特表 2022-519878 エアロゾル生成材料をブレンドした充填材料

(19)【発行国】日本国特許庁(JP)

(12)【公報種別】公表特許公報(A)

(11)【公表番号】

(43)【公表日】2022-03-25

(54)【発明の名称】エアロゾル生成材料をブレンドした充填材料

(51)【国際特許分類】

   A24B 15/12 20060101AFI20220317BHJP

   A24B 15/167 20200101ALI20220317BHJP

   A24B 15/24 20060101ALI20220317BHJP

【ＦＩ】

A24B15/12

A24B15/167

A24B15/24

【審査請求】未請求

【予備審査請求】未請求

(21)【出願番号】P 2021546669

(86)(22)【出願日】2020-02-11

(85)【翻訳文提出日】2021-10-01

(86)【国際出願番号】 US2020017730

(87)【国際公開番号】W WO2020167816

(87)【国際公開日】2020-08-20

(31)【優先権主張番号】62/803,886

(32)【優先日】2019-02-11

(33)【優先権主張国・地域又は機関】US

(81)【指定国・地域】

(71)【出願人】

【識別番号】521190440

【氏名又は名称】エスダブリュエム ルクセンブルク

(74)【代理人】

【識別番号】110001379

【氏名又は名称】特許業務法人 大島特許事務所

(72)【発明者】

【氏名】ルソー、セドリック

(72)【発明者】

【氏名】ジャルダン、セドリック

(72)【発明者】

【氏名】ビゴ、ドリアーヌ

【テーマコード（参考）】

4B043

【Ｆターム（参考）】

4B043BA69

4B043BB01

4B043BB16

4B043BB25

4B043BC06

4B043BC24

4B043BC26

4B043BC32

(57)【要約】

本開示は、少なくとも２種類の互いに異なる植物繊維の組み合わせを含む再構成植物材料を含有するエアロゾル生成材料を提供する。再構成植物材料は、（１）（ａ）大麻の葉、大麻の茎、大麻の芽、大麻の花、大麻の種子、大麻抽出の副産物もしくは残渣、またはそれらの任意の組み合わせを含む抽出された大麻繊維、（ｂ）抽出された植物繊維、または（ｃ）それらの混合物と、（２）（ａ）タバコの葉、タバコの茎、タバコ抽出の副産物、またはそれらの組み合わせを含む抽出されたタバコ繊維、（ｂ）抽出されたハーブ植物繊維、または（ｃ）それらの混合物と、の組み合わせを含む。
【選択図】なし

【特許請求の範囲】

【請求項1】

エアロゾル生成材料であって、
少なくとも２種類の互いに異なる植物繊維の組み合わせを含む再構成植物材料を含有し、
前記再構成植物材料は、
（１）（ａ）大麻の葉、大麻の茎、大麻の芽、大麻の花、大麻の種子、大麻抽出の副産物もしくは残渣、またはそれらの任意の組み合わせを含む抽出された大麻繊維、
（ｂ）抽出された植物繊維、または（ｃ）それらの混合物と、
（２）（ａ）タバコの葉、タバコの茎、タバコ抽出の副産物、またはそれらの組み合わせを含む抽出されたタバコ繊維、（ｂ）抽出されたハーブ植物繊維、または（ｃ）それらの混合物と、
の組み合わせを含む、エアロゾル生成材料。

【請求項2】

請求項１に記載のエアロゾル生成材料であって、
前記再構成植物材料は、前記抽出された大麻繊維と、前記抽出されたタバコ繊維との組み合わせを含む、エアロゾル生成材料。

【請求項3】

請求項１または２に記載のエアロゾル生成材料であって、
前記再構成植物材料は、前記抽出された植物繊維と、前記抽出されたタバコ繊維との組み合わせを含む、エアロゾル生成材料。

【請求項4】

請求項１または２に記載のエアロゾル生成材料であって、
前記再構成植物材料は、前記抽出された大麻繊維と、前記抽出された植物繊維との混合物を含む、エアロゾル生成材料。

【請求項5】

請求項１～４のいずれかに記載のエアロゾル生成材料であって、
前記再構成植物材料は、前記抽出されたハーブ植物繊維を含み、
前記抽出されたハーブ植物繊維は、コーヒー、茶、つる植物、ショウガ、イチョウ、カモミール、トマト、ツタ、マテ、ルイボス、キュウリ、穀物、ウコン、クローブ、甘草、ビャクダン、シナモン、ミント、シラントロ、クミン、タイム、またはそれらの任意の組み合わせから得られる、エアロゾル生成材料。

【請求項6】

請求項１～５のいずれかに記載のエアロゾル生成材料であって、
前記再構成植物材料は、ウェブ構築繊維をさらに含む、エアロゾル生成材料。

【請求項7】

請求項６に記載のエアロゾル生成材料であって、
前記ウェブ構築繊維は、脱リグニン化セルロース繊維を含み、
前記ウェブ構築繊維は、亜麻繊維、麻繊維、アバカ繊維、針葉樹繊維、広葉樹繊維、竹繊維、ココナッツ繊維、ラミー繊維、ジュート繊維、またはそれらの任意の組み合わせを含む、エアロゾル生成材料。

【請求項8】

請求項６または７に記載のエアロゾル生成材料であって、
前記ウェブ構築繊維は、前記再構成植物材料に、３重量％超の量、５重量％超の量、または８重量％超の量、かつ、４０重量％未満の量で含まれる、エアロゾル生成材料。

【請求項9】

請求項１～８のいずれかに記載のエアロゾル生成材料であって、
前記再構成植物材料は、保湿剤で処理されている、エアロゾル生成材料。

【請求項10】

請求項９に記載のエアロゾル生成材料であって、
前記保湿剤は、グリセロール、プロピレングリコール、またはそれらの組み合わせを含む、エアロゾル生成材料。

【請求項11】

請求項９または１０に記載のエアロゾル生成材料であって、
前記保湿剤は、前記再構成植物材料に、５重量％以下の量で含まれる、エアロゾル生成材料。

【請求項12】

請求項９または１０に記載のエアロゾル生成材料であって、
前記保湿剤は、前記再構成植物材料に、５重量％以上、１０重量％以上、または１５重量％以上、かつ、５０重量％以下の量で含まれる、エアロゾル生成材料。

【請求項13】

請求項１、２、または４に記載のエアロゾル生成材料であって、
前記抽出された大麻繊維は、テトラヒドロカンナビノールを０．３重量％未満の量で含有する、エアロゾル生成材料。

【請求項14】

請求項１～１３のいずれかに記載のエアロゾル生成材料であって、
前記再構成植物材料に適用されるエアロゾル送達組成物をさらに含み、
前記エアロゾル送達組成物は、エアロゾル送達物質を含む、エアロゾル生成材料。

【請求項15】

請求項１４に記載のエアロゾル生成材料であって、
前記エアロゾル送達物質は、薬剤または香料を含む、エアロゾル生成材料。

【請求項16】

請求項１４に記載のエアロゾル生成材料であって、
前記エアロゾル送達組成物は、油または固形分を含む、エアロゾル生成材料。

【請求項17】

請求項１４に記載のエアロゾル生成材料であって、
前記エアロゾル送達物質は、ニコチン、テトラヒドロカンナビノール、カンナビジオール、またはそれらの任意の組み合わせを含む、エアロゾル生成材料。

【請求項18】

請求項１４に記載のエアロゾル生成材料であって、
前記エアロゾル送達物質は、糖類、甘草抽出物、蜂蜜、コーヒー抽出物、メープルシロップ、茶抽出物、植物抽出物、タバコ抽出物、または果実抽出物を含む、エアロゾル生成材料。

【請求項19】

請求項１４に記載のエアロゾル生成材料であって、
前記エアロゾル送達組成物は、テルペンのブレンドを含む、エアロゾル生成材料。

【請求項20】

請求項１４～１９のいずれかに記載のエアロゾル生成材料であって、
前記エアロゾル送達組成物は、前記再構成植物材料に、１重量％超の量、３重量％超の量、５％超の量、１０重量％超の量、１５重量％超の量、２０重量％超の量、２５％超の量、３０重量％超の量、３５重量％超の量、または４０％超の量、かつ、５０重量％未満の量で含まれる、エアロゾル生成材料。

【請求項21】

請求項１～２０のいずれかに記載のエアロゾル生成材料であって、
前記再構成植物材料は、４０ｇｓｍ～１２０ｇｓｍ、または５５ｇｓｍ～８５ｇｓｍの坪量を有する、エアロゾル生成材料。

【請求項22】

請求項１～２１のいずれかに記載のエアロゾル生成材料であって、
当該エアロゾル生成材料は、前記再構成植物材料のストリップ、細片、またはそれらの組み合わせからなる充填材料を含む、エアロゾル生成材料。

【請求項23】

喫煙物品であって、
喫煙可能なロッドと、
前記喫煙可能なロッドを包装する包装材料と、を含み、
前記喫煙可能なロッドは、請求項１～２２のいずれかに記載のエアロゾル生成材料を含む、喫煙物品。

【請求項24】

請求項２３に記載の喫煙物品であって、
前記包装材料は、当該喫煙物品の軸方向に沿って、所定の間隔を隔てて配置された複数の低延焼性領域を含み、
前記低延焼性領域は、２３°Ｃで０．５ｃｍ／ｓ未満の拡散率を有する、喫煙物品。

【請求項25】

請求項２４に記載の喫煙物品であって、
前記低延焼性領域は、前記包装材料に低延焼性組成物を適用することによって形成されている、喫煙物品。

【請求項26】

請求項２３～２５のいずれかに記載の喫煙物品であって、
ＡＳＴＭ規格Ｅ２１８７－０９に従って試験したときに、当該喫煙物品の少なくとも７５％が自己消火するように構成された、喫煙物品。

【請求項27】

喫煙物品であって、
チャンバと、
加熱装置と、を含み、
前記チャンバは、請求項１～２２のいずれかに記載のエアロゾル生成材料を収容し、
前記加熱装置は、前記エアロゾル生成材料を燃焼させることなく加熱することによって、吸入可能なエアロゾルを生成することができるように配置されている、喫煙物品。

【請求項28】

エアロゾル生成材料であって、
再構成植物材料を含み、
前記再構成植物材料は、（１）（ａ）大麻の葉、大麻の茎、大麻の芽、大麻の花、大麻の種子、大麻抽出の副産物もしくは残渣、またはそれらの任意の組み合わせを含む抽出された大麻繊維、（ｂ）抽出された植物繊維、または（ｃ）それらの混合物を含み、
前記再構成植物材料は、（１）タバコの葉、タバコの茎、タバコ抽出の副産物、またはそれらの組み合わせを含む抽出されたタバコ材料、（２）ハーブ材料、または（３）それらの混合物と、ブレンドされている、エアロゾル生成材料。

【請求項29】

請求項２８に記載のエアロゾル生成材料であって、
前記再構成植物材料は、前記抽出された大麻繊維を含む、エアロゾル生成材料。

【請求項30】

請求項２８に記載のエアロゾル生成材料であって、
前記再構成植物材料は、前記抽出された植物繊維を含む、エアロゾル生成材料。

【請求項31】

請求項２８に記載のエアロゾル生成材料であって、
前記再構成植物材料は、前記抽出された大麻繊維と、前記抽出された植物繊維との混合物を含む、エアロゾル生成材料。

【請求項32】

請求項２８～３１のいずれかに記載のエアロゾル生成材料であって、
前記再構成植物材料は、前記タバコ材料とブレンドされている、エアロゾル生成材料。

【請求項33】

請求項２８～３２のいずれかに記載のエアロゾル生成材料であって、
前記再構成植物材料は、前記ハーブ材料とブレンドされており、
前記ハーブ材料料は、コーヒー、茶、つる植物、ショウガ、イチョウ、カモミール、トマト、ツタ、マテ、ルイボス、キュウリ、穀物、ウコン、クローブ、甘草、ビャクダン、シナモン、ミント、シラントロ、クミン、タイム、またはそれらの任意の組み合わせを含む、エアロゾル生成材料。

【請求項34】

請求項２８～３３のいずれかに記載のエアロゾル生成材料であって、
前記再構成植物材料は、ウェブ構築繊維をさらに含む、エアロゾル生成材料。

【請求項35】

請求項３４に記載のエアロゾル生成材料であって、
前記ウェブ構築繊維は、脱リグニン化セルロース繊維を含み、
前記ウェブ構築繊維は、亜麻繊維、麻繊維、アバカ繊維、針葉樹繊維、広葉樹繊維、竹繊維、ココナッツ繊維、ラミー繊維、ジュート繊維、またはそれらの任意の組み合わせを含む、エアロゾル生成材料。

【請求項36】

請求項３４または３５に記載のエアロゾル生成材料であって、
前記ウェブ構築繊維は、前記再構成植物材料に、３重量％超の量、５重量％超の量、または８重量％超の量、かつ、４０重量％未満の量で含まれる、エアロゾル生成材料。

【請求項37】

請求項２８～３６のいずれかに記載のエアロゾル生成材料であって、
前記再構成植物材料は、保湿剤で処理されている、エアロゾル生成材料。

【請求項38】

請求項３７に記載のエアロゾル生成材料であって、
前記保湿剤は、グリセロール、プロピレングリコール、またはそれらの組み合わせを含む、エアロゾル生成材料。

【請求項39】

請求項３７または３８に記載のエアロゾル生成材料であって、
前記保湿剤は、前記再構成植物材料に、５重量％以下の量で含まれる、エアロゾル生成材料。

【請求項40】

請求項３７または３８に記載のエアロゾル生成材料であって、
前記保湿剤は、前記再構成植物材料に、５重量％以上、１０重量％以上、または１５重量％以上、かつ、５０重量％以下の量で含まれる、エアロゾル生成材料。

【請求項41】

請求項２８～４０のいずれかに記載のエアロゾル生成材料であって、
前記再構成植物材料に適用されるエアロゾル送達組成物をさらに含み、
前記エアロゾル送達組成物は、エアロゾル送達物質を含む、エアロゾル生成材料。

【請求項42】

請求項４１に記載のエアロゾル生成材料であって、
前記エアロゾル送達物質は、薬剤または香料を含む、エアロゾル生成材料。

【請求項43】

請求項４１に記載のエアロゾル生成材料であって、
前記エアロゾル送達組成物は、油または固形分を含む、エアロゾル生成材料。

【請求項44】

請求項４１に記載のエアロゾル生成材料であって、
前記エアロゾル送達物質は、ニコチン、テトラヒドロカンナビノール、カンナビジオール、またはそれらの任意の組み合わせを含む、エアロゾル生成材料。

【請求項45】

請求項４１に記載のエアロゾル生成材料であって、
前記エアロゾル送達物質は、糖類、甘草抽出物、蜂蜜、コーヒー抽出物、メープルシロップ、茶抽出物、植物抽出物、タバコ抽出物、または果実抽出物を含む、エアロゾル生成材料。

【請求項46】

請求項４１～４５のいずれかに記載のエアロゾル生成材料であって、
前記エアロゾル送達組成物は、前記再構成植物材料に、１重量％超の量、３重量％超の量、５％超の量、１０重量％超の量、１５重量％超の量、２０重量％超の量、２５％超の量、３０重量％超の量、３５重量％超の量、または４０％超の量、かつ、５０重量％未満の量で含まれる、エアロゾル生成材料。

【請求項47】

請求項２８～４６のいずれかに記載のエアロゾル生成材料であって、
前記再構成植物材料は、４０ｇｓｍ～１２０ｇｓｍ、または５５ｇｓｍ～８５ｇｓｍの坪量を有する、エアロゾル生成材料。

【請求項48】

請求項２８～４７のいずれかに記載のエアロゾル生成材料であって、
前記再構成植物材料は、当該エアロゾル生成材料に、１０重量％超の量、２０重量％超の量、３０重量％超の量、４０重量％超の量、５０重量％超の量、または６０重量％超の量、かつ、９０重量％未満の量、８０重量％未満の量、または７０重量％未満の量で含まれる、エアロゾル生成材料。

【請求項49】

請求項２８～４８のいずれかに記載のエアロゾル生成材料であって、
当該エアロゾル生成材料は、前記再構成植物材料のストリップ、細片、またはそれらの組み合わせからなる充填材料を含む、エアロゾル生成材料。

【請求項50】

請求項２９に記載のエアロゾル生成材料であって、
前記抽出された大麻繊維は、追加の水溶性抽出による大麻抽出副産物を含む、エアロゾル生成材料。

【請求項51】

請求項３２に記載のエアロゾル生成材料であって、
前記再構成植物材料は、前記抽出された植物繊維を含み、
前記抽出された植物繊維は、タバコ繊維を含み、
当該エアロゾル生成材料は、エアロゾル送達物質を含むエアロゾル送達組成物をさらに含み、
前記エアロゾル送達物質は、ニコチン、テトラヒドロカンナビノール、カンナビジオール、またはそれらの任意の組み合わせを含む、エアロゾル生成材料。

【請求項52】

喫煙物品であって、
喫煙可能なロッドと、
前記喫煙可能なロッドを包装する包装材料と、を含み、
前記喫煙可能なロッドは、請求項２８～５１のいずれかに記載のエアロゾル生成材料を含む、喫煙物品。

【請求項53】

請求項５２に記載の喫煙物品であって、
前記包装材料は、当該喫煙物品の軸方向に沿って、所定の間隔を隔てて配置された複数の低延焼性領域を含み、
前記低延焼性領域は、２３°Ｃで０．５ｃｍ／ｓ未満の拡散率を有する、喫煙物品。

【請求項54】

請求項５３に記載の喫煙物品であって、
前記低延焼性領域は、前記包装材料に低延焼性組成物を適用することによって形成されている、喫煙物品。

【請求項55】

請求項５２～５４のいずれかに記載の喫煙物品であって、
ＡＳＴＭ規格Ｅ２１８７－０９に従って試験したときに、当該喫煙物品の少なくとも７５％が自己消火するように構成された、喫煙物品。

【請求項56】

喫煙物品であって、
チャンバと、
加熱装置と、を含み、
前記チャンバは、請求項２８～５１のいずれかに記載のエアロゾル生成材料を収容し、
前記加熱装置は、前記エアロゾル生成材料を燃焼させることなく加熱することによって、吸入可能なエアロゾルを生成することができるように配置されている、喫煙物品。

【発明の詳細な説明】

【技術分野】

【0001】

本出願は、２０１９年２月１日出願の米国特許出願第６２／８０３、８８６号に基づく優先権を主張するものである。上記両出願の開示内容は、参照により本明細書中に援用される。

【背景技術】

【0002】

シガレット、シガー、パイプなどの従来の喫煙物品は、タバコ材料を、該材料から揮発性化合物を放出させることができる温度で燃焼させる。ユーザに送達される主流煙は、特徴的な楽しめる味を有するだけでなく、肺を通じて血液中に吸収される活性化合物をユーザに送達することができ、これにより、喫煙者に心地良さ及び心を落ち着かせる効果を与えることができる。しかしながら、従来、喫煙物品からユーザに送達される活性化合物（例えば、ニコチン）の量を制御することは困難であった。また、喫煙物品に含まれる活性化合物の量を変更するとともに、味や香りなどの良好な感覚特性を維持することは、さらに困難であった。

【0003】

ニコチンなどの活性物質の量を制御するための様々な方法が提案されている。例えば、タバコからニコチンを除去する方法としては、化学的に抽出する方法がある。ニコチンは、例えば、コーヒー豆からカフェインを除去するのと同様の比較的過酷な溶媒抽出プロセスを用いて、タバコから除去することができる。しかしながら、このニコチン抽出プロセスは、ニコチンを除去するだけでなく、タバコ材料から他の様々な成分も除去してしまう。例えば、このニコチン抽出プロセスは、風味も除去してしまい、タバコの味に悪影響をもたらす。また、このニコチン抽出プロセスは、比較的高価であり、かつ時間がかかる。

【0004】

このニコチン抽出プロセスに加えて、最近、ニコチン濃度が本質的に低い遺伝子組換えタバコが開発された。しかしながら、遺伝子組換えタバコは、栽培や収穫にコストがかかるだけでなく、通常のタバコとの交雑による汚染を受けやすい。例えば、他家受粉すると、遺伝子組み換え植物の低ニコチン濃度が失われてしまう。このため、遺伝子組み換え植物は、他のタバコ作物から完全に隔離した場所で栽培する必要がある。

【0005】

さらに、喫煙物品が大麻及び／またはヘンプを含む場合、活性化合物及び／または香料化合物の変更はさらに困難である。これは、良好なまたは本物の味を維持しながら、テトラヒドロカンナビノール（ＴＨＣ）及び／またはカンナビジオール（ＣＢＤ）の量を制限または調節することが困難だからである。例えば、ＴＨＣ及び／またはＣＢＤの送達量は、エアロゾルまたは煙を生成するために使用される特定の植物や特定の植物の部分に応じて著しく異なる。また、例えば、大麻材料を単に巻き紙で巻くだけでも、使用する紙、包装密度、使用される植物の部分、植物を用意する方法などの様々な因子に基づいて、送達量は著しく不均一になる。さらに、ＴＨＣ及びＣＢＤに加えて、大麻は、６０種類以上のカンナビノイド化合物と、４００種類以上の他の化合物を含有しており、それらは、製品に悪い味及び／または過酷な喫煙経験を与える可能性がある。

【0006】

さらに、再構成材料の味及び活性物質の含有量を制御するのが困難であることが判明しているので、エアロゾル生成物品において利用可能なブレンドや多様性も不足している。特に、２種類以上のエアロゾル生成材料を使用して、満足なまたは自然な味や匂いなどの良好な感覚特性を維持しながら、喫煙物品中に含まれる活性化合物の量を制御した可燃物品を形成するためのブレンドが不足している。

【0007】

上記の観点から、２種類以上の植物源または植物材料からの繊維またはエアロゾル生成材料を組み合わせた可燃性材料またはエアロゾル生成材料が現在求められている。また、エアロゾル生成材料に含まれる少なくとも１種類の活性化合物の量を制御するかまたは最小限に抑えた、２種類以上の植物からの繊維及び／またはエアロゾル生成材料を組み合わせた可燃性材料またはエアロゾル生成材料を提供することも有益であろう。さらに、少なくとも１種類の活性化合物の量を最小限に抑えながら、自然なまたは快適な感覚特性も維持することができるエアロゾル生成材料を提供することも有益であろう。

【発明の概要】

【課題を解決するための手段】

【0008】

一般的に、本開示は、少なくとも２種類の互いに異なる植物繊維の組み合わせを含む再構成植物材料を含有するエアロゾル生成材料に関する。再構成植物材料は、（１）（ａ）大麻の葉、大麻の茎、大麻の芽、大麻の花、大麻の種子、大麻抽出の副産物もしくは残渣、またはそれらの任意の組み合わせを含む抽出された大麻繊維、（ｂ）抽出された植物繊維、または（ｃ）それらの混合物と、（２）（ａ）タバコの葉、タバコの茎、タバコ抽出の副産物、またはそれらの組み合わせを含む抽出されたタバコ繊維、（ｂ）抽出されたハーブ植物繊維、または（ｃ）それらの混合物と、の組み合わせを含む。

【0009】

一実施形態では、再構成植物材料は、抽出された大麻繊維と、抽出されたタバコ繊維との組み合わせを含む。それに加えて、またはその代わりに、再構成植物材料は、抽出された植物繊維と、抽出されたタバコ繊維との組み合わせを含む。また、一実施形態では、再構成植物材料は、抽出された大麻繊維と、抽出された植物繊維との混合物を含む。さらに、さらに別の実施形態では、再構成植物材料は、抽出されたハーブ植物繊維を含み、抽出されたハーブ植物繊維は、コーヒー、茶、つる植物、ショウガ、イチョウ、カモミール、トマト、ツタ、マテ、ルイボス、キュウリ、穀物、ウコン、クローブ、甘草、ビャクダン、シナモン、ミント、シラントロ、クミン、タイム、またはそれらの任意の組み合わせから得られる。

【0010】

それに加えて、またはその代わりに、再構成植物材料は、ウェブ構築繊維をさらに含む。さらに、ウェブ構築繊維は、亜麻繊維、麻繊維、アバカ繊維、針葉樹繊維、広葉樹繊維、竹繊維、ココナッツ繊維、ラミー繊維、ジュート繊維、またはそれらの任意の組み合わせを含む。一実施形態では、ウェブ構築繊維を含む場合、ウェブ構築繊維は、再構成植物材料に、３重量％超の量、５重量％超の量、または８重量％超の量、かつ、４０重量％未満の量で含まれる。

【0011】

一実施形態では、再構成植物材料は、保湿剤で処理されている。一実施形態では、保湿剤は、グリセロール、プロピレングリコール、またはそれらの組み合わせを含む。さらに、一実施形態では、保湿剤は、再構成植物材料に、５重量％以下の量で含まれる。あるいは、保湿剤は、再構成植物材料に、５重量％以上、１０重量％以上、または１５重量％以上、かつ、５０重量％以下の量で含まれる。

【0012】

一実施形態では、抽出された大麻繊維は、テトラヒドロカンナビノールを０．３重量％未満の量で含有する。

【0013】

さらなる実施形態では、再構成植物材料に適用されるエアロゾル送達組成物をさらに含み、エアロゾル送達組成物は、エアロゾル送達物質を含む。一実施形態では、エアロゾル送達物質は、薬剤または香料を含む。さらなる実施形態では、エアロゾル送達組成物は、油または固形分を含む。また、さらなる実施形態では、エアロゾル送達物質は、ニコチン、テトラヒドロカンナビノール、カンナビジオール、またはそれらの任意の組み合わせを含む。それに加えて、またはその代わりに、エアロゾル送達物質は、糖類、甘草抽出物、蜂蜜、コーヒー抽出物、メープルシロップ、茶抽出物、植物抽出物、タバコ抽出物、または果実抽出物を含む。一態様では、エアロゾル送達組成物は、テルペンのブレンドを含む。高品質の大麻製品を示す独特の芳香を付与するために、再構成大麻材料にテルペンまたはテルペンのブレンドを添加してもよい。再構成大麻材料に添加され得るテルペンとしては、ピネン、フムレン、ｂ－カリオフィレン、イソプレゴール、グアイオール、ネリルアセテート、ネオメンチルアセテート、リモネン、メントン、ジヒドロジャスモン、テルピノレン、メントール、フェランドレン、テルピネン、ゲラニルアセテート、オシメン、ミルセン、１，４－シネオール、３－カレン、リナロール、メントフラン、ペリリルアルコール、ピナン、ネオメンチルアセチルなどが挙げられる。

【0014】

一実施形態では、エアロゾル送達組成物を含む場合、エアロゾル送達組成物は、再構成植物材料に、１重量％超の量、３重量％超の量、５％超の量、１０重量％超の量、１５重量％超の量、２０重量％超の量、２５％超の量、３０重量％超の量、３５重量％超の量、または４０％超の量、かつ、５０重量％未満の量で含まれる。

【0015】

一実施形態では、再構成植物材料は、４０ｇｓｍ～１２０ｇｓｍ、または５５ｇｓｍ～８５ｇｓｍの坪量を有する。

【0016】

それに加えて、またはその代わりに、エアロゾル生成材料は、再構成植物材料のストリップ、細片、またはそれらの組み合わせからなる充填材料の形態をとる。

【0017】

一般的に、本開示は、喫煙物品をさらに提供する。本開示の喫煙物品は、喫煙可能なロッドと、喫煙可能なロッドを包装する包装材料と、を含み、喫煙可能なロッドは、上記の実施形態のいずれかのエアロゾル生成材料を含む。一実施形態では、包装材料は、喫煙物品の軸方向に沿って、所定の間隔を隔てて配置された複数の低延焼性領域を含み、低延焼性領域は、２３°Ｃで０．５ｃｍ／ｓ未満の拡散率を有する。一実施形態では、低延焼性領域は、包装材料に低延焼性組成物を適用することによって形成されている。さらなる実施形態では、本開示の喫煙物品は、ＡＳＴＭ規格Ｅ２１８７－０９に従って試験したときに、喫煙物品の少なくとも７５％が自己消火するように構成されている。

【0018】

一般的に、本開示は、上記の実施形態のいずれかのエアロゾル生成材料を収容するチャンバと、加熱装置と、を含む、喫煙物品をさらに提供する。加熱装置は、エアロゾル生成材料を燃焼させることなく加熱することによって、吸入可能なエアロゾルを生成することができるように配置されている。

【0019】

さらに、本開示は、再構成植物材料を含むエアロゾル生成材料をさらに提供する。再構成植物材料は、（１）（ａ）大麻の葉、大麻の茎、大麻の芽、大麻の花、大麻の種子、大麻抽出の副産物もしくは残渣、またはそれらの任意の組み合わせを含む抽出された大麻繊維、（ｂ）抽出された植物繊維、または（ｃ）それらの混合物を含む。再構成植物材料は、（１）タバコの葉、タバコの茎、タバコ抽出の副産物、またはそれらの組み合わせを含む抽出されたタバコ材料、（２）ハーブ材料、または（３）それらの混合物と、ブレンドされている。

【0020】

例えば、一実施形態では、再構成植物材料は、抽出された大麻繊維を含む。それに加えて、またはその代わりに、再構成植物材料は、抽出された植物繊維を含む。また、一実施形態では、再構成植物材料は、抽出された大麻繊維と、抽出された植物繊維との混合物を含む。それに加えて、またはその代わりに、再構成植物材料は、タバコ材料とブレンドされている。さらに、別の実施形態では、再構成植物材料は、ハーブ材料とブレンドされており、ハーブ材料料は、コーヒー、茶、つる植物、ショウガ、イチョウ、カモミール、トマト、ツタ、マテ、ルイボス、キュウリ、穀物、ウコン、クローブ、甘草、ビャクダン、シナモン、ミント、シラントロ、クミン、タイム、またはそれらの任意の組み合わせを含む。

【0021】

それに加えて、またはその代わりに、再構成植物材料は、ウェブ構築繊維をさらに含む。さらに、ウェブ構築繊維は、亜麻繊維、麻繊維、アバカ繊維、針葉樹繊維、広葉樹繊維、竹繊維、ココナッツ繊維、ラミー繊維、ジュート繊維、またはそれらの任意の組み合わせを含む。一実施形態では、ウェブ構築繊維を含む場合、ウェブ構築繊維は、再構成植物材料に、３重量％超の量、５重量％超の量、または８重量％超の量、かつ、４０重量％未満の量で含まれる。

【0022】

一実施形態では、再構成植物材料は、保湿剤で処理されている。一実施形態では、保湿剤を使用する場合、保湿剤は、グリセロール、プロピレングリコール、またはそれらの組み合わせを含む。さらに、保湿剤を使用する場合、保湿剤は、再構成植物材料に、５重量％以下の量で含まれる。あるいは、保湿剤は、再構成植物材料に、５重量％以上、１０重量％以上、または１５重量％以上、かつ、５０重量％以下の量で含まれる。

【0023】

一実施形態では、抽出された大麻繊維は、テトラヒドロカンナビノールを０．３重量％未満の量で含有する。

【0024】

さらなる実施形態では、再構成植物材料に適用されるエアロゾル送達組成物をさらに含み、エアロゾル送達組成物は、エアロゾル送達物質を含む。一実施形態では、エアロゾル送達物質は、薬剤または香料を含む。さらなる実施形態では、エアロゾル送達組成物は、油または固形分を含む。また、さらなる実施形態では、エアロゾル送達物質は、ニコチン、テトラヒドロカンナビノール、カンナビジオール、またはそれらの任意の組み合わせを含む。それに加えて、またはその代わりに、エアロゾル送達物質は、糖類、甘草抽出物、蜂蜜、コーヒー抽出物、メープルシロップ、茶抽出物、植物抽出物、タバコ抽出物、または果実抽出物を含む。一態様では、エアロゾル送達組成物は、テルペンのブレンドを含む。高品質の大麻製品を示す独特の芳香を付与するために、再構成大麻材料にテルペンまたはテルペンのブレンドを添加してもよい。再構成大麻材料に添加され得るテルペンとしては、ピネン、フムレン、ｂ－カリオフィレン、イソプレゴール、グアイオール、ネリルアセテート、ネオメンチルアセテート、リモネン、メントン、ジヒドロジャスモン、テルピノレン、メントール、フェランドレン、テルピネン、ゲラニルアセテート、オシメン、ミルセン、１，４－シネオール、３－カレン、リナロール、メントフラン、ペリリルアルコール、ピナン、ネオメンチルアセチルなどが挙げられる。

【0025】

一実施形態では、エアロゾル送達組成物を含む場合、エアロゾル送達組成物は、再構成植物材料に、１重量％超の量、３重量％超の量、５％超の量、１０重量％超の量、１５重量％超の量、２０重量％超の量、２５％超の量、３０重量％超の量、３５重量％超の量、または４０％超の量、かつ、５０重量％未満の量で含まれる。

【0026】

一実施形態では、再構成植物材料は、４０ｇｓｍ～１２０ｇｓｍ、または５５ｇｓｍ～８５ｇｓｍの坪量を有する。

【0027】

それに加えて、またはその代わりに、エアロゾル生成材料は、再構成植物材料のストリップ、細片、またはそれらの組み合わせからなる充填材料の形態をとる。

【0028】

一般的に、本開示は、喫煙物品をさらに提供する。本開示の喫煙物品は、喫煙可能なロッドと、喫煙可能なロッドを包装する包装材料と、を含み、喫煙可能なロッドは、上記の実施形態のいずれかのエアロゾル生成材料を含む。一実施形態では、包装材料は、喫煙物品の軸方向に沿って、所定の間隔を隔てて配置された複数の低延焼性領域を含み、低延焼性領域は、２３°Ｃで０．５ｃｍ／ｓ未満の拡散率を有する。一実施形態では、低延焼性領域は、包装材料に低延焼性組成物を適用することによって形成されている。さらなる実施形態では、本開示の喫煙物品は、ＡＳＴＭ規格Ｅ２１８７－０９に従って試験したときに、喫煙物品の少なくとも７５％が自己消火するように構成されている。

【0029】

一般的に、本開示は、上記の実施形態のいずれかのエアロゾル生成材料を収容するチャンバと、加熱装置と、を含む、喫煙物品をさらに提供する。加熱装置は、エアロゾル生成材料を燃焼させることなく加熱することによって、吸入可能なエアロゾルを生成することができるように配置されている。

【0030】

本発明の他の特徴及び態様は、以下に詳細に説明される。

【図面の簡単な説明】

【0031】

当業者を対象にした本発明の完全かつ実現可能な開示が、添付図面を参照して、本明細書の残りの部分により詳細に説明される。

【0032】

【図1】本開示の包装材料を組み込んだ喫煙物品の一実施形態の斜視図である。

【図2】図１に示した喫煙物品の分解図である。

【0033】

本明細書及び図面において繰り返し用いられる参照符号は、本発明の同一または類似の特徴または要素を表すことを意図している。

【発明を実施するための形態】

【0034】

定義

【0035】

本明細書で使用するとき、「再構成植物材料」とは、カカオシェル（カカオ豆の外皮）などの植物原料を溶媒で抽出して、水溶性抽出物などの可溶性の抽出物と、繊維材料を含む不溶性の部分または残渣（不溶性の繊維材料）とを抽出するプロセスによって形成される材料を指す。抽出された不溶性の繊維材料は、その後、任意の適切なプロセスによってシートに形成される。可溶性の抽出物は、廃棄されるか、または、上記の形成されたシートに再適用され得る。可溶性の抽出物は、繊維材料に再適用する前に、該抽出物を濃縮するための、または、任意選択で様々な成分を除去または添加するための様々なプロセスに供してもよい。本開示では、再構成植物材料は、抽出されたカカオハスク繊維（不溶性の繊維材料）を、セルロース繊維などのウェブ構築繊維と組み合わせることによって形成される。カカオシェルから得られた可溶性の抽出物は、任意選択でシートに再適用される。

【0036】

本明細書で使用するとき、「エアロゾル生成材料」とは、喫煙物品内で燃焼される可燃性材料と、加熱されるが燃焼されずに吸入可能なエアロゾルを生成するエアロゾル生成材料との両方を含むことを意味する。可燃性の喫煙物品としては、シガレット、シガリロ、シガーなどが挙げられる。シガレットでは、エアロゾル生成材料は、喫煙可能なロッドを形成するために包装材料によって包装される。エアロゾルを生成するためのエアロゾル生成装置としては、例えば、電気的加熱、または可燃性燃料要素または熱源からの熱の伝達によってエアロゾル生成材料を燃焼させることなく加熱し、それにより、該材料から揮発性化合物を放出させることによってエアロゾルを生成する装置が挙げられる。エアロゾル生成材料から放出された揮発性化合物は、冷却されると凝縮してエアロゾルとなり、喫煙者に吸入される。

【0037】

本明細書で使用するとき、「抽出された植物繊維」とは、植物繊維に含まれている水溶性成分を除去するために、植物繊維を水溶液と接触させる抽出プロセスを経た植物繊維を指す。この抽出プロセスは、脱リグニンプロセスや漂白処理とは異なるプロセスである。

【0038】

本明細書で使用するとき、「抽出されたタバコ繊維」とは、タバコ繊維に含まれている水溶性成分を除去するために、タバコ繊維、例えば柄または茎、及び任意選択で葉を水溶液と接触させる抽出プロセスを経たタバコ繊維を指す。この抽出プロセスは、脱リグニンプロセスや漂白処理とは異なるプロセスである。

【0039】

本明細書で使用するとき、「抽出されたハーブ植物繊維」とは、ハーブ植物に含まれている水溶性成分を除去するために、ハーブ植物を水溶液と接触させる抽出プロセスを経たハーブ植物繊維を指す。この抽出プロセスは、脱リグニンプロセスや漂白処理とは異なるプロセスである。

【0040】

本明細書で使用するとき、「抽出された大麻繊維」及び／または「抽出されたヘンプ繊維」とは、大麻に含まれている水溶性成分を除去するために、大麻を水溶液と接触させる抽出プロセスを経た大麻繊維を指す。この抽出プロセスは、脱リグニンプロセスや漂白処理とは異なるプロセスである。本明細書でより詳細に説明するように、大麻は、平均レベルもしくは高レベルのＴＨＣ及び／またはＣＢＤを含有するマリファナ、低レベルもしくは非常に低レベルのＴＨＣを含有するヘンプ、０．３％未満のＴＨＣを含有する大麻植物である工業用ヘンプ、またはそれらの任意の組み合わせを含む。

【0041】

本明細書で使用するとき、「抽出された副産物」とは、相当量の水溶性成分を除去することなく、カンナビノイドなどの選択された成分を除去するための抽出プロセスが施された大麻バイオマスを指す。抽出された副産物は、抽出剤がエタノールなどの溶媒、二酸化炭素などの超臨界流体、植物油などの脂質などである抽出プロセスによって得られたバイオマスとも称することができる。本開示によれば、抽出された副生成物は、再構成大麻材料を製造するプロセス中に水溶性成分を除去するための第２の抽出工程を施してもよい。本開示での使用によく適した抽出された副産物は、水溶性成分を、約８重量％超の量、例えば約１２重量％超の量、例えば約１８重量％超の量、または例えば約２４重量％超の量で含有するものを含む。

【0042】

本明細書で使用するとき、「大麻（cannabis）」とは、例えばカンナビスサティバやカンナビスインディカなどの、任意の種類の大麻植物を指す。より具体的には、本開示では、大麻植物の葉、茎、種子、花、または他の任意の部分を、大麻と称する。それにもかかわらず、本明細書で言及される大麻は、平均レベルもしくは高レベルのＴＨＣ及び／またはＣＢＤを含有するマリファナ、低レベルもしくは非常に低レベルのＴＨＣを含有するヘンプ、０．３％未満のＴＨＣを含有する工業用ヘンプ、またはそれらの任意の組み合わせを含む。

【0043】

本明細書で使用するとき、「抽出されたカカオ繊維」及び／または「抽出されたカカオハスク繊維」とは、カカオハスク（カカオの殻）に含まれている水溶性成分を除去するために、カカオハスクを水溶液と接触させる抽出プロセスを経たカカオ繊維またはカカオハスク繊維を指す。この抽出プロセスは、脱リグニンプロセスや漂白処理とは異なるプロセスである。

【0044】

本明細書で使用するとき、「脱リグニン化された」セルロース繊維（例えば、パルプ繊維）とは、化学的手段、機械的手段、または化学的手段と機械的手段との組み合わせによってセルロース繊維を植物材料から分離するパルプ化や脱リグニンプロセスを経た繊維を指す。

【0045】

本明細書で使用するとき、「精製する」という用語は、植物材料が繊維状のシートまたは基材を形成するのに適するように、植物材料の繊維を改質する機械的処理を該材料に施したことを意味するために使用される。精製は、円錐リファイナ、ディスクリファイナ、またはビーター（例えば、バレービーターなど）を使用して行うことができる。この機械的プロセスは、植物材料を研削または叩解し、植物材料を変形させたり、クラスタ分離したりする。精製は、脱リグニンプロセスやパルプ化とは異なるプロセスである。

【0046】

本明細書で使用するとき、基材もしくは再構成植物材料またはエアロゾル生成材料に含まれる「水溶性抽出物の量」は、５グラムのサンプルを沸騰蒸留水中に１０分間入れ、水溶性成分を含む抽出物を得ることによって求められる。溶媒に可溶な抽出物の乾物重量は、元のサンプルの乾物重量と抽出後のサンプルの乾物重量との差から算出される。次いで、乾燥重量の差を用いて、サンプル中の水溶性抽出物の割合を求める。

【0047】

本明細書で使用するとき、「柄（stalk）」という用語は、葉を除去した後に残る植物の主要構造部分を指すために使用される。

【0048】

本明細書で使用するとき、「茎（hurd）」という用語は、葉または葉身を、柄、または、葉を通って延びる葉脈またはリブに接続する、植物の構造部分（例えば、茎（stem））を指すために使用される。「茎」という用語は、「柄」という用語を包含しない（その逆もまた同様である）。

【0049】

詳細な説明

【0050】

本開示が例示的な実施形態の説明にすぎず、本開示のより広範な態様を限定することを意図するものではないことは、当業者には理解できるであろう。

【0051】

本開示は、一般的に、２つ以上の植物源または植物材料に由来する繊維またはエアロゾル生成材料を含む再構成植物材料に関する。例えば、本開示は、少なくとも２種類の互いに異なる植物繊維の混合物を含む再構成植物材料またはエアロゾル生成材料により、良好な感覚特性、例えば心地良い及び／または自然な味を維持するエアロゾル生成材料を作製できること、並びに、植物繊維及び／またはエアロゾル生成材料が由来する植物のうちの少なくとも１つに含まれる１以上の活性化合物を制御できることを予期せずに見出した。例えば、一実施形態では、ニコチン、ＴＨＣ、及びＣＢＤのうちの少なくとも１つの量を天然物と比較して減少させること、または、ニコチン、ＴＨＣ、及びＣＢＤのうちの少なくとも１つをエアロゾル生成材料から除去することができる。また一方、本開示は、抽出された大麻繊維及び抽出されたカカオ繊維のうちの少なくとも１つと、抽出されたタバコ繊維、タバコ材料、抽出されたハーブ植物繊維、及びエアロゾル生成植物材料のうちの少なくとも１つとの組み合わせを使用して再構成植物材料を作製することによって、活性化合物を制御するとともに、良好な感覚特性を維持するエアロゾル生成植物材料を生成することができることを見出した。例えば、本開示によるエアロゾル生成材料は、心地良い、ニュートラルなまたは天然の味または匂いを有することができる。また、本開示によるエアロゾル生成材料は、該材料を喫煙物品や非燃焼加熱式エアロゾル生成装置などのエアロゾル生成物品に組み込んだ場合には、ユーザに送達されるニコチン、ＴＨＣ、またはＣＢＤの量を調節することができる。

【0052】

一実施形態では、エアロゾル生成材料は、少なくとも２種類の互いに異なる植物繊維の混合物を含む再構成植物材料を含む。少なくとも２種類の植物繊維のうちの少なくとも１つの種類は、抽出された大麻繊維及び抽出されたカカオ繊維のうちの少なくとも１つを含み、少なくとも２種類の植物繊維のうちの別の少なくとも１つの種類は、抽出されたタバコ及び抽出されたハーブ植物繊維のうちの少なくとも１つを含む。それに加えて、またはその代わりに、エアロゾル生成材料は、抽出された大麻繊維及び抽出された植物繊維のうちの少なくとも１つから形成された再構成植物材料を含んでもよく、再構成植物材料は、その後、タバコ材料及びハーブ材料のうちの少なくとも１つとブレンドしてもよい。いずれにしても、一実施形態では、再構成植物材料は、加熱または燃焼させたときにエアロゾルを生成するように構成されたばらばらのルーズな充填材料を形成するために、切断または細断してもよい。

【0053】

本開示の再構成植物材料は、多くの利点及びメリットを提供する。例えば、再構成植物材料は、ニコチンを含まない。これは、この再構成植物材料は、加熱または燃焼させたときに、検出可能なレベルのニコチンを含まないエアロゾルを生成することを意味する。加えて、再構成植物材料は、従来のタバコ充填材料と比べて、生成されるタールの量が少なく、不快な味及び／または刺激の強い喫煙体験に寄与する大麻に通常見られるカンナビノイド及び他の化合物をほとんどまたは全く含有しない。加えて、この再構成植物材料は、喫煙したときに非常にニュートラルな味を有し、一実施形態では、心地の良いニュートラルな及び／または天然ハーブの味を有し得る。例えば、再構成植物材料から生成された主流煙またはエアロゾルは、刺激の強い成分を全く含まないのにも関わらず、心地よいニュートラルな味で快適な喫煙またはエアロゾル体験をもたらす。

【0054】

再構成植物材料は、喫煙時にニュートラルな味を有し、かつニコチンを含まないので、再構成植物材料を使用して、ニコチンを含まない喫煙物品を製造することができる。加えて、再構成植物材料は、他の喫煙可能な充填材料及び／または局所添加剤と組み合わせるのに適している。例えば、再構成植物材料は、タバコ材料と組み合わせることにより、ニコチンの量を減少させるとともに消費者が望むタバコの味を有するエアロゾル生成充填材料を形成することができる。例えば、タバコ材料と組み合わせる場合、本開示の再構成植物材料の割合は、ニコチンの量を制御するために増やしたり減らしたりすることができる。タバコ材料と組み合わせる場合、本開示の再構成植物材料は、そのニュートラルな特性に起因して、タバコ材料の味を全く損なうことがない。また、タバコ材料と組み合わせる場合、本開示の再構成植物材料は、ニコチンの量を減少させることに加えて、刺激物の量を減少させることによって、喫煙またはエアロゾル体験を向上させることができる。

【0055】

Ｉ．植物繊維

【0056】

上述したように、本開示の再構成植物材料は、一般的に、抽出された大麻及び／または抽出されたカカオ、及び、任意選択で、抽出されたタバコ及び／またはハーブ材料から作製される。

【0057】

本開示で使用される大麻材料は、茎、芽、花、種子、及び大麻抽出の任意の副産物、例えば大麻残渣、ＴＨＣ、及びＣＢＤ、及び任意選択で柄の成分を含む。一実施形態では、大麻成分は、ＴＨＣ及び／またはＣＢＤの含有量が比較的低い大麻植物から得られる。例えば、大麻成分中のＴＨＣの量は、約１重量％未満、例えば約０．３重量％未満、例えば約０．２重量％未満、または例えば約０．１重量％未満ＴＨＣであり得る。ＴＨＣの含有量が低い植物の大麻成分を使用することにより、様々な利点及びメリットを提供することができる。例えば、ＴＨＣの含有量が低い再構成大麻材料を製造すると、該材料にＴＨＣを局所的に適用することにより、ＴＨＣの送達をより良好に制御することが可能になる。加えて、検出可能な量のＴＨＣを含まない再構成材料を製造すると、該材料により、ＣＢＤ、香料、ニコチンなどの他の活性剤を送達することができる。なお、他の実施形態では、再構成大麻材料は、ＴＨＣまたはＣＢＤの含有量が高い植物、例えば、カンナビスインディカまたはカンナビスサティバの種から作製してもよいことを理解されたい。

【0058】

本開示の再構成大麻材料は、大麻植物の様々な部分、例えば、茎、葉、芽、及び花から製造することができる。大麻植物のこれらの様々な部分は、特定の用途及び所望する結果に応じて、様々な比率及び量で組み合わせることができる。再構成大麻材料は、大麻の葉及び茎のみから製造してもよいし、または、大麻の芽及び花のみから作製してもよい。一実施形態では、再構成大麻材料は、大麻の芽及び／または大麻の花と、大麻の葉及び／または大麻の茎との組み合わせから製造される。例えば、一実施形態では、大麻の葉及び／または大麻の茎と、大麻の芽及び／または大麻の花との重量比は、約１：８～約８：１、例えば約１：５～約５：１、例えば約１：４～約４：１、または例えば約２：１～約１：２であり得る。一実施形態では、この比は、約１：１であり得る。

【0059】

一実施形態では、再構成大麻材料は、大麻の葉及び／または大麻の茎を、約１０重量％超の量、例えば約２０重量％超の量、または例えば約３０重量％超の量、かつ、一般的に約７０重量％未満の量、例えば約６０重量％未満の量、例えば約５０重量％未満の量、または例えば約４０重量％未満の量で含有し得る。同様に、再構成大麻材料は、大麻の芽及び／または大麻の花を、約１０重量％超の量、例えば約２０重量％超の量、例えば約３０重量％超の量、約４０重量％超の量、約５０重量％超の量、または例えば約６０重量％超の量、かつ、一般的に約８０重量％未満の量、例えば約７０重量％未満の量、例えば約６０重量％未満の量、または例えば約５０重量％未満の量で含有し得る。

【0060】

一態様では、再構成大麻材料を製造するために収集された大麻成分の少なくとも一部は、大麻抽出副産物である。大麻抽出副産物には、植物から所望の成分を除去するための第１の抽出プロセスを既に施したが、相当量の水溶性成分が除去されていない大麻バイオマスが含まれる。例えば、大麻抽出副産物は、ＴＨＣやＣＢＤなど大麻植物材料から１種類以上のカンナビノイドを抽出した後に残るバイオマスであり得る。これらの種類の抽出プロセスは、様々な溶媒や超臨界流体を使用することができる。例えば、一実施形態では、抽出された副産物は、大麻材料を粉砕し、溶媒と混合させる大麻抽出プロセスによって得られる。溶媒は、例えば、エタノールなどのアルコール、有機エステル、石油由来の炭化水素（例えば、トルエンやトリメチルペンタンなど）、または、脂質（例えば、植物油）であり得る。植物油としては、サフラワー油やココナッツ油などが挙げられる。別の実施形態では、抽出プロセス中に、大麻植物材料を二酸化炭素などの超臨界流体と接触させてもよい。一般的に、抽出プロセスは、植物材料を所望のサイズに粉砕または切断するステップと、その後に、その植物材料を溶媒または超臨界流体などの抽出剤と接触させるステップとを含む。植物材料は、溶媒との接触中に加熱してもよい。例えば、超臨界流体と接触させる場合、温度は約３１°Ｃ～約８０°Ｃ、圧力は約７．５メガパスカル～約５０メガパスカル（約７５バール～約５００バール）であり得る。

【0061】

抽出された副産物を大麻成分の一部として使用することにより、様々な利点が得られる。例えば、大麻抽出副生成物は、よりマイルドなエアロゾルを生成することができ、かつ、原生の植物原料よりも取り扱いが容易な形態をとることができる。再構成大麻材料を製造するために、大麻抽出副産物は、水溶性成分を除去する第２の抽出プロセスを施すことができる。例えば、大麻抽出副産物は、水溶性成分を、約８重量％超の量、例えば約１２重量％超の量、例えば約１８重量％超の量、例えば約２４重量％超の量、または例えば約２８重量％超の量、かつ、一般的に約６０重量％未満の量、例えば約５０重量％未満の量で含有し得る。

【0062】

本開示で使用されるカカオ材料は、カカオの木とも呼ばれるテオブロマカカオから得られる。カカオの木は、熱帯原産の常緑樹である。カカオの木には、カカオポッド（カカオの実）と呼ばれる果物が実る。カカオポッドは、一般的に黄色からオレンジ色を有し、熟すと１ポンド以上の重さになる。カカオポッドは、チョコレート、ジュース、ゼリーなどを製造するために使用される１０～８０個のカカオ豆を含む。カカオポッドからカカオ豆を取り出した後、そのカカオ豆を日光及び／または紫外線に曝して、乾燥硬化または発酵させる。個々の豆は、ハスクまたはシェルで覆われている。ハスクまたはシェルは、カカオ豆を食品製造に使用する前に、カカオ豆から除去される。本開示の再構成植物材料は、カカオのハスクまたはシェルから形成されるが、カカオポッドの他の成分を使用してもよい。

【0063】

本開示で使用されるタバコ材料は、例えば、切り葉タバコ、再構成タバコ材料、またはそれらの組み合わせを含み、タバコの茎、柄、及び、任意選択で、葉またはスクラップを含み得る。

【0064】

本開示の再構成植物材料は、喫煙可能な繊維またはハーブの喫煙可能物品を形成するために使用されるハーブ植物、植物、または樹木などの他の植物材料から形成されたエアロゾル生成充填材料と組み合わせてもよい。ハーブ植物、植物、または樹木の例としては、例えば、カカオの木、コーヒーの木またはコーヒー豆、茶の木または茶葉、つる植物、ショウガ、イチョウ、カモミール、トマト、ツタ、マテ、ルイボス、キュウリ、ミント、穀物（小麦、大麦、ライ麦など）、他の樹木（広葉樹、樹脂樹など）、またはそれらの任意の組み合わせが挙げられる。

【0065】

ＩＩ．充填材料の作製方法

【0066】

大麻、タバコ、カカオシェル、及びハーブ植物は、本開示に従って作製する場合、基材及びウェブ材料の作製によく適した繊維を含んでいる。一実施形態では、大麻、タバコ、カカオシェル、及びハーブ植物のうちの少なくとも１つの植物繊維は、任意選択で切断または粉砕され、その後、水溶性成分を除去するための抽出プロセスに供される。次いで、抽出された植物繊維をウェブ構築繊維と組み合わせて、再構成シートなどの基材に形成する。基材は、任意選択で、植物繊維から得られた抽出物で処理してもよい。あるいは、植物繊維から得られた抽出物は、非水溶性繊維や他の材料と再び組み合わせないで、廃棄してもよい。再構成植物材料は、その後、乾燥させられ、喫煙可能な充填材料などのエアロゾル生成材料に形成される。エアロゾル生成材料は、任意選択で、他の様々な成分と組み合わせてもよい。例えば、エアロゾル生成材料は、様々なエアロゾル送達物質で処理してもよい。また、エアロゾル生成材料は、タバコ材料や他のハーブ充填材料などの他の様々なエアロゾルまたは喫煙充填材料と組み合わせてもよい。

【0067】

本開示に従って形成されたエアロゾル生成材料は、様々な種類の消費者製品に使用することができる。例えば、一実施形態では、エアロゾル生成材料は、タバコ、シガリロ、シガーなどの喫煙物品に組み込むことができる。一実施形態では、本開示のエアロゾル生成材料は、パイプで使用するための、または消費者が自分でタバコまたは他の喫煙物品を形成するのを可能にするための、ばらばらの充填材料としてパッケージ化して販売することができる。別の実施形態では、本開示のエアロゾル生成材料は、該材料を燃焼させるのではなく該材料を加熱することによって、ユーザに吸入されるエアロゾルを生成する装置（非燃焼加熱式装置）に組み込むことができる。エアロゾル生成材料は、切断、細断、または他の方法によって、特定の用途及び製品に最も適した形態に加工することができる。

【0068】

本開示の再構成植物材料を形成するときは、まず、大麻、タバコ、カカオシェル、及びハーブ植物のうちの少なくとも１つの植物繊維を収集し、任意選択でサイズを小さくする。例えば、一実施形態では、植物繊維に対してグラインド操作、ミリング操作またはビート操作を施して、植物繊維のサイズを小さくしたり、植物繊維を個々の繊維に小さくしたりすることができる。例えば、一実施形態では、植物繊維をハンマーミルに供給して、植物繊維をスクリーンに対して叩いて、繊維状の材料を製造することができる。

【0069】

任意選択で植物繊維のサイズを小さくした後、植物繊維に、水溶性成分を除去するための抽出プロセスを施す。この抽出プロセスには、様々な利点がある。例えば、抽出プロセスは、植物繊維からペクチンを除去することができ、これによって、植物繊維を繊維基材または再構成植物材料シートに加工することが容易になる。また、植物繊維からペクチンを除去することは、最終製品のニュートラルな味にも寄与すると考えられる。

【0070】

また、植物繊維に抽出プロセスを施すことにより、植物繊維を洗浄し、植物繊維の表面に存在し得る除草剤、農薬、及び／または微生物を除去することができる。

【0071】

抽出プロセス中に、植物繊維に溶媒を接触させて、植物繊維から水溶性成分を除去する。一実施形態では、溶媒は、水のみを含む。別の実施形態では、アルコール（例えばエタノール）などの水混和性を有する様々な溶媒を水と組み合わせて、水性溶媒を形成する。例えば、抽出段階中に植物繊維からＴＨＣ及び／またはＣＢＤを抽出するためには、ＴＨＣ及び／またはＣＢＤが可溶性の油または油脂を溶媒として使用するとよい。水性溶媒の含水率は、いくつかの例では、溶媒の５０重量％超、とりわけ、９０重量％超であり得る。脱イオン水、蒸留水、または水道水を使用してもよい。懸濁液中の溶媒の量は幅広い範囲をとることができるが、一般的には、懸濁液の約５０重量％～約９９重量％の量、いくつかの実施形態では約６０重量％～約９５重量％の量、いくつかの実施形態では約７５重量％～約９０重量％の量であり得る。しかしながら、溶媒の量は、溶媒の性質、抽出を行う温度、及び植物原料の種類によって様々であり得る。

【0072】

溶媒と植物原料との混合物を形成した後、その混合物の可溶性画分の一部または全部を混合物から分離する。溶媒と植物原料との混合物は、可溶化速度を増加させるために、撹拌、振盪、または他の混合方法を用いてかき混ぜられる。一般的に、このプロセスは、約３０分～約６時間実施される。プロセス温度は、約１０℃～約１００℃の範囲、例えば約４０℃～約８０℃の範囲であり得る。

【0073】

植物繊維を抽出剤中に浸漬させた後、プレス機を使用して、水溶性の植物繊維混合物から不溶性の植物繊維を機械的に分離する。可溶性画分を不溶性画分から分離した後、可溶性画分は廃棄するか、または濃縮などの処理が施される。可溶性画分は、真空蒸発器などの任意の既知の種類の濃縮器を使用して濃縮することができる。本開示の一実施形態では、可溶性画分は、高濃度であり得る。一実施形態では、例えば、可溶性画分は、約１０％～約５０％、例えば約１５％～約３５％の最終ブリックスを有するように蒸発させる。

【0074】

上記のようにして得られた濃縮された可溶性画分は、別のプロセスで使用してもよいし、または、以下でより詳細に説明するように、後で本開示の再構成植物材料上にコーティングしてもよい。

【0075】

上記のようにして得られた不溶性画分は、一般的に、未精製の状態にある。一実施形態では、不溶性画分は、精製プロセスに供される。例えば、抽出された植物繊維は、円錐リファイナやディスクリファイナなどの任意の適切なリファイニングデバイスに供給することができる。使用することができる他の精製装置としては、バレービーターなどのビーターが挙げられる。精製は、植物繊維材料が湿っている状態で、または、植物繊維材料を水と混合した後に行うことができる。例えば、一実施形態では、植物繊維材料は、そのコンシステンシーが約１０％未満、例えば約５％未満、例えば約３％未満の状態で精製される。

【0076】

本開示によれば、抽出された植物繊維材料は、任意選択で、再構成植物材料などの繊維基材を形成するときに、ウェブ構築繊維と組み合わされる。例えば、抽出された植物繊維を水または水溶液と組み合わせてパルプ懸濁液（スラリー）を形成する。いくつかの実施形態では、ウェブ構築繊維は、再構成植物材料のシートの引張強度を高めることができる。ウェブ構築繊維を使用する場合、脱リグニン化セルロース繊維などのウェブ構築繊維は、スラリーの形成時に、植物繊維材料と組み合わせる。ウェブ構築繊維の使用の有無にかかわらず、その後、繊維スラリーを使用して連続した再構成シートを形成する。例えば、一実施形態では、繊維スラリーは、成形ワイヤ、重力ドレイン、吸引ドレイン、フェルトプレス、及び乾燥機（ヤンキー乾燥機やドラム乾燥機など）を含み得る製紙プロセスに供される。例えば、一実施形態では、繊維スラリーは、フォードリニア・テーブル上で連続シートに形成される。抽出された植物繊維をセルロース繊維と組み合わせることの利点の１つは、それらを組み合わせた繊維原料を従来の製紙装置で処理できることである。なお、本開示による再構成植物材料は、いくつかの実施形態では、ウェブ構築繊維を加えることなく製紙装置で使用するのによく適していることに留意されたい。

【0077】

一実施形態では、例えば、繊維スラリーは、多孔質形成面上に置かれ、シートに形成される。余分な水は、重力ドレイン及び／または吸引ドレインによって除去される。加えて、水の除去を容易にするために、様々なプレスを用いることができる。形成されたシートを乾燥させた後、さらなる処理を施すことができる。

【0078】

再構成植物材料は、他の様々な方法を用いて形成することもできる。例えば、一実施形態では、抽出された植物繊維及びウェブ構築繊維を押出加工することにより、再構成材料を形成することができる。一実施形態では、再構成材料は、膨張プロセスを施すこともできる。例えば二酸化炭素などの気体や発泡剤を使用して、発泡シートを形成することができる。適切な膨張媒体としては、デンプン、プルランまたは他の多糖類、固体発泡剤、その場でガス状成分を提供する無機塩及び有機酸、有機ガス剤、無機ガス剤、及び、揮発性液体発泡剤が挙げられる。また、押出加工は、シート材料に加えて、ロッドやストランドの形成を可能にする。

【0079】

一態様では、再構成植物材料は、キャストリーフプロセスに従って形成することができる。キャストリーフプロセスでは、植物材料を細断した後、バインダーなどの他の材料と混合して、スラリーを形成する。スラリー中に、ウェブ構築繊維を入れる。ウェブ材料を形成するために、スラリーをシート形成装置に移送する。シート形成装置は、連続ベルトであり得、このベルト上にスラリーを連続的に分散させる。このベルト上でスラリーを広げてシートを形成する。その後、シートを、熱などで乾燥させる。シートは、製品を形成するために、ボビンへの巻き取り、トリミング、スリット、または他の方法で操作され得る。

【0080】

これまでのところ、エアロゾル発生材料は、まず植物材料を抽出して精製し、次いで他の繊維と混合することによって作製すると説明してきたが、１種類以上の植物繊維を抽出段階中に混合して、植物繊維の抽出及び精製を同時に行ってもよいことを理解されたい。当然ながら、上述したように、個々の植物を別々に抽出し、次いでパルプ化／精製プロセス中に他の植物繊維と混合してもよい。

【0081】

エアロゾル生成組成物の作製の有無にかかわらず、任意選択で、形成された包装材料は、不溶性画分から分離された濃縮された可溶性部分などの植物繊維の可溶性部分で処理してもよい。可溶性部分は、スプレー、サイズプレスの使用、サチュレート（saturating）などの様々な塗布方法を用いてウェブに適用することができる。再構成材料に適用される水溶性抽出物の量は、様々な要因及び予想される最終用途に依存する。一般的に、水溶性抽出物は、下層材料のニュートラルな味に悪影響を及ぼすことのない量で、再構成植物材料に適用される。例えば、一実施形態では、水溶性抽出物は、約４０重量％未満の量、例えば約３０％未満の量、例えば約２０％未満の量、例えば約１０％未満の量、例えば約５重量％未満の量、または例えば約１重量％未満の量、かつ、一般的に約０．５重量％超の量で含まれるように、再構成材料に適用される。

【0082】

ＩＩＩ．充填材料のブレンド

【0083】

使用する方法にかかわらず、本開示による再構成植物材料は、一実施形態では、少なくとも２種類の植物繊維の混合物を含むことができる。少なくとも２種類の植物繊維のうちの少なくとも１つの種類は、抽出された大麻繊維（上述のように、大麻の葉、大麻の芽、大麻の花、大麻の種子、大麻抽出の任意の副産物、またはそれらの組み合わせを含み得る）、または抽出されたカカオシェル繊維から選択され、少なくとも２種類の植物繊維のうちの別の少なくとも１つの種類は、抽出されたタバコ（上述のように、タバコの葉、タバコの茎、タバコ抽出の任意の副産物、またはそれらの組み合わせを含み得る）、または抽出されたハーブ繊維から選択される。当然ながら、一実施形態では、再構成植物材料は、抽出されたタバコまたは抽出されたハーブ植物繊維から選択された繊維と、大麻繊維及びカカオシェル繊維の両方との組み合わせを含み得る。あるいは、再構成植物材料は、抽出されたタバコ及び抽出されたハーブ植物繊維の両方と、大麻繊維または抽出されたカカオシェル繊維の一方との組み合わせを含み得る。さらに別の実施形態では、再構成植物材料は、抽出された大麻繊維と、抽出された大麻葉と、抽出されたタバコ繊維と、抽出されたハーブ繊維との組み合わせを含み得る。特に、本開示は、上記の抽出された繊維の混合物により、「紙のような」味ではない心地良い自然な味及び匂いを生じ、良好な燃焼品質を有し、望ましくない活性化合物を含まず、かつ、エアロゾル生成充填材料及び局所添加剤のための優れた担体として機能する、エアロゾル生成材料としてよく適した再構成植物材料を形成できることを見出した。

【0084】

例えば、さらなる態様において、再構成植物材料は、抽出された大麻繊維、抽出されたカカオシェル繊維、またはそれらの組み合わせのうちの少なくとも１つから形成することができ、かつ、再構成植物材料は、タバコ材料またはハーブ材料のうちの少なくとも１つとブレンドすることができる。タバコ材料またはハーブ材料は、エアロゾル生成充填材料として、再構成材料とブレンドすることができる。例えば、タバコ材料及び／またはハーブ材料は、個別にまたは一緒に、上述のように第２の再構成植物材料に形成され、エアロゾル生成充填材料として、第１の再構成植物材料（大麻繊維及び抽出されたカカオシェル繊維のうちの少なくとも１つを含む）と混合させることができる。このような実施形態では、充填材料は、第１の再構成植物材料及び第２の再構成植物材料の両方のばらばらな断片を含むことができる。または、第１の再構成植物材料及び第２の再構成植物材料を一緒に精製または再精製して、第１の再構成植物材料及び第２の再構成植物材料の両方からの繊維を含む単一の再構成植物材料を形成し、その後、上述のように処理してエアロゾル生成材料を形成してもよい。

【0085】

タバコ材料及び／またはハーブ材料を再構成植物材料とブレンドするために選択された方法にかかわらず、一実施形態では、再構成植物材料は、大麻繊維及び抽出されたカカオシェル繊維の両方を含み、かつ、タバコ材料及びハーブ材料のうちの少なくとも１つとブレンドされるか、またはタバコ材料及びハーブ材料の両方とブレンドされる。あるいは、再構成植物材料は、大麻繊維及び抽出されたカカオシェル繊維のうちの１つのみを含み、かつ、タバコ材料及びハーブ材料のうちの少なくとも１つとブレンドされるか、またはタバコ材料及びハーブ材料の両方とブレンドされる。タバコ材料またはハーブ材料を再構成植物材料とブレンドさせる方法にかかわらず、本開示は、上記の再構成植物材料及びエアロゾル生成タバコ材料またはハーブ材料が、「紙のような」味ではない心地良い自然な味及び匂いを生じ、良好な燃焼品質を有し、望ましくない活性化合物を含まず、かつ、エアロゾル生成充填材料及び局所添加剤のための優れた担体として機能する、エアロゾル生成材料としてよく適した再構成植物材料を形成できることを見出した。

【0086】

例えば、上述のように、本開示は、カカオシェル及び抽出された大麻繊維は、ニュートラルなまたは天然の味または匂いを生じ、タバコ及び／または抽出されたハーブ植物の繊維などの他の成分のための優れたベースとしての役割を果たすことを見出した。これは、カカオ繊維及び抽出された大麻繊維の感覚成分は、それぞれ、良好な燃焼特性を維持しながら、他の感覚成分のためのニュートラルなまたは自然なベースを提供するからである。さらに、カカオ繊維や大麻繊維はニコチンを含んでおらず、他の活性化合物や刺激化合物の濃度が低いか、またはそれらを含まないように精製することができる。同様に、タバコ繊維及び／またはハーブ植物繊維を使用して、多種多様な味及び匂いを有する様々なユニークなエアロゾル生成材料を形成することができる。したがって、本開示は、ニュートラルなまたは自然な味及び匂いを有し、良好な燃焼特性を有し、かつ活性化合物及び／または刺激の強い化合物の含有量が低い様々なエアロゾル生成化合物を作製することができるユニークなブレンドを、本開示に従って形成できることを見出した。

【0087】

上述したように、本開示の再構成植物材料は、一般的に、大麻、タバコ、カカオシェル、及びハーブ植物のうちの１以上から抽出された植物繊維を含み、該植物繊維は、任意選択で、ウェブ構築繊維と組み合わせられる。ウェブ構築繊維は、再構成された植物材料または繊維基材に、再構成材料に強度及び／または完全性を付与することができる量で組み込まれる。また、再構成植物材料にウェブ構築繊維を組み込むことにより、植物繊維及び他の植物成分を保持することができ、これにより、それらが繊維基材から分離するのを防止することができる。

【0088】

様々な種類のウェブ構築繊維を本開示の再構成植物材料に使用することができる。当然ながら、一実施形態では、再構成されたタバコ及び／またはハーブ植物繊維、または他の植物由来の繊維によって、良好なまたは十分な強度特性を有する再構成植物材料を作製することができるので、再構成植物製品またはエアロゾル生成組成物中にウェブ構築繊維は存在しない場合があることが理解されたい。なお、ウェブ構築繊維を使用する場合、一実施形態では、ウェブ構築繊維は、脱リグニン化セルロース繊維であり得る。例えば、ウェブ構築繊維は、針葉樹繊維や広葉樹繊維などの木材パルプ繊維を含み得る。使用することができる他のセルロース繊維としては、亜麻繊維、麻繊維、アバカ繊維、竹繊維、ココナッツ繊維、綿繊維、カポック繊維、ラミー繊維、ジュート繊維、またはそれらの任意の組み合わせが挙げられる。特定の一実施形態では、ウェブ構築繊維は、針葉樹繊維を単独で含むか、または、アバカ繊維などの他の繊維と組み合わせて含む。

【0089】

一実施形態では、ウェブ構築繊維は、ヘンプパルプ繊維であり得る。ヘンプパルプ繊維は、約０．５ｍｍ超、例えば約１ｍｍ超、例えば約１．５ｍｍ超の、または例えば約１．８ｍｍ超、かつ、一般的に約４ｍｍ未満、例えば約３ｍｍ未満、例えば約２．５ｍｍ未満、または例えば約２．３５ｍｍ未満の平均繊維長を有し得る。

【0090】

一般的に、使用する場合、ウェブ構築繊維は、再構成植物材料に、約５重量％超の量、例えば約１０重量％超の量、例えば約１５％超の量、２０重量％超の量、例えば約２５重量％超の量、例えば約３０重量％超の量、例えば約３５重量％超の量、または例えば約４０重量％超の量で含まれる。また、ウェブ構築繊維は、一般的に、再構成植物材料に、約５５重量％未満の量、例えば約５０重量％未満の量、例えば約４５重量％未満の量、例えば約３０重量％未満の量、または例えば約２５重量％未満の量、またはそれらの間の任意の範囲で含まれる。

【0091】

一実施形態では、再構成植物材料に組み込まれたウェブ構築繊維は、長い繊維と短い繊維との組み合わせを含む。長い繊維は、一般的に、約１．８ｍｍ超の平均長さ、例えば約２．０ｍｍ超の平均長さを有する。一方、短繊維は、一般的に、約１．５ｍｍ未満の平均長さを有する。長い繊維は、強度及び完全性を改善するために使用することができる。一方、短い繊維は、繊維基材中の植物繊維及び他の成分をより良好に保持することができる。一実施形態では、例えば、短繊維は、再構成植物材料に、約５重量％超の量、例えば約１０重量％超の量、かつ、一般的に約２０重量％未満の量で含まれ得る。一方、長い繊維は、再構成ウェブ材料に、約１０重量％超の量、例えば約２０重量％超の量、かつ、一般的に約５０重量％未満の量、例えば約４０重量％未満の量で含まれ得る。一実施形態では、短い繊維は広葉樹繊維を含み、長い繊維は針葉樹繊維を含む。

【0092】

一実施形態では、再構成ウェブ材料は、保湿剤をさらに含むことができる。保湿剤は、様々な利点及びメリットを提供するために、様々な理由で再構成植物材料に組み込むことができる。例えば、一実施形態では、再構成された繊維基材の加工性及び取り扱い性を改善するために、保湿剤が再構成植物材料に組み込まれる。別の実施形態では、保湿剤を再構成植物材料に大量に添加することにより、再構成植物材料が、吸入可能なエアロゾルを生成するための非燃焼加熱式用途によく適するようにすることができる。

【0093】

様々な保湿剤を再構成植物材料に組み込むことができる。保湿剤としては、例えば、グリセロール、プロピレングリコール、またはそれらの組み合わせが挙げられる。使用することができる他の保湿剤としては、ソルビトール、トリエチレングリコール、乳酸、二酢酸グリセリル、三酢酸グリセリル、クエン酸トリエチル、ミリスチン酸イソプロピル、またはそれらの任意の組み合わせ（グリセロール及び／またはプロピレングリコールとの組み合わせを含む）が挙げられる。

【0094】

上述したように、再構成植物材料に含まれる保湿剤の量は、様々な要因に依存し得る。一実施形態では、例えば、保湿剤は、再構成植物材料に、約５重量％未満の量、例えば約３重量％未満の量、かつ、一般的に約０．５重量％超の量、例えば約１重量％超の量で含まれる。他の実施形態では、保湿剤は、再構成植物材料に、約５重量％超の量、例えば約１０重量％超の量、例えば約１５重量％超の量、または例えば約２０重量％超の量、かつ、一般的に約５０重量％未満の量、例えば約４０重量％未満の量、例えば約３０重量％未満の量、または例えば約２５重量％未満の量で含まれる。再構成植物材料に約１０～４０重量％の量、例えば約１２～約３０％の量、または例えば約１５～約２５％の量で添加すると、保湿剤は、再構成植物材料を燃焼させることなく加熱したときにエアロゾルの生成を促進するエアロゾル生成剤としての役割を果たす。

【0095】

本開示の再構成植物材料はまた、他の様々な任意選択の成分を含むことができる。例えば、一実施形態では、再構成植物材料は、任意選択で、燃焼制御剤で処理してもよい。燃焼制御剤は、材料の燃焼速度を制御したり、材料の燃焼時に生成される灰のコヒーレンス及び／または色を改善したりするための灰調整剤として機能することができる。

【0096】

燃焼制御剤は、例えば、カルボン酸の塩を含み得る。例えば、燃焼制御剤は、カルボン酸のアルカリ金属塩、カルボン酸のアルカリ土類金属塩、またはそれらの任意の組み合わせを含み得る。使用可能な燃焼制御剤の例としては、酢酸、クエン酸、リンゴ酸、乳酸、酒石酸、炭酸、ギ酸、プロピオン酸、グリコール酸、フマル酸、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、硝酸、リン酸、またはそれらの任意の組み合わせの塩が挙げられる。使用可能な特定の燃焼制御剤としては、クエン酸カリウム、クエン酸ナトリウム、コハク酸カリウム、コハク酸ナトリウム、またはそれらの任意の組み合わせが挙げられる。存在する場合、燃焼制御剤は、再構成植物材料に、一般的に約０．１重量％超の量、例えば約０．５重量％超の量、または例えば約１重量％超の量、かつ、一般的に約５重量％未満の量、例えば約４重量％未満の量、例えば約３重量％未満の量、または例えば約２重量％未満の量で適用することができる。

【0097】

本開示の再構成植物材料は、任意選択で、充填材料を含み得る。充填材料は、再構成植物材料の形成を容易にするため、及び／または、再構成植物材料の外観に影響を与えるためなどの任意の所望の目的のために、再構成ウェブ材料に組み込まれた粒子を含み得る。再構成ウェブ材料に組み込むことができる充填材料粒子は、炭酸カルシウム、酸化マグネシウム、カオリン粘土、ベントナイト、またはそれらの任意の組み合わせから作製することができる。充填材料粒子は、任意選択で、再構成ウェブ材料に、約１重量％超の量、例えば約３重量％超の量、例えば約５重量％超の量、または例えば約１０重量％超の量、かつ、一般的に約３０重量％未満の量、例えば約２５％未満の量、約２０重量％未満の量、例えば約１５重量％未満の量で組み込むことができる。

【0098】

上述したようにして、再構成植物材料を繊維基材に形成すると、この繊維基材は、任意の適切な喫煙物品、または、非燃焼加熱式装置で使用するためのエアロゾル生成材料として使用することができる。一実施形態では、再構成植物材料は、まず、細断または切断プロセスに供することによって、ばらばらの充填材料に形成される。例えば、ばらばらの充填材料は、ストリップ、細片、またはそれらの任意の組み合わせの形態であり得る。そして、ばらばらの充填材料は、任意の適切なエアロゾル生成装置または喫煙物品に充填される。

【0099】

例えば、図１及び図２に示す喫煙物品は、一般的に、本明細書で説明した充填材料のいずれかを喫煙可能なカラム１２の全部または一部として含有するシガレットを含む。例示目的のためだけに、そのような喫煙物品の１つを図１及び図２に示す。図示のように、喫煙物品１０は、喫煙可能なカラム１２を含む。また、喫煙物品１０は、喫煙可能なカラム１２を取り囲み外周面１６を画定する包装材料１００を含み得る。また、喫煙物品１０は、チップペーパーによって囲まれるフィルタ２６を含み得る。なお、喫煙可能なカラム材料に応じて、フィルタは任意選択あってもよいし、または省略してもよい。

【0100】

本開示の再構成植物材料は、非常にニュートラルで快い味を有するエアロゾルまたは煙を生成する。再構成植物材料から生成されたエアロゾルは、刺激の強い成分を含んでいない。特に有利な点は、本開示の再構成植物材料は、ニコチンを含まないので、ニコチンを含まない喫煙物品またはニコチンを含まないエアロゾル生成製品を製造するため、または、上記製品におけるニコチン送達を制御するために使用できることである。

【0101】

ＩＶ．添加物

【0102】

一実施形態では、例えば、再構成植物材料の作製中に、本開示の再構成植物材料をタバコ材料と組み合わせることにより、タバコ材料自体から生成されるエアロゾルと比べてニコチン量が制御されたエアロゾルまたは煙を生成するエアロゾル生成材料を作製することができる。例えば、本開示の再構成植物材料は、制御された所望の量のニコチンまたはタバコの香りを有するエアロゾルを生成するエアロゾル生成材料を作製することができる量で、任意の適切なタバコ材料と組み合わせてもよい。例えば、一実施形態では、再構成植物材料は、特に天然のタバコ製品と比べて少ない量のニコチンを含み、例えば、ニコチンの含有量は、再構成植物材料の重量の約０．５％未満であり得る。

【0103】

上述したように、一実施形態では、本開示の再構成植物材料は、ニコチン量が少ない、かつ、所望の味及び匂いを有するエアロゾル生成材料を形成するために、タバコ材料またはハーブ植物材料と均一にブレンドされるばらばらの充填材料の形態をとり得る。例えば、エアロゾル生成材料は、本開示の再構成植物材料を、約５重量％超の量、例えば約１０重量％超の量、例えば約２０％超の量、例えば約３０重量％超の量、例えば約４０重量％超の量、例えば約５０重量％超の量、例えば約６０％量超の量、例えば約７０重量％超の量、または例えば約８０重量％超の量で含み得る。本開示の再構成植物材料は、得られるエアロゾル生成材料が、再構成植物材料を約９０重量％未満の量、例えば約８０重量％未満の量、例えば約７０量％未満の量、例えば約６０重量％未満の量、例えば約５０重量％未満の量、例えば約４０重量％未満の量、または例えば約３０重量％未満の量で含むように、タバコ材料と組み合わせてよい。例えば、一実施形態では、エアロゾル生成材料は、本開示の再構成植物材料を約５％～約３０重量％の量、例えば約１０％～約２０重量％の量で含み得る。別の実施形態では、より多くの量の再構成植物材料をエアロゾル生成材料に組み込んでもよい。この実施形態では、再構成植物材料は、約３０重量％～約８０重量％の量、例えば約４０重量％～約６０重量％の量で、エアロゾル生成材料に含まれ得る。上記の重量パーセントは、エアロゾル生成材料の総重量に基づくものである。一実施形態では、エアロゾル生成材料の残りの部分は、タバコ充填材料またはハーブ植物充填材料のみを含み得る。

【0104】

さらに別の実施形態では、本開示の再構成植物材料は、タバコ材料またはハーブ植物材料と組み合わせる代わりに、またはタバコ材料またはハーブ植物材料と組み合わせることに加えて、ニコチン、他の活性化合物（例えばＴＨＣ）、または香料（局所添加物を含む）を含有するエアロゾル送達組成物で処理してもよい。エアロゾル送達組成物は、例えば、制御された量のニコチン、他の活性化合物、または香料を再構成植物材料に組み込むために、再構成植物材料に局所的に適用することができる。再構成植物材料にニコチン、他の活性化合物、または香料を適用することで、多くの利点及びメリットが得られる。例えば、再構成植物材料にニコチン、他の活性化合物、または香料を適用すると、再構成植物材料がエアロゾル化されて吸入されるときに、正確な量のニコチン、他の活性化合物、または香料を提供することが可能になる。加えて、ニコチン、他の活性化合物、または香料は、再構成植物材料に、該材料から生成されたエアロゾルに含まれるニコチン、他の活性化合物、または香料の量が吸入毎に一定となるように適用することができる。したがって、一実施形態では、本開示の再構成植物材料を使用して、少量などの制御された量のニコチン、他の活性化合物、または香料を依然として提供しながらも、ニュートラルで快い味のエアロゾル生成材料を形成することができる。

【0105】

例えば、一実施形態では、再構成植物材料に適用されるエアロゾル送達組成物は、特に天然のタバコ製品と比べて少ない量のニコチンを含み、例えば、ニコチンの含有量は、再構成植物材料の重量の約０．５％未満であり得る。あるいは、再構成植物材料は、天然のタバコ製品と比べて「多い」量のニコチンを含むように作製され、例えば、再構成植物材料は、約０．５％超のニコチンを含み得る。それに加えて、またはその代わりに、ニコチンの全部または一部を抽出したタバコ材料が、タバコの味及び匂いを生成するために使用される。一方、ニコチンは、ニコチンの量をより良好に制御するために、エアロゾル送達組成物の形態で、包装材料に別途に適用してもよい。この実施形態では、エアロゾル生成材料のタバコ材料の量は、約５０重量％未満の量、例えば約４０重量％未満の量、例えば約３０重量％未満の量、例えば約２０重量％未満の量、または例えば約１０重量％未満の量、かつ、一般的に約２重量％超の量であり得る。

【0106】

タバコ材料と組み合わせることに加えて、本開示の再構成植物材料は、任意の適切なエアロゾル生成充填材料と組み合わせてもよいことを理解されたい。

【0107】

ニコチンに加えて、本開示の再構成植物材料は、他のエアロゾル送達物質を保持するのに好適である。例えば、再構成植物材料は、吸収性が高く、最大で５０重量％の局所添加剤を含み得る。この点に関して、本開示の再構成植物材料は、様々なエアロゾル送達組成物のための担体としての機能を果たすのにも好適である。各エアロゾル送達組成物は、例えば、１種類以上のエアロゾル送達物質を含むことができる。

【0108】

本開示の再構成植物材料に適用可能なエアロゾル送達組成物としては、溶液、懸濁液、及び油などが挙げられる。例えば、溶液及び懸濁液を再構成植物材料に適用し、次いで乾燥させることにより、繊維基材内に固体の残渣を残すことができる。

【0109】

一実施形態では、エアロゾル送達組成物は、再構成植物材料に適用するために、植物から植物物質を抽出することによって得ることができる。それに加えてまたはその代わりに、本開示は、再構成材料に適用される改変植物物質を得るために、植物物質から少なくとも１つの化合物を単離するステップ、植物物質を濃縮するステップ、または植物物質から化合物を精製または除去するステップを含み得る。任意選択であるが、このようなプロセスは、再構成材料に適用される植物物質の所望の最終特性に基づいて、乾燥抽出物、液体抽出物、液体、または単離物質のいずれの形態で、元の生の植物物質を改変された植物物質に変換することができる。当然ながら、植物物質は、元の植物物質または改変された植物物質であってもよいが、一実施形態では、植物物質は、抽出後にさらなる処理を施すことなく、再構成植物材料に適用される。さらに、エアロゾル送達組成物は、植物から抽出されるものとして記載されているが、合成または天然由来のエアロゾル送達組成物（つまり、抽出する必要がない）を使用してもよいことを理解されたい。

【0110】

エアロゾル送達組成物に含まれ得るエアロゾル送達物質の例としては（ニコチンに加えて）、糖類、甘草抽出物、メントール、蜂蜜、コーヒー、メープルシロップ、タバコ、草木の抽出物、植物抽出物、茶、果実抽出物、香料（クローブ、アニス、シナモン、ビャクダン、ゼラニウム、ローズオイル、バニラ、キャラメル、カカオ、レモンオイル、カシア、スペアミント、フェンネル、ショウガなど）、香料やアロマ（カカオ、バニラ、キャラメルなど）、人工的なフレーバーや香料（バニリンなど）、またはそれらの任意の組み合わせが挙げられる。再構成植物材料に適用される抽出物は、水溶性または油溶性であり得る。したがって、様々な担体液体を使用して、再構成植物材料にエアロゾル送達物質を適用することができる。

【0111】

一実施形態では、本開示の再構成植物材料は、大麻から得られる成分のための担体として使用することができ、または、大麻材料と組み合わせたり、混合したりすることができる。例えば、大麻は、最近、カナダや米国の多くの州で、医療用及び娯楽用の両方で合法化された。大麻に含まれる様々な化学物質や化合物は、オピオイドなどの従来の鎮痛剤に代わる鎮痛剤としてますます一般的になってきている。例えば、大麻には、痛みの緩和に使用することができる様々なカンナビノイドが含まれている。大麻から生成されたエアロゾルを吸入することは、大麻に含まれている薬物を使用者に送達するための最も一般的で最も安価な方法である。しかしながら、残念なことに、乾燥させた大麻の芽や葉から生成されたエアロゾルを単に吸入するだけでは、植物に含まれている鎮痛剤が不均一な濃度で送達されたり、あるいは、所望よりも高い濃度で送達されたりする可能性がある。例えば、カンナビノイドの送達は、エアロゾルを生成するために使用される特定の植物や特定の植物部分に応じて劇的に変化する。加えて、カンナビノイドの送達は、再構成材料の充填密度、エアロゾルを生成するために使用される特定の種類のエアロゾル生成装置または喫煙物品などの他の要因に応じて劇的に変化する。加えて、大麻植物から生成されたエアロゾルには刺激物が含まれている場合があり、その場合には、比較的刺激の強いアロゾルや煙が生成される。しかしながら、本開示の再構成植物材料は、上記の欠点及び欠陥のいずれもなく、再構成から生成されたエアロゾル中のカンナビノイドを送達するために使用することができる。例えば、本開示の再構成植物材料から生成されたエアロゾルは非刺激性であり、刺激の強い成分を含まず、ニュートラルな味を有する。加えて、再構成植物材料にカンナビノイドを局所的に適用することにより、再構成植物材料から生成されるエアロゾルに含まれるカンナビノイドの均一かつ一貫した送達が可能になる。

【0112】

本開示の再構成植物材料によって制御及び調節することができるカンナビノイドとしては、カンナビジオール（ＣＢＤ）及びテトラヒドロカンナビノール（ＴＨＣ）が挙げられる。大麻に含まれるＴＨＣは、脳内の特定の受容体に作用して、多幸感やリラックス状態をもたらす。一方、ＣＢＤはまた、脳の痛覚受容体に作用するが、ＴＨＣによって生じるような多幸感をもたらさない。本開示によれば、一実施形態では、ＴＨＣを本開示の再構成植物材料に適用すること、ＣＢＤを再構成植物材料に適用すること、または、ＴＨＣ及びＣＢＤの両方を再構成植物材料に適用することができる。

【0113】

ＴＨＣ及びＣＢＤに加えて、他の様々なカンナビノイドも、本開示に従って、再構成植物材料によって制御及び調節することができる。例えば、大麻に含まれる他のカンナビノイドとしては、カンナビクロメン、カンナビノール、カンナビゲロール、テトラヒドロカンナビバリン、カンナビジバリン、カンナビジオール酸、他のカンナビジオール誘導体、及び他のテトラヒドロカンナビノール誘導体が挙げられる。上記のカンナビノイドは、単独でまたは任意の組み合わせで使用することができ、再構成植物材料に適用することができる。

【0114】

上記のカンナビノイドは、様々な方法を用いて再構成植物材料に適用することができる。例えば、一実施形態では、ＣＢＤなどのカンナビノイドは、水性懸濁液中に配合したり、または脂肪や油などの溶媒に溶解させたりすることができる。例えば、大麻油抽出物は、生の大麻植物から得ることができる。油抽出物は、ＴＨＣを単独で、ＣＢＤを単独で、または、ＴＨＣとＣＢＤとの組み合わせを含み得る。油抽出物は、再構成植物材料から生成されたエアロゾルが制御された量のカンナビノイドを含むように、再構成植物材料に適用され得る。また、再構成植物材料は、制御された量のカンナビノイドを含むことに加えて、再構成植物材料から生成されたエアロゾル中のカンナビノイドの均一な送達を提供するように構成され得る。

【0115】

再構成植物材料に添加することができる他の成分は、様々な香料、特にテルペンである。例えば、テルペンまたはテルペンのブレンドを使用することにより、望ましい香りを生成し、ユーザに製品の品質を示すことができる。また、１種以上のテルペンは、再構成材料から生成されたエアロゾルを吸入するときの感覚反応を改善することができる。

【0116】

様々なテルペンを再構成植物材料に適用することができる。そのようなテルペンとしては、これに限定しないが、ピネン、フムレン、ｂ－カリオフィレン、イソプレゴール、グアイオール、ネリルアセテート、ネオメンチルアセテート、リモネン、メントン、ジヒドロジャスモン、テルピノレン、メントール、フェランドレン、テルピネン、ゲラニルアセテート、オシメン、ミルセン、１、４－シネオール、３－カレン、リナロール、メントフラン、ペリリアルコール、ピナン、ネオメンチルアセチル、α－ビサボロール、ボルネオール、カンフェン、カンファー、カリオフィレンオキシド、α－セドレン、β－オイデスモール、フェンコール、ゲラニオール、イソボロネオール、ネロール、サビネン、α－テルピネオール、またはそれらの任意の組み合わせが挙げられる。

【0117】

一実施形態では、天然の大麻植物に見られるテルペンの比率を模倣するために、様々な種類のテルペンをブレンドすることができる。例えば、約２～約１２種類のテルペンをブレンドして、再構成植物材料に適用することができる。各テルペンは、再構成植物材料に、約０．００１重量％超の量で、かつ、一般的に約２重量％未満の量で適用され得る。例えば、各テルペンは、約０．０１重量％～約１．５重量％の量で適用され得る。あるいは、例えば、各テルペンは、約０．１重量％～約１．１重量％の量で適用され得る。

【0118】

テルペンの例示的なブレンドとしては、α－ピネン、β－カリオフィレン、及びβ－ピネン；α－フムレン、α－ピネン、β－カリオフィレン、β－ピネン、及びグアイオール；β－カリオフィレン、β－ピネン、及びｄ－リモネン；β－カリオフィレン、β－ピネン、及びネロリドール；β－カリオフィレン、β－ピネン、ｄ－リモネン、及びテルピノレン；α－ビサボロール、α－ピネン、β－カリオフィレン、β－ミルセン、β－ピネナ、及びｄ－リモネン；β－カリオフィレン、β－ピネナ、及びｐ－シメン；α－フムレン、β－カリオフィレン、β－ピネン、ｄ－リモネン、リナロール、及びネロリドール；β－カリオフィレン、及びβ－ピネン；β－カリオフィレン、β－ミルセン、及びテルピノレン；α－ピネン、β－カリオフィレン、β－ピネン、及びｄ－リモネン；α－フムレン、α－ピネン、β－カリオフィレン、β－ミルセン、β－ピネナ、ｄ－リモネン、及びグアイオール、が挙げられる。

【0119】

上述したような１種類以上のエアロゾル送達物質を含むエアロゾル送達組成物は、任意の適切な方法または技術を用いて、再構成植物材料に適用することができる。例えば、エアロゾル送達組成物は、任意の適切な方法で繊維基材上にスプレーまたはコーティングすることができる。

【0120】

本開示に従って作製された再構成植物材料は、優れた機械的特性を有し、かつ、非常に望ましい美的外観を有する。一般的に、再構成植物材料は、約４０ｇｓｍ超、例えば約４５ｇｓｍ超、または例えば約５５ｇｓｍ超の坪量を有する。再構成植物材料の坪量は、一般的に約１２０ｇｓｍ未満、例えば約１００ｇｓｍ未満、または例えば約８５ｇｓｍ未満である。

【0121】

一実施形態では、本開示の再構成植物材料は、押出加工、または再構成材料を切断及び／または細断などの様々な方法を用いて、ばらばらの充填材料に形成することができる。本開示に従って作製された充填材料は、約４ｃｍ^３／ｇ超、例えば約５ｃｍ^３／ｇ超、または例えば約６ｃｍ^３／ｇ超、かつ、一般的に約１０ｃｍ^３／ｇ未満、例えば約８ｃｍ^３／ｇ未満の充填力を有する。再構成植物材料は、優れた燃焼特性を有する。例えば、再構成植物材料は、約４ｍｍ／ｍｍ超、例えば約５ｍｍ／ｍｍ超の静的燃焼速度を有し、かつ、一般的に約８ｍｍ／ｍｍ未満、例えば約７ｍｍ／ｍｍ未満の静的燃焼速度を有する。

【0122】

本開示の再構成植物材料は、優れた味覚特性を有し、またその一方で、ニコチンを含まず、特に従来のタバコ材料と比較してタールの生成量が少ない。意外なことに、本開示の再構成植物材料は、針葉樹繊維などのセルロース繊維をかなりの量で含むにもかかわらず、「紙のような」味を生成しないことも見出された。詳細は不明であるが、抽出された植物材料は、再構成植物材料が燃焼されるかまたは他の方法で加熱されたときに、紙のような味をマスクするかまたは他の方法で抑制すると考えられる。この発見は驚くべきものであり、全く予想外のものであった。

【0123】

したがって、本発明の植物再生材料を組み込んだエアロゾル生成材料は、様々な種類のエアロゾル生成製品に使用することができる。一実施形態では、例えば、本開示のエアロゾル生成材料は、喫煙可能なロッドに形成し、包装材料で包装することができる。この喫煙物品またはシガレットは、その一端に位置するフィルタを含み得る。しかしながら、再構成植物材料から生成されたエアロゾルはニュートラルで刺激の少ない特性を有し、かつ、再構成植物材料は刺激成分を含まず、ニコチン及びタールの含有量が低いので、本開示に従って製造されたシガレットは、フィルタを含まなくてもよい。

【0124】

一実施形態では、再構成植物材料は、紙成形機で、シートの形態に形成される。次いで、シートをストリップに切断し、回転または撹拌されるドラムに供給する。ドラム内で、再構成植物材料を、１種類以上の保湿剤及びケーシングと混合させる。ケーシングは、様々な香料または主流煙増強要素を含み得る。例えば、ケーシングは、甘草、コーンシロップ、及び／または糖類を含み得る。ドラムでの処理後、再構成植物材料は、所望の粒子サイズにするために、切断または細断プロセスに供される。カットされた再構成植物材料は、カットラグとも称される。所望の大きさにカットした後、様々なエアロゾル送達物質または香料が再構成植物材料に適用され得る。例えば、１種類以上のテルペン、及び／または１種類以上のカンナビノイド（例えばＣＢＤ及び／またはＴＨＣ）が、再構成植物材料に適用され得る。エアロゾル送達物質が再構成植物材料に適用された後、再構成植物材料は、任意の適切な形態で使用するためにパッケージ化され出荷される。一態様では、再構成植物材料をロッド様要素に形成するために、再構成植物材料をタバコ製造機に供給してもよい。あるいは、再構成植物材料をばらばらの形態で包装して、手巻きタバコ製品、非燃焼加熱式製品、または嗅ぎタバコとして使用してもよい。

【0125】

シガレットに加えて、本開示に従って作製されるエアロゾル生成材料は、葉巻及びシガリロも含み得る。

【0126】

本開示の再構成植物材料は、嗅ぎタバコ製品を製造するためにも使用することができる。嗅ぎタバコ製品は、乾燥製品であってもよいし、かなりの量の水分を含んでいてもよい。

【0127】

嗅ぎタバコ製品を製造する場合、その製品は、本開示の再構成植物材料のみから製造してもよいし、または、本開示の再構成植物材料と他の充填材料とをブレンドして製造してもよい。本開示の再構成植物材料を使用して無煙ブレンド製品を製造する場合、製品に含まれるウェブ構築繊維の量を減らしてもよい。例えば、ウェブ構築繊維の量は、約５重量％未満、例えば約３重量％未満であり得る。一態様では、再構成植物材料は、ウェブ構築繊維を含まなくてもよい。別の実施形態では、再構成植物材料は、ウェブ構築繊維を約５重量％～約５０重量％の量で含み得る。

【0128】

嗅ぎタバコ製品を製造するために、本開示の再構成植物材料は、所望のサイズに粉砕または切断される。例えば、粒子サイズは、最終用途に応じて、比較的小さくしたり、または、ストリップにしたりすることができる。一態様では、例えば、再構成植物材料は、約５０μｍ超、例えば約１００μｍ超、かつ、一般的に約３ｍｍ未満、例えば約２ｍｍ未満の平均粒径になるように切断または粉砕される。あるいは、再構成植物材料を粉砕して、平均粒径が約１００μｍ未満の粉末または粒状材料にしてもよい。

【0129】

必要に応じて、再構成植物材料を熱処理してもよい。熱処理を行うと、再構成植物材料に質感及び色を与え、天然の風味を高めることができる。任意選択の熱処理ステップの後、ｐＨ調整剤や香料などの添加物を再構成植物材料に加えてもよい。湿った無煙ブレンド製品を製造する場合、水分含有量が約１０重量％を超えるように、例えば約２０重量％を超えるように、例えば約３０重量％を超えるように、または例えば約４０重量％を超えるように、かつ、一般的に、約６０重量％未満となるように、例えば約５０重量％未満となるように、無煙ブレンド製品に水を加える。必要に応じて、無煙ブレンド製品の湿潤性を高める１種類以上の保湿剤を、無煙ブレンド製品に添加してもよい。一態様では、例えば、塩化ナトリウム及び／または炭酸ナトリウムを、再構成植物材料に加えてもよい。

【0130】

また、再構成植物材料を使用して、乾燥した嗅ぎタバコ製品、例えば乾燥した口腔用嗅ぎタバコを製造することができる。乾燥した口腔用嗅ぎタバコを製造するために、再構成植物材料を粉砕して粉末にし、その粉末に香料などの他の成分を添加する。

【0131】

一態様では、無煙再構成大麻材料は、口腔内での使用を意図した口腔用パウチ内に入れて、例えば、唇や頬の上下の歯茎の間に入れることができる。口腔用パウチは、長方形などの矩形状の形状を有することができる。口腔用パウチの総重量は、一般的に約０．１ｇ～約２．５ｇの範囲、例えば約０．２ｇ～約０．８ｇの範囲であり得る。口腔用パウチは、不織布などの任意の適切な唾液透過性パウチ材料から形成することができる。また、超音波接合によるパウチ材料の封止を容易にするために、パウチ材料に結合剤を含めてもよい。結合剤は、例えば、アクリレートポリマーであり得る。一態様では、パウチ材料は、ビスコースレーヨン短繊維などの再生セルロース繊維と、結合剤とを含む不織材料から形成することができる。所望に応じて、パウチ材料は、追加の香料及び／または着色剤を含み得る。

【0132】

一実施形態では、本開示に従って製造された喫煙物品は、低延焼性を有する。例えば、喫煙物品の包装材料は、喫煙物品の軸方向に間隔を隔てて配置された複数の別個の低延焼領域を含む。例えば、一実施形態では、別個の低延焼領域は、輪状帯（circular band）の形態であり得る。輪状帯は、喫煙物品が静的燃焼状態に放置された場合に、酸素がコール（coal）を消火するのに十分な時間長さまたは期間にわたって、燃焼中のコールに酸素が限定されるような幅を有し得る。例えば、輪状帯は、約３ｍｍ超、例えば約４ｍｍ超、例えば約５ｍｍ超、かつ、一般的に約１０ｍｍ未満、例えば約８ｍｍ未満、例えば、約７ｍｍ未満の幅を有し得る。

【0133】

低延焼性領域間の間隔は、様々な要因に応じて異なり得る。この間隔は、コールが低延焼性領域に燃焼する前に、タバコが基材に点火するのに十分な時間長さにわたって燃焼するほど大きくすべきではない。また、この間隔は、燃焼中のコールの熱慣性、すなわち、コールが自己消火せずに低延焼性領域を燃焼するコールの能力にも影響する。一般的に、輪状帯の間隔は、約５ｍｍ超、例えば約１０ｍｍ超、例えば約１５ｍｍ超、かつ、一般的に約５０ｍｍ未満、例えば約４０ｍｍ未満、または例えば約３０ｍｍ未満にするべきである。各喫煙物品は、約１つ～約３つの輪状帯を含み得る。

【0134】

一般的に、任意の適切な低延焼性組成物を、喫煙物品の包装材料に適用することができる。一実施形態では、例えば、低延焼性組成物は、膜形成材料を含む。例えば、本発明に従って使用することができる膜形成材料としては、アルギン酸塩、グアーガム、ペクチン、ポリビニルアルコール、ポリ酢酸ビニル、セルロース誘導体（例えば、エチルセルロース、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース）、デンプン、デンプン誘導体などが挙げられる。

【0135】

特定の一実施形態では、膜形成材料は、アルギン酸塩を単独で、またはデンプンと組み合わせて含み得る。一般的に、アルギン酸塩は、褐藻類褐色海藻中にカルシウム、ナトリウム、カリウム及びマグネシウムの不溶性混合塩として存在する酸性の多糖またはガムの誘導体である。一般的に言えば、これらの誘導体は、様々な割合のＤ－マンヌロン酸及びＬ－グルロン酸からなる高分子量多糖類のカルシウム、ナトリウム、カリウム、及び／またはマグネシウム塩である。アルギン酸の塩または誘導体の例としては、アルギン酸アンモニウム、アルギン酸カリウム、アルギン酸ナトリウム、アルギン酸プロピレングリコール、またはそれらの任意の組み合わせが挙げられる。

【0136】

一実施形態では、分子量が比較的低いアルギン酸塩を使用してもよい。例えば、アルギン酸塩は、２５°Ｃの３重量％の水溶液中に含まれる場合、約５００ｃＰ未満の粘度を有する。より詳細には、アルギン酸塩は、上記の条件で、２５０ｃＰ未満、特に１００ｃＰ未満の粘度を有し、一実施形態では、約２０～６０ｃＰの粘度を有し得る。本明細書で使用するとき、粘度は、粘度に応じて適切なスピンドルを備えたＢｒｏｏｋｆｉｅｌｄ ＬＶＦ粘度計によって測定したものである。上記の低粘度レベルでは、アルギン酸塩組成物は、固形分含有量が高いが、それでも、従来の技術を用いて組成物を紙製包装材料に適用するのに十分な低い溶液粘度で形成することができる。例えば、本発明に従って調製されるアルギン酸塩溶液の固形分含有量は、約６重量％超、特に約１０重量％超、より具体的には、約１０重量％～約２０重量％の範囲であり得る。

【0137】

上記の固形分含有量では、本発明に従って使用されるアルギン酸塩組成物は、約２５０ｃＰ超、特に約５００ｃＰ超、とりわけ約８００ｃＰ超の溶液粘度を有し、一実施形態では、２５°Ｃで約１、０００ｃＰ超の粘度を有し得る。一般的に、アルギン酸塩膜形成組成物の溶液粘度は、膜形成組成物を包装材料に適用する方法に応じて調節することができる。例えば、膜形成組成物の溶液粘度は、該組成物を包装材料上にスプレーするか、または包装材料上に印刷するかに応じて調節される。

【0138】

他の実施形態では、用途に応じて、分子量が比較的高いアルギン酸塩を使用してもよいことも理解されたい。例えば、アルギン酸塩は、２５°Ｃの３重量％水溶液中に含まれる場合、約５００ｃＰを超える粘度を有し得る。

【0139】

膜形成材料に加えて、包装材料に適用される低延焼性組成物は、他の様々な成分を含み得る。例えば、一実施形態では、低延焼性組成物は、充填材料を含み得る。充填材料の例としては、例えば、炭酸カルシウム、塩化カルシウム、乳酸カルシウム、グルコン酸カルシウムなどが挙げられる。カルシウム化合物に加えて、酸化マグネシウムなどのマグネシウム化合物や、粘土粒子などの他の様々な粒子を使用してもよい。

【0140】

低延焼性組成物は、一実施形態では、水性であり得る。特に、低延焼性組成物は、水性分散液または水溶液を含み得る。または、紙製包装材料に適用される前の低延焼性組成物は、非水溶液または分散液を含み得る。この実施形態では、例えば、低延焼性組成物は、包装材料に適用するために、アルコールを含み得る。

【0141】

また、膜形成組成物とは異なり、低延焼性組成物は、セルローススラリー（分散液の一種）を含んでもよい。本明細書で使用するとき、製紙材料を含むスラリーは、膜形成組成物ではない。紙基材に適用されるセルローススラリーは、繊維状セルロース、１種類以上の充填材料、及び／またはセルロース粒子を含み得る。本明細書で使用するとき、セルロース繊維及びセルロース粒子は、カルボキシメチルセルロースなどの誘導体化セルロースと区別されるべきである。例えば、セルロース繊維及びセルロース粒子は、水溶性ではない。一実施形態では、包装材料に適用されるセルローススラリーは、微結晶セルロースを含み得る。

【0142】

形成された低延焼性組成物は、包装材料の別個の領域に適用される。低延焼性組成物を包装材料に適用する方法は様々である。例えば、低延焼性組成物は、包装材料上に、スプレーされるか、ブラシで塗布されるか、可動オリフィスで塗布されるか、または、印刷される。処理領域を形成するために、低延焼性組成物は、単一パスまたは複数パスの操作で適用され得る。例えば、低延焼性組成物は、低延焼性を有する包装材料上に低延焼性領域を形成するために、連続的なステップで包装材料に適用することができる。一般的に、複数パスのプロセスでは、約２～約８回のパスで低延焼性組成物を適用することによって、処理領域を形成することができる。

【0143】

包装材料に適用される低延焼性組成物の量は、様々であり得る。例えば、低延焼性組成物は、約１５重量％未満、例えば約１０重量％未満、または例えば約８重量％未満の量で包装材料に適用される。一般的に、低延焼性組成物は、低延焼性領域に含まれる低延焼性組成物の重量に基づいて１重量％超の量で適用される。

【0144】

本明細書で使用するとき、上記の重量パーセントは、化学成分で処理された面積に基づくものである。言い換えれば、低延焼性組成物についての上記の重量パーセントは、包装材料の全表面に適用される総量ではなく、処理領域内に適用される量である。

【0145】

本開示の方法により、比較的高い透過率を有し、かつ比較的低い拡散率を有する、低延焼性領域を形成することができる。例えば、低延焼性領域は、１０ ＣＯＲＥＳＴＡよりに高い透過性を有するが、ＡＳＴＭ規格Ｅ２１８７－０９試験に少なくとも７５％の確率で合格する喫煙物品を製造することができる。

【0146】

一般的に、低延焼性領域は、比較的低い拡散率を有する。拡散率は、室温（２３°Ｃ）で測定される。一般的に、低延焼性領域の２３°Ｃでの拡散率は、約０．５ｃｍ／ｓ未満、例えば０．４ｃｍ／ｓ未満、または例えば０．３ｃｍ／ｓ未満であり得る。一実施形態では、低延焼性領域は、所望の低延焼性を依然として有しながら、約０．０５ｃｍ／ｓ超、例えば約０．１５ｃｍ／ｓ超、例えば０．１６ｃｍ／ｓ超、または例えば０．１７ｃｍ／ｓ超の拡散率を有し得る。拡散率は、Ｓｏｄｉｍ ＣＯ_２拡散率テスターを用いて測定される。

【0147】

本開示のエアロゾル生成材料は、喫煙物品に組み込むことに加えて、他の様々な形態でパッケージ化して、消費者に販売することもできる。例えば、一実施形態では、エアロゾル生成材料は、ストリップや細片の形態の充填材料としてパッケージ化及び販売してもよい。充填材料は、パイプまたは手巻きタバコ用の充填材料として使用してもよいし、または、非燃焼加熱式のエアロゾル生成装置内で使用してもよい。

【0148】

本開示は、以下の実施例を参照することにより、より良く理解できるであろう。

【0149】

実施例

【0150】

以下の試験方法を、様々なパラメータを定義するために使用するだけでなく、以下の実施例の結果を得るためにも使用した。

【0151】

試験及び方法

【0152】

充填力及び平衡含水率（ＥＭＣ）

【0153】

充填材料のサンプルを、ＩＳＯ ３４０２に従ってコンディショニングした（２２°Ｃ±１°Ｃ、６０％±３％ＲＨ、最低４８時間）。コンディショニング後、（必要に応じて）充填材料を広げ、切断してカットラグにした（器具：ＢＵＲＯＭＡ社製のディスクカッター；幅：０．７ｍｍ）。

【0154】

充填力の分析を行うために、１４ｇの切断した充填材料（精度：±０．０１ｇ）をＢｏｒｇｗａｌｄｔ社製のシリンダ（ＤＭ４６２５モデル；直径＝５．９８ｃｍ、高さ＝１０．８ｃｍ）に入れた。２ｋｇの重さを６０秒間加えた。ピストンを離すと、フィラーカラムの高さが表示され、それを記録した（Ｈ、単位：ｃｍ）。

【0155】

サンプルの充填力（単位：ｃｃ／ｇ）は、２×Ｈとして計算した。

【0156】

平衡含水率を、以下の方法に従って測定した。空のパン（ガラス製）の重量を、±１ｍｇの精度で測定し、記録した（Ｔ）。

【0157】

次に、パンに切断した充填材料（５～７ｇ）を充填し、切断した充填材料を入れたパンの重量を記録した（Ｗ１、精度：±１ｍｇ）。

【0158】

次いで、切断した充填材料を入れたパンを、Ｈｅａｒｓｏｎ社製のオーブン（Ｍａｒｋ Ｖ）で、１００°Ｃで３時間（±５分）乾燥させた。

【0159】

乾燥後、パンをデシケータで１５分間冷却し、重量を測定した（Ｗ２、精度：±１ｍｇ）。サンプルの水分（％）を以下のように計算した。

【0160】

【数1】

【0161】

水溶性成分の含有率

【0162】

充填材料のサンプルを粉砕して粉末にした（ＩＫＡまたはＲＥＴＳＣＨＥ－ＭＵＨＬＥ社製のグラインダを使用；メッシュサイズ：１ｍｍ）。

【0163】

ガラス繊維フィルタ（ＤＵＲＩＥＵＸ社製のフィルタＮｒ２８、直径＝５５ｍｍ）をステンレス製のパンに入れた。次に、パン＋フィルタの重量を計量した（Ｔ、精度：±１ｍｇ）。粉砕した充填材料のサンプル５０００ｍｇ（±２００ｍｇ）をパンに入れ、正確に計量した（Ｗ１、精度：±１ｍｇ）。

【0164】

粉砕した充填材料に水を優しく吹きかけ、パンを実験用のパーコレータ（ＲＥＮＥＫＡ ＬＣ）に取り付けた。予め定められたパーコレーション設定に従って抽出を３回行った。パーコレーション後、サンプルを水で注意深く洗浄し、パンを電気オーブンに入れて、１００℃で１６時間乾燥させた。

【0165】

洗浄後、パンをデシケータで１５分間冷却し、重量を測定した（Ｗ３、精度：±１ｍｇ）。

【0166】

水溶性成分の含有率の測定試験に使用される粉砕サンプルの乾燥重量（Ｗ２）を、Ｗ２＝Ｗ１×（１００－Ｈ）／１００として計算した。

【0167】

最後に、乾燥させた最終産物中の水溶性成分の含有率（％）を以下のように計算した。

【0168】

【数2】

【0169】

シガレットの作製

【0170】

充填材料のサンプルを、ＩＳＯ ３４０２に従ってコンディショニングした（２２°Ｃ±１°Ｃ、６０％±３％ＲＨ、最低４８時間）。コンディショニング後、充填材料シートを切断して細片にした（器具：ＢＵＲＯＭＡ社製のディスクカッター、幅：０．７ｍｍ）。切断した充填材料を、実験用のふるい（メッシュサイズ：１ｍｍ）でふるいにかけた。

【0171】

次に、ＰＲＩＶＩＬＥＧ社製の手巻き機を使用して、空のシガレットチューブに切断した充填材料を１００％充填した。切断した充填材料の重量は、圧力損失が１００±５ｍｍＷＧになるように調節した。

【0172】

空のシガレットチューブは、以下の特性を有していた。
・チューブ重量＝２００±５ｍｇ
・全長＝８４ｍｍ、直径＝８．１±０．１ｍｍ、チップ長さ＝２５ｍｍ
・アセテートフィルタ（デニール＝３．０Ｙ／３５０００ＨＫ、長さ＝１５±０．５ｍｍ、圧力損失＝４３±３ｍｍＷＧ）
・シガレットペーパーの気孔率＝５０ＣＵ
・フィルタ通気なし

【0173】

次に、ＳＯＤＩＭＡＴ社製の装置で、シガレットを選別した。煙の分析を行うために選択されたシガレットのロットは、以下の特性を有していた。充填材料重量：平均目標重量±１０ｍｇ、圧力損失（ＰＤ）：平均目標ＰＤ±３．５ｍｍＷＧ。

【0174】

煙の分析を行う前に、シガレットを、ＩＳＯ ３４０２に従ってコンディショニングした（２２°Ｃ±１°Ｃ、６０％±３％ＲＨ、最低４８時間）。

【0175】

燃焼力の分析

【0176】

１０本のシガレットをＦＩＬＴＲＯＮＡ社製の静的燃焼速度測定装置に配置した。この装置は、１０個のシガレットホルダと、１０個の個別のクロノメータとを備えている。

【0177】

１０本のシガレットの真上に、２本の綿糸を、互いに４０ｍｍ離間させて配置した。各綿糸に、クロノメータを接続した。

【0178】

各シガレットを順次点火した。各シガレットは、燃焼コーンが１本目の綿糸を切断すると、クロノメータが自動的に起動する。炭化ラインが２本目の綿糸に到達すると、クロノメータは自動的に停止し、これにより、４０ｍｍの充填材料ロッドを燃焼させるために必要な時間が測定された。

【0179】

平均時間（単位：秒）を、１０個のクロノメータから計算した。

【0180】

平均燃焼力（ｍｍ／分）を以下のように計算した。

【0181】

【数3】

【0182】

煙中のタール、ニコチン、水、及びＣＯの分析

【0183】

ＩＳＯ規格（ＩＳＯ ３３０８）に従って、２０本のシガレット２セットを、Ｂｏｒｇｗａｌｄｔ社製のＲＭ２０キットマシンで喫煙した。

【0184】

煙中のニコチン及び水（ｍｇ／ｃｉｇ）を、ＩＳＯ １０３１５規格及びＩＳＯ １０３６２－１規格に従って、ガスクロマトグラフィーで測定した。

【0185】

煙中のタール（ｍｇ／ｃｉｇ）を、ＩＳＯ４３８７規格に従って測定した。

【0186】

煙中のＣＯ（ｍｇ／ｃｉｇ）を、ＩＳＯ ８４５４規格に準拠した非分散型赤外線（ＮＤＩＲ）法を用いて測定した。

【0187】

実施例１

【0188】

カカオ（テオブロマカカオ）の木に由来する繊維を含む本開示によるカカオ充填材料を、以下の方法に従って製造した：カカオハスクをナイフミルで粉砕して、約１ｍｍの大きさの粒子にした。続いて、粉砕したハスク材料を、ハスク：水の比が１：１０になるように、７０℃で４５分間、水と混合した。次に、この混合物をプレスして、可溶性部分（カカオハスク液）を不溶性部分（カカオハスク繊維）から分離した。繊維画分を、ディスクリファイナを使用して精製した。精製後、樹脂樹由来の脱リグニン化繊維（針葉樹繊維）を、脱リグニン化繊維：カカオの木に由来する本開示による繊維（カカオ充填材料）の比が４０％：６０％になるように、精製した繊維画分に加えて、再構成カカオ充填材料シートを製造した。その後、カカオ充填材料シートを乾燥させた。

【0189】

カカオ充填材料は、以下の特性を示した。

【0190】

【表1】

【0191】

実施例２

【0192】

カカオ（テオブロマカカオ）の木に由来する繊維を含む本開示によるカカオ充填材料を、以下の方法に従って製造した：カカオハスクをナイフミルで粉砕して、約１ｍｍの大きさの粒子にした。続いて、粉砕したハスク材料を、ハスク：水の比が１：１０になるように、７０℃で４５分間、水と混合した。次に、この混合物をプレスして、可溶性部分（カカオハスク液）を不溶性部分（カカオハスク繊維）から分離した。繊維画分を、ディスクリファイナを使用して精製した。精製後、樹脂樹由来の脱リグニン化繊維（針葉樹繊維）を、脱リグニン化繊維：カカオの木に由来する本開示による繊維（カカオ充填材料）の比が４０％：６０％になるように、精製した繊維画分に加えて、再構成カカオ充填材料シートを製造した。その後、カカオ充填材料シートを乾燥させた。並行して、上記のように調製した、「抽出物」とも呼ばれるカカオの木に由来する水性部分（カカオハスク液）を、蒸発器で固形分濃度２０％まで濃縮し、次いで、サイズプレスでコーティングすることによってカカオ充填材料シート上にコーティングするか、またはコーティングしなかった。乾燥させる前に、以下の表に従ってコーティング及び／またはスプレーすることによって、他の様々な物質をカカオ充填材料シートに添加した。

【0193】

【表2】

【0194】

いくつかのシガレット（Ａ、Ｂ、Ｃ、Ｄ、Ｅ、Ｆ、Ｈ）は、専門家グループによる官能評価を目的として作製した。Ｇサンプルは、非燃焼加熱式用途のためのＰＡＸ３システムで評価した。

【0195】

以下の結果が得られた。

【0196】

【表3】

【0197】

実施例３

【0198】

カカオ（テオブロマカカオ）の木に由来する繊維を含む本開示によるカカオ充填材料を、以下の方法に従って製造した：カカオハスクをナイフミルで粉砕して、約１ｍｍの大きさの粒子にした。続いて、粉砕したハスク材料を、ハスク：水の比が１：１０になるように、７０℃で４５分間、水と混合した。次に、この混合物をプレスして、可溶性部分（カカオハスク液）を不溶性部分（カカオハスク繊維）から分離した。繊維画分を、ディスクリファイナを使用して精製した。精製後、樹脂樹由来の脱リグニン化繊維（針葉樹繊維）を、脱リグニン化繊維：カカオの木に由来する本開示による繊維（カカオ充填材料）の比が４０％：６０％になるように、精製した繊維画分に加えて、再構成カカオ充填材料シートを製造した。その後、カカオ充填材料シートを乾燥させた。

【0199】

水性部分（タバコ液）を使用するために、上記のように調製したタバコ材料から得られるタバコ抽出物は、タバコの「抽出物」とも呼ばれる。次に、これらの抽出物を、コーティングによってカカオ充填材料シートに添加した。また、実証のために、同一の方法で、いくつかの再構成タバコ材料を製造した。

【0200】

以下のサンプルを作製した。

【0201】

【表4】

【0202】

官能評価
・サンプルＡとサンプルＦとを、非燃焼加熱式装置（ＰＡＸ３）で比較した。有意差はなかった。カカオ充填材料はニュートラルであった。カカオ充填材料はタバコ繊維と置き換え可能であった。
・サンプルＤとサンプルＥとを、従来のシガレットの条件で比較した。有意差はなかった。カカオ充填材料はニュートラルであった。カカオ充填材料はタバコ繊維と置き換え可能であった。
・サンプルＡとサンプルＢとを、非燃焼加熱式装置で比較した。予想通り、タバコの性質及びニコチンの影響は、サンプルＢの方が低かった。

【0203】

実施例４

【0204】

カカオ（テオブロマカカオ）の木と、タバコ（ニコチアナ・タバカム）植物に由来する繊維とを含む本開示によるカカオ・タバコ充填材料を、以下の方法に従って製造した：カカオハスクをナイフミルで粉砕して、約１ｍｍの大きさの粒子にした。続いて、粉砕したハスク材料を、ハスク：水の比が１：１０になるように、７０℃で４５分間、水と混合した。次に、この混合物をプレスして、可溶性部分（カカオハスク液）を不溶性部分（カカオハスク繊維）から分離した。繊維画分を、ディスクリファイナを使用して精製した。精製後、樹脂樹由来の脱リグニン化繊維と、上記のように調製したタバコ繊維とを、脱リグニン化繊維：タバコ繊維：カカオの繊維の比が２０％：６０％：２０％になるように、精製した繊維画分に加えて、再構成カカオ充填材料シートを製造した。その後、カカオ・タバコ充填材料シートを乾燥させた。

【0205】

並行して、上記のように調製した、タバコ「抽出物」とも呼ばれるタバコ植物に由来する水性部分（タバコ液）を、蒸発器で固形分濃度５０％まで濃縮し、次いで、サイズプレスでコーティングすることによってカカオ・タバコ充填材料シート上にコーティングするか、またはコーティングせず、その後、乾燥させた。また、実証のために、同一の方法で、いくつかの再構成タバコ材料を製造した。

【0206】

以下のサンプルを作製した。

【0207】

【表5】

【0208】

官能評価
・サンプルＣとサンプルＦとを、非燃焼加熱式装置（ＰＡＸ３）で比較した。有意差はなかった。カカオ充填材料はニュートラルであり、タバコ繊維と置き換え可能であった。

【0209】

実施例５

【0210】

カカオ（テオブロマカカオ）の木に由来する繊維を含む本開示によるカカオ充填材料を、以下の方法に従って製造した：カカオハスクをナイフミルで粉砕して、約１ｍｍの大きさの粒子にした。続いて、粉砕したハスク材料を、ハスク：水の比が１：１０になるように、７０℃で４５分間、水と混合した。次に、この混合物をプレスして、可溶性部分（カカオハスク液）を不溶性部分（カカオハスク繊維）から分離した。繊維画分を、ディスクリファイナを使用して精製した。精製後、樹脂樹由来の脱リグニン化繊維（針葉樹繊維）を、脱リグニン化繊維：カカオの木に由来する本開示による繊維（カカオ充填材料）の比が４０％：６０％になるように、精製した繊維画分に加えて、再構成カカオ充填材料シートを製造した。その後、カカオ充填材料シートを乾燥させた。

【0211】

並行して、上記のように調製した、ヘンプの「抽出物」とも呼ばれるヘンプ（大麻種）植物に由来する水性部分（ヘンプ液）を、蒸発器で固形分濃度５０％まで濃縮し、次いで、サイズプレスでコーティングすることによってカカオ充填材料シート上にコーティングし、その後、乾燥させた。

【0212】

以下のサンプルを作製した。

【0213】

【表6】

【0214】

官能評価
・サンプルＣを、従来のシガレット条件で評価した。煙の量は良く、燃焼及び香りは良好であった。刺激はなかった。苦味は少なかった。良いヘンプの性質があり、カカオの性質はなかった。カカオ繊維はニュートラルであった。
・サンプルＤを、非燃焼加熱式装置で評価した。煙の量は非常に良かった。カカオの性質はなく、独特のヘンプ／大麻の風味があった。刺激はなかった。非常に心地良かった。カカオ繊維はニュートラルであった。

【0215】

上述のように、本開示によれば、様々なエアロゾル生成材料を製造することができる。一実施形態では、エアロゾル生成材料は、抽出された大麻繊維と抽出されたタバコ繊維との組み合わせを含む再構成植物材料を含有する。一実施形態では、再構成植物材料は、抽出されたハーブ植物繊維と、抽出された大麻繊維との組み合わせを含む。一実施形態では、再構成植物材料は、抽出された大麻繊維と、抽出されたタバコ繊維と、抽出されたハーブ植物繊維との組み合わせを含む。

【0216】

一実施形態では、エアロゾル生成材料は、抽出された植物繊維と、抽出されたタバコ繊維との組み合わせを含む再構成植物材料を含有する。一実施形態では、再構成植物材料は、抽出された植物繊維と、抽出されたハーブ植物繊維との組み合わせを含む。一実施形態では、再構成植物材料は、抽出された植物繊維と、抽出されたタバコ繊維と、抽出されたハーブ植物繊維との組み合わせを含む。

【0217】

一実施形態では、エアロゾル生成材料は、抽出された大麻繊維と、抽出された植物繊維と、抽出されたタバコ繊維と、抽出されたハーブ植物繊維とを含む再構成植物材料を含有する。一実施形態では、再構成植物材料は、抽出された大麻繊維と、抽出された植物繊維と、抽出されたタバコ繊維との組み合わせを含む。一実施形態では、再構成植物材料は、抽出された大麻繊維と、抽出された植物繊維と、抽出されたハーブ植物繊維との組み合わせを含む。

【0218】

上記の実施形態のいずれにおいても、再構成植物材料は、ウェブ構築繊維をさらに含むことができる。

【0219】

上述したいずれかの実施形態では、再構成植物材料と組み合わされるウェブ構築繊維は、様々であり得る。一実施形態では、ウェブ構築繊維は、木材パルプ繊維、例えば、針葉樹繊維、広葉樹繊維、またはそれらの組み合わせを含む。一実施形態では、ウェブ構築繊維は、針葉樹繊維と広葉樹繊維とを１：２～２：１の比で含む。一実施形態では、ウェブ構築繊維は、亜麻繊維を含む。一実施形態では、ウェブ構築繊維は、アバカ繊維を含む。一実施形態では、ウェブ構築繊維は、竹繊維を含む。一実施形態では、ウェブ構築繊維は、ココナッツ繊維を含む。一実施形態では、ウェブ構築繊維は、ラミー繊維を含む。一実施形態では、ウェブ構築繊維は、ジュート繊維を含む。一実施形態では、ウェブ構築繊維は、ヘンプパルプ繊維を含む。ヘンプパルプ繊維は、単独で用いてもよいし、木材パルプ繊維（例えば、針葉樹繊維、広葉樹繊維、またはそれらの組み合わせ）と組み合わせて用いてもよい。一実施形態では、ウェブ構築繊維は、エアロゾル生成材料に、約３重量％超の量で含まれる。一実施形態では、ウェブ構築繊維は、エアロゾル生成材料に、約５重量％超の量で含まれる。一実施形態では、ウェブ構築繊維は、エアロゾル生成材料に、約８重量％超の量で含まれる。一実施形態では、ウェブ構築繊維は、エアロゾル生成材料に、約１２重量％超の量で含まれる。一実施形態では、ウェブ構築繊維は、エアロゾル生成材料に、約１８重量％超の量で含まれる。一実施形態では、ウェブ構築繊維は、エアロゾル生成材料に、約５０重量％未満の量、例えば約４０重量％未満の量で含まれる。

【0220】

一実施形態では、本開示のエアロゾル生成材料は、再構成植物材料に適用されるエアロゾル送達組成物を含み得る。エアロゾル送達組成物は、エアロゾル送達物質を含む。一実施形態では、エアロゾル送達物質は、薬剤または香料を含む。本明細書に記載されたいずれかの実施形態では、エアロゾル送達組成物は、油、水溶液、水性分散液、または固形分であり得る。一実施形態では、エアロゾル送達物質は、ニコチンを含む。一実施形態では、エアロゾル送達物質は、カンナビノイドを含む。一実施形態では、エアロゾル送達物質は、テトラヒドロカンナビノールを含む。一実施形態では、エアロゾル送達物質は、カンナビジオールを含む。一実施形態では、エアロゾル送達物質は、テトラヒドロカンナビノールとカンナビジオールとの組み合わせを含む。ニコチンまたはカンナビノイドは、他のエアロゾル送達物質と組み合わせてもよい。一実施形態では、他のエアロゾル送達物質は、糖類を含む。一実施形態では、他のエアロゾル送達物質は、蜂蜜を含む。一実施形態では、他のエアロゾル送達物質は、コーヒーを含む。一実施形態では、他のエアロゾル送達物質は、メープルシロップを含む。一実施形態では、他のエアロゾル送達物質は、植物抽出物、例えば、茶抽出物、または草木の抽出物を含む。一実施形態では、他のエアロゾル送達物質は、タバコ抽出物を含む。一実施形態では、他のエアロゾル送達物質は、タバコ抽出物のみを含む。一実施形態では、他のエアロゾル送達物質は、テルペンまたはテルペンのブレンドを含む。テルペンまたはテルペンのブレンドは、ニコチンまたはカンナビノイドを含む上記のエアロゾル送達物質のいずれかと共に使用することができる。

【0221】

１種類以上のエアロゾル送達物質を含むエアロゾル送達組成物は、再構成植物材料に、約１重量％超の量で含まれ得る。一実施形態では、１種類以上のエアロゾル送達物質は、再構成植物材料に、約３重量％超の量、例えば約５重量％超の量で含まれ得る。また、１種類以上のエアロゾル送達物質は、再構成植物材料に、約５０重量％未満の量、例えば約２５重量％未満の量で含まれ得る。

【0222】

一実施形態では、エアロゾル生成材料は、別の材料とブレンドされた再構成植物材料を含むことができる。例えば、一実施形態では、再構成植物材料は、タバコ材料とブレンドされた抽出された大麻繊維を含む。一実施形態では、再構成植物材料は、タバコ材料とブレンドされた抽出された植物繊維を含む。一実施形態では、再構成植物材料は、抽出された大麻繊維と、ハーブ材料との組み合わせを含む。一実施形態では、再構成植物材料は、抽出された植物繊維と、ハーブ材料との組み合わせを含む。一実施形態では、エアロゾル生成材料は、抽出された大麻繊維と抽出された植物繊維との組み合わせを含む再構成植物材料であって、タバコ材料と混合またはブレンドされた再構成植物材料を含む。一実施形態では、エアロゾル生成材料は、抽出された大麻繊維と抽出された植物繊維との組み合わせを含む再構成植物材料であって、ハーブ材料と混合またはブレンドされた再構成植物材料を含む。一実施形態では、エアロゾル生成材料は、抽出された大麻繊維を含む再構成植物材料であって、タバコ材料及びハーブ材料と混合またはブレンドされた再構成植物材料を含む。一実施形態では、エアロゾル生成材料は、抽出された植物繊維を含む再構成植物材料であって、タバコ材料及びハーブ材料と混合またはブレンドされた再構成植物材料含む。

【0223】

上記のタバコ材料は、切り葉タバコであり得る。エアロゾル生成材料が抽出された大麻繊維を含む場合、抽出された大麻繊維は、追加の水溶性抽出による抽出副産物を含み得る。

【0224】

一実施形態では、再構成植物材料は、抽出された植物繊維、例えばタバコ繊維を含む。再構成植物材料は、エアロゾル送達材料を含むエアロゾル送達組成物をさらに含有する。エアロゾル送達材料は、ニコチン、テトラヒドロカンナビノール、カンナビジオール、またはそれらの任意の組み合わせを含み得る。

【0225】

上述したいずれかの実施形態では、エアロゾル生成材料は、様々な製品に使用することができる。上述したいずれかの実施形態では、エアロゾル生成材料は、喫煙物品を作製するために、喫煙可能なロッドに形成し、包装材料で包装することができる。喫煙物品は、任意選択で、その一端にフィルタを含み得る。任意選択で、包装材料は、複数の個別の低延焼性領域を含み得る。

【0226】

一実施形態では、上述したエアロゾル生成材料は、非燃焼加熱式装置に使用することができる。

【0227】

上述したいずれかの実施形態では、エアロゾル生成材料は、嗅ぎタバコ製品として使用することができる。

【0228】

本発明はその趣旨から逸脱しない範囲で様々な変更または変形が可能であることは、当業者であれば理解できるであろう。加えて、様々な実施形態の態様は、その全体またはその一部を相互に交換できることを理解されたい。さらに、当業者であれば、上記の詳細な説明及び実施例は説明のみを目的としており、添付の特許請求の範囲に記載されている本発明の範囲をいかなる意味でも限定することを意図していないことを理解できるであろう。

【図1】

【図2】