(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-03-25
(54)【発明の名称】食品及び飲料製品
(51)【国際特許分類】
A23L 7/104 20160101AFI20220317BHJP
【FI】
A23L7/104
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021556749
(86)(22)【出願日】2020-03-23
(85)【翻訳文提出日】2021-11-17
(86)【国際出願番号】 US2020024301
(87)【国際公開番号】W WO2020191410
(87)【国際公開日】2020-09-24
(32)【優先日】2019-03-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2019-05-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】PCT/US2019/031884
(32)【優先日】2019-05-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2020-02-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】PCT/US2020/016669
(32)【優先日】2020-02-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】521353746
【氏名又は名称】プラント タップ, エルエルシー
(71)【出願人】
【識別番号】521353757
【氏名又は名称】サヴィノ, ジョセフ カミロ
(74)【代理人】
【識別番号】100111707
【氏名又は名称】相川 俊彦
(72)【発明者】
【氏名】サヴィノ, ジョセフ カミロ
【テーマコード(参考)】
4B023
【Fターム(参考)】
4B023LE30
4B023LG05
4B023LK05
4B023LK17
4B023LP06
4B023LP07
4B023LP15
4B023LP20
(57)【要約】
目標の第1のシリアル対水の重量比でペーストと水の混合物を調製するステップと、目標の沸騰時間の間、混合物を沸騰させるステップと、目標の冷却時間の間、混合物を所定の温度にまで冷却するステップと、混合物に酵素を添加するステップと、酵素の量は混合物中のペーストの乾燥重量に基づいて計算され、酵素を添加した混合物を特定の温度で特定の時間維持するステップと、脱水混合物が所定の水分含有量になるように混合物から水を除去することにより脱水混合物を調製するステップと、所定の油対混合物の重量比で脱水混合物に植物ベースの油を混合するステップと、及び、1から120ミクロンの範囲の粒子サイズを有するペーストを調製するために混合された植物ベースの油を含む脱水混合物を粉砕するステップとを含む穀物ベースのシリアルペーストを形成するための方法。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
穀物ベースのシリアルペーストを形成する方法であって、
目標の第1のシリアル対水の重量比でペースト及び水の混合物を調製するステップと、
目標の沸騰時間の間、混合物を沸騰させるステップと、
沸騰させた後に所定の温度まで混合物を冷却するステップと、ここで、目標の冷却時間の間、冷却は実行され、
混合物に酵素を添加するステップと、ここで、酵素の量は、混合物中のシリアルペーストの乾燥重量に基づいて計算され、
特定の温度で、特定の持続期間の間、酵素が添加された混合物を維持するステップと、
脱水混合物に対する所定の水分含有量という結果になるように混合物から水を除去することにより脱水混合物を調製するステップと、
所定の油対混合物の重量比で、その脱水混合物に植物ベースの油を混ぜるステップと、及び、
1から120ミクロンの範囲内の粒子サイズを有するペーストを調製するために、混合された植物ベースの油を含む脱水混合物を粉砕するステップと、を含む方法。
【請求項2】
請求項1の方法であって、
目標の第1のシリアル対水の重量比は、1対1から1対10の重量比の範囲内である、方法。
【請求項3】
請求項1の方法であって、
目標の沸騰時間は、1/2分間から30分間の範囲内である、方法。
【請求項4】
請求項1の方法であって、
所定の温度は、60から70度の範囲内である、方法。
【請求項5】
請求項1の方法であって、
酵素は、アミラーゼを含む、方法。
【請求項6】
請求項1の方法であって、
酵素は、混合物の冷却の間に添加される、方法。
【請求項7】
請求項6の方法であって、
酵素は、混合物の冷却の最初に添加されるアルファ酵素、及び混合物の冷却の終わりに添加されるベータ酵素を含む、方法。
【請求項8】
請求項1の方法であって、
特定の時間は、1から3時間の範囲内である、方法。
【請求項9】
請求項1の方法であって、
所定の水分含有量は、3パーセント未満である、方法。
【請求項10】
請求項1の方法であって、
所定の油対混合物の重量比は、7分の3から4分の1の範囲内である、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[関連出願への相互参照]
この出願は、2019年3月21日に出願された「食品及び飲料製品」と題された米国仮特許出願シリアル番号62/821,644の、2019年5月10日に出願された「食品及び飲料製品」と題された米国特許出願シリアル番号16/409,759の、2019年5月10日に出願された「食品及び飲料製品」と題された国際特許出願番号PCT/US2019/031884の、2020年2月4日に出願された「飲料を分配するためのシステム及び方法」と題された米国特許出願シリアル番号16/782,046の、及び、2020年2月4日に出願された「飲料を分配するためのシステム及び方法」と題された国際特許出願番号PCT/US2020/16669の、優先権を主張し、それらの開示は、全ての目的のためにその全体がここに参照され本明細書に明示的に組み込まれる。
【0002】
[技術分野]
本開示は、食品及び飲料製品を形成するためのシステム及び方法に関し、より具体的には、オーツ麦から製造された食品及び飲料製品に関する。
【背景技術】
【0003】
食物繊維の健康への有益な効果はよく知られている。これに関連して、オーツ麦や大麦のような穀物から作られた食品への関心が高まっている。多くの点で、オーツ麦は他の穀物とは異なる。それらは、同等の穀草類よりもタンパク質及び脂肪の含有量は高いが、β-グルカンの含有量も高い。近年、オーツ麦から作られた食品への関心が高まってきた。この主な理由は、オーツ麦繊維が、高コレステロール血症の人の血清コレステロール値を下げることにより健康に良い効果をもたらすことが見出されてきたからである。もう1つの理由は、オーツ麦が、栄養価の高いタンパク質だけでなく、一価不飽和脂肪及び多価不飽和脂肪をかなりの割合で含んでいることである。更に、オーツ麦は、多くの必須アミノ酸及びミネラルを含む。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
オーツ麦の大きな利点は、外皮を取り除くと、全粒がさまざまな生産品(製品)を作るために使用できることである。オーツ麦では、最も栄養価の高い物質は、全粒においてかなり均等に分布している。他の穀物では、栄養価の高い物質は、穀物粒の特定の部分に集中していることがよくある。
【0005】
オーツ麦(シリアルとも呼ばれる)ペーストは、特に乳糖(ラクトース)不耐症の人々にとって、ミルクの代替品として使用できるミルクのような製品を形成する際に使用できる。また、アイスクリーム、薄いオートミールのかゆ、ヨーグルト、ミルクセーキ、ドリンク剤、スナックの製造における添加剤やこれらの基礎として使用されるかもしれない。しかしながら、このプロセスは、時間がかかり、そして、ミルクの味及び/又は粘度を有しない製品という結果になるかもしれない。例えば、シリアル懸濁液の全体的な粘度及び/又は糖度は、制御するのが難しいかもしれない。
【課題を解決するための手段】
【0006】
従って、シリアルペーストの生産を改善するシステム及び方法を提供するためのニーズがある。この開示されたシステム及び方法は、上記に説明する問題だけでなく、既存のシステム及び方法における他の欠陥に対処する。
【0007】
この開示されたシステム及び方法は、シリアルペーストからミルクのような製品を形成し、そして、ミルクのような製品を消費者に分配する方法を、更に記述する。
【図面の簡単な説明】
【0008】
[図面の簡単な説明]
添付の図面は、必ずしも縮尺通りであるわけではなく、又は網羅的であるわけではない。代わりに、ここにおいて記述される発明の原理を説明することに重点が置かれている。本明細書に組み込まれ、その一部を構成するこれらの図面は、本開示と一致する幾つかの実施例を図解し、詳細な説明とともに、本開示の原理を説明するために機能する。図面において。
【0009】
【
図1】
図1は、開示された実施例と一致するシリアルペーストを形成する例示的なプロセスである。
【0010】
【
図2】
図2は、開示された実施例と一致するシリアル懸濁液を形成する例示的なプロセスである。
【0011】
【
図3】
図3は、開示された実施例と一致する1つ又は複数の製品を形成及び分配するための例示的なシステムである。
【0012】
【
図4】
図4は、開示された実施例と一致する分配機を洗浄するための例示的なシステムである。
【0013】
[概要]
開示された実施例は、穀物ベースのペースト(例えば、オーツ麦から作られたシリアルペースト)を形成するためのシステム及び方法を提供する。
【0014】
開示された実施例と一致して、穀物ベースのペーストを形成するための方法が提供される。この方法は、目標の第1の穀草類(シリアル)対水の重量比でペースト及び水の混合物を調製するステップと、目標の沸騰時間の間、混合物を沸騰させるステップと、目標の冷却時間の間、混合物を所定の温度に冷却するステップと、混合物に酵素を加えるステップと、ここで、混合物中のペーストの乾燥重量に基づいて酵素の量が計算され、特定温度で、特定の時間の間、添加された酵素入りの混合物を維持するステップと、脱水混合物に対して所定の水分含有量という結果となるようにその混合物から水を除去することにより脱水混合物を調製するステップと、所定の油対混合物の重量比で、その脱水混合物に植物ベースの油を混ぜるステップと、及び、1から120ミクロンの範囲内の粒子サイズを有するペーストを調製するために、混合された植物ベースの油を含む脱水混合物を粉砕するステップと、を含む。
【0015】
前述の一般的な説明及び以下の詳細な説明は、例示的かつ説明的なものにすぎず、特許請求の範囲を限定するものではない。
【発明を実施するための形態】
【0016】
[詳細な説明]
添付の図面に関して論じられ、典型的な実施例に対して詳細に参照される。幾つかの例において、同じ又は類似の部(品)を参照するために、図面及び以下の説明全体で同じ参照番号が使用される。別段の定義がない限り、技術用語及び/又は科学用語は、当業者によって一般的に理解される意味を有する。開示された実施例は、当業者が開示された実施例を実施することを可能にするのに十分詳細に説明されている。他の実施例を利用することができ、開示された実施例の範囲から逸脱することなく変更を行うことができることを理解されたい。従って、材料、方法、及び実験例は例示にすぎず、必ずしも限定することを意図するものではない。
【0017】
開示された実施例は、オーツ麦ベースのペーストのような穀草類(シリアル)ペーストを形成するためのシステム及び方法に関する。本開示の様々な態様がオーツ麦ベースのペーストについて論じているが、様々な実施例は、オーツ麦ベースのペーストに限定されず、そして、キノア、カムット、小麦、スペルト小麦、ライ麦、オーツ麦、ワイルドライス、フォニオ、テフ、ココナツ、アーモンド、ブラジルナッツ、カシューナッツ、パインナッツ(松の実)、ヘーゼルナッツなどのようなナッツ又は他の穀物から形成されたペーストに適用されてもよいことに留意されたい。しかしながら、オーツ麦ベースのペーストを形成するために使用される処理ステップの幾つかの側面は、多くの側面において他の穀草類(シリアル)とは異なるオーツ麦のような他の穀物と比較して、オーツ麦に対して異なってもよい。例えば、オーツ麦は、同等の穀草類(シリアル)より、タンパク質及び脂肪の含有量が高く、炭水化物の含有量が低くなっている。更に、オーツ麦はでんぷん含有量が高く、大量の油を含んでいない。
【0018】
開示された実施例と一致して、穀草類(シリアル)ペースト及び穀草類(シリアル)懸濁液を生産するための効率的で選択的かつ経済的な方法を提供するためのシステム及び方法が提供される。穀草類(シリアル)懸濁液は、ミルク又は穀物ベース又はナッツベースのミルク製品に類似しているかもしれない粘度及び味を有するように形成されている。更に、完全なままのビタミン及び可溶性食物繊維(例えば、β-グルカン)を含む均質で安定した穀草類(シリアル)懸濁液を形成するためのシステム及び方法が提供される。様々な実施例において、穀草類(シリアル)懸濁液は、低水分含有量(例えば、水分含有量が12%未満であってもよい)のために常温保存可能であってもよい可動液体(即ち、塗料又はクリームの粘稠度を有する)であってもよい。
【0019】
穀草類(シリアル)ペーストを形成する方法の様々なステップは、
図1に示されるプロセス10によって記述される。プロセス10のステップ101において、オーツ麦(oats)(例えば、ロールドオーツ(rolled oats)、スチールカットオーツ(steel cut oats)、アイリッシュオーツ(Irish oats)、スコティッシュオーツ(Scottish oats)、オールドファッションオーツ(old fashion oats)、ホールオートグローツ(whole oat groats)など)が妥当な比率で水と混合される。例示的な実施例において、オーツ麦は、1:1又は1:10の重量比で水と混合されてもよい。例示的な実施例において、1:1から1:10の範囲内の重量比が使用されてもよい。例えば、1つの実施例において、1:2の重量比が使用されてもよい。上記の重量比は示唆的及び/又は例示的であり、幾つかの実施例において、他の比が使用されてもよいことは理解されたい。「重量比」という用語は、水の重量に対するオーツ麦の重量の比率を指す。
【0020】
ステップ102で、オーツ麦と水の混合物を沸騰させ、その後、目標とする持続時間の間、沸騰させてもよい。例示的な実施例において、目標とする持続時間は、1分から数分であってもよく、幾つかの実施例において、沸騰は、30秒から数十分間の範囲であってもよい。幾つかの実施例において、沸騰温度は、標準大気状態下で100℃(212°F)であってもよく、幾つかの実施例において、加圧沸騰は、100から150℃(221から302°F)に達する沸騰温度で使用されてもよい。幾つかの実施例において、オーツ麦及び水の混合物は、沸騰させる前に浸漬されてもよい。例えば、オーツ麦及び水の混合物は、沸騰させる前に数時間浸漬されてもよい。
【0021】
ステップ102の後、オーツ麦及び水の混合物を冷却するステップ103を行ってもよい。例示的な実施例において、混合物は、50から70℃(120から160°F)の温度範囲にまで冷却される。冷却は、対流冷却(例えば、混合物を室温に曝す)、伝導性冷却(例えば、氷を冷却混合物に入れる)、又はその他の適切な冷却を伴ってもよい。冷却プロセスは、遅いプロセス(例えば、混合物を室温に曝すことにより30分から1時間の間、冷却する)又は速いプロセス(例えば、混合物を冷蔵庫に入れることにより、エアフローを使用して混合物の上にエアを流すことにより、又は冷却熱交換器を使用することによって)であってもよい。
【0022】
オーツ麦及び水の混合物が冷却されたら、ステップ104で酵素が加えられてもよい。酵素の量(重量)は、オーツ麦の乾燥重量に基づいて計算される。例えば、1:10の混合物においては、1ポンドのオーツ麦が10ポンドの水と混合され、オーツ麦の乾燥重量は1ポンドであり、この重量は、添加する必要のある酵素の重量を計算するために使用される。例示的な実施例において、オーツ麦及び水の混合物は、α-アミラーゼのようなアミラーゼで処理されてもよい。アミラーゼは、デンプンやグリコーゲンのような大きなアルファ結合した多糖類のアルファ結合を加水分解して、グルコース及びマルトースを生成する酵素タンパク質である。アミラーゼは、60~90℃(140~194°F)の比較的高温範囲で作動してもよく、そして、ゼラチン化デンプンの粘度を急速に低下させるかもしれない。様々な実施例において、アミラーゼは、オーツ麦の乾燥重量に対して0.15から1パーセントの重量で添加されてもよい。様々な実施例において、様々なタイプのアミラーゼは、様々な温度で使用されてもよい。例えば、α-アミラーゼは60~90℃(140~194°F)の温度範囲で使用されてもよい。幾つかの実施例において、温度範囲は、60~70℃(150~160°F)であってもよい。更に、又は代わりに、β-アミラーゼも同様に使用されてもよい。例示的な実施例において、β-アミラーゼは、54~66℃(130~150°F)の温度範囲で使用されてもよい。更に、又は代わりに、オーツ麦及び水の混合物を冷却しながら酵素が加えられてもよい。例えば、混合物が比較的高い温度にある間(冷却の初期段階で)、α-アミラーゼは使用されてもよく、そして、β-アミラーゼは冷却の最終段階で(例えば、54~66℃の温度範囲で)使用されてもよい。
【0023】
様々な実施例において、α-アミラーゼのpH範囲は、5.5から6.5であってもよく、可能な最大値は5.9である。α-アミラーゼの活性は、pH5.0未満では不活性化されるかもしれない。β-アミラーゼに対しては、pH範囲が異なるかもしれない。例えば、β-アミラーゼのpH範囲は、4.0~5.0の範囲内であってもよい。例示的な実施例において、オーツ麦及び水の混合物がより高い温度及びより高いpHにあるときに、α-アミラーゼは最初に添加されてもよい。混合物をα-アミラーゼで処理した後、混合物の温度は、下げられてもよく(例えば、混合物を冷却することによって)、そして、pHは、下げられてもよい(例えば、pH低下溶液(例えば、ソルビン酸、クエン酸等のようなpH調整剤)を加えることによって)。様々な実施例において、1つのタイプのアミラーゼのみが添加されてもよいことは理解されるべきである。例えば、α-アミラーゼのみが添加されてもよい。
【0024】
様々な実施例において、アミログルコシダーゼ又はAMGとしても知られるグルコアミラーゼは、α-アミラーゼ又はβ-アミラーゼと同時に、又はα-アミラーゼ又はβ-アミラーゼの添加後に添加されてもよい。例示的な実施例において、グルコアミラーゼは、オーツ麦の乾燥重量に対して0.2から0.5パーセントの重量で添加されてもよい。グルコアミラーゼは、オーツ麦に自然に発生するでんぷんを分解するかもしれない。更に、グルコアミラーゼは、デンプン多糖分子の末端からグルコース分子を切断する。従って、オーツ麦及び水の混合物をα-アミラーゼ又はβ-アミラーゼで処理した後に、生成されるかもしれないマルトースのような二糖類(2糖分子)を分解することもできる。
【0025】
プロセス10のステップ105において、酵素が添加された、オーツ麦及び水の混合物は、目標とする期間(例えば、数時間)の間、(140~160°F)の温度で維持されてもよい。例示的な実施例では、混合物は、1から3時間の間、(140~160°F)の温度で維持されてもよい。オーツ麦及び水の混合物と酵素が反応するのに必要な正確な時間及び温度は、使用されるオーツ麦の種類によって異なるかもしれない。例えば、ホールオーツ(whole oats)又はロールドオーツに対して、ステップ105の間に酵素と反応するのにより長い時間がかかるかもしれない。小片として調製されたオーツ麦に対して、ステップ105は、ロールドオーツとして調製されたオーツ麦と比較して短縮されてもよい。
【0026】
プロセス10のステップ106で、酵素は中和される必要があるかもしれない。例えば、オーツ麦及び水の混合物は、オーツ麦が乾燥された後、後のプロセスにおいて煮沸又はローストされてもよい。例えば、混合物は、1時間又は酵素を完全に中和するのに必要な如何なる適切な時間、煮沸されてもよい。更に、又は代わりに、混合物は、高圧下に置かれ(即ち、混合物は加圧され得る)、酵素を中和するのに妥当な圧力及び温度で加熱されてもよい。例示的な実施例において、温度は180~300°Fの範囲にあってもよく、そして、圧力は1から250バールの絶対圧力であってもよい。例示的な実施例において、上昇させられた圧力及び温度の下で、酵素は数分以内に中和されるかもしれない。
【0027】
プロセス10のステップ107で、オーツ麦及び水の混合物を脱水して、水分含有量の低いオーツ麦に結果的になってもよい。例示的な実施例において、水分含有量は、結果的に得られる脱水オーツ麦の全重量の6%までであってもよい。別の例示的な実施例において、水分含有量は、結果的に得られる脱水オーツ麦の全重量の3%未満であってもよい。しかしながら、幾つかの実施例において、水分含有量は、結果的に得られる脱水オーツ麦の全重量の2%未満であってもよい。脱水は、ドラム乾燥機又は流動床乾燥機(噴霧乾燥機とも呼ばれる)を使用するなどの妥当な手段を使用して、並びに、より大きなサイズのオーツ麦に対してはロースター/乾燥機を使用して達成されるかもしれない。他の如何なる適切な乾燥技術も、使用され得、又は、ドラム乾燥機又は流動床乾燥機と組み合わせられ得ることに留意されたい。例えば、遠心分離の追加のステップを使用して、ドラム乾燥機又は流動床乾燥機を使用する前に、水分含有量の一部が除去されてもよい。様々な実施例において、部分的に乾燥工程107の間、又は乾燥工程107の完了後、工程108において、植物ベースの油は、脱水されたオーツ麦と混合されてもよい。オーツ麦の水分含有量が十分に低い場合、植物ベースの油を混合することが可能であることに留意されたい。ここにおいて、水分含有量は、パーセンテージとして報告されるオーツ麦及び酵素を含む脱水混合物の重量に対する水の重量の比として定義されてもよい。例えば、オーツ麦の水分含有量は、3%未満、又は、2%未満でさえあってもよい。例示的な実施例において、油対オーツ麦の重量比は、2/8、又は、3/7、又は、3/7及び2/8の間の比、であってもよいが、ここで、比2/8は、例えば、油の2ポンド毎に対して、8ポンドの脱水オーツ麦があることを意味する。様々な実施例において、無香料の植物ベースの油が使用され得る。例えば、グレープシードオイル(grapeseed oil)又はひまわり油が使用されてもよい。幾つかの実施例において、幾つかの異なるタイプの油が使用されてもよい。例示的な実施例において、油は、如何なる妥当な手段(例えば、ミキサーなど)でオーツ麦と混合されてもよい。
【0028】
プロセス10のステップ190で、油と混合された脱水オーツ麦は、1から120ミクロンの小さな粒子サイズにまで粉砕される。例示的な実施例において、平均粒子サイズは、10から20ミクロンであってもよい。様々な実施例において、オーツ麦は、様々な適切なアプローチ(例えば、コロイド・ミル、石臼(stone mills)、コンチェ(conche)、チョコレートリファイナー(chocolate refiners)/メランジェ(melangers)などのようなグラインダーミル(grinder mills))を使用して粉砕されてもよい。例示的な実施例において、オーツ麦は、第1のグラインダー又はカッターを使用して第1のサイズ(例えば、数ミリメートルのサイズ)にまで最初に粉砕され、次に、第2のグラインダー/リファイナーを使用して第2のサイズ(例えば、数十ミクロン)に粉砕されてもよい。様々な実施例において、2つより多くのグラインダーが、オーツ麦を製粉するために使用されてもよい。ステップ108の完了後、オーツ麦及び油の混合物は、粘稠なコロイド状物質(例えば、ピーナッツバター又は塗料の粘稠度及び粘度を有する物質)を形成してもよい。様々な実施例において、粉砕された粒子のサイズは、常温保存可能なコロイド(即ち、粘度が維持されるコロイド、及びオーツ麦及び油が分離しない)を生産するように選択される。
【0029】
ステップ109の完了後、製粉されたオーツ麦及び油を含む穀草類(シリアル)ペーストは、エンクロージャー内に保管されてもよい。例えば、穀草類(シリアル)ペーストは、プラスチックポーチのような柔軟なポーチ内に保管されてもよい。例示的な実施例において、低水分含有量(例えば、3重量%未満)を有する穀草類(シリアル)ペーストは、経時的に良好に保存されるかもしれない。
【0030】
様々な実施例において、タンパク質、繊維、ナッツ、種子、穀物、機能性成分及び/又はターメリック又は抹茶のようなスパイス、マカ又はアシュワガンダのようなアダプトゲン、タンパク質分離物(例えば、大麻又はピープロテイン)、及び/又は同様のものの粉末と同様に種々のアミノ酸を含むかもしれない穀草類(シリアル)ペーストに、他の成分は添加されるかもしれない。他の成分の粉末は、一貫した安定なコロイドを提供するために、オーツ麦とほぼ同じ粒子サイズにまで粉砕される必要がある。種々の実施例において、他の種子及び/又は穀物は、オーツ麦ベースのペーストを形成するためのプロセス10のステップ101~109と同様のステップを使用して、それらを粉末に粉砕する前に妥当な酵素によって処理されてもよい。種々の実施例において、コロイド溶液の安定性を維持し、そして、穀草類(シリアル)ペーストが損なわれるのを防ぐために、他の成分を添加した後、全体的な水分含有量は低くなければならない。
【0031】
図2は、穀草類(シリアル)ペーストから穀草類(シリアル)懸濁液を形成するためのプロセス20を示している。ステップ109で、穀草類(シリアル)ペーストは、上記のように調製されてもよい。ステップ210において、穀草類(シリアル)懸濁液は、水及び穀草類(シリアル)ペーストを混合することによって形成されてもよい。例示的な実施例において、穀草類(シリアル)ペーストは、5から20パーセントの範囲であってもよい重量比で水と混合/乳化されてもよい。種々の実施例において、添加物及びフレーバー(食品香料)は、必要に応じて添加されてもよい。例えば、妥当なフレーバーのためにシロップは加えられてもよい。幾つかの実施例において、穀草類(シリアル)懸濁液を分配するための装置は、ユーザが、所望のペースト対水の比率を選択することによって、穀草類(シリアル)懸濁液の粘稠度を選択することを可能にしてもよい。
【0032】
食品又は飲料製品の混合及び分配機(「マシン」)300の例示的な実施例が
図3に示されている。マシン300は、食品又は飲料製品を形成する際に使用するための食品又は飲料材料(例えば、穀草類(シリアル)ペースト)を受け取り、保存し、そして分配するように構成されてもよい。マシン300は、飲料製品56を生産するための穀草類(シリアル)ペースト350又はナッツベースのペースト351のような食品又は飲料材料を保存するように構成されたチャンバー381A及び381Bを含んでもよい。マシン300はまた、穀草類(シリアル)ペースト350又はナッツベースのペースト351が対応するチャンバー381A及び381Bからマシン300の混合チャンバー36内に分配されるように構成された分配アクチュエータ320A及び320Bを含んでもよい。幾つかの実施例において、マシン300はまた、材料が混合チャンバー36によって受け取られる前に、チャンバー381A又は381Bから分配される材料を少なくとも部分的に混合させるように構成された静的ミキサー/乳化機29A及び29Bを含んでもよい。穀草類(シリアル)ペースト350及びナッツベースのペースト351は単なる例示であり、食品又は飲料製品を形成するための他の如何なる妥当な材料をも使用されてもよいことに留意されたい。
【0033】
種々の実施例において、チャンバー381A及び/又は381Bは、フレキシブルなポーチであってもよく、そして、高密度ポリエチレン、ポリエチレンテレフタレート、フルオロポリマー、及び/又は同様なもののような如何なる食品グレードの材料から形成されてもよい。幾つかの実施例において、ポーチ381A及び/又は381Bは、ポリマー、プラスチック、紙、又は金属箔材料から形成されてもよい。
【0034】
幾つかの実施例において、ポーチ381A及び/又は381Bは、ポーチ381A及び/又は381B内のペースト材料(例えば、ペースト350又は351)の構成成分の分離を防止又は阻害するために冷却されてもよい。ポーチ381A及び/又は381Bは、チャンバーの内容物が冷却されるように、冷却剤を受け取り、或いは、冷却材に接触してもよい。冷却剤は、空気、水、冷媒、ガス、又は冷却された物質(例えば、冷却されたガス、液体、又は固体材料)のような材料を含んでもよい。幾つかの実施例において、ポーチ381A及び/又は381Bは、冷却装置又は構成要素と組み合わせられてもよく、接続されてもよく、或いは近傍に配置されてもよい。例えば、ポーチ381A及び/又は381Bは、冷却剤が、ポーチ381A及び/又はポーチ381Bの内容物を冷却するために、ポーチ381A及び/又はポーチ381Bを取り囲みそして接触することができるように、構成された構成要素又は容器(例えば、冷却ジャケット)によって取り囲まれてもよい。幾つかの実施例において、ポーチを取り囲む空間は、チャンバーの内容物が冷却されるために冷却された環境内にそのポーチを配置できるように、(例えば、冷蔵システムを使用して)冷却されてもよい。種々の実施例において、マシン300は、2個より多い数のポーチを含んでもよく、そして、幾つかの実施例において、マシン300は、フレキシブルなポーチではないシリアルペースト又はナッツベースのペーストを含むチャンバーの少なくとも幾つかを含んでもよい。ここにおいて使用されるように、ポーチ381A及び381Bは、相互交換可能にポーチ又はチャンバーと言及されてもよい。
【0035】
種々の実施例において、チャンバー381A及び381Bは、分離している導管302A及び302B、分離している分配アクチュエータ320A及び320B、分離している弁385A及び385Bを使用してもよく、そして、同様に、穀草類(シリアル)ペースト350又はナッツベースのペースト351を分配するため、分離している静的ミキサー/乳化機29A及び29Bを使用してもよい。種々の生産品の分配ラインを分離することにより(ここで、分配ラインは、例えば、導管、アクチュエータ、ミキサー、及び弁(バルブ)のような、製品を分配するために使用されるすべての構成要素を指してもよい)、マシン300は、種々の製品の混合を防ぐ(例えば、穀草類(シリアル)ペースト350及びナッツベースのペースト351の混合を防止する)ように構成される。
【0036】
分配アクチュエータ320A及び320Bは、ペースト350及び351のような材料をポーチ381A~381Bから、マシン300の他の構成要素内に、分配するように構成されてもよい。幾つかの実施例において、分配アクチュエータ320A及び/又は320Bは、蠕動ポンプ(ここにおいて、蠕動ポンプ320A及び/又は蠕動ポンプ320Bとも呼ばれる)であってもよい。蠕動ポンプは、静的ミキサー29A及び/又は29Bを介して、ポーチから混合チャンバー36内に材料を分配又は投与してもよい。静的ミキサー29A及び/又は29Bは、チャンバー381A及び/又は381Bを出る材料を受け取り、静的ミキサーを通過させることによって材料が少なくとも部分的に混合されるように、構成されてもよい。例えば、静的ミキサー29A及び/又は29Bは、一般に管状であり得、如何なる妥当な形状(例えば、円形、長方形、又は他の断面)又は構造を有してもよい。静的ミキサーは、複数の表面、ブレード、フィン、又は他の突起のような固定的(即ち、「静的」)構成要素を含んでもよい。静的ミキサーの構成要素は、所定の均一なパターンで配列されてもよく、又は、不均一又はランダムな配列で配置されてもよい。静的ミキサー29A及び/又は29Bの構成要素の配列は、ポーチを出る材料の少なくとも幾らか又は最適又は他の所望の量の混合又は攪拌を達成するように設計されてもよい。例えば、静的ミキサーの構成要素は、静的ミキサー29を通過する間に、材料350及び351の分離された成分を再混合、注入、又は他の方法で結合させる(即ち、分離を低減又は逆にする)ように設計又は構成されてもよい。幾つかの実施例において、静的ミキサー29は、静的ミキサーを通過する材料において攪拌又は乱流を引き起こすように構成されたスクリーン、メッシュ、格子、発泡体、又は他の構造化された構成要素を含んでもよい。静的ミキサー29は、マシン300にコスト及び/又は複雑さを追加することができ得る追加の可動部品なしで、材料350及び/又は351の成分の混合を達成してもよい。幾つかの実施例において、マシン300は、静的ミキサー29を含まなくてもよい。他の実施例において、マシン300は、導管302A及び/又は302Bに沿った様々な場所に複数の静的ミキサー(例えば、同じ又は異なるタイプのもの)を含んでもよい。
【0037】
種々の実施例において、マシン300は、ポーチの1つから(例えば、導管302A又は302B及び/又は静的ミキサー29A及び/又は29Bを介して)及び/又は他の供給源から材料を受け取るように構成された混合チャンバー36を含んでもよい。混合チャンバー36は、円筒形、球形、長方形、又は別の形状のような如何なる妥当な形状を有してもよい。混合チャンバー36は、金属、NSF準拠のステンレス鋼、プラスチック、ガラス、及び/又は別のタイプの材料のような如何なる妥当な材料で形成されてもよい。幾つかの実施例において、混合チャンバー36は、ポーチから材料を受け取るための開口部305A及び305B、及び、混合チャンバー36から材料(例えば、食品又は飲料製品)を分配するための出口40(分配ノズルとも呼ばれる)を含んでもよい。幾つかの実施例において、混合チャンバー36は、冷却されてもよい。例えば、混合チャンバー36は、混合チャンバーの内容物を冷却するために、冷却剤が混合チャンバー36を取り囲み、接触することを可能にするように構成された容器(例えば、冷却ジャケット)又は構成要素によって囲まれてもよい。幾つかの実施例において、混合チャンバー36を取り巻く空間は、チャンバーの内容物が冷却されるために、混合チャンバーが冷却された環境内に配置され得るように、冷却されてもよい(例えば、冷凍システムを使用して)。
【0038】
種々の実施例において、導管302A及び302Bは、弁306A及び306Bを介してチャンバー36に接続されてもよい。弁(バルブ)305は、ポーチ381A又は381Bから混合チャンバー36への穀草類(シリアル)ペースト又はナッツベースのペーストの流れを可能にするだけのために構成されてもよい。例えば、弁305は、逆止弁又はポペット弁などであってもよい。同様に、導管302A及び302Bは、それぞれの弁385A及び385Bを介してポーチ381A及び381Bに接続されてもよい。例えば、弁385A及び/又は381Bの開放は、ポーチ381A(381B)から混合チャンバー36への材料の流れを可能にしてもよく、及び混合チャンバー36からポーチ381A(381B)に向かう流れを防止してもよい。例示的な実施例において、弁381A及び/又は381Bは、逆止弁又はポペット弁及び/又は同様なものであってもよい。例示的な実施例において、弁381Aが開いているとき、弁381Bは閉じられていてもよく、従って、1つのタイプの材料のみ(例えば、穀草類(シリアル)ペースト350のみ)が混合チャンバー36内に流入することができる。
図3は、例えば、弁385Bが閉じており、弁385Aが開いていることを示している。しかしながら、代替の構成において、幾つかの異なる製品は、混合チャンバー36内に流し込まれてもよい。例示的な実施例において、マシン300は、混合チャンバー36内の製品の所望の比率のために異なる製品の流量を調整するためのインターフェースをユーザに提供してもよい。
【0039】
混合チャンバー36はまた、混合アクチュエータ44によって駆動される混合ツール42を含んでもよい。混合ツールは、混合チャンバー36内で食品又は飲料材料を混合するように構成されてもよい。混合ツール42は、混合チャンバー36内の材料の混合を促進するように成形されてもよい。例えば、混合ツール42は、バー、フック、ブレード、パドル、柄付きブラシ、ビーター、スパチュラ、及び/又は他の形状、ツール、又はデバイスを含んでもよい。混合ツール42は、1つ又はそれ以上の形状、ツール、又はデバイスを含んでもよい(即ち、単一の形状、ツール、又はデバイス、又は複数の形状、複数のツール、又は複数のデバイスを含んでもよい)ことが企図される。幾つかの実施例において、混合ツール42はまた、又は代替的に、混合チャンバ36の内部部分をこすり取るか又は拭くように構成された1つ又は複数の構成要素を含んでもよい。例えば、混合ツール42は、混合チャンバー36の内部部分に接触してその上の材料を収集、除去、又は拭くように構成された1つ又は複数のへら、延長部、ワイパーなどを含んでもよい。
【0040】
混合アクチュエータ44は、モーターであってもよく、又はモーターを含んでもよい。混合アクチュエータ44のモーターは、直流(DC)モーター又はサーボモーターのような電気モーターであってもよく、又は含んでもよい。混合アクチュエータ44のモーターは、代替的に、交流(AC)電気モーターであってもよく、又は含んでもよいことが企図される。幾つかの実施例において、混合ツール42が回転する速度及び/又は力の量は、使用されてもよい市販の種々のモーターの妥当性及び/又は混合アクチュエータ44のモーターの要件(及びそのようにした設計)を部分的に規定してもよい。例えば、幾つかの例において、混合アクチュエータ44のモーターは、単一の速度又は電力レベルを達成するように要求されるだけでもよい。他の実施例において、混合アクチュエータ44のモーターは、複数の速度を達成するために必要とされてもよい。混合アクチュエータ44のモーターは、電気モーター、又は、空気圧駆動若しくは油圧駆動モーターのような異なるタイプのモーターであってもよい。混合アクチュエータ44のモーターの速度及び電力要件の同様の考慮事項は、応用への考慮(例えば、サイズ、コスト、複雑さ、保守性、メンテナンス、衛生など)だけでなく、圧力、変位、回転速度、回転方向のようなモーターパラメーターを考慮することによって、空気圧又は油圧モーターに対して言及されるかもしれないことは、認識されるべきである。混合アクチュエータ44のモーターは、電源(例えば、バッテリー、キャパシタ、パワーサプライ、商用電源への直接接続など)、空気源(例えば、コンプレッサー、タンク、アキュムレータなど)、油圧源(例えば、ポンプ、タンク、アキュムレータなど)のような妥当な動力源、及び関連する電気的又は機械的導管を備えてもよい。
【0041】
混合チャンバー36は、1つ又は複数の入力源(例えば、水源)から材料又はプロセス助剤を受け取るように構成された弁を有する1つ又は複数の追加の開口部を含んでもよい。例えば、混合チャンバー36は、水源から水を受け取るように構成された導管330のための第2の開口部を含んでもよい。導管330は、弁306を介して混合チャンバー36に接続されてもよい。種々の実施例において、弁306は、水源から混合チャンバー36への流れを可能にするだけのように構成されてもよい。例えば、弁306は、逆止弁又はポペット弁及び/又は同様なものであってもよい。
【0042】
種々の実施例において、マシン300は、微生物の増殖を防止し、及び無菌環境を維持するために洗浄されてもよい。例示的な実施例において、洗浄マシン300のために設計されたクリーン・イン・プレイス(clean-in-place)(CIP)システムは、提供されてもよい。CIPシステムは、定期的な内部洗浄を含んでもよく、プログラマブルロジックコントローラー、複数のタンク、センサー、弁、熱交換器、データ獲得及び特別に設計されたスプレーノズルシステムを備える完全自動化システムを含んでもよい。
【0043】
例示的な実施例において、マシン300は、AFCO 5229、 AFCO 2548、5222 HD CIP 20、AFCO 5235 スーパー CIP 200、及び/又は同様なもののようなCIPクリーナーで洗浄されてもよく、そして、AFCO 4325、PER OX SAN、AFCO 4312 VIGILQUAT、及び/又は同様なもののようなCIP殺菌剤で消毒されてもよい。種々の実施例において、洗浄液は、適切な安全装置を備えた訓練された技術者によってアクセス可能な施錠された領域に高濃度で保管されてもよい。種々の実施例において、洗浄マシン300のプロセスは、
図4に示されるプロセス400によって記述されてもよい。プロセス400のステップ401で、システムは、ミキサー29A及び29B、導管302A及び302B、及び、混合チャンバー36の内面を濡らすために実行されてもよい水(例えば、精製水、消毒剤、熱又はUV放射などで処理された水)で、最初に予備洗浄され、そして、残留物が除かれてもよい。また、CIP流路の非化学的圧力テストを提供してもよい。
【0044】
ステップ402で、CIPクリーナーは、マシン300の構成要素に導入されてもよい(例えば、混合チャンバー36、導管302A及び302B、並びにミキサー29A及び29Bに)。幾つかの実施例において、投与器は、クリーナーをマシン300の構成要素に導入する前に、CIPクリーナーに必要な用量(例えば、体積)を選択してもよい。種々の実施例において、CIP濃縮クリーナーは、マシン300の構成要素を洗浄するために使用される前に希釈されてもよい。種々の実施例において、CIPクリーナー及び/又はクリーナーを希釈するための水は、室温に維持されるか、又は適切な温度にまで加熱されてもよい。濃縮CIPクリーナーの用量は、例えばベンチュリシステムを含む如何なる妥当な手段によって測定及び制御されてもよく、投与器/ベンチュリを介してマシン300の構成要素にデリバリされることができる。種々の実施例において、CIPクリーナーは、高圧/高速でマシン300の構成要素内に押し込まれてもよい。投与器/ベンチュリから混合チャンバー36内へと所定の濃度のCIPクリーナーの出力を制御するために、種々の弁は、開閉されてもよい。種々の実施例において、CIPクリーナーは、界面活性剤及び腐食剤を含んでもよい。
【0045】
種々の実施例において、プロセス400は、
図4のループ1によって概略的に示されるステップ401と402との間の1つ又は複数の繰り返しを含んでもよい。例えば、プロセス400は、ステップ401(濯ぎステップ)及びステップ402(洗浄ステップ)の一回のシーケンスを含んでもよく、又はこのシーケンスの幾つかの繰り返しを含んでもよい。ループ1が完了すると、ステップ403で、マシン300の構成要素は、消毒されてもよい。例えば、ステップ403において、CIPサニタイザーは、マシン300の構成要素に(例えば、混合チャンバー36、導管302A及び302B、並びにミキサー29A及び29Bに)導入されてもよい。幾つかの実施例において、投与器は、サニタイザーをマシン300の構成要素に導入する前に、CIPサニタイザーに必要な用量(例えば、体積)を選択してもよい。種々の実施例において、CIP濃縮サニタイザーは、マシン300の構成要素を洗浄するために使用される前に希釈されてもよい。種々の実施例において、クリーナーを希釈するための水及び/又はCIPサニタイザーは、室温に維持されるか、又は妥当な温度にまで加熱されてもよい。濃縮CIPサニタイザーの用量は、例えばベンチュリシステムを含む如何なる妥当な手段によって測定及び制御されてもよく、投与器/ベンチュリを介してマシン300の構成要素にデリバリされることができる。種々の実施例において、CIPサニタイザーは、高圧/高速でマシン300の構成要素に押し込まれてもよい。投与器/ベンチュリから混合チャンバー36内へと所定の濃度のCIPサニタイザーの出力を制御するために、種々の弁は、開閉されてもよい。種々の実施例において、CIPサニタイザーは、過酢酸を含んでもよい。例示的な実施例において、CIPサニタイザーは、微生物の増殖がないことを確実にするために、混合チャンバー36内に、出口40まで一晩ずっと放置されてもよい。
【0046】
種々の実施例において、プロセス400は、
図4のループ2によって概略的に示されるステップ401及び403の間の1つ又は複数の繰り返しを含んでもよい。例えば、プロセス400は、ステップ401(濯ぎステップ)及びステップ403(消毒ステップ)の単一のシーケンスを含んでもよく、又はこのシーケンスの幾つかの繰り返しを含んでもよい。ループ1が完了すると、最後の洗浄ステップは、マシン300の構成要素を通して空気を吹き込み、そして、構成要素を乾燥させることがその後に続いてもよい、濯ぎステップ401であってもよい。
【0047】
重要なパラメータは、満たされなければならず、そして、そのサイクルの持続期間中、仕様の範囲内にとどまる必要がある。もし、仕様に達していない又は仕様が維持されていないならば、洗浄は確保されないであろうし、洗浄は繰り返す必要があるであろう。重要なパラメータは、温度、流量/供給圧力、化学物質濃度、化学物質接触時間、及び最終濯ぎ導電率(これは、すべての洗浄化学物質が除去されたことを示す)を含む。
【0048】
種々の実施例において、マシン300は、一日中に数回洗浄されてもよい。例えば、マシンは朝、昼、夜に洗浄されるかもしれない。種々の実施例において、混合チャンバー36は、5から20分間のマシン300の不活動毎に冷水で濯がれてもよい。
【国際調査報告】