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特表2022-520021拡張現実光学系および矯正レンズシステム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-03-28
(54)【発明の名称】拡張現実光学系および矯正レンズシステム
(51)【国際特許分類】
   G02B 23/18 20060101AFI20220318BHJP
   G02B 17/08 20060101ALI20220318BHJP
   G02C 11/00 20060101ALI20220318BHJP
   G02B 27/02 20060101ALI20220318BHJP
   H04N 5/64 20060101ALI20220318BHJP
【FI】
G02B23/18
G02B17/08
G02C11/00
G02B27/02 Z
H04N5/64 511A
【審査請求】未請求
【予備審査請求】有
(21)【出願番号】P 2021543284
(86)(22)【出願日】2019-12-31
(85)【翻訳文提出日】2021-09-16
(86)【国際出願番号】 IL2019051444
(87)【国際公開番号】W WO2020152668
(87)【国際公開日】2020-07-30
(31)【優先権主張番号】62/796,628
(32)【優先日】2019-01-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】521325293
【氏名又は名称】ベン ヤコヴ マイケル シュロモ
(74)【代理人】
【識別番号】100118256
【弁理士】
【氏名又は名称】小野寺 隆
(74)【代理人】
【識別番号】100166338
【弁理士】
【氏名又は名称】関口 正夫
(72)【発明者】
【氏名】ベン ヤコヴ マイケル シュロモ
【テーマコード(参考)】
2H006
2H039
2H087
2H199
【Fターム(参考)】
2H006CA00
2H039AA04
2H039AA10
2H039AB22
2H039AC09
2H087KA06
2H087KA20
2H087RA46
2H087TA01
2H087TA02
2H199CA12
2H199CA25
2H199CA42
2H199CA46
2H199CA66
2H199CA67
2H199CA74
2H199CA85
2H199CA87
(57)【要約】
軽量で標準的な眼鏡フレームに収まるように構成された拡張現実レンズは、90°の視野と1000NIT以上の可視光強度を有する。レンズは、画像生成器から符号化光画像を受け取る。伝達光学系および画像提示器は、レンズ内に一体的に形成される。一方向に湾曲した画像提示器は、曲線の凹面上に反射回折格子を有し、仮想拡張現実感画像として符号化光画像を着用者の目に提示するように構成される。また、伝達光学系は、反射器および反射回折格子を有し、符号化光画像を画像生成器から画像提示器に伝搬させるように構成される。伝達光学系および画像提示器は、拡張現実眼鏡の少なくとも1つのレンズ内に一体的に形成される。
【選択図】図2B
【特許請求の範囲】
【請求項1】
光源と、光を受け取って画像を生成するように構成された画像作成器と、前記画像のための出射孔と、を備える、画像生成器であって、さらに、
前記光源からの光を集めるように構成された第一の導波路と、
前記第一の導波路から光を受け取るように構成された一方向ビームスプリッタと、
前記一方向ビームスプリッタからの前記光を前記画像作成器に伝搬させ、前記画像作成器によって生成された前記画像を前記一方向ビームスプリッタに伝搬させるように構成された第二の導波路と、
を備え、
前記一方向ビームスプリッタは、前記画像を受け取り、前記画像を前記出射孔に伝搬させるように、さらに構成される、画像生成器。
【請求項2】
装置が、拡散板をさらに備える、請求項1に記載の画像生成器。
【請求項3】
前記拡散板は、前記光源から前記第一の導波路に前記光を伝播するように構成される、請求項2に記載の画像生成器。
【請求項4】
前記画像生成器は、細長形状であり、前記細長形状の最大寸法は、長さであり、前記第一および第二の導波路は、前記長さに沿っており、前記長さに対する垂直寸法は、幅である、請求項1~3のいずれか一項に記載の画像生成器。
【請求項5】
前記幅は、8mm~12mmである、請求項4に記載の画像生成器。
【請求項6】
前記画像作成器は、LCoSをさらに含む、請求項1~5のいずれか一項に記載の画像生成器。
【請求項7】
着用者の目に拡張現実画像を提示するための装置であって、
符号化光画像を生成するように構成された画像生成器と、
曲線の凹面上に反射回折格子を有し、仮想拡張現実感画像として前記符号化光画像を前記着用者の目に提示するように構成された一方向に湾曲した画像提示器;
符号化光画像を前記画像生成器から前記画像提示器に伝搬させるように構成された伝達光学系と、
を備える、装置。
【請求項8】
前記伝達光学系が、反射器および反射回折格子をさらに備える、請求項7に記載の装置。
【請求項9】
前記装置は、一対の眼鏡であり、前記眼鏡は、少なくとも1つのレンズをさらに含み、前記伝達光学系および画像提示器は、前記少なくとも1つのレンズに一体的に形成される、請求項7または8に記載の装置。
【請求項10】
前記装置は、前記少なくとも1つのレンズの少なくとも1つの側に取り付けられた光学アップリケをさらに備える、請求項9に記載の装置。
【請求項11】
前記光学アップリケは、視力を矯正するように構成される、請求項10に記載の装置。
【請求項12】
前記反射回折格子が、三角形の反射回折格子の平行な列を支持する基板である、請求項7~11のいずれか一項に記載の装置。
【請求項13】
前記反射回折格子の各列は、前記基板によって接続された直線脚部と傾斜脚部とを有するように構成される、請求項12に記載の装置。
【請求項14】
前記反射回折格子の平行な列は、前記画像提示器の前記曲線に関連して垂直軸上に配向される、請求項12または13に記載の装置。
【請求項15】
前記基板と傾斜脚部との間の角度が39~43°である、請求項13または14に記載の装置。
【請求項16】
前記伝達光学系の前記反射器および反射回折格子が、さらに備え、
前記画像生成器から受け取った前記符号化光画像を第一の曲面反射器に伝送するように構成されたコーナー反射回折格子と、
前記第一の曲面反射器から曲面反射回折格子に前記符号化光画像を伝搬させるように構成された第二の曲面反射器と、
前記第二の曲面反射器から下降反射回折格子に前記符号化光画像を伝搬させるように構成された前記曲面反射回折格子と、
前記下降反射回折格子から前記符号化光画像を受け取り、前記符号化光画像を前記伝達光学系から前記画像提示器に伝搬させるように構成された丸みを帯びた反射器と、
を備える、請求項8~15のいずれか一項に記載の装置。
【請求項17】
前記画像生成器は、OLEDである、請求項7~16のいずれか一項に記載の装置。
【請求項18】
前記画像生成器は、請求項1に記載の前記画像生成器である、請求項7~16のいずれか一項に記載の装置。
【請求項19】
前記少なくとも1つのレンズは、標準的な眼鏡フレームに適合するように構成される、請求項9に記載の装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願)
本出願は、2019年1月25日に出願された米国仮出願第62/796,628号の米国特許法第119条(e)に基づく利益を主張し、その開示は、参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
本開示の実施形態は、拡張現実(AR)眼鏡に関する。
【背景技術】
【0003】
拡張現実ARは、一般に、自然の現実環境から受け取った感覚入力を、自然環境に追加し、拡張させる追加的なコンピュータ生成感覚入力(本明細書では、以下、AR入力とも呼ばれる)と統合することによって形成される没入現実を指す。AR入力は、典型的には、視覚、聴覚、および/または嗅覚であり、2つ以上の感覚入力の組み合わせであってもよい。拡張(augment)とは追加することを意味し、AR入力は、典型的には建設的な入力を含むが、AR入力は、現実環境の特徴を隔離する破壊的な入力であってもよい。視覚AR入力は、戦闘機のパイロットヘルメットによって生成されたヘッドアップディスプレイとして、初めて登場したが、一般大衆によって、AR眼鏡と最も一般的に関連付けられる。これは、着用者が眼鏡を通して見る実際の環境のシーンをオーバーレイする視覚AR画像を着用者に提供する。
【発明の概要】
【0004】
本開示の一実施形態の態様は、比較的コンパクトで軽量かつ着用しやすいAR眼鏡で、比較的広い視野(FOV)を特徴とするアイボックス内に、AR画像を生成するように動作可能なものを提供することに関する。AR眼鏡は、着用者の視力を矯正するために構成され、AR眼鏡のレンズ上に取り付けられる光学アップリケをさらに備えてもよい。一実施形態では、広角視野AR眼鏡(WIFAR(wide FOV AR)眼鏡、または単にWIFARと呼ぶこともある)は、画像生成器(image generator)と、画像生成器から画像を受け取り、着用者の目に仮想拡張現実画像として提示するために、画像を提示素子(以下、オプションとして「画像提示器」と呼ぶ)に伝達する伝達光学系とを備える。
【0005】
画像生成器は、オプションとして、光源からの光を画像作成器(image maker)、オプションとして、液晶オンシリコン(LCoS(商標))画像作成器に、また画像作成器から、以下では伝達光学システムとしても知られる伝達光学系に向ける反射回折導波路のコンパクトな構成を含む。画像生成器は、いくつかの実施形態では、有機発光ダイオードを備える。伝達光学系は、反射回折格子と、オプションとして、WIFARのレンズ内に一体的に形成される非回折反射器とを備えてもよい。画像提示器は、反射回折格子を備えてもよく、また、伝達光学系を備えるレンズ内に一体的に形成されてもよい。いくつかの実施形態では、反射回折格子および画像提示器は、湾曲している。画像生成器、伝達光学系、および画像提示器は、一実施形態に従って、協働して、約90°の視野を有するWIFARのアイボックス内に仮想拡張現実画像を生成してもよい。この概要は、概念の選択を簡略化された形成で紹介するために提供され、これらの概念は、以下の「発明を実施するための形態」でさらに説明する。この概要は、特許請求される主題の重要な特徴または本質的な特徴を識別することを意図するものでも、特許請求される主題の範囲を限定するために使用されることを意図するものでもない。
【0006】
本開示の実施形態の非限定的な例は、本明細書に添付され、この段落の後に列挙される図面を参照して、以下に記載される。2つ以上の図に現れる同一の特徴は、一般に、それらが現れる全ての図において、同一のラベルでラベル付けされる。図面における本開示の実施形態の所与の特徴を表すアイコンにラベル付けするラベルは、所与の特徴を参照することができるために使用される。図面に示される特徴の寸法は、説明の便宜および明確さのために選択され、必ずしも一定の縮尺で示されていない。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】本開示の一実施形態に従って、WIFAR眼鏡の斜視図を概略的に示す。
図2A】本開示の一実施形態に従って、図1に示されるレンズおよび画像生成器の斜視正面図を概略的に示す。
図2B】本開示の一実施形態に従って、図2Aに見られるようなWIFARレンズおよび画像生成器の斜視背面図を概略的に示す。
図3】本開示の一実施形態に従って、WIFARの画像生成器の拡大切欠平面図を概略的に示す。
図4A】本開示の一実施形態に従って、WIFARのレンズと、レンズ内に一体的に形成された伝達光学系および画像提示器の素子とを概略的に示す。
図4B】本開示の一実施形態に従って、WIFARのレンズと、レンズ内に一体的に形成された伝達光学系および画像提示器の素子とを概略的に示す。
図4C】本開示の一実施形態に従って、WIFARのレンズと、レンズ内に一体的に形成された伝達光学系および画像提示器の素子とを概略的に示す。
図4D】本開示の一実施形態に従って、画像提示器の特徴を概略的に示す。
図4E】本開示の一実施形態に従って、WIFARのレンズに一体的に形成されたWIFAR光学素子の寸法を示す。
図5】本開示の一実施形態に従って、WIFAR眼鏡に含まれ得るOLEDタイプの画像生成器を概略的に示す。
図6】本開示の一実施形態に従って、WIFARレンズ上に配置するための光学アップリケを概略的に示す。
図7】本開示の一実施形態に従って、バックヘッドストラップを備えたストラップハウジングを有するWIFAR眼鏡を概略的に示す。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下の詳細な説明の中で、本開示の実施形態によるWIFARの態様は、図1図7に概略的に示されるWIFARの構成要素を参照して説明する。図1は、一実施形態に従って、画像生成器、伝達光学系、および画像提示器を有するWIFAR眼鏡の一実施形態の特徴を示す。図2Aおよび図2Bは、着用者の目にAR画像を提供するために制御可能な画像生成器、伝達光学系、および画像提示器の特徴を示す。図3は、図2Aおよび図2Bに示すAR画像生成器の詳細と、画像生成器にユーザの目に向けて画像を表示するために伝搬させる革新的な折り畳み光路を提供する光学構成要素を概略的に示す。光学素子の構成要素は、比較的コンパクトで軽量な構造を有するWIFARの提供に寄与する。図4A図4B、および図4Cは、本開示の一実施形態に従って、伝達光学系を有するWIFARガラス内に構成された眼鏡レンズと、レンズ内に一体的に形成された画像提示器とを概略的に示す。図4Eは、一実施形態に従って、伝達光学系の寸法を示す。図5は、画像生成器がOLEDを含むWIFARの変形例を概略的に示す。図6は、WIFARの一実施形態における光学アップリケを概略的に示す。図7は、WIFARの構成要素を有利に収容することができるバックヘッドストラップに取り付けられたハウジングを有するWIFARを概略的に示す。
【0009】
この議論では、特に断らない限り、本開示の実施形態の1つまたは複数の特徴の条件または関係特性を修飾する「実質的に」および「約」などの形容詞は、その条件または特性が、それが意図される用途のための実施形態の動作に許容可能な許容範囲内で定義されることを意味すると理解される。本開示における一般的な用語が、例示的なインスタンスまたは例示的なインスタンスのリストを参照することによって示される場合はいつでも、参照される1つまたは複数のインスタンスは、一般的な用語の非限定的で例示的なインスタンスによるものであり、その一般的な用語は、参照される特定の例示的な1つまたは複数のインスタンスに限定されることを意図されない。別段の指示がない限り、明細書および特許請求の範囲における単語「または」は、排他的論理和ではなく包括的論理和であると見なされ、それが結合する項目の少なくとも1つ、または複数の項目の任意の組み合わせを示す。
【0010】
図1は、本開示の一実施形態に従って、後述する光学素子35Cおよび-Cを含む伝達光学系38と、画像提示器40を一体的に形成されたレンズ20と、画像生成器30を含む眼鏡テンプルバー25とを有するWIFAR眼鏡10を概略的に示す。一実施形態では、伝達光学系および画像提示器は、WIFAR10のレンズ20の一方にあっても、両方にあってもよい。オプションとして、レンズは、ポリカーボネート材料またはポリメチルメタクリレート材料のいずれか一方、またはその任意の組合せから作製される。
【0011】
図2Aおよび図2Bは、レンズ20およびAR画像生成器30(以下、オプションとして画像生成器と呼ぶ)の詳細を示す拡大画像を概略的に示す。いくつかの実施形態の説明を容易にするために、WIFAR光学素子の位置は、図2AのXYZ座標系18を参照して、以下に記載する。ここで、Y軸がテンプルバーに実質的に平行であり、X軸がテンプルバーに垂直である、画像生成器は、図2Bの挿入図101により詳細に示されている。
【0012】
一実施形態によると、画像生成器30は、光源55、拡散板60、および第一の反射回折導波路または第一の導波路70を含む。光源、拡散板、および第一の導波路は、構成要素を有し、図2Bの挿入図101に示されている画像作成器91に向かって光を生成し、方向付けるように構成されている。画像生成器は、さらに、一方向ビームスプリッタ75と、第二の導波路80とを備え、第一の導波路70からの光を画像作成器91に伝搬させ、画像作成器によって生成された画像で符号化された光を光から伝搬させて、光学系38を伝達する。以下に説明する図3は、本開示の一実施形態に従って、折り畳まれた光路を平面断面図で概略的に示す。
【0013】
図3は、画像生成器30の切欠平面図を概略的に示す。この図は、光源55によって生成され、画像作成器91によって処理された光が画像生成器内を移動する経路を示す。光源55が発する光は、破線の弓形63によって、光の伝播方向は、破線矢印65A~Fによって概略的に表される。一実施形態によると、光源55からの光63は、破線矢印65Aによって概略的に表される方向に伝搬し、拡散板60を通過し、破線矢印65Bによって示される方向へと続き、第一の導波路70に入る。第一の導波路は、オプションとして、太い破線68によって概略的に表される鏡像反射回折格子を備える。挿入図102Aでは、太い破線によって表された反射回折格子が、基板によって支持された光学的な微小三角形ルーリング(micro-triangular rulings)37の平行な列(以下、三角形ルーリング37と呼ぶ)を備え得ることを概略的に示している。いくつかの実施形態では、各三角形歯37は、基板37D上に形成された直線脚部面37Cおよび傾斜脚部面37Bを備える。
【0014】
第一の導波路は、一方向ビームスプリッタ75に対向する第一の導波路の出射孔70Aに到達するために、破線矢印65Cによって示される第一の導波路の方向に沿って、拡散板から光63を伝搬するように動作する。出射孔は、破線矢印65Dによって示される光63が一方向ビームスプリッタを通過して、第二の導波路80に入射することを可能にする。
【0015】
一実施形態によると、第二の導波路80は、第二の導波路の長さに沿って破線矢印65Eで示される方向に光63を、画像作成器91に対向する出射孔70Bに伝搬する。画像作成器は、オプションとして、LCoSを制御するように操作可能なプリント回路基板コントローラ90に取り付けられたLCoS85を備える。光63は、破線矢印65Fによって示される方向に、出射孔70Bを通って導波路から出て、LCoSに入る。LCoSは、受け取った光を処理して、アイコン95A、95Bおよび95Cによって表される特徴を備える画像または符号化光画像で符号化された光(以下、符号化光96)を生成する。LCoSから伝達光学系38への符号化光の経路は、以下に詳細に説明するように、実線矢印98A~Dによって概略的に表される。AR符号化光96は、光が到来した出射孔70Bを介して、経路98Aに沿ってLCoSから第二の導波路80に戻る。
【0016】
第二の導波路80は、オプションとして、導波路の長さに沿って戻って、経路98B上で符号化光96を伝搬し、画像経路98C上の一方向ビームスプリッタに戻って、符号化光を伝搬し続ける。一方向ビームスプリッタ75は、第二の導波路から受け取った符号化光を反射し、経路98D上の符号化光を画像生成器30の出射孔に導き、伝達光学系38に入る。
【0017】
上述した独特の光折り畳み画像生成器30は、比較的小さくて、眼鏡10(図1)のテンプルバー25内に収容することができ、眼鏡が眼鏡着用者に改善された快適性および有用性を提供することを可能にする。一例として、画像生成器30は、x軸(図2A)に平行で、約10mm以下の幅を有することができる。
【0018】
図4A図4Cは、一実施形態では、レンズ20内に一体的に形成された伝達光学系38を概略的に示しており、伝達光学系は、非回折反射器36A、36Bおよび36Cと、反射回折格子35A、35Bおよび35Cとをさらに備える。オプションとして、反射器36A~Cは、符号化光を拡大し、伝搬するように操作可能なミラーである。図4Aは、画像生成器の一方向ビームスプリッタ75Aの一部から画像提示器40への符号化光96のトレーシングを概略的に示す。レンズ20を通る符号化光のトレースは、3つの異なる破線96A、96B、96Cによって概略的に示されている。図4Bは、図4Aに示されるような伝達光学系38をかなり拡大した概略図である。図4Cは、図4Aに示されているような丸みを帯びた反射器36Cおよび画像提示器40をかなり拡大した概略図である。
【0019】
図4Dは、オプションの三角形ルーリング37を拡大して詳細に、画像提示器40を概略的に示す。図4Dの挿入図102は、三角形ルーリング37の平面断面図である。三角形ルーリングは、反射回折格子35ACおよび画像提示器40の少なくとも一方または任意の組合せで、使用され得る。オプションとして、伝達光学系上の反射回折格子は、ミラーとして符号化光を反射する銀とアルミニウムで回折格子をコーティングすることによって製造され得る鏡面回折格子である。いくつかの実施形態では、反射回折格子ルーリング37の各三角形ルーリングは、基板37Dによって接続された直線脚部37Cと傾斜脚部37Bとを備える。
【0020】
一実施形態によると、伝達光学系38の反射器36A~Cおよび反射回折格子35A~Cは、コーナー反射回折格子35Aをさらに備える。コーナー反射回折格子は、画像生成器から受け取った符号化光を透過するように動作し、X軸およびY軸の両方に沿って対角線方向に符号化光96を第一の曲面反射器36Aに伝搬させることができる。コーナー反射回折格子35Aは、Z軸に沿って配置された三角形ルーリング37をさらに備えることができる。オプションとして、符号化光は、第一の曲面反射器の凸面に受け取られる。第一の曲面反射器は、X軸およびY軸の両方に沿って対角線方向に符号化光を第二の曲面反射器36Bに伝搬させるように動作可能である。オプションとして、符号化光は、第二の曲面反射器の凹面に受け取られる。一実施形態によると、第二の曲面反射器は、第一の曲面反射器から符号化光を受け取り、符号化光をX軸およびY軸の両方に沿って対角線方向に曲面反射回折格子35Bへと伝搬するように構成される。第一および第二の曲面反射器は、オプションとして、Z軸の周りを回転するX軸に対応してオフセットされ、オプションとして、連続半径を有する曲面である。
【0021】
曲面反射回折格子は、さらに、Z軸に沿って配向された三角形ルーリング37を備えてもよく、Y軸に沿った符号化光96を下降反射回折格子35Cに伝搬させるように構成されてもよい。いくつかの実施形態における曲面反射回折格子は、X軸に沿って湾曲しており、曲面反射回折格子の凹面側で符号化光を受け取る。下降反射回折格子は、オプションとして、曲面反射回折格子35Bに面し、X軸に沿って配向された三角形ルーリング37をさらに備える。下降反射回折格子35Cは、符号化光をZ軸に沿って丸みを帯びた反射器36Cに伝搬させるように動作可能である。丸みを帯びた反射器は、オプションとして、Z軸に沿って湾曲しており、下降反射回折格子から符号化光を受け取るように構成されている。オプションとして、丸みを帯びた反射器は、丸みを帯びた反射器36Cの凸面に符号化光を受け取る。
【0022】
丸みを帯びた反射器は、さらに、伝達光学系38から画像提示器40へZ軸に沿って符号化光96を伝搬させるように動作可能である。画像提示器は、オプションとして、Z軸に沿って湾曲し、画像提示器40の凹面上に三角形ルーリング37をさらに備えることができる。オプションとして、画像提示器上の三角形ルーリングは、X軸に沿って配向され、ルーリングの傾斜脚部面上で、25%の反射金属と75%の透明材料との比率で作られる。いくつかの実施形態において、画像提示器は、2つの直交する平面に沿って湾曲されてもよい。
【0023】
WIFAR10の画像提示器は、凸面上で符号化光を受け取り、その符号化光を着用者の目45に仮想拡張現実画像96として提示するように動作可能である。次に、着用者の目45は、現実環境に重ね合わされた距離97の仮想拡張現実画像を知覚し、仮想拡張現実画像が、平行して目に入る。伝達光学系38および画像提示器40は、オプションとして、着用者の視野が約90°拡大するように構成される。
【0024】
ここで図5に移ると、伝達光学系38および画像提示器40は、図2A図2B図4A図4B図4Cおよび図4Dで見られるものに似ている。オプションとして、画像生成器30Aは、符号化光96を直接伝達光学系に伝達するように構成された画像作成器と光源とを組み合わせたOLEDである。いくつかの実施形態では、適応型透明レンズ99が、実質的に平坦なOLEDをレンズの曲率に取り付けるために使用される。OLED30Aは、X軸に沿って約11.5mm、Z軸に沿って7mmであり得るベースプリント回路基板上に、X軸に沿って約8.44mm、Z軸に沿って約4.9mmであり得る有効面積をさらに備える(図示せず)。したがって、OLED30Aは、X軸に沿って約11mm~12mm、Z軸に沿って約6.5mm~7.5mmであり得る。Y軸に沿ったOLEDの有効面積およびプリント回路基板の深さは、約1.5mm~3mmであってもよく、オプションとして、約2.3mmであってもよい。OLEDのこのより小さなスケールは、着用者の眼鏡のサイズ、重量、および快適性で、有利であり得る。
【0025】
図6は、レンズ20の少なくとも前面または背面に取り付けられた光学アップリケ110を概略的に示す。オプションとして、光学アップリケ110Aおよび110Bは、レンズの前面および背面の両方にある。いくつかの実施形態では、光学アップリケ110は、レンズ20を保護するように構成され、また着用者の視力を矯正するように構成されてもよい。視力矯正光学アップリケ110によって、WIFAR眼鏡10ができるが、これは、AR画像眼鏡であることに関係なく視力矯正に使用することができる。WIFARの仮想拡張現実画像機能は、光源が起動されたときにのみ利用可能である。したがって、光源が起動されないときには、仮想拡張現実画像は投影されず、WIFARは、今や、視力矯正だけのために使用することができる。
【0026】
図7は、WIFARに必要な様々な素子または構成要素のためにバックヘッドストラップ115に取り付けられたハウジング120を有する眼鏡10Aの実施形態を示す。例として、ハウジングは、WIFARに給電するための電池を収容することができる。
【0027】
数値例として、また、図4Dの挿入図102および図3の挿入図102Aを参照すると、いずれも、三角形ルーリング37の詳細な拡大概略図である。三角形ルーリングは、基板からの高さが約0.005801mm~0.00643mmであり得る。傾斜脚部37Bと基板37Dとの間の角度37Aは、約39°~43°、オプションとして、約40°~42°とすることができる。三角形ルーリングの間の距離37Eは、約0.00766mmであってもよく、各歯の傾斜脚部は、約0.01mmである。
【0028】
また、数値例として、WIFAR10のレンズ20は、約3mm厚であってもよい。第一の曲面反射器36Aおよび第二の曲面反射器36Bは、略平行であり、互いに約2.17mm重なっている。第一の曲面反射器は、約55mm~150mmの間の連続半径曲線を有し、オプションとして、110mmである。第二の曲面反射器は、約250mm~500mmの間の連続半径曲線を有する。曲面反射回折格子35Bは、オプションとして、可変半径曲線を有する。WIFAR10の第一および第二の曲面反射器に近接して位置する曲面反射器の一端は、X軸に沿って、約50.25mm~124.5mmの間の曲線半径を有する。曲面反射回折格子35Bの第二端は、X軸に沿って、約25.25mm~125.5mmの間の曲線半径を有する。丸みを帯びた反射器36Cは、Z軸に沿って、約40mmの連続半径を有する。
【0029】
画像提示器の数値例は、画像提示器40が、Z軸に沿って約13.61mm、X軸に沿って23.73mmの長さを有し得ることを含む。さらに、画像提示器はZ軸に沿って湾曲し、曲線の半径はZ軸曲線に沿って変化する。丸みを帯びた反射器に近い画像提示器の頂部領域は、約50.25mm~100.5mmの間の曲線の半径を有する。画像提示器の頂部領域とは反対側の底部領域において、曲線の半径は、約25.25mm~50.5mmの間である。図4Eは、WIFAR10のレンズ20内の伝達光学系および画像提示器を光学素子に配置するための別の数値例である。
【0030】
一方、伝達光学系38および画像提示器40および画像生成器30および30Aは、本明細書および図面に具体例とともに記載されるが、伝達光学系および画像提示器は、伝達光学系に画像を導入する任意の画像生成器とともに使用されてもよいことに留意されたい。同様に、画像生成器30および30Aは、任意の伝達光学系および/または画像提示器とともに使用されてもよく、さらに、画像が生成されることを必要とする任意の装置において使用されてもよい。
【0031】
本出願の説明および特許請求の範囲では、動詞「備える」、「含む」、および「有する」のそれぞれ、ならびにそれらの活用形は、動詞の1つまたは複数の目的語が必ずしも動詞の1つまたは複数の主語の構成要素、素子、または部分の完全なリストではないことを示すために使用される。
【0032】
本出願における開示の実施形態の説明は、例として提供され、開示の範囲を限定することを意図しない。記載された実施形態は、異なる特徴を含み、その全てが本開示の全ての実施形態において必要とされるわけではない。いくつかの実施形態は、特徴の一部のみ、または特徴の可能な組合せを利用する。説明された本開示の実施形態の変形、および説明された実施形態に記載される様々な特徴を含む本開示の実施形態は、当技術分野のユーザに想起されるであろう。本開示の範囲は、請求項によってのみ限定される。
図1
図2A
図2B
図3
図4A
図4B
図4C
図4D
図4E
図5
図6
図7
【国際調査報告】