(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-03-25
(54)【発明の名称】内燃機関用の液圧式の遅延要素を備えた動弁機構
(51)【国際特許分類】
F01L 9/10 20210101AFI20220317BHJP
【FI】
F01L9/10
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021557789
(86)(22)【出願日】2020-03-27
(85)【翻訳文提出日】2021-10-28
(86)【国際出願番号】 EP2020058812
(87)【国際公開番号】W WO2020201137
(87)【国際公開日】2020-10-08
(32)【優先日】2019-03-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】520512373
【氏名又は名称】エービービー スウィッツァーランド リミテッド
【氏名又は名称原語表記】ABB Switzerland Ltd
【住所又は居所原語表記】Bruggerstrasse 71a, 5400 Baden, Switzerland
(74)【代理人】
【識別番号】100114890
【氏名又は名称】アインゼル・フェリックス=ラインハルト
(74)【代理人】
【識別番号】100098501
【氏名又は名称】森田 拓
(74)【代理人】
【識別番号】100116403
【氏名又は名称】前川 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100134315
【氏名又は名称】永島 秀郎
(74)【代理人】
【識別番号】100162880
【氏名又は名称】上島 類
(72)【発明者】
【氏名】クリストフ マテイ
(72)【発明者】
【氏名】ラファエル ライザー
(72)【発明者】
【氏名】アンドレアス シュトレーベル
【テーマコード(参考)】
3G018
【Fターム(参考)】
3G018AB11
3G018BA11
3G018DA17
3G018DA57
3G018DA58
(57)【要約】
本願では内燃機関用の動弁機構(1)と、内燃機関とが記載される。動弁機構は、内燃機関の吸気弁(24)を周期的に操作するための吸気弁操作機構(20)を有している。さらに動弁機構(1)は、液圧媒体を用いて吸気弁(24)の閉鎖運動を遅延させる、吸気弁操作機構(20)に接触する、液圧チャンバ(12)を備えた遅延要素(8)を有している。動弁機構(1)は、液圧媒体を液圧チャンバ(12)内に供給するための液圧供給部を有しており、液圧供給部は、制御シャフト(7)を有している。制御シャフト(7)は、内燃機関により機械的に駆動される。制御シャフト(7)は、液圧媒体のための軸方向に延在する中空室(10)と、中空室(10)から液圧チャンバ(12)に液圧媒体を断続的に供給するために少なくとも1つの開口(5)とを有している。さらに複数の動弁機構を備えた内燃機関が記載される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
内燃機関用の動弁機構(1)であって、該動弁機構(1)が、
前記内燃機関の吸気弁(24)を周期的に操作する吸気弁操作機構(20)と、
前記吸気弁操作機構(20)と連結する遅延要素(8)であって、液圧媒体を用いて前記吸気弁(24)の閉鎖運動を遅延させるための液圧チャンバ(12)を備えた遅延要素(8)と、
前記液圧チャンバ(12)内に前記液圧媒体を供給する液圧供給部と
を有しており、
前記液圧供給部が、制御シャフト(7)を有しており、該制御シャフト(7)が、前記内燃機関により機械的に駆動され、好適には前記吸気弁(24)の周期的な操作に同期して駆動され、かつ
前記制御シャフト(7)が、前記液圧媒体のための軸方向に延在する中空室(10)と、前記中空室(10)から前記液圧チャンバ(12)に前記液圧媒体を断続的に供給するための少なくとも1つの開口(5)とを有している、動弁機構(1)。
【請求項2】
前記吸気弁操作機構(20)が、
a.)シーソ式ロッカアーム(23)を有しており、該シーソ式ロッカアーム(23)に前記遅延要素(8)が接触している、かつ/または
b.)スイングアーム式ロッカアーム(22)を有しており、該スイングアーム式ロッカアーム(22)に前記遅延要素(8)が接触している、かつ/または
c.)プッシュロッド(21)を有しており、該プッシュロッド(21)に前記遅延要素(8)が接触している、かつ/または
d.)弁ブリッジを有しており、該弁ブリッジに前記遅延要素(8)が接触している、
請求項1記載の動弁機構。
【請求項3】
前記液圧供給部が、前記軸方向に延在する中空室(10)内に前記液圧媒体を供給するために、前記制御シャフト(7)に接続する供給管路(16)を有しており、前記液圧媒体が、好適にはエンジンオイルである、請求項1または2記載の動弁機構。
【請求項4】
前記供給管路(16)内に配置された切換え弁(2)、好適には電磁切換え弁(2)をさらに有している、請求項3記載の動弁機構。
【請求項5】
前記制御シャフト(7)の前記中空室(10)を、前記遅延要素(8)の前記液圧チャンバ(12)に接続管路(15)を介して流体接続させることができる、請求項1から4までのいずれか1項記載の動弁機構。
【請求項6】
前記制御シャフト(7)の前記開口(5)、特にカムシャフト(9)に対する前記制御シャフト(7)の前記開口の回転位置は、前記中空室(10)から前記液圧チャンバ(12)への前記液圧媒体の断続的な供給が前記吸気弁(24)の最大の弁ストロークへの到達前または到達時に可能となるように、配置されている、請求項1から5までのいずれか1項記載の動弁機構。
【請求項7】
前記液圧チャンバ(12)が、液圧シリンダとして形成されており、前記遅延要素(8)が、液圧ピストン(14)をさらに有しており、該液圧ピストン(14)は、前記液圧チャンバ(12)内に供給された前記圧力媒体によって圧力を加えられるように、前記液圧チャンバ(12)内に摺動可能に配置されており、これにより前記液圧媒体によって圧力を加えられた前記液圧ピストン(14)が、前記吸気弁操作機構(20)の閉鎖運動に抗して作用する、請求項1から6までのいずれか1項記載の動弁機構。
【請求項8】
前記制御シャフト(7)が、前記液圧チャンバ(12)から流出スリット(6)への、かつ該流出スリット(6)を通じた前記液圧媒体の断続的な排出のために、前記流出スリット(6)を有しており、
好適には該流出スリット(6)が、前記制御シャフト(7)の外周面に配設されている、請求項1から7までのいずれか1項記載の動弁機構。
【請求項9】
前記制御シャフト(7)の前記流出スリット(6)、特に前記カムシャフト(9)に対する前記制御シャフト(7)の前記流出スリット(6)の回転位置は、前記液圧チャンバ(12)から前記流出スリット(6)への前記液圧媒体の前記断続的な排出が前記吸気弁(24)の最大の開放位置への到達後に可能となるように、配置されている、請求項1から8までのいずれか1項記載の動弁機構。
【請求項10】
前記制御シャフト(7)の前記流出スリット(6)が、前記制御シャフト(7)の1つの区分にわたって半径方向に延びており、かつ/または前記制御シャフト(7)の前記軸方向に延在する中空室(10)と前記制御シャフト(7)の前記流出スリット(6)とが、互いに直接的に流体接続していない、請求項8記載の動弁機構。
【請求項11】
前記遅延要素(8)が、ばね装置(11)を有しており、該ばね装置(11)が、前記吸気弁操作機構(20)の前記閉鎖運動に抗して作用する、請求項1から10までのいずれか1項記載の動弁機構。
【請求項12】
前記切換え弁(2)を迂回するバイパス弁(3)をさらに有しており、好適には機械的または電気的な操作により、前記制御シャフト(7)の前記軸方向に延在する中空室(10)への前記液圧媒体の供給が可能になっている、請求項1から11までのいずれか1項記載の動弁機構。
【請求項13】
前記制御シャフト(7)の前記流出スリット(6)が、前記制御シャフト(7)の前記開口(5)から軸方向にずらされて配置されている、請求項1から12までのいずれか1項記載の動弁機構。
【請求項14】
前記動弁機構が、
前記内燃機関の対応する多数の吸気弁(24)を周期的に操作する多数の吸気弁操作機構(20)と、
前記複数の吸気弁操作機構(20)のそれぞれと連結する多数の遅延要素(8)であって、液圧媒体により前記各吸気弁(24)の閉鎖運動を遅延させるための、それぞれの液圧チャンバ(12)を備えた多数の遅延要素(8)と
を有しており、
前記液圧供給部が、1つの制御シャフト(7)を有しており、該制御シャフト(7)が、前記内燃機関により機械的に駆動され、好適には前記吸気弁(24)の周期的な操作に同期して駆動され、
前記制御シャフト(7)が、前記液圧媒体のための軸方向に延在する中空室(10)と、該中空室(10)から前記各液圧チャンバ(12)への前記液圧媒体の断続的な供給のためのそれぞれの開口(5)とを有しており、前記制御シャフト(7)から前記各遅延要素(8)の前記液圧チャンバ(12)への流体接続が、前記制御シャフト(7)の回転時に断続的に開放され、遮断される、請求項1から13までのいずれか1項記載の動弁機構。
【請求項15】
請求項1から14までのいずれか1項記載の少なくとも1つの動弁機構を有する、内燃機関。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、内燃機関におけるガス交換用の動弁機構と、内燃機関とに関する。
【0002】
背景技術
内燃機関、特に中速走行するセグメントの大型エンジンは、今日では、いわゆるミラー・バルブタイミング(Miller-Steuerzeiten)および高効率の高圧過給を有することが増えている。このバルブタイミングは、吸気行程の終了を下死点前に行うことにより特徴付けられている。この構成は、一方では、燃料消費が減じられ、内部の膨張によってNOx排出量が大幅に減じられることをもたらすが、他方では、始動時、加速時、部分負荷運転時の挙動に悪影響を与える。
【0003】
極端なミラー・バルブタイミングにより、たとえばアイドリング時に少量の燃料しかシリンダ内に到達しないので、ディーゼルエンジンでは、圧縮段階において必要な点火温度が達成されず、したがってエンジンの始動は不可能である。さらに、部分負荷運転の大きな範囲において充填量が少ないので、許容可能な排気ガス温度での無煙燃焼を保証することはできない。
【0004】
ミラー・バルブタイミングを有するガスエンジンでは、圧縮段階の終了時の低い温度は、点火性、ひいてはエンジンの運転挙動に不都合に作用する。概して、ミラー・バルブタイミングにより、加速挙動もしくは応答挙動に不都合な影響を与えてしまう。付加的に、アイドリング時および低負荷運転中には、ピストンの上下の空間の間で望ましくない不都合な圧力勾配が生じる運転状態が発生してしまう。
【0005】
ミラー・バルブタイミングを有する内燃機関の、低負荷時に部分的に不満足である運転挙動に対する対抗措置として、今日では様々な技術が使用されている。これらの技術のうちの幾つかは、たとえば、部分負荷運転中の吸気行程の終了を変更させることを目的としている。
【0006】
上記を勘案して、さらなる改善が要求されている。
【0007】
発明の概要
この課題は、請求項1に記載の動弁装置により少なくとも部分的に解決される。さらに、この課題は、請求項15に記載の内燃機関により解決される。別の実施形態、変化形および改良形は、以下の説明および添付の図面につき明らかとなる。
【0008】
1つの実施形態によれば、内燃機関用の動弁機構が提供される。動弁機構は、内燃機関の吸気弁を周期的に操作する吸気弁操作機構を有している。さらに、動弁機構は、吸気弁操作機構と連結又は接触する遅延要素であって、液圧媒体を用いて吸気弁の閉鎖運動を遅延させるための液圧チャンバを備えた遅延要素を有している。さらに、動弁機構は、液圧チャンバ内に液圧媒体を供給する液圧供給部を有している。液圧供給部は、制御シャフトを有している。制御シャフトは、内燃機関により機械的に駆動される。好適には、制御シャフトは、吸気弁の周期的な操作に同期して駆動される。さらに、制御シャフトは、液圧媒体のための軸方向に延在する中空室と、中空室から液圧チャンバに液圧媒体を断続的に供給する少なくとも1つの開口を有している。
【0009】
1つの実施形態によれば、内燃機関が提供される。内燃機関は、本明細書に開示された複数の実施形態のうちのいずれか1つの実施形態による少なくとも1つの動弁機構を有している。
【0010】
本発明の実施形態によれば、特に、遅延機構の意図された制御を、僅かな構造的かつ制御技術的コストで実現することができる。これにより、簡単かつ廉価な形式で、内燃機関における部分負荷挙動の改善が達成される。したがって、本発明の実施形態は、特にミラー・バルブタイミングおよび/または運転範囲において高い要求を有する内燃機関のために使用可能である。
【0011】
以下に本発明を実施形態につき詳細に説明するが、これらの実施形態は、請求項により定義される保護範囲を制限するものではない。
【0012】
添付の図面は実施形態を可視化し、明細書とともに本発明の原理を説明するために役立つ。図面に示された要素は、互いに対してかつ必ずしも正しい縮尺ではない。同一の参照符号は対応する類似の部分を指す。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1A】1つの実施形態による本発明による制御シャフトを示す側面図である。
【
図1B】B-B線に沿った、
図1Aに示した制御シャフトを示す横断面図である。
【
図2】1つの実施形態による本発明に係る動弁機構を示す図である。
【
図3】別の1つの実施形態による本発明に係る動弁機構を示す図である。
【
図4】別の1つの実施形態による本発明に係る動弁機構を示す図である。
【
図5】別の1つの実施形態による本発明に係る動弁機構を示す図である。
【0014】
詳細な説明
図2~
図5は、動弁機構1の種々異なる複数の実施形態を概略図で示している。動弁機構1は、内燃機関におけるガス交換のために適している。
【0015】
図4および
図5は、動弁機構のカムシャフト側の部分(たとえば、カムシャフトが下側に位置している場合に動弁機構の下側に位置している部分)を示しており、
図2および
図3は、動弁機構の弁シャフト側の部分(たとえば、動弁機構の上側に位置している部分)を示している。動弁機構のこれらの部分は、全ての図面において部分的に示したプッシュロッド21を介して互いに、もしくは(たとえば、図面に示された遅延要素8および液圧供給部を有しない)従来の動弁機構の対応する部分に結合され得る。
【0016】
動弁機構1は、内燃機関の吸気弁24を操作する吸気弁操作機構20を有している。内燃機関の吸気弁24の操作には、吸気弁24の開放運動および閉鎖運動が含まれる。吸気弁操作機構20は、吸気弁24の弁シャフトを周期的に押圧するための周期的に可動な要素の運動学的な連結構造を有している。周期的な押圧により、開放運動が操作され、押圧の周期的な除去により、閉鎖運動が操作される。吸気弁操作機構20の要素の周期的な運動は、たとえば、カムシャフト9により引き起こすことができ、残りの要素が周期的な運動をカムシャフト9から弁シャフトへと伝達する。
【0017】
吸気弁操作機構20は、(上記の運動学的な連結構造の可動の要素として)たとえばスイングアーム式ロッカアーム22、シーソ式ロッカアーム23、プッシュロッド21および/または弁ブリッジを有している。たとえば、
図2および
図3は、シーソ式ロッカアーム23を概略的に示しており、
図4および
図5は、スイングアーム式ロッカアーム22を概略的に示しており、
図1~
図4は、プッシュロッド21を概略的に示している。
【0018】
動弁機構1は、遅延要素8をさらに有している。この遅延要素8は、吸気弁操作機構20に接触している。
【0019】
1つの実施形態では、遅延要素8は、液圧シリンダ13と液圧ピストン14とを有していてよい。液圧シリンダ13および液圧ピストン14の実施形態は、たとえば
図2~
図5に図示されている。液圧チャンバ12内に供給された液圧媒体は、液圧ピストン14に押圧力を加えることができる。液圧ピストン14は、吸気弁操作機構20の閉鎖に抗して作用することができる。さらに、遅延要素8は、ばね装置11を有していてよい。ばね装置11は、吸気弁操作機構20の閉鎖運動に抗して作用することができる。
【0020】
吸気弁操作機構20の要素と遅延要素8との接触は、特に、この要素の開放運動が液圧チャンバ12から出る方向にピストンを運動させ(引っ張り)、この要素の閉鎖運動が液圧チャンバ12内への方向にピストンを運動させる(押し込む)ような、液圧ピストン14と吸気弁操作機構20の要素との連結又は接触を意味する。
【0021】
1つの実施形態では、遅延要素8が吸気弁操作機構20に機械的に結合されていてよい。別の1つの実施形態では、吸気弁操作機構20は、吸気弁24の操作時、特に閉鎖時に遅延要素8に接触することができる。
【0022】
遅延要素8は、この場合、吸気弁24の操作時に運動する吸気弁操作機構20の各要素に接触することができる。1つの実施形態では、遅延要素8は、スイングアーム式ロッカアーム22に接触している。
図4および
図5は、遅延要素8がスイングアーム式ロッカアーム22に接触している例を示している。別の1つの実施形態では、遅延要素8が、シーソ式ロッカアーム23に接触している。
図2および
図3は、遅延要素8がシーソ式ロッカアーム23に接触する例を示している。
図3は、シーソ式ロッカアーム23が付加的なプッシュロッド25を有している1つの実施形態を図示している。別の1つの実施形態では、遅延要素8が弁ブリッジに接触している(図示せず)。別の1つの実施形態では、遅延要素8がプッシュロッド21に接触している(図示せず)。
【0023】
遅延要素8は、液圧媒体を用いて吸気弁24の閉鎖運動を遅延させるために液圧チャンバ12を有している。液圧媒体は、たとえば、エンジンオイルであってよく、または別のサーボオイル循環であってよい。
【0024】
有利には、遅延要素8は、吸気弁24の早期の閉鎖を阻止することを可能にする。液圧チャンバ12が液圧媒体を有していない場合、吸気弁24の閉鎖運動の遅延は行われないか、または実質的に行われない。このことは、特に、全負荷運転中に求められ得る。たとえば部分負荷運転中には、吸気弁24の閉鎖運動の遅延が求められることがある。吸気弁24の閉鎖運動は、液圧チャンバ12内に液圧媒体が存在している場合に、吸気弁操作機構20が液圧媒体を液圧チャンバ12から絞り出すか、押し出すことにより遅延させることができる。本開示の複数の実施形態のうちのいずれか1つの実施形態による動弁機構1の使用により、特にアイドリング時および部分負荷運転時のミラー効果もしくはミラー・バルブタイミングの不都合な作用を排除することができる。
【0025】
液圧チャンバ12は、液圧媒体を収容するために形成された液圧シリンダとして形成されていてよい。液圧チャンバ12内には、摺動可能な液圧ピストン14が配置されている。
【0026】
さらに、動弁機構1は、液圧チャンバ12内に液圧媒体を供給する液圧供給部を有している。液圧供給部は、制御シャフト7を有している。
図1Aは、1つの実施形態による本発明による制御シャフト7の側面図を示している。
図1Bは、
図1Aに示した制御シャフト7のB-B線に沿った横断面図を示している。制御シャフト7は、液圧媒体のための中空室10、特に軸方向に延在する中空室10を有していてよい。1つの実施形態では、中空室は、制御シャフト7の軸方向のほぼ全延在長さにわたって(たとえば制御シャフト7の軸方向の延在長さの少なくとも60%、または少なくとも80%にわたって)延びている。
【0027】
液圧供給部は、供給管路16を有していてよい。供給管路16は、液圧媒体を軸方向に延在する中空室10に供給するために、制御シャフト7に接続されていてよい。特に、供給管路16は、エンジンへの管路であってよく、液圧媒体としてエンジンオイルを使用することができる。
【0028】
制御シャフト7は、内燃機関により機械的に駆動することができる。制御シャフト7は、好適には吸気弁24の周期的な操作に同期して、つまりたとえば内燃機関のカムシャフト9に同期して、特にカムシャフト9と同一の回転数で駆動される。有利には、制御シャフト7の、カムシャフト9に同期した駆動は、カムシャフト9の各配向(若しくは回転位置)に対応する、制御シャフト7の規定された配向(若しくは回転位置)を可能にする(この場合、制御シャフト7の対応する回転位置は、たとえば位相シフタを介して調節可能とすることができる)。
【0029】
制御シャフト7は、少なくとも1つの開口5を有していてよい。好適には、開口5は、制御シャフト7の外周面の1つの区分にわたってのみ延びている。特に、開口5は、好適には制御シャフト7の外周面全体にわたっては延びていない。
【0030】
軸方向に延在する中空室10内にある液圧媒体は、開口5を介して制御シャフト7から流出することができる。特に、開口5は、制御シャフト7の軸方向に延在する中空室10から遅延要素8の液圧チャンバ12への液圧媒体の断続的な供給を可能にする。
【0031】
制御シャフト7の中空室10は、遅延要素8の液圧チャンバ12に接続管路15を介して流体接続させることができる。遅延要素8は、遅延要素8の液圧チャンバ12と接続管路15との間の流体接続を可能にするために開口を有している。1つの実施形態では、接続管路15は、制御シャフト7に対して固定的に、ひいては制御シャフト7において回動不能に支承されかつ/または結合されていてよい。制御シャフト7の開口5が、制御シャフト7の外周面の1つの区分にわたってのみ延在している場合、制御シャフト7の中空室10から遅延要素8の液圧チャンバ12への液圧媒体の供給は、制御シャフト7の特定の回転位置においてのみ行われる。中空室10と液圧チャンバ12との間の流体接続は、接続管路15と開口5とが「オーバラップ」する間に存在することができる。制御シャフト7がさらに回転することにより、または換言すると制御シャフト7の開口5と接続管路15との間のオーバラップが生じていない場合に、中空室10から液圧チャンバ12への流体接続を遮断することができる。1つの実施形態によれば、制御シャフト7の開口5の位置は、特にカムシャフト9に対する制御シャフト7の相対回転位置は、中空室10から液圧チャンバ12への液圧媒体の断続的な供給が吸気弁24の最大の弁ストロークの到達前または到達時に可能となるように、配置されている。
【0032】
したがって、液圧供給部は、1つの共通する態様によれば、制御シャフト7から液圧チャンバ12へと延びる接続管路15を有している。この場合、接続管路15の入口は、制御シャフト7の開口5が接続管路15の入口を周期的に通過して、中空室10から液圧媒体を断続的に供給できるように、配置されている。制御シャフト7の第1の回転角度では、たとえば制御シャフト7の開口5が、接続管路15の入口にオーバラップするので、液圧媒体は、接続管路15を介して供給され、制御シャフト7の第2の回転角度では、制御シャフト7の開口5は接続管路15の入口にオーバラップしないので、液圧媒体の供給は遮断される。
【0033】
動弁機構1は、供給管路16内に配置された切換え弁2、特に電磁切換え弁2をさらに有していてよい。切換え弁2は、供給管路16を開閉するために構成されていてよい(この実施形態は図面には図示されていない)。特に、切換え弁2は、部分負荷運転中に供給管路16を開放するように構成されていてよい。これにより、中空室10から液圧チャンバ12への液圧媒体の断続的な供給を、吸気弁24の最大の弁ストロークの到達前に可能にすることができる。1つの実施形態では、切換え弁2は、内燃機関が全負荷運転されている、かつ/または部分負荷運転されていない場合に、供給管路16を閉じるように構成されていてよい。
【0034】
動弁機構1はさらに、液圧チャンバ12からの液圧媒体の断続的な排出を可能にするように構成されていてもよい。1つの実施形態では、液圧供給部、好適には制御シャフト7は、液圧チャンバ12からの液圧媒体の断続的な排出を可能にするように構成されていてよい。特に、制御シャフト7は流出スリット6を有していてよく、これにより遅延要素8の液圧チャンバ12から液圧媒体が流出スリット6へ断続的に排出されることになる。特に、液圧チャンバ12から流出スリット6への流体接続を、制御シャフト7の回転時に断続的に開放し、遮断することができる。
【0035】
流出スリット6の複数の実施形態は、例示的に
図1B,
図2,
図3,
図4および
図5に図示されている。1つの実施形態では、流出スリット6は、制御シャフト7の外周面に配置されている。流出スリット6は、制御シャフト7の外周面の1つの区分にわたって延びていてよい。特に、流出スリット6は、好適には制御シャフト7の外周面全体にわたっては延びていない。
【0036】
制御シャフト7の流出スリット6は、制御シャフト7の1つの区分にわたって半径方向に延びていてよい。特に、制御シャフト7の流出スリット6は、好適には開口を成すものではなく、かつ/または好適には制御シャフト7の軸方向に延在する中空室10に実質的に流体接続していない。制御シャフト7の流出スリット6は、制御シャフト7の1つの区分にわたって軸方向で延びていてよい。特に、流出スリット6は、制御シャフト7の単に1つの区分にわたってのみ軸方向に延びている。
【0037】
1つの実施形態では、制御シャフト7の流出スリット6は、制御シャフト7の開口5に対して軸方向にずらして配置されている。たとえば、
図1Aは制御シャフト7の1つの実施形態を示しており、この実施形態では、制御シャフト7の開口5がA-A線の領域に軸方向に配置されている一方で、制御シャフト7の流出スリット6がB-B線の領域に軸方向に配置されている。
【0038】
制御シャフト7の軸方向に延在する中空室10と、制御シャフト7の流出スリット6とは、好適には互いに実質的に流体接続していない。1つの実施形態によれば、制御シャフト7は、制御シャフト7の開口5の領域における液圧媒体の流出を阻止するために、開口5の領域にシールを有してしてよい。特に、制御シャフト7は、制御シャフト7の開口5の領域における液圧媒体の流出を阻止するために、たとえばピストンリング4(これに関する例示的な実施形態が
図1Aに図示されている)またはOリングのようなシール要素を有していてよい。これにより、特に、開口5と流出スリット6との間の流体接続を実質的に阻止することができる。
【0039】
制御シャフト7の流出スリット6は、遅延エレメント8の液圧チャンバ12に流体接続させることができる。1つの実施形態では、制御シャフト7の流出スリット6は、接続管路15を介して遅延要素8の液圧チャンバ12に流体接続させることができる。たとえば、接続管路15は分岐していてよく、したがって制御シャフト7の中空室10に、制御シャフト7の流出スリット6に、そして遅延要素8の液圧チャンバ12に接続されていてよい。別の1つの実施形態では、遅延要素8が第2の開口を有しており、これにより遅延要素8の液圧チャンバ12と制御シャフト7の流出スリット6との間の流体接続を可能にすることができる。動弁機構1は、遅延要素8の液圧チャンバ12と制御シャフト7の流出スリット6とを接続する第2の接続管路を有していてよい。
【0040】
1つの実施形態では、接続管路15および/または第2の接続管路が、制御シャフトに対して固定的に、ひいては制御シャフトにおいて回動不能に支承され、かつ/または結合されていてよい。制御シャフト7の流出スリット6が制御シャフト7の外周面の1つの区分にわたってのみ延在している場合、遅延要素8の液圧チャンバ12から制御シャフト7の流出スリット6への液圧媒体の排出は、制御シャフト7の特定の回転位置でのみ行われる。中空室10と液圧チャンバ12との間の流体接続は、流出スリット6と接続管路15または第2の接続管路とのオーバラップ時に存在することができる。制御シャフト7がさらに回転することにより、または換言すると流出スリット6と接続管路15または第2の接続管路との間のオーバラップが生じていない場合に、流出スリット6への液圧チャンバ12の流体接続を遮断することができる。1つの実施形態によれば、制御シャフト7の流出スリット6の配置は、特にカムシャフト9に対する制御シャフト7の回転角度(若しくは回転位置)は、液圧チャンバ12から流出スリット6への液圧媒体の断続的な排出が吸気弁24の最大の開放位置への到達後に可能となるように、規定されている。
【0041】
本開示の実施形態による動弁機構1は、機械的な解決手段に基づく吸気弁24の閉鎖運動の遅延を可能にする。特に、本開示の実施形態による動弁機構1は、吸気弁24の閉鎖運動を遅延させるために電気的および/または電磁的な構成部材を要求しない。電気的および/または電磁的な構成部材は、特に吸気弁24の閉鎖運動の制御および必要な調整に関連して著しい追加のコストをもたらしてしまう。
【0042】
図2および
図3は、1つの実施形態による動弁機構1をそれぞれ図示している。遅延要素8は、吸気弁操作機構20のシーソ式ロッカアーム23に接触している。プッシュロッド21は、
図2および
図3には単に部分的に図示されている。破線の矢印は、制御シャフト7の回転方向を示唆しているが、この回転方向は、制限するものと見なすべきではない。制御シャフト7は、代替的には反時計回りに回転することができる。吸気弁24の閉鎖運動の遅延は、
図2および
図3に図示した両実施形態において、液圧媒体が充填された遅延要素8がシーソ式ロッカアーム23の運動を遅延させることができ、その結果吸気弁24の閉鎖運動も遅延させることができることによって、達成することができる。
【0043】
図4および
図5は、1つの実施形態による動弁機構1をそれぞれ図示している。遅延要素8は、吸気弁操作機構20のスイングアーム式ロッカアーム22に接触している。プッシュロッド21は、単に部分的に図示されている。吸気弁24の閉鎖運動の遅延は、
図4および
図5に図示した両実施形態において、液圧媒体が充填された遅延要素8が、スイングアーム式ロッカアーム22を遅延させることができ、その結果吸気弁24の閉鎖運動も遅延させることができることによって、達成することができる。
【0044】
1つの実施形態によれば、動弁機構1は、切換え弁2のための動力伝達装置を有していてよい。動力伝達装置は、供給管路16の閉鎖時点を変化させるための位相シフタを有していてよく、この変化は、好適には回転数に依存して、かつ/または負荷に依存して行われる。別の1つの実施形態では、位相シフタは、制御シャフト7の回転位置をカムシャフト9に対して変更することができる。したがって、位相シフタは、液圧チャンバ12への液圧媒体の断続的な供給の時点(タイミング)を変化させることを可能にする。
【0045】
1つの実施形態によれば、動弁機構1は、切換え弁2を迂回するバイパス弁3を有していてよい。好適にはバイパス弁3の機械的または電気的な操作により、制御シャフト7の軸方向に延在する中空室10内への液圧媒体の供給が可能にされる。バイパス弁3は、フェイルセーフ運転を可能にする。
【0046】
1つの実施形態によれば、内燃機関が提供される。内燃機関は、本明細書に開示された複数の実施形態のうちのいずれか1つの実施形態による多数の動弁機構1を有していてよい。特に、制御シャフト7から、全ての遅延要素8の液圧チャンバ12への流体接続を、制御シャフト7の回転時に断続的に開放し、かつ遮断することができる。
【0047】
制御シャフト7は、多数の開口5および/または多数の流出スリット6を有していてよい。有利には、本明細書に開示された動弁機構1および内燃機関は、液圧供給部、好適には制御シャフト7から全ての遅延要素8の液圧チャンバ12への液圧媒体の供給と、全ての遅延要素8の液圧チャンバ12から液圧供給部、好適には制御シャフト7への液圧媒体の排出を可能にする。したがって、制御シャフト7によって全ての動弁機構1の吸気弁24の閉鎖運動の遅延が可能になる。有利には、吸気弁24の閉鎖運動を遅延させるために、個別の電気的または電磁的な制御、またはたとえば内燃機関の動弁機構毎の液圧媒体サーボ回路のような各動弁機構1のための個別の装置は必要とならない。その代わりに、本発明によれば、制御シャフト7は内燃機関の全ての液圧チャンバ12に液圧媒体を供給することができ、この場合に液圧媒体を分配する電気的および/または電磁的な構成部材を必要としない。したがって、有利には、簡単かつ廉価な構成が存在すると同時に、遅延要素8の確実かつ正確な制御が保証されており、出力若しくは電力需要が減じられている。
【0048】
特に、供給管路16内に配置された切換え弁2は、制御シャフト7の中空室10から全ての遅延要素8の液圧チャンバ12内への液圧媒体の供給を可能にする。
【0049】
本明細書には特定の実施形態が図示され説明されているが、示された実施形態を、本発明の保護範囲から逸脱することなしに変更することも、本発目の枠内にある。
【手続補正書】
【提出日】2021-10-28
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
内燃機関用の動弁機構(1)であって、該動弁機構(1)が、
前記内燃機関の吸気弁(24)を周期的に操作する吸気弁操作機構(20)と、
前記吸気弁操作機構(20)と連結する遅延要素(8)であって、液圧媒体を用いて前記吸気弁(24)の閉鎖運動を遅延させるための液圧チャンバ(12)を備えた遅延要素(8)と、
前記液圧チャンバ(12)内に前記液圧媒体を供給する液圧供給部と
を有しており、
前記液圧供給部が、制御シャフト(7)を有しており、該制御シャフト(7)が、前記内燃機関により機械的に駆動さ
れ、かつ
前記制御シャフト(7)が、前記液圧媒体のための軸方向に延在する中空室(10)と、前記中空室(10)から前記液圧チャンバ(12)に前記液圧媒体を断続的に供給するための少なくとも1つの開口(5)とを有している、動弁機構(1)。
【請求項2】
前記吸気弁操作機構(20)が、
a.)シーソ式ロッカアーム(23)を有しており、該シーソ式ロッカアーム(23)に前記遅延要素(8)が接触している、かつ/または
b.)スイングアーム式ロッカアーム(22)を有しており、該スイングアーム式ロッカアーム(22)に前記遅延要素(8)が接触している、かつ/または
c.)プッシュロッド(21)を有しており、該プッシュロッド(21)に前記遅延要素(8)が接触している、かつ/または
d.)弁ブリッジを有しており、該弁ブリッジに前記遅延要素(8)が接触している、
請求項1記載の動弁機構。
【請求項3】
前記液圧供給部が、前記軸方向に延在する中空室(10)内に前記液圧媒体を供給するために、前記制御シャフト(7)に接続する供給管路(16)を有して
いる、請求項
1記載の動弁機構。
【請求項4】
前記供給管路(16)内に配置された切換え弁(2)
をさらに有している、請求項3記載の動弁機構。
【請求項5】
前記制御シャフト(7)の前記中空室(10)を、前記遅延要素(8)の前記液圧チャンバ(12)に接続管路(15)を介して流体接続させることができる、請求項
1記載の動弁機構。
【請求項6】
前記制御シャフト(7)の前記開口(5)
は、前記中空室(10)から前記液圧チャンバ(12)への前記液圧媒体の断続的な供給が前記吸気弁(24)の最大の弁ストロークへの到達前または到達時に可能となるように、配置されている、請求項
1記載の動弁機構。
【請求項7】
前記液圧チャンバ(12)が、液圧シリンダとして形成されており、前記遅延要素(8)が、液圧ピストン(14)をさらに有しており、該液圧ピストン(14)は、前記液圧チャンバ(12)内に供給された前記圧力媒体によって圧力を加えられるように、前記液圧チャンバ(12)内に摺動可能に配置されており、これにより前記液圧媒体によって圧力を加えられた前記液圧ピストン(14)が、前記吸気弁操作機構(20)の閉鎖運動に抗して作用する、請求項
1記載の動弁機構。
【請求項8】
前記制御シャフト(7)が、前記液圧チャンバ(12)から流出スリット(6)への、かつ該流出スリット(6)を通じた前記液圧媒体の断続的な排出のために、前記流出スリット(6)を有して
いる、請求項
1記載の動弁機構。
【請求項9】
前記流出スリット(6)が、前記制御シャフト(7)の外周面に配設されている、請求項8記載の動弁機構。
【請求項10】
前記制御シャフト(7)の前記流出スリット(6)
は、前記液圧チャンバ(12)から前記流出スリット(6)への前記液圧媒体の前記断続的な排出が前記吸気弁(24)の最大の開放位置への到達後に可能となるように、配置されている、請求項
8記載の動弁機構。
【請求項11】
前記制御シャフト(7)の前記流出スリット(6)が、前記制御シャフト(7)の1つの区分にわたって半径方向に延びており、かつ/または前記制御シャフト(7)の前記軸方向に延在する中空室(10)と前記制御シャフト(7)の前記流出スリット(6)とが、互いに直接的に流体接続していない、請求項8記載の動弁機構。
【請求項12】
前記遅延要素(8)が、ばね装置(11)を有しており、該ばね装置(11)が、前記吸気弁操作機構(20)の前記閉鎖運動に抗して作用する、請求項
1記載の動弁機構。
【請求項13】
前記切換え弁(2)を迂回するバイパス弁(3)をさらに有しており、
操作により、前記制御シャフト(7)の前記軸方向に延在する中空室(10)への前記液圧媒体の供給が可能になっている、請求項
1記載の動弁機構。
【請求項14】
前記制御シャフト(7)の前記流出スリット(6)が、前記制御シャフト(7)の前記開口(5)から軸方向にずらされて配置されている、請求項
8記載の動弁機構。
【請求項15】
前記動弁機構が、
前記内燃機関の対応する多数の吸気弁(24)を周期的に操作する多数の吸気弁操作機構(20)と、
前記複数の吸気弁操作機構(20)のそれぞれと連結する多数の遅延要素(8)であって、液圧媒体により前記各吸気弁(24)の閉鎖運動を遅延させるための、それぞれの液圧チャンバ(12)を備えた多数の遅延要素(8)と
を有しており、
前記液圧供給部が、1つの制御シャフト(7)を有しており、該制御シャフト(7)が、前記内燃機関により機械的に駆動され
、
前記制御シャフト(7)が、前記液圧媒体のための軸方向に延在する中空室(10)と、該中空室(10)から前記各液圧チャンバ(12)への前記液圧媒体の断続的な供給のためのそれぞれの開口(5)とを有しており、前記制御シャフト(7)から前記各遅延要素(8)の前記液圧チャンバ(12)への流体接続が、前記制御シャフト(7)の回転時に断続的に開放され、遮断される、請求項
1記載の動弁機構。
【請求項16】
前記制御シャフト(7)が、前記吸気弁(24)の周期的な操作に同期して機械的に駆動される、請求項15記載の動弁機構。
【請求項17】
請求項1から
16までのいずれか1項記載の少なくとも1つの動弁機構を有する、内燃機関。
【国際調査報告】