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特表2022-519897対象の妊娠関連状態を決定するための方法及びシステム
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-03-25
(54)【発明の名称】対象の妊娠関連状態を決定するための方法及びシステム
(51)【国際特許分類】
   C12Q 1/6869 20180101AFI20220317BHJP
   G01N 33/53 20060101ALI20220317BHJP
   G01N 33/68 20060101ALI20220317BHJP
   G01N 33/50 20060101ALI20220317BHJP
   G16B 30/10 20190101ALI20220317BHJP
   C12N 15/12 20060101ALN20220317BHJP
   C12Q 1/686 20180101ALN20220317BHJP
   C12Q 1/6876 20180101ALN20220317BHJP
   C07K 14/47 20060101ALN20220317BHJP
【FI】
C12Q1/6869 Z
G01N33/53 M
G01N33/68
G01N33/50 J
G16B30/10
C12N15/12
C12Q1/686 Z
C12Q1/6876 Z
C07K14/47
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021547566
(86)(22)【出願日】2020-02-13
(85)【翻訳文提出日】2021-10-11
(86)【国際出願番号】 US2020018172
(87)【国際公開番号】W WO2020168118
(87)【国際公開日】2020-08-20
(31)【優先権主張番号】62/805,515
(32)【優先日】2019-02-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/890,248
(32)【優先日】2019-08-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/926,786
(32)【優先日】2019-10-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.ANDROID
(71)【出願人】
【識別番号】521358143
【氏名又は名称】ミルヴィ・インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100114188
【弁理士】
【氏名又は名称】小野 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100119253
【弁理士】
【氏名又は名称】金山 賢教
(74)【代理人】
【識別番号】100124855
【弁理士】
【氏名又は名称】坪倉 道明
(74)【代理人】
【識別番号】100129713
【弁理士】
【氏名又は名称】重森 一輝
(74)【代理人】
【識別番号】100137213
【弁理士】
【氏名又は名称】安藤 健司
(74)【代理人】
【識別番号】100143823
【弁理士】
【氏名又は名称】市川 英彦
(74)【代理人】
【識別番号】100183519
【弁理士】
【氏名又は名称】櫻田 芳恵
(74)【代理人】
【識別番号】100196483
【弁理士】
【氏名又は名称】川嵜 洋祐
(74)【代理人】
【識別番号】100160749
【弁理士】
【氏名又は名称】飯野 陽一
(74)【代理人】
【識別番号】100160255
【弁理士】
【氏名又は名称】市川 祐輔
(74)【代理人】
【識別番号】100202267
【弁理士】
【氏名又は名称】森山 正浩
(74)【代理人】
【識別番号】100182132
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 隆
(74)【代理人】
【識別番号】100146318
【弁理士】
【氏名又は名称】岩瀬 吉和
(74)【代理人】
【識別番号】100127812
【弁理士】
【氏名又は名称】城山 康文
(72)【発明者】
【氏名】ジェイン,マニーシュ
(72)【発明者】
【氏名】ナムサラエフ,ユージニ
(72)【発明者】
【氏名】ラスムセン,モートン
(72)【発明者】
【氏名】ソレール,ジョアン・カムーニャス
(72)【発明者】
【氏名】シッディーキー,ファルーク
(72)【発明者】
【氏名】レディー,ミツ
【テーマコード(参考)】
2G045
4B063
4H045
【Fターム(参考)】
2G045AA27
2G045CA26
2G045CB03
2G045DA13
2G045DA80
2G045FB02
2G045FB06
4B063QA13
4B063QQ42
4B063QQ52
4B063QR08
4B063QR32
4B063QR35
4B063QR55
4B063QR62
4B063QS25
4B063QS34
4H045AA30
4H045BA50
4H045CA42
4H045CA44
4H045CA46
4H045EA50
4H045FA74
(57)【要約】
本開示は、妊娠関連状態の無細胞同定及び/又はモニタリングに関する方法及びシステムを提供する。対象の妊娠関連状態の存在又は感受性を同定又はモニタリングする方法は、対象に由来する無細胞生物試料をアッセイしてバイオマーカーのセットを検出すること、及び訓練されたアルゴリズムでバイオマーカーのセットを分析して妊娠関連状態の存在又は感受性を決定することを含み得る。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
対象の妊娠関連状態の存在又は感受性を同定する方法であって、前記対象に由来する無細胞生物試料中の転写物又は代謝産物をアッセイして、バイオマーカーのセットを検出すること、及び前記バイオマーカーのセットを訓練されたアルゴリズムで分析して、前記妊娠関連状態の前記存在又は感受性を決定すること、を含む方法。
【請求項2】
前記対象に由来する前記無細胞生物試料中の前記転写物をアッセイして、前記バイオマーカーのセットを検出することをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記転写物が核酸配列決定によりアッセイされる、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記対象に由来する前記無細胞生物試料中の前記代謝産物をアッセイして、前記バイオマーカーのセットを検出することをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記代謝産物がメタボロミクスアッセイでアッセイされる、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
対象の妊娠関連状態の存在又は感受性を同定する方法であって、前記対象に由来する無細胞生物試料をアッセイして、バイオマーカーのセットを検出すること、及び前記バイオマーカーのセットを訓練されたアルゴリズムで分析して、少なくとも約80%の精度で、少なくとも3つの異なる妊娠関連状態のセットの中の前記妊娠関連状態の前記存在又は感受性を決定すること、をさらに含む、方法。
【請求項7】
前記妊娠関連状態が、早産、満期出産、妊娠期間、出産予定日、分娩の開始、妊娠関連高血圧障害、子癇、妊娠糖尿病、前記対象の胎児の先天性障害、異所性妊娠、自然流産、死産、産後合併症、妊娠悪阻、分娩中の出血又は過度の出血、前期破水、早産における前期破水、前置胎盤、子宮内/胎児発育遅延、マクロソミア、新生児の状態、及び胎児の発育段階又は状態からなる群から選択される、請求項1~6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
前記妊娠関連状態が、早産のサブタイプであり、前記少なくとも3つの異なる妊娠関連状態が、少なくとも2つの異なる早産のサブタイプを含む、請求項6に記載の方法。
【請求項9】
前記早産のサブタイプが、早産の分子サブタイプであり、前記少なくとも2つの異なる早産のサブタイプが、少なくとも2つの異なる早産の分子サブタイプを含む、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記早産の分子サブタイプが、以前の早産の既往歴、自発的な早産、民族特異的な早産リスク、及び早期の前期破水(PPROM)からなる群から選択される、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記妊娠関連状態の前記存在又は感受性に少なくとも部分的に基づいて、前記対象に対する臨床介入を同定することをさらに含む、請求項6に記載の方法。
【請求項12】
前記臨床介入が、複数の臨床介入から選択される、請求項9に記載の方法。
【請求項13】
前記バイオマーカーのセットが、出産予定日に関連するゲノム遺伝子座を含み、前記ゲノム遺伝子座が、表1及び表7に列挙された遺伝子からなる群から選択される、請求項6に記載の方法。
【請求項14】
前記バイオマーカーのセットが、妊娠期間に関連するゲノム遺伝子座を含み、前記ゲノム遺伝子座が、表2に列挙される遺伝子からなる群から選択される、請求項6に記載の方法。
【請求項15】
前記バイオマーカーのセットが、早産に関連するゲノム遺伝子座を含み、前記ゲノム遺伝子座が、表5に列挙される遺伝子、表6に列挙される遺伝子、表8に列挙される遺伝子、RAB27B、RGS18、CLCN3、B3GNT2、COL24A1、CXCL8、及びPTGS2からなる群から選択される、請求項6に記載の方法。
【請求項16】
前記バイオマーカーのセットが、少なくとも5つの異なるゲノム遺伝子座を含む、請求項13~15のいずれか一項に記載の方法。
【請求項17】
前記バイオマーカーのセットが、少なくとも10個の異なるゲノム遺伝子座を含む、請求項13~15のいずれか一項に記載の方法。
【請求項18】
前記バイオマーカーのセットが、少なくとも25個の異なるゲノム遺伝子座を含む、請求項13~15のいずれか一項に記載の方法。
【請求項19】
前記バイオマーカーのセットが、少なくとも50個の異なるゲノム遺伝子座を含む、請求項13~15のいずれか一項に記載の方法。
【請求項20】
前記バイオマーカーのセットが、少なくとも100個の異なるゲノム遺伝子座を含む、請求項13~15のいずれか一項に記載の方法。
【請求項21】
前記バイオマーカーのセットが、少なくとも150個の異なるゲノム遺伝子座を含む、請求項13~15のいずれか一項に記載の方法。
【請求項22】
(a)第1のアッセイを使用して、対象に由来する無細胞生物試料を処理し、第1のデータセットを生成すること、
(b)第2のアッセイを使用して、前記対象に由来する膣又は子宮頸部の生物試料を処理して、前記膣又は子宮頸部の生物試料のマイクロバイオームプロファイルを含む第2のデータセットを生成すること、
(c)訓練されたアルゴリズムを使用して、少なくとも前記第1のデータセット及び前記第2のデータセットを処理して、妊娠関連状態の存在又は感受性を決定するために、前記訓練されたアルゴリズムが、少なくとも50の独立した試料にわたって少なくとも約80%の精度を有する、訓練されたアルゴリズムを使用すること、及び
(d)前記対象の前記妊娠関連状態の前記存在又は感受性を示すレポートを電子的に出力すること、を含む
前記対象の前記妊娠関連状態の存在又は感受性を同定又はモニタリングするための方法。
【請求項23】
前記第1のアッセイが、トランスクリプトームデータを生成するために前記無細胞生物試料に由来する無細胞リボ核酸(cfRNA)分子を使用すること、ゲノムデータを生成するために前記無細胞生物試料に由来する無細胞デオキシリボ核酸(cfDNA)分子を使用すること、プロテオミクスデータを生成するために前記第1の無細胞生物試料に由来するタンパク質を使用すること、又はメタボロミクスデータを生成するために前記第1の無細胞生物試料に由来する代謝産物を使用することを含む、請求項22に記載の方法。
【請求項24】
前記無細胞生物試料が、前記対象の血液に由来する、請求項22に記載の方法。
【請求項25】
前記無細胞生物試料が、前記対象の尿に由来する、請求項22に記載の方法。
【請求項26】
前記第1のデータセットが、前記妊娠関連状態に関連するバイオマーカーの第1のセットを含む、請求項22に記載の方法。
【請求項27】
前記第2のデータセットが、前記妊娠関連状態に関連するバイオマーカーの第2のセットを含む、請求項26に記載の方法。
【請求項28】
前記バイオマーカーの第2のセットが、前記バイオマーカーの第1のセットとは異なる、請求項27に記載の方法。
【請求項29】
前記妊娠関連状態が、早産、満期出産、妊娠期間、出産予定日、分娩の開始、妊娠関連高血圧障害、子癇、妊娠糖尿病、前記対象の胎児の先天性障害、異所性妊娠、自然流産、死産、産後合併症、妊娠悪阻、分娩中の出血又は過度の出血、前期破水、早産における前期破水、前置胎盤、子宮内/胎児発育遅延、マクロソミア、新生児の状態、及び胎児の発育段階又は状態からなる群から選択される、請求項22に記載の方法。
【請求項30】
前記妊娠関連状態が、早産を含む、請求項29に記載の方法。
【請求項31】
前記妊娠関連状態が、妊娠期間を含む、請求項29に記載の方法。
【請求項32】
前記無細胞生物試料が、無細胞リボ核酸(cfRNA)、無細胞デオキシリボ核酸(cfDNA)、無細胞胎児DNA(cffDNA)、血漿、血清、尿、唾液、羊水、及びそれらの誘導体からなる群から選択される、請求項22に記載の方法。
【請求項33】
前記無細胞生物試料が、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)収集管、無細胞RNA収集管、又は無細胞デオキシリボ核酸(DNA)収集管を使用して前記対象から得られるか、又は誘導される、請求項22に記載の方法。
【請求項34】
前記対象の全血試料を分画して、前記無細胞生物試料を得ることをさらに含む、請求項22に記載の方法。
【請求項35】
前記第1のアッセイが、無細胞リボ核酸(cfRNA)アッセイ又はメタボロミクスアッセイを含む、請求項22に記載の方法。
【請求項36】
前記メタボロミクスアッセイが、標的質量分析(MS)又は免疫アッセイを含む、請求項35に記載の方法。
【請求項37】
前記無細胞生物試料が、無細胞リボ核酸(cfRNA)又は尿を含む、請求項22に記載の方法。
【請求項38】
前記第1のアッセイ又は前記第2のアッセイが、定量的ポリメラーゼ連鎖反応(qPCR)を含む、請求項22に記載の方法。
【請求項39】
前記第1のアッセイ又は前記第2のアッセイが、家庭環境で実施されるように構成された家庭用試験を含む、請求項22に記載の方法。
【請求項40】
前記訓練されたアルゴリズムが、少なくとも約80%の感度で前記対象の前記妊娠関連状態の前記存在又は感受性を決定する、請求項22に記載の方法。
【請求項41】
前記訓練されたアルゴリズムが、少なくとも約90%の感度で前記対象の前記妊娠関連状態の前記存在又は感受性を決定する、請求項22に記載の方法。
【請求項42】
前記訓練されたアルゴリズムが、少なくとも約95%の感度で前記対象の前記妊娠関連状態の前記存在又は感受性を決定する、請求項22に記載の方法。
【請求項43】
前記訓練されたアルゴリズムが、少なくとも約70%の陽性予測値(PPV)で前記対象の前記妊娠関連状態の前記存在又は感受性を決定する、請求項22に記載の方法。
【請求項44】
前記訓練されたアルゴリズムが、少なくとも約80%の陽性予測値(PPV)で前記対象の前記妊娠関連状態の前記存在又は感受性を決定する、請求項22に記載の方法。
【請求項45】
前記訓練されたアルゴリズムが、少なくとも約90%の陽性予測値(PPV)で前記対象の前記妊娠関連状態の前記存在又は感受性を決定する、請求項22に記載の方法。
【請求項46】
前記訓練されたアルゴリズムが、少なくとも約0.90の曲線下面積(AUC)を有する前記対象の前記妊娠関連状態の前記存在又は感受性を決定する、請求項22に記載の方法。
【請求項47】
前記訓練されたアルゴリズムが、少なくとも約0.95の曲線下面積(AUC)を有する前記対象の前記妊娠関連状態の前記存在又は感受性を決定する、請求項22に記載の方法。
【請求項48】
前記訓練されたアルゴリズムが、少なくとも約0.99の曲線下面積(AUC)を有する前記対象の前記妊娠関連状態の前記存在又は感受性を決定する、請求項22に記載の方法。
【請求項49】
前記対象が、早産、分娩の開始、妊娠関連高血圧障害、子癇、妊娠糖尿病、前記対象の胎児の先天性障害、異所性妊娠、自然流産、死産、産後合併症、妊娠悪阻、分娩中の出血又は過度の出血、前期破水、早産での前期破水、前置胎盤、子宮内/胎児発育遅延、マクロソミア、新生児の状態、及び異常な胎児の発育段階又は状態のうちの1つ又は複数について無症候性である、請求項22に記載の方法。
【請求項50】
前記訓練されたアルゴリズムは、前記妊娠関連状態の前記存在又は感受性に関連する少なくとも約10個の独立した訓練試料を使用して訓練される、請求項22に記載の方法。
【請求項51】
前記訓練されたアルゴリズムは、前記妊娠関連状態の前記存在又は感受性に関連する約100以下の独立した訓練試料を使用して訓練される、請求項22に記載の方法。
【請求項52】
前記訓練されたアルゴリズムは、前記妊娠関連状態の存在又は感受性と関連付けられた独立した訓練試料の第1のセットと、前記妊娠関連状態の非存在又は非感受性と関連付けられた独立した訓練試料の第2のセットとを使用して訓練される、請求項22に記載の方法。
【請求項53】
(c)が、前記訓練されたアルゴリズム又は別の訓練されたアルゴリズムを使用して、前記対象の臨床健康データのセットを処理して、前記妊娠関連状態の前記存在又は感受性を決定することを含む、請求項22に記載の方法。
【請求項54】
(a)が、(i)前記無細胞生物試料を、リボ核(RNA)分子、デオキシリボ核酸(DNA)分子、タンパク質又は代謝産物のセットを単離、濃縮、又は抽出するのに十分な条件に供すること、及び(ii)前記第1のアッセイを使用して前記RNA分子、DNA分子、タンパク質、又は代謝産物のセットを分析して、前記第1のデータセットを生成すること、を含む、請求項22に記載の方法。
【請求項55】
前記無細胞生物試料から核酸分子のセットを抽出すること、及び前記核酸分子のセットを配列決定に供して配列決定リードのセットを生成することをさらに含み、前記第1のデータセットが、前記配列決定リードのセットを含む、請求項54に記載の方法。
【請求項56】
(b)が、(i)前記膣又は子宮頸部の生物試料を、微生物の集団を単離、濃縮又は抽出するのに十分な条件に供すること、及び(ii)前記第2のアッセイを使用して前記微生物の集団を分析して前記第2のデータセットを生成することを含む、請求項22に記載の方法。
【請求項57】
前記配列決定が、大規模並列配列決定である、請求項55に記載の方法。
【請求項58】
前記配列決定が、核酸増幅を含む、請求項55に記載の方法。
【請求項59】
前記核酸増幅が、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)を含む、請求項58に記載の方法。
【請求項60】
前記配列決定が、実質的に同時の逆転写(RT)及びポリメラーゼ連鎖反応(PCR)の使用を含む、請求項59に記載の方法。
【請求項61】
1つ又は複数のゲノム遺伝子座のパネルに対応する前記核酸分子のセットを選択的に濃縮するように構成されたプローブを使用することをさらに含む、請求項55に記載の方法。
【請求項62】
前記プローブが、核酸プライマーである、請求項61に記載の方法。
【請求項63】
前記プローブが、前記1つ又は複数のゲノム遺伝子座の前記パネルの核酸配列との配列相補性を有する、請求項61に記載の方法。
【請求項64】
前記1つ又は複数のゲノム遺伝子座の前記パネルが、ACTB、ADAM12、ALPP、ANXA3、APLF、ARG1、AVPR1A、CAMP、CAPN6、CD180、CGA、CGB、CLCN3、CPVL、CSH1、CSH2、CSHL1、CYP3A7、DAPP1、DCX、DEFA4、DGCR14、ELANE、ENAH、EPB42、FABP1、FAM212B-AS1、FGA、FGB、FRMD4B、FRZB、FSTL3、GH2、GNAZ、HAL、HSD17B1、HSD3B1、HSPB8、Immune、ITIH2、KLF9、KNG1、KRT8、LGALS14、LTF、LYPLAL1、MAP3K7CL、MEF2C、MMD、MMP8、MOB1B、NFATC2、OTC、P2RY12、PAPPA、PGLYRP1、PKHD1L1、PKHD1L1、PLAC1、PLAC4、POLE2、PPBP、PSG1、PSG4、PSG7、PTGER3、RAB11A、RAB27B、RAP1GAP、RGS18、RPL23AP7、S100A8、S100A9、S100P、SERPINA7、SLC2A2、SLC38A4、SLC4A1、TBC1D15、VCAN、VGLL1、B3GNT2、COL24A1、CXCL8、及びPTGS2からなる群から選択される少なくとも1つのゲノム遺伝子座を含む、請求項61に記載の方法。
【請求項65】
前記1つ又は複数のゲノム遺伝子座の前記パネルが、少なくとも5つの異なるゲノム遺伝子座を含む、請求項61に記載の方法。
【請求項66】
前記1つ又は複数のゲノム遺伝子座の前記パネルが、少なくとも10個の異なるゲノム遺伝子座を含む、請求項61に記載の方法。
【請求項67】
前記1つ又は複数のゲノム遺伝子座の前記パネルが、早産に関連するゲノム遺伝子座を含み、前記ゲノム遺伝子座が、ADAM12、ANXA3、APLF、AVPR1A、CAMP、CAPN6、CD180、CGA、CGB、CLCN3、CPVL、CSH2、CSHL1、CYP3A7、DAPP1、DGCR14、ELANE、ENAH、FAM212B-AS1、FRMD4B、GH2、HSPB8、Immune、KLF9、KRT8、LGALS14、LTF、LYPLAL1、MAP3K7CL、MMD、MOB1B、NFATC2、P2RY12、PAPPA、PGLYRP1、PKHD1L1、PKHD1L1、PLAC1、PLAC4、POLE2、PPBP、PSG1、PSG4、PSG7、RAB11A、RAB27B、RAP1GAP、RGS18、RPL23AP7、TBC1D15、VCAN、VGLL1、B3GNT2、COL24A1、CXCL8、及びPTGS2からなる群から選択される、請求項61に記載の方法。
【請求項68】
前記1つ又は複数のゲノム遺伝子座の前記パネルが、妊娠期間に関連するゲノム遺伝子座を含み、前記ゲノム遺伝子座が、ACTB、ADAM12、ALPP、ANXA3、ARG1、CAMP、CAPN6、CGA、CGB、CSH1、CSH2、CSHL1、CYP3A7、DCX、DEFA4、EPB42、FABP1、FGA、FGB、FRZB、FSTL3、GH2、GNAZ、HAL、HSD17B1、HSD3B1、HSPB8、ITIH2、KNG1、LGALS14、LTF、MEF2C、MMP8、OTC、PAPPA、PGLYRP1、PLAC1、PLAC4、PSG1、PSG4、PSG7、PTGER3、S100A8、S100A9、S100P、SERPINA7、SLC2A2、SLC38A4、SLC4A1、VGLL1、RAB27B、RGS18、CLCN3、B3GNT2、COL24A1、CXCL8、及びPTGS2からなる群から選択される、請求項61に記載の方法。
【請求項69】
前記1つ又は複数のゲノム遺伝子座の前記パネルが、出産予定日に関連するゲノム遺伝子座を含み、前記ゲノム遺伝子座が、表1及び表7に列挙された遺伝子からなる群から選択される、請求項61に記載の方法。
【請求項70】
前記1つ又は複数のゲノム遺伝子座の前記パネルが、妊娠期間に関連するゲノム遺伝子座を含み、前記ゲノム遺伝子座が、表2に列挙される遺伝子からなる群から選択される、請求項61に記載の方法。
【請求項71】
前記1つ又は複数のゲノム遺伝子座の前記パネルが、早産に関連するゲノム遺伝子座を含み、前記ゲノム遺伝子座が、表5に列挙される遺伝子、表6に列挙される遺伝子、表8に列挙される遺伝子、RAB27B、RGS18、CLCN3、B3GNT2、COL24A1、CXCL8、及びPTGS2の群から選択される、請求項61に記載の方法。
【請求項72】
前記1つ又は複数のゲノム遺伝子座の前記パネルが、少なくとも5つの異なるゲノム遺伝子座を含む、請求項69~71のいずれか一項に記載の方法。
【請求項73】
前記1つ又は複数のゲノム遺伝子座の前記パネルが、少なくとも10個の異なるゲノム遺伝子座を含む、請求項69~71のいずれか一項に記載の方法。
【請求項74】
前記1つ又は複数のゲノム遺伝子座の前記パネルが、少なくとも25個の異なるゲノム遺伝子座を含む、請求項69~71のいずれか一項に記載の方法。
【請求項75】
前記1つ又は複数のゲノム遺伝子座の前記パネルが、少なくとも50個の異なるゲノム遺伝子座を含む、請求項69~71のいずれか一項に記載の方法。
【請求項76】
前記1つ又は複数のゲノム遺伝子座の前記パネルが、少なくとも100個の異なるゲノム遺伝子座を含む、請求項69~71のいずれか一項に記載の方法。
【請求項77】
前記1つ又は複数のゲノム遺伝子座の前記パネルが、少なくとも150個の異なるゲノム遺伝子座を含む、請求項69~71のいずれか一項に記載の方法。
【請求項78】
前記無細胞生物試料が、核酸の単離、濃縮又は抽出なしに処理される、請求項22に記載の方法。
【請求項79】
前記レポートが、ユーザの電子デバイスのグラフィカル・ユーザ・インターフェース上に提示される、請求項22に記載の方法。
【請求項80】
前記ユーザが、前記対象である、請求項79に記載の方法。
【請求項81】
前記対象の前記妊娠関連状態の前記存在又は感受性の前記決定の尤度を決定することをさらに含む、請求項22に記載の方法。
【請求項82】
前記訓練されたアルゴリズムが、教師あり機械学習アルゴリズムを含む、請求項22に記載の方法。
【請求項83】
前記教師あり機械学習アルゴリズムが、ディープ・ラーニング・アルゴリズム、サポート・ベクター・マシン(SVM)、ニューラルネットワーク、又はRandom Forestを含む、請求項82に記載の方法。
【請求項84】
前記妊娠関連状態の前記存在又は感受性に対する治療的介入を前記対象に提供することをさらに含む、請求項22に記載の方法。
【請求項85】
前記治療的介入が、ヒドロキシプロゲステロンカプロン酸エステル、膣プロゲステロン、天然プロゲステロンIVR産物、プロスタグランジンF2アルファ受容体アンタゴニスト、又はベータ2-アドレナリン受容体アゴニストを含む、請求項84に記載の方法。
【請求項86】
前記妊娠関連状態の前記存在又は感受性をモニタリングすることをさらに含み、前記モニタリングすることが、複数の時点で前記対象の前記妊娠関連状態の前記存在又は感受性を評価することを含み、前記評価することが、前記複数の時点のそれぞれで(d)において決定された前記妊娠関連状態の前記存在又は感受性に少なくとも基づく、請求項22に記載の方法。
【請求項87】
前記複数の時点の間の前記対象の前記妊娠関連状態の前記存在又は感受性の前記評価の差が、(i)前記対象の前記妊娠関連状態の前記存在又は感受性の診断、(ii)前記対象の前記妊娠関連状態の前記存在又は感受性の予後、及び(iii)前記対象の前記妊娠関連状態の前記存在又は感受性を処置するための一連の処置の有効性又は非有効性からなる群から選択される1つ又は複数の臨床徴候を示す、請求項86に記載の方法。
【請求項88】
前記訓練されたアルゴリズムを使用して前記早産の複数の異なる分子サブタイプの中から前記早産の分子サブタイプを決定することによって前記早産を層別化することをさらに含む、請求項30に記載の方法。
【請求項89】
前記早産の複数の異なる分子サブタイプが、以前の早産の既往歴、自然早産、民族特異的早産リスク、及び早期の前期破水(PPROM)からなる群から選択される早産の分子サブタイプを含む、請求項88に記載の方法。
【請求項90】
対象の早産のリスクを予測するためのコンピュータ実装方法であって、
(a)前記対象の臨床健康データを受け取ることであって、前記臨床健康データが、前記対象の複数の定量的又はカテゴリ尺度を含む、前記対象の臨床健康データを受け取ること、
(b)訓練されたアルゴリズムを使用して前記対象の前記臨床健康データを処理し、前記対象の前記早産のリスクを示すリスクスコアを決定すること、及び
(c)前記対象の前記早産のリスクを示す前記リスクスコアを示すレポートを電子的に出力すること、
を含む、コンピュータ実装方法。
【請求項91】
前記臨床健康データが、年齢、体重、身長、肥満度指数(BMI)、血圧、心拍数、血糖値、以前の妊娠回数、及び以前の出産回数からなる群から選択される1つ又は複数の定量的測定を含む、請求項90に記載の方法。
【請求項92】
前記臨床健康データが、人種、民族性、薬物、又は他の臨床治療の履歴、タバコ使用の履歴、アルコール摂取の履歴、日常活動又はフィットネスレベル、遺伝子検査結果、血液検査結果、画像診断結果、及び胎児スクリーニング結果からなる群から選択される1つ又は複数のカテゴリ尺度を含む、請求項90に記載の方法。
【請求項93】
前記訓練されたアルゴリズムが、少なくとも約80%の感度で前記対象の前記早産のリスクを決定する、請求項90に記載の方法。
【請求項94】
前記訓練されたアルゴリズムが、少なくとも約80%の特異度で前記対象の前記早産のリスクを決定する、請求項90に記載の方法。
【請求項95】
前記訓練されたアルゴリズムが、少なくとも約80%の陽性予測値(PPV)で前記対象の前記早産のリスクを決定する、請求項90に記載の方法。
【請求項96】
前記訓練されたアルゴリズムが、少なくとも約80%の陰性予測値(NPV)で前記対象の前記早産のリスクを決定する、請求項90に記載の方法。
【請求項97】
前記訓練されたアルゴリズムが、少なくとも約0.9の曲線下面積(AUC)で前記対象の前記早産のリスクを決定する、請求項90に記載の方法。
【請求項98】
前記対象が、早産、分娩の開始、妊娠関連高血圧障害、子癇、妊娠糖尿病、前記対象の胎児の先天性障害、異所性妊娠、自然流産、死産、産後合併症、妊娠悪阻、分娩中の出血又は過度の出血、前期破水、早産での前期破水、前置胎盤、子宮内/胎児発育遅延、マクロソミア、新生児の状態、及び異常な胎児の発育段階又は状態のうちの1つ又は複数について無症候性である、請求項90に記載の方法。
【請求項99】
前記訓練されたアルゴリズムは、早産に関連する少なくとも約10個の独立した訓練試料を使用して訓練される、請求項90に記載の方法。
【請求項100】
前記訓練されたアルゴリズムは、早産に関連する約100以下の独立した訓練試料を使用して訓練される、請求項90に記載の方法。
【請求項101】
前記訓練されたアルゴリズムは、早産の存在に関連する独立した訓練試料の第1のセットと、早産の非存在に関連する独立した訓練試料の第2のセットとを使用して訓練される、請求項90に記載の方法。
【請求項102】
前記レポートが、ユーザの電子デバイスのグラフィカル・ユーザ・インターフェース上に提示される、請求項90に記載の方法。
【請求項103】
前記ユーザが、前記対象である、請求項102に記載の方法。
【請求項104】
前記訓練されたアルゴリズムが、教師あり機械学習アルゴリズムを含む、請求項90に記載の方法。
【請求項105】
前記教師あり機械学習アルゴリズムが、ディープ・ラーニング・アルゴリズム、サポート・ベクター・マシン(SVM)、ニューラルネットワーク、又はRandom Forestを含む、請求項104に記載の方法。
【請求項106】
前記早産のリスクを示す前記リスクスコアに少なくとも部分的に基づいて治療的介入を前記対象に提供することをさらに含む、請求項90に記載の方法。
【請求項107】
前記治療的介入が、ヒドロキシプロゲステロンカプロン酸エステル、膣プロゲステロン、天然プロゲステロンIVR産物、プロスタグランジンF2アルファ受容体アンタゴニスト、又はベータ2-アドレナリン受容体アゴニストを含む、請求項106に記載の方法。
【請求項108】
前記早産のリスクをモニタリングすることをさらに含み、前記モニタリングすることが、複数の時点で前記対象の前記早産のリスクを評価することを含み、前記評価することが、前記複数の時点のそれぞれで(b)において決定された前記早産のリスクを示す前記リスクスコアに少なくとも基づく、請求項90に記載の方法。
【請求項109】
前記対象の前記早産のリスクを示す更新されたリスクスコアを決定するために、前記対象に対して1つ又は複数の後続の臨床試験を実施し、訓練されたアルゴリズムを使用して前記1つ又は複数の後続の臨床試験からの結果を処理することによって、前記対象の前記早産のリスクを示す前記リスクスコアを精緻化することをさらに含む、請求項90に記載の方法。
【請求項110】
前記1つ又は複数の後続の臨床試験が、超音波画像診断又は血液検査を含む、請求項109に記載の方法。
【請求項111】
前記リスクスコアが、前記対象が、所定の期間内に早産を経験する尤度を含む、請求項90に記載の方法。
【請求項112】
前記所定の期間が、少なくとも約1時間である、請求項111に記載の方法。
【請求項113】
対象の早産のリスクを予測するためのコンピュータシステムであって、
前記対象の臨床健康データを記憶するように構成されたデータベースであって、前記臨床健康データが、前記対象の複数の定量的又はカテゴリ尺度を含む、データベース、及び
前記データベースに動作可能に結合された1つ又は複数のコンピュータプロセッサであって、前記1つ又は複数のコンピュータプロセッサは、
(i)訓練されたアルゴリズムを使用して、前記対象の前記臨床健康データを処理し、前記対象の前記早産のリスクを示すリスクスコアを決定するため、及び
(ii)前記対象の前記早産のリスクを示す前記リスクスコアを示すレポートを電子的に出力するために、個別に集合的にプログラムされている、前記データベースに動作可能に結合された1つ又は複数のコンピュータプロセッサ、を含む、
コンピュータシステム。
【請求項114】
前記1つ又は複数のコンピュータプロセッサに動作可能に結合された電子ディスプレイをさらに備え、前記電子ディスプレイは、前記レポートを表示するように構成されたグラフィカル・ユーザ・インターフェースを備える、請求項113に記載のコンピュータシステム。
【請求項115】
1つ又は複数のコンピュータプロセッサによって実行されると、対象の早産のリスクを予測するための方法を実施する機械実行可能コードを含む非一時的コンピュータ可読媒体であって、前記方法が、
(a)前記対象の臨床健康データを受け取ることであって、前記臨床健康データが、前記対象の複数の定量的又はカテゴリ尺度を含む、前記対象の臨床健康データを受け取ること、
(b)訓練されたアルゴリズムを使用して前記対象の前記臨床健康データを処理し、前記対象の前記早産のリスクを示すリスクスコアを決定すること、及び
(c)前記対象の前記早産のリスクを示す前記リスクスコアを示すレポートを電子的に出力すること、
を含む、非一時的コンピュータ可読媒体。
【請求項116】
妊娠している対象の胎児の出産予定日、出産予定日範囲、又は妊娠期間を決定するための方法であって、前記妊娠している対象に由来する無細胞生物試料をアッセイして、バイオマーカーのセットを検出すること、及び前記バイオマーカーのセットを訓練されたアルゴリズムで分析して、前記胎児の前記出産予定日、出産予定日範囲、又は妊娠期間を決定することを含む、方法。
【請求項117】
前記訓練されたアルゴリズムを使用して、前記妊娠している対象の前記胎児の推定出産予定日又は出産予定日範囲を分析することをさらに含み、前記推定出産予定日又は出産予定日範囲が、前記胎児の超音波測定から生成される、請求項116に記載の方法。
【請求項118】
前記バイオマーカーのセットが、出産予定日に関連するゲノム遺伝子座を含み、前記ゲノム遺伝子座が、表1及び表7に列挙された遺伝子の群から選択される、請求項116又は117に記載の方法。
【請求項119】
前記バイオマーカーのセットが、少なくとも5つの異なるゲノム遺伝子座を含む、請求項118に記載の方法。
【請求項120】
前記バイオマーカーのセットが、少なくとも10個の異なるゲノム遺伝子座を含む、請求項118に記載の方法。
【請求項121】
前記バイオマーカーのセットが、少なくとも25個の異なるゲノム遺伝子座を含む、請求項118に記載の方法。
【請求項122】
前記バイオマーカーのセットが、少なくとも50個の異なるゲノム遺伝子座を含む、請求項118に記載の方法。
【請求項123】
前記バイオマーカーのセットが、少なくとも100個の異なるゲノム遺伝子座を含む、請求項118に記載の方法。
【請求項124】
前記バイオマーカーのセットが、少なくとも150個の異なるゲノム遺伝子座を含む、請求項118に記載の方法。
【請求項125】
前記決定された出産予定日に少なくとも部分的に基づいて前記妊娠している対象に対する臨床介入を同定することをさらに含む、請求項116~124のいずれか一項に記載の方法。
【請求項126】
前記臨床介入が、複数の臨床介入から選択される、請求項125に記載の方法。
【請求項127】
前記分娩までの時間が、7.5週間未満である、請求項116に記載の方法。
【請求項128】
前記ゲノム遺伝子座が、ACKR2、AKAP3、ANO5、C1orf21、C2orf42、CARNS1、CASC15、CCDC102B、CDC45、CDIPT、CMTM1、COPS8、CTD-2267D19.3、CTD-2349P21.9、CXorf65、DDX11L1、DGUOK、DPAGT1、EIF4A1P2、FANK1、FERMT1、FKRP、GAMT、GOLGA6L4、KLLN、LINC01347、LTA、MAPK12、METRN、MKRN4P、MPC2、MYL12BP1、NME4、NPM1P30、PCLO、PIF1、PTP4A3、RIMKLB、RP13-88F20.1、S100B、SIGLEC14、SLAIN1、SPATA33、TFAP2C、TMSB4XP8、TRGV10、及びZNF124から選択される、請求項127に記載の方法。
【請求項129】
前記分娩までの時間が5週間未満である、請求項116に記載の方法。
【請求項130】
前記ゲノム遺伝子座が、C2orf68、CACNB3、CD40、CDKL5、CTBS、CTD-2272G21.2、CXCL8、DHRS7B、EIF5A2、IFITM3、miR24-2、MTSS1、MYSM1、NCK1-AS1、NR1H4、PDE1C、PEMT、PEX7、PIF1、PPP2R3A、RABIF、SIGLEC14、SLC25A53、SPANXN4、SUPT3H、ZC2HC1C、ZMYM1、及びZNF124から選択される、請求項129に記載の方法。
【請求項131】
前記分娩までの時間が7.5週間未満である、請求項117に記載の方法。
【請求項132】
前記ゲノム遺伝子座が、ACKR2、AKAP3、ANO5、C1orf21、C2orf42、CARNS1、CASC15、CCDC102B、CDC45、CDIPT、CMTM1、collectionga、COPS8、CTD-2267D19.3、CTD-2349P21.9、DDX11L1、DGUOK、DPAGT1、EIF4A1P2、FANK1、FERMT1、FKRP、GAMT、GOLGA6L4、KLLN、LINC01347、LTA、MAPK12、METRN、MPC2、MYL12BP1、NME4、NPM1P30、PCLO、PIF1、PTP4A3、RIMKLB、RP13-88F20.1、S100B、SIGLEC14、SLAIN1、SPATA33、STAT1、TFAP2C、TMEM94、TMSB4XP8、TRGV10、ZNF124、及びZNF713から選択される、請求項131に記載の方法。
【請求項133】
前記分娩までの時間が、5週間未満である、請求項116に記載の方法。
【請求項134】
前記ゲノム遺伝子座が、ATP6V1E1P1、ATP8A2、C2orf68、CACNB3、CD40、CDKL4、CDKL5、CEP152、CLEC4D、COL18A1、collectionga、COX16、CTBS、CTD-2272G21.2、CXCL2、CXCL8、DHRS7B、DPPA4、EIF5A2、FERMT1、GNB1L、IFITM3、KATNAL1、LRCH4、MBD6、MIR24-2、MTSS1、MYSM1、NCK1-AS1、NPIPB4、NR1H4、PDE1C、PEMT、PEX7、PIF1、PPP2RP3A、PXDN、RABIF、SERTAD3、SIGLEC14、SLC25A53、SPANXN4、SSH3、SUPT3H、TMEM150C、TNFAIP6、UPP1、XKR8、ZC2HC1C、ZMYM1、及びZNF124から選択される、請求項133に記載の方法。
【請求項135】
前記訓練されたアルゴリズムが、線形回帰モデル又はANOVAモデルを含む、請求項116に記載の方法。
【請求項136】
前記ANOVAモデルが、複数の時間ウィンドウの中から前記出産予定日に対応する最尤時間ウィンドウを決定する、請求項135に記載の方法。
【請求項137】
前記最尤時間ウィンドウが、少なくとも1週間の分娩までの時間に対応する、請求項136に記載の方法。
【請求項138】
前記ANOVAモデルが、複数の時間ウィンドウの中から前記出産予定日に対応する時間ウィンドウの確率又は尤度を決定する、請求項135に記載の方法。
【請求項139】
前記ANOVAモデルが、平均又は予想される時間ウィンドウ距離を決定するために、前記複数の時間ウィンドウにわたる確率加重平均を計算する、請求項137に記載の方法。
【請求項140】
妊娠している対象の胎児の出生前代謝性遺伝子疾患の存在又はリスクを検出するための方法であって、
前記妊娠している対象に由来する無細胞生物試料中のリボ核酸(RNA)をアッセイして、バイオマーカーのセットを検出すること、及び
前記出生前代謝性遺伝子疾患の前記存在又はリスクを検出するために、訓練されたアルゴリズムを用いて前記バイオマーカーのセットを分析すること
を含む、方法。
【請求項141】
妊娠している対象又は前記妊娠している対象の胎児の少なくとも2つの健康状態又は生理学的状態を検出するための方法であって、
第1の時点で前記妊娠している対象から得られた又は誘導された第1の無細胞生物試料及び第2の時点で前記妊娠している対象から得られた又は誘導された第2の無細胞生物試料をアッセイして、前記第1の時点でバイオマーカーの第1のセット及び前記第2の時点でバイオマーカーの第2のセットを検出すること、並びに
前記少なくとも2つの健康状態又は生理学的状態を検出するために、訓練されたアルゴリズムを用いて前記バイオマーカーの第1のセット又は前記バイオマーカーの第2のセットを分析すること
を含む、方法。
【請求項142】
前記少なくとも2つの健康又は生理学的状態が、早産、満期出産、妊娠期間、出産予定日、分娩の開始、妊娠関連高血圧障害、子癇、妊娠糖尿病、前記対象の胎児の先天性障害、異所性妊娠、自然流産、死産、産後合併症、妊娠悪阻、分娩中の出血又は過度の出血、前期破水、早産における前期破水、前置胎盤、子宮内/胎児発育遅延、マクロソミア、新生児の状態、及び胎児の発育段階又は状態からなる群から選択される、請求項141に記載の方法。
【請求項143】
前記バイオマーカーのセットが、出産予定日に関連するゲノム遺伝子座を含み、前記ゲノム遺伝子座が、表1及び表7に列挙された遺伝子からなる群から選択される、請求項141に記載の方法。
【請求項144】
前記バイオマーカーのセットが、妊娠期間に関連するゲノム遺伝子座を含み、前記ゲノム遺伝子座が、表2に列挙される遺伝子からなる群から選択される、請求項141に記載の方法。
【請求項145】
前記バイオマーカーのセットが、早産に関連するゲノム遺伝子座を含み、前記ゲノム遺伝子座が、表5に列挙される遺伝子、表6に列挙される遺伝子、表8に列挙される遺伝子、RAB27B、RGS18、CLCN3、B3GNT2、COL24A1、CXCL8、及びPTGS2からなる群から選択される、請求項141に記載の方法。
【請求項146】
前記バイオマーカーのセットが、少なくとも5つの異なるゲノム遺伝子座を含む、請求項141に記載の方法。
【請求項147】
妊娠している対象から得られた又は誘導された1つ又は複数の無細胞生物試料をアッセイして、バイオマーカーのセットを検出すること;及び
前記バイオマーカーのセットを分析して、(1)前記妊娠している対象の胎児の出産予定日又はその範囲、及び(2)前記妊娠している対象又は前記妊娠している対象の前記胎児の健康状態又は生理学的状態を同定すること、
を含む方法。
【請求項148】
訓練されたアルゴリズムで前記バイオマーカーのセットを分析することをさらに含む、請求項147に記載の方法。
【請求項149】
前記健康又は生理学的状態が、早産、満期出産、妊娠期間、出産予定日、分娩の開始、妊娠関連高血圧障害、子癇、妊娠糖尿病、前記対象の胎児の先天性障害、異所性妊娠、自然流産、死産、産後合併症、妊娠悪阻、分娩中の出血又は過度の出血、前期破水、早産における前期破水、前置胎盤、子宮内/胎児発育遅延、マクロソミア、新生児の状態、及び胎児の発育段階又は状態からなる群から選択される、請求項147に記載の方法。
【請求項150】
前記バイオマーカーのセットが、出産予定日に関連するゲノム遺伝子座を含み、前記ゲノム遺伝子座が、表1及び表7に列挙された遺伝子からなる群から選択される、請求項147に記載の方法。
【請求項151】
前記バイオマーカーのセットが、妊娠期間に関連するゲノム遺伝子座を含み、前記ゲノム遺伝子座が、表2に列挙される遺伝子からなる群から選択される、請求項147に記載の方法。
【請求項152】
前記バイオマーカーのセットが、早産に関連するゲノム遺伝子座を含み、前記ゲノム遺伝子座が、表5に列挙される遺伝子、表6に列挙される遺伝子、表8に列挙される遺伝子、RAB27B、RGS18、CLCN3、B3GNT2、COL24A1、CXCL8、及びPTGS2からなる群から選択される、請求項147に記載の方法。
【請求項153】
前記バイオマーカーのセットが、少なくとも5つの異なるゲノム遺伝子座を含む、請求項147に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
相互参照
本出願は、2019年2月14日に出願された米国特許出願第62/805,515号、2019年8月22日に出願された米国特許出願第62/890,248号、及び2019年10月28日に出願された米国特許出願第62/926,786号の利益を主張し、これらの各々は参照により本明細書に完全に組み込まれる。
【背景技術】
【0002】
毎年、約1500万人の早産が、世界中で報告されている。早産は妊娠の約10%に影響を及ぼす可能性があり、その大部分は自然早産である。現在、早産などの多くの妊娠関連合併症に利用可能な有意義で臨床的に実施可能な診断スクリーニング又は検査はない可能性がある。しかしながら、早産などの妊娠関連合併症は、新生児の死亡及び後年の合併症の主な原因である。さらに、そのような妊娠関連合併症は、母体の健康に悪影響を及ぼす可能性がある。したがって、妊娠を可能な限り安全にするために、母体及び胎児の健康を改善するために、非侵襲的で費用効果の高い妊娠関連状態を同定及びモニタリングするための迅速で正確な方法が必要とされている。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0003】
本開示は、対象から得られた又は対象に由来する無細胞生物試料を処理することによって、妊娠関連状態を同定又はモニタリングするための方法、システム及びキットを提供する。対象から得られた無細胞生物試料(例えば、血漿試料)を分析して、妊娠関連状態(これは、例えば、妊娠関連状態の存在、非存在、又は相対的評価を測定することを含み得る)を同定することができる。そのような対象には、1つ又は複数の妊娠関連状態を有する対象及び妊娠関連状態を有しない対象が含まれ得る。妊娠関連状態には、例えば、早産、満期出産、妊娠期間、出産予定日(例えば、対象の胎児又は胎児の出産予定日)、分娩の開始、妊娠関連高血圧障害(例えば、子癇前症)、子癇前症、妊娠糖尿病、対象の胎児の先天性障害、異所性妊娠、自然流産、死産、産後合併症(例えば、産後うつ病、出血又は過度の出血、肺塞栓症、心筋症、糖尿病、貧血、及び高血圧性障害)、妊娠悪阻(つわり)、分娩中の出血又は過度の出血、前期破水、早産における前期破水、前置胎盤(子宮頸部を覆う胎盤)、子宮内/胎児発育遅延、マクロソミア(妊娠期間の大きな胎児)、新生児の状態(例えば、貧血、無呼吸、徐脈、及びその他の心臓の欠陥、気管支肺異形成症、又は慢性肺疾患、糖尿病、胃壁破裂、水頭症、高ビリルビン血症、低カルシウム血症、低血糖症、脳室内出血、黄疸、壊死性腸炎、動脈管開存症、脳室周囲白質軟化症、持続性肺高血圧症、赤血球増加症、呼吸窮迫症候群、未熟児網膜症、及び一過性頻呼吸)、及び胎児の発育段階又は状態(例えば、正常な胎児の臓器の機能又は発達、及び異常な胎児の臓器の機能又は発達)が含まれ得る。
【0004】
一態様では、本開示は、対象に由来する無細胞生物試料中の転写物及び/又は代謝産物をアッセイしてバイオマーカーのセットを検出すること、及び訓練されたアルゴリズムを用いてバイオマーカーのセットを分析して妊娠関連状態の存在又は感受性を決定すること、を含む対象の妊娠関連状態の存在又は感受性を同定する方法を提供する。いくつかの実施形態において、方法は、バイオマーカーのセットを検出するために、対象に由来する無細胞生物試料における転写物をアッセイすることを含む。いくつかの実施形態において、転写物は核酸配列決定を用いてアッセイされる。いくつかの実施形態において、方法は、バイオマーカーのセットを検出するために、対象に由来する無細胞生物試料における代謝産物をアッセイすることを含む。いくつかの実施形態において、代謝産物をメタボロミクスアッセイでアッセイする。
【0005】
別の態様では、本開示は、対象の妊娠関連状態の存在又は感受性を同定する方法であって、対象に由来する無細胞生物試料をアッセイして、バイオマーカーのセットを検出すること、及びバイオマーカーのセットを訓練されたアルゴリズムで分析して、少なくとも約80%の精度で、少なくとも3つの異なる妊娠関連状態のセットの中の妊娠関連状態の存在又は感受性を決定することを含む、方法を提供する。いくつかの実施形態において、妊娠関連状態は、早産、満期出産、妊娠期間、出産予定日、分娩の開始、妊娠関連高血圧障害(例えば、子癇前症)、子癇、妊娠糖尿病、対象の胎児の先天性障害、異所性妊娠、自然流産、死産、産後合併症(例えば、産後うつ病、出血又は過剰出血、肺塞栓症、心筋症、糖尿病、貧血及び高血圧性障害)、妊娠悪阻(つわり)、分娩中の出血又は過度の出血、前期破水、早産における前期破水、前置胎盤(子宮頸部を覆う胎盤)、子宮内/胎児発育遅延、マクロソミア(妊娠期間に対して大きな胎児)、新生児の状態(例えば、貧血、無呼吸、徐脈及びその他の心臓の欠陥、気管支肺異形成症又は慢性肺疾患、糖尿病、胃壁破裂、水頭症、高ビリルビン血症、低カルシウム血症、低血糖症、脳室内出血、黄疸、壊死性腸炎、動脈管開存症、脳室周囲白質軟化症、持続性肺高血圧症、赤血球増加症、呼吸窮迫症候群、未熟児網膜症、及び一過性頻呼吸)、及び胎児の発育段階又は状態(例えば、正常な胎児の臓器の機能又は発達、及び異常な胎児の臓器の機能又は発達)からなる群から選択される。いくつかの実施形態において、妊娠関連状態は、早産のサブタイプであり、少なくとも3つの異なる妊娠関連状態は、早産の少なくとも2つの異なるサブタイプを含む。いくつかの実施形態において、早産のサブタイプは、早産の分子サブタイプであり、少なくとも2つの異なる早産のサブタイプは、少なくとも2つの異なる早産の分子サブタイプを含む。いくつかの実施形態において、早産の異なる分子サブタイプは、以前の早産の既往歴、自然早産、民族特異的早産リスク(例えば、アフリカ系アメリカ人の集団の中で)、及び早期の前期破水(PPROM)からなる群から選択される早産の分子サブタイプを含む。いくつかの実施形態において、方法は、妊娠関連状態の存在又は感受性に少なくとも部分的に基づいて、対象に対する臨床介入を同定することをさらに含む。いくつかの実施形態において、臨床介入が、複数の臨床介入から選択される。いくつかの実施形態では、バイオマーカーのセットが、出産予定日に関連するゲノム遺伝子座を含み、ゲノム遺伝子座は、表1及び表7に列挙された遺伝子からなる群から選択される。いくつかの実施形態において、バイオマーカーのセットは、妊娠期間に関連するゲノム遺伝子座を含み、ゲノム遺伝子座は、表2に列挙された遺伝子からなる群から選択される。いくつかの実施形態において、バイオマーカーのセットは、早産に関連するゲノム遺伝子座を含み、ゲノム遺伝子座は、表5に列挙される遺伝子、表6に列挙される遺伝子、表8に列挙される遺伝子、RAB27B、RGS18、CLCN3、B3GNT2、COL24A1、CXCL8、及びPTGS2からなる群から選択される。いくつかの実施形態において、バイオマーカーのセットは、少なくとも5つの異なるゲノム遺伝子座を含む。いくつかの実施形態において、バイオマーカーのセットは、少なくとも10個の異なるゲノム遺伝子座を含む。いくつかの実施形態において、バイオマーカーのセットは、少なくとも25個の異なるゲノム遺伝子座を含む。いくつかの実施形態において、バイオマーカーのセットは、少なくとも50個の異なるゲノム遺伝子座を含む。いくつかの実施形態において、バイオマーカーのセットは、少なくとも100個の異なるゲノム遺伝子座を含む。いくつかの実施形態において、バイオマーカーのセットは、少なくとも150個の異なるゲノム遺伝子座を含む。
【0006】
別の態様では、本開示は、(a)第1のアッセイを使用して、対象に由来する無細胞生物試料を処理し、第1のデータセットを生成すること、(b)対象に由来する膣又は子宮頸部の生物試料を処理して、膣又は子宮頸部の生物試料のマイクロバイオームプロファイルを含む第2のデータセットを生成するために第2のアッセイを使用すること、(c)アルゴリズム(例えば、訓練されたアルゴリズム)を使用して、少なくとも第1のデータセット及び第2のデータセットを処理して、妊娠関連状態の存在又は感受性を決定するために、訓練されたアルゴリズムが、少なくとも50の独立した試料にわたって少なくとも約80%の精度を有する、アルゴリズムを使用すること、及び(d)対象の妊娠関連状態の存在又は感受性を示すレポートを電子的に出力すること、を含む対象の妊娠関連状態の存在又は感受性を同定又はモニタリングするための方法を提供する。
【0007】
いくつかの実施形態において、第1のアッセイが、トランスクリプトームデータを生成するために無細胞生物試料に由来する無細胞リボ核酸(cfRNA)分子を使用すること、ゲノムデータを生成するために無細胞生物試料に由来する無細胞デオキシリボ核酸(cfDNA)分子を使用すること、プロテオミクスデータを生成するために無細胞生物試料に由来するタンパク質を使用すること、又はメタボロミクスデータを生成するために無細胞生物試料に由来する代謝産物を使用することを含む。いくつかの実施形態において、無細胞生物試料は、対象の血液に由来する。いくつかの実施形態において、無細胞生物試料は、対象の尿に由来する。
【0008】
いくつかの実施形態において、第1のデータセットは、妊娠関連状態に関連するバイオマーカーの第1のセットを含む。いくつかの実施形態において、第2のデータセットは、妊娠関連状態に関連するバイオマーカーの第2のセットを含む。いくつかの実施形態において、バイオマーカーの第2のセットは、バイオマーカーの第1のセットとは異なる。
【0009】
いくつかの実施形態において、妊娠関連状態が、早産、満期出産、妊娠期間、出産予定日、分娩の開始、妊娠関連高血圧障害、子癇、妊娠糖尿病、対象の胎児の先天性障害、異所性妊娠、自然流産、死産、産後合併症、妊娠悪阻、分娩中の出血又は過度の出血、前期破水、早産における前期破水、前置胎盤、子宮内/胎児発育遅延、マクロソミア(妊娠期間に対して大きな胎児)、新生児の状態、及び胎児の発育段階又は状態からなる群から選択される。
【0010】
いくつかの実施形態において、妊娠関連状態は、早産を含む。いくつかの実施形態において、妊娠関連状態は、妊娠期間を含む。
【0011】
いくつかの実施形態において、無細胞生物試料は、無細胞リボ核酸(cfRNA)、無細胞デオキシリボ核酸(cfDNA)、無細胞胎児DNA(cffDNA)、血漿、血清、尿、唾液、羊水、及びそれらの誘導体からなる群から選択される。いくつかの実施形態において、無細胞生物試料は、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)収集管、無細胞RNA収集管、又は無細胞DNA収集管を使用して、対象から得られるか、又は誘導される。いくつかの実施形態において、方法は、無細胞生物試料を得るために対象の全血試料を分画することをさらに含む。
【0012】
いくつかの実施形態において、第1のアッセイは、cfRNAアッセイ又はメタボロミクスアッセイを含む。いくつかの実施形態において、メタボロミクスアッセイは、標的質量分析(MS)又は免疫アッセイを含む。いくつかの実施形態において、無細胞生物試料は、cfRNA又は尿を含む。いくつかの実施形態において、第1のアッセイ又は第2のアッセイは定量的ポリメラーゼ連鎖反応(qPCR)を含む。いくつかの実施形態において、第1のアッセイ又は第2のアッセイは、家庭環境で実施されるように構成された家庭用試験を含む。
【0013】
いくつかの実施形態において、訓練されたアルゴリズムは、少なくとも約80%の感度で対象の妊娠関連状態の存在又は感受性を決定する。いくつかの実施形態において、訓練されたアルゴリズムは、少なくとも約90%の感度で対象の妊娠関連状態の存在又は感受性を決定する。いくつかの実施形態において、訓練されたアルゴリズムは、少なくとも約95%の感度で対象の妊娠関連状態の存在又は感受性を決定する。
【0014】
いくつかの実施形態において、訓練されたアルゴリズムは、少なくとも約70%の陽性予測値(PPV)で対象の妊娠関連状態の存在又は感受性を決定する。いくつかの実施形態において、訓練されたアルゴリズムは、少なくとも約80%の陽性予測値(PPV)で対象の妊娠関連状態の存在又は感受性を決定する。いくつかの実施形態において、訓練されたアルゴリズムは、少なくとも約90%の陽性予測値(PPV)で対象の妊娠関連状態の存在又は感受性を決定する。
【0015】
いくつかの実施形態において、訓練されたアルゴリズムは、少なくとも約0.90の曲線下面積(AUC)を有する対象の妊娠関連状態の存在又は感受性を決定する。いくつかの実施形態において、訓練されたアルゴリズムは、少なくとも約0.95の曲線下面積(AUC)を有する対象の妊娠関連状態の存在又は感受性を決定する。いくつかの実施形態において、訓練されたアルゴリズムは、少なくとも約0.99の曲線下面積(AUC)を有する対象の妊娠関連状態の存在又は感受性を決定する。
【0016】
いくつかの実施形態において、対象は、早産、分娩の開始、妊娠関連高血圧障害、子癇、妊娠糖尿病、対象の胎児の先天性障害、異所性妊娠、自然流産、死産、産後合併症、妊娠悪阻(つわり)、分娩中の出血又は過度の出血、前期破水、早産での前期破水、前置胎盤(子宮頸部を覆う胎盤)、子宮内/胎児発育遅延、マクロソミア(妊娠期間に対して大きな胎児)、新生児の状態、及び異常な胎児の発育段階又は状態の1つ又は複数について無症候性である。
【0017】
いくつかの実施形態において、訓練されたアルゴリズムは、妊娠関連状態の存在又は感受性に関連する少なくとも約10個の独立した訓練試料を使用して訓練される。いくつかの実施形態において、訓練されたアルゴリズムは、妊娠関連状態の存在又は感受性に関連する約100個以下の独立した訓練試料を使用して訓練される。いくつかの実施形態において、訓練されたアルゴリズムは、妊娠関連状態の存在又は感受性に関連する独立した訓練試料の第1のセットと、妊娠関連状態の非存在又は非感受性に関連する独立した訓練試料の第2のセットとを使用して訓練される。いくつかの実施形態において、方法は、訓練されたアルゴリズムを使用して、対象の臨床健康データのセットを処理して、妊娠関連状態の存在又は感受性を決定することをさらに含む。
【0018】
いくつかの実施形態において、(a)が、(i)無細胞生物試料を、リボ核(RNA)分子、デオキシリボ核酸(DNA)分子、タンパク質又は代謝産物のセットを単離、濃縮、又は抽出するのに十分な条件に供すること、及び(ii)第1のアッセイを使用してRNA分子、DNA分子、タンパク質、又は代謝産物のセットを分析して、第1のデータセットを生成すること、を含む。いくつかの実施形態において、方法は、無細胞生物試料から核酸分子のセットを抽出すること、及び核酸分子のセットを配列決定に供して配列決定リードのセットを生成することをさらに含み、第1のデータセットが、配列決定リードのセットを含む。いくつかの実施形態において、(b)が、(i)膣又は子宮頸部の生物試料を、微生物の集団を単離、濃縮又は抽出するのに十分な条件に供すること、及び(ii)第2のアッセイを使用して微生物の集団を分析して第2のデータセットを生成することを含む。
【0019】
いくつかの実施形態において、配列決定は、大規模並列配列決定である。いくつかの実施形態において、配列決定は、核酸増幅を含む。いくつかの実施形態において、核酸増幅は、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)を含む。いくつかの実施形態において、配列決定は、同時逆転写(RT)及びポリメラーゼ連鎖反応(PCR)の使用を含む。いくつかの実施形態において、方法は、1つ又は複数のゲノム遺伝子座のパネルに対応する核酸分子のセットを選択的に濃縮するように構成されたプローブを使用することをさらに含む。いくつかの実施形態において、プローブは、核酸プライマーである。いくつかの実施形態において、プローブは、1つ又は複数のゲノム遺伝子座のパネルの核酸配列との配列相補性を有する。
【0020】
いくつかの実施形態において、1つ又は複数のゲノム遺伝子座のパネルが、ACTB、ADAM12、ALPP、ANXA3、APLF、ARG1、AVPR1A、CAMP、CAPN6、CD180、CGA、CGB、CLCN3、CPVL、CSH1、CSH2、CSHL1、CYP3A7、DAPP1、DCX、DEFA4、DGCR14、ELANE、ENAH、EPB42、FABP1、FAM212B-AS1、FGA、FGB、FRMD4B、FRZB、FSTL3、GH2、GNAZ、HAL、HSD17B1、HSD3B1、HSPB8、Immune、ITIH2、KLF9、KNG1、KRT8、LGALS14、LTF、LYPLAL1、MAP3K7CL、MEF2C、MMD、MMP8、MOB1B、NFATC2、OTC、P2RY12、PAPPA、PGLYRP1、PKHD1L1、PKHD1L1、PLAC1、PLAC4、POLE2、PPBP、PSG1、PSG4、PSG7、PTGER3、RAB11A、RAB27B、RAP1GAP、RGS18、RPL23AP7、S100A8、S100A9、S100P、SERPINA7、SLC2A2、SLC38A4、SLC4A1、TBC1D15、VCAN、VGLL1、B3GNT2、COL24A1、CXCL8、及びPTGS2からなる群から選択される少なくとも1つのゲノム遺伝子座を含む。
【0021】
いくつかの実施形態において、1つ又は複数のゲノム遺伝子座のパネルは、少なくとも5つの異なるゲノム遺伝子座を含む。いくつかの実施形態において、1つ又は複数のゲノム遺伝子座のパネルは、少なくとも10個の異なるゲノム遺伝子座を含む。
【0022】
いくつかの実施形態において、1つ又は複数のゲノム遺伝子座のパネルが、早産に関連するゲノム遺伝子座を含み、ゲノム遺伝子座が、ADAM12、ANXA3、APLF、AVPR1A、CAMP、CAPN6、CD180、CGA、CGB、CLCN3、CPVL、CSH2、CSHL1、CYP3A7、DAPP1、DGCR14、ELANE、ENAH、FAM212B-AS1、FRMD4B、GH2、HSPB8、Immune、KLF9、KRT8、LGALS14、LTF、LYPLAL1、MAP3K7CL、MMD、MOB1B、NFATC2、P2RY12、PAPPA、PGLYRP1、PKHD1L1、PKHD1L1、PLAC1、PLAC4、POLE2、PPBP、PSG1、PSG4、PSG7、RAB11A、RAB27B、RAP1GAP、RGS18、RPL23AP7、TBC1D15、VCAN、VGLL1、B3GNT2、COL24A1、CXCL8、及びPTGS2からなる群から選択される。
【0023】
いくつかの実施形態において、1つ又は複数のゲノム遺伝子座のパネルが、妊娠期間に関連するゲノム遺伝子座を含み、ゲノム遺伝子座が、ACTB、ADAM12、ALPP、ANXA3、ARG1、CAMP、CAPN6、CGA、CGB、CSH1、CSH2、CSHL1、CYP3A7、DCX、DEFA4、EPB42、FABP1、FGA、FGB、FRZB、FSTL3、GH2、GNAZ、HAL、HSD17B1、HSD3B1、HSPB8、ITIH2、KNG1、LGALS14、LTF、MEF2C、MMP8、OTC、PAPPA、PGLYRP1、PLAC1、PLAC4、PSG1、PSG4、PSG7、PTGER3、S100A8、S100A9、S100P、SERPINA7、SLC2A2、SLC38A4、SLC4A1、VGLL1、RAB27B、RGS18、CLCN3、B3GNT2、COL24A1、CXCL8、及びPTGS2からなる群から選択される。
【0024】
いくつかの実施形態において、1つ又は複数のゲノム遺伝子座のパネルは、出産予定日に関連するゲノム遺伝子座を含み、ゲノム遺伝子座は、表1及び表7に列挙された遺伝子からなる群から選択される。いくつかの実施形態において、1つ又は複数のゲノム遺伝子座のパネルは、妊娠期間に関連するゲノム遺伝子座を含み、ここで、ゲノム遺伝子座は、表2に列挙された遺伝子の群から選択される。いくつかの実施形態において、1つ又は複数のゲノム遺伝子座のパネルは、早産に関連するゲノム遺伝子座を含み、ゲノム遺伝子座は、表5に列挙される遺伝子、表6に列挙される遺伝子、表8に列挙される遺伝子、RAB27B、RGS18、CLCN3、B3GNT2、COL24A1、CXCL8及びPTGS2からなる群から選択される。
【0025】
いくつかの実施形態において、1つ又は複数のゲノム遺伝子座のパネルは、少なくとも5つの異なるゲノム遺伝子座を含む。いくつかの実施形態において、1つ又は複数のゲノム遺伝子座のパネルは、少なくとも10個の異なるゲノム遺伝子座を含む。いくつかの実施形態において、1つ又は複数のゲノム遺伝子座のパネルは、少なくとも25個の異なるゲノム遺伝子座を含む。いくつかの実施形態において、1つ又は複数のゲノム遺伝子座のパネルは、少なくとも50個の異なるゲノム遺伝子座を含む。いくつかの実施形態において、1つ又は複数のゲノム遺伝子座のパネルは、少なくとも100個の異なるゲノム遺伝子座を含む。いくつかの実施形態において、1つ又は複数のゲノム遺伝子座のパネルは、少なくとも150個の異なるゲノム遺伝子座を含む。
【0026】
いくつかの実施形態において、無細胞生物試料は、核酸の単離、濃縮又は抽出なしで処理される。
【0027】
いくつかの実施形態において、レポートは、ユーザの電子デバイスのグラフィカル・ユーザ・インターフェース上に提示される。いくつかの実施形態において、ユーザは対象である。
【0028】
いくつかの実施形態において、方法は、対象の妊娠関連状態の存在又は感受性の決定の尤度を決定することをさらに含む。
【0029】
いくつかの実施形態において、訓練されたアルゴリズムは、教師あり機械学習アルゴリズムを含む。いくつかの実施形態において、教師あり機械学習アルゴリズムは、ディープ・ラーニング・アルゴリズム、サポート・ベクター・マシン(SVM)、ニューラルネットワーク、又はRandom Forestを含む。
【0030】
いくつかの実施形態において、方法は、妊娠関連状態の存在又は感受性に対する治療的介入を対象に提供することをさらに含む。いくつかの実施形態において、治療的介入は、ヒドロキシプロゲステロンカプロン酸エステル、膣プロゲステロン、天然プロゲステロンIVR産物、プロスタグランジンF2アルファ受容体アンタゴニスト、又はベータ2-アドレナリン受容体アゴニストを含む。
【0031】
いくつかの実施形態において、方法は、妊娠関連状態の存在又は感受性をモニタリングすることをさらに含み、モニタリングすることが、複数の時点で対象の妊娠関連状態の存在又は感受性を評価することを含み、評価することが、複数の時点のそれぞれで(d)において決定された妊娠関連状態の存在又は感受性に少なくとも基づく。
【0032】
いくつかの実施形態において、複数の時点の間の対象の妊娠関連状態の存在又は感受性の評価の差が、(i)対象の妊娠関連状態の存在又は感受性の診断、(ii)対象の妊娠関連状態の存在又は感受性の予後、及び(iii)対象の妊娠関連状態の存在又は感受性を処置するための一連の処置の有効性又は非有効性からなる群から選択される1つ又は複数の臨床徴候を示す。
【0033】
いくつかの実施形態において、訓練されたアルゴリズムを使用して早産の複数の異なる分子サブタイプの中から早産の分子サブタイプを決定することによって早産を層別化することをさらに含む。いくつかの実施形態において、早産の複数の異なる分子サブタイプは、以前の早産の既往歴、自然早産、民族特異的早産リスク(例えば、アフリカ系アメリカ人の集団の中で)、及び早期の前期破水(PPROM)からなる群から選択される早産の分子サブタイプを含む。
【0034】
別の態様では、本開示は、対象の早産のリスクを予測するためのコンピュータ実装方法であって、(a)対象の臨床健康データを受け取ることであって、臨床健康データが、対象の複数の定量的又はカテゴリ尺度を含む、対象の臨床健康データを受け取ること、(b)アルゴリズム(例えば、訓練されたアルゴリズム)を使用して対象の臨床健康データを処理し、対象の早産のリスクを示すリスクスコアを決定すること、及び(c)対象の早産のリスクを示すリスクスコアを示すレポートを電子的に出力すること、を含むコンピュータ実装方法を提供する。
【0035】
いくつかの実施形態において、臨床健康データは、年齢、体重、身長、肥満度指数(BMI)、血圧、心拍数、血糖値、以前の妊娠回数、及び以前の出産回数からなる群から選択される1つ又は複数の定量的測定を含む。いくつかの実施形態において、臨床健康データは、人種、民族性、薬物又は他の臨床処置の履歴、タバコ使用の履歴、アルコール摂取の履歴、毎日の活動又はフィットネスレベル、遺伝子検査結果、血液検査結果、画像診断結果、及び胎児スクリーニング結果からなる群から選択される1つ又は複数のカテゴリ尺度を含む。
【0036】
いくつかの実施形態において、訓練されたアルゴリズムは、少なくとも約80%の感度で対象の早産のリスクを決定する。いくつかの実施形態において、訓練されたアルゴリズムは、少なくとも約80%の特異度で対象の早産のリスクを決定する。いくつかの実施形態において、訓練されたアルゴリズムは、少なくとも約80%の陽性予測値(PPV)で対象の早産のリスクを決定する。いくつかの実施形態において、訓練されたアルゴリズムは、少なくとも約80%の陰性予測値(NPV)で対象の早産のリスクを決定する。いくつかの実施形態において、訓練されたアルゴリズムは、少なくとも約0.9の曲線下面積(AUC)で対象の早産のリスクを決定する。
【0037】
いくつかの実施形態において、対象は、早産、分娩の開始、妊娠関連高血圧障害、子癇、妊娠糖尿病、対象の胎児の先天性障害、異所性妊娠、自然流産、死産、産後合併症、妊娠悪阻(つわり)、分娩中の出血又は過度の出血、前期破水、早産での前期破水、前置胎盤(子宮頸部を覆う胎盤)、子宮内/胎児発育遅延、マクロソミア(妊娠期間に対して大きな胎児)、新生児の状態、及び異常な胎児の発育段階又は状態の1つ又は複数について無症候性である。
【0038】
いくつかの実施形態において、訓練されたアルゴリズムは、早産に関連する少なくとも約10個の独立した訓練試料を使用して訓練される。いくつかの実施形態において、訓練されたアルゴリズムは、早産に関連する約100個以下の独立した訓練試料を使用して訓練される。いくつかの実施形態において、訓練されたアルゴリズムは、早産の存在に関連する独立した訓練試料の第1のセット及び早産の非存在に関連する独立した訓練試料の第2のセットを使用して訓練される。
【0039】
いくつかの実施形態において、レポートは、ユーザの電子デバイスのグラフィカル・ユーザ・インターフェース上に提示される。いくつかの実施形態において、ユーザは対象である。
【0040】
いくつかの実施形態において、訓練されたアルゴリズムは、教師あり機械学習アルゴリズムを含む。いくつかの実施形態において、教師あり機械学習アルゴリズムは、ディープ・ラーニング・アルゴリズム、サポート・ベクター・マシン(SVM)、ニューラルネットワーク、又はRandom Forestを含む。
【0041】
いくつかの実施形態において、方法は、早産のリスクを示すリスクスコアに少なくとも部分的に基づいて治療的介入を対象に提供することをさらに含む。いくつかの実施形態において、治療的介入は、ヒドロキシプロゲステロンカプロン酸エステル、膣プロゲステロン、天然プロゲステロンIVR産物、プロスタグランジンF2アルファ受容体アンタゴニスト、又はベータ2-アドレナリン受容体アゴニストを含む。
【0042】
いくつかの実施形態では、方法は、早産のリスクをモニタリングすることをさらに含み、モニタリングすることが、複数の時点で対象の早産のリスクを評価することを含み、評価することが、複数の時点のそれぞれで(b)において決定された早産のリスクを示すリスクスコアに少なくとも基づく。
【0043】
いくつかの実施形態では、方法は、対象の早産のリスクを示す更新されたリスクスコアを決定するために、対象に対して1つ又は複数の後続の臨床試験を実施し、訓練されたアルゴリズムを使用して1つ又は複数の後続の臨床試験からの結果を処理することによって、対象の早産のリスクを示すリスクスコアを精緻化することをさらに含む。いくつかの実施形態において、1つ又は複数の後続の臨床試験は、超音波画像診断又は血液検査を含む。いくつかの実施形態において、リスクスコアは、所定の期間内に対象が早産を経験する尤度を含む。
【0044】
いくつかの実施形態において、所定の期間は、約1時間、約2時間、約4時間、約6時間、約8時間、約10時間、約12時間、約14時間、約16時間、約18時間、約20時間、約22時間、約24時間、約1.5日間、約2日間、約2.5日間、約3日間、約3.5日間、約4日間、約4.5日間、約5日間、約5.5日間、約6日間、約6.5日間、約7日間、約8日間、約9日間、約10日間、約12日間、約14日間、約3週間、約4週間、約5週間、約6週間、約7週間、約8週間、約9週間、約10週間、約11週間、約12週間、約13週間、又は約13週間超である。
【0045】
別の態様では、本開示は、対象の早産のリスクを予測するためのコンピュータシステムであって、対象の臨床健康データを記憶するように構成されたデータベースであって、臨床健康データが、対象の複数の定量的又はカテゴリ尺度を含む、データベース、及びデータベースに動作可能に結合された1つ又は複数のコンピュータプロセッサであって、1つ又は複数のコンピュータプロセッサは、(i)アルゴリズム(例えば、訓練されたアルゴリズム)を使用して、対象の臨床健康データを処理し、対象の早産のリスクを示すリスクスコアを決定するため、及び(ii)対象の早産のリスクを示すリスクスコアを示すレポートを電子的に出力するために、個別に集合的にプログラムされている、データベースに動作可能に結合された1つ又は複数のコンピュータプロセッサ、を含むコンピュータシステムを提供する。
【0046】
いくつかの実施形態において、コンピュータシステムは、1つ又は複数のコンピュータプロセッサに動作可能に結合された電子ディスプレイをさらに備え、電子ディスプレイは、レポートを表示するように構成されたグラフィカル・ユーザ・インターフェースを備える。
【0047】
別の態様では、本開示は、1つ又は複数のコンピュータプロセッサによって実行されると、対象の早産のリスクを予測するための方法を実施する機械実行可能コードを含む非一時的コンピュータ可読媒体であって、方法が、(a)対象の臨床健康データを受け取ることであって、臨床健康データが、対象の複数の定量的又はカテゴリ尺度を含む、対象の臨床健康データを受け取ること、(b)アルゴリズム(例えば、訓練されたアルゴリズム)を使用して対象の臨床健康データを処理し、対象の早産のリスクを示すリスクスコアを決定すること、及び(c)対象の早産のリスクを示すリスクスコアを示すレポートを電子的に出力すること、を含む非一時的コンピュータ可読媒体を提供する。
【0048】
別の態様では、本開示は、妊娠している対象の胎児の出産予定日、出産予定日範囲、又は妊娠期間を決定するための方法であって、妊娠している対象に由来する無細胞生物試料をアッセイして、バイオマーカーのセットを検出すること、及びバイオマーカーのセットを訓練されたアルゴリズムで分析して、胎児の出産予定日、出産予定日範囲、又は妊娠期間を決定することを含む、方法を提供する。
【0049】
いくつかの実施形態において、方法は、訓練されたアルゴリズムを使用して妊娠している対象の胎児の推定出産予定日を分析することをさらに含み、推定出産予定日は、胎児の超音波測定値から生成される。いくつかの実施形態において、バイオマーカーのセットは、出産予定日に関連するゲノム遺伝子座を含み、ゲノム遺伝子座は、表1及び表7に列挙された遺伝子の群から選択される。
【0050】
いくつかの実施形態において、バイオマーカーのセットは、少なくとも5つの異なるゲノム遺伝子座を含む。いくつかの実施形態において、バイオマーカーのセットは、少なくとも10個の異なるゲノム遺伝子座を含む。いくつかの実施形態において、バイオマーカーのセットは、少なくとも25個の異なるゲノム遺伝子座を含む。いくつかの実施形態において、バイオマーカーのセットは、少なくとも50個の異なるゲノム遺伝子座を含む。いくつかの実施形態において、バイオマーカーのセットは、少なくとも100個の異なるゲノム遺伝子座を含む。いくつかの実施形態において、バイオマーカーのセットは、少なくとも150個の異なるゲノム遺伝子座を含む。
【0051】
いくつかの実施形態において、方法は、決定された出産予定日に少なくとも部分的に基づいて、妊娠している対象に対する臨床介入を同定することをさらに含む。いくつかの実施形態において、臨床介入は、複数の臨床介入から選択される。
【0052】
いくつかの実施形態において、分娩までの時間は7.5週間未満である。いくつかの実施形態において、ゲノム遺伝子座が、ACKR2、AKAP3、ANO5、C1orf21、C2orf42、CARNS1、CASC15、CCDC102B、CDC45、CDIPT、CMTM1、COPS8、CTD-2267D19.3、CTD-2349P21.9、CXorf65、DDX11L1、DGUOK、DPAGT1、EIF4A1P2、FANK1、FERMT1、FKRP、GAMT、GOLGA6L4、KLLN、LINC01347、LTA、MAPK12、METRN、MKRN4P、MPC2、MYL12BP1、NME4、NPM1P30、PCLO、PIF1、PTP4A3、RIMKLB、RP13-88F20.1、S100B、SIGLEC14、SLAIN1、SPATA33、TFAP2C、TMSB4XP8、TRGV10、及びZNF124から選択される。
【0053】
いくつかの実施形態において、分娩までの時間は5週間未満である。いくつかの実施形態において、ゲノム遺伝子座が、C2orf68、CACNB3、CD40、CDKL5、CTBS、CTD-2272G21.2、CXCL8、DHRS7B、EIF5A2、IFITM3、miR24-2、MTSS1、MYSM1、NCK1-AS1、NR1H4、PDE1C、PEMT、PEX7、PIF1、PPP2R3A、RABIF、SIGLEC14、SLC25A53、SPANXN4、SUPT3H、ZC2HC1C、ZMYM1、及びZNF124から選択される。
【0054】
いくつかの実施形態において、分娩までの時間は7.5週間未満である。いくつかの実施形態において、ゲノム遺伝子座が、ACKR2、AKAP3、ANO5、C1orf21、C2orf42、CARNS1、CASC15、CCDC102B、CDC45、CDIPT、CMTM1、collectionga、COPS8、CTD-2267D19.3、CTD-2349P21.9、DDX11L1、DGUOK、DPAGT1、EIF4A1P2、FANK1、FERMT1、FKRP、GAMT、GOLGA6L4、KLLN、LINC01347、LTA、MAPK12、METRN、MPC2、MYL12BP1、NME4、NPM1P30、PCLO、PIF1、PTP4A3、RIMKLB、RP13-88F20.1、S100B、SIGLEC14、SLAIN1、SPATA33、STAT1、TFAP2C、TMEM94、TMSB4XP8、TRGV10、ZNF124、及びZNF713から選択される。
【0055】
いくつかの実施形態において、分娩までの時間は5週間未満である。いくつかの実施形態において、ゲノム遺伝子座が、ATP6V1E1P1、ATP8A2、C2orf68、CACNB3、CD40、CDKL4、CDKL5、CEP152、CLEC4D、COL18A1、collectionga、COX16、CTBS、CTD-2272G21.2、CXCL2、CXCL8、DHRS7B、DPPA4、EIF5A2、FERMT1、GNB1L、IFITM3、KATNAL1、LRCH4、MBD6、MIR24-2、MTSS1、MYSM1、NCK1-AS1、NPIPB4、NR1H4、PDE1C、PEMT、PEX7、PIF1、PPP2R3A、PXDN、RABIF、SERTAD3、SIGLEC14、SLC25A53、SPANXN4、SSH3、SUPT3H、TMEM150C、TNFAIP6、UPP1、XKR8、ZC2HC1C、ZMYM1、及びZNF124から選択される。
【0056】
いくつかの実施形態において、訓練されたアルゴリズムは、線形回帰モデル又はANOVAモデルを含む。いくつかの実施形態において、ANOVAモデルは、複数の時間ウィンドウの中から出産予定日に対応する最尤時間ウィンドウを決定する。いくつかの実施形態において、最尤時間ウィンドウは、1週間、2週間、3週間、4週間、5週間、6週間、7週間、8週間、9週間、10週間、11週間、12週間、13週間、14週間、15週間、16週間、17週間、18週間、19週間、又は20週間の分娩までの時間に対応する。いくつかの実施形態において、ANOVAモデルは、複数の時間ウィンドウの中から出産予定日に対応する時間ウィンドウの確率又は尤度を決定する。いくつかの実施形態において、ANOVAモデルは、平均又は予想される時間ウィンドウ距離を決定するために、複数の時間ウィンドウにわたる確率加重平均を計算する。
【0057】
別の態様では、本開示は、対象の妊娠関連状態の存在又は感受性を同定又はモニタリングための方法であって、(a)第1のアッセイを使用して、対象に由来する第1の無細胞生物試料を処理し、第1のデータセットを生成すること、(b)(a)で生成された第1のデータセットに少なくとも部分的に基づいて、第1のアッセイとは異なる第2のアッセイを使用して、対象に由来する第2の無細胞生物試料を処理し、第1のデータセットよりも高い特異度で妊娠関連状態の存在又は感受性を示す第2のデータセットを生成すること、(c)訓練されたアルゴリズムを使用して少なくとも2番目のデータセットを処理し、妊娠関連状態の存在又は感受性を決定することであって、訓練されたアルゴリズムは、50の独立した試料で少なくとも約80%の精度を有する、決定すること、及び(d)対象の妊娠関連状態の存在又は感受性を示すレポートを電子的に出力すること、を含む方法を提供する。
【0058】
いくつかの実施形態において、第1のアッセイは、トランスクリプトームデータを生成するために第1の無細胞生物試料に由来する無細胞リボ核酸(cfRNA)分子を使用すること、ゲノムデータを生成するために第1の無細胞生物試料に由来する無細胞デオキシリボ核酸(cfDNA)分子を使用すること、プロテオミクスデータを生成するために第1の無細胞生物試料に由来するタンパク質を使用すること、又はメタボロミクスデータを生成するために第1の無細胞生物試料に由来する代謝産物を使用することを含む。いくつかの実施形態において、第1の無細胞生物試料は、対象の血液に由来する。いくつかの実施形態において、第1の無細胞生物試料は、対象の尿に由来する。いくつかの実施形態において、第1のデータセットは、妊娠関連状態に関連するバイオマーカーの第1のセットを含む。いくつかの実施形態において、第2のデータセットは、妊娠関連状態に関連するバイオマーカーの第2のセットを含む。いくつかの実施形態において、バイオマーカーの第2のセットは、バイオマーカーの第1のセットとは異なる。
【0059】
いくつかの実施形態において、妊娠関連状態は、早産、満期出産、妊娠期間、出産予定日、分娩の開始、妊娠関連高血圧障害(例えば、子癇前症)、子癇、妊娠糖尿病、対象の胎児の先天性障害、異所性妊娠、自然流産、死産、産後合併症(例えば、産後うつ病、出血又は過剰出血、肺塞栓症、心筋症、糖尿病、貧血及び高血圧性障害)、妊娠悪阻(つわり)、分娩中の出血又は過度の出血、前期破水、早産における前期破水、前置胎盤(子宮頸部を覆う胎盤)、子宮内/胎児発育遅延、マクロソミア(妊娠期間に対して大きな胎児)、新生児の状態(例えば、貧血、無呼吸、徐脈及びその他の心臓の欠陥、気管支肺異形成症又は慢性肺疾患、糖尿病、胃壁破裂、水頭症、高ビリルビン血症、低カルシウム血症、低血糖症、脳室内出血、黄疸、壊死性腸炎、動脈管開存症、脳室周囲白質軟化症、持続性肺高血圧症、赤血球増加症、呼吸窮迫症候群、未熟児網膜症、及び一過性頻呼吸)、及び胎児の発育段階又は状態(例えば、正常な胎児の臓器の機能又は発達、及び異常な胎児の臓器の機能又は発達)からなる群から選択される。いくつかの実施形態において、妊娠関連状態は、早産を含む。いくつかの実施形態において、妊娠関連状態は、妊娠期間を含む。いくつかの実施形態において、無細胞生物試料は、無細胞リボ核酸(cfRNA)、無細胞デオキシリボ核酸(cfDNA)、無細胞胎児DNA(cffDNA)、血漿、血清、尿、唾液、羊水、及びそれらの誘導体からなる群から選択される。いくつかの実施形態において、第1の無細胞生物試料又は第2の無細胞生物試料は、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)収集管、無細胞RNA収集管、又は無細胞DNA収集管を使用して、対象から得られるか又は誘導される。いくつかの実施形態において、方法は、第1の無細胞生物試料又は第2の無細胞生物試料を得るために対象の全血試料を分画することをさらに含む。いくつかの実施形態において、(i)第1のアッセイはcfRNAアッセイを含み、第2のアッセイはメタボロミクスアッセイを含むか、又は(ii)第1のアッセイはメタボロミクスアッセイを含み、第2のアッセイはcfRNAアッセイを含む。いくつかの実施形態において、(i)第1の無細胞生物試料はcfRNAを含み、第2の無細胞生物試料は尿を含むか、又は(ii)第1の無細胞生物試料は尿を含み、第2の無細胞生物試料はcfRNAを含む。いくつかの実施形態において、第1のアッセイ又は第2のアッセイは、定量的ポリメラーゼ連鎖反応(qPCR)を含む。いくつかの実施形態において、第1のアッセイ又は第2のアッセイは、家庭環境で行われるように構成された家庭用試験を含む。いくつかの実施形態において、第1のアッセイ又は第2のアッセイは、メタボロミクスアッセイを含む。いくつかの実施形態において、メタボロミクスアッセイは、標的質量分析(MS)又は免疫アッセイを含む。
【0060】
いくつかの実施形態において、第1のデータセットは、少なくとも約80%の感度で妊娠関連状態の存在又は感受性を示す。いくつかの実施形態において、第1のデータセットは、少なくとも約90%の感度で妊娠関連状態の存在又は感受性を示す。いくつかの実施形態において、第1のデータセットは、少なくとも約95%の感度で妊娠関連状態の存在又は感受性を示す。いくつかの実施形態において、第1のデータセットは、少なくとも約70%の陽性予測値(PPV)での妊娠関連状態の存在又は感受性を示す。いくつかの実施形態において、第1のデータセットは、少なくとも約80%の陽性予測値(PPV)での妊娠関連状態の存在又は感受性を示す。いくつかの実施形態において、第1のデータセットは、少なくとも約90%の陽性予測値(PPV)での妊娠関連状態の存在又は感受性を示す。いくつかの実施形態において、第2のデータセットは、少なくとも約90%の特異度で妊娠関連状態の存在又は感受性を示す。いくつかの実施形態において、第2のデータセットは、少なくとも約95%の特異度で妊娠関連状態の存在又は感受性を示す。いくつかの実施形態において、第2のデータセットは、少なくとも約99%の特異度で妊娠関連状態の存在又は感受性を示す。いくつかの実施形態において、第2のデータセットは、少なくとも約90%の陰性予測値(NPV)での妊娠関連状態の存在又は感受性を示す。いくつかの実施形態において、第2のデータセットは、少なくとも約95%の陰性予測値(NPV)での妊娠関連状態の存在又は感受性を示す。いくつかの実施形態において、第2のデータセットは、少なくとも約99%の陰性予測値(NPV)での妊娠関連状態の存在又は感受性を示す。いくつかの実施形態において、訓練されたアルゴリズムは、少なくとも約0.90の曲線下面積(AUC)を有する対象の妊娠関連状態の存在又は感受性を決定する。いくつかの実施形態において、訓練されたアルゴリズムは、少なくとも約0.95の曲線下面積(AUC)を有する対象の妊娠関連状態の存在又は感受性を決定する。いくつかの実施形態において、訓練されたアルゴリズムは、少なくとも約0.99の曲線下面積(AUC)を有する対象の妊娠関連状態の存在又は感受性を決定する。
【0061】
いくつかの実施形態において、対象は、早産、満期出産、妊娠期間、出産予定日、分娩の開始、妊娠関連高血圧障害(例えば、子癇前症)、子癇、妊娠糖尿病、対象の胎児の先天性障害、異所性妊娠、自然流産、死産、産後合併症(例えば、産後うつ病、出血又は過剰出血、肺塞栓症、心筋症、糖尿病、貧血及び高血圧性障害)、妊娠悪阻(つわり)、分娩中の出血又は過度の出血、前期破水、早産における前期破水、前置胎盤(子宮頸部を覆う胎盤)、子宮内/胎児発育遅延、マクロソミア(妊娠期間に対して大きな胎児)、新生児の状態(例えば、貧血、無呼吸、徐脈及びその他の心臓の欠陥、気管支肺異形成症又は慢性肺疾患、糖尿病、胃壁破裂、水頭症、高ビリルビン血症、低カルシウム血症、低血糖症、脳室内出血、黄疸、壊死性腸炎、動脈管開存症、脳室周囲白質軟化症、持続性肺高血圧症、赤血球増加症、呼吸窮迫症候群、未熟児網膜症、及び一過性頻呼吸)、及び異常な胎児の発育段階又は状態(例えば、異常な胎児の臓器の機能又は発達)のうちの1つ又は複数において無症候性である。いくつかの実施形態において、訓練されたアルゴリズムは、妊娠関連状態に関連する少なくとも約10個の独立した訓練試料を使用して訓練される。いくつかの実施形態において、訓練されたアルゴリズムは、妊娠関連状態に関連する約100個以下の独立した訓練試料を使用して訓練される。いくつかの実施形態において、訓練されたアルゴリズムは、妊娠関連状態の存在に関連する独立した訓練試料の第1のセットと、妊娠関連状態の非存在に関連する独立した訓練試料の第2のセットとを使用して訓練される。いくつかの実施形態において、方法は、訓練されたアルゴリズムを使用して第1のデータセットを処理し、妊娠関連状態の存在又は感受性を決定することをさらに含む。いくつかの実施形態において、方法は、訓練されたアルゴリズムを使用して、対象の臨床健康データのセットを処理して、妊娠関連状態の存在又は感受性を決定することをさらに含む。
【0062】
いくつかの実施形態において、(a)は、(i)第1の無細胞生物試料を、リボ核酸(RNA)分子、デオキシリボ核酸(DNA)分子、タンパク質、又は代謝産物の第1のセットを単離、濃縮、又は抽出するのに十分な条件に供すること、及び(ii)第1のデータセットを生成するために、第1のアッセイを使用してRNA分子、DNA分子、タンパク質、又は代謝産物の第1のセットを分析することを含む。いくつかの実施形態において、方法は、第1の無細胞生物試料から第1の核酸分子のセットを抽出すること、及び第1の核酸分子のセットを配列決定に供して第1の配列決定リードセットを生成することをさらに含み、第1のデータセットは、第1の配列決定リードセットを含む。いくつかの実施形態において、方法は、第1の無細胞生物試料から第1の代謝産物セットを抽出すること、及び第1のデータセットを生成するために第1の代謝産物セットをアッセイすることをさらに含む。いくつかの実施形態において、(b)は、(i)第2の無細胞生物試料を、第2のリボ核酸(RNA)分子、デオキシリボ核酸(DNA)分子、タンパク質、又は代謝産物のセットを単離、濃縮、又は抽出するのに十分な条件に供すること、及び(ii)第2のデータセットを生成するために第2のアッセイを使用して第2のRNA分子、DNA分子、タンパク質、又は代謝産物のセットを分析することを含む。いくつかの実施形態において、方法は、第2の無細胞生物試料から第2の核酸分子のセットを抽出すること、及び第2の核酸分子のセットを配列決定に供して第2の配列決定リードセットを生成することをさらに含み、第2のデータセットは、第2の配列決定リードセットを含む。いくつかの実施形態において、方法は、第2の無細胞生物試料から第2の代謝産物セットを抽出すること、及び第2のデータセットを生成するために第2の代謝産物セットをアッセイすることをさらに含む。いくつかの実施形態において、配列決定は、大規模並列配列決定である。いくつかの実施形態において、配列決定は、核酸増幅を含む。いくつかの実施形態において、核酸増幅は、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)を含む。いくつかの実施形態において、配列決定は、同時逆転写(RT)及びポリメラーゼ連鎖反応(PCR)の使用を含む。
【0063】
いくつかの実施形態において、方法は、1つ又は複数のゲノム遺伝子座のパネルに対応する第1の核酸分子のセット又は第2の核酸分子のセットを選択的に濃縮するように構成されたプローブを使用することをさらに含む。いくつかの実施形態において、プローブは核酸プライマーである。いくつかの実施形態において、プローブは、1つ又は複数のゲノム遺伝子座のパネルの核酸配列との配列相補性を有する。いくつかの実施形態において、1つ又は複数のゲノム遺伝子座のパネルが、ACTB、ADAM12、ALPP、ANXA3、APLF、ARG1、AVPR1A、CAMP、CAPN6、CD180、CGA、CGB、CLCN3、CPVL、CSH1、CSH2、CSHL1、CYP3A7、DAPP1、DCX、DEFA4、DGCR14、ELANE、ENAH、EPB42、FABP1、FAM212B-AS1、FGA、FGB、FRMD4B、FRZB、FSTL3、GH2、GNAZ、HAL、HSD17B1、HSD3B1、HSPB8、Immune、ITIH2、KLF9、KNG1、KRT8、LGALS14、LTF、LYPLAL1、MAP3K7CL、MEF2C、MMD、MMP8、MOB1B、NFATC2、OTC、P2RY12、PAPPA、PGLYRP1、PKHD1L1、PKHD1L1、PLAC1、PLAC4、POLE2、PPBP、PSG1、PSG4、PSG7、PTGER3、RAB11A、RAB27B、RAP1GAP、RGS18、RPL23AP7、S100A8、S100A9、S100P、SERPINA7、SLC2A2、SLC38A4、SLC4A1、TBC1D15、VCAN、VGLL1、B3GNT2、COL24A1、CXCL8、及びPTGS2からなる群から選択される少なくとも1つのゲノム遺伝子座を含む。いくつかの実施形態において、1つ又は複数のゲノム遺伝子座のパネルは、少なくとも5つの異なるゲノム遺伝子座を含む。いくつかの実施形態において、1つ又は複数のゲノム遺伝子座のパネルは、少なくとも10個の異なるゲノム遺伝子座を含む。いくつかの実施形態において、1つ又は複数のゲノム遺伝子座のパネルが、早産に関連するゲノム遺伝子座を含み、ゲノム遺伝子座が、ADAM12、ANXA3、APLF、AVPR1A、CAMP、CAPN6、CD180、CGA、CGB、CLCN3、CPVL、CSH2、CSHL1、CYP3A7、DAPP1、DGCR14、ELANE、ENAH、FAM212B-AS1、FRMD4B、GH2、HSPB8、Immune、KLF9、KRT8、LGALS14、LTF、LYPLAL1、MAP3K7CL、MMD、MOB1B、NFATC2、P2RY12、PAPPA、PGLYRP1、PKHD1L1、PKHD1L1、PLAC1、PLAC4、POLE2、PPBP、PSG1、PSG4、PSG7、RAB11A、RAB27B、RAP1GAP、RGS18、RPL23AP7、TBC1D15、VCAN、VGLL1、B3GNT2、COL24A1、CXCL8、及びPTGS2からなる群から選択される。いくつかの実施形態において、1つ又は複数のゲノム遺伝子座のパネルが、妊娠期間に関連するゲノム遺伝子座を含み、ゲノム遺伝子座が、ACTB、ADAM12、ALPP、ANXA3、ARG1、CAMP、CAPN6、CGA、CGB、CSH1、CSH2、CSHL1、CYP3A7、DCX、DEFA4、EPB42、FABP1、FGA、FGB、FRZB、FSTL3、GH2、GNAZ、HAL、HSD17B1、HSD3B1、HSPB8、ITIH2、KNG1、LGALS14、LTF、MEF2C、MMP8、OTC、PAPPA、PGLYRP1、PLAC1、PLAC4、PSG1、PSG4、PSG7、PTGER3、S100A8、S100A9、S100P、SERPINA7、SLC2A2、SLC38A4、SLC4A1、VGLL1、B3GNT2、COL24A1、CXCL8、及びPTGS2からなる群から選択される。いくつかの実施形態において、1つ又は複数のゲノム遺伝子座のパネルは、出産予定日に関連するゲノム遺伝子座を含み、ゲノム遺伝子座は、表1及び表7に列挙された遺伝子の群から選択される。いくつかの実施形態において、1つ又は複数のゲノム遺伝子座のパネルは、妊娠期間に関連するゲノム遺伝子座を含み、ここで、ゲノム遺伝子座は、表2に列挙された遺伝子の群から選択される。いくつかの実施形態において、1つ又は複数のゲノム遺伝子座のパネルは、早産に関連するゲノム遺伝子座を含み、ゲノム遺伝子座は、表5に列挙される遺伝子、表6に列挙される遺伝子、表8に列挙される遺伝子、RAB27B、RGS18、CLCN3、B3GNT2、COL24A1、CXCL8、及びPTGS2の群から選択される。いくつかの実施形態において、1つ又は複数のゲノム遺伝子座のパネルは、少なくとも5つの異なるゲノム遺伝子座を含む。いくつかの実施形態において、1つ又は複数のゲノム遺伝子座のパネルは、少なくとも10個の異なるゲノム遺伝子座を含む。いくつかの実施形態において、1つ又は複数のゲノム遺伝子座のパネルは、少なくとも25個の異なるゲノム遺伝子座を含む。いくつかの実施形態において、1つ又は複数のゲノム遺伝子座のパネルは、少なくとも50個の異なるゲノム遺伝子座を含む。いくつかの実施形態において、1つ又は複数のゲノム遺伝子座のパネルは、少なくとも100個の異なるゲノム遺伝子座を含む。いくつかの実施形態において、1つ又は複数のゲノム遺伝子座のパネルは、少なくとも150個の異なるゲノム遺伝子座を含む。いくつかの実施形態において、第1の無細胞生物試料又は第2の無細胞生物試料は、核酸の単離、濃縮、又は抽出なしで処理される。いくつかの実施形態において、レポートは、ユーザの電子デバイスのグラフィカル・ユーザ・インターフェース上に提示される。いくつかの実施形態において、ユーザは、対象である。
【0064】
いくつかの実施形態において、方法は、対象の妊娠関連状態の存在又は感受性の決定の尤度を決定することをさらに含む。いくつかの実施形態において、訓練されたアルゴリズムは、教師あり機械学習アルゴリズムを含む。いくつかの実施形態において、教師あり機械学習アルゴリズムは、ディープ・ラーニング・アルゴリズム、サポート・ベクター・マシン(SVM)、ニューラルネットワーク、又はRandom Forestを含む。いくつかの実施形態において、方法は、妊娠関連状態の存在又は感受性のための治療的介入を対象に提供することをさらに含む。いくつかの実施形態において、治療的介入は、プロゲステロン処置、例えば、ヒドロキシプロゲステロンカプロン酸エステル(例えば、17-アルファヒドロキシプロゲステロンカプロン酸エステル(17-P)、Lipocine製のLPCN1107、AMAG Pharma製のMakena)、膣プロゲステロン、又は天然プロゲステロンIVR産物(例えば、Juniper Pharma製のDARE-FRT1(JNP-0301));プロスタグランジンF2アルファ受容体アンタゴニスト(例えば、ObsEva製のOBE022);又はベータ2-アドレナリン作動性受容体アゴニスト(例えば、MediciNova製の硫酸ベドラドリン(MN-221))を含む。治療的介入は、例えば、参照によりその全体が本明細書に組み入れられる、「WHO Recommendations on Interventions to Improve Preterm Birth Outcomes」、世界保健機関、2015年によって記載され得る。いくつかの実施形態において、方法は、妊娠関連状態の存在又は感受性をモニタリングすることをさらに含み、モニタリングすることが、複数の時点で対象の妊娠関連状態の存在又は感受性を評価することを含み、評価することが、複数の時点のそれぞれで(d)において決定された妊娠関連状態の存在又は感受性に少なくとも基づく。いくつかの実施形態において、複数の時点の間の対象の妊娠関連状態の存在又は感受性の評価の差が、(i)対象の妊娠関連状態の存在又は感受性の診断、(ii)対象の妊娠関連状態の存在又は感受性の予後、及び(iii)対象の妊娠関連状態の存在又は感受性を処置するための一連の処置の有効性又は非有効性からなる群から選択される1つ又は複数の臨床徴候を示す。いくつかの実施形態において、方法は、訓練されたアルゴリズムを使用して早産の複数の異なる分子サブタイプの中から早産の分子サブタイプを決定することによって早産を層別化することをさらに含む。いくつかの実施形態において、早産の複数の異なる分子サブタイプは、以前の早産の既往歴、自然早産、民族特異的早産リスク(例えば、アフリカ系アメリカ人の集団の中で)、及び早期の前期破水(PPROM)からなる群から選択される早産の分子サブタイプを含む。
【0065】
別の態様では、本開示は、対象の妊娠関連状態の存在又は感受性を同定又はモニタリングするためのコンピュータシステムであって、第1のデータセット及び第2のデータセットを記憶するように構成されたデータベースであって、第2のデータセットが、第1のデータセットよりも高い特異度で妊娠関連状態の存在又は感受性を示すデータベース;データベースに動作可能に結合された1つ又は複数のコンピュータプロセッサであって、1つ又は複数のコンピュータプロセッサは、(i)妊娠関連状態の存在又は感受性を決定するために少なくとも第2のデータセットを処理するために訓練されたアルゴリズムを使用するためであって、訓練されたアルゴリズムは、50の独立した試料にわたって少なくとも約80%の精度を有する、使用するため、及び(ii)対象の妊娠関連状態の存在又は感受性を示すレポートを電子的に出力するために、個別に集合的にプログラムされている、1つ又は複数のコンピュータプロセッサ、を含むコンピュータシステムを提供する。
【0066】
いくつかの実施形態において、コンピュータシステムは、1つ又は複数のコンピュータプロセッサに動作可能に結合された電子ディスプレイをさらに備え、電子ディスプレイは、レポートを表示するように構成されたグラフィカル・ユーザ・インターフェースを備える。
【0067】
別の態様では、本開示は、1つ又は複数のコンピュータプロセッサによる実行時に、対象の妊娠関連状態の存在又は感受性を同定又はモニタリングするための方法を実施する機械実行可能コードを含む非一時的コンピュータ可読媒体を提供し、方法は、(a)第1のデータセット及び第2のデータセットを取得することであって、第2のデータセットは、第1のデータセットよりも高い特異度で妊娠関連状態の存在又は感受性を示す、取得すること、(b)少なくとも第2のデータセットを処理して妊娠関連状態を決定するために訓練されたアルゴリズムを使用することであって、訓練されたアルゴリズムは、50の独立した試料にわたって少なくとも約80%の精度を有する、使用すること、及び(c)対象の妊娠関連状態の存在又は感受性を示すレポートを電子的に出力することを含む。
【0068】
別の態様では、本開示は、対象の妊娠関連状態の存在又は感受性を同定する方法であって、(i)第1のアッセイで、対象に由来する第1の無細胞生物試料をアッセイして、第1のデータセットを生成すること、(ii)第2のアッセイで、対象に由来する第2の無細胞生物試料をアッセイして、第1のデータセットよりも高い特異度で、妊娠関連状態の存在又は感受性を示す第2のデータセットを生成すること、及び(iii)訓練されたアルゴリズムを使用して、少なくとも約80%の精度で、少なくとも第2のデータセットを処理して、妊娠関連状態の存在又は感受性を決定すること、を含む方法を提供する。いくつかの実施形態において、精度は、少なくとも約90%である。いくつかの実施形態において、妊娠関連状態は、早産、満期出産、妊娠期間、出産予定日、分娩の開始、妊娠関連高血圧障害(例えば、子癇前症)、子癇、妊娠糖尿病、対象の胎児の先天性障害、異所性妊娠、自然流産、死産、産後合併症(例えば、産後うつ病、出血又は過剰出血、肺塞栓症、心筋症、糖尿病、貧血及び高血圧性障害)、妊娠悪阻(つわり)、分娩中の出血又は過度の出血、前期破水、早産における前期破水、前置胎盤(子宮頸部を覆う胎盤)、子宮内/胎児発育遅延、マクロソミア(妊娠期間に対して大きな胎児)、新生児の状態(例えば、貧血、無呼吸、徐脈及びその他の心臓の欠陥、気管支肺異形成症又は慢性肺疾患、糖尿病、胃壁破裂、水頭症、高ビリルビン血症、低カルシウム血症、低血糖症、脳室内出血、黄疸、壊死性腸炎、動脈管開存症、脳室周囲白質軟化症、持続性肺高血圧症、赤血球増加症、呼吸窮迫症候群、未熟児網膜症、及び一過性頻呼吸)、及び胎児の発育段階又は状態(例えば、正常な胎児の臓器の機能又は発達、及び異常な胎児の臓器の機能又は発達)からなる群から選択される。
【0069】
別の態様では、本開示は、対象が早産のリスクがあると決定する方法であって、対象に由来する無細胞生物試料をアッセイして、少なくとも80%の特異度で早産リスクを示すデータセットを生成すること、及び無細胞生物試料とは独立した試料で訓練された訓練されたアルゴリズムを使用して、対象が少なくとも約80%の精度で早産のリスクがあると決定すること、を含む方法を提供する。いくつかの実施形態において、精度は、少なくとも約90%である。
【0070】
別の態様において、本開示は、妊娠している対象の胎児の出生前代謝性遺伝子疾患の存在又はリスクを検出するための方法であって、妊娠している対象に由来する無細胞生物試料中のリボ核酸(RNA)をアッセイして、バイオマーカーのセットを検出すること、及び出生前代謝性遺伝子疾患の存在又はリスクを検出するために、アルゴリズム(例えば、訓練されたアルゴリズム)を用いてバイオマーカーのセットを分析することを含む、方法を提供する。
【0071】
別の態様では、本開示は、妊娠している対象の胎児又は妊娠している対象の少なくとも2つの健康状態又は生理学的状態を検出するための方法であって、第1の時点で妊娠している対象から得られた又は誘導された第1の無細胞生物試料及び第2の時点で妊娠している対象から得られた又は誘導された第2の無細胞生物試料をアッセイして、第1の時点でバイオマーカーの第1のセット及び第2の時点でバイオマーカーの第2のセットを検出すること、並びに少なくとも2つの健康状態又は生理学的状態を検出するために、訓練されたアルゴリズムを用いてバイオマーカーの第1のセット又はバイオマーカーの第2のセットを分析することを含む、方法を提供する。
【0072】
いくつかの実施形態において、少なくとも2つの健康又は生理学的状態が、早産、満期出産、妊娠期間、出産予定日、分娩の開始、妊娠関連高血圧障害、子癇、妊娠糖尿病、対象の胎児の先天性障害、異所性妊娠、自然流産、死産、産後合併症、妊娠悪阻、分娩中の出血又は過度の出血、前期破水、早産における前期破水、前置胎盤、子宮内/胎児発育遅延、マクロソミア、新生児の状態、及び胎児の発育段階又は状態からなる群から選択される。いくつかの実施形態において、バイオマーカーのセットは、出産予定日に関連するゲノム遺伝子座を含み、ゲノム遺伝子座は、表1及び表7に列挙された遺伝子からなる群から選択される。いくつかの実施形態において、バイオマーカーのセットは、妊娠期間に関連するゲノム遺伝子座を含み、ゲノム遺伝子座は、表2に列挙された遺伝子からなる群から選択される。いくつかの実施形態において、バイオマーカーのセットは、早産に関連するゲノム遺伝子座を含み、ゲノム遺伝子座は、表5に列挙される遺伝子、表6に列挙される遺伝子、表8に列挙される遺伝子、RAB27B、RGS18、CLCN3、B3GNT2、COL24A1、CXCL8、及びPTGS2からなる群から選択される。いくつかの実施形態において、バイオマーカーのセットは、少なくとも5つの異なるゲノム遺伝子座を含む。
【0073】
別の態様では、本開示は、妊娠している対象から得られた又は誘導された1つ又は複数の無細胞生物試料をアッセイして、バイオマーカーのセットを検出すること;及びバイオマーカーのセットを分析して、(1)妊娠している対象の胎児の出産予定日又はその範囲、及び(2)妊娠している対象の胎児又は妊娠している対象の健康状態又は生理学的状態を同定すること、を含む方法を提供する。
【0074】
いくつかの実施形態において、方法は、訓練されたアルゴリズムでバイオマーカーのセットを分析することをさらに含む。いくつかの実施形態において、健康又は生理学的状態が、早産、満期出産、妊娠期間、出産予定日、分娩の開始、妊娠関連高血圧障害、子癇、妊娠糖尿病、対象の胎児の先天性障害、異所性妊娠、自然流産、死産、産後合併症、妊娠悪阻、分娩中の出血又は過度の出血、前期破水、早産における前期破水、前置胎盤、子宮内/胎児発育遅延、マクロソミア、新生児の状態、及び胎児の発育段階又は状態からなる群から選択される。いくつかの実施形態において、バイオマーカーのセットは、出産予定日に関連するゲノム遺伝子座を含み、ゲノム遺伝子座は、表1及び表7に列挙された遺伝子からなる群から選択される。いくつかの実施形態において、バイオマーカーのセットは、妊娠期間に関連するゲノム遺伝子座を含み、ゲノム遺伝子座は、表2に列挙された遺伝子からなる群から選択される。いくつかの実施形態において、バイオマーカーのセットは、早産に関連するゲノム遺伝子座を含み、ゲノム遺伝子座は、表5に列挙される遺伝子、表6に列挙される遺伝子、表8に列挙される遺伝子、RAB27B、RGS18、CLCN3、B3GNT2、COL24A1、CXCL8、及びPTGS2からなる群から選択される。いくつかの実施形態において、バイオマーカーのセットは、少なくとも5つの異なるゲノム遺伝子座を含む。
【0075】
別の態様では、本開示は、妊娠している対象から得られた又は誘導された1つ又は複数の無細胞生物試料をアッセイして、非ヒト起源の核酸のセットを検出すること、非ヒト起源の核酸のセットを分析して、妊娠している対象の胎児又は妊娠している対象の健康又は生理学的状態を検出すること、を含む方法を提供する。いくつかの実施形態において、非ヒト起源の核酸は、非ヒト生物のDNA又はRNAを含む。いくつかの実施形態において、非ヒト生物は、細菌、ウイルス、又は寄生生物である。いくつかの実施形態において、方法は、訓練されたアルゴリズムを使用して非ヒト起源の核酸セットを分析することをさらに含む。
【0076】
本開示の別の態様は、1つ又は複数のコンピュータプロセッサによって実行されると、上記又は本明細書の他の場所の方法のいずれかを実施する機械実行可能コードを含む非一時的コンピュータ可読媒体を提供する。
【0077】
本開示の別の態様は、1つ又は複数のコンピュータプロセッサと、それに結合されたコンピュータメモリとを備えるシステムを提供する。コンピュータメモリは、1つ又は複数のコンピュータプロセッサによって実行されると、上記又は本明細書の他の場所の方法のいずれかを実施する機械実行可能コードを含む。
【0078】
本開示のさらなる態様及び利点は、本開示の例示的な実施形態のみが示され説明される以下の詳細な説明から当業者には容易に明らかになるであろう。理解されるように、本開示は、他の異なる実施形態が可能であり、そのいくつかの詳細は、すべて本開示から逸脱することなく、様々な明白な点で修正が可能である。したがって、図面及び説明は、本質的に例示と見なされるべきであり、限定と見なされるべきではない。
【0079】
参照による組み込み
本明細書で言及されるすべての刊行物、特許、及び特許出願は、あたかも各個々の刊行物、特許、又は特許出願が参照により組み込まれることが具体的かつ個別に示されているのと同程度に、参照により本明細書に組み込まれる。参照により組み込まれる刊行物及び特許又は特許出願が本明細書に含まれる開示と矛盾する限り、本明細書は、そのような矛盾する資料に取って代わる、及び/又は優先することを意図している。
【0080】
本発明の新規な特徴は、添付の特許請求の範囲に詳細に記載されている。本発明の特徴及び利点のより良い理解は、本発明の原理が利用される例示的な実施形態を説明する以下の詳細な説明、及び添付の図面(本明細書では「図」及び「FIG」とも言う)を参照することによって得られる。
【図面の簡単な説明】
【0081】
図1】開示された実施形態による、対象の妊娠関連状態を同定又はモニタリングするための方法の例示的なワークフローを示す図である。
図2】本明細書で提供される方法を実施するようにプログラム又は他の方法で構成されたコンピュータシステムを示す図である。
図3A】開示された実施形態による、1つ又は複数の生物試料(例えば、各々2又は3)を採取し、各対象の胎児の推定妊娠期間(y軸上に、分娩時の推定妊娠期間の昇順で示される)に対応する異なる時点でアッセイした、(x軸に患者識別番号を示す)確立された対象(例えば、妊婦)の第1のコホートを示す。
図3B】開示された実施形態による、医療記録抽象化時の各参加者の年齢に基づく第1のコホートの参加者の分布を示す図である。
図3C】開示された実施形態による、各参加者の人種に基づく第1のコホートの100人の参加者の分布を示す。
図3D】開示された実施形態による、各試料の採取時の各参加者の推定妊娠期間及び妊娠三期間に基づく妊娠期間コホートにおける採取試料の分布を示す。
図3E】開示された実施形態による、採取された試料の試験試料タイプに基づく第1のコホートにおける225の採取された試料の分布を示す。
図4A】開示された実施形態による、1つ又は複数の生物試料(例えば、各々1、2、又は3)を収集し、各対象の胎児の推定妊娠期間(y軸上に、分娩時の推定妊娠期間の昇順で示される)に対応する異なる時点でアッセイした、(x軸に患者識別番号を示す)確立された対象(例えば、妊婦)の第2のコホートを示す。
図4B】開示された実施形態による、医療記録抽象化時の各参加者の年齢に基づく第2のコホートの参加者の分布を示す図である。
図4C】開示された実施形態による、各参加者の人種に基づく第2のコホートの128人の参加者の分布を示す。
図4D】開示された実施形態による、各試料の採取時の各参加者の推定妊娠期間及び妊娠三期間に基づく第2のコホートにおける採取された試料の分布を示す。
図4E】開示された実施形態による、採取された試料の試験試料タイプに基づく第2のコホートにおける160の採取された試料の分布を示す。
図5A】開示された実施形態による、1つ又は複数の生物試料(例えば、各々1又は2)を収集し、各対象の胎児の推定妊娠期間(y軸上に、分娩時の推定妊娠期間の昇順で示される)に対応する異なる時点でアッセイした、(x軸に患者識別番号を示す)確立された対象(例えば、妊婦)の出産予定日コホートを示す。
図5B】開示された実施形態による、試料採取日と分娩日(分娩までの時間)との間の時間に基づく出産予定日コホートにおける採取された試料の分布を示す。
図5C】開示された実施形態による、出産予定日の第1及び第2の予測モデルで使用される遺伝子の重複を示すベン図である。第1の予測モデルは、合計51個の最も予測的な遺伝子を有し、第2の予測モデルは、合計49個の最も予測的な遺伝子を有した。さらに、2つの予測モデル間で重複する遺伝子は、5つのみであった。
図5D】開示されている実施形態による、出産予定日コホートの対象の予測された分娩までの時間(週)と観察された(実際の)分娩までの時間(週)との間の一致を示すプロットである。
図5E】5週間未満の分娩までの時間を有する試料を使用する予測モデル及び7.5週間未満の分娩までの時間を有する試料を使用する予測モデルを含む、出産予定日を予測するための予測モデルの要約を示す。異なる予測モデルが、推定出産予定日情報(例えば、超音波測定値からの推定妊娠期間を使用して決定される)を用いて、及び推定出産予定日情報を用いずに生成された。
図6A】開示された実施形態による、1つ又は複数の生物試料(例えば、各々1又は2)を収集し、各対象の胎児の推定妊娠期間(y軸上に、分娩時の推定妊娠期間の昇順で示される)に対応する異なる時点でアッセイした、(x軸に患者識別番号を示す)確立された対象(例えば、妊婦)の妊娠期間コホートを示す。
図6B】開示されている実施形態による、複数の妊娠期間関連遺伝子の発現が妊娠の過程を通して妊娠期間と共に変化する、全トランスクリプトームの相互情報を示す視覚モデルである。
図6C】開示された実施形態による、妊娠期間コホートにおける対象の予測妊娠期間(週)と測定妊娠期間(週)との間の一致を示すプロットである。対象をプロットにおいて主な人種(例えば、白色、非黒色のスペイン人、アジア人、アフリカ系アメリカ人、ネイティブアメリカン、混血人種(例えば、2つ以上の人種)、又は未知)によって層別化する。
図7A】開示される実施形態による、一連の早期症例試料(例えば、早産の女性から)及び一連の早期対照試料(例えば、満期出産の女性から)を含む対象(例えば、妊婦)の早産(PTB)コホートの結果を示す。
図7B】開示される実施形態による、一連の早期症例試料(例えば、早産の女性から)及び一連の早期対照試料(例えば、満期出産の女性から)を含む対象(例えば、妊婦)の早産(PTB)コホートの結果を示す。早期症例試料及び早期対照試料にわたって、採取時の妊娠期間の分布は、類似していたが(図7A)、分娩時の妊娠期間の分布は、統計学的に有意な程度まで明確に区別可能であった(図7B)。
図7C】開示された実施形態による、早期症例試料(左)と早期対照試料(右)との間のB3GNT2、BPI、及びELANE遺伝子の差次的遺伝子発現をそれぞれ示す。
図7D】開示された実施形態による、早期症例試料(左)と早期対照試料(右)との間のB3GNT2、BPI、及びELANE遺伝子の差次的遺伝子発現をそれぞれ示す。
図7E】開示された実施形態による、早期症例試料(左)と早期対照試料(右)との間のB3GNT2、BPI、及びELANE遺伝子の差次的遺伝子発現をそれぞれ示す。
図7F】開示された実施形態による、図7C図7Eに示す早期症例試料及び早期対照試料からの結果の説明を示す。
図7G】開示された実施形態による、10倍交差検証にわたる早期分娩の予測モデルの性能を示す受信者動作特性(ROC)曲線を示す。
図8】米国における産科医が推定した妊娠期間による膣単生児出生の分布の一例を示す図である。
図9A】妊娠している対象の胎児の出産予定日を予測する様々な方法を示し、この方法は、実際の日(誤差あり)を予測することを含む。
図9B】妊娠している対象の胎児の出産予定日を予測する様々な方法を示し、この方法は、1週間(又は他のウィンドウ)の分娩を予測することを含む。
図9C】妊娠している対象の胎児の出産予定日を予測する様々な方法を示し、この方法は、特定の時間境界の前又は後に分娩が起こると予想されるかどうかを予測することを含む。
図9D】妊娠している対象の胎児の出産予定日を予測する様々な方法を示し、この方法は、複数のビン(例えば、6つのビン)のうちのどのビンで分娩が起こると予想されるかを予測することを含む。
図9E】妊娠している対象の胎児の出産予定日を予測する様々な方法を示し、この方法は、早期分娩又は後期分娩の相対リスク又は相対尤度を予測することを含む。
図10】出産予定日予測モデル(例えば、分類器)を開発するために実行されるデータワークフローを示す。
図11A】それぞれ270人及び310人の患者で訓練された出産予定日予測モデルの予測誤差を示す。
図11B】それぞれ270人及び310人の患者で訓練された出産予定日予測モデルの予測誤差を示す。
図12】コーカサス人対象のコホートから得られた79個の試料のセットに対して22個の遺伝子のセットを使用した、早産予測モデルの受信者動作特性ROC)曲線を示す。ROC曲線の平均曲線下面積(AUC)は、0.91±0.10であった。
図13A】アフリカ人又はアフリカ系アメリカ人の祖先を有する対象のコホート(AAコホート)から得られた45個の試料のセットに対する遺伝子のセットを使用した、早産予測モデルに対する受信者動作特性ROC)曲線を示す。ROC曲線の平均曲線下面積(AUC)は、0.82±0.08であった。
図13B】RAB27B、RGS18、CLCN3、B3GNT2、COL24A1、CXCL8、及びPTGS2を含む3つの異なるAAコホート(コホート1、コホート2、及びコホート3)の早産予測モデルの遺伝子パネルを示す。
図14A】妊娠している対象から得られた単一の身体試料(例えば、1回の採血)を使用して複数の妊娠関連状態を評価するための複数のアッセイを実施するためのワークフローを示す。
図14B】妊娠している対象の妊娠の進行に沿った1回の採血から試験することができる状態の組み合わせを示す。
【発明を実施するための形態】
【0082】
本発明の様々な実施形態を本明細書に示し、説明してきたが、そのような実施形態が、例としてのみ提供されることは当業者には明らかであろう。当業者であれば、本発明から逸脱することなく、多数の変形、変更、及び置換を行うことができる。本明細書に記載の本発明の実施形態に対する様々な代替形態が使用され得ることを理解されたい。
【0083】
本明細書及び特許請求の範囲で使用される場合、単数形「a」、「an」、及び「the」は、文脈上他に明確に指示されない限り、複数の言及を含む。例えば、「核酸」という用語は、それらの混合物を含む複数の核酸を含む。
【0084】
本明細書で使用される場合、「対象」という用語は、一般に、試験可能又は検出可能な遺伝子情報を有する実体又は媒体を指す。対象は、人、個人、又は患者であり得る。対象は、例えば哺乳動物などの脊椎動物であり得る。哺乳動物の非限定的な例としては、ヒト、サル、家畜、スポーツ動物、げっ歯類、及びペットが挙げられる。対象は、妊婦対象であり得る。対象は、胎児(又は複数の胎児)を有するか、又は胎児(又は複数の胎児)を有する疑いのある女性であり得る。対象は、妊娠している又は妊娠している疑いがある人であり得る。対象は、対象の健康若しくは生理学的な状態又は症状、例えば、対象の妊娠関連の健康若しくは生理学的な状態又は症状を示す(1又は複数の)症候を示していてもよい。代替として、対象は、そのような健康若しくは生理学的な状態又は症状に関して無症候性であり得る。
【0085】
本明細書で使用される「妊娠関連状態」という用語は、一般に、妊娠しているか若しくは妊娠している疑いがある対象、又は対象の胎児(又は複数の胎児)の任意の健康、生理学的、及び/若しくは生化学的状態又は症状を指す。妊娠関連状態の例としては、限定されないが、早産、満期出産、妊娠期間、出産予定日、分娩の開始、妊娠関連高血圧障害(例えば子癇前症)、子癇、妊娠糖尿病、対象の胎児の先天性障害、異所性妊娠、自然流産、死産、産後合併症(例えば、産後うつ病、出血又は過剰出血、肺塞栓症、心筋症、糖尿病、貧血及び高血圧性障害)、妊娠悪阻(つわり)、分娩中の出血又は過度の出血、前期破水、早産における前期破水、前置胎盤(子宮頸部を覆う胎盤)、子宮内/胎児発育遅延、マクロソミア(妊娠期間に対して大きな胎児)、新生児の状態(例えば、貧血、無呼吸、徐脈及びその他の心臓の欠陥、気管支肺異形成症又は慢性肺疾患、糖尿病、胃壁破裂、水頭症、高ビリルビン血症、低カルシウム血症、低血糖症、脳室内出血、黄疸、壊死性腸炎、動脈管開存症、脳室周囲白質軟化症、持続性肺高血圧症、赤血球増加症、呼吸窮迫症候群、未熟児網膜症、及び一過性頻呼吸)、及び胎児の発育段階又は状態(例えば、正常な胎児の臓器の機能又は発達、及び異常な胎児の臓器の機能又は発達)が含まれる。状況によっては、妊娠関連状態は、対象の胎児(又は複数の胎児)の健康若しくは生理学的状態又は症状と関連していない。
【0086】
本明細書で使用される場合、「試料」という用語は、一般に、1人又は複数の対象から得られるか、又は1人又は複数の対象に由来する生物試料を指す。生物試料は、無細胞生物試料又は実質的に無細胞生物試料であり得るか、無細胞生物試料を作製するために処理又は分画化され得る。例えば、無細胞生物試料は、無細胞リボ核酸(cfRNA)、無細胞デオキシリボ核酸(cfDNA)、無細胞胎児DNA(cffDNA)、血漿、血清、尿、唾液、羊水、及びそれらの誘導体を含み得る。エチレンジアミン四酢酸(EDTA)収集管、無細胞RNA収集管(例えば、Streck)、又は無細胞DNA収集管(例えば、Streck)を使用して、無細胞生物試料を対象から得てもよく、又は誘導されてもよい。無細胞生物試料は、分画によって全血試料から誘導され得る。生物試料又はその誘導体は、細胞を含有し得る。例えば、生物試料は、血液試料若しくはその誘導体(例えば、収集管によって採取された血液又は血液滴)、膣試料(例えば、膣スワブ)、又は子宮頸部試料(例えば、子宮頸管スワブ)であり得る。
【0087】
本明細書で使用される場合、「核酸」という用語は、一般に、デオキシリボヌクレオチド(dNTP)若しくはリボヌクレオチド(rNTP)、又はそれらの類似体のいずれかの、任意の長さのヌクレオチドのポリマー形態を指す。核酸は、任意の三次元構造を有してもよく、公知又は未知の任意の機能を果たしてもよい。核酸の非限定的な例としては、デオキシリボ核酸(DNA)、リボ核酸(RNA)、遺伝子又は遺伝子断片のコード領域又は非コード領域、連鎖解析から定義される遺伝子座(遺伝子座)、エクソン、イントロン、メッセンジャーRNA(mRNA)、トランスファーRNA、リボソームRNA、短鎖干渉RNA(siRNA)、短鎖ヘアピンRNA(shRNA)、マイクロRNA(miRNA)、リボザイム、cDNA、組換え核酸、分枝核酸、プラスミド、ベクター、任意の配列の単離されたDNA、任意の配列の単離されたRNA、核酸プローブ、及びプライマーが挙げられる。核酸は、メチル化ヌクレオチド及びヌクレオチド類似体などの1つ又は複数の修飾ヌクレオチドを含み得る。存在する場合、ヌクレオチド構造に対する修飾は、核酸の構築の前又は後に行われ得る。核酸のヌクレオチドの配列は、非ヌクレオチド成分によって中断され得る。核酸は、重合後に、例えば、レポーター剤とのコンジュゲーション又は結合によってさらに修飾され得る。
【0088】
本明細書で使用される場合、「標的核酸」という用語は、一般に、その存在、量、及び/若しくは配列、又はこれらの1つ若しくは複数の変化が決定されることが望ましいヌクレオチド配列を有する核酸分子の出発集団中の核酸分子を指す。標的核酸は、DNA、RNA、及びそれらの類似体を含む任意のタイプの核酸であり得る。本明細書で使用される場合、「標的リボ核酸(RNA)」は、一般に、RNAである標的核酸を指す。本明細書で使用される場合、「標的デオキシリボ核酸(DNA)」は、一般に、DNAである標的核酸を指す。
【0089】
本明細書で使用される場合、「増幅する」及び「増幅」という用語は、一般に、核酸分子のサイズ又は量を増加させることを指す。核酸分子は、一本鎖又は二本鎖であり得る。増幅は、核酸分子の1つ若しくは複数のコピー又は「増幅産物」を生成することを含み得る。増幅は、例えば、伸長(例えば、プライマー伸長)又はライゲーションによって行われ得る。増幅は、プライマー伸長反応を実施して、一本鎖核酸分子に相補的な鎖を生成すること、及び場合によっては、鎖及び/又は一本鎖核酸分子の1つ又は複数のコピーを生成することを含み得る。「DNA増幅」という用語は、一般に、DNA分子又は「増幅DNA産物」の1つ又は複数のコピーを生成することを指す。「逆転写増幅」という用語は、一般に、逆転写酵素の作用によるリボ核酸(RNA)鋳型からのデオキシリボ核酸(DNA)の生成を指す。
【0090】
毎年、約1500万人の早産が、世界中で報告されている。早産は妊娠の約10%に影響を及ぼす可能性があり、その大部分は自然早産である。現在、早産などの多くの妊娠関連合併症に利用可能な有意義で臨床的に実施可能な診断スクリーニング又は検査はない可能性がある。しかしながら、早産などの妊娠関連合併症は、新生児の死亡及び後年の合併症の主な原因である。さらに、そのような妊娠関連合併症は、母体の健康に悪影響を及ぼす可能性がある。したがって、妊娠を可能な限り安全にするために、母体及び胎児の健康を改善するために、非侵襲的で費用効果の高い妊娠関連状態を同定及びモニタリングするための迅速で正確な方法が必要とされている。
【0091】
出生前ケアのための現在の検査は、入手不可能かつ不完全であり得る。妊娠関連合併症を伴わずに妊娠が進行する場合、分子検査、超音波画像診断、並びに最後の月経期間を使用した妊娠期間及び/又は出産予定日の推定など、妊娠対象に対して限られた妊娠モニタリングの方法が、利用可能であり得る。しかしながら、そのようなモニタリング方法は、複雑で高価であり、信頼性が低い場合がある。例えば、分子検査は妊娠期間を予測することができず、超音波画像診断は高価であり、妊娠の第1期に最もよく行われ、最後の月経期間を使用した妊娠期間及び/又は出産予定日の推定は、信頼できない可能性がある。さらに、妊娠が自発的早期分娩のリスクなどの妊娠関連合併症を伴って進行する場合、分子検査、超音波画像診断、及び人口統計学的要因の臨床的有用性は、制限され得る。例えば、分子検査は、限られたBMI(肥満度指数)範囲、限られた妊娠期間、及び/又は出産予定日範囲(約2週間)、並びに低い陽性予測値(PPV)を有し得る。超音波画像診断は高価であり、PPV及び特異度が低い場合がある。また、妊娠関連合併症のリスクを予測するための人口統計学的因子の使用は、信頼できない可能性がある。したがって、臨床的に実施可能な結果に向けた妊娠関連状態(例えば、妊娠期間、出産予定日、及び/又は分娩の開始の推定、並びに早産などの妊娠関連合併症の予測)の検出及びモニタリングのための正確で手頃な非侵襲的診断方法に対する緊急の臨床的必要性が存在する。
【0092】
本開示は、対象(例えば、妊娠中の女性対象)から得られた又は誘導された無細胞生物試料を処理することによって、妊娠関連状態を同定又はモニタリングするための方法、システム及びキットを提供する。対象から得られた無細胞生物試料(例えば、血漿試料)を分析して、妊娠関連状態(これは、例えば、妊娠関連状態の存在、非存在、又は定量的評価(例えば、リスク)を測定することを含み得る)を同定することができる。そのような対象には、1つ又は複数の妊娠関連状態を有する対象及び妊娠関連状態を有しない対象が含まれ得る。妊娠関連状態には、例えば、早産、満期出産、妊娠期間、出産予定日、分娩の開始、妊娠関連高血圧障害(例えば子癇前症)、子癇、妊娠糖尿病、対象の胎児の先天性障害、異所性妊娠、自然流産、死産、産後合併症(例えば、産後うつ病、出血又は過剰出血、肺塞栓症、心筋症、糖尿病、貧血及び高血圧性障害)、妊娠悪阻(つわり)、分娩中の出血又は過度の出血、前期破水、早期産での前期破水、前置胎盤(子宮頸部を覆う胎盤)、子宮内/胎児発育遅延、及びマクロソミア(妊娠期間に対して大きい胎児)が含まれ得る。いくつかの実施形態において、妊娠関連状態は、胎児の健康に関連しない。いくつかの実施形態において、妊娠関連状態は、新生児の状態(例えば、貧血、無呼吸、徐脈及び他の心臓欠陥、気管支肺異形成症又は慢性肺疾患、糖尿病、胃分離症、水頭症、高ビリルビン血症、低カルシウム血症、低血糖症、脳室内出血、黄疸、壊死性腸炎、動脈管開存症、脳室周囲白質軟化症、持続性肺高血圧症、赤血球増加症、呼吸窮迫症候群、未熟児網膜症、及び一過性頻呼吸)及び胎児の発育段階又は状態(例えば、正常な胎児の器官機能又は発達、及び異常な胎児の器官機能又は発達)を含む。
【0093】
図1は、開示された実施形態による、対象の妊娠関連状態を同定又はモニタリングするための方法の例示的なワークフローを示す図である。一態様では、本開示は、対象の妊娠関連状態を同定又はモニタリングするための方法100を提供する。方法100は、第1のアッセイを使用して、対象に由来する第1の無細胞生物試料を処理し、第1のデータセットを生成することを含み得る(操作102ののように)。次に、生成された第1のデータセットに少なくとも部分的に基づいて、方法100は、第2のアッセイ(例えば、第1のアッセイとは異なる)を使用して、対象に由来する第2の無細胞生物試料を処理して、第1のデータセットよりも高い特異度で妊娠関連状態を示す第2のデータセットを生成することを任意で含んでもよい。例えば、第2の無細胞血漿試料から抽出されたリボ核酸(RNA)分子を配列決定して、対象の妊娠関連状態を示す配列リードのセットを生成することができる(操作104のように)。いくつかの実施形態において、第1の無細胞生物試料は、第1のアッセイによる処理のための第1の時点において対象から得ることができる。次いで、第2の無細胞生物試料は、第2のアッセイによる処理のための第2の時点において同じ対象から得ることができてもよい。いくつかの実施形態において、無細胞生物試料を対象から得て、次いでアリコートして、第1の無細胞生物試料及び第2の無細胞生物試料を作製し、次いで、これらをそれぞれ第1のアッセイ及び第2のアッセイで処理することができる。次に、訓練されたアルゴリズムを使用して、第1のデータセット及び/又は第2のデータセットを処理し、対象の妊娠関連状態を決定することができる(動作106のように)。訓練されたアルゴリズムは、50個の独立した試料にわたって少なくとも約80%の精度で妊娠関連状態を同定するように構成され得る。次いで、対象の妊娠関連状態の存在又は感受性を示す(例えば、同定する、又は指標を提供する)レポートを電子的に出力することができる(動作108のように)。
【0094】
無細胞生物試料のアッセイ
無細胞生物試料は、ヒト対象(例えば、妊婦対象)から得られるか、又は誘導され得る。無細胞生物試料は、処理前に、異なる温度(例えば、室温、冷蔵、又は冷凍条件下、25℃、4℃、-18℃、-20℃、又は-80℃)又は異なる懸濁液(例えば、EDTA収集管、無細胞RNA収集管、又は無細胞DNA収集管)などの様々な保存条件で保存することができる。
【0095】
無細胞生物試料は、妊娠関連状態(例えば、妊娠関連合併症)を有する対象、妊娠関連状態(例えば、妊娠関連合併症)を有すると疑われる対象、又は妊娠関連状態を有していない若しくは妊娠関連状態(例えば、妊娠関連合併症)を有すると疑われない対象から得られ得る。妊娠関連状態は、妊娠関連合併症、例えば、早産、妊娠関連高血圧障害(例えば、子癇前症)、子癇、妊娠糖尿病、対象の胎児の先天性障害、異所性妊娠、自然流産、死産、産後合併症(例えば、産後うつ病、出血又は過剰出血、肺塞栓症、心筋症、糖尿病、貧血及び高血圧性障害)、妊娠悪阻(つわり)、分娩中の出血又は過度の出血、前期破水、早産における前期破水、前置胎盤(子宮頸部を覆う胎盤)、子宮内/胎児発育遅延、マクロソミア(妊娠期間に対して大きな胎児)、新生児の状態(例えば、貧血、無呼吸、徐脈及びその他の心臓の欠陥、気管支肺異形成症又は慢性肺疾患、糖尿病、胃壁破裂、水頭症、高ビリルビン血症、低カルシウム血症、低血糖症、脳室内出血、黄疸、壊死性腸炎、動脈管開存症、脳室周囲白質軟化症、持続性肺高血圧症、赤血球増加症、呼吸窮迫症候群、未熟児網膜症、及び一過性頻呼吸)、及び異常な胎児の発育段階又は状態(例えば、異常な胎児の臓器の機能又は発達)を含み得る。妊娠関連状態は、満期出産、正常な胎児の発達段階又は状態(例えば、正常な胎児の器官の機能又は発達)を含み得る、又は妊娠関連の合併症の欠如(例:早産、妊娠関連高血圧障害(例えば子癇前症)、子癇前症、妊娠糖尿病、対象の胎児の先天性障害、異所性妊娠、自然流産、死産、産後合併症(例えば、産後うつ病、出血又は過度の出血、肺塞栓症、心筋症、糖尿病、貧血、及び高血圧性障害)、妊娠悪阻(つわり)、分娩中の出血又は過度の出血、前期破水、早産時の前期破水、前置胎盤(子宮頸部を覆う胎盤)、子宮内/胎児発育遅延、マクロソミア(妊娠期間の大きな胎児)、新生児の状態(例えば、貧血、無呼吸、徐脈及びその他の心臓欠陥、気管支肺異形成症又は慢性肺疾患、糖尿病、胃壁破裂、水頭症、高ビリルビン血症、低カルシウム血症、低血糖症、脳室内出血、黄疸、壊死性腸炎、動脈管開存症、脳室周囲白質軟化症、持続性肺高血圧症、赤血球増加症、呼吸窮迫症候群、未熟児網膜症、及び一過性頻呼吸)、及び異常な胎児の発育段階又は状態(例えば、異常な胎児の臓器機能又は発育))を含み得る。妊娠関連状態は、妊娠期間(例えば、数日、数週間、又は数ヶ月間で測定される)又は出産予定日(例えば、予測又は推定されたカレンダー日付又はカレンダー日付の範囲として表現される)などの妊娠の定量的評価を含み得る。妊娠関連状態は、妊娠関連合併症(例えば、早産、分娩の開始、妊娠関連高血圧障害(例えば、子癇前症)、子癇、妊娠糖尿病、対象の胎児の先天性障害、異所性妊娠、自然流産、死産、産後合併症(例えば、産後うつ病、出血又は過剰出血、肺塞栓症、心筋症、糖尿病、貧血及び高血圧性障害)、妊娠悪阻(つわり)、分娩中の出血又は過度の出血、前期破水、早産での前期破水、前置胎盤(子宮頸部を覆う胎盤)、子宮内/胎児発育遅延、マクロソミア(妊娠期間に対して大きな胎児)、新生児の状態(例えば、貧血、無呼吸、徐脈及びその他の心臓の欠陥、気管支肺異形成症又は慢性肺疾患、糖尿病、胃壁破裂、水頭症、高ビリルビン血症、低カルシウム血症、低血糖症、脳室内出血、黄疸、壊死性腸炎、動脈管開存症、脳室周囲白質軟化症、持続性肺高血圧症、赤血球増加症、呼吸窮迫症候群、未熟児網膜症、及び一過性頻呼吸)、及び胎児の発育段階又は状態(例えば、正常な胎児の臓器の機能又は発達、及び異常な胎児の臓器の機能又は発達)尤度、感受性、又はリスク(例えば、確率、相対確率、オッズ比、又はリスクスコア若しくはリスク指数として表される)などの妊娠関連合併症の定量的評価を含み得る。例えば、妊娠関連状態は、未来の分娩の開始の尤度又は感受性(例えば、約1時間以内、約2時間以内、約4時間以内、約6時間以内、約8時間以内、約10時間以内、約12時間以内、約14時間以内、約16時間以内、約18時間以内、約20時間以内、約22時間以内、約24時間以内、約1.5日間以内、約2日間以内、約2.5日間以内、約3日間以内、約3.5日間以内、約4日間以内、約4.5日間以内、約5日間以内、約5.5日間以内、約6日間以内、約6.5日間以内、約7日間以内、約8日間以内、約9日間以内、約10日間以内、約12日間以内、約14日間以内、約3週間以内、約4週間以内、約5週間以内、約6週間以内、約7週間以内、約8週間以内、約9週間以内、約10週間以内、約11週間以内、約12週間以内、約13週間以内、又は約13週間超)を含み得る。
【0096】
無細胞生物試料は、妊娠関連合併症を有する対象の処置の前及び/又は後に採取され得る。無細胞生物試料は、処置中又は処置計画中に対象から得ることができる。処置の効果を経時的にモニターするために、複数の無細胞生物試料を対象から得ることができる。無細胞生物試料は、妊娠関連状態(例えば、妊娠関連合併症)を有することが知られているか疑われる対象から採取されてよく、その陽性又は陰性の確定診断が、臨床試験によって利用可能ではない。試料は、妊娠関連合併症を有すると疑われる対象から採取され得る。無細胞生物試料は、疲労、吐き気、体重減少、痛み、及び疼痛、衰弱、又は出血などの説明できない症状を経験している対象から採取され得る。無細胞生物試料は、説明された症状を有する対象から採取され得る。無細胞生物試料は、家族歴、年齢、高血圧又は高血圧前症、糖尿病又は糖尿病前症、過体重又は肥満、環境曝露、生活様式危険因子(例えば、喫煙、アルコール摂取、又は薬物使用)、又は他の危険因子の存在などの因子に起因して妊娠関連合併症を発症するリスクがある対象から採取され得る。
【0097】
無細胞生物試料は、トランスクリプトームデータを生成するためのアッセイに適した無細胞リボ核酸(cfRNA)分子、ゲノムデータを生成するためのアッセイに適した無細胞デオキシリボ核酸(cfDNA)分子、プロテオミクスデータを生成するためのアッセイに適したタンパク質、メタボロミクスデータを生成するためのアッセイに適した代謝産物、又はそれらの混合物若しくは組み合わせなどの、アッセイすることができる1つ又は複数の分析物を含み得る。1つ又は複数のそのような分析物(例えば、cfRNA分子、cfDNA分子、タンパク質、又は代謝産物)は、1つ又は複数の適切なアッセイを使用した下流アッセイのために、対象の1つ又は複数の無細胞生物試料から単離又は抽出され得る。
【0098】
対象から無細胞生物試料を得た後、無細胞生物試料を処理して、対象の妊娠関連状態を示すデータセットを生成することができる。例えば、妊娠関連状態関連ゲノム遺伝子座のパネル(例えば、妊娠関連状態に関連するゲノム遺伝子座におけるRNA転写物又はDNAの定量的測定)での無細胞生物試料の核酸分子の存在、非存在、又は定量的評価、妊娠関連状態関連タンパク質のパネルでのデータセットのタンパク質の定量的測定を含むプロテオミクスデータ、及び/又は妊娠関連状態関連代謝産物のパネルの定量的測定を含むメタボロームデータは、妊娠関連状態を示し得る。対象から得られた無細胞生物試料を処理することは、(i)複数の核酸分子、タンパク質、及び/又は代謝産物を単離、濃縮、又は抽出するのに十分な条件に無細胞生物試料を供すること、並びに(ii)複数の核酸分子、タンパク質、及び/又は代謝産物をアッセイして、データセットを生成することを含み得る。
【0099】
いくつかの実施形態において、複数の核酸分子が、無細胞生物試料から抽出され、配列決定に供されて、複数の配列決定リードが生成される。核酸分子は、リボ核酸(RNA)又はデオキシリボ核酸(DNA)を含み得る。核酸分子(例えば、RNA又はDNA)は、MP Biomedicals製のFastDNA Kitプロトコル、Qiagen製のQIAamp DNA無細胞生物学的ミニキット、又はNorgen Biotek製の無細胞生物学的DNA単離キットプロトコルなどの様々な方法によって無細胞生物試料から抽出され得る。抽出方法は、試料からすべてのRNA又はDNA分子を抽出することができる。あるいは、抽出方法は、試料からRNA又はDNA分子の一部を選択的に抽出することができる。試料から抽出されたRNA分子は、逆転写(RT)によってDNA分子に変換され得る。
【0100】
配列決定は、大量並列配列決定(MPS)、ペアエンド配列決定、ハイスループット配列決定、次世代配列決定(NGS)、ショットガン配列決定、単一分子配列決定、ナノポア配列決定、半導体配列決定、パイロシークエンシング、合成による配列決定(SBS)、ライゲーションによる配列決定、ハイブリダイゼーションによる配列決定、及びRNA-Seq(Illumina)などの任意の適切な配列決定方法によって行うことができる。
【0101】
配列決定は、核酸増幅(例えば、RNA又はDNA分子)を含み得る。いくつかの実施形態において、核酸増幅は、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)である。適切な回数のPCR(例えば、PCR、qPCR、逆転写酵素PCR、デジタルPCR)を実施して、初期量の核酸(例えば、RNA又はDNA)を後続の配列決定のための所望の入力量まで十分に増幅することができる。いくつかの場合、PCRは、標的核酸の全体的な増幅に使用され得る。これは、最初に異なる分子に連結され得るアダプター配列を使用し、続いてユニバーサルプライマーを使用してPCR増幅することを含み得る。PCRは、例えば、Life Technologies、Affymetrix、Promega、Qiagenによって提供されるいくつかの市販のキットのいずれかを使用して実施され得る。他の場合には、核酸集団内の特定の標的核酸のみが増幅され得る。特異的プライマーは、おそらくアダプターライゲーションと組み合わせて、下流配列決定のために特定の標的を選択的に増幅するために使用され得る。PCRは、妊娠関連状態に関連するゲノム遺伝子座などの1つ又は複数のゲノム遺伝子座の標的化増幅を含み得る。配列決定は、同時逆転写(RT)及びポリメラーゼ連鎖反応(PCR)、例えば、Qiagen、NEB、Thermo Fisher Scientific、又はBio-RadによるOneStep RT-PCRキットプロトコルの使用を含み得る。
【0102】
無細胞生物試料から単離又は抽出されたRNA又はDNA分子は、複数の試料の多重化を可能にするために、例えば識別可能なタグでタグ付けされ得る。任意の数のRNA又はDNA試料を多重化することができる。例えば、多重化反応は、少なくとも約2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90、95、100、又は100を超える初期無細胞生物試料からのRNA又はDNAを含有し得る。例えば、複数の無細胞生物試料は、各DNA分子が、DNA分子の起源となった試料(及び対象)まで遡ることができるように、試料バーコードでタグ付けされ得る。そのようなタグは、ライゲーション又はプライマーを用いたPCR増幅によってRNA又はDNA分子に結合され得る。
【0103】
核酸分子を配列決定に供した後、適切なバイオインフォマティクスプロセスを配列リードに対して実行して、妊娠関連状態の存在、非存在、又は相対評価を示すデータを生成することができる。例えば、配列リードは、1つ又は複数の参照ゲノム(例えば、ヒトゲノムなどの1つ又は複数の種のゲノム)に整列され得る。整列された配列リードは、1つ又は複数のゲノム遺伝子座において定量化されて、妊娠関連状態を示すデータセットを生成し得る。例えば、妊娠関連状態に関連する複数のゲノム遺伝子座に対応する配列の定量化は、妊娠関連状態を示すデータセットを生成し得る。
【0104】
無細胞生物試料は、核酸抽出を行わずに処理してもよい。例えば、妊娠関連状態は、複数の妊娠関連状態関連ゲノム遺伝子座に対応する核酸(例えば、RNA又はDNA)分子を選択的に濃縮するように構成されたプローブを使用することによって、対象において同定又モニタリングされ得る。プローブは、核酸プライマーであり得る。プローブは、複数の妊娠関連状態関連ゲノム遺伝子座又はゲノム領域のうちの1つ又は複数からの核酸配列との配列相補性を有し得る。複数の妊娠関連状態関連ゲノム遺伝子座又はゲノム領域は、少なくとも2、少なくとも3、少なくとも4、少なくとも5、少なくとも6、少なくとも7、少なくとも8、少なくとも9、少なくとも10、少なくとも11、少なくとも12、少なくとも13、少なくとも14、少なくとも15、少なくとも16、少なくとも17、少なくとも18、少なくとも19、少なくとも20、少なくとも約25、少なくとも約30、少なくとも約35、少なくとも約40、少なくとも約45、少なくとも約50、少なくとも約55、少なくとも約60、少なくとも約65、少なくとも約70、少なくとも約75、少なくとも約80、少なくとも約85、少なくとも約90、少なくとも約95、少なくとも約100、又はそれを超える異なる妊娠関連状態関連ゲノム遺伝子座又はゲノム領域を含み得る。複数の妊娠関連状態関連ゲノム遺伝子座又はゲノム領域は、ACTB、ADAM12、ALPP、ANXA3、APLF、ARG1、AVPR1A、CAMP、CAPN6、CD180、CGA、CGB、CLCN3、CPVL、CSH1、CSH2、CSHL1、CYP3A7、DAPP1、DCX、DEFA4、DGCR14、ELANE、ENAH、EPB42、FABP1、FAM212B-AS1、FGA、FGB、FRMD4B、FRZB、FSTL3、GH2、GNAZ、HAL、HSD17B1、HSD3B1、HSPB8、Immune、ITIH2、KLF9、KNG1、KRT8、LGALS14、LTF、LYPLAL1、MAP3K7CL、MEF2C、MMD、MMP8、MOB1B、NFATC2、OTC、P2RY12、PAPPA、PGLYRP1、PKHD1L1、PKHD1L1、PLAC1、PLAC4、POLE2、PPBP、PSG1、PSG4、PSG7、PTGER3、RAB11A、RAB27B、RAP1GAP、RGS18、RPL23AP7、S100A8、S100A9、S100P、SERPINA7、SLC2A2、SLC38A4、SLC4A1、TBC1D15、VCAN、VGLL1、B3GNT2、COL24A1、CXCL8、及びPTGS2からなる群から選択される1つ又は複数のメンバー(例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、約25、約30、約35、約40、約45、約50、約55、約60、約65、約70、約75、約80、又はそれを超える)を含み得る。妊娠関連状態に関連するゲノム遺伝子座又はゲノム領域は、妊娠期間、早産、出産予定日、分娩の開始、又は他の妊娠関連状態若しくは合併症、例えば、参照によりその全体が本明細書に組み込まれるNgoら(「Noninvasive blood tests for fetal development predict gestational age and preterm delivery」Science,360(6393),pp.1133-1136,08 Jun 2018)によって記載されたゲノム遺伝子座に関連し得る。
【0105】
プローブは、1つ又は複数のゲノム遺伝子座(例えば、妊娠関連状態関連ゲノム遺伝子座)の核酸配列(例えば、RNA又はDNA)と配列相補性を有する核酸分子(例えば、RNA又はDNA)であり得る。これらの核酸分子は、プライマー又は濃縮配列であり得る。1つ又は複数のゲノム遺伝子座(例えば、妊娠関連状態関連ゲノム遺伝子座)に対して選択的なプローブを使用した無細胞生物試料のアッセイは、アレイハイブリダイゼーション(例えば、マイクロアレイ系)、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)又は核酸配列決定(例えば、RNA配列決定又はDNA配列決定)の使用を含み得る。いくつかの実施形態では、DNA又はRNAは、等温DNA/RNA増幅法(例えば、ループ媒介等温増幅(LAMP)、ヘリカーゼ依存性増幅(HDA)、ローリングサークル増幅(RCA)、リコンビナーゼポリメラーゼ増幅(RPA))、イムノアッセイ、電気化学アッセイ、表面増強ラマン分光法(SERS)、量子ドット(QD)ベースのアッセイ、分子反転プローブ、液滴デジタルPCR(ddPCR)、CRISPR/Casベースの検出(例えば、CRISPR-typing PCR(ctPCR)、特定の高感度酵素レポーターのロック解除(SHERLOCK)、DNAエンドヌクレアーゼを標的としたCRISPRトランスレポーター(DETECTR)、及びCRISPRを介したアナログマルチイベント記録装置(CAMERA))、及びレーザー透過分光法(LTS)のうちの1つ又は複数によってアッセイされ得る。
【0106】
アッセイ読み取り値を1つ又は複数のゲノム遺伝子座(例えば、妊娠関連状態関連ゲノム遺伝子座)で定量して、妊娠関連状態を示すデータを生成することができる。例えば、複数のゲノム遺伝子座(例えば、妊娠関連状態関連ゲノム遺伝子座)に対応するアレイハイブリダイゼーション又はポリメラーゼ連鎖反応(PCR)の定量化は、妊娠関連状態を示すデータを生成し得る。アッセイ読み取り値は、定量PCR(qPCR)値、デジタルPCR(dPCR)値、デジタル液滴PCR(ddPCR)値、蛍光値など、又はそれらの正規化された値を含み得る。アッセイは、家庭環境で行われるように構成された家庭用試験であり得る。
【0107】
いくつかの実施形態において、複数のアッセイを使用して、対象の無細胞生物試料を処理する。例えば、第1のアッセイを使用して、対象から得られた又は誘導された第1の無細胞生物試料を処理して、第1のデータセットを生成することができる。第1のデータセットに少なくとも部分的に基づいて、第1のアッセイとは異なる第2のアッセイを使用して、対象から得られた又は誘導された第2の無細胞生物試料を処理して、妊娠関連状態を示す第2のデータセットを生成することができる。第1のアッセイを使用して、対象のセットの無細胞生物試料をスクリーニング又は処理してもよく、第2のアッセイ又は後続のアッセイを使用して、対象のセットのより小さいサブセットの無細胞生物試料をスクリーニング又は処理してもよい。第1のアッセイは、1つ又は複数の妊娠関連状態(例えば、妊娠関連合併症)を検出する低コスト及び/又は高感度を有してよく、これは、対象の比較的大きなセットの無細胞生物試料をスクリーニング又は処理するのに適している。第2のアッセイは、1つ又は複数の妊娠関連状態(例えば、妊娠関連合併症)を検出するより高いコスト及び/又はより高い特異度を有してよく、これは、対象の比較的小さいセット(例えば、第1のアッセイを使用してスクリーニングされた対象のサブセット)の無細胞生物試料をスクリーニング又は処理するのに適している。第2のアッセイは、第1のアッセイを使用して生成された第1のデータセットよりも高い特異度(例えば、妊娠関連合併症などの1つ又は複数の妊娠関連状態について)を有する第2のデータセットを生成することができる。一例として、1つ又は複数の無細胞生物試料は、大規模な対象セットに対するcfRNAアッセイを使用し、続いてより小規模な対象サブセットに対するメタボロミクスアッセイを使用して、又はその逆でもまた同様に、処理され得る。対象のより小さいサブセットは、第1のアッセイの結果に少なくとも部分的に基づいて選択され得る。
【0108】
あるいは、複数のアッセイを使用して、対象の無細胞生物試料を同時に処理することができる。例えば、第1のアッセイを使用して、対象から得られた又は誘導された第1の無細胞生物試料を処理して、妊娠関連状態を示す第1のデータセットを生成することができる。第1のアッセイとは異なる第2のアッセイを使用して、対象から得られた又は誘導された第2の無細胞生物試料を処理して、妊娠関連状態を示す第2のデータセットを生成することができる。次いで、第1のデータセット及び第2のデータセットのいずれか又はすべてを分析して、対象の妊娠関連状態を評価することができる。例えば、第1のデータセットと第2のデータセットとの組み合わせに基づいて、単一の診断指標又は診断スコアを生成することができる。別の例として、第1のデータセット及び第2のデータセットに基づいて別個の診断指標又は診断スコアを生成することができる。
【0109】
無細胞生物試料は、メタボロミクスアッセイを使用して処理することができる。例えば、メタボロミクスアッセイを使用して、対象の無細胞生物試料中の複数の妊娠関連状態関連代謝産物のそれぞれの定量的尺度(例えば、存在、非存在、又は相対量を示す)を同定することができる。メタボロミクスアッセイは、対象の血液試料又は尿試料(又はその誘導体)などの無細胞生物試料を処理するように構成され得る。無細胞生物試料中の妊娠関連状態関連代謝産物の定量的尺度(例えば、存在、非存在、又は相対量を示す)は、1つ又は複数の妊娠関連状態を示し得る。無細胞生物試料中の代謝産物は、妊娠関連状態関連遺伝子に対応する1つ又は複数の代謝経路の結果として産生され得る(例えば、最終生成物又は副生成物として)。無細胞生物試料の1つ又は複数の代謝産物をアッセイすることは、無細胞生物試料から代謝産物を単離又は抽出することを含み得る。メタボロミクスアッセイを使用して、対象の無細胞生物試料中の複数の妊娠関連状態関連代謝産物のそれぞれの定量的尺度(例えば、存在、非存在、又は相対量を示す)を示すデータセットを生成することができる。
【0110】
メタボロミクスアッセイは、小分子、脂質、アミノ酸、ペプチド、ヌクレオチド、ホルモン、その他のシグナル伝達分子、サイトカイン、ミネラル及び元素、ポリフェノール、脂肪酸、ジカルボン酸、アルコール及びポリオール、アルカン及びアルケン、ケト酸、糖脂質、炭水化物、ヒドロキシ酸、プリン、プロスタノイド、カテコールアミン、アシルリン酸、リン脂質、環状アミン、アミノケトン、ヌクレオシド、グリセロ脂質、芳香族酸、レチノイド、アミノアルコール、プテリン、ステロイド、カルニチン、ロイコトリエン、インドール、ポルフィリン、糖リン酸、補酵素A誘導体、グルクロニド、ケトン、糖リン酸、無機イオン及びガス、スフィンゴ脂質、胆汁酸、アルコールリン酸、アミノ酸リン酸、アルデヒド、キノン、ピリミジン、ピリドキサール、トリカルボン酸、アシルグリシン、コバラミン誘導体、リポアミド、ビオチン、及びポリアミンなど、無細胞生物試料中の様々な代謝産物を分析する場合がある。
【0111】
メタボロミクスアッセイは、例えば、質量分析(MS)、標的MS、ガスクロマトグラフィー(GC)、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)、キャピラリー電気泳動(CE)、核磁気共鳴(NMR)分光法、イオン移動度分光法、ラマン分光法、電気化学アッセイ、又は免疫アッセイのうちの1つ又は複数を含み得る。
【0112】
無細胞生物試料は、メチル化特異的アッセイを使用して処理することができる。例えば、メチル化特異的アッセイを使用して、対象の無細胞生物試料中の複数の妊娠関連状態関連ゲノム遺伝子座のそれぞれのメチル化の定量的尺度(例えば、存在、非存在、又は相対量を示す)を同定することができる。メチル化特異的アッセイは、対象の血液試料又は尿試料(又はその誘導体)などの無細胞生物試料を処理するように構成され得る。無細胞生物試料中の妊娠関連状態関連ゲノム遺伝子座のメチル化の定量的尺度(例えば、存在、非存在、又は相対量を示す)は、1つ又は複数の妊娠関連状態を示し得る。メチル化特異的アッセイを使用して、対象の無細胞生物試料中の複数の妊娠関連状態関連ゲノム遺伝子座のそれぞれのメチル化の定量的尺度(例えば、存在、非存在、又は相対量を示す)を示すデータセットを生成することができる。
【0113】
メチル化特異的アッセイは、例えば、以下のうちの1つ又は複数を含み得る:メチル化を意識した配列決定(例えば、バイサルファイト処理を使用する)、パイロシーケンス、メチル化に敏感な一本鎖コンフォメーション分析(MS-SSCA)、高解像度融解分析(HRM)、メチル化感受性一塩基プライマー伸長(MS-SnuPE)、塩基特異的切断/MALDI-TOF、マイクロアレイベースのメチル化アッセイ、メチル化特異的PCR、標的バイサルファイト配列決定、酸化的バイサルファイト配列決定、質量分析ベースのバイサルファイト配列決定、又は縮小表示バイサルファイト配列決定(RRBS)。
【0114】
無細胞生物試料は、プロテオミクスアッセイを使用して処理することができる。例えば、プロテオミクスアッセイを使用して、対象の無細胞生物試料中の複数の妊娠関連状態関連タンパク質又はポリペプチドのそれぞれの定量的尺度(例えば、存在、非存在、又は相対量を示す)を同定することができる。プロテオミクスアッセイは、対象の血液試料又は尿試料(又はその誘導体)などの無細胞生物試料を処理するように構成され得る。無細胞生物試料中の妊娠関連状態関連タンパク質又はポリペプチドの定量的尺度(例えば、存在、非存在、又は相対量を示す)は、1つ又は複数の妊娠関連状態を示し得る。無細胞生物試料中のタンパク質又はポリペプチドは、妊娠関連状態関連遺伝子に対応する1つ又は複数の生化学的経路の結果として産生され得る(例えば、最終生成物又は副生成物として)。無細胞生物試料の1つ又は複数のタンパク質又はポリペプチドをアッセイすることは、無細胞生物試料からタンパク質又はポリペプチドを単離又は抽出することを含み得る。プロテオミクスアッセイを使用して、対象の無細胞生物試料中の複数の妊娠関連状態関連タンパク質又はポリペプチドのそれぞれの定量的尺度(例えば、存在、非存在、又は相対量を示す)を示すデータセットを生成することができる。
【0115】
プロテオミクスアッセイは、無細胞生物試料中の様々なタンパク質又はポリペプチド、例えば、異なる細胞条件(例えば、発達、細胞分化又は細胞周期)下で作製されたタンパク質を分析し得る。プロテオミクスアッセイは、例えば、以下のうちの1つ又は複数を含み得る:抗体ベースのイムノアッセイ、エドマン分解アッセイ、質量分析ベースのアッセイ(例えば、マトリックス支援レーザー脱離/イオン化(MALDI)及びエレクトロスプレーイオン化(ESI))、トップダウンプロテオミクスアッセイ、ボトムアッププロテオミクスアッセイ、質量分析イムノアッセイ(MSIA)、抗ペプチド抗体(SISCAPA)アッセイによる安定同位体標準捕捉、蛍光二次元微分ゲル電気泳動(2-D DIGE)アッセイ、定量的プロテオミクスアッセイ、タンパク質マイクロアレイアッセイ、又は逆相タンパク質マイクロアレイアッセイ。プロテオミクスアッセイは、タンパク質又はポリペプチドの翻訳後修飾(例えば、リン酸化、ユビキチン化、メチル化、アセチル化、グリコシル化、酸化、及びニトロシル化)を検出し得る。プロテオミクスアッセイは、データベース(例えば、Human Protein Atlas、PeptideAtlas、及びUniProt)から1つ又は複数のタンパク質又はポリペプチドを同定又は定量することができる。
【0116】
キット
本開示は、対象の妊娠関連状態を同定又はモニタリングするためのキットを提供する。キットは、対象の無細胞生物試料中の複数の妊娠関連状態関連ゲノム遺伝子座のそれぞれにおける配列の定量的尺度(例えば、存在、非存在、又は相対量を示す)を同定するためのプローブを含み得る。無細胞生物試料中の複数の妊娠関連状態関連ゲノム遺伝子座のそれぞれにおける配列の定量的尺度(例えば、存在、非存在、又は相対量を示す)は、1つ又は複数の妊娠関連状態を示し得る。プローブは、無細胞生物試料中の複数の妊娠関連状態関連ゲノム遺伝子座における配列に対して選択的であり得る。キットは、プローブを使用して無細胞生物試料を処理し、対象の無細胞生物試料中の複数の妊娠関連状態関連ゲノム遺伝子座のそれぞれにおける配列の定量的尺度(例えば、存在、非存在、又は相対量を示す)を示すデータセットを生成するための説明書を含み得る。
【0117】
キット中のプローブは、無細胞生物試料中の複数の妊娠関連状態関連ゲノム遺伝子座における配列に対して選択的であり得る。キット中のプローブは、複数の妊娠関連状態関連ゲノム遺伝子座に対応する核酸(例えば、RNA又はDNA)分子を選択的に濃縮するように構成され得る。キット中のプローブは、核酸プライマーであり得る。キット中のプローブは、複数の妊娠関連状態関連ゲノム遺伝子座又はゲノム領域のうちの1つ又は複数からの核酸配列との配列相補性を有し得る。複数の妊娠関連状態関連ゲノム遺伝子座又はゲノム領域は、少なくとも2、少なくとも3、少なくとも4、少なくとも5、少なくとも6、少なくとも7、少なくとも8、少なくとも9、少なくとも10、少なくとも11、少なくとも12、少なくとも13、少なくとも14、少なくとも15、少なくとも16、少なくとも17、少なくとも18、少なくとも19、少なくとも20、又はより異なる妊娠関連状態関連ゲノム遺伝子座又はゲノム領域を含み得る。複数の妊娠関連状態関連ゲノム遺伝子座又はゲノム領域は、ACTB、ADAM12、ALPP、ANXA3、APLF、ARG1、AVPR1A、CAMP、CAPN6、CD180、CGA、CGB、CLCN3、CPVL、CSH1、CSH2、CSHL1、CYP3A7、DAPP1、DCX、DEFA4、DGCR14、ELANE、ENAH、EPB42、FABP1、FAM212B-AS1、FGA、FGB、FRMD4B、FRZB、FSTL3、GH2、GNAZ、HAL、HSD17B1、HSD3B1、HSPB8、Immune、ITIH2、KLF9、KNG1、KRT8、LGALS14、LTF、LYPLAL1、MAP3K7CL、MEF2C、MMD、MMP8、MOB1B、NFATC2、OTC、P2RY12、PAPPA、PGLYRP1、PKHD1L1、PKHD1L1、PLAC1、PLAC4、POLE2、PPBP、PSG1、PSG4、PSG7、PTGER3、RAB11A、RAB27B、RAP1GAP、RGS18、RPL23AP7、S100A8、S100A9、S100P、SERPINA7、SLC2A2、SLC38A4、SLC4A1、TBC1D15、VCAN、VGLL1、B3GNT2、COL24A1、CXCL8、及びPTGS2からなる群から選択される1つ又は複数のメンバーを含み得る。
【0118】
キット中の説明書は、無細胞生物試料中の複数の妊娠関連状態関連ゲノム遺伝子座における配列に対して選択的であるプローブを使用して無細胞生物試料をアッセイするための説明書を含み得る。これらのプローブは、複数の妊娠関連状態関連ゲノム遺伝子座の1つ又は複数からの核酸配列(例えば、RNA又はDNA)と配列相補性を有する核酸分子(例えば、RNA又はDNA)であり得る。これらの核酸分子は、プライマー又は濃縮配列であり得る。無細胞生物試料をアッセイするための説明書は、無細胞生物試料を処理して、無細胞生物試料中の複数の妊娠関連状態関連ゲノム遺伝子座のそれぞれにおける配列の定量的尺度(例えば、存在、非存在、又は相対量を示す)を示すデータセットを生成するために、アレイハイブリダイゼーション、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)、又は核酸配列決定(例えば、DNA配列決定又はRNA配列決定)を実施するための導入を含み得る。無細胞生物試料中の複数の妊娠関連状態関連ゲノム遺伝子座のそれぞれにおける配列の定量的尺度(例えば、存在、非存在、又は相対量を示す)は、1つ又は複数の妊娠関連状態を示し得る。
【0119】
キット中の説明書は、アッセイ読み取り値を測定及び解釈するための説明書を含んでよく、これは、複数の妊娠関連状態関連ゲノム遺伝子座の1つ又は複数において定量化されて、無細胞生物試料中の複数の妊娠関連状態関連ゲノム遺伝子座のそれぞれにおける配列の定量的尺度(例えば、存在、非存在、又は相対量を示す)を示すデータセットを生成し得る。例えば、複数の妊娠関連状態関連ゲノム遺伝子座に対応するアレイハイブリダイゼーション又はポリメラーゼ連鎖反応(PCR)の定量化は、無細胞生物試料中の複数の妊娠関連状態関連ゲノム遺伝子座のそれぞれにおける配列の定量的尺度(例えば、存在、非存在、又は相対量を示す)を示すデータセットを生成し得る。アッセイ読み取り値は、定量PCR(qPCR)値、デジタルPCR(dPCR)値、デジタル液滴PCR(ddPCR)値、蛍光値など、又はそれらの正規化された値を含み得る。
【0120】
キットは、対象の無細胞生物試料中の複数の妊娠関連状態関連代謝産物のそれぞれの定量的尺度(例えば、存在、非存在、又は相対量を示す)を同定するためのメタボロミクスアッセイを含み得る。無細胞生物試料中の妊娠関連状態関連代謝産物の定量的尺度(例えば、存在、非存在、又は相対量を示す)は、1つ又は複数の妊娠関連状態を示し得る。無細胞生物試料中の代謝産物は、妊娠関連状態関連遺伝子に対応する1つ又は複数の代謝経路の結果として産生され得る(例えば、最終生成物又は副生成物として)。キットは、無細胞生物試料から代謝産物を単離若しくは抽出するための、及び/又はメタボロミクスアッセイを使用して、対象の無細胞生物試料中の複数の妊娠関連状態関連代謝産物のそれぞれの定量的尺度(例えば、存在、非存在、又は相対量を示す)を示すデータセットを生成するための説明書を含み得る。
【0121】
訓練されたアルゴリズム
対象に由来する1つ又は複数の無細胞生物試料を処理するために1つ又は複数のアッセイを使用して、妊娠関連状態又は妊娠関連合併症を示す1つ又は複数のデータセットを生成した後、訓練されたアルゴリズムを使用して、データセットの1つ又は複数(例えば、複数の妊娠関連状態関連ゲノム遺伝子座の各々において)を処理し、妊娠関連状態を決定し得る。例えば、訓練されたアルゴリズムを使用して、無細胞生物試料中の複数の妊娠関連状態関連ゲノム遺伝子座のそれぞれにおける配列の定量的測定を決定し得る。訓練されたアルゴリズムは、少なくとも約50%、少なくとも約55%、少なくとも約60%、少なくとも約65%、少なくとも約70%、少なくとも約75%、少なくとも約80%、少なくとも約85%、少なくとも約90%、少なくとも約95%、少なくとも約96%、少なくとも約97%、少なくとも約98%、少なくとも約99%、又は99%以上の精度で、少なくとも約25、少なくとも約50、少なくとも約100、少なくとも約150、少なくとも約200、少なくとも約250、少なくとも約300、少なくとも約350、少なくとも約400、少なくとも約450、少なくとも約500、又は約500を超える独立した試料において妊娠関連状態を同定するように構成され得る。
【0122】
訓練されたアルゴリズムは、教師あり機械学習アルゴリズムを含み得る。訓練されたアルゴリズムは、分類及び回帰ツリー(CART)アルゴリズムを含み得る。教師あり機械学習アルゴリズムは、例えば、Random Forest、サポート・ベクター・マシン(SVM)、ニューラルネットワーク、又はディープ・ラーニング・アルゴリズムを含み得る。訓練されたアルゴリズムは、教師なし機械学習アルゴリズムを含み得る。
【0123】
訓練されたアルゴリズムは、複数の入力変数を受け取り、複数の入力変数に基づいて1つ又は複数の出力値を生成するように構成されてもよい。複数の入力変数は、妊娠関連状態を示す1つ又は複数のデータセットを含み得る。例えば、入力変数は、複数の妊娠関連状態関連ゲノム遺伝子座のそれぞれに対応する又は整列するいくつかの配列を含み得る。複数の入力変数はまた、対象の臨床健康データを含み得る。
【0124】
訓練されたアルゴリズムは、1つ又は複数の出力値の各々が、分類器による無細胞生物試料の分類を示す固定数の可能な値(例えば、線形分類器、ロジスティック回帰分類器)のうちの1つを含むように、分類器を含み得る。訓練されたアルゴリズムは、1つ又は複数の出力値の各々が、分類器による無細胞生物試料の分類を示す2つの値(例えば、{0,1}、{陽性、陰性}、又は{高リスク、低リスク})のうちの1つを含むように、バイナリ分類器を含み得る。訓練されたアルゴリズムは、1つ又は複数の出力値の各々が、分類器による無細胞生物試料の分類を示す3つ以上の値(例えば、{0,1,2}、{陽性、陰性、又は不確定}、又は{高リスク、中リスク、又は低リスク})のうちの1つを含むように、別のタイプの分類器であり得る。出力値は、記述ラベル、数値、又はそれらの組み合わせを含み得る。出力値のいくつかは、記述ラベルを含み得る。そのような記述ラベルは、対象の疾患又は障害状態の同定又は指標を提供してもよく、例えば、陽性、陰性、高リスク、中リスク、低リスク、又は不確定を含み得る。そのような記述ラベルは、対象の妊娠関連状態の処置の同定を提供してもよく、例えば、妊娠関連状態を処置するのに適した治療的介入、治療的介入の期間、及び/又は治療的介入の投与量を含み得る。そのような記述ラベルは、対象に対して実施するのに適切であり得る二次臨床試験の同定を提供してよく、例えば、画像診断検査、血液検査、コンピュータ断層撮影(CT)スキャン、磁気共鳴画像法(MRI)スキャン、超音波スキャン、胸部X線、陽電子放射断層撮影(PET)スキャン、PET-CTスキャン、無細胞生物学的細胞学、羊水穿刺、非侵襲的出生前検査(NIPT)、又はそれらの任意の組み合わせを含み得る。例えば、そのような記述ラベルは、対象の妊娠関連状態の予後を提供し得る。別の例として、そのような記述ラベルは、対象の妊娠関連状態(例えば、数日、数週間、又は数ヶ月の推定妊娠期間)の相対的評価を提供し得る。いくつかの記述ラベルは、例えば、「陽性」を1に、「陰性」を0にマッピングすることによって、数値にマッピングされてもよい。
【0125】
出力値のいくつかは、バイナリ、整数、又は連続値などの数値を含み得る。そのようなバイナリ出力値は、例えば、{0,1}、{陽性、陰性}、又は{高リスク、低リスク}を含み得る。そのような整数出力値は、例えば、{0,1,2}を含み得る。そのような連続出力値は、例えば、少なくとも0及び1以下の確率値を含み得る。そのような連続出力値は、例えば、少なくとも0の正規化されていない確率値を含み得る。そのような連続出力値は、対象の妊娠関連状態の予後を示し得る。いくつかの数値は、例えば、1を「陽性」に、0を「陰性」にマッピングすることによって、記述ラベルにマッピングされてもよい。
【0126】
出力値のいくつかは、1つ又は複数のカットオフ値に基づいて割り当てられてもよい。例えば、試料のバイナリ分類は、対象が妊娠関連状態(例えば、妊娠関連合併症)を有する確率が少なくとも50%であることを試料が示す場合、「陽性」又は1の出力値を割り当て得る。例えば、試料のバイナリ分類は、対象が妊娠関連状態を有する確率が50%未満であることを試料が示す場合(例えば、妊娠関連合併症)、「陰性」又は0の出力値を割り当てることができる。この場合、50%の単一のカットオフ値を使用して、試料を2つの可能なバイナリ出力値のうちの1つに分類する。単一カットオフ値の例としては、約1%、約2%、約5%、約10%、約15%、約20%、約25%、約30%、約35%、約40%、約45%、約50%、約55%、約60%、約65%、約70%、約75%、約80%、約85%、約90%、約91%、約92%、約93%、約94%、約95%、約96%、約97%、約98%、及び約99%が挙げられ得る。
【0127】
別の例として、試料の分類は、対象が妊娠関連状態(例えば、妊娠関連合併症)を有する確率が、少なくとも約50%、少なくとも約55%、少なくとも約60%、少なくとも約65%、少なくとも約70%、少なくとも約75%、少なくとも約80%、少なくとも約85%、少なくとも約90%、少なくとも約91%、少なくとも約92%、少なくとも約93%、少なくとも約94%、少なくとも約95%、少なくとも約96%、少なくとも約97%、少なくとも約98%、少なくとも約99%、又はそれを超えることを試料が示す場合、「陽性」又は1の出力値を割り当て得る。試料の分類は、対象が妊娠関連状態(例えば、妊娠関連合併症)を有する確率が、約50%超、約55%超、約60%超、約65%超、約70%超、約75%超、約80%超、約85%超、約90%超、約91%超、約92%超、約93%超、約94%超、約95%超、約96%超、約97%超、約98%超、又は約99%超であることを試料が示す場合、「陽性」又は1の出力値を割り当て得る。
【0128】
試料の分類は、対象が妊娠関連状態(例えば、妊娠関連合併症)を有する確率が、約50%未満、約45%未満、約40%未満、約35%未満、約30%未満、約25%未満、約20%未満、約15%未満、約10%未満、約9%未満、約8%未満、約7%未満、約6%未満、約5%未満、約4%未満、約3%未満、約2%未満、又は約1%未満であることを試料が示す場合、「陰性」又は0の出力値を割り当て得る。試料の分類は、対象が妊娠関連状態(例えば、妊娠関連合併症)を有する確率が、約50%以下、約45%以下、約40%以下、約35%以下、約30%以下、約25%以下、約20%以下、約15%以下、約10%以下、約9%以下、約8%以下、約7%以下、約6%以下、約5%以下、約4%以下、約3%以下、約2%以下、又は約1%以下であることを試料が示す場合、「陰性」又は0の出力値を割り当て得る。
【0129】
試料の分類は、試料が「陽性」、「陰性」、1、又は0として分類されない場合、「不確定」又は2の出力値を割り当て得る。この場合、2つのカットオフ値のセットを使用して、試料を3つの可能な出力値のうちの1つに分類する。カットオフ値のセットの例は、{1%、99%}、{2%、98%}、{5%、95%}、{10%、90%}、{15%、85%}、{20%、80%}、{25%、75%}、{30%、70%}、{35%、65%}、{40%、60%}、及び{45%、55%}を含み得る。同様に、n個のカットオフ値のセットを使用して、試料をn+1個の可能な出力値のうちの1つに分類することができ、nは任意の正の整数である。
【0130】
訓練されたアルゴリズムは、複数の独立した訓練試料で訓練されてもよい。独立した訓練試料の各々は、対象由来の無細胞生物試料、無細胞生物試料をアッセイすることによって得られた関連するデータセット(本明細書の他の箇所に記載されるような)、及び無細胞生物試料に対応する1つ又は複数の公知の出力値(例えば、対象の妊娠関連状態の臨床診断、予後、非存在、又は処置有効性)を含み得る。独立した訓練試料は、無細胞生物試料及び関連するデータセット並びに複数の異なる対象から得られた又は誘導された出力を含み得る。独立した訓練試料は、無細胞生物試料及び関連するデータセット並びに同じ対象からの複数の異なる時点で(例えば、毎週、隔週、又は毎月などの定期的に)得られた出力を含み得る。独立した訓練試料は、妊娠関連状態の存在と関連付けられ得る(例えば、妊娠関連状態を有することが知られている複数の対象から得られた又は誘導された無細胞生物試料並びに関連するデータセット及び出力を含む訓練試料)。独立した訓練試料は、妊娠関連状態の非存在と関連付けられ得る(例えば、妊娠関連状態の以前の診断を有していないことが知られているか、又は妊娠関連状態についての陰性の試験結果を受けた複数の対象から得られた又は誘導された、無細胞生物試料並びに関連するデータセット及び出力を含む訓練試料)。
【0131】
訓練されたアルゴリズムは、少なくとも約5、少なくとも約10、少なくとも約15、少なくとも約20、少なくとも約25、少なくとも約30、少なくとも約35、少なくとも約40、少なくとも約45、少なくとも約50、少なくとも約100、少なくとも約150、少なくとも約200、少なくとも約250、少なくとも約300、少なくとも約350、少なくとも約400、少なくとも約450、又は少なくとも約500の独立した訓練試料で訓練され得る。独立した訓練試料は、妊娠関連状態の存在に関連する無細胞生物試料及び/又は妊娠関連状態の非存在に関連する無細胞生物試料を含み得る。訓練されたアルゴリズムは、妊娠関連状態の存在に関連する約500個以下、約450個以下、約400個以下、約350個以下、約300個以下、約250個以下、約200個以下、約150個以下、約100個以下、又は約50個以下の独立した訓練試料で訓練され得る。いくつかの実施形態において、無細胞生物試料は、訓練されたアルゴリズムを訓練するために使用される試料とは無関係である。
【0132】
訓練されたアルゴリズムは、妊娠関連状態の存在に関連する第1の数の独立した訓練試料及び妊娠関連状態の非存在に関連する第2の数の独立した訓練試料で訓練され得る。妊娠関連状態の存在に関連する独立した訓練試料の第1の数は、妊娠関連状態の非存在に関連する独立した訓練試料の第2の数以下であり得る。妊娠関連状態の存在に関連する独立した訓練試料の第1の数は、妊娠関連状態の非存在に関連する独立した訓練試料の第2の数に等しくてもよい。妊娠関連状態の存在に関連する独立した訓練試料の第1の数は、妊娠関連状態の非存在に関連する独立した訓練試料の第2の数より多くてもよい。
【0133】
訓練されたアルゴリズムは、少なくとも約50%、少なくとも約55%、少なくとも約60%、少なくとも約65%、少なくとも約70%、少なくとも約75%、少なくとも約80%、少なくとも約81%、少なくとも約82%、少なくとも約83%、少なくとも約84%、少なくとも約85%、少なくとも約86%、少なくとも約87%、少なくとも約88%、少なくとも約89%、少なくとも約90%、少なくとも約91%、少なくとも約92%、少なくとも約93%、少なくとも約94%、少なくとも約95%、で少なくとも約96%、少なくとも約97%、少なくとも約98%、少なくとも約99%、又はそれを超える精度で;少なくとも約5、少なくとも約10、少なくとも約15、少なくとも約20、少なくとも約25、少なくとも約30、少なくとも約35、少なくとも約40、少なくとも約45、少なくとも約50、少なくとも約100、少なくとも約150、少なくとも約200、少なくとも約250、少なくとも約300、少なくとも約350、少なくとも約400、少なくとも約450、又は少なくとも約500の独立した訓練試料において妊娠関連状態を同定するように構成され得る。訓練されたアルゴリズムによって妊娠関連状態を同定する精度は、妊娠関連状態を有する又は有しないとして正しく同定又は分類された独立した試験試料(例えば、妊娠関連状態を有することが知られている対象又は妊娠関連状態について臨床試験結果が陰性である対象)の割合として計算され得る。
【0134】
訓練されたアルゴリズムは、少なくとも約5%、少なくとも約10%、少なくとも約15%、少なくとも約20%、少なくとも約25%、少なくとも約30%、少なくとも約35%、少なくとも約40%、少なくとも約50%、少なくとも約55%、少なくとも約60%、少なくとも約65%、少なくとも約70%、少なくとも約75%、少なくとも約80%、少なくとも約81%、少なくとも約82%、少なくとも約83%、少なくとも約84%、少なくとも約85%、少なくとも約86%、少なくとも約87%、少なくとも約88%、少なくとも約89%、少なくとも約90%、少なくとも約91%、少なくとも約92%、少なくとも約93%、少なくとも約94%、少なくとも約95%、少なくとも約96%、少なくとも約97%、少なくとも約98%、少なくとも約99%、又はそれを超える陽性予測値(PPV)で妊娠関連状態を同定するように構成され得る。訓練されたアルゴリズムを使用して妊娠関連状態を同定するPPVは、真に妊娠関連状態を有する対象に対応する、妊娠関連状態を有すると同定又は分類された無細胞生物試料のパーセンテージとして計算され得る。
【0135】
訓練されたアルゴリズムは、少なくとも約5%、少なくとも約10%、少なくとも約15%、少なくとも約20%、少なくとも約25%、少なくとも約30%、少なくとも約35%、少なくとも約40%、少なくとも約50%、少なくとも約55%、少なくとも約60%、少なくとも約65%、少なくとも約70%、少なくとも約75%、少なくとも約80%、少なくとも約81%、少なくとも約82%、少なくとも約83%、少なくとも約84%、少なくとも約85%、少なくとも約86%、少なくとも約87%、少なくとも約88%、少なくとも約89%、少なくとも約90%、少なくとも約91%、少なくとも約92%、少なくとも約93%、少なくとも約94%、少なくとも約95%、少なくとも約96%、少なくとも約97%、少なくとも約98%、少なくとも約99%、又はそれを超える陰性予測値(NPV)で妊娠関連状態を同定するように構成され得る。訓練されたアルゴリズムを使用して妊娠関連状態を同定するNPVは、真に妊娠関連状態を有しない対象に対応する、妊娠関連状態を有しないと同定又は分類された無細胞生物試料のパーセンテージとして計算され得る。
【0136】
訓練されたアルゴリズムは、少なくとも約5%、少なくとも約10%、少なくとも約15%、少なくとも約20%、少なくとも約25%、少なくとも約5%、30%、少なくとも約35%、少なくとも約40%、少なくとも約50%、少なくとも約55%、少なくとも約60%、少なくとも約65%、少なくとも約70%、少なくとも約75%、少なくとも約80%、少なくとも約81%、少なくとも約82%、少なくとも約83%、少なくとも約84%、少なくとも約85%、少なくとも約86%、少なくとも約87%、少なくとも約88%、少なくとも約89%、少なくとも約90%、少なくとも約91%、少なくとも約92%、少なくとも約93%、少なくとも約94%、少なくとも約95%、少なくとも約96%、少なくとも約97%、少なくとも約98%、少なくとも約99%、少なくとも約99.1%、少なくとも約99.2%、少なくとも約99.3%、少なくとも約99.4%、少なくとも約99.5%、少なくとも約99.6%、少なくとも約99.7%、少なくとも約99.8%、少なくとも約99.9%、少なくとも約99.99%、少なくとも約99.999%、又はそれを超える臨床感度で妊娠関連状態を同定するように構成され得る。訓練されたアルゴリズムを使用して妊娠関連状態を同定する臨床感度は、妊娠関連状態を有するとして正しく同定又は分類された、妊娠関連状態の存在に関連する独立した試験試料(例えば、妊娠関連状態を有することが知られている対象)のパーセンテージとして計算され得る。
【0137】
訓練されたアルゴリズムは、少なくとも約5%、少なくとも約10%、少なくとも約15%、少なくとも約20%、少なくとも約25%、約30%、少なくとも約35%、少なくとも約40%、少なくとも約50%、少なくとも約55%、少なくとも約60%、少なくとも約65%、少なくとも約70%、少なくとも約75%、少なくとも約80%、少なくとも約81%、少なくとも約82%、少なくとも約83%、少なくとも約84%、少なくとも約85%、少なくとも約86%、少なくとも約87%、少なくとも約88%、少なくとも約89%、少なくとも約90%、少なくとも約91%、少なくとも約92%、少なくとも約93%、少なくとも約94%、少なくとも約95%、少なくとも約96%、少なくとも約97%、少なくとも約98%、少なくとも約99%、少なくとも約99.1%、少なくとも約99.2%、少なくとも約99.3%、少なくとも約99.4%、少なくとも約99.5%、少なくとも約99.6%、少なくとも約99.7%、少なくとも約99.8%、少なくとも約99.9%、少なくとも約99.99%、少なくとも約99.999%、又はそれを超える臨床特異度で妊娠関連状態を同定するように構成され得る。訓練されたアルゴリズムを使用して妊娠関連状態を同定する臨床特異度は、妊娠関連状態を有していないとして正しく同定又は分類された、妊娠関連状態の非存在に関連する独立した試験試料(例えば、妊娠関連状態について臨床試験結果が陰性である対象)のパーセンテージとして計算され得る。
【0138】
訓練されたアルゴリズムは、少なくとも約0.50、少なくとも約0.55、少なくとも約0.60、少なくとも約0.65、少なくとも約0.70、少なくとも約0.75、少なくとも約0.80、少なくとも約0.81、少なくとも約0.82、少なくとも約0.83、少なくとも約0.84、少なくとも約0.85、少なくとも約0.86、少なくとも約0.87、少なくとも約0.88、少なくとも約0.89、少なくとも約0.90、少なくとも約0.91少なくとも約0.92、少なくとも約0.93、少なくとも約0.94、少なくとも約0.95、少なくとも約0.96、少なくとも約0.97、少なくとも約0.98、少なくとも約0.99、又はそれを超える曲線下面積(AUC)で妊娠関連状態を同定するように構成され得る。AUCは、妊娠関連状態を有する又は有しないとして無細胞生物試料を分類する訓練されたアルゴリズムに関連する受信者動作特性(ROC)曲線(例えば、ROC曲線下面積)の積分として計算され得る。
【0139】
訓練されたアルゴリズムは、妊娠関連状態を同定する性能、精度、PPV、NPV、臨床感度、臨床特異度、又はAUCのうちの1つ又は複数を改善するように調整又は適合させることができる。訓練されたアルゴリズムは、訓練されたアルゴリズムのパラメータ(例えば、本明細書中の他の箇所に記載されるような無細胞生物試料を分類するために使用されるカットオフ値のセット、又はニューラルネットワークの重み)を調整することによって、調整する又は適合させることができる。訓練されたアルゴリズムは、訓練プロセス中又は訓練プロセスが完了した後に連続的に調整又は適合することができる。
【0140】
訓練されたアルゴリズムが最初に訓練された後、入力のサブセットは、高品質の分類を行うために含まれるべき最も影響力のある又は最も重要なものと同定され得る。例えば、複数の妊娠関連状態関連ゲノム遺伝子座のサブセットは、妊娠関連状態(又は妊娠関連状態のサブタイプ)の高品質の分類又は同定を行うために含まれるべき最も影響力のある又は最も重要なものと同定され得る。複数の妊娠関連状態関連ゲノム遺伝子座又はそのサブセットは、妊娠関連状態(又は妊娠関連状態のサブタイプ)の高品質の分類又は同定を行うことに対する各ゲノム遺伝子座の影響又は重要性を示す分類基準に基づいてランク付けされ得る。そのような基準は、場合によっては、所望の性能レベル(例えば、所望の最小精度、PPV、NPV、臨床感度、臨床特異度、AUC、又はそれらの組み合わせに基づいて)まで訓練されたアルゴリズムを訓練するために使用され得る入力変数(例えば、予測変数)の数を大幅に減らすために使用され得る。例えば、訓練されたアルゴリズムで数十又は数百の入力変数を含む複数で訓練されたアルゴリズムを訓練すると、99%を超える分類の精度が得られる場合、代わりに、複数の中でそのような最も影響力のある又は最も重要な入力変数であり、分類の精度は低下するが、それでも許容できる、約5以下、約10以下、約15以下、約20以下、約25以下、約30以下、約35以下、約40以下、約45以下、約50以下、又は約100以下の選択されたサブセットのみで訓練されたアルゴリズムを訓練する(例えば、少なくとも約50%、少なくとも約55%、少なくとも約60%、少なくとも約65%、少なくとも約70%、少なくとも約75%、少なくとも約80%、少なくとも約81%、少なくとも約82%、少なくとも約83%、少なくとも約84%、少なくとも約85%、少なくとも約86%、少なくとも約87%、少なくとも約88%、少なくとも約89%、少なくとも約90%、少なくとも約91%、少なくとも約92%、少なくとも約93%、少なくとも約94%、少なくとも約95%、少なくとも約96%、少なくとも約97%、少なくとも約98%、又は少なくとも約99%)。サブセットは、複数の入力変数全体をランク順に並べ、最良の分類基準を有する所定数(例えば、約5以下、約10以下、約15以下、約20以下、約25以下、約30以下、約35以下、約40以下、約45以下、約50以下、又は約100以下)の入力変数を選択することによって選択することができる。
【0141】
妊娠関連状態の同定又はモニタリング
データセットを処理するために訓練されたアルゴリズムを使用した後、妊娠関連状態又は妊娠関連合併症は、対象において同定又はモニタリングされ得る。同定は、妊娠関連状態関連ゲノム遺伝子座のパネル(例えば、妊娠関連状態関連ゲノム遺伝子座におけるRNA転写物又はDNAの定量的測定)でのデータセットの配列リードの定量的測定、妊娠関連状態関連タンパク質のパネルでのデータセットのタンパク質の定量的測定を含むプロテオミクスデータ、及び/又は妊娠関連状態関連代謝産物のパネルの定量的測定を含むメタボロームデータに少なくとも部分的に基づき得る。
【0142】
妊娠関連状態は、対象において、少なくとも約50%、少なくとも約55%、少なくとも約60%、少なくとも約65%、少なくとも約70%、少なくとも約75%、少なくとも約80%、少なくとも約81%、少なくとも約82%、少なくとも約83%、少なくとも約84%、少なくとも約85%、少なくとも約86%、少なくとも約87%、少なくとも約88%、少なくとも約89%、少なくとも約90%、少なくとも約91%、少なくとも約92%、少なくとも約93%、少なくとも約94%、少なくとも約95%、少なくとも約96%、少なくとも約97%、少なくとも約98%、少なくとも約99%、又はそれを超える精度で同定され得る。訓練されたアルゴリズムによって妊娠関連状態を同定する精度は、妊娠関連状態を有する又は有しないとして正しく同定又は分類された独立した試験試料(例えば、妊娠関連状態を有することが知られている対象又は妊娠関連状態について臨床試験結果が陰性である対象)の割合として計算され得る。
【0143】
妊娠関連状態は、少なくとも約5%、少なくとも約10%、少なくとも約15%、少なくとも約20%、少なくとも約25%、少なくとも約30%、少なくとも約35%、少なくとも約40%、少なくとも約50%、少なくとも約55%、少なくとも約60%、少なくとも約65%、少なくとも約70%、少なくとも約75%、少なくとも約80%、少なくとも約81%、少なくとも約82%、少なくとも約83%、少なくとも約84%、少なくとも約85%、少なくとも約86%、少なくとも約87%、少なくとも約88%、少なくとも約89%、少なくとも約90%、少なくとも約91%、少なくとも約92%、少なくとも約93%、少なくとも約94%、少なくとも約95%、少なくとも約96%、少なくとも約97%、少なくとも約98%、少なくとも約99%、又はそれを超える陽性予測値(PPV)で対象において同定され得る。訓練されたアルゴリズムを使用して妊娠関連状態を同定するPPVは、真に妊娠関連状態を有する対象に対応する、妊娠関連状態を有すると同定又は分類された無細胞生物試料のパーセンテージとして計算され得る。
【0144】
妊娠関連状態は、少なくとも約5%、少なくとも約10%、少なくとも約15%、少なくとも約20%、少なくとも約25%、少なくとも約30%、少なくとも約35%、少なくとも約40%、少なくとも約50%、少なくとも約55%、少なくとも約60%、少なくとも約65%、少なくとも約70%、少なくとも約75%、少なくとも約80%、少なくとも約81%、少なくとも約82%、少なくとも約83%、少なくとも約84%、少なくとも約85%、少なくとも約86%、少なくとも約87%、少なくとも約88%、少なくとも約89%、少なくとも約90%、少なくとも約91%、少なくとも約92%、少なくとも約93%、少なくとも約94%、少なくとも約95%、少なくとも約96%、少なくとも約97%、少なくとも約98%、少なくとも約99%、又はそれを超える陰性予測値(NPV)で対象において同定され得る。訓練されたアルゴリズムを使用して妊娠関連状態を同定するNPVは、真に妊娠関連状態を有しない対象に対応する、妊娠関連状態を有しないと同定又は分類された無細胞生物試料のパーセンテージとして計算され得る。
【0145】
妊娠関連状態は、少なくとも約5%、少なくとも約10%、少なくとも約15%、少なくとも約20%、少なくとも約25%、少なくとも約30%、少なくとも約35%、少なくとも約40%、少なくとも約50%、少なくとも約55%、少なくとも約60%、少なくとも約65%、少なくとも約70%、少なくとも約75%、少なくとも約80%、少なくとも約81%、少なくとも約82%、少なくとも約83%、少なくとも約84%、少なくとも約85%、少なくとも約86%、少なくとも約87%、少なくとも約88%、少なくとも約89%、少なくとも約90%、少なくとも約91%、少なくとも約92%、少なくとも約93%、少なくとも約94%、少なくとも約95%、少なくとも約96%、少なくとも約97%、少なくとも約98%、少なくとも約99%、少なくとも約99.1%、少なくとも約99.2%、少なくとも約99.3%、少なくとも約99.4%、少なくとも約99.5%、少なくとも約99.6%、少なくとも約99.7%、少なくとも約99.8%、少なくとも約99.9%、少なくとも約99.99%、少なくとも約99.999%以上、又はそれを超える以上の臨床感度を有する対象において同定され得る。訓練されたアルゴリズムを使用して妊娠関連状態を同定する臨床感度は、妊娠関連状態を有するとして正しく同定又は分類された、妊娠関連状態の存在に関連する独立した試験試料(例えば、妊娠関連状態を有することが知られている対象)のパーセンテージとして計算され得る。
【0146】
妊娠関連状態は、少なくとも約5%、少なくとも約10%、少なくとも約15%、少なくとも約20%、少なくとも約25%、少なくとも約30%、少なくとも約35%、少なくとも約40%、少なくとも約50%、少なくとも約55%、少なくとも約60%、少なくとも約65%、少なくとも約70%、少なくとも約75%、少なくとも約80%、少なくとも約81%、少なくとも約82%、少なくとも約83%、少なくとも約84%、少なくとも約85%、少なくとも約86%、少なくとも約87%、少なくとも約88%、少なくとも約89%、少なくとも約90%、少なくとも約91%、少なくとも約92%、少なくとも約93%、少なくとも約94%、少なくとも約95%、少なくとも約96%、少なくとも約97%、少なくとも約98%、少なくとも約99%、少なくとも約99.1%、少なくとも約99.2%、少なくとも約99.3%、少なくとも約99.4%、少なくとも約99.5%、少なくとも約99.6%、少なくとも約99.7%、少なくとも約99.8%、少なくとも約99.9%、少なくとも約99.99%、少なくとも約99.999%以上、又はそれを超える臨床特異度を有する対象において同定され得る。訓練されたアルゴリズムを使用して妊娠関連状態を同定する臨床特異度は、妊娠関連状態を有していないとして正しく同定又は分類された、妊娠関連状態の非存在に関連する独立した試験試料(例えば、妊娠関連状態について臨床試験結果が陰性である対象)のパーセンテージとして計算され得る。
【0147】
一態様では、本開示は、対象が早産のリスクにあることを決定するための方法を提供し、方法が、対象に由来する無細胞生物試料をアッセイして、早産リスクを示すデータセットを生成すること、少なくとも80%の特異度で、無細胞生物試料とは独立した試料で訓練された訓練されたアルゴリズムを使用して、対象が少なくとも約50%、少なくとも約55%、少なくとも約60%、少なくとも約65%、少なくとも約70%、少なくとも約75%、少なくとも約80%、少なくとも約81%、少なくとも約82%、少なくとも約83%、少なくとも約84%、少なくとも約85%、少なくとも約86%、少なくとも約87%、少なくとも約88%、少なくとも約89%、少なくとも約90%、少なくとも約91%、少なくとも約92%、少なくとも約93%、少なくとも約94%、少なくとも約95%、少なくとも約96%、少なくとも約97%、少なくとも約98%、少なくとも約99%、又はそれを超える精度で早産のリスクがあると判断すること、を含む。
【0148】
対象において妊娠関連状態が同定された後、妊娠関連状態のサブタイプ(例えば、妊娠関連状態の複数のサブタイプの中から選択される)が、さらに同定され得る。妊娠関連状態のサブタイプは、妊娠関連状態関連ゲノム遺伝子座のパネル(例えば、妊娠関連状態に関連するゲノム遺伝子座におけるRNA転写物又はDNAの定量的測定)におけるデータセットの配列リードの定量的測定、妊娠関連状態関連タンパク質のパネルにおけるデータセットのタンパク質の定量的測定を含むプロテオミクスデータ、及び/又は妊娠関連状態関連代謝産物のパネルの定量的測定を含むメタボロームデータに少なくとも部分的に基づいて決定され得る。例えば、対象は、早産のサブタイプ(例えば、早産の複数のサブタイプの中から選択される)のリスクがあると同定され得る。対象を早産のサブタイプのリスクがあると同定した後、対象における臨床介入は、対象がリスクがあると同定された早産のサブタイプに少なくとも部分的に基づいて選択され得る。いくつかの態様では、臨床介入は、複数の臨床介入(例えば、早産の異なるサブタイプについて臨床的に示される)から選択される。
【0149】
いくつかの実施形態において、訓練されたアルゴリズムは、対象が、少なくとも約5%、少なくとも約10%、少なくとも約15%、少なくとも約20%、少なくとも約25%、少なくとも約30%、少なくとも約35%、少なくとも約40%、少なくとも約50%、少なくとも約55%、少なくとも約60%、少なくとも約65%、少なくとも約70%、少なくとも約75%、少なくとも約80%、少なくとも約81%、少なくとも約82%、少なくとも約83%、少なくとも約84%、少なくとも約85%、少なくとも約86%、少なくとも約87%、少なくとも約88%、少なくとも約89%、少なくとも約90%、少なくとも約91%、少なくとも約92%、少なくとも約93%、少なくとも約94%、少なくとも約95%、少なくとも約96%、少なくとも約97%、少なくとも約98%、少なくとも約99%、又はそれを超える早産のリスクがあると決定し得る。
【0150】
訓練されたアルゴリズムは、対象が、少なくとも約50%、少なくとも約55%、少なくとも約60%、少なくとも約65%、少なくとも約70%、少なくとも約75%、少なくとも約80%、少なくとも約81%、少なくとも約82%、少なくとも約83%、少なくとも約84%、少なくとも約85%、少なくとも約86%、少なくとも約87%、少なくとも約88%、少なくとも約89%、少なくとも約90%、少なくとも約91%、少なくとも約92%、少なくとも約93%、少なくとも約94%、少なくとも約95%、少なくとも約96%、少なくとも約97%、少なくとも約98%、少なくとも約99%、少なくとも約99.1%、少なくとも約99.2%、少なくとも約99.3%、少なくとも約99.4%、少なくとも約99.5%、少なくとも約99.6%、少なくとも約99.7%、少なくとも約99.8%、少なくとも約99.9%、少なくとも約99.99%、少なくとも約99.999%、又はそれを超える精度で早産のリスクがあると決定し得る。
【0151】
対象を妊娠関連状態を有すると同定すると、対象に任意選択で治療的介入(例えば、対象の妊娠関連状態を処置するための適切な一連の処置を処方すること)を行ってもよい。治療的介入は、薬物の有効量の処方、妊娠関連状態のさらなる試験若しくは評価、妊娠関連状態のさらなるモニタリング、分娩の誘発若しくは阻害、又はそれらの組み合わせを含み得る。対象が現在、妊娠関連状態について一連の処置で処置されている場合、治療的介入は、後続の異なる一連の処置を(例えば、現在の処置経過の非有効性に起因して処置有効性を増加させるために、)含み得る。
【0152】
治療的介入は、妊娠関連状態の診断を確認するための二次臨床試験のために対象を推奨することを含み得る。この二次臨床試験は、画像診断検査、血液検査、コンピュータ断層撮影(CT)スキャン、磁気共鳴画像法(MRI)スキャン、超音波スキャン、胸部X線、陽電子放射断層撮影(PET)スキャン、PET-CTスキャン、無細胞生物学的細胞学、羊水穿刺、非侵襲的出生前検査(NIPT)、又はそれらの任意の組み合わせを含み得る。
【0153】
妊娠関連状態関連ゲノム遺伝子座のパネルにおけるデータセットの配列リードの定量的測定(例えば、妊娠関連状態関連ゲノム遺伝子座におけるRNA転写物又はDNAの定量的測定)、妊娠関連状態関連タンパク質のパネルにおけるデータセットのタンパク質の定量的測定を含むプロテオミクスデータ、及び/又は妊娠関連状態関連代謝産物のパネルの定量的測定を含むメタボロームデータは、患者をモニタリングするためにある期間にわたって評価され得る(例えば、妊娠関連状態を有するか、又は妊娠関連状態の処置を受けている対象)。そのような場合、患者のデータセットの定量的測定は、処置の過程で変化し得る。例えば、有効な処置に起因して妊娠関連状態のリスクが低下している患者のデータセットの定量的測定は、健康な対象(例えば、妊娠関連合併症を有しない対象)のプロファイル又は分布にシフトし得る。逆に、例えば、効果のない処置のために妊娠関連状態のリスクが増加している患者のデータセットの定量的測定は、妊娠関連状態又はより進行した妊娠関連状態のリスクがより高い対象のプロファイル又は分布にシフトし得る。
【0154】
対象の妊娠関連状態は、対象の妊娠関連状態を処置するための一連の処置をモニタリングすることによってモニタリングすることができる。モニタリングは、2つ以上の時点で対象の妊娠関連状態を評価することを含み得る。評価は、少なくとも、妊娠関連状態関連ゲノム遺伝子座のパネル(例えば、妊娠関連状態に関連するゲノム遺伝子座におけるRNA転写物又はDNAの定量的測定)でのデータセットの配列リードの定量的測定、妊娠関連状態関連タンパク質のパネルでのデータセットのタンパク質の定量的測定を含むプロテオミクスデータ、及び/又は2つ以上の時点のそれぞれで決定された妊娠関連状態関連代謝産物のパネルの定量的測定を含むメタボロームデータに基づき得る。
【0155】
いくつかの実施形態において、妊娠関連状態関連ゲノム遺伝子座のパネルでのデータセットの配列リードの定量的測定の違い(例えば、妊娠関連状態関連ゲノム遺伝子座でのRNA転写物又はDNAの定量的測定)、妊娠関連状態関連タンパク質のパネルでのデータセットのタンパク質の定量的測定を含むプロテオミクスデータ、及び/又は、(i)対象の妊娠関連状態の診断、(ii)対象の妊娠関連状態の予後、(iii)対象の妊娠関連状態のリスクの増加、(iv)対象の妊娠関連状態のリスクの低下、(v)対象の妊娠関連状態を処置するための一連の処置の有効性、(vi)対象の妊娠関連状態を処置するための一連の処置の非有効性など、1つ又は複数の臨床徴候を示し得る2つ以上の時点の間で決定された妊娠関連状態関連代謝産物のパネルの定量的測定を含むメタボロームデータ。
【0156】
いくつかの実施形態において、2つ以上の時点の間に決定された、妊娠関連状態関連ゲノム遺伝子座のパネル(例えば、妊娠関連状態に関連するゲノム遺伝子座におけるRNA転写物又はDNAの定量的測定)でのデータセットの配列リードの定量的測定、妊娠関連状態関連タンパク質のパネルでのデータセットのタンパク質の定量的測定を含むプロテオミクスデータ、及び/又は妊娠関連状態関連代謝産物のパネルの定量的測定を含むメタボロームデータの差が、対象の妊娠関連状態の診断を示し得る。例えば、妊娠関連状態がより早い時点で対象において検出されなかったが、より遅い時点で対象において検出された場合、その差は、対象の妊娠関連状態の診断を示す。臨床的行動又は決定は、例えば、対象に新しい治療的介入を処方するなど、対象の妊娠関連状態の診断のこの指標に基づいて行われ得る。臨床的行動又は決定は、妊娠関連状態の診断を確認するための二次臨床試験のために対象を推奨することを含み得る。この二次臨床試験は、画像診断検査、血液検査、コンピュータ断層撮影(CT)スキャン、磁気共鳴画像法(MRI)スキャン、超音波スキャン、胸部X線、陽電子放射断層撮影(PET)スキャン、PET-CTスキャン、無細胞生物学的細胞学、羊水穿刺、非侵襲的出生前検査(NIPT)、又はそれらの任意の組み合わせを含み得る。
【0157】
いくつかの実施形態において、2つ以上の時点の間に決定された、妊娠関連状態関連ゲノム遺伝子座のパネル(例えば、妊娠関連状態に関連するゲノム遺伝子座におけるRNA転写物又はDNAの定量的測定)でのデータセットの配列リードの定量的測定、妊娠関連状態関連タンパク質のパネルでのデータセットのタンパク質の定量的測定を含むプロテオミクスデータ、及び/又は妊娠関連状態関連代謝産物のパネルの定量的測定を含むメタボロームデータの差が、対象の妊娠関連状態の予後を示し得る。
【0158】
いくつかの実施形態において、2つ以上の時点の間に決定された、妊娠関連状態関連ゲノム遺伝子座のパネル(例えば、妊娠関連状態に関連するゲノム遺伝子座におけるRNA転写物又はDNAの定量的測定)でのデータセットの配列リードの定量的測定、妊娠関連状態関連タンパク質のパネルでのデータセットのタンパク質の定量的測定を含むプロテオミクスデータ、及び/又は妊娠関連状態関連代謝産物のパネルの定量的測定を含むメタボロームデータの差が、対象が妊娠関連状態の増加したリスクを有することを示し得る。例えば、妊娠関連状態が、より早い時点及びより遅い時点の両方で対象において検出され、その差が、負の差(例えば、妊娠関連状態関連ゲノム遺伝子座のパネルにおけるデータセットの配列リードの定量的測定(例えば、妊娠関連状態に関連するゲノム遺伝子座におけるRNA転写物又はDNAの定量的測定)、妊娠関連状態関連タンパク質のパネルにおけるデータセットのタンパク質の定量的測定を含むプロテオミクスデータ、及び/又はより早い時点からより遅い時点まで増加した妊娠関連状態関連代謝産物のパネルの定量的測定を含むメタボロームデータ)である場合、その差は、対象が妊娠関連状態の増加したリスクを有することを示し得る。臨床的行動又は決定は、妊娠関連状態のリスクの増加のこの指標に基づいて、例えば、対象に対する新しい治療的介入を処方するか、又は治療的介入の切り替え(例えば、現在の処置を終了し、新しい処置を処方すること)を行ってもよい。臨床的行動又は決定は、妊娠関連状態のリスクの増加を確認するために、対象を二次臨床試験のために推奨することを含み得る。この二次臨床試験は、画像診断検査、血液検査、コンピュータ断層撮影(CT)スキャン、磁気共鳴画像法(MRI)スキャン、超音波スキャン、胸部X線、陽電子放射断層撮影(PET)スキャン、PET-CTスキャン、無細胞生物学的細胞学、羊水穿刺、非侵襲的出生前検査(NIPT)、又はそれらの任意の組み合わせを含み得る。
【0159】
いくつかの実施形態において、2つ以上の時点の間に決定された、妊娠関連状態関連ゲノム遺伝子座のパネル(例えば、妊娠関連状態に関連するゲノム遺伝子座におけるRNA転写物又はDNAの定量的測定)でのデータセットの配列リードの定量的測定、妊娠関連状態関連タンパク質のパネルでのデータセットのタンパク質の定量的測定を含むプロテオミクスデータ、及び/又は妊娠関連状態関連代謝産物のパネルの定量的測定を含むメタボロームデータの差が、対象が妊娠関連状態の低下したリスクを有することを示し得る。例えば、妊娠関連状態が、より早い時点及びより遅い時点の両方で対象において検出され、その差が、正の差(例えば、妊娠関連状態関連ゲノム遺伝子座のパネルにおけるデータセットの配列リードの定量的測定(例えば、妊娠関連状態に関連するゲノム遺伝子座におけるRNA転写物又はDNAの定量的測定)、妊娠関連状態関連タンパク質のパネルにおけるデータセットのタンパク質の定量的測定を含むプロテオミクスデータ、及び/又はより早い時点からより遅い時点まで増加した妊娠関連状態関連代謝産物のパネルの定量的測定を含むメタボロームデータ)である場合、その差は、対象が妊娠関連状態の低下したリスクを有することを示し得る。臨床的行動又は決定は、対象の妊娠関連状態(例えば、現在の治療的介入の継続又は終了)の低下したリスクのこの指標に基づいて行われ得る。臨床的行動又は決定は、妊娠関連状態の低下したリスクを確認するために、対象を二次臨床試験のために推奨することを含み得る。この二次臨床試験は、画像診断検査、血液検査、コンピュータ断層撮影(CT)スキャン、磁気共鳴画像法(MRI)スキャン、超音波スキャン、胸部X線、陽電子放射断層撮影(PET)スキャン、PET-CTスキャン、無細胞生物学的細胞学、羊水穿刺、非侵襲的出生前検査(NIPT)、又はそれらの任意の組み合わせを含み得る。
【0160】
いくつかの実施形態において、2つ以上の時点の間に決定された、妊娠関連状態関連ゲノム遺伝子座のパネル(例えば、妊娠関連状態に関連するゲノム遺伝子座におけるRNA転写物又はDNAの定量的測定)でのデータセットの配列リードの定量的測定、妊娠関連状態関連タンパク質のパネルでのデータセットのタンパク質の定量的測定を含むプロテオミクスデータ、及び/又は妊娠関連状態関連代謝産物のパネルの定量的測定を含むメタボロームデータの差が、対象の妊娠関連状態を処置するための一連の処置の有効性を示し得る。例えば、妊娠関連状態がより早い時点で対象において検出されたが、より遅い時点で対象において検出されなかった場合、その差は、対象の妊娠関連状態を処置するための一連の処置の有効性を示し得る。臨床的行動又は決定は、対象の妊娠関連状態を処置するための一連の処置の有効性のこの指標に基づいて、例えば、対象に対する現在の治療的介入を継続又は終了することに基づいて行われ得る。臨床的行動又は決定は、妊娠関連状態を処置するための一連の処置の有効性を確認するために、二次臨床試験のために対象を推奨することを含み得る。この二次臨床試験は、画像診断検査、血液検査、コンピュータ断層撮影(CT)スキャン、磁気共鳴画像法(MRI)スキャン、超音波スキャン、胸部X線、陽電子放射断層撮影(PET)スキャン、PET-CTスキャン、無細胞生物学的細胞学、羊水穿刺、非侵襲的出生前検査(NIPT)、又はそれらの任意の組み合わせを含み得る。
【0161】
いくつかの実施形態において、2つ以上の時点の間に決定された、妊娠関連状態関連ゲノム遺伝子座のパネル(例えば、妊娠関連状態に関連するゲノム遺伝子座におけるRNA転写物又はDNAの定量的測定)でのデータセットの配列リードの定量的測定、妊娠関連状態関連タンパク質のパネルでのデータセットのタンパク質の定量的測定を含むプロテオミクスデータ、及び/又は妊娠関連状態関連代謝産物のパネルの定量的測定を含むメタボロームデータの差が、対象の妊娠関連状態を処置するための一連の処置の非有効性を示し得る。例えば、妊娠関連状態がより早い時点とより遅い時点の両方で対象において検出された場合、及びその差が負又はゼロの差(例えば、妊娠関連状態関連ゲノム遺伝子座のパネルにおけるデータセットの配列リードの定量的測定(例えば、妊娠関連状態に関連するゲノム遺伝子座におけるRNA転写物又はDNAの定量的測定)、妊娠関連状態関連タンパク質のパネルにおけるデータセットのタンパク質の定量的測定を含むプロテオミクスデータ、及び/又はより早い時点からより遅い時点まで一定レベルで増加又は維持された妊娠関連状態関連代謝産物のパネルの定量的測定を含むメタボロームデータ)である場合、及び有効な処置がより早い時点で示された場合、その差は、対象の妊娠関連状態を処置するための一連の処置の非有効性を示し得る。臨床的行動又は決定は、対象の妊娠関連状態を処置するための一連の処置の非有効性のこの指標に基づいて、例えば、現在の治療的介入を終了すること、及び/又は対象のための異なる新しい治療的介入に切り替えること(例えば、処方すること)に基づいて行われ得る。臨床的行動又は決定は、妊娠関連状態を処置するための一連の処置の非有効性を確認するために、対象を二次臨床試験のために推奨することを含み得る。この二次臨床試験は、画像診断検査、血液検査、コンピュータ断層撮影(CT)スキャン、磁気共鳴画像法(MRI)スキャン、超音波スキャン、胸部X線、陽電子放射断層撮影(PET)スキャン、PET-CTスキャン、無細胞生物学的細胞学、羊水穿刺、非侵襲的出生前検査(NIPT)、又はそれらの任意の組み合わせを含み得る。
【0162】
別の態様では、本開示は、対象の早産のリスクを予測するためのコンピュータ実装方法であって、(a)対象の臨床健康データを受け取ることであって、臨床健康データが、対象の複数の定量的又はカテゴリ尺度を含む、対象の臨床健康データを受け取ること、(b)訓練されたアルゴリズムを使用して対象の臨床健康データを処理し、対象の早産のリスクを示すリスクスコアを決定すること、及び(c)対象の早産のリスクを示すリスクスコアを示すレポートを電子的に出力すること、を含むコンピュータ実装方法を提供する。
【0163】
いくつかの実施形態において、例えば、臨床健康データは、年齢、体重、身長、肥満度指数(BMI)、血圧、心拍数、血糖値、以前の妊娠回数、及び以前の出産回数などの対象の1つ又は複数の定量的測定を含む。別の例として、臨床健康データは、人種、民族性、薬物又は他の臨床処置の履歴、タバコ使用の履歴、アルコール摂取の履歴、毎日の活動又はフィットネスレベル、遺伝子検査結果、血液検査結果、画像診断結果、及び胎児スクリーニング結果などの1つ又は複数のカテゴリ尺度を含むことができる。
【0164】
いくつかの実施形態において、対象の早産のリスクを予測するためのコンピュータ実装方法は、コンピュータ又はモバイル装置アプリケーションを使用して実行される。例えば、対象は、コンピュータ又はモバイル装置アプリケーションを使用して、定量的及び/又はカテゴリ尺度を含む自身の臨床健康データを入力することができる。次いで、コンピュータ又はモバイル装置アプリケーションは、訓練されたアルゴリズムを使用して臨床健康データを処理し、対象の早産のリスクを示すリスクスコアを決定することができる。次いで、コンピュータ又はモバイル装置アプリケーションは、対象の早産のリスクを示すリスクスコアを示すレポートを表示することができる。
【0165】
いくつかの実施形態において、対象の早産のリスクを示すリスクスコアは、対象の1つ又は複数の後続の臨床試験を行うことによって精緻化することができる。例えば、対象は、初期リスクスコアに基づいて、1つ又は複数の後続の臨床試験(例えば、超音波画像診断又は血液検査)のために医師によって参照され得る。次に、コンピュータ又はモバイル装置アプリケーションは、訓練されたアルゴリズムを使用して1つ又は複数の後続の臨床試験からの結果を処理して、対象の早産のリスクを示す更新されたリスクスコアを決定し得る。
【0166】
いくつかの実施形態において、リスクスコアは、対象が所定の期間内に早産である尤度を含む。例えば、所定の期間は、約1時間、約2時間、約4時間、約6時間、約8時間、約10時間、約12時間、約14時間、約16時間、約18時間、約20時間、約22時間、約24時間、約1.5日間、約2日間、約2.5日間、約3日間、約3.5日間、約4日間、約4.5日間、約5日間、約5.5日間、約6日間、約6.5日間、約7日間、約8日間、約9日間、約10日間、約12日間、約14日間、約3週間、約4週間、約5週間、約6週間、約7週間、約8週間、約9週間、約10週間、約11週間、約12週間、約13週間、又は約13週間超であり得る。
【0167】
妊娠関連状態のレポートの出力
対象において妊娠関連状態が同定された後、又は妊娠関連状態のリスクの増加がモニタリングされた後、対象の妊娠関連状態を示す(例えば、同定するか、又は示唆を提供する)レポートが電子的に出力され得る。対象は、妊娠に関する状態(例えば、妊娠関連合併症などの妊娠関連状態が無症候性である)を表示しなくてもよい。レポートは、ユーザの電子デバイスのグラフィカル・ユーザ・インターフェース(GUI)上に提示されてもよい。ユーザは、対象、介護者、医師、看護師、又は他の医療従事者であってもよい。
【0168】
レポートは、(i)対象の妊娠関連状態の診断、(ii)対象の妊娠関連状態の予後、(iii)対象の妊娠関連状態のリスクの増加、(iv)対象の妊娠関連状態のリスクの低下、(v)対象の妊娠関連状態を処置するための一連の処置の有効性、及び(vi)対象の妊娠関連状態を処置するための一連の処置の非有効性などの1つ又は複数の臨床徴候を含み得る。レポートは、これらの1つ又は複数の臨床徴候に基づいて行われた1つ又は複数の臨床的行動又は決定を含み得る。そのような臨床的行動又は決定は、治療的介入、分娩の誘発若しくは阻害、又は対象の妊娠関連状態のさらなる臨床的評価若しくは試験を対象とし得る。
【0169】
例えば、対象の妊娠関連状態の診断の臨床徴候は、対象に新しい治療的介入を処方する臨床的行動を伴い得る。別の例として、対象の妊娠関連状態のリスク増加の臨床徴候は、対象に新しい治療的介入を処方するか、又は治療的介入(例えば、現在の処置を終了し、新しい処置を処方すること)を切り替える臨床的行動を伴い得る。別の例として、対象の妊娠関連状態のリスク低下の臨床徴候は、対象に対する現在の治療的介入を継続又は終了する臨床的行動を伴い得る。別の例として、対象の妊娠関連状態を処置するための一連の処置の有効性の臨床徴候は、対象に対する現在の治療的介入を継続又は終了する臨床的行動を伴い得る。別の例として、対象の妊娠関連状態を処置するための一連の処置の非有効性の臨床徴候は、現在の治療的介入を終了する、及び/又は対象の異なる新しい治療的介入に切り替える(例えば、処方する)臨床的行動を伴い得る。
【0170】
コンピュータシステム
本開示は、本開示の方法を実施するようにプログラムされたコンピュータシステムを提供する。図2は、例えば、(i)訓練されたアルゴリズムを訓練及び試験し、(ii)訓練されたアルゴリズムを使用してデータを処理し、対象の妊娠関連状態を決定し、(iii)対象の妊娠関連状態を示す定量的尺度を決定し、(iv)対象の妊娠関連状態を同定する又はモニタリングし、(v)対象の妊娠関連状態を示すレポートを電子的に出力するようにプログラム又は他の方法で構成されたコンピュータシステム201を示す。
【0171】
コンピュータシステム201は、例えば、(i)訓練されたアルゴリズムを訓練及び試験すること、(ii)訓練されたアルゴリズムを使用してデータを処理し、対象の妊娠関連状態を決定すること、(iii)対象の妊娠関連状態を示す定量的尺度を決定すること、(iv)対象の妊娠関連状態を同定又はモニタリングすること、及び(v)対象の妊娠関連状態を示すレポートを電子的に出力することなど、本開示の分析、計算、及び生成の様々な態様を制御することができる。コンピュータシステム201は、ユーザの電子デバイス、又は電子デバイスに対して遠隔に配置されたコンピュータシステムとすることができる。電子デバイスは、モバイル電子デバイスとすることができる。
【0172】
コンピュータシステム201は、シングルコア若しくはマルチコアプロセッサ、又は並列処理のための複数のプロセッサとすることができる中央処理装置(CPU、本明細書では「プロセッサ」及び「コンピュータプロセッサ」)205を含む。コンピュータシステム201はまた、メモリ又はメモリ位置210(例えば、ランダムアクセスメモリ、読み出し専用メモリ、フラッシュメモリ)と、電子記憶ユニット215(例えば、ハードディスク)と、1つ又は複数の他のシステムと通信するための通信インターフェース220(例えば、ネットワークアダプタ)と、キャッシュ、他のメモリ、データストレージ、及び/又は電子ディスプレイアダプタなどの周辺装置225とを含む。メモリ210、記憶ユニット215、インターフェース220、及び周辺装置225は、マザーボードなどの通信バス(実線)を介してCPU205と通信する。記憶ユニット215は、データを記憶するためのデータ記憶ユニット(又はデータ保存場所)とすることができる。コンピュータシステム201は、通信インターフェース220の助けを借りてコンピュータネットワーク(「ネットワーク」)230に動作可能に結合することができる。ネットワーク230は、インターネット、インターネット及び/若しくはエクストラネット、又はインターネットと通信するイントラネット及び/若しくはエクストラネットとすることができる。
【0173】
ネットワーク230は、場合によっては、電気通信及び/又はデータネットワークである。ネットワーク230は、クラウドコンピューティングなどの分散コンピューティングを可能にすることができる1つ又は複数のコンピュータサーバを含むことができる。例えば、1つ又は複数のコンピュータサーバは、ネットワーク230(「クラウド」)を介したクラウドコンピューティングが、例えば、(i)訓練されたアルゴリズムを訓練及び試験すること、(ii)データを処理して対象の妊娠関連状態を決定するために訓練されたアルゴリズムを使用すること、(iii)対象の妊娠関連状態を示す定量的尺度を決定すること、(iv)対象の妊娠関連状態を同定又はモニタリングすること、及び(v)対象の妊娠関連状態を示すレポートを電子的に出力することなど、本開示の分析、計算、及び生成の様々な態様を実行することを可能にし得る。そのようなクラウドコンピューティングは、例えば、Amazon Web Services(AWS)、Microsoft Azure、Google Cloud Platform、及びIBMクラウドなどのクラウド・コンピューティング・プラットフォームによって提供され得る。ネットワーク230は、場合によっては、コンピュータシステム201の助けを借りて、コンピュータシステム201に結合されたデバイスが、クライアント又はサーバとして動作することを可能にすることができるピアツーピアネットワークを実装することができる。
【0174】
CPU205は、1つ又は複数のコンピュータプロセッサ及び/又は1つ又は複数のグラフィックス・プロセッシング・ユニット(GPU)を含んでもよい。CPU205は、プログラム又はソフトウェアで具現化することができる一連の機械可読命令を実行することができる。命令は、メモリ210などのメモリ位置に格納することができる。命令は、CPU205を対象とすることができ、CPU205は、その後、本開示の方法を実施するようにCPU205をプログラム又は他の方法で構成することができる。CPU205によって実行される動作の例は、フェッチ、デコード、実行、及びライトバックを含むことができる。
【0175】
CPU205は、集積回路などの回路の一部とすることができる。システム201の1つ又は複数の他の構成要素を回路に含めることができる。場合によっては、回路は特定用途向け集積回路(ASIC)である。
【0176】
記憶ユニット215は、ドライバ、ライブラリ、及び保存されたプログラムなどのファイルを記憶することができる。記憶ユニット215は、ユーザデータ、例えば、ユーザプレファレンス及びユーザプログラムを記憶することができる。コンピュータシステム201は、場合によっては、イントラネット又はインターネットを介してコンピュータシステム201と通信するリモートサーバ上に位置するなど、コンピュータシステム201の外部にある1つ又は複数の追加のデータ記憶ユニットを含むことができる。
【0177】
コンピュータシステム201は、ネットワーク230を介して1つ又は複数のリモート・コンピュータ・システムと通信することができる。例えば、コンピュータシステム201は、ユーザのリモート・コンピュータ・システムと通信することができる。リモート・コンピュータ・システムの例には、パーソナルコンピュータ(例えば、ポータブルPC)、スレート若しくはタブレットPC(例えば、Apple(登録商標)iPad、Samsung(登録商標)Galaxy Tab)、電話、スマートフォン(例えば、Apple(登録商標)iPhone、Android対応デバイス、Blackberry(登録商標))、又は携帯情報端末が含まれる。ユーザは、ネットワーク230を介してコンピュータシステム201にアクセスすることができる。
【0178】
本明細書に記載の方法は、例えば、メモリ210又は電子記憶ユニット215などのコンピュータシステム201の電子記憶場所に記憶された機械(例えば、コンピュータプロセッサ)実行可能コードによって実施することができる。機械実行可能コード又は機械可読コードは、ソフトウェアの形態で提供することができる。使用中、コードは、プロセッサ205によって実行することができる。場合によっては、コードは、記憶ユニット215から取り出され、プロセッサ205による容易なアクセスのためにメモリ210に記憶され得る。いくつかの状況では、電子記憶ユニット215を除外することができ、機械実行可能命令がメモリ210に記憶される。
【0179】
コードは、コードを実行するように適合されたプロセッサを有する機械で使用するために事前コンパイルする及び構成することができ、又はランタイム中にコンパイルすることができる。コードは、コードが事前コンパイルされた方法又はコンパイルされた方法で実行することを可能にするように選択することができるプログラミング言語で供給することができる。
【0180】
コンピュータシステム201など、本明細書で提供されるシステム及び方法の態様は、プログラミングにおいて具現化することができる。本技術の様々な態様は、典型的には機械(又はプロセッサ)実行可能コード及び/又はある種の機械可読媒体上に担持されるか又はそれに具体化される関連データの形態の「商品」又は「製造物品」と考えることができる。機械実行可能コードは、メモリ(例えば、読み出し専用メモリ、ランダムアクセスメモリ、フラッシュメモリ)又はハードディスクなどの電子記憶ユニットに記憶することができる。「記憶」タイプの媒体は、コンピュータ、プロセッサなどの有形メモリ、又は様々な半導体メモリ、テープドライブ、ディスクドライブなどの関連モジュールのいずれか又はすべてを含むことができ、ソフトウェアプログラミングのためにいつでも非一時的記憶を提供し得る。ソフトウェアの全部又は一部は、インターネット又は様々な他の電気通信ネットワークを介して通信されることがある。そのような通信は、例えば、あるコンピュータ又はプロセッサから別のコンピュータ又はプロセッサへの、例えば管理サーバ又はホストコンピュータからアプリケーションサーバのコンピュータプラットフォームへのソフトウェアのロードを可能にすることができる。したがって、ソフトウェア要素を担持することができる別のタイプの媒体は、ローカルデバイス間の物理インターフェースにわたって、有線及び光の地上ネットワークを介して、及び様々なエアリンクを介して使用されるような、光波、電気波、及び電磁波を含む。有線又は無線リンク、光リンクなど、そのような波を搬送する物理的要素もまた、ソフトウェアを運ぶ媒体と考え得る。本明細書で使用される場合、非一時的で有形の「記憶」媒体に限定されない限り、コンピュータ又は機械の「可読媒体」などの用語は、実行のためにプロセッサに命令を提供することに関与する任意の媒体を指す。
【0181】
したがって、コンピュータ実行可能コードなどの機械可読媒体は、有形記憶媒体、搬送波媒体、又は物理伝送媒体を含むが、これらに限定されない多くの形態をとることができる。不揮発性記憶媒体は、例えば、図面に示されるデータベースなどを実装するために使用され得る任意の(1又は複数の)コンピュータなどの記憶装置のいずれかなどの光学又は磁気ディスクを含む。揮発性記憶媒体は、そのようなコンピュータプラットフォームのメインメモリなどのダイナミックメモリを含む。有形伝送媒体は、同軸ケーブル;コンピュータシステム内にバスを備えるワイヤを含む、銅ワイヤ及び光ファイバを含む。搬送波伝送媒体は、電気信号若しくは電磁信号、又は無線周波数(RF)及び赤外線(IR)データ通信中に生成されるような音波又は光波の形態をとることができる。したがって、コンピュータ可読媒体の一般的な形態は、例えば、フロッピーディスク、フレキシブルディスク、ハードディスク、磁気テープ、任意の他の磁気媒体、CD-ROM、DVD若しくはDVD-ROM、任意の他の光学媒体、パンチカード紙テープ、穴のパターンを有する任意の他の物理的記憶媒体、RAM、ROM、PROM及びEPROM、FLASH-EPROM、任意の他のメモリチップ若しくはカートリッジ、データ若しくは命令を搬送する搬送波、そのような搬送波を搬送するケーブル若しくはリンク、又はコンピュータがプログラミングコード及び/若しくはデータを読み取り得る任意の他の媒体を含む。これらの形態のコンピュータ可読媒体の多くは、実行のために1つ又は複数の命令の1つ又は複数の配列決定をプロセッサに運ぶことに関与することができる。
【0182】
コンピュータシステム201は、例えば、(i)訓練されたアルゴリズムの訓練及び試験を示す視覚ディスプレイ、(ii)対象の妊娠関連状態を示すデータの視覚ディスプレイ、(iii)対象の妊娠関連状態の定量的尺度、(iv)妊娠関連状態を有する対象の同定、又は(v)対象の妊娠関連状態を示す電子レポートを提供するためのユーザインターフェース(UI)240を含む電子ディスプレイ235を含むか、又はそれと通信することができる。UIの例には、グラフィカル・ユーザ・インターフェース(GUI)及びウェブベースのユーザインターフェースが含まれるが、これらに限定されない。
【0183】
本開示の方法及びシステムは、1つ又は複数のアルゴリズムによって実施することができる。アルゴリズムは、中央処理装置205による実行時にソフトウェアによって実施することができる。アルゴリズムは、例えば、(i)訓練されたアルゴリズムを訓練及び試験し、(ii)訓練されたアルゴリズムを使用してデータを処理し、対象の妊娠関連状態を決定し、(iii)対象の妊娠関連状態を示す定量的尺度を決定し、(iv)対象の妊娠関連状態を同定又はモニタリングし、(v)対象の妊娠関連状態を示すレポートを電子的に出力することができる。
【0184】
[実施例]
[実施例1]
対象のコホート
図3Aに示すように、本開示の方法及びシステムを使用して、1つ又は複数の生物試料(例えば、各々2又は3)を採取し、各対象の胎児の推定妊娠期間(y軸上に、分娩時の推定妊娠期間の昇順で示される)に対応する異なる時点でアッセイした対象(例えば、妊婦)の第1のコホートを(x軸に患者識別番号を示して)確立した。例えば、推定妊娠期間(y軸上に示される)は、超音波画像診断、最終月経期間(LMP)日、又はそれらの組み合わせなどの方法を使用して決定されてよく、0~約42週の範囲であり得る。第1のコホートは、異なる研究で使用するために異なる試料タイプが採取された対象を含み、これには、各対象の胎児の分娩の予測、出産予定日の予測、及び実際の妊娠期間の予測のための研究が含まれる。図3Bは、医療記録抽象化時の各参加者の年齢に基づく第1のコホートの参加者の分布を示す。図3Cは、各参加者の人種に基づく第1のコホートの100名の参加者の分布を示す。図3Dは、各試料の採取時の各参加者の推定妊娠期間及び妊娠三期間に基づく妊娠期間コホートにおける採取された試料の分布を示す。図3Eは、採取された試料の試験試料タイプに基づく第1のコホートにおける225個の採取された試料の分布を示す。
【0185】
図4Aに示すように、対象(例えば、妊婦)の第2のコホートを確立し(x軸に患者識別番号を示す)、そこから1つ又は複数の生物試料(例えば、各々1、2、又は3)を採取し、本開示の方法及びシステムを使用して、各対象の胎児の推定妊娠期間(y軸上に、分娩時の推定妊娠期間の昇順で示される)に対応する異なる時点でアッセイした。例えば、推定妊娠期間(y軸上に示される)は、超音波画像診断、最終月経期間(LMP)日、又はそれらの組み合わせなどの方法を使用して決定されてよく、0~約42週の範囲であり得る。第2のコホートは、異なる研究で使用するために異なる試料タイプが採取された対象を含み、これには、各対象の早産の予測、胎児の分娩の予測、出産予定日の予測、及び実際の妊娠期間の予測のための研究が含まれる。図4Bは、医療記録抽象化時の各参加者の年齢に基づく第2のコホートの参加者の分布を示す。図4Cは、各参加者の人種に基づく第2のコホートの128人の参加者の分布を示す。図4Dは、各試料の採取時の各参加者の推定妊娠期間及び妊娠三期間に基づく第2のコホートにおける採取された試料の分布を示す。図4Eは、採取された試料の研究試料タイプに基づく、第2のコホートにおける160個の採取された試料の分布を示す。
【0186】
[実施例2]
出産予定日の予測
図5Aに示すように、対象(例えば、妊婦)の出産予定日コホートを確立し(x軸に患者識別番号を示す)、そこから1つ又は複数の生物試料(例えば、各々1又は2)を採取し、本開示の方法及びシステムを使用して、各対象の胎児の推定妊娠期間(y軸上に、分娩時の推定妊娠期間の昇順で示される)に対応する異なる時点でアッセイした。出産予定日コホートは、実施例1に記載されているように、第1のコホート及び第2のコホートからの対象を含んでいた。出産予定日コホートは、異なる研究で使用するために異なる試料タイプが採取された対象を含み、これには、各対象の早産の予測(例えば、対照として)、胎児の分娩の予測、出産予定日の予測、及び実際の妊娠期間の予測のための研究が含まれる。
【0187】
図5Bは、試料採取日と分娩日(分娩までの時間)との間の時間に基づく出産予定日コホートにおける採取された試料の分布を示す。すべての試料を、分娩日の12週間未満前の妊娠第3期に採取し、そのうち59個の試料の分娩までの時間は7.5週間未満であり、43個の試料の出産までの時間は5週間未満であった。本開示のシステム及び方法を使用して、分娩までの時間が7.5週間未満の59個の試料から予測モデルの第1のセットを生成し、分娩までの時間が5週間未満の43個の試料から予測モデルの第2のセットを生成した。予測モデルのセットは、推定出産予定日情報(例えば、超音波測定値からの推定妊娠期間を使用して決定される)を用いて、及び推定出産予定日情報を用いないで、生成された予測モデルを含んでいた。予測モデルの各々は、弾性正味正則化を伴う線形回帰モデルを含んでいた。予測モデルの生成には、それぞれのコホートの中で(例えば、最も予測的だった)出産予定日(例えば、分娩までの時間によって測定される場合)と最も高い相関を有する4セットの遺伝子を同定することが含まれ、(1)推定出産予定日情報を用いる7.5週間未満の分娩までの時間、(2)推定出産予定日情報を用いない7.5週間未満の分娩までの時間、(3)推定出産予定日情報を用いる5週間未満の分娩までの時間、及び(4)推定出産予定日情報を用いない5週間未満の分娩までの時間が含まれる。出産予定日を予測するこれら4セットの遺伝子を表1に列挙する。
【表1】
【0188】
【0189】
【0190】
図5Cは、出産予定日の第1及び第2の予測モデルで使用される遺伝子の重複を示すベン図である。第1の予測モデルは、合計51個の最も予測的な遺伝子を有し、第2の予測モデルは、合計49個の最も予測的な遺伝子を有した。さらに、2つの予測モデル間で重複する遺伝子は、5つのみであった。
【0191】
図5Dは、出産予定日コホートの対象の予測された分娩までの時間(週)と観察された(実際の)分娩までの時間(週)との間の一致を示すプロットである。予測した分娩までの時間アウトカムは、表1に列挙した予測遺伝子に基づくそれぞれの予測モデルを使用して生成した。
【0192】
図5Eは、5週間未満の分娩までの時間を有する試料を使用する予測モデル及び7.5週間未満の分娩までの時間を有する試料を使用する予測モデルを含む、出産予定日を予測するための予測モデルの要約を示す。異なる予測モデルが、推定出産予定日情報(例えば、超音波測定値からの推定妊娠期間を使用して決定される)を用いる、及び推定出産予定日情報を用いずに生成された。予測モデルでの使用について合計約15,000個の遺伝子を評価した(例えば、遺伝子発見プロセスの一部として)。さらに、「<5週間」及び「<7.5週」の試料セットの中で、それぞれ合計130個の遺伝子及び62個の遺伝子が、出産予定日を予測するものとして同定された。「<5週」及び「<7.5週」の試料集合のうち、推定出産予定日情報を用いない出産予定日予測モデル(例えば、超音波から)に含めるために、それぞれ合計28個及び47個の遺伝子を同定した。「<5週」及び「<7.5週」の試料セットのうち、推定出産予定日情報(例えば、超音波から)を用いて出産予定日を予測する予測モデルに含めるために、それぞれ合計50個及び48個の遺伝子を同定した。
【0193】
[実施例3]
妊娠期間(GA)の予測
図6Aに示すように、本開示の方法及びシステムを使用して、1つ又は複数の生物試料(例えば、各々1又は2)を採取し、各対象の胎児の推定妊娠期間に対応する異なる時点でアッセイした対象(例えば、妊婦)の妊娠期間コホートを確立した。妊娠期間コホートは、実施例1に記載されるように、第1のコホートからの対象を含んでいた。妊娠期間コホートには、異なる研究で使用するために異なる試料タイプが採取された対象が含まれ、その研究には、各対象の胎児の分娩の予測、出産予定日の予測、及び実際の妊娠期間の予測のための研究が含まれる。
【0194】
図6Bは、複数の妊娠期間関連遺伝子の発現が妊娠の過程を通して妊娠期間と共に変化する、全トランスクリプトームの相互情報を示す視覚モデルである。図に示されるように、遺伝子の異なるクラスターは、妊娠の過程を通して異なる時間(例えば、異なる推定妊娠期間において)の間に変動(例えば、増加及び減少)を示す。例えば、先天免疫に関連する遺伝子(例えば、RSAD2、HES1、HIST1H3G、CSHL1、CSH1、EXOSC4、及びAXL)及び細胞接着に関連する遺伝子(例えば、PATL2、CCT6P1、ACSL4、及びTUBA4A)は、妊娠の早期部分と比較して、妊娠の後期部分の間に発現の増加を示した。別の例として、細胞周期に関連する遺伝子(例えば、UTRN、DOCK11、VPS50、ZMYM1、ZFAND1、FAM179B、C2CD5、及びZNF236)は、妊娠の後期部分と比較して、妊娠の早期部分に発現の増加を示した。別の例として、RNA処理に関連する遺伝子(例えば、ZBTB4、ADK、HBS1L、EIF2D、CDK13、CCDC61、POLDIP3、及びC8orf88)は、妊娠の後期部分と比較して、妊娠の初期及び中期部分に発現の増加を示した。したがって、妊娠の経過中に胎児の異なる妊娠期間を追跡及び予測するための「分子時計」として使用するために、遺伝子の異なるセット又はクラスターをアッセイすることができる。妊娠期間を予測するこれらの遺伝子のセットを表2に列挙する。さらに、妊娠期間を予測する経路をクラスター別の表3に列挙する。
【表2】
【表3】
【0195】
【0196】
【0197】
【0198】
図6Cは、妊娠期間コホートにおける対象についての予測妊娠期間(週)と測定妊娠期間(週)との間の一致を示すプロットである。対象をプロットにおいて主な人種(例えば、白色、非黒色のスペイン人、アジア人、アフリカ系アメリカ人、ネイティブアメリカン、混血人種(例えば、2つ以上の人種)、又は未知)によって層別化する。データは、多くの生物学的表現型とは異なり、妊娠バイオマーカーモデル(例えば、妊娠期間関連バイオマーカー遺伝子のセットに基づく妊娠期間の予測)が、人種又は民族性と無関係であることを示していることは注目に値する。この観察は、妊娠の基礎となる分子時計が、人種/民族にわたって高度に保存されていることを示しており、これは妊娠期間についての普遍的なアッセイを実現可能にするという実用的な意義を有する。予測妊娠期間は、表2に列挙した予測遺伝子及び/又は表3に列挙した予測経路に基づいて、妊娠期間の予測モデル(10倍交差検証で生成するLassoモデル)を使用して生成した。さらに、妊娠期間を予測する遺伝子の予測モデル重量を表4に列挙する。
【表4】
【0199】
【0200】
【0201】
[実施例4]
早産(PTB)の予測
図7A図7Bに示すように、本開示の方法及びシステムを使用して、1つ又は複数の生物試料(例えば、それぞれ1、2、3、又は3を超える)を採取し、各対象の胎児の推定妊娠期間に対応する異なる時点でアッセイした対象(例えば、妊婦)の早産(PTB)コホートを確立した。早産コホートは、実施例1に記載されているように、第2のコホートからの対象を含んでいた。早産コホートは、異なる研究で使用するために異なる試料タイプが採取された対象を含み、これには、各対象の早産の予測、胎児の分娩の予測、出産予定日の予測、及び実際の妊娠期間の予測のための研究が含まれる。図に示すように、早産コホートの128人の妊娠している対象から合計160個の試料を採取してアッセイし、そのうち118個の試料を満期出産の100人の妊娠している対象から採取し、42個の試料を早産の28人の妊娠している対象(例えば、37週の推定妊娠期間の前に生じると定義される)から採取した。早産(PTB)コホートには、早期症例試料のセット(例えば、早産の女性から)及び早期対照試料のセット(例えば、満期出産の女性から)が含まれた。早期症例試料及び早期対照試料にわたって、採取時の妊娠期間の分布は、類似していたが(図7A)、分娩時の妊娠期間の分布は、統計学的に有意な程度まで明確に区別可能であった(図7B)。
【0202】
早期症例試料と早期対照試料との間で差次的に発現した遺伝子の分析を行ったところ、151個の遺伝子が上方制御され、37個の遺伝子が下方制御されたことが明らかになった。例えば、図7C図7Eは、それぞれ、早期症例試料(左)と早期対照試料(右)との間のB3GNT2、BPI、及びELANE遺伝子の差次的遺伝子発現を示す。図7Fは、図7C図7Eに示す早期症例試料及び早期対照試料からの結果の説明を示す。早産(PTB)を予測する遺伝子のセットを表5に列挙する。さらに、早産(PTB)を予測する遺伝子の予測モデル重量を表6に列挙する。
【表5】
【0203】
【0204】
【0205】
【0206】
【0207】
【表6】
【0208】
図7Gは、10倍交差検証にわたる早期分娩についての予測モデルの性能を示す受信者動作特性(ROC)曲線を示す。図に示すように、早期分娩を予測するための予測モデルは、0.90±0.08の平均曲線下面積(AUC)を達成し、それにより早期分娩を予測するための予測モデルの優れたパフォーマンスを実証した。
【0209】
[実施例5]
出産予定日(DD)の予測
本開示のシステム及び方法を使用して、妊娠している対象の胎児の出産予定日を予測するための予測モデルが開発される。例えば、予測出産予定日は、妊娠している対象の胎児の予想される分娩までの日数(例えば、1日、2日、3日、4日、5日、6日又は7日)又は週(例えば、1週間、2週間、3週間、4週間、5週間、6週間、7週間、8週間、9週間、10週間、11週間、12週間、13週間、14週間、15週間、16週間、17週間、18週間、19週間、20週間、21週間、22週間、23週間、24週間、25週間、26週間、27週間、28週間、29週間、30週間、31週間、32週間、33週間、34週間、35週間、36週間、37週間、38週間、39週間、40週間、41週間、42週間、43週間、44週間、又は45週間)であり得る。別の例として、予測出産予定日は、妊娠している対象の胎児の分娩が起こると予想される未来の日付であり得る。
【0210】
予測モデルは、所与の時点における(例えば、1週、2週、3週、4週、5週、6週、7週、8週、9週、10週、11週、12週、13週、14週、15週、16週、17週、18週、19週、20週、21週、22週、23週、24週、25週、26週、27週、28週、29週、30週、31週、32週、33週、34週、35週、36週、37週、38週、39週、40週、41週、42週、43週、44週、又は45週の推定妊娠期間で)妊娠している対象の試料(例えば、採血)のアッセイに基づくものであり得る。
【0211】
図8は、米国における産科医が推定した妊娠期間による膣単生児出生の分布の一例を示す。この図は、膣単生児出生の23.7%のみが、推定妊娠期間40週で起こり、膣単生児出生の約67%が、推定妊娠期間39~41週で起こることを示す。したがって、そのような分娩時間の変動は、本開示のシステム及び方法を使用して、分子時計を使用する分娩日のより良い予測因子の必要性を示す。
【0212】
図9A図9Eは、妊娠している対象の胎児の出産予定日を予測する様々な方法を示し、この方法は、実際の日(誤差あり)を予測すること(図9A)、1週間(又は他のウィンドウ)の分娩を予測すること(図9B)、特定の時間境界の前又は後に分娩が起こると予想されるかどうかを予測すること(図9C)、複数のビン(例えば、6つのビン)のうちのどのビンで分娩が起こると予想されるかを予測すること(図9D)、及び早期分娩又は後期分娩の相対リスク又は相対尤度を予測すること(図9E)を含む。
【0213】
例えば、出産予定日予測モデルを使用して、実際の日(エラーあり)を予測することができる(図9A)。例えば、予測出産予定日は、妊娠している対象の胎児の予想される分娩までの日数(例えば、1日、2日、3日、4日、5日、6日又は7日)又は週(例えば、1週間、2週間、3週間、4週間、5週間、6週間、7週間、8週間、9週間、10週間、11週間、12週間、13週間、14週間、15週間、16週間、17週間、18週間、19週間、20週間、21週間、22週間、23週間、24週間、25週間、26週間、27週間、28週間、29週間、30週間、31週間、32週間、33週間、34週間、35週間、36週間、37週間、38週間、39週間、40週間、41週間、42週間、43週間、44週間、又は45週間)であり得る。別の例として、予測出産予定日は、妊娠している対象の胎児の分娩が起こると予想される未来の日付であり得る。別の例として、予測出産予定日は、妊娠している対象の胎児の分娩が起こると予想される推定妊娠期間(例えば、1週間、2週間、3週間、4週間、5週間、6週間、7週間、8週間、9週間、10週間、11週間、12週間、13週間、14週間、15週間、16週間、17週間、18週間、19週間、20週間、21週間、22週間、23週間、24週間、25週間、26週間、27週間、28週間、29週間、30週間、31週間、32週間、33週間、34週間、35週間、36週間、37週間、38週間、39週間、40週間、41週間、42週間、43週間、44週間、又は45週間)であってもよい。予測出産予定日は、予測出産予定日の誤差又は信頼区間(例えば、1日、2日、3日、4日、5日、6日、7日、2週間、3週間、又は4週間)と共に提供されてもよい。予測出産予定日は、予測出産予定日の推定尤度又は信頼度(例えば、約50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、又は99%)と共に提供されてもよい。
【0214】
別の例として、出産予定日予測モデルを使用して、分娩の週(又は他のウィンドウ)を予測することができる(図9B)。例えば、予測出産予定日は、妊娠している対象の胎児の予想される出産までの週数(例えば、1週間、2週間、3週間、4週間、5週間、6週間、7週間、8週間、9週間、10週間、11週間、12週間、13週間、14週間、15週間、16週間、17週間、18週間、19週間、20週間、21週間、22週間、23週間、24週間、25週間、26週間、27週間、28週間、29週間、30週間、31週間、32週間、33週間、34週間、35週間、36週間、37週間、38週間、39週間、40週間、41週間、42週間、43週間、44週間、又は45週間)であり得る。別の例として、予測出産予定日は、妊娠している対象の胎児の分娩が起こると予想される未来の週(例えば、カレンダー上の1週間)であってもよい。別の例として、予測出産予定日は、妊娠している対象の胎児の分娩が起こると予想される推定妊娠期間(例えば、1週間、2週間、3週間、4週間、5週間、6週間、7週間、8週間、9週間、10週間、11週間、12週間、13週間、14週間、15週間、16週間、17週間、18週間、19週間、20週間、21週間、22週間、23週間、24週間、25週間、26週間、27週間、28週間、29週間、30週間、31週間、32週間、33週間、34週間、35週間、36週間、37週間、38週間、39週間、40週間、41週間、42週間、43週間、44週間、又は45週間)であってもよい。予測出産予定日は、予測出産予定日の推定尤度又は信頼度(例えば、約50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、又は99%)と共に提供されてもよい。
【0215】
別の例として、出産予定日予測モデルを使用して、特定の時間境界(図9C)の前又は後に分娩が起こると予想されるかどうかを予測することができる。例えば、時間境界は、推定妊娠期間の週数(例えば、1週間、2週間、3週間、4週間、5週間、6週間、7週間、8週間、9週間、10週間、11週間、12週間、13週間、14週間、15週間、16週間、17週間、18週間、19週間、20週間、21週間、22週間、23週間、24週間、25週間、26週間、27週間、28週間、29週間、30週間、31週間、32週間、33週間、34週間、35週間、36週間、37週間、38週間、39週間、40週間、41週間、42週間、43週間、44週間、又は45週間)であってもよい。例えば、時間境界は、40週間の推定妊娠期間であってもよい。
【0216】
別の例として、出産予定日予測モデルを使用して、複数のビン(例えば、6つのビン)のうちのどのビンで分娩が起こると予想されるかを予測することができる(図9D)。例えば、ビン(例えば、時間ウィンドウ)は、等しい時間範囲(例えば、1週間、2週間、3週間、4週間、5週間、6週間、7週間、8週間、9週間、10週間、11週間、12週間、13週間、14週間、15週間、16週間、17週間、18週間、19週間、20週間、21週間、22週間、23週間;又は1ヶ月、2ヶ月、3ヶ月、4ヶ月、又は5ヶ月;又は第1、第2、若しくは第3の妊娠三期間のうちの1つの妊娠期間)であってもよい。予測出産予定日は、予測出産予定日ビン又は時間ウィンドウの推定尤度又は信頼度(例えば、約50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、又は99%)と共に提供されてもよい。
【0217】
別の例として、出産予定日予測モデルを使用して、早期分娩又は遅延分娩の相対リスク又は相対尤度を予測することができる(図9E)。例えば、予測は、約10%、20%、30%、40%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、又は99%の早期分娩又は後期分娩の相対リスク又は相対尤度を含み得る。早期分娩は、40週未満の推定妊娠期間における出産予定日として定義されてもよく、後期分娩は、40週を超える推定妊娠期間における出産予定日として定義されてもよい。
【0218】
出産予定日予測モデルは、妊娠している対象の妊娠期間(GA)コホートから採取された試料を使用して訓練され、その全員は、34週~36週の胎児の推定妊娠期間を有していた。訓練データセットは、270個及び312個のピッツバーグ試料(その約半分はコーカサス人であり、その半分はAAであった)のコホートを使用して得られ、そのうち41個の試料は、実験室の異常値として指定して、使用せず、1つの試料は異常値の低いCPMを有していた。さらに、64個の試料の試験データセットは、19個のGAPPS試料のコホート(003_GA)(そのほとんどがコーカサス人であった)及び47個の検証GAPPS試料のコホート(009_VG)(その全員が34週~36週の胎児の推定妊娠期間を有し、そのほとんどがコーカサス人であった)を使用して得た。
【0219】
以下のような出産予定日予測モデルを開発するために遺伝子発見を行った。候補マーカー遺伝子を含む241個のインプット遺伝子のセットを使用した。訓練データセットを使用して、これらの候補マーカー遺伝子のサブセットは、0.5を超える高い中央値(log2_CPM)値を有すると同定された。分散分析(ANOVA)を、訓練試料(例えば、上位100遺伝子については-7週間対-2週間、上位100遺伝子については-6週間対-3週間)の分娩までの実際の時間について248個の遺伝子のセット(表7に示す)を使用して行った。ピアソン線形相関を実施して、出産予定日までに最も強い統計的相関を有する候補マーカー遺伝子の中から上位100個の遺伝子を同定した。分娩までの時間ビンの予測のために、いくつかの異なる予測モデルを試験した。第1に、妊娠期間40週での予測された出産予定日に基づいて予測された分娩までの時間が作成された標準的なケアを使用した。第2に、collectiongaコホートを弾性正味予測モデルへの入力として使用して、超音波データのみを使用した推定妊娠期間を使用した。第3に、弾性正味予測モデルへの入力として遺伝子及び交絡因子(例えば、パリティ、BMI、喫煙状態など)のlog2_CPMsの入力を使用して、cfDNAのみを使用した推定妊娠期間を使用した。第4に、弾性正味予測モデルへの遺伝子、交絡因子、及びcollectionga入力のlog2_CPMsの入力を使用して、cfDNAプラス超音波の両方を使用した推定妊娠期間を使用した。
【表7】
【0220】
図10は、出産予定日予測モデル(例えば、分類器)を開発するために実行されるデータワークフローを示す。最初に、訓練データ(n=271個の試料)をランダムに67個の試料ずつ4セットに分割する。次に、一度に1つの分割セットを除外することによって作成されている4つの分割セットのうちの3つの異なる組み合わせを使用してモデルが訓練される(例えば、分割1、2、3の第1の組み合わせ;分割2、3、4の第2の組み合わせ;分割1、3、4の第3の組み合わせ;及び分割1、2、4の第4の組み合わせ;それぞれn=203個の試料を有する)。次に、n=271個の試料を使用して交差検証が実行され、4つのモデルのそれぞれが、保持された分割セット(n=67個の試料)で試験される。次に、各モデルの独立した検証が実行され、それによってモデルが独立したデータ(例えば、試験データセット)で試験される。
【0221】
図11A図11Bは、それぞれ270人及び310人の患者で訓練された出産予定日予測モデルの予測誤差を示す。プロットは、所与の予測誤差(例えば、ビン幅が1週間の分娩ビンまでの時間であり、正の値は、予測出産予定日後に分娩が起こったことを示し、負の値は、予測出産予定日前に分娩が起こったことを示す)を有する試料のパーセントを示す。図は、標準治療(40週間)モデル及び超音波のみのモデルと比較して、cfRNAのみのモデル又はcfRNAプラス超音波モデルを使用した出産予定日予測の精度の改善及び誤差の低減を示す。
【0222】
[実施例6]
早産(PTB)の予測
本開示のシステム及び方法を使用して、妊娠している対象の早産(PTB)のリスクを予測するための予測モデルを開発した。表8に示すように、コーカサス人対象のコホートから得られたデータセット(実施例4に記載)を修飾遺伝子リストで再分析した。図12は、コーカサス人対象のコホートから得られた79個の試料のセットに対して22個の遺伝子のセットを使用した、早産予測モデルの受信者動作特性ROC)曲線を示す。合計79個の試料のうち、23個が早期PTB(推定妊娠期間の34週間前の分娩として定義される)を有していた。ROC曲線の平均曲線下面積(AUC)は、0.91±0.10であった。
【表8】
【0223】
【0224】
さらに、図13Aは、アフリカ人又はアフリカ系アメリカ人の祖先を有する対象のコホート(AAコホート)から得られた45個の試料のセットに対する遺伝子のセットを使用した、早産予測モデルに対する受信者動作特性ROC)曲線を示す。合計45個の試料のうち、18個が早期PTB(推定妊娠期間の34週間前の分娩として定義される)を有していた。ROC曲線の平均曲線下面積(AUC)は、0.82±0.08であった。
【0225】
図13Bは、RAB27B、RGS18、CLCN3、B3GNT2、COL24A1、CXCL8、及びPTGS2を含む3つの異なるAAコホート(コホート1、コホート2、及びコホート3)の早産予測モデルの遺伝子パネルを示す。
【0226】
図14Aは、妊娠している対象から得られた単一の身体試料(例えば、1回の採血)を使用して複数の妊娠関連状態を評価するための複数のアッセイを実施するためのワークフローを示す。妊娠に沿って数回の採血を行って、妊娠の進行を調査及び試験することができる。特定の時点(例えば、T1、T2、及びT3)で得られた採血を、数週間先に起こり得る特定の妊娠関連合併症のリスクを決定するために試験する。胎児の発育については、胎児の発育の進行の結果を提供するために、各採血時(T1、T2、及びT3)に長期的な試験を行う。例えば、第1の血液試料は、時間T1(例えば、妊娠第1期の間)において妊娠している対象から得られてもよく、第2の血液試料は、時間T2(例えば、妊娠第2期の間)において妊娠している対象から得られてもよく、第3の血液試料は、時間T3(例えば、妊娠第3期の間)において妊娠している対象から得られてもよい。時間T1で得られた血液試料は、早期妊娠又は妊娠第1期、例えば早産、自然流産、PE、GDM、及び胎児の発育において検出可能又は予測可能であり得る妊娠関連状態についてアッセイするために使用され得る。時間T2で得られた血液試料は、妊娠中期又は妊娠の第2期、例えば早産、PE、GDM、胎児の発育、及びIUGRにおいて検出可能又は予測可能であり得る妊娠関連状態についてアッセイするために使用され得る。時間T3で得られた血液試料は、妊娠後期又は妊娠第3期(出産予定日、胎児の発達、癒着胎盤、IUGR、出生前代謝疾患、及びRNAからの新生児代謝性遺伝子疾患など)で検出可能又は予測可能であり得る妊娠関連状態についてアッセイするために使用され得る。
【0227】
図14Bは、妊娠している対象の妊娠の進行に沿った1回の採血から試験することができる状態の組み合わせを示す。時間T1で得られた血液試料は、早産、子癇前症(妊娠関連高血圧障害)、妊娠糖尿病、自然流産、及び胎児の発達(正常及び異常)などの、妊娠初期又は妊娠の第1期に検出可能又は予測可能であり得る妊娠関連状態についてアッセイするために使用され得る。時間T2で得られた血液試料は、妊娠中期又は妊娠の第2期において検出可能又は予測可能であり得る妊娠関連状態、例えば妊娠期間、子癇前症(妊娠関連高血圧障害)、妊娠糖尿病、自然流産、前置胎盤、癒着胎盤(出血又は過剰出血)、前期破水(PROM)、胎児の発育(正常及び異常)及び子宮内/胎児発育遅延(IUGR)についてアッセイするために使用され得る。時間T3で得られた血液試料は、妊娠後期又は妊娠第3期において検出可能又は予測可能であり得る妊娠関連状態、例えば出産予定日、先天性障害、前置胎盤、癒着胎盤(出血又は過剰な出血分娩)、前期破水(PROM)、胎児の発達(正常及び異常)、及び子宮内/胎児発育遅延(IUGR)、産後うつ病、出生前代謝性遺伝子疾患、産後心筋症、及びRNAからの新生児代謝性遺伝子疾患についてアッセイするために使用され得る。
【0228】
本発明の好ましい実施形態を本明細書に示し、説明してきたが、そのような実施形態が例としてのみ提供されることは当業者には明らかであろう。本発明は、本明細書内で提供される特定の例によって限定されることを意図しない。本発明を前述の明細書を参照して説明してきたが、本明細書の実施形態の説明及び例示は、限定的な意味で解釈されることを意味しない。本発明から逸脱することなく、当業者には多数の変形、変更、及び置換が思い浮かぶであろう。さらに、本発明のすべての態様は、様々な条件及び変数に依存する本明細書に記載の特定の描写、構成、又は相対的な割合に限定されないことを理解されたい。本明細書に記載の本発明の実施形態に対する様々な代替形態が、本発明を実施する際に使用され得ることを理解されたい。したがって、本発明は、任意のそのような代替形態、修正形態、変形形態又は均等物も包含すると考えられる。以下の特許請求の範囲が本発明の範囲を定義し、これらの特許請求の範囲内の方法及び構造並びにそれらの均等物がそれによって包含されることが意図される。
図1
図2
図3A
図3B
図3C
図3D
図3E
図4A
図4B
図4C
図4D
図4E
図5A
図5B
図5C
図5D
図5E
図6A
図6B
図6C
図7A
図7B
図7C
図7D
図7E
図7F
図7G
図8
図9A
図9B
図9C
図9D
図9E
図10
図11A
図11B
図12
図13A
図13B
図14A
図14B
【国際調査報告】