(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-03-29
(54)【発明の名称】納豆菌及びMK-7の生産方法
(51)【国際特許分類】
C12N 1/20 20060101AFI20220322BHJP
C12P 7/66 20060101ALI20220322BHJP
A23L 33/15 20160101ALI20220322BHJP
A61K 31/122 20060101ALI20220322BHJP
A61P 3/10 20060101ALI20220322BHJP
A61P 9/10 20060101ALI20220322BHJP
A61P 17/06 20060101ALI20220322BHJP
A61P 19/10 20060101ALI20220322BHJP
A61P 35/00 20060101ALI20220322BHJP
【FI】
C12N1/20 A
C12P7/66 Z
A23L33/15
A61K31/122
A61P3/10
A61P9/10 101
A61P17/06
A61P19/10
A61P35/00
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021546272
(86)(22)【出願日】2019-07-02
(85)【翻訳文提出日】2021-08-06
(86)【国際出願番号】 CN2019094333
(87)【国際公開番号】W WO2021000246
(87)【国際公開日】2021-01-07
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】521198619
【氏名又は名称】サンゲン バイオサイエンス カンパニー,リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110002572
【氏名又は名称】特許業務法人平木国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】チェン,ジエペン
(72)【発明者】
【氏名】ドゥアン,リリ
(72)【発明者】
【氏名】ホン,リン
(72)【発明者】
【氏名】チェン,ユファン
(72)【発明者】
【氏名】チェン,ホングリュイ
(72)【発明者】
【氏名】ジ,イェユ
(72)【発明者】
【氏名】カイ,チュンリ
(72)【発明者】
【氏名】フー,リウソン
(72)【発明者】
【氏名】シュー,ジカイ
【テーマコード(参考)】
4B018
4B064
4B065
4C206
【Fターム(参考)】
4B018LB00
4B018LB10
4B018LE03
4B018LE05
4B018MD23
4B018ME03
4B018ME05
4B018ME08
4B018MF01
4B018MF09
4B064AD94
4B064BJ03
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4B065AA19X
4B065AC14
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4B065BB02
4B065BB03
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4B065BB26
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4B065BB34
4B065BC02
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4B065BD10
4B065BD16
4B065CA09
4B065CA41
4B065CA44
4C206AA01
4C206AA04
4C206BA05
4C206CB28
4C206MA01
4C206MA04
4C206MA72
4C206NA14
4C206ZA18
4C206ZA97
4C206ZB26
(57)【要約】
本発明は納豆菌ST-1008を提供し、寄託番号がCGMCC No.17894である。本発明は更にMK-7の生産方法を提供し、前記方法は、培地で前記納豆菌CGMCC No.17894を培養することにより、前記菌株細胞内及び前記培地でMK-7を生産し、前記菌株細胞内及び前記培地からMK-7を回収して精製することを含む。本発明は更にMK-7製剤、MK-7純品プレミックス及びMK-7純品を提供する。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
寄託番号がCGMCC No.17894である納豆菌(Bacillus subtilis natto)ST-1008。
【請求項2】
MK-7の生産方法であって、
培地で請求項1に記載の納豆菌CGMCC No.17894を培養することにより、前記菌株細胞内及び前記培地でMK-7を生産し、前記菌株細胞内及び前記培地でMK-7を回収して精製することを含む、MK-7の生産方法。
【請求項3】
前記培地の重量で、前記培地は0.2%~20%炭素源物質及び0.2%~20%窒素源物質を含有し、前記炭素源物質はグルコース、サッカロース、マルトース、フルクトース及びグリセリンからなる群から選ばれるいずれか1つ又は複数のものであり、前記窒素源物質は酵母粉末、ペプトン、大豆粉、ひよこ豆粉、牛肉エキス及び酵母エキスからなる群から選ばれるいずれか1つ又は複数のものである、請求項2に記載の生産方法。
【請求項4】
前記培地の重量で、前記培地は更に0.001%~0.5%無機物質を含有し、前記無機物質はリン酸塩、マグネシウム塩及びナトリウム塩からなる群から選ばれるいずれか1つ又は複数のものであり、
好ましくは、前記無機物質はリン酸二水素ナトリウム、リン酸水素二ナトリウム、リン酸二水素カリウム、リン酸水素二カリウム、硫酸マグネシウム、塩化マグネシウム及び塩化ナトリウムからなる群から選ばれるいずれか1つ又は複数のものである、請求項2又は3に記載の生産方法。
【請求項5】
前記培地は更に発芽促進物質及び前駆物質を含有し、前記発芽促進物質はホウ酸、ビタミンB1、硫酸銅、硫酸マンガン及びセリンからなる群から選ばれるいずれか1つ又は複数のものであり、前記前駆物質はソラネソール、エタノール、メナジオール及びフィトールからなる群から選ばれるいずれか1つ又は複数のものである、請求項2~4のいずれか1項に記載の生産方法。
【請求項6】
前記培養過程において、前記培地の重量で、0.001%~0.5%の前記発芽促進物質を加え、前記培養過程において、好ましくは、菌体の対数増殖期から定常期まで、前記培地の重量で、0.003%~5%の前記前駆物質を加える、請求項2~5のいずれか1項に記載の生産方法。
【請求項7】
前記培養は好気条件下で行われ、培養温度が35~50℃、培養時間が10~48h、pHが5.5~8.0、圧力が0.03~0.08MPaである、請求項2~6のいずれか1項に記載の生産方法。
【請求項8】
前記MK-7を回収して精製することは、
前記培養過程において得られた培養液から発酵菌体及び発酵上清液を分離する工程(1)と、
発酵菌体を乾燥させる工程(2)と、
工程(2)において得られた乾燥後の菌体を有機溶媒で抽出し、抽出により得られた溶液を減圧蒸発して、溶媒を除去する工程(3)と、
工程(3)において得られたものをクロマトグラフィーカラムで脱色し、過酸化物価の除去を行う工程(4)と、
工程(4)において得られたものをクロマトグラフィーカラムで脱酸して、MK-7を得る工程(5)と、を含む、請求項2~7のいずれか1項に記載の生産方法。
【請求項9】
工程(1)において、前記分離はセラミック膜による分離及び遠心分離機による分離からなる群から選ばれる1つ又は2つのものであり、セラミック膜による分離が好ましい、請求項2~8のいずれか1項に記載の生産方法。
【請求項10】
工程(2)において、前記乾燥は噴霧乾燥、冷凍乾燥及び減圧真空乾燥からなる群から選ばれるいずれか1つ又は複数のものであり、噴霧乾燥が好ましく、
前記乾燥は遮光条件下で行われるのが好ましい、請求項2~9のいずれか1項に記載の生産方法。
【請求項11】
工程(3)において、前記有機溶媒は石油エーテル、エタノール、メタノール、ジクロロメタン、イソプロパノール及び酢酸エチルからなる群から選ばれるいずれか1つ又は複数のものであり、石油エーテル及び酢酸エチルが好ましい、請求項2~10のいずれか1項に記載の生産方法。
【請求項12】
工程(4)において、前記クロマトグラフィーカラムの充填材はシリカゲルである、請求項2~11のいずれか1項に記載の生産方法。
【請求項13】
工程(5)において、前記クロマトグラフィーカラムの充填材はアルミナである、請求項2~12のいずれか1項に記載の生産方法。
【請求項14】
請求項1に記載の納豆菌CGMCC No.17894の、MK-7の製造における使用。
【請求項15】
MK-7製剤であって、
MK-7及びMK-6を含み、MK-6はMK-7の2重量%~7重量%であり、前記MK-7製剤は油剤又は粉剤の形態を呈する、MK-7製剤。
【請求項16】
前記油剤は0.1重量%~20重量%のMK-7、80重量%~99重量%の担体、及び0.1重量%~1重量%の酸化防止剤を含む、請求項15に記載のMK-7製剤。
【請求項17】
前記担体は大豆油、トウモロコシ油、ヒマワリ種子油、オリーブ油及び中鎖トリグリセリドからなる群から選ばれるいずれか1つ又は複数のものであり、
前記酸化防止剤はローズマリー、フェルラ酸、トコフェロール及びゴシポールからなる群から選ばれるいずれか1つ又は複数のものである、請求項15又は16に記載のMK-7製剤。
【請求項18】
前記粉剤は0.1重量%~20重量%のMK-7、55重量%~75重量%の吸着剤、10重量%~15重量%の溶媒、5重量%~10重量%の粉末化剤、3重量%~5重量%の乳化剤、及び0.2重量%~0.5重量%の酸化防止剤を含む、請求項15に記載のMK-7製剤。
【請求項19】
前記吸着剤は変性デンプン、耐性デキストリン、微結晶セルロース及び食物繊維からなる群から選ばれるいずれか1つ又は複数のものであり、
前記溶媒は大豆油、トウモロコシ油、ヒマワリ種子油、オリーブ油及び中鎖トリグリセリドからなる群から選ばれるいずれか1つ又は複数のものであり、
前記粉末化剤はカゼインナトリウム、カゼインホスホペプチド、リン酸化ジスターチホスフェート、オクテニルコハク酸デンプンナトリウム及びオクテニルコハク酸エステル化デンプンからなる群から選ばれるいずれか1つ又は複数のものであり、
前記乳化剤はモノグリセリン脂肪酸エステル、ジグリセリン脂肪酸エステル、アラビアゴム、大豆リン脂質、カプリル酸/カプリン酸グリセリル、モノパルミチン酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン、ステアロイル乳酸ナトリウム、ステアロイル乳酸カルシウム及びジアセチル酒石酸モノグリセリドからなる群から選ばれるいずれか1つ又は複数のものであり、
前記酸化防止剤はパルミチン酸アスコルビル、エリソルビン酸、エリソルビン酸ナトリウム、トコフェロール、グルタチオン、クエン酸、エチレンジアミン四酢酸及びカロチノイドからなる群から選ばれるいずれか1つ又は複数のものである、請求項15又は18に記載のMK-7製剤。
【請求項20】
請求項15~19のいずれか1項に記載のMK-7製剤の、食品又は保健用食品における使用。
【請求項21】
0.1重量%~25重量%のMK-7、74.5重量%~99.7重量%の希釈剤、及び0.2重量%~0.5重量%の酸化防止剤を含むMK-7純品プレミックス。
【請求項22】
前記希釈剤は変性デンプン、耐性デキストリン、微結晶セルロース及び食物繊維からなる群から選ばれるいずれか1つ又は複数のものであり、
前記酸化防止剤はパルミチン酸アスコルビル、エリソルビン酸、エリソルビン酸ナトリウム、トコフェロール、グルタチオン、クエン酸、エチレンジアミン四酢酸及びカロチノイドからなる群から選ばれるいずれか1つ又は複数のものである、請求項21に記載のMK-7純品プレミックス。
【請求項23】
請求項21又は22に記載のMK-7純品プレミックスの、食品又は保健用食品における使用。
【請求項24】
98重量%~99.9重量%のMK-7と0.1重量%~2重量%のMK-6を含むMK-7純品。
【請求項25】
請求項24に記載のMK-7純品の、骨粗しょう症、心脳血管石灰化、腎臓病患者の血管硬化症、腫瘍、筋痙攣、神経系、糖尿病又は乾癬を治療する医薬品の製造における使用。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は生物分野に関するが、それに限らず、特に、新しい納豆菌CGMCC No.17894、該菌株を発酵してビタミンK2(MK-7)を生産する方法、及び該菌株のビタミンK2(MK-7)の製造における使用に関するが、それらに限らない。
【背景技術】
【0002】
ビタミンK2はメナキノン(Menaquinone)とも称され、一般的にMKで示される。ビタミンK2は1組の化合物からなり、合計して14種類の形態がある。これらの形態の相違点は側鎖の長さが異なることであり、代表的な分子はMK-4及びMK-7である。MK-7は機能が多く、活性が高く、半減期が長く、安全であるという特徴を有し、主に細胞の成長・代謝並びに心脳血管及び腎臓血管の石灰化の防止に対して非常に重要な作用を果たす。米国国立衛生研究所(NIH)サプリメント事務局(ODS)はビタミンK2(MK-7)が革命的で多分化能を有するビタミンであると評価する。ビタミンK2(MK-7)は凝血を促進し、動脈硬化を改善する作用を有する。現在、中国は既に高齢化社会になったため、骨粗しょう症患者の発病率が比較的高い。大量の資料によれば、ビタミンK2(MK-7)が欠乏すると、高齢者の寛骨の骨折及び骨密度の低下を引き起こす恐れがあることは明らかになった。ビタミンK2(MK-7)が欠乏すると、血清低カルボキシル化オステオカルシンレベルが低下し、血清カルボキシル化オステオカルシンレベルが低下する恐れもあり、このため、高齢者の骨密度が低下して寛骨が骨折することを引き起こす恐れがある。且つ、ビタミンK2(MK-7)は骨粗しょう症、心脳血管石灰化、癌、糖尿病、腎臓病、老年認知症を治療する薬物に使用されてもよく、ビタミンK2(MK-7)は健康でヘルシーであり、将来性が期待される。
【0003】
「168国で住民が65歳以前に心血管疾患により死亡した状況及び生物統計学、社会経済的地位、性別、運動、大量の栄養元素及びビタミンKの相関分析」(2016 Cureus 8(8))によれば、ビタミンK2(MK-7)の1日平均摂取量が5μg/2000kcal未満の国(n=70)の男性及び女性の行列において、早すぎるCVD死亡率はビタミンK2(MK-7)の1日平均摂取量が24μ/2000kcalを超える国(n=72)の2.2倍であることは明らかになった。従って、ビタミンK2(MK-7)の補充は健康にとって不可欠である。天然食物におけるビタミンK2(MK-7)の含有量が極めて低いため、基本的に、食物から十分なビタミンK2(MK-7)を摂取することができない。
【0004】
長年以来、各国はいずれもビタミンK2(MK-7)の生産経路を研究している。合計して以下の3つの態様がある。態様(1)としては化学合成法であり、該方法は有機溶媒を使用する必要があり、環境及び操作者に優しくないだけでなく、得られた製品にも有機溶媒が残留し、製品にシス-トランス構造のビタミンK2(MK-7)が共存する。態様(2)としては固体発酵納豆から抽出することであり、納豆におけるビタミンK2(MK-7)の含有量が極めて低いため、市場性がない。態様(3)としては、天然納豆菌液体を発酵する方法で得ることであり、該方法はサイクルが長く、収量が低い。
【0005】
ビタミンK2(MK-7)の生産及び需要の現状に応じて、世界市場において効率の一層高いビタミンK2(MK-7)の生産方法を必要としている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本願は納豆菌(Bacillus subtilis natto)ST-1008を提供し、寄託番号がCGMCC No.17894である。
【0007】
一態様では、本願はビタミンK2の生産方法を提供し、前記方法は、培地で前記納豆菌CGMCC No.17894を培養することにより、前記菌株細胞内及び前記培地でビタミンK2を生産し、前記菌株細胞内及び前記培地からビタミンK2を回収して精製し、前記ビタミンK2がMK-7であることを含む。
【0008】
他の態様では、本願は前記納豆菌CGMCC No.17894の、ビタミンK2の製造における使用を更に提供する。
【0009】
他の態様では、本願は更にMK-7製剤を提供し、前記MK-7製剤はMK-7とMK-6を含み、MK-6はMK-7の2重量%~7重量%であり、前記製剤は油剤又は粉剤の形態を呈する。
【0010】
本願では、前記油剤は0.1重量%~20重量%のMK-7、80重量%~99重量%の担体、及び0.1重量%~1重量%の酸化防止剤を含む。
【0011】
本願では、前記粉剤は0.1重量%~20重量%のMK-7、55重量%~75重量%の吸着剤、10重量%~15重量%の溶媒、5重量%~10重量%の粉末化剤、3重量%~5重量%の乳化剤、及び0.2重量%~0.5重量%の酸化防止剤を含む。
【0012】
本願は前記MK-7製剤の、食品又は保健用食品における使用を更に提供する。
【0013】
他の態様では、本願は更にMK-7純品プレミックスを提供し、前記MK-7純品プレミックスは0.1重量%~25重量%のMK-7、74.5重量%~99.7重量%の希釈剤、及び0.2重量%~0.5重量%の酸化防止剤を含む。
【0014】
本願は前記MK-7純品プレミックスの、食品又は保健用食品における使用を更に提供する。
【0015】
他の態様では、本願はMK-7純品を提供し、前記MK-7純品は98重量%~99.9重量%のMK-7と0.1重量%~2重量%のMK-6を含む。
【0016】
本願は前記MK-7純品の、骨粗しょう症、心脳血管石灰化、腎臓病患者の血管硬化症、腫瘍、筋痙攣、神経系、糖尿病又は乾癬を治療する医薬品の製造における使用を更に提供する。
【課題を解決するための手段】
【0017】
以下は本明細書において詳しく説明する主題の概略である。本概略は特許請求の範囲を制限するためのものではない。
【0018】
従来技術の欠点を克服して市場需要を満足するために、本発明は純トランス構造のビタミンK2(MK-7)を高収率で生産する方法を提供することを目的とする。
【0019】
具体的に、一態様では、本願は納豆菌(Bacillus subtilis natto)ST-1008を提供し、寄託番号がCGMCC No.17894である。
【0020】
本出願者は長年に渡って深く綿密に研究してきたところ、野生型納豆菌から新しい納豆菌(Bacillus subtilis natto)ST-1008、CGMCC No.17894を突然変異誘発した。本出願者は市販されている、異なる由来の6種類の新鮮な納豆から菌株を分離し、異なるコロニー形態、コロニー色、菌体成長速度に基づいて分離精製してから発酵実験を行って、ビタミンK2(MK-7)生産菌を得た。ビタミンK2(MK-7)生産菌を出発菌株として、該菌株に対して紫外線による突然変異誘発を行って、紫外線による突然変異誘発を26世代行った後に形態変異株を得て、ビタミンK2(MK-7)の収量は20倍増加する。以上の形態変異及びビタミンK2(MK-7)の収量は数世代の継代培養を経って、比較的に安定している。該菌種の番号はST-1008であり、菌種は中国微生物菌種寄託管理委員会普通微生物センターに寄託されており、アドレスが中華人民共和国北京市中関村北一条13号であり、寄託番号がCGMCC No.17894であり、寄託日が2019年06月05日である。
【0021】
本願に係る新しい菌株CGMCC No.17894は、グラム陽性菌であり、芽胞が中央に存在し、菌の幅が1μm~2μmであり、長さが3μm~5μmであるという微生物学的特性を有する。LB寒天培地で、コロニーが広がって均一で灰黄色であり、コロニーの直径が0.3cm~0.5cmであり、色素がなく、菌体が10時間培養されると芽胞が発芽する。LB液体培地で、30分間接種すると発芽し始め、1時間経ると菌体成長列は明確に分離されておらず、長さが約11μm~15μmであり、2時間経ると菌体成長列は明確に分離され、各長列が8~12個の菌体を直列接続してなり、長さが約24μm~36μmであり、2.5時間経ると長列菌体は単一菌体に断裂し始める。
【0022】
本願の他の態様では、該新しい菌種を発酵してビタミンK2(MK-7)を生産する方法を提供し、ビタミンK2(MK-7)を比較的高い収率で生産することができる。
【0023】
本願はビタミンK2の生産方法を提供し、前記方法は、培地で前記納豆菌CGMCC No.17894を培養することにより、前記菌株細胞内及び前記培地でビタミンK2を生産し、前記菌株細胞内及び前記培地からビタミンK2を回収して精製し、前記ビタミンK2がMK-7であることを含む。
【0024】
本願では、前記培地は本分野における通常又は既知の培地であってもよい。前記培地は炭素源、窒素源物質を含有する。更に、培地に有機物質又は無機物質を加えることにより、微生物の成長を促進し、ビタミンK2(MK-7)の収率を向上させることができる。
【0025】
本願では、前記培地は0.2重量%~20重量%の炭素源物質と0.2重量%~20重量%の窒素源物質を含有し、前記炭素源物質はグルコース、サッカロース、マルトース、フルクトース及びグリセリンからなる群から選ばれるいずれか1つ又は複数のものであり、前記窒素源物質は酵母粉末、ペプトン(Tryptone)、大豆粉、ひよこ豆粉、牛肉エキス及び酵母エキス(Yeast extract)からなる群から選ばれるいずれか1つ又は複数のものである。
【0026】
本願では、前記培地は更に0.001重量%~0.5重量%の無機物質を含有し、前記無機物質はリン酸塩、マグネシウム塩及びナトリウム塩からなる群から選ばれるいずれか1つ又は複数のものであり、
好ましくは、前記無機物質はリン酸二水素ナトリウム、リン酸水素二ナトリウム、リン酸二水素カリウム、リン酸水素二カリウム、硫酸マグネシウム、塩化マグネシウム及び塩化ナトリウムからなる群から選ばれるいずれか1つ又は複数のものである。
【0027】
本願では、前記培地は更に発芽促進物質と前駆物質を含有し、前記発芽促進物質はホウ酸、ビタミンB1、硫酸銅及び硫酸マンガンからなる群から選ばれるいずれか1つ又は複数のものであり、前記前駆物質はソラネソール、エタノール、メナジオール及びフィトールからなる群から選ばれるいずれか1つ又は複数のものである。
【0028】
前記菌はバチルス・ズブチリスであり、培養過程に芽胞があるため、芽胞の発芽を促進する元素は発芽促進物質として定義される。
【0029】
本願では、前記培養過程において、前記培地の重量で、0.001%~0.5%の前記発芽促進物質を加え、前記培養過程において、好ましくは、菌体の対数増殖期から定常期まで、前記培地の重量で、0.003%~5%の前記前駆物質を加える。
【0030】
本願では、前記培養は好気条件下で行われ、培養温度が35~50℃、培養時間が10~48h、pHが5.5~8.0、圧力が0.03~0.08MPaである。
【0031】
前記培養条件は本分野における通常又は既知の条件下で行われてもよい。前記発酵は好気条件下で行われてもよく、温度は35~50℃であってもよく、38~42℃が好ましい。培養時間は10~48時間であり、16~24時間が好ましい。前記発酵過程において、接種時に発芽促進物質であるホウ酸、ビタミンB1、硫酸銅、硫酸マンガンを加えることが好ましく、その濃度(培地での占有率)が0.001%~0.1%であることが好ましい。前記発酵過程において、菌体の成長前期に加えることが好ましく、その濃度(培地での占有率)が0.003%~5%である。
【0032】
前記発酵過程は本分野における通常又は既知の装置及び条件下で行われてもよく、例えば、振とうフラスコを使用して本分野における通常又は既知の回転速度で行われてもよく、通常の発酵槽、例えば5L槽、5T発酵槽で行われてもよい。
【0033】
本願では、ビタミンK2を回収して精製することは、
前記培養過程において得られた培養液から発酵菌体及び発酵上清液を分離する工程(1)と、
発酵菌体を乾燥させる工程(2)と、
工程(2)において得られた菌粉を有機溶媒で抽出し、抽出により得られた溶液を減圧蒸発して、溶媒を除去する工程(3)と、
工程(3)において得られたものをクロマトグラフィーカラムで脱色し、過酸化物価の除去を行う工程(4)と、
工程(4)において得られたものをクロマトグラフィーカラムで脱酸して、ビタミンK2製品を得る工程(5)と、を含む。
【0034】
本願では、工程(1)において、前記分離はセラミック膜による分離及び遠心分離機による分離からなる群から選ばれる1つ又は2つのものであり、セラミック膜による分離が好ましい。
【0035】
本願では、工程(2)において、前記乾燥は噴霧乾燥、冷凍乾燥及び減圧真空乾燥からなる群から選ばれるいずれか1つ又は複数のものであり、噴霧乾燥が好ましく、
前記乾燥は遮光条件下で行われることが好ましい。
【0036】
本願では、工程(3)において、前記有機溶媒は石油エーテル、エタノール、メタノール、ジクロロメタン、イソプロパノール、酢酸エチルからなる群から選ばれるいずれか1つ又は複数のものであり、石油エーテル及び酢酸エチルが好ましい。
【0037】
本願では、工程(4)において、前記クロマトグラフィーカラムの充填材はシリカゲルである。
【0038】
本願では、工程(5)において、前記クロマトグラフィーカラムの充填材はアルミナである。
【0039】
工程(4)において使用されるカラム充填材はシリカゲルであり、使用される有機溶媒は本分野における通常又は既知の有機溶媒、例えば石油エーテル、エタノール、酢酸エチル等であり、石油エーテルが好ましく、通常の減圧回収方法で有機溶媒を回収する。工程(5)において使用されるカラム充填材はアルミナであり、使用される有機溶媒は本分野における通常又は既知の有機溶媒、例えば石油エーテル、エタノール、酢酸エチル等であり、石油エーテルが好ましく、通常の減圧回収方法で有機溶媒を回収する。
【0040】
本発明の菌種CGMCC No.17894及び本発明の発酵方法を用いれば、サイクルが16~24時間に短縮し、収量が200~300mg/Lに増加し、食物におけるビタミンK2(MK-7)の含有量が不足するという問題を解決することができる。mg/Lとは、MK-7含有量と発酵液の総体積との比率を指す。
【0041】
本願の他の態様では、前記納豆菌CGMCC No.17894の、ビタミンK2の製造における使用を更に提供する。
【0042】
本願の他の態様では、本願は更にMK-7製剤を提供し、MK-7とMK-6を含み、MK-6はMK-7の2重量%~7重量%であり、前記製剤は油剤又は粉剤の形態を呈する。
【0043】
本願では、前記油剤は0.1重量%~20重量%のMK-7、80重量%~99重量%の担体、及び0.1重量%~1重量%の酸化防止剤を含む。
【0044】
本願では、前記担体は大豆油、トウモロコシ油、ヒマワリ種子油、オリーブ油及び中鎖トリグリセリドからなる群から選ばれるいずれか1つ又は複数のものであり、
前記酸化防止剤はローズマリー、フェルラ酸、トコフェロール及びゴシポールからなる群から選ばれるいずれか1つ又は複数のものである。
【0045】
本願では、重量で、前記粉剤は0.1重量%~20重量%のMK-7、55重量%~75重量%の吸着剤、10重量%~15重量%の溶媒、5重量%~10重量%の粉末化剤、3重量%~5重量%の乳化剤、及び0.2重量%~0.5重量%の酸化防止剤を含む。
【0046】
本願では、前記吸着剤は変性デンプン、耐性デキストリン、微結晶セルロース及び食物繊維からなる群から選ばれるいずれか1つ又は複数のものであり、
前記溶媒は大豆油、トウモロコシ油、ヒマワリ種子油、オリーブ油及び中鎖トリグリセリドからなる群から選ばれるいずれか1つ又は複数のものであり、
前記粉末化剤はカゼインナトリウム、カゼインホスホペプチド及びリン酸化ジスターチホスフェートからなる群から選ばれるいずれか1つ又は複数のものであり、
前記粉末化剤はオクテニルコハク酸デンプンナトリウム及びオクテニルコハク酸エステル化デンプンからなる群から選ばれるいずれか1つ又は2つのものであり、
前記乳化剤はモノグリセリン脂肪酸エステル、ジグリセリン脂肪酸エステル、アラビアゴム、大豆リン脂質、カプリル酸/カプリン酸グリセリル、モノパルミチン酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン、ステアロイル乳酸ナトリウム、ステアロイル乳酸カルシウム及びジアセチル酒石酸モノグリセリドからなる群から選ばれるいずれか1つ又は複数のものであり、
前記酸化防止剤はパルミチン酸アスコルビル、エリソルビン酸、エリソルビン酸ナトリウム、トコフェロール、グルタチオン、クエン酸、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)及びカロチノイドからなる群から選ばれるいずれか1つ又は複数のものである。
【0047】
本願は前記MK-7製剤の、食品又は保健用食品における使用を更に提供する。
【0048】
本願の更なる態様では、本願は更にMK-7純品プレミックスを提供し、前記MK-7純品プレミックスは0.1重量%~25重量%のMK-7、74.5重量%~99.7重量%の希釈剤、及び0.2重量%~0.5重量%の酸化防止剤を含む。
【0049】
本願では、前記希釈剤は変性デンプン、耐性デキストリン、微結晶セルロース及び食物繊維からなる群から選ばれるいずれか1つ又は複数のものであり、
前記酸化防止剤はパルミチン酸アスコルビル、エリソルビン酸、エリソルビン酸ナトリウム、トコフェロール、グルタチオン、クエン酸、EDTA及びカロチノイドからなる群から選ばれるいずれか1つ又は複数のものである。
【0050】
本願は前記MK-7純品プレミックスの、食品又は保健用食品における使用を更に提供する。
【0051】
本願の他の態様では、本願はMK-7純品を提供し、98重量%~99.9重量%のMK-7と0.1重量%~2重量%のMK-6を含む。
【0052】
本願は前記MK-7純品の、骨粗しょう症、心脳血管石灰化、腎臓病患者の血管硬化症、腫瘍、筋痙攣、神経系、糖尿病又は乾癬を治療する医薬品の製造における使用を更に提供する。
【0053】
本願では、用語のMK-7純品プレミックスとは、MK-7純品に希釈剤、酸化防止剤を加えた後、ふるい分け、混合、乾燥等の工程を行って得られた粉末を指す。
【0054】
本願の他の特徴及び利点は下記の明細書において説明され、且つ部分的に明細書から明らかになり、又は本願を実施することにより理解される。本願の目的及び他の利点は明細書及び特許請求の範囲に特に指す構造により実現・取得されることができる。
【発明を実施するための形態】
【0055】
本願の目的、技術案及び利点をより明確にするために、以下に本願の実施例を詳しく説明する。なお、衝突しない限り、本願の実施例及び実施例の特徴は互いに任意に組み合わせられてもよい。
【0056】
実施例1
市販されている納豆から、ビタミンK2(MK-7)を生産する納豆菌を分離する
納豆(日本バイオテクノロジー株式会社から購入された)を滅菌水で溶解・希釈した後、固体LB培地プレートに塗布し、37℃で24時間恒温培養すると、プレートの表面に白色コロニーが成長することとなり、接種針でピックアップすると糸引き現象が生じる。白色コロニーをLB斜面培地に移動し、37℃で24時間培養し、接種用ループで発酵培地(100mlの三角フラスコで20ml詰め込み、培地の組成はグルコース2%、グリセリン4%、大豆粉3%、硫酸マグネシウム0.01%、リン酸水素二カリウム0.01%、塩化ナトリウム0.5%、セリン0.08%である)に接種し、37℃において270rpmで48時間揺動し、等体積の酢酸エチルを加えて抽出して分層した後、酢酸エチル層を乾燥させてエキスを得て、高速液体クロマトグラフを使用して分析し、標準品と同じ保持時間を有するサンプルに対応する微生物を選択し、最終的にビタミンK2(MK-7)を生産する納豆菌を同定する。該微生物は、グラム陽性菌であり、芽胞が中央に存在し、菌の幅が0.2umであり、長さが1~2umであるという微生物学的特性を有する。LB寒天培地で、コロニーは白色で、培地の表面から突出し、コロニーの表面にしわがあり、コロニーは粘性を有し糸引きすることができ、コロニーは直径が0.3~0.5cmであり、色素がなく、菌体が10時間培養されると芽胞が発芽する。
【0057】
実施例2
ビタミンK2(MK-7)を生産する菌種の突然変異誘発
実施例1において得られた、ビタミンK2(MK-7)を生産する菌株を出発菌株として、紫外線による突然変異誘発を行い、36世代突然変異誘発して変異株ST-1008を得る。該微生物は、グラム陽性菌であり、芽胞が中央に存在し、菌の幅が0.5umであり、長さが2~3umであるという微生物学的特性を有する。LB寒天培地で、コロニーが広がって均一で灰黄色であり、コロニーの直径が0.3~0.5cmであり、色素がなく、菌体が10時間培養されると芽胞が発芽する。LB液体培地で、30分間接種すると発芽し始め、1時間経ると菌体成長列は明確に分離されておらず、長さが約11~15umであり、2時間経ると菌体成長列は明確に分離され、各長列が8~12個の菌体を直列接続してなり、長さが約24~36umであり、2.5時間経ると長列菌体は単一菌体に断裂し始める。該菌種は中国微生物菌種寄託管理委員会普通微生物センターに寄託されており、アドレスが中華人民共和国北京市中関村北一橋13号であり、寄託番号がCGMCC No.17894である。
【0058】
実施例3
種子の製造
実施例において得られたCGMCC No.17894菌種を接種し、50mlの種子培地(表1参照)に入れ、38~42℃において、150~300rpmでインキュベータを揺動しながら3~16時間培養すると、接種待ちの菌種を得る。
【0059】
【0060】
実施例4
5L槽による発酵
実施例3において得られた菌種を、発酵培地量を20%占有する接種量で発酵生産のための基礎培地(表2参照)に接種し、42℃で培養し、30分間培養してからフィード培地(表3参照)を流加補充し始め、0.5時間当たりにフィード培地を100ml加え、20時間まで続けられ、合計して2L補充する。接種時に発芽促進物質である0.001%ホウ酸、0.001%ビタミンB1、0.001%硫酸銅を加え、4時間まで培養してから前駆物質である0.05%エタノールを加える。培養過程において、pH値が自然で、溶存酸素の濃度が30%以上に制御される。発酵サイクルは24時間である。高速液体クロマトグラフィ法で発酵収量が200mg/Lであることを測定し、具体的な高速液体クロマトグラフィ測定条件は表2に示される。
【0061】
【0062】
【0063】
【0064】
得られた発酵液をセラミック膜で固液分離し、得られた菌体濃縮液を真空乾燥させ、菌粉:石油エーテル又はエタノールの1:3重量比で、乾燥後の菌粉にエタノール又は石油エーテルを加えて抽出する。抽出後、有機相を分離し、有機相を減圧回収して、微生物K2含有の粗生成物を得る。粗生成物はシリカゲルをカラム充填材とし、石油エーテルを移動相として、脱色を行う。脱色後の粗製品は、アルミナカラムを通過し、石油エーテルを移動相として酸価を除去する。得られたビタミンK2(MK-7)の収率が80%である。
【0065】
【0066】
【0067】
実施例5
実施例4との相違点は、接種時に発芽促進物質である0.05%ホウ酸、0.001%ビタミンB1、0.05%硫酸銅、0.05%硫酸マンガンを加えることである。発酵収量が260mg/Lである。
【0068】
実施例6
実施例4との相違点は、接種時に発芽促進物質である0.1%ホウ酸、0.1%ビタミンB1、0.1%硫酸銅、0.1%硫酸マンガンを加えることである。発酵収量が220mg/Lである。
【0069】
実施例7
実施例5との相違点は、4時間まで培養してから前駆物質である0.05%ソラネソールを加えることである。発酵収量が280mg/Lである。
【0070】
実施例8
実施例7との相違点は、4時間まで培養してから前駆物質である0.05%ソラネソール、0.05%のエタノールを加えることである。発酵収量が300mg/Lである。
【0071】
実施例9
実施例8との相違点は、1:3の重量比で乾燥後の菌粉に酢酸エチルを加えて抽出することである。ビタミンK2(MK-7)の収率が90%である。
【0072】
実施例10
実施例8との相違点は、1:3の重量比で乾燥後の菌粉に酢酸エチルを加えて抽出することである。ビタミンK2(MK-7)製品の収率が98%である。
【0073】
本願の発酵方法により得られたビタミンK2は、ビタミンK2の化学合成の欠点、即ち異性体が大量生成され、副生成物が多く、収率が低く、環境を汚染するという問題を克服し、そのイソプレン側鎖がシス構造である場合が多く、活性が比較的低い。本願の発酵方法により得られたビタミンK2は、発酵収量が300mg/Lに達することができ、菌粉を精製することにより、収率が98%に達することができ、且つ構造の同定によって全トランスビタミンK2、即ちMK-7の水素核磁気共鳴スペクトルデータに完全に一致する。
【0074】
実施例11
K2(MK-7)2g、大豆油120g、変性デンプン743g、カゼインナトリウム100g、オクテニルコハク酸デンプンナトリウム20g、モノグリセリン脂肪酸エステル10g、パルミチン酸アスコルビル5g。
K2(MK-7)に大豆油を加えて均一に撹拌し、完全に溶解させた後、続いてパルミチン酸アスコルビル、モノグリセリン脂肪酸エステル、オクテニルコハク酸デンプンナトリウム、カゼインナトリウムを加え、均一に攪拌し続けた後、変性デンプンを加え、均一に攪拌した後、80メッシュのふるいをかけ、80℃で2時間乾燥させると、2000ppmのビタミンK2(MK-7)粉末を1kg得る。
【0075】
実施例12
K2(MK-7)2g、大豆油988g、ローズマリー10g。
K2(MK-7)にローズマリーを加え、更に大豆油を加えて均一に撹拌溶解すると、2000ppmのビタミンK2(MK-7)油を1Kg得る。
【0076】
実施例13
MK-7の粉剤及び油剤の性能
【0077】
【0078】
【0079】
MK-7の粉剤及び油剤並びに従来の粉剤及び油剤の安定性は「中国国家衛生と計画生育委員会公告2016年8号」に基づいて測定され、酸価及び過酸化物価はそれぞれGB5009.229-2016第一法及びGB 5009.227-2016第一法に基づいて測定される。
【0080】
実施例14
K2(MK-7)2g、パルミチン酸アスコルビル2g、微結晶セルロース996g。
K2(MK-7)にパルミチン酸アスコルビルを加えて均一に混合し、80メッシュのふるいをかけた後、微結晶セルロースを倍数比例で5回逓増し、その後、80メッシュのふるいをかけ、残りの微結晶セルロースを加え、均一に混合した後、80メッシュのふるいをかけ、80℃で2時間乾燥させると、2000ppmのビタミンK2(MK-7)プレミックスを1kg得る。
【0081】
実施例15
MK-7純品プレミックスの性能
【0082】
【0083】
実施例14における純品プレミックス及び従来の純品プレミックスの安定性は「中国国家衛生と計画生育委員会公告2016年8号」に基づいて測定される。
【0084】
以上は本願に開示される実施形態を説明したが、前記内容は本願を理解しやすくするために用いた実施形態であり、本願を制限するためのものではない。当業者であれば、本願に開示される趣旨や範囲を逸脱せずに、実施形式及び細部に対して種々の修正や変更を行うことができる。しかしながら、本願の保護範囲は、依然として添付の特許請求の範囲に準じるべきである。
【手続補正書】
【提出日】2021-08-06
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は生物分野に関するが、それに限らず、特に、新しい納豆菌CGMCC No.17894、該菌株を発酵してビタミンK2(MK-7)を生産する方法、及び該菌株のビタミンK2(MK-7)の製造における使用に関するが、それらに限らない。
【背景技術】
【0002】
ビタミンK2はメナキノン(Menaquinone)とも称され、一般的にMKで示される。ビタミンK2は1組の化合物からなり、合計して14種類の形態がある。これらの形態の相違点は側鎖の長さが異なることであり、代表的な分子はMK-4及びMK-7である。MK-7は機能が多く、活性が高く、半減期が長く、安全であるという特徴を有し、主に細胞の成長・代謝並びに心脳血管及び腎臓血管の石灰化の防止に対して非常に重要な作用を果たす。米国国立衛生研究所(NIH)サプリメント事務局(ODS)はビタミンK2(MK-7)が革命的で多分化能を有するビタミンであると評価する。ビタミンK2(MK-7)は凝血を促進し、動脈硬化を改善する作用を有する。現在、中国は既に高齢化社会になったため、骨粗しょう症患者の発病率が比較的高い。大量の資料によれば、ビタミンK2(MK-7)が欠乏すると、高齢者の寛骨の骨折及び骨密度の低下を引き起こす恐れがあることは明らかになった。ビタミンK2(MK-7)が欠乏すると、血清低カルボキシル化オステオカルシンレベルが低下し、血清カルボキシル化オステオカルシンレベルが低下する恐れもあり、このため、高齢者の骨密度が低下して寛骨が骨折することを引き起こす恐れがある。且つ、ビタミンK2(MK-7)は骨粗しょう症、心脳血管石灰化、癌、糖尿病、腎臓病、老年認知症を治療する薬物に使用されてもよく、ビタミンK2(MK-7)は健康でヘルシーであり、将来性が期待される。
【0003】
「168国で住民が65歳以前に心血管疾患により死亡した状況及び生物統計学、社会経済的地位、タバコ、性別、運動、大量の栄養元素及びビタミンKの相関分析」(2016 Cureus 8(8))によれば、ビタミンK2(MK-7)の1日平均摂取量が5μg/2000kcal未満の国(n=70)の男性及び女性の行列において、早すぎるCVD死亡率はビタミンK2(MK-7)の1日平均摂取量が24μg/2000kcalを超える国(n=72)の2.2倍であることは明らかになった。従って、ビタミンK2(MK-7)の補充は健康にとって不可欠である。天然食物におけるビタミンK2(MK-7)の含有量が極めて低いため、基本的に、食物から十分なビタミンK2(MK-7)を摂取することができない。
【0004】
長年以来、各国はいずれもビタミンK2(MK-7)の生産経路を研究している。合計して以下の3つの態様がある。態様(1)としては化学合成法であり、該方法は有機溶媒を使用する必要があり、環境及び操作者に優しくないだけでなく、得られた製品にも有機溶媒が残留し、製品にシス-トランス構造のビタミンK2(MK-7)が共存する。態様(2)としては固体発酵納豆から抽出することであり、納豆におけるビタミンK2(MK-7)の含有量が極めて低いため、市場性がない。態様(3)としては、天然納豆菌液体を発酵する方法で得ることであり、該方法はサイクルが長く、収量が低い。
【0005】
ビタミンK2(MK-7)の生産及び需要の現状に応じて、世界市場において効率の一層高いビタミンK2(MK-7)の生産方法を必要としている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本願は納豆菌(Bacillus subtilis natto)ST-1008を提供し、寄託番号がCGMCC No.17894である。
【0007】
一態様では、本願はビタミンK2の生産方法を提供し、前記方法は、培地で前記納豆菌CGMCC No.17894を培養することにより、前記菌株細胞内及び前記培地でビタミンK2を生産し、前記菌株細胞内及び前記培地からビタミンK2を回収して精製し、前記ビタミンK2がMK-7であることを含む。
【0008】
他の態様では、本願は前記納豆菌CGMCC No.17894の、ビタミンK2の製造における使用を更に提供する。
【0009】
他の態様では、本願は更にMK-7製剤を提供し、前記MK-7製剤はMK-7とMK-6を含み、MK-6はMK-7の2重量%~7重量%であり、前記製剤は油剤又は粉剤の形態を呈する。
【0010】
本願では、前記油剤は0.1重量%~20重量%のMK-7、80重量%~99重量%の担体、及び0.1重量%~1重量%の酸化防止剤を含む。
【0011】
本願では、前記粉剤は0.1重量%~20重量%のMK-7、55重量%~75重量%の吸着剤、10重量%~15重量%の溶媒、5重量%~10重量%の粉末化剤、3重量%~5重量%の乳化剤、及び0.2重量%~0.5重量%の酸化防止剤を含む。
【0012】
本願は前記MK-7製剤の、食品又は保健用食品における使用を更に提供する。
【0013】
他の態様では、本願は更にMK-7純品プレミックスを提供し、前記MK-7純品プレミックスは0.1重量%~25重量%のMK-7、74.5重量%~99.7重量%の希釈剤、及び0.2重量%~0.5重量%の酸化防止剤を含む。
【0014】
本願は前記MK-7純品プレミックスの、食品又は保健用食品における使用を更に提供する。
【0015】
他の態様では、本願はMK-7純品を提供し、前記MK-7純品は98重量%~99.9重量%のMK-7と0.1重量%~2重量%のMK-6を含む。
【0016】
本願は前記MK-7純品の、骨粗しょう症、心脳血管石灰化、腎臓病患者の血管硬化症、腫瘍、筋痙攣、神経系疾患、糖尿病又は乾癬を治療する医薬品の製造における使用を更に提供する。
【課題を解決するための手段】
【0017】
以下は本明細書において詳しく説明する主題の概略である。本概略は特許請求の範囲を制限するためのものではない。
【0018】
従来技術の欠点を克服して市場需要を満足するために、本発明は純トランス構造のビタミンK2(MK-7)を高収率で生産する方法を提供することを目的とする。
【0019】
具体的に、一態様では、本願は納豆菌(Bacillus subtilis natto)ST-1008を提供し、寄託番号がCGMCC No.17894である。
【0020】
本出願者は長年に渡って深く綿密に研究してきたところ、野生型納豆菌から新しい納豆菌(Bacillus subtilis natto)ST-1008、CGMCC No.17894を突然変異誘発した。本出願者は市販されている、異なる由来の6種類の新鮮な納豆から菌株を分離し、異なるコロニー形態、コロニー色、菌体成長速度に基づいて分離精製してから発酵実験を行って、ビタミンK2(MK-7)生産菌を得た。ビタミンK2(MK-7)生産菌を出発菌株として、該菌株に対して紫外線による突然変異誘発を行って、紫外線による突然変異誘発を26世代行った後に形態変異株を得て、ビタミンK2(MK-7)の収量は20倍増加する。以上の形態変異及びビタミンK2(MK-7)の収量は数世代の継代培養を経って、比較的に安定している。該菌種の番号はST-1008であり、菌種は中国微生物菌種寄託管理委員会普通微生物センターに寄託されており、アドレスが中華人民共和国北京市朝陽區北辰西路1號院3號,中國科學院微生物研究所であり、寄託番号がCGMCC No.17894であり、寄託日が2019年06月05日である。
【0021】
本願に係る新しい菌株CGMCC No.17894は、グラム陽性菌であり、芽胞が中央に存在し、菌の幅が1μm~2μmであり、長さが3μm~5μmであるという微生物学的特性を有する。LB寒天培地で、コロニーが広がって均一で灰黄色であり、コロニーの直径が0.3cm~0.5cmであり、色素がなく、菌体が10時間培養されると芽胞が発芽する。LB液体培地で、30分間接種すると発芽し始め、1時間経ると菌体成長列は明確に分離されておらず、長さが約11μm~15μmであり、2時間経ると菌体成長列は明確に分離され、各長列が8~12個の菌体を直列接続してなり、長さが約24μm~36μmであり、2.5時間経ると長列菌体は単一菌体に断裂し始める。
【0022】
本願の他の態様では、該新しい菌種を発酵してビタミンK2(MK-7)を生産する方法を提供し、ビタミンK2(MK-7)を比較的高い収率で生産することができる。
【0023】
本願はビタミンK2の生産方法を提供し、前記方法は、培地で前記納豆菌CGMCC No.17894を培養することにより、前記菌株細胞内及び前記培地でビタミンK2を生産し、前記菌株細胞内及び前記培地からビタミンK2を回収して精製し、前記ビタミンK2がMK-7であることを含む。
【0024】
本願では、前記培地は本分野における通常又は既知の培地であってもよい。前記培地は炭素源、窒素源物質を含有する。更に、培地に有機物質又は無機物質を加えることにより、微生物の成長を促進し、ビタミンK2(MK-7)の収率を向上させることができる。
【0025】
本願では、前記培地は0.2重量%~20重量%の炭素源物質と0.2重量%~20重量%の窒素源物質を含有し、前記炭素源物質はグルコース、サッカロース、マルトース、フルクトース及びグリセリンからなる群から選ばれるいずれか1つ又は複数のものであり、前記窒素源物質は酵母粉末、ペプトン(Tryptone)、大豆粉、ひよこ豆粉、牛肉エキス及び酵母エキス(Yeast extract)からなる群から選ばれるいずれか1つ又は複数のものである。
【0026】
本願では、前記培地は更に0.001重量%~0.5重量%の無機物質を含有し、前記無機物質はリン酸塩、マグネシウム塩及びナトリウム塩からなる群から選ばれるいずれか1つ又は複数のものであり、
好ましくは、前記無機物質はリン酸二水素ナトリウム、リン酸水素二ナトリウム、リン酸二水素カリウム、リン酸水素二カリウム、硫酸マグネシウム、塩化マグネシウム及び塩化ナトリウムからなる群から選ばれるいずれか1つ又は複数のものである。
【0027】
本願では、前記培地は更に発芽促進物質と前駆物質を含有し、前記発芽促進物質はホウ酸、ビタミンB1、硫酸銅及び硫酸マンガンからなる群から選ばれるいずれか1つ又は複数のものであり、前記前駆物質はソラネソール、エタノール、メナジオール及びフィトールからなる群から選ばれるいずれか1つ又は複数のものである。
【0028】
前記菌はバチルス・ズブチリスであり、培養過程に芽胞があるため、芽胞の発芽を促進する元素は発芽促進物質として定義される。
【0029】
本願では、前記培養過程において、前記培地の重量で、0.001%~0.5%の前記発芽促進物質を加え、前記培養過程において、好ましくは、菌体の対数増殖期から定常期まで、前記培地の重量で、0.003%~5%の前記前駆物質を加える。
【0030】
本願では、前記培養は好気条件下で行われ、培養温度が35~50℃、培養時間が10~48h、pHが5.5~8.0、圧力が0.03~0.08MPaである。
【0031】
前記培養条件は本分野における通常又は既知の条件下で行われてもよい。前記発酵は好気条件下で行われてもよく、温度は35~50℃であってもよく、38~42℃が好ましい。培養時間は10~48時間であり、16~24時間が好ましい。前記発酵過程において、接種時に発芽促進物質であるホウ酸、ビタミンB1、硫酸銅、硫酸マンガンを加えることが好ましく、その濃度(培地での占有率)が0.001%~0.1%であることが好ましい。前記発酵過程において、菌体の成長前期に加えることが好ましく、その濃度(培地での占有率)が0.003%~5%である。
【0032】
前記発酵過程は本分野における通常又は既知の装置及び条件下で行われてもよく、例えば、振とうフラスコを使用して本分野における通常又は既知の回転速度で行われてもよく、通常の発酵槽、例えば5L槽、5T発酵槽で行われてもよい。
【0033】
本願では、ビタミンK2を回収して精製することは、
前記培養過程において得られた培養液から発酵菌体及び発酵上清液を分離する工程(1)と、
発酵菌体を乾燥させる工程(2)と、
工程(2)において得られた菌粉を有機溶媒で抽出し、抽出により得られた溶液を減圧蒸発して、溶媒を除去する工程(3)と、
工程(3)において得られたものをクロマトグラフィーカラムで脱色し、過酸化物価の除去を行う工程(4)と、
工程(4)において得られたものをクロマトグラフィーカラムで脱酸して、ビタミンK2製品を得る工程(5)と、を含む。
【0034】
本願では、工程(1)において、前記分離はセラミック膜による分離及び遠心分離機による分離からなる群から選ばれる1つ又は2つのものであり、セラミック膜による分離が好ましい。
【0035】
本願では、工程(2)において、前記乾燥は噴霧乾燥、冷凍乾燥及び減圧真空乾燥からなる群から選ばれるいずれか1つ又は複数のものであり、噴霧乾燥が好ましく、
前記乾燥は遮光条件下で行われることが好ましい。
【0036】
本願では、工程(3)において、前記有機溶媒は石油エーテル、エタノール、メタノール、ジクロロメタン、イソプロパノール、酢酸エチルからなる群から選ばれるいずれか1つ又は複数のものであり、石油エーテル及び酢酸エチルが好ましい。
【0037】
本願では、工程(4)において、前記クロマトグラフィーカラムの充填材はシリカゲルである。
【0038】
本願では、工程(5)において、前記クロマトグラフィーカラムの充填材はアルミナである。
【0039】
工程(4)において使用されるカラム充填材はシリカゲルであり、使用される有機溶媒は本分野における通常又は既知の有機溶媒、例えば石油エーテル、エタノール、酢酸エチル等であり、石油エーテルが好ましく、通常の減圧回収方法で有機溶媒を回収する。工程(5)において使用されるカラム充填材はアルミナであり、使用される有機溶媒は本分野における通常又は既知の有機溶媒、例えば石油エーテル、エタノール、酢酸エチル等であり、石油エーテルが好ましく、通常の減圧回収方法で有機溶媒を回収する。
【0040】
本発明の菌種CGMCC No.17894及び本発明の発酵方法を用いれば、サイクルが16~24時間に短縮し、収量が200~300mg/Lに増加し、食物におけるビタミンK2(MK-7)の含有量が不足するという問題を解決することができる。mg/Lとは、MK-7含有量と発酵液の総体積との比率を指す。
【0041】
本願の他の態様では、前記納豆菌CGMCC No.17894の、ビタミンK2の製造における使用を更に提供する。
【0042】
本願の他の態様では、本願は更にMK-7製剤を提供し、MK-7とMK-6を含み、MK-6はMK-7の2重量%~7重量%であり、前記製剤は油剤又は粉剤の形態を呈する。
【0043】
本願では、前記油剤は0.1重量%~20重量%のMK-7、80重量%~99重量%の担体、及び0.1重量%~1重量%の酸化防止剤を含む。
【0044】
本願では、前記担体は大豆油、トウモロコシ油、ヒマワリ種子油、オリーブ油及び中鎖トリグリセリドからなる群から選ばれるいずれか1つ又は複数のものであり、
前記酸化防止剤はローズマリー、フェルラ酸、トコフェロール及びゴシポールからなる群から選ばれるいずれか1つ又は複数のものである。
【0045】
本願では、重量で、前記粉剤は0.1重量%~20重量%のMK-7、55重量%~75重量%の吸着剤、10重量%~15重量%の溶媒、5重量%~10重量%の粉末化剤、3重量%~5重量%の乳化剤、及び0.2重量%~0.5重量%の酸化防止剤を含む。
【0046】
本願では、前記吸着剤は変性デンプン、耐性デキストリン、微結晶セルロース及び食物繊維からなる群から選ばれるいずれか1つ又は複数のものであり、
前記溶媒は大豆油、トウモロコシ油、ヒマワリ種子油、オリーブ油及び中鎖トリグリセリドからなる群から選ばれるいずれか1つ又は複数のものであり、
前記粉末化剤はカゼインナトリウム、カゼインホスホペプチド及びリン酸化ジスターチホスフェートからなる群から選ばれるいずれか1つ又は複数のものであり、
前記粉末化剤はオクテニルコハク酸デンプンナトリウム及びオクテニルコハク酸エステル化デンプンからなる群から選ばれるいずれか1つ又は2つのものであり、
前記乳化剤はモノグリセリン脂肪酸エステル、ジグリセリン脂肪酸エステル、アラビアゴム、大豆リン脂質、カプリル酸/カプリン酸グリセリル、モノパルミチン酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン、ステアロイル乳酸ナトリウム、ステアロイル乳酸カルシウム及びジアセチル酒石酸モノグリセリドからなる群から選ばれるいずれか1つ又は複数のものであり、
前記酸化防止剤はパルミチン酸アスコルビル、エリソルビン酸、エリソルビン酸ナトリウム、トコフェロール、グルタチオン、クエン酸、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)及びカロチノイドからなる群から選ばれるいずれか1つ又は複数のものである。
【0047】
本願は前記MK-7製剤の、食品又は保健用食品における使用を更に提供する。
【0048】
本願の更なる態様では、本願は更にMK-7純品プレミックスを提供し、前記MK-7純品プレミックスは0.1重量%~25重量%のMK-7、74.5重量%~99.7重量%の希釈剤、及び0.2重量%~0.5重量%の酸化防止剤を含む。
【0049】
本願では、前記希釈剤は変性デンプン、耐性デキストリン、微結晶セルロース及び食物繊維からなる群から選ばれるいずれか1つ又は複数のものであり、
前記酸化防止剤はパルミチン酸アスコルビル、エリソルビン酸、エリソルビン酸ナトリウム、トコフェロール、グルタチオン、クエン酸、EDTA及びカロチノイドからなる群から選ばれるいずれか1つ又は複数のものである。
【0050】
本願は前記MK-7純品プレミックスの、食品又は保健用食品における使用を更に提供する。
【0051】
本願の他の態様では、本願はMK-7純品を提供し、98重量%~99.9重量%のMK-7と0.1重量%~2重量%のMK-6を含む。
【0052】
本願は前記MK-7純品の、骨粗しょう症、心脳血管石灰化、腎臓病患者の血管硬化症、腫瘍、筋痙攣、神経系疾患、糖尿病又は乾癬を治療する医薬品の製造における使用を更に提供する。
【0053】
本願では、用語のMK-7純品プレミックスとは、MK-7純品に希釈剤、酸化防止剤を加えた後、ふるい分け、混合、乾燥等の工程を行って得られた粉末を指す。
【0054】
本願の他の特徴及び利点は下記の明細書において説明され、且つ部分的に明細書から明らかになり、又は本願を実施することにより理解される。本願の目的及び他の利点は明細書及び特許請求の範囲に特に指す構造により実現・取得されることができる。
【発明を実施するための形態】
【0055】
本願の目的、技術案及び利点をより明確にするために、以下に本願の実施例を詳しく説明する。なお、衝突しない限り、本願の実施例及び実施例の特徴は互いに任意に組み合わせられてもよい。
【0056】
実施例1
市販されている納豆から、ビタミンK2(MK-7)を生産する納豆菌を分離する
納豆(日本バイオテクノロジー株式会社から購入された)を滅菌水で溶解・希釈した後、固体LB培地プレートに塗布し、37℃で24時間恒温培養すると、プレートの表面に白色コロニーが成長することとなり、接種針でピックアップすると糸引き現象が生じる。白色コロニーをLB斜面培地に移動し、37℃で24時間培養し、接種用ループで発酵培地(100mlの三角フラスコで20ml詰め込み、培地の組成はグルコース2%、グリセリン4%、大豆粉3%、硫酸マグネシウム0.01%、リン酸水素二カリウム0.01%、塩化ナトリウム0.5%、セリン0.08%である)に接種し、37℃において270rpmで48時間揺動し、等体積の酢酸エチルを加えて抽出して分層した後、酢酸エチル層を乾燥させてエキスを得て、高速液体クロマトグラフを使用して分析し、標準品と同じ保持時間を有するサンプルに対応する微生物を選択し、最終的にビタミンK2(MK-7)を生産する納豆菌を同定する。該微生物は、グラム陽性菌であり、芽胞が中央に存在し、菌の幅が0.2umであり、長さが1~2umであるという微生物学的特性を有する。LB寒天培地で、コロニーは白色で、培地の表面から突出し、コロニーの表面にしわがあり、コロニーは粘性を有し糸引きすることができ、コロニーは直径が0.3~0.5cmであり、色素がなく、菌体が10時間培養されると芽胞が発芽する。
【0057】
実施例2
ビタミンK2(MK-7)を生産する菌種の突然変異誘発
実施例1において得られた、ビタミンK2(MK-7)を生産する菌株を出発菌株として、紫外線による突然変異誘発を行い、36世代突然変異誘発して変異株ST-1008を得る。該微生物は、グラム陽性菌であり、芽胞が中央に存在し、菌の幅が0.5umであり、長さが2~3umであるという微生物学的特性を有する。LB寒天培地で、コロニーが広がって均一で灰黄色であり、コロニーの直径が0.3~0.5cmであり、色素がなく、菌体が10時間培養されると芽胞が発芽する。LB液体培地で、30分間接種すると発芽し始め、1時間経ると菌体成長列は明確に分離されておらず、長さが約11~15umであり、2時間経ると菌体成長列は明確に分離され、各長列が8~12個の菌体を直列接続してなり、長さが約24~36umであり、2.5時間経ると長列菌体は単一菌体に断裂し始める。該菌種は中国微生物菌種寄託管理委員会普通微生物センターに寄託されており、アドレスが中華人民共和国北京市朝陽區北辰西路1號院3號,中國科學院微生物研究所であり、寄託番号がCGMCC No.17894である。
【0058】
実施例3
種子の製造
実施例において得られたCGMCC No.17894菌種を接種し、50mlの種子培地(表1参照)に入れ、38~42℃において、150~300rpmでインキュベータを揺動しながら3~16時間培養すると、接種待ちの菌種を得る。
【0059】
【0060】
実施例4
5L槽による発酵
実施例3において得られた菌種を、発酵培地量を20%占有する接種量で発酵生産のための基礎培地(表2参照)に接種し、42℃で培養し、30分間培養してからフィード培地(表3参照)を流加補充し始め、0.5時間当たりにフィード培地を100ml加え、20時間まで続けられ、合計して2L補充する。接種時に発芽促進物質である0.001%ホウ酸、0.001%ビタミンB1、0.001%硫酸銅を加え、4時間まで培養してから前駆物質である0.05%エタノールを加える。培養過程において、pH値が自然で、溶存酸素の濃度が30%以上に制御される。発酵サイクルは24時間である。高速液体クロマトグラフィ法で発酵収量が200mg/Lであることを測定し、具体的な高速液体クロマトグラフィ測定条件は表2に示される。
【0061】
【0062】
【0063】
【0064】
得られた発酵液をセラミック膜で固液分離し、得られた菌体濃縮液を真空乾燥させ、菌粉:石油エーテル又はエタノールの1:3重量比で、乾燥後の菌粉にエタノール又は石油エーテルを加えて抽出する。抽出後、有機相を分離し、有機相を減圧回収して、ビタミンK2含有の粗生成物を得る。粗生成物はシリカゲルをカラム充填材とし、石油エーテルを移動相として、脱色を行う。脱色後の粗製品は、アルミナカラムを通過し、石油エーテルを移動相として酸価を除去する。得られたビタミンK2(MK-7)の収率が80%である。
【0065】
【0066】
【0067】
実施例5
実施例4との相違点は、接種時に発芽促進物質である0.05%ホウ酸、0.001%ビタミンB1、0.05%硫酸銅、0.05%硫酸マンガンを加えることである。発酵収量が260mg/Lである。
【0068】
実施例6
実施例4との相違点は、接種時に発芽促進物質である0.1%ホウ酸、0.1%ビタミンB1、0.1%硫酸銅、0.1%硫酸マンガンを加えることである。発酵収量が220mg/Lである。
【0069】
実施例7
実施例5との相違点は、4時間まで培養してから前駆物質である0.05%ソラネソールを加えることである。発酵収量が280mg/Lである。
【0070】
実施例8
実施例7との相違点は、4時間まで培養してから前駆物質である0.05%ソラネソール、0.05%のエタノールを加えることである。発酵収量が300mg/Lである。
【0071】
実施例9
実施例8との相違点は、1:3の重量比で乾燥後の菌粉に酢酸エチルを加えて抽出することである。ビタミンK2(MK-7)の収率が90%である。
【0072】
実施例10
実施例8との相違点は、1:3の重量比で乾燥後の菌粉に酢酸エチルを加えて抽出することである。ビタミンK2(MK-7)製品の収率が98%である。
【0073】
本願の発酵方法により得られたビタミンK2は、ビタミンK2の化学合成の欠点、即ち異性体が大量生成され、副生成物が多く、収率が低く、環境を汚染するという問題を克服し、そのイソプレン側鎖がシス構造である場合が多く、活性が比較的低い。本願の発酵方法により得られたビタミンK2は、発酵収量が300mg/Lに達することができ、菌粉を精製することにより、収率が98%に達することができ、且つ構造の同定によって全トランスビタミンK2、即ちMK-7の水素核磁気共鳴スペクトルデータに完全に一致する。
【0074】
実施例11
K2(MK-7)2g、大豆油120g、変性デンプン743g、カゼインナトリウム100g、オクテニルコハク酸デンプンナトリウム20g、モノグリセリン脂肪酸エステル10g、パルミチン酸アスコルビル5g。
K2(MK-7)に大豆油を加えて均一に撹拌し、完全に溶解させた後、続いてパルミチン酸アスコルビル、モノグリセリン脂肪酸エステル、オクテニルコハク酸デンプンナトリウム、カゼインナトリウムを加え、均一に攪拌し続けた後、変性デンプンを加え、均一に攪拌した後、80メッシュのふるいをかけ、80℃で2時間乾燥させると、2000ppmのビタミンK2(MK-7)粉末を1kg得る。
【0075】
実施例12
K2(MK-7)2g、大豆油988g、ローズマリー10g。
K2(MK-7)にローズマリーを加え、更に大豆油を加えて均一に撹拌溶解すると、2000ppmのビタミンK2(MK-7)油を1Kg得る。
【0076】
実施例13
MK-7の粉剤及び油剤の性能
【0077】
【0078】
【0079】
MK-7の粉剤及び油剤並びに従来の粉剤及び油剤の安定性は「中国国家衛生と計画生育委員会公告2016年8号」に基づいて測定され、酸価及び過酸化物価はそれぞれGB5009.229-2016第一法及びGB 5009.227-2016第一法に基づいて測定される。
【0080】
実施例14
K2(MK-7)2g、パルミチン酸アスコルビル2g、微結晶セルロース996g。
K2(MK-7)にパルミチン酸アスコルビルを加えて均一に混合し、80メッシュのふるいをかけた後、微結晶セルロースを倍数比例で5回逓増し、その後、80メッシュのふるいをかけ、残りの微結晶セルロースを加え、均一に混合した後、80メッシュのふるいをかけ、80℃で2時間乾燥させると、2000ppmのビタミンK2(MK-7)プレミックスを1kg得る。
【0081】
実施例15
MK-7純品プレミックスの性能
【0082】
【0083】
実施例14における純品プレミックス及び従来の純品プレミックスの安定性は「中国国家衛生と計画生育委員会公告2016年8号」に基づいて測定される。
【0084】
以上は本願に開示される実施形態を説明したが、前記内容は本願を理解しやすくするために用いた実施形態であり、本願を制限するためのものではない。当業者であれば、本願に開示される趣旨や範囲を逸脱せずに、実施形式及び細部に対して種々の修正や変更を行うことができる。しかしながら、本願の保護範囲は、依然として添付の特許請求の範囲に準じるべきである。
【手続補正2】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
寄託番号がCGMCC No.17894である納豆菌(Bacillus subtilis natto)ST-1008。
【請求項2】
MK-7の生産方法であって、
培地で請求項1に記載の納豆菌CGMCC No.17894を培養することにより、前記菌株細胞内及び前記培地でMK-7を生産し、前記菌株細胞内及び前記培地でMK-7を回収して精製することを含む、MK-7の生産方法。
【請求項3】
前記培地の重量で、前記培地は0.2%~20%炭素源物質及び0.2%~20%窒素源物質を含有し、前記炭素源物質はグルコース、サッカロース、マルトース、フルクトース及びグリセリンからなる群から選ばれるいずれか1つ又は複数のものであり、前記窒素源物質は酵母粉末、ペプトン、大豆粉、ひよこ豆粉、牛肉エキス及び酵母エキスからなる群から選ばれるいずれか1つ又は複数のものである、請求項2に記載の生産方法。
【請求項4】
前記培地の重量で、前記培地は更に0.001%~0.5%無機物質を含有し、前記無機物質はリン酸塩、マグネシウム塩及びナトリウム塩からなる群から選ばれるいずれか1つ又は複数のものであり、
好ましくは、前記無機物質はリン酸二水素ナトリウム、リン酸水素二ナトリウム、リン酸二水素カリウム、リン酸水素二カリウム、硫酸マグネシウム、塩化マグネシウム及び塩化ナトリウムからなる群から選ばれるいずれか1つ又は複数のものである、請求項2又は3に記載の生産方法。
【請求項5】
前記培地は更に発芽促進物質及び前駆物質を含有し、前記発芽促進物質はホウ酸、ビタミンB1、硫酸銅、硫酸マンガン及びセリンからなる群から選ばれるいずれか1つ又は複数のものであり、前記前駆物質はソラネソール、エタノール、メナジオール及びフィトールからなる群から選ばれるいずれか1つ又は複数のものである、請求項2~4のいずれか1項に記載の生産方法。
【請求項6】
前記培養過程において、前記培地の重量で、0.001%~0.5%の前記発芽促進物質を加え、前記培養過程において、好ましくは、菌体の対数増殖期から定常期まで、前記培地の重量で、0.003%~5%の前記前駆物質を加える、請求項2~5のいずれか1項に記載の生産方法。
【請求項7】
前記培養は好気条件下で行われ、培養温度が35~50℃、培養時間が10~48h、pHが5.5~8.0、圧力が0.03~0.08MPaである、請求項2~6のいずれか1項に記載の生産方法。
【請求項8】
前記MK-7を回収して精製することは、
前記培養過程において得られた培養液から発酵菌体及び発酵上清液を分離する工程(1)と、
発酵菌体を乾燥させる工程(2)と、
工程(2)において得られた乾燥後の菌体を有機溶媒で抽出し、抽出により得られた溶液を減圧蒸発して、溶媒を除去する工程(3)と、
工程(3)において得られたものをクロマトグラフィーカラムで脱色し、過酸化物価の除去を行う工程(4)と、
工程(4)において得られたものをクロマトグラフィーカラムで脱酸して、MK-7を得る工程(5)と、を含む、請求項2~7のいずれか1項に記載の生産方法。
【請求項9】
工程(1)において、前記分離はセラミック膜による分離及び遠心分離機による分離からなる群から選ばれる1つ又は2つのものであり、セラミック膜による分離が好ましい、請求項2~8のいずれか1項に記載の生産方法。
【請求項10】
工程(2)において、前記乾燥は噴霧乾燥、冷凍乾燥及び減圧真空乾燥からなる群から選ばれるいずれか1つ又は複数のものであり、噴霧乾燥が好ましく、
前記乾燥は遮光条件下で行われるのが好ましい、請求項2~9のいずれか1項に記載の生産方法。
【請求項11】
工程(3)において、前記有機溶媒は石油エーテル、エタノール、メタノール、ジクロロメタン、イソプロパノール及び酢酸エチルからなる群から選ばれるいずれか1つ又は複数のものであり、石油エーテル及び酢酸エチルが好ましい、請求項2~10のいずれか1項に記載の生産方法。
【請求項12】
工程(4)において、前記クロマトグラフィーカラムの充填材はシリカゲルである、請求項2~11のいずれか1項に記載の生産方法。
【請求項13】
工程(5)において、前記クロマトグラフィーカラムの充填材はアルミナである、請求項2~12のいずれか1項に記載の生産方法。
【請求項14】
請求項1に記載の納豆菌CGMCC No.17894の、MK-7の製造における使用。
【請求項15】
MK-7製剤であって、
MK-7及びMK-6を含み、MK-6はMK-7の2重量%~7重量%であり、前記MK-7製剤は油剤又は粉剤の形態を呈する、MK-7製剤。
【請求項16】
前記油剤は0.1重量%~20重量%のMK-7、80重量%~99重量%の担体、及び0.1重量%~1重量%の酸化防止剤を含む、請求項15に記載のMK-7製剤。
【請求項17】
前記担体は大豆油、トウモロコシ油、ヒマワリ種子油、オリーブ油及び中鎖トリグリセリドからなる群から選ばれるいずれか1つ又は複数のものであり、
前記酸化防止剤はローズマリー、フェルラ酸、トコフェロール及びゴシポールからなる群から選ばれるいずれか1つ又は複数のものである、請求項15又は16に記載のMK-7製剤。
【請求項18】
前記粉剤は0.1重量%~20重量%のMK-7、55重量%~75重量%の吸着剤、10重量%~15重量%の溶媒、5重量%~10重量%の粉末化剤、3重量%~5重量%の乳化剤、及び0.2重量%~0.5重量%の酸化防止剤を含む、請求項15に記載のMK-7製剤。
【請求項19】
前記吸着剤は変性デンプン、耐性デキストリン、微結晶セルロース及び食物繊維からなる群から選ばれるいずれか1つ又は複数のものであり、
前記溶媒は大豆油、トウモロコシ油、ヒマワリ種子油、オリーブ油及び中鎖トリグリセリドからなる群から選ばれるいずれか1つ又は複数のものであり、
前記粉末化剤はカゼインナトリウム、カゼインホスホペプチド、リン酸化ジスターチホスフェート、オクテニルコハク酸デンプンナトリウム及びオクテニルコハク酸エステル化デンプンからなる群から選ばれるいずれか1つ又は複数のものであり、
前記乳化剤はモノグリセリン脂肪酸エステル、ジグリセリン脂肪酸エステル、アラビアゴム、大豆リン脂質、カプリル酸/カプリン酸グリセリル、モノパルミチン酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン、ステアロイル乳酸ナトリウム、ステアロイル乳酸カルシウム及びジアセチル酒石酸モノグリセリドからなる群から選ばれるいずれか1つ又は複数のものであり、
前記酸化防止剤はパルミチン酸アスコルビル、エリソルビン酸、エリソルビン酸ナトリウム、トコフェロール、グルタチオン、クエン酸、エチレンジアミン四酢酸及びカロチノイドからなる群から選ばれるいずれか1つ又は複数のものである、請求項15又は18に記載のMK-7製剤。
【請求項20】
請求項15~19のいずれか1項に記載のMK-7製剤の、食品又は保健用食品における使用。
【請求項21】
0.1重量%~25重量%のMK-7、74.5重量%~99.7重量%の希釈剤、及び0.2重量%~0.5重量%の酸化防止剤を含むMK-7純品プレミックス。
【請求項22】
前記希釈剤は変性デンプン、耐性デキストリン、微結晶セルロース及び食物繊維からなる群から選ばれるいずれか1つ又は複数のものであり、
前記酸化防止剤はパルミチン酸アスコルビル、エリソルビン酸、エリソルビン酸ナトリウム、トコフェロール、グルタチオン、クエン酸、エチレンジアミン四酢酸及びカロチノイドからなる群から選ばれるいずれか1つ又は複数のものである、請求項21に記載のMK-7純品プレミックス。
【請求項23】
請求項21又は22に記載のMK-7純品プレミックスの、食品又は保健用食品における使用。
【請求項24】
98重量%~99.9重量%のMK-7と0.1重量%~2重量%のMK-6を含むMK-7純品。
【請求項25】
請求項24に記載のMK-7純品の、骨粗しょう症、心脳血管石灰化、腎臓病患者の血管硬化症、腫瘍、筋痙攣、神経系
疾患、糖尿病又は乾癬を治療する医薬品の製造における使用。
【国際調査報告】