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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-03-29
(54)【発明の名称】格納式仕切壁
(51)【国際特許分類】
   E06B 9/02 20060101AFI20220322BHJP
   E06B 9/06 20060101ALI20220322BHJP
【FI】
E06B9/02 A
E06B9/02 J
E06B9/02 Z
E06B9/06 620C
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021538148
(86)(22)【出願日】2019-12-26
(85)【翻訳文提出日】2021-08-24
(86)【国際出願番号】 RO2019000032
(87)【国際公開番号】W WO2020139095
(87)【国際公開日】2020-07-02
(31)【優先権主張番号】A201801146
(32)【優先日】2018-12-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】RO
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】521282192
【氏名又は名称】マウラー,サイモン-アンドレアス
【氏名又は名称原語表記】MAURER, Simon-Andreas
【住所又は居所原語表記】Str. Albatrosului nr. 11, bl. 11, ap. 23, Jud. Bra#ov Bra#ov (RO)
(74)【代理人】
【識別番号】110002158
【氏名又は名称】特許業務法人上野特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】マウラー,サイモン-アンドレアス
(57)【要約】
【課題】居住空間の仕切壁や車庫扉として使用される格納式の仕切壁モジュールを提供する。
【解決手段】本発明の格納式仕切壁は、敷地内の平行な一対の壁に取り付けられ(Fig. 1)、敷地内において左側となる壁にダボやネジなど公知の固定具により固定される左側パネルレールAと、左側パネルレールAと対になり、敷地内において右側となる壁にダボやネジなど公知の固定具により固定される右側パネルレールBと、駆動機構Cと、複数の可動パネルDと、により構成され、本発明の格納式仕切壁は、i)屋内および屋外で使用可能であり、収納時には天井に配置された横梁のように見え、展開時には壁として機能し、ii)屋外で使用され、収納時には天井に張り付いた横梁のように見え、展開時には車庫扉として機能し、iii)電子制御により作動し、電力障害時には手動で操作でき、iv)敷地の屋内または屋外で使用され、展開時には投影スクリーンや広告面として機能するよう考案されている。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
屋内および屋外で用いられる格納式仕切壁であって、
住居や工業用建築物の出入り口、その他の一般的な開口を塞いだり、空間の分離、移動壁、遮光、広告、意匠(design)、ベランダ(verandas)、又はインテリア家具などとしての機能を有し、
複数の硬質の板またはモジュール式のフレーム(E,F,G)により構成される取り外し可能なシャッターを備え、
これらの板またはフレームは、モーター(7)により側部のガイド(2,2’)に沿ってスライドし、その収納時には天井に配置された横梁のようになり、展開されたときには壁として機能し、
前記格納式仕切壁は、
敷地内の平行な一対の壁に取り付けられ、敷地内において左側となる壁にダボやネジなど公知の固定具により固定される左側パネルレール(A)と、
左側パネルレール(A)と対になり、敷地内において右側となる壁にダボやネジなど公知の固定具により固定される右側パネルレール(B)と、
駆動機構(C)と、
複数の可動パネル(D)と、により構成され、
左側パネルレール(A)(fig. 2a, fig. 2a')は、
左側の壁の根元に固定された左側ブライドル(bridle)(1)と、
高さがhc、幅がlc、厚みがgcであり、深さがa1(a1 < gc)の溝(a)を有し、左側ブライドル(1)上に載せられ、これに固定される垂直なレール(2)と、
高さがhp、幅がlp、厚みがgp(gp = gc)であり、レール(2)からからレール(2)の上方に続き、敷地の天井に接する左側収容パネル(3)(fig. 3.1,fig .3.2,fig. 3.3)と、により構成され、
垂直レール(2)の深さa1の溝(a)は、高さhbの左側ブライドル(1)内へ深さab(ab ≦ hb)まで続いており、
左側ブライドル(1)の前端には切削溝(c)及び穴(d)が設けられ、そこにはチェーン(Gall chain)用のスプロケット(5)が軸(4)を回転中心として組み付けられ、
前記左側収容パネルには「F形状」の溝が形成されており、「F」の文字の下方への分岐はa1と同じ深さで垂直レール(2)の溝(a)に垂直に連続しており、
溝(a)から垂直に連続する部分と「F」の文字の上端の分岐は、gpと同じ幅であるが深さがa2(a2 < a1)の溝(as)を構成し、
「F」の文字の水平な分岐を構成する2本の溝は、垂直な溝から半径rcで連続し、「重力落下角度」とも呼ばれる傾斜角βで延び、これら2本の溝は垂直方向に間隔p離れており、
左側収容パネル(3)の底辺から頂部(b)までの距離はeで示され、頂部(b)は、「F」の文字の、深さa1の下側の溝の上部と、深さa2で続く左側の溝との間にあり、
左側収容パネル(3)は矩形状の開口(m)を有し、開口(m)は、左側ブライドル(1)の穴(d)の中心から上方に延びる垂直線上における、左側収容パネル(3)の底辺から距離mdの位置に形成されており、
左側パネルレール(A)と対になる右側パネルレール(B)は、
右側の壁に根元に固定された右側ブライドル(1’)と、
高さがhc、幅がlc、厚みがgcであり、深さがa1(a1 < gc)の溝(a’)を有し、右側ブライドル(1’)上に載せられ、これに固定される垂直なレール(2’)と、
高さがhp、幅がlp、厚みがgp(gp = gc)であり、レール(2’)からレール(2’)の上方に続き、敷地の天井に接する右側収容パネル(3’)(fig. 4.1,fig. 4.2,fig. 4.3)と、により構成され、
垂直レール(2’)の深さa1の溝(a’)は、高さhbの右側ブライドル(1’)内へ深さab(ab ≦ hb)まで続いており、
右側ブライドル(1’)の前端には切削溝(c’)及び穴(d’)が設けられ、そこにはスプロケット(5)と同一のチェーン用スプロケット(5’)が軸(4’)を回転中心として組み付けられ、
右側収容パネル(3’)は矩形状の開口(m’)を有し、開口(m’)は、右側ブライドル(1’)の穴(d’)の中心から上方に延びる垂直線上における、右側収容パネル(3’)の底辺から距離mdの位置に形成されており、
右側収容パネルには「逆F形状」の溝が形成されており、「逆F」の文字の下方への分岐はa1と同じ深さで垂直レール(2’)の溝(a’)に垂直に連続しており、
溝(a’)から垂直に連続する部分と「逆F」の文字の上端の分岐は、gpと同じ幅であるが深さがa2(a2 < a1)の溝(as’)を構成し、
「逆F」の文字の水平な分岐を構成する2本の溝は、垂直な溝から半径rcで連続し、「重力落下角度」とも呼ばれる傾斜角βで延び、これら2本の溝は垂直方向に間隔p離れており、
右側収容パネル(3’)の底辺から頂部(b’)までの距離はeで示され、頂部(b’)は、「逆F」の文字の、深さa1の下側の溝の上部と、深さa2で続く溝(as’)の左側の溝との間にあり、
駆動ユニットCは、例えば八角形などの多角形状の筒(6)を有し、筒(6)の左側の端部には特殊モーター(7)が挿入され、
特殊モーター7は、その右側の端部に多角形状の頭部を有する軸(8)を備えており、
軸8は、筒に設けられた凹面(u)(Fig. 1a')までの範囲で筒(6)に差し込まれ、
特殊モーター(7)が筒(6)の左側の端部に挿入された後、ディスタンス・ピース(9)がはめ込まれ、
ディスタンス・ピース(9)の外側には筒(6)の断面(section)があり、内側には、僅かに隙間を空けてモーターの外径が収まり、
ディスタンス・ピース(9)にはスプロケット(10)が組み付けられ、
矩形状の開口(m)の形状と同じ断面形状の頭部(bb)は、モーター(7)の左側端部においてケース(encasing)に軸方向に配置され、
開口(m)は左側収容パネル(3)に形成されており、
筒(6)の右側の端部には、ディスタンス・ピース(9’)が差し込まれ、
ディスタンス・ピース(9’)は、その外側に筒の断面(section)があり、その自由端に、軸線方向に延びる円筒形状の頭部(cc)を有し、
頭部(cc)は、右側収容パネル(3’)に形成された円筒形状の開口(m’)の形状と同じ断面形状であり、
ディスタンス・ピース(9’)にはスプロケット(11)が組み付けられ、
スプロケット(10)とスプロケット(5)には無端チェーン(12)が掛けられ、
レール(2)に面する側のチェーン(12)は、上側搬送アーム(13)及び下側搬送アーム(23)を有し、
スプロケット(11)とスプロケット(5’)には、無端チェーン(12’)が掛けられ、
レール(2’)に面する側のチェーン(12’)は、上側搬送アーム(13’)及び下側搬送アーム(23’)を有し、
組み立てられたときの上側搬送アーム(13)のB軸の位置と、上側搬送アーム(13’)の軸の位置とは同じであり(Fig. 1c')、
組み立てられたときの下側搬送アーム(23)のZ-Z軸の位置と、下側搬送アーム(23’)の軸の位置は同じであり、
可動パネル(D)は、
下端パネル用ディスタンス・ピース(bM)がその両側部に組み付けられた下端パネル(E)(Fig. 7)と、
中間パネル(F)がその両側部に組み付けられた複数の中間パネル(F)と、
上端パネル用ディスタンス・ピース(M)がその両側部に組み付けられた上端パネル(G)と、を有し、
前記格納式仕切壁は、その組み立てステップ/動作ステップとして、
第1のステップとして、敷地内の壁や柱などに、左側パネルレール(A)、右側パネルレール(B)、及び駆動ユニット(C)が設置され、
無負荷時のモーター(7)は、多角形状の頭部を有するその軸が自由に回転し、
チェーン(12,12’)が、スプロケット(10,5)と、スプロケット(11,5’)にそれぞれ掛けられ、下側搬送アーム(23,23’)がそれぞれ、スプロケット(10,11)付近の、レール(2,2’)に面する側に配置され、
第2のステップとして、収容パネル(3,3’)の、「F」の文字の水平な分岐を構成する2本の溝に対して同時に下端パネル(E)がはめ込まれ、このとき、左側収容パネル(3)及び右側収容パネル(3’)の両方に対して、まず長ボルト(17)のベアリング(21)が溝(a)にはめ込まれ、そして短ボルト(16)のベアリング(21)が溝(as)にはめ込まれ、
またこのとき、Dis>p(Fig. 6”,Fig. 3.1,Fig. 4.1)であることにより、組み立てられた下端パネル(E)は斜めに配置され、
下端パネル(E)は、2つの収容パネル(3,3’)のレールに設けられた重力落下角度βにより溝に沿って滑り、面板(24,24’)の係合溝(cm,cm’)内の下側搬送アーム(23,23’)により係止され、
下側搬送アーム(23,23’)は係合溝(cm,cm’)内を自由に移動し、
中間パネル(F)も同じ方法で一つずつ組み付けられ、
最後に上端パネル(G)が組み付けられ(Fig. 2a,Fig. 2b)、
第3のステップとして、下端パネル(E)を垂直レール(2,2’)に沿って下げられるところまで自重で自由に滑らせ、
最初の中間パネル(F)は、その両端に設けられた一対の中間パネル用ディスタンス・ピース(M)で自身を下端パネル(E)のスライドブロック20上に位置付けて滑動し、
スライドブロック(20)はバネ(19)の力で、下端パネル(E)(Fig. 5,Fig. 6”)の上部に設けられた位置決めボルト(15)からLmd+dep(Lmd + dep > hpan + hb)の距離で中間パネル(F)を遠ざけ、
最初の中間パネル(F)の降下動作に連続し、次の中間パネル(F)が、その両端に設けられた一対の中間パネル用ディスタンス・ピース(M)で自身を下端パネル(E)のスライドブロック(20)上に位置付けて滑動し、
上記2つの中間パネルの重さにより、最初の中間パネル(F)の孔(o)が下端パネルの上部に組み付けられた位置決めボルト(15)に嵌まり、
一方、最初の中間パネル(F)のディスタンス・ピースのスライドブロック(20)は、スプリング(19)により、次の中間パネル(F)を、最初の中間パネル(F)の上部に設けられた位置決めボルト(15)から同じくLmd+dep(Lmd + dep > hpan + hb)の距離で遠ざけ、
上端パネル(G)が垂直になると、特殊モーター(7)が始動し、駆動ユニット(C)の各部を介してチェーン(12,12’)と上側搬送アーム(13,13’)を駆動し、
これにより上側搬送アーム(13,13’)が上端パネル用ディスタンス・ピース(M)の顎部(26)に接触し、これを、この最後のディスタンス・ピースのバネ(20)が完全に圧縮されるまでパネル(F)の方向(Fig. 12.1)に押し下げることで、i)上端パネル(G)の一つ下のパネルの位置決めボルト(15)による上端パネル(G)の位置決めを確実にし、ii)最後のベアリングが収容パネル(3,3’)の溝(as,as’)の垂直部分、言い換えると溝(a,a’)の範囲eの垂直部分から外に出ないよう、alpha>0(少なくとも2-3cm)という条件(Fig. 12.1)で、格納式壁全体を堅く締め、
この配置において、搬送アーム(23,23’)と、面板(24,24’)の溝(cm,cm’)の肩部との隙間は数センチあり、
そしてモーター7が電子的なコマンドにより停止し、
パネルを格納する際には、モーター(7)を始動してチェーン(12,12’)を同時に駆動し、
上側搬送アーム(13,13’)が上端パネル用ディスタンス・ピース(M)の顎部(26)の押下を停止してバネ(19)を開放し、
これによりスライドブロック(20)が上端パネル(G)を持ち上げ、これを位置決めボルト(15)から外し、
下側搬送アーム(23,23’)が係合溝(cm,cm’)の肩部に至り、その上の全てのパネルを上方へ持ち上げ、
上端パネル(G)が左側収容パネル(3)及び右側収容パネル(3’)に入ると、次の中間パネル(F)がその下の中間パネルの位置決めボルト(15)から外れて、左側収容パネル(3)及び右側収容パネル(3’)に収納され、
全格納式パネルの上部への収納は、下端パネル(E)の長ボルト(17)のベアリング(21)が、頂部(b)から下方へ距離dfin(dfin > 0)の位置に達したときに完了し、頂部(b)は、左側収容パネル(3)及び右側収容パネル(3’)の「F」の文字の下側の溝の上部にあることを特徴とする。
【請求項2】
請求項1に記載の中間パネル(F)であって、該中間パネル(F)は、
長さがlpan、高さがhpan、厚みがgpanのパネル(14)を有し、
パネル(14)は、その上面と下面の両方における、その長手方向の両端からそれぞれ距離tの位置と、その中心とに、深さaoの孔(an unfair hole)(o)を有し、
位置決めボルト(15)はパネル上部の孔(o)にのみ組み付けられ、
位置決めボルト(15)は、そのいくつかがパネル(14)上部の開口に固定され、高さhp方向における自由端側は、次のパネルがあるときは、面取り部(to)に補助され、次のパネルの底部にある深さao(ao > bh)の孔(o)に誘導および挿入され、
各パネル(F)の両側面には、高さhpan方向における両端からそれぞれ距離x(Fig. 5)の位置に2つの開口(or)があり、開口(or)には、中間パネル用ディスタンス・ピース(ME)のボルト(16,17)が隙間なく挿入され、
中間パネル用ディスタンス・ピース(M)をパネル(14)の左右に有する中間パネル(F)は、組み付け後、短ボルト(16)のベアリング(21)を深さa2の溝(as,as’)に、長ボルト(17)のベアリング(21)を深さa1の溝(a,a’)に沿わせてスライドし、
中間ディスタンス・ピースMは、長さがLmd、幅がlmd(lmd > gpan)の一対の対称な側部(18,18’)と、非圧縮時の長さがlarc、圧縮時の長さがlcompの圧縮バネ(19)と、スライドブロック(20)と、ベアリング(21)が固定された短ボルト(16)、及び他のベアリング(21)が固定された長ボルト(17)と、により構成され、
対称な側部(18,18’)はそれぞれ、複数の開口(ot)と、肩部(um)まで延びる滑り溝(cu)と、を有し、
スライドブロック(20)は、
長さがlcan、そして幅が短ボルト(16)の直径に等しい縦方向の溝(cln)と、
組み立て時に滑り溝(cu)に差し込まれ、スライドブロック(20)にバネ(19)の反発力を作用させる伸張部(pre)と、を有し、
組み立てられた対称な側部(18,18’)、圧縮バネ(19)、及びスライドブロック(20)は、共通のネジ(22)で固定され、
ボルト(16,17)は開口(ot)に差し込まれ、これらボルトには、ベアリング(21)が隙間無く組み付けられることを特徴とする。
【請求項3】
請求項1又は請求項2に記載の下端パネル(E)であって、該下端パネル(E)は、
下端パネル用ディスタンス・ピース(M)をその両端に有する点で中間パネルと異なっており、
下端パネル用ディスタンス・ピース(M)は、ボルト(16,17)の間にネジ(22)で組み付けられた同一形状の二つの小さな面板(24,24’)を有する点で、中間パネル用ディスタンス・ピース(M)と異なっており、これら面板(24,24’)がそれぞれ係合溝(cm,cm’)を有することを特徴とする。
【請求項4】
請求項1又は請求項2に記載の上端パネル(G)であって、該上端パネル(G)は、
上端パネル用ディスタンス・ピース(M)をその両端に有する点で中間パネルと異なっており、
上端パネル用ディスタンス・ピース(M)は、スライドブロック(20)にネジボルト(25)で顎部(26)が組み付けられている点で、中間パネル用ディスタンス・ピース(M)とは異なっていることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、居住空間の間仕切りや車庫の扉として使用される格納式の壁に関する。
【背景技術】
【0002】
住宅用アパートの部屋を仕切る手段としてガラス製の仕切壁がすでに存在する。これは、木製または金属製の枠体を有するガラスパネルで作られた内壁である。このような内壁は、これを開閉するために貴重なスペースが奪われるというだけでなく、防音機能もないため、親密な会話ができないという不便さがある。
【0003】
US2008209827特許の分野には、部屋の間仕切りに用いられる他の着脱式の仕切壁が開示されている。この仕切壁は、壁部材と、壁の頂部に所定間隔で設けられ、壁の頂部と天井との間に配置されたレールを押す複数の突っ張り部材と、壁の底部に所定間隔で設けられ、壁の底部と床面との間に配置されたレールを押す複数の追加的な突っ張り部材とを有している。この仕切壁は、室内の任意の場所に、一時的に、安全かつ強固に配置され、その後、天井や、床、壁にこれといった損傷を与えることなく取り外すことができる。この仕切壁の構造は、i)屋内でしか使用できず、ii)設置や撤去に長時間を要し、iii)各部を畳んだ後で追加の収納スペースが必要であり、iv)防音構造ではない、という欠点がある。
【0004】
また、他の横引きの車庫扉も知られており、こちらはUS2017328105特許の範囲を構成している。この車庫扉は複数のパネルで構成されており、これらパネルは隣接するパネルの側端に回動可能に接続されている。これら複数のパネルは上端のレールに吊り下げられており、レールは、第1直線部、次に曲線部、そして第2直線部を有している。第1直線部の第1端には電気モーターが、第1パネルには張力調整機構が、第1直線部の第2端には歯車機構が配置されている。電気モーター、歯車機構、及び張力調整機構は連結バンドによって接続され、レールの長さ方向に沿ってループを形成している。モーターが連結バンドを駆動することで、複数のパネルは、パネルの大部分が第1直線部に支持される閉位置と、パネルの大部分が第2直線部に支持される開位置との間を移動する。この車庫扉の欠点は、i)扉を構成するパネルを、事実上、第2直線部のスペースの壁に平行な壁にすることで車庫を開いており、ii)遮音世や断熱性がないことである。
【0005】
他には、複数の水平パネルで構成される車庫扉機構が知られている。これらの水平パネルは、バネとカウンターウェイトにより手動または電力で駆動され、一対の平行なガイドに滑り込む。ガイドは車庫の天井に設置され、持ち上げられたパネルは車庫の天井を滑っていく。この車庫扉の欠点は、i)ガイドが壁と天井面に常に見えており、パネルを天井に格納する際に必要となる追加の収納スペースが美観を損なうこと、ii)屋内施設には採用できないこと、iii)遮音性がないことである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】US2017/328105A1
【特許文献2】US2008/209827A1
【特許文献3】特開2004-278060号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は以下の技術的課題を解決する。
i)屋内および屋外で使用可能であり、収納時には天井に配置された横梁のように見え、展開時には壁として機能する格納式仕切壁の設置
ii)屋内で使用され、収納時には天井に張り付いた横梁のように見え、展開時には壁として、又は車庫扉として機能するよう考案された格納式仕切壁の設置
iii)電子制御により作動し、電力障害時には手動で動作するように考案された格納式仕切壁の設置
【発明の効果】
【0008】
本発明の利点は、屋内の壁としても、屋外の壁としても、車庫扉としても、据え付け後、各部を積み重ねるための追加の収納スペースを必要としないこと、防音構造・断熱構造であること、据え付け後、電子制御または手動での操作が可能であり、その格納・展開には最小限の労力しか必要とせず、又は一切の労力を必要とせず、状況によっては、展開することで投影スクリーンとして、又は広告面として使用することができること、などである。次に、本発明の実施形態を以下の図面を参照しながら説明する。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】fig. 1:格納式可動壁の分解斜視図である。
図2】fig. 1.2:組み立てられた格納式仕切壁の構造を示す等角斜視図である。fig. 1.3:格納式仕切壁のパネルの重ね方の詳細を示すW部分の拡大図である。
図3】fig.1 a’:駆動ユニットの右側端部の分解等角図である。fig.1 a”:組み立てられた駆動ユニットの右側端部の等角図である。
図4】fig.1 b’:駆動ユニットの左側端部の分解等角図である。fig.1 b":組み立てられた駆動ユニットの左側端部の等角図である。
図5】fig. 1c
図6】fig. 2a:組み立てられた左側パネルレールの正面図である。fig. 2b:組み立てられた右側パネルレールの正面図である。
図7】fig. 2a’:組み立てられた左側パネルレールのブライドルの等角図である。
図8】fig. 2b':組み立てられた右側パネルレールのブライドルの等角図である。
図9】fig. 3.1:左側収納パネルの正面図である。fig. 3.2:左側収納パネルをX方向から見た図である。fig. 3.3:スロットの形状を補足説明する左側収容パネルの等角図である。
図10】fig. 4.1:右側収容パネルの正面図である。fig. 4.2:右側収容パネルをY方向から見た図である。fig. 4.3:スロットの形状を補足説明する右側収容パネルの等角図である。
図11】fig. 5:組み立てられた中間パネルの図とその細部である。
図12】fig. 6,fig. 6’:組み立てられた中間パネル用ディスタンス・ピースの等角図である。
図13】fig. 6”:組み立てられた中間パネル用ディスタンス・ピースの等角図である。
図14】fig. 7:組み立てられた下端パネル用ディスタンス・ピースの等角図である。
図15】fig. 8:組み立てられた上端パネル用ディスタンス・ピースの等角図である。
図16】fig. 9.1,fig. 9.1’,fig. 9.2,fig. 9.2’,fig. 9.3,fig. 9.3’,fig. 9.3”,fig. 9.4:組み立ての各段階とその細部の図である。
図17】fig. 9.5,fig. 9.6,fig. 9.6’,fig. 9.7,fig. 9.7’,fig. 9.7”:組み立ての各段階とその細部の図である。
図18】fig. 10:パネルが完全に持ち上げられたときの細部の状態を示す等角図である。
図19】fig. 11:手動操作機構の細部を示す等角図である。
図20】fig. 12.1,fig. 12.2:f alpha > 0 の設置条件における、展開済み格納式壁の上端部分の細部を示す等角図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明によれば、垂直格納式可動壁システムは、敷地内の平行な一対の壁に取り付けられ、敷地内において左側となる壁にダボやネジなど公知の固定具により固定される左側パネルレールであるAと、左側パネルレールAと対になり、敷地内において右側となる壁にダボやネジなど公知の固定具により固定される右側パネルレールであるBと、駆動機構であるCと、複数の可動パネルであるDと、により構成される(fig. 1.1,fig. 1.2,fig. 1.3)。左側パネルレールA(fig. 2a, fig. 2a’)は、左側の壁の根元に固定された左側ブライドル(bridle)1と、高さがhc、幅がlc、厚みがgcであり、深さがa1(a1 < gc)の溝aを有し、左側ブライドル1上に載せられ、これに固定される垂直なレール2と、高さがhp、幅がlp、厚みがgp(gp = gc)であり、レール2の上にレール2から続き、敷地の天井に接する、左側収容パネル3(fig. 3.1,fig .3.2,fig. 3.3)と、により構成されている。左側収容パネル3にはF形状の溝が形成されており、「F」の文字の下方への分岐はa1と同じ深さで垂直レール2の溝aに垂直に連続している。溝aから垂直に連続する部分と「F」の上端の分岐は、gpと同じ幅であるが深さがa2(a2 < a1)の溝であるasを構成している。
【0011】
「F」の文字の水平な分岐を構成する2本の溝は、垂直な溝から半径rcで連続し、「重力落下角度」とも呼ばれる傾斜角βで延びるスロープである。これら2本の溝は垂直方向に間隔p離れている。
【0012】
左側収容パネル3の底辺から頂部bまでの距離をeで示す。頂部bは、「F」の文字の、深さa1の下側の溝の上部と、深さa2で続く左側の溝との間にある。垂直レール2の深さa1の溝aは、高さhbの左側ブライドル1内に下方へ深さab(ab ≦ hb)まで続いている。左側ブライドル1の前端には切削溝c及び穴dが設けられ、そこにはチェーン(Gall chain)用のスプロケット5が軸4に組み付けられる。
【0013】
左側収容パネル3は矩形状の開口mを有している。開口mは、左側ブライドル1の穴dの中心から上方に延びる垂直線上における、左側収容パネル3の底辺から距離mdの位置に形成されている。
【0014】
左側パネルレールAと対になる右側パネルレールB(fig. 2b,fig. 2b’)は、右側の壁に根元に固定された右側ブライドル1’と、高さがhc、幅がlc、厚みがgcであり、深さがa1(a1 < gc)の溝a’を有し、右側ブライドル1’上に載せられ、これに固定される垂直なレール2’と、高さがhp、幅がlp、厚みがgp(gp = gc)であり、レール2’の上にレール2’から続き、敷地の天井に接する右側収容パネル3’(fig. 4.1,fig. 4.2,fig. 4.3)と、により構成されている。右側収容パネル3’には「逆F形状」の溝が形成されており、「逆F」の文字の下方への分岐はa1と同じ深さで垂直レール2’の溝a’に垂直に連続している。溝a’から垂直に連続する部分と「逆F」の上端の分岐は、gpと同じ幅であるが深さがa2(a2 < a1)の溝であるas’を構成している。
【0015】
「逆F」の文字の水平な分岐を構成する2本の溝は、垂直な溝から半径rcで連続し、「重力落下角度」とも呼ばれる傾斜角βで延びるスロープである。これら2本の溝は垂直方向に間隔p離れている。
【0016】
右側収容パネル3’の底辺から頂部b’までの距離をeで示す。頂部b’は、「逆F」の文字の、深さa1の下側の溝の上部と、深さa2で続く溝as’の左側の溝との間にある。
【0017】
垂直レール2’の深さa1の溝a’は、高さhbの右側ブライドル1’内に下方へ深さab(ab ≦ hb)まで続いている。右側ブライドル1’の前端には切削溝c’及び穴d’が設けられ、そこにはスプロケット5と同一のチェーン用スプロケット5’が軸4’に組み付けられる。
【0018】
右側収容パネル3’は矩形状の開口m’を有している。開口m’は、右側ブライドル1’の穴d’の中心から上方に延びる垂直線上における、右側収容パネル3’の底辺から距離mdの位置に形成されている。
【0019】
駆動ユニットC(Fig. 1a’,Fig. 1a”,Fig. 1b’,Fig. 1b”,Fig. 2a’,Fig. 2b’,Fig.5)は、例えば八角形などの多角形状の筒6を有し、筒6の左側の端部には特殊モーター7が挿入される。特殊モーター7は、その右側の端部に例えば八角形などの多角形状の頭部を有する軸8を備えている。軸8は、筒の表面に描かれた限界マーク(a limiting impression)uまでの範囲で筒6に差し込まれる。モーター7が筒6の左側の端部に挿入された後、ディスタンス・ピース9がはめ込まれる。ディスタンス・ピース9の外側には筒6の断面(section)があり、内側には、僅かに隙間を空けてモーターの外径が収まる。スプロケット10はディスタンス・ピース9に組み付けられる。矩形状の開口mの形状と同じ断面形状の頭部bbは、モーター7の左側端部においてケース(encasing)に軸方向に配置される。開口mは左側収容パネル3に形成されている。
【0020】
筒6の右側の端部には、ディスタンス・ピース9が差し込まれる。ディスタンス・ピース9は、その外側に筒の断面(section)があり、その自由端に、軸線方向に延びる円筒形状の頭部ccを有する。頭部ccは、右側収容パネル3’に形成された円筒形状の開口m’の形状と同じ断面形状である。ディスタンス・ピース9’にはスプロケット11が組み付けられる。
【0021】
スプロケット10とスプロケット5には、無端チェーン12が掛けられる。レール2に面する側のチェーン12は、上側搬送アーム13及び下側搬送アーム23を有し、これらは距離lbの間隔を空けて配置されている。
【0022】
スプロケット11とスプロケット5’には、無端チェーン12’が掛けられる。レール2’に面する側のチェーン12’は、上側搬送アーム13’及び下側搬送アーム23’を有し、これらは距離lbの間隔を空けて配置されている。
【0023】
組み立て品では、上側搬送アーム13の軸(Y-Y軸)の位置と、上側搬送アーム13’の軸の位置は同じである(Fig. 1c’)。
【0024】
また、下側搬送アーム23の軸(Z-Z軸)の位置と、下側搬送アーム23’の軸の位置も同じである。
【0025】
可動パネルD(Fig. 2a,Fig. 2b)は、下端パネルE、複数の中間パネルF、及び上端パネルGにより構成される。
【0026】
中間パネルF(Fig. 5,Fig. 6,Fig. 6’,Fig. 6")は、長さがlp、高さがhp、厚みがgpのパネル14で構成され、パネル14は、その上面と下面の両方における、その長手方向の両端からそれぞれ距離tの位置と、その中心とに、深さaoの孔(an unfair hole)oを有している。パネル上部の開口にのみ位置決めボルト(orientation bolts)15が組み付けられ、位置決めボルト15は、そのいくつかがパネル14上部の開口に固定され、高さhp方向における自由端側は、次のパネルがあるときは、面取り部toに補助され、次のパネルの底部にある深さag(ag > bh)の孔oに誘導および挿入される。各パネルFの両側面には、高さhp方向における両端からそれぞれ距離x(Fig. 5)の位置に2つの開口orがあり、開口orには、中間パネル用ディスタンス・ピースMのボルト16,17が隙間なく挿入される。中間パネル用ディスタンス・ピースMをパネル14の左右に有する中間パネルFは、組み付け後、短ボルト16のベアリング21を深さa2の溝as,as’に、長ボルト17のベアリング21を深さa1の溝a,a’に沿わせてスライドする。
【0027】
下端パネルEは、中間パネルとは、下端パネル用ディスタンス・ピースM(Fig. 7)をその端部に有する点でのみ異なっている。
【0028】
上端パネルGは、中間パネルとは、上端パネル用ディスタンス・ピースMG(Fig. 8)をその端部に有する点でのみ異なっている。
【0029】
中間ディスタンス・ピースM(Fig.6,Fig, 6’,Fig.6")は、長さがLmd、幅がlmd(lmd > gp)の一対の対称な側部(18,18’)と、非圧縮時の長さがlarc、圧縮時の長さがlcompの圧縮バネ(19)と、スライドブロック(20)と、ベアリング(21)が固定された短ボルト(16)、及び他のベアリング(21)が固定された長ボルト(17)と、により構成される。対称な側部(18,18’)はそれぞれ、複数の開口(ot)と、肩部(um)まで延びる滑り溝(cu)と、を有する。スライドブロック(20)は、長さがlcan、そして幅が短ボルト(16)の直径に等しい縦方向の溝(cln)と、組み立て時に滑り溝(cu)に差し込まれ、スライドブロック(20)にバネ(19)の反発力を作用させる伸張部(pre)と、を有する。
組み立てられた対称な側部(18,18’)、圧縮バネ(19)、及びスライドブロック(20)は、共通のネジ(22)で固定される。ボルト(16,17)は開口(ot)に差し込まれ、これらボルトには、ベアリング(21)が隙間無く組み付けられる。
【0030】
下端パネル用ディスタンス・ピース(M)(Fig. 7)は、ボルト(16,17)の間にネジ(22)で組み付けられた同一形状の二つの小さな面板(24,24’)を有する点で、中間パネル用ディスタンス・ピース(M)とは異なっている。これら面板(24,24’)はそれぞれ係合溝(cm,cm’)を有している。
【0031】
上端パネル用ディスタンス・ピース(M)(Fig. 8)は、スライドブロック(20)にネジボルト(25)で顎部(26)が組み付けられている点で、中間パネル用ディスタンス・ピース(M)とは異なっている。
【0032】
第2の実施形態では、駆動ユニットCが手動操作機構H(fig. 11)により補完されている。手動操作機構Hは、モーター7が電力障害により停止したときに用いられる。手動操作機構Hは、例えば収容パネル3,3’のいずれかに設置される。手動操作機構Hは、チェーン12,12’が掛けられたスプロケット28と、その傍らに設けられたウォーム29とが収容される箱27を備えている。ウォーム29は箱27に固定され、レバー30によって駆動される。手動操作機構Hは、モーター7が駆動している間は切断される。手動操作機構Hを操作するときはモーター7は切断されるべきである。
【0033】
第3の実施形態では、駆動ユニットCは手動操作機構Hでのみ作動する。
【0034】
以下、組み立て方法について説明する(Fig. 9.1,Fig. 9,1’,Fig. 9.2,Fig. 9.2’,Fig. 9.3,Fig. 9.3',Fig. 9.3”,Fig. 9.4,Fig. 9.5,Fig. 9.6,Fig. 9.6',Fig. 9.7,Fig. 9.7',Fig. 9.7”)。
【0035】
まず、敷地内の壁や柱などに、左側パネルレールA、右側パネルレールB、及び駆動ユニットCを設置する。無負荷時の特殊モーター7は、多角形状の頭部を有するその軸が自由に回転する。チェーン12,12’が、スプロケット10,5と、スプロケット11,5’にそれぞれ掛けられ、下側搬送アーム23,23’がそれぞれ、スプロケット10,11付近の、レール2,2’に面する側に配置される。
【0036】
次に、収容パネル3,3’の、「F」の文字の水平な分岐を構成する2本の溝に対して同時に下端パネルEがはめ込まれる。このとき、左側収容パネル3及び右側収容パネル3’の両方に対して、まず長ボルト17のベアリング21が溝aにはめ込まれ、そして短ボルト16のベアリング21が溝asにはめ込まれる。Dis>p(Fig. 6”,Fig. 3.1,Fig. 4.1)であることにより、組み立てられた下端パネルEは斜めに配置される。2つの収容パネル3,3’のレールに設けられた重力落下角度βにより、下端パネルEは溝に沿って滑り、面板24,24’の係合溝cm,cm’内の下側搬送アーム23,23’により係止される。下側搬送アーム23,23’は係合溝cm,cm’内を自由に移動する。中間パネルFも同じ方法で一つずつ組み付けられ、最後に上端パネルGが組み付けられる(Fig. 2a,Fig. 2b)。
【0037】
そして次に、下端パネルEを垂直レール2,2’に沿って下げられるところまで自重で自由に滑らせる。最初の中間パネルFは、その両端に設けられた一対の中間パネル用ディスタンス・ピースMで自身を下端パネルEのスライドブロック20上に位置付け、滑動する。スライドブロック20はバネ19の力で、下端パネルE(Fig. 5,Fig. 6”)の上部に設けられた位置決めボルト15からLmd+dep(Lmd + dep > hp + hb)の距離で中間パネルFを遠ざける。
【0038】
最初の中間パネルFの降下動作に連続し、次の中間パネルFが、両端に設けられた一対の中間パネル用ディスタンス・ピースMで自身を下端パネルEのスライドブロック20上に位置付け、滑動する。上記2つのパネルの重さにより、最初の中間パネルFの孔oが下端パネルの上部に組み付けられた位置決めボルト15に嵌まる。一方、最初の中間パネルFのディスタンス・ピースのスライドブロック20は、スプリング19により、次の中間パネルFを、最初の中間パネルFの上部に設けられた位置決めボルト15から同じくLmd+dep(Lmd + dep > hp + hb)の距離で遠ざける。
【0039】
上端パネルGが垂直になると、特殊モーター7が始動し、駆動ユニットCの各部を介してチェーン12,12’と上側搬送アーム13,13’を駆動する。そして上側搬送アーム13,13’は上端パネル用ディスタンス・ピースMの顎部26に接触し、これを、この最後のディスタンス・ピースのバネ20が完全に圧縮されるまでパネルFの方向(Fig. 12.1)に押し下げる。これは、i)上端パネルGの一つ下のパネルの位置決めボルト15による上端パネルGの位置決めを確実にし、ii)最後のベアリングが収容パネル3,3’の溝as,as’の垂直部分、言い換えると溝a,a’の範囲eの垂直部分から外に出ないよう、alpha>0(少なくとも2-3cm)という条件(Fig.12)に従い、格納式壁全体を堅く締めるためである。この配置において、搬送アーム23,23’と、面板24,24’の溝cm,cm’の肩部との隙間は数センチあり、モーター7は電子的なコマンドにより停止する。
【0040】
パネルを格納するには、モーター7を始動し、チェーン12,12’を同時に駆動する。上側搬送アーム13,13’は上端パネル用ディスタンス・ピースMの顎部26の押下を停止し、バネ19を開放する。これによりスライドブロック20が上端パネルGを持ち上げ、これを位置決めボルト15から外す。下側搬送アーム23,23’は係合溝cm及びcm’の肩部に至り、その上の全てのパネルを上方へ持ち上げる。
【0041】
上端パネルGが左側収容パネル3及び右側収容パネル3’に入ると、次の中間パネルFがその下の中間パネルの位置決めボルト15から外れ、左側収容パネル3及び右側収容パネル3’に収納される。
【0042】
壁上部への全パネルの収納は、下端パネルEの長ボルト17のベアリング21が、頂部bから下方へ距離dfin(dfin > 0)の位置に達したときに完了する(Fig. 1.1,fig. 1.2,Fig. 1.3,Fig. 10)。頂部bは、左側収容パネル3及び右側収容パネル3’の「F」の文字の下側の溝の上部にある。

図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
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図15
図16
図17
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図19
図20
【国際調査報告】