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特表2022-520167ブラシアセンブリとブラシの製造方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-03-29
(54)【発明の名称】ブラシアセンブリとブラシの製造方法
(51)【国際特許分類】
   A45D 34/04 20060101AFI20220322BHJP
【FI】
A45D34/04 510A
A45D34/04 515A
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021544799
(86)(22)【出願日】2020-03-13
(85)【翻訳文提出日】2021-07-30
(86)【国際出願番号】 US2020022597
(87)【国際公開番号】W WO2020186151
(87)【国際公開日】2020-09-17
(31)【優先権主張番号】62/817,701
(32)【優先日】2019-03-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/825,286
(32)【優先日】2019-03-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】521338868
【氏名又は名称】サンダーソン-マクラウド インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】SANDERSON-MACLEOD,INC.
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
(74)【代理人】
【識別番号】100142907
【弁理士】
【氏名又は名称】本田 淳
(72)【発明者】
【氏名】ボルサーリ、マーク
(72)【発明者】
【氏名】ターリング、クリス
(57)【要約】
ブラシを製造する方法は、近位端及び遠位端と、遠位端に一体の先端を有するコアワイヤ部を与える工程と、貫通ボアを有する剛毛要素を形成する工程と、剛毛要素がコアワイヤ部に受承されるまでコアワイヤ部を貫通ボアに挿入する工程とを備える。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ブラシにおいて、
近位端及び遠位端と、前記遠位端に形成された一体型先端とを有するコア部と、
前記コア部に摺動可能に受け取られた少なくとも1つの剛毛要素とを有する、ブラシ。
【請求項2】
前記一体型先端が、少なくとも1つの剛毛要素がコア部の遠位端から滑り落ちることを防止する位置ストップを形成する、請求項1に記載のブラシ。
【請求項3】
前記コア部は、らせん構造に互いに撚回されている少なくとも2つの脚部材を有する、請求項2に記載のブラシ。
【請求項4】
前記一体型先端が概ね球形をなす、請求項3に記載のブラシ。
【請求項5】
前記一体型先端が、前記コア部の直径よりも大きい直径を有する、請求項4に記載のブラシ。
【請求項6】
前記一体型先端及びコア部が均質である、請求項5に記載のブラシ。
【請求項7】
前記コア部が金属又は金属合金からなる、請求項1に記載のブラシ。
【請求項8】
前記少なくとも1つの剛毛要素は、ブラシヘッドを画成する複数のディスクである、請求項1に記載のブラシ。
【請求項9】
前記コア部は、らせん構造に撚回された複数の脚部分と、前記複数の脚部分の間に固定された複数の繊維剛毛とを備え、
前記複数のディスクは、複数の繊維剛毛の周りで受け取られる結果、複数の繊維剛毛は、コア部に相対する複数の繊維剛毛の回転及び軸方向の動きを阻害する、請求項8に記載のブラシ。
【請求項10】
前記ブラシヘッドは、前記コア部の一部を湾曲すること、及び複数のディスクをトリミングすることの少なくとも1つによって形作られる、請求項9に記載のブラシ。
【請求項11】
前記少なくとも1つの剛毛要素が、複数の剛毛を有する、付加的に製造又は成形された剛毛要素である、請求項1に記載のブラシ。
【請求項12】
前記剛毛ブロックは、前記コア部の一部を湾曲することによって形作られる、請求項8に記載のブラシ。
【請求項13】
ブラシを製造する方法において、
近位端及び遠位端と、前記遠位端にある一体型先端とを有するコア部を与える工程と、
前記コア部上に少なくとも1つの剛毛要素を配置する工程であって、前記少なくとも1つの剛毛要素は、前記コア部が貫通する貫通孔を有する、少なくとも1つの剛毛要素を配置する工程とを備え、
前記一体型先端は、少なくとも1つの剛毛要素がコア部の遠位端から滑り落ちることを防止する位置ストップを形成する、ブラシを製造する方法。
【請求項14】
前記少なくとも1つの剛毛要素が、付加的に製造又は成形される、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記コア部は、らせん構造に撚回された複数の脚部分を備え、
前記少なくとも1つの剛毛要素は、複数のディスク要素である、請求項13に記載の方法。
【請求項16】
前記コア部が、複数の脚部分の間に固定された複数の剛毛を有し、
前記複数の剛毛は、前記コア部上の複数のディスク要素の軸方向及び回転方向の動きを阻害する、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記コア部上に少なくとも1つの剛毛要素を配置した後、前記コア部に屈曲又は湾曲させる工程をさらに備える、請求項13に記載の方法。
【請求項18】
前記コア部上に前記少なくとも1つの剛毛要素を配置した後、少なくとも1つの剛毛要素をトリミングする工程をさらに備える、請求項13に記載の方法。
【請求項19】
ブラシにおいて、
らせん構造に撚回された複数の脚部分と、前記複数の脚部分の間に固定された複数の繊維剛毛とを有するコア部と、
前記コア部で受け取られる複数のディスク要素とを備え、
前記複数の繊維剛毛は、前記複数の繊維剛毛が複数のディスク要素と相互作用して、前記複数のディスク要素の前記コア部に相対する回転を抑制するように構成される、ブラシ。
【請求項20】
前記コア部の遠位端に形成された一体型先端であって、コア部が受け入れられる複数のディスク要素のそれぞれの開口の直径よりも大きい直径を有する、前記一体型先端を備え、その結果、前記一体型先端は、前記複数のディスク要素が前記コア部の遠位端から滑り落ちることを防止する位置ストップを形成する、請求項19に記載のブラシ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ブラシ一般、より詳細には、ツイストワイヤコアを有するブラシ、及びツイストワイヤコアを有するブラシを成形又は形成する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ブラシは、容器や管状体の内面の洗浄、生物学的標本やサンプルの収集、マスカラなどのパーソナルケア製品の組成物の塗布など、様々な目的で長期間にわたり使用されてきた。ユーザのまつげにマスカラを塗布するために使用されるブラシに関して、そのようなブラシは、容器からマスカラの供給物を拾い上げて輸送し、それをユーザのまつげに堆積させることができなければならない。さらに、そのようなブラシはまた、マスカラが均一に塗布されるように、余分なマスカラの塊をとかし、まつ毛を分離することができなければならない。
【0003】
マスカラブラシの公知の種類の1つは、ツイストインワイヤブラシであり、これは通常、一対の平行なワイヤセグメントを提供するために、概ねU字型の構成に折りたたまれた単一の金属ワイヤから形成されたコアを含む。通常ナイロンのストランドで構成される剛毛(フィラメント又はファイバーとも呼ばれる)は、ワイヤセグメントの一定長さの一部の間に配置される。次に、ワイヤセグメントは、フィラメントを実質的にそれらの中間点に保持してそれらを把持するらせんコア(ツイストワイヤコアとしても公知)を形成するために、互いに対して撚回、又は回転される。このようにして、剛毛部分又は剛毛ヘッドは、ヘリカル状、すなわち、らせん状にねじれたワイヤコアに固定され、径方向に延びる剛毛から形成される。この工法は、ブラシの長さに沿って均一な剛毛特性を有する典型的な剛毛タイプのアプリケータ(すなわち、ツイストワイヤコアブラシ)を形成するのに非常に適している。ただし、ブラシの長さに沿って一定又は不規則な間隔で変化する剛毛特性を備えたブラシを一貫して形成するには適していない。
【0004】
別の公知の種類のマスカラブラシは、ディスクアレイ又はスタックディスクアプリケータブラシであり、これは通常、棒状のワンド又は中央シャフトに沿って軸方向のアレイに配置された可撓性ディスクのアレイを含む。ディスクは、様々な構成で個別に形成し、様々な組み合わせで組み立てて、様々な特性を持つアプリケータを生成することができる。このようなブラシの中心シャフトは、通常、成形などによってポリマー又はプラスチックから形成される。しかしながら、そのようなディスクアレイのアプリケータブラシは、従来のファイバブラシができるように組み立て後に成形又はトリミングすることができないため、ブラシのカスタマイズの能力が制限される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記を考慮して、公知のツイストインワイヤブラシ及びスタックディスクアレイブラシの利点を組み合わせ、現在当該技術分野に存在するよりも、幅広い形状及び構成を提供し、及び/又は製造が容易なブラシアセンブリ又はブラシ構造が必要である。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記を考慮して、本発明の目的は、ブラシを提供することにある。
本発明の別の目的は、積み重ねられたディスクブラシを提供することである。
本発明のさらなる目的は、一体型の先端を有する積み重ねられたディスクブラシを提供することである。
【0007】
本発明のさらなる目的は、従来のファイバブラシのように成形、トリミング、又は変形することができる、積み重ねられたディスクブラシを提供することである。
本発明のさらに別の目的は、ツイストワイヤコアと、ワイヤコア上に受け入れられた成形又は付加的に製造された剛毛要素とを有するブラシを提供することである。
【0008】
本発明の一実施形態によれば、ブラシは、近位端及び遠位端を有するコア部と、遠位端に形成された一体型先端と、コア部に摺動可能に受け入れられる少なくとも1つの剛毛要素とを有する。
【0009】
本発明の別の実施形態によれば、ブラシを製造する方法は、近位端及び遠位端と、遠位端に設けられた一体型先端とを有するコア部を与える工程と、コア上に少なくとも1つの剛毛要素を配置する工程とを備え、少なくとも1つの剛毛要素は、コア部が貫通して延びる貫通ボアを有する。一体型先端は、少なくとも1つの剛毛要素がコア部の遠位端から滑り落ちることを防ぐ位置ストップを形成する。
【0010】
本発明の別の実施形態によれば、ブラシは、らせん構成で撚回された複数の脚部分を有するコア部と、複数の脚部分の間に固定された複数の繊維剛毛と、コア部に受け入れられた複数のディスク要素とを有する。複数の繊維剛毛は、複数の繊維剛毛が複数のディスク要素と相互作用して、複数のディスク要素のコア部に相対する回転を抑制するように構成される。
【0011】
本発明のさらに別の実施形態によれば、ブラシは、近位端及び遠位端を有するコアワイヤ部と、コアワイヤ部で受け取られる複数のディスクとを含み、複数のディスクは、ブラシヘッドを画成する。ブラシヘッドは、ブラシヘッドの複数のディスクをトリミングすること、及び/又はコアワイヤ部の一部を湾曲することのうちの少なくとも1つによって成形される。
【0012】
本発明のさらに別の実施形態によれば、ブラシを製造する方法は、近位端及び遠位端を有したコア部を与える工程と、コア部上に少なくとも1つの剛毛要素を配置する工程と、少なくとも1つの剛毛要素をコア部に配置した後、少なくとも1つの剛毛要素をトリミングして成形すること、及び/又は少なくとも1つの剛毛要素をコア部に配置した後で、コア部を湾曲することのうちの少なくとも1つを行う工程とを備える。
【0013】
本発明のさらに別の実施形態によれば、ブラシを製造する方法は、近位端及び遠位端を有したコア部を与える工程と、コア部上に複数のディスク要素を積み重ねられた関係で配置する工程と、複数のディスク要素をコア部に配置した後で、コア部を湾曲すること、及び/又は複数のディスク要素をコア部に配置した後、複数のディスク要素のうちの少なくともサブセットをトリミングすることのうちの少なくとも1つを行う工程とを備える。
【0014】
本発明は、添付の図面を参照して、非限定的な実施形態の以下の説明を読むことからよりよく理解されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】本発明の一実施形態による積み重ねディスクブラシの斜視図。
図2図1の積み重ねられたディスクブラシのコアワイヤ部上にある個々のディスクのアセンブリを示す斜視図。
図3】本発明の別の実施形態によるスタックディスクブラシの斜視図。
図4図3のブラシの部分分解図。
図5図3のブラシの遠位端の詳細を示す拡大図。
図6】弾丸形状にトリミングされたディスク要素とともに示す、本発明の実施形態に従って製造されたブラシの斜視図。
図7】扁長回転楕円体形状にトリミングされたディスク要素とともに示す、本発明の実施形態に従って製造されたブラシの斜視図。
図8】ディスク要素が弾丸形状にトリミングされ、ワイヤコアが所望の曲率に曲げられた状態を示す、本発明の実施形態に従って製造されたブラシの斜視図。
図9】本発明の実施形態に従って製造された化粧用ブラシの斜視図。
図10】本発明の実施形態に従って製造された別の化粧用ブラシの斜視図。
図11】本発明の実施形態に従って製造された別の化粧用ブラシの斜視図。
図12】本発明の実施形態に従って製造された別の化粧用ブラシの斜視図。
図13】本出願の製造方法を実現することができる、砂時計形状を有するブラシヘッドの側面立面図。
図14】本出願の製造方法を実現することができる、弾丸形状を有するブラシヘッドの側面立面図。
図15】本出願の製造方法を実現することができる、パワースライド形状を有するブラシヘッドの側面立面図。
図16】本発明の別の実施形態によるブラシアセンブリの構成要素の斜視図。
図17】湾曲形態にあるブラシアセンブリのツイストワイヤコア部を示す、図16のブラシアセンブリの斜視図。
図18】湾曲形態にあるブラシアセンブリのツイストワイヤコア部を示す、図16のブラシアセンブリの別の斜視図。
図19】本発明の一実施形態によるディスク剛毛要素の斜視図。
【発明を実施するための形態】
【0016】
図1を参照する。本発明の実施形態による、本明細書ではブラシ10とも呼ばれるブラシアセンブリ10が示されている。図示されるように、ブラシ10は、コアワイヤ部12によって固定され、そこから径方向に延びる複数の繊維又は剛毛14を有するコアワイヤ部12と、遠位端でコアワイヤ部12に一体的に(コアワイヤ部12及び先端1が単一部分を形成するように)形成された球形又は概ね円形又は球形の先端16とを含む。ブラシ10は、ディスク要素のアレイ、例えば、コアワイヤ部12上で摺動可能に受け取られるディスク18をさらに有する。以下に説明するように、ディスク18は、コアワイヤ部12を受け入れる、ディスク18の中央開口すなわち貫通ボア17に相対して、より大きな直径を有した球形の先端16によってコアワイヤ部12上に保持される。一実施形態では、ブラシ10はまた、ユーザがブラシ10を把持及び操作することを可能にするために、先端16の反対側の近位端20でコアワイヤ部12に固定されたハンドル(図示せず)を含み得る。特定の実施形態では、一体型の球形の先端(図示せず)が、同様に、先端16の反対側のブラシ10の近位端20上に形成され得る。
【0017】
一実施形態では、コアワイヤ部12及び一体型チップ16は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる米国特許第8,850,650号及び第8,783,787号に開示された方法で製造することができる。より詳細には、コアワイヤ部12は、好適には、それ自体の上に可逆的に折り返され、2つの概ね同一の広がりを有する脚部分13,15を形成し、次いで、らせん構成で撚回されて、剛毛14をその中に保持し、かつ、剛毛14をコアワイヤ部12から径方向外向きに(らせん方向に)扇状に広げて、剛毛ブロックを形成させる、可撓性を有した金属ワイヤから形成される。一実施形態では、コアワイヤ部12は、ニッケル合金、チタン合金、ステンレス鋼合金、炭素鋼合金、コバルト合金又はアルミニウム合金から構成され得るが、他の金属又は金属合金は、本発明の範囲から逸脱することなく使用され得る。これはツイストインワイヤブラシを形成する例示的な方法であるが、本発明の範囲から逸脱することなく、当該技術分野で公知のツイストインワイヤブラシを形成するための任意の製造プロセス又は方法を使用できることが容易に理解されよう。例えば、上記の単一のワイヤの代わりに複数のワイヤを使用できることは容易に理解されよう。そのような状況では、複数のワイヤを互いに隣接して配置し、複数の剛毛をワイヤの間に配置し、ワイヤを撚り合わせてらせん構成のコアを形成し、剛毛を所定の位置に固定することができる。ワイヤブラシを形成し、ワイヤブラシでねじる他の方法及び構成は当該技術分野で公知であり、本発明の範囲から逸脱することなく、この設計に組み込むことができる。
【0018】
上に開示したように、コアワイヤ部12の遠位端は、以下で説明するように、個々のディスク18の位置停止又は固定点を規定する、一体の実質的に球形の先端又はボール16で形成されている。一体型先端16は、米国特許第8,850,650号及び第8,783,787号に開示されているように、コア12をねじった後、コア部12の遠位端のみを溶融又は溶接することによって、ワイヤコアの遠位端に形成することができる。例えば、コアワイヤ部12の遠位端に滑らかで実質的に丸みを帯びたボール16を形成するために、高エネルギー融接を使用して、ブラシ10のコアサイア部12をその遠位端で「溶融」することができる。
【0019】
重要なことに、コアワイヤ部12及び一体型チップ16は均質であり、チップ16は、他の量の材料を添加することなく、コアワイヤ部12からの既存の材料で形成される。したがって、先端16は、一貫性があり、滑らかであり、コアワイヤ部12から分離できないように作られている。コアワイヤ部12の遠位端を溶融することによって、鋭い又は不均一なエッジを溶かして排除し、存在する可能性のある汚染物質トラップボイドを排除する。一旦融合されると、ワイヤコアの同一の広がりを有する脚部分は互いに分離することができず、丸い先端もコアワイヤ部12から分離できない。重要なことに、コアワイヤ部12の遠位端の溶接又は溶融は、ブラシ10の拡大された先端16とコアワイヤ部12との間に冶金学的結合をもたらし、これは、ブラシ自体の構造強度を増加させ、コアワイヤ部12の脚部分がほどけないことを実質的に確実にするのを促進する。
【0020】
レーザー、ガスタングステンアーク溶接(GTAW)、プラズマアーク溶接及び電子ビーム溶接などの特定の溶接技術を使用して、コアワイヤ部12の遠位端を溶融/溶接して、球形の先端16を形成することができる。より詳細には、好適なパラメータ範囲は、ガスタングステンアーク溶接の場合は0.001ミリアンペア~200アンペア、電子ビーム溶接の場合は15kV~200kV、プラズマアーク溶接の場合は1アンペア~200アンペアであるが、他のパラメータを使用することもできる。レーザー技術については、近紫外線及び/又は近赤外線レーザー源が好適であるが、他の波長を使用して本発明の目的を達成することができる。本明細書に記載の実施形態は球形の先端を開示しているが、特定の実施形態では、先端は概ね球形であり得る(すなわち、完全に球形ではない)。
【0021】
図2を参照する。剛毛を保持するためにコアワイヤ部12が形成及びねじられ、その遠位端に均質な一体型先端16が形成されると、剛毛14を所望の形状にトリミングする、すなわち切り揃えることができる。一実施形態では、剛毛14は、先端16を形成する前にトリミングすることができる。一実施形態では、剛毛14は、ディスク17の中央開口17の半径よりも大きい範囲/距離だけコアワイヤ部12から半径方向に延びる(これは、特定の剛毛のトリミング、又は剛毛を特定の長さに選択することによって達成することができる)。より詳細には、半径方向に延びる及び/又はらせん状に延びる剛毛14によって形成される剛毛ブロックは、ディスク18の中央開口17の直径よりも大きい直径を有し、その目的は以下に開示される。
【0022】
次に、コアワイヤ部12が反転され、個々のディスク18は、ディスク18がコアワイヤ部から滑り落ちることを防止する位置ストップとして機能する、より大径の先端16に隣接するまで、ハンドル端部20からコアワイヤ部12上にスライドされ得る。続いて、ハンドル(図示せず)を成形するか、又はハンドル端20でコアワイヤ部に取り付けて、ディスクをコアワイヤ部12上に保持し、それらがハンドル端20でコアワイヤ部12から滑り落ちるのを防ぐことができる。さらに他の実施形態では、ディスク18は、一体型チップ16を形成する前に、コアワイヤ部12上に配置され得ることが企図される。
【0023】
重要なことに、コアワイヤ部12から延びる剛毛14は、ディスク18の中央開口17と摩擦的に係合し、コアワイヤ部12に相対するディスク18の回転を防止する。この点で、剛毛14は、ディスク18の長手方向の位置決めに概ね対応するコアワイヤ部12の一定の長さ範囲にわたってコアワイヤ部12内に保持され得る。例えば、剛毛14によって形成された剛毛ブロックは、最も近位のディスク18よりも近位端20に近い点から、最も遠位のディスク18よりも先端16に近い点まで延びることができる。したがって、剛毛14は、ブラシ10の機能を改善する一種の回転防止機能を提供する。さらに、剛毛14のらせん構成は、コアワイヤ部12上のディスク18の軸方向の動きを阻害又は防止するねじ山と同様の構造を形成する(すなわち、剛毛14のねじ山のような構成は、コアワイヤ部12に沿ったディスク18の軸方向の動きに抵抗する。これは、ディスク18をコアワイヤ部12上の所望の位置に保持するのに役立つ。
【0024】
一実施形態では、ディスク18は、例えば、エラストマー、スチレン、アセタール、ポリエチレン、ポリプロピレン、ナイロン、ポリ塩化ビニル、ポリエチレンテレフタレート、ポリカーボネート、アクリルなどのプラスチック、及びゴム、シリコーン、ナイロンなど、あるいは、金属、例えば、アルミニウム及びステンレス鋼などの、準剛性、又は剛性の材料から形成されることができる。ディスク材料のデュロメータは、ディスクの所望の性能特性に基づいて変えることができる。上に示したように、各独立したディスク18は、コアワイヤ部12の近位端20が中央開口を貫通して摺動可能に配置される中央開口を有する。各ディスク18は上面と下面を有し、その結果、ディスクがアレイとして整列されるとき、1つのディスクの上面は、アレイ内の次の連続するディスクの下面に面し、それらの間に間隙22を画成する。
【0025】
図19は、ディスク18の例示的な構成を示している。そこに示されるように、各ディスク18は、コア部12を貫通して受け入れる中央開口を画成する中央ハブ50を有することができる。ディスク18はまた、中央ハブ50から半径方向外向きに突出する複数の歯52を含む。歯52は、図19に示されるように、構成が一般に線形であり得るか、又は複数の屈曲、曲線、突起などを有することができる。さらに図示されるように、ハブ50は、歯52の厚さよりも大きい軸方向の厚さを有し、その結果、ディスク18がコア部に受け入れられると、各ディスクの歯52は、互いに軸方向に一定の間隙22をもって離間する。一実施形態では、ハブ50の対向する軸方向に面する表面は、隣接するディスクのハブ上の対応するランド及び溝と、係合/境界を接するように構成された複数のランド54及び溝56を含み得る。この構成は、基本的にディスクのアレイ全体を結合するように機能し、あるディスクが別のディスクに相対して回転する動きを抑制する。
【0026】
上に示したように、ディスク18の中央開口17は、ディスク18が剛毛14によってコアワイヤ部12上で緊密に受け入れられ、コアワイヤ部12の周りでのディスク18の回転運動を実質的に防止するようなサイズであると考えられる。あるいは、中央開口は、ディスク12がコアワイヤ部12の周りで自由に回転できるようなサイズにすることができる。さらに他の実施形態では、剛毛14をコアワイヤ部12から省略してもよいことが企図され、その場合、ディスク18の中央開口17は、ディスク18がコアワイヤ部12によって直接にしっかりと受け取られ、又はディスク18がコアワイヤ部12の周りで回転可能かつ軸方向に移動可能であるようなサイズにすることができる。
【0027】
ディスク18は、容器からマスカラの供給物を拾い上げて輸送し、それを使用者のまつげに堆積させ、過剰なマスカラの塊を梳かし、まつ毛を分離してマスカラをまんべんなく塗るなど、いくつかの望ましい機能的特徴を与えるために、所望の任意の構成又は形状を有するように製造することができる。例えば、ディスク18の周囲の形状は、円形、正方形、五角形、六角形、星形などであり得る。また、各ディスク18の周囲は、テーパーの有無にかかわらず形成することができる。言い換えれば、各ディスクは、ディスク全体にわたって均一な厚さを有することができ、又は各ディスクの厚さは、ディスクの中心から周囲に向かって減少することができる。一実施形態では、1つ又は複数のディスクは、放射状に突出するリブ又は歯を含むことができる。
【0028】
重要なことに、上記のように、個々のディスク18、及びその特定の構成、形状、及び/又は特性は、複数の、そしてしばしば反対の機能を提供することができるアレイを形成する。より詳細には、企図されるそれぞれの異なる形状は、それに異なる拭き取り及び梳き取り特性を備えている。使用する形状の選択は、必要な用途の特性に基づいて選択される。アプリケータを構成するディスクがすべて同じ形状及びサイズである必要はなく、それに応じて混合及び適合させることができることは明らかであろう。図1に示されるように、一実施形態では、1つ又は複数の成形又は付加的に製造された要素24は、先端16とディスク18との間のコアワイヤ部12上に配置され得る。一実施形態では、要素24は、最も遠位のディスク18から遠位の先端16への滑らかな移行を形成するように先細にされ得る。
【0029】
図1は、ツイストコアワイヤ部12に保持された剛毛14を有するブラシ10を示しているが、いくつかの実施形態では、ブラシ10が一体型先端16を有するコアワイヤ部12と、コアワイヤ部に受承したディスク18とのみを含み、複数の積み重ねられた剛毛を省略してもよい。さらに他の実施形態では、コアワイヤ部12は、ワイヤの遠位端に形成された一体の均質な先端を有する単一の長さのワイヤ(すなわち、中実の単一コア)を含み得る。さらに、コアワイヤ部は、任意の形態(すなわち、撚回され、又は撚回されない)をとることができ、任意の数の脚部分(例えば、1つ又は複数)から構成され得ることが企図される。しかしながら、これらの実施形態のいずれにおいても、遠位先端16は、重要なことに、コアワイヤ部の直径に相対して径が大きく、材料を追加することなく、コアワイヤ部の遠位端を溶融又は溶接することによって形成されることにより、先端16は、コアワイヤ部からの既存の材料のみから形成される。
【0030】
ここで図3~5に目を向けると、本発明の別の実施形態によるブラシ100が示されている。ブラシ100は、図1のブラシ10と同様に構成され、らせん構成で互いに撚回された2つ以上の脚部分を有するコアワイヤ部102を有する。ブラシ100は、その遠位端に一体的に形成され、外部材料を追加することなくコアワイヤ部102の遠位端を溶融することから作製された球形又はボール状の先端104をさらに含む。より詳細には、先端104は、上記の方法で形成される。ブラシ100は、コアワイヤ部102を貫通して受け入れられ、中空の内部を有した成形スリーブ106をさらに含む。次に、複数の積み重ね可能なディスク108がスリーブ106を貫通して受け取られる。図1に関連して上で説明したように、先端104は、ディスク108がブラシ100の遠位端から滑り落ちるのを防ぐ。図3に最もよく示されるように、ハンドル110は、ディスク108が近位端から滑り落ちるのを防ぐために、スリーブ108上のブラシ102の近位端に固定され得る。
【0031】
図3及び図4にさらに示されるように、一実施形態では、複数の歯又は半径方向に延びる要素114を有する先端112を、ブラシ100の遠位端に固定することができる。一実施形態では、先端112は、成形又は積層造形技術(例えば、3D印刷)を使用して形成することができる。一実施形態では、先端112は、その中のコアワイヤ部102の先端104を密接に受け入れるように構成された内部の一般に球形のソケット(図示せず)で形成することができる。このようにして、先端112及びコアワイヤ部102は、コアワイヤ部102の球形の先端104及び先端112のソケットによって形成されるボール及びソケット接続によって結合される。
【0032】
したがって、図3~5のブラシ100は、強くて剛性である、金属コアワイヤ部と、一体型先端とであって、スリーブ106、積み重ねられたディスク要素108、ハンドル110及び先端112を含む成形又は付加的に製造された外部要素のバックボーンとして機能する金属コアワイヤ部を備える。
【0033】
重要なことに、本明細書に記載の方法で製造及び構築されたブラシ(例えば、図1~5の実施形態に示される)は、1つ又は複数の組み立て後の処理ステップを使用して、任意のブラシ形状と必要な構成を与えるべく、トリミング、成形、及び/又は変形されることで、既存のディスクアレイアプリケータブラシではこれまでほぼ不可能だったレベルの性能と機能を提供する。より詳細には、一実施形態では、ディスクのアレイがコアワイヤ部で受け取られると、ディスクのアレイを含むブラシヘッドは、所望の形状にトリミング又は切断され得る。例えば、ディスクのアレイを含むブラシヘッドは、砂時計の形状、弾丸の形状、回転楕円体の形状、扁長回転楕円体の形状、卵形の形状などにトリミングすることができる。
【0034】
一実施形態では、ブラシヘッドのトリミングは、従来のファイバブラシをトリミングするために利用される既存の機械を使用して達成することができる。例えば、トリミングは、ライブナイフ又はデッドナイフを使用して、水平又は垂直トリマーのいずれかを使用して実行することができる。たとえば、成形されたディスクのアレイがブラシのコアワイヤ部で受け取られると、ブラシは回転する固定具又はハブに取り付けられ、その軸を中心にブラシを高速で回転させる。次に、トリミングナイフを、ブラシヘッドの回転軸に相対して径方向及び軸方向(縦方向)に動かして、ディスクを所望の形状にトリミング又は成形することができる。例えば、弾丸の形状を形成するために、ブラシはその長手方向軸を中心に回転され、トリミングナイフ又はブレードは、ブラシヘッドの近位端と密接に関連づけて配置され得る。次に、ナイフをブラシヘッドの近位端からブラシヘッドの遠位端(ブラシの遠位先端の近傍)まで軸方向に(縦方向に)移動させる。ナイフが遠位先端に向かって縦方向に動かされると、ナイフは、ブラシのコアワイヤ部に向かって、径方向に徐々に近づくように動かされる。これは、近位端ではより広い断面積を有し、遠位先端に近づくに従って、より小さな断面積を有する(すなわち、先細又は弾丸形状を形成する)ブラシヘッドをもたらす。あるいは、回転するカッティングナイフ又は装置がブラシヘッドに相対して径方向及び軸方向に移動する間、ブラシを静止状態に保つことができる。このようにして、ブラシヘッドを構成するディスクは、従来のスタックディスクブラシではこれまで不可能であった従来のファイバブラシと同様の方法でトリミングすることができる。
【0035】
様々なブラシヘッド形状を形成するためにディスクをトリミングすることに加えて、ブラシのコアワイヤ部は、様々な形状に、又は様々な屈曲、湾曲、角度などに湾曲され、あるいは変形され得る。一実施形態では、コアワイヤ部の成形又は変形は、従来のファイバブラシに輪郭を成形又は付与するために利用される既存の機械を使用して達成することができる。例えば、ディスクのアレイがワイヤコア上に組み立てられ、組み立て後のトリミングステップがブラシヘッドを成形するために実行されると、ブラシは、1つ又は複数の成形ダイを有する固定具又は装置に配置され得る。成形ダイは、ブラシのコアワイヤ部に1つ又は複数の屈曲、形状、又は輪郭を与えるために利用される。一実施形態では、コアワイヤ部は、例えば、約0~90度の角度に湾曲することができる。コアワイヤ部の湾曲又は成形は、ブラシヘッドの任意のトリミングの後に実行されることが企図されているが、いくつかの実施形態では、コアワイヤ部は、トリミングの前に湾曲、又は成形され得る。
【0036】
したがって、本発明は、単一の長さ又はワイヤ、又は互いに撚り合わされた複数の長さのワイヤからなる金属コアワイヤ部と、コアワイヤ部に受承され、複数の成形又は付加的に製造された、好適にはプラスチック又はエラストマーのディスクを積み重ねたアレイであるディスク部材とを有するブラシを提供する。ブラシヘッドは、可能なブラシヘッドの形状、角度、及び構成のほぼ無制限の配列を提供するために、輪郭づけられ、成形され、及び/又はトリミングされる。図6~8を参照して、本明細書に記載の実施形態に従って製造することができる様々なブラシ200,210,220が示されている(ただし、他の多くの構成も可能である)。これらのブラシ200,210,220のそれぞれは、らせん構造に互いに撚回された2つの金属製脚部材からなるコアワイヤ部222を有する。しかしながら、上記のように、いくつかの実施形態では、コアワイヤ部は、単一の長さの金属ワイヤであり得る。ブラシ200,210,220はそれぞれ、上記の方法でコアワイヤ部に固定された複数の繊維剛毛224を有するが、そのような剛毛は任意選択で省略されてもよい。さらに、ブラシ200,210,220は、積み重ねられた関係でコアワイヤ部222上に受け取られ、ブラシヘッド228を形成する複数の成形ディスク226を含む。ディスク226は、遠位先端230によってワイヤコア上に保持され、これは、例えば、上記のように、コアワイヤ部の一部を溶融又は溶接することによって形成された一体型先端であり得る。
【0037】
図6に示されるように、ブラシ200のブラシヘッド228(具体的には、そのディスク226)は、弾丸形状のブラシヘッドを形成するようにトリミングされ得る。図7に示されるように、ブラシ210のブラシヘッド228は、扁長回転楕円体形状のブラシヘッドを形成するようにトリミングされ得る。他のヘッド形状も同様の方法で形成することができる。さらに、ブラシヘッド228を形に整えた後、コアワイヤ部222は、湾曲され、成形され、輪郭を決められ、又は変形され得る。組み立て後のトリミングと成形のステップを使用して形成されたブラシの一例を図8に示す。図示されているように、ブラシヘッド228は、弾丸又は先細りの形状にトリミングされ、次いで、コアワイヤ部222(ブラシヘッド228の範囲)が曲げられて曲線を形成する。上記のように、コアワイヤ部は、所望のほぼ任意の構成、曲線、又は角度に曲げることができる。
【0038】
図9~12は、本明細書に開示された技術を使用して製造された、完全に組み立てられた積み重ねディスクブラシ300,310,320,330を示している。図示されるように、各ブラシのコアワイヤ部の近位端は、マスカラなどのパーソナルケア製品を用途とする際の使用に特に適しているように、キャップ334に取り付けられ得る、成形ハンドル又はステム332に受け入れられる。特定の最終的な用途及び/又は所望の機能特性に応じて、ブラシヘッド、及びブラシの近位端に様々な変更を加えることができる。
【0039】
図13~15は、本明細書に記載の技術を利用して形成することができる様々なブラシヘッド形状を示している。例えば、図13は、コアワイヤ部上のスタックディスクアレイ400をトリミングして砂時計形状を形成する方法を示し、図14は、コアワイヤ部上のスタックディスクアレイ410をトリミングして弾丸形状を形成する方法を示し、図15は、コアワイヤ部上の積み重ねられたディスクアレイ420が、パワースライドブラシヘッド構成を形成するためにどのようにトリミングされ得るかを示している。図13~15にも示されるように、径方向に延びる剛毛424を有した、成形又は付加的に形成された先端422は、ブラシの遠位端に固定され得る(例えば、上記のようにブラシの一体型先端を使用するボールソケット接続を用いて)。剛毛424は、同様に、本明細書に記載の技術を使用して(ブラシヘッドのトリミングと同時に、又は異なる時に)任意の所望の形状にトリミングすることができる。
【0040】
さらに他の実施形態では、コアワイヤ部は、図3に示される実施形態と同様に、スリーブ内に受容され得る。そのようなブラシもまた、本明細書に記載の方法で変形及びトリミングすることができる。そのような実施形態では、成形スリーブは、好適には、破損又は破壊することなく、成形プロセス中での変形を可能にするように、弾性又はエラストマー材料から形成される。重要なのは、スリーブ内のコアワイヤ部が構造的な剛性を提供し、ブラシの変形後の形状を維持することです。
【0041】
したがって、重要なことに、ブラシの比較的剛性であるが変形可能なコアワイヤ部は、ブラシアセンブリの湾曲及び成形を可能にする。プラスチックブラシステムを利用する既存の積み重ねディスクブラシとは全く対照的に、本発明のブラシのコアワイヤ部は、湾曲又は成形中に破損せず、重要なことに、湾曲又は変形されるとその形状を保持する。さらに、コアワイヤ部のらせん構成、及び/又はコアワイヤ部内の繊維剛毛の存在は、積み重ねられたディスクを実質的に固定された位置に保持し、従来の手段を使用してブラシヘッド(及びそのディスク)をトリミングすることを可能にする。これらの成形及びトリミングプロセスは、既存のスタックディスクブラシでは不可能であった。
【0042】
図16~18を参照すると、本発明のさらに別の実施形態によるブラシ500が示されている。図示されているように、ブラシ500は、上記の方法で形成された、すなわち、2つ以上の脚部分がらせん構成で互いにねじられているコアワイヤ部502を有する。ブラシ500はさらに、その遠位端に一体的に形成された、球形又はボール状の先端504を含み、外部材料を追加することなくコアワイヤ部502の遠位端を溶融することから作製される。より詳細には、先端504は、上記の方法で、すなわち、異物を添加することなく、コアワイヤ部の遠位端を溶融又は溶接することによって形成することができる。いくつかの実施形態では、コアワイヤ部は、上記のように、コアワイヤ部に固定された複数の径方向に延びる剛毛を有し得る。他の実施形態では、剛毛は存在しなくてもよい。
【0043】
ブラシ500は、そこから突出する複数の個別の剛毛要素508を有する剛毛部又は剛毛ブロック506をさらに有する。一実施形態では、剛毛ブロック506は、その近位端から遠位端まで延びる、中央貫通孔又は通路510を有する。一実施形態では、剛毛ブロック506は、3D印刷又は積層造形を使用して形成される。例えば、剛毛ブロック506は、弾性又はエラストマーの剛毛ブロック506を製造するために、積層造形を使用して樹脂から製造することができる。重要なことに、3D印刷又は積層造形を使用すると、ほぼ無限の種類の剛毛構成(例えば、剛毛密度、剛毛間隔、剛毛の厚さなど)をかなり迅速かつ簡単に作成できる。他の実施形態では、剛毛ブロック506は、上記の実施形態のディスクと同様の成形要素であり得る。
【0044】
図17及び18を参照する。剛毛ブロック506は、コアワイヤ部502上で摺動可能に受け取られ、ここで、一体型先端504は、位置ストップとして機能し、剛毛ブロック506がコアワイヤ部502の遠位端から滑り落ちることを防止する。一実施形態では、貫通ボア510の直径は、コアワイヤ部502の直径とほぼ等しいかそれよりも大きいが、一体型チップ504の直径よりも小さい。コアワイヤ部502及び剛毛ブロック506を別々のプロセスで製造した後、剛毛ブロック506は、近位端(より大径の一体型先端を有さない場合がある)から先端504とともに遠位端に向かってコアワイヤ部502上にスライドされ得る。他の実施形態では、剛毛ブロック506は、剛毛ブロック506が弾性材料から形成されていることによって可能になることだが、より大径の先端504上に挿入され得る。
【0045】
上記の実施形態と同様に、剛毛ブロック506をコアワイヤ部502上に組み立てた後、様々な組み立て後プロセスを利用して、ブラシ500を形成又は成形することができる。例えば、コアワイヤ部502は、図17及び18に示されるように、湾曲され、成形され、輪郭を決められ、又は変形され得る。重要なことに、剛毛ブロック506の弾性又は可撓性は、剛毛ブロック506の完全性を損なうことなく、コアワイヤ部の湾曲を容易にする。剛毛ブロック506の弾力性はまた、剛毛ブロック506が、コアワイヤ部502が配置されるいかなる形状又は構成にも厳密に一致することを可能にする。いくつかの実施形態では、剛毛要素508は、所望の形状に切断又はトリミングされ得ることがさらに企図される。
【0046】
本明細書に開示されるブラシアセンブリは、マスカラなどのパーソナルケア製品組成物を適用する際の使用に特に適している可能性があるが、本発明は、この点に関してそれほど限定されない。より詳細には、本明細書に記載の技術は、容器及び管状体の内面の洗浄及び生物学的標本又はサンプルの収集を含むがこれらに限定されない様々な用途のためのブラシを製造するために利用され得ることが企図される。さらに、本明細書に記載の実施形態は、ブラシヘッドのディスクのアレイをトリミングして所望の形状を形成することを開示しているが、いくつかの実施形態では、個々のディスク自体を特定の形状に実施して、コアワイヤ上に積み重ねられた関係で組み立てられるようにする時に、ブラシヘッドが目的の形状を形成する(つまり、ディスクをトリミングする必要はない)ことが可能である。
【0047】
本発明の一実施形態によれば、ブラシは、近位端及び遠位端を有するコア部と、遠位端に形成された一体型先端と、コア部に摺動可能に受け入れられる少なくとも1つの剛毛要素とを有する。一実施形態では、一体型先端は、少なくとも1つの剛毛要素がコア部の遠位端から滑り落ちるのを防ぐ位置ストップを形成する。一実施形態では、コア部は、らせん構造に互いにねじられた少なくとも2つの脚部材を有する。一実施形態では、一体型先端は概ね球形である。一実施形態では、一体型先端は、コア部の直径よりも大きい直径を有する。一実施形態では、一体型チップ及びコア部は均質である。一実施形態では、コア部は、金属又は金属合金から形成される。
【0048】
一実施形態では、少なくとも1つの剛毛要素は、ブラシヘッドを規定する複数のディスクである。一実施形態では、コア部は、らせん構成でねじられた複数の脚部分と、複数の脚部分の間に固定された複数の繊維剛毛とを含む。複数のディスクは、複数の繊維剛毛の周りで受け取られ、その結果、複数の繊維剛毛は、コア部に相対する複数の繊維剛毛の回転及び軸方向の動きを阻害する。一実施形態では、ブラシヘッドは、コア部の一部の湾曲、及び/又は複数のディスクをトリミングすることの少なくとも1つによって形作られる。一実施形態では、少なくとも1つの剛毛要素は、複数の剛毛を有する、付加的に製造又は成形された剛毛要素である。一実施形態では、剛毛ブロックは、コア部の一部を湾曲することによって形作られる。
【0049】
本発明の別の実施形態によれば、ブラシを製造する方法は、近位端及び遠位端と、遠位端に設けられた一体型先端とを有するコア部を与える工程と、コア上に少なくとも1つの剛毛要素を配置する工程とを備え、少なくとも1つの剛毛要素は、コア部が貫通して延びる貫通ボアを有する。一体型先端は、少なくとも1つの剛毛要素がコア部の遠位端から滑り落ちることを防ぐ位置ストップを形成する。一実施形態では、少なくとも1つの剛毛要素は、付加的に製造又は成形される。一実施形態では、コア部は、らせん構成でねじられた複数の脚部分を含み、少なくとも1つの剛毛要素は、複数のディスク要素である。一実施形態では、コア部は、複数の脚部分の間に固定された複数の剛毛を含み、複数の剛毛は、コア部上の複数のディスク要素の軸方向及び回転運動を阻害する。一実施形態では、この方法はまた、コア部の上に少なくとも1つの剛毛要素を配置した後、コア部に屈曲又は湾曲を与える工程を備える。一実施形態では、この方法は、コア部上に少なくとも1つの剛毛要素を配置した後、少なくとも1つの剛毛要素をトリミングする工程を備える。
【0050】
本発明の別の実施形態によれば、ブラシは、らせん構成で撚回された複数の脚部分を有するコア部と、複数の脚部分の間に固定された複数の繊維剛毛と、コア部に受け入れられた複数のディスク要素とを有する。複数の繊維剛毛は、複数の繊維剛毛が複数のディスク要素と相互作用して、複数のディスク要素のコア部に相対する回転を抑制するように構成される。一実施形態では、ブラシはまた、コア部の遠位端に形成された一体型先端を含み、一体型先端は、コア部が受け入れられる複数のディスク要素のそれぞれの開口の直径よりも大きい直径を有することによって、一体型先端が、複数のディスク要素がコア部の遠位端から滑り落ちるのを防ぐ位置ストップを形成する。
【0051】
本発明のさらに別の実施形態によれば、ブラシは、近位端及び遠位端を有するコアワイヤ部と、コアワイヤ部で受け取られる複数のディスクとを含み、複数のディスクは、ブラシヘッドを画成する。ブラシヘッドは、ブラシヘッドの複数のディスクをトリミングすること、及び/又はコアワイヤ部の一部を湾曲することのうちの少なくとも1つによって成形される。一実施形態では、ブラシヘッドは、複数のディスクをトリミングすることによって形作られ、ブラシヘッドは、弾丸形状、砂時計形状、扁長回転楕円体形状、及びパワースライド形状のうちの1つを有する。一実施形態では、ブラシヘッドは、コア部の一部をある角度で曲げることによって成形される。一実施形態では、角度は、約0度~約90度である。一実施形態では、複数のディスクは、ポリマー又はエラストマー材料から形成される。一実施形態では、ブラシはまた、遠位端に形成された一体型先端を含み、一体型先端は、複数のディスクがコア部の遠位端から滑り落ちることを防止する位置ストップとして形成される。一実施形態では、コア部は、らせん構造に互いにねじられた少なくとも2つの脚部材を有する。一実施形態では、ブラシはまた、コア部から延びる複数の剛毛を含む。一実施形態では、一体型先端は概ね球形である。一実施形態では、一体型先端は、コア部の直径よりも大きい直径を有する。一実施形態では、一体型チップ及びコア部は均質である。一実施形態では、コア部は、金属又は金属合金から形成される。
【0052】
本発明のさらに別の実施形態によれば、ブラシを製造する方法は、近位端及び遠位端を有したコア部を与える工程と、コア部上に少なくとも1つの剛毛要素を配置する工程と、少なくとも1つの剛毛要素をコア部に配置した後、少なくとも1つの剛毛要素をトリミングして成形すること、及び/又は少なくとも1つの剛毛要素をコア部に配置した後で、コア部を湾曲することのうちの少なくとも1つを行う工程とを備える。一実施形態では、少なくとも1つの剛毛要素は複数のディスクであり、複数のディスクはブラシヘッドを形成する。一実施形態では、複数のディスクは、砂時計形状、弾丸形状、扁長回転楕円体形状、及びパワースライド形状のうちの1つにトリミングされる。一実施形態では、コア部は、約0~約90度の角度に湾曲される。一実施形態では、コア部は、らせん構造にねじられた複数の脚部分と、複数の脚部分の間に固定された複数の繊維剛毛とを含む。一実施形態では、コア部は、より大径の遠位先端を含む。一実施形態では、少なくとも1つの剛毛要素は、積層造形プロセスを介して形成される。
【0053】
本発明のさらに別の実施形態によれば、ブラシを製造する方法は、近位端及び遠位端を有したコア部を与える工程と、コア部上に複数のディスク要素を積み重ねられた関係で配置する工程と、複数のディスク要素をコア部に配置した後で、コア部を湾曲すること、及び/又は複数のディスク要素をコア部に配置した後、複数のディスク要素のうちの少なくともサブセットをトリミングすることのうちの少なくとも1つを行う工程とを備える。一実施形態では、コア部は、らせん構成でねじられた複数の脚部分と、複数のディスク要素がコア部の遠位端から滑り落ちるのを防ぐ位置ストップを形成する、より大径の遠位先端とを含む。
【0054】
本発明は、その詳細な実施形態に関して示され、説明されてきたが、本発明の範囲から逸脱することなく、様々な変更を行うことができ、同等物をその要素に置き換えることができることが当業者によって理解される。さらに、特定の状況又は材料を、その本質的な範囲から逸脱することなく、本発明の教示に適合させるために修正を加えることができる。したがって、本発明は、上記の詳細な説明に開示された特定の実施形態に限定されないが、本発明は、本開示の範囲内にあるすべての実施形態を含むことが意図される。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
【国際調査報告】