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特表2022-519842バー加工用機械および対応する加工方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-03-25
(54)【発明の名称】バー加工用機械および対応する加工方法
(51)【国際特許分類】
   B21D 7/024 20060101AFI20220317BHJP
【FI】
B21D7/024 C
B21D7/024 P
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021545699
(86)(22)【出願日】2020-02-05
(85)【翻訳文提出日】2021-08-31
(86)【国際出願番号】 IT2020050020
(87)【国際公開番号】W WO2020161758
(87)【国際公開日】2020-08-13
(31)【優先権主張番号】102019000001631
(32)【優先日】2019-02-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】IT
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】592060639
【氏名又は名称】エム・イー・ピー・マシーネ・エレトロニーチェ・ピエガトリーチ・エス・ピー・エイ
【氏名又は名称原語表記】M.E.P. MACCHINE ELETTRONICHE PIEGATRICI SOCIETA PER AZIONI
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
(74)【代理人】
【識別番号】100142907
【弁理士】
【氏名又は名称】本田 淳
(72)【発明者】
【氏名】デル ファブロ、ジョルジョ
【テーマコード(参考)】
4E063
【Fターム(参考)】
4E063AA08
4E063BC05
4E063BC09
4E063CA07
4E063DA13
(57)【要約】
主に横長の展開を有する少なくとも1つのバー(B)を加工するのに適したバー加工用機械は、少なくとも2つの支持スライダー(11)を含み、2つの支持スライダー(11)の少なくとも一方は、移動軸線(Z)に沿って他方に向かうように/離れるように往復移動可能であり、かつ、それぞれは、加工面(12)を備え、加工面(12)には、バー(B)の少なくとも長手部分を湾曲させるのに適した少なくとも1つの湾曲ユニット(13)と、少なくとも第1屈曲ユニット(14)とが設置され、第1屈曲ユニット(14)は、第1の屈曲半径(R1)を有する第1コントラスト要素(17)と、第1コントラスト要素(17)の周りでバー(B)を屈曲させるために第1コントラスト要素(17)の周りで選択的に回転可能な第1屈曲要素(18)とを備える。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
主に横長の展開を有する少なくとも1つのバー(B)を加工するのに適したバー加工用機械であって、少なくとも2つの支持スライダー(11)を含み、前記2つの支持スライダー(11)の少なくとも一方は、移動軸線(Z)に沿って他方に向かうように/離れるように往復移動可能であり、かつ、それぞれは、加工面(12)を備え、前記加工面(12)には、前記バー(B)の少なくとも長手部分を湾曲させるのに適した少なくとも1つの湾曲ユニット(13)と、少なくとも第1屈曲ユニット(14)とが設置され、前記第1屈曲ユニット(14)は、第1の屈曲半径(R1)を有する第1コントラスト要素(17)と、前記第1コントラスト要素(17)の周りで前記バー(B)を屈曲させるために前記第1コントラスト要素(17)の周りで選択的に回転可能な第1屈曲要素(18)とを備えたバー加工用機械において、前記スライダー(11)の少なくとも1つは、第2コントラスト要素(19、27)および第2屈曲要素(20、28)を備えた少なくとも第2屈曲ユニット(15、16)を前記加工面(12)上に備え、前記第2屈曲要素(20、28)は、前記第2コントラスト要素(19、27)の周りで前記バー(B)を屈曲させるために前記第2コントラスト要素(19、27)の周りで選択的に回転可能であり、前記第2コントラスト要素(19、27)は、前記第1コントラスト要素(17)の屈曲半径(R1)とは異なる屈曲半径(R2、R3)を有することを特徴とするバー加工用機械。
【請求項2】
前記湾曲ユニット(13)および/または前記屈曲ユニット(14、15、16)の少なくともいくつかは、それぞれの支持スライダー(11)の前記加工面(12)に対して格納式に配置され得、前記加工面(12)から突出した状態と前記加工面(12)から引っ込められた位置との間を移動可能であることを特徴とする、請求項1に記載の機械。
【請求項3】
前記支持スライダー(11)の少なくとも1つが、少なくとも前記屈曲ユニット(14、15、16)を同時にまたは順次に駆動するように構成された単一の駆動手段を提供することを特徴とする、請求項1に記載の機械。
【請求項4】
前記駆動手段は歯付きクラウン(33)に係合するピニオン(32)を備えたモーター部材を備え、前記歯付きクラウン(33)は、前記第1屈曲ユニット(14)に関連付けられており、前記第1コントラスト要素(17)に対する少なくとも前記第1屈曲要素(18)の回転を可能にすることを特徴とする、請求項3に記載の機械。
【請求項5】
前記支持スライダー(11)の少なくとも1つに取り付けられた引っ張りユニット(34)を備え、前記引っ張りユニット(34)は、前記加工面(12)上で前記移動軸線(Z)に垂直な方向に移動可能であり、前記バー(B)を前記移動軸線(Z)の方向に引っ張るように、または前記支持スライダー(11)の少なくとも1つを同方向に引っ張るように構成されることを特徴とする、請求項1に記載の機械。
【請求項6】
前記引っ張りユニット(34)は、前記移動軸線(Z)に直交する方向に整列して配置された複数の引っ張りローラー(38)を備え、該複数の引っ張りローラー(38)は、前記バー(B)の通過および引っ張りのための可変通路ギャップをそれらの間に規定することを特徴とする、請求項5に記載の機械。
【請求項7】
前記引っ張りユニット(34)は、屈曲作業中にバー(B)の少なくとも一部を保持可能なクランプ手段(26)に関連付けられ、かつ該クランプ手段(26)と移動可能であることを特徴とする、請求項5に記載の機械。
【請求項8】
前記バー(B)を保持するための複数の保持手段(22)を備え、前記保持手段(22)の少なくとも1つは、前記バー(B)の中央部分を保持可能であり、前記移動軸線(Z)に直交する第1の方向、および前記移動軸線(Z)に一致または平行な第2の方向に移動および配置可能である、請求項1~請求項7の何れか一項に記載の機械。
【請求項9】
前記中央保持手段(22)の横に、前記移動軸線(Z)に直交する方向にのみ移動可能な保持手段(22)を含むことを特徴とする、請求項8に記載の機械。
【請求項10】
主に横長の展開を有する少なくとも1つのバー(B)を請求項1~請求項9の何れか一項に記載の加工機械において加工するための方法であって、
前記バー(B)の少なくとも長手部分を湾曲させるのに適した湾曲ユニット(13)により前記バー(B)を湾曲させる少なくとも一の作業と、
第1の屈曲半径(R1)を有する第1コントラスト要素(17)と、前記第1コントラスト要素(17)の周りで選択的に回転可能な第1屈曲要素(18)とを備えた前記第1屈曲ユニット(14)によりバー(B)を屈曲させる少なくとも一の作業と、
第2コントラスト要素(19、27)と、前記第2コントラスト要素(19、27)の周りで前記バー(B)を屈曲させるために前記第2コントラスト要素(19、27)の周りで選択的に回転可能な第2屈曲要素(20、28)とを備えた他の屈曲ユニット(15、16)によりバー(B)を屈曲させる少なくとももう一の作業と、を備え、前記第2コントラスト要素(19、27)は、異なる屈曲半径で前記バー(B)を屈曲させるように、前記第1コントラスト要素(17)の屈曲半径(R1)とは異なる屈曲半径(R2、R3)を有する、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、バーまたは一般に、円形、多角形、または平らな断面形状を有するロッド、丸片、四角片などの横長形状を有する製品を屈曲および/または湾曲させるのに適したバー加工用機械に関する。ほんの一例として、バー加工用機械は、バーの形またはコイルの形で供給されるか、或いは真っ直ぐなバーを切断するためのセンターからくるロッドを屈曲および/または湾曲させることができる。
【背景技術】
【0002】
建築や道路建設などの分野では、鉄、鋼、適切な特性を有するその他の合金などの金属材料で作られたバーを使用して、コンクリート構造物を補強し、所謂「強化」構造物とする必要があることが知られている。
【0003】
これらのバー、より一般的に強化ロッド、すなわち、コンクリートを補強するために使用されるロッドとして知られているこれらのバーは、しばしば、補強に寄与する必要のあるコンクリート構造物の形状およびプロファイルを実現するために、事前に成形する、つまり事前に屈曲させたり湾曲させたりする必要がある。湾曲とは、ここでは一般に、バーの長手延在部分の全部または一部の変形を意味し、屈曲とは、ここでは一般に、バーの特定のゾーンに局在する変形を意味する。
【0004】
補強ロッドは、丸いセクションまたは、コンクリートとの固定を容易にすることができる隆起およびリブを備えた丸いセクションを有することができ、適切に成形されると、それらを既知の方法で一緒に接続して、所望の強化構造物を作ることができる。
【0005】
この目的のために、円形、多角形、または平らな断面形状を有するロッド、丸片、四角片などのバーを屈曲および/または湾曲させるのに適したバー加工用機械が知られている。このタイプの機械は、例えば、特許文献1に記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】国際公開第2017/033145号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
特許文献1には、ロッドを湾曲および屈曲させるための複合機械が開示されている。該複合機械は、それぞれに加工面が備えられた2つの可動スライダーを支持および移動軸線に沿ってガイドするように構成された支持ベースを備える。加工面には、1つまたは複数の加工ロッドの少なくとも一部を屈曲および湾曲させるのにそれぞれ適した屈曲ユニットおよび湾曲ユニットが設けられている。
【0008】
特に、屈曲ユニットは、コントラストローラーおよび屈曲ローラーを含み、使用時には、それらの間でバーを通過させ、バーの1つまたは複数の部分で、コントラストローラーの半径に対応する屈曲半径を有する屈曲が形成される。
【0009】
この複合機械は、屈曲ユニットと湾曲ユニットとを組み合わせて使用できるため非常に効率的であるが、それでも、その時点で装備されているコントラストローラーの半径に対応する単一の曲率半径でバーを屈曲するできる一方、この特定の分野では、しばしば、上記の構造要件を満たすために同じバーを異なる屈曲半径で曲げる必要があり、よって、機械には、その都度、そのような屈曲半径を得るのに適した屈曲ユニットを装備させる必要がある。
【0010】
これは当然、異なる屈曲ユニットを機械に継続的に再装備するため、または異なる機械で屈曲作業を実行する必要があり、バーをある機械から別の機械に移動するため、異なる屈曲半径を有するバーの製造において一定の時間の浪費と一定の遅さとを伴う。さらに、オペレーターは、しばしば、屈曲作業が終わるまで、一束のバーに対して部分的な作業を実行し、機械を再装備し、一束のバー全体またはその一部に対してさらに部分的な作業を実行する等の必要がある。
【0011】
さらに、機械の連続的な再装備は、屈曲ユニットの組み立てエラーの可能性を伴い、誤って取り付けられた場合、屈曲作業の精度エラーや、より頻繁に機械に介入するように求められるオペレーターの安全上の問題を引き起こす可能性がある。
【0012】
したがって、最先端技術の欠点の少なくとも1つを克服することができるバー加工用機械を完成させる必要がある。
本発明の1つの目的は、機械の連続的な再装備を必要とせずに、異なる屈曲半径によって特徴付けられる屈曲作業を実行することを可能にするバー加工用機械を提供することである。
【0013】
本発明の別の目的は、同じバー上で実行される異なる屈曲作業の実行を単純化することを可能にするバー加工用機械を提供することである。
本発明のさらなる目的は、異なる屈曲作業の実行時間を短縮することを可能にするバー加工用機械を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0014】
出願人は、最先端技術の欠点を克服し、これらおよび他の目的および利点を得るために、本発明を考案し、試験し、そして具体化した。
本発明は独立請求項に記載されるとともに特徴付けられており、従属請求項は本発明の他の特徴または主の進歩的なアイデアの変形を記載する。
【0015】
ここで説明する実施形態は、バー加工用機械に関する。
バー加工用機械は、主に横長の展開を有する少なくとも1つのバーを加工するのに適している。
【0016】
機械は、少なくとも2つの支持スライダーを備え、そのうちの少なくとも一方は、移動軸線に沿って他方に向かうように/他方から離れるように往復移動可能である。
支持スライダーはそれぞれ、加工面を備え、該加工面には、少なくとも1つの第1屈曲ユニットと、バーの少なくとも長手部分を湾曲させるのに適した少なくとも1つの湾曲ユニットとが設置されている。
【0017】
第1屈曲ユニットは、第1の曲率半径を有する第1コントラスト要素と、第1コントラスト要素の周りでバーを屈曲させるために第1コントラスト要素の周りで選択的に回転可能な第1屈曲要素とを備える。
【0018】
本発明の一態様によれば、支持スライダーの少なくとも1つは、加工面上に少なくとも第2屈曲ユニットを備える。
第2屈曲ユニットは、第2コントラスト要素と、第2コントラスト要素の周りでバーを屈曲させるために第2コントラスト要素の周りで選択的に回転可能な第2屈曲要素とを備える。
【0019】
第2コントラスト要素は、第1屈曲要素の第1コントラスト要素の第1の屈曲半径とは異なる屈曲半径を有する。
有利なことに、このようにして、異なる加工機械で複数の屈曲を実行する必要なく、故に、バーの移動を必要とすることなく、または、すでに取り付けられているものとは異なる屈曲ユニットを機械に再装備する必要なく、同じ加工機械において同じバーに複数の屈曲を実行することが可能となる。
【0020】
本発明はまた、加工機械で少なくとも1つのバーを加工するための方法、特に、少なくとも1つのバーに対して少なくとも1の湾曲作業を提供するとともに、該バーに、異なる曲率半径を有する2以上の湾曲作業を提供する方法に関する。
【0021】
本開示のこれらおよび他の態様、特性、および利点は、以下の説明、図面、および添付の特許請求の範囲を参照することにより、よりよく理解されるであろう。統合され、本明細書の一部を形成する図面は、本発明のいくつかの実施形態を示し、説明とともに、本開示の原理を説明することを意図している。
【0022】
本明細書に記載されている様々な態様および特性は、可能な場合、個別に適用することができる。
本発明のこれらおよび他の特徴は、添付の図面を参照して非限定的な例として与えられた、いくつかの実施形態の以下の説明から明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0023】
図1図1は、本発明によるバー加工用機械を概略的に示す。
図2図2は、バー屈曲作業中の図1の機械を示す。
図3図3は、バー屈曲作業中の図1の機械を示す。
図4図4は、バー屈曲作業中の図1の機械を示す。
図5図5は、バー屈曲作業中の図1の機械を示す。
【発明を実施するための形態】
【0024】
理解を容易にするために、可能な場合は同じ参照番号を使用して、図面内の同一の共通要素を識別している。一実施形態の要素および特性は、さらに明確にすることなく、他の実施形態に都合よく組み込むことができることが理解される。
【0025】
ここで、本発明の様々な実施形態を詳細に言及し、その1つまたは複数の例が添付の図面に示されている。各例は、本発明の例示として提供されており、その限定として理解されるべきではない。例えば、一実施形態の一部として示されるかまたは説明される特性は、他の実施形態に採用されるか、または他の実施形態と関連して採用されて、別の実施形態を生成することができる。本発明は、そのような全ての変更および変形を含むものとすることが理解される。
【0026】
これらの実施形態を説明する前に、本説明は、その適用において、添付の図面を使用して以下の説明に記載されるような構成要素の構造および配置の詳細に限定されないことも明確にしなければならない。本説明は、他の実施形態を提供することができ、他の様々な方法で取得または実行することができる。また、ここで使用されている表現および用語は説明のみを目的としており、限定的なものと見なすことはできないことを明確にする必要がある。
【0027】
添付図面を使用して説明される実施形態は、添付図面に参照番号10で全体として示されている、バー加工用機械に関する。
機械10は、主に横長の展開を有する少なくとも1つのバーBを加工するのに適している。
【0028】
バーBは、バーの形で、または真っ直ぐにされて適当な大きさに切断されるコイルの形で機械10に直接供給され得るか、または真っ直ぐなバーを切断するためのセンターからくることができる。
【0029】
得られる最終製品に応じて、機械10に供給されるバーBはまた、異なるタイプ、例えば、異なる直径、材料、表面加工または他のものであり得る。
いくつかの実施形態によれば、機械10は、少なくとも2つの支持スライダー11を備え、そのうちの少なくとも一方は、移動軸線Zに沿って他方に向かうように/他方から離れるように往復移動可能であり、それぞれに加工面12が設けられている。
【0030】
加工面12上には、バーBの少なくとも長手部分を湾曲させるのに適した少なくとも湾曲ユニット13と、少なくとも第1屈曲ユニット14とが設置されている。第1屈曲ユニット14は、第1の屈曲半径R1を有する第1コントラスト要素17と、第1屈曲要素18とを有している。
【0031】
第1コントラスト要素17は、図2に示される前記屈曲半径R1によって特徴付けられるアーチ型プロファイルを有する形づくられた部分を少なくとも備えている。
第1屈曲要素18は、第1コントラスト要素17の周りで選択的に回転して、それの周りでバーBを屈曲させることができる。
【0032】
本発明の一態様によれば、支持スライダー11の少なくとも1つは、第2コントラスト要素19、27および第2屈曲要素20、28を備えた少なくとも第2屈曲ユニット15、16を加工面12上に備える。
【0033】
第2コントラスト要素19、27はまた、図3および図4にそれぞれ示される屈曲半径R2、R3によって特徴付けられるアーチ型プロファイルを有する少なくとも1つの形づくられた部分を備えている。
【0034】
第2屈曲要素20、28は、第2コントラスト要素19、27の周りで選択的に回転して、それの周りでバーBを屈曲させることができる。
第2コントラスト要素19、27は、異なる屈曲半径でバーBを屈曲させるように、図2に示される第1コントラスト要素17の屈曲半径R1とは異なる、図3および図4にそれぞれ示される屈曲半径R2、R3を有する。
【0035】
この解決策により、オペレーターは、例えば、1つまたは複数のコントラスト要素または1つまたは複数の屈曲要素の交換のために、作業中に中断することなく、バーBを屈曲させるのに適したサイズの複数のコントラスト要素および複数の屈曲要素を機械10に事前に装備することができる。
【0036】
さらに、この解決策は、同じバーBに対し、湾曲作業に加えて、たとえば第1の屈曲半径R1および第2の屈曲半径R2を有する異なる屈曲半径での屈曲作業を、機械10からのバーBの移動や取り外しを必要とせずに実行することを可能にする。
【0037】
本明細書では、単一のバーBの加工に言及するが、機械10が複数のバーBを同時に加工できることは明らかである。
図1図5に示す実施形態によれば、支持スライダー11は、互いに向き合うように配置され、上記のように移動軸線Zに対して互いに平行にガイド21上をスライドすることができる。
【0038】
特に、支持スライダー11は、バーB上で実行される特定の作業に関連して、移動軸線Zに沿って独立して移動可能である。
ガイド21は、移動軸線Zの方向において、機械10によって加工可能なバーBの最大長と互換性のある長さを有することができ、その場合、支持スライダー11はガイド21の両端にあり得る。
【0039】
機械10はまた、支持スライダー11同士の間に配置され、バーBの加工中にバーBを支持および保持するように構成された保持手段22を備える。保持手段22は、自重のために変形する傾向がある中央部分におけるバーBの望ましくない曲りを防止する。
【0040】
保持手段22は、上記のように、加工面12と同一平面上にある面上でバーBに作用するように構成され、加工面12との干渉によるバーBの変形を防止する。
さらに、支持しなければならないバーBの長さに関連して、1つまたは複数の保持手段22が存在し得る。
【0041】
図1に示す実施形態によれば、保持手段22は、少なくとも1つの中央保持手段22を備え、すなわち、中央保持手段22は、バーBの中央部分を保持するように構成されている。特に、中央保持手段22は、移動軸線Zと直交する第1の方向および移動軸線Zと一致するか平行である第2の方向に移動および配置され得る。
【0042】
好ましくは少なくとも3つの保持手段があり、したがって2つの横保持手段22が中央保持手段22の両側に配置され、これら2つの横保持手段22は、好ましくは中央保持手段22に対して対称である。
【0043】
有利には、上記の第2の方向に対する中央保持手段22の動きは、支持スライダー11同士の間の相互距離に関係なく、中央保持手段22が常に中央部分でバーBを支持することを可能にする。
【0044】
横保持手段22は、移動軸線Zに直交する第1の方向に平行な方向にのみ移動することができる。横保持手段22は、バーBが非常に長い場合、すなわち、支持スライダー11同士が非常に離れている場合、例えば、ガイド21の両端にある場合、中央保持手段22の補助となる。
【0045】
保持手段22は、スライドガイド23によって第1の方向に平行に移動するように構成される。中央保持手段22はまた、スライドガイド25上で移動可能な移送装置24によって第2の方向に移動するように構成される。
【0046】
作業において、複数の保持手段22でバーBを支持する必要がある場合、これらは、バーBに横方向に応力および変形を生じさせないように、移動軸線Zに垂直な横方向に整列されなければならない。
【0047】
いくつかの実施形態では、保持手段22は、「バイス(vice)」タイプ、すなわち、第1の方向に対して移動可能な2つの対称的なジョー(jaw)を備えたタイプであり得る。これらジョーは、バーBを保持および解放するために、これらの間に可変通路ギャップを規定する。
【0048】
バーBが既知の方法で機械10に供給されるとき、バーBは、保持手段22によって支持され得、支持スライダー11の加工面12上に部分的に置かれ得る。
例えば図1に示される実施形態によれば、各加工面12は、上記のように、湾曲ユニット13、第1屈曲ユニット14、および第2屈曲ユニット15を備える。
【0049】
以降、本明細書において、湾曲とは、バーBがバーBの延ばされた長手部分またはその全長にわたって連続的な変形を受けることを意味する。湾曲作業中、支持スライダー11の一方または両方が移動軸線Zの方向に移動する間に、湾曲ユニット13は、バーBを変形させるように駆動される。
【0050】
以降、本明細書において、屈曲とは、バーBが、作業のために選択された屈曲ユニット、例えば、図2の第1屈曲ユニット14が作用するゾーンにのみ局在する変形を受けることを意味する。屈曲作業中、支持スライダー11が停止している間に、屈曲ユニット14、15のうちの一方が、バーBを変形させるように操作される。
【0051】
図1図5に示す実施形態によれば、第3屈曲ユニット16も各加工面12に設置され、第3屈曲ユニット16は、第3コントラスト要素27と、それの周りでバーBを屈曲させるように第3コントラスト要素27の周りで選択的に回転可能な第3屈曲要素28とを備える。
【0052】
第3コントラスト要素27は、図2の第1の屈曲半径R1および図3の第2の屈曲半径R2とは異なる図4の第3の屈曲半径R3でバーBを屈曲させるために、第1コントラスト要素17および第2コントラスト要素19とは異なるサイズを有する。
【0053】
図示されていない可能な実施形態では、3を超える、例えば7まで、任意の場合に加工面12上に存在する空間に関連して、加工面12上にさらに多数の屈曲ユニットを設置することが提供され得る。
【0054】
図1図5を用いて説明する実施形態では、湾曲ユニット13および屈曲ユニット14、15は、作業を容易にし、かつ不必要な干渉を防止するために、優先位置に設置される。
【0055】
特に、湾曲ユニット13は、加工面12上であって、移動軸線Zに垂直な加工面12の第1の側面30に向かって偏心した位置に設置され得る。屈曲ユニット14、15は、異なる位置決めの可能性が排除されない場合でも、加工面12上であって、第1の側面30とは反対側の第2の側面31に向かって偏心した位置に設置され得る。
【0056】
図示されていない可能な解決策によれば、屈曲ユニット14、15は、非鏡面位置、すなわち異なる位置で支持スライダー11に設置され得る。
可能な解決策によれば、湾曲ユニット13および少なくとも屈曲ユニット14、15の駆動は、独立し得、または同じモーターユニットで実行され得る。
【0057】
図1に示される本発明の一態様によれば、少なくとも1つの支持スライダー11は、少なくとも屈曲ユニット14、15を同時にまたは順次に駆動するように構成された単一の駆動手段を提供する。
【0058】
駆動手段は、歯付きクラウン33と係合するピニオン32を備えた、図示しないモーター部材を含む。
歯付きクラウン33は、第1屈曲ユニット14に関連付けられており、第1コントラスト要素17に対する少なくとも第1屈曲要素18の回転を可能にする。
【0059】
第1屈曲ユニット14は、第2屈曲ユニット15に、そして、図1図5に示される場合のように存在する場合、第3屈曲ユニット16に、「一点鎖線」で概略的に示されて屈曲ユニット14、15、16の同時回転を決定する歯車によって運動学的に接続される。
【0060】
いくつかの実施形態によれば、湾曲ユニット13および/または屈曲ユニット14、15の少なくともいくつかは、それぞれの支持スライダー11の加工面12に対して引っ込められて配置され得る。
【0061】
特に、湾曲ユニット13および屈曲ユニット14、15は、加工面12から突出し、それらがバーBに作用することができる状態と、それらが加工面12から引っ込められ、加工面12の下に配置され、バーBと干渉しない位置との間で移動可能である。
【0062】
図2に示す第1の例によれば、バーBを屈曲ユニット14で屈曲させる間、後者は上記の突出した位置にあり、第2屈曲ユニット15、第3屈曲ユニット16、及び湾曲ユニット13は上記の引っ込められた位置にある。
【0063】
図3に示す第2の例によれば、少なくとも1つの屈曲ユニットでバーBを屈曲させる間、第2屈曲ユニット15は上記の突出した位置にあり、第1屈曲ユニット14、第3屈曲ユニット16、及び湾曲ユニット13は上記の引っ込められた位置にある。
【0064】
図4に示す第3の例によれば、少なくとも1つの屈曲ユニットでバーBを屈曲させる間、第3屈曲ユニット16は上記の突出した位置にあり、第1屈曲ユニット14、第2屈曲ユニット15、及び湾曲ユニット13は上記の引っ込められた位置にある。
【0065】
図5に示す第4の例によれば、少なくとも1つの屈曲ユニットでバーBを屈曲させる間、湾曲ユニット13は上記の突出した位置にあり、第1屈曲ユニット14、第2屈曲ユニット15、及び第3屈曲ユニット16は上記の引っ込められた位置にある。
【0066】
図1図5に示されるいくつかの実施形態によれば、湾曲ユニット13は、互いに反対の位置に配置された2つのコントラストローラー35を含み、少なくとも一方のコントラストローラー35は、バーBに関してそれらの間のギャップを調整するために、他方のコントラストローラー35から離れるように/向かうように選択的な移動を可能にするように構成された位置決め手段36を有利に備えている。
【0067】
湾曲ユニット13は、既知の方法でバーB上で作動することができる。ここで例として与えられた図5に示されるケースでは、湾曲ユニット13はまた、コントラストローラー35に関連して配置され得、かつバーBに所望の変形を及ぼすように構成され得る湾曲ローラー37を備える。
【0068】
コントラストローラー35に対する湾曲ローラー37の位置は、バーBの曲率を決定する。
少なくとも屈曲ユニット14、15は、バーBの少なくとも一端を屈曲させるように構成され、したがって、ヘッド部および/またはテイル部の屈曲作業を実行するように構成されるが、バーBの中間位置で作業することもできる。
【0069】
上記の屈曲ユニット14、15の1つがバーBの中間位置に介在する場合、それは、湾曲の少なくとも一部が得られた後、または湾曲作業が開始される前に介在することができる。
【0070】
可能な解決策によれば、屈曲ユニット14、15、16は、ピン形状のコントラスト要素17、19、27および同様の形状の屈曲要素18、20、28を備えた図1図5に示されるタイプのものであり得る。
【0071】
可能な変更の実施形態によれば、屈曲ユニット14、15、16は、くわ型のコントラスト要素17、19、27を備え得る。
支持スライダー11の各加工面12には、屈曲作業中にバーBの少なくとも一部を保持するのに適したクランプ手段26も設けられている。このように、屈曲作業中、バーBにかかる応力は、バーBの屈曲される部分に限定される。
【0072】
クランプ手段26はスライドガイド23上で上記の第1の方向に加工面12上で移動可能であり、これにより、クランプ手段26の可動域があらゆる湾曲および屈曲作業に対してバーBの正しい位置を保証することを可能とする。
【0073】
クランプ手段26はまた、保持手段22について上述したように「バイス(vice)」タイプであり得る。
本発明の一態様によれば、機械10は、少なくとも1つの支持スライダー11に設置され、移動軸線Zに垂直な方向に加工面12上を移動可能な引っ張りユニット34を備える。引っ張りユニット34は、移動軸線Zの方向にバーBを引っ張るように、または同方向に少なくとも1つの支持スライダー11を引っ張るように構成される。
【0074】
引っ張りユニット34は、移動軸線Zに直交する方向に整列して配置された複数の引っ張りローラー38を備え、複数の引っ張りローラー38は、バーBの通過および引っ張りのための可変通路ギャップをそれらの間に規定する。
【0075】
支持スライダー11が自律駆動手段を備えていない場合、支持スライダー11は、引っ張りユニット34がバーBに及ぼす引っ張り動作によって移動することができる。例えば、引っ張りユニット34を有さない支持スライダー11を移動するために、その支持スライダー11のクランプ手段26は必然的にバーBをクランプしなければならず、他の支持スライダー11のクランプ手段26はバーBをクランプしてはならない。引っ張りユニット34を有する支持スライダー11を移動するために、関連するクランプ手段26はバーBをクランプしてはならず、他の支持スライダー11のクランプ手段26はバーBをクランプしなければならない。
【0076】
図1図5に示される実施形態によれば、引っ張りユニット34は、クランプ手段26に関連付けられ、クランプ手段26と共に移動可能である。
図示されていない場合でも、機械10は、支持スライダー11の可能な移動要素を制御、管理、および命令するように構成されたプログラム可能な制御、管理、および命令ユニットに関連付けられ得る。
【0077】
可能な解決策によれば、支持スライダー11の移動部材は、ウォームスクリュー機構、ラック機構、チェーン機構、または類似または同等の移動部材を含むグループ内で選択され得る。
【0078】
本発明の実施形態はまた、主に横長の展開を有する少なくとも1つのバーBをバー加工用機械10において加工するための方法に関し、
バーBの少なくとも長手部分を湾曲させるのに適した湾曲ユニット13によるバーBに対する少なくとも一の湾曲作業と、
第1の屈曲半径R1を有する第1コントラスト要素17と、第1コントラスト要素17の周りで選択的に回転可能な第1屈曲要素18とを備えた第1屈曲ユニット14によるバーBに対する少なくとも第1屈曲作業と、
第2コントラスト要素19、27と、第2コントラスト要素19、27の周りでバーBを屈曲させるために第2コントラスト要素19、27の周りで選択的に回転可能な第2屈曲要素20、28とを備えた第2屈曲ユニット15、16によるバーBに対する少なくとも一のさらなる屈曲作業と、を備える。第2コントラスト要素19、27は、異なる屈曲半径でバーBを屈曲させるように、第1コントラスト要素17の屈曲半径R1とは異なる屈曲半径R2、R3を備えている。
【0079】
本発明の分野および範囲から逸脱することなく、これまでに説明したバー加工用機械に部品の修正および/または追加を行うことができることは明らかである。
本発明はいくつかの特定の例を参照して説明されてきたが、当業者は確かに、請求項に記載されている、したがってすべてがそれによって定義された保護の分野に含まれる特徴を有する他の多くの同等の形態のバー加工用機械を達成可能なことも明らかである。
図1
図2
図3
図4
図5
【国際調査報告】