(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-03-25
(54)【発明の名称】リベットシャントおよび配置方法
(51)【国際特許分類】
A61F 2/91 20130101AFI20220317BHJP
A61M 1/36 20060101ALI20220317BHJP
A61F 2/958 20130101ALI20220317BHJP
【FI】
A61F2/91
A61M1/36 143
A61F2/958
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021545895
(86)(22)【出願日】2020-02-07
(85)【翻訳文提出日】2021-10-04
(86)【国際出願番号】 US2020017361
(87)【国際公開番号】W WO2020163820
(87)【国際公開日】2020-08-13
(32)【優先日】2019-02-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2019-09-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2019-12-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】521065469
【氏名又は名称】エヌエックスティー バイオメディカル,エルエルシー
【氏名又は名称原語表記】NXT BIOMEDICAL,LLC
【住所又は居所原語表記】5270 California Avenue,Suite 200,Irvine,California 92617(US)
(74)【代理人】
【識別番号】100109634
【氏名又は名称】舛谷 威志
(74)【代理人】
【識別番号】100129263
【氏名又は名称】中尾 洋之
(72)【発明者】
【氏名】タフト,ロバート シー.
(72)【発明者】
【氏名】ラビト,グレン
(72)【発明者】
【氏名】シュワルツ,ロバート エス.
【テーマコード(参考)】
4C077
4C267
【Fターム(参考)】
4C077AA05
4C077BB01
4C077CC03
4C077DD20
4C077EE01
4C267AA44
4C267AA50
4C267AA53
4C267AA55
4C267AA56
4C267BB27
4C267CC08
4C267CC19
(57)【要約】
砂時計形状に拡張するシャントが記載されている。シャントが拡張すると、その端部の両方がその中間部分に対して半径方向外側に拡大し、シャントの長さが短縮する。これにより、拡大した端部が、患者の組織内の開孔または開口部を取り囲む組織に係合する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
患者の疾病状態を治療する方法であって、
前記患者の前記疾病状態を改善するためにシャントすることを目的として、前記患者の2つの管腔を識別するステップと、
前記2つの管腔の間にシャントデバイスを配置するステップと、
前記シャントデバイスの両端を拡大することによって、かつ前記シャントデバイスを短縮することによって、前記シャントデバイスを前記2つの管腔に固定するステップと、を含み、
ここで、前記拡大および短縮によって、前記シャントデバイスを前記2つの管腔の間に固定し、かつ前記2つの管腔をシャントすることを特徴とする方法。
【請求項2】
前記疾病状態が、肺高血圧症、心不全、高血圧症、腎不全、体液量過剰、肥大型心筋症、弁逆流症、および多数の先天性疾患からなる群の1つである請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記シャントデバイスがステント状デバイスを含む請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記拡大および短縮は、前記シャントデバイスの内側に配置されたバルーンを膨張させることによって生成される請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記拡大および短縮は、前記シャントデバイスの自己拡張によって生成される請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記拡大の度合いおよび前記短縮の度合いは、前記シャントデバイスのステント状構造のセルの異なるサイズによって決定される請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記セルの異なるサイズは、前記ステント状構造の中間から前記ステント状構造の軸方向に延在する端部まで漸次増加するセルサイズから構成される請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記2つの管腔は、組織の共通壁によって分離されている請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記シャントデバイスは、材料で被覆されている請求項1に記載の方法。
【請求項10】
前記共通壁は、前記拡大および短縮の結果として、前記対向する拡大壁の間で圧縮される請求項8に記載の方法。
【請求項11】
前記疾病状態に関連するパラメータが、前記シャントデバイスを配置する前、および前記拡大および短縮後に測定される請求項1に記載の方法。
【請求項12】
患者にプロテーゼを配置する方法であって、
前記プロテーゼを生物学的通路内に配置するステップと、
1)前記プロテーゼの先端部および基端部を前記プロテーゼの中間に対して半径方向に拡大させるように、かつ2)前記プロテーゼの長さを短縮して、それにより前記プロテーゼの前記先端部および前記基端部を、前記生物学的通路を取り囲む組織に係合させるように、前記プロテーゼを半径方向に拡張するステップと、を含み、
ここで、前記プロテーゼが、第1の体腔と第2の体腔との間にシャント通路を形成することを特徴とする方法。
【請求項13】
前記プロテーゼは、半径方向に圧縮された構成にあるときに、前記プロテーゼの中間での長さよりも、前記プロテーゼの前記基端部および前記先端部の近くで、より長い長さを有する複数のセルを有するレーザカット管状構造である請求項11に記載の方法。
【請求項14】
前記プロテーゼを半径方向に拡張するステップは、前記プロテーゼの下でバルーンを拡張するステップをさらに含み、前記バルーンは砂時計形状に拡張する請求項11に記載の方法。
【請求項15】
前記プロテーゼは、前記プロテーゼの長さの少なくとも一部に沿って配置された管状被覆層を有するシャントである請求項11に記載の方法。
【請求項16】
前記プロテーゼは、前記シャントの内部通路を実質的に遮断する被覆層を有するデバイスである請求項11に記載の方法。
【請求項17】
患者の治療のためのプロテーゼであって、
半径方向に圧縮された構成および半径方向に拡張された構成を有する管状構造を含み、
前記半径方向に拡張された構成は、先端部および基端部の拡大状態と、短縮された長さとを含み、
前記拡大状態および前記短縮された長さは、前記管状構造を患者の2つの管腔の組織の間に固定するのに十分であることを特徴とするプロテーゼ。
【請求項18】
前記管状構造は、前記管状構造の中間から離れて前記先端部および基端部に向かって、長さが増加する複数の支柱から構成される請求項17に記載のプロテーゼ。
【請求項19】
前記支柱が複数のセルを形成し、ここで、前記複数のセルは、前記管状構造がその半径方向に圧縮された構成にあるときに、前記管状構造の中間から離れて前記先端部および基端部に向かって長さが増加する請求項18に記載のプロテーゼ。
【請求項20】
前記プロテーゼは、約30mmの半径方向に圧縮された長さ、約2.2mmの半径方向に圧縮された直径、約8mmの半径方向に拡張された基端および先端の直径、および約4mmの半径方向に拡張された中間の直径を有する請求項19に記載のプロテーゼ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願)
本出願は、2019年2月7日に出願された「Method and Technology for Creating Connections and Shunts Between Vessels and Chambers of Biological Structures」という発明の名称の米国仮出願第62/802,656号、2019年9月5日に出願された「Rivet Stent」という発明の名称の米国仮出願第62/896,144号、および2019年12月2日に出願された「Resizable Rivet Stent」という発明の名称の米国仮出願第62/942,631号の優先権を主張し、これらの全ては、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【背景技術】
【0002】
人工シャントは、患者の身体のある部分から別の部分へ、またはより具体的には1つの体腔(body lumen)から別の体腔への流体の移動を可能にする、孔または小さな通路として機能する。このような体腔は、身体における実質的にどのような器官とも関連し得るが、最も一般的には心臓、肺、頭蓋骨および肝臓における管腔(lumens)と関連する。
【0003】
シャントは、多くの異なる状態を治療するために使用することができる。このような状態には、肺高血圧症、心不全、高血圧症、腎不全、体液量過剰(volume overload)、肥大型心筋症(hypertrophic cardiomyopathy)、弁逆流症(valve regurgitation)および多数の先天性疾患が含まれるが、これらに限定されない。
【0004】
米国特許第9,5510,832号に例示されるように、多数の従来技術のシャント設計が存在し、その内容は参照により本明細書に組み込まれる。当業者によって理解されるように、その意図される用途におけるシャントの有効性および安全性は、いくつか例を挙げると、正確なシャント配置、確実なシャント固定、シャント耐久性、起こり得る流体停止領域の最小化、配置の容易さ、および時間経過適応性などの属性に主に依存する。
【0005】
したがって、従来技術のシャント設計を常に改善および改良して、複数の状態を効果的かつ安全に治療すると同時に、使用の容易さおよびコストの低減を可能にするシャントに到達する必要がある。
【発明の概要】
【0006】
一実施形態では、本発明は砂時計形状に拡張するシャントに関する。シャントが拡張するにつれて、その両端部は、その中間部分に対して半径方向外側に広がる。さらに、シャントの長さが短くなり、これにより、拡大した端部が、患者の組織内の開孔(puncture)または開口部を取り囲む組織と係合するが、これはリベットに類似していなくもない。代替実施形態では、その両端部の一方のみが、その中間部分に対し、半径方向外側に拡大するが、他方の端部は、その中間部分と同様の直径を維持する。
【0007】
一実施形態では、シャントは、複数セルを形成するレーザカット本体を有することによって、この形状を達成する。シャントの中間付近のセルは、残りのセルよりも小さなサイズ(例えば、長さ、幅)を有する。シャントの基端部および先端部の両方の近くのセルは、中間セルよりも大きなサイズ(例えば、長さ、幅)を有し、それらをより大きな直径へと半径方向に拡張する。さらに、セルが半径方向に拡張するにつれて、セルの幅が増加し、その結果、セルの長さが減少する。セルの長さが減少すると、シャントは全体として、長さが短縮または減少する。
【0008】
一実施形態では、シャントがバルーンカテーテルを用いて配置され得る。シャントは、バルーンカテーテルの外周面に圧縮されており、膨張すると、シャントを拡張させる。
【0009】
一実施形態では、バルーンカテーテルは、砂時計形状に膨張するバルーンを有する。換言すると、バルーンの基端領域および先端領域は、その中間部分に対して、より大きな直径に拡張する。
【0010】
本発明の方法の一例では、バルーンカテーテルの先端部が、そのバルーンの外周面に配置されたシャントを有する。シャントおよびバルーンは、患者の組織の開口部を介するほぼ中間に配置される。バルーンが砂時計形状に膨張することによって、シャントは、同様に砂時計形状に拡張すると同時に、短縮する。これにより、シャントの拡大した端部は、開口部を取り囲む組織に係合する。
【0011】
従来の方法は、シャントのその後の二次的な拡張をさらに含み、その直径をさらに増大させることができる。これは、第2のバルーンカテーテルをシャント内に前進させ、そのバルーンを所望のシャント通路直径まで拡張させることによって達成することができる。
【0012】
本発明の別の実施形態では、シャントは、その外表面に、返し部(barbs)、フック部または同様の固定機構を備える。
【0013】
本発明の別の実施形態では、シャントは、その全長に沿って、またはその長さの一部分(例えば、中間部分)のみに沿って配置されたカバー部を備えていてもよい。
【0014】
別の実施形態では、バルーン供給カテーテルは、シャントが所望の位置に整列されていることを示す触覚抵抗を提供する位置決めデバイスを備えていてもよい。例えば、位置決めデバイスは、カテーテル本体から延在する複数のアーム部、シャントの外表面上に配置された環状のリング部、または半径方向に拡張するようにヒートセットされたシャント部を備えていてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0015】
本発明の実施形態が可能である上記および他の態様、特徴および利点は、添付の図面を参照して、本発明の実施形態の以下の説明から明らかになり、解明されるであろう。
【0016】
【
図1A】本発明による圧縮構成のシャントの図である。
【0017】
【
図1B】半径方向に拡張された状態にある
図1Aのシャントの図である。
【0018】
【
図2】半径方向に拡張された状態にある
図1Aのシャントの斜視図である。
【0019】
【
図3】圧縮構成における
図1Aのシャントの側面図である。
【0020】
【0021】
【
図4B】
図4Aのセルパターンからの2つのセルの上面図である。
【0022】
【
図5】本発明による圧縮構成のバルーンカテーテルを示す。
【0023】
【
図6】本発明による拡張構成の
図5のバルーンカテーテルを示す。
【0024】
【
図7】本発明による、圧縮されたシャントが外表面に設けられた
図5のバルーンカテーテルを示す。
【0025】
【
図8】本発明による拡張状態にあるシャントを有する
図6のバルーンカテーテルを示す。
【0026】
【0027】
【0028】
【0029】
【0030】
【
図13】本発明によるシャントの別の実施形態の斜視図を示す。
【0031】
【
図14】本発明によるシャントの別の実施形態の側面図を示す。
【0032】
【
図15】本発明によるシャントの別の実施形態の側面図を示す。
【0033】
【
図16A】本発明によるシャントの別の実施形態の側面図を示す。
【0034】
【0035】
【
図17】本発明によるシャントの別の実施形態の側面図を示す。
【0036】
【0037】
【
図19】本発明によるバルーンカテーテルの代替実施形態を示す。
【0038】
【
図20】本発明によるバルーンカテーテルの代替実施形態を示す。
【0039】
【
図21】本発明によるバルーンカテーテルの代替実施形態を示す。
【発明を実施するための形態】
【0040】
以下、添付図面を参照して、本発明の具体的な実施形態について説明する。しかしながら、本発明は、多くの異なる形態で具現化されてもよく、本明細書に記載された実施形態に限定されるものとして解釈されるべきではなく、むしろ、これらの実施形態は、本開示が徹底的かつ完全であり、本発明の範囲を当業者に完全に伝えるように提供される。添付図面に示される実施形態の詳細な説明で使用される用語は、本発明を限定することを意図するものではない。図面において、同様の番号は同様の要素を指す。
【0041】
本発明は一般に、シャントおよびシャントを配置する方法に関する。より具体的には、当該シャントは、砂時計形状またはリベット形状へと半径方向に拡張する一方、長手方向に短縮もする。シャントは、最初に組織の開口部内に配置され、次いで拡張され、これにより、シャントの先端部および基端部が半径方向外側に拡大し、互いに向かって移動する。完全に拡張されると、これらの半径方向に広がった端部は開口部を取り囲む組織と係合し、組織の両側の間に滑らかな移行部を作り出す。
【0042】
このシャント設計は、従来のシャント設計よりも幾つかの利点を提供する。例えば、シャントは、その広がった形状に起因して、組織の開口部内にそれ自体を「自己位置決め」することができ、したがって、従来の設計よりもその位置決め精度が向上する。また、拡大部分は、従来のシャント設計と比較して、周囲組織への強力な接続を提供する。最後に、シャントは、小さな折りたたみプロファイル(collapsed profile)を有してもよく、それでも、高い半径方向の力で一貫した内径まで拡張することができる。これにより、低プロファイルバルーンを使用して、シャントの拡張を補助し、一貫した信頼性のある移植結果を達成することが可能になる。
【0043】
本明細書で説明されるような本発明の原理に従ってシャントとして使用するために修正することができるステント設計は、Oepenの米国特許第6,068,656号に開示されており、その全内容は、参照により本明細書に組み込まれる。
【0044】
本明細書でより詳細に論じるように、短縮かつ砂時計形状は、いくつかの異なる方法で達成することができ、シャント自体は、いくつかの異なる特徴を有することができる。本明細書の異なる実施形態に示される特徴は、本明細書の他の実施形態の特徴と交換可能に使用され得ることが明確に理解されるべきである。言い換えれば、実施形態の特徴は、互いに「混合および整合」され得ることが意図される。
【0045】
図1Aおよび
図1Bは、本発明の管状シャント100の一実施形態の形状の変化を示す。
図1Aでは、シャント100は、比較的長い長さ101および比較的小さい均一な直径103を有する半径方向に圧縮された構成で示されている。シャント100が配置されると、その長さは実質的に101’まで減少し、その直径は増加する。より具体的には、端部100Aが半径方向に最大の直径103’まで増加し、次いで、直径103”を有する中間領域100Bに向かって直径が減少する。
【0046】
一例では、圧縮されると、シャント100は約20mmの長さ101および約1.5mmの直径103を有し、拡張されると、シャント100は約8mmの端部100Aの直径103’および約5mmの中間領域100Bの直径103”を有する。
【0047】
別の例では、圧縮されると、シャント100は約30mmの長さ101および約2.2mmの直径103を有し、拡張されると、シャント100は約8mmの端部100Aの直径103’および約4mmの中間領域100Bの直径103”を有する。
【0048】
別の例では、圧縮されると、シャント100は約22mmの長さ101および約3.5mmの直径103を有し、拡張されると、シャント100は約24mmの端部100Aの直径103’および約20mmの中間領域100Bの直径103”を有する。
【0049】
図2~
図4に示されるように、シャント100の本実施形態は、シャント通路100Cを生成する複数の一様な交互にウェーブしたものからそれぞれ形成される複数の管状の半径方向バンド(radial bands)107を含む。別の方法をとり、特に
図3および
図4Aを参照すると、各半径方向バンド107は、一緒に接合された複数の直線領域107Bを含み、長手方向を互い違いにする三角形のピーク107Aのパターンを作り出す。各半径方向バンド107のピーク107Aは、互いに整列され、小さな直線部分109を介して接続され、半径方向に圧縮されると、ひし形のセル102を効果的に作り出す。この設計の結果として、各ピーク107Aの角度は、シャント100が半径方向に拡張され、半径方向バンド107が互いに接近することにつれて増加し、これは、長手方向の短縮(すなわち、シャント100の長さの減少)をもたらす。
【0050】
シャント100の端部100Aの半径方向の拡大を引き起こす1つのメカニズムは、
図4Aおよび
図4Bに示される。これらの図は、シャント100があたかも長手方向に切断されて平らにされたかのようなパターンを示す。具体的には、いくつかのセル102A、102B、102C、102Dの基端から先端への長さが他のセルよりも長い(すなわち、より長い直線領域107Bを有する)セル102のパターンが作られる。好ましくは、シャント100の中間のセル102が最小の長さを有し、その中間から離れるにつれて、セル102の各横列の長さが漸次増加する。あるいは、より長いセル102がシャント100の端部付近にのみ配置され得る。
【0051】
例えば、中間セル102Aは第1の長さを有し、長手方向に隣接するセル102Bはセル102Aよりも長い第2の長さを有し、長手方向に隣接するセル102Cはセル102Bよりも長い第3の長さを有し、長手方向に隣接するセル102Dはセル102Cよりも長い第4の長さを有する。
【0052】
この区別をより良く理解するために、
図4Bでは、セル102Aおよび102Dを並べて比較している。圧縮された構成では、より大きなセル102Dが、より長い直線部分107Bと、セル102Aに対してピーク107Aのより小さい角度とを有する。しかしながら、拡張するとき、より大きな直線部分107Bは、これらのセルが、セル102Aよりも短縮し、より大きな直径に拡張することを可能にする。このようにして、拡張形状および短縮量を決定することができる。
【0053】
セル102および直線部分107Bのサイズおよび比率は、シャント100の所望の拡張形状に応じて変えることができる。例えば、劇的に大きい端部セル(例えば、セル102Cおよび102D)を有することにより、シャント100の拡張構成は、その中間部分に対してより大きい拡大された直径サイズを有してもよい。1つの特定の例では、各半径方向バンド107の直線部分107B(すなわち、支柱(struts))のサイズの増加は、以下のリストに見ることができる。これは、中間セル102Aの直線部分107Bから始まり、シャント100の端部に向かって進む。両端に拡大部を有するシャントの場合、サイズ増加の進展は、シャントの中央領域の両側で同一である。本明細書に記載されるサイズ進展の創造的な構成によって、1つの拡大部は、その反対側の拡大部とは異なるサイズまたは異なる構成とすることができ、したがって、シャントは、患者の体内の特定の用途および位置に特に調整可能であることが理解されるであろう。この特定の例は、
図4Aに示すものよりも多数の直線部分107B、したがってセル102を示すことに留意されたい。しかしながら、シャント100は、様々な異なる数量のセルを含むことができる。直線部分107Bの例示的なサイズは、1.218mm、1.242mm、1.287mm、1.351mm、1.432mm、1.528mm、1.638mm、1.763mm、1.897mm、2.036mmである。
【0054】
シャント100の長さに沿ったセル102の可変サイズに加えて、シャント100は、バルーンカテーテルの補助の有無にかかわらず、追加の拡張力を提供するために、制限されていないときに砂時計形状にヒートセット(heat set)することができる。
【0055】
上記のセル設計にもかかわらず、本発明によれば、複数のセルの変形が考えられることに留意されたい。この点に関して、重要な設計パラメータは、シャント本体における各「横列(row)」またはバンドが、特定の直径で最大拡張に達して、最終的な所望の形状を達成することである。
【0056】
シャント100は、
図5および
図6に見られるように、バルーンカテーテル110を介して供給され、拡張され得る。一実施形態では、バルーン114が、管状カテーテル本体112の先端部に配置される。カテーテル本体112の内部は、バルーン114内の基端膨張ポートおよび先端膨張ポート112Bに通じる膨張管腔112Aを有する。ガイドワイヤ管腔116は、カテーテル本体112内に配置され、本体112の基端部および先端部に通じている。
【0057】
図6に示されるように、バルーン114は、バルーン114の基端領域114Aおよび先端領域114Bよりも小さい直径の中間領域114Cを有する砂時計形状に膨張し得る。バルーン114のこの膨張した形状を達成するためのいくつかの異なる技術がある。例えば、バルーン114がコンプライアント材料(compliant material)から構成され、かつ、非コンプライアントバンド(図示せず)が中間領域114Cの周りに配置され得る。別の例では、基端領域114Aおよび先端領域114Bが、中間領域114Cとは異なる拡張特性を有する材料から構成され得る(例えば、非コンプライアント基端領域/先端領域を有するコンプライアント中間領域、またはコンプライアント基端領域/先端領域を有する非コンプライアント中間領域)。
【0058】
図7および
図8は、バルーン114の外周面に配置されたシャント100を示す。好ましくは、シャント100は、シャント100の中間領域100Bがバルーン114の中間領域114Cと整列するように、バルーン114上に設けられる。なお、バルーン114が拡張すると、基端領域114Aおよび先端領域114Bは、シャント100の端部領域100Aを、中間領域100Bよりも大きい直径に拡張させる。
【0059】
図9および
図10は、シャント100が、標的組織10の領域に対してどのように供給され得るかを示す。まず、最初の開孔が所望の位置で(例えば、針を用いて)行われる。次に、供給カテーテル110の先端部を、組織10の両側にシャント100のほぼ等しい部分が存在するように、組織10の開孔を介して前進させる。シャント100または供給カテーテル110のいずれかは、医師が所望の位置合わせを達成するのを補助するために、様々な既知の場所に放射線不透過性マーカーを備えることができる。
【0060】
所望の位置合わせが達成されると、バルーン114が膨張し、シャント100は、砂時計形状へと半径方向直径が増大し、短縮する。シャント100は、短縮によって、拡大された端部領域100Aが、組織10に係合され、押し込まれるように構成される。これらの拡大された端部領域100Aならびにバルーンの基端領域114Aおよび先端領域114Bは、シャント100を適切な位置に「セルフセンタリング(self-center)」するのに役立つ。最終的な結果は、組織の各側に滑らかな漏斗状の移行部を有する組織10の開口部である。
【0061】
この供給技術の1つの変形は、シャント100(すなわち、狭くなった中間領域110B)を介する通路が、必要であれば、供給後にサイズ変更されることを可能にする。具体的には、シャント100は、前述のように供給することができるが、狭くなった中間領域110Bは、中間領域110Bが拡張可能であるよりも小さい初期直径まで拡張される。これは、例えば、バルーン114の中間領域114Cの拡張サイズを制限することによって達成することができる。シャント100の中間領域100Bのサイズを増大させることが有益であると医師が判断した場合、中間領域100Bの直径は、バルーンの異なる部分(例えば、114Aまたは114B)によって、または所望の通路直径に膨張する第2のバルーンカテーテルによって、さらに拡張され得る。
【0062】
あるいは、シャント100の中間領域100Bが、所望したものよりも大きい直径で最初に配置されたと医師が判断した場合、第2の供給カテーテルを使用して、中間領域100Bを介する通路のサイズを減少させる厚さを有する管状スペーサを供給し得る。一例では、管状スペーサは、最初に配置されたシャントと同様であるが、第1のシャントの内側に配置された第2のシャント100であってもよい。
【0063】
供給後にシャント100をサイズ変更するこの能力は、医師が個々の患者についてシャントされる流体の量をカスタマイズすることを可能にする。また、患者の血行動態が変化を必要とする場合、シャント100を後日修正することが可能となる。
【0064】
代替実施形態では、バルーンカテーテルは、同様の砂時計形状を達成するために異なるサイズに膨張させることができる2つまたは3つの別個の、独立して膨張可能なバルーンを備えてもよい。これにより、医師は、シャント100の端部を周囲の組織と係合するのに十分に半径方向に拡張することを確実にする一方、シャント100の中間部分の拡張を所望の直径に制限することができる。
【0065】
別の代替実施形態では、バルーンを使用する代わりに、カテーテル上の機械的デバイスを使用して、シャント100を拡張することができる。例えば、このようなカテーテルは、互いに向かって長手方向にスライド可能な2つの円錐形状構造を備えてもよい。円錐形状構造が互いに向かって移動するときに、それらがシャント100を拡張させるように、これらの2つの構造の間にシャント100が配置されてもよい。
【0066】
先に議論したように、シャント100’は、形状記憶材料から構成されてもよく、制限されていないときに拡張した砂時計形状にヒートセットされる。このような実施形態では、バルーンカテーテル110は必要ではないかもしれない。
図11および
図12は、ヒートセットされたシャント100の配置のために構成された供給カテーテル120を用いた同様の供給手順を示す。カテーテル120は、シャント100’の周囲に配置された格納可能なシース124を有する長尺状のカテーテル本体122を備える。前述の配置手順と同様に、カテーテル120の先端部は、シャント100のほぼ等しい部分が組織10の各側に配置されるように、組織10の開口部を介して位置決めされる。(例えば、既知の位置の放射線不透過性マーカーを参照することによって)所望の位置合わせが達成されたとき、シース124は基端側に引き戻され、シャント100’が、
図12に示されるように、砂時計形状へと半径方向に拡張し、短縮する。
【0067】
一実施形態では、シャント100は、
図13に見られるように、複数の返し部113、フック部、または同様の固定構造を備えてもよい。これらは、シャント100が拡張したときに患者の組織に突き刺さるように、拡大領域の外側に配置されてもよい。代替的に、返し部113または類似の固定構造は、シャント100の長さに沿った様々な位置で、半径方向外側を指すように、配置され得る。
【0068】
一実施形態では、シャント100は、いかなる種類のカバーもなく、機械的力によって組織を介する開口部を維持するように作用する。
図14は、シャント100として類似のレーザカット構造体132を有するが、レーザカット構造体132(構造体132の外側または内側のいずれか)に取り付けられ、類似の管状および砂時計形状を形成するカバー層134も有する、シャント130の別の実施形態を示す。管状から砂時計形状への変化に適応するために、カバー層134の材料の一部または全部は、弾性または伸縮性であってもよい。代替的に、管状のカバー層134は、
図15に示されるように、シャント136のレーザカット構造体138の中間領域にのみ含まれ得る。
【0069】
別の実施形態では、シャントのいずれかは、カバー層を「挟む」ようにカバー層の内表面および外表面に配置される2つのレーザカット構造層を有し得る。
【0070】
既存のシャント(例えば、自然に生じる組織通路)または左心耳などのチャンバを閉塞することが望ましい場合がある。この点に関して、本明細書におけるシャントの実施形態のいずれも、シャントの中央管腔を横切って延在し、閉塞する材料を含み得る。例えば、その材料は、中心に小さな孔を有する、装置の端部に取り付けられるポリマーシートであってもよい。ポリマーシートは、進入孔(enter hole)が供給カテーテルからのバルーンと共に拡張し、次いで、バルーンが除去されると、開口部を効果的に封止するために元に戻るように、弾性であってもよい。
【0071】
シャント100およびその変形例は、拡大された砂時計型の形状に拡張するように前述されているが、拡張された形状の他の変形例も可能である。例えば、
図22は、一方の端部のみが外側に半径方向に拡大されている一方で、反対側の端部180Cが中間領域180Bの直径と同様の直径を維持しているシャント180を示す。シャント180は、長さが短くなるので、半径方向の拡張中にシャント180を固定するのを助けるために、中間領域180Bおよび端部180Cに沿って返し部または他の固定機構を有することが有益である可能性がある。
【0072】
別の例では、シャントのいずれの端部も拡大形状(flared shape)に拡張しない。
【0073】
本明細書のシャントは、ニチノールまたは類似の合金などの生体適合性材料、またはマグネシウム、PLA、またはPLA-PGAなどの生体吸収性材料から構成することができる。また、本明細書のシャントは、組織成長を促進することが知られているポリマーコーティング、または直径約60ミクロンの開口表面孔(open surface pores)などの内皮化(endothelization)を促進する特徴を有してもよい。
【0074】
シャント100は、特定のパターンで前述したが、同様の機能を達成するために、他のパターンおよび設計が可能であることを理解されたい。例えば、
図16Aおよび
図16Bは、複数の交互のピークを含む複数のリング144を備えるシャント140を示す。これらのリング144は、カバー142に固定され、(カバー以外に)互いに接続されていなくてもよいし、長手方向に隣接するピークに接続する接続部材148を有していてもよい。シャント140の端部は、それぞれ、リング144のピークよりも大きい複数の交互のピークから構成される端部リング146を備える。
図16Bに示されるように、半径方向に拡張すると、リング144のピークは、互いに長手方向に圧縮し、互いに適合する。
【0075】
図16Bに関して、一実施形態では、図示の形状が、バルーンによってシャントを過度に拡張させることによって達成される。これにより、図示のように、端部が拡大して開き、そして中央セクションの拡張が、カバー142によって制限される。
【0076】
異なるレーザカットパターンを有することに加えて、代替実施形態は、代わりに、
図17および
図18に示されるシャント180などの複数の編組ワイヤから構成されてもよい。シャント180は、複数の形状記憶ワイヤを用いて砂時計形状のマンドレル上に編組され得る。編組後、シャント180は、マンドレル上にヒートセットされ、次いで取り外される。これにより、管状形状に圧縮され、かつ、砂時計形状(すなわち、拡大された端部領域180Aおよびより小さな直径の中間領域180B)に半径方向に拡張されることが可能となる。
【0077】
先に論じたように、供給カテーテル110および120は、医師がシャント100を位置合わせするのを助けるために、放射線不透過性マーカーを備えることができる。しかしながら、他の位置決め装置を使用して位置決めを補助することもできる。
【0078】
例えば、
図19は、基端部でカテーテル本体に接続され、先端部154でシャント100から離れて半径方向に拡張するように構成された細長いアーム152を備える供給デバイス150を示す。アーム152は、シャント100が所望の整列位置(例えば、開口部のほぼ中間)に配置されたときに、先が丸い先端部が組織10に接触する長さであることが好ましい。アーム152によるこの接触は、放射線不透過性マーカーの視覚化に加えて、ユーザに触覚フィードバックを提供する。組織10への損傷を防ぐために、アーム152は、好ましくはニチノール、ステンレス鋼、ペバックス、ナイロン、ポリウレタン、または他のプラスチックなどの可撓性材料から構成される。アーム152は、比較的直線状であってもよく、又は複数の波を形成して、さらなる柔軟性および圧縮性を提供することができる。
【0079】
図20は、シャント100の所望の整列を補助するために、シャント100の外周面に配置された環状リング162を備える供給デバイス160の別の実施形態を示す。環状リング162は、シャント100が圧縮されたときに組織10の開口部よりも大きくなるような厚さを有することが好ましい。リング162は、リング162と組織10とが接触するとき、シャント100が組織開口部を介する所望の長手方向の整列を達成するように、シャント100の基端側に縦方向に配置される。リング162は、布、ポリマー、または生体吸収性材料から構成することができる。
【0080】
あるいは環状リング162の代わりに、シャント100自体が、
図21のデバイス170に見られるように、半径方向に拡張するようにヒートセットされた、シャント100上の構造体172を備えてもよい。例えば、構造体は、ループ、フラップ、または重なったシースがシャントから引き抜かれるときに半径方向に飛び出す類似の構造体であってもよい。リング162と同様に、これらの構造体172は、組織開口部内のシャント100の所望の整列を示すために、医師に触覚フィードバックを提供するような位置に配置される。
【0081】
本明細書は、患者の体内にシャントを生成するために、または2つの血管または心腔の間の孔を閉鎖するために使用されるシャントの様々な実施形態に焦点を当ててきたが、他の使用も可能である。例えば、シャント100は、追加の構造体(例えば、チューブ、他のシャントなど)のためのアンカーおよび/または取り付け点として使用されてもよい。別の例では、シャント100は、僧帽弁または大動脈弁などの人工弁の固定点として使用されてもよい。別の例では、シャント100を使用して、構造物(例えば、大動脈縮窄)に対して円形の形状を回復することを助けてもよい。
【0082】
本明細書に記載されるシャントおよび供給方法は、多種多様なシャント処置に使用することができる。一例は、右肺動脈と上大静脈との間、肺動脈と右心耳との間、肺動脈または右心室と静脈系との間、または奇静脈と下大静脈との間の右右シャント(right-to-right shunt)である。これらの技術は、2019年9月19日に出願された「Methods And Technology For Creating Connections And Shunts Between Vessels And Chambers Of Biologic Structures」という発明の名称の出願番号第16/576,704号(参照により本明細書に組み込まれる)において、より詳細に見ることができる。他に考えられる用途としては、心房中隔開口術(atrial septostomy)、高血圧治療のための動静脈シャント造設、透析患者のための孔造設(fistula creation)のための動静脈シャント、左心房から冠状静脈洞、肺動脈から左大動脈、または大動脈から肺動脈などの心腔間のシャント造設が挙げられる。
【0083】
特定の実施形態および用途に関して本発明を説明したが、当業者であれば、本教示に照らして、特許請求の範囲の発明の精神から逸脱することなく、またはその範囲を超えることなく、追加の実施形態および修正を生成することができるであろう。したがって、本明細書の図面および明細書は、本発明の理解を促進するように一例として提供され、その範囲を限定すると解釈されるべきでないことを理解されたい。
【手続補正書】
【提出日】2021-10-06
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0004
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0004】
米国特許第9,510,832号に例示されるように、多数の従来技術のシャント設計が存在し、その内容は参照により本明細書に組み込まれる。当業者によって理解されるように、その意図される用途におけるシャントの有効性および安全性は、いくつか例を挙げると、正確なシャント配置、確実なシャント固定、シャント耐久性、起こり得る流体停止領域の最小化、配置の容易さ、および時間経過適応性などの属性に主に依存する。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0039
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0039】
【
図21】本発明によるバルーンカテーテルの代替実施形態を示す。
【
図22】
本発明によるシャントの別の実施形態の側面図を示す。
【手続補正3】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
患者の治療のための
シャントであって、
半径方向に圧縮された構成および半径方向に拡張された構成を有する管状構造を含み、
前記半径方向に拡張された構成は、先端部および基端部の拡大状態と、短縮された長さとを含み、
前記拡大状態および前記短縮された長さは、前記管状構造を患者の2つの管腔の組織の間に固定するのに十分であ
り、
前記管状構造は、前記半径方向に圧縮された構成において、
複数の管状の半径方向バンドと、前記各半径方向バンドは、三角形のピークのパターンを形成するように、一緒に接合された複数の直線領域を有し、
複数のひし形のセルの横列を形成するように一部を介して接続され、互いに整列した前記管状の各半径方向バンドの前記三角形のピークと、
前記管状構造の中間領域での前記ひし形のセルの基端から先端の長さよりも、前記管状構造の両端部で、より長い長さを有する前記ひし形のセルの基端から先端の長さと、を含むことを特徴とする
シャント。
【請求項2】
前記
シャントは、約30mmの半径方向に圧縮された長さ、約2.2mmの半径方向に圧縮された直径、約8mmの半径方向に拡張された基端および先端の直径、および約4mmの半径方向に拡張された中間の直径を有する請求項
1に記載の
シャント。
【請求項3】
1つの横列における前記ひし形のセルの基端から先端の前記長さは、当該横列の全体を通して同一である請求項1に記載のシャント。
【請求項4】
前記ひし形のセルの基端から先端の前記長さは、前記管状構造の前記中間領域から前記管状構造の前記両端部まで漸次増加する請求項1に記載のシャント。
【請求項5】
前記先端部の前記拡大状態および前記基端部の前記拡大状態は、サイズまたは構成が互いに異なる請求項1に記載のシャント。
【請求項6】
前記直線領域のサイズは、1.218mmから2.036mmの範囲である請求項1に記載のシャント。
【請求項7】
前記シャントは、前記シャントが前記半径方向に圧縮された構成から前記半径方向に拡張された構成になるとき、前記三角形のピークの角度が増加するように構成されている請求項1に記載のシャント。
【請求項8】
前記シャントは、制限されていないときに砂時計形状にヒートセットされている請求項1に記載のシャント。
【請求項9】
前記シャントは、前記シャントの前記基端部および前記先端部の外側領域に配置された固定構造をさらに含む請求項1に記載のシャント。
【請求項10】
患者の治療のためのシャントであって、
ひし形のセルから構成される一連の半径方向バンドを有する管状構造を含み、
前記ひし形のセルは、前記管状構造の対向する端部の間に挟まれた前記管状構造の中間領域におけるひし形のセルよりも、前記対向する端部でより大きく、
前記管状構造は、半径方向に圧縮された構成を有し、ここで、前記管状構造は、均一な直径および特定の長さを有し、
前記管状構造は、半径方向に拡張された構成を有し、ここで、前記対向する端部は前記中間領域の直径よりも大きい直径を有し、かつ、前記特定の長さは短縮されていることを特徴とするシャント。
【請求項11】
シャントを拡張する方法であって、
均一な直径および特定の長さの管状構造であって、セルから構成される複数の半径方向バンドを有する前記管状構造を提供するステップと、ここで、前記管状構造の対向する端部での前記セルは、前記管状構造の中間領域でのセルよりも大きく、
前記管状構造の中にバルーンを挿入するステップと、
前記バルーンを膨張させるステップと、を含み、これにより、前記管状構造の前記対向する端部が前記中間領域の直径よりも大きい直径を有し、かつ、前記管状構造が短縮された長さを有することを特徴とする方法。
【国際調査報告】