(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-03-28
(54)【発明の名称】床パネルおよび床カバー材
(51)【国際特許分類】
E04F 15/02 20060101AFI20220318BHJP
E04F 15/04 20060101ALI20220318BHJP
【FI】
E04F15/02 G
E04F15/04 F
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021544686
(86)(22)【出願日】2019-01-30
(85)【翻訳文提出日】2021-09-30
(86)【国際出願番号】 NL2019050054
(87)【国際公開番号】W WO2020159352
(87)【国際公開日】2020-08-06
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】520250741
【氏名又は名称】アイ4エフ・ライセンシング・エヌヴィ
【氏名又は名称原語表記】I4F LICENSING NV
【住所又は居所原語表記】OUDE WATERTORENSTRAAT 25, 3930 HAMONT‐ACHEL, BELGIUM
(74)【代理人】
【識別番号】110001818
【氏名又は名称】特許業務法人R&C
(72)【発明者】
【氏名】ペッラ,アントニオ・ジュゼッペ
【テーマコード(参考)】
2E220
【Fターム(参考)】
2E220AA12
2E220DA12
2E220DB03
2E220GA25X
2E220GB47X
(57)【要約】
本発明は、床パネルと、複数の当該床パネルを含む床カバー材に関する。本発明は、特に積層床パネルに関する。本発明の前記床パネルは、一つの床パネルの上向き舌部から突出し、隣接する床パネルの上向き舌部ブロックと上向き舌部との間のクリアランスと係合するフックを含む。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
床パネル(100、200)であって、複数の該床パネルを含む床カバー材を構築するために使用されるように構成され、
下部(2)、中間部(3)、および上部(4)を含み、前記下部は、前記中間部の第1側部(S1)および第2側部(S2)にて前記中間部を越えて延出する下部延出領域(2A)を有し、前記上部は、前記中間部の第3側部(S3)および第4側部(S4)にて前記中間部を越えて延出する上部延出領域(4A)を有し、前記第3側部と前記第4側部は、それぞれ前記第1側部と前記第2側部の反対側にあり、
前記下部延出領域は、
前記中間部の前記第1側部から離れてかつ該第1側部と平行に走る第1上向き舌部(5)と、
前記中間部の前記第2側部から離れてかつ該第2側部と平行に走る第2上向き舌部(6)と、
前記第1上向き舌部と整列しかつ該第1上向き舌部から分離し、かつ前記第2上向き舌部と整列しかつ該第2上向き舌部から分離した下部上向き舌部ブロック(7)と、を含み、
前記上部延出領域は、
前記中間部の前記第3側部から離れてかつ該第3側部と平行に走る第3下向き舌部(8)と、
前記中間部の前記第4側部から離れてかつ該第4側部と平行に走る第4下向き舌部(9)と、を含み、
前記第1上向き舌部と前記中間部の間のクリアランスが、隣接する床パネルの前記第3下向き舌部を受容するための第1上向き溝(11)を画定し、
前記第2上向き舌部と前記中間部の間のクリアランスが、隣接する床パネルの前記第4下向き舌部を受容するための第2上向き溝(12)を画定し、
前記第3下向き舌部と前記中間部の間のクリアランスが、隣接する床パネルの前記第1上向き舌部を受容するための第3下向き溝(13)を画定し、
前記第4下向き舌部と前記中間部の間のクリアランスが、隣接する床パネルの前記第2上向き舌部を受容するための第4下向き溝(14)を画定する、床パネルにおいて、
該床パネルは、さらに、前記第2上向き舌部から突出しかつ前記第2側部と平行に突出した第1フック(101)を含み、該第1フックは、前記床パネルの前記第3側部に隣接配置される、前記複数の床パネルのうちの第1のさらなる床パネル(100')の前記下部上向き舌部ブロックと前記第2上向き舌部の間のクリアランス(104)に引っ掛かるように構成され、前記第1のさらなる床パネルと前記床パネルが互いに連結されるとき、前記床パネルと、前記第1のさらなる床パネルと、前記複数の床パネルのうちの第2のさらなる床パネル(100'')とを同時にロックするために、前記床パネルの前記第2上向き舌部と、前記第1のさらなる床パネルの前記第2上向き舌部と、前記第1フックとは、前記第2のさらなる床パネルの第4下向き溝に受容されることができ、前記第2のさらなる床パネルは、前記床パネルの前記第2側部に隣接配置されることを特徴とする、床パネル。
【請求項2】
前記第1上向き溝および前記第2上向き溝は、実質的に同一の垂直方向の高さにある、請求項1に記載の床パネル。
【請求項3】
前記第3下向き溝および前記第4下向き溝は、実質的に同一の垂直方向の高さにある、請求項1または2に記載の床パネル。
【請求項4】
前記第1フックは、第1水平部(102)と、該第1水平部から下向きに突出した第1垂直部(103)とを含む、請求項1~3のいずれか一項に記載の床パネル。
【請求項5】
前記床パネルは、該床パネルが前記第1のさらなる床パネルに連結されるとき、前記第1フックと、前記第1のさらなる床パネルの前記第2上向き舌部と、前記床パネルの前記第2上向き舌部とが、連続した上向き舌部を本質的に形成するように構成される、請求項4に記載の床パネル。
【請求項6】
前記第1水平部の厚みと前記下部上向き舌部ブロックの高さの合計が、前記第2上向き舌部の高さに実質的に等しい、請求項4又は5に記載の床パネル。
【請求項7】
前記第1垂直部の高さが、前記下部上向き舌部ブロックの高さに実質的に等しい、請求項4~6のいずれか一項に記載の床パネル。
【請求項8】
前記第1垂直部の幅および前記第1水平部の幅が、前記第2上向き舌部の幅に実質的に等しい、請求項4~7のいずれか一項に記載の床パネル。
【請求項9】
前記第1フックの前記第1垂直部と、該第1垂直部が前記第1水平部によって接続された前記第2上向き舌部の残りの部分との間のオフセットが、前記第1上向き舌部の幅に実質的に対応してよい、請求項4~8のいずれか一項に記載の床パネル。
【請求項10】
前記下部上向き舌部ブロックと前記中間部の前記第2側部の間のクリアランスが、前記第2上向き舌部と前記中間部の前記第2側部との間の前記クリアランスに実質的に等しく、かつ/または
前記下部上向き舌部ブロックと前記第2上向き舌部との間のクリアランスが、前記第1上向き舌部と前記中間部の前記第1側部との間の前記クリアランスに実質的に等しい、請求項1~9のいずれか一項に記載の床パネル。
【請求項11】
前記第3下向き舌部と整列しかつ該第3下向き舌部から分離し、かつ前記第4下向き舌部と整列しかつ該第4下向き舌部から分離した上部下向き舌部ブロック(10)と、
前記第4下向き舌部から突出しかつ前記第4側部と平行に突出した第2フック(201)であって、前記床パネルの前記第1側部に隣接配置される、前記複数の床パネルのうちの第3のさらなる床パネル(100''')の前記上部下向き舌部ブロックと前記第4下向き舌部との間のクリアランス(204)に引っ掛かるように構成された第2フックと、をさらに含み、前記第3のさらなる床パネルと前記床パネルが互いに連結されるとき、前記床パネルと、前記第3のさらなる床パネルと、前記複数の床パネルのうちの第4のさらなる床パネル(100'''')とを同時にロックするために、前記床パネルの前記第4下向き舌部と、前記第3のさらなる床パネルの前記第4下向き舌部と、前記第2フックとは、前記第4のさらなる床パネルの第2上向き溝に受容されることができ、前記第4のさらなる床パネルは、前記床パネルの前記第4側部に隣接配置される、請求項1~10のいずれか一項に記載の床パネル。
【請求項12】
前記第2フックは、第2水平部(202)と、該第2水平部から上向きに突出した第2垂直部(203)とを含む、請求項11に記載の床パネル。
【請求項13】
前記床パネルは、該床パネルが前記第3のさらなる床パネルに連結されるとき、前記第2フックと、前記第3のさらなる床パネルの前記第4下向き舌部と、前記床パネルの前記第4下向き舌部とが、連続した下向き舌部を本質的に形成するように構成される、請求項12に記載の床パネル。
【請求項14】
前記第2水平部の厚みと前記上部下向き舌部ブロックの高さの合計が、前記第4下向き舌部の高さに実質的に等しい、請求項12又は13に記載の床パネル。
【請求項15】
前記第2垂直部の高さが、前記上部下向き舌部ブロックの高さに実質的に等しい、請求項12~14のいずれか一項に記載の床パネル。
【請求項16】
前記第2垂直部の幅および前記第2水平部の幅が、前記第4下向き舌部の幅に実質的に等しい、請求項12~15のいずれか一項に記載の床パネル。
【請求項17】
前記第2フックの前記垂直部と、該垂直部が前記第2水平部によって接続された前記第4下向き舌部の残りの部分との間のオフセットが、前記第3下向き舌部の幅に実質的に対応する、請求項12~16のいずれか一項に記載の床パネル。
【請求項18】
前記上部下向き舌部ブロックと前記中間部の前記第4側部との間のクリアランスが、前記第4下向き舌部と前記中間部の前記第4側部との間の前記クリアランスに実質的に等しく、かつ/または
前記上部下向き舌部ブロックと前記第4下向き舌部との間のクリアランスが、前記第3下向き舌部と前記中間部の前記第3側部との間の前記クリアランスに実質的に等しい、請求項12~17のいずれか一項に記載の床パネル。
【請求項19】
前記床パネルは積層床パネルであり、前記下部、前記中間部、および前記上部は、中密度繊維板(MDF)または高密度繊維板(HDF)の少なくとも一方から作られたコア層を形成する、請求項1~18のいずれか一項に記載の床パネル。
【請求項20】
請求項1~19のいずれか一項において定められた複数の連結した床パネル(200、200'、200''、200'''、200'''')を含む床カバー材(300)。
【請求項21】
請求項1において定められた前記第1のさらなる床パネルと、請求項2において定められた前記第2のさらなる床パネルと、請求項11において定められた前記第3のさらなる床パネルと、請求項11において定められた前記第4のさらなる床パネルと、を含み、前記床パネルの前記第3側部は、前記第1のさらなる床パネルの前記第1側部に連結され、前記床パネルの前記第1側部は、前記第3のさらなる床パネルの前記第3側部に連結され、前記第2のさらなる床パネルの前記第4側部は、前記床パネルの前記第2側部と、前記第1のさらなる床パネルの前記第2側部とに連結され、前記第4のさらなる床パネルの第2側部が、前記床パネルの前記第4側部と、前記第3のさらなる床パネルの前記第4側部とに連結されている、請求項20において定められた床カバー材。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、床パネルと、複数の当該床パネルを含む床カバー材に関する。本発明は、特に積層床パネルに関するが、堅木材床パネル、無垢材床パネル、またはPVC系床パネルにも等しく適用し得る。
【背景技術】
【0002】
積層床パネルは、典型的には、下から上に向かって、バッキング層、基材層またはコア層、パターン層、および摩耗層を含む。前記基材層またはコア層は、典型的には、中密度繊維板(MDF)層または高密度繊維板(HDF)層を含む。前記床パネルと下地床材の間には、防音材として働くアンダーレイメントが配置されることができる。
【0003】
床カバー材を成すように前記床パネルを前記下地床材上に配置するために、前記床パネルは前記下地床材に対して糊付けされることができ、かつ/または前記床パネル同士は互いに糊付けされることができる。あるいは、前記床パネルは、糊を使用せずに互いに連結する連結手段、例えば、舌部と溝部を備えることができる。本発明は、特に、この最後のタイプの床材に関する。
【0004】
床パネルは、典型的には、細長い形状、例えば、矩形を有する。本発明は、特に、このような形状の床パネルに関する。このような床パネルに関しては、いわゆる短辺と長辺を区別することができる。
【0005】
請求項1の前提部によって定められる床パネルは、欧州特許第2440724号明細書から知られている。この床パネルは、下部、中間部、および上部を含む。前記下部は、前記中間部の第1側部および第2側部にて前記中間部を越えて延出した下部延出領域を有する。前記上部は、前記中間部の第3側部および第4側部にて前記中間部を越えて延出した上部延出領域を有し、前記第3側部と前記第4側部は、それぞれ前記第1側部と前記第2側部の反対側にある。
【0006】
この既知の床パネルにおいて、前記下部延出領域は、前記中間部の前記第1側部から離れてかつ当該第1側部と平行に走る第1上向き舌部と、前記中間部の前記第2側部から離れてかつ当該第2側部と平行に走る第2上向き舌部と、下部上向き舌部ブロックとを含み、前記下部上向き舌部ブロックは、前記第1上向き舌部と整列しかつ当該第1上向き舌部から分離し、かつ前記第2上向き舌部と整列しかつ当該第2上向き舌部から分離している。同様に、前記上部延出領域は、前記中間部の前記第3側部から離れてかつ当該第3側部と平行に走る第3下向き舌部と、前記中間部の前記第4側部から離れてかつ当該第4側部と平行に走る第4下向き舌部とを含む。
【0007】
前記第1上向き舌部と前記中間部の間のクリアランスが、隣接する床パネルの前記第3下向き舌部を受容するための第1上向き溝を画定する。前記第2上向き舌部と前記中間部の間のクリアランスが、隣接する床パネルの前記第4下向き舌部を受容するための第2上向き溝を画定する。さらに、前記第3下向き舌部と前記中間部の間のクリアランスが、隣接する床パネルの前記第1上向き舌部を受容するための第3下向き溝を画定する。また、前記第4下向き舌部と前記中間部の間のクリアランスが、隣接する床パネルの前記第2上向き舌部を受容するための第4下向き溝を画定する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
積層床パネルを含む床カバー材のよく知られた問題は、特に前記床パネルが不均一に湿気を帯びたときの、熱膨張または収縮に関連している。例えば、熱膨張により、前記床パネルはそれらの縦方向に膨張することがある。その結果、前記床パネル同士が舌部と溝部の連結部を用いて連結された前記床パネルの前記側部に多大な機械的応力が蓄積されることになる。これは特に前記短辺に関して当てはまる。場合によっては、前記床パネルは、前記下地床材から局所的に係合解除してしまうことになる。より極端な場合では、隣接し合う床パネルの前記舌部と溝部が連結解除してしまうことになる。
【0010】
本発明の一つの目的は、熱膨張または収縮に関連する前記問題が生じない、または少なくとも程度が小さくなった、上記の種類の床パネルを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明によれば、この目的は、請求項1において定められる床パネルによって達成され、当該床パネルは、当該床パネルが、さらに、前記第2上向き舌部から突出しかつ前記第2側部と平行に突出した第1フックを含み、当該第1フックは、前記床パネルの前記第3側部に隣接配置される、前記複数の床パネルのうちの第1のさらなる床パネルの前記下部上向き舌部ブロックと前記第2上向き舌部の間のクリアランスに引っ掛かるように構成され、前記第1のさらなる床パネルと前記床パネルが互いに連結されるとき、前記床パネルと、前記第1のさらなる床パネルと、前記複数の床パネルのうちの第2のさらなる床パネルとを同時にロックするために、前記床パネルの前記第2上向き舌部と、前記第1のさらなる床パネルの前記第2上向き舌部と、前記第1フックとは、前記第2のさらなる床パネルの第4下向き溝に受容されることができ、前記第2のさらなる床パネルは、前記床パネルの前記第2側部に隣接配置されることを特徴とする。
【0012】
本発明に係る前記第1フックは、前記床パネルと前記第1のさらなる床パネルの間の連結部を表しており、当該連結部のフック作用は、前記第2のさらなる床パネルを配置することによってロックされることができる。より詳細には、前記第2のさらなる床パネルと前記第1フックの上向き表面の間には直接的な物理的接触が存在する、または、このような接触は、前記床パネルと前記第2のさらなる床パネルの僅かな相互的かつ垂直方向の移動を受けて生じることになる。したがって、前記第2のさらなる床パネルを配置することによって、前記床パネルと前記第1のさらなる床パネルの間の前記連結部を真っ直ぐにすることができる。本出願人は、この真っ直ぐにすることにより、上述の既知の床パネルで直面する熱膨張および/または収縮に関連する悪影響が大幅に軽減することが分かった。
【0013】
前記第1上向き溝および前記第2上向き溝は、実質的に同一の垂直方向の高さにあってよい。ここで、当該垂直方向は、前記下部から前記上部への方向に対応する。同様に、前記第3下向き溝および前記第4下向き溝は、実質的に同一の垂直方向の高さにあってよい。例えば、前記下部延出領域は、前記上向き舌部および前記下部上向き舌部ブロックがそこから上向きに延出した本質的に平坦な基部を含んでよく、前記上部延出領域は、前記下向き舌部がそこから下向きに延出した本質的に平坦な基部を含んでよい。
【0014】
前記床パネルは、当該床パネルが前記第1のさらなる床パネルに連結されるとき、前記第1フックと、前記第1のさらなる床パネルの前記第2上向き舌部と、前記床パネルの前記第2上向き舌部とが、連続した上向き舌部を本質的に形成するように構成されることができる。前記第1フックは、第1水平部と、当該第1水平部から下向きに突出した第1垂直部とを含んでよい。
【0015】
前記上向き舌部の連続性の一例として、前記垂直方向に沿って測定される前記第1水平部の厚みと、前記下部上向き舌部ブロックの高さとの合計が、前記第2上向き舌部の高さに実質的に等しくてよい。これは、前記下部上向き舌部ブロックの高さが、前記第1上向き舌部および第2上向き舌部の高さに対応している上述の既知の床パネルとは対照的である。さらに、前記第1水平部の下側表面から測定される前記第1垂直部の高さが、前記下部上向き舌部ブロックの高さに実質的に等しい。前記第1垂直部の幅および前記第1水平部の幅が、前記第2上向き舌部の幅に実質的に等しくてよい。また、前記第1フックの前記第1垂直部と、当該第1垂直部が前記第1水平部によって接続された前記第2上向き舌部の残りの部分との間のオフセットが、前記第1上向き舌部の幅に実質的に対応してよい。前記床パネルの前記第2側部に沿う方向に測定される前記第1の上向き舌部の前記幅は、この同じ方向に測定される前記下部上向き舌部ブロックの幅に対応してよい。
【0016】
前記下部上向き舌部ブロックと前記中間部の前記第2側部の間のクリアランスが、前記第2上向き舌部と前記中間部の前記第2側部の間の前記クリアランスに実質的に等しくてよい。それに加えて、またはその代わりに、前記下部上向き舌部ブロックと前記第2上向き舌部の間のクリアランスが、前記第1上向き舌部と前記中間部の前記第1側部の間の前記クリアランスに実質的に等しくてよい。
【0017】
前記床パネルは、前記第3下向き舌部と整列しかつ当該第3下向き舌部から分離し、かつ前記第4下向き舌部と整列しかつ当該第4下向き舌部から分離した上部下向き舌部ブロックと、前記第4下向き舌部から突出しかつ前記第4側部と平行に突出した第2フックであって、前記床パネルの前記第1側部に隣接配置される、前記複数の床パネルのうちの第3のさらなる床パネルの前記上部下向き舌部ブロックの間のクリアランスに引っ掛かるように構成された第2フックと、をさらに含んでよく、前記第3のさらなる床パネルと前記床パネルが互いに連結されるとき、前記床パネルと、前記第3のさらなる床パネルと、第4のさらなる床パネルとを同時にロックするために、前記床パネルの前記第4下向き舌部と、前記第3のさらなる床パネルの前記第4下向き舌部と、前記第2フックとは、前記第4のさらなる床パネルの第2上向き溝に受容されることができる。
【0018】
前記床パネルは、当該床パネルが前記第3のさらなる床パネルと連結されるとき、前記第2フックと、前記第3のさらなる床パネルの前記第4下向き舌部と、前記床パネルの前記第4下向き舌部とが、連続した下向き舌部を本質的に形成するように構成されてよい。
【0019】
前記第2フックは、第2水平部と、当該第2水平部から上向きに突出した第2垂直部とを含んでよい。
【0020】
前記下向き舌部の連続性の一例として、前記第2水平部の厚みと前記上部下向き舌部ブロックの高さの合計が、前記第4下向き舌部の高さに実質的に等しくてよい。さらに、前記第2垂直部の高さが、前記上部下向き舌部ブロックの高さに実質的に等しくてよい。前記第2垂直部の幅および前記第2水平部の幅が、前記第4下向き舌部の幅に実質的に等しくてよい。
【0021】
前記第2フックの前記第2垂直部と、当該第2垂直部が前記第2水平部によって接続された前記第4下向き舌部の残りの部分との間のオフセットが、前記第3下向き舌部の幅に実質的に対応してよい。
【0022】
前記上部下向き舌部ブロックと前記中間部の前記第4側部の間のクリアランスが、前記第4下向き舌部と前記中間部の前記第4側部の間の前記クリアランスに実質的に等しくてよい。それに加えて、またはその代わりに、前記上部下向き舌部ブロックと前記第4下向き舌部の間のクリアランスが、前記第3下向き舌部と前記中間部の前記第3側部の間の前記クリアランスに実質的に等しくてよい。
【0023】
前記床パネルは好ましくは積層床パネルであり、前記下部、前記中間部、および前記上部は、中密度繊維板(MDF)または高密度繊維板(HDF)の少なくとも一方から作られたコア層を形成する。
【0024】
さらなる一態様によれば、本発明は、上記に定められた複数の連結された床パネルを含む床カバー材に関する。より詳細には、本発明は、上述の床パネルと、第1のさらなる床パネルと、第2のさらなる床パネルと、第3のさらなる床パネルと、第4のさらなる床パネルと、を含み、前記床パネルの前記第3側部は、前記第1のさらなる床パネルの前記第1側部に連結され、前記床パネルの前記第1側部は、前記第3のさらなる床パネルの前記第3側部に連結され、前記第2のさらなる床パネルの前記第4側部は、前記床パネルの前記第2側部と、前記第1のさらなる床パネルの前記第2側部とに連結され、前記第4のさらなる床パネルの第2側部は、前記床パネルの前記第4側部と、前記第3のさらなる床パネルの前記第4側部とに連結された、床カバー材に関する。
【0025】
次に、添付の図面を参照することによって、本発明をより詳細に説明するが、当該添付の図面では、同一または類似の構成要素を指示するために同一の符号を使用する。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【
図1】
図1は、既知の床パネルの概略的な平面図を、対応する横断面図とともに示す。
【
図2】
図2は、本発明に係る床パネルの一実施形態の概略的な平面図を、対応する横断面図とともに示す。
【
図3】
図3は、本発明に係る床パネルのさらなる一実施形態の概略的な平面図を、対応する横断面図とともに示す。
【
図4】
図4は、
図3からの前記床パネルを使用して構築された部分的な床カバー材を示す。
【発明を実施するための形態】
【0027】
図1は、既知の床パネル1の一例の平面図を示す。
図1は、さらに、点線I、II、およびIIIに沿って切り取られた横断面図を示しており、以下、これらの横断面図は、それぞれ
図I、
図II、および
図IIIと呼ぶ。
【0028】
図IIIに詳細に示すように、床パネル1は、下部2、中間部3、および上部4を含む。下部2は、中間部3の第1側部S1および第2側部S1にて中間部3を越えて延出した下部延出領域2Aを含む。下部2は、本質的に平らな基部2Bを含み、当該基部2Bからは、第1上向き舌部5および第2上向き舌部6が上向きに延出している。第1上向き舌部5は、第1側部S1から離れてかつ第1側部S1と平行に走っており、第2上向き舌部6は、第2側部S2から離れてかつ第2側部S2と平行に走っている。一番上の図に示すように、平らな基部2Bからは、下部上向き舌部ブロック7が上向きに延出している。このブロックは、第1上向き舌部5と整列しかつ第1上向き舌部5から分離し、かつ第2上向き舌部6と整列しかつ第2上向き舌部6から分離している。
【0029】
上部4は、中間部3の第3側部S3および第4側部S4にて中間部3を越えて延出した上部延出領域4Aを含む。第3側部S3と第4側部S4は、それぞれ第1側部S1と第2側部S2の反対側にある。
【0030】
上部4は、本質的に平らな基部4Bを含み、当該基部4Bからは、第3下向き舌部8および第4下向き舌部9が下向きに延出している。第3下向き舌部8は、第3側部S3から離れてかつ第3側部S3と平行に走っており、第4下向き舌部9は、第4側部S4から離れてかつ第4側部S4と平行に走っている。
【0031】
第1上向き舌部5と中間部3の間には、隣接する床パネルの第3下向き舌部8を受容するための第1上向き溝11を画定するクリアランスが存在する。同様に、第2上向き舌部6と中間部3の間には、隣接する床パネルの第4下向き舌部9を受容するための第2上向き溝12を画定するクリアランスが存在する。第3下向き舌部8と中間部3の間にも、隣接する床パネルの第1上向き舌部5を受容するための第3下向き溝13を画定するクリアランスが存在する。また、第4下向き舌部9と中間部3の間には、隣接する床パネルの第2上向き舌部6を受容するための第4下向き溝14を画定するクリアランスが存在する。
【0032】
下部上向き舌部ブロック7と第2上向き舌部6の間にはクリアランスが存在する。このクリアランスは、典型的には、第1上側舌部5と中間部3の間の前記クリアランスに対応する。同様に、下部上向き舌部ブロック7と第1上向き舌部5の間のクリアランスは、第2上側舌部6と中間部3の間の前記クリアランスに通常は対応する。
【0033】
下部2、中間部3、および上部4は、共同で、積層床パネルのコア層を形成する。このコア層は、典型的には、中密度繊維板(MDF)層または高密度繊維板(HDF)層を含む。一実施形態では、単一のコア板に一連の切削作業を行い、それによって延出領域2Aおよび4Aを作り出す。したがって、別々の層として説明されてはいるが、本発明は、これらの部分が一体的な部分から生じることを排除しない。
【0034】
図2は、本発明に係る床パネル100の一実施形態の平面図を示す。
図2は、さらに、点線IVおよびVに沿って切り取られた横断面図を示しており、以下、これらの横断面図は、それぞれ
図IVおよび
図Vと呼ぶ。
【0035】
この実施形態は、第2上向き舌部6から突出しかつ第2側部S2と平行に突出した第1フック101が設けられていること以外は、
図1に示す前記実施形態に対応している。第1フック101は、床パネル100の第3側部S3に隣接配置されるさらなる床パネルの下部上向き舌部ブロック7と第2上向き舌部6の間のクリアランス104に引っ掛かるように構成される。
【0036】
床パネル100と前記さらなる床パネルとが互いに連結されるとき、前記床パネルと、前記さらなる床パネルと、さらに別の床パネルとを同時にロックするために、前記床パネルの第2上向き舌部6と、前記さらなる床パネルの前記第2上向き舌部と、第1フック101とは、前記さらに別の床パネルの第4下向き溝に受容されることができる。
【0037】
図IVおよび
図Vは、第1フック101が、第1水平部102と、第1水平部102から下向きに突出した第1垂直部103とを含むことを示している。水平部102の厚みと下部上向き舌部ブロック7の高さの合計は、第2上向き舌部6の高さに実質的に等しくてよい。したがって、第1フック101が下部上向き舌部ブロック7とぴったりと重なるとき、第1フック101の上側表面と第2上向き舌部6の上側表面の間には高低差がほどんと存在しない。
【0038】
さらに、第1垂直部103の高さは、下部上向き舌部ブロック7の高さに実質的に等しくてよい。この場合、第1垂直部103は、基部2Bに接触してよい。
【0039】
第1垂直部103の幅および第1水平部102の幅は、第2上向き舌部6の幅に実質的に等しくてよい。これらの幅は、前記第1側部と平行な方向に測定される。
【0040】
第1フック101の垂直部103と、当該垂直部が水平部102によって接続された第2上向き舌部6の残りの部分との間のオフセットは、第1上向き舌部5の幅に実質的に対応してよい。この幅は、第2側部S2と平行な方向に測定されてよい。さらに、前記オフセットは、同じ方向に測定されるときの下部上向き舌部ブロック7の幅に対応してよい。
【0041】
図3は、本発明に係る床パネル200のさらなる一実施形態の平面図を示す。
図3は、さらに、点線VIおよびVIIに沿って切り取られた横断面図を示しており、以下、これらの横断面図は、それぞれ
図VIおよび
図VIIと呼ぶ。
【0042】
図3は、床パネル200が、平らな基部4Bから下向きに延出した上部下向き舌部ブロック10を含むことを示している。このようなブロックは、第3下向き舌部8と整列しかつ第3下向き舌部8から分離し、かつ第4下向き舌部9と整列しかつ第4下向き舌部9から分離している。
【0043】
上部下向き舌部ブロック10と第4下向き舌部9の間のクリアランスが、典型的には、第3下向き舌部8と中間部3の間の前記クリアランスに対応し、上部下向き舌部ブロック10と第3下向き舌部8の間のクリアランスが、典型的には、第4下向き舌部9と中間部3の間の前記クリアランスに対応する。
【0044】
図2の前記実施形態と比較すると、床パネル200は、さらに、第4下向き舌部9から突出しかつ第4側部S4と平行に突出した第2フック201を含む。第2フック201は、床パネル200の第1側部S1に隣接配置されるさらなる床パネルの上部下向き舌部ブロック10と第4下向き舌部9の間のクリアランス204に引っ掛かるように構成される。
【0045】
床パネル200と前記さらなる床パネルとが互いに連結されるときに、床パネル200と、前記さらなる床パネルと、さらに別の床パネルとを同時にロックするために、床パネル200の第4下向き舌部9と、前記さらなる床パネルの前記第4下向き舌部と、第2フック201とは、前記さらに別の床パネルの第2上向き溝に受容されることができる。
【0046】
図VIおよび
図VIIは、第2フック201が、第1水平部202と、第1水平部202から上向きに突出した第1垂直部203とを含むことを示している。水平部202の厚みと上部下向き舌部ブロック10の高さの合計は、第4下向き舌部9の高さに実質的に等しくてよい。したがって、第2フック201が上部下向き舌部ブロック10とぴったりと重なるとき、第2フック201の下側表面と第4下向き舌部9の下側表面の間には高低差がほとんど存在しない。
【0047】
さらに、第1垂直部203の高さは、上部下向き舌部ブロック10の高さに実質的に等しくてよい。この場合、第1垂直部203は、基部4Bに接触してよい。
【0048】
第1垂直部203の幅および第1水平部202の幅は、第4下向き舌部9の幅に実質的に等しくてよい。
【0049】
第2フック201の垂直部203と、当該垂直部が水平部202によって接続された第4下向き舌部9の残りの部分との間のオフセットは、第3下向き舌部8の幅に実質的に対応してよい。この幅は、第4側部S4と平行な方向の上部下向き舌部ブロック10の幅に対応してよい。
【0050】
図1、
図2、および
図3は、直角を有する舌部、フック、および溝などの様々な構造を示しているが、本発明は、その他の、より不規則な構造が使用されることを排除しない。例えば、舌部5、6、8、9、溝11、12、13、14、およびブロック7は、欧州特許第2440724号において説明されているように実施されることができる。
【0051】
図4は、
図3に示す複数の連結した床パネル200、200'、200''、200'''、20''''を含む床カバー材を示す。
図5Aと
図5Bは、それぞれ
図4に示すように線VIIIと線IXに沿って切り取られた対応する横断面図を示す。
【0052】
図5Aは、床パネル200が、隣接する床パネル200'に対して第1フック101を用いて連結され、それによって本質的に連続した上向き舌部6、6'を形成している様子を示す。この連続した上向き舌部6、6'は、床パネル200''の基部4B''に重なっている。
【0053】
図5Bは、床パネル200が、隣接する床パネル200'''に対して第2フック201を用いて連結され、それによって本質的に連続した下向き舌部9、9'''を形成している様子を示す。この連続した下向き舌部9、9'は、床パネル200''''の基部2B''''に重なっている。
【0054】
図2から
図5に示す前記床パネルでは、前記第1上向き溝および前記第2上向き溝は、実質的に同一の垂直方向の高さにある。この高さは、基部2Bの上側の平らな表面によって画定される。同様に、前記第3下向き溝および前記第4下向き溝は、実質的に同一の垂直方向の高さにある。この高さは、基部4Bの下側の平らな表面によって画定される。
【0055】
上記において、本発明を、その詳細な実施形態を用いて説明した。しかしながら、当業者であれば、本発明がこれらの実施形態に限定されないこと、および添付の請求項において定められる本発明の範囲から逸脱することなく様々な修正が可能であることを理解するだろう。
【符号の説明】
【0056】
1 床パネル
2 下部
2A 下部延出領域
2B 下部の平らな基部
3 中間部
4 上部
4A 上部延出領域
4B 上部の平らな基部
5 第1上向き舌部
6 第2上向き舌部
7 下部上向き舌部ブロック
8 第3下向き舌部
9 第4下向き舌部
10 上部下向き舌部
11 第1上向き溝
12 第2上向き溝
13 第3下向き溝
14 第4下向き溝
100 床パネル
101 第1フック
102 第1フックの水平部
103 第1フックの垂直部
104 クリアランス
204 クリアランス
201 第2フック
202 第2フックの水平部
203 第2フックの垂直部
200 床パネル
200' 第1のさらなる床パネル
200'' 第2のさらなる床パネル
200'''' 第3のさらなる床パネル
200'''' 第4のさらなる床パネル
S1 第1側部
S2 第2側部
S3 第3側部
S4 第4側部
【国際調査報告】