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特表2022-519983UWBレーダーを利用した車両内乗客感知システム及び方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-03-28
(54)【発明の名称】UWBレーダーを利用した車両内乗客感知システム及び方法
(51)【国際特許分類】
   A61B 5/11 20060101AFI20220318BHJP
   G08B 25/04 20060101ALI20220318BHJP
   G08B 25/10 20060101ALI20220318BHJP
   G01S 13/56 20060101ALI20220318BHJP
   G08B 21/00 20060101ALI20220318BHJP
   G06Q 50/30 20120101ALI20220318BHJP
【FI】
A61B5/11 110
G08B25/04 K
G08B25/10 A
G01S13/56
G08B21/00 U
G06Q50/30
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021534815
(86)(22)【出願日】2019-12-12
(85)【翻訳文提出日】2021-06-16
(86)【国際出願番号】 KR2019017637
(87)【国際公開番号】W WO2020138782
(87)【国際公開日】2020-07-02
(31)【優先権主張番号】10-2018-0171506
(32)【優先日】2018-12-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】513316083
【氏名又は名称】ユラ コーポレーション カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000154
【氏名又は名称】特許業務法人はるか国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ウー スン チュル
(72)【発明者】
【氏名】リム ジョン ソク
【テーマコード(参考)】
4C038
5C086
5C087
5J070
5L049
【Fターム(参考)】
4C038VA04
4C038VB01
4C038VB32
4C038VB33
5C086AA22
5C086BA22
5C086CA06
5C086DA08
5C086EA40
5C086EA45
5C087BB20
5C087CC51
5C087DD03
5C087DD13
5C087EE08
5C087FF01
5C087FF02
5C087FF16
5C087GG08
5C087GG09
5C087GG70
5J070AB01
5J070AC07
5J070AE09
5J070AH02
5J070AH25
5L049CC11
(57)【要約】
本発明は、UWBレーダーを利用した車両内乗客感知システム及び方法を提供する。本発明は、UWBレーダーを利用して収集された値を時間領域で処理することにで、従来のUWBレーダーを利用して収集された値を周波数領域で処理するために所要される時間より速かに車両内乗客を感知することができる。また、本発明は、車両内乗客が手又は足を動かすような大きい動きと、乗客が静かに息をしているような小さな動きをそれぞれ別途のデータ処理手順を利用して感知することによって、迅速、且つ正確な乗客感知が可能となる。
【選択図】図2

【特許請求の範囲】
【請求項1】
一定の時間の周期でUWBレーダーパルス信号を送信し、車両内の物体によって反射された反射信号を受信する送受信部;
前記反射信号を利用して車両内乗客の行動を検出する行動検出モジュール;及び
前記反射信号を利用して車両内乗客の呼吸又は心臓拍動を検出する微細動き検出モジュール;
を含むことを特徴とする車両内乗客感知システム。
【請求項2】
前記行動検出モジュール及び前記微細動き検出モジュールによって車両内乗客が感知されれば、乗客感知事実を、有無線通信網を介して運転者端末又は管理者端末へ伝送する通信部;
をさらに含むことを特徴とする請求項1に記載の車両内乗客感知システム。
【請求項3】
前記行動検出モジュールは、前記反射信号を一定の時間の周期でサンプリングした前記反射信号の大きさを示すフレーム値を複数個含むフレームデータを生成し、時間上、互いに隣接するフレームデータのフレーム別の値の差異値を計算して動きデータを生成し、保存し、保存された動きデータのフレーム別の値を累積して動き累積データを生成し、臨界値と比較することによって、車両内乗客の存在の有無を確認することを特徴とする請求項1に記載の車両内乗客感知システム。
【請求項4】
前記行動検出モジュールは、
前記送受信部から入力される反射信号を受信し、前記反射信号を一定の時間の周期でサンプリングした前記反射信号の大きさを示すフレーム値を複数個含むフレームデータを生成して、出力する第1信号の大きさ演算部;
前記第1信号の大きさ演算部で出力される複数のフレームデータのうち、時間上、互いに隣接するフレームデータのフレーム別の値の差異値を計算して、動きデータを生成する第1動きデータ生成部;
前記第1動きデータ生成部で順次に出力される動きデータのフレーム別の値を累積して、動き累積データを生成する累積演算部;及び
前記動き累積データの各フレーム値を臨界値と比較することによって、車両内乗客の存在の有無を確認する第1動き判定部;
を含むことを特徴とする請求項3に記載の車両内乗客感知システム。
【請求項5】
前記第1信号の大きさ演算部で出力される前記フレームデータを保存し、保存された前記フレームデータを前記第1動きデータ生成部へ出力する第1フレームデータ保存部;及び
前記第1動きデータ生成部で順次に出力される動きデータを順次に保存し、保存された動きデータを前記累積演算部へ出力する動きデータ保存部;
をさらに含むことを特徴とする請求項4に記載の車両内乗客感知システム。
【請求項6】
前記微細動き検出モジュールは、
前記反射信号を一定の時間の周期でサンプリングした前記反射信号の大きさを示すフレーム値を複数個含むフレームデータを生成し、フレームデータのうち、予め定義された時間だけのフレームデータを各フレーム別に値を累積して動きデータを生成し、動きデータを臨界値と比較することによって、車両内乗客の呼吸又は心臓拍動の存在の有無を確認してカウントし、カウントされた値が予め定義された回数に達すれば、車両内に乗客が存在すると判断することを特徴とする請求項1に記載の車両内乗客感知システム。
【請求項7】
前記微細動き検出モジュールは、
前記フレームデータに示される動きの少ない背景とノイズをフレームデータから除去して保存し、ノイズが除去され保存されたフレームデータのうち、予め定義された時間だけのフレームデータを各フレーム別に値を累積して動きデータを生成することを特徴とする請求項6に記載の車両内乗客感知システム。
【請求項8】
前記微細動き検出モジュールは、
前記送受信部から入力される反射信号を受信し、反射信号の絶対的大きさを計算し、反射信号の時間による大きさを示すフレーム値を複数個含むフレームデータを生成して出力する第2信号の大きさ演算部;
フィードバックループを利用してフレームデータ上に示される動きの少ない背景とノイズをフレームデータから除去するノイズ除去部;
前記ノイズ除去部で出力されたフレームデータを順次に保存する第2フレームデータ保存部;
前記第2フレームデータ保存部に保存されたフレームデータのうち、予め定義された時間だけのフレームデータを各フレーム別に値を累積して、動きデータを生成する第2動きデータ生成部;
動きデータの各フレームの値を予め定義された臨界値と比較して臨界値を超えるフレームが存在すれば、動きがあると判定する第2動き判定部;及び
動きがあると判定された回収をカウントし、カウント回収が予め保存された回収に達すれば、前記制御部へ車両内に乗客が存在することを通知するカウンター;
を含むことを特徴とする請求項7に記載の車両内乗客感知システム。
【請求項9】
前記ノイズ除去部は、
前記第2信号の大きさ演算部から入力されたフレームデータA(k)から、以前の演算サイクルで演算されたノイズ補正値
【数1】
を減算し、その結果X(k)を出力する減算器;及び
前記以前の演算サイクルで前記減算器から出力されるノイズが除去されたフレームデータX(k-1)と以前の演算サイクルで前記減算器へ入力されたフレームデータA(k-1)を利用して、前記ノイズ補正値B(k-1)を生成し、前記減算器へ出力するノイズ補正値生成部;
を含むことを特徴とする請求項8に記載の車両内乗客感知システム。
【請求項10】
前記ノイズ除去部から入力されたフレームデータから予め定義された制限時間を外れたフレーム値を除去し、制限時間内のフレーム値だけを含むフレームデータを前記第2フレームデータ保存部へ出力する時間制限部;をさらに含むことを特徴とする請求項8に記載の車両内乗客感知システム。
【請求項11】
車両内乗客感知システムで行われる車両内乗客感知方法であって、
(a)一定の時間の周期でUWBレーダーパルス信号を送信し、車両内の物体によって反射された反射信号を受信するステップ;
(b)前記反射信号を利用して車両内乗客の行動を検出するステップ;及び
(c)前記ステップ(b)と同時に、前記反射信号を利用して車両内乗客の呼吸又は心臓拍動を検出するステップ;
を含むことを特徴とする車両内乗客感知方法。
【請求項12】
(d)車両内乗客が感知されれば、乗客感知事実を、有無線通信網を介して運転者端末又は管理者端末へ伝送するステップ;をさらに含むことを特徴とする請求項11に記載の車両内乗客感知方法。
【請求項13】
前記ステップ(b)は、
前記反射信号を一定の時間の周期でサンプリングした前記反射信号の大きさを示すフレーム値を複数個含むフレームデータを生成し、時間上、互いに隣接するフレームデータのフレーム別の値の差異値を計算して動きデータを生成し、保存し、保存された動きデータのフレーム別の値を累積して動き累積データを生成し、臨界値と比較することによって、車両内乗客の存在の有無を確認することを特徴とする請求項11に記載の車両内乗客感知方法。
【請求項14】
前記ステップ(b)は、
(b1)前記ステップ(a)で入力される反射信号を受信し、前記反射信号を一定の時間の周期でサンプリングした前記反射信号の大きさを示すフレーム値を複数個含むフレームデータを生成するステップ;
(b3)前記ステップ(b1)で生成される複数のフレームデータのうち、時間上、互いに隣接するフレームデータのフレーム別の値の差異値を計算して、動きデータを生成するステップ;
(b5)前記ステップ(b3)で順次に生成される動きデータのフレーム別の値を累積して、動き累積データを生成するステップ;及び
(b6)前記動き累積データの各フレーム値を臨界値と比較することによって、車両内乗客の存在の有無を確認するステップ;
を含むことを特徴とする請求項13に記載の車両内乗客感知方法。
【請求項15】
前記ステップ(b1)及び前記ステップ(b3)の間に、
(b2)前記ステップ(b1)で生成された前記フレームデータを保存するステップ;をさらに含み、
前記ステップ(b3)及び前記ステップ(b5)の間に、
(b4)前記ステップ(b3)で生成された動きデータを順次に保存するステップ;をさらに含み、
前記ステップ(b3)は、前記ステップ(b2)で保存された複数のフレームデータのうち、時間上、互いに隣接するフレームデータのフレーム別の値の差異値を計算して動きデータを生成し、
前記ステップ(b5)は、前記ステップ(b4)で順次に保存された動きデータのフレーム別の値を累積して動き累積データを生成することを特徴とする請求項14に記載の車両内乗客感知方法。
【請求項16】
前記ステップ(c)は、
前記反射信号を一定の時間の周期でサンプリングした前記反射信号の大きさを示すフレーム値を複数個含むフレームデータを生成し、フレームデータのうち、予め定義された時間だけのフレームデータを各フレーム別に値を累積して動きデータを生成し、動きデータを臨界値と比較することによって、車両内乗客の呼吸又は心臓拍動の存在の有無を確認してカウントし、カウントされた値が予め定義された回数に達すれば、車両内に乗客が存在すると判断することを特徴とする請求項11に記載の車両内乗客感知方法。
【請求項17】
前記ステップ(c)は、
前記フレームデータに示される動きの少ない背景とノイズをフレームデータから除去して保存し、ノイズが除去され保存されたフレームデータのうち、予め定義された時間だけのフレームデータを各フレーム別に値を累積して動きデータを生成することを特徴とする請求項16に記載の車両内乗客感知方法。
【請求項18】
前記ステップ(c)は、
(c1)前記ステップ(a)で入力される反射信号を受信し、反射信号の絶対的大きさを計算し、反射信号の時間による大きさを示すフレーム値を複数個含むフレームデータを生成して出力するステップ;
(c2)フレームデータ上に示される動きの少ない背景とノイズをフレームデータから除去するステップ;
(c4)前記ノイズが除去されたフレームデータを順次に保存するステップ;
(c5)前記ステップ(c4)で保存されたフレームデータのうち、予め定義された時間だけのフレームデータを各フレーム別に値を累積して動きデータを生成するステップ;
(c6)動きデータの各フレームの値を予め定義された臨界値と比較し、臨界値を超えるフレームが存在すれば、動きがあると判定するステップ;
及び(c7)動きがあると判定された回収をカウントし、カウント回収が予め保存された回収に達すれば、車両内乗客が感知されたことを決めるステップ;
を含むことを特徴とする請求項17に記載の車両内乗客感知方法。
【請求項19】
前記ステップ(c2)は、
以前の演算サイクルでノイズが除去されたフレームデータX(k-1)と以前の演算サイクルで入力されたフレームデータA(k-1)を利用して、ノイズ補正値
【数2】
を生成するステップ;及び
前記(c1)ステップで入力されたフレームデータA(k)から、以前の演算サイクルで演算された前記ノイズ補正値B(k)を減算し、その結果X(k)を出力するステップ;
を含むことを特徴とする請求項18に記載の車両内乗客感知方法。
【請求項20】
前記ステップ(c2)とステップ(c4)と間に、
(c3)前記ステップ(c2)で出力されたフレームデータから予め定義された制限時間を外れたフレーム値を除去し、制限時間内のフレーム値だけを含むフレームデータを生成するステップをさらに含み、
前記ステップ(c4)は、前記(c3)ステップで生成されたフレームデータを順次に保存することを特徴とする請求項18に記載の車両内乗客感知方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両内乗客感知システム及び方法に関し、より具体的には、Ultra-Wide Band(超広帯域無線通信、UWB)レーダーを利用した車両内乗客感知システム及び方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近頃、蒸し暑い夏に塾などの通学車両に子供が放置され、事故に遭う事件が頻繁に発生している。このような事故を防止するために、最近には、車両内に乗客を感知して、運転者や管理者に知らせる技術が開発されている。
【0003】
車両内乗客を感知する技術としては、超音波センサーを利用する技術、赤外線センサーを利用する技術、傾きセンサーを利用する技術、前記した技術を結合した技術が多様に紹介されている。しかし、このような従来の技術は、分解能、反応速度、測定距離の限界、周辺環境などに影響されるなど短所があった。
【0004】
このようなセンサーの限界を補完するために、最近には、低電力で作動し、反応速度が速く、分解能の高いUWBレーダーを利用して、乗客を感知する技術の研究が活発に行われている。
【0005】
図1は、従来技術によるUWBレーダーを利用して車両内乗客を感知する典型的な方法を説明する図である。
【0006】
図1に図示されるように、UWBレーダーを利用して車両内乗客を感知する方法では、車両内部の振動によって生じるノイズと多重反射によるエラーを最小化するために、受信データを長時間収集後、フーリエ変換を用いて周波数ドメインで呼吸又は心拍数に対応される周波数信号を感知し、乗客が車両内にいるか否かを認識する方式である。
【0007】
心拍数や呼吸数を用いて乗客を感知する従来技術の場合、環境の影響が小さく、判断正確度が高い長所がある反面、受信データを収集する時間が最低30~40秒以上かかり、処理されたデータを用いて周波数ドメインで呼吸数、心拍数のデータの有無を確認するまで通常1分以上がかかるという短所があった。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明が解決しようとする課題は、UWBレーダーを利用して速かに車両内乗客を感知することができる車両内乗客感知システム及び方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
前述した課題を解決するための本発明の好ましい実施例による車両内乗客感知システムは、一定の時間の周期でUWBレーダーパルス信号を送信し、車両内の物体によって反射された反射信号を受信する送受信部;前記反射信号を利用して車両内乗客の行動を検出する行動検出モジュール;及び前記反射信号を利用して車両内乗客の呼吸又は心臓拍動を検出する微細動き検出モジュール;を含む。
【0010】
また、前記車両内乗客感知システムは、前記行動検出モジュール及び前記微細動き検出モジュールによって車両内乗客が感知されれば、乗客感知事実を、有無線通信網を介して運転者端末又は管理者端末へ伝送する通信部;をさらに含む。
【0011】
さらに、前記行動検出モジュールは、前記反射信号を一定の時間の周期でサンプリングした前記反射信号の大きさを示すフレーム値を複数個含むフレームデータを生成し、時間上、互いに隣接するフレームデータのフレーム別の値の差異値を計算して動きデータを生成し、保存し、保存された動きデータのフレーム別の値を累積して動き累積データを生成し、臨界値と比較することによって、車両内乗客の存在の有無を確認することができる。
【0012】
また、前記行動検出モジュールは、前記送受信部から入力される反射信号を受信し、前記反射信号を一定の時間の周期でサンプリングした前記反射信号の大きさを示すフレーム値を複数個含むフレームデータを生成して、出力する第1信号の大きさ演算部;前記第1信号の大きさ演算部で出力される複数のフレームデータのうち、時間上、互いに隣接するフレームデータのフレーム別の値の差異値を計算して、動きデータを生成する第1動きデータ生成部;前記第1動きデータ生成部で順次に出力される動きデータのフレーム別の値を累積して、動き累積データを生成する累積演算部;及び前記動き累積データの各フレーム値を臨界値と比較することによって、車両内乗客の存在の有無を確認する第1動き判定部;を含む。
【0013】
さらに、前記車両内乗客感知システムは、前記第1信号の大きさ演算部で出力される前記フレームデータを保存し、保存された前記フレームデータを前記第1動きデータ生成部へ出力する第1フレームデータ保存部;及び前記第1動きデータ生成部で順次に出力される動きデータを順次に保存し、保存された動きデータを前記累積演算部へ出力する動きデータ保存部;をさらに含む。
【0014】
また、前記微細動き検出モジュールは、前記反射信号を一定の時間の周期でサンプリングした前記反射信号の大きさを示すフレーム値を複数個含むフレームデータを生成し、フレームデータのうち、予め定義された時間だけのフレームデータを各フレーム別に値を累積して動きデータを生成し、動きデータを臨界値と比較することによって、車両内乗客の呼吸又は心臓拍動の存在の有無を確認してカウントし、カウントされた値が予め定義された回数に達すれば、車両内に乗客が存在すると判断することができる。
【0015】
さらに、前記微細動き検出モジュールは、前記フレームデータに示される動きの少ない背景とノイズをフレームデータから除去して保存し、ノイズが除去され保存されたフレームデータのうち、予め定義された時間だけのフレームデータを各フレーム別に値を累積して動きデータを生成することができる。
【0016】
また、前記微細動き検出モジュールは、前記送受信部から入力される反射信号を受信し、反射信号の絶対的大きさを計算し、反射信号の時間による大きさを示すフレーム値を複数個含むフレームデータを生成して出力する第2信号の大きさ演算部;フィードバックループを利用してフレームデータ上に示される動きの少ない背景とノイズをフレームデータから除去するノイズ除去部;前記ノイズ除去部で出力されたフレームデータを順次に保存する第2フレームデータ保存部;前記第2フレームデータ保存部に保存されたフレームデータのうち、予め定義された時間だけのフレームデータを各フレーム別に値を累積して、動きデータを生成する第2動きデータ生成部;動きデータの各フレームの値を予め定義された臨界値と比較して臨界値を超えるフレームが存在すれば、動きがあると判定する第2動き判定部;及び動きがあると判定された回収をカウントし、カウント回収が予め保存された回収に達すれば、前記制御部へ車両内に乗客が存在することを通知するカウンター;を含む。
【0017】
さらに、前記ノイズ除去部は、前記第2信号の大きさ演算部から入力されたフレームデータA(k)から、以前の演算サイクルで演算されたノイズ補正値
【数1】
を減算し、その結果X(k)を出力する減算器;及び前記以前の演算サイクルで前記減算器から出力されるノイズが除去されたフレームデータX(k-1)と以前の演算サイクルで前記減算器へ入力されたフレームデータA(k-1)を利用して、前記ノイズ補正値B(k-1)を生成し、前記減算器へ出力するノイズ補正値生成部;を含む。
【0018】
また、前記ノイズ除去部から入力されたフレームデータから予め定義された制限時間を外れたフレーム値を除去し、制限時間内のフレーム値だけを含むフレームデータを前記第2フレームデータ保存部へ出力する時間制限部をさらに含む。
【0019】
前述した課題を解決するための本発明の好ましい実施例による車両内の乗客感知方法は、(a)一定の時間の周期でUWBレーダーパルス信号を送信し、車両内の物体によって反射された反射信号を受信するステップ;(b)前記反射信号を利用して車両内乗客の行動を検出するステップ;及び(c)前記ステップ(b)と同時に、前記反射信号を利用して車両内乗客の呼吸又は心臓拍動を検出するステップ;を含む。
【0020】
また、前記車両内の乗客感知方法は、(d)車両内乗客が感知されれば、乗客感知事実を、有無線通信網を介して運転者端末又は管理者端末へ伝送するステップ;をさらに含む。
【0021】
さらに、前記ステップ(b)は、前記反射信号を一定の時間の周期でサンプリングした前記反射信号の大きさを示すフレーム値を複数個含むフレームデータを生成し、時間上、互いに隣接するフレームデータのフレーム別の値の差異値を計算して動きデータを生成し、保存し、保存された動きデータのフレーム別の値を累積して動き累積データを生成し、臨界値と比較することによって、車両内乗客の存在の有無を確認することができる。
【0022】
また、前記ステップ(b)は、(b1)前記ステップ(a)で入力される反射信号を受信し、前記反射信号を一定の時間の周期でサンプリングした前記反射信号の大きさを示すフレーム値を複数個含むフレームデータを生成するステップ;(b3)前記ステップ(b1)で生成される複数のフレームデータのうち、時間上、互いに隣接するフレームデータのフレーム別の値の差異値を計算して、動きデータを生成するステップ;(b5)前記ステップ(b3)で順次に生成される動きデータのフレーム別の値を累積して、動き累積データを生成するステップ;及び (b6)前記動き累積データの各フレーム値を臨界値と比較することによって、車両内乗客の存在の有無を確認するステップ;を含む。
【0023】
さらに、前記ステップ(b1)及び前記ステップ(b3)の間に、(b2)前記ステップ(b1)で生成された前記フレームデータを保存するステップ;をさらに含み、前記ステップ(b3)及び前記ステップ(b5)の間に、(b4)前記ステップ(b3で生成された動きデータを順次に保存するステップ;をさらに含み、前記ステップ(b3)は、前記ステップ(b2)で保存された複数のフレームデータのうち、時間上、互いに隣接するフレームデータのフレーム別の値の差異値を計算して動きデータを生成し、前記ステップ(b5)は、前記ステップ(b4)で順次に保存された動きデータのフレーム別の値を累積して動き累積データを生成することができる。
【0024】
また、前記ステップ(c)は、前記反射信号を一定の時間の周期でサンプリングした前記反射信号の大きさを示すフレーム値を複数個含むフレームデータを生成し、フレームデータのうち、予め定義された時間だけのフレームデータを各フレーム別に値を累積して動きデータを生成し、動きデータを臨界値と比較することによって、車両内乗客の呼吸又は心臓拍動の存在の有無を確認してカウントし、カウントされた値が予め定義された回数に達すれば、車両内に乗客が存在すると判断することができる。
【0025】
さらに、前記ステップ(c)は、前記フレームデータに示される動きの少ない背景とノイズをフレームデータから除去して保存し、ノイズが除去され保存されたフレームデータのうち、予め定義された時間だけのフレームデータを各フレーム別に値を累積して動きデータを生成することができる。
【0026】
また、前記ステップ(c)は、(c1)前記ステップ(a)で入力される反射信号を受信し、反射信号の絶対的大きさを計算し、反射信号の時間による大きさを示すフレーム値を複数個含むフレームデータを生成して出力するステップ;(c2)フレームデータ上に示される動きの少ない背景とノイズをフレームデータから除去するステップ;(c4)前記ノイズが除去されたフレームデータを順次に保存するステップ;(c5)前記ステップ(c4)で保存されたフレームデータのうち、予め定義された時間だけのフレームデータを各フレーム別に値を累積して動きデータを生成するステップ;(c6)動きデータの各フレームの値を予め定義された臨界値と比較し、臨界値を超えるフレームが存在すれば、動きがあると判定するステップ;及び(c7)動きがあると判定された回収をカウントし、カウント回収が予め保存された回収に達すれば、車両内乗客が感知されたことを決めるステップ;を含む。
【0027】
さらに、前記ステップ(c2)は、以前の演算サイクルでノイズが除去されたフレームデータX(k-1)と以前の演算サイクルで入力されたフレームデータA(k-1)を利用して、ノイズ補正値
【数2】
を生成するステップ;及び前記(c1)ステップで入力されたフレームデータA(k)から、以前の演算サイクルで演算された前記ノイズ補正値B(k)を減算し、その結果X(k)を出力するステップ;を含む。
【0028】
また、前記ステップ(c2)とステップ(c4)と間に、(c3)前記ステップ(c2)で出力されたフレームデータから予め定義された制限時間を外れたフレーム値を除去し、制限時間内のフレーム値だけを含むフレームデータを生成するステップをさらに含み、前記ステップ(c4)は、前記(c3)ステップで生成されたフレームデータを順次に保存することができる。
【発明の効果】
【0029】
本発明は、UWBレーダーを利用して収集された値を時間領域で処理することで、従来のUWBレーダーを利用して収集された値を周波数領域で処理するために所要される時間よりも速かに車両内乗客を感知することができる。
【0030】
また、本発明は、車両内乗客が手又は足を動かすような大きな動きと、乗客が静かに息をしているような小さな動きをそれぞれ別途のデータ処理手順を利用して感知することによって、より迅速、且つ正確な乗客感知が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0031】
図1】従来技術に従って、UWBレーダーを利用して車両内乗客を感知する典型的な方法を説明する図である。
図2】本発明の好ましい実施例によるUWBレーダーを利用した車両内乗客感知システムの全体構成を示す図である
図3】本発明の好ましい実施例による行動検出モジュールの細部構成を示すブロック図である。
図4A図3の行動検出モジュールで行われるデータ処理の流れを説明する図である。
図4B図3の行動検出モジュールで行われるデータ処理の流れを説明する図である。
図5A】本発明の好ましい実施例による微細動き検出モジュールの細部構成を示すブロック図である。
図5B】本発明の好ましい実施例による微細動き検出モジュールの細部構成を示すブロック図である。
図6A図5Aの微細動き検出モジュールで行われるデータ処理の流れを説明する図である。
図6B図5Aの微細動き検出モジュールで行われるデータ処理の流れを説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0032】
以下、添付図面を参照して本発明の好ましい実施例を説明する。
【0033】
図2は、本発明の好ましい実施例によるUWBレーダーを利用した車両内乗客感知システムの全体構成を示す図である。
【0034】
図2を参照すれば、本発明の好ましい実施例によるUWBレーダーを利用した車両内乗客感知システム(以下、‘乗客感知システム’という)は、UWBレーダーパルス信号を送信し、車両内の物体によって反射された信号を受信する送受信部100、送受信部100を介した受信された反射信号を利用して、車両内乗客の行動(手を振ったり、席を移動したりするなどの大きな動きを行動として定義する)を検出する行動検出モジュール200、送受信部100を介して受信された反射信号を利用して、車両内乗客の呼吸又は心臓拍動を検出する微細動き検出モジュール300、車両内乗客が感知されれば、乗客感知事実を、有無線通信網を介して運転者端末600又は管理者端末600へ伝送する通信部500及び前述した構成要素を制御する制御部400を含む。
【0035】
図2を参照して本発明の好ましい実施例による車両内乗客感知システム及び方法の全体的な動作を説明すれば、まず、送受信部100は、車両内の予め定義された位置(例えば、車両の前方又は後方)に設けられ、制御部400の制御に従って一定の時間の周期でUWBレーダー信号パルスを伝送し、信号パルスが車両内の各種物体に反射された反射信号を受信すれば、受信された反射信号を行動検出モジュール200及び微細動き検出モジュール300へそれぞれ出力する。
【0036】
反射信号を受信した行動検出モジュール200及び微細動きモジュールそれぞれは、図3図6を参照して後記するように、車両内乗客の行動又は微細動きを検出して、制御部400へ出力する。
【0037】
制御部400は、車両内乗客が感知されれば、通信部500を介して車両内乗客が感知されたという事実を運転者端末600又は管理者端末600へ伝送する。
【0038】
図3は、本発明の好ましい実施例による行動検出モジュール200の細部構成を示すブロック図であり、図4は、図3の行動検出モジュール200で行われるデータ処理の流れを説明する図である。
【0039】
図3図4を参照すれば、行動検出モジュール200の細部構成及び機能を説明すれば、行動検出モジュール200は、第1信号の大きさ演算部210、第1フレームデータ保存部220、第1動きデータ生成部230、動きデータ保存部240、累積演算部250、及び第1動き判定部260を含む。
【0040】
第1信号の大きさ演算部210は、送受信部100から反射信号を受信し、反射信号の絶対的大きさを計算し、反射信号の経時による大きさを示すフレーム値を複数個含むフレームデータを生成し、生成されたフレームデータを第1フレームデータ保存部220へ出力する。
【0041】
図4Aの(a)に示されるように、送受信部100は、パルス信号を伝送した後、一定の時間の周期ごとに受信される信号をサンプリングして出力しているが、各サンプリング時間をフレームとして定義し、フレームデータは、このようなフレーム値を複数個含む。図4Aの(a)における信号は、受信された反射信号の全フレームのうちの27個のフレームだけを示した。このとき、フレーム数字が小さいほど送受信機から信号パルスが伝送され、短い時間に受信された反射信号の大きさを意味するので、送受信機から近距離で反射され受信された信号を示し、フレーム数字が大きいほど送受信機から遠い距離で反射され受信された信号を示す。
【0042】
反射信号は、複素数で表現されるので、第1信号の大きさ演算部210は、複素数の大きさを計算して信号の大きさを計算し、図4Aの(b)に示されように、各フレームに信号の大きさをマッピングしたレームデータを第1フレームデータ保存部220へ出力する。
【0043】
第1フレームデータ保存部220は、図4Aの(c)に示されるように、第1信号の大きさ演算部210から入力されたフレームデータを一定時間、累積的に保存し、第1動きデータ生成部230が保存されたフレームデータを時間順序に従って順次に利用することができるようにする。
【0044】
第1動きデータ生成部230は、第1フレームデータ保存部220に保存された複数時間のフレームデータのうち、時間的に隣接した2個のフレームデータの同じフレーム間の差を求めることによって動きデータを生成する。
【0045】
例えば、図4Aの(b)及び(c)に示された例において、送受信部100から受信され保存されたフレームデータは、2フレームで大きなピーク値を有することが分かる。これは、送受信部100から非常に近い距離に物体が存在することを意味する。しかし、このような物体が、全く動きがなければ、これは乗客でなく、送受信部100に最も近接した椅子の背である可能性が高い。
【0046】
反面、フレームデータが0.2秒ごとに生成されると仮定した場合、0.2秒には5フレームで大きな値が検出され、0.4秒には7フレームで大きな値が検出され、0.6秒には10フレームで大きな値が検出され、その後にも、5~10フレーム間でフレームが変化しながら大きな値が検出されたら、これは、乗客が5~10フレーム間の距離に位置して動いているということを意味する。
【0047】
従って、本発明の好ましい実施例は、このような互いに隣接した時間のフレームデータで同じフレーム値間の差を累積し、各フレームに対応される距離で動きが検出されるかどうかを確認する。
【0048】
それのために、第1動きデータ生成部230は、第1フレームデータ保存部220に保存された複数時間のフレームデータのうち、時間的に隣接した2個のフレームデータの同じフレーム間の差を求めることにより、動きデータを生成する。
【0049】
例えば、第1フレームデータ保存部220に、時間順にフレームデータA、B、C、D、E、・・・が保存されていると仮定したとき、動きデータ保存部240は、フレームデータに含まれた各フレーム別に、A-B、B-C、C-D、D-E、・・方式で動きデータを生成し、動きデータはフレームデータと同じフレーム数を有するようになる。図4Aの(d)は動きデータの一例を示す。
【0050】
動きデータ保存部240は、 第1動きデータ生成部230から受信される動きデータを、図4Bの(e)に示されるように、時間順に保存する。
【0051】
その後、累積演算部250は、動きデータ保存部240に保存された動きデータを、フレーム別に予め定義された時間の間累積して、動き累積データを生成する。図4Bの(f)は、動き累積データの一例を示す図である。このように動きデータを累積することによって、ノイズによる影響を最小化することができる。さらに、一定の時間単位で生成された動き累積データを時間順に比較すると、動きを追跡することができる。
【0052】
その後、第1動き判定部260は、図4Bの(g)に示されるように、動き累積データを予め設定された臨界値と比較して、車両内に乗客が存在するか否かを判定する。図4Bの(g)に示された例において、臨界値を越えるフレームが1フレームと5フレームであるので、送受信機から非常に近い位置に動いている物体があるということが分かる。
【0053】
図5A及び図5Bは、本発明の好ましい実施例による微細動き検出モジュール300の細部構成を示すブロック図であり、図6A及び図6Bは、図5Aの微細動き検出モジュール300で行われるデータ処理の流れを説明する図である。
【0054】
図5A及び図5B図6A及び図6Bを参照すれば、本発明の好ましい実施例による微細動き検出モジュール300は、第2信号の大きさ演算部310、ノイズ制御部400、時間制限部315、第2フレームデータ保存部320、第2動きデータ生成部330、第2動き判定部360、カウンター370を含む。また、ノイズ除去部313は、減算器313a及びノイズ補正値生成部313bを含む。
【0055】
まず、送受信部100で受信された反射信号は、第2信号の大きさ演算部310へ出力され(図6Aの(a)参照)、第2信号の大きさ演算部310は、送受信部100から反射信号を受信し、反射信号の絶対的大きさを計算して、フレームデータA(k)をノイズ除去部313へ出力する(図6Aの(b)参照)。第2信号の大きさ演算部310の機能は、第1信号の大きさ演算部210の機能と同じであるため、具体的な説明は省略する。
【0056】
ノイズ除去部313は、フィードバックループを利用してフレームデータ上に示される動きの少ない背景とノイズをフレームデータから除去する。
【0057】
図5Bを参照すれば、第2信号の大きさ演算部310から入力されたフレームデータA(k)は、ノイズ補正値生成部313bへ出力されるノイズ補正値B(k)と下記数式(1)に示される減産演算が行われ、その結果X(k)が、時間制限部315へ出力される。
【0058】
【数3】
【0059】
ノイズ補正値生成部313bは、時間制限部315へ出力される数式(1)の演算結果X(k)と、減算器313aへ入力されたフレームデータA(k)を利用して下の下記数式(2)に示される演算を行い、ノイズ補正値B(k)を生成し、減算器313aへ出力する。
【0060】
【数4】
【0061】
(式中、αは、0<α<1である加重値係数である。)
【0062】
減算器313aは、第2信号の大きさ演算部310からフレームデータA(k)が新たに入力され、入力されたフレームデータA(k)で、以前の演算サイクルで演算されたノイズ補正値
【数5】
を減算し、その結果X(k)が時間制限部315へ出力される(図6Aの(c)参照)。
【0063】
前述のようなフィードバック演算を通じて、フレームデータ上で動きのない物体を示すフレーム値と、予想外に入力されたノイズは除去される。
【0064】
時間制限部315は、フレームデータで送受信部100がパルス信号を送信し、反射信号を受信するまでの時間を予め定義された時間に制限し、制限された時間を外れたフレーム値を除去し、制限時間内のフレーム値だけを含むフレームデータを第2フレームデータ保存部320へ出力する。
【0065】
第2フレームデータ保存部320は、時間制限部315から入力されるフレームデータを保存し(図6Aの(d)参照)、第2動きデータ生成部330は、第2フレームデータ保存部320に保存されたフレームデータのうち、予め定義された時間だけのフレームデータを各フレーム別に値を累積して動きデータを生成し、第2動き判定部360へ出力する(図6Bの(e)参照)。本発明の好ましい実施例では、5秒の間のフレームデータの各フレーム値を累積しているが、累積時間は環境に応じて設定することができる。
【0066】
その後、第2動き判定部360は、第2動きデータ生成部330から入力された動きデータの各フレームの値を予め定義された臨界値と比較して、臨界値を超えるフレームが存在すれば、動きがあることと判定し、カウンター370へ動きが感知されたことを通知する(図6Bの(f)参照)。
【0067】
カウンター370は、第2動き判定部360から動き感知結果が通知されれば、内部カウンター370を1増加させてカウンター値が予め定義された値が達すれば、制御部400へ微細動きが感知されたことを出力する。本発明の微細動き感知モジュールは、心臓拍動や呼吸のような微細動きを感知する構成であり、このような微細な動きは、周辺環境やノイズの影響によっても発生する可能性がある。したがって、本発明の好ましい実施例は、このような微細動きが一定時間の間、予め定義された回数だけ感知されたとき、周期的な呼吸や周期的な心臓拍動を有する乗客が車両に存在すると判断することができる。
【0068】
本発明は、また、コンピュータ可読の記録媒体にコンピュータ可読のコードとして実現することが可能である。コンピュータ可読の記録媒体は、コンピュータシステムによって可読データが保存されるすべての種類の記録装置を含む。コンピュータ可読の記録媒体の例には、ROM、RAM、CD-ROM、磁気テープ、フロッピーディスク、光データ保存装置などがある。また、コンピュータ可読の記録媒体は、ネットワークに接続されたコンピュータシステムに分散され、分散方式でコンピュータ可読のコードが保存され、実行され得る。
【0069】
以上、本発明について、その好ましい実施例を中心に説明した。本発明が属する技術分野における通常の知識を有した者は、本発明が本発明の本質的な特性から逸脱しない範囲内で変形された形態で具現できることを理解できるであろう。したがって、開示された実施例は、限定的な観点でなく説明的な観点で考慮しなければならない。本発明の範囲は、前述した説明でなく特許請求の範囲に示されており、それと同等の範囲内にあるすべての相違点は本発明に含まれたものと解釈されるべきであろう。

図1
図2
図3
図4A
【図
図4B
図5A
図5B
図6A
図6B
【国際調査報告】