(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-03-25
(54)【発明の名称】配線装置及び圧縮機
(51)【国際特許分類】
F04B 39/00 20060101AFI20220317BHJP
【FI】
F04B39/00 106B
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021545452
(86)(22)【出願日】2019-12-30
(85)【翻訳文提出日】2021-08-03
(86)【国際出願番号】 CN2019129934
(87)【国際公開番号】W WO2021008091
(87)【国際公開日】2021-01-21
(31)【優先権主張番号】201921104245.3
(32)【優先日】2019-07-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】520079290
【氏名又は名称】上海海立電器有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】110002468
【氏名又は名称】特許業務法人後藤特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】陳 艶春
(72)【発明者】
【氏名】耿 ▲ウエー▼
【テーマコード(参考)】
3H003
【Fターム(参考)】
3H003AA01
3H003AC03
3H003CF03
(57)【要約】
本発明によれば、圧縮機のハウジングカバー(40)に設けられ、ジャンクションボックスカバー(10)と、配線スペーサ(20)と、シール端子(30)とを含む配線装置が開示される。前記ジャンクションボックスカバー(10)は、キャビティ空間が形成されるように前記配線スペーサ(20)に設けられ、前記シール端子(30)から離間する前記キャビティ空間の一端には、配線開口が形成される。前記シール端子(30)には、三つの配線ポール(301)が設けられ、前記配線ポール(301)のそれぞれには、いずれも前記ハウジングカバー(40)から離間する前記配線ポール(301)の延在方向に沿うシート状の接続部材が接続され、前記接続部材は、前記リード線の出線方向が一致するようにいずれも前記配線開口に近接する方向に延在する。当該構造によれば、リード線をスムーズに出線させることができ、生産効率が向上する。三本のリード線の出線方向が一致するため、シール配線ポールの受ける力が均一になり、安全上の懸念はない。同時に、出線方向が一致し、局所的な配線や配線の重なり合いの問題がないため、ジャンクションボックスカバーの内部空間のレイアウトが合理的になり、装置の安全性がさらに向上する。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
圧縮機に用いられ、前記圧縮機のハウジングカバーに設けられる配線装置であって、
ジャンクションボックスカバーと、配線スペーサと、シール端子とを含み、
前記ジャンクションボックスカバーは、キャビティ空間が前記配線スペーサと前記ジャンクションボックスカバーとにより形成されるように前記配線スペーサに設けられ、
前記シール端子は、前記配線スペーサと接続されるように前記キャビティ空間に設けられ、
前記シール端子から離間する前記キャビティ空間の一端には、リード線の出口としての配線開口が形成され、
前記シール端子には、三つの配線ポールが設けられ、
前記配線ポールのそれぞれには、いずれも前記ハウジングカバーから離間する前記配線ポールの延在方向に沿うシート状の接続部材としての第1接続部材、第2接続部材及び第3接続部材がそれぞれ接続され、
前記第1接続部材、前記第2接続部材及び前記第3接続部材は、いずれも前記配線開口に近接する方向に延在し、かつ、前記配線開口に近接する方向に延在するこれらの端部がリード線と接続され、
前記第1接続部材、前記第2接続部材及び前記第3接続部材と接続される前記リード線は、出線方向が順方向に保持される、
ことを特徴とする配線装置。
【請求項2】
前記シール端子は、三つの前記配線ポールからの直線距離が等しい第1点(a)を有し、
前記配線開口における前記ジャンクションボックスカバーの一端が前記ジャンクションボックスカバーの開口端であり、
前記シール端子が位置する平面である第1平面と垂直な方向に沿った前記ハウジングカバーにおける前記開口端の投影は、中央点が第2点(c)である線分(m)であり、
前記第1平面における前記線分(m)の中垂線は、第1直線であり、前記第1点(a)を通過して前記第1直線と垂直な方向に沿う第2直線があり、前記第1点(a)と前記第2点(c)とを通る第3直線があり、
前記第1直線と前記第2直線とが交差する交差点は、第3点(d)であり、
前記第1点(a)から前記第3点(d)までの直線距離は、第1距離Hであり、
前記第2点(c)から前記第3点(d)までの直線距離は、第2距離Lであり、
前記第1平面と垂直な方向に沿った前記第1接続部材の投影は、第1投影線であり、
前記第1平面と垂直な方向に沿った前記第2接続部材の投影は、第2投影線であり、
前記第1平面と垂直な方向に沿った前記第3接続部材の投影は、第3投影線であり、
前記第1投影線と前記第3直線とがなす角度は、範囲が[0°,arctan(H/L)]である第1角度αである、
ことを特徴とする請求項1に記載の配線装置。
【請求項3】
前記第2投影線と前記第3直線とがなす角度は、範囲が[0°,arctan(L/H)]である前記第2角度βである、
ことを特徴とする請求項2に記載の配線装置。
【請求項4】
前記第3投影線と前記第3直線とがなす角度は、範囲が[arctan(H/L),arctan(L/H)]である第3角度γである、
ことを特徴とする請求項2に記載の配線装置。
【請求項5】
前記シート状の接続部材は、金属シートである、
ことを特徴とする請求項1に記載の配線装置。
【請求項6】
前記ハウジングカバーに前記配線装置を固定するための固定部材をさらに含む、
ことを特徴とする請求項1に記載の配線装置。
【請求項7】
前記固定部材は、前記ハウジングカバーに前記配線装置を固定するために組み合わせて使用されるナット及びボルトを含む、
ことを特徴とする請求項6に記載の配線装置。
【請求項8】
前記固定部材の数は、複数である、
ことを特徴とする請求項6に記載の配線装置。
【請求項9】
請求項1~8のいずれか1項に記載の配線装置を含む、
ことを特徴とする圧縮機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、空調外機の技術分野に属し、特に配線装置及び圧縮機に関する。
【背景技術】
【0002】
現在、圧縮機用の配線装置の構造は、殆ど
図1及び
図2に示すように、シール端子における配線ポールがいずれもシール端子の内部空間の周方向に沿って設けられるものである。この構造に採用される配線方式は、大きく分けて二種類ある。第1種類の配線方式は、リード線が出線される場合、R極のリード線をまずシール端子の周りに巻き付ける必要があり、C極のリード線を折り曲げてから出線される。第2種類の配線方式は、リード線が出線される場合、R極とC極のリード線をいずれもシール端子の周りに巻き付けてから出線される。上記二種類の配線方式のいずれにも、線を整理し、かつ配線方向を特定する必要があるという問題が存在する。このため、生産効率に深刻な影響を及ぼし、配線が順調ではない場合、配線ポールにおける絶縁スリーブの滑り落ちを引き起こすおそれがある。同時に、三本のリード線の出線方向が一致しないため、シール配線ポールに不均一な力がかかることを引き起こすおそれがある。第2種類の方式では、三本のリード線が同一箇所に巻き付かれるとき、ある辺の線体が厚くなり、ジャンクションボックスカバーによる線への押し付けを引き起こしやすくなる。これらは、いずれも安全上の懸念を引き起こしやすくなる。
【発明の概要】
【0003】
そこで、これらの安全上の懸念を解決できる配線装置を提案する必要がある。
【0004】
本発明は、従来技術において、配線装置に用いられる二種類の配線方式のいずれにも線を整理し、かつ配線方向を特定する必要があり、生産効率に深刻な影響を及ぼし、配線が順調ではない場合、配線ポールにおける絶縁スリーブの滑り落ちを引き起こすおそれがあるという問題を解決するための配線装置を提供することを目的とする。
【0005】
上記技術的問題を解決するために、本発明の第1態様によれば、圧縮機に用いられ、前記圧縮機のハウジングカバーに設けられる配線装置であって、
ジャンクションボックスカバーと、配線スペーサと、シール端子とを含み、
前記ジャンクションボックスカバーは、キャビティ空間が前記配線スペーサと前記ジャンクションボックスカバーとにより形成されるように前記配線スペーサに設けられ、
前記シール端子は、前記配線スペーサと接続されるように前記キャビティ空間に設けられ、
前記シール端子から離間する前記キャビティ空間の一端には、リード線の出口としての配線開口が形成され、
前記シール端子には、三つの配線ポールが設けられ、
前記配線ポールのそれぞれには、いずれも前記ハウジングカバーから離間する前記配線ポールの延在方向に沿うシート状の接続部材としての第1接続部材、第2接続部材及び第3接続部材がそれぞれ接続され、
前記第1接続部材、前記第2接続部材及び前記第3接続部材は、いずれも前記配線開口に近接する方向に延在し、かつ、前記配線開口に近接する方向に延在するこれらの端部がリード線と接続され、
前記第1接続部材、前記第2接続部材及び前記第3接続部材と接続される前記リード線は、出線方向が順方向に保持される配線装置が提供される。
【0006】
選択的に、前記シール端子は、三つの前記配線ポールからの直線距離が等しい第1点(a)を有し、
前記配線開口における前記ジャンクションボックスカバーの一端が前記ジャンクションボックスカバーの開口端であり、
前記シール端子が位置する平面である第1平面と垂直な方向に沿った前記ハウジングカバーにおける前記開口端の投影は、中央点が第2点(c)である線分(m)であり、
前記第1平面における前記線分(m)の中垂線は、第1直線であり、前記第1点(a)を通過して前記第1直線と垂直な方向に沿う第2直線があり、前記第1点(a)と前記第2点(c)とを通る第3直線があり、
前記第1直線と前記第2直線とが交差する交差点は、第3点(d)であり、
前記第1点(a)から前記第3点(d)までの直線距離は、第1距離Hであり、
前記第2点(c)から前記第3点(d)までの直線距離は、第2距離Lであり、
前記第1平面と垂直な方向に沿った前記第1接続部材の投影は、第1投影線であり、
前記第1平面と垂直な方向に沿った前記第2接続部材の投影は、第2投影線であり、
前記第1平面と垂直な方向に沿った前記第3接続部材の投影は、第3投影線であり、
前記第1投影線と前記第3直線とがなす角度は、範囲が[0°,arctan(H/L)]である第1角度αであってもよい。
【0007】
選択的に、前記第2投影線と前記第3直線とがなす角度は、範囲が[0°,arctan(L/H)]である前記第2角度βであってもよい。
【0008】
選択的に、前記第3投影線と前記第3直線とがなす角度は、範囲が[arctan(H/L),arctan(L/H)]である第3角度γであってもよい。
【0009】
選択的に、前記シート状の接続部材は、金属シートでああってもよい。
【0010】
選択的に、前記ハウジングカバーに前記配線装置を固定するための固定部材をさらに含んでもよい。
【0011】
選択的に、前記固定部材は、前記ハウジングカバーに前記配線装置を固定するために組み合わせて使用されるナット及びボルトを含んでもよい。
【0012】
選択的に、前記固定部材の数は、複数であってもよい。
【0013】
本発明の第2態様によれば、上記特徴の説明におけるいずれか一つに記載の配線装置を含む圧縮機が提供される。
【0014】
本発明の態様によれば、圧縮機のハウジングカバーに設けられ、ジャンクションボックスカバーと、配線スペーサと、シール端子とを含む配線装置及び圧縮機が提供される。前記シール端子には、三つの配線ポールが設けられ、前記配線ポールのそれぞれには、いずれも前記ハウジングカバーから離間する前記配線ポールの延在方向に沿うシート状の接続部材としての第1接続部材、第2接続部材及び第3接続部材がそれぞれ接続される。前記第1接続部材、前記第2接続部材及び前記第3接続部材は、前記リード線の出線方向が一致するようにいずれも前記配線開口に近接する方向に延在する。本発明で提供される構造によれば、リード線をスムーズに出線させることができ、生産効率が向上する。三本のリード線の出線方向が一致するため、シール配線ポールに均一な力がかかり、安全上の懸念はない。同時に、出線方向が一致するため、局所的な配線や配線の重なり合いの問題が存在せず、ジャンクションボックスカバーの内部空間のレイアウトが合理的になり、装置の安全性がさらに向上する。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図3】本発明の実施例に係る配線装置の構造を示す概略図である。
【
図4】本発明の実施例に係る配線装置の構成における補助線を示す概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明で提案される配線装置及び圧縮機について、概略図を参照しながら詳細に説明する。以下の説明及び特許請求の範囲により、本発明の利点及び特徴はより明確になる。なお、図面は、いずれも非常に簡略化された形式を採用し、かついずれも非正確な比例を使用しており、本発明の実施例の目的を便利かつ明確に補助的に説明するためにのみ使用される。
【0017】
なお、本発明の説明において、「中心」、「上」、「下」、「左」、「右」などの用語で示される方位又は位置関係は、図面に示される方位又は位置関係に基づいており、本発明の説明及び説明の簡略化の便宜のためであり、示された装置又は部品が特定の方位を有し、特定の方位で構築及び操作されなければならないことを指示又は暗示するものではないため、本発明を制限するものと理解することができない。
【0018】
また、「第1」及び「第2」という用語は、説明目的にのみ使用され、相対的な重要性を指示若しくは暗示し、又は指示された技術的特徴の数を暗黙的に明示するものと理解することができない。これにより、「第1」及び「第2」で限定された特徴には、一つ又はより多くの前記特徴が明示的又は暗黙的に含まれてもよい。本発明の説明において、「複数」は、特に明記しない限り、少なくとも二つ、例えば、二つ、三つなどを意味する。
【0019】
図3及び
図4に示すように、本発明の実施例によれば、前記圧縮機のハウジングカバー40に設けられ、ジャンクションボックスカバー10と、配線スペーサ20と、シール端子30とを含む配線装置が提供される。前記ジャンクションボックスカバー10は、キャビティ空間が形成されるように前記配線スペーサ20に設けられ、前記シール端子30は、前記配線スペーサ20と接続されるように前記キャビティ空間に設けられ、前記シール端子30から離間する前記キャビティ空間の一端には、リード線50の出口としての配線開口が形成される。前記シール端子30には、三つの配線ポール301が設けられ、前記配線ポール301のそれぞれには、いずれも前記ハウジングカバー40から離間する前記配線ポール301の延在方向に沿うシート状の接続部材としての第1接続部材3011、第2接続部材3012及び第3接続部材3013がそれぞれ接続される。第1接続部材3011、第2接続部材3012及び第3接続部材3013が位置する平面は、いずれも前記配線開口に近接する方向に延在し、すなわち、前記第1接続部材3011、前記第2接続部材3012及び前記第3接続部材3013は、いずれも前記配線開口に近接する方向に向かって延在し、かつ、前記配線開口に近接する方向に向かって延在するこれらの端部がリード線と接続される。前記第1接続部材3011、前記第2接続部材3012及び前記第3接続部材3013と接続される前記リード線は、出線方向が順方向に保持される。
【0020】
本発明の実施例に係る配線装置では、シール端子30におけるS極、R極、C極、すなわち、第1接続部材3011、第2接続部材3012及び第3接続部材3013の向きがいずれも前記配線開口を向く方向に設定される。このような構造設計により、リード線50を如何なる巻き取りや折り曲げを行うことなくスムーズに出線させることができ、生産過程における作業効率の向上に有利である。
図3に示すように、三本のリード線の出線方向が一致するため、三本の前記配線ポール301に均一な力がかかり、配線ポール301に不均一な力がかかることによる安全上の懸念が低減される。また、リード線の出線方向が一致するため、局所的な配線や配線の重なり合いの問題は存在せず、ジャンクションボックスカバー10の内部空間のレイアウトがより合理的になり、装置の安全性がさらに向上する。
【0021】
本願の実施例において、前記第1接続部材3011、前記第2接続部材3012及び前記第3接続部材3013は、溶接により三つの配線ポール301とそれぞれ固定して接続される。本願の他の実施例において、前記第1接続部材3011、前記第2接続部材3012及び前記第3接続部材3013は、例えば、挿入接続等の着脱可能な接続により三つの配線ポール301とそれぞれ接続されてもよい。
【0022】
前記第1接続部材3011、前記第2接続部材3012及び前記第3接続部材3013は、それらと接続された配線ポール301の同一側にそれぞれ位置することが好ましい。これにより、リード線の接続をより容易にすることができる。
図3に示すように、本願の実施例において、前記第1接続部材3011、前記第2接続部材3012及び前記第3接続部材3013は、それらと接続される配線ポール301の(基本)左側の位置にそれぞれ位置する。さらに、前記第1接続部材3011及び前記第2接続部材3012は、いずれも前記第3接続部材3013に近接する第1端と、前記第3接続部材3013から離間する第2端とを有する。ここで、前記第1接続部材3011の第1端と前記第2接続部材3012の第1端とは、互いに離間し、前記第1接続部材3011の第2端と前記第2接続部材3012の第2端とは、互いに近接する。又は、前記第1接続部材3011の第2端と前記第2接続部材3012の第2端との間の距離は、前記第1接続部材3011の第1端と前記第2接続部材3012の第1端との間の距離よりも近く、前記第1接続部材3011と前記第2接続部材3012とが八の字状をなす。これにより、リード線の接続がより容易になる。
【0023】
さらに、前記シール端子は、ベースに三つの前記配線ポールからの直線距離が等しい点(a)を有する。前記配線開口における前記ジャンクションボックスカバー10の一端が開口端であり、前記ハウジングカバー40における前記シール端子30が位置する平面である第1平面と垂直な方向に沿った前記ハウジングカバー40における前記開口端の投影は、中央点が(c)である線分(m)である。前記第1平面における前記線分(m)の中垂線は、第1直線70であり、前記(a)を通過して前記第1直線70と垂直な方向に沿う第2直線80があり、前記(a)と前記(c)とを通る第3直線90があり、前記第1直線70と前記第2直線80とが交差する交差点は、(d)であり、前記(a)から前記(d)までの直線距離は、Hであり、前記(c)から前記(d)までの直線距離は、Lである。なお、本実施例において、第1平面における前記シール配線ポール301の投影は円形であるため、(a)点は、三つの前記投影の円心から等距離の位置にあるが、シール配線ポール301が円形形状ではない場合が存在する可能性もある。この場合は、第1平面における三つの配線ポール301の投影の中心からの距離が等しい点を(a)点として選択する必要がある。
【0024】
前記第1平面と垂直な方向に沿った前記第1接続部材3011の投影は、第1投影線であり、前記第1平面と垂直な方向に沿った前記第2接続部材3012の投影は、第2投影線であり、前記第1平面と垂直な方向に沿った前記第3接続部材3013の投影は、第3投影線である。前記第1投影線と前記第3直線90とがなす角度は、範囲が[0°,arctan(H/L)]であるαである。すなわち、S極配線ポールにおける第1接続部材3011と第3直線90とがなす角度範囲は[0°,arctan(H/L)]である。S極配線ポールにおける第1接続部材3011の角度をこの範囲に設定することにより、S極配線ポールにおける第1接続部材3011が配線開口の位置を向くことを保証することができる。もちろん、この角度は、適度に微調整することもでき、具体的には、圧縮機の実際のニーズに応じて調整する必要がある。
【0025】
前記配線開口を向く方向にR極配線ポールの延在方向を制限するために、前記第2投影線と前記第3直線90とがなす角度は、範囲が[0°,arctan(L/H)]であるβである。すなわち、R極配線ポールにおける第2接続部材3012と第3直線90とがなす角度範囲は[0°,arctan(L/H)]である。R極配線ポールにおける第2接続部材3012の角度をこの範囲に設定することにより、R極配線ポールにおける第2接続部材3012が配線開口の位置を向くことを保証することができる。もちろん、この角度は、適度に微調整することもでき、具体的には、圧縮機の実際のニーズに応じて調整する必要がある。
【0026】
同様に、前記配線開口を向く方向にC極配線ポールの延在方向を制限するために、前記第3投影線と前記第3直線90とがなす角度は、範囲が[arctan(H/L),arctan(L/H)]であるγである。すなわち、C極配線ポールにおける第3接続部材3013と第3直線90とがなす角度範囲は[arctan(H/L),arctan(L/H)]である。C極配線ポールにおける第3接続部材3013の角度をこの範囲に設定することにより、C極配線ポールにおける第3接続部材3013が配線開口の位置を向くことを保証することができる。もちろん、この角度は、適度に微調整することもでき、具体的には、圧縮機の実際のニーズに応じて調整する必要がある。
【0027】
なお、本発明の実施例における前記シート状の接続部材は、金属シートを選択することができるが、もちろん、金属シートという材料に限定されず、導電に用いられる他の材料であってもよい。具体的な適用は、実際のニーズに応じて選択する必要がある。
【0028】
選択的に、前記配線装置は、前記ハウジングカバー40に前記配線装置を固定するための固定部材60をさらに含んでもよい。前記固定部材60は、前記ハウジングカバー40に前記配線装置を固定するために組み合わせて使用されるナット及びボルトであってもよい。前記固定部材60の数は、複数であってもよい。複数の固定部材60は、組み合わせることにより前記配線装置の安定性がより良好になる。
【0029】
本発明の実施例によれば、上記特徴の説明におけるいずれか一つに記載の配線装置を含む圧縮機がさらに提供される。
【0030】
以上説明したように、本発明によれば、圧縮機のハウジングカバーに設けられ、ジャンクションボックスカバーと、配線スペーサと、シール端子とを含む配線装置及び圧縮機が提供される。前記シール端子には、三つの配線ポールが設けられ、前記配線ポールのそれぞれには、いずれも前記ハウジングカバーから離間する前記配線ポールの延在方向に沿うシート状の接続部材としての第1接続部材、第2接続部材及び第3接続部材がそれぞれ接続される。前記第1接続部材、前記第2接続部材及び前記第3接続部材は、前記リード線の出線方向が一致するようにいずれも前記配線開口に近接する方向に延在する。本発明で提供される構造によれば、リード線をスムーズに出線させることができ、生産効率が向上する。三本のリード線の出線方向が一致するため、シール配線ポールに均一な力がかかり、安全上の懸念はない。同時に、出線方向が一致するため、局所的な配線や配線の重なり合いの問題が存在せず、ジャンクションボックスカバーの内部空間のレイアウトが合理的になり、装置の安全性がさらに向上する。
【0031】
本明細書の説明において、「一実施例」、「いくつかの実施例」、「例」又は「具体例」という用語の説明は、当該実施例又は例と組み合わせて説明される具体的な特徴、構造、材料又は特性が、本発明の少なくとも一つの実施例又は例に含まれることを意味する。 本明細書において、上記用語の概略的な表現は、必ずしも同じ実施例又は例を対象とするものではない。また、記載された具体的な特徴、構造、材料又は特性は、任意の一つ又は複数の実施例において適切な方式で組み合わせることができる。また、当業者は、本明細書に記載された異なる実施例又は例を継ぎ合わせ及び組み合わせることができる。
【0032】
上記は、本発明の好適実施例にすぎず、本発明に対していかなる制限的効果も及ぼさない。当業者は、本発明の技術的手段から逸脱することなく、本発明によって開示される技術的手段及び技術的内容に対してなされるいかなる形式の同等の置換又は修正などの変更は、いずれも本発明の技術的手段から逸脱しない内容に属し、依然として本発明の保護範囲内に属する。
【符号の説明】
【0033】
10 ジャンクションボックスカバー
20 配線スペーサ
30 シール端子
301 配線ポール
3011 第1接続部材
3012 第2接続部材
3013 第3接続部材
40 ハウジングカバー
50 リード線
60 固定部材
70 第1直線
80 第2直線
90 第3直線
【国際調査報告】