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特表2022-519749アンテナアレイ内の個々のアンテナに使用するための最適位相を推定するシステム及び方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-03-24
(54)【発明の名称】アンテナアレイ内の個々のアンテナに使用するための最適位相を推定するシステム及び方法
(51)【国際特許分類】
   H02J 50/20 20160101AFI20220316BHJP
   H02J 50/80 20160101ALI20220316BHJP
   H02J 7/00 20060101ALI20220316BHJP
【FI】
H02J50/20
H02J50/80
H02J7/00 301D
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021546383
(86)(22)【出願日】2020-02-06
(85)【翻訳文提出日】2021-09-30
(86)【国際出願番号】 US2020016975
(87)【国際公開番号】W WO2020163574
(87)【国際公開日】2020-08-13
(31)【優先権主張番号】62/802,127
(32)【優先日】2019-02-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.ZIGBEE
2.BLUETOOTH
(71)【出願人】
【識別番号】514160238
【氏名又は名称】エナージャス コーポレイション
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【弁理士】
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100109346
【弁理士】
【氏名又は名称】大貫 敏史
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【弁理士】
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100134120
【弁理士】
【氏名又は名称】内藤 和彦
(72)【発明者】
【氏名】サラジェディニ,アミール
【テーマコード(参考)】
5G503
【Fターム(参考)】
5G503AA01
5G503BB01
5G503BB03
5G503GB09
5G503GD03
5G503GD06
(57)【要約】
方法は、受電器が伝送器の無線電力伝送範囲内にあることを指示する無線通信信号を受信することを含む。受信することに応じて、本方法は、それぞれのアンテナのための少なくとも2つの試験位相を使用して複数の無線周波数(RF)試験信号を伝送することをさらに含む。本方法は、少なくとも2つの試験位相の第1のものにおいて伝送された第1のRF試験信号によって受電器に供給された第1の電力量を識別する情報を受信することと、少なくとも2つの試験位相の第2のものにおいて伝送された第2のRF試験信号によって受電器に供給された第2の電力量を識別する情報を受信することと、第1及び第2の電力量に基づいて、それぞれのアンテナのための最適位相を決定することとをさらに含む。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
方法であって、
アンテナアレイを含む無線電力伝送デバイスの無線通信受信器により、無線電力受電デバイスが前記無線電力伝送デバイスの無線電力伝送範囲内にあることを指示する無線通信信号を受信することと、
前記無線通信信号を受信することに応じて、
前記無線電力伝送デバイスの前記アンテナアレイのそれぞれのアンテナを介して、前記それぞれのアンテナのための複数の利用可能な位相の少なくとも2つの試験位相を使用して複数の無線周波数(RF)試験信号を伝送することであって、前記複数の利用可能な位相は、前記少なくとも2つの試験位相以外の位相を含む、伝送することと、
前記無線電力受電デバイスから、前記少なくとも2つの試験位相の第1のものにおいて伝送された前記複数のRF試験信号の第1のものによって前記無線電力受電デバイスに供給された第1の電力量を識別する情報を受信することと、
前記無線電力受電デバイスから、前記少なくとも2つの試験位相の第2のものにおいて伝送された前記複数のRF試験信号の第2のものによって前記無線電力受電デバイスに供給された第2の電力量を識別する情報を受信することと、
前記無線電力受電デバイスに供給された前記第1及び第2の電力量に基づいて、前記複数の利用可能な位相の中から、前記無線電力伝送デバイスの前記それぞれのアンテナのための最適位相を決定することと
を含む方法。
【請求項2】
RF試験信号は、前記少なくとも2つの試験位相以外の位相を使用して伝送されない、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記最適位相は、前記少なくとも2つの試験位相以外の前記位相の1つである、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
前記無線電力伝送デバイスの前記それぞれのアンテナを介して、前記最適位相を有する1つ以上のRF電力信号を前記無線電力受電デバイスに伝送することであって、前記無線電力受電デバイスは、前記1つ以上のRF電力信号からの電力を使用して、それ自体に給電するか又はそれ自体を充電する、伝送することをさらに含む、請求項1~3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
前記複数のRF試験信号を伝送することは、
前記無線電力受電デバイスから前記無線通信信号を受信することに応じて、前記複数のRF試験信号の第1のものを伝送することと、
前記無線電力受電デバイスから追加の無線通信信号を受信することに応じて、前記複数のRF試験信号の第2のものを伝送することと
を含む、請求項1~4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
前記それぞれのアンテナは、第1のアンテナであり、
前記複数のRF試験信号は、第1の複数のRF試験信号であり、及び
前記方法は、前記無線通信信号を受信することに応じて、
前記アンテナアレイのそれぞれの追加のアンテナを介して、前記少なくとも2つの試験位相を使用してそれぞれ伝送されるそれぞれの複数のRF試験信号を伝送することと、
それぞれの追加のアンテナについて、前記無線電力受電デバイスから、前記少なくとも2つの試験位相の前記第1のものにおいて伝送された前記複数のRF試験信号の第1のものによって前記無線電力受電デバイスに供給された第1の電力量を識別する情報を受信することと、
それぞれの追加のアンテナについて、前記無線電力受電デバイスから、前記少なくとも2つの試験位相の前記第2のものにおいて伝送された前記複数のRF試験信号の第2のものによって前記無線電力受電デバイスに供給された第2の電力量を識別する情報を受信することと、
それぞれの追加のアンテナによって前記無線電力受電デバイスに供給された前記第1及び第2の電力量に基づいて、前記複数の利用可能な位相の中から、前記無線電力伝送デバイスのそれぞれの追加のアンテナのための最適位相を決定することと
をさらに含む、請求項1~5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
前記第1のアンテナのための前記最適位相は、前記アンテナアレイ内の少なくとも1つの他のアンテナの前記最適位相と異なる、請求項1~6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
前記第1の複数のRF試験信号は、前記アンテナアレイ内の前記他のアンテナによって伝送される前記複数のRF試験信号の前に伝送される、請求項6又は7に記載の方法。
【請求項9】
前記少なくとも2つの試験位相のためのそれぞれの値は、既定の間隔によって隔てられている、請求項1~8のいずれか一項に記載の方法。
【請求項10】
前記既定の間隔は、純粋正弦波の既知の特性に対応する、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記無線電力受電デバイスに供給された前記第1の電力量を識別する前記情報は、第1の追加の無線通信信号を介して受信され、及び
前記無線電力受電デバイスに供給された前記第2の電力量を識別する前記情報は、第2の追加の無線通信信号を介して受信される、請求項1~10のいずれか一項に記載の方法。
【請求項12】
前記無線電力受電デバイスに供給された前記第1の電力量を識別する前記情報及び前記無線電力受電デバイスに供給された前記第2の電力量を識別する前記情報は、追加の無線通信信号において一緒に受信される、請求項1~11のいずれか一項に記載の方法。
【請求項13】
前記無線電力受電デバイスから、前記少なくとも2つの試験位相の第3のものにおいて伝送された前記複数のRF試験信号の第3のものによって前記無線電力受電デバイスに供給された第3の電力量を識別する情報を受信することをさらに含み、
前記無線電力受電デバイスの前記それぞれのアンテナのための前記最適位相を決定することは、前記無線電力受電デバイスに供給された前記第3の電力量にさらに基づく、請求項1~12のいずれか一項に記載の方法。
【請求項14】
無線電力伝送デバイスであって、
無線通信受信器と、
アンテナアレイと、
1つ以上のプロセッサと、
前記1つ以上のプロセッサによる実行のための1つ以上のプログラムを記憶するメモリと
を含み、前記1つ以上のプログラムは、
前記無線通信受信器により、無線電力受電デバイスが前記無線電力伝送デバイスの無線電力伝送範囲内にあることを指示する無線通信信号を受信することと、
前記無線通信信号を受信することに応じて、
前記アンテナのそれぞれのアンテナを介して、前記それぞれのアンテナのための複数の利用可能な位相の少なくとも2つの試験位相を使用して複数の無線周波数(RF)試験信号を伝送することであって、前記複数の利用可能な位相は、前記少なくとも2つの試験位相以外の位相を含む、伝送することと、
前記無線電力受電デバイスから、前記少なくとも2つの試験位相の第1のものにおいて伝送された前記複数のRF試験信号の第1のものによって前記無線電力受電デバイスに供給された第1の電力量を識別する情報を受信することと、
前記無線電力受電デバイスから、前記少なくとも2つの試験位相の第2のものにおいて伝送された前記複数のRF試験信号の第2のものによって前記無線電力受電デバイスに供給された第2の電力量を識別する情報を受信することと、
前記無線電力受電デバイスに供給された前記第1及び第2の電力量に基づいて、前記複数の利用可能な位相の中から、前記無線電力伝送デバイスの前記それぞれのアンテナのための最適位相を決定することと
を行うための命令を含む、無線電力伝送デバイス。
【請求項15】
前記1つ以上のプログラムは、前記1つ以上のプロセッサによって実行されると、前記無線電力伝送デバイスに、請求項2~13のいずれか一項に記載の方法を実施させる、請求項14に記載の無線電力伝送デバイス。
【請求項16】
無線通信受信器とアンテナアレイとを含む無線電力伝送デバイスの1つ以上のプロセッサによる実行のために構成された1つ以上のプログラムを記憶する非一時的コンピュータ可読記憶媒体であって、前記1つ以上のプログラムは、
前記無線通信受信器により、無線電力受電デバイスが前記無線電力伝送デバイスの無線電力伝送範囲内にあることを指示する無線通信信号を受信することと、
前記無線通信信号を受信することに応じて、
前記アンテナアレイのそれぞれのアンテナを介して、前記それぞれのアンテナのための複数の利用可能な位相の少なくとも2つの試験位相を使用して複数の無線周波数(RF)試験信号を伝送することであって、前記複数の利用可能な位相は、前記少なくとも2つの試験位相以外の位相を含む、伝送することと、
前記無線電力受電デバイスから、前記少なくとも2つの試験位相の第1のものにおいて伝送された前記複数のRF試験信号の第1のものによって前記無線電力受電デバイスに供給された第1の電力量を識別する情報を受信することと、
前記無線電力受電デバイスから、前記少なくとも2つの試験位相の第2のものにおいて伝送された前記複数のRF試験信号の第2のものによって前記無線電力受電デバイスに供給された第2の電力量を識別する情報を受信することと、
前記無線電力受電デバイスに供給された前記第1及び第2の電力量に基づいて、前記複数の利用可能な位相の中から、前記無線電力伝送デバイスの前記それぞれのアンテナのための最適位相を決定することと
を行うための命令を含む、非一時的コンピュータ可読記憶媒体。
【請求項17】
前記1つ以上のプログラムは、請求項2~13のいずれか一項に記載の方法を実施するための命令をさらに含む、請求項16に記載の非一時的コンピュータ可読記憶媒体。
【請求項18】
方法であって、
アンテナアレイを含む無線電力伝送デバイスの無線通信受信器により、無線電力受電デバイスが前記無線電力伝送デバイスの無線電力伝送範囲内にあることを指示する無線通信信号を受信することと、
前記無線通信信号を受信することに応じて、前記無線電力伝送デバイスの前記アンテナアレイのそれぞれのアンテナを介して、(i)前記それぞれのアンテナのための複数の利用可能な位相の第1の試験位相における第1の無線周波数(RF)試験信号、及び(ii)前記複数の利用可能な位相の第2の試験位相における第2のRF試験信号を伝送することであって、前記第1及び第2の試験位相は、ある数の前記利用可能な試験位相によって隔てられている、伝送することと、
前記無線電力受電デバイスから、前記第1及び第2のRF試験信号によって前記無線電力受電デバイスにそれぞれ供給された第1及び第2の電力量を識別する情報を受信することと、
前記第1の電力量が前記第2の電力量よりも大きいと決定することに応じて、
前記第1の試験位相を基準試験位相として選択することと、
前記それぞれのアンテナを介して、それぞれ第3及び第4の試験位相において第3及び第4のRF試験信号を伝送することであって、前記第3の試験位相は、前記第1の試験位相よりも大きい位相値であり、及び前記第4の試験位相は、前記第1の試験位相よりも小さい位相値である、伝送することと
を含む方法。
【請求項19】
前記無線電力受電デバイスから、前記第3及び第4のRF試験信号によって前記無線電力受電デバイスに供給された第3及び第4の電力量を識別する情報を受信することをさらに含む、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
前記第3及び第4の試験位相がそれぞれ前記基準試験位相に隣接しているという決定に従って、
前記第1、第3及び第4の電力量を互いに比較することと、
前記第1、第3及び第4の電力量からの最も高い電力量を有する位相を前記それぞれのアンテナのための最適位相として選択することと
をさらに含む、請求項19に記載の方法。
【請求項21】
前記第3及び第4の試験位相がそれぞれ前記基準試験位相に隣接していないという決定に従って、且つ前記第3の電力量が前記第4の電力量よりも大きいと決定することに応じて、
前記第3の試験位相を前記基準試験位相として選択することと、
前記それぞれのアンテナを介して、それぞれ第5及び第6の試験位相において第5及び第6のRF試験信号を伝送することであって、前記第5の試験位相は、前記第3の試験位相よりも大きい位相値であり、及び前記第6の試験位相は、前記第3の試験位相よりも小さい位相値である、伝送することと
をさらに含む、請求項19又は20に記載の方法。
【請求項22】
前記無線電力受電デバイスから、前記第5及び第6のRF試験信号によって前記無線電力受電デバイスに供給された第5及び第6の電力量を識別する情報を受信することと、
前記第5及び第6の試験位相がそれぞれ前記基準試験位相に隣接しているという決定に従って、
前記第3、第5及び第6の電力量を互いに比較することと、
前記第3、第5及び第6の電力量からの最も高い電力量を有する位相を前記それぞれのアンテナのための最適位相として選択することと
をさらに含む、請求項21に記載の方法。
【請求項23】
前記無線電力伝送デバイスの前記それぞれのアンテナを介して、前記最適位相を有する1つ以上のRF電力信号を前記無線電力受電デバイスに伝送することであって、前記無線電力受電デバイスは、前記1つ以上のRF電力信号からの電力を使用して、それ自体に給電するか又はそれ自体を充電する、伝送することをさらに含む、請求項20~22のいずれか一項に記載の方法。
【請求項24】
無線電力伝送デバイスであって、
無線通信受信器と、
アンテナアレイと、
1つ以上のプロセッサと、
前記1つ以上のプロセッサによる実行のための1つ以上のプログラムを記憶するメモリと
を含み、前記1つ以上のプログラムは、請求項18~23のいずれか一項に記載の方法を実施するための命令を含む、無線電力伝送デバイス。
【請求項25】
無線通信受信器とアンテナアレイとを含む無線電力伝送デバイスの1つ以上のプロセッサによる実行のために構成された1つ以上のプログラムを記憶する非一時的コンピュータ可読記憶媒体であって、前記1つ以上のプログラムは、請求項18~23のいずれか一項に記載の方法を実施するための命令を含む、非一時的コンピュータ可読記憶媒体。
【請求項26】
所定の複数の別個の位相における無線電力供給のための無線周波数(RF)信号を伝送するように構成された無線電力伝送デバイスと、無線電力受電デバイスとの間の無線電力供給の方法であって、前記無線電力伝送デバイスは、(i)無線通信受信器と、(ii)無線電力供給のための前記RF信号を伝送するように構成された1つ以上のアンテナのアンテナアレイとを含み、前記方法は、
前記無線電力伝送デバイスの前記無線通信受信器により、無線電力受電デバイスが前記無線電力伝送デバイスの無線電力伝送範囲内にあることを指示する無線通信信号を受信することと、
前記無線電力伝送デバイスが前記無線電力伝送範囲内にあると決定すると、
前記アンテナアレイのアンテナにより、それぞれ前記所定の複数の別個の位相のうちの位相の部分セットから選択される異なる位相において複数のRF試験信号を伝送することと、
前記無線電力受電デバイスによって受信された前記複数のRF試験信号の各々について、前記無線電力受電デバイスによって受電されたそれぞれの電力量を識別する情報を受信することと、
前記情報に基づいて、前記複数の別個の位相から、無線電力を前記アンテナから前記無線電力受電デバイスに伝送するための最適位相を決定することと
を含む、方法。
【請求項27】
前記複数のRF試験信号の前記異なる位相は、位相差によって互いからそれぞれ隔てられている、請求項26に記載の方法。
【請求項28】
前記位相差は、事前に決定される、請求項27に記載の方法。
【請求項29】
前記複数のRF試験信号を伝送することは、(i)第1の位相において第1のRF試験信号を伝送することと、(ii)前記第1の位相と異なる第2の位相において第2のRF試験信号を伝送することとを含み、及び
前記情報を受信することは、前記無線電力受電デバイスによって受信された前記第1及び第2のRF試験信号の各々について、前記無線電力受電デバイスによって受電されたそれぞれの電力量を識別する情報を受信することを含む、請求項26~28のいずれか一項に記載の方法。
【請求項30】
前記最適位相を決定する前に、
前記無線電力受電デバイスが、前記第1のRF試験信号から前記第2のRF試験信号よりも多くの電力を受電したと決定することと、
前記無線電力受電デバイスが、前記第1のRF試験信号から前記第2のRF試験信号よりも多くの電力を受電したと決定すると、
前記第1の位相よりも大きく、且つ前記第2の位相と異なる第3の位相において第3のRF試験信号を伝送することと、
前記第1の位相よりも小さく、且つ前記第2及び第3の位相と異なる第4の位相において第4のRF試験信号を伝送することと、
前記無線電力受電デバイスによって受信された前記第3及び第4のRF試験信号の各々について、前記無線電力受電デバイスによって受電されたそれぞれの電力量を識別する情報を受信することと
をさらに含む、請求項29に記載の方法。
【請求項31】
前記決定された最適位相は、前記第1の位相、第3の位相及び第4の位相の1つである、請求項30に記載の方法。
【請求項32】
前記複数のRF試験信号を伝送することは、それぞれ第1及び第2の位相において第1及び第2のRF試験信号を伝送することからなり、及び
前記最適位相は、前記第1及び第2の位相間にあるか又はそれらと等しい位相である、請求項26~31のいずれか一項に記載の方法。
【請求項33】
前記最適位相を決定することは、前記第1及び第2の位相から前記最適位相を補間することを含む、請求項26~32のいずれか一項に記載の方法。
【請求項34】
前記複数のRF試験信号を伝送することは、それぞれ第1、第2及び第3の位相において第1、第2及び第3のRF試験信号を伝送することからなり、及び
前記最適位相を決定することは、前記第1、第2及び第3の位相から前記最適位相を補間することを含む、請求項26~33のいずれか一項に記載の方法。
【請求項35】
前記アンテナを介して、前記最適位相を有する1つ以上のRF電力信号を前記無線電力受電デバイスに伝送することであって、前記無線電力受電デバイスは、前記1つ以上のRF電力信号からの電力を使用して、それ自体に給電するか又はそれ自体を充電する、伝送することをさらに含む、請求項26~34のいずれか一項に記載の方法。
【請求項36】
無線電力伝送デバイスであって、
無線通信受信器と、
所定の複数の別個の位相における無線電力供給のための無線周波数(RF)信号を伝送するように構成された1つ以上のアンテナのアンテナアレイと、
1つ以上のプロセッサと、
前記1つ以上のプロセッサによる実行のための1つ以上のプログラムを記憶するメモリと
を含み、前記1つ以上のプログラムは、請求項26~35のいずれか一項に記載の方法を実施するための命令を含む、無線電力伝送デバイス。
【請求項37】
無線通信受信器とアンテナアレイとを含む無線電力伝送デバイスの1つ以上のプロセッサによる実行のために構成された1つ以上のプログラムを記憶する非一時的コンピュータ可読記憶媒体であって、前記1つ以上のプログラムは、請求項26~35のいずれか一項に記載の方法を実施するための命令を含む、非一時的コンピュータ可読記憶媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
技術分野
[0001] 本開示は、概して、無線電力伝送に関し、より詳細には、受電器に無線で供給される使用可能電力を増大させるために電力伝送信号の特性を調整することに関する。
【背景技術】
【0002】
背景
[0002] スマートフォン、タブレット、ノートブック及び他の電子デバイスなどのポータブル電子デバイスは、人々により、互いに通信及び対話するために毎日使用されている。しかし、電子デバイスの頻繁な使用は、デバイスの電池の消耗をもたらす相当の電力量を必要とする。したがって、デバイスは、1日に少なくとも1回又は一部の高需要電子デバイスでは1日に1回より多く充電される必要があり得る。したがって、ユーザは、自らのデバイスを再充電するために、自らのデバイスを頻繁に電源に差し込む必要がある。この作業は、面倒で煩わしく、ユーザは、そのポータブル電子デバイスが充電される必要がある場合に備えて充電器を携行する必要があり得る。ユーザは、充電器を使用するために利用可能な電源(例えば、壁コンセント)の場所を探す必要もある。
【0003】
[0003] この問題に対処するために、電力を1つ以上の伝送器から1つ以上の受電器に無線で伝送するための無線電力伝送システムが考案された。このような伝送器は、電力を無線で伝送するように構成されたアンテナ又はコイルを含む。伝送された電力は、受電器において受電され、それによって回収される。受電器によって受電される電力を最大化するために、伝送器の個々のアンテナの位相値は、受電器によって受電される電力を最大化するように算出され得る。
【0004】
[0004] しかし、最適位相を決定するための現在の解決策は、アンテナごとに位相を360度(又は2π)の範囲にわたって順次増加させ、次に各位相値において受電器で受電される電力量を監視することを要する。その後、最大受電電力に対応する位相が伝送器アンテナのための位相として選定される。このプロセスは、時間、エネルギー及び不必要な処理サイクルのような貴重な資源を消費する。この方法を実施するために必要とされる時間及び処理の量は、位相及びアンテナの数が増大するにつれて激増する。加えて、各増分位相がチェックされるため、伝送器によって伝送される無線信号は、ノイズ歪みをより受けやすい。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
概要
[0005] したがって、ノイズ歪みに対する感受性を低減しつつ、時間及び処理を節減する、RF電力を受電器に伝送するべき最適位相を推定する無線電力伝送器が必要とされている。一実施形態は、RF試験信号の位相サイクル全体を最適位相のために全数探索するのではなく、2つ(又は3つ)の異なる位相のRF試験信号に基づいて最適位相を推定する。本明細書において開示される伝送器は、アンテナアレイのための最適な伝送器位相を推定するためのいくつかの方法を用いる。
【課題を解決するための手段】
【0006】
[0006] (A1)一部の実施形態では、方法は、無線電力伝送デバイスにおいて実施され、本方法は、アンテナアレイを含む無線電力伝送デバイスの無線通信受信器により、無線電力受電デバイスが無線電力伝送デバイスの無線電力伝送範囲内にあることを指示する無線通信信号を受信することを含む。本方法は、無線通信信号を受信することに応じて(すなわち無線電力伝送デバイスが無線電力伝送範囲内にあると決定すると)、無線電力伝送デバイスのアンテナアレイのそれぞれのアンテナを介して、それぞれのアンテナのための複数の利用可能な位相の少なくとも2つの試験位相を使用して複数の無線周波数(RF)試験信号を伝送することをさらに含む(少なくとも2つの試験位相は、異なる位相である)。重要な点として、複数の利用可能な位相は、少なくとも2つの試験位相以外の位相(例えば、位相値)を含む。本方法は、(i)無線電力受電デバイスから、少なくとも2つの試験位相の第1のものにおいて伝送された複数のRF試験信号の第1のものによって無線電力受電デバイスに供給された(すなわちそれによって受電された)第1の電力量を識別する情報を受信することと、(ii)無線電力受電デバイスから、少なくとも2つの試験位相の第2のものにおいて伝送された複数のRF試験信号の第2のものによって無線電力受電デバイスに供給された(すなわちそれによって受電された)第2の電力量を識別する情報を受信することとをさらに含む。本方法は、無線電力受電デバイスに供給された第1及び第2の電力量に基づいて、複数の利用可能な位相の中から、無線電力伝送デバイスのそれぞれのアンテナのための最適位相を決定することをさらに含む。少なくとも2つの試験位相は、事前に決定され得ることに留意されたい。
【0007】
[0007] (A2)A1の一部の実施形態では、追加のRF試験信号は、少なくとも2つの試験位相以外の位相を使用して伝送されない。
【0008】
[0008] (A3)A1~A2の任意のものの一部の実施形態では、最適位相は、少なくとも2つの試験位相以外の位相の1つである。
【0009】
[0009] (A4)A1~A3の任意のものの一部の実施形態では、本方法は、無線電力伝送デバイスのそれぞれのアンテナを介して、最適位相を有する1つ以上のRF電力信号を無線電力受電デバイスに伝送することであって、無線電力受電デバイスは、1つ以上のRF電力信号からの電力を使用して、それ自体に給電するか又はそれ自体を充電する、伝送することをさらに含む。一部の実施形態では、RF電力信号は、第1の電力レベルを有し、及びRF試験信号は、第2の電力レベルを有し、第2の電力レベルは、第1の電力レベルよりも小さい。
【0010】
[0010] (A5)A1~A4の任意のものの一部の実施形態では、複数のRF試験信号を伝送することは、無線電力受電デバイスから無線通信信号を受信することに応じて、複数のRF試験信号の第1のものを伝送することと、無線電力受電デバイスから追加の無線通信信号を受信することに応じて、複数のRF試験信号の第2のものを伝送することとをさらに含む。
【0011】
[0011] (A6)A1~A5の任意のものの一部の実施形態では、それぞれのアンテナは、第1のアンテナであり、複数のRF試験信号は、第1の複数のRF試験信号である。さらに、一部の実施形態では、本方法は、無線通信信号を受信することに応じて、アンテナアレイのそれぞれの追加のアンテナを介して、少なくとも2つの試験位相を使用してそれぞれ伝送されるそれぞれの複数のRF試験信号を伝送することと、それぞれの追加のアンテナについて、無線電力受電デバイスから、少なくとも2つの試験位相の第1のものにおいて伝送された複数のRF試験信号の第1のものによって無線電力受電デバイスに供給された第1の電力量を識別する情報を受信することと、それぞれの追加のアンテナについて、無線電力受電デバイスから、少なくとも2つの試験位相の第2のものにおいて伝送された複数のRF試験信号の第2のものによって無線電力受電デバイスに供給された第2の電力量を識別する情報を受信することと、それぞれの追加のアンテナによって無線電力受電デバイスに供給された第1及び第2の電力量に基づいて、複数の利用可能な位相の中から、無線電力伝送デバイスのそれぞれの追加のアンテナのための最適位相を決定することとをさらに含む。
【0012】
[0012] (A7)A6の一部の実施形態では、第1のアンテナのための最適位相は、アンテナアレイ内の少なくとも1つの他のアンテナの最適位相と異なる。
【0013】
[0013] (A8)A6~A7の任意のものの一部の実施形態では、第1の複数のRF試験信号は、アンテナアレイ内の他のアンテナによって伝送される複数のRF試験信号の前に伝送される。
【0014】
[0014] (A9)A1~A8の任意のものの一部の実施形態では、少なくとも2つの異なる位相のためのそれぞれの値は、既定の間隔(例えば、既定量/数の位相)によって隔てられている。
【0015】
[0015] (A10)A9の一部の実施形態では、既定の間隔は、純粋正弦波の既知の特性に対応する。
【0016】
[0016] (A11)A1~A10の任意のものの一部の実施形態では、無線電力受電デバイスに供給された第1の電力量を識別する情報は、第1の追加の無線通信信号を介して受信され、及び無線電力受電デバイスに供給された第2の電力量を識別する情報は、第2の追加の無線通信信号を介して受信される。
【0017】
[0017] (A12)A1~A11の任意のものの一部の実施形態では、無線電力受電デバイスに供給された第1の電力量を識別する情報及び無線電力受電デバイスに供給された第2の電力量を識別する情報は、追加の無線通信信号において一緒に受信される。
【0018】
[0018] (A13)A1~A12の任意のものの一部の実施形態では、本方法は、無線電力受電デバイスから、少なくとも2つの試験位相の第3のものにおいて伝送された複数のRF試験信号の第3のものによって無線電力受電デバイスに供給された第3の電力量を識別する情報を受信することと、無線電力受電デバイスに供給された第1、第2及び第3の電力量に基づいて、複数の利用可能な位相の中から、無線電力伝送デバイスのそれぞれのアンテナのための最適位相を決定することとをさらに含む。
【0019】
[0019] (A14)A1~A13の任意のものの一部の実施形態では、無線電力受電デバイスに供給された第1の電力量を識別する情報は、無線電力受電デバイスに供給された第1の使用可能電力量を指示する。さらに、無線電力受電デバイスに供給された第2の電力量を識別する情報は、無線電力受電デバイスに供給された第2の使用可能電力量を指示する。
【0020】
[0020] (A15)別の態様では、無線電力伝送デバイス(例えば、伝送器102、図1図2)が提供される。一部の実施形態では、無線電力伝送デバイスは、無線通信受信器と、アンテナアレイと、1つ以上のプロセッサと、1つ以上のプロセッサによる実行のための1つ以上のプログラムを記憶するメモリとを含み、1つ以上のプログラムは、無線電力伝送デバイスに、A1~A14の任意のものにおいて説明された方法を実施させるための命令を含む。
【0021】
[0021] (A16)さらに別の態様では、非一時的コンピュータ可読記憶媒体が提供される。非一時的コンピュータ可読記憶媒体は、無線通信受信器とアンテナアレイとを含む無線電力伝送デバイスの1つ以上のプロセッサによる実行のために構成された1つ以上のプログラムを記憶し、1つ以上のプログラムは、無線電力伝送デバイスに、A1~A14の任意のものにおいて説明された方法を実施させるための命令を含む。
【0022】
[0022] (A17)さらに別の態様では、無線電力伝送デバイス(例えば、伝送器102、図1図2)が提供され、無線電力伝送デバイスは、A1~A14の任意の1つにおいて説明された方法を実施するための手段を含む。
【0023】
[0023] (B1)一部の実施形態では、別の方法が無線電力伝送デバイスにおいて実施され、本方法は、アンテナアレイを含む無線電力伝送デバイスの無線通信受信器により、無線電力受電デバイスが無線電力伝送デバイスの無線電力伝送範囲内にあることを指示する無線通信信号を受信することを含む。本方法は、無線通信信号を受信することに応じて(すなわち無線電力伝送デバイスが無線電力伝送範囲内にあると決定すると)、無線電力伝送デバイスのアンテナアレイのそれぞれのアンテナを介して、(i)それぞれのアンテナのための複数の利用可能な位相の第1の試験位相における第1の無線周波数(RF)試験信号、及び(ii)複数の利用可能な位相の第2の試験位相における第2のRF試験信号を伝送することであって、第1及び第2の試験位相は、ある数の利用可能な試験位相によって隔てられている、伝送することをさらに含む。利用可能な位相は、ある範囲の位相値を含み、第1及び第2の試験位相は、その範囲の位相値からの閾数の位相値が第1及び第2の試験位相を隔てるように選択される。
【0024】
[0024] 本方法は、無線電力受電デバイスから、第1及び第2のRF試験信号によって無線電力受電デバイスにそれぞれ供給された第1及び第2の電力量を識別する情報を受信することをさらに含む。本方法は、第1の電力量が第2の電力量よりも大きいと決定することに応じて、(i)第1の試験位相を基準試験位相として選択することと、(ii)それぞれのアンテナを介して、それぞれ第3及び第4の試験位相において第3及び第4のRF試験信号を伝送することとをさらに含む。重要な点として、第3の試験位相は、第1の試験位相よりも大きい位相値であり、及び第4の試験位相は、第1の試験位相よりも小さい位相値である。
【0025】
[0025] (B2)B1の一部の実施形態では、本方法は、第3及び第4のRF試験信号によって無線電力受電デバイスにそれぞれ供給された第3及び第4の電力量を識別する情報をさらに含む。
【0026】
[0026] (B3)B2の一部の実施形態では、本方法は、第3及び第4の試験位相がそれぞれ基準試験位相(すなわち第1の試験位相)に隣接しているという決定に従って、(i)第1、第3及び第4の電力量を互いに比較することと、(ii)第1、第3及び第4の電力量からの最も高い電力量を有する位相をそれぞれのアンテナのための最適位相として選択することとをさらに含む。
【0027】
[0027] (B4)B2の一部の実施形態では、本方法は、第3及び第4の試験位相がそれぞれ基準試験位相(すなわち第1の試験位相)に隣接していないという決定に従って、且つ第3の電力量が第4の電力量よりも大きいと決定することに応じて、(i)第3の試験位相を基準試験位相として選択することと(すなわち新たな基準試験位相が選択される)、(ii)それぞれのアンテナを介して、それぞれ第5及び第6の試験位相において第5及び第6のRF試験信号を伝送することとをさらに含む。一部の実施形態では、第5の試験位相は、第3の試験位相よりも大きい位相値であり、及び第6の試験位相は、第3の試験位相よりも小さい位相値である。
【0028】
[0028] (B5)B4の一部の実施形態では、本方法は、第5及び第6の試験位相がそれぞれ基準試験位相(すなわち第3の試験位相)に隣接しているという決定に従って、(i)第3、第5及び第6の電力量を互いに比較することと、(ii)第3、第5及び第6の電力量からの最も高い電力量を有する位相をそれぞれのアンテナのための最適位相として選択することとをさらに含む。
【0029】
[0029] (B6)別の態様では、無線電力伝送デバイス(例えば、伝送器102、図1図2)が提供される。一部の実施形態では、無線電力伝送デバイスは、無線通信受信器と、アンテナアレイと、1つ以上のプロセッサと、1つ以上のプロセッサによる実行のための1つ以上のプログラムを記憶するメモリとを含み、1つ以上のプログラムは、無線電力伝送デバイスに、B1~B5の任意のものにおいて説明された方法を実施させるための命令を含む。
【0030】
[0030] (B7)さらに別の態様では、非一時的コンピュータ可読記憶媒体が提供される。非一時的コンピュータ可読記憶媒体は、無線通信受信器とアンテナアレイとを含む無線電力伝送デバイスの1つ以上のプロセッサによる実行のために構成された1つ以上のプログラムを記憶し、1つ以上のプログラムは、無線電力伝送デバイスに、B1~B5の任意のものにおいて説明された方法を実施させるための命令を含む。
【0031】
[0031] (B8)さらに別の態様では、無線電力伝送デバイス(例えば、伝送器102、図1図2)が提供され、無線電力伝送デバイスは、B1~B5の任意の1つにおいて説明された方法を実施するための手段を含む。
【0032】
[0032] (C1)一部の実施形態では、無線電力伝送デバイスであって、無線通信受信器と、所定の複数の別個の位相における無線電力供給のためのRF信号を伝送するように構成された1つ以上のアンテナのアンテナアレイとを含む無線電力伝送デバイスにおいて別の方法が実施される。本方法は、無線電力伝送デバイスの無線通信受信器により、無線電力受電デバイスが無線電力伝送デバイスの無線電力伝送範囲内にあることを指示する無線通信信号を受信することを含む。本方法は、無線電力伝送デバイスが無線電力伝送範囲内にあると決定すると、アンテナアレイのアンテナにより、それぞれ所定の複数の別個の位相のうちの位相の部分セットから選択される異なる位相において複数のRF試験信号を伝送することも含む。例えば、所定の複数の別個の位相(本明細書において「複数の利用可能な位相」とも称される)が1/16、2/16、3/16、4/16、5/16、6/16、7/16、8/16、9/16、10/16、11/16、12/16、13/16、14/16、15/16及び16/16からなる場合、このとき、複数のRF試験信号の相違位相は、4/16及び10/16又は3/16、8/16及び13/16(又は何らかの他の組み合わせ)であり得る。本方法は、(i)無線電力受電デバイスによって受信された複数のRF試験信号の各々について、無線電力受電デバイスによって受電されたそれぞれの電力量を識別する情報を受信することと、(ii)情報に基づいて、複数の別個の位相から、無線電力をアンテナから無線電力受電デバイスに伝送するための最適位相を決定することとをさらに含む。
【0033】
[0033] (C2)C1の一部の実施形態では、複数のRF試験信号の異なる位相は、位相差(例えば、5/16の位相差又は何らかの他の位相差)によって互いからそれぞれ隔てられている。
【0034】
[0034] (C3)C2の一部の実施形態では、位相差は、事前に決定される。
【0035】
[0035] (C4)C1~C3の任意のものの一部の実施形態では、複数のRF試験信号を伝送することは、(i)第1の位相において第1のRF試験信号を伝送することと、(ii)第1の位相と異なる第2の位相において第2のRF試験信号を伝送することとを含む。さらに、情報を受信することは、無線電力受電デバイスによって受信された第1及び第2のRF試験信号の各々について、無線電力受電デバイスによって受電されたそれぞれの電力量を識別する情報を受信することを含む。
【0036】
[0036] (C5)C4の一部の実施形態では、本方法は、最適位相を決定する前に、(i)無線電力受電デバイスが、第1のRF試験信号から第2のRF試験信号よりも多くの電力を受電したと決定することと、(ii)無線電力受電デバイスが、第1のRF試験信号から第2のRF試験信号よりも多くの電力を受電したと決定すると、第1の位相よりも大きく、且つ第2の位相と異なる第3の位相において第3のRF試験信号を伝送することと、第1の位相よりも小さく、且つ第2及び第3の位相と異なる第4の位相において第4のRF試験信号を伝送することとをさらに含む。本方法は、無線電力受電デバイスによって受信された第3及び第4のRF試験信号の各々について、無線電力受電デバイスによって受電されたそれぞれの電力量を識別する情報を受信することをさらに含み得る。
【0037】
[0037] (C6)C5の一部の実施形態では、決定された最適位相は、第1の位相、第3の位相及び第4の位相の1つである。
【0038】
[0038] (C7)C1~C3の任意のものの一部の実施形態では、複数のRF試験信号を伝送することは、それぞれ第1及び第2の位相において第1及び第2のRF試験信号を伝送することからなる。さらに、最適位相は、第1及び第2の位相間にあるか又はそれらと等しい位相である。
【0039】
[0039] (C8)C7の一部の実施形態では、最適位相を決定することは、第1及び第2の位相から最適位相を補間することを含む。
【0040】
[0040] (C9)C1~C3の任意のものの一部の実施形態では、複数のRF試験信号を伝送することは、それぞれ第1、第2及び第3の位相において第1、第2及び第3のRF試験信号を伝送することからなる。さらに、最適位相を決定することは、第1、第2及び第3の位相から最適位相を補間することを含む。
【0041】
[0041] (C10)別の態様では、無線電力伝送デバイス(例えば、伝送器102、図1図2)が提供される。一部の実施形態では、無線電力伝送デバイスは、無線通信受信器と、所定の複数の別個の位相における無線電力供給のための無線周波数(RF)信号を伝送するように構成された1つ以上のアンテナのアンテナアレイと、1つ以上のプロセッサと、1つ以上のプロセッサによる実行のための1つ以上のプログラムを記憶するメモリとを含み、1つ以上のプログラムは、無線電力伝送デバイスに、C1~C9の任意のものにおいて説明された方法を実施させるための命令を含む。
【0042】
[0042] (C11)さらに別の態様では、非一時的コンピュータ可読記憶媒体が提供される。非一時的コンピュータ可読記憶媒体は、無線通信受信器と、所定の複数の別個の位相における無線電力供給のための無線周波数(RF)信号を伝送するように構成された1つ以上のアンテナのアンテナアレイとを含む無線電力伝送デバイスの1つ以上のプロセッサによる実行のために構成された1つ以上のプログラムを記憶し、1つ以上のプログラムは、無線電力伝送デバイスに、C1~C9の任意のものにおいて説明された方法を実施させるための命令を含む。
【0043】
[0043] (C12)さらに別の態様では、無線電力伝送デバイス(例えば、伝送器102、図1図2)が提供され、無線電力伝送デバイスは、C1~C9の任意の1つにおいて説明された方法を実施するための手段を含む。
【0044】
図面の簡単な説明
[0044] 本開示をより詳細に理解することができるように、より具体的な説明は、様々な実施形態の特徴を参照することにより行われ得る。実施形態のいくつかは、添付の図面に示されている。しかし、添付の図面は、単に本開示の関連する特徴を示すにすぎず、したがって限定と考えられるべきでなく、説明のために他の有効な特徴も認め得る。
【図面の簡単な説明】
【0045】
図1】[0045]一部の実施形態に係る代表的な無線電力伝送システムを示すブロック図である。
図2】[0046]一部の実施形態に係る代表的な伝送器デバイスを示すブロック図である。
図3】[0047]一部の実施形態に係る代表的な受電器デバイスを示すブロック図である。
図4A】[0048]一部の実施形態に係る伝送器のアンテナによって伝送される無線周波数(RF)試験信号の例示的なシヌソイド関数を示すプロットである。
図4B】[0048]一部の実施形態に係る伝送器のアンテナによって伝送される無線周波数(RF)試験信号の例示的なシヌソイド関数を示すプロットである。
図5A】[0049]一部の実施形態に係るアンテナアレイ内の個々のアンテナに用いるための最適位相を推定する方法を示すフロー図である。
図5B】[0049]一部の実施形態に係るアンテナアレイ内の個々のアンテナに用いるための最適位相を推定する方法を示すフロー図である。
図5C】[0049]一部の実施形態に係るアンテナアレイ内の個々のアンテナに用いるための最適位相を推定する方法を示すフロー図である。
図6A】[0050]一部の実施形態に係るアンテナアレイ内の個々のアンテナに用いるための最適位相を推定する方法のシミュレーションの結果を示すプロットである。
図6B】[0050]一部の実施形態に係るアンテナアレイ内の個々のアンテナに用いるための最適位相を推定する方法のシミュレーションの結果を示すプロットである。
図7】[0051]一部の実施形態に係る最適位相を推定する方法を示すフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0046】
[0052] 一般的な慣習に従い、図面に示される様々な特徴は、原寸に比例して描かれていない場合がある。したがって、様々な特徴の寸法は、明確にするために任意に拡大又は縮小され得る。加えて、図面のいくつかは、所与のシステム、方法又はデバイスの構成要素の全てを示していない場合がある。最後に、本明細書及び図全体を通して同様の参照符号が同様の特徴を表すために用いられ得る。
【0047】
詳細な説明
[0053] 添付の図面に示される例示的な実施形態の詳細な理解をもたらすために、多くの詳細が本明細書において説明される。しかし、一部の実施形態は、特定の詳細の多くを有することなく実施され得、請求項の範囲は、請求項において具体的に列挙されているそれらの特徴及び態様によってのみ限定される。さらに、よく知られたプロセス、構成要素及び材料は、本明細書において説明される実施形態の関連する態様を不必要に不明瞭にしないために、徹底して詳細に説明されなかった。
【0048】
[0054] 図1は、一部の実施形態に係る無線電力伝送環境100の構成要素のブロック図である。無線電力伝送環境100は、例えば、伝送器102(例えば、伝送器102a、102b...102n)及び1つ以上の受電器120(例えば、受電器120a、120b...120n)を含む。一部の実施形態では、各々のそれぞれの無線電力伝送環境100は、各々がそれぞれの電子デバイス122に関連付けられているいくつかの受電器120を含む。場合により、伝送器102は、本明細書において「無線電力伝送デバイス」又は「無線電力伝送器」と称される。加えて、場合により、受電器120は、本明細書において「無線電力受電デバイス」又は「無線電力受電器」と称される。
【0049】
[0055] 例示的な伝送器102(例えば、伝送器102a)は、例えば、1つ以上のプロセッサ104、メモリ106、1つ以上のアンテナアレイ110、1つ以上の通信構成要素112(本明細書において「無線通信受信器」、「通信受信器」若しくは単に「受信器」とも称される)及び/又は1つ以上の伝送器センサ114を含む。一部の実施形態では、これらの構成要素は、通信バス108を経由して相互接続される。伝送器102のこれらの構成要素への言及は、これらの構成要素の1つ以上(及びそれらの組み合わせ)が含まれる実施形態を網羅する。構成要素は、以下において図2を参照してさらに詳細に説明される。
【0050】
[0056] 一部の実施形態では、単一のプロセッサ104(例えば、伝送器102aのプロセッサ104)は、複数の伝送器102(例えば、伝送器102b...102n)を制御するためのソフトウェアモジュールを実行する。一部の実施形態では、単一の伝送器102(例えば、伝送器102a)は、(例えば、アンテナアレイ110による信号116の伝送を制御するように構成された)1つ以上の伝送器プロセッサ、(例えば、通信構成要素112によって伝送される通信を制御し、及び/又は通信構成要素112を経由して通信を受信するように構成された)1つ以上の通信構成要素プロセッサ及び/又は(例えば、伝送器センサ114の動作を制御し、及び/又は伝送器センサ114からの出力を受信するように構成された)1つ以上のセンサプロセッサなどの複数のプロセッサ104を含む。
【0051】
[0057] 無線電力受電器120は、伝送器102によって伝送された電力伝送信号116及び/又は通信信号118を受信する。一部の実施形態では、受電器120は、1つ以上のアンテナ124(例えば、複数のアンテナ要素を含むアンテナアレイ)、電力変換器126、受電器センサ128及び/又は他の構成要素又は回路機構(例えば、プロセッサ140、メモリ142及び/又は通信構成要素144)を含む。一部の実施形態では、これらの構成要素は、通信バス146を経由して相互接続される。受電器120のこれらの構成要素への言及は、これらの構成要素の1つ以上(及びそれらの組み合わせ)が含まれる実施形態を網羅する。
【0052】
[0058] 受電器120は、受信された信号116(本明細書においてRF電力伝送信号又は単にRF信号、RF波、電力波若しくは電力伝送信号とも称される)からのエネルギーを電子デバイス122に給電し、及び/又はそれを充電するための電気エネルギーに変換する。例えば、受電器120は、電力変換器126を用いて、電力波116から引き出されたエネルギーを電子デバイス122に給電し、及び/又はそれを充電するための交流(AC)電気又は直流(DC)電気に変換する。電力変換器126の非限定例としては、好適な回路機構及びデバイスの中でも整流器、整流回路、電圧調節器が挙げられる。
【0053】
[0059] 一部の実施形態では、受電器120は、1つ以上の電子デバイス122に切り離し可能に結合された独立型デバイスである。例えば、電子デバイス122は、電子デバイス122の1つ以上の機能を制御するためのプロセッサ132を有し、受電器120は、受電器120の1つ以上の機能を制御するためのプロセッサ140を有する。
【0054】
[0060] 一部の実施形態では、受電器120は、電子デバイス122の構成要素である。例えば、プロセッサ132は、電子デバイス122及び受電器120の機能を制御する。加えて、一部の実施形態では、受電器120は、電子デバイス122のプロセッサ132と通信する1つ以上のプロセッサ140を含む。
【0055】
[0061] 一部の実施形態では、電子デバイス122は、1つ以上のプロセッサ132、メモリ134、1つ以上の通信構成要素136及び/又は1つ以上の電池130を含む。一部の実施形態では、これらの構成要素は、通信バス138を経由して相互接続される。一部の実施形態では、電子デバイス122と受電器120との間の通信は、通信構成要素136及び/又は144を介して行われる。一部の実施形態では、電子デバイス122と受電器120との間の通信は、通信バス138と通信バス146との間の有線接続を介して行われる。一部の実施形態では、電子デバイス122及び受電器120は、単一の通信バスを共有する。
【0056】
[0062] 一部の実施形態では、受電器120は、(例えば、1つ以上のアンテナ124を介して)直接、伝送器102から1つ以上の電力波116を受信する。一部の実施形態では、受電器120は、伝送器102によって伝送された1つ以上の電力波116によってもたらされた1つ以上のエネルギーポケットから電力波を回収する。一部の実施形態では、伝送器102は、近傍界距離(例えば、伝送器102からおよそ6インチ未満)内で1つ以上の電力波116を伝送する近傍界伝送器である。他の実施形態では、伝送器102は、遠方界距離(例えば、伝送器102からおよそ6インチ超)内で1つ以上の電力波116を伝送する遠方界伝送器である。
【0057】
[0063] 電力波116が受信され、及び/又はエネルギーがエネルギーポケットから回収された後、受電器120の回路機構(例えば、集積回路、増幅器、整流器及び/又は電圧調節器)は、電力波(例えば、無線周波数電磁放射)のエネルギーを電子デバイス122に給電し、及び/又は電子デバイス122の電池130に蓄積される使用可能電力(すなわち電気)に変換する。一部の実施形態では、受電器120の整流回路は、電気エネルギーを電子デバイス122による使用のためにACからDCに変容させる。一部の実施形態では、電圧調節回路は、電子デバイス122によって必要とされるとおりに電気エネルギーの電圧を増大又は減少させる。一部の実施形態では、電気リレーが電気エネルギーを受電器120から電子デバイス122に伝える。
【0058】
[0064] 一部の実施形態では、電子デバイス122は、複数の伝送器102から及び/又は複数の受電器120を用いて電力を得る。一部の実施形態では、無線電力伝送環境100は、伝送器102からの電力波を、電子デバイス122を充電するための電力に回収するために用いられる、少なくとも1つのそれぞれの受電器120をそれぞれ有する複数の電子デバイス122を含む。
【0059】
[0065] 一部の実施形態では、1つ以上の伝送器102は、電力波116の1つ以上の特性(例えば、位相、ゲイン、方向、振幅、偏波及び/又は周波数などの波形特性)の値を調整する。例えば、伝送器102は、電力波116の伝送を開始し、電力波116の伝送を停止し、及び/又は電力波116を伝送するために用いられる1つ以上の特性の値を調整するためのアンテナアレイ110の1つ以上のアンテナ要素の部分セットを選択する。一部の実施形態では、1つ以上の伝送器102は、電力波116の軌道が伝送場内の所定の場所(例えば、空間内の場所又は領域)において集束し、制御された建設的又は相殺的干渉パターンをもたらすように電力波116を調整する。伝送器102は、電力波116の伝送に悪影響を及ぼし得る無線電力受電器における変化に対応するために、電力波116を伝送するための1つ以上の特性の値を調整し得る。
【0060】
[0066] 以下において、図5A図5Cを参照して詳細に説明されることになるように、伝送器102は、RF試験信号116を伝送するようにも構成される。RF試験信号は、伝送器のアンテナアレイ110内のアンテナの少なくとも部分セットのための最適位相(「最適位相設定」又は「最適位相値」とも呼ばれる)を決定するために用いられる。加えて、少なくとも一部の実施形態では、最適位相がアンテナの部分セットのために決定されると、受電器の場所が決定される。
【0061】
[0067] 一部の実施形態では、1つ以上の伝送器102のそれぞれのアンテナアレイ110は、1つ以上の偏波を有するアンテナを含み得る。例えば、それぞれのアンテナアレイ110は、垂直若しくは水平偏波、右旋若しくは左旋円偏波、楕円偏波又は他の偏波並びに任意の数の偏波の組み合わせを含み得る。一部の実施形態では、アンテナアレイ110は、無線電力伝送を最適化するためにアンテナ偏波(又は任意の他の特性)を動的に変更する能力を有する。
【0062】
[0068] 一部の実施形態では、1つ以上の伝送器102のそれぞれのアンテナアレイ110は、電力波116を1つ以上の伝送器102のそれぞれの伝送場内に伝送するように構成された1つ以上のアンテナのセットを含み得る。コントローラ回路(例えば、無線周波数集積回路(RFIC))及び/又は波形発生器など、それぞれの伝送器102の集積回路(図示せず)がアンテナの挙動を制御し得る。例えば、受電器120から通信信号118を経由して受信された情報に基づいて、コントローラ回路(例えば、伝送器102のプロセッサ104、図1)は、電力を受電器120及びその結果として電子デバイス122に効果的に提供するであろう電力波116の波形特性(例えば、特性の中でもとりわけ、振幅、周波数、軌道、方向、位相、偏波)の値を決定し得る。コントローラ回路は、アンテナアレイ110から、電力波116を伝送するのに効果的であろうアンテナの部分セットも識別し得る。一部の実施形態では、プロセッサ104に結合されたそれぞれの伝送器102の波形発生器回路(図1には示されていない)がエネルギーを変換し、プロセッサ104/コントローラ回路によって識別された波形特性のための特定の値を有する電力波116を発生させ、次に電力波を伝送のためにアンテナアレイ110に提供し得る。
【0063】
[0069] 一部の実施形態では、2つ以上の電力波116(例えば、RF電力伝送信号)は、互いに位相が一致して集束し、合成波になり、これにより、合成波の振幅が電力波の単一のものの振幅よりも大きくなったとき、電力波の建設的干渉が生じる。例えば、複数のアンテナからある場所に到達した正弦波形の正及び負のピークは、「合算し」、より大きい正及び負のピークを作り出す。一部の実施形態では、電力波の建設的干渉が生じる伝送場内の場所においてエネルギーポケットが形成される。
【0064】
[0070] 一部の実施形態では、2つ以上の電力波が、位相がずれて集束し、合成波になり、これにより合成波の振幅が電力波の単一のものの振幅よりも小さくなったとき、電力波の相殺的干渉が生じる。例えば、電力波は、「互いに相殺し合い」、これにより伝送場内のある場所において集中されたエネルギーの量を減じる。一部の実施形態では、相殺的干渉は、電力波が集束する伝送場内の場所において、無視できるエネルギー量又は「空」を発生させるために用いられる。
【0065】
[0071] 一部の実施形態では、1つ以上の伝送器102は、2つ以上の別個の伝送場(例えば、重なり合う及び/又は重なり合わない別個の伝送場)を作り出す電力波116を伝送する。一部の実施形態では、第1の伝送場(すなわち電力波の第1のセットが伝送される物理空間の区域)は、第1の伝送器(例えば、伝送器102a)の第1のプロセッサ104によって管理され、第2の伝送場(すなわち電力波の第2のセットが伝送される物理空間の別の区域)は、第2の伝送器(例えば、伝送器102b)の第2のプロセッサ104によって管理される。一部の実施形態では、(例えば、重なり合う及び/又は重なり合わない)2つ以上の別個の伝送場は、伝送器プロセッサ104によって単一の伝送場として管理される。さらに、一部の実施形態では、単一のプロセッサ104が第1及び第2の伝送場を管理する。
【0066】
[0072] 一部の実施形態では、通信構成要素112は、有線及び/又は無線通信接続を経由して通信信号118を受電器120に伝送する。一部の実施形態では、通信構成要素112は、受電器120の三角測量のために用いられる通信信号118(例えば、試験信号)を発生させる。一部の実施形態では、通信信号118は、電力波116を伝送するために用いられる1つ以上の波形特性の値を調整するために伝送器102と受電器120との間で情報を伝える(例えば、RF試験信号から引き出された電力量を伝える)ために用いられる。一部の実施形態では、通信信号118は、ステータス、効率、ユーザデータ、電力消費、課金、ジオロケーション及び他の種類の情報に関連する情報を含む。
【0067】
[0073] 一部の実施形態では、通信構成要素112は、電子デバイス122aを経由して通信信号118を受電器120に伝送する。例えば、通信構成要素112は、情報を電子デバイス122aの通信構成要素136に伝え得、それを今度は電子デバイス122aが(例えば、バス138を介して)受電器120に伝える。
【0068】
[0074] 一部の実施形態では、通信構成要素112は、受電器120及び/又は他の伝送器102(例えば、伝送器102b~102n)と通信するための通信構成要素アンテナを含む。一部の実施形態では、これらの通信信号118は、電力波116の伝送のために用いられる第2のチャネル(例えば、第1の周波数帯域とは別個の第2の周波数帯域)から独立しており、それとは別個である第1のチャネル(例えば、第1の周波数帯域)を用いて送信される。
【0069】
[0075] 一部の実施形態では、受電器120は、受電器側通信構成要素によって発生されたそれぞれの通信信号118(一部の実施形態では、それぞれの通信信号118は、広告信号と称される)を通して、様々な種類のデータを伝送器102の1つ以上と通信するように構成された受電器側通信構成要素144(本明細書において「無線通信受信器」、「通信受信器」又は単に「受信器」とも称される))を含む。データは、受電器120及び/又は電子デバイス122のための場所インジケータ、デバイス122の電力ステータス、受電器120のためのステータス情報、電子デバイス122のためのステータス情報、電力波116に関するステータス情報及び/又はエネルギーポケットのためのステータス情報を含み得る。換言すれば、受電器120は、他の種類の情報を包含する可能なデータ点の中でもとりわけ、受電器120若しくはデバイス122の現在の場所、受電器120によって受電されたエネルギー(すなわち使用可能電力)の量並びに電子デバイス122によって受電及び/又は使用された電力量を識別する情報を含む、システム100の現在の動作に関するデータを、通信信号118を経由して伝送器102に提供し得る。
【0070】
[0076] 一部の実施形態では、通信信号118内に包含されるデータは、電子デバイス122、受電器120及び/又は伝送器102により、アンテナアレイ110によって電力波116を伝送するために用いられる1つ以上の波形特性の値に対する調整を決定するために用いられる。通信信号118を用いて、伝送器102は、例えば、伝送場内の受電器120を識別し、電子デバイス122を識別し、安全で効果的な電力波の波形特性を決定し、及び/又はエネルギーポケットの配置を高精度化するために用いられるデータを通信する。一部の実施形態では、受電器120は、通信信号118を用いて、例えば受電器120が伝送場に入った若しくはまさに入ろうとしていること(例えば、伝送器102の無線電力伝送範囲内に到来したこと)を知らせるためのデータを伝送器102に通信し、電子デバイス122に関する情報を提供し、電子デバイス122に対応するユーザ情報を提供し、受信された電力波116の有効性を指示し、及び/又は1つ以上の伝送器102が、電力波116の伝送を調整するために用いられる更新された特性若しくは伝送パラメータを提供する。
【0071】
[0077] 一部の実施形態では、伝送器センサ114及び/又は受電器センサ128は、電子デバイス122、受電器120、伝送器102及び/又は伝送場の条件を検出及び/又は識別する。一部の実施形態では、伝送器センサ114及び/又は受電器センサ128によって生成されたデータは、伝送器102により、電力波106を伝送するために用いられる1つ以上の波形特性の値に対する適切な調整を決定するために用いられる。伝送器102によって受信される伝送器センサ114及び/又は受電器センサ128からのデータは、例えば、生センサデータ及び/又はセンサプロセッサなどのプロセッサ104によって処理されたセンサデータを含む。処理されたセンサデータは、例えば、出力されたセンサデータに基づく決定を含む。一部の実施形態では、受電器120及び伝送器102の外部にあるセンサから受信されたセンサデータ(熱撮像データ、光センサからの情報及び他のものなど)も用いられる。
【0072】
[0078] 一部の実施形態では、受電器センサ128は、配向データ(例えば、3軸配向データ)などの生データを提供するジャイロスコープであり、この生データを処理することは、配向データを用いて受電器120の場所及び/又は又は受電器アンテナ124の場所を決定することを含み得る。さらに、受電器センサ128は、受電器120及び/又は電子デバイス122の配向を指示することができる。一例として、伝送器102は、受電器センサ128からの配向情報を受信し、伝送器102(又はプロセッサ104などのそれらの構成要素)は、受信された配向情報を用いて、電子デバイス122がテーブルの上に横倒しになっているか、運動しているか、及び/又は(例えば、ユーザの頭の付近で)使用中であるかどうかを決定する。
【0073】
[0079] 一部の実施形態では、受電器センサ128は、(例えば、熱撮像情報を出力する)1つ以上の赤外センサを含み、この赤外センサデータを処理することは、熱撮像情報に基づいて人物を識別すること(例えば、人物の存在を指示すること及び/又は人物の識別を指示すること)又は他の感応性物体を識別することを含む。
【0074】
[0080] 一部の実施形態では、受電器センサ128は、電子デバイス122のセンサである。一部の実施形態では、受電器120及び/又は電子デバイス122は、信号(例えば、受電器センサ128によって出力されたセンサ信号)を伝送器102に伝送するための通信システムを含む。
【0075】
[0081] 伝送器センサ114及び/又は受電器センサ128の非限定例としては、例えば、赤外、焦電、超音波、レーザ、光、ドップラー、ジャイロ、加速度計、マイクロ波、ミリメートル、RF定在波センサ、共振LCセンサ、容量センサ及び/又は誘導センサが挙げられる。一部の実施形態では、伝送器センサ114及び/又は受電器センサ128のための技術は、人間又は他の感応性物体の場所など、立体センサデータを獲得するバイナリセンサを含む。
【0076】
[0082] 一部の実施形態では、伝送器センサ114及び/又は受電器センサ128は、人間認識のために構成される(例えば、人物と、家具などの他の物体とを区別する能力を有する)。人間認識対応センサによって出力されるセンサデータの例としては、体温データ、赤外レンジファインダデータ、動きデータ、活動認識データ、シルエット検出及び認識データ、ジェスチャデータ、心拍数データ、ポータブルデバイスデータ並びにウェラブルデバイスデータ(例えば、生体測定読み値及び出力、加速度計データ)が挙げられる。
【0077】
[0083] 図2は、一部の実施形態に係る代表的な伝送器デバイス102(ときに本明細書において伝送器102、無線電力伝送器102及び無線電力伝送デバイス102とも称される)を示すブロック図である。一部の実施形態では、伝送器デバイス102は、1つ以上のプロセッサ104(例えば、CPU、ASIC、FPGA、マイクロプロセッサ及び同様のもの)、1つ以上の通信構成要素112(例えば、受信器)、メモリ106、1つ以上のアンテナ110並びにこれらの構成要素を相互接続するための1つ以上の通信バス108(ときにチップセットと呼ばれる)を含む。一部の実施形態では、伝送器デバイス102は、以上において図1を参照して説明されたとおりの1つ以上のセンサ114を含む。一部の実施形態では、伝送器デバイス102は、1つ以上のインジケータライト、サウンドカード、スピーカ、文字情報及びエラーコードを表示するための小型ディスプレイ等などの1つ以上の出力デバイスを含む。一部の実施形態では、伝送器デバイス102は、伝送器デバイス102の場所を決定するための、GPS(全地球測位衛星)又は他のジオロケーション受信器などの場所検出デバイスを含む。
【0078】
[0084] 通信構成要素112は、伝送器102と1つ以上の通信ネットワークとの間の通信を可能にする。一部の実施形態では、通信構成要素112は、例えば、種々の無線プロトコル(例えば、IEEE 802.15.4、Wi-Fi、ZigBee、6LoWPAN、Thread、Z-Wave、Bluetooth Smart、ISA100.11a、WirelessHART、MiWi等)、有線プロトコル(例えば、Ethernet、HomePlug等)及び/又は本明細書の出願日の時点では依然として開発されていない通信プロトコルを含む、任意の他の好適な通信プロトコルの任意のものを用いたデータ通信の能力を有するハードウェアを含む。
【0079】
[0085] メモリ106は、DRAM、SRAM、DDR SRAM又は他のランダムアクセスソリッドステートメモリデバイスなどの高速ランダムアクセスメモリを含み、任意選択的に、1つ以上の磁気ディスク記憶デバイス、1つ以上の光ディスク記憶デバイス、1つ以上のフラッシュメモリデバイス又は1つ以上の他の不揮発性ソリッドステート記憶デバイスなどの不揮発性メモリを含む。メモリ106又は代替的にメモリ106内の不揮発性メモリは、非一時的コンピュータ可読記憶媒体を含む。一部の実施形態では、メモリ106又はメモリ106の非一時的コンピュータ可読記憶媒体は、以下のプログラム、モジュール及びデータ構造又はそれらの部分セット若しくは上位セットを記憶する:
・様々な基本システムサービスを処理し、且つハードウェア依存タスクを実施するための手順を含む動作論理216、
・通信構成要素112と連携してリモートデバイス(例えば、リモートセンサ、伝送器、受電器、サーバ等)に結合し、及び/又はそれらと通信するための通信モジュール218、
・例えば、伝送器102の近傍における物体の存在、速度及び/又は位置付けを決定するために、(例えば、センサ114と連携して)センサデータを得て処理するためのセンサモジュール220、
・RF試験信号116に基づいて伝送器のアンテナアレイ110内のそれぞれのアンテナのための最適位相アンテナを決定するための最適位相設定モジュール222。一部の実施形態では、以下において図5A図5Cを参照して説明されるように、最適位相設定モジュール222は、二分探索法若しくは最小二乗法のいずれか又はそれらの何らかの組み合わせを用いて最適位相設定を決定する、
・限定するものではないが、所与の場所においてエネルギーのポケットを形成することを含む、(例えば、アンテナ110と連携して)電力波及び試験信号(例えば、RF試験信号116)を発生させ、伝送するための電力波発生モジュール224。一部の実施形態では、RF試験信号116が最適位相を決定するために用いられるため、電力波発生モジュール224は、最適位相設定モジュール222と関連付けられる(又はそれを含む)、
・限定するものではないが、以下のものを含むデータベース226:
○1つ以上のセンサ(例えば、センサ114及び/又は1つ以上のリモートセンサ)によって受信、検出及び/又は伝送されたデータを記憶し、管理するためのセンサ情報228、
○電力波発生モジュール224によって伝送された試験信号の所定の試験位相を記憶し、管理するための試験位相230。一部の実施形態では、以下において図5A図5Cを参照して説明されるように、試験位相は、純粋正弦波の既知の特性に対応する所定の間隔によって隔てられている、
○最適位相設定モジュール222によって1つ以上のアンテナ110のために決定された最適なアンテナ位相を記憶し、管理するための最適位相232、及び
○1つ以上のプロトコル(例えば、ZigBee、Z-Wave等などのカスタム又は標準無線プロトコル及び/又はEthernetなどのカスタム又は標準有線プロトコル)のためのプロトコル情報を記憶し、管理するための通信プロトコル情報234。
【0080】
[0086] 以上において識別された要素(例えば、伝送器102のメモリ106内に記憶されたモジュール)の各々は、任意選択的に、上述されたメモリデバイスの1つ以上の内部に記憶され、上述された機能を実施するための命令のセットに対応する。以上において識別されたモジュール又はプログラム(例えば、命令のセット)は、独立したソフトウェアプログラム、手順又はモジュールとして実施される必要はなく、したがって、これらのモジュールの様々な部分セットは、任意選択的に、様々な実施形態において組み合わされるか又は再編成される。一部の実施形態では、メモリ106は、任意選択的に、以上において識別されたモジュール及びデータ構造の部分セットを記憶する。さらに、メモリ106は、任意選択的に、伝送場内の物体の運動及び位置付けを追跡するための追跡モジュールなど、上述されてない追加のモジュール及びデータ構造を記憶する。
【0081】
[0087] 図3は、一部の実施形態に係る代表的な受電器デバイス120(本明細書において受電器120、無線電力受電器120及び無線電力受電デバイス120とも称される)を示すブロック図である。一部の実施形態では、受電器デバイス120は、1つ以上のプロセッサ140(例えば、CPU、ASIC、FPGA、マイクロプロセッサ及び同様のもの)、1つ以上の通信構成要素144、メモリ142、1つ以上のアンテナ124、電力回収回路機構310並びにこれらの構成要素を相互接続するための1つ以上の通信バス308(ときにチップセットと呼ばれる)を含む。一部の実施形態では、受電器デバイス120は、以上において図1を参照して説明された1つ又はセンサなどの1つ以上のセンサ128を含む。一部の実施形態では、受電器デバイス120は、電力回収回路機構310を介して回収されたエネルギーを蓄積するためのエネルギー蓄積デバイス312を含む。様々な実施形態では、エネルギー蓄積デバイス312は、1つ以上の電池(例えば、電池130、図1)、1つ以上のキャパシタ、1つ以上のインダクタ及び同様のものを含む。
【0082】
[0088] 図1を参照して上述されたように、一部の実施形態では、受電器120は、接続138(例えば、バス)を介して電子デバイス(例えば、電子デバイス122a、図1)に内部又は外部接続される。
【0083】
[0089] 一部の実施形態では、電力回収回路機構310は、1つ以上の整流回路及び/又は1つ以上の電力変換器を含む。一部の実施形態では、電力回収回路機構310は、電力波及び/又はエネルギーポケットからのエネルギーを電気エネルギー(例えば、電気)に変換するように構成された1つ以上の構成要素(例えば、電力変換器126)を含む。一部の実施形態では、電力回収回路機構310は、ラップトップ又は電話など、結合された電子デバイス(例えば、電子デバイス122)に電力を供給するようにさらに構成される。一部の実施形態では、結合された電子デバイスに電力を供給することは、電気エネルギーをAC形態から(例えば、電子デバイス122によって使用可能な)DC形態に変容することを含む。
【0084】
[0090] 通信構成要素144は、受電器120と1つ以上の通信ネットワークとの間の通信を可能にする。一部の実施形態では、通信構成要素144は、例えば、種々のカスタム又は標準無線プロトコル(例えば、IEEE 802.15.4、Wi-Fi、ZigBee、6LoWPAN、Thread、Z-Wave、Bluetooth Smart、ISA100.11a、WirelessHART、MiWi等)、カスタム又は標準有線プロトコル(例えば、Ethernet、HomePlug等)及び/又は本明細書の出願日の時点では依然として開発されていない通信プロトコルを含む、任意の他の好適な通信プロトコルの任意のものを用いたデータ通信の能力を有するハードウェアを含む。一部の実施形態では、受電器120は、組み込み通信構成要素(例えば、Bluetooth受信器)又は受電器が結合される電子デバイスを利用し得、したがって、これらの実施形態では、受電器120は、その独自の通信構成要素を含まなくてもよい。
【0085】
[0091] メモリ142は、DRAM、SRAM、DDR SRAM又は他のランダムアクセスソリッドステートメモリデバイスなどの高速ランダムアクセスメモリを含み、任意選択的に、1つ以上の磁気ディスク記憶デバイス、1つ以上の光ディスク記憶デバイス、1つ以上のフラッシュメモリデバイス又は1つ以上の他の不揮発性ソリッドステート記憶デバイスなどの不揮発性メモリを含む。メモリ142又は代替的にメモリ142内の不揮発性メモリは、非一時的コンピュータ可読記憶媒体を含む。一部の実施形態では、メモリ142又はメモリ142の非一時的コンピュータ可読記憶媒体は、以下のプログラム、モジュール及びデータ構造又はそれらの部分セット若しくは上位セットを記憶する:
・様々な基本システムサービスを処理し、且つハードウェア依存タスクを実施するための手順を含む動作論理314、
・通信構成要素144と連携してリモートデバイス(例えば、リモートセンサ、伝送器、受電器、サーバ、電子デバイス、マッピングメモリ等)に結合し、及び/又はそれらと通信するための通信モジュール316、
・例えば、受電器120、伝送器102又は受電器120の近傍における物体の存在、速度及び/又は位置付けを決定するために、(例えば、センサ128と連携して)センサデータを得て処理するためのセンサモジュール318、
・(例えば、アンテナ124及び/又は電力回収回路機構310と連携して)エネルギーを受電し、任意選択的に、(例えば、電力回収回路機構310と連携して)それを(例えば、直流に)変換し、エネルギーを、結合された電子デバイス(例えば、電子デバイス122)に伝達し、任意選択的に、(例えば、エネルギー蓄積デバイス312と連携して)エネルギーを蓄積するための電力受電モジュール320
・電力波(若しくはRF試験信号)及び/又は電力波が集束するポケット又はエネルギー(例えば、RF信号116、図1)から抽出されたエネルギーに基づいて受電器によって受電された電力量を(電力受電モジュール320の動作と連携して)決定するための電力決定モジュール321。一部の実施形態では、以下において図5A図5Cを参照して説明されるように、受電器によって受電された電力量を決定した後、受電器120は、電力量を識別する情報を伝送器102に伝送する、及び
・限定するものではないが、以下のものを含むデータベース322:
○1つ以上のセンサ(例えば、センサ128及び/又は1つ以上のリモートセンサ)によって受信、検出及び/又は伝送されたデータを記憶し、管理するためのセンサ情報324、
○受電器120、結合された電子デバイス(例えば、電子デバイス122)及び/又は1つ以上のリモートデバイスのための動作設定を記憶し、管理するためのデバイス設定326、及び
○1つ以上のプロトコル(例えば、ZigBee、Z-Wave等などのカスタム又は標準無線プロトコル及び/又はEthernetなどのカスタム又は標準有線プロトコル)のためのプロトコル情報を記憶し、管理するための通信プロトコル情報328。
【0086】
[0092] 一部の実施形態では、電力受電モジュール321は、電力量を、電力量を他のリモートデバイス(例えば、伝送器102、図1図2)に通信する通信モジュール316に通信する。さらに、一部の実施形態では、電力受電モジュール321は、電力量をデータベース322に通信する(例えば、データベース322は、1つ以上の電力波116から引き出された電力量を記憶する)。一部の実施形態では、電力受電モジュール321は、通信モジュール316に、別個の伝送(例えば、(例えば、伝送器102からの第1の試験信号による)受電器によって受電された第1の電力量を指示する第1の通信信号、(例えば、伝送器102からの第2の試験信号による)受電器によって受電された第2の電力量を指示する第2の通信信号、必要に応じて以下同様)をリモートデバイスに伝送するよう命令する。代替的に、一部の実施形態では、電力受電モジュール321は、通信モジュール316に、データパケットをリモートデバイスに伝送するよう命令する(例えば、それぞれのデータパケットは、伝送器102によって伝送される複数の試験信号のための情報を含むことができる)。
【0087】
[0093] 以上において識別された要素(例えば、受電器120のメモリ142内に記憶されたモジュール)の各々は、任意選択的に、上述されたメモリデバイスの1つ以上の内部に記憶され、上述された機能を実施するための命令のセットに対応する。以上において識別されたモジュール又はプログラム(例えば、命令のセット)は、独立したソフトウェアプログラム、手順又はモジュールとして実施される必要はなく、したがって、これらのモジュールの様々な部分セットは、任意選択的に、様々な実施形態において組み合わされるか又は再編成される。一部の実施形態では、メモリ142は、任意選択的に、以上において識別されたモジュール及びデータ構造の部分セットを記憶する。さらに、メモリ142は、任意選択的に、接続されたデバイスのデバイス種別(例えば、電子デバイス122のためのデバイス種別)を識別するための識別モジュールなど、上述されていない追加のモジュール及びデータ構造を記憶する。
【0088】
[0094] 図4A図4Bは、一部の実施形態に係る、伝送器(例えば、伝送器102、図1図2)のアンテナ(例えば、アンテナアレイ110内のアンテナ、図1図2)によって伝送される無線周波数(RF)試験信号の例示的なシヌソイド関数を示すプロットである。図4A図4Bは、式(1)の2つの例を示すプロットである。
|S|=A+cos(θ+v) (1)
ここで、|S|は、信号レベルの大きさであり、Aは、定数であり、θは、周波数であり、vは、位相である。図4Aに示される例ではA=0、v=π/2である。図4Bに示される例では、RF試験信号がπ/2の位相オフセットを用いて伝送され得るにもかかわらず、vは、正確にπ/2と等しくない。これは、場合によりノイズに起因する。したがって、図4Bに示される例は、伝送器のアンテナによって伝送されるRF試験信号のシヌソイド関数のより現実的な例である。
【0089】
[0095] 図5A図5Cは、一部の実施形態に係る、アンテナアレイ(例えば、アンテナアレイ110、図1図2)内の個々のアンテナに用いるための最適位相を推定する方法を示すフロー図である。方法500の動作は、伝送器(例えば、伝送器102、図1図2)又はその1つ以上の構成要素(例えば、図2を参照して上述されたもの)によって実施され得る(501)。図5A図5Cは、コンピュータメモリ又はコンピュータ可読記憶媒体(例えば、伝送器102のメモリ106、図2)内に記憶された命令に対応する。
【0090】
[0096] 図5Aに示されるように、一部の実施形態では、方法500は、伝送器の受信器により、受電器が伝送器の無線電力伝送範囲内にあることを指示する無線通信信号(例えば、信号118、図1)を受信すること(502)を含む。一部の実施形態では、無線電力伝送範囲は、あらかじめ定められ、伝送器の前方の1~2フィートと規定される遮断領域を除外する。一部の実施形態では、無線電力伝送範囲は、伝送器102からおよそ1~10フィートに及ぶ(遮断領域を除外する)。無線充電技術がそれらの遠方界充電能力を改善し続けているため、無線電力伝送範囲は、時間と共に増大し得ることに留意されたい。したがって、当業者は、上述の例示的な範囲が、本分野における技術的改善を除外することを意図されないことを理解するであろう。
【0091】
[0097] 一部の実施形態では、1つ以上の受電器が無線電力伝送範囲内にある。このような場合、1つ以上の伝送器は、無線電力を1つ以上の受電器に提供するために利用され得る。例えば、受電器が伝送器から好適な距離内にない場合(例えば、伝送器の無線電力伝送範囲の外側限界付近にある)、このとき、より高い電力伝送器(例えば、受電器により近いもの)がその伝送器に伝送するために選択され得る。一部の実施形態では、1つ以上の伝送器は、互いに通信し合っており、これにより、伝送器は、充電ルーチンを連係させることができる(例えば、伝送器1は、それが電力を受電器120に伝送することになることを伝送器2に知らせる)。
【0092】
[0098] 続けると、一部の実施形態では、方法500は、無線通信信号を受信することに応じて、伝送器のアンテナアレイ(例えば、アンテナアレイ110の一例、図1)のそれぞれのアンテナを介して、複数のRF試験信号を伝送すること(504)を含む。複数のRF試験信号は、それぞれのアンテナのための複数の利用可能な位相の(事前に決定され得る)少なくとも2つの試験位相を使用して伝送される。例えば、第1のRF試験信号は、第1の試験位相における伝送器であり、第2のRF試験信号は、第1のRF試験信号と異なる第2の試験位相における伝送器であり、以下同様である(より多くの複数のRF試験信号が3つ以上のRF試験信号を含む場合)。重要な点として、複数の利用可能な位相は、少なくとも2つの試験位相以外の位相(例えば、位相値)を含む。換言すれば、複数のRF試験信号のRF試験信号は、利用可能な位相の部分セット - すなわち全てよりも少数 - を用いて伝送される。
【0093】
[0099] 上述されたRF試験信号は、無線電力を無線電力受電器に供給するための最適位相を決定することを促進するために用いられる。一部の実施形態では、これらのRF試験信号は、無線電力受電器により、電力又は充電を無線電力受電器又はそれに関連付けられたデバイスに提供するために用いられない。代わりに、RF試験信号に対してより高い電力のRF信号であるRF電力信号(以下において詳述される)が、電力又は充電を無線電力受電器に提供するために用いられる。このように、伝送器は、伝送器のアンテナの少なくとも部分セットのための最適位相が決定されるまでの(例えば、RF試験信号を伝送している間の)デバイス調整段階中に資源を失わないようにすることができる。以下においてより詳細に説明されることになるように、方法500は、試験信号を用いて無線電力受電器の位置を特定し、伝送器のアンテナを調整し、次にRF電力信号を無線電力受電器に伝送することができる。図1を参照して上述されたRF信号116は、RF試験信号又はRF電力信号のいずれかであり得るであろうことに留意されたい。
【0094】
[00100] 一部の実施形態では、第1の試験位相(本明細書において「試験位相設定」又は「試験位相値」とも称される)は、伝送器によって伝送されるRF試験信号の1サイクルの3/16(例えば、正弦波信号について2π*3/16)であり得る。本例では、第2の試験位相は、伝送器によって伝送されるRF試験信号の1サイクルの11/16であり得る。2つの試験位相が用いられるため、それぞれのアンテナのための最適位相を決定すること(526)は、本明細書において二分探索法と称され、これは、以下においてより詳細に説明されることになる。他の一部の実施形態では、第1及び第2の試験位相は、3/16及び11/16と異なる。二分探索法又は最小二乗法(同様に後述される)のいずれかにとって、ここで重要な点は、第1及び第2の(及び潜在的に第3の)試験位相が位相値/設定の閾量(ときに以下において「所定の間隔」又は「既定量の位相」と称される)によって隔てられていることである。位相値の閾量は、一部の実施形態では、5/16以上であり得る(より小さい量を用いることもできる)。
【0095】
[00101] 上述されたように、複数の利用可能な位相(本明細書において「所定の複数の別個の位相」とも称される)は、所定の試験位相であり得る、少なくとも2つの試験位相以外の位相を含み得る。例えば、複数の利用可能な位相は、1/16、2/16、3/16、4/16、5/16、6/16、7/16、8/16、9/16、10/16、11/16、12/16、13/16、14/16、15/16及び16/16を含み得る。当業者は、異なるアンテナが様々な利用可能な位相を有し、上述の1/16の例が単なる1つの可能なアンテナ構成にすぎないことを理解するであろう。
【0096】
[00102] 他の一部の実施形態では、複数の試験信号は、3つの試験信号を含み、その結果、同じく所定の試験位相であり得る、3つの試験位相が用いられる。一例では、第1の試験位相は、3/16であり、第2の試験位相は、8/16であり、第3の試験位相は、13/16である。本例では、それぞれのアンテナのための最適位相を決定すること(526)は、最小二乗法である。最小二乗法は、概して、二分探索法よりも高速で正確な最適位相推定方法である。このアプローチは、ステップ526を参照してより詳細に説明されることになる。
【0097】
[00103] 最小二乗法を用いる場合、3/16、8/16及び13/16の位相が最適位相の信頼できる推定をもたらすことに留意されたい。それにもかかわらず、部分的には、これらの他の試験位相は、擬似逆行列の計算におけるノイズ及び有限ビット幅の効果に対して同等の感受性を有するため、最適位相の同等に信頼できる推定をもたらす他の試験位相を使用することもできる(例えば、4/16、9/16及び14/16が用いられ得るか、又は試験位相の何らかの他の組み合わせが用いられ得る)。さらに、4つ以上の試験位相を最小二乗法と共に用いることは、最適位相測定におけるノイズに対する堅牢性をさらに改善することができる。いくつかの試験位相の組み合わせは、最適位相の信頼できる推定をもたらさないことにも留意されたい。例えば、0/16、1/16及び2/16の試験位相は、最適位相の不十分な推定をもたらす。これは、部分的には、擬似逆行列が不安定である、すなわち、それが、最小二乗解を計算する際、電力信号内のノイズ及びまたコンピュータの有限のビット幅の効果を受けやすいためである。
【0098】
[00104] 一部の実施形態では、少なくとも2つの異なる試験位相のためのそれぞれの値は、既定の間隔によって隔てられている(506)。例えば、少なくとも2つの試験位相が3/16、8/16及び13/16である場合、位相は、5/16の既定の間隔によって隔てられている(すなわち5つの位相値が各試験位相を隔てている(一部の実施形態では、より大きい又はより小さい既定の内部が用いられる)。既定の間隔は、純粋正弦波の既知の特性に対応する(508)。例えば、伝送器は、RF試験信号を純粋正弦波として伝送し得る。すなわち、場合により、RF試験信号は、図4A図4Bを参照して説明される関数によって特徴付けられ得る。図4A図4Bを参照して説明されたように、既定の間隔は、例えば、位相指数軸に沿って等距離にある正弦波上の既定数の点において正弦波をサンプリングすることによって定められ得る。正弦波上の既定数の点間の位相指数における距離が既定の間隔である。
【0099】
[00105] 一部の実施形態では、RF試験信号は、少なくとも2つの試験位相以外の位相を使用して伝送されない(510)。例えば、少なくとも2つの試験位相が3/16、8/16及び13/16である場合、他の位相 - 例えば、1/16、2/16、4/16、5/16、6/16、7/16、9/16、10/16、11/16、12/16、14/16、15/16及び16/16 - は、伝送されない。これらの位相の1つが最終的に最適位相になり得るであろう(後述)ことに留意されたい。二分探索法を用いるものなどの他の実施形態では、いくつかのRF試験信号は、少なくとも2つの所定の試験位相以外の位相を使用して伝送される。
【0100】
[00106] 一部の実施形態では、複数のRF試験信号を伝送することは、受電器(例えば、受電器120、図1及び図3)からの無線通信信号を受信することに応じて複数のRF試験信号の第1のRF試験信号を伝送すること(512)と、また受電器からの追加の無線通信信号を受信することに応じて複数のRF試験信号の第2のRF試験信号を伝送すること(514)とを含む。追加の無線通信信号は、受電器が伝送器の無線電力伝送範囲内にあることを指示する(502において受信された)無線通信信号とは独立した別個のものであり、及び/又は少なくとも2つの試験位相を使用した(504において伝送された)複数のRF試験信号とは独立した別個のものであり得る。代替的に、一部の実施形態では、複数のRF試験信号を伝送することは、受電器からの無線通信信号を受信することに応じて第1のRF試験信号及び第2のRF試験信号を伝送することを含む。
【0101】
[00107] 一部の実施形態では、方法500は、複数のRF試験信号の第3のRF試験信号を伝送すること(515)を含む。第3のRF試験信号は、第1及び第2のRF試験信号を伝送した後に伝送され得る。第3のRF試験信号の伝送は、後述される最小二乗法と共に用いられる。
【0102】
[00108] 図5Bに示されるように、一部の実施形態では、方法500は、受電器から、少なくとも2つの試験位相の第1の試験位相において伝送された複数のRF試験信号の第1のRF試験信号によって受電器に供給された(すなわちそれによって受電された)第1の電力量を識別する情報を受信すること(516)を含む。例えば、少なくとも2つの試験位相が3/16及び11/16である場合、受電器に供給された第1の電力量を識別する情報は、位相設定3/16において伝送され得る。
【0103】
[00109] 一部の実施形態では、受電器に供給された第1の電力量を識別する情報は、第1の追加の無線通信信号を介して(例えば、伝送器の受信器によって)受信される(518)。第1の追加の無線通信信号は、受電器が伝送器の無線電力伝送範囲内にあることを指示する(502において受信された)無線通信信号、少なくとも2つの試験位相を使用した(504において伝送された)複数のRF試験信号及び/又は(514において伝送された、任意選択的なものである)受電器からの追加の無線通信信号とは独立した別個のものであり得る。
【0104】
[00110] 方法500は、受電器から、少なくとも2つの試験位相の(第1の試験位相とは別個の)第2の試験位相において伝送された複数のRF試験信号の第2のRF試験信号によって受電器に供給された(すなわちそれによって受電された)第2の電力量を識別する情報を受信すること(520)も含む。例えば、少なくとも2つの試験位相が3/16及び11/16である場合、受電器に供給された第2の電力量を識別する情報は、位相設定11/16において伝送され得る。
【0105】
[00111] 一部の実施形態では、受電器に供給された第2の電力量を識別する情報は、第2の追加の無線通信信号(522)を介して受信される。第2の追加の無線通信信号は、受電器が伝送器の無線電力伝送範囲内にあることを指示する(502において受信された)無線通信信号、少なくとも2つの試験位相を使用した(504において伝送された)複数のRF試験信号及び/又は(514において伝送された)受電器からの追加の無線通信信号とは独立した別個のものであり得る。
【0106】
[00112] 他の一部の実施形態では、受電器に供給された第1の電力量を識別する情報及び受電器に供給された第2の電力量を識別する情報は、追加の無線通信信号において一緒に受信される。この追加の無線通信信号は、受電器が伝送器の無線電力伝送範囲内にあることを指示する(502において受信された)無線通信信号、少なくとも2つの試験位相を使用した(504において伝送された)複数のRF試験信号及び/又は(514において伝送された)受電器からの追加の無線通信信号とは独立した別個のものであり得る。
【0107】
[00113] 一部の実施形態では、方法500は、受電器から、少なくとも2つの試験位相の(第1及び第2の試験位相とは別個の)第3の試験位相において伝送された複数のRF試験信号の第3のRF試験信号によって受電器に供給された第3の電力量を識別する情報を受信すること(525)を含む。本例では、試験位相は、3/16(例えば、第1の試験位相)、8/16(例えば、第2の試験位相)及び13/16(例えば、第3の試験位相)であり得、受電器に供給された第3の電力量を識別する情報は、位相13/16において伝送され得る。ステップ525は、以下において詳細に説明される最小二乗法を用いて実施される。
【0108】
[00114] 一部の実施形態では、方法500は、受電器に供給された第1及び第2の電力量に基づいて、複数の利用可能な位相の中から伝送器のそれぞれのアンテナのための最適位相を決定すること(526)を含む。2つの試験位相(例えば、3/16及び11/16の位相)が存在する一部の実施形態では、最適位相を決定することは、以下において詳述される二分探索法を用いて実施される。二分探索法は、方法700を参照して単独でも説明される。
【0109】
[00115] 2π*3/16及び2π*11/16を例示的な試験位相として用いると、二分探索法は、以下のように実施され得る。まず、位相指数3/16及び11/16のための信号レベルの大きさのそれぞれの絶対値(例えば、式(1)における|S|)が測定される。次に、位相指数3/16のための信号レベルの大きさ(すなわち電力量)が位相指数11/16のための信号レベルの大きさよりも大きい場合、このとき、位相指数3/16が仮の最大として指定される。他方で、位相指数11/16のための信号レベルの大きさが位相指数3/16のための信号レベルの大きさよりも大きい場合、このとき、位相指数11/16が仮の最大として指定される。本開示は、上述されたとおりの試験位相2π*3/16及び2π*11/16に限定されないことに留意されたい。
【0110】
[00116] 二分探索法の本実施形態では、16個の位相指数値が存在するため、信号レベルの真の最大は、仮の最大である位相指数値の4サンプル以内になければならない。したがって、2つの位相指数のための信号レベルの大きさのそれぞれの絶対値は、仮の最大よりも4サンプル小さく且つ4サンプル大きく、測定される。例えば、仮の最大が位相指数3/16にある場合、位相指数7/16及び15/16は、評価される以下の2つになる。すなわち、位相指数7/16及び15/16における信号レベルの大きさの絶対値が仮の最大と比較される。その後、最も大きい値を有する新たな位相指数値が新たな仮の最大として指定される。
【0111】
[00117] 信号レベルの大きさの絶対値を比較するこのプロセスは、全ての位相指数値がチェックされるまで反復される。各後続の反復において、仮の最大から離れており、仮の最大と比較されるサンプル数は、半分に減少される。例えば、16個の位相指数値が存在する例を続けると、次の反復は、仮の最大の位相指数値よりも2サンプル小さく且つ2サンプル大きい2つの位相指数値を仮の最大と比較することを含む。これの後の反復は、仮の最大の位相指数値よりも1サンプル小さく且つ1サンプル大きい2つの位相指数値を仮の最大と比較することを含む。この時点で二分探索法が完了し、最後の反復における最大に対応する位相指数値がそれぞれのアンテナのための最適位相となる。
【0112】
[00118] 最適位相推定のための他の方法と異なり、二分探索法は、試験中のアンテナ信号のサイクル全体にわたって位相を順次増加させることを必要としない。したがって、二分探索法は、最適位相推定を実施するために必要とされる時間及び処理の量を減少させ、ノイズ歪みに対する伝送器の感受性を減少させる。具体的には、16個の位相指数値の例を用いると、二分探索法は、それぞれのアンテナのための最適位相のために、可能な16個の位相指数値の8つの位相指数値を測定する。一部のアンテナは、64個の位相指数値(又はさらにより大きい個数)を有し、このような場合、二分探索法の恩恵は、なお一層顕著になる(例えば、可能な64個の位相指数の32個のみが最適位相を決定するために測定されればよい)。しかし、二分探索法でさえ、後述される最小二乗法を用いて最適位相を推定することによって改善され得る。
【0113】
[00119] (例えば、ステップ504において)3つ以上の試験位相が伝送される場合、このとき、二分探索法は、もはや用いられない。代わりに、最小二乗法が用いられる。最小二乗法は、少なくとも、受電器に供給された第1、第2及び第3の電力量に基づいて(527)最適位相を決定すること(526)を含む(例えば、後述されるように、試験位相及び受電器に供給されたそれらのそれぞれの電力量から最適位相を補間する)。4つ以上の電力測定を最小二乗法において用いることができる(及びまた2つの電力測定を最小二乗法において用いることもできる)ことに留意されたい。2π*3/16、2π*8/16及び2π*13/16を例示的な試験位相として用いると、最小二乗法は、以下のように実施され得る。まず、三角関数の公式を用いて、上式(1)は、式(2)として表され得る。
|S|=A+cos(θ)cos(v)-sin(θ)sin(v) (2)
本例では、全ての16個の試験位相が範囲[0,2π]にわたって変化するため、RF試験信号レベルの大きさは、式(3)によって定義され得る射影として表され得る。
【数1】
ここで、Hは、モデル行列であり、式(4)によって定義され得る。
【数2】
試験位相の数が3よりも大きい例示的な実施形態では、行列Hは、式(5)によって定義され得る。
【数3】
ここで、v~vは、n個の試験位相である。
【0114】
[00120] 最適位相を決定するために、式(3)は、式(6)として書き換えられ得る。
【数4】
ここで、pinvは、疑似逆行列であり、H’は、行列Hの共役転置又はエルミート転置を指示する。式(6)の右辺は、左辺の係数のベクトルを生成する。次に、これらの係数の第1及び第2のものは、式(7)に従って最適位相を決定するために用いられ得る。
【数5】
【0115】
[00121] 当業者は、異なる伝送アンテナ及び異なる伝送信号が様々な数式的表現を有することになり、上述の式がこのような表現の単なる例にすぎないことを理解するであろう。
【0116】
[00122] 一部の実施形態では、最適位相は、少なくとも2つの試験位相以外の位相の1つである(528)。例えば、少なくとも2つの試験位相が3/16、8/16及び13/16である場合、最適位相は、他の13個の位相の1つである。しかし、他の実施形態では、最適位相は、3/16、8/16又は13/16のいずれかであり得る。
【0117】
[00123] 二分探索法が用いられるか、又は最小二乗法が用いられるかにかかわらず、方法500は、伝送器のそれぞれのアンテナを介して、最適位相を有する1つ以上のRF電力信号を受電器に伝送すること(530)をさらに含む。一部の実施形態では、受電器は、1つ以上のRF電力信号からの電力(例えば、エネルギー)を用いてそれ自体に給電するか若しくはそれ自体を充電し、及び/又は受電器に結合された電子デバイスに給電するか若しくはそれを充電する。
【0118】
[00124] 一部の実施形態では、方法500は、以上においてステップ504~515を参照して説明された方法でアンテナアレイのそれぞれの追加のアンテナを調整することを含む。例えば、方法500は、アンテナアレイのそれぞれの追加のアンテナを介して、少なくとも2つの試験位相を使用してそれぞれ伝送されるそれぞれの複数のRF試験信号を伝送すること(532)を含む。
【0119】
[00125] この伝送532前に、方法500においてこれまでに実施されたステップは、伝送器のアンテナアレイ内の単一のアンテナによって実施された。しかし、最適位相がアレイ内の追加のアンテナごとに同じではない場合があるため、これらのステップは、追加のアンテナごとに繰り返され得る。このように、アレイ内の各アンテナは、全ての利用可能な試験位相におけるRF試験信号を網羅的に伝送し、最適位相を強引な方法で探索するのではなく、利用可能な試験位相の部分セットにおけるRF試験信号を伝送する。アレイ内のアンテナの数が増大するにつれて、このプロセスは、時間及び計算力を大幅に節減する。加えて、このプロセスは、伝送信号内のノイズ歪みに対する伝送器の感受性を減少させる。
【0120】
[00126] 一部の実施形態では、方法500は、それぞれの追加のアンテナについて、受電器から、少なくとも2つの試験位相の第1のものにおいて伝送された複数のRF試験信号の第1のものによって受電器に供給された第1の電力量を識別する情報を受信すること(534)を含む。一部の実施形態では、受信534は、ステップ516~518を参照して説明された特徴を含み得る。
【0121】
[00127] 続けると、一部の実施形態では、方法500は、それぞれの追加のアンテナについて、受電器から、少なくとも2つの試験位相の第2のものにおいて伝送された複数のRF試験信号の第2のものによって受電器に供給された第2の電力量を識別する情報を受信すること(536)を含む。一部の実施形態では、受信536は、ステップ520~524を参照して説明された特徴を含み得る。方法500は、それぞれの追加のアンテナについて、受電器から、少なくとも2つの試験位相の第3のものにおいて伝送された複数のRF試験信号の第3のものによって受電器に供給された第3の電力量を識別する情報を受信することも含み得る。
【0122】
[00128] 続けると、一部の実施形態では、方法500は、それぞれの追加のアンテナによって受電器に供給された第1及び第2の(及び一部の実施形態では第3の)電力量に基づいて、複数の利用可能な位相の中から伝送器のそれぞれの追加のアンテナのための最適位相を決定すること(538)を含む。一部の実施形態では、決定538は、ステップ526~528を参照して説明された特徴を含み得る。
【0123】
[00129] 続けると、一部の実施形態では、方法500は、各アンテナを介して、決定された最適位相を有するRF電力信号を受電器に伝送すること(540)を含む。一部の実施形態では、受電器は、1つ以上のRF電力信号からの電力(例えば、エネルギー)を用いてそれ自体に給電するか若しくはそれ自体を充電し、及び/又は受電器に結合された電子デバイスに給電するか若しくはそれを充電する。一部の実施形態では、伝送540は、ステップ530を参照して説明された特徴を含み得る。
【0124】
[00130] 図6A図6Bは、一部の実施形態に係る、アンテナアレイ内の個々のアンテナに用いるための最適位相を推定する方法のシミュレーションの結果を示すプロットである。
【0125】
[00131] 図6Aにおけるプロットは、以上において図5A図5Cを参照して説明された二分探索法のシミュレーションの結果を示す。このシミュレーションでは、30個のアンテナのアレイが伝送器内で用いられた。図6Aに示されるように、このシミュレーションでは、二分探索法において最適位相を決定するために必要とされる信号レベル測定の数は、RF試験信号を伝送したアンテナが30に近づくにつれておよそ180に近づく。これは、図6Bに示されるシミュレーションの結果とは対照的である。図6Bにおけるプロットは、以上において図5A図5Cを参照して説明された最小二乗法のシミュレーションの結果を示す。このシミュレーションでは、30個のアンテナのアレイが伝送器内で用いられた。図6Bに示されるように、このシミュレーションでは、最小二乗法において最適位相を決定するために必要とされる信号レベル測定の数は、RF試験信号を伝送したアンテナが30に近づくにつれておよそ90に近づく。したがって、最小二乗法は、二分探索法のおよそ半分の計算量を達成する。
【0126】
[00132] 図7は、一部の実施形態に係る最適位相を推定する二分探索法700を示すフロー図である。方法700の動作は、伝送器(例えば、伝送器102、図1図2)又はその1つ以上の構成要素(例えば、図2を参照して上述されたもの)によって実施され得る。図7は、コンピュータメモリ又はコンピュータ可読記憶媒体(例えば、伝送器102のメモリ106、図2)内に記憶された命令に対応する。二分探索法の態様は、以上において方法500を参照してすでに説明されたことに留意されたい。したがって、簡潔にするために、方法500においてすでに取り扱われたそれらの態様は、概して、ここでは繰り返されない。
【0127】
[00133] 方法700は、伝送器の受信器により、受電器が伝送器の無線電力伝送範囲内にあることを指示する無線通信信号(例えば、信号118、図1)を受信することを含む。受電器からの無線通信信号を受信することは、以上において方法500のステップ502を参照してさらに詳細に説明されている。
【0128】
[00134] 方法700は、無線通信信号を受信することに応じて、無線電力伝送デバイスのアンテナアレイのそれぞれのアンテナを介して、(i)それぞれのアンテナのための複数の利用可能な位相の第1の試験位相における第1の無線周波数(RF)試験信号、及び(ii)複数の利用可能な位相の第2の試験位相における第2のRF試験信号を伝送すること(702)をさらに含む。第1及び第2の試験位相は、ある数の利用可能な試験位相によって隔てられている。利用可能な位相は、ある範囲の位相値を含み、第1及び第2の試験位相は、その範囲の位相値からの閾数の位相値が第1及び第2の試験位相を隔てるように選択される。例示のために、第1及び第2の試験位相がそれぞれ3/16及び11/16である場合、このとき、これらの例示的な設定は、いずれかの視点から7つの位相値によって隔たれている(例えば、7つの位相値が3/16及び11/16を隔てており(例えば、4/16~10/16)、7つの位相値が11/16及び3/16を隔てている、例えば12/16~2/16)。一例は、所定の間隔が、その数の利用可能な試験位相が第1及び第2の試験設定間にあることを確実にするために用いられることである(例えば、所定の間隔は、7つの位相値である)。
【0129】
[00135] 方法700は、無線電力受電デバイスから、第1及び第2のRF試験信号によって無線電力受電デバイスにそれぞれ供給された(すなわちそれによって受電された)第1及び第2の電力量を識別する情報を受信すること(704)をさらに含む。受電器からの追加の信号を受信することは、以上において方法500のステップ522及び524を参照してさらに詳細に説明されている。
【0130】
[00136] 方法700は、第1の電力量が第2の使用可能電力量よりも大きいかどうか(又はその逆)を決定すること(706)をさらに含む。第1の電力量が第2の電力量よりも大きいと決定することに応じて(706 - イエス)、方法700は、第1の試験位相を基準試験位相として選択することをさらに含む。代替的に、第1の電力量が第2の電力量よりも大きくないと決定することに応じて(706 - ノー)、方法700は、第2の試験位相を基準試験位相として選択することを含む。
【0131】
[00137] 説明を進めやすくするために、第1の試験位相が基準試験位相として選択される。それにもかかわらず、以下の説明は、第2の試験位相が基準試験位相として選択される状況に同等に適用され得るであろう。また、場合により、第1及び第2の電力量は、互いに等しくなり得ることにも留意されたい。このような場合、後述されるプロセスが第2の試験位相のために繰り返される。次に、第1の試験位相及び第2の試験位相から決定された最適位相が(異なる場合に)比較され、最も高い電力量を有する結果がそれぞれのアンテナのための最終最適位相として選定される。
【0132】
[00138] 一部の実施形態では、方法700は、それぞれのアンテナを介して、(それぞれ第1及び第2の試験位相とは別個の)第3及び第4の試験位相における第3及び第4のRF試験信号をそれぞれ伝送すること(708)をさらに含み、第3の試験位相は、基準試験位相(すなわち第1の試験位相)よりも大きい位相値であり、第4の試験位相は、基準試験位相(すなわち第1の試験位相)よりも小さい位相値である。加えて、第3及び第4の試験位相の両方は、第1及び第2の試験位相を隔てた利用可能なある数の利用可能な試験位相の1つである。例示のために、3/16が基準試験位相となるように選択される場合、このとき、第3及び第4の試験位相は、例えば、15/16及び7/16である。第3及び第4の試験位相のための他の位相値が選択され得、提供されている例は、ここでは、文脈を与えるために用いられていることに留意されたい。
【0133】
[00139] 一部の実施形態では、方法700は、無線電力受電デバイスから、第3及び第4のRF試験信号によって無線電力受電デバイスに供給された第3及び第4の電力量を識別する情報を受信すること(710)を含む。この場合にも上記と同様に、受電器からの追加の信号を受信することは、以上において方法500のステップ522及び524を参照してさらに詳細に説明されている。
【0134】
[00140] その後、方法700は、第3及び第4の試験位相がそれぞれ基準試験位相に隣接しているかどうかを決定すること(712)を含む。例示のために、3/16が基準試験位相となるように選択され、第3及び第4の試験位相が例えば2/16及び4/16である場合、このとき、第3及び第4の試験位相は、それぞれ基準試験位相に「隣接している」(すなわち基準試験位相、第3の試験位相及び第4の試験位相は連続した数である)。
【0135】
[00141] 一部の実施形態では、第3及び第4の試験位相がそれぞれ基準試験位相に隣接しているという決定に従って(712 - イエス)、方法700は、(i)第1、第3及び第4の電力量を互いに比較すること(714)と、(ii)第1、第3及び第4の電力量からの最も高い電力量を有する位相をそれぞれのアンテナのための最適位相として選択すること(716)とをさらに含む。
【0136】
[00142] しかし、第3及び第4の試験位相がそれぞれ基準試験位相に隣接していないという決定に従って(712 - ノー)、方法700は、706の決定ステップにループして戻り、第3の電力量が第4の電力量よりも大きいかどうかを決定すること(706)をさらに含む。ループ動作中、708、710、712のステップ並びに場合によりステップ714及び716が繰り返される。例えば、第3の電力量が第4の電力量よりも大きいと決定することに応じて(706 - イエス)、方法700は、(i)第3の試験位相を基準試験位相として選択することと、(ii)それぞれのアンテナを介して、それぞれ第5及び第6の試験位相における第5及び第6のRF試験信号を伝送することとを含み得、第5の試験位相は、第3の試験位相よりも大きい位相値であり、第6の試験位相は、第3の試験位相よりも小さい位相値である。加えて、第5及び第6の試験位相の両方は、第1及び第2の試験位相を隔てるある数の利用可能な試験位相の1つである。第4の試験位相が基準試験位相として選択された場合、同様のステップが実施される。例示のために且つ上述の例を踏まえることにより、3/16が第1の基準試験位相となるように選択され、(i)第3及び第4の試験位相が15/16及び7/16であり、(ii)7/16が第2の基準試験位相となるように選択された場合、このとき、第5及び第6の試験位相は、例えば、5/16及び9/16(又は7/16よりも小さい若しくは大きい何らかの他の値)となる。
【0137】
[00143] 本例を続けると、方法700は、無線電力受電デバイスから、第5及び第6のRF試験信号によって無線電力受電デバイスに供給された第5及び第6の電力量を識別する情報を受信すること(710)をさらに含むことができる。その後、方法700は、第5及び第6の試験位相がそれぞれ基準試験位相に隣接しているかどうかを決定すること(712)を含む。第5及び第6の試験位相がそれぞれ基準試験位相に隣接しているという決定に従って(712 - イエス)、方法700は、(i)第1、第5及び第6の電力量を互いに比較すること(714)と、(ii)第1、第5及び第6の電力量からの最も高い電力量を有する位相をそれぞれのアンテナのための最適位相として選択すること(716)とをさらに含む。しかし、第3及び第4の試験位相がそれぞれ基準試験位相に隣接していないという決定に従って(712 - ノー)、方法700は、706の決定ステップにループして戻り、ループ動作が再び実施される(例えば、第7及び第8の試験位相における第7及び第8のRF試験信号が伝送される)。方法700は、第X及び第Yの試験位相が両方とも基準試験位相に隣接するまでループし続ける。
【0138】
[00144] 伝送器のそれぞれのアンテナのための最適位相が選択された後、方法700は、それぞれのアンテナを介して、最適位相を有する1つ以上のRF電力信号を受電器に伝送することを含む。一部の実施形態では、受電器は、1つ以上のRF電力信号からの電力(例えば、エネルギー)を用いてそれ自体に給電するか若しくはそれ自体を充電し、及び/又は受電器に結合された電子デバイスに給電するか若しくはそれを充電する。
【0139】
[00145] 一部の実施形態では、方法700は、方法700において説明された方法でアンテナアレイのそれぞれの追加のアンテナを調整することも含む。伝送器の各アンテナ(又は何らかの閾数のアンテナ)がその(それらの)最適位相に調整されると、方法700は、各アンテナを介して、決定された最適位相を有するRF電力信号を受電器に伝送することを含む。
【0140】
[00146] 用語「第1」、「第2」等は、以上において様々な要素を記述するために用いられているが、これらの要素は、これらの用語によって限定されるべきではないことが理解されるであろう。これらの用語は、単に1つの要素を別のものと区別するために用いられるにすぎない。本明細書において用いられる用語法は、特定の実施形態を説明することのみを目的とするものであり、請求項の限定を意図されていない。実施形態及び添付の請求項の説明で使用するとき、単数形「1つの(a)」、「1つの(an)」及び「その」は、文脈が別途明確に示さない限り、複数形も含むことが意図される。また、用語「及び/又は」は、本明細書で使用するとき、関連付けられた列挙された項目の1つ以上のあらゆる可能な組み合わせを指し、それらを包含することを理解されたい。さらに、用語「含む」及び/又は「含んでいる」は、本明細書で使用される場合、記述される特徴、整数、ステップ、動作、要素及び/又は構成要素の存在を指定するが、1つ以上の他の特徴、整数、ステップ、動作、要素、構成要素及び/又はそれらの群の存在又は追加を排除するものではないことを理解されたい。
【0141】
[00147] 本明細書で使用するとき、用語「~の場合」は、文脈に依存して、規定された前提条件が真である「とき」、又は「際」、又は「と決定することに応じて」、又は「という決定に従って」、又は「ことを検出することに応じて」を意味すると解釈され得る。同様に、句「[規定された前提条件が真であると]決定された場合には」、又は「[規定された前提条件が真である]場合には」、又は「[規定された前提条件が真である]とき」は、文脈に依存して、規定された前提条件が真である「と決定すると」、又は「と決定することに応じて」、又は「という決定に従って」、又は「ことを検出すると」、又は「ことを検出することに応じて」を意味すると解釈され得る。
【0142】
[00148] 本発明の特徴は、処理システムを、本明細書において提示された特徴の任意のものを実施するようにプログラムするために用いられ得る命令が記憶された記憶媒体(媒体群)又はコンピュータ可読記憶媒体(媒体群)などのコンピュータプログラム製品において、それを使用して又は用いて実施され得る。記憶媒体(例えば、メモリ106)は、限定するものではないが、DRAM、SRAM、DDR RAM又は他のランダムアクセスソリッドステートメモリデバイスなどの高速ランダムアクセスメモリを含むことができ、1つ以上の磁気ディスク記憶デバイス、光ディスク記憶デバイス、フラッシュメモリデバイス又は他の不揮発性ソリッドステート記憶デバイスなどの不揮発性メモリを含み得る。メモリ(例えば、106、134及び/又は142)は、任意選択的に、CPU(例えば、プロセッサ104、132及び/又は140)から遠隔に配置された1つ以上の記憶デバイスを含む。メモリ(例えば、106、134及び/又は142)又は代替的にメモリ内の不揮発性メモリデバイスは、非一時的コンピュータ可読記憶媒体を含む。
【0143】
[00149] 機械可読媒体(媒体群)の任意の1つ上に記憶され、本発明の特徴(例えば、伝送器及び/又は受電器に方法500及び700の態様を実施させるように設定された実行可能命令)は、(伝送器102及び/又は受電器120に関連付けられた構成要素などの)処理システムのハードウェアを制御し、且つ処理システムが、本発明の結果を利用する他の機構と対話することを可能にするためのソフトウェア及び/又はファームウェアに組み込むことができる。このようなソフトウェア又はファームウェアは、限定するものではないが、アプリケーションコード、デバイスドライバ、オペレーティングシステム及び実行環境/コンテナを含み得る。
【0144】
[00150] 本開示の実施形態の上述の説明は、任意の当業者が、本明細書において説明される実施形態及びそれらの変形形態を作製又は使用することを可能にするために提供されている。これらの実施形態に対する様々な変更形態は、当業者に容易に明らかになり、本明細書において定義される一般原理は、本明細書において開示される主題の趣旨又は範囲から逸脱することなく他の実施形態にも適用され得る。したがって、本開示は、本明細書において示される実施形態に限定されることを意図されておらず、添付の請求項及び本明細書において開示される原理及び新規の特徴に適合する最も広い範囲を与えられるべきである。
図1
図2
図3
図4A
図4B
図5A
図5B
図5C
図6A
図6B
図7
【国際調査報告】