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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-03-28
(54)【発明の名称】センサ
(51)【国際特許分類】
   G01L 19/06 20060101AFI20220318BHJP
【FI】
G01L19/06 A
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021547848
(86)(22)【出願日】2020-02-19
(85)【翻訳文提出日】2021-08-17
(86)【国際出願番号】 EP2020054339
(87)【国際公開番号】W WO2020173786
(87)【国際公開日】2020-09-03
(31)【優先権主張番号】62/811,140
(32)【優先日】2019-02-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】19163091.2
(32)【優先日】2019-03-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】502281471
【氏名又は名称】キストラー ホールディング アクチエンゲゼルシャフト
(74)【代理人】
【識別番号】110000855
【氏名又は名称】特許業務法人浅村特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】テスター、ミハエル
(72)【発明者】
【氏名】ミュラー、ミハエル
(72)【発明者】
【氏名】タック、ピーター チャールズ
(72)【発明者】
【氏名】ソンデレッガー、クリストフ
【テーマコード(参考)】
2F055
【Fターム(参考)】
2F055AA31
2F055BB20
2F055CC60
2F055DD20
2F055EE13
2F055FF02
2F055GG22
(57)【要約】
本発明は、測定領域(9)内の圧力を決定するための圧力センサ(1)に関し、圧力センサ(1)は測定要素(2)を有し、測定要素(2)はセンサ空間(3)内に配置され、センサ空間(3)は、少なくとも支持部材(4)、膜(6)、およびジャケット(5)によって境界付けられ、センサ空間(3)は流体(7)で充填され、流体(7)は測定要素(2)を取り囲み、膜(6)は流体(7)を測定領域(9)から分離し、流体(7)の熱膨張による圧力センサ(1)の温度依存性が、センサ空間(3)内のフィラー本体(8)、補剛領域(65)を有する膜(6)、少なくとも2つの膨出部(66)を有する膜(6)のうちの少なくとも1つによって低減される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
測定領域(9)内の圧力を決定するための圧力センサ(1)であって、前記圧力センサ(1)は測定要素(2)を有し、前記測定要素(2)はセンサ空間(3)内に配置され、前記センサ空間(3)は、少なくとも支持部材(4)、膜(6)、およびジャケット(5)によって境界付けられ、前記センサ空間(3)は流体(7)で充填され、前記流体(7)は前記測定要素(2)を取り囲み、前記膜(6)は、前記流体(7)を前記測定領域(9)から分離する、圧力センサにおいて、少なくとも1つのフィラー本体(8)が、前記センサ空間(3)内に配置されることを特徴とする、圧力センサ。
【請求項2】
前記フィラー本体(8)が、前記流体の体積熱膨張係数の25%未満の体積熱膨張係数を有することを特徴とする、請求項1に記載の圧力センサ(1)。
【請求項3】
少なくとも2つのフィラー本体部分(80)が、フィラー本体を形成することを特徴とする、請求項1または2に記載の圧力センサ。
【請求項4】
少なくとも2つの接触要素(41)が前記支持部材(4)を通過し、前記接触要素(41)が前記支持部材(4)から電気的に絶縁され、前記測定要素(2)が、導電要素(43)によって前記接触要素(41)に接続されることを特徴とする、請求項3に記載の圧力センサ。
【請求項5】
第1のフィラー本体部分(80)が、前記支持部材(4)に隣接して配置され、前記第1のフィラー本体部分(80)が、測定要素(2)のための隙間(82)を有し、前記第1のフィラー本体部分(80)が、各接触要素(41)に対して1つの隙間(81)を有し、前記第1のフィラー本体部分(80)について、前記接触要素(41)のための前記隙間(81)および前記測定要素(2)のための前記隙間(82)が、別のものから分離され、第2のフィラー本体部分(80)が、前記第1のフィラー本体部分(80)と前記膜(6)との間に配置され、前記第2のフィラー本体部分(80)が、測定要素(2)のための隙間(82)を有し、前記第2のフィラー本体部分(80)が、各接触要素(41)のための1つの隙間(81)を有し、前記第2のフィラー本体部分(80)について、接触要素(41)のための各隙間(81)が、導電要素(43)のための隙間(83)によって前記測定要素(2)のための前記隙間(82)に接続されることを特徴とする、請求項3に記載の圧力センサ(1)。
【請求項6】
少なくとも1つのフィラー本体(8)が、セラミックまたはガラス材料からなり、または少なくとも1つのフィラー本体(8)が、結晶性材料からなることを特徴とする、請求項1から5のいずれか一項に記載の圧力センサ(1)。
【請求項7】
前記膜(6)に最も近い前記フィラー本体(8)が、前記膜(6)に面する表面上に凹形状(85)を特徴とすることを特徴とする、請求項1から6のいずれか一項に記載の圧力センサ(1)。
【請求項8】
測定領域(9)内の圧力を決定するための圧力センサ(1)であって、前記圧力センサ(1)は測定要素(2)を有し、前記測定要素(2)は、センサ空間(3)内に配置され、前記センサ空間(3)は、少なくとも支持部材(4)、膜(6)、およびジャケット(5)によって境界付けられ、前記センサ空間(3)は流体(7)で充填され、前記流体(7)は前記測定要素(2)を取り囲み、前記膜(6)は前記流体(7)を前記測定領域(9)から分離し、前記膜(6)および前記ジャケット(5)は、前記膜(6)の外側領域(62)で接続される、圧力センサにおいて、前記膜(6)が、前記測定領域(9)から前記膜(6)に圧力が加えられたときに補剛領域(65)の撓みを回避する前記補剛領域(65)を有し、前記補剛領域(65)が、前記膜の外側領域の平面から前記測定要素(2)に向かって突出し、したがって前記センサ空間(3)内の流体(7)の量を減少させることを特徴とする、圧力センサ。
【請求項9】
前記補剛領域(65)が、前記膜(6)の内側領域(61)内の領域であり、前記膜(6)の表面の一部は、例えばスタンピングまたは展伸によって前記膜の外側領域(62)の平面に対して垂直にシフトされることを特徴とする、請求項8に記載の圧力センサ(1)。
【請求項10】
前記膜(6)の厚さが、前記膜(6)の表面に対して垂直に測定したときに一定であり、一定とは、前記厚さが、前記膜(6)の前記厚さの20%未満の厚さ公差で一定であると理解されることを特徴とする、請求項8または9に記載の圧力センサ(1)。
【請求項11】
測定領域(9)内の圧力を決定するための圧力センサ(1)であって、前記圧力センサ(1)は測定要素(2)を有し、前記測定要素(2)は、センサ空間(3)内に配置され、前記センサ空間(3)は、少なくとも支持部材(4)、膜(6)、およびジャケット(5)によって境界付けられ、前記センサ空間(3)は流体(7)で充填され、前記流体(7)は前記測定要素(2)を取り囲み、前記膜(6)は、前記流体(7)媒体を前記測定領域(9)から分離する、圧力センサにおいて、前記膜(6)が、外側領域(62)、少なくとも1つの中間領域(63)および内側領域(61)を有し、前記膜(6)内の膨出部(66)が、前記外側領域(62)を前記中間領域(63)から分離し、前記膜(6)内の膨出部(66)が、前記中間領域(63)を前記内側領域(61)から分離し、前記膨出部(66)が、可撓性であり、可撓性ジョイントとして作用し、前記内側領域(61)が、前記外側領域(62)に対してシフト可能であることを特徴とする、圧力センサ。
【請求項12】
前記膨出部(66)が、スタンピングまたは展伸によって前記膜(6)に導入され、前記膜(6)の厚さが、前記膜(6)の表面に対して垂直に測定したときに一定であり、一定とは、前記厚さが、前記膜の前記厚さの20%未満の厚さ公差で一定であると理解されることを特徴とする、請求項11に記載の圧力センサ(1)。
【請求項13】
前記測定要素(2)が、ピエゾ電気測定素子またはピエゾ抵抗測定素子またはひずみゲージであり、前記膜の最大寸法が、6mm以下であることを特徴とする、請求項1から12のいずれか一項に記載の圧力センサ(1)。
【請求項14】
測定領域(9)内の媒体(10)の圧力を測定するための、請求項1から13のいずれか一項に記載の圧力センサ(1)の使用。
【請求項15】
請求項5から7のいずれか一項に記載の圧力センサ(1)を部分的に組み立てるための方法であって、以下のステップが実行され、
a)前記測定要素(2)が、形状嵌合または圧入または材料係止によって前記支持部材(4)に接続され、
b)前記第1のフィラー本体部分(80)が、前記測定要素(2)が前記測定要素(2)のための前記隙間(82)内に配置され、前記接触要素(41)が前記接触要素(41)のための前記隙間(81)内に配置されるように前記支持部材(4)に隣接して置かれ、
c)前記導電要素(43)が、形状嵌合または圧入または材料係止によって前記それぞれの接触要素(41)に接続され、前記導電要素(43)が、形状嵌合または圧入または材料係止によって前記測定要素(2)に接続され、
d)前記第2のフィラー本体部分(80)が、前記測定要素(2)が前記測定要素(2)のための前記隙間(82)内に配置され、前記接触要素(41)が前記接触要素(41)のための前記隙間(81)内に配置され、前記導電要素(43)が前記導電要素(43)のための前記隙間(83)内に配置されるように前記第1のフィラー本体部分(80)に隣接して置かれる
ことを特徴とする方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、媒体の圧力を測定するように適合された圧力センサに関し、圧力センサの測定要素と媒体とが分離されている。
【背景技術】
【0002】
圧力センサは、測定領域内の媒体の圧力を決定するために複数の用途で使用される。そのような媒体は、腐食性または毒性であり得る液体または気体を含む。測定要素を腐食性媒体への曝露から保護し、センサを毒性媒体から容易に洗浄することができるようにするために、媒体は通常、膜によって測定要素から分離される。測定要素は、膜の後方のセンサ空間に配置される。膜に作用する媒体の圧力は、流体によって測定要素に伝達され、この流体はセンサ空間内に充填される。このような圧力センサは、測定要素がセンサ空間に配置されている国際公開第2012027853(A1)号パンフレットから知られている。センサ空間は、支持部材、膜、およびジャケットによって境界付けられる。センサ空間は、充填ダクトを通って流体で充填され、流体は測定要素を取り囲む。膜は、測定領域内の媒体から流体を分離する。流体は通常、圧縮性ではなく、それにより、圧力が測定領域内で変化するときに膜はあまり膨出しない。
【0003】
このセンサの欠点は、センサの温度の変化時、流体は、流体の熱膨張係数にしたがって膨張または収縮することである。センサ空間はそれに応じて増加しないので、流体が占める空間の追加または減少は、膜の膨出によって実現される。膜の弾性が限られているため、センサ空間内側の流体の圧力の増加または減少は、膜の膨出固有のものとなる。この圧力の増減は、測定要素によって決定される。決定された圧力変化は、媒体の圧力変化ではなく、むしろ圧力センサの温度変化に対応するため、これは悪影響である。この悪影響は、6mm未満(mmはミリメートルを指す)の小さい膜直径を有する圧力センサにはより一層明確であり、その理由は、数センチメートル直径を有する膜よりも小面積を有する膜の方が可撓性が低いためである。
【0004】
さらに、小さな膜は、クリケット挙動と呼ばれることもある明確なクリッカ挙動を有することが知られている。クリッカ挙動は、膜のような金属の薄いシートが、1つの整列から別の整列に突然動くことを指し、整列は膜の異なる安定状態である。このような突然の動きは通常、クリック音および流体の圧力の急激な変化と共に起こる。この突然の動きは、中圧のゆっくりとした変化または圧力センサ温度のゆっくりとした変化時に起こることがあり、その結果いずれも膜の動きをもたらす。そのようなクリッカ挙動は、媒体圧力の対応する急激な変化がないのに流体の圧力を急激に変化させ、したがって媒体圧力の不正確な測定をもたらす。
【0005】
本発明の課題は、流体の熱膨張によるセンサの温度依存性を低減することである。本発明の第2の課題は、温度依存性が低減されたそのような圧力センサの費用効果の高い製造を可能にすることである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】国際公開第2012027853(A1)号パンフレット
【発明の概要】
【0007】
課題の少なくとも1つは、独立請求項の特徴によって解決される。
【0008】
本発明は、測定領域内の圧力を決定するための圧力センサに関し、圧力センサは測定要素を有し、測定要素はセンサ空間内に配置され、センサ空間は、少なくとも支持部材、膜、およびジャケットによって境界付けられ、センサ空間は流体で充填され、流体は測定要素を取り囲み、膜は流体媒体を測定領域から分離し、少なくとも1つのフィラー本体が、センサ空間内に配置される。
【0009】
フィラー本体は、そうでなければ流体で充填されるセンサ空間内の空間を充填し、したがってセンサ空間内の流体の量を減少させる。より少ない量の流体の熱膨張は、より少ない追加の空間を占有する。したがって、膜の膨出はより小さくなり、流体の熱膨張による圧力上昇は、緩和される。
【0010】
本発明はまた、測定領域内の圧力を決定するための圧力センサに関し、圧力センサは測定要素を有し、測定要素はセンサ空間内に配置され、センサ空間は、少なくとも支持部材、膜、およびジャケットによって境界付けられ、センサ空間は流体で充填され、流体は測定要素を取り囲み、膜は流体媒体を測定領域から分離し、膜(6)およびジャケット(5)は、膜(6)の外側領域(62)で接続され、膜は、圧力が測定領域から膜に加えられたときに補剛領域の撓みを回避する補剛領域を有し、補剛領域は、膜の外側領域の平面から測定要素に向かって突出し、したがってセンサ空間内の流体の量を減少させる。
【0011】
補剛領域は、膜がクリッカ挙動を防止するために重要である。流体の熱膨張の影響は、膜に補剛領域を導入することによって軽減される。さらに、補剛領域は、膜の外側領域の平面から測定要素に向かって突出し、したがってセンサ空間内の流体の量を減少させるように実現される。より少ない量の流体の熱膨張は、より少ない追加の空間を占有する。したがって、膜の膨出はより小さくなり、流体の熱膨張による圧力上昇は、緩和される。
【0012】
本発明はまた、測定領域内の圧力を決定するための圧力センサに関し、圧力センサは測定要素を有し、測定要素はセンサ空間内に配置され、センサ空間は、少なくとも支持部材、膜、およびジャケットによって境界付けられ、センサ空間は流体で充填され、流体は測定要素を取り囲み、膜は流体媒体を測定領域から分離し、膜は、外側領域、少なくとも1つの中間領域、および内側領域を有し、膜の膨出部は外側領域を中間領域から分離し、膜の膨出部は中間領域を内側領域から分離し、膨出部は可撓性があり、可撓性ジョイントとして作用し、内側領域は外側領域に対してシフト可能である。
【0013】
膜の役割は、圧力を測定領域の媒体から流体を通って測定要素まで通過させながら、測定領域内の媒体を圧力センサのセンサ空間内の測定要素から分離することである。センサの温度の上昇時に流体が流体の熱膨張係数によって膨張すると、膜は変形して、流体が占有する追加の体積のための空間を作る。現況技術では、膜は、球形ドーム状に変形する。膜の外側領域と中間領域との間に予め形成された膨出部、および膜の中間領域と内側領域との間に予め形成された膨出部を導入することにより、膜は、ピストンおよびシリンダのようにより自由に移動することができ、このとき膜の内側領域はピストンであり、外側領域はシリンダである。膨出部は、可撓性ジョイントとして作用し、中間領域がその表面に垂直に外側領域に対してシフトすることを可能にする。膜の内側領域を外側領域に対して移動させるのに必要な圧力は、同じ厚さおよび材料を有する全平面膜に必要な力の20%超低減される。
【0014】
特に6mm未満の直径を有する膜では、正確に2つの膨出部を有することが最も有益であることが分かった。3つ以上の膨出部および2つ未満の膨出部のいずれもが、膜の可撓性を効果的に低下させ、したがって、センサの温度変化時にセンサ空間内の圧力を変化させる。
【0015】
本発明は、温度依存性が低減された圧力センサをもたらす3つの異なる技術的に相互に関連する解決策に関する。
【0016】
以下では、本発明を図面を参照して例示的に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】現況技術から知られている圧力センサの概略断面図である。
図2】本発明による圧力センサの1つの実施形態の概略断面図である。
図3】本発明による圧力センサの1つの実施形態の概略断面図である。
図4】第1のフィラー本体部分の1つの実施形態の概略図である。
図5】第1のフィラー本体部分の1つの実施形態の概略図である。
図6】第2のフィラー本体部分の1つの実施形態の概略図である。
図7】第2のフィラー本体部分の1つの実施形態の概略図である。
図8】膜の1つの実施形態の概略図である。
図9】膜の拡大断面図の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
図1は、参照のために現況技術からの知られている、膜6を有する圧力センサ1の概略断面図を示す。
【0019】
図2は、本発明による圧力センサ1の1つの実施形態の概略図を示す。現況技術による図1に示す圧力センサ1からの知られている要素は、同じ参照番号を有する。
【0020】
図1および図2はいずれも、膜6を有する圧力センサ1を示す。圧力センサ1は、長手方向軸Zと第1の半径方向軸Xと第2の半径方向軸Yとを有する円筒形状を有し、半径方向軸X、Yの両方は、長手方向軸Zに垂直であり、互いに垂直である。圧力センサ1は、センサ空間3内に配置された測定要素2を有する。センサ空間3は、支持部材4、膜6、およびジャケット5によって境界付けられる。圧力センサは、測定領域9内に存在する媒体の圧力を決定するために使用され、測定領域9は、センサ空間3の遠い側の膜6に隣接する。センサ空間3は、流体7で充填され、流体7は、測定要素2を取り囲む。センサ空間3が境界付けられているため、測定領域9内の媒体と流体7とは、分離される。
【0021】
流体7は、支持部材4内のチューブ11を介してセンサ空間3に充填される。流体7がセンサ空間4内に充填された後、チューブ11は、キャップ12でシールされる。1つの実施形態では、キャップ12は、支持部材4に溶接またははんだ付けされる。当然ながら、チューブ11は、ねじ山を有するキャップ12と、支持部材およびガスケット内のそれぞれのねじ山とを有してシールするような別の形でシールされてもよい。1つの実施形態では、キャップ12は、接着剤によって支持部材4に取り付けられる。
【0022】
測定要素2は、支持部材4を貫通して圧力センサ1の裏面から突出する少なくとも2つの接触要素41に電気的に接続されている。圧力センサ1の裏面は、膜6が位置する圧力センサ1の前面の反対側である。接触要素41は、支持部材4から電気的に絶縁されている。測定要素2は、導電要素43によって前記接触要素41のそれぞれに接続される。測定要素2の種類に応じて、異なる数の接触要素41および導電要素43を使用して、測定要素2を電気的に接続することができる。
【0023】
膜6は、0.005mmから0.100mm(mmはミリメートルを指す)の間の所定の厚さを有する主に円形の金属シートであり、はんだ付けまたは溶接などの材料係止を介して円形シートのリムにおいてジャケット5に接続される。ジャケット5は、材料係止または形状嵌合または圧入を介して支持部材4に接続される。
【0024】
図1に示す現況技術による圧力センサ1を図2の本発明による圧力センサ1と比較すると、センサ空間3がフィラー本体8で部分的に充填されているため、センサ空間3を充填する流体7の量は、図2に示す圧力センサ1の方がはるかに少ないことを直接見ることができる。
【0025】
決定されるべき測定領域9内の媒体の圧力は、膜6に作用し、膜6を通って流体7に伝達され、流体7を通って測定要素2に伝達される。流体7は通常非導電性であり、比電気抵抗は1010Ωm以上(Ωはオームを指し、mはメートルを指し、1010は10の10乗を指す)であり、圧縮率は0.5GPaから10GPa(GPaはギガパスカルを指す)である。流体7の圧縮率により、媒体圧力の増加時の膜6の動きは大きくなく、圧力センサ1のすべての形状について容易に計算することができる。測定要素2は、流体7によって取り囲まれ、流体7の圧力を決定する。
【0026】
圧力センサ1の温度変化の結果、流体7の熱膨張係数により、センサ空間3内の流体7の体積は変化する。センサ空間3は、支持部材4、膜6、およびジャケット5によって境界付けられているので、流体7の圧力は変化することになり、このとき流体は、前記支持部材4、膜6、およびジャケット5に対して作用する必要無しに膨張または収縮することができない。したがって、測定要素2は、媒体圧力の変化によるものではなく、圧力センサ1の温度変化によって誘発される流体7の圧力の変化を決定する。
【0027】
この温度誘発圧力変化は、本発明による圧力センサ1では減少し、その理由は、センサ空間2内に少なくとも1つのフィラー本体8を充填することによって流体7の量が減少するためである。
【0028】
したがって、フィラー本体8の体積熱膨張係数は、流体7の体積熱膨張係数よりも著しく低くなければならない。フィラー本体8の満足できる熱膨張係数は、流体7の体積熱膨張係数の25%未満である。
【0029】
フィラー本体8は、主にセンサ空間3の形状を有し、支持部材4およびジャケット5に隣接して配置され、フィラー本体8とジャケット5との間、およびフィラー本体8と支持部材4との間に流体7が充填するための0.1mm未満の空間の隙間を残す。円筒形圧力センサ1の場合、センサ空間3は円筒形であり、フィラー本体8は主に円筒形である。
【0030】
フィラー本体8は、圧力センサ1の機能を妨げず、したがって、図3図4、および図8に示すように、測定要素2のための隙間82、各導電要素のための隙間83、および各接触要素のための隙間81を有する。隙間81、82、83は、それぞれの測定要素2、導電要素43、および接触要素41に最もよく適合するように作られる。これは複合形状のフィラー本体8をもたらすことができ、この場合、隙間81、82、83はフィラー本体8から彫り込まれ、膜6に面するフィラー本体表面から支持要素4に面するフィラー本体表面までフィラー本体8を通過しない。
【0031】
圧力センサ1の瞬間的に好ましい実施形態では、図3図4、および図8に示すように、少なくとも2つのフィラー本体部分8a、8bがフィラー本体8を形成する。これにより、その有益な効果を維持しながら、フィラー本体8の費用効果の高い製造が可能になる。フィラー本体8は、図2の2つに分割されたフィラー本体8に一例として示すように、両方とも円筒形状を有し、長手方向軸に沿って積み重ねられた少なくとも2つの部分80に分割される。
【0032】
第1のフィラー本体部分8aは、支持部材4に隣接して配置されている。この第1のフィラー本体部分8aは、図4および図5に示すように、測定要素2のための隙間82と、各接触要素41のための1つの隙間81とを有する。第1のフィラー本体部分80の厚さは、第1のフィラー本体部分80から膜6までの距離が、膜6から接触要素41までの距離または測定要素2から膜6までの距離のいずれか長い方の距離よりも長くなるようなものである。接触要素41のための隙間81および測定要素2のための隙間82は、互いに分離されている。長手方向軸Zに沿ったすべての平面について、長手方向軸Zに垂直な平面内で直線が1つの隙間81、82、83に到達できない場合、2つの隙間81、82、83が分離される。
【0033】
第2のフィラー本体部分80は、第1のフィラー本体部分80と膜6との間に配置され、センサ空間3を膜6近くまで充填する。第2のフィラー本体部分80と膜6との間の残りの空隙は、膜6が測定要素2に向かって移動している最大量よりも少なくとも0.05mm大きくなるように選択される。膜6が測定要素2に向かって移動している量は、センサ空間3の寸法、膜の寸法および流体7の熱膨張係数、流体7の圧縮率および圧力センサ1が承認されている測定領域9内の媒体の最大許容圧力から容易に計算することができる。
【0034】
第2のフィラー本体部分80は、測定要素2のための隙間82と、各接触要素41のための1つの隙間81とを有する。導電要素43は、膜6に面する導電要素43の端面と膜6に面する測定要素2の表面との間に配置され、したがって、第2のフィラー本体部分80は、長手方向軸Zの同じ軸切片に配置される。第2のフィラー本体部分80の場合、接触要素41のための各隙間81は、導電要素43のための隙間83を有さない第1のフィラー本体部分80とは対照的に、導電要素43のための隙間83によって測定要素2のための隙間82に接続される。各隙間81、82、83は、それぞれのセンサ、導電または接触要素2、41、43および追加量の流体7で充填される。したがって、フィラー本体部分80内にそれぞれの要素に必要な隙間81、82、83のみを有することにより、センサ空間3を充填するのに必要な流体7の量が減少する。
【0035】
第1のフィラー本体部分80および第2のフィラー本体部分80内のすべての隙間81、82、83は、それぞれのフィラー本体部分80を、膜6に面するその表面から支持要素4に面するその表面まで通り抜ける。貫通孔としての隙間81、82、83の生成は、フィラー本体8の複合形状の彫り込みよりもはるかに容易である。したがって、フィラー本体8の少なくとも2つに分割された実施形態は、フィラー本体8を通り抜ける端から端までの隙間を備えて製造するのが容易で費用効果が高く、各フィラー本体部分80は、最小限の隙間81、82、83を備えて製造することができ、したがって、センサ空間3を充填するのに必要な流体7の量を減少させることができる。
【0036】
好ましい実施形態では、少なくとも1つのフィラー本体8は、セラミックまたはガラス材料からなる。セラミックおよびガラス材料は、熱膨張係数が低い。さらに、適切な幾何学的形状のフィラー本体8の生成は、セラミック、結晶およびガラス材料を用いて、例えばフライス加工または研削によって容易に達成される。加えて、セラミックおよびガラス材料は、高い電気抵抗を有し、接触要素41間の漏れ電流または短絡のリスクを低下させ、したがって欠陥製品の量を低減し、最終的に製造コストを低減する。
【0037】
圧力センサ1の1つの実施形態では、膜6に最も近いフィラー本体8は、膜6に面する表面上に図7および図8に示すように、凹形状85を特徴とする。膜に最も近いフィラー本体8が2つ以上のフィラー本体部分80によって形成される場合、膜6に最も近いフィラー本体部分80は、膜6に面する表面上に凹形状85を特徴とすることが理解される。膜6が測定領域9内の媒体の圧力の変化時に移動すると、膜6の内側領域61は、膜6がジャケット5に接続されている外側領域62よりも長い距離で転位する。膜6が測定要素2に向かって移動するとき、膜6は、図8に示すように、フィラー本体8と衝突しなくてもよい。膜6に面するフィラー本体8の表面の凹形状85により、膜6がフィラー本体8と衝突することなく移動することができ、その間膜6に対するフィラー本体8の最も近い距離は、1mm未満、好ましい実施形態では0.5mm以下であり得ることが確実にされる。
【0038】
圧力センサ1の現在好ましい実施形態では、凹形状85は、円錐形状である。そのような形状は、旋盤加工またはフライス加工または研削によって容易に形成される。したがって、円錐形状を有する凹形状85を有するフィラー本体8の製造は、費用効果が高い。
【0039】
膜6に面するフィラー本体8の表面の凹形状85は、膜6の任意の補剛領域65が測定要素2に向かって突出することを可能にするように理想的に適合され、したがって前記態様の両方を相互に関連付けることに留意されたい。
【0040】
上記で説明した圧力センサ1は、以下の工程を実行して組み立てられる。
a.測定要素2は、形状嵌合または圧入または材料係止によって支持部材4に接続される。
b.第1のフィラー本体部分80は、測定要素2が測定要素2のための隙間82内に配置され、接触要素41が接触要素41のための隙間81内に配置されるように、支持部材4に隣接して置かれる。
c.導電要素43は、形状嵌合または圧入または材料係止によってそれぞれの接触要素41に接続される。導電要素43は、形状嵌合または圧入または材料係止によって測定要素2に接続される。
d.第2のフィラー本体部分80は、測定要素2が測定要素2のための隙間82内に配置され、接触要素41が接触要素41のための隙間81内に配置され、導電要素43が導電要素43のための隙間83内に配置されるように、第1のフィラー本体部分80に隣接して置かれる。
【0041】
これらのステップに従うことにより、フィラー本体部分80内に各要素に必要な隙間81、82、83のみを有するフィラー本体部分80を使用し、それによってセンサ空間3を充填するのに必要な流体7の量を低減することができながら、圧力センサ1を容易に製造することができる。
【0042】
当然ながら、圧力センサ1および膜2は、別の実施形態では、長手方向軸に垂直な平面において長方形または楕円形、および長方形または楕円形の膜を有するような異なる形状を有することができる。本発明には、他の形状も同様に使用することができる。
【0043】
圧力センサ1の別の実施形態では、膜6は、測定領域9から膜6に圧力が加えられたときに補剛領域65の撓みを回避する補剛領域65を有する。補剛領域65は、膜6の外側領域62の平面から測定要素2に向かって突出し、したがってセンサ空間3内の流体7の量を減少させる。この補剛領域は、膜6が移動される場合に6mm以下の小さい直径を有する膜6に対して特に起こり得るクリッカ挙動を防止する。流体7の熱膨張による温度変化時に膜6の動きが起こり得るため、補剛領域65は、測定要素2によって決定される圧力に対する圧力センサ1の温度変化の影響を効果的に低減している。さらに、測定要素2に向かって突出する補剛領域65は、センサ空間3を減少させ、したがって、センサ空間3を充填するのに必要な流体7の量を減少させる。したがって、補剛領域65は、測定要素2によって決定される圧力に対する圧力センサ1の温度変化の影響を効果的に低減する。
【0044】
圧力センサ1の1つの実施形態では、補剛領域65は、膜6の内側領域61内にあり、膜6の表面の一部は、例えばスタンピングまたは展伸によって、膜6の外側領域62の平面に対して垂直にシフトされる。そのような膜6は、平坦な金属シートから容易に製造可能である。スタンピングまたは展伸は、そのような金属シートに構造を導入する費用効果の高い方法である。金属シートの構造化はその安定性を高めることが知られている。
【0045】
圧力センサ1の別の実施形態では、膜6の厚さは、膜6の表面に対して垂直に測定した場合に一定であり、一定とは、厚さが膜6の厚さの20%未満の厚さ公差で一定であると理解される。膜6の厚さを一定に維持することにより、膜6の均一な動きが確実にされる。例えば、円形膜6では、円形膜6の同じ半径上にあるすべての点は、膜6が移動しているときに同じ距離だけ移動するはずである。厚さが膜6にわたって、特に同じ半径で一定でない場合、クリッカ挙動が起こりやすく、その結果、流体7の体積の温度で誘発された変化時に測定要素2によって決定される圧力の突然の変化およびその結果として膜6の動きが生じる。
【0046】
圧力センサ1の別の実施形態では、膜6は、外側領域62、少なくとも1つの中間領域63、および内側領域61を有する。膜6内の膨出部66aは、外側領域62を中間領域63から分離する。膜6内の別の膨出部66bは、中間領域63を内側領域61から分離する。膨出部66a、66bは可撓性であり、可撓性ジョイントとして作用する。内側領域61は、外側領域62に対してシフト可能である。
【0047】
通常、不透過膜6は、流体7に圧力変化を導入せずにセンサ空間3内の流体7の体積の変化を許容しない。可撓性がない膜、例えば厚さ数ミリメートルの金属シートは、移動されることに対して作用するので、厚さ数十マイクロメートルのみの薄い膜6の動きよりも、厚さ数ミリメートルの金属シートの動きにははるかに高い圧力が必要とされる。しかし、図1の膜6’の変形を示す破線によって示すように、厚さ数十マイクロメートルの平坦な膜は、球形ドーム状に変形する。現況技術による膜6’のこの球形ドームの変形は、材料に高い応力をかけることによって膜を摩耗させ、したがって膜の故障の理由となるため、不利である。膜6の可撓性をこれより高くすることにより、流体7の圧力のはるかに小さい増加を伴う流体7の温度変化時に、流体7がその体積を変化させることを可能にする。膜6の可撓性は、本発明の1つの実施形態では、図2図8および図9に示すように、少なくとも2つの膨出部66を膜6に導入することによって高められる。膨出部66は、そうでなければ平坦な金属シートの永久変形であり、膨出部66の金属は、金属シートの平面から外れて転位される。金属シートの平面から膨出部66の転位した金属までの最大距離は、膨出部66の底部と呼ばれる。膨出部66は、膨出部66の底部が金属シートの平面に対して垂直にシフトした平面内に閉じた線を形成するように導入される。金属シートの平面に垂直であり、かつ膨出部66の底部の閉じた線に垂直な断面では、連続的に微分可能関数のように成形され、形状の線は、約90°にわたって金属シートの平面から外に負の曲率を辿り、この負の曲率は、約180°の正の曲率に滑らかに移行し、この正の曲率は、約90°の負の曲率に滑らかに移行する。曲率半径は、結果として線が金属シートの平面内に戻るように選択される。
【0048】
そのような膨出部66は、金属のシート、この場合は膜6を既存の曲率に沿って容易にさらに曲げることができるので、可撓性ジョイントとなる。したがって、膨出部66を導入することは、流体7の温度変化による流体7の体積の変化時の膜6の動きに有益であり、その理由は、動きがより定められ、平坦な金属シートにしばしば起こるクリッカ挙動のリスクが低減されるためである。これは、膜6の動きが測定領域内の圧力変化による場合にも有益である。
【0049】
特に6mm以下の小直径を有する膜では、2つの膨出部66が最も有益であることが分かっている。ここで、膜6は、平坦な外側領域62、平坦な内側領域61、および平坦な中間領域63を有し、これらはすべて同じ平面内にある。内側領域61内の任意選択の補剛領域65は、次の説明と矛盾せず、補剛領域65を有する内側領域61は、便宜上、依然として平坦であるように見える。外側領域62および中間領域63は、膨出部66によって分離される。中間領域63および内側領域61は、膨出部66によって分離される。中間領域63は、1つの実施形態では、図6および図7および図9に示すように、外側領域62と同じ平面上にある、2つの膨出部66の間に成形された線のみであってもよい。
【0050】
図9は、明確にするためにセンサの他の要素を省略して、膜のみを示す。流体7の温度変化時のセンサ空間3内の流体7の体積の変化時、外側領域62と中間領域63との間の膨出部66は、中間領域63の平面外への動きを可能にする。図9内の点線は、流体7の温度の低下時に流体7の体積が減少するときの膜6’’を示す。図9の破線は、流体7の温度の上昇時に流体7の体積が増加するときの膜6’を示す。中間領域63の平面は、外側領域62の平面と平行のままである。中間領域63と内側領域61との間の膨出部66は、内側領域61が中間領域63よりもさらに平面外に移動することを可能にする。中間領域63の平面は、外側領域62の平面と平行のままである。2つの膨出部66により、内側領域61は、外側領域62に対してピストン様の形でシフト可能であり、動きを安定した再現性のあるものにする。したがって、流体7の体積の温度で誘発された変化時、内側領域61の移動は容易に達成され、2つの膨出部66を有する膜6の高い可撓性により、流体7の圧力増加を最小限にする。
【0051】
任意選択の補剛領域65は、内側領域61に追加の剛性を導入することによってピストン様挙動を支持し、したがって前記態様の両方を相互に関連付けることに留意されたい。
【0052】
当然ながら、追加の中間領域63を有して、3つ以上の膨出部66を有する膜6が考えられてもよい。しかし、外側領域62に対する内側領域61の動きは、一定ではなく、定められておらず、それによって流体7の温度で誘発された体積変化時に流体7の圧力の突然の変化をもたらし得る。しかし、流体7の圧力上昇は、膜6内の膨出部66がない場合よりも依然として低い。
【0053】
膨出部66は、スタンピングまたは展伸によって膜6に導入される。膨出部66のような構造を、膜6のような金属シートにスタンピングまたは展伸するプロセスは、費用効果が高く、膜6の製造プロセスに容易に導入することができる。
【0054】
膨出部66を有する膜6の厚さは、膜6の表面に対して垂直に測定した場合に依然として一定であり、一定とは、厚さが膜6の厚さの20%未満の厚さ公差で一定であると理解される。
【0055】
圧力センサ1の測定要素2は、ピエゾ電気測定素子、ピエゾ抵抗測定素子、歪ゲージのいずれであってもよい。当然ながら、当業者はまた、容量変化または測定要素2の2つの要素間の距離の変化が圧力に比例する測定要素2を選択することもできる。
【0056】
本発明は、膜6の最大寸法が6mm以下である圧力センサ1にとって最も重要であり、これは、これらの圧力センサ1内の膜6が10mm以上の直径を有する膜と比較して非常に剛性が高いためである。したがって、流体7の体積の温度で誘発された変化時の流体7の圧力の増加は、直径6mm以下のそのような膜6を有する圧力センサ1においてより顕著である。
【0057】
本発明による圧力センサ1は、測定領域9内の媒体10の圧力を測定するために使用される。特に、媒体の温度およびこれに伴うセンサ空間3内の流体7の温度が変化しやすい環境では、上記で説明した圧力センサ1の使用が有益である。そのような環境は、内燃機関の内側、ガスタービン内、ガス、オイルまたは他のパイプライン内、加熱または冷却システム内、または航空宇宙および航空産業におけるものであり得る。
【0058】
本発明の異なる態様および実施形態は可能な限り組み合わせることができ、上記で説明した実施形態のそのような組み合わせから生じる実施形態も本発明の一部であることが理解される。
【符号の説明】
【0059】
1 センサ
2 測定要素
3 センサ空間
4 支持部材
41 接触要素
42 電気絶縁
43 導電要素
5 ジャケット
6,6’,6’’ 膜
61 内側領域
62 外側領域
63 中間領域
65 補剛領域
66 膨出部
7 流体
8 フィラー本体
8 フィラー本体部分
81 接触要素のための隙間
82 センサ要素のための隙間
83 導電要素のための隙間
85 凹形状
9 測定領域
11 チューブ
12 キャップ
X 半径方向軸
Y 半径方向軸
Z 長手方向軸
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
【国際調査報告】