(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-03-29
(54)【発明の名称】湿潤調理モードを有する調理装置
(51)【国際特許分類】
A47J 27/04 20060101AFI20220322BHJP
F24C 1/00 20060101ALI20220322BHJP
【FI】
A47J27/04 B
F24C1/00 360A
F24C1/00 320C
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021546777
(86)(22)【出願日】2020-02-07
(85)【翻訳文提出日】2021-08-27
(86)【国際出願番号】 US2020017203
(87)【国際公開番号】W WO2020163710
(87)【国際公開日】2020-08-13
(32)【優先日】2019-02-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】510053422
【氏名又は名称】シャークニンジャ オペレーティング エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【氏名又は名称】恩田 博宣
(74)【代理人】
【識別番号】100142907
【氏名又は名称】本田 淳
(72)【発明者】
【氏名】アンソニー、ジョシュア ディ.
(72)【発明者】
【氏名】マーティン、クリストファー
(72)【発明者】
【氏名】ウッドロウ、チャド
【テーマコード(参考)】
4B055
【Fターム(参考)】
4B055AA22
4B055CA72
4B055CA73
4B055DB02
4B055DB12
(57)【要約】
食品調理用の調理システムであって、調理システムは、中空内部および前記ハウジングに対して移動可能なリッドを有するハウジングを含む。リッドおよびハウジングは協働して調理チャンバーを形成する。調理システムの動作中に前述の調理チャンバーに液体を送達するための液体源、およびリッド内に取り付けられる発熱体。発熱体は、調理システムの動作中に前述の液体を蒸気に変換するように動作可能である。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
食品調理用の調理システムであって、
中空内部を有するハウジングと、
前記ハウジングに対して移動可能なリッドであって、前記リッドおよび前記ハウジングが協働して調理チャンバーを形成する、リッドと、
前記調理システムの動作中に前記調理チャンバーに液体を送達するための液体源と、
前記リッド内に取り付けられる発熱体であって、前記発熱体が、前記調理システムの動作中に前記液体を蒸気に変換するように動作可能である、発熱体と、を含む調理システム。
【請求項2】
前記液体源が、前記ハウジングおよび前記リッドの外側にある、請求項1に記載の調理システム。
【請求項3】
前記液体源が、前記ハウジングおよび前記リッドのうちの少なくとも一つに取り付け可能なリザーバーを含む、請求項2に記載の調理システム。
【請求項4】
前記液体源が、建物内に統合された流体ラインである、請求項2に記載の調理システム。
【請求項5】
前記液体が水である、請求項1に記載の調理システム。
【請求項6】
前記調理システムが、第一の調理モードおよび第二の調理モードを含む複数の調理モードで動作可能であり、前記第一の調理モードが湿潤調理モードであり、前記第二の調理モードが乾燥調理モードである、請求項1に記載の調理システム。
【請求項7】
前記第一の調理モードで、前記液体が、前記調理システムの動作中に蒸気に変換される、請求項6に記載の調理システム。
【請求項8】
前記第一の調理モードで、前記調理システムが蒸気調理器として動作可能である、請求項6に記載の調理システム。
【請求項9】
前記第二の調理モードで、前記発熱体が前記調理チャンバー内で循環する空気の流れを加熱する、請求項6に記載の調理システム。
【請求項10】
前記第二の調理モードで、前記調理システムがノンオイルフライヤーとして動作可能である、請求項6に記載の調理システム。
【請求項11】
前記発熱体が、前記第一の調理モードおよび前記第二の調理モードの両方で動作可能である、請求項5に記載の調理システム。
【請求項12】
前記発熱体が対流性発熱体である、請求項1に記載の調理システム。
【請求項13】
前記発熱体が導電性発熱体である、請求項1に記載の調理システム。
【請求項14】
前記発熱体が放射性発熱体である、請求項1に記載の調理システム。
【請求項15】
前記発熱体が誘導性発熱体である、請求項1に記載の調理システム。
【請求項16】
調理システムにおける食品調理用の方法であって、
中空内部を有するハウジングを提供することと、
前記ハウジングに対して移動可能なリッドであって、前記リッドおよび前記ハウジングが協働して調理チャンバーを形成する、リッドを提供することと、
前記リッドに結合される発熱体を提供することと、
前記調理システムの動作中に、前記調理チャンバーに液体を供給することと、
前記調理システムの動作中に前記発熱体からの熱を使用して、前記調理チャンバーに供給される前記液体を蒸気に変換することと、を含む、方法。
【請求項17】
前記ハウジングおよび前記リッドの外部に液体源を提供することをさらに含む、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記液体を前記調理チャンバーに送達することが、液体源から前記調理チャンバーに液体をポンプで送ることを含む、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
前記液体を前記調理チャンバーに送達することが、重力を介して前記液体源から前記調理チャンバーに液体を流すことを含む、請求項17に記載の方法。
【請求項20】
前記調理チャンバーを通して前記蒸気を循環させて、前記調理システム内の食品を調理することをさらに含む、請求項16に記載の方法。
【請求項21】
食品調理用の調理システムであって、
中空内部を有するハウジングと、
前記中空内部を加熱するための発熱体と、を含み、
前記調理システムが、湿潤調理モードおよび乾燥調理モードを含む複数のモードで動作可能であり、前記発熱体が前記湿潤調理モードおよび前記乾燥調理モードの両方で通電される、調理システム。
【請求項22】
前記ハウジングに対して移動可能であるリッドをさらに含む、請求項21に記載の調理システム。
【請求項23】
前記ハウジングおよび前記リッドのうちの一つと流体連通して配置される液体源をさらに含む、請求項22に記載の調理システム。
【請求項24】
前記発熱体が、前記リッド内に位置する、請求項22に記載の調理システム。
【請求項25】
前記中空内部に収容可能な食品容器をさらに含み、食品が前記湿潤調理モードおよび前記乾燥調理モードの両方で、前記食品容器内に収容可能である、請求項21に記載の調理システム。
【請求項26】
前記発熱体が、前記食品容器の上部範囲またはその上方に配置される、請求項25に記載の調理システム。
【請求項27】
前記食品容器の前記上部範囲またはその上方の前記発熱体を有して配置されるファンをさらに含む、請求項25に記載の調理システム。
【請求項28】
前記湿潤調理モード、または前記乾燥調理モードのどちらかで前記食品品目を支持するためのインサートをさらに含む、請求項21に記載の調理システム。
【請求項29】
前記インサートが、前記食品容器内に収容可能である、請求項28に記載の調理システム。
【請求項30】
前記調理装置が、前記中空内部から前記食品品目を除去することなく、前記湿潤調理モードと前記乾燥調理モードとの間で、変換可能である、請求項21に記載の調理システム。
【請求項31】
前記発熱体が対流性発熱体である、請求項21に記載の調理システム。
【請求項32】
前記発熱体が導電性発熱体である、請求項21に記載の調理システム。
【請求項33】
前記発熱体が放射性発熱体である、請求項21に記載の調理システム。
【請求項34】
前記発熱体が誘導性発熱体である、請求項21に記載の調理システム。
【請求項35】
調理システムにおける食品調理用の方法であって、
中空内部を有するハウジングを提供することと、
前記中空内部を加熱するための発熱体を提供することと、
前記発熱体を動作させて、湿潤調理モードで食品を調理することと、
前記発熱体を動作させて、乾燥調理モードで食品を調理することと、を含む、方法。
【請求項36】
前記ハウジングに対して移動可能なリッドを提供することをさらに含む、請求項35に記載の方法。
【請求項37】
前記発熱体が前記リッド内に配置される、請求項36に記載の方法。
【請求項38】
前記湿潤調理が、蒸気調理動作を含み、前記乾燥調理モードが、ノンオイルフライ調理動作を含む、請求項35に記載の方法。
【請求項39】
前記湿潤調理モードが、前記発熱体の動作中に、前記中空内部によって少なくとも部分的に画定される調理チャンバーに液体を供給することをさらに含む、請求項35に記載の方法。
【請求項40】
前記湿潤調理モードが、前記液体を前記調理チャンバー内の蒸気に変換することをさらに含む、請求項39に記載の方法。
【請求項41】
前記中空内部に収容可能な食品容器を収容することと、前記発熱体を動作させ、前記湿潤調理モードおよび前記乾燥調理モードの両方で、前記食品容器内の食品を調理することとをさらに含む、請求項35に記載の方法。
【請求項42】
前記発熱体を動作させて、前記乾燥調理モードで食品を調理することが、前記発熱体を動作させて、前記食品容器の内部を対流加熱して、前記食品容器の上部範囲またはその上方の領域から食品を調理することをさらに含む、請求項41に記載の方法。
【請求項43】
前記食品容器の上部範囲にある開口部に、またはその上方に配置されるファンを介して、前記食品容器の前記中空内部に加熱空気を移動させることをさらに含む、請求項42に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示の実施形態は、一般的に、調理装置およびその構成要素に関し、より具体的には、複数の個別の調理装置の動作を実施するように構成される多機能装置に関し、多機能調理装置は、個別の調理モードで調理するための様々な構成要素を随意に用いる。
【背景技術】
【0002】
圧力調理器やノンオイルフライヤーなどの従来の調理装置はそれぞれ、単一の調理動作を実施し、これらの装置は、食品品目の調理に異なる構成要素および方法を採用している。そのため、複数の装置はさまざまな調理動作を実行する必要がある。異なる動作を介して異なる方法で調理された食品を楽しみたい消費者にとって、これらの装置が蓄積する可能性がある。こうした調理装置の蓄積は、コストと貯蔵空間の観点から禁止されることが多い。少なくともこれらの理由から、複数の調理装置の機能を、単一のユーザーにやさしい調理装置に統合することが望ましいであろう。
【発明の概要】
【0003】
実施形態によれば、食品調理用の調理システムであって、調理システムは、中空内部を有するハウジングおよび前述のハウジングに対して移動可能なリッドを含む。リッドおよびハウジングは協働して調理チャンバーを形成する。調理システムの動作中に前述の調理チャンバーに液体を送達するための液体源、およびリッド内に取り付けられる発熱体。発熱体は、調理システムの動作中に前述の液体を蒸気に変換するように動作可能である。
【0004】
上述の一つまたは複数の特徴に加えて、または代替として、さらなる実施形態では、前述の液体源は、前述のハウジングおよび前述のリッドの外部にある。
上述の一つまたは複数の特徴に加えて、または代替として、さらなる実施形態では、前述の液体源は、前述のハウジングおよび前述のリッドのうちの少なくとも一つに取り付け可能なリザーバーを含む。
【0005】
上述の一つまたは複数の特徴に加えて、または代替として、さらなる実施形態では、前述の液体源は、建物内に統合された流体ラインである。
上述の一つまたは複数の特徴に加えて、または代替として、さらなる実施形態では、前述の液体は水である。
【0006】
上述の一つまたは複数の特徴に加えて、または代替として、さらなる実施形態では、前述の調理システムは、第一の調理モードおよび第二の調理モードを含む複数の調理モードで動作可能であり、前述の第一の調理モードは湿潤調理モードであり、前述の第二の調理モードは乾燥調理モードである。
【0007】
上述の一つまたは複数の特徴に加えて、または代替として、前述の第一の調理モードでのさらなる実施形態では、前述の液体は、調理システムの動作中に蒸気に変換される。
上述の一つまたは複数の特徴に加えて、または代替として、さらなる実施形態では、前述の第一の調理モードで、調理システムは、蒸気調理器として動作可能である。
【0008】
上述の一つまたは複数の特徴に加えて、または代替として、さらなる実施形態では、前述の第二の調理モードで、前述の発熱体は、調理チャンバー内で循環する空気の流れを加熱する。
【0009】
上述の一つまたは複数の特徴に加えて、または代替として、さらなる実施形態では、前述の第二の調理モードで、調理システムは、ノンオイルフライヤーとして動作可能である。
【0010】
上述の一つまたは複数の特徴に加えて、または代替として、さらなる実施形態では、前述の発熱体は、前述の第一の調理モードおよび前述の第二の調理モードの両方で動作可能である。
【0011】
上述の特徴のうちの一つまたは複数に加えて、または代替として、さらなる実施形態では、前述の発熱体が、対流性発熱体である。
上述の特徴のうちの一つまたは複数に加えて、または代替として、さらなる実施形態では、前述の発熱体が、導電性発熱体である。
【0012】
上述の特徴のうちの一つまたは複数に加えて、または代替として、さらなる実施形態では、前述の発熱体は、放射性発熱体である。
上述の一つまたは複数の特徴に加えて、または代替として、さらなる実施形態では、前述の発熱体が、誘導性発熱体である。
【0013】
別の実施形態によると、調理システム内の食品を調理するための方法は、中空内部を有するハウジングを提供することと、前述のハウジングに対して移動可能なリッドであって、前述のリッドおよび前述のハウジングが協働して調理チャンバーを形成する、リッドを提供することと、前述のリッドに結合される発熱体を提供することと、前述の調理システムの動作中に、前述の調理チャンバーに液体を供給することと、前述の調理システムの動作中に前述の発熱体からの前述の熱を使用して、前述の調理チャンバーに供給される前述の液体を蒸気に変換することとを含む。
【0014】
上述の一つまたは複数の特徴に加えて、または代替として、さらなる実施形態では、前述のハウジングおよび前述のリッドの外部に液体源を提供することを含む。
上述の一つまたは複数の特徴に加えて、または代替として、さらなる実施形態では、前述の液体を前述の調理チャンバーに送達することは、液体を液体源から前述の調理チャンバーにポンプで送ることを含む。
【0015】
上述の一つまたは複数の特徴に加えて、または代替として、さらなる実施形態では、前述の液体を前述の調理チャンバーに送達することは、液体が重力を介して前述の液体源から前述の調理チャンバーに流れることを含む。
【0016】
上述の一つまたは複数の特徴に加えて、または代替として、さらなる実施形態では、前述の蒸気を前述の調理チャンバーを通して循環させて、調理システムで食品を調理することを含む。
【0017】
さらに別の実施形態によると、食品調理用の調理システムは、中空内部を有するハウジングと、前述の中空内部を加熱するための発熱体とを含む。前述の調理システムが、湿潤調理モードおよび乾燥調理モードを含む複数のモードで動作可能であり、前述の発熱体が前述の湿潤調理モードおよび前述の乾燥調理モードの両方で通電される。
【0018】
上述の一つまたは複数の特徴に加えて、または代替として、さらなる実施形態では、前述のハウジングに対して移動可能なリッドを含む。
上述の一つまたは複数の特徴に加えて、または代替として、さらなる実施形態では、前述のハウジングおよび前述のリッドのうちの一つと流体連通して配置される液体源を含む。
【0019】
上述の一つまたは複数の特徴に加えて、または代替として、さらなる実施形態では、前述の発熱体が前述のリッド内に位置する。
上述の一つまたは複数の特徴に加えて、または代替として、さらなる実施形態では、前述の中空内部に収容可能な食品容器を含み、食品は、前述の湿潤調理モードおよび前述の乾燥調理モードの両方で、前述の食品容器に収容可能である。
【0020】
上述の一つまたは複数の特徴に加えて、または代替として、さらなる実施形態では、発熱体が、前述の食品容器の上部範囲に、またはその上方に配置される。
上述の一つまたは複数の特徴に加えて、または代替として、さらなる実施形態では、前述の食品容器の前述の上部範囲に、またはその上方に前述の発熱体とともに配置されるファンを含む。
【0021】
上述の一つまたは複数の特徴に加えて、または代替として、さらなる実施形態では、前述の湿潤調理モードまたは前述の乾燥調理モードのいずれかで食品品目を支持するためのインサートを含む。
【0022】
上述の特徴のうちの一つまたは複数に加えて、または代替として、さらなる実施形態では、前述のインサートが、前述の食品容器内に収容可能である。
上述の一つまたは複数の特徴に加えて、または代替として、さらなる実施形態では、前述の調理装置は、前述の中空内部から食品品目を取り除くことなく、前述の湿潤調理モードと前述の乾燥調理モードとの間で変換可能である。
【0023】
上述の特徴のうちの一つまたは複数に加えて、または代替として、さらなる実施形態では、前述の発熱体が、対流性発熱体である。
上述の特徴のうちの一つまたは複数に加えて、または代替として、さらなる実施形態では、前述の発熱体が、導電性発熱体である。
【0024】
上述の特徴のうちの一つまたは複数に加えて、または代替として、さらなる実施形態では、前述の発熱体は、放射性発熱体である。
上述の一つまたは複数の特徴に加えて、または代替として、さらなる実施形態では、前述の発熱体が、誘導性発熱体である。
【0025】
別の実施形態によれば、調理システムで食品を調理するための方法は、中空内部を有するハウジングを提供することと、前述の中空内部を加熱するための発熱体を提供することと、前述の発熱体を動作させて湿潤調理モードで食品を調理することと、前述の発熱体を動作させて乾燥調理モードで食品を調理することとを含む。
【0026】
上述の一つまたは複数の特徴に加えて、または代替として、さらなる実施形態では、前述のハウジングに対して移動可能なリッドを提供することを含む。
上述の特徴のうちの一つまたは複数に加えて、または代替として、さらなる実施形態では、前述の発熱体が前述のリッド内に配置される。
【0027】
上述の一つまたは複数の特徴に加えて、または代替として、さらなる実施形態では、前述の湿潤調理は、蒸気調理動作を含み、前述の乾燥調理モードは、ノンオイルフライ調理動作を含む。
【0028】
上述の一つまたは複数の特徴に加えて、または代替として、さらなる実施形態では、前述の湿潤調理モードは、前述の発熱体の動作中に、前述の中空内部によって少なくとも部分的に画定される調理チャンバーに液体を供給することをさらに含む。
【0029】
上述の一つまたは複数の特徴に加えて、または代替として、さらなる実施形態では、前述の湿潤調理モードは、前述の液体を前述の調理チャンバー内の蒸気に変換することをさらに含む。
【0030】
上述の一つまたは複数の特徴に加えて、または代替として、さらなる実施形態では、前述の中空内部に収容可能な食品容器を収容することと、前述の発熱体を動作させて、前述の湿潤調理モードおよび前述の乾燥調理モードの両方で前述の食品容器内で食品を調理することとを含む。
【0031】
上述の一つまたは複数の特徴に加えて、または代替として、さらなる実施形態では、前述の発熱体を動作させて、前述の乾燥調理モードで食品を調理することが、前述の発熱体を動作させて、前述の食品容器の内部を対流加熱して、前述の食品容器の上部範囲におけるまたはその上方領域から食品を調理することをさらに含む。
【0032】
上述の一つまたは複数の特徴に加えて、または代替として、さらなる実施形態では、加熱された空気を前述の食品容器の上部範囲にある開口部に、またはその上方に配置されるファンを介して、前述の食品容器の前述の中空内部に移動させることを含む。
【0033】
本明細書に組み込まれ、本明細書の一部を形成する添付図面は、本開示のいくつかの態様を含み、本開示の原理を説明する役割を果たす。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【
図1】
図1は、一実施形態による調理システムの模式図である。
【
図2】
図2は、一実施形態による調理システムの制御システムの模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0035】
詳細な説明は、図面を参照しながら、本開示の実施形態について、利点および特徴とともに説明する。
図を参照すると、複数の調理動作を実施するように構成される調理システム20が図示される。示されるように、調理システム20は、ハウジング22と、ハウジング22に、例えばヒンジ付きのように、永久的または取り外し可能に取り付けられるリッド24と、を含む。例示的な非限定的実施形態では、リッド24とハウジング22との間の接続またはヒンジ領域は、ハウジング22の上部で生じる。調理システム20のハウジング22の底部28は、その底部表面における衝撃吸収パッド30a(ゴムなどの材料だがこれに限定されない)を含み得る、一つまたは複数の足30によって表面上に支持され得る。図示した非限定的実施形態では、ハウジング22は、ハウジング22の両側に配置される二つの足30を含むが、これは、適切な任意の数の足30を有するハウジング22が本開示の範囲内であることを理解するべきである。
【0036】
図示した非限定的実施形態では、一つまたは複数のハンドル32は、ハウジング22の外部から外側に延び、調理システム20をより簡単に掴む位置をユーザーに提供する。二つのハンドル32が示されるが、ハンドルがない実施形態と、単一のハンドル、または二つを超えるハンドルを有する実施形態も本開示の範囲内である。ハウジング22および/または一つまたは複数のハンドル32は、例えば成形プラスチック材料からなどのように、一体的にまたは別個に形成され得る。
【0037】
ここで調理システム20の内部特徴の一部を参照すると、ハウジング22の内側表面は、中空内部34を画定する。例示的な非限定的実施形態では、例えばアルミニウムなどの任意の適切な導電材料から形成され得るライナー36は、中空内部34内に配置され、いくつかの実施形態では、ライナー36は、中空内部34を画定する内側表面であり得る(しかし、容器の壁などのライナー36の内の表面、またはライナー23の周りのプラスチックなどのライナー36の外側表面も、中空内部34を画定し得る)。例示的な非限定的実施形態では、食品容器38は、ライナー36によって画定される中空内部34の内側に収容可能である。シリコーンバンパー(図示せず)などの間隔構成要素は、ライナー36の内側表面に沿って配置されて、調理中に容器38を中空内部34内に適切に整列される状態に保ち得る。容器38はハウジング22から取り外し可能なものとして本明細書に記述されるが、容器38がハウジング22と一体的に形成される実施形態も本明細書で意図される。
図3および4に最もよく示される容器38は、例えば、その中に食品などの一つまたは複数の消耗品を収容し、および保持するように設計された内部40を有する。調理システム20での使用に適した食品の例には特に、肉類、魚、鶏肉、パン、米、穀物、パスタ、野菜、果物、および乳製品が挙げられるが、これらに限定されない。容器38は、セラミック、金属、またはダイカストアルミニウム材料から形成されるポットであり得る。一実施形態では、容器38の内部表面42はナノセラミック被覆を含み、容器38の外部表面44はシリコーンエポキシ材料を含む。しかし、食品の調理に必要な高温および高圧に耐えることができる適切な任意の材料が本明細書で意図される。
【0038】
リッド24以外についてはより詳細に参照するが、リッド24は、容器38および/またはハウジング22の表面に接続可能であり、容器38の内部40への進入を遮断することに留意されたい。従って、調理チャンバーは、容器38の内部40とリッド24の内部との間に画定されてもよく、あるいは、ライナー36によって画定される中空内部34とリッド24の内部との間に画定され得る。一実施形態では、リッド24の直径は、リッド24が容器38だけでなく、ハウジング22の上部表面46も覆うように、ハウジング22の直径に対して一般的に相補的である。リッド24は、例えば、ガラス、アルミニウム、プラスチック、またはステンレス鋼などの任意の適切な材料で作製され得る。さらに、リッド24は、リッド24を調理システム20の残りの部分に取り外し可能に結合するための一つまたは複数のハンドル48を含んでもよいが、含む必要はない。図示した非限定的実施形態では、リッド24は、リッド24が開位置と閉位置(
図1)との間で軸Xの周りを回転可能なように、ヒンジ50を介してハウジング22に連結される。こうした実施形態では、ヒンジ軸Xは、調理システム20の側面に位置してもよく、またはハウジング22の一つまたは複数のハンドル32に対して垂直に配置されるように、調理システム20の後方表面に位置し得る。しかし、リッド24がハウジング22から分離可能であるか、または別の方法で開位置と閉位置との間で移動可能な実施形態も本明細書で意図される。一つまたは複数の締結機構(図示せず)は、リッド24が閉位置にあるときに、リッド24をハウジング22に固定するために使用し得るが、使用する必要はない。調理システム20と関連する熱に耐えることができる任意の適切なタイプの締結機構は、本開示の範囲内で考慮される。
【0039】
調理システム20は、容器38の内部40とリッド24との間に、または別の方法として、ライナー36の中空内部とリッド24との間に画定される、調理チャンバーを加熱するための、少なくとも一つの発熱体52を含む。少なくとも一つの発熱体52は、一般に、容器38の上部開口部に近接して、容器38の上部範囲54に、またはその上方に、位置付けられてもよい。図に示す図示した非限定的実施形態では、少なくとも一つの発熱体52は、リッド24内に配置され、従って、リッド24が閉位置にあるときに、容器38の完全に外側にある。しかし、リッド24が、少なくとも一つの発熱体52が少なくとも部分的に容器38内に位置付けられるように輪郭が付けられる実施形態も、本開示の範囲内である。
【0040】
さらに、調理システム20は、ハウジング内に位置付けられる他の発熱体52を追加的に含んでもよいが、必ずしも含まなくてもよい。例えば、破線に概略的に図示された一つまたは複数の発熱体は、一般にハウジング22の底部28に隣接し、および/またはハウジング22の側壁に隣接して位置し得る。しかしながら、調理システム20が、容器38の上部範囲54の上に概ね隣接しているか、またはその上方に配置される少なくとも一つの発熱体52のみを含む実施形態も、本開示内にある。
【0041】
図示した非限定的な実施形態では、例えばファンなどの空気移動装置56は、例えば、空気などの液体の流れを調理を通して循環するように選択的に動作可能である。例示的な非限定的実施形態では、空気移動装置56は、それに連結される別個の冷却機構59を有するモーター58によって駆動される。空気移動装置56は、少なくとも一つの発熱体52を通して調理チャンバー内の空気を循環するように動作可能である。空気が少なくとも一つの発熱体52上を通過する際に、空気が調理チャンバー内の食品を調理するために加熱される。一実施形態では、空気移動装置は、例えば、少なくとも一つの発熱体52から垂直にオフセットされた位置など、リッド24内にも取り付けられる。しかし、少なくとも一つの発熱体52に対する空気移動装置56のその他の構成、例えば、空気移動装置56および少なくとも一つの発熱体52の同心配置も本明細書で意図される。
【0042】
図2に最もよく示されるように、調理システム20の制御パネルまたはユーザーインターフェイス60は、ハウジング22の一つまたは複数の側面に隣接して位置付けられる。制御パネル60は、調理システム20の少なくとも一つの発熱体52を通電することに関連し、および調理システム20のさまざまな動作モードを選択するための一つまたは複数の入力部62を含む。一つまたは複数の入力部62は、それぞれの入力部が選択されたことを示すための光または他のインジケーターを含み得る。制御パネル60はさらに、少なくとも一つの入力部62とは別個の、かつ少なくとも一つの入力部62に関連付けられる表示部64を含み得る。しかし、表示部64が少なくとも一つの入力部62に組み込まれる実施形態も本明細書で意図される。
【0043】
一つまたは複数の入力部62の動作は、以下でより詳細に説明される。調理システム20の制御システム70は、少なくとも一つの発熱体52の動作、および(モーター58およびそれに関連付けられるファン59を含む)空気移動装置56の動作を制御するためのコントローラーまたはプロセッサー72を含む。いくつかの実施形態では、制御システム70は、保存された加熱動作シーケンスを実行することができる。プロセッサー72は、制御パネル60、少なくとも一つの発熱体52および空気移動装置56に動作可能に連結される。
【0044】
さらに、一実施形態では、少なくとも一つの発熱体52の動作に関連する一つまたは複数のパラメーター(温度、圧力、リッド構成など)を監視するための一つまたは複数のセンサーSが、プロセッサー72と通信して配置され得る。一実施形態では、センサーSを使用して、リッド24が閉じた構成にあるかどうかを監視することができる。代替的に、または追加的に、センサーSを使用して、容器38の内部40とリッド24との間に画定されるチャンバー内の温度を監視することができる。
【0045】
一実施形態では、制御パネル60上の少なくとも一つの入力部62は、ユーザーに制御パネル60を起動または停止させることができるオン/オフボタンである。制御パネル60が停止されると、少なくとも一つの発熱体52は通電されない。例示的な実施形態では、少なくとも一つの入力部62は、少なくとも一つの発熱体52の一つまたは複数の手動動作モードを選択するように動作可能である。別の方法として、または追加的に、少なくとも一つの入力部62は、少なくとも一つの発熱体の保存された動作シーケンスを選択するように動作可能である。一部の事例では、保存されたシーケンスは、食品の準備の所定の方法、および/または特定の材料または材料の種類に特に適し得る。少なくとも一つの入力部62に関連付けられる複数の保存されたシーケンスは、プロセッサー72によってアクセス可能なメモリー内に保存され得る。別の方法として、複数の保存されたシーケンスは、調理システム20から遠隔に保存されてもよく、例えば無線通信を介してプロセッサー72によってアクセスされ得る。
【0046】
さらに、ユーザーは、所望の手動モードで調理システム20の動作に関連付けられる時間を入力できてもよい。時間は、同じ入力部62、または動作モードを選択するために使用される別個の入力部を介して入力され得る。さらに、調理システム20が入力部62の一つの選択に応答して保存されたシーケンスを実行するように構成されるモードにある実施形態では、表示部64は、表示部64上に残っている時間を示し得る。温度パラメーターおよび圧力パラメーターも、入力部62を介して入力され得る。
【0047】
少なくとも一つの入力部62は、所望のモードで動作を開始するように意図された別個の開始ボタン、全ての動作を中止する別個の停止ボタン、または機能を開始および中止するための停止/開始ボタンを含み得る。別の方法として、調理システム20は、入力部62が選択されて、必要な情報が制御パネル60に提供されると、所定の時間経過後に自動的に動作を開始するように動作可能であり得る。別の方法として、例えば、ノブなどの一つまたは複数の他の入力部62は、ノブを制御パネル60に向かって押すなどして、動作可能であり、調理システム20が保存されたシーケンスに従っているか、またはマニュアルモードであるかにかかわらず、調理システム20の動作を開始および停止し得る。
【0048】
一つまたは複数の入力部62は、少なくとも第一の調理モードおよび第二の調理モードで調理システム20の手動動作を開始するよう動作可能である。第一の調理モードおよび第二の調理モードの両方は、少なくとも一つの発熱体52を使用して、対流性調理動作を実施する。一実施形態では、第一の調理モードは、例えば蒸気調理動作などの湿潤調理動作である。湿潤調理環境を作るために、容器内の水分の大部分、すなわち、容器38に加えられた液体は、食品が調理されるときに容器38内に保持される。
【0049】
第一の調理モードでの動作中、例えば、水などの流体が調理チャンバーに提供され、少なくとも一つの発熱体52による熱出力を介して液体状態からガスまたは蒸気状態に変換される。一実施形態では、80で概略的に図示される流体源は、調理システム20と流体連通して配置される。流体源80は、その中に大量の流体を貯蔵することができる調理システム20の外部に取り付けられるリザーバーを含み得る。リザーバーは、調理システム20の外部表面に直接取り付けられてもよく、またはそこから遠隔に配置され得る。あるいは、調理システム20は、水ラインなどの建物と統合された流体源80に直接接続され得る。
【0050】
流体導管82は、調理システム20を通って流体源80から調理チャンバーおよび/または少なくとも一つの発熱体52に向かって延在する。流体源80の位置に応じて、流体導管82は、リッド24および/またはハウジング22のいずれかを通って延在し得る。流体源が少なくとも一つの発熱体52の上方に垂直に配置される場合など、いくつかの実施形態では、流体は、流体導管82を通って調理チャンバーおよび重力を介して少なくとも一つの発熱体52に向かって流れるように構成される。他の実施形態では、調理システム20は、流体導管82を通して流体源から流体を移動させるためのポンプ84を含み得る。ポンプ84を含む実施形態では、ポンプ84は同様にプロセッサー72によって制御され得る。流体源80の構成および流体が流体導管82を通してどのように推進されるかに関係なく、流体は流体として流体源80を出て、いくつかの実施形態では、流体は液体として調理システム20の内部に提供される。
【0051】
流体源80からの流体は、少なくとも一つの発熱体52からの熱がそれに移動すると蒸発するように構成される。一実施形態では、調理チャンバーおよび少なくとも一つの発熱体52に隣接して配置される流体導管の端部は、それに提供される流体をアトマイズするように構成される。結果として、流体は、流体の流れではなく、液滴または噴霧の形態で排出される。流体は、発熱体52および/または空気移動装置56の少なくとも一つに隣接する領域に送達される。
【0052】
従って、蒸気調理動作の間、プロセッサー72は、少なくとも一つの対流性発熱体52の動作を開始し、容器38内の温度を上昇させる。同様に、プロセッサーは、ポンプ84を介して、または流体導管82に関連付けられるバルブを開くことによって、流体供給源80から流体導管82を通る流れを開始し得る。流体源80からの流体が少なくとも一つの発熱体52に直接接触する場合、熱は流体にほぼ瞬時に移動し、それが気化する。実施形態では、流体が空気移動装置56の近くで排出されるとき、流体は調理チャンバーを通して循環する空気内に混入され得る。結果として、空気および流体が少なくとも一つの発熱体52を通過する際に加熱されると、流体が水蒸気または蒸気などのガスになる。少なくとも一つの発熱体52によって生成される熱に応答して調理チャンバー内で実行される液体の蒸気へのこの変換は、圧力だけでなく、調理チャンバー内の湿度も増加させる。
【0053】
空気移動装置56は、第一の調理モードでの発熱体52および調理システム20の動作に関して図示および説明されるが、空気移動装置56が第一の調理モードで動作しない実施形態も本明細書で意図される。従って、こうした実施形態では、リッド24内に取り付けられる発熱体は、前述の対流性発熱体の代わりに導電性、誘導性、または放射性発熱体であり得る。こうした実施形態では、流体源からの流体の発熱体52との相互作用、または代替的に、発熱体に隣接する領域は、流体を液体から蒸気に変形させ得る。
【0054】
前述のように、少なくとも一つの入力部62はまた、第二の調理モードで調理システム20の動作を選択するために使用され得る。第二の調理モードでの動作中、少なくとも一つの発熱体は、容器38内に「乾燥調理環境」を作り出す任意の調理モードを含む、「乾燥調理動作」を実施する。乾燥調理環境を作るために、空気および水分は、調理チャンバーから調理システム20の外側へ積極的に排出または通気され、それによって容器38内の最小水分レベルを維持する。一実施形態では、第二の調理モードは、フライ調理動作、より具体的には、ノンオイルフライ動作を含む。ノンオイルフライ動作は、空気移動機構56、ディフューザー90およびインサート92などの様々な構成要素の使用を伴い得る。
【0055】
調理システム20との使用に適したエアディフューザー90の例を
図1に示す。ディフューザー90は、ノンオイルフライモード中の空気循環に役立ち得るオプションのシステム構成要素である。しかしながら、ディフューザー90は、第一の調理モードでの動作中に同様に調理チャンバー内に設置され得ることが理解されるべきである。ディフューザー90は、調理チャンバー内のどこでも(通常は底部付近であるが)配置可能である。一実施形態では、ディフューザー90は、容器38の底部表面39と接触して位置付けられ、以下でより詳細に検討されるように、インサート92と併せて使用される。
【0056】
エアディフューザー90は、容器38を通して循環する空気流に渦を付与するように構成される複数の翼94を含む。一実施形態では、エアディフューザー90の翼94の各々は、翼94が概ねエアディフューザー90の中心から外向きに湾曲するような曲率半径を有する。さらに、エアディフューザー90の翼94は、容器38の底部表面39から上方にほぼ垂直に延び、翼94の下部範囲が、概ね翼の長さにわたって増加する。しかし、別の構成を有する一つまたは複数の翼94を含むエアディフューザー90も、本開示の範囲内である。
【0057】
例示的な非限定的実施形態では、翼94は協働して、その中にインサート92が取り外し可能に取り付けられ得る領域を画定する。インサート92は、第一の開放端部96、第二の開口部端98、および第一の端部96と第二の端部98との間に延在する少なくとも一つの側壁100を有する本体を含み、中空内部またはチャンバー102を画定する。第一の端部96は、概ね開いていて、チャンバー102内に一つまたは複数の食品品目を位置付けるためのアクセスを提供する。インサートの第二の端部98は、部分的に閉じており、チャンバー102内に一つまたは複数の食品品目を保持する。例示的な非限定的実施形態では、本体の閉鎖された第二の端部98は、複数の開口部を画定し、容器38の内部40内/それを通って流れる空気、熱、および/または蒸気が、それを通過して、チャンバー102内の一つまたは複数の食品品目を調理できるようにする。
【0058】
インサート92がエアディフューザー90に取り付けられ、容器38の内部40内に配置されると、インサート92の底部表面98は、容器38の底部表面39からオフセットされる。オフセット間隔は、翼94によって発生し、それによって、調理システム20を通って移動する空気がインサート92の下に流れることを可能にする。ディフューザー90がインサート92または容器38の底部表面39および/または側面のいずれかと一体的に形成される実施形態も意図される。さらにインサート92は単一のチャンバー102を有して示されるが、インサート92が複数のチャンバー102を含む実施形態も本明細書では意図される。
【0059】
インサート92およびエアディフューザー90が調理チャンバー内に配置されると、容器38の内側表面106とインサート92の側壁100との間に環状部104が形成される。さらに、例示的な非限定的実施形態では、インサート92の高さは、容器38内にエアディフューザー90とともに取り付けられたとき、容器38の高さとほぼ等しいかまたはそれより低くてもよい。
【0060】
当然のことながら、インサート92は、容器38の内部40ではなく、ハウジング22の中空内部34内に直接収容され得る。すなわち、インサート92(およびディフューザー90)は、容器38なしで調理システム20内に配置されてもよく、食品は、第二のモード調理機能に従って、インサート92内で調理され得る。
【0061】
第二の調理モードでの動作中、少なくとも一つの発熱体52は、空気移動装置56の動作を介して空気がそこを通過するときに空気を加熱するように構成される。インサート92が調理チャンバー内に配置される実施形態では、空気移動装置56は、インサート92の中心から空気を引き出し、それを、少なくとも一つの発熱体52にわたって移動させてから、加熱された空気を、容器38とインサート92との間の環状部104を通して、インサート92の底部98と容器38の底部表面39との間に形成される隙間108に向かって押し出す(
図1の矢印は、第二の調理動作の間に調理システム20を通る空気の流れの方向を示す)。ディフューザー90およびインサート92の使用が本明細書に記述されているが、少なくとも一つの発熱体52および空気移動装置56は、インサート92および/またはエアディフューザー90が容器38内に配置されていないときに、容器38とリッド24との間に画定される調理チャンバーを通して空気を循環するためにも使用され得ることを理解するべきである。
【0062】
一実施形態では、少なくとも一つの発熱体52は、インサート92の本体104の直径と実質的に等しい直径を有する。しかし、少なくとも一つの発熱体52がインサート92の直径より小さいかまたはそれよりも大きい直径を有する実施形態も、本明細書で意図される。
【0063】
少なくとも一つの発熱体52をノンオイルフライヤーモードで利用する時、プロセッサー72は、少なくとも一つの発熱体52および空気移動装置56の動作を開始し、
図1の矢印で表される高温空気を、調理チャンバーを通して循環させる。空気移動装置56は、少なくとも一つの発熱体52を通って上向きに空気を引き出し、ガイド110(一実施形態では、実際に空気移動装置56を囲む)に向かって外向きに高温空気を排出する。ガイド110は、容器38の側面に沿って環状部104に向かって下方に気流を偏向させるように構成され得る。空気は、容器38の底部表面39から偏向するまで、空気移動装置56の作動によって環状部104を通って下降し、ディフューザー90およびインサート92の端部98に向かって、隙間108へ、上方に引き上げられる。高温空気は、エアディフューザー90の複数の翼94の上方およびその間に流れ、それが高温空気に回転運動を付与し、それによって空気が、空気移動装置56によって、第二の端部98で開口部を通って、インサート92のチャンバー102内に引き出されるとき、渦が生成される。チャンバー102を通過した後、空気は、さらなる循環のために、発熱体52を通り空気移動装置56内に引き上げられる。
【0064】
上述の方法でチャンバー102を通って空気が循環するにつれて、高温空気は、メイラード効果の結果としてその中に配置される食品品目上にクリスピーな外層を調理および形成する。一実施形態では、油または脂肪などの液体は、容器38の底部表面39に隣接するように、調理チャンバー内に含まれる。液体は、ノンオイルフライモードで動作する前に、容器38に追加されてもよく、または別の方法として、高温空気がチャンバー102内の食品を通過する際に残留物質として生成され得る。液体が容器38の底部に配置される実施形態では、液体が容器38の内部40を通って循環する際に、液体の一部分は気流に混入され、加熱される。
【0065】
一実施形態では、調理システム20の空気移動装置56は、複数の回転速度で動作可能な可変速度ファンである。一実施形態では、空気移動装置56の動作速度は、選択された調理モードに基づいて変化し得る。例えば、ノンオイルフライヤーモードでの動作中の空気移動装置56の速度は、蒸気調理モードでの動作中の空気移動装置の速度とは異なり得る。空気移動装置56の動作速度は、調理モードの選択を含む、一つまたは複数の入力部62に応答して、プロセッサー72によって制御され得る。しかし、プロセッサー72はまた、空気移動装置56の動作速度、または別の方法として、調理チャンバー内の温度および/または圧力を制御するために、少なくとも一つの発熱体52に供給される電力を調整するように構成され得る。
【0066】
いくつかの実施形態では、調理システム20は、二つより多い調理モードで動作可能である。例えば、少なくとも一つの入力部62は、二つ以上の調理モードの組み合わせとして機能する調理モードでの調理システム20の動作を選択するために使用され得る。こうした実施形態では、プロセッサー72は、少なくとも一つの発熱体52が、シーケンスの第一の部分の間にパラメーターの第一のセットで操作され、少なくとも一つの発熱体52が操作され、空気移動装置56が、シーケンスの第二の部分の間にパラメーターの第二のセットで操作される、保存されたシーケンスを実行し得る。例えば、組み合わせモードでは、例えば、ニワトリなどの食品品目は、第一の調理モードで動作によって最初に蒸気調理され、次いで、第二の調理モードで調理システム20の動作によってクリスピーな外部層を形成するように、ノンオイルフライされ得る。しかし、本明細書に記述した実施形態は、一例としてのみ意図されており、第一および第二の調理モードの両方を組み合わせた任意の動作シーケンスが本明細書で意図される。二つ以上の調理モードの組み合わせで動作する場合、食品は、こうした遷移中に調理チャンバーまたは中空内部40から除去される必要はない。
【0067】
上記に従って、インサート92は、第一および第二のモードで連続的に調理される、食品の入った容器38内に配置され得る。例えば、インサート92は、容器38内に配置されてもよく、また食品は、第一の蒸気調理モードでの調理のために、インサート92内に配置され得る。次に、調理システム20は、第二のノンオイルフライモードに切り替えられてもよく、また容器38内に位置するインサート92内にまだ含まれている食品は、対流加熱機能に従って調理され得る。一実施形態では、こうしたプロセスは、インサート92に食品を配置し、インサート92を容器38の内部40に配置することを伴う。もちろん、食品は第一の湿潤モードで調理し、次いで第二の乾燥モードで調理することが最も一般的だが、調理システム20は確かに、最初に乾燥モード、続いて湿潤モードで食品を調理することができる。
【0068】
本明細書で図示および説明した調理システム20は、いくつかの従来型の家庭用製品の機能を、単一のユーザーにやさしい装置と組み合わせることによって、向上したユーザー体験を提供する。
【0069】
本明細書に引用された刊行物、特許出願、および特許を含む全ての参考文献は、あたかも各参考文献が個別におよび具体的に参照により組み込まれることが示され、その全体が本明細書に示されるのと同程度に、参照により本明細書に組み込まれる。
【0070】
用語「一つの(a)」、「一つの(an)」、「前述の(the)」および開示内容を説明する文脈中(特に、以下の特許請求の範囲における文脈中)の類似する指示対象は、本明細書中で特に示したり、明らかに文脈と矛盾したりしない限り、単数および複数の両方を包含するものと解釈される。「含む(comprising)」、「有する(having)」、「含む(including)」および「含む(containing)」という用語は、別段の記載がない限り、開放端の用語として解釈されるものとする(すなわち、「含むが、これに限定されない」を意味する)。本明細書の値の範囲の列記は、本明細書中で特に示さない限り、前述の範囲内の個々の値を個別に参照する簡略な方法として機能することが意図されるものであり、個々の値はそれぞれ本明細書に個別に記載されるものとして本明細書に組み込まれる。本明細書中で特に示したり、明らかに文脈と矛盾したりしない限り、本明細書に記載の全ての方法は、任意の適切な順序で実行可能である。本明細書で設けられるありとあらゆる例、または例示的な言語(例えばなど)の使用は、単に本開示をよりよく明らかにするためのものであり、特にクレームされていない限り、本開示の範囲を制限するものではない。本明細書中のいずれの語句も、特許請求しない任意の要素を本開示の実施に必須であると示すとは解釈されない。
【0071】
本開示を実施するための発明者に公知の最良のモードを含む、本開示の実施例示的な実施形態を本明細書に記載する。これらの実施形態の変形は、前述の説明を読んで当業者にとって明らかとなり得る。発明者らは、当業者がこのような変形を適切なものとして採用することを期待しており、発明者は本開示を本明細書に特に記載されるもの以外に実施する意図を有する。従って、本開示は、適用法により許可される特許請求の範囲に記載された主題の全ての修正および等価物を含む。さらに、本明細書に別段の指示がない限り、または別途文脈によって明らかに矛盾しない限り、その可能性のある全ての変形における上述の要素の任意の組み合わせは、本開示によって包含される。
【国際調査報告】