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特表2022-520168乗り物の物理的特性を決定するためのセンサ組立体
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-03-29
(54)【発明の名称】乗り物の物理的特性を決定するためのセンサ組立体
(51)【国際特許分類】
   B64D 45/00 20060101AFI20220322BHJP
   B64F 5/40 20170101ALI20220322BHJP
【FI】
B64D45/00 A
B64F5/40
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021545407
(86)(22)【出願日】2020-02-14
(85)【翻訳文提出日】2021-09-24
(86)【国際出願番号】 EP2020053996
(87)【国際公開番号】W WO2020165451
(87)【国際公開日】2020-08-20
(31)【優先権主張番号】19157141.3
(32)【優先日】2019-02-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.BLUETOOTH
(71)【出願人】
【識別番号】512240198
【氏名又は名称】メジット ソシエテ アノニム
(74)【代理人】
【識別番号】110000855
【氏名又は名称】特許業務法人浅村特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】グタニ、ラファエル
(72)【発明者】
【氏名】ベノワ、ステファン
(72)【発明者】
【氏名】ジオッシ、サミュエル
(57)【要約】
乗り物の物理的特性、例えば航空機のホイールのタイヤ空気圧を提供するセンサ組立体が、ロッキング装置236及び物理的特性を感知するのに適したセンサを有する電子回路機構と、消尽し得る尽きることのある電力源、例えばバッテリとを有する。保管寿命を延ばすために、第1のスイッチ手段76、232、230、220及び第2のスイッチ手段242、244、220が、電力源と回路機構との間に機能的に配置されている。第2のスイッチ手段(242、244、220)はロッキング装置236によって制御されているが、第1のスイッチ手段76、232、230、220はセンサ組立体の外側から、例えば磁場によって制御可能である。第1のスイッチ手段は、電子回路機構への電力を切り替え、それによりロッキング装置にも給電されるように配置されている。結果としてロッキング装置は第2のスイッチ手段242、244、220を閉じることが可能になる。その後、第2のスイッチ手段242、244、220を開くことによって、ロッキング装置がそれを再び可能にしない限り、第1のスイッチに対するさらなる刺激によってセンサの電源を切ることはもうできなくなる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
乗り物の物理的特性の値、好ましくはホイール(48)の気体膨張式タイヤの、より好ましくは航空機のタイヤ(48)の空気圧値を提供するセンサ組立体であって、
前記センサ組立体は、前記物理的特性を感知するのに適したセンサ及びロッキング装置を有する電子回路機構(79)と、さらに、消尽し得る電力源(103)、具体的にはバッテリと、並列に且つ前記回路機構及び前記電力源の間に機能的に配置された第1のスイッチ手段(75、76;76、222、220;76、232、230、220)及び第2のスイッチ手段(77;224、222、220;242、244、220)とを有し、前記第1のスイッチ手段は、前記センサ組立体の外側から、好ましくは場によって、より好ましくは磁場によって制御可能であること、及び
前記第2のスイッチ手段は前記ロッキング装置によって制御可能であり、両方のスイッチ手段が開いている保管モードの後に前記第1のスイッチは前記センサ組立体の外側から閉じられることができ、それにより電源が入った前記ロッキング装置は前記第2のスイッチ手段を作動させることができ、それにより、前記第1のスイッチ手段を再度開いても電力源と回路機構との間の接続がもはや遮断され得ないことを特徴とする、センサ組立体。
【請求項2】
前記第1のスイッチ手段(75、76;76、222、220;76、232、230、220)は、前記場に感応するスイッチ要素(76)であって、前記場の発生源、好ましくは磁石(73)の存在により電気的に閉じられるように、且つ前記場の不在により開かれるように構成されたスイッチ要素(76)を有することを特徴とする、請求項1に記載のセンサ組立体。
【請求項3】
前記第1のスイッチ手段(75、76;76、222、220;76、232、230、220)は、少なくとも1つの可動接点部材を有する機械式スイッチ要素(76)を有し、前記機械式スイッチ要素(76)は、該機械式スイッチ要素を、好ましくはリードスイッチを透過する磁場によって開閉され得るように前記磁場に感応できることを特徴とする、請求項1又は2に記載のセンサ組立体。
【請求項4】
第1のスイッチ手段(75、76;76、222、220;76、232、230、220)及び第2のスイッチ手段(77;224、222、220;242、244、220)は、第3のスイッチ要素(220)と論理ORユニット(222)とを共同で有し、前記論理ORユニット(222)は、少なくとも2つの入力と、出力とを有し、一方の入力は前記第1のスイッチ手段に割り当てられ、他方の入力は前記第2のスイッチ手段に割り当てられ、前記出力は、前記第3のスイッチ要素(220)の制御入力に機能的に接続され、また前記第3のスイッチ要素は、該第3のスイッチ要素を閉じることによって前記電源が前記センサ組立体の前記電子回路機構に接続されるように配置されていることを特徴とする、請求項1から3までの一項に記載のセンサ組立体。
【請求項5】
前記第3のスイッチ要素は、ゲートと、ソースと、ドレイン端子とを有するFETトランジスタ(220)を有し、また前記第3のスイッチ要素は好ましくは、前記ゲートがおおよそソース電圧レベルであるときにソースとドレインとの間に高抵抗を有する類のものであることを特徴とする、請求項4に記載のセンサ組立体。
【請求項6】
前記給電式回路機構は、非構成状態と構成状態との間で切り替えられることが可能であり、前記ロッキング装置は、前記構成状態において前記第2のスイッチ手段を閉状態に保ち、且つ前記非構成状態において前記第2のスイッチを開状態に保ち、それにより、前記前記回路機構が前記非構成状態であるときに前記第1のスイッチを開くことにより前記回路機構への電力が遮断され得ることを特徴とする、請求項1から5までの一項に記載のセンサ組立体。
【請求項7】
前記センサ組立体は、構成データを格納するための格納ユニットと、構成データの前記非構成状態を確立するリセットユニットとを有することを特徴とする、請求項6に記載のセンサ組立体。
【請求項8】
- 前記電子回路機構は、それに電力を供給するための供給電圧入力端子(226)及び接地入力端子(240)を有し、
- 前記消尽し得る電力源(103)は、供給電圧出力端子(228)及び接地コネクタ(240)を有し、
- 前記第3のスイッチ手段(75)は、制御端子としてのゲート、及びドレイン及びソースを有する第1のFET(電界効果トランジスタ)(220)を有し、前記第1のFETは、前記ゲートが前記ソースとほぼ同じ又は同じ電位であると高抵抗を有する類のものであり、ソース及びドレインは、前記電子回路及び前記電力源の供給電圧端子対又は接地端子対のうちの1つに接続され、
- 前記第1のスイッチ手段は、第1及び第2の端子を有するたびに、
-- 磁場の有無によって、オン・オフを切り替えられることが可能なスイッチ(76)、好ましくはリードスイッチと、
-- 第1の抵抗体(232)及び第2の抵抗体(230)であって、スイッチ、第1の抵抗体、及び第2の抵抗体は、前記第1の端子によって接続され、前記スイッチの前記第2の端子は前記第1のFETの前記ソースに接続され、前記第1の抵抗体の前記第2の端子は前記電力源の前記接地出力端子に接続され、また前記第2の抵抗体の前記第2の端子は前記第1のFETの前記ゲートに接続されている、第1の抵抗体(232)及び第2の抵抗体(230)と
を有し、
- 第2のスイッチ手段(242)、好ましくはトランジスタ、より好ましくはFETが、制御端子及び2つの作用端子を有し、前記作用端子間の抵抗が高抵抗から低抵抗に前記制御端子によって切り替え可能であり、一方の作用端子は、前記第1のFETの前記ゲートに接続され、他方の作用端子は、前記電力源の前記接地出力端子に接続され、
- 前記ロッキング装置(236、244)が、前記第2のスイッチ手段の前記制御端子に接続された出力を有する、ことを特徴とする、請求項5から7までの一項に記載のセンサ組立体。
【請求項9】
前記第1の抵抗体(232)は、少なくとも1MΩ(1MΩ=10Ω)の、好ましくは4MΩ、10MΩ、20MΩ、40MΩ又はさらに100MΩのうちの少なくとも1つの抵抗を有することを特徴とする、請求項8に記載の組立体。
【請求項10】
前記センサ組立体は、気体圧センサ(83)を有する気体圧センサユニット(47)を有し、前記気体圧センサユニットは、前記ホイール(48)の弁座と弁(63)との間に挿入されるように配置され、また前記気体圧センサユニットは、随意的な前記気体圧センサへの気体のアクセスを除いて気密筐体(85)内に含まれており、それにより前記気体圧センサユニットは、その機能を損なうような環境からの物質の侵入から保護されることを特徴とする、請求項1から9までの一項に記載のセンサ組立体。
【請求項11】
前記センサ組立体は、前記弁の代わりに元の弁を弁座に備えたホイール(48)に取り付けられるように配置されたアダプタ(55)を有し、前記アダプタは、前記アダプタの内部が前記ホイールの加圧内部(60)にアクセスできるように弁(63)を備え、また前記アダプタは境界面を有し、前記境界面は、前記気体圧センサユニット(47)が気密式に前記境界面上で前記アダプタに取り付けられ得るような形状であることを特徴とする、請求項1から10までの一項に記載のセンサ組立体。
【請求項12】
前記アダプタ(55)は、加圧気体(60)が前記境界面で使用可能となるように、前記境界面に穴(69)を備え、前記境界面は、環状円筒形断面、又は少なくとも2次の回転対称を有する断面を有する形状であり、好ましくは正多角形であり、またアダプタ及び気体圧ユニットのうちの少なくとも1つは、前記境界面に、
- 前記穴の場所にある周方向溝(100)であって、前記気体圧センサ(83)は、前記気体圧センサユニット(47)が前記アダプタに装着されたとき前記溝にアクセスできるように配置されている、周方向溝(100)と、
- 以下のうちの少なくとも1つ、すなわち
-- 前記アダプタの前記境界面にある1以上の穴(69)、及び
-- 前記気体圧センサユニット(47)の前記境界面にある前記気体圧センサの1以上の出入り開口
のうちの少なくとも1つと
のうちの少なくとも1つを備え、
それにより前記気体圧センサユニット(47)は前記アダプタ上の少なくとも3つの異なる回転位置に装着されることができ、それにより、前記アダプタにある前記穴と前記気体圧センサとの間の流体接続を、
- 前記溝を介して、又は
- 前記アダプタにおける前記境界面にある前記穴のうちの1つと前記気体圧センサの出入り開口のうちの1つとの位置合わせによって
維持することを特徴とする、請求項1から11までの一項に記載のセンサ組立体。
【請求項13】
前記圧力センサユニット(47)は、無線通信部、好ましくは標準化されたタイプの無線通信部、より好ましくはBluetooth通信部を備え、それにより、測定された気体圧値が前記無線通信ユニットの範囲内の遠隔デバイス(1)に送信され得ることを特徴とする、請求項1から12までの一項に記載のセンサ組立体。
【請求項14】
請求項1から13までの一項に記載のセンサ組立体を有するセンサ配送セットであって、前記センサ組立体を受け入れるように形作られたパッケージをさらに有し、前記パッケージは、磁石であって、前記センサ組立体が前記パッケージの中に位置する場合にその磁場が前記第1のスイッチ手段を切り替える位置にある磁石を有することを特徴とする、センサ配送セット。
【請求項15】
前記パッケージは、前記磁石が前記第1のスイッチ手段を切り替える位置となる事前規定された位置に前記センサ組立体を受容するように構成されていることを特徴とする、請求項14に記載のセンサ配送セット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、乗り物(vehicle)の、好ましくは航空機の物理的特性を決定するためのセンサ組立体に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、タイヤ空気圧のような航空機に関するパラメータの測定が、航空機に取り付けられた何らかの機器によって行われている。機器は、航空機に永続的に取り付けられ(タイヤ空気圧測定システム[TPMS:Tire Pressure Measurement System])、又はその測定の期間中航空機に一時的に取り付けられる(タイヤ空気圧チェックに使用される圧力計など)。処理に使用されるすべてのパラメータは、航空機に永続的に又は一時的に存在するデバイスからの事前設定定数又は測定値である。
【0003】
いくつかの既存の製品は、乗り物のパラメータを測定するために航空機の外部のデバイスをすでに使用している。一例が国際公開第2013/090008号に記載されている。しかし、このような製品は、(「ハンドヘルドデバイス」と呼も呼ばれる)キットの特注の特定用途向けピースを使用する。このデバイスは、その製品の不可欠な部分である。これは、その製品の製造元によって提供される。この製品は、このデバイスなしでは使用することができず、デバイスには、その製品の用途以外の用途はない。この追加のピースは、ユーザにとっては負担となる。それは、抜け落ちること又は損傷することによって、製品全体を使えなくする可能性がある。
【0004】
既知の航空機タイヤ空気圧測定システムは、圧力センサ・デバイス(PSD:Pressure Sensor Device)を有し、この圧力センサ・デバイスは、ホイールにある専用ポート(「空気注入ポート」とは異なる「圧力ポート」)に設置され、又は「空気注入ポート」(すなわちインフレーション弁)に設置され、したがってタイヤの追加インフレーションを防げる(インフレーション手段を接続するために、機器は取り出されなければならない)。
【0005】
航空宇宙産業では、機器は、航空機に設置される前に数年間保管される場合がある。保管期間中のPSDの電力消費を最小限に抑えることが、航空機に設置された時点でPSDの契約上の耐用年数が確保されるのを確実にするのに重要である。
【0006】
先行技術では、バッテリ給電式デバイスに電源を投入するには、特定の機器及び条件が必要になる。例えば、欧州特許出願公開第2465712号や米国特許出願公開第2017/0250633号では、特定の圧力を受けると、又は作動信号の受信によって、デバイスが作動する。
【発明の概要】
【0007】
デバイスの正しい動作をチェックするには、それが圧力を受けることを必要とし、それは制御下のアイテムにとって不都合であるため、圧力による作動は制約となるものである(すなわち納品時のデバイスのクイックチェック)。また、それは、デバイスを作動させるには特定の刺激が必要とされることを意味するが、本発明では、刺激の不在がデバイスを作動させる。これは、本発明をより頑丈(ロバスト)にする。
【0008】
作動信号の受信による作動には、特定の機器が必要になる。これは、この特定の機器が使用可能ではないことがあるので、望ましくない。
【0009】
したがって本発明の目的は、乗り物の物理的特性の、特に航空機のタイヤ空気圧のセンサであって、センサの電力源が、少なくとも保管寿命を延ばすために安全且つ簡単にスイッチを入れられ得るセンサを提案することである。
【0010】
好ましい実施例によって目指すさらなる目的は、
- センサの電源を入れることに対する航空機の安全要件を満たすことである。
【0011】
第1の目的は、請求項1に規定のセンサによって達成される。さらなる請求項は、センサ及びそのセンサを使用する方法の好ましい実施例を提示する。
【0012】
したがって、センサには、磁場によって動作することができる一次スイッチが装備されている。より具体的には、一次スイッチは、開いているように配置され、すなわち、磁場強度が切り替え閾値を上回ると、電気回路が遮断される。また、一次スイッチは、最初は開いているが、少なくとも、一次スイッチが閉じ、ロッキング条件が満たされると、閉じる二次スイッチを有する、ロッキング回路機構に並列に接続されている。一次スイッチが一次スイッチに印加された磁場の変化に起因して閉じると、ロッキング回路機構の電源が入る。場合によりさらなる条件に応じて、ロッキング装置が掛かると、ロッキング装置は、第2のスイッチの電源を入れる。第1のスイッチが短絡するように、第2のスイッチが事実上第1のスイッチに並列に接続されている。結果として、一次スイッチがその状態を変えるかどうかに関わらず、すなわち、磁場が切り替え閾値を再び上回るかどうかに関わらず、電源入り状態が維持される。
【0013】
実際のセンサ要素は、センサ・デバイスの回路機構のように多大な負荷を入り切りすることはほとんどできない。また、リアルライフセンサには、必要とされるものとは逆の、又は異なるスイッチング特性があり得る。したがって、好ましい態様によれば、一次スイッチだけではなく二次スイッチも、さらにより高い電力(最も重要には、電流)を切り替えるのに、実際のセンサ/入力要素及びさらなる構成要素を有し、またスイッチング特性を逆にする且つ/又は高めるということを理解することができる。結果として、好ましい変形形態において、電力部、例えば、実際に一次スイッチ及び二次スイッチのセンサ・デバイスの回路機構からの電源を接続及び切断するスイッチ手段が、一次スイッチと二次スイッチとの共通部分であり得る。言い換えると、この変形形態によれば、一次スイッチと二次スイッチとはそれぞれ、制御部及び電力部を備え、電力部(例えば、パワートランジスタ)は、両方のスイッチに共通であり、2つの制御部は、必要な全体的な挙動がもたらされるように共通の電力部に接続されている。論理的等価は、一部、制御部の出力のORリンクであり、ORリンクの出力は、(共通)電力部の制御入力である。二次スイッチが電源を切ることを阻止することしかできず、まだ電源を入れることができないという状態は、一次スイッチが閉じると二次スイッチの制御部の電源が入るのみという事実によってもたらされ得る。対照的に、一次スイッチが永続的に作動していて、必要に応じて電力源、好ましくは、外部で印加された場又は他の刺激に応答することができるのに実際に必要なその一部のみに接続される。無電力状態では、二次スイッチがORリンクに論理的真レベルをもたらすことができず、したがって、電源をセンサ・デバイスの回路機構に接続するように電力部を誘発することができない。
【0014】
それにより、対象とされることが好ましい航空機の性質、すなわち相対タイヤ空気圧に関して、センサは、密閉レイアウトを有する可能性があり、すなわちタイヤ空気圧に対する感知アクセスしか有さない。したがって、有害な又は刺激性の環境の影響、具体的には汚れ及び流体にかなり反応しにくい。
【0015】
本発明が、航空機にあるセンサとして使用される無線バッテリ給電式デバイスに関することが好ましい。環境に対してロバストであるために、このデバイスは、航空機に設置されると、十分に気密になる。筐体を貫通する開口、ボタン、コネクタなどがあると、このデバイスのロバスト性を損なう可能性がある。したがって、このデバイス筐体は、デバイスの電源を入り切りするどのような機械式手段も特徴とはしていない。
【0016】
ただし、それは、その耐用年数を延ばすために、使用していないときに(例えば、航空機への設置前の保管中)、デバイスの電源を切ることが役立つ(デバイスは、バッテリによって給電される)。本発明では、デバイス筐体のロバスト性を損なうことなく、またデバイスの電源を入れる特注手段を必要とすることなく、通常保管時にデバイスを超低電力モードにする新規の手段について述べる。
【0017】
本発明では、デバイスを作動又は停止させるのに特有の機器が何もなくて済む。これは、本発明の最初の適用がビジネス航空への適用であることから重要である。ビジネス航空機は、使用可能である機器が非常に少ない遠隔飛行場に着陸することがある。同じことが、それぞれの場所に特注デバイスを備えるためのロジスティクスが複雑で、費用が掛かることから、民間航空にも当てはまる。
【0018】
単純、小型、軽量、安価で市販の磁石は、適度に正確に位置付けられ、方向付けられれば、デバイスを停止させるには十分である。このような磁石は、デバイスの梱包に含めることができる。また磁石は、デバイスを停止させるのに使用される。磁石がないことは、デバイスが作動することにつながり、そのため、デバイスを作動させるのに機器が何もなくて済む。これにより、特定の機器が使用可能ではない遠隔地でも使用しやすくなる。
【0019】
センサの別の使用側面は、評価デバイスとしてのPEDの存在であり、PEDは、乗り物のセンサと無線で、好ましくはまたネットワーク(例えば、インターネット)を介して遠隔データベース又はセンサと通信する能力と、PEDが、センサによって測定された値である第1のパラメータと、乗り物のセンサか、PEDの組み込みセンサか、PEDが通信することができる他の何らかのセンサか、遠隔地で測定されたパラメータか、又はデータベース若しくはデータ提供者のような遠隔データ源から取り出された値であるかに関わらず、別の情報源から得られた1つ又は複数の第2のパラメータと、に基づき、その値についてセンサに質問し、乗り物の性質をコンピュータで計算することができるように、コンピュータによる計算能力と、を少なくとも備えている。例えば、実際の相対タイヤ空気圧は、タイヤ空気圧センサによって提示された絶対空気圧値及び局所気圧に基づき確認され得る。後者は、PEDに一体化されたセンサ(又は、それに設置されたセンサ)、航空機が備えるセンサ、又は気象サービス提供者によって確認され得る。
【0020】
通常、特に遠隔サーバのような遠隔データ備え付け設備と「通信する」とは、情報のあらゆる送信、さらには一方向の送信も意味することが意図されている。それには、GNSSの衛星から得られるデータのような、PEDによるさらなる処理を必要とするデータを得ることさえも含まれる。
【0021】
1つの利点は、ユーザが備える、好ましくはPED(ポータブル電子デバイス、好ましくは、日常の個人的付属品、例えばスマートフォンとして常用するもの)を使用することである。したがって、追加のキットピースが何もなくて済む。また、追加のキットピースに伴う開発及び製造の費用が掛からず、それにより、システムの価格を下げる。
【0022】
本発明について、以下の図を参照しながら、好ましい例示的な実施例を用いてより詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0023】
図1】本発明に関与する可能性のあるアイテム間のインターフェースの全体像の図であり、PED1は、航空機に取り付けられた機器3と通信することができ、自らの感知能力5を使用することができ、またインターネット7上で又はそれを経てデータをフェッチすることができる。
図2】本方法の包括的なフローチャートである。これは、本発明で行われるデータの流れ及び動作を示す。これは、ユーザから(又は自動リクエストシステムから)のリクエスト11で始まる。リクエストは、処理13を経て、必要なすべてのソース15からのデータの収集が生じる。これらのデータ15は、処理17され、最終的にユーザに表示される19(且つ/又は自動システムに送信される)。
図3】現在の局所的(特定地域)パラメータを使用する実施例のフローチャートである。ユーザは、相対タイヤ空気圧をリクエスト11しているが、ホイール上の測定システムでは、絶対空気圧25しか都合よく測定できない。絶対空気圧を相対空気圧に変換するために、リクエストを前処理13した後、PED1の感知能力及び通信能力を(例えばGNSSへのアクセスによって)利用して、航空機の所在地を確認する。この所在地が分かると、PED1は、インターネット上で航空機所在地の気圧を探す29。これらのデータに基づいて、相対タイヤ空気圧31がコンピュータで計算され、ユーザに提供され、例えば、表示される19。
図4】将来の状態、すなわち乗り物が行く予定の場所の見込みを伴う実施例のフローチャートである。ユーザが、その目的地空港における相対タイヤ空気圧をリクエスト11する。ホイール上の測定システムでは、絶対空気圧25しか都合よく測定できない。絶対空気圧を相対空気圧に変換するために、処理13の後、ユーザは、PED1にその目的地を打ち込む41。PED1は、インターネット上で航空機目的地の気圧を探す43。これらのデータに基づいて、目的地における将来の相対タイヤ空気圧がコンピュータで計算され31、ユーザに提供される19。
図5】航空機のタイヤ空気圧を確認する実例のスキームである。ホイール48に取り付けられた圧力センサ47が、絶対タイヤ空気圧を測定する。ユーザに相対タイヤ空気圧を提供するためには、周囲の気圧が必要とされる。周囲の気圧は、3つの異なるやり方で測定され得る。選択肢1は、ホイール装着式圧力センサ47における測定である。選択肢2は、航空機のどこか他の場所に設置された付加的なセンサ50である。選択肢3は、インターネット7上で使用可能な外部の無関係な手段によって行われる測定の使用である。すべての測定値が、PED1に無線で送信される52。
図6】PSH57の一部であるWSI55を通る長手方向断面の図である。WSI55は、PSDも止めナットも何も取り付けられていない状態で、単独で示されている。したがって内側弁59は閉じており、タイヤ空気圧60がWSI55内に含まれている。これは、気密構成である。
図7】圧力センサPSD47が弁箱に装着された状態の図6としての図である。図7は、PSD47付きのWSI55を示す。止めナットが取り付けられていないので、内側弁59はまだ閉じている。これも気密構成である。
図8】止めナット61がWSI55に取り付けられた状態の図7としての図である。止めナット61が取り付けられているので、内側弁59が開いており、PSD47がタイヤ空気圧60を受ける。外側弁63が閉じており、それにより、タイヤ空気圧がWSI55及びPSD47内に含まれている。これは、気密構成である。弁帽65が止めナット61に取り付けられている。弁帽65は、汚れの侵入に対する保護である。
図9】タイヤの加圧気体60へのアクセス通路69がWSI55に設けられている図6としての図である。WSI55は、PSD47も止めナットも何ら取り付けられていない状態のそれそのもので示されている。この型式では、1つの弁63しかなく、弁63は、図6図8における外側弁63に対応する。PSD47が取り付けられていないので、タイヤ空気圧60が大気に漏れる。出口69の小さな直径に起因して、気体流がわずかで、タイヤ膨張は遅い。これは、PSD47を取り替えるのに十分な時間を残す。
図10】PSD47がWSI55に取り付けられた状態の図9としての図である。タイヤ空気圧60がWSI55及びPSD47内に含まれている。PSD47は、タイヤ空気圧60を受ける。PSD47が所定位置である状態では、止めナット61を取り付ける前でも、PSD47は気密構成である。保護弁帽65がWSI55に取り付けられている。
図11】保管モードにおける延びた保管寿命のセンサの高次スキームである。磁気スイッチ回路機構75の近くに付けられた磁石73が、リードスイッチ76を動作させる磁場を発生させる。これは、磁気スイッチ回路機構75が開回路状態であることにつながる。ロックオン回路77も開回路状態である。したがってデバイスの電源は切られている。
図12】作動している(「保管モード外にある」)場合のセンサのスキームである。デバイスがその梱包から取り出され、それゆえデバイスは磁石73から離れている。リードスイッチ76は、その状態が変わっている。これは、磁気スイッチ回路機構75が閉じるのにつながる。ロックオン回路77の状態が何であれ、デバイスは、電源が入る。
図13】作動後の、すなわち永続的に作動している(「ノーマルオペレーティングモード」)図11としての図である。デバイスがその梱包から取り出され、それゆえデバイスは磁気73から遠隔にある。リードスイッチ76は、その状態が変わっており、磁気スイッチ回路機構75は、閉じている。それによりデバイスは電源が入っている。それに加え、このソフトウェア制御式ロックオン回路77は、そのとき給電されている電子機器79上で実行するソフトウェアによって閉じられる。それにより、デバイスは、磁気スイッチ回路機構75が、例えばリードスイッチ76の故障又はデバイスに近づけられたある磁石によって状態を変えたとしても、電源オン状態のままである。
図14】筐体が開いている状態の、デバイスの概略部分的空間の図である。
図15】デバイスの動作可能状態間の推移のフローチャートである。
図16】電気回路スキームの図である。
図17】電気回路スキームの図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
タイヤ空気圧を測定することの一側面は、航空機の外部のソース(インターネットを介してアクセス可能な局所の気象情報サービスからの大気圧、インターネットを介してアクセス可能な遠隔サーバ上のデータベース、又はポータブル電子デバイス(PED1)の全地球航法衛星システム(例えば、全地球測位システム(GPS:Global Positioning System)、Galileoなど)アクセス能力に基づく地理的位置など)からのパラメータ(現在又は将来の所在地における局所温度、大気圧、又は高度)の使用である。
【0025】
1つ又はいくつかの物理的パラメータ3は、いくつかの航空機機器又は維持管理機器を用いて航空機において測定される。測定値は、処理及び表示に向けてPED1(スマートフォン又はタブレットなど)に送信される。この処理には、航空機の外部のソースからのパラメータ(PED一体型圧力センサ5によって測定された大気圧、PED1GNSSからの高度、又はPED1インターネット接続7を介してアクセスされた気象ウェブサイトからの温度などだが、これらに限られるわけはない)を伴う。この結果は、処理済みパラメータ値である。
【0026】
本発明では、より正確に、より有意義に、又はより直接に適用可能な値をユーザに提供するために、従来の測定技法を補完する。
【0027】
本発明では、PED1の能力を使用して、航空機に永続的にも一時的にも取り付けられていないソース5、7からのパラメータを使用する。これには、PED1そのものセンサ(GNSSなど)、及びインターネットを介して入手可能なデータ(気象データなど)が含まれる。
【0028】
本発明は、航空機維持管理産業だけではなく日常生活におけるPED1の普遍化にその起源がある。それは、航空機対応の無線送信能力の発展及び統合によって可能にされる。
【0029】
本発明の目的は、航空機パラメータの測定及び処理を簡略化し、向上させることにある。それは、パラメータの測定と処理との連鎖にPED1を組み込むことによって可能にされる。PED1は、表示手段や処理手段だけではない。PED1は、インターネット7に接続されると見なされ、埋め込み式感知能力5(地理的位置感知用のGNSSなど)さえも有することができる。インターネット接続は、公衆インターネットにおいて又は私的データベースにおいてデータにアクセスするのに使用され得る。
【0030】
航空機の外部のソースからのデータを使用する利点は、多方面にわたる。
- いくつかのパラメータは、航空機に属していないセンサによって測定され得る。これによって、航空機に取り付けられる機器が減る(航空機をより軽量に、より信頼できるものにする)。
- 処理には、特定の航空機システム(地上データベース、又はシステム所在地で都合よく測定することができない規定の物理パラメータなど)に都合よくアクセスすることができないパラメータを使用することができる。
- 処理には、現在の航空機所在地のパラメータではなく、将来の所在地(目的地空港など)のパラメータを使用することができる。これにより、航空機パラメータの将来の条件を見込むことが可能になる。それにより、航空機構成が一日又は数日の動作中に直面する様々な状況を考慮に入れて、航空機構成が最適化され、維持管理費用を縮小することができる。例えば、最適化されたタイヤ空気圧は、タイヤの摩耗を軽減し、その寿命を延ばす。
【0031】
本発明の良い実例は、図5に示されるような航空機タイヤ空気圧測定システム(TPMS:Tire Pressure Measurement System)である。航空機ホイール48に取り付けられたセンサ47が、タイヤ空気圧を測定し、その結果をPED1に無線で送信する52。システムユーザは、通常、絶対空気圧(すなわち、タイヤ空気圧と真空との差)よりもタイヤの相対空気圧(すなわち、タイヤ空気圧と周囲の気圧との差)を読み取ることを希望し、それは、これが航空機維持管理文書に述べられていることであるからである。これは、システムが、タイヤ空気圧及び周囲の気圧の両方を測定する必要があることを意味する。周囲の気圧のバラツキ(温度及び高度に起因する)は、相対タイヤ空気圧に無視できない影響を及ぼす。
【0032】
気圧は、いくつかのやり方で測定され得る。
1.気圧は、タイヤに取り付けられたセンサ47によって測定され得る。これには、センサが気圧に関係付けられるように気体入口穴が必要である。このセンサがある、非常に汚れた環境に起因して(水、泥、ブレーキ粉塵、洗浄流体、除氷流体、虫など)、入口穴は、非常に詰まりやすい。時間の経過に伴いこれを防ぐのに有効で確実なやり方はない。これは誤った圧力測定につながり、それにより航空機動作の安全性を危うくする可能性がある。これは望ましいソリューションではない。
2.気圧は、航空機のそれほど制約のない範囲に取り付けられた付加的なセンサ50によって測定され得る。センサ50は、その測定値を、ホイール48に取り付けられたセンサとちょうど同じようにPED1に無線で送信する可能性がある。これには、追加のセンサが必要となる。追加のアイテムは、嵩む費用、重量増加、及び全体的な信頼性の低下を意味する。これは、理想的なソリューションとは言えない。また、このソリューションは、タイヤが航空機目的地で直面するようになる差圧条件を見込むことを可能にしない。
3.気圧は、関係のないセンサ、例えば局所の気象情報サービスのセンサによって測定され得る。このデータは、インターネット7において入手可能であり得る。PED1は、そのインターネット接続52を介してこのデータにアクセスすることができる。これには、航空機上の追加の機器もユーザ用の追加の機器も何ら必要としない。気圧は、すでに存在し、その周囲で動作しているセンサによって測定される。データは、すでに使用可能であり、ちょうど使用されるのを待っている。このソリューションは、航空機重量、航空機システムの信頼性及び費用の面でより良いものである。これは、本発明の利点の良い実例である。
【0033】
(圧力測定デバイス)
好ましいタイヤ空気圧測定デバイス(無線タイヤ空気圧計、WTPG:Wireless Tire Pressure Gauge)は、圧力センサ・デバイス(PSD)47及び圧力センサ・ホルダ(PSH)57を有する。PSD47は、圧力トランスデューサ83及びいくつかの電子機器79を含む。PSH57は、航空機ホイール48にPSH57を設置するのを可能にする機械式境界面である。
【0034】
PSH57は、以下の機能を果たす。
- PSD47をタイヤ膨張ポートにおける所定位置に維持する。
- タイヤ気体圧60を圧力トランスデューサに関係付ける。
- PSD47が所定位置である状態で、タイヤを膨張させる/タイヤの空気を抜く手段を与える。
- タイヤ48が膨張した状態で、PSD47取り替えを可能にする。
これら4つの機能の組み合わせにより、都合よくタイヤ膨張弁にPSD47を設置するのが可能になる。
【0035】
本発明は、タイヤを膨張させるのに標準境界面を提供しながら、航空機ホイール48の膨張ポートに圧力測定デバイスを取り付けることを可能にする。これは、メンテナンスを損なうことなく、そのホイールに別個の「圧力ポート」がない航空機を装備することを可能にする。それは、タイヤの空気を抜くことなく、PSD47を取り替えることも可能にする。PSD47が周期的に取り替えられることを必要とするバッテリ給電式デバイスであることから、これが必要とされる。
【0036】
バッテリ給電式デバイスであるPSD47は、その電力消費を最小限に抑える必要がある。これは、使用時だけではなく保管中もそのようにする必要がある。航空宇宙産業では、機器が、航空機に設置される前に数年間保管される場合がある。保管期間中にPSD47電力消費を最小限に抑えることは、航空機に設置されるとPSD47の契約上の耐用年数が確実に確保されるようにするのに不可欠である。
【0037】
PSD47は、航空機に設置されると、非常に苛酷な環境を受ける(着陸ホイールギアに装着されると、衝撃、水、泥、粉塵、虫、腐食性流体、遠心加速度などを受ける)ため、PSD外部筐体85にon/offスイッチがあることは都合が良くない。筐体85は、完全に密閉した状態のままでなければならない。そのため、非接触スイッチが開発された。これには、相応の磁場を受けると(例えば、磁石に近づくことによって)、開く又は閉じる(それが、通常閉じているか、又は通常開いているかに応じて)リードスイッチ76を使用する。これにより、筐体85の密閉性及びロバスト性を損なうことなくPSD筐体85を通してPSD47を作動させることが可能になる。新規性は、PSD47の電源が入れられた時点の「ロックオン」機能にある。リードスイッチ不具合(振動、衝撃、高遠心加速度などによって引き起こされる)に起因する使用時の誤った「スイッチオフ」を防ぐために、PSD47は、ソフトウェアによってオン状態にロックされ得る。
【0038】
(実施例:直列の2つの弁)
このソリューションは、直列に2つの弁59、63を含む。内側弁59は、タイヤ48とPSD47との間に位置する。外側弁63は、PSD47と膨張境界面87との間に位置する。内側弁59により、タイヤ48の空気を抜くことなくPSD47を取り外すのが可能になる。外側弁63により、通常の膨張手段を塞ぐのが可能になる。内側弁59は、PSH57の第1の要素、言わばホイールセンサ境界面(WSI:Wheel-Sensor Interface)55に入っている。外側弁63は、PSH57の第2の要素、言わば止めナット61に含まれている。両方の弁59、63は、標準航空機ホイールバルブコアを含む。これらの弁59、63は、通常閉じている(また、バネ89、91によってそのように維持される)。弁棒93、95が押されると、これらの弁59、63は開く。
【0039】
図6図8では(また以下に示す代替の実施例に関して図9及び図10でも)、点で描いた範囲は、タイヤ空気圧60に関係する範囲である。PSD47のような着脱式部品間の境界面に関して、圧力損失に対して密閉するのに、明確に述べられていなくても、Oリング97(図10参照)のような通常の手段が適用されている。
【0040】
ホイール48にWSI55のみが取り付けられている場合、内側弁59が閉じている。タイヤ空気圧60が維持されている。WSI55は、元の膨張弁の代わりに、ホイール48リムにねじ込まれている。これは、同じねじ山を特徴とする。
【0041】
PSD47がWSI55上に滑り込んでも(図7)、何も起こらない。PSD47は、所定位置にあるが、タイヤ空気圧60に関係しない。止めナット61がWSI55上にねじ込まれると、止めナット61の設計特徴が、内側弁59を押し、それを開く。タイヤ空気圧60は、内側弁59を流れる。外側弁63は、閉じたままである。膨張手段が止めナット61に接続されていた場合、外側弁63は、開く可能性がある。止めナット61の自由端上のねじ山99は、元の膨張弁と全く同じ境界面(ねじ山及びねじ山長さ)を特徴とする。PSD47は、止めナット61が締められるまで、PSH57を中心に自由に回る。PSH57の周りのPSD47の向きは、問題ではない。PSH57又はPSD47(又はその両方)にある周方向溝100により、PSD47が、その向きがどうであれ、タイヤ空気圧60を受けるのが可能になる。この手段によって、PSD47は、圧力60下の気体とPSD47、具体的にはその圧力トランスデューサ83との流体接続を維持しながら、PSH57上のどの回転位置にも固定され得る。
【0042】
元の膨張弁の弁帽と同じ標準弁帽65が止めナット61の自由端のねじ山99にねじ込まれている。これは、弁59、63を汚れ(例えば、水、粉塵など)から保護する。したがって、ねじ山99は、弁棒65のような付属部品が元の膨張弁に取り付けられ得るのと同様に止めナット61の自由端に取り付けられ得るように、元の膨張弁のねじ山と全く同じであるか、又は最後にそれと互換性がある。
【0043】
(代替の実施例:弁が1つのみ)
直列の2つの弁の場合の上記のソリューションは、製造するにはかなり複雑で費用が嵩むが、すべての期待を満たす。より単純な設定の同じ機能を実現する第2の変形形態が設計され、試験されている。そこでは、内側の弁が除かれ、止めナット61がより単純になっている。これは、より安価で、より軽量で、よりコンパクトでより信頼性の高いPSH57をもたらす(含む部品がより少ないためである)。
【0044】
内側弁1によって果たされる機能(PSD47取り替え中にタイヤ空気圧を保持する)は、WSI55の内側からPSD47に空気圧を向ける非常に小さなサイズの穴69によって果たされる。PSD47が取り外されると、タイヤ気体が大気に自由に流れ、タイヤは空気が抜ける。ただし、WSI55にある穴69が非常に小さいので、気体流も小さい。したがって、オペレータには、タイヤ空気抜けに問題が生じてくる前に、PSD47を取り外し、再度設置するのに十分な時間がある。膨張手段を接続し、タイヤを膨張させるのを可能にする外側弁63と組み合わせることに新規性がある。
【0045】
控え目な計算では、0.25mm~0.5mmの穴直径で必要とされる性能を実現できることが示される。このような穴サイズは、30sより長く経過した後2PSI(138hPa、すなわち約150hPa)のみのタイヤ空気圧の減少をもたらす。これは、維持手順及びタイヤ限度に従っており、オペレータがPSD47を取り替えるのに十分な時間を残す。より全般的には、30s内の気体圧のたかだか2000hPa、好ましくはたかだか500hPa、又はより好ましくはたかだか300hPaの損失の値が、容認され得る。
【0046】
元の膨張弁の代わりに、WSI55が、ホイール48リムにねじ込まれる。WSI55は、同じねじ山を特徴とする。PSD47がWSI55上に滑り込むと、PSD47は、タイヤ空気圧60を受け、タイヤ気体がもう大気に漏れなくなる。タイヤはそれ以上空気が抜けることがなくなる。
【0047】
PSD47をその位置に固定するのに、止めナット61がWSI55上にねじ込まれる。この単一弁設計のソリューションでは、止めナット61は、実際には単純なナットである。(外側)弁63は、閉じたままである。膨張手段が止めナット61に接続されていた場合、弁63は、開く可能性がある。PSH57の自由端上のねじ山99は、元の膨張弁と全く同じ境界面(ねじ山及びねじ山長さ)を特徴とする。これまでの実施例において上に示したねじ山99に対する全般的な考察も当てはまる。PSD47は、止めナット61が締められるまで、PSH57を中心として自由に回る。PSH57上のPSD47の向きは、問題ではない。PSH57又はPSD47又はその両方にある周方向溝100が、PSD47が、その向きがどうであれ、タイヤ空気圧60を受けるのを可能にする。
【0048】
元の膨張弁のそれと同じ標準弁帽65は、止めナット61の自由端のねじ山99上にねじ込まれる。標準弁帽65は、弁63を汚れ(例えば、水、粉塵など)から保護する。
【0049】
(弁装置の共通の構成)
両方の設計(直列の2つの弁又は1つのみの弁)は、以下の4つの主要機能を果たす。
- PSD47をタイヤ膨張ポート上の所定位置に維持する。
- タイヤ気体圧を圧力トランスデューサに関係付ける。
- PSD47が所定位置にある状態でタイヤを膨張させる/タイヤの空気を抜く手段を与える。
- タイヤが膨張した状態でPSD47を交換できるようにする。
【0050】
(タイヤ測定デバイスの(超)低電力保管モード)
PSD47を低電力モードにする手段は、リードスイッチ76を含む磁気スイッチ回路機構75と、電源入り状態に回路全体をロックするためのロックオン回路77と、に基づいている。
【0051】
磁気スイッチ回路機構75の目的は、デバイスの電源を切り、バッテリ103の寿命を延ばすために、磁場が印加される又は取り除かれると状態を変えることである。磁場の存在は、保管中しか確保することができず(制御下の環境)、動作中は確保することができず、したがって、保管モードは、磁場が印加されると起こる。結果として、正常な動作モードは、磁場が取り除かれると起こる。
【0052】
磁気スイッチは、以下のうちの1つとすることができる。
- 磁場が印加されると開くノーマルクローズリードスイッチ。
- 磁場が印加されると閉じ、この効果を逆にする(すなわち、磁場が印加されると開回路)回路機構75内に統合された、ノーマルオープンリードスイッチ。このソリューションは、ノーマルオープンリードスイッチがノーマルクローズリードスイッチよりも信頼できる可能性があるため、好ましいものであり得る。
【0053】
磁場を印加するのに最も都合の良いやり方は、磁石73である。磁石73は、デバイスの出荷梱包に、磁石73を保管モードに維持するために、正確な場所及び向きで含まれている。デバイスがその梱包から取り出されると、デバイスは自動的に電源が入る。デバイスがその梱包に戻された場合、デバイスは、電源の切れた状態に戻る。
【0054】
デバイスの近くに位置する磁石76によって発生する磁場が磁気スイッチ76を作動させるように、磁気スイッチ76は、デバイス筐体105のすぐ下に位置している。筐体は、磁場に対して透過性があるか、又は少なくとも、磁気スイッチが、筐体105に隣接して位置する磁石によって動作することができるほど十分に磁場に対して透過性がある。
【0055】
図13は、磁石72が取り外されるように、デバイスがその梱包から取り外された状態を示す。それにより、磁気スイッチ回路機構75が閉じ、したがって、デバイスの電源が入っている。磁気スイッチ回路機構ロッキング手段77がまだ開いており、これは、デバイスが動作モードにロックされてないことを意味する。デバイスが望まぬ磁場を受けた場合、又は磁気スイッチ76が機械的に故障した場合、デバイスは、元の超低電力モードに戻る可能性がある。
【0056】
デバイスが航空機に設置される場合、デバイスは、PED1上で実行するアプリ(ソフトウェア)を介してユーザによって構成される。この構成が入力されると、デバイスがホイール48に設置されていることが、デバイスには分かる。構成が入力されている場合、デバイスの電子機器79に常駐するソフトウェアがトランジスタ(又は別のスイッチング構成要素、例えば電子スイッチ)の指揮を執る。このトランジスタは、デバイスを電源入り状態にロックする回路77を閉じる。このロックオン回路77が閉じている場合、リードスイッチ76の状態(開又は閉)は、問題にはならない。リードスイッチ76の状態が変わったとしても、デバイスは、電源が入ったままである。この特徴は、リードスイッチ76の故障からデバイス動作を保護する。この特徴はまた、環境に存在し得る望まぬ磁場によってデバイスが邪魔されるのを防ぐ。
【0057】
図13は、このロックオン状態の例である。デバイスは、動作モードであり、磁気スイッチ回路機構ロッキング手段77が閉じている。磁気スイッチ回路機構ロッキング手段77は、電子機器79内にホストされたソフトウェアが電子スイッチ(例えば、トランジスタ)に閉じるよう命令したので、閉じている。ソフトウェアがユーザから構成コマンドを受信し、それにより、電子スイッチが航空機に設置されていることが分かったことから、ソフトウェアは、この電子スイッチに、閉じるよう命令している。磁気スイッチ回路機構ロッキング手段77が閉じているので、デバイスは、磁気スイッチ回路機構75の状態がどうであれ、動作モードにロックされている。これにより、デバイスが望まぬ磁場を受けたとしても、又は磁気スイッチ76が故障したとしても、デバイスが動作モードを出ることはないので、設計がロバストになる。
【0058】
デバイス構成がユーザによって削除された場合、すなわち、ソフトウェアが、デバイスがもう航空機に設置されていない状態に置かれた場合、ソフトウェアは、トランジスタに命令することを止め、ロックオン回路77が開く。それにより、磁気スイッチ回路機構77は、もうバイパスされることはない。この機能により、デバイスが、動作期間後、超低電力モードの保管に戻されることが可能になる。
【0059】
回路機構全体は、漏れ電流を最小限に抑えるように設計されている。バッテリ給電式デバイスでは、わずかな漏れ電流が、その耐用年数にかなり悪い影響を及ぼす可能性がある。記載の実施例は、漏れ電流を数ナノアンペア(せいぜい100nA、好ましくはせいぜい50、30、20、10、又はさらには5nAであり、後に行くにつれてより好ましい)に下げて最小限に抑える。
【0060】
(状態フローチャート(図15))
図15は、状態間のデバイスの状態及び推移を示す。
201: 磁石は、通常、デバイスが配送梱包箱内で静止しているとき、デバイスに密接して位置している。
202: 磁石は、デバイスに密接した状態から取り外され、デバイスは、状態203へ切り替わる。
203: デバイスは、完全動作可能状態であるが、給電モードにロックされていないので(ロックオンが掛かっていない)、例えば望まぬ磁場に起因して、まだ摂動を受ける可能性がある。
204: 磁石は、デバイスに密接して置かれており、すなわち、デバイスは受動モード(超低電力モード)に戻る。
205: デバイスは、無線通信を介してユーザによって構成され、すなわち、デバイスは状態206に移行する。
206: デバイスは、完全動作可能モードであり、望まぬ磁場又は磁気スイッチ故障を免れ、すなわち、ロックオンが掛かっている。
207: デバイス構成が無線通信を介してユーザによって取り消され、すなわち、デバイスが状態203に戻る。
【0061】
(電子概略図)
回路は、磁気スイッチ76のOR’edコマンド222及びマイクロコントローラ(ソフトウェア駆動式、図示せず)から来る信号224によって制御される単電子スイッチ220(例えば、トランジスタ)を使用して実装されている。「マイクロコントローラ」とは、1つ又は複数の物理的特性(この実施例によれば、タイヤの内部空気圧)と、PEDに対するインターフェース、及びデバイスの状態から信号224を引き出す部のような補助機能と、を測定するように設計されたセンサの回路機構に相当する。注目すべきは、センサ・デバイスがまだ構成されていない場合、信号224は、オフ又は偽であり、センサ・デバイスが構成されると、オン又は真に切り替わる。電子スイッチ220の出力226は、マイクロコントローラの電源である。電子スイッチ220の入力228は、センサ・デバイスの電力源、具体的にはバッテリに接続されている。図11図13とは対照的に、磁気スイッチは、直接電源を入れることはないが、電子スイッチ220に制御信号を与える、OR’dコマンド222によってロックオン論理の信号に接続される。したがって、磁気スイッチ76は、感度の面で最適化され得るが、相当な電流を運ぶように設計される必要はない。
【0062】
磁気スイッチ76は、待機状態で、すなわち、磁場がないか又はその切り替えレベルを下回る磁場に晒される状態で、その接点を開にさせる(例えば、ノーマルオープンリードスイッチ)。磁石がある場合、すなわち、磁石が、磁気スイッチ76に十分近く位置し、それにより、それを通して磁気スイッチ76の切り替えレベルを上回る強度の磁場をもたらす場合、磁気スイッチ76は、磁場によって閉位置に維持される。これにより、電子スイッチ220が開回路位置に保たれる。
【0063】
磁石が取り除かれると(さらに離して置かれると)、磁気スイッチ76が開き、Or’dコマンド222が、電子スイッチ220の制御入力における論理レベルを開(遮断)から閉レベルに変え、結果として、電子スイッチ200が、バッテリをデバイス電子機器、すなわち出力226付き入力228に接続する。
【0064】
電子スイッチ200は、センサ・デバイスを制御し、測定値を確認し、取り出されたデータを受信デバイスに与えるなどのために、その上でソフトウェアを実行するマイクロコントローラから来る信号202によっても制御される。
【0065】
図17は、電子回路機構をより詳細に示す。磁気スイッチが、抵抗体230及び232によって構成されている分圧器の入力228及び中間接続に接続されている。抵抗体230の他の端子は、電子スイッチであるFETトランジスタ220のゲートに接続され、抵抗体232の第2の端子は、接地に接続されている。抵抗体232に並列のコンデンサ234は、接点バウンスの影響を抑える。
【0066】
低電力モードでは、すなわち、磁石が磁気スイッチ76に近く、そのため磁気スイッチ76が閉じている状態では、トランジスタ220のゲートが、抵抗体230を介してそのソースに接続されている。トランジスタ220は、そのゲートがソースに接続されると、すなわち、ゲートとソースとがほぼ同じ電圧レベルになると、高抵抗を成す、すなわち、オフ状態のスイッチに相当する類のものである。
【0067】
磁気スイッチ76及び抵抗体232を介した電流が、低電力状態における電力消費の重要な要因である。何ボルトかの電源を仮定すると、抵抗体は、少なくとも1M(1M=10Ω)、好ましくは少なくとも4M、10M、20M、40M、さらには100Mでなければならず、後に行くにつれてより好ましい。
【0068】
「マイクロコントローラ」236は、入力228において電力源から切断され、それによりその出力238も無効になり、ほぼ接地電位240になる。トランジスタ242のゲートも接地していると考えられるが、通常通り、ゲートを接地電位240に安全に保つように抵抗体244が設けられている。トランジスタ244もまた、そのゲートがそのソースと同じ電位であるときにオフになる類のものである。
【0069】
特にこのスイッチオフモードで電力消費を最小限に抑えるために、最も重要なこととして、トランジスタ220は(MOS-)FETであり、トランジスタ244も(MOS-)FETである。それにより、磁気スイッチ76が閉じている場合、電流が流れる抵抗体232に対して高抵抗値を選ぶことが可能である。
【0070】
磁石が取り除かれると、スイッチ76が開き、トランジスタ238のゲートが、コンデンサ234が放電し、トランジスタ220がスイッチを閉じるのに相当する低抵抗に変わり、マイクロコントローラ236の電源が入るのと同じ速さで、抵抗体230及び232によって接地電位240へ引かれる。ここで、デバイスは、状態203(図15)であり、すなわち作動しているが、まだ非構成状態である。特に、電源入り後に事前規定の非構成状態を確保する自動リセットが好ましい。
【0071】
構成すること(移行205)は、マイクロコントローラ236がその出力236を有効にし、それにより、トランジスタ242のゲートに高電位が印加されることを必然的に伴う。トランジスタ242は、状態206に対応して、低抵抗になり、抵抗体230、232を短絡させる。この状態では、磁場によって磁気スイッチ76を作動することは、トランジスタ220の状態に何ら影響を及ぼさなくなり、それにより、センサ・デバイスがオン状態又は給電状態にロックされる。
【0072】
構成は、有用な入力であれば何でもよく、デバイスがオンのままでなければならないことを意味するデータの入力のみから始まる。他の有用なデータは、センサが平面に設置されているという状態表示、設置されているのが平面のどのホイールのどのタイヤかの表示、などのデータである。これらの日付けは、マイクロコントローラがそれにアクセスすることができるように、センサ(図示せず)、より具体的にはマイクロコントローラが有するメモリに永続的に格納される。
【0073】
これらのデータを取り除くこと、すなわち、マイクロコントローラ236を、電源が入った直後にそれが有する構成に事実上リセットすることが、マイクロコントローラ236によって検出され、その出力238の無効化を引き起こす(移行207)。トランジスタ242のゲートが再び接地電位240へ引かれ、トランジスタ242が非導電性になり、システムがもうオン状態にロックされることのない状態203に戻る。磁石に近寄ることによって、例えば、センサを、適切な場所に磁石が備えられた梱包に戻すことによって、センサは、もう一度無効になり得、すなわち、(超)低電力モード(状態201)に戻され得る。
【0074】
記載の実施例の主な利点は、デバイスを作動させる又は停止させるのに特定の機器が何もなくて済むことである。これは、本発明の最初の適用分野が航空であることから重要である。航空機、具体的にはビジネス航空機は、使える機器がほとんどない遠隔飛行場に着陸する場合がある。また、民間航空機オペレータは、信号を発して、この圧力感知デバイスを作動させる特注機器を備える負担に対処することができない。民間航空機は、世界中を飛行し、またこのような特注機器を何百もの空港で使用できるようにするのは実際的でも経済的でもない(また環境に優しくもない)。このデバイスを作動させる又は停止させるのに特定の機器が何もなくて済むことは、先行技術に対する著しい向上である。単純、小型、軽量、安価で市販の磁石が、適度に正確に位置付けられ、方向付けられればこのデバイスを停止させるのには十分である。このような磁石は、このデバイスの梱包に含めることができる。また、このデバイスを停止させるのに磁石が使用される。磁石がないとデバイスが作動することにつながるので、デバイスを作動させるのに全く機器がなくて済む。これは、使用できる特定の機器がない遠隔地でも、都合よく使用できるようにする。
【0075】
好ましい実施例の説明から、当業者であれば、特許請求の範囲によって規定されている保護範囲を離れずに、多くの変化形態及び代替形態を引き出すことができる。考えられることは、例えば、
- 本発明が、航空機以外の乗り物において使用される。
- センサが乗り物に装着されている位置に起因して不都合又は難しい可能性がある、センサに密に近づく必要なく、センサデータが取り出され得るように、センサとPEDとの間の無線通信の範囲が、少なくとも5m、好ましくは少なくとも10m、より好ましくは少なくとも15mである。
- 他のセンサ、具体的には他の乗り物のセンサに接触するリスクを減らすために、センサ/PEDのこの無線通信の範囲がせいぜい100m、好ましくはせいぜい50mであってもよい。
- PEDが、よくある作業用付属品であり、また本発明による方法を実行するのに必要とされるソフトウェアを実行することができる、スマートフォン、タブレット、ポータブルコンピュータなどのようなポータブルデバイスである。
- タイヤを膨らませるための気体は、空気、又はこの目的に当技術分野で知られている他のどのような気体であってもよい。
- PSDには、一体型無線通信ユニットが備わっていないが、PSDが乗り物の別の場所に配置されている無線通信ユニットに接続されてもよい。
- PSDとPSHとの境界面の円形対称の代わりに、PSHに対して事前規定のいくつかの向きにPSDを装着することを可能にする正多角形境界面が設けられている。この多角形は、3個、4個、5個、6個、又はそれより多い回転位置を可能にする、三角形、四角形、五角形、六角形などであってもよい。正とは、この背景では、多角形の辺が、多角形の辺の位数の回転対称がもたらされるように同じ長さであることを意味する。考えられることには、台形、楕円、又はスタジアム形(両側が半円である長方形)のような回転式対称2の、或いは、例えば3、4、6、8などのより高度な回転式対称の別の断面を使用することさえもある。
【0076】
付録Aで本革新のさらなる定義を示す。
【符号の説明】
【0077】
A/C 航空機
FET 電界効果トランジスタ
GNSS 全地球航法衛星システム(GPS、Glonass、Galileo)
GPS 米国空軍によって維持され、またGNSSの総称としても使用される「全地球測位システム」
hPa ヘクトパスカル;1hPa=100Pa
PED ポータブル電子デバイス。好ましくは、個人用衣類として人によって携帯されるように十分に軽量で小型であるデバイス
PSD 圧力感知デバイス
PSH 圧力センサ・ホルダ
TPMS タイヤ空気圧測定システム
WSI ホイールセンサ・インターフェース
WTPG 無線タイヤ空気圧計、無線通信を特徴とするタイヤ空気圧測定デバイス
【0078】
(付録A)
本明細書に記載の対象及び方法の観点
1.乗り物の、特に航空機の物理的特性を決定するための方法であって、前記物理的特性は、少なくとも1つの第1のパラメータ及び少なくとも1つの第2のパラメータから算出され、前記第1のパラメータは前記乗り物それ自体の上で決定され、
- 前記第1のパラメータのうちの少なくとも1つは、前記乗り物に配置された第1のセンサ(47)によって決定され、前記センサは、無線通信ユニットを備え、又は無線通信ユニットに接続され、或いはその両方であり、
- 前記第1のセンサは、前記少なくとも1つの第1のパラメータを評価デバイスに無線で送信し、前記評価デバイスは、前記少なくとも1つの第1のパラメータの送信用に配置された無線通信ユニットを備え、
- 前記評価デバイス(1)は、少なくとも1つの第2のパラメータを取り寄せ、
- 前記評価デバイス(1)は、前記少なくとも1つの第1のパラメータ及び前記少なくとも1つの第2のパラメータを用いて前記物理的特性を算出する
ことを特徴とする、方法。
2.第2のパラメータのうちの少なくとも1つ、好ましくは第2のパラメータのすべてが、
- 前記評価デバイスの組み込み式の第2のセンサ(5)、
- 前記評価デバイス(1)と無線で通信するように配置された前記乗り物のデバイス
のソースのうちの少なくとも1つから、
- データを提供する遠隔設備から、好ましくは私的データベース又は公衆インターネットから、前記評価デバイスの通信ユニット、好ましくは無線通信ユニットによって、
取り寄せられることを特徴とする、1項に記載の方法。
3.前記評価デバイス(1)は、人が持ち運びできるデバイスであり、前記デバイスは、好ましくは、決定する特性の値を人に示すための表示手段を備え、且つ第2のパラメータを取り寄せるための無線通信ユニットを備えていることを特徴とする、1項及び2項のうちの一項に記載の方法。
4.第2のパラメータは、特に、前記評価デバイスが前記第1のセンサの前記無線通信ユニットの範囲にある間に、或いは前記少なくとも1つの第1のパラメータの少なくとも1つの値の受信前又は受信後に、前記第1のパラメータとほぼ同時に取り寄せられることを特徴とする、1項から3項のうちの一項に記載の方法。
5.前記第2のパラメータのうちの少なくとも1つは、前記乗り物の所在地から遠隔の場所に属し、それにより、前記乗り物が遠隔地にあるかのように前記物理的特性が計算されることを特徴とする、1項から4項のうちの一項に記載の方法。
6.前記物理的特性は、前記乗り物の少なくとも1つのホイールの相対タイヤ空気圧であり、少なくとも1つの第1のパラメータが前記タイヤの絶対空気圧であり、少なくとも1つの第2のパラメータが大気圧である、1項から5項のうちの一項に記載の方法。
7.前記乗り物が航空機、好ましくは気体膨張式タイヤを備えたホイール(48)を有する航空機であることを特徴とする、1項から6項のうちの一項に記載の方法。
8.第1のセンサ(47)と前記評価デバイス(1)との間の無線通信の範囲が、少なくとも5m、好ましくは10m、より好ましくは少なくとも15mの下限に、また場合によっては100m、好ましくは50mの上限に限定されることを特徴とする、1項から7項のうちの一項に記載の方法。
9.1項から8項のうちの一項に記載の方法に使用する、ホイール(48)の気体膨張式タイヤの、好ましくは航空機のタイヤ(48)の空気圧値を提供するセンサ組立体であって、前記センサ組立体は、気体圧センサ(83)を有する気体圧センサユニット(47)を有し、前記気体圧センサユニットは前記ホイール(48)の前記弁座と弁(63)との間に挿入されるように配置され、前記気体圧センサユニットは、随意的な前記気体圧センサへの気体のアクセスを除いて気密筐体(85)に収められ、それにより前記気体圧センサユニットは、その機能を損なう環境からの物質の侵入から保護されることを特徴とする、センサ組立体。
10.前記弁の代わりに元の弁を弁座に備えたホイール(48)に取り付けられるように配置されたアダプタ(55)を有し、前記アダプタは、前記アダプタの内部がホイールの加圧内部(60)へのアクセスを有するように弁(63)を備え、前記アダプタは境界面を有し、前記境界面は、前記気体圧センサユニット(47)が気密式に前記境界面上で前記アダプタに取り付けられ得るような形状であることを特徴とする、9項に記載のセンサ組立体。
11.前記アダプタ(55)は、前記境界面で加圧気体(60)が使用可能となるように前記境界面にある穴(69)を備え、前記境界面は、環状円筒形断面、又は少なくとも2次の回転対称を有する断面を有する形状であり、好ましくは正多角形であり、アダプタ及び気体圧ユニットのうちの少なくとも1つは、前記境界面に、
- 前記穴の場所にある周方向溝(100)であって、前記気体圧センサユニット(47)がアダプタに装着されると前記溝にアクセスできるように気体圧センサ(83)が配置されている、周方向溝(100)と、
-以下のうちの少なくとも1つであって、
-- 前記アダプタの前記境界面にある1つより多い穴(69)、及び
-- 前記気体圧センサユニット(47)の前記境界面にある前記気体圧センサの1つより多い出入り開口
のうちの少なくとも1つと
のうちの少なくとも1つを備え、
それにより、前記気体圧センサユニット(47)が、前記アダプタ上の少なくとも3つの異なる回転位置に装着され得、前記アダプタにある前記穴と前記気体圧センサとの間の流体接続を、
- 前記溝を介して、又は
- 前記アダプタの前記境界面にある前記穴のうちの1つと前記気体圧センサの前記出入り開口のうちの1つとの位置合わせによって
維持することを特徴とする10項に記載のセンサ組立体。
12.前記穴が最大限の気体浸透性を有し、それにより、前記航空機がそのホイール上で静止している状態で前記センサユニット(47)を取り替えるのに必要とされる規定の最長時間にわたって流れる気体量が所定の限度を下回り、前記限度は、それを超えると、前記ホイール及び/又は前記タイヤに対してメンテナンス作業を必要とするタイヤ空気圧損失に、好ましくは最大限で、30sで多くて2000hPa、好ましくは多くて500hPa、最も好ましくは多くて300hPaの空気圧損失につながるものであることを特徴とする、11項に記載のセンサ組立体。
13.圧力センサユニット(47)は、無線通信部、好ましくは標準化されたタイプの無線通信部、より好ましくはBluetooth通信部を備え、それにより、測定された気体圧値が、前記無線通信ユニットの範囲にある前記遠隔デバイス(1)に送信され得ることを特徴とする、9項から12項のうちの一項に記載のセンサ組立体。
14.気体圧センサを有する電子回路機構(79)と、消尽し得る電力源(103)、特にバッテリと、並列に且つ回路機構及び電力源の間に機能的に配置された第1のスイッチ手段(75)及び第2のスイッチ手段(77)とを有し、第1のスイッチ手段は、気体圧センサユニット(47)の外側から、好ましくは場によって、より好ましくは磁場によって制御可能であり、第2のスイッチ手段は回路機構によって制御可能であり、それにより、両方のスイッチ手段が開いている保管モードの後に第1のスイッチが気体圧センサユニットの外側から閉じられることができ、また第1のスイッチ手段を再度開くことによって電力源と回路機構との間の接続が遮断されることがないように、給電式回路機構が第2のスイッチ手段を作動させることを特徴とする、9項から13項のうちの一項に記載のセンサ組立体。
15.最低限の距離内の場の発生源の、好ましくは磁石の存在が第1のスイッチユニットを電気的に開状態に保ち、第1のスイッチが場の不在で電気的に閉じるように設計されていることを特徴とする、14項に記載のセンサ組立体。
図1
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【国際調査報告】