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特表2022-519972航行中での前進に対する抵抗を減少させる回転体のタンデム配置によって形成される輸送用浮体構造
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  • 特表-航行中での前進に対する抵抗を減少させる回転体のタンデム配置によって形成される輸送用浮体構造 図1
  • 特表-航行中での前進に対する抵抗を減少させる回転体のタンデム配置によって形成される輸送用浮体構造 図2
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-03-28
(54)【発明の名称】航行中での前進に対する抵抗を減少させる回転体のタンデム配置によって形成される輸送用浮体構造
(51)【国際特許分類】
   B63H 1/04 20060101AFI20220318BHJP
   B63B 1/40 20060101ALI20220318BHJP
【FI】
B63H1/04
B63B1/40 Z
【審査請求】有
【予備審査請求】有
(21)【出願番号】P 2021528876
(86)(22)【出願日】2018-11-19
(85)【翻訳文提出日】2021-07-13
(86)【国際出願番号】 ES2018070745
(87)【国際公開番号】W WO2020104707
(87)【国際公開日】2020-05-28
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】521217448
【氏名又は名称】カルロス エデュアルド アークシン
【氏名又は名称原語表記】ARCUSIN, Carlos Eduardo
(71)【出願人】
【識別番号】521217459
【氏名又は名称】アレハンドロ ロマン ガンザバル リベラーティ
【氏名又は名称原語表記】GANZABAL LIBERATI, Alejandro Roman
(74)【代理人】
【識別番号】100147485
【弁理士】
【氏名又は名称】杉村 憲司
(74)【代理人】
【識別番号】230118913
【弁護士】
【氏名又は名称】杉村 光嗣
(74)【代理人】
【識別番号】100170597
【弁理士】
【氏名又は名称】松村 直樹
(72)【発明者】
【氏名】カルロス エデュアルド アークシン
(57)【要約】
航行中での前進抵抗を減少させる複数の回転体のタンデム装置(2)によって形成される輸送用浮体構造であって、前記複数の回転体のタンデム装置(2)は、前方回転体(6)、複数の中間回転体(7)、及び後方回転体(8)によって構成され、前記複数の回転体(7)は当該構造の前進速さと同期するように回転し、前記複数の中間回転体は、上側プラットフォーム(12)に固定される取付手段(5)により長手方向回転軸(4)で相互に関連し、前記前方回転体、前記複数の中間回転体、及び前記後方回転体の前記長手方向回転軸はヒンジ手段(10)によって隣接する回転体の回転軸に関連付けられ、前記ヒンジ手段(10)は前記牽引制御手段(9)の一の端部と枢動可能に結合され、前記牽引制御手段は、航行中に前記前方回転体と前記後方回転体を該回転体の最大直径の30%のオーダーで沈んだ状態に保ち、かつ他の端部によって前記上側プラットフォーム(12)と枢動可能に結合され、前記長手方向回転軸(4)は、当該構造の前進方向に対して垂直に配置され、前記複数の回転体へ過回転機能を供する駆動手段(11)に関連付けられ、前記複数の回転体は該回転体の最大直径の約5%以下の距離だけ互いに離間される。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
航行中での前進抵抗を減少させる複数の回転体のタンデム装置によって形成される輸送用浮体構造であって、
前記複数の回転体のタンデム装置は、前方回転体、複数の中間回転体、及び後方回転体によって構成され、
前記複数の回転体は当該構造の前進速さと同期するように回転し、
前記複数の中間回転体は、上側プラットフォームに固定される取付手段により長手方向回転軸で相互に関連し、
前記前方回転体、前記複数の中間回転体、及び前記後方回転体の前記長手方向回転軸はヒンジ手段によって隣接する回転体の回転軸に関連付けられ、
前記ヒンジ手段は前記牽引制御手段の一の端部と枢動可能に結合され、
前記牽引制御手段は、前記牽引制御手段の他の端部によって前記上側プラットフォームと枢動可能に結合され、
前記長手方向回転軸は、当該構造の前進方向に対して垂直に配置され、前記複数の回転体へ過回転機能を供する駆動手段に関連付けられ、
前記複数の回転体は該回転体の最大直径の約5%以下の距離だけ互いに離間される、
ことを特徴とする構造。
【請求項2】
請求項1に記載の構造であって、前記牽引制御手段はピストンであり、航行中に前記前方回転体と前記後方回転体を該回転体の最大直径の30%のオーダーで沈んだ状態に保つことを特徴とする構造。
【請求項3】
請求項1に記載の構造であって、
前記駆動手段は前記回転体を回転可能に駆動し、
前記駆動手段はたとえばエンジンで、かつ、伝送手段によって前記前方回転体、前記複数の中間回転体、及び前記後方回転体の前記長手方向回転軸に関連付けられる、
ことを特徴とする構造。
【請求項4】
請求項3に記載の構造であって、前記伝送手段はベルト、ストラップ、鎖、ギアであることを特徴とする構造。
【請求項5】
請求項1に記載の構造であって、前記取付手段は棒であることを特徴とする構造。
【請求項6】
請求項1に記載の構造であって、前記ヒンジ手段は枢動アームであることを特徴とする構造。
【請求項7】
請求項1に記載の構造であって、
前記複数の回転体の内部は中空状で、
前記複数の回転体の内部の表面は滑らかである、
ことを特徴とする構造。
【請求項8】
請求項1に記載の構造であって、前記複数の回転体の各々は、内部に荷物を担持する直径の小さな静的及び同心円状の回転体を備えることを特徴とする構造。
【請求項9】
請求項1に記載の構造であって、前記複数の回転体は前記駆動手段によって供される過回転機能を有することを特徴とする装置。
【請求項10】
請求項1に記載の構造であって、前記複数の回転体はシリンダであることを特徴とする構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の回転体のタンデム配置によって形成される輸送用浮体構造に関する。当該浮体構造は、航行中での前進抵抗を減少させる。
【0002】
本発明の装置によって、摩擦抵抗又は粘性抗力及び圧力抵抗-残留抵抗又は波の生成に対する抵抗とも呼ばれる-によって構成される前進抵抗は既知の浮体構造よりも減少し、消費の減少又は一定の消費に対する船の前進速さの増大が実現される。さらに前記回転体内部での荷重の可能性も予見される。
【背景技術】
【0003】
特許文献1は、水中に気体を放出し、船体の船首又は船尾内での水位下の所定の位置に複数の気体流出口を供給し、船体を上方に押すことで船体と表面で接する水の平均密度を減少させることによって船の本体部と水との間での摩擦抵抗を減少させる方法を開示している。
【0004】
特許文献2は、腐食防止処置が施された船の外部装甲の表面上での海水の流れの方向に沿って形成される非常に細いスリットによって船体内での圧力を減少させる方法を開示している。その結果船体の抵抗が減少し、海洋生物の付着が防止される。
【0005】
特許文献3は、内部に空気チャンバが存在する船の下部内に形成される複数の穴から気泡を生成する均等な空気噴流を放出する機能を有する船体内での摩擦抵抗を減少させる装置を開示している。
【0006】
特許文献4は、長手方向に沿って特定の距離だけ離間する複数の選ばれた位置から気体を水へ注入することによって水に対する摩擦抵抗を減少させる方法を開示している。
【0007】
特許文献5は、船の操縦状態又は船の状態に従って気泡の生成位置と気泡の数を適切に変化させる機能を有する水に対する船の摩擦抵抗を減少させることで、乱流が生じるときでさえ気泡の厳密な流れによって摩擦抵抗を実効的に減少させる装置を開示している。
【0008】
特許文献6は、船体内で微細な気泡を生成して船体の沈められた表面上の微細な気泡を含む水の厚い層を生成することによって流体の摩擦抵抗を減少させる装置を開示している。前記装置は、吸い込まれた水中に多量の空気を混合させる機能を有するポンプを用いる。
【0009】
特許文献7は、船の下側装甲の前方船体内に設置される覆いに相互接続される、摩擦抵抗を減少させる気泡生成装置を開示している。
【0010】
特許文献8は、動的圧力が負になる船首バルブの両側の3層中に配置される空気を流す手段を供することによって摩擦抵抗を減少させる装置を開示している。
【0011】
特許文献9は、空気噴流で水を変化させることで船を推進させる抵抗性張力を発生させて、摩擦抵抗を実質的に減少させる、船を推進させる装置を開示している。
【0012】
特許文献10は、マイクロバブルを生成することによって船内での摩擦抵抗を減少させる方法及び装置を開示している。
【0013】
特許文献11は、海洋車両用の気体注入システムを開示している。前記気体注入システムでは、1次気体注入器が船体の下方で軸方向の気体流を生成し、水の通期流を生成する1次通期装置が船体の下方に供され、かつ、主推進効果を与える傾斜面を備えて通期流をさらに精緻化する2次通期装置が供される。
【0014】
特許文献12は、空気を注入することで船首バルブ内の喫水線の下方で前記装甲の表面上にマイクロバブルを生成することによって船体の外部装甲と水との間での船の摩擦抵抗を減少させる方法を開示している。
【0015】
特許文献13は、所定の直径のマイクロバブルを水流線の開始位置に隣接する位置及び静圧が低い位置から水へ注入することによって船体の摩擦抵抗を減少させる方法を開示している。マイクロバブルが船体の沈められた部分の周辺領域の少なくとも一部に分布することで、航行中での船体の摩擦抵抗が減少する。
【0016】
最後に同一出願人の特許文献14は、水上車両等の排水を可能にする浮輪を開示している。前記浮輪は、船体に接続される軸に対して自由に回転するように固定される複数のブレードを備える球状の構造を有する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0017】
【特許文献1】米国特許出願公開第2009/0266288A1号公報
【特許文献2】特許出願公開第2001-114185号公報
【特許文献3】特許第4959667号公報
【特許文献4】欧州特許第0926060A3号公報
【特許文献5】特許出願公開第2009-248611号公報
【特許文献6】特許出願公開第2010-280342号公報
【特許文献7】特許出願公開第昭60-139586号公報
【特許文献8】特許出願公開第昭62-268793号公報
【特許文献9】米国特許第276954号公報
【特許文献10】米国特許第5575232号公報
【特許文献11】米国特許第387885号公報
【特許文献12】米国特許第6789491B2号公報
【特許文献13】米国特許第6186085B1号公報
【特許文献14】欧州特許第0265382A1号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0018】
上述した従来技術の対象は多くの欠点を有していると思われる。とりわけこれらは効率的ではなく、航行中に浮体構造の摩擦抵抗を減少させるのに多くのエネルギーを必要とする。多くの場合でさえ、この目的のために消費されるエネルギーを考慮すると、摩擦抵抗の減少は最小であるし、この効果を生じさせる装置の複雑さについては言及していない。
【課題を解決するための手段】
【0019】
このようなことから、出願人は、航行中での前進抵抗を減少させる複数の回転体のタンデム配置によって形成される浮体構造を開発した。前記複数の回転体の回転は集合体の前進速さと同期し、前記回転体の長手方向回転軸は当該浮体構造の前進方向に対して垂直に配置される。本願では、前記複数の回転体は好適には同一の形状及び寸法のシリンダである。前記複数の回転シリンダの長手方向回転軸は、上にプラットフォームが設けられる支持手段-たとえばフォーク-に取り付けられる。前記プラットフォームは前記シリンダタンデムの上方に設けられる。駆動手段-たとえばエンジン-を用いることによって前記シリンダには回転推進力が与えられる。前記駆動手段は、伝送手段-たとえばベルト、ストラップ、鎖等-によって前記少なくとも1つのシリンダの前記長手方向軸に関連付けられる。前記浮体構造の前進中での前記抵抗を減少させるという観点で最適な効果を実現するため、出願人は、前記少なくとも1つのシリンダの牽引は前記シリンダの直径の30%のオーダーでなければならないことを発見した。前記直径の30%のオーダーの前記牽引が維持されることを保証するため、を制御する手段-ピストン等であってよい-が供される。さらに前記船の前記船体に最も近い前記回転シリンダは、前記シリンダによって担持される合計の荷物が前記シリンダの内部と外部の両方で評価されなければならない。
【0020】
[牽引]
【0021】
研究段階中では、OpenFoamを備えるCFDシステムによってシミュレーションされる多数の試験後、出願人は、前述したように、シリンダの理想的な牽引は直径の30%のオーダーであることを確認した。その理由は、回転しない同一のものと比較した集合体の前進速さと同期した速さでの前記シリンダ―の回転は、前記牽引によって、前記前進に対する抵抗を全体抵抗の最大50%減少させることができるからである。前記牽引が前記直径の50%のときには、この減少はわずか5%である。
【表1】
【0022】
[牽引に依存する抵抗の減少の割合]
【表2】
【0023】
[2つ以上のシリンダ間での間隔]
前述したように、出願人は、シリンダ本体同士が直径の約5%以下に接近するときに最適な距離が得られることを確認した。接近することで、非常に顕著な流体力学的相互作用を生じさせる。この相互作用は回転する本体が遠ざかるときに消えてしまう。
【0024】
[シリンダタンデム装置の前部シリンダの推進力]
【0025】
回転シリンダの約5%以下の最適と約30%のオーダーの最適牽引によって、出願人は、船首内の2つ以上のシリンダの構造中の前方シリンダは、船の前進に対する抵抗の減少に寄与するだけではなく、システムにエネルギー-これは推進力と解される-を提供していることを確認した。
【0026】
この現象は、前記回転シリンダの過圧の効果及び前記シリンダの浸水プロファイルにわたる水流の速さの増大によって実現される。前記シリンダは一部しか沈められず、かつ、既に回転並進運動しているので、沈められた部分は、水の外部の部分と接触する空気よりも約1000倍密な媒質によって与えられる圧力を得る。前記の圧力差によって、集合体の前進方向と一致する推進力が回転並進運動となる。
【0027】
試験から得られた結果によると、直径すなわち長さ6mのシリンダは、深さ2mの牽引及び12mの長さ又はビームであれば、3.162m/秒の同期速さで73.14HPに相当する推進力をシステムに与える。
【0028】
[シリンダタンデム装置における3つのシリンダの同期された回転、及び、前方シリンダから後方シリンダまでの過回転]
【0029】
出願人は、集合体の前進速さに対する回転速さの割合の差を評価したことで、以降の図からわかるように前記シリンダで過回転を生成するときの抵抗が連続的に減少するのを観測した。
S並進=S5=0.8m/秒
回転速さによって計算される全体抵抗の変化
【表3】
【0030】
同期された回転で3つの回転シリンダの集合体を解析するとき、前方シリンダから後方シリンダへ向かって増大させながら回転速さ又は過回転を変化させたことについても論じた。その結果、以下の結果が得られた。
A)1m/秒の速さで同期された回転をする3つのシリンダでは、得られた減少は集合体の前進に対する全体抵抗の43%であった。
B)前方シリンダと中間シリンダの回転速さが同期され、後方シリンダの回転速さは前記同期された速さの2倍である3つのシリンダでは、得られた減少は集合体の前進に対する全体抵抗の52%であった。
C)前方シリンダの回転速さが同期され、中間シリンダの回転速さは前記同期された速さの1.5倍で、後方シリンダの回転速さは前記同期された速さの2倍である3つのシリンダでは、得られた減少は集合体の前進に対する全体抵抗の56%であった。
【表4】
【表5】
【表6】
V00=回転なし
V10=同期された回転速さ=1m/秒
V15=同期された回転速さの1.5倍
V20=同期された回転速さの2倍
TEP=実効出力=(全体抵抗)×(前進速さ)
RP=回転出力
RP=(回転トルク)×(角回転速さ)
【表7】
V00=回転なし
V10=同期された回転速さ=1m/秒
V15=同期された回転速さの1.5倍
V20=同期された回転速さの2倍
TEP=実効出力=(全体抵抗)×(前進速さ)
RP=回転出力
RP=(回転トルク)×(角回転速さ)
【表8】
【0031】
上記からわかるように、過回転は全体抵抗における顕著な効果を有する。エネルギーバランスの観点からは最適な選択は浮体構造の前進速さと同一の回転で同期することであるが、浮体構造の速さの増大を実現させる必要があるという観点からは、他の選択肢もかなり有効である。
様々な設定が試験された。
A)すべてのシリンダの回転を同期する
B)前方シリンダのみ同期する
C)後方シリンダのみ同期する
D)すべてのシリンダを回転させない
【0032】
すべての場合において最大の減少及び推進力さえも、常に前方シリンダによって供されることが観測された。
【0033】
しかし回転中にのみ-過回転の場合でも-後方シリンダが分析されたとき、前記後方シリンダは5%のオーダーで集合体の全体抵抗の減少をもたらす。
【0034】
期待されているように、回転の利点は用いられるスケールに漸進的に関連する。その理由は、船首及び/又は船尾におけるエネルギーを減少させる方法を用いる各浮体構造は、それぞれの設定で最善のスケール選択を試すべきだからである。
【0035】
本発明の他の特徴は、複数の回転シリンダの各々は、内部に荷物を担持し、かつ、直径の小さな静的及び同心円状のシリンダをも備えて前記荷物を輸送することで、体積を利用し、かつ、輸送されるトン当たりのコスト比を改善することを可能にするタンクとして機能し得る。
【0036】
回転するシリンダは、如何なる型の羽又は翼を有しておらず、表面は可能な限り滑らかである。
【0037】
前進に対する抵抗を減少させる効果は、水中でのシリンダによって発生する抵抗よりもはるかに大きい。その理由は、圧力抵抗-残留抵抗又は波生成に対する抵抗とも呼ばれる-が修正されるからである。圧力抵抗は、浮体構造の全体抵抗の約90%の原因であり、かつ、速さに依存して指数関数的に増大する。
【0038】
さらに河川及び海洋輸送のコストは、燃料の消費と輸送時間に関するすべてのコスト-たとえば日常的なレンタル及び船員の雇用-を含む。それが、この装置によって、消費の減少又は一定の消費での浮体構造の前進速さの増大が考えられる理由である。この結果、浮体構造の汚染は少なくなり、かつ、経済的になり、あるいは、後方支援に関する限り節約によって浮体構造のサイクルタイムが短くなる。
【0039】
これにより、輸送される荷物のトン当たりに消費されるエネルギーの効率が非常に高くなり、加えて非常に安定した設計となる。
【0040】
本発明の対象は、航行中での前進抵抗を減少させる複数の回転体のタンデム装置によって形成される輸送用浮体構造である。前記複数の回転体のタンデム装置は、当該構造の前進速さと同期するように回転する前方回転体、中間回転体、及び後方回転体によって形成される。前記複数の中間回転体は、上側プラットフォームに固定される取付手段により長手方向回転軸で相互に関連し、同時に前記前方回転体と前記中間回転体の前記長手方向回転軸はヒンジ手段によって隣接する回転体の回転軸に関連付けられ、前記ヒンジ手段は前記牽引制御手段の一の端部と枢動可能に結合され、前記牽引制御手段の他の端部によって前記上側プラットフォームと枢動可能に結合され、前記長手方向回転軸は、当該構造の前進方向に対して垂直に配置され、かつ、駆動手段に関連付けられ、前記複数の回転体は該回転体の最大直径の約5%以下の距離だけ互いに離間されることを特徴とする。
【図面の簡単な説明】
【0041】
図1】浮体構造の前進速さと同期して回転する複数の回転シリンダのタンデムが直径の30%沈んだ状態の側面を表している。
図2】個々の駆動手段に関連付けられる前記回転シリンダのタンデムの斜視図を表している。内部には荷物を輸送するために同心円状で静的なシリンダが供される。
【発明を実施するための形態】
【0042】
図1は、前方シリンダ6、中間シリンダ7、及び後方シリンダ8によって構成される回転シリンダ2のタンデム装置により形成される輸送用浮体構造1を表している。回転シリンダ2は浮体構造集合体の前進速さと同期して回転する。前記中間シリンダ7は、上側プラットフォーム12に固定される取付手段5-たとえば棒-によって長手方向回転軸4によって相互接続される。同時に前記前方シリンダ6と後方シリンダ8の長手方向回転軸はヒンジ手段10-たとえば枢動アームーによって隣接するシリンダの回転軸に関連付けられる。前記ヒンジ手段10は牽引制御手段9の一の端部では枢動可能に結合される。牽引制御手段9の他の端部は前記上側プラットフォーム12に枢動可能に結合される。
【0043】
前記長手方向回転軸4は、当該構造の前進方向に対して垂直に配置され、かつ、駆動手段(不図示)に関連付けられる。また前記回転シリンダは直径の約5%の距離だけ相互に離間する。
【0044】
牽引制御手段9は、航行中に前記前方シリンダ6と後方シリンダ8を直径の30%のオーダーで沈めた状態に保つ。牽引制御手段9はたとえばピストンである。
【0045】
他方、前記駆動手段(不図示)は前記回転シリンダ2を回転可能に駆動する。前記駆動手段はたとえばエンジンである。前記駆動手段(不図示)は、伝送手段(不図示)によって前記前方シリンダ6、前記中間シリンダ7、及び前記後方シリンダ8の前記長手方向回転軸4に関連付けられる。前記伝送手段はベルト、ストラップ、鎖、ギアなどであってよい。
【0046】
前記回転シリンダ2の表面は滑らかであることに留意して欲しい。
【0047】
図2は、前記伝送手段14を介して個々の駆動手段11に関連付けられる前記回転シリンダ2を表している。図中、前記回転シリンダ2の内部は中空状で、前記回転シリンダ2は内部で荷物を担持可能であるか、あるいは前記荷物を担持する直径の小さな同心円状で静的なシリンダ13を収容してよい。
【0048】
結局前記回転シリンダ2は、前記駆動手段11によって供給される過回転機能を有する。

図1
図2
【手続補正書】
【提出日】2020-08-03
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の回転体のタンデム配置によって形成される輸送用浮体構造に関する。当該浮体構造は、航行中での前進に対する抵抗を減少させる。
【0002】
本発明の装置によって、摩擦抵抗又は粘性抗力及び圧力抵抗-残留抵抗又は波の生成に対する抵抗とも呼ばれる-によって構成される前進に対する抵抗は既知の浮体構造よりも減少し、消費の減少又は一定の消費に対する船の前進速さの増大が実現される。さらに前記回転体内部での荷重の可能性も予見される。
【背景技術】
【0003】
特許文献1は、水中に気体を放出し、船体の船首又は船尾内での水位下の所定の位置に複数の気体流出口を供給し、船体を上方に押すことで船体と表面で接する水の平均密度を減少させることによって船の本体部と水との間での摩擦抵抗を減少させる方法を開示している。
【0004】
特許文献2は、腐食防止処置が施された船の外部装甲の表面上での海水の流れの方向に沿って形成される非常に細いスリットによって船体内での圧力を減少させる方法を開示している。その結果船体の抵抗が減少し、海洋生物の付着が防止される。
【0005】
特許文献3は、内部に空気チャンバが存在する船の下部内に形成される複数の穴から気泡を生成する均等な空気噴流を放出する機能を有する船体内での摩擦抵抗を減少させる装置を開示している。
【0006】
特許文献4は、長手方向に沿って特定の距離だけ離間する複数の選ばれた位置から気体を水へ注入することによって水に対する摩擦抵抗を減少させる方法を開示している。
【0007】
特許文献5は、船の操縦状態又は船の状態に従って気泡の生成位置と気泡の数を適切に変化させる機能を有する水に対する船の摩擦抵抗を減少させることで、乱流が生じるときでさえ気泡の厳密な流れによって摩擦抵抗を実効的に減少させる装置を開示している。
【0008】
特許文献6は、船体内で微細な気泡を生成して船体の沈められた表面上の微細な気泡を含む水の厚い層を生成することによって流体の摩擦抵抗を減少させる装置を開示している。前記装置は、吸い込まれた水中に多量の空気を混合させる機能を有するポンプを用いる。
【0009】
特許文献7は、船の下側装甲の前方船体内に設置される覆いに相互接続される、摩擦抵抗を減少させる気泡生成装置を開示している。
【0010】
特許文献8は、動的圧力が負になる船首バルブの両側の3層中に配置される空気を流す手段を供することによって摩擦抵抗を減少させる装置を開示している。
【0011】
特許文献9は、空気噴流で水を変化させることで船を推進させる抵抗性張力を発生させて、摩擦抵抗を実質的に減少させる、船を推進させる装置を開示している。
【0012】
特許文献10は、マイクロバブルを生成することによって船内での摩擦抵抗を減少させる方法及び装置を開示している。
【0013】
特許文献11は、海洋車両用の気体注入システムを開示している。前記気体注入システムでは、1次気体注入器が船体の下方で軸方向の気体流を生成し、水の通期流を生成する1次通期装置が船体の下方に供され、かつ、主推進効果を与える傾斜面を備えて通期流をさらに精緻化する2次通期装置が供される。
【0014】
特許文献12は、空気を注入することで船首バルブ内の喫水線の下方で前記装甲の表面上にマイクロバブルを生成することによって船体の外部装甲と水との間での船の摩擦抵抗を減少させる方法を開示している。
【0015】
特許文献13は、所定の直径のマイクロバブルを水流線の開始位置に隣接する位置及び静圧が低い位置から水へ注入することによって船体の摩擦抵抗を減少させる方法を開示している。マイクロバブルが船体の沈められた部分の周辺領域の少なくとも一部に分布することで、航行中での船体の摩擦抵抗が減少する。
【0016】
最後に同一出願人の特許文献14は、水上車両等の排水を可能にする浮輪を開示している。前記浮輪は、船体に接続される軸に対して自由に回転するように固定される複数のブレードを備える球状の構造を有する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0017】
【特許文献1】米国特許出願公開第2009/0266288A1号公報
【特許文献2】特許出願公開第2001-114185号公報
【特許文献3】特許第4959667号公報
【特許文献4】欧州特許第0926060A3号公報
【特許文献5】特許出願公開第2009-248611号公報
【特許文献6】特許出願公開第2010-280342号公報
【特許文献7】特許出願公開第昭60-139586号公報
【特許文献8】特許出願公開第昭62-268793号公報
【特許文献9】米国特許第276954号公報
【特許文献10】米国特許第5575232号公報
【特許文献11】米国特許第387885号公報
【特許文献12】米国特許第6789491B2号公報
【特許文献13】米国特許第6186085B1号公報
【特許文献14】欧州特許第0265382A1号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0018】
上述した従来技術の対象は多くの欠点を有していると思われる。とりわけこれらは効率的ではなく、航行中に浮体構造の摩擦抵抗を減少させるのに多くのエネルギーを必要とする。多くの場合でさえ、この目的のために消費されるエネルギーを考慮すると、摩擦抵抗の減少は最小であるし、この効果を生じさせる装置の複雑さについては言及していない。
【課題を解決するための手段】
【0019】
このようなことから、出願人は、航行中での前進に対する抵抗を減少させる複数の回転体のタンデム配置によって形成される浮体構造を開発した。前記複数の回転体の回転は集合体の前進速さと同期し、前記回転体の長手方向回転軸は当該浮体構造の前進方向に対して垂直に配置される。本願では、前記複数の回転体は好適には同一の形状及び寸法のシリンダである。前記複数の回転シリンダの長手方向回転軸は、上にプラットフォームが設けられる支持手段-たとえばフォーク-に取り付けられる。前記プラットフォームは前記シリンダタンデムの上方に設けられる。駆動手段-たとえばエンジン-を用いることによって前記シリンダには回転推進力が与えられる。前記駆動手段は、伝送手段-たとえばベルト、ストラップ、鎖等-によって前記少なくとも1つのシリンダの前記長手方向軸に関連付けられる。前記浮体構造の前進中での前記抵抗を減少させるという観点で最適な効果を実現するため、出願人は、前記少なくとも1つのシリンダの牽引は前記シリンダの直径の30%のオーダーでなければならないことを発見した。前記直径の30%のオーダーの前記牽引が維持されることを保証するため、を制御する手段-ピストン等であってよい-が供される。さらに前記船の前記船体に最も近い前記回転シリンダは、前記シリンダによって担持される合計の荷物が前記シリンダの内部と外部の両方で評価されなければならない。
【0020】
[牽引]
【0021】
研究段階中では、OpenFoamを備えるCFDシステムによってシミュレーションされる多数の試験後、出願人は、前述したように、シリンダの理想的な牽引は直径の30%のオーダーであることを確認した。その理由は、回転しない同一のものと比較した集合体の前進速さと同期した速さでの前記シリンダ―の回転は、前記牽引によって、前記前進に対する抵抗を全体抵抗の最大50%減少させることができるからである。前記牽引が前記直径の50%のときには、この減少はわずか5%である。
【表1】
【0022】
[牽引に依存する抵抗の減少の割合]
【表2】
【0023】
[2つ以上のシリンダ間での間隔]
前述したように、出願人は、シリンダ本体同士が直径の約5%以下に接近するときに最適な距離が得られることを確認した。接近することで、非常に顕著な流体力学的相互作用を生じさせる。この相互作用は回転する本体が遠ざかるときに消えてしまう。
【0024】
[シリンダタンデム装置の前部シリンダの推進力]
【0025】
回転シリンダの約5%以下の最適と約30%のオーダーの最適牽引によって、出願人は、船首内の2つ以上のシリンダの構造中の前方シリンダは、船の前進に対する抵抗の減少に寄与するだけではなく、システムにエネルギー-これは推進力と解される-を提供していることを確認した。
【0026】
この現象は、前記回転シリンダの過圧の効果及び前記シリンダの浸水プロファイルにわたる水流の速さの増大によって実現される。前記シリンダは一部しか沈められず、かつ、既に回転並進運動しているので、沈められた部分は、水の外部の部分と接触する空気よりも約1000倍密な媒質によって与えられる圧力を得る。前記の圧力差によって、集合体の前進方向と一致する推進力が回転並進運動となる。
【0027】
試験から得られた結果によると、直径すなわち長さ6mのシリンダは、深さ2mの牽引及び12mの長さ又はビームであれば、3.162m/秒の同期速さで73.14HPに相当する推進力をシステムに与える。
【0028】
[シリンダタンデム装置における3つのシリンダの同期された回転、及び、前方シリンダから後方シリンダまでの過回転]
【0029】
出願人は、集合体の前進速さに対する回転速さの割合の差を評価したことで、以降の図からわかるように前記シリンダで過回転を生成するときの抵抗が連続的に減少するのを観測した。
S並進=S5=0.8m/秒
回転速さによって計算される全体抵抗の変化
【表3】
【0030】
同期された回転で3つの回転シリンダの集合体を解析するとき、前方シリンダから後方シリンダへ向かって増大させながら回転速さ又は過回転を変化させたことについても論じた。その結果、以下の結果が得られた。
A)1m/秒の速さで同期された回転をする3つのシリンダでは、得られた減少は集合体の前進に対する全体抵抗の43%であった。
B)前方シリンダと中間シリンダの回転速さが同期され、後方シリンダの回転速さは前記同期された速さの2倍である3つのシリンダでは、得られた減少は集合体の前進に対する全体抵抗の52%であった。
C)前方シリンダの回転速さが同期され、中間シリンダの回転速さは前記同期された速さの1.5倍で、後方シリンダの回転速さは前記同期された速さの2倍である3つのシリンダでは、得られた減少は集合体の前進に対する全体抵抗の56%であった。
【表4】
【表5】
【表6】
V00=回転なし
V10=同期された回転速さ=1m/秒
V15=同期された回転速さの1.5倍
V20=同期された回転速さの2倍
TEP=実効出力=(全体抵抗)×(前進速さ)
RP=回転出力
RP=(回転トルク)×(角回転速さ)
【表7】
V00=回転なし
V10=同期された回転速さ=1m/秒
V15=同期された回転速さの1.5倍
V20=同期された回転速さの2倍
TEP=実効出力=(全体抵抗)×(前進速さ)
RP=回転出力
RP=(回転トルク)×(角回転速さ)
【表8】
【0031】
上記からわかるように、過回転は全体抵抗における顕著な効果を有する。エネルギーバランスの観点からは最適な選択は浮体構造の前進速さと同一の回転で同期することであるが、浮体構造の速さの増大を実現させる必要があるという観点からは、他の選択肢もかなり有効である。
様々な設定が試験された。
A)すべてのシリンダの回転を同期する
B)前方シリンダのみ同期する
C)後方シリンダのみ同期する
D)すべてのシリンダを回転させない
【0032】
すべての場合において最大の減少及び推進力さえも、常に前方シリンダによって供されることが観測された。
【0033】
しかし回転中にのみ-過回転の場合でも-後方シリンダが分析されたとき、前記後方シリンダは5%のオーダーで集合体の全体抵抗の減少をもたらす。
【0034】
期待されているように、回転の利点は用いられるスケールに漸進的に関連する。その理由は、船首及び/又は船尾におけるエネルギーを減少させる方法を用いる各浮体構造は、それぞれの設定で最善のスケール選択を試すべきだからである。
【0035】
本発明の他の特徴は、複数の回転シリンダの各々は、内部に荷物を担持し、かつ、直径の小さな静的及び同心円状のシリンダをも備えて前記荷物を輸送することで、体積を利用し、かつ、輸送されるトン当たりのコスト比を改善することを可能にするタンクとして機能し得る。
【0036】
回転するシリンダは、如何なる型の羽又は翼を有しておらず、表面は可能な限り滑らかである。
【0037】
前進に対する抵抗を減少させる効果は、水中でのシリンダによって発生する抵抗よりもはるかに大きい。その理由は、圧力抵抗-残留抵抗又は波生成に対する抵抗とも呼ばれる-が修正されるからである。圧力抵抗は、浮体構造の全体抵抗の約90%の原因であり、かつ、速さに依存して指数関数的に増大する。
【0038】
さらに河川及び海洋輸送のコストは、燃料の消費と輸送時間に関するすべてのコスト-たとえば日常的なレンタル及び船員の雇用-を含む。それが、この装置によって、消費の減少又は一定の消費での浮体構造の前進速さの増大が考えられる理由である。この結果、浮体構造の汚染は少なくなり、かつ、経済的になり、あるいは、後方支援に関する限り節約によって浮体構造のサイクルタイムが短くなる。
【0039】
これにより、輸送される荷物のトン当たりに消費されるエネルギーの効率が非常に高くなり、加えて非常に安定した設計となる。
【0040】
本発明の対象は、航行中での前進に対する抵抗を減少させる複数の回転体のタンデム装置によって形成される輸送用浮体構造である。前記複数の回転体のタンデム装置は、当該構造の前進速さと同期するように回転する前方回転体、中間回転体、及び後方回転体によって形成される。前記複数の中間回転体は、上側プラットフォームに固定される取付手段により長手方向回転軸で相互に関連し、同時に前記前方回転体と前記中間回転体の前記長手方向回転軸はヒンジ手段によって隣接する回転体の回転軸に関連付けられ、前記ヒンジ手段は前記牽引制御手段の一の端部と枢動可能に結合され、前記牽引制御手段の他の端部によって前記上側プラットフォームと枢動可能に結合され、前記長手方向回転軸は、当該構造の前進方向に対して垂直に配置され、かつ、駆動手段に関連付けられ、前記複数の回転体は該回転体の最大直径の約5%以下の距離だけ互いに離間されることを特徴とする。
【図面の簡単な説明】
【0041】
図1】浮体構造の前進速さと同期して回転する複数の回転シリンダのタンデムが直径の30%沈んだ状態の側面を表している。
図2】個々の駆動手段に関連付けられる前記回転シリンダのタンデムの斜視図を表している。内部には荷物を輸送するために同心円状で静的なシリンダが供される。
【発明を実施するための形態】
【0042】
図1は、前方シリンダ6、中間シリンダ7、及び後方シリンダ8によって構成される回転シリンダ2のタンデム装置により形成される輸送用浮体構造1を表している。回転シリンダ2は浮体構造集合体の前進速さと同期して回転する。前記中間シリンダ7は、上側プラットフォーム12に固定される取付手段5-たとえば棒-によって長手方向回転軸4によって相互接続される。同時に前記前方シリンダ6と後方シリンダ8の長手方向回転軸はヒンジ手段10-たとえば枢動アーム-によって隣接するシリンダの回転軸に関連付けられる。前記ヒンジ手段10は牽引制御手段9の一の端部では枢動可能に結合される。牽引制御手段9の他の端部は前記上側プラットフォーム12に枢動可能に結合される。
【0043】
前記長手方向回転軸4は、当該構造の前進方向に対して垂直に配置され、かつ、駆動手段(不図示)に関連付けられる。また前記回転シリンダは直径の約5%の距離だけ相互に離間する。
【0044】
牽引制御手段9は、航行中に前記前方シリンダ6と後方シリンダ8を直径の30%のオーダーで沈めた状態に保つ。牽引制御手段9はたとえばピストンである。
【0045】
他方、前記駆動手段(不図示)は前記回転シリンダ2を回転可能に駆動する。前記駆動手段はたとえばエンジンである。前記駆動手段(不図示)は、伝送手段(不図示)によって前記前方シリンダ6、前記中間シリンダ7、及び前記後方シリンダ8の前記長手方向回転軸4に関連付けられる。前記伝送手段はベルト、ストラップ、鎖、ギアなどであってよい。
【0046】
前記回転シリンダ2の表面は滑らかであることに留意して欲しい。
【0047】
図2は、前記伝送手段14を介して個々の駆動手段11に関連付けられる前記回転シリンダ2を表している。図中、前記回転シリンダ2の内部は中空状で、前記回転シリンダ2は内部で荷物を担持可能であるか、あるいは前記荷物を担持する直径の小さな同心円状で静的なシリンダ13を収容してよい。
【0048】
結局前記回転シリンダ2は、前記駆動手段11によって供給される過回転機能を有する。
【手続補正2】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
航行中での前進に対する抵抗を減少させる複数の回転体のタンデム装置によって形成される輸送用浮体構造であって、
方回転体、複数の中間回転体、及び後方回転体と、当該構造の前進方向に対して垂直に配置される長手方向回転軸とを備え、
前記複数の回転体は当該構造の前進速さと同期するように回転し、
前記複数の中間回転体は、上側プラットフォームに固定される取付手段により長手方向回転軸で相互に関連し、
記前方回転体、前記複数の中間回転体、及び前記後方回転体の前記長手方向回転軸はヒンジ手段によって隣接する回転体の回転軸に関連付けられ、
前記ヒンジ手段は前記牽引制御手段の一の端部と枢動可能に結合され、
前記牽引制御手段は、航行中に前記前方回転体と前記後方回転体を該回転体の最大直径の30%のオーダーで沈んだ状態に保ち、かつ他の端部によって前記上側プラットフォームと枢動可能に結合され、
前記複数の回転体は該回転体の最大直径の約5%以下の距離だけ互いに離間され、
前記長手方向回転軸は、前記複数の回転体へ過回転機能を供する駆動手段に関連付けられることを特徴とする、
構造。
【請求項2】
請求項1に記載の構造であって、前記牽引制御手段はピストンであることを特徴とする構造。
【請求項3】
請求項1に記載の構造であって、
前記駆動手段は前記回転体を回転可能に駆動し、
前記駆動手段はたとえばエンジンで、かつ、伝送手段によって前記前方回転体、前記複数の中間回転体、及び前記後方回転体の前記長手方向回転軸に関連付けられる、
ことを特徴とする構造。
【請求項4】
請求項3に記載の構造であって、前記伝送手段はベルト、ストラップ、鎖、ギアであることを特徴とする構造。
【請求項5】
請求項1に記載の構造であって、前記取付手段は棒であることを特徴とする構造。
【請求項6】
請求項1に記載の構造であって、前記ヒンジ手段は枢動アームであることを特徴とする構造。
【請求項7】
請求項1に記載の構造であって、
前記複数の回転体の内部は中空状で、
前記複数の回転体の内部の表面は滑らかである、
ことを特徴とする構造。
【請求項8】
請求項1に記載の構造であって、前記複数の回転体の各々は、内部に荷物を担持する直径の小さな静的及び同心円状の回転体を備えることを特徴とする構造。
【請求項9】
請求項1に記載の構造であって、前記複数の回転体はシリンダであることを特徴とする構造。
【請求項10】
請求項1に記載の浮体構造の前進に対する抵抗を減少させる方法であって、
前記複数の回転体のタンデム装置の前記長手方向回転軸を当該浮体構造の前進方向に対して垂直に配置する段階と、
輸送のために前記複数の回転体のタンデム装置を当該浮体構造の前進速さと同期するように回転させる段階と、
航行中に前記複数の回転体のタンデム装置を前記複数の回転体の最大直径の30%のオーダーで沈めて前記複数の回転体のタンデム装置の深さを維持する段階と、
前記複数の回転体のタンデム装置を該複数の回転体の最大直径の約5%の距離だけ相互に離間した状態に維持する段階と、
を有することを特徴とする方法。
【国際調査報告】