの異なる組み合わせを利用する方法で制御した場合の、再生可能電気エネルギー生成資源(例えば、PV源)と、再生可能電気エネルギー生成資源によって生産された電力で充電可能な電気エネルギー貯蔵デバイス(例えば、BESS)とを含むシステムの例示的な出力プロットである。出力プロットには、メガワット単位のPV生成(PV MW))、バッテリエネルギー貯蔵システムの充電状態(BESS SOC)、および電気グリッドに供給される集約された光起電力と貯蔵エネルギー(PV+S出力)が含まれる。有効電力平滑化(APS)モードと協調充電-放電(CCD)モードは、日の出(07:00頃)に有効になり、12:00までに50%SOCに到達する。12:00から14:30までは、APSモードのみが有効になる。日没時(17:00頃)にCCDモードのみが有効になり、21:00までに0%SOCに到達する。図8に示されるように、組み合わされたPV+S出力は、著しいPV MW変動の期間(例えば、08:00~14:00)、PV MWよりも最高最低間の変動が少ないことを呈している。
【0064】
APSは、指定された電気接続点(ECP)基準計測器信号に基づいて、PV+Sプラント出力を平滑化するベースポイント制御モードである。特定の実施形態では、APSは、グリッドとの相互接続点における現在のPV+S出力を測定することと、APSフィルタ時間に基づくECP基準計測器の移動平均を計算することと、(i)(基準電力の移動平均の前後に及ぶ)不感帯、(ii)平滑化勾配、および(iii)ECP基準計測器の移動平均に基づいて必要な追加のワットを計算することと、を伴い得る。
【0065】
図9は、制御システム170によって使用可能な異なる制御モード172、174、176、180、182の連続(または積み重ね)配置を示す第2の図である。制御システム170は、単一の有効電力コマンドを生成する、連続的に接続されたベースポイント制御モード172、174、176、および非ベースポイント制御モード180、182を利用する。各制御モード172、174、176、180、182は、複数の制御信号候補値を含む。最高の優先順位であるステージングモード172は、BESSの動作限界からなり、(優先順位が下がる)それぞれ、CCDモード172およびAPSモード174が続き、ベースポイント値178を生じさせる。ベースポイント値178は、先行する制御モード172、174、176の間で制御信号候補値の共通部分を特定することによって、または最も優先度の高い先行する制御モードの理想値を選択することによって生成される。このベースポイント値178は、自動生成制御(AGC)モード180および周波数-ワット曲線(FWC)モード182をそれぞれ連続して適用することによって修正(例えば、増加または減少)される。時変充電/放電制御信号(例えば、有効電力コマンド信号)183は、AGCおよびFWCモード180、182によって生成された非ベースポイント値でベースポイント値178を修正することから得られる。したがって、図9は、AGCおよびFWCモード180、182がどのようにベースポイントに電力を付加することができるかを示している。付加モードの典型的な実装態様は、BESSからのいくらかの電力が、ベースポイント値178の計算から確保されると想定することができる。例えば、20MWのBESSには、AGCおよびFWCモードに対して2MWが確保されている場合がある。したがって、ステージングモード(優先度0)では、-18~18MWしか利用できない。一実施形態では、-18MWのベースポイント値を計算することができ、AGCモードは2MWを生じさせることができ、FWCモードは-1MWを生じさせることができる。-17MWの有効電力コマンドが、得られる場合がある((-18)+(2)+(-1)として計算される)。AGCモードは、マスタによって設定された有効電力目標に基づいて単一のPV+S電力設定点を出力する付加電力制御モードであり、RES-ESS(例えば、PV+S)設備の動作制限の制約を受けながら、AGC出力がベースポイント値に加えられる。
【0066】
FWCモードは、指定された公称周波数からの測定された偏差に応じて、システムの電力出力を変更するために使用される付加電力制御モードである。特定の実施形態では、FWCは、基準EPC測定器を使用して、グリッド周波数を測定することを伴い得る。グリッド周波数が指定された不感帯内にある場合、または現在のBESS SOCが許容されている使用可能なSOC制限を超えている場合、アクションは実行されない。ただし、グリッド周波数が指定された不感帯外にある場合、提供される付加的な電力は、測定された垂下を使用して計算される。
【0067】
特定の実施形態では、ランプレート制約は、RES-ESS設備の制御信号に適用され得、ここで、生産された予測されたRESは、すべてのタイムステップにおいて検査され得、RES生産減少イベント(例えば、PV生産の急激な低下)を軽減するために、電力が先制的に削減されることがある。この文脈でのランプレートは、所与の時間間隔(例えば、1分あたりの変化、または1時間あたりの変化)におけるRES設備またはRES-ESS設備(例えば、PV+S設備)の電力出力の変化として定義することができる。短期のRES生産予測を、活用することができる。制御の対象となる2つの主要なランピングイベントは、(1)減少イベント、および(2)増加イベントである。PV生産を含む設備の文脈での減少イベントは、現在の時刻から将来の「f」分までの将来のPVの予測を取得することで軽減でき、ここで、「f」はランプレートの下限の関数である。現在のプラント生産と予測されるPV電力値の間の勾配または傾斜を計算し、定義されたランプレートの下限と比較することができる。将来の電力値の勾配がランプレートの下限内にない場合、PV電力は、現在の予測時系列の最小勾配に等しい量だけ削減される場合がある。将来の電力値の勾配がランプレートの下限内にある場合、補正アクションは必要ない。
【0068】
ランプレート増加イベントの制御は、より簡単である。すべてのタイムステップにおいて、現在のRES(例えば、PV)の生産は、前のタイムステップのプラント生産と比較される。プラント生産が現在のRESの生産より少ない場合は、RESプラント出力がランプ制限に違反しないように削減が適用される。この機能は、RES-ESSプラントのインバータによって実行できる。これは、2つの場合に適用することができる。第1に、RES生産が突然増加した場合、この論理は、総出力がランプレートの上限以下である電力のステップで増加するように、プラント生産を制御する。第2に、ランプレート減少イベントを維持するために前のタイムステップでエネルギーが削減された場合、削減をゼロに戻すために、RES-ESSプラントの出力を、ランプレートの上限を超えないように増加させる。ランプレート増加の後、削減電力が計算され、予測されたRES生産値に対する勾配が、増加の削減のために再計算される。現在のランプレート増加イベントの結果が将来的に制御不能な違反を引き起こす場合、将来のすべての違反が制御されるように、最適な削減ソリューションが取得される。
【0069】
図10は、一実施形態による、再生可能電気エネルギー生成資源と、再生可能電気エネルギー生成資源によって生産された電力で充電可能な電気エネルギー貯蔵デバイスを制御するためのシステムの1つ以上の構成要素として含めることができるコンピュータシステム200の汎用表現の概略図である。コンピュータシステム200は、コンピュータ可読媒体からの命令を実行して、これらおよび/または本明細書に記載の機能または処理のいずれかを実行するように適合させることができる。
【0070】
コンピュータシステム200は、サポートされている通信サービスのスケーリングをサポートするためのプログラム可能なデジタル信号処理回路をプログラムおよび構成するために実行され得る命令のセットを含み得る。コンピュータシステム200は、ローカルエリアネットワーク(LAN)、イントラネット、エクストラネット、またはインターネット内の他のマシンに接続(例えば、ネットワーク化)され得る。さらに、単一のデバイスが示されているが、「デバイス」という用語は、本明細書で論じられる方法論のうちのいずれか1つ以上を実行する命令のセット(または複数のセット)を個別または共同で実行するデバイスのいずれかの集まりも含むとみなされるものとする。コンピュータシステム200は、プリント回路基板(PCB)、サーバ、パーソナルコンピュータ、デスクトップコンピュータ、ラップトップコンピュータ、携帯情報端末(PDA)、コンピューティングパッド、モバイルデバイス、またはいずれかの他のデバイスなどの電子基板またはカードに含まれる1つ以上の回路であり得、例えば、サーバまたはユーザのコンピュータを表し得る。
【0071】
本実施形態のコンピュータシステム200は、処理デバイスまたはプロセッサ202、メインメモリ204(例えば、読み取り専用メモリ(ROM)、フラッシュメモリ、同期DRAM(SDRAM)などのダイナミックランダムアクセスメモリ(DRAM)など)、およびスタティックメモリ206(例えば、フラッシュメモリ、スタティックランダムアクセスメモリ(SRAM)など)を含み、これらは、データバス208を介して互いに通信することができる。あるいは、処理デバイス202は、直接またはそれ以外の接続手段を介して、メインメモリ204および/またはスタティックメモリ206に接続され得る。処理デバイス202はコントローラであり得、メインメモリ204またはスタティックメモリ206はいずれかのタイプのメモリであり得る。
【0072】
処理デバイス202は、マイクロプロセッサ、中央処理装置(CPU)などの1つ以上の汎用処理デバイスを表す。特定の実施形態では、処理デバイス202は、複合命令セットコンピューティング(CISC)マイクロプロセッサ、縮小命令セットコンピューティング(RISC)マイクロプロセッサ、超長命令語(VLIW)マイクロプロセッサ、他の命令セットを実装するプロセッサ、または命令セットの組み合わせを実装する他のプロセッサとすることができる。処理デバイス202は、本明細書で論じられる操作およびステップを実行するための命令における処理論理を実行するように構成されている。
【0073】
コンピュータシステム200は、ネットワークインターフェースデバイス210をさらに含み得る。コンピュータシステム200は、命令を実行するときに、コンピュータシステム200に通信される入力および選択を受信するように構成されている少なくとも1つの入力212をさらに含み得る。コンピュータシステム200はまた、ディスプレイ、ビデオディスプレイユニット(例えば、液晶ディスプレイ(LCD)または陰極線管(CRT))、英数字入力デバイス(例えば、キーボード)、および/またはカーソル制御デバイス(例えば、マウス)を含むが、これらに限定されない出力214も含み得る。
【0074】
コンピュータシステム200は、コンピュータ可読媒体218に記憶された命令216を含むデータ記憶デバイスを含んでも、含まなくてもよい。命令216はまた、コンピュータシステム200によるその実行中、メインメモリ204内および/または処理デバイス202内に、完全にまたは少なくとも部分的に存在し得、メインメモリ204および処理デバイス202はまた、コンピュータ可読媒体を構成する。命令216はさらに、ネットワークインターフェースデバイス210を介して、ネットワーク220上で送信または受信され得る。
【0075】
コンピュータ可読媒体218は、実施形態では単一の媒体であるように示されているが、「コンピュータ可読媒体」という用語は、1つ以上の命令セットを記憶する単一の媒体または複数の媒体(例えば、集中型もしくは分散型データベース、および/または関連するキャッシュおよびサーバ)を含むとみなされるべきである。「コンピュータ可読媒体」という用語はまた、処理デバイスによる実行のための命令セットを記憶、符号化、または伝達することができ、処理デバイスに本明細書に開示されている実施形態の方法論のうちのいずれか1つ以上を実行させるいずれかの媒体を含むとみなされるものとする。したがって、「コンピュータ可読媒体」という用語は、固体メモリ、光学媒体、および/または磁気媒体を含むが、これらに限定されないとみなされるものとする。
【0076】
特定の実施形態では、本明細書に開示されるシステムおよび装置は、少なくとも1つのプロセッサによって、(i)再生可能電気エネルギー生成資源、および(ii)再生可能電気エネルギー生成資源によって生産された電力で充電可能な電気エネルギー貯蔵デバイスを制御するための、プログラム命令を含む非一時的コンピュータ可読媒体を利用することができ、方法が、少なくとも1つのプロセッサによって、(A)再生可能電気エネルギー生成資源による電気エネルギー生産の時間依存予測および(B)少なくとも1つの充電状態(SOC)目標値を含む電気エネルギー貯蔵デバイスのSOCスケジュールを利用して、電気エネルギー貯蔵デバイスのための時変充電/放電制御信号であって、SOC目標スケジュールを満たすために必要な平均速度において充電することにより、SOCスケジュールが満たされることを確実にするように構成されている時変充電/放電制御信号を生成することを行う一方で、電気エネルギー生産の更新された時間依存予測、または更新されたSOCスケジュールのうちの少なくとも1つに基づいて、時変充電/放電制御信号の生成を定期的に更新することを含む。特定の実施形態では、コンピュータ可読媒体に含まれるプログラム命令は、本明細書に開示されるような追加の方法ステップを実行するように構成され得る。
【0077】
図11Aおよび図11Bは、RES-ESS設備の総出力を制御するためのベースポイント値の再計算を制限するために、リフレッシュ期間を利用しないことと、利用することとの効果の視覚的比較を可能にするために提供される。図11Aは、本明細書で開示されているような方法で制御されるが、構成可能なリフレッシュ期間がない場合の、1日の06:00~21:00を含む期間について、PVの形態の再生可能電気エネルギー発電資源(RES)と、再生可能電気エネルギー生成資源によって生産された電力で充電可能な電気エネルギー貯蔵デバイス(ESS)を含むシステムのモデル化された出力プロットである。集約された光起電力および貯蔵(PV+S)出力の著しい時間的変動は、09:00~18:00に示されており、一定の電力出力に対応するゼロ以外の勾配を有する期間はほとんどない。プラント出力のこれらの変動は、エネルギー市場および/またはエネルギーバランス市場で、入札によって参加して、指定された期間に固定電力ブロックを供給するプラントオペレータの能力を阻害する。
【0078】
図11Bは、30分のリフレッシュ期間を利用して、本明細書に開示された方法によって制御され、ベースポイント値が30分ごとに再計算される場合の、図11Aに示される同じRES-ESSシステムおよび期間のモデル化された出力プロットである。図示されるように、ベースポイント制御値は30分のリフレッシュ期間ごとに一定のままであるため、集約されたPV+S出力は、30分の期間ごとに実質的に一定のままである。RES-ESS設備の協調的制御にリフレッシュ期間を適用することで、プラントは指定された期間に固定電力ブロックを供給することができ、それによりプラントオペレータは、入札によって参加して、エネルギー市場および/またはエネルギーバランス市場で指定された期間に固定電力ブロックを供給することが可能になる。
【0079】
図12Aおよび図12Bは、再生可能電気エネルギー生成資源(RES)(例えば、PV)およびRESによって生産された電力で充電可能な電気エネルギー貯蔵デバイス(ESS)を含むシステムのモデル化された出力プロットを提供している。図12Aおよび図12Bの出力プロットは、リフレッシュ期間の利用を呈しているが、図12Bの出力プロットのみが、毎日のPV生産が終了した後に、集約されたプラント(PV+S)の出力が望ましくない谷部になり、その後、ESSの放電中にPV+S出力が増加することを回避している。図12Aの出力プロットは、各期間、すなわち、現在の時間から一日の終わりまで(例えば、各図における22:00)のSOC目標について、一日の残り時間のみを考慮するSOC準拠評価期間を利用する制御スキームに対応する。このアプローチの制限は、RES(例えば、PV)の生産が低下し、1日の終わりまで低いままである場合、ESSを十分に迅速に放電できないということである。さらに、図12Aのアプローチは、減少する平均電力の問題につながる。現在の時間が増加し、ウィンドウの終わりが一定のままであるので、ウィンドウがますます小さくなるように更新されると、自然な減少の間、平均は常に現在の電力よりも低くなる傾向がある。これは、より低いベースポイントを推定するアルゴリズムをもたらし、図12Aで明らかな谷部252を引き起こす。図12A図12Bの各々で22:00においてゼロSOC目標が達成され、各図は1日の始まりから17:00頃まで実質的に同一であるが、図12A図12Bの出力プロットは17:00~20:00で大幅に異なる。図12Aは、PV+S出力が約22MWの最小値まで低下する谷部領域251と、それに続く、PV+S出力が22:00においてゼロまで急速に低下する前に約50MWの値まで増加するPV+S増加領域254とを含む、17:00~22:00のPV+Sプロファイル250を提供している。対照的に、図12Bは、PV+S出力の増加に対応する正の傾斜領域が続く、谷部のない、異なるPV+Sプロファイル255を提供している。特に、図12Bに示されるPV+Sプロファイル255は、17:00~22:00に実質的に段階的に減少し、22:00において約30MWからゼロに最終的に低下する。図12Bに示されるこの改善されたPV+Sプロファイル255は、一日の終わりのSOC目標を満たすための動的ウィンドウの代わりに、静的ウィンドウを利用することによって達成され得る。さらに、ウィンドウの長さは静的であるが、ウィンドウ内の予測電力値は、設備が更新された予測を受信すると更新される。特定の態様、特徴、および例示的な実施形態が本明細書に開示されているが、本開示は、本明細書の開示に基づいて、関連技術の当業者に示唆するように、他の多くの変形、修正、および代替の実施形態にまで及び、それらを包含することが理解される。本明細書に記載の構造の様々な組み合わせおよび部分組み合わせが企図されており、本開示の知識を有する当業者には明らかであろう。本明細書に開示されるような様々な特徴および要素のいずれも、本明細書で反対の指示がない限り、1つ以上の他の開示された特徴および要素と組み合わせることができる。これに対応して、以下に特許請求される本発明は、その範囲内で、かつ請求項の同等物を含む、そのようなすべての変形、修正、および代替の実施形態を含むものとして、広くみなされ、解釈されることが意図されている。
図1A
図1B
図2
図3
図4
図5
図6
図7A
図7B
図7C
図7D
図7E
図8
図9
図10
図11A
図11B
図12A
図12B
【国際調査報告】