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特表2022-519888電動式フロアスライドレールの伝動装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-03-25
(54)【発明の名称】電動式フロアスライドレールの伝動装置
(51)【国際特許分類】
   B60N 2/075 20060101AFI20220317BHJP
   F16H 19/04 20060101ALI20220317BHJP
   H02K 7/116 20060101ALI20220317BHJP
【FI】
B60N2/075
F16H19/04 Z
H02K7/116
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021547147
(86)(22)【出願日】2019-12-31
(85)【翻訳文提出日】2021-10-08
(86)【国際出願番号】 CN2019130595
(87)【国際公開番号】W WO2020164328
(87)【国際公開日】2020-08-20
(31)【優先権主張番号】201910115062.X
(32)【優先日】2019-02-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】520187333
【氏名又は名称】ヤンフェン アディエント シーティング カンパニー リミテッド
【氏名又は名称原語表記】YANFENG ADIENT SEATING CO. LTD.
【住所又は居所原語表記】No.669 Kang An Rd., Kangqiao Industrial Zone, Pudong New Area, Shanghai 201315 (CN)
(74)【代理人】
【識別番号】110001494
【氏名又は名称】前田・鈴木国際特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】チャン, ジャンリン
(72)【発明者】
【氏名】タオ, フイジア
(72)【発明者】
【氏名】ジャン, ホンフイ
(72)【発明者】
【氏名】フー, ロンフイ
(72)【発明者】
【氏名】ファン, イェディ
【テーマコード(参考)】
3B087
3J062
5H607
【Fターム(参考)】
3B087AA02
3B087BA02
3B087BB02
3J062AA02
3J062AB05
3J062AC07
3J062BA14
3J062CA15
5H607BB01
5H607EE31
(57)【要約】
本発明の電動式フロアスライドレールの伝動装置は、左レールアセンブリ100、右レールアセンブリ200、駆動レールアセンブリ300、スライドレール接続フレーム400を含む。駆動レールアセンブリは、ロアレールアセンブリ310、ロアレールアセンブリに摺動可能に配置された伝動ボックス支持体320、伝動ボックス支持体に装着された伝動アセンブリ、伝動アセンブリにより駆動される出力ギヤ340、伝動ボックス支持体に装着された駆動モータ350を含む。駆動モータは伝動アセンブリを駆動し、伝動アセンブリは出力ギヤを回転駆動し、出力ギヤはロアレールアセンブリに配置されたラック360と噛合して伝動ボックス支持体を駆動し、伝動ボックス支持体はスライドレール接続フレームアセンブリによってシートを駆動し、左右のレールアセンブリに沿って前後に調整する。ギヤ及びラックと一体化され、安定的で美観に優れ低コストの電動式フロアスライドレールの伝動装置を提供する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
スライドレールの支持機能及びロック機能を提供するように構成された左レールアセンブリ及び右レールアセンブリと、
前記左レールアセンブリと前記右レールアセンブリとの間に配置され、前記スライドレールの電動伝動機能を提供する駆動レールアセンブリと、
前記左レールアセンブリ、前記右レールアセンブリ及び前記駆動レールアセンブリを全体として一体に接続するように構成され、シートに接続されて電動式フロアスライドレールの伝動装置を形成するスライドレール接続フレームアセンブリと、を含む電動式フロアスライドレールの伝動装置であって、
前記駆動レールアセンブリは、ロアレールアセンブリと、前記ロアレールアセンブリに摺動可能に配置された伝動ボックス支持体と、前記伝動ボックス支持体に装着された伝動アセンブリと、前記伝動アセンブリにより駆動されるように構成された出力ギヤと、前記伝動ボックス支持体に装着された駆動モータとを含み、
前記駆動モータは、前記伝動アセンブリを駆動して動作させるように構成され、
前記伝動アセンブリは、前記出力ギヤを回転駆動するように構成され、
前記出力ギヤは、前記ロアレールアセンブリに配置されたラックと噛合し、前記伝動ボックス支持体を駆動して、前記ロアレールアセンブリ上を直線的に往復移動させ、
直線的に移動する前記伝動ボックス支持体は、前記スライドレール接続フレームアセンブリによって前記シートを駆動し、前記左レールアセンブリ及び前記右レールアセンブリに沿って前後に調整する、
ことを特徴とする電動式フロアスライドレールの伝動装置。
【請求項2】
スライドレールの支持機能及びロック機能を提供するように構成された左レールアセンブリ及び右レールアセンブリを含み、前記左レールアセンブリ上の左スライドレール支持体及び前記右レールアセンブリ上の右スライドレール支持体が、シートに直接接続されている電動式フロアスライドレールの伝動装置であって、
前記左スライドレール支持体と前記右スライドレールにそれぞれ配置された2つの伝動アセンブリと2つの出力ギヤ、及び駆動モータをさらに含み、
前記駆動モータは、前記2つの伝動アセンブリを同期駆動して動作させるように構成され、
前記2つの伝動アセンブリは、前記2つの出力ギヤを同期して回転駆動するように構成され、
前記2つの出力ギヤは、前記左レールアセンブリ及び前記右レールアセンブリにそれぞれ配置されたラックとそれぞれ噛合し、前記左スライドレール支持体及び前記右スライドレール支持体を駆動して前記左レールアセンブリ及び前記右レールアセンブリ上をそれぞれ直線的に往復移動させ、
直線的に移動する前記左スライドレール支持体及び前記右スライドレール支持体は、前記シートを駆動し、前記左レールアセンブリ及び前記右レールアセンブリに沿って前後に調整する、
ことを特徴とする電動式フロアスライドレールの伝動装置。
【請求項3】
前記駆動モータは、前記左スライドレール支持体又は前記右スライドレール支持体に装着されることを特徴とする請求項2に記載の電動式フロアスライドレールの伝動装置。
【請求項4】
前記伝動アセンブリは、伝動ギヤボックスと、前記伝動ギヤボックス内に軸方向に配置された駆動ギヤとを含む伝動ギヤアセンブリであり、前記出力ギヤも、前記伝動ギヤボックス内に軸方向に配置されており、前記駆動モータは、前記駆動ギヤを回転駆動し、前記駆動ギヤは、前記出力ギヤを回転駆動し、前記伝動ギヤボックスは、前記伝動ボックス支持体又は前記左スライドレール支持体及び前記右スライドレール支持体に装着されることを特徴とする請求項1又は2に記載の電動式フロアスライドレールの伝動装置。
【請求項5】
前記駆動モータの出力軸は、前記駆動ギヤの伝動連結軸孔内に挿入されて前記駆動ギヤに連結されることを特徴とする請求項4に記載の電動式フロアスライドレールの伝動装置。
【請求項6】
前記駆動モータの前記出力軸の外周と前記駆動ギヤの前記伝動連結軸孔の内周とは、互いに合致する非対称な六角形状に形成されていることを特徴とする請求項5に記載の電動式フロアスライドレールの伝動装置。
【請求項7】
前記駆動モータの出力軸は、前記駆動モータの両端から延出し、前記2つの伝動ギヤアセンブリの前記駆動ギヤの伝動連結軸孔に挿入され、前記2つの伝動ギヤアセンブリの前記駆動ギヤに連結された同期ロッドであり、前記同期ロッドの両端は、前記左スライドレール支持体及び前記右スライドレール支持体にそれぞれ軸方向に配置されていることを特徴とする請求項4に記載の電動式フロアスライドレールの伝動装置。
【請求項8】
前記同期ロッドの外周と前記駆動ギヤの前記伝動連結軸孔の内周とは、互いに合致する非対称な六角形状に形成されていることを特徴とする請求項7に記載の電動式フロアスライドレールの伝動装置。
【請求項9】
前記伝動ギヤアセンブリは、前記伝動ギヤボックス内に軸方向に配置された伝動ギヤをさらに含み、前記伝動ギヤは、前記駆動ギヤ及び前記出力ギヤと噛合し、前記駆動ギヤは、前記伝動ギヤにより前記出力ギヤを回転駆動することを特徴とする請求項4に記載の電動式フロアスライドレールの伝動装置。
【請求項10】
前記伝動ギヤアセンブリは、第1段伝動ギヤ及び第2段伝動ギヤをさらに含み、前記第1段伝動ギヤは、前記伝動ギヤボックス内に軸方向に配置され、前記第2段伝動ギヤは、前記出力ギヤに同軸に固定接続され、前記第1段伝動ギヤは、前記駆動ギヤ及び前記第2段伝動ギヤと噛合し、前記駆動ギヤは、前記第1段伝動ギヤ及び前記第2段伝動ギヤにより前記出力ギヤを回転駆動することを特徴とする請求項4に記載の電動式フロアスライドレールの伝動装置。
【請求項11】
前記第2段伝動ギヤは、前記第2段伝動ギヤと前記出力ギヤとを貫通するスタッドにより前記出力ギヤに同軸に固定接続されていることを特徴とする請求項10に記載の電動式フロアスライドレールの伝動装置。
【請求項12】
前記第2段伝動ギヤと前記出力ギヤとは、同軸に一体的に形成されていることを特徴とする請求項10に記載の電動式フロアスライドレールの伝動装置。
【請求項13】
前記伝動アセンブリは、伝動同期ホイールボックスと、前記伝動同期ホイールボックス内に軸方向に配置された駆動同期プーリと、前記出力ギヤに同軸に固定接続された出力同期プーリと、前記駆動同期プーリ及び前記出力同期プーリを取り囲む同期ベルトとを含む伝動同期機構アセンブリであり、前記出力ギヤも、前記伝動同期ホイールボックス内に軸方向に配置されており、前記駆動モータは、前記駆動同期プーリを回転駆動し、前記駆動同期プーリは、前記同期ベルトにより前記出力同期プーリを回転駆動し、前記出力同期プーリは、前記出力ギヤを回転駆動し、前記伝動同期ホイールボックスは、前記伝動ボックス支持体又は前記左スライドレール支持体及び前記右スライドレール支持体に装着されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の電動式フロアスライドレールの伝動装置。
【請求項14】
前記駆動モータの出力軸は、前記駆動同期プーリの伝動連結軸孔内に挿入されて前記駆動同期プーリに連結されていることを特徴とする請求項13に記載の電動式フロアスライドレールの伝動装置。
【請求項15】
前記駆動モータの前記出力軸の外周と前記駆動同期プーリの前記伝動連結軸孔の内周とは、互いに合致する非対称な六角形状に形成されていることを特徴とする請求項14に記載の電動式フロアスライドレールの伝動装置。
【請求項16】
前記駆動モータの出力軸は、前記駆動モータの両端から延出し、伝動同期ホイールアセンブリの前記駆動同期プーリの伝動連結軸孔に挿入され、前記伝動同期ホイールアセンブリの前記駆動同期プーリに連結された同期ロッドであり、前記同期ロッドの両端は、前記左スライドレール支持体及び前記右スライドレール支持体にそれぞれ軸方向に配置されていることを特徴とする請求項13に記載の電動式フロアスライドレールの伝動装置。
【請求項17】
前記同期ロッドの外周と前記駆動同期プーリの前記伝動連結軸孔の内周とは、互いに合致する非対称な六角形状に形成されていることを特徴とする請求項16に記載の電動式フロアスライドレールの伝動装置。
【請求項18】
前記伝動同期機構アセンブリは、前記伝動同期ホイールボックスに軸方向に配置されて前記同期ベルトを引っ張る同期ベルトテンショナーをさらに含むことを特徴とする請求項13に記載の電動式フロアスライドレールの伝動装置。
【請求項19】
前記伝動同期ホイールボックスの適切な位置にウエスト状孔が設けられ、前記同期ベルトテンショナーは、前記ウエスト状孔内に軸方向に配置され、前記ウエスト状孔内に移動可能かつロック可能であることを特徴とする請求項18に記載の電動式フロアスライドレールの伝動装置。
【請求項20】
前記左レールアセンブリの左ロック機構及び前記右レールアセンブリの右ロック機構は、同期ロック解除機構によりロック解除され、前記同期ロック解除機構は、同期ロック解除モータと、前記同期ロック解除モータによって駆動されるように構成された同期ロック解除ロッドとを含み、前記同期ロック解除ロッドの左端及び右端は、それぞれ左ロック機構及び右ロック機構に駆動可能に接続され、前記同期ロック解除モータは、前記伝動ボックス支持体又は左スライドレール支持体又は右スライドレール支持体に装着されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の電動式フロアスライドレールの伝動装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動車部品の技術分野に関し、特に、電動式フロアスライドレールの伝動(トランスミッション)装置に関する。
【背景技術】
【0002】
自動車技術の発展、自動車の快適性に対する顧客の要求の高まり、近年のMPVなどの複数列シートを有する大型車の販売の急速な成長及び将来的な無人車両の開発に伴い、複数列のシートの間で大ストロークの調整及びレール共有を可能にする自動車用シートに対する需要が市場の傾向となっている。このため、大ストロークのフロアスライドレール技術の開発は、市場の需要、特に電気的に調整可能な大ストロークのフロアスライドレールに対する需要にも合致している。しかしながら、従来の短いスライドレールの技術とは異なり、電動式フロアスライドレールの技術では、フロアスライドレールは、その独特の応用分野と過剰な調整ストロークのために独特の構造を有しており、フロアスライドレール、特に電気式フロアスライドレールの伝動装置にも新たな性能要件が課せられている。
【0003】
本出願人は、電動式フロアスライドレールの分野で長期的な研究を行い、複数の特許を出願してきた。例えば、中国特許出願第201810998011.1号には、自動車用シートの電動式フロアスライドレールシステムが開示されており、中国特許出願第201810984862.0号には、電動式長スライドレール用の分割式伝動装置が開示されており、中国特許出願第201810984861.6号には、電動式長スライドドレール伝動装置が開示されている。
【0004】
これらの特許出願は、それぞれ例えば以下のような利点と欠点を有する。
【0005】
中国特許出願第201810998011.1号に開示された自動車用シートの電動式フロアスライドレールシステムは、メモリ位置要件のない低コストの3レール電動式フロアスライドレールである。この出願は片輪外部駆動を利用しているため、構造及び工程を容易に実現できる。しかしながら、この出願は、中間レールの表面に車輪を転動させることでシート調整を実現しているため、伝動滑り、伝動が不正確、スライドレールの外観が悪いなどの欠点を有している。
【0006】
中国特許出願第201810984862.0号に開示された電動式長スライドレール用の分割式伝動装置と、中国特許出願第201810984861.6号に開示された電動式長スライドレールの伝動装置は、いずれもメモリと外観の要件を有する電動式フロアスライドレールである。これらの出願では、ギヤ及びラックが内蔵されているため、伝動精度が高く、高精度のメモリ制御が容易であるなどの技術的利点を有する。しかし、両側のスライドレールにはギヤボックス及びラックが必要である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】中国特許出願第201810998011.1号
【特許文献2】中国特許出願第201810984862.0号
【特許文献3】中国特許出願第201810984861.6号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明が解決しようとする技術的課題は、従来技術の欠点を考慮して、従来技術の利点を組み合わせ、ギヤ及びラックの伝動装置を一体化し、安定的で、美観に優れ、低コストの電動式フロアスライドレールの伝動装置を実現することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明が解決しようとする技術的課題は、以下の技術手段により実施することができる。
【0010】
電動式フロアスライドレールの伝動装置であって、スライドレールの支持機能及びロック機能を提供するように構成された左レールアセンブリ及び右レールアセンブリと、左レールアセンブリと右レールアセンブリとの間に配置され、スライドレールの電動伝動機能を提供する駆動レールアセンブリと、左レールアセンブリ、右レールアセンブリ及び駆動レールアセンブリを全体として一体に接続するように構成され、シートに接続されて電動式フロアスライドレールの伝動装置を形成するスライドレール接続フレームアセンブリとを含む。駆動レールアセンブリは、ロアレールアセンブリと、ロアレールアセンブリに摺動可能に配置された伝動ボックス支持体と、伝動ボックス支持体に装着された伝動アセンブリと、伝動アセンブリにより駆動されるように構成された出力ギヤと、伝動ボックス支持体に装着された駆動モータとを含む。駆動モータは、伝動アセンブリを駆動して動作させるように構成され、伝動アセンブリは、出力ギヤを回転駆動するように構成され、出力ギヤは、ロアレールアセンブリに配置されたラックと噛合し、伝動ボックス支持体を駆動してロアレールアセンブリ上を直線的に往復移動させ、直線的に移動する伝動ボックス支持体は、スライドレール接続フレームアセンブリによってシートを駆動し、左レールアセンブリ及び右レールアセンブリに沿って前後に調整する。
【0011】
本発明が解決しようとする技術的課題は、また以下の技術手段により実施することができる。
【0012】
電動式フロアスライドレールの伝動装置は、スライドレールの支持機能及びロック機能を提供するように構成された左レールアセンブリ及び右レールアセンブリを含み、左レールアセンブリ上の左スライドレール支持体及び右レールアセンブリ上の右スライドレール支持体は、シートに直接接続されている。上記伝動装置はさらに、左スライドレール支持体と右スライドレールにそれぞれ配置された2つの伝動アセンブリと2つの出力ギヤ、及び駆動モータをさらに含む。駆動モータは、2つの伝動アセンブリを同期駆動して動作させるように構成され、2つの伝動アセンブリは、2つの出力ギヤを同期して回転駆動するように構成され、2つの出力ギヤは、左レールアセンブリ及び右レールアセンブリにそれぞれ配置されたラックとそれぞれ噛合し、左スライドレール支持体及び右スライドレール支持体を駆動して左レールアセンブリ及び右レールアセンブリ上をそれぞれ直線的に往復移動させる。直線的に移動する左スライドレール支持体及び右スライドレール支持体は、シートを駆動し、左レールアセンブリ及び右レールアセンブリに沿って前後に調整する。
【0013】
本発明の好ましい実施例では、駆動モータは、左スライドレール支持体又は右スライドレール支持体に装着される。
【0014】
本発明の好ましい実施例では、伝動アセンブリは、伝動ギヤボックスと、伝動ギヤボックス内に軸方向に配置された駆動ギヤとを含む伝動ギヤアセンブリであり、出力ギヤも伝動ギヤボックス内に軸方向に配置されており、駆動モータは、駆動ギヤを回転駆動し、駆動ギヤは、出力ギヤを回転駆動し、伝動ギヤボックスは、伝動ボックス支持体又は左スライドレール支持体及び右スライドレール支持体に装着される。
【0015】
本発明の好ましい実施例では、駆動モータの出力軸は、駆動ギヤの伝動連結軸孔内に挿入されて駆動ギヤに連結される。
【0016】
本発明の好ましい実施例では、駆動モータの出力軸の外周と駆動ギヤの伝動連結軸孔の内周とが、互いに合致する非対称な六角形状に形成されているため、位置決め精度を向上させ、駆動ギヤの噛合を容易にすることができ、これにより長期の操作による滑りを回避することができる。
【0017】
本発明の好ましい実施例では、駆動モータの出力軸は、駆動モータの両端から延出し、伝動ギヤアセンブリの駆動ギヤの伝動連結軸孔に挿入され、伝動ギヤアセンブリの駆動ギヤに連結された同期ロッドである。同期ロッドの両端は、左スライドレール支持体及び右スライドレール支持体にそれぞれ軸方向に配置される。
【0018】
本発明の好ましい実施例では、同期ロッドの外周と駆動ギヤの伝動連結軸孔の内周とは、互いに合致する非対称な六角形状に形成されているため、位置決め精度を向上させ、駆動ギヤの噛合を容易にすることができ、これにより長期の操作による滑りを回避することができる。
【0019】
本発明の好ましい実施例では、伝動ギヤアセンブリは、伝動ギヤボックス内に軸方向に配置された伝動ギヤをさらに含む。伝動ギヤは、駆動ギヤ及び出力ギヤと噛合し、駆動ギヤは、伝動ギヤにより出力ギヤを回転駆動する。
【0020】
本発明の好ましい実施例では、伝動ギヤアセンブリは、第1段伝動ギヤ及び第2段伝動ギヤをさらに含む。第1段伝動ギヤは、伝動ギヤボックス内に軸方向に配置され、第2段伝動ギヤは、出力ギヤに同軸に固定接続され、第1段伝動ギヤは、駆動ギヤ及び第2段伝動ギヤと噛合し、駆動ギヤは、第1段伝動ギヤ及び第2段伝動ギヤにより出力ギヤを回転駆動する。
【0021】
本発明の好ましい実施例では、第2段伝動ギヤは、第2段伝動ギヤと出力ギヤとを貫通するスタッドにより出力ギヤに同軸に固定接続される。
【0022】
本発明の好ましい実施例では、第2段伝動ギヤと出力ギヤとは、同軸に一体的に形成される。
【0023】
本発明の好ましい実施例では、伝動アセンブリは、伝動同期ホイールボックスと、伝動同期ホイールボックス内に軸方向に配置された駆動同期プーリと、出力ギヤに同軸に固定接続された出力同期プーリと、駆動同期プーリ及び出力同期プーリを取り囲む同期ベルトとを含む伝動同期機構アセンブリである。出力ギヤも、伝動同期ホイールボックス内に軸方向に配置される。駆動モータは、駆動同期プーリを回転駆動する。駆動同期プーリは、同期ベルトにより出力同期プーリを回転駆動する。出力同期プーリは、出力ギヤを回転駆動する。伝動同期ホイールボックスは、伝動ボックス支持体又は左スライドレール支持体及び右スライドレール支持体に装着される。
【0024】
本発明の好ましい実施例では、駆動モータの出力軸は、駆動同期プーリの伝動連結軸孔内に挿入されて駆動同期プーリに連結される。
【0025】
本発明の好ましい実施例では、駆動モータの出力軸の外周と駆動同期プーリの伝動連結軸孔の内周とは、互いに合致する非対称な六角形状に形成されているため、位置決め精度を向上させ、駆動ギヤの合致を容易にすることができ、これにより長期の操作による滑りを回避することができる。
【0026】
本発明の好ましい実施例では、駆動モータの出力軸は、駆動モータの両端から延出し、伝動同期ホイールアセンブリの駆動同期プーリの伝動連結軸孔に挿入され、2つの伝動ギヤアセンブリの駆動ギヤに連結された同期ロッドである。
【0027】
本発明の好ましい実施例では、同期ロッドの外周と駆動同期プーリの伝動連結軸孔の内周とは、互いに合致する非対称な六角形状に形成されているため、位置決め精度を向上させ、駆動ギヤの合致を容易にすることができ、これにより長期の操作による滑りを回避することができる。
【0028】
本発明の好ましい実施例では、伝動同期機構アセンブリは、伝動同期ホイールボックスに軸方向に配置されて同期ベルトを引っ張る同期ベルトテンショナーをさらに含む。
【0029】
本発明の好ましい実施例では、伝動同期ホイールボックスの適切な位置にウエスト状孔が形成され、同期ベルトテンショナーは、ウエスト状孔内に軸方向に配置され、ウエスト状孔内に移動可能かつロック可能である。
【0030】
本発明の好ましい実施例では、左レールアセンブリの左ロック機構及び右レールアセンブリの右ロック機構は、同期ロック解除機構によりロック解除され、同期ロック解除機構は、同期ロック解除モータと、同期ロック解除モータによって駆動されるように構成された同期ロック解除ロッドとを含み、同期ロック解除ロッドの左端及び右端は、それぞれ左ロック機構及び右ロック機構に駆動可能に接続され、同期ロック解除モータは、伝動ボックス支持体又は左スライドレール支持体又は右スライドレール支持体に装着される。
【発明の効果】
【0031】
従来技術の利点を組み合わせた前述の技術的解決手段によって、ギヤ及びラックと一体化された伝動装置が提供され、安定的で、美観に優れ、低コストの電動式フロアスライドレールの伝動装置が実現される。
【図面の簡単な説明】
【0032】
図1図1は、本発明の実施例1に係る電動式フロアスライドレールの伝動装置の概略組立図である。
図2図2は、本発明の実施例1に係る電動式フロアスライドレールの動装置の概略分解図である。
図3図3は、本発明の実施例1に係る電動式フロアスライドレールの伝動装置の駆動レールアセンブリの概略組立図である。
図4図4は、本発明の実施例1に係る電動式フロアスライドレールの伝動装置の駆動レールアセンブリの概略分解図である。
図5図5は、本発明の実施例1に係る電動式フロアスライドレールの伝動装置のロアレールアセンブリのラックの概略組立図である。
図6図6は、本発明の実施例1に係る電動式フロアスライドレールの伝動装置の伝動アセンブリの概略分解図である。
図7図7は、本発明の実施例1に係る電動式フロアスライドレールの伝動装置の伝動ギヤアセンブリの概略分解図である。
図8図8は、本発明の実施例1に係る電動式フロアスライドレールの伝動装置の駆動モータの出力軸と駆動ギヤの概略組立図である。
図9図9は、本発明の実施例2に係る電動式フロアスライドレールの伝動装置の伝動ギヤアセンブリの概略分解図である。
図10図10は、本発明の実施例3に係る電動式フロアスライドレールの伝動装置の伝動同期ホイールアセンブリの概略分解図である。
図11図11は、本発明の実施例3に係る電動式フロアスライドレールの伝動装置の駆動モータの出力軸と駆動同期プーリの概略組立図である。
図12図12は、本発明の実施例4に係る電動式フロアスライドレールの伝動装置の概略組立図である。
図13図13は、本発明の実施例4に係る電動式フロアスライドレールの伝動装置の同期ロッドと駆動ギヤの概略組立図である。
図14図14は、本発明の実施例5に係る電動式フロアスライドレールの伝動装置の概略組立図である。
図15図15は、本発明の実施例5に係る電動式フロアスライドレールの伝動装置の同期ロッドと駆動同期プーリの概略組立図である。
図16図16は、本発明の実施例6に係る電動式フロアスライドレールの伝動装置の概略組立図である。
図17図17は、本発明の実施例6に係る電動式フロアスライドレールの伝動装置のラックの概略組立図である。
図18図18は、本発明の実施例7に係る電動式フロアスライドレールの伝動装置の概略組立図である。
図19図19は、本発明の実施例7に係る電動式フロアスライドレールの伝動装置のラックの概略組立図である。
【発明を実施するための形態】
【0033】
以下、添付図面及び具体的な実施形態を参照して本発明を説明する。
【実施例1】
【0034】
図1及び図2は、左レールアセンブリ100、右レールアセンブリ200、駆動レールアセンブリ300及びスライドレール接続フレームアセンブリ400を含む電動式フロアスライドレールの伝動装置を示している。左レールアセンブリ100及び右レールアセンブリ200は、スライドレールの支持機能及びロック機能を提供するように構成されている。駆動レールアセンブリ300は、左レールアセンブリ100と右レールアセンブリ200との間に配置されてスライドレールに対して電気的な伝動を提供する。スライドレール接続フレームアセンブリ400は、左レールアセンブリ100、右レールアセンブリ200及び駆動レールアセンブリ300を全体として一体に接続し、シート(図示せず)に接続されて電動式フロアスライドレールの伝動装置を形成する。
【0035】
スライドレール接続フレームアセンブリ400の左側の2つの支持脚401a、401bは、それぞれねじ401c、401dにより左レールアセンブリ100の左スライドレール支持体110に固定され、スライドレール接続フレームアセンブリ400の右側の2つの支持脚401e、401fは、それぞれねじ401g、401hにより右レールアセンブリ200の右スライドレール支持体210に固定されている。
【0036】
スライドレール接続フレームアセンブリ400の中間ビーム402は、ねじ402aにより伝動ボックス支持体320に固定される。
【0037】
実施例1の電動式フロアスライドレールの伝動装置は、以下の特徴を有する。図3図8を参照すると、駆動レールアセンブリ300は、ロアレールアセンブリ310と、ロアレールアセンブリ310に摺動可能に配置された伝動ボックス支持体320と、伝動アセンブリと、出力ギヤ340と、駆動モータ350とを含む。
【0038】
伝動アセンブリは、伝動ギヤアセンブリ330である。伝動ギヤアセンブリ330の伝動ギヤボックスは、2分割構造であり、すなわち、第1の伝動ギヤボックス331及び第2の伝動ギヤボックス332から構成されている。第1の伝動ギヤボックス331と第2の伝動ギヤボックス332とは、複数のねじ333により接続されている。2つの装着孔331a、331b及び2つの装着孔332a、332bが、それぞれ第1の伝動ギヤボックス331及び第2の伝動ギヤボックス332に設けられ、駆動ギヤ軸孔331c、332c、伝動ギヤ軸孔331d、332d及び出力ギヤ軸孔331e、332eが、それぞれ第1の伝動ギヤボックス331及び第2の伝動ギヤボックス332に設けられている。駆動ギヤ軸孔331c、332c及び出力ギヤ軸孔331e、332eは、それぞれ第1の伝動ギヤボックス331及び第2の伝動ギヤボックス332を貫通し、伝動ギヤ軸孔331dも第1の伝動ギヤボックス331を貫通している。伝動ギヤ軸孔332dは、第2の伝動ギヤボックス332を貫通しておらず、第2の伝動ギヤボックス332の内側に設けられている(図7を参照)。
【0039】
伝動ギヤアセンブリ330の駆動ギヤ334の伝動連結軸334aの両端は、それぞれ駆動ギヤ軸孔331c、332cに軸方向に配置され、かつ第1の伝動ギヤボックス331と第2の伝動ギヤボックス332との間に配置されている。伝動ギヤアセンブリ330の伝動ギヤ335の伝動ギヤ軸335aの両端は、それぞれ伝動ギヤ軸孔331d、332dに軸方向に配置され、かつ第1の伝動ギヤボックス331と第2の伝動ギヤボックス332との間に配置されている。
【0040】
出力ギヤ340の出力ギヤ軸341は、出力ギヤ軸孔331eに軸方向に配置され、かつ第1の伝動ギヤボックス331の外側に配置されている。伝動ギヤアセンブリ330の伝動ギヤ336は、スタッド337により出力ギヤ340と同軸に接続され、かつ第1の伝動ギヤボックス331と第2の伝動ギヤボックス332との間に配置されている。スタッド337の他端は、出力ギヤ軸孔332e内に固定されている。伝動ギヤ336及び出力ギヤ340は、いずれもスタッド337を中心に同期回転可能である。
【0041】
伝動ギヤアセンブリ330を装着するための装着キャビティ321は、伝動ボックス支持体320に設置されている。2つの伝動ギヤボックス装着孔322a、322bは、装着キャビティ321の一側のキャビティ壁322に設けられている。2つのナット323a、323bは、装着キャビティ321の他方側のキャビティ壁323に係止されている。伝動ギヤボックス装着孔322aはナット323aと同軸であり、伝動ギヤボックス装着孔322bはナット323bと同軸である。
【0042】
また、駆動モータ出力軸挿通孔322c、323cが、装着キャビティ321の両側のキャビティ壁322、323にそれぞれ設けられている。駆動モータ出力軸挿通孔322c、323cは同軸である。
【0043】
伝動ギヤアセンブリ330は、次のようにして装着されている。伝動ギヤアセンブリ330は、伝動ボックス支持体320の装着キャビティ321に配置され、第1の伝動ギヤボックス331の装着孔331a及び第2の伝動ギヤボックス332の装着孔332aは、それぞれ伝動ギヤボックスの装着孔322a、322bに位置合わせされ、第1の伝動ギヤボックス331の装着孔331b及び第2の伝動ギヤボックス332の装着孔332bは、それぞれ伝動ギヤボックスの装着孔322a、322bに位置合わせされ、第1の伝動ギヤボックス331の駆動ギヤ軸孔331c及び第2の伝動ギヤボックス332の駆動ギヤ軸孔332cは、それぞれ駆動モータ出力軸挿通孔322c、323cに位置合わせされている。次に、2つのボルト338a、338bは、それぞれ伝動ギヤボックス装着孔322a、322b、第1の伝動ギヤボックス331の装着孔331a、331b及び第2の伝動ギヤボックス332の装着孔332a、332bを順に通ってナット323a、323bに螺合し、2つのボルト338a、338bが締結されて伝動ギヤアセンブリ330を装着する。
【0044】
駆動モータ350は、ねじ351によりキャビティ壁323の外側面に装着され、駆動モータ350の出力軸352は、駆動モータ出力軸挿通孔323c、駆動ギヤ334の伝動連結軸334aの内孔334ab及び駆動モータ出力軸挿通孔322cを順に通過した後、軸方向に制限するサークリップ353によってロックされている。
【0045】
図8を参照すると、駆動モータ350の出力軸352は、駆動ギヤ334の伝動連結軸334aの内孔334abに挿入されて駆動ギヤ334に連結されている。駆動モータ350の出力軸352の外周と駆動ギヤ334の伝動連結軸孔334aの内孔334ab内周とは、互いに合致する非対称な六角形状に形成されているため、位置決め精度を向上させ、駆動ギヤの噛合を容易にすることができ、これにより長期の操作による滑りを回避することができる。
【0046】
図5を参照すると、ラック360は、複数のねじ361によりロアレールアセンブリ310の駆動レール311に固定されている。
【0047】
本実施例の動作プロセスは以下のとおりである。
【0048】
駆動モータ350の出力軸352は駆動ギヤ334を回転駆動し、回転している駆動ギヤ334が伝動ギヤ335を回転駆動し、回転している伝動ギヤ335が伝動ギヤ336を回転駆動し、回転している伝動ギヤ336が出力ギヤ340を回転駆動し、回転している出力ギヤ340は、ラック360と噛合して伝動ボックス支持体320を駆動し、ロアレールアセンブリ310の駆動レール311上を直線的に往復移動させる。直線的に移動する伝動ボックス支持体320は、スライドレール接続フレームアセンブリ400によってシートを駆動し、左レールアセンブリ100及び右レールアセンブリ200に沿って前後に調整する。
【実施例2】
【0049】
本実施例における電動式フロアスライドレールの伝動装置と実施例1における電動式フロアスライドレールの伝動装置との相違点は、以下のとおりである。図9を参照すると、伝動ギヤ336と出力ギヤ340とは、同軸に一体化され、伝動ギヤ336と出力ギヤ340との間の軸341は、出力ギヤ軸孔331e内に配置され、伝動ギヤ336内の軸342は、出力ギヤ軸孔332eに配置され、出力ギヤ軸孔332eを貫通し、軸342に挟持されたサークリップ343によって軸方向に制限されている。
【0050】
本実施例における電動式フロアスライドレールの伝動装置のその他の構成は、実施例1における電動式フロアスライドレールの伝動装置の構成と同様である。
【実施例3】
【0051】
本実施例における電動式フロアスライドレールの伝動装置と実施例1における電動式フロアスライドレールの伝動装置との相違点は、伝動アセンブリが伝動同期機構アセンブリ370であることである。
【0052】
図10を参照すると、伝動同期機構アセンブリ370の伝動同期ホイールボックスは、2分割構造であり、すなわち、第1の伝動同期ホイールボックス371及び第2の伝動同期ホイールボックス372から構成されている。第1の伝動同期ホイールボックス371と第2の伝動同期ホイールボックス372とは、複数のねじ373により接続されている。2つの装着孔371a、371b及び2つの装着孔372a、372bが、それぞれ第1の伝動同期ホイールボックス371及び第2の伝動同期ホイールボックス372に設けられ、さらに、駆動同期プーリ軸孔371c、372c及び出力ギヤ軸孔371e、372eが、それぞれ第1の伝動同期ホイールボックス371及び第2の伝動同期ホイールボックス372に設けられている。駆動同期プーリ軸孔371c、372c及び出力ギヤ軸孔371e、372eは、それぞれ第1の伝動同期ホイールボックス371及び第2の伝動同期ホイールボックス372を貫通している。
【0053】
また、2つのウエスト状孔371d、372d及び2つのウエスト状孔371f、372fが、それぞれ第1の伝動同期ホイールボックス371及び第2の伝動同期ホイールボックス372に設けられている。ウエスト状孔371d、372d、371f、372fは、それぞれ第1の伝動同期ホイールボックス371及び第2の伝動同期ホイールボックス372を貫通している。
【0054】
伝動同期ホイールアセンブリ370の駆動同期プーリ373の伝動連結軸373aの両端は、それぞれ駆動同期プーリ軸孔371c、372cに軸方向に配置され、かつ第1の伝動同期ホイールボックス371と第2の伝動同期ホイールボックス372との間に配置されている。
【0055】
出力同期プーリ374と出力ギヤ340とは、同軸に一体化され、出力同期プーリ374と出力ギヤ340との間の軸341は、出力ギヤ軸孔372e内に配置されている。軸スリーブ375は、出力ギヤ軸孔371e内に装着されている。スタッド376は、軸スリーブ375の内孔と出力同期プーリ374及び出力ギヤ340の内孔とを順に通過した後、ナット377によりロックされている。これにより、出力同期プーリ374及び出力ギヤ340を、第1の伝動同期ホイールボックス371及び第2の伝動同期ホイールボックス372に軸方向に配置することができる。同時に、また、出力同期プーリ374は、第1の伝動同期ホイールボックス371と第2の伝動同期ホイールボックス372との間に配置され、出力ギヤ340は、第2の伝動同期ホイールボックス372外に配置されている。
【0056】
同期ベルト378は、駆動同期プーリ373及び出力同期プーリ374を取り囲んでいる。
【0057】
図11を参照すると、駆動モータ350の出力軸352は、駆動同期プーリ373の伝動連結軸373aの内孔373abに挿入されて駆動同期プーリ373に連結されている。駆動モータ350の出力軸352の外周と駆動同期プーリ373の伝動連結軸孔373aの内孔373abの内周とは、互いに合致する非対称な六角形状に形成されているため、位置決め精度を向上させ、駆動ギヤの噛合を容易にすることができ、これにより長期の操作による滑りを回避することができる。
【0058】
伝動同期機構アセンブリ370は、2つの同期ベルトテンショナー378a、378bをさらに含む。同期ベルトテンショナー378aの同期ベルトテンショナー軸378aaの両端は、第1の伝動同期ホイールボックス371及び第2の伝動同期ホイールボックス372の2つのウエスト状孔371d、372dをそれぞれ通過し、ナットによりロックされている。同期ベルトテンショナー378bの同期ベルトテンショナー軸378baの両端は、第1の伝動同期ホイールボックス371及び第2の伝動同期ホイールボックス372の2つのウエスト状孔371f、372fをそれぞれ通過し、ナットによりロックされている。ナットを緩めて同期用ベルトテンショナー378a、378bの位置を調整し、同期ベルト378を引っ張るようにしてもよい。
【0059】
本実施例における電動式フロアスライドレールの伝動装置のその他の構成は、実施例1における電動式フロアスライドレールの伝動装置の構成と同様である。
【0060】
本実施例の動作プロセスは以下のとおりである。
【0061】
駆動モータ350の出力軸352は駆動同期プーリ373を回転駆動し、回転している駆動同期プーリ373が同期ベルト378により出力同期プーリ374を回転駆動し、回転している出力同期プーリ374が出力ギヤ340を回転駆動し、回転している出力ギヤ340はラック360と噛合し、伝動ボックス支持体320を駆動してロアレールアセンブリ310の駆動レール311上を直線的に往復移動させる。直線的に移動する伝動ボックス支持体320は、スライドレール接続フレームアセンブリ400によってシートを駆動し、左レールアセンブリ100及び右レールアセンブリ200に沿って前後に調整する。
【実施例4】
【0062】
本実施例における電動式フロアスライドレールの伝動装置と実施例1及び実施例2における電動式フロアスライドレールの伝動装置との相違点は、以下のとおりである。図12を参照すると、駆動モータ350は、左レールアセンブリ100の左スライドレール支持体110に装着されている。駆動モータ350の出力軸は、同期ロッド352aである。同期ロッド352aは、駆動モータ350の両端から延出している。同期ロッド352aは、駆動ギヤ334の伝動連結軸334aの内孔334abを通過して駆動ギヤ334に連結されている。同期ロッド352aの左右端は、それぞれ左レールアセンブリ100の左スライドレール支持体110及び右レールアセンブリ200の右スライドレール支持体210に軸方向に配置されている。
【0063】
図13を参照すると、同期ロッド352aの外周と駆動ギヤ334の伝動連結軸孔334aの内孔334ab内周とは、互いに合致する非対称な六角形状に形成されているため、位置決め精度を向上させ、駆動ギヤの噛合を容易にすることができ、これにより長期の操作による滑りを回避することができる。
【0064】
左レールアセンブリ100の左ロック機構120と右レールアセンブリ200の右ロック機構220とは、同期ロック解除機構500によりアンロックされている。同期ロック解除機構500は、同期ロック解除モータ510と、同期ロック解除モータ510により駆動されるように構成された同期ロック解除ロッド520とを含む。同期ロック解除ロッド520の左端及び右端は、それぞれ左ロック機構120及び右ロック機構220に駆動可能に接続され、同期ロック解除モータ500は、右スライドレール支持体210に装着されている。
【0065】
本実施例における電動式フロアスライドレールの伝動装置のその他の構成は、実施例1及び実施例2における電動式フロアスライドレールの伝動装置の構成と同様である。
【実施例5】
【0066】
本実施例における電動式フロアスライドレールの伝動装置と実施例3における電動式フロアスライドレールの伝動装置との相違点は、以下のとおりである。図14を参照すると、駆動モータ350は、左レールアセンブリ100の左スライドレール支持体110に装着されている。駆動モータ350の出力軸は、同期ロッド352aである。同期ロッド352aは、駆動モータ350の両端から延出している。同期ロッド352aは、駆動同期プーリ373の伝動連結軸373aの内孔373abを通過して駆動同期プーリ373に連結されている。同期ロッド352aの左右端は、それぞれ左レールアセンブリ100の左スライドレール支持体110及び右レールアセンブリ200の右スライドレール支持体210に軸方向に配置されている。
【0067】
図15を参照すると、同期ロッド352aの外周と駆動同期プーリ373の伝動連結軸孔373aの内孔373abの内周とは、互いに合致する非対称な六角形状に形成されているため、位置決め精度を向上させ、駆動ギヤの噛合を容易にすることができ、これにより長期の操作による滑りを回避することができる。
【0068】
左レールアセンブリ100の左ロック機構120と右レールアセンブリ200の右ロック機構220とは、同期ロック解除機構500によりアンロックされている。同期ロック解除機構500は、同期ロック解除モータ510と、同期ロック解除モータ510により駆動されるように構成された同期ロック解除ロッド520とを含む。同期ロック解除ロッド520の左端及び右端は、それぞれ左ロック機構120及び右ロック機構220に駆動可能に接続され、同期ロック解除モータ500は、右スライドレール支持体210に装着されている。
【0069】
本実施例における電動式フロアスライドレールの伝動装置のその他の構成は、実施例3における電動式フロアスライドレールの伝動装置の構成と同様である。
【実施例6】
【0070】
本実施例における電動式フロアスライドレールの伝動装置は、左レールアセンブリ100及び右レールアセンブリ200を含む。左レールアセンブリ100及び右レールアセンブリ200は、スライドレールの支持機能及びロック機能を提供するように構成されている。左レールアセンブリ100及び右レールアセンブリ200における左スライドレール支持体110及び右スライドレール支持体210は、シートに直接接続されている。
【0071】
図16を参照すると、本実施例における電動式フロアスライドレールの伝動装置は、左スライドレール支持体110及び右スライドレール210にそれぞれ配置された2つの伝動ギヤアセンブリ330及び2つの出力ギヤ340と、駆動モータ350とをさらに含む。駆動モータ350は、左レールアセンブリ100の左スライドレール支持体110に装着されている。
【0072】
2つの伝動ギヤアセンブリ330の構成は、実施例1又は実施例2における伝動ギヤアセンブリ330の構成と同様である。
【0073】
駆動モータ350の出力軸は、同期ロッド352aである。同期ロッド352aは、駆動モータ350の両端から延出している。同期ロッド352aの左右端は、それぞれ伝動ギヤアセンブリ330の駆動ギヤ334の伝動連結軸334aの内孔334abを通過した後、左レールアセンブリ100の左スライドレール支持体110及び右レールアセンブリ200の右スライドレール支持体210に軸方向に配置されている。
【0074】
左レールアセンブリ100の左ロック機構120と右レールアセンブリ200の右ロック機構220とは、同期ロック解除機構500によりアンロックされている。同期ロック解除機構500は、同期ロック解除モータ510と、同期ロック解除モータ510により駆動されるように構成された同期ロック解除ロッド520とを含む。同期ロック解除ロッド520の左端及び右端は、それぞれ左ロック機構120及び右ロック機構220に駆動可能に接続され、同期ロック解除モータ500は、右スライドレール支持体210に装着されている。
【0075】
図17を参照すると、2つのラック360は、複数のねじ361により左レールアセンブリ100及び右レールアセンブリ200の左レール130及び右レール230にそれぞれ固定されている。
【0076】
左レールアセンブリ100の左ロック機構120と右レールアセンブリ200の右ロック機構220とは、同期ロック解除機構500によりアンロックされている。同期ロック解除機構500は、同期ロック解除モータ510と、同期ロック解除モータ510により駆動されるように構成された同期ロック解除ロッド520とを含む。同期ロック解除ロッド520の左端及び右端は、それぞれ左ロック機構120及び右ロック機構220に駆動可能に接続され、同期ロック解除モータ500は、右スライドレール支持体210に装着されている。
【0077】
本実施例の動作原理は、実施例1又は実施例2の動作原理と同様である。
【実施例7】
【0078】
図18を参照すると、本実施例における電動式フロアスライドレールの伝動装置は、左スライドレール支持体110及び右スライドレール210にそれぞれ配置された2つの伝動同期ホイールアセンブリ370及び2つの出力ギヤ340と、駆動モータ350とをさらに含む。駆動モータ350は、左レールアセンブリ100の左スライドレール支持体110に装着されている。
【0079】
2つの伝動同期ホイールアセンブリ370の構成は、実施例3における伝動同期ホイールアセンブリ370の構成と同様である。
【0080】
駆動モータ350の出力軸は、同期ロッド352aである。同期ロッド352aは、駆動モータ350の両端から延出している。同期ロッド352aの左右端は、それぞれ2つの伝動同期ホイールアセンブリ370の駆動同期プーリ373の伝動連結軸373aの内孔373abを通過した後、左レールアセンブリ100の左スライドレール支持体110及び右レールアセンブリ200の右スライドレール支持体210に軸方向に配置されている。
【0081】
左レールアセンブリ100の左ロック機構120と右レールアセンブリ200の右ロック機構220とは、同期ロック解除機構500によりアンロックされている。同期ロック解除機構500は、同期ロック解除モータ510と、同期ロック解除モータ510により駆動されるように構成された同期ロック解除ロッド520とを含む。同期ロック解除ロッド520の左端及び右端は、それぞれ左ロック機構120及び右ロック機構220に駆動可能に接続され、同期ロック解除モータ500は、右スライドレール支持体210に装着されている。
【0082】
図19を参照すると、2つのラック360は、複数のねじ361により左レールアセンブリ100及び右レールアセンブリ200の左レール130及び右レール230にそれぞれ固定されている。
【0083】
左レールアセンブリ100の左ロック機構120と右レールアセンブリ200の右ロック機構220とは、同期ロック解除機構500によりアンロックされている。同期ロック解除機構500は、同期ロック解除モータ510と、同期ロック解除モータ510により駆動されるように構成された同期ロック解除ロッド520とを含む。同期ロック解除ロッド520の左端及び右端は、それぞれ左ロック機構120及び右ロック機構220に駆動可能に接続され、同期ロック解除モータ500は、右スライドレール支持体210に装着されている。
【0084】
実施例1の動作原理は、実施例3の動作原理と同様である。
【符号の説明】
【0085】
100 左レールアセンブリ
110 左スライドレール支持体
120 左ロック機構
200 右レールアセンブリ
210 右スライドレール支持体
220 右ロック機構
300 駆動レールアセンブリ
310 ロアレールアセンブリ
311 駆動レール
320 伝動ボックス支持体
321 装着キャビティ
322、323 キャビティ壁
322a、322b 伝動ギヤボックス装着孔
323a、323b、377 ナット
322c、323c 駆動モータ出力軸挿通孔
330 伝動ギヤアセンブリ
331 第1の伝動ギヤボックス
331a、331b、332a、332b、371a、371b、372a、372b 装着孔
331c、332c 駆動ギヤ軸孔
331d、332d 伝動ギヤ軸孔
331e、332e、371e、372e 出力ギヤ軸孔
332 第2の伝動ギヤボックス
334 駆動ギヤ
334a、373a 伝動連結軸
334ab、373ab 内孔
335、336 伝動ギヤ
335a 伝動ギヤ軸
337、376 スタッド
338a、338b ボルト
340 出力ギヤ
341 出力ギヤ軸、軸
342 軸
350 駆動モータ
352 出力軸
352a 同期ロッド
353、343 サークリップ
360 ラック
370 伝動同期機構アセンブリ
371 第1の伝動同期ホイールボックス
372 第2の伝動同期ホイールボックス
371c、372c 駆動同期プーリ軸孔
371d、372d、371f、372f ウエスト状孔
373 駆動同期プーリ
374 出力同期プーリ
375 軸スリーブ
378 同期ベルト
400 スライドレール接続フレームアセンブリ
401a、401b、401e、401f 支持脚
333、351、361、373、401c、401d、401g、401h、402a ねじ
402 中間ビーム
500 同期ロック解除機構
510 同期ロック解除モータ
520 同期ロック解除ロッド
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
【国際調査報告】