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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-03-28
(54)【発明の名称】内視鏡装置
(51)【国際特許分類】
   A61B 1/00 20060101AFI20220318BHJP
   G02B 23/24 20060101ALI20220318BHJP
【FI】
A61B1/00 652
A61B1/00 716
A61B1/00 632
G02B23/24 A
G02B23/24 B
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021543206
(86)(22)【出願日】2019-05-21
(85)【翻訳文提出日】2021-07-26
(86)【国際出願番号】 CN2019087774
(87)【国際公開番号】W WO2020228052
(87)【国際公開日】2020-11-19
(31)【優先権主張番号】201910392836.3
(32)【優先日】2019-05-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】519228854
【氏名又は名称】上海英諾偉医療器械有限公司
【住所又は居所原語表記】1F And East 2F Building 7,No.150 Cailun Road,Pilot Free Trade Zone,Pudong New Area Shanghai 201203 China
(74)【代理人】
【識別番号】100142804
【弁理士】
【氏名又は名称】大上 寛
(72)【発明者】
【氏名】厳航
(72)【発明者】
【氏名】唐偉
(72)【発明者】
【氏名】張阿龍
【テーマコード(参考)】
2H040
4C161
【Fターム(参考)】
2H040DA16
2H040DA51
2H040EA01
2H040GA02
4C161CC06
4C161DD04
4C161DD09
4C161JJ11
4C161JJ13
4C161LL02
(57)【要約】
【課題】
滅菌消毒処理による問題、及び内視鏡本体内の光源集成による散光、反射の問題を避けることができる。
【解決手段】
本発明の内視鏡装置は、使い捨て可撓性シース、再利用可能な内視鏡本体、及び使い捨て滅菌ジャケットを有する。前記内視鏡本体は、前記可撓性シースの内視鏡差し込み部から前記可撓性シースに差し込むことができる。前記滅菌ジャケットは、前記内視鏡差し込み部の入口に設けられ、内視鏡本体を外部から隔離する。前記可撓性シースの前端近傍に光源部を有する。前記内視鏡本体は、導電部を有し、その後端が導電部に導通される電源線に接続される。前記内視鏡本体を前記可撓性シースに差し込んだ後、前記導電部が前記光源部の光源導線に直接的又は間接的に導通され、前記光源部に電力を供給する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
使い捨て可撓性シース、再利用可能な内視鏡本体、及び使い捨て滅菌ジャケットを有し、
前記内視鏡本体は、前記可撓性シースの内視鏡差し込み部から前記可撓性シースに差し込むことができ、
前記滅菌ジャケットは、前記内視鏡差し込み部の入口に設けられ、前記可撓性シースに差し込んだ内視鏡本体を外部から隔離し、
前記可撓性シースの前端近傍に光源部を有し、
前記内視鏡本体は、導電部を有し、その後端が前記導電部に導通される電源線に接続され、
前記内視鏡本体を前記可撓性シースに差し込んだ後、前記導電部が前記光源部の光源導線に直接的又は間接的に導通され、前記光源部に電力を供給することを特徴とする、
内視鏡装置。
【請求項2】
前記内視鏡本体は、内視鏡把手、前記内視鏡把手に接続される内視鏡可撓管、及び前記内視鏡可撓管の前端に設けられる画像取得密封構造を有し、
前記導電部は、前記内視鏡把手に設けられることを特徴とする、
請求項1に記載の内視鏡装置。
【請求項3】
前記画像取得密封構造は、一緒に密封される画像取得部及び回路基板を有し、
前記回路基板は、前記電源線に直接的又は間接的に接続され、
前記画像取得部は、前記回路基板に接続されることを特徴とする、
請求項2に記載の内視鏡装置。
【請求項4】
前記可撓性シースは、本体部、シース可撓管、及び挿入部を有し、
前記本体部は、前記シース可撓管の後端に接続され、
前記挿入部は、前記シース可撓管の前端に設けられ、
前記内視鏡差し込み部は、前記本体部に設けられ、
前記シース可撓管及び前記挿入部に内視鏡可撓管を受容するための可撓管通路が形成され、
前記可撓管通路は、前記内視鏡差し込み部内の通路に直接的又は間接的に連通されることを特徴とする、
請求項1~3のいずれか1項に記載の内視鏡装置。
【請求項5】
前記可撓性シースは、マルチルーメンチューブを有し、
前記マルチルーメンチューブは、内視鏡可撓管を受容するための可撓管通路を有し、
前記可撓管通路は、前記内視鏡差し込み部内の通路に直接的又は間接的に連通されることを特徴とする、
請求項1~3のいずれか1項に記載の内視鏡装置。
【請求項6】
前記光源導線は、光源導線通路に穿設され、
前記光源導線通路は、前記マルチルーメンチューブの中に設けられて前記可撓管通路から隔離されるか、又は前記マルチルーメンチューブの外に設けられることを特徴とする、
請求項5に記載の内視鏡装置。
【請求項7】
前記マルチルーメンチューブは、デバイスチューブ通路をさらに有し、
前記デバイスチューブ通路は、前記可撓管通路から隔離され、
前記デバイスチューブ通路及び前記可撓管通路は、8の字で配置されることを特徴とする、
請求項5に記載の内視鏡装置。
【請求項8】
前記可撓性シースは、デバイスチューブを差し込むためのデバイスチューブ差し込み部をさらに有し、
前記デバイスチューブ通路は、前記デバイスチューブ差し込み部内の通路に直接的又は間接的に連通されることを特徴とする、
請求項7に記載の内視鏡装置。
【請求項9】
前記可撓性シースは、送気送水バルブ、湾曲制御部、及びロック部からなる群から選ばれる少なくとも1種を有し、
前記湾曲制御部は、シース可撓管の湾曲を制御するために用いられ、
前記ロック部は、前記内視鏡本体及び前記可撓性シースをロックするために用いられることを特徴とする、
請求項1~3のいずれか1項に記載の内視鏡装置。
【請求項10】
前記滅菌ジャケットは、接続部、折り畳み防菌カバー、及び圧縮ボックスを有し、
前記折り畳み防菌カバーは、その一端が前記接続部の後端に接続され、もう一端が前記圧縮ボックスに接続され、
前記圧縮ボックスは、前記折り畳み防菌カバーの後端に設けられ、
前記折り畳み防菌カバーは、前記圧縮ボックスに折り畳むことができ、それを伸ばすと前記可撓性シースに差し込んだ内視鏡本体の後端を隔離できることを特徴とする、
請求項1~3のいずれか1項に記載の内視鏡装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、医療機器分野、特に内視鏡装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、内視鏡及びその手術機器は低侵襲診断治療の分野で広く使われる。低侵襲医療技術の発展につれて、内視鏡への要求がより高まる。内視鏡は、部位によって分類すると神経鏡、尿道膀胱鏡、切除鏡、腹腔鏡、関節鏡、副鼻腔鏡、喉頭鏡等に分けられる。内視鏡の頭部の湾曲によって軟性内視鏡及び硬性内視鏡に分けられる。内視鏡構造は、繰り返し使用可能であるが、患者、医療関係者等と接触するために、滅菌消毒処理を行わなければならない。しかしながら、内視鏡の構造が複雑で、その中の画像取得部、光源部、医療関連機器等を密封剤で密封して密封構造にする。密封剤は、数回の湿熱滅菌を経ると、構造が安定ではない状況となり、密封構造及び内視鏡構造が安定せず、湿熱滅菌の効果に影響してしまう場合もある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明は、滅菌消毒処理によって構造が不安定となる問題及び、滅菌効果が不十分であるという問題を解決するための内視鏡装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明の1つの態様によれば、内視鏡装置は、使い捨て可撓性シース、再利用可能な内視鏡本体、及び使い捨て滅菌ジャケットを有する。前記内視鏡本体は、前記可撓性シースの内視鏡差し込み部から前記可撓性シースに差し込むことができる。前記滅菌ジャケットは、前記内視鏡差し込み部の入口に設けられ、前記可撓性シースに差し込んだ内視鏡本体を外部から隔離する。前記可撓性シースの前端近傍に光源部を有する。前記内視鏡本体は、導電部を有し、その後端が前記導電部に導通される電源線に接続される。前記内視鏡本体を前記可撓性シースに差し込んだ後、前記導電部が前記光源部の光源導線に直接又は間接的に導通され、前記光源部に電力を供給する。
【0005】
好ましくは、前記内視鏡本体は、内視鏡把手、前記内視鏡把手に接続される内視鏡可撓管、及び前記内視鏡可撓管の前端に設けられる画像取得密封構造を有する。前記導電部は、前記内視鏡把手に設けられる。
【0006】
好ましくは、前記画像取得密封構造は、一緒に密封される画像取得部及び回路基板を有する。前記回路基板は、前記電源線に直接的又は間接的に接続される。前記画像取得部は、前記回路基板に接続される。
【0007】
好ましくは、前記可撓性シースは、本体部、シース可撓管、及び挿入部を有する。前記本体部は、前記シース可撓管の後端に接続される。前記挿入部は、前記シース可撓管の前端に設けられる。
【0008】
前記内視鏡差し込み部は、前記本体部に設けられる。前記シース可撓管及び前記挿入部に内視鏡可撓管を受容するための可撓管通路が形成される。前記可撓管通路は、前記内視鏡差し込み部内の通路に直接的又は間接的に連通される。
【0009】
好ましくは、前記可撓性シースは、マルチルーメンチューブを有する。前記マルチルーメンチューブは、内視鏡可撓管を受容するための可撓管通路を有する。前記可撓管通路は、前記内視鏡差し込み部内の通路に直接的又は間接的に連通される。
【0010】
好ましくは、前記光源導線は、光源導線通路に穿設される。
【0011】
前記光源導線通路は、前記マルチルーメンチューブの中に設けられて前記可撓管通路から隔離されるか、又は前記マルチルーメンチューブの外に設けられる。
【0012】
好ましくは、前記マルチルーメンチューブは、デバイスチューブ通路をさらに有する。前記デバイスチューブ通路は、前記可撓管通路から隔離される。前記デバイスチューブ通路及び前記可撓管通路は、8の字で配置される。
【0013】
好ましくは、前記可撓性シースは、デバイスチューブを差し込むためのデバイスチューブ差し込み部をさらに有する。前記デバイスチューブ通路は、前記デバイスチューブ差し込み部内の通路に直接的又は間接的に連通される。
【0014】
好ましくは、前記可撓性シースは、送気送水バルブ、湾曲制御部、及びロック部からなる群から選ばれる少なくとも1種を有する。前記湾曲制御部は、シース可撓管の湾曲を制御するために用いられる。前記ロック部は、前記内視鏡本体及び前記可撓性シースをロックするために用いられる。
【0015】
好ましくは、前記滅菌ジャケットは、接続部、折り畳み防菌カバー、及び圧縮ボックスを有する。前記折り畳み防菌カバーは、その一端が前記接続部の後端に接続され、もう一端が前記圧縮ボックスに接続される。前記圧縮ボックスは、前記折り畳み防菌カバーの後端に設けられる。前記折り畳み防菌カバーの少なくとも一部が前記圧縮ボックスに折り畳むことができ、それを伸ばすと前記可撓性シースに差し込んだ内視鏡本体の後端を隔離できる。
【0016】
本発明の内視鏡装置によれば、使い捨て可撓性シース、再利用可能な内視鏡本体、及び使い捨て滅菌ジャケットを利用し、下記効果を有する。関係者が使用する場合に、使い捨て可撓性シース及び滅菌ジャケットとしか接触せず、繰り返し使用可能な内視鏡本体と完全に隔離できる。そのため、細菌汚染等を避け、手術の感染リスクを低減できる。また、使用上便利で安全である。よって、本発明によれば、内視鏡本体の滅菌消毒処理を減少し、滅菌消毒処理による問題を避けることができる。また、可撓性シース及び滅菌ジャケットが使い捨て式であるため、コスト削減に役立つ。
【0017】
なお、本発明によれば、光源部が可撓性シースに設けられ、内視鏡本体を内視鏡シースに差し込んだ後に光源部に電力を供給する。そのため、内視鏡本体の画像取得部及び光源部を一緒に密封する方法と比べると、内視鏡本体内の光源集成による散光、反射の問題を避けることができる。
【0018】
以下、図面を開示しながら本発明の実施例及び従来技術を詳しく説明する。図面があくまで本発明の実施例に過ぎず、当業者は、前記図面に基づいて変更できる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】本発明の1つの実施例の内視鏡装置の構造模式図1である。
図2】本発明の1つの実施例の内視鏡装置の構造模式図2である。
図3】本発明の1つの実施例の内視鏡本体の構造模式図である。
図4図3におけるB-Bの断面模式図である。
図5図3におけるI部分の局所拡大模式図である。
図6】本発明の1つの実施例の可撓性シースの頭部の構造模式図1である。
図7図6におけるA-Aの断面模式図1である。
図8図6におけるA-Aの断面模式図2である。
図9】本発明の1つの実施例の可撓性シースの頭部の構造模式図2である。
図10】本発明の1つの実施例の導電部と光源導線とを接触導通される模式図である。
図11】本発明の1つの実施例の可撓性シースの一部構造模式図3である。
図12】本発明の1つの実施例の可撓性シースの一部構造模式図4である。
図13】本発明の1つの実施例の滅菌ジャケットの構造模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、図面を開示しながら本発明の実施例を詳しく説明するが、実施例があくまで例示であり、種々の変形例が可能なこと、またそうした変形例も本発明の範囲にあることは当業者に理解されるところである。
【0021】
本発明の明細書及び請求項に記載の用語「第1」、「第2」、「第3」、「第4」等は、類似の対象を区別するために用いられるが、その順番を制限するものではない。それらの用語を適切に交換し、下記図面及び実施例に開示する順番以外の形で実施してもよい。また、用語「含む」、「有する」、及びその類似の用語は、他の可能性を排除する意図、例えば、一連の工程又は要素を有するプロセス、方法、システム、製品、又は設備に対してそれらの工程又は要素を限定する意図で使われるものではない。
【0022】
以下、具体的な実施例を開示しながら本発明を詳しく説明するが、下記実施例を互いに組み合わせてもよい。同じ若しくは類似の概念、又はプロセスの説明を省略する場合もある。
図1は、本発明の1つの実施例の内視鏡装置の構造模式図1である。
【0023】
図1を参照しながら説明する。内視鏡装置は、使い捨て可撓性シース1、再利用可能な内視鏡本体2、及び使い捨て滅菌ジャケット3を有する。前記内視鏡本体2は、前記可撓性シースの内視鏡差し込み部11から前記可撓性シース1に差し込むことができる。前記滅菌ジャケット3は、前記内視鏡差し込み部11の入口に設けられ、前記可撓性シース1に差し込んだ内視鏡本体2を外部から隔離させる。
【0024】
可撓性シース1は、シース可撓管を有する内視鏡用シースである。シース可撓管は、湾曲できる構造可撓性管構造であればよい。
【0025】
内視鏡本体2は、体の中を目視できる構造であり、具体的には画像取得部を有する。
【0026】
滅菌ジャケット3は、内視鏡本体2を差し込むように用いられると共に、内視鏡本体2を可撓性シース1に差し込んだ後、内視鏡本体2を外部から隔離できる。滅菌ジャケット3及び可撓性シース1は、一緒に組み立ててもよく、それらを一体にしてもよい。
【0027】
上記実施例によれば、使い捨て可撓性シース、再利用可能な内視鏡本体、及び使い捨て滅菌ジャケットを利用し、下記効果を有する。関係者が使用する場合に、使い捨て可撓性シース及び滅菌ジャケットとしか接触せず、繰り返し使用可能な内視鏡本体と完全に隔離できる。そのため、細菌汚染等を避け、手術の感染リスクを低減できる。また、使用上便利で安全である。よって、本発明によれば、内視鏡本体の滅菌消毒処理を削減し、滅菌消毒処理による問題を避けることができる。また、可撓性シース及び滅菌ジャケットが使い捨て式であるため、コスト削減に役立つ。
【0028】
なお、上記実施例によれば、光源部が可撓性シースに設けられ、内視鏡本体を内視鏡シースに差し込んだ後に光源部に電力を供給する。そのため、内視鏡本体の画像取得部及び光源部を一緒に密封する方法と比べると、内視鏡本体内の光源集成による散光、反射の問題を避けることができる。
【0029】
本実施例において、前記可撓性シース1の前端近傍に光源部4を有する。前記内視鏡本体2は、導電部を有し、その後端が前記導電部5に導通される電源線7に接続される。前記導通は、線路又は部品を介する間接的な接続によって実現してもよく、直接的な接続によって実現してもよい。前記内視鏡本体2を前記可撓性シース1に差し込んだ後、前記導電部5が前記光源部4の光源導線6に直接的又は間接的に導通され、前記光源部4に電力を供給する。光源導線6と導電部5とを直接に接続導通してそれらを接触導通してもよい。また、他の部品又は線路を介して光源導線6と導電部5とを間接に接続導通し、導電部5と前記部品又は線路とを接触導通してもよい。
【0030】
光源部4は、電力を供給して発光する部品であり、例えばLED、導光用光ファイバーが挙げられる。
【0031】
上記実施例によれば、光源部が可撓性シースに設けられ、内視鏡本体を内視鏡シースに差し込んだ後に光源部に電力を供給する。そのため、内視鏡本体の画像取得部及び光源部を一緒に密封する方法と比べると、内視鏡本体内の光源集成による散光、反射の問題を避けることができる。
【0032】
図2は、本発明の1つの実施例の内視鏡装置の構造模式図2である。図3は、本発明の1つの実施例の内視鏡本体の構造模式図である。図4は、図3におけるB-Bの断面模式図である。図5は、図3におけるI部分の局所拡大模式図である。
【0033】
図2図5を参照しながら説明する。前記内視鏡本体2は、内視鏡把手21、前記内視鏡把手21に接続される内視鏡可撓管22、及び前記内視鏡可撓管22の前端に設けられる画像取得密封構造23を有する。前記導電部5は、前記内視鏡把手21に設けられる。
【0034】
上記実施例によれば、内視鏡把手21の移動につれて、一回の動作で挿入及び供電を完成できる。導電部5は、内視鏡把手21の前端に設けられて内視鏡把手21の前端の端面に突出してもよく、内視鏡把手21の前端の端面に凹んでもよく、内視鏡把手21の前端の端面表面と平らになってもよい。
【0035】
内視鏡把手21は、関連者が内視鏡本体2を持って可撓性シースに送り込むための構造である。内視鏡差し込み部11は、前記内視鏡把手21に設けられる。挿入及び位置の固定を考えると、内視鏡差し込み部11内の通路のサイズは、好ましくは内視鏡把手21の外径サイズに対応する。内視鏡差し込み部11内の通路は、内視鏡把手21の内部空間に連通され、さらに可撓管通路に連通される。
【0036】
画像取得密封構造23は、画像取得部を有し、密封技術で密封されて完全な密封構造になる。従来技術の密封構造と比べると、上記実施例によれば、光源部を密封しなくて済むため、構造の簡単化が可能になる。さらに、よりコンパクトな構造を形成できるため、内視鏡の外径を抑える。
【0037】
図5を参照しながら説明する。1つの実施例において、前記画像取得密封構造23は、一緒に密封される画像取得部231及び回路基板232を有する。前記回路基板323は、前記電源線7に直接的又は間接的に接続され、例えば、画像取得導線24を介して電源線7に直接的又は間接的に接続してもよい。前記画像取得部231は、前記回路基板232に接続される。
【0038】
具体的な実施例において、画像取得部231及び回路基板232を密封外管233によって一緒に密封してもよい。密封外管233は、内視鏡可撓管22の管壁と一体となるものであり、又は内視鏡可撓管の管壁の一部として理解されてもよい。
【0039】
また、上記実施例によれば、内視鏡本体2の接続口が少ないため、使用上便利で安全である。
【0040】
図6は、本発明の1つの実施例の可撓性シースの一部構造模式図1である。図7は、図3におけるA-Aの断面模式図1である。図8は、図3におけるA-Aの断面模式図2である。図9は、本発明の1つの実施例の可撓性シースの一部構造模式図2である。
【0041】
図6図9図2を参照しながら説明する。前記可撓性シース1は、本体部12、シース可撓管14、及び挿入部13を有する。前記本体部12は、前記シース可撓管14の後端に接続される。前記挿入部13は、前記シース可撓管14の前端に設けられる。
【0042】
前記内視鏡差し込み部11は、前記本体部12に設けられる。前記シース可撓管14及び前記挿入部13に内視鏡可撓管を受容するための可撓管通路81が形成される。前記可撓管通路81は、前記内視鏡差し込み部11内の通路に直接的又は間接的に連通される。
【0043】
本体部12は、内視鏡差し込み部11、挿入部13、及びシース可撓管14等を設置し、可撓性シース全体を形成するための本体である。1つの実施例において、本体部12は、少なくとも送気送水バルブ15、湾曲制御部16、及びデバイスチューブ差し込み部等の少なくとも1種を有してもよい。
【0044】
即ち、前記可撓性シース1は、送気送水バルブ15、湾曲制御部16、ロック部(図示せず)の少なくとも1種を有する。
【0045】
前記湾曲制御部16は、シース可撓管14の湾曲を制御するために用いられる。
【0046】
前記ロック部は、前記内視鏡本体2及び前記可撓性シース1をロックするために用いられる。
【0047】
送気送水バルブ15、湾曲制御部16、及びデバイスチューブ差し込み部17は、従来技術の内視鏡シースの送気送水バルブ、湾曲制御部、及びデバイスチューブ差し込み部を参照できる。即ち、本発明は、既知の送気送水バルブ、湾曲制御部、及びデバイスチューブ差し込み部、又は改良した送気送水バルブ、湾曲制御部、及びデバイスチューブ差し込み部を利用できる。
【0048】
シース可撓管14は、可撓性管構造であり、内視鏡通路81に挿入した内視鏡可撓管22がシース可撓管14と共に湾曲できる。
【0049】
また、シース可撓管14が本体部12の一端に設けられ、内視鏡差し込み部11が本体部12のもう一端に設けられるため、内視鏡本体2の挿入を実現できる。
【0050】
挿入部13は、シース可撓管14の末端に設けられ、必要な操作を実施するための構造である。また、その中に画像取得密封構造23の画像取得部231を設けてもよい。また、画像取得密封構造23の一部又は全部がシース可撓管14に位置してもよい。
【0051】
挿入部13は、シース可撓管14と一体となってもよく、一体しなくてもよい。
【0052】
挿入部13の頭端の一部構造を最適化してもよい。例えば、頭部が胴体部より小さくようにすると、内視鏡装置を人体の腔所又は切口の通路に容易に挿入できる。
【0053】
図6を参照しながら説明する。1つの実施例において、挿入部13は、支持部131及び透明部132を有する。支持部131は、その前端が透明部132に接続され、その後端がシース可撓管14に接続される。画像取得部131は、透明部132を介して前方の画面を取得できる。
【0054】
図6図7図9を参照しながら説明する。前記可撓性シース1は、マルチルーメンチューブ8を有する。前記マルチルーメンチューブ8は、内視鏡可撓管22を受容するための可撓管通路81を有する。前記可撓管通路81は、前記内視鏡差し込み部11内の通路に直接的又は間接的に連通される。そのため、内視鏡本体2を内視鏡差し込み部11内の通路に挿入した時に、内視鏡可撓管22を可撓管通路81に挿入できる。
【0055】
それに対応し、可撓性シース1は、内視鏡本体2をガイド及び固定するための構造、例えばレール構造を有してもよい。レール構造は、その前端が内視鏡差し込み部11に接続され、その後端がシース可撓管14及び/又はマルチルーメンチューブ8に接続される。固定構造によってマルチルーメンチューブ8と本体部12との相対的な位置を固定し、内視鏡可撓管22をシース可撓管14に容易に挿入できる。
【0056】
図10は、本発明の1つの実施例の導電部と光源導線とを接触接続する模式図である。
【0057】
図10において、上記固定構造18を例示する。固定構造18は、その一側に導電部5を挿入するための第1溝、そのもう一側にマルチルーメンチューブ8を挿入するための第2溝を設ける。両側をそれぞれ挿入すると、導電部5とマルチルーメンチューブ8の光源導線6とを導通できる。
【0058】
その他の例において、固定構造は、例えば伝導部を有する。伝導部を利用して両側の導電部5及び光源導線6を導通できる。また、固定構造によって各部の位置を固定しなくてもよい。その場合、導電部5と光源導線6とを直接的又は間接的に接触導通してもよい。
【0059】
1つの実施例において、前記光源導線6は、光源導線通路83に穿設される。
【0060】
図7において、前記光源導線通路83が前記マルチルーメンチューブ8の外側に設けられ、具体的にマルチルーメンチューブ8の外側とシース可撓管14の管壁の内側との間の空間に設けられる。それによって、光源導線通路83と可撓管通路81を隔離できる。
【0061】
図8において、前記光源導線通路83が前記マルチルーメンチューブ8の内側に設けられ、前記光源導線通路と前記可撓管通路を隔離できる。
【0062】
上記実施例によれば、画像取得部に対応する可撓管通路及び光源部に対応する光源導線通路は、同じ通路ではなく、管壁によって物理的に隔離される。そのため、光の干渉を阻止又は減少できる。
【0063】
図7図9を参照しながら説明する。1つの実施例において、前記マルチルーメンチューブは、デバイスチューブ通路82をさらに有する。前記デバイスチューブ通路82は、前記可撓管通路81から隔離される。前記デバイスチューブ通路82及び前記可撓管通路81は、8の字で配置される。
【0064】
それに対応し、前記可撓性シース1は、デバイスチューブを差し込むためのデバイスチューブ差し込み部17をさらに有する。前記デバイスチューブ通路82は、前記デバイスチューブ差し込み部17内の通路に直接的又は間接的に連通される。
【0065】
前記8の字は、前記デバイスチューブ通路82及び前記可撓管通路81の断面がいずれも円形となり、2つの通路の円心がシース可撓管14の直径方向に沿って分布されると理解することができる。そのため、前記8の字は、8の字のような形として理解することもできる。
【0066】
光源部5は、8の字の両側、即ち、図7の8の字の左右両側に設けられる。
【0067】
上記実施例によれば、空間を有効に利用できる。
【0068】
図11は、本発明の1つの実施例の可撓性シースの一部構造模式図3である。図12は、本発明の1つの実施例の可撓性シースの一部構造模式図4である。
【0069】
図11及び図12を参照しながら説明する。1つの実施例において、デバイスチューブ通路82等を形成せず、可撓管通路81のみを有する。その他の構造は、前記と同じである。
【0070】
図13は、本発明の1つの実施例の滅菌ジャケットの構造模式図である。
【0071】
図13を参照しながら説明する。滅菌ジャケット3は、接続部31、折り畳み防菌カバー32、及び圧縮ボックス33を有する。前記折り畳み防菌カバー32の一端が前記接続部31の後端に接続され、もう一端が前記圧縮ボックス33に接続される。前記圧縮ボックス33は、前記折り畳み防菌カバー32の後端に設けられる。前記折り畳み防菌カバーの少なくとも一部は、前記圧縮ボックス33に折り畳むことができる。圧縮ボックスに折り畳んだ防菌カバーのもう一端が圧縮ボックス33に接続される。前記圧縮ボックスに折り畳んだ防菌カバーを伸ばすと、前記可撓性シース1に差し込んだ内視鏡本体2の後端を隔離できる。
【0072】
上記実施例によれば、滅菌ジャケットを使用すると、患者及び操作者が接触する可能性がある表面部分がいずれも滅菌した使い捨て部分である。そのため、患者及び操作者と繰り返し使用可能な内視鏡本体とを完全に隔離できる。よって、使用上便利で安全である。
【0073】
前記滅菌ジャケット3は、圧縮ボックスに折り畳んだ延伸可能な折り畳み防菌カバー32を有する。そのため、内視鏡本体、又は機械に接続される接続線によって細菌汚染を起こす問題を解決し、未滅菌区域と完全に隔離できる。使用する時に、前記内視鏡本体を可撓性シースの内視鏡差し込み部に沿って挿入した後、滅菌ジャケットをそのまま延伸することで、内視鏡本体及びその電源線と滅菌区域とを隔離できる。
【0074】
以上をまとめると、本発明の内視鏡装置によれば、使い捨て可撓性シース、再利用可能な内視鏡本体、及び使い捨て滅菌ジャケットを利用し、下記効果を有する。関係者が使用する場合に、使い捨て可撓性シース及び滅菌ジャケットとしか接触せず、繰り返し使用可能な内視鏡本体と完全に隔離できる。そのため、細菌汚染等を避け、手術の感染リスクを低減できる。また、使用上便利で安全である。よって、本発明によれば、内視鏡本体の滅菌消毒処理を削減し、滅菌消毒処理による問題を避けることができる。また、可撓性シース及び滅菌ジャケットが使い捨て式であるため、コスト削減に役立つ。
【0075】
なお、本発明によれば、光源部が可撓性シースに設けられ、内視鏡本体を内視鏡シースに差し込んだ後に光源部に電力を供給する。そのため、内視鏡本体の画像取得部及び光源部を一緒に密封する方法と比べると、内視鏡本体内の光源集成による散光、反射の問題を避けることができる。
【0076】
本発明を説明するために上記実施例を開示したが、本発明は、それらに限定されない。当業者が上記実施例に基づいてなされた均等的な変更は、いずれも本発明に含む。
【符号の説明】
【0077】
1 可撓性シース
11 内視鏡差し込み部
12 本体部
13 挿入部
131 支持部
132 透明部
14 シース可撓管
15 送気送水バルブ
16 湾曲制御部
17 デバイスチューブ差し込み部
18 固定構造
2 内視鏡本体
21 内視鏡把手
22 内視鏡可撓管
23 画像取得密封構造
231 画像取得部
232 回路基板
233 密封外管
24 画像取得導線
3 滅菌ジャケット
31 接続部
32 折り畳み防菌カバー
33 圧縮ボックス
4 光源部
5 導電部
6 光源導線
7 電源線
8 マルチルーメンチューブ
81 可撓管通路
82 デバイスチューブ通路
83 光源導線通路
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
【国際調査報告】