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特表2022-519988患者のストレスを視覚化するためのシステム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-03-28
(54)【発明の名称】患者のストレスを視覚化するためのシステム
(51)【国際特許分類】
   A61B 5/00 20060101AFI20220318BHJP
【FI】
A61B5/00 D
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021536224
(86)(22)【出願日】2020-01-27
(85)【翻訳文提出日】2021-06-25
(86)【国際出願番号】 EP2020051879
(87)【国際公開番号】W WO2020156979
(87)【国際公開日】2020-08-06
(31)【優先権主張番号】19000054.7
(32)【優先日】2019-01-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】515304558
【氏名又は名称】デンツプライ・シロナ・インコーポレイテッド
(71)【出願人】
【識別番号】519410367
【氏名又は名称】シロナ・デンタル・システムズ・ゲーエムベーハー
(74)【代理人】
【識別番号】100108855
【弁理士】
【氏名又は名称】蔵田 昌俊
(74)【代理人】
【識別番号】100103034
【弁理士】
【氏名又は名称】野河 信久
(74)【代理人】
【識別番号】100179062
【弁理士】
【氏名又は名称】井上 正
(74)【代理人】
【識別番号】100199565
【弁理士】
【氏名又は名称】飯野 茂
(74)【代理人】
【識別番号】100219542
【弁理士】
【氏名又は名称】大宅 郁治
(74)【代理人】
【識別番号】100153051
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100162570
【弁理士】
【氏名又は名称】金子 早苗
(72)【発明者】
【氏名】コザ、アンドレ
(72)【発明者】
【氏名】クハルチク、ロニー
【テーマコード(参考)】
4C117
【Fターム(参考)】
4C117XB01
4C117XB18
4C117XD08
4C117XE13
4C117XE15
4C117XE16
4C117XE20
4C117XE23
4C117XE24
4C117XE26
4C117XE43
4C117XE75
4C117XF03
4C117XG04
4C117XG16
4C117XG24
(57)【要約】
歯科治療の間の患者のストレス又は不快感を視覚化するためのシステム。患者の経験を改善するために、治療中に患者の変化するストレス状況を視覚化することによって、臨床医は、治療活動を停止すること、治療活動を減速すること、麻酔を補充することなどによって、それに応じて反応してもよい。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
拡張視覚化を利用するシステムであって、
前記システムは、
拡張視覚化のためのディスプレイデバイスと、
患者生体電位情報を取り出すように適合された生体電位センサシステムと、
少なくとも1つのプロセッサとを備え、
前記少なくとも1つのプロセッサは、
前記生体電位センサシステムから前記患者生体電位情報を取得し、
治療計画を取得するために前記患者生体電位情報を分析し、
前記患者生体電位情報が予め定められた場所に直接重ね合わされて現れるように、前記患者生体電位情報及び/又は前記治療計画を、拡張視覚化のためのディスプレイデバイスを通して前記予め定められた場所に拡張としてオーバーレイするように構成され、
ここで、前記生体電位センサシステムは、患者の痛覚及び/又はストレスレベルを患者が手動で登録する手持ちデバイスを備える、システム。
【請求項2】
前記少なくとも1つのプロセッサは、第1の時間期間における前記患者のストレス/不快レベルに対応する第1の生体電位データを、第2の時間期間における前記患者のストレス/不快レベルに対応する生体電位データと比較することによって、前記患者生体電位情報の変化を取得するために前記患者生体電位情報を分析するようにさらに構成されている、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記第1の時間期間は、治療が始まる前に選択された時間期間であり、前記第2の時間期間は、治療が始まった後に選択された時間期間である、請求項2に記載のシステム。
【請求項4】
前記少なくとも1つのプロセッサは、前記患者生体電位情報の変化に基づいて、前記治療計画を提供するようにさらに構成されている、請求項1から3のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項5】
前記予め定められた場所は、前記患者、前記患者の領域、又は前記ディスプレイデバイスのユーザの視野中の場所からなる群から選択される場所である、請求項1から4のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項6】
前記患者生体電位情報はリアルタイムで取得される、請求項1から5のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項7】
前記患者生体電位情報は、心拍数、血液量パルス、汗中のコルチゾールレベル、血圧、呼吸頻度、体温、前記患者の心拍数に対応する信号、及び前記患者のストレスレベルに対応する信号からなる群から選択される情報を含む、請求項1から6のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項8】
前記少なくとも1つのプロセッサは、(i)患者生体電位情報における変化を追跡するリアルタイムデータ、(ii)臨床医の動きを追跡するリアルタイムデータ、及び(iii)患者の動きを追跡するリアルタイムデータからなる群から選択されるデータに基づいて、前記拡張を更新するようにさらに構成されている、請求項1から7のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項9】
共通座標系における患者生体電位データ及び/又は治療計画の、正確なロケーション、向き及び更新のためのリアルタイム位置データを提供するように構成されている追跡システムをさらに備え、ここで、前記追跡システムはセンサベース及び/又は視覚ベースである、請求項1から8のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項10】
前記生体電位センサシステムは、電極センサ、コルチゾール測定センサ、血圧センサ、呼吸頻度センサ、体温センサ、及び/又は患者の心拍数であるか又は患者の心拍数若しくはストレスレベルに対応する信号を提供するセンサを含む、請求項1から9のいずれか一項に記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、概して、患者のストレスを視覚化するための方法、システム、及びコンピュータ読取可能記憶媒体に関し、より具体的には、臨床医が患者の経験を改善するために緩和措置を採用できるように、治療中に患者の変化するストレス状況を視覚化するための方法、システム、及びコンピュータ読取可能記憶媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
修復物の使用、ならびに物理的ガイド/スリーブ及び修復物を使用して歯の機能を復元する歯科インプラントの配置などによって、歯の欠陥を治療するための様々なオプションが存在する。
【0003】
臨床医は、治療プランを作成し、治療を提供するための歯科用ドリル、歯科用レーザ、及び歯内治療器具のような歯科用器具を使用し得る。このような治療の間、患者は、例えば、歯の感度、及び神経/血管への治療エリアへの近接性に基づいて、様々な程度の痛み又は不快感を経験するであろう。痛みを経験している患者は、治療目的のために彼/彼女の口腔が開いたままであるために、このような痛みを容易に表現することができないであろう。痛みを経験している場合、うなずき、手を上げ、臨床医を軽くたたく等を、臨床医は患者に求めることができる。しかしながら、通常、治療は患者が静止していることを必要とするため、この手動による方法は非効率的であろう。さらに、集中している臨床医は、このようなジェスチャに適時に気付かないであろう。したがって、臨床医が適切に適応し、視野外の又は手の届かないデバイスを監視する必要なく患者の経験を改善するために、患者のストレス/不快感の変化についての情報を、臨床医の視線方向で又は臨床医の付近で自動的に提供する必要がある。
【0004】
欧州特許EP0748611A2は、椅子のそばに配置された第1の支柱を支持するベースと、歯科器具用の第1の主ホルダとからなる歯科ユニットのような歯科装置に適用される心機能監視システムを開示しており、前記歯科ユニット上には、患者の身体部分に適用され、心電計の一部を形成する、心電計信号を検出するように設計された複数のセンサも想定されている。これは、背景開示の目的のために参照して本願に援用される。
【0005】
米国特許出願第15,656,701号は、患者から歯科医にフィードバックを提供するための通知システムを開示しており、このシステムは、歯科用椅子に近接して据え付けられた通知パネルと、アクティブ化デバイスとを含む。アクティブ化デバイスは、ワイヤレスリモコンのような手持ちデバイスであってよく、又は歯科用椅子の近くに据え付けられてよい。アクティブ化デバイスは、患者によるアクティブ化のための1つ以上のスイッチを含むことができる。各スイッチは、痛み、不快感、又は吸引の必要性のような、患者が経験している状況に対応してよい。歯科処置の間、スイッチは、歯科医による対応する行為を要求するために患者によってアクティブ化され得る。
【0006】
米国特許出願第14,977,258号は、患者のベッドサイド又はチェアサイドに沿って転がることができるモバイルデンタルインテリジェンスセンター(MobiDIC)を開示しており、患者の介護者によって口腔衛生を行うことができ、そのエリアにシンク又はボウルを有する必要はない。介護者は、MobiDICを使用して、歯を磨き、患者の口をすすぎ、吸引するとともに、患者のバイタルサインを監視することができる。
【0007】
米国特許出願第2017202633号は、ユーザによって見るためのウェアラブルディスプレイを備える、医学的介入をガイドするための画像化及び表示システムを開示ておりし、ディスプレイは、術前外科手術ナビゲーション画像、術中画像、及び生体内顕微鏡画像又は感知データを含む、合成画像又は組み合わせられた画像を提示する。顕微鏡プローブ又は感知プローブのようなプローブを使用して、患者から生体内撮像/感知データを取得することができ、術中及び生体内画像を、追跡及び登録技術を使用して取得し、これらを術前画像及び患者と位置合わせして、表示用の合成画像を形成することができる。
【0008】
米国特許出願第20020082498号は、患者の一部分の3次元(3D)ボリュームデータを捕捉することと、データのグラフィック表現を提供するようにボリュームデータを処理することと、前記患者の一部分を含むシーンの立体ビデオビューを捕捉することと、立体拡張画像を提供するようにグラフィック表現及び立体ビデオビューを混合する方法でレンダリングすることと、ビデオシースルーディスプレイに前記立体拡張画像を表示することとを含む、画像誘導手術のための方法を開示している。
【0009】
米国特許出願公開第20160191887号は、外科医の静的又は動的視点からの患者の拡張ビューを表示するためのリアルタイム手術ナビゲーション方法及び装置を説明している。表面画像、術前又は術中画像から処理された患者の内部解剖学的構造のグラフィック表現、及び両方の画像を幾何学的に登録するコンピュータを使用することができる。画像を幾何学的に登録することに応答して、頭部装着型ディスプレイは、外科医に患者の拡張ビューを提示することができる。
【発明の概要】
【0010】
前述に関係付けられた既存の制限、ならびに他の制限は、治療の間の患者ストレスの可視化のための請求項1に記載のシステムによって克服することができる。
【0011】
ここでの態様では、本発明は、拡張視覚化を利用するシステムを提供し、本方法は、患者生体電位情報を取り出すように適合された生体電位システムを提供することと、生体電位センサから前記患者生体電位情報を取得することと、治療計画を取得するために前記患者生体電位情報を分析することと、患者生体電位情報が前記予め定められた場所に直接重ね合わされて現れるように、患者生体電位情報及び/又は治療計画を、拡張現実デバイスを通して予め定められた場所に拡張としてオーバーレイすることとを備える。
【0012】
ここでの別の態様では、本方法は、(i)第1の時間期間における患者のストレス/不快レベルに対応する第1の生体電位データを、第2の時間期間における患者のストレス/不快レベルに対応する生体電位データと比較することによって、患者生体電位情報の変化を取得するために患者生体電位情報を分析することをさらに含み、(ii)ここで、第1の時間期間は、治療が始まる前に選択された時間期間であり、第2の時間期間は、治療が始まった後に選択された時間期間であり、(iii)前記患者生体電位情報の変化に基づいて、治療計画を提供することをさらに含み、(iv)ここで、前記予め定められた場所は、患者、患者の領域、又は拡張現実デバイスのユーザの視野中の場所からなる群から選択される場所であり、(v)ここで、前記患者生体電位情報はリアルタイムで取得され、(vi)ここで、前記患者生体電位情報は、心拍数、血液量パルス、汗中のコルチゾールレベル、患者の心拍数に対応する信号、及び患者のストレスレベルに対応する信号からなる群から選択される情報を含み、(vii)(a)患者生体電位情報における変化を追跡するリアルタイムデータ、(b)臨床医の動きを追跡するリアルタイムデータ、及び(c)患者の動きを追跡するリアルタイムデータからなる群から選択されるデータに基づいて、拡張を更新することをさらに含む、ステップのうちの1つ以上をさらに備える。
【0013】
別の態様では、拡張視覚化を利用するシステムが提供され、本システムは、拡張現実デバイスと、患者生体電位情報を取り出すように適合された生体電位センサシステムと、少なくとも1つのプロセッサとを備え、少なくとも1つのプロセッサは、生体電位センサから前記患者生体電位情報を取得し、治療計画を取得するために前記患者生体電位情報を分析し、患者生体電位情報が前記予め定められた場所に直接重ね合わされて現れるように、患者生体電位情報及び/又は治療計画を、拡張現実デバイスを通して予め定められた場所に拡張としてオーバーレイするステップを実行するように構成されている。
【0014】
ここでの別の態様では、本システムは、(i)共通座標系における患者生体電位データ及び/又は治療計画の、正確なロケーション、向き及び更新のためのリアルタイム位置データを提供するように構成されている追跡システムをさらに備え、(ii)ここで、追跡システムはセンサベース及び/又は視覚ベースであり、(iii)ここで、生体電位センサシステムは、電極センサ、コルチゾール測定センサ、及び/又は患者の心拍数であるか又は患者の心拍数若しくはストレスレベルに対応する信号を提供するセンサを含み、(iv)ここで、プロセッサは、第1の時間期間における前記患者のストレス/不快レベルに対応する第1の生体電位データを、第2の時間期間における前記患者のストレス/不快レベルに対応する生体電位データと比較することによって、前記患者生体電位情報の変化を取得するために前記患者生体電位情報を分析するようにさらに構成され、(v)ここで、第1の時間期間は、治療が始まる前に選択された時間期間であり、第2の時間期間は、治療が始まった後に選択された時間期間であり、(vi)前記患者生体電位情報の変化に基づいて、前記治療計画を提供することをさらに備え、(vii)ここで、前記予め定められた場所は、患者、患者の領域、又は拡張現実デバイスのユーザの視野中の場所からなる群から選択される場所であり、(viii)ここで、前記患者生体電位情報はリアルタイムで取得され、(ix)ここで、前記患者生体電位情報は、心拍数、血液量パルス、汗中のコルチゾールレベル、患者の心拍数に対応する信号、及び患者のストレスレベルに対応する信号からなる群から選択される情報を含み、(x)ここで、少なくとも1つのプロセッサは、(a)患者生体電位情報における変化を追跡するリアルタイムデータ、(b)臨床医の動きを追跡するリアルタイムデータ、及び(c)患者の動きを追跡するリアルタイムデータからなる群から選択されるデータに基づいて、前記拡張を更新するようにさらに構成され、(x)ここで、生体電位センサシステムは、患者が患者の痛覚及び/又はストレスレベルを手動で登録する手持ちデバイスであり、(xi)ここで、生体電位情報及び/又は治療計画は、モバイルデバイス、例えば、iPad(登録商標)上に表示される、コンフィギュレーションのうちの1つ以上をさらに備える。
【0015】
さらに別の態様では、方法が提供され、本方法は、患者生体電位情報を取り出すように適合された生体電位センサシステムを提供することと、生体電位センサから前記患者生体電位情報を取得することと、治療計画を取得するために前記患者生体電位情報を分析することと、患者生体電位情報及び/又は治療を視覚、聴覚又は触覚出力として提供することとを備える。
【0016】
さらに別の態様では、非一時的コンピュータ読取可能記憶媒体が提供され、非一時的コンピュータ読取可能記憶媒体は、コンピュータシステムによって実行されるとき、コンピュータシステムに、患者生体電位情報を取り出すように適合された生体電位センサシステムを提供することと、生体電位センサから前記患者生体電位情報を取得することと、治療計画を取得するために前記患者生体電位情報を分析することと、患者生体電位情報が前記予め定められた場所上に直接重ね合されて現れるように、拡張現実デバイスを通して予め定められた場所上に拡張として患者生体電位情報及び/又は治療計画をオーバーレイすることとを含む手順を実行させるプログラムを記憶している。
【図面の簡単な説明】
【0017】
例示的な実施形態は、ここで以下に与えられる詳細な説明及び添付の図面からより完全に理解されるであろう。
図1図1は、本発明の実施形態にしたがう視覚化システムを図示するブロックダイヤグラムである。
図2図2は、本発明の実施形態にしたがう例示的なコンピュータシステムによる歯科用椅子の斜視図を図示している。
図3図3は、本発明のコンピュータシステムを示すブロックダイヤグラムを図示している。
図4図4は、本発明の実施形態にしたがう方法を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0018】
ここで説明する例示的な態様にしたがうと、患者の経験を改善するために拡張現実を使用し、緩和措置を採用して、患者のストレスレベルを視覚化するための方法、システム、及びコンピュータ読取可能記憶媒体が提供される。
【0019】
患者のストレスを視覚化するためのシステム
図1は、視覚化システム1を図示しており、視覚化システム1は、頭部装着型拡張現実眼鏡、HUDディスプレイ、若しくは立体ビデオ画像を受信可能な立体ディスプレイのような拡張視覚化のためのディスプレイデバイス12を、又はそうでなければ、患者生体電位情報42(例えば、心拍数、血液量パルス、ストレスレベルに対応できる汗のコルチゾールレベル、又は患者の心拍数若しくはストレスレベルの変化に対応する他の何らかの信号等)、若しくはそうでなければ生体電位情報42が標的場所上に重ね合わされて現れるように、標的場所上又は標的場所の立体ビデオ上に拡張した方法の患者生体電位情報42をオーバーレイするために使用され得るディスプレイデバイス12を備える。汗中のコルチゾールレベルを測定する例示的なシステムは、「Molecularly selective nanoporous membrane-based wearable organic electrochemical device for noninvasive cortisol sensing」Science Advances 2018年7月20日;第4巻第7号、pp1-10と題されたOnur Parlak他による出版物において説明されており、それらは、本明細書に完全に記載のものとして、それらの全体が本明細書に援用される。
【0020】
標的場所は、患者14が治療椅子24(例えば、歯科治療椅子)に座っているときの患者14、患者14上の治療部位14a、又は以下に議論されるような拡張現実を通して臨床医のオフィス中の任意の適切な実世界環境を含み得る。代替的に、患者生体電位情報は、拡張された様式で重ね合わされることなく、臨床医によって装着されたスマートグラスのスクリーン上に直接表示することができる。患者生体電位情報42は、例えば対応するベースラインデータと比較して、患者のストレスレベル又は不快感の変化を検出するために分析することができる。
【0021】
ディスプレイデバイス12は、コンピュータシステム100に接続することができ、コンピュータシステム100の一部を形成し得る。(図3にも示す)コンピュータシステム100は、追跡システム2及びプロセッサ122を備えることができる。追跡システム2は、代替的に、コンピュータシステムから分離されてもよく、ここで議論されるデバイス、コンポーネント、及び/又はシステムのうちのいずれかの少なくとも一部を形成し得る。追跡システム2は、プロセッサ122に電気的に接続することができ、共通座標系における画像及び物体の正確なロケーション及び向きに関するリアルタイムロケーションデータを提供することができる。ここでの例示的な実施形態では、追跡システムは、例えば、患者生体電位情報42を追跡するための生体電位センサシステム26として、センサベースであり得る。患者14の心拍数(又は患者の心拍数若しくはストレス/不快レベルに対応してもよい信号)を測定するために、生体電位センサシステム26は、生体電位センサインターフェース(図示せず)を備えることができ、これは、生体電位センサ、又は例えば、図2の電極センサ38、コルチゾール測定センサ(図示せず)、又は患者の心拍数であるか若しくは患者の心拍数若しくはストレスレベルに対応する信号を提供する他の何らかの適切なデバイスのような測定デバイスを備えることができる。測定デバイスはまた、皮膚電位(EDA)及び心拍変動(HRV)を測定するように構成することができ、予め定められた信号処理方法を、患者のストレスのタイプを予測するために生理学的信号から有意な特徴を抽出するために使用することができ、それによって、重篤なストレス(歯科治療の間の痛みに関連するストレス等)関連及び非重篤なストレス(歯科治療の間の痛みに関連しないストレス等)を区別する。皮膚コンダクタンスレベル(SCL)及び皮膚コンダクタンス応答(SCR)の平均又は大きさなどの重要な特徴、心拍活動及び値の広がりなどの一般的な概念を与えることができる特徴は、Pawel 他による出版物「Profiling visual and verbal stress responses using electrodermal heart rate and hormonal measures」において開示されているように、重篤なストレスと非重篤なストレスとを区別するように選択することができ、それらは、本明細書に完全に記載のものとして、それらの全体が本明細書に援用される。あるいは、測定デバイスは、手持ちデバイス(図示せず)であってもよく、患者14は、例えば、手持ちデバイス上のボタンをクリックすることによって、痛覚又はストレスレベルを手動で記録することができる。生体電位センサ/測定デバイスが電極センサ38である実施形態では、電極センサを、治療椅子24のハンドル40上に据え付けてもよい。生体電位センサインターフェース(図示せず)は、追跡システム2及び/又はコンピュータシステム100と通信することができ、そのプロセッサ122は、生体電位センサシステム26からの出力信号を処理することができる。生体電位センサインターフェースは、ユーザによって生成された生体電位信号に対応する電気信号を読み取る(例えば、検索又は受信)ことができ、次いで、信号を追跡システム2及び/又はコンピュータシステム100に送ることができる。
【0022】
追跡システムはまた、例えば、患者14の視覚追跡のためのカメラ、患者の特徴(頭部又は口腔など)、及び/又は患者14上に配置された予め定められたマーカ(図示せず)などの視覚ベースであり得る。前記視覚的追跡は、例えば物体/パターン認識を使用して達成することができる。3D光学追跡システム及び/又は立体カメラシステムなどのカメラシステム3は、コンピュータシステムに含まれてもよく、及び/又は追跡システム2を形成してもよく、又は追跡システム2の一部であってもよい。カメラシステム3は、臨床医10のディスプレイデバイス12に組み込まれてもよい。カメラシステムは、例えば、以下に説明される(i)構造光、(ii)飛行時間(ToF)、及び/又は(iii)立体原理を含む、いくつかの深度感知原理のうちの1つの下で動作することができる。構造光を用いるカメラについて、光源を使用して既知のパターンを患者14上に投影することができ、受信機は反射パターンの歪みを検出して、ジオメトリに基づいて深度マップを計算することができる。飛行時間(ToF)原理を用いるカメラについて、光源はパルスを送信することができ、センサは、その飛行時間を記録するために患者14からのパルスの反射を検出することができる。光の速度が一定であることを知れば、システムは、患者14がどの程度離れているかを計算することができる。あるいは、変調された光源が送られてもよく、患者から反射された光の位相変化が検出されてもよい。立体原理を用いるカメラについて、複数のカメラが、患者の複数の画像を捕捉するために異なる位置に配置されてもよく、深度マップは、ジオメトリに基づいて計算されてもよい。この深度情報は、治療中(例えば歯科治療中)に患者のロケーションを追跡するために使用することができる。
【0023】
さらに別の実施形態では、追跡システムは、センサベース及び視覚ベースの追跡システムの融合であってもよい。ワイヤレスプロトコルを使用して、追跡のために既知のマーカロケーションを送信することができる。
【0024】
プロセッサ122は、リアルタイム患者生体電位データを受信し、前記データを分析し、(i)分析されたデータを、例えば、シースルー拡張現実眼鏡/HUDディスプレイなどのディスプレイデバイス12を通して、実世界環境においてオーバーレイすること、又は(ii)分析されたデータを、例えば、頭部装着型立体ディスプレイを使用して、患者の立体ビデオ上にオーバーレイすることによって、前記分析されたデータを拡張した方法で臨床医10に表示するように構成することができる。代替的に、分析されたデータを、スマートウォッチ(図示せず)上などの非拡張方法で、又はモニタなどの出力デバイス上の光若しくは可聴出力として表示することもできる。
【0025】
そうする際、患者に「チェックイン」するために治療に集中して、患者の治療体験を改善するために、臨床医10は、リアルタイムの患者生体電位情報42を受信することができ、例えば、治療活動を停止すること、治療活動を減速すること、麻酔を補充することなどによって、変化する情報に応答することができる。
【0026】
本発明の例示的な実施形態では、患者生体電位情報42を、オプション的に、穿孔治療を行う前又はその間に、コンピュータシステム100のユーザインターフェース126(ジェスチャ認識システム及び/又は音声認識システム又はこれらに類するもの等)を通して臨床医10から要求が受信された後に、治療部位14a上にオーバーレイすることができる。患者生体電位データ42をオーバーレイすること、及び/又は、例えば、ディスプレイ12を通して患者14又は治療部位14aに対しての治療計画52を含む、患者生体電位データの分析は、動的にリアルタイムで実行することができ、追跡システム2と協力して動作するプロセッサ122によって達成することができ、追跡システム2によって捕捉された(i)患者14及び/又は(ii)臨床医10の位置の変化を、オーバーレイされた患者生体電位データ42の位置の対応する変化に変換することができ、それにより、ディスプレイデバイス12のスクリーンにルーティングされた前記患者生体電位データ42は、患者14及び/又は臨床医10が移動したとしても、患者14の標的領域/場所14a(例えば口腔)上に直接重ね合わされて現れる。さらに、臨床医10からの要求に応答して、プロセッサは、測定された患者の不快感に基づいて、計画された治療法に対する変更の進行中又は予め定められた提案を提供するように構成することができる。
【0027】
患者のストレスを視覚化するコンピュータシステム
拡張現実を使用して患者ストレスの伝達を容易にするためのシステム1を説明してきたが、ここで図3を参照すると、図3は、ここでの例示的な実施形態の少なくともいくつかにしたがって用いることができるコンピュータシステム100のブロック図を示す。様々な実施形態が、この例示的なコンピュータシステム100に関してここで説明されているであろうが、この説明を読んだ後、他のコンピュータシステム及び/又はアーキテクチャを使用して本開示をどのように実現するかが当業者には明らかになるであろう。
【0028】
ここでの1つの例示的な実施形態において、コンピュータシステム100は、少なくとも1つのコンピュータプロセッサ122を含むことができ、追跡システム2、ユーザインターフェース126、及び入力ユニット130を含むことができる。入力ユニット130は、情報をコンピュータプロセッサ122に送信するために、モニタなどのディスプレイユニット128とともに臨床医10によって使用され得る。ここでの1つの例示的な実施形態において、入力ユニット130は、タッチスクリーンインターフェース(図示せず)上で使用される指又はスタイラスである。入力ユニット130は、代替として、ジェスチャ/音声認識デバイス、トラックボール、マウス、又はキーボード若しくはスタイラス等の他の入力デバイスであってもよい。一例では、ディスプレイユニット128、入力ユニット130、及びコンピュータプロセッサ122は、ユーザインターフェース126を集合的に形成してもよい。コンピュータプロセッサ122は、例えば、中央処理ユニット(「CPU」)、多重処理ユニット、特定用途向け集積回路(「ASIC」)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(「FPGA」)などを含んでいてもよい。プロセッサ122は、通信インフラストラクチャ124(たとえば、通信バス又はネットワーク)に接続することができる。ここでの一実施形態では、プロセッサ122は、患者生体電位情報42に対する要求を受信することができ、コンピュータシステム100の1つ以上の記憶ユニットから要求に関する命令を取得することができる。次いで、プロセッサ122は、前記命令をロードし、患者生体電位データ42をディスプレイデバイス12のスクリーンにルーティングするような、ロードされた命令を実行することができ、患者生体電位データ42は治療部位14a上にオーバーレイされ、前記患者生体電位データ42が前記治療部位14a上に直接重ね合わされて現れる。本発明のさらに別の代替実施形態では、コンピュータシステムは、投影ベースの拡張現実システムを使用してもよく、例えば、プロジェクタ及び深度センサは、追跡システム2及び/又は患者14上のマーカ(例えば、隠れマーカ)とともに、患者生体電位データ42を患者の標的場所14a(例えば、口腔)上に直接投影してもよい。ここで、拡張現実眼鏡などのディスプレイ12は必要とされないであろう。
【0029】
患者のストレス/不快感を視覚的に伝達するための1つ以上のステップ/手順は、コンピュータ読取可能プログラム命令の形態で非一時的記憶デバイス上に記憶することができる。手順を実行するために、プロセッサ122は、記憶デバイス上に記憶されたような、適切な命令をメモリにロードし、その後、後述する図4に示すように、ロードされた命令を実行する。
【0030】
コンピュータシステム100は、ランダムアクセスメモリ(「RAM」)であり得るメインメモリ132をさらに備えることができ、2次メモリ134も備えることができる。2次メモリ134は、例えば、ハードディスクドライブ136及び/又はリムーバブル記憶ドライブ138(例えば、フロッピー(登録商標)ディスクドライブ、磁気テープドライブ、光ディスクドライブ、フラッシュメモリドライブ、及びこれらに類するもの)を含むことができる。リムーバブル記憶ドライブ138は、周知の方法でリムーバブル記憶ユニット140から読み取り、及び/又は書き込みを行うことができる。リムーバブル記憶ユニット140は、例えば、フロッピー(登録商標)ディスク、磁気テープ、光ディスク、フラッシュメモリデバイス、及びこれらに類するものであってもよく、リムーバブル記憶ドライブ138によって読み取り及び書き込みされてもよい。リムーバブル記憶ユニット140は、コンピュータ実行可能ソフトウェア命令及び/又はデータを記憶する、非一時的コンピュータ読取可能記憶媒体を含んでいてもよい。
【0031】
さらなる代替実施形態では、2次メモリ134は、コンピュータシステム100にロードされるコンピュータ実行可能プログラム又は他の命令を記憶する他のコンピュータ読取可能媒体を含むことができる。このようなデバイスは、リムーバブル記憶ユニット144及びインターフェース142(たとえば、プログラムカートリッジ及びカートリッジインターフェース);リムーバブルメモリチップ(たとえば、消去可能プログラマブルリードオンリーメモリ(「EPROM」)又はプログラマブルリードオンリーメモリ(「PROM」))及び関係付けられたメモリソケット;ならびにソフトウェア及びデータがリムーバブル記憶ユニット144からコンピュータシステム100の他の部分に転送されることを可能にする他のリムーバブル記憶ユニット144及びインターフェース142を含んでいてもよい。
【0032】
コンピュータシステム100はまた、コンピュータシステム100と外部デバイスとの間でソフトウェア及びデータを転送することを可能にする通信インターフェース146を含むことができる。このようなインターフェースは、モデム、ネットワークインターフェース(たとえば、イーサネット(登録商標)カード又はIEEE802.11ワイヤレスLANインターフェース)、通信ポート(たとえば、ユニバーサルシリアルバス(「USB」)ポート又はFireWire(登録商標)ポート)、パーソナルコンピュータメモリカード国際協会(「PCMCIA」)インターフェース、Bluetooth(登録商標)、及びこれらに類するものを含んでいてもよい。通信インターフェース146を介して転送されるソフトウェア及びデータは、通信インターフェース146によって送信及び/又は受信されることが可能な電子的、電磁的、光学的又は別のタイプの信号の形態であり得る。信号は、通信経路148(たとえば、チャネル)を介して通信インターフェース146に提供されてもよい。通信経路148は、信号を搬送することができ、ワイヤ又はケーブル、光ファイバ、電話線、セルラリンク、無線周波数(「RF」)リンク、又はこれらに類するものを使用して実現することができる。通信インターフェース146は、コンピュータシステム100とリモートサーバ又はクラウドベースの記憶装置(図示せず)との間でソフトウェア又はデータ又は他の情報を転送するために使用されてもよい。
【0033】
1つ以上のコンピュータプログラム又はコンピュータ制御論理を、メインメモリ132及び/又は2次メモリ134中に記憶することができる。コンピュータプログラムはまた、通信インターフェース146を介して受信され得る。コンピュータプログラムは、コンピュータプロセッサ122によって実行されるとき、コンピュータシステム100に、以下に説明する方法を実行させるコンピュータ実行可能命令を含むことができる。
【0034】
別の実施形態では、ソフトウェアは、非一時的コンピュータ読取可能記憶媒体に記憶され、リムーバブル記憶ドライブ138、ハードディスクドライブ136、及び/又は通信インターフェース146を使用して、コンピュータシステム100のメインメモリ132及び/又は2次メモリ134にロードされてもよい。制御論理(ソフトウェア)は、プロセッサ122によって実行されるとき、コンピュータシステム100に、より一般的には、拡張現実視覚化のためのシステムに、ここに説明される方法のすべて又は一部を行わせる。
【0035】
ここに記載される機能を実行するための他のハードウェア構成の実現は、本説明を考慮すれば当業者には明らかであろう。
【0036】
患者のストレスを可視化する方法
図3のコンピュータシステム100を説明してきたが、患者ストレスを視覚化するための方法は、ここで、治療及び患者体験を改善するためにセンサを介して患者生体電位情報42を取得し、それらをスマートデバイス上に表示するためのステップを示す図4と併せてさらに説明される。
【0037】
図4は、患者のストレスを視覚化するためのプロセス200を示している。本プロセスは、ステップS100において、患者14が生体電位センサシステム26(治療椅子24のハンドルに取り付けられ得る電極センサ38を含むものなど)に係合するとき、開始し得る。患者生体電位情報42は、ステップS200において、電極センサ38から要求又は受信され得る。最初はアナログ形式などの生形式であり得る患者生体電位情報42を受信すると、データがデジタル形式のような読取可能形式に変換され得る。次いで、このデータは、ステップS300において、分析され得る。この分析は、歯科治療が始まる前に、患者のストレス/不快レベルに対応するベースライン生体電位情報を取得することを含み得る。次いで、この情報は、この情報が拡張された方法で、患者14又は治療部位14a上に直接重ね合わされて現れるように、ディスプレイユニット12のスクリーンにルーティングされ得る(ステップS400)。例えば、(i)患者生体電位情報の変化を追跡するリアルタイムデータ44、(ii)臨床医の動きを追跡するリアルタイムデータ46、及び/又は(iii)患者の動きを追跡するリアルタイムデータ50を含む追跡システム2からのデータを使用して、ディスプレイデバイス12にルーティングされる拡張データは、この拡張が治療部位上に直接重ね合わせて現れるように、患者14又は治療部位14a、又はそうでなければ臨床医10の視野中の他の何らかの予め定められた現実世界の場所上でのオーバーレイのために、リアルタイムで動的に更新され得る。予め定められた場所は、例えば、カメラシステム3から取得されたデータに対する物体認識を使用して認識されてもよい。
【0038】
本発明の例示的な実施形態では、少なくとも患者生体電位情報42を含む拡張は、絶えず更新され得る。あるいは、例えば、患者生体電位情報42が予め定められた値を超えたときに、拡張を間欠的に更新してもよい。本発明のさらなる例示的実施形態では、生体電位センサシステム26からの患者生体電位情報42の検索を、ある持続時間の間、終了してもよく、検索は、その後、臨床医10からの要求に応じて再開されてもよい。
【0039】
さらに、(i)ストレス又は不快レベルの記録された変化に基づいて歯科治療を進めるための予め定められた命令又は提案、及び/又は(ii)人工知能に基づく命令のような命令を、臨床医10に対して自動的に、又は入力ユニット130を通した臨床医10からの要求のような要求に応じて、表示することができる。より具体的には、ステップS500において、人工知能データ分析は、カメラシステム3によって撮影された患者14の画像及び/又は患者生体電位情報42のデータベース上で使用され、プロセッサ122が患者の痛み、ストレス又は不快感を正確に又は実質的に正確に検出するための設定命令を生成することができる。プロセッサ122を、人工知能及び/又は他のアルゴリズムのような1つ以上のアルゴリズムを実行するように適合することができ、これは、進行中の患者治療、過去の患者治療、対応する記録されたストレスレベル、患者治療の結果、若しくはそうでなければ治療情報から導出されるか、又はそうでなければそれらに基づく入力の如き1つ以上の入力に基づいて、アルゴリズムを実行するように適合されることを含み得る。プロセッサ122は、1つ以上の検出されたストレスレベルに対して1つ以上の治療計画52を推奨又はそうでなければ識別し、治療計画52を臨床医10に表示するように適合され得る。本発明の例示的な実施形態では、治療計画52は、患者の経験を改善するために、例えば、麻酔の補充、治療活動の停止、治療活動の減速等を含むことができる。「Methods and systems for employing artificial intelligence in automated orthodontic diagnosis and treatment planning」と題された米国特許第9788917B2号において説明されているような、治療プランにおいて人工知能を用いるためのシステムを使用してもよく、それらは、本明細書に完全に記載のものとして、それらの全体が本明細書に援用される。
【0040】
さらに別の実施形態では、コンピュータシステム100は、患者14上の、臨床医10によって使用されているツール16(例えば、歯科用ドリル)と通信することができる。好ましくは予め定められたしきい値を超える記録された患者生体電位データ42に基づいて、コンピュータシステムは、ツール16の制御を取得することができ、ツール16を非アクティブ化するか、又は前記ツール16に送られる電力を低減することができる。
【0041】
さらに、治療計画52は、(a)視覚形態、ここで、例えば、赤-黄-緑の光、色付きの光、またそうでなければ患者10のリアルタイムのストレス/不快レベルを示す光、(b)聴覚形態、ここで、例えば、言語的手がかり又は他の可聴式の音は、患者10のリアルタイムのストレス/不快レベルを示してアクティブ化されてもよい、及び/又は(c)触覚形態、ここで、例えば、記録されたストレスレベルが予め定められた値に近づくと、振動要素(図示せず)の振動の強度が増減する、を含む1つ以上の形態で、ディスプレイデバイス12上で臨床医に提供することができる。
【0042】
前述の説明を考慮して、ここで説明される例示的実施形態は、患者のストレス/不快レベルを視覚化するための方法、システム、及びコンピュータ読取可能記憶媒体を提供することが理解され得る。
【0043】
反対に定義されていない限り、ここで使用されるすべての技術上の及び科学上の用語は、この発明が属する当業者のうちの一人によって一般に理解されるのと同じ意味を有する。ここで説明されるものと類似又は均等の方法及び材料が、本開示の実施又は試験において使用されてもよいが、適切な方法及び材料は、上記に記載されている。ここで言及される全ての刊行物、特許出願、特許、及び他の参考文献は、適用可能な法律及び規制によって許容される程度まで、その全体が参照され援用される。本開示は、その精神又は本質的な属性から逸脱することなく、他の特定の形態で具現化されてもよく、したがって、本実施形態は、あらゆる点で例示的であり、限定的ではないと見なされることが望ましいであろう。説明内で利用されている見出しは便宜上のものにすぎず、法的又は限定的な効果を有するものではない。
図1
図2
図3
図4
【国際調査報告】