(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-03-29
(54)【発明の名称】連携上りリンクベース測位の方法及びデバイス
(51)【国際特許分類】
H04W 64/00 20090101AFI20220322BHJP
【FI】
H04W64/00
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021547270
(86)(22)【出願日】2020-02-12
(85)【翻訳文提出日】2021-10-05
(86)【国際出願番号】 US2020017838
(87)【国際公開番号】W WO2020167890
(87)【国際公開日】2020-08-20
(32)【優先日】2019-02-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】SE
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
(71)【出願人】
【識別番号】000002185
【氏名又は名称】ソニーグループ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】特許業務法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】プリヤント,バスキ
(72)【発明者】
【氏名】ベルグレン,アンダース
(72)【発明者】
【氏名】カールソン,ピーター
【テーマコード(参考)】
5K067
【Fターム(参考)】
5K067AA23
5K067DD20
5K067DD25
5K067EE02
5K067EE10
5K067EE16
5K067FF03
5K067LL11
(57)【要約】
上りリンクベース測位のために、ユーザ端末(User Equipment:UE)(100)の伝送ビームを介した上りリンク参照信号の伝送が、1つ又は複数の受信機(110)のそれぞれの受信ビームと連携される。測位計算ノード(105)は、構成情報を、UE(100)及び1つ又は複数の受信機(110)に送信する。構成情報により、UE(100)からの上りリンク参照信号伝送を受信するために、受信機(110)が受信ビーム(111)を構成することが可能になる。受信機(110)は、上りリンク参照信号の種々の測定を実施して、その測定値及びビーム情報を、測位計算ノード(105)に報告し、該測位計算ノード(105)は、位置推定値を生成する。
【選択図】
図7
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ワイヤレス通信デバイスによって実施される上りリンクベース測位の方法であって、
測位計算ノードから、上りリンクベース測位用の構成情報を受信することと(182)、前記構成情報は、前記ワイヤレス通信デバイスの伝送ビームと、関与する無線アクセスネットワーク(Radio Access Network:RAN)ノードのセットのそれぞれの受信ビームとの連携を提供し、
前記構成情報に従って、上りリンク参照信号を前記関与するRANノードのセットに伝送することと(186)を含む、方法。
【請求項2】
前記測位計算ノードから測位要求を受信することと(176)、
複数のRANノードから受信した下りリンク参照信号を測定することと(178)、
前記受信した下りリンク参照信号に関連付けられたチャネル品質測定報告を、前記測位計算ノードに伝送することと(180)をさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記測位要求は、所望の精度を示す、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記上りリンク参照信号を伝送することは、前記下りリンク参照信号の前記測定又は前記チャネル品質測定報告の前記伝送から、所定の期間内に行われる、請求項2又は3に記載の方法。
【請求項5】
前記チャネル品質測定報告に含めるために、前記複数のRANノードからRANノードのセットを選択すること(180)をさらに含む、請求項2~4のいずれか1つに記載の方法。
【請求項6】
前記RANノードのセットを前記選択することは、前記所望の精度及び/又は前記複数のRANノードに関連付けられたそれぞれの測定値に基づく、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記チャネル品質測定報告は、受信した下りリンク参照信号のビーム情報に関連付けられた測定の値を含む、請求項2~6のいずれか1つに記載の方法。
【請求項8】
前記ビーム情報は、前記チャネル品質測定報告に含まれる前記下りリンク参照信号に関連付けられた伝送ビーム情報及び/又は前記ワイヤレス通信デバイスの受信ビーム情報を含む、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
サービングRANノードから、前記関与するRANノードのセットへの前記上りリンク参照信号の伝送用のリソース割り当て情報を受信すること(184)をさらに含む、請求項1~8のいずれか1つに記載の方法。
【請求項10】
前記構成情報は、前記関与するRANノードのセットへの上りリンク参照信号の伝送用のビームパターンを示す、請求項1~9のいずれか1つに記載の方法。
【請求項11】
前記ワイヤレス通信デバイスの伝送ビーム構成を前記測位計算ノードに送信すること(174)をさらに含む、請求項1~10のいずれか1つに記載の方法。
【請求項12】
無線アクセスネットワーク(RAN)ノードによって実施される上りリンクベース測位の方法であって、
測位計算ノードから、上りリンクベース測位用の構成情報を受信することと(192)、前記構成情報は、ワイヤレス通信デバイスからの上りリンク参照信号の伝送ビームと、前記RANノードの受信ビームとの連携を提供し、
前記構成情報に従って、前記ワイヤレス通信デバイスからの前記上りリンク参照信号を受信するために、前記RANノードの前記受信ビームを構成することと(196)、
前記受信した上りリンク参照信号を測定することと(198)、
前記受信した上りリンク参照信号の測位測定報告を前記測位計算ノードに送信することと(200)を含む、方法。
【請求項13】
前記構成情報は、前記上りリンク参照信号の受信用の少なくともビーム情報を示す、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記測位測定報告は、タイミング測定値、電力測定値及び/又は前記受信した上りリンク参照信号のビーム情報を含む、請求項12又は13に記載の方法。
【請求項15】
前記構成情報に基づいて前記ワイヤレス通信デバイスに上りリンクリソースを割り当てること(194)をさらに含む、請求項12~14のいずれか1つに記載の方法。
【請求項16】
前記構成情報は、タイミング情報を含み、前記タイミング情報に従って上りリンク参照信号伝送が行われるように、リソースが前記ワイヤレス通信デバイスに割り当てられる、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記測位測定報告を送信することは、1つ又は複数の隣接RANノードから測定報告を収集して、集計した測定報告を前記測位計算ノードに送信することをさらに含む、請求項12~16のいずれか1つに記載の方法。
【請求項18】
前記RANノードの受信ビーム構成を前記測位計算ノードに送信すること(188)をさらに含む、請求項12~17のいずれか1つに記載の方法。
【請求項19】
測位計算ノードによって実施される上りリンクベース測位の方法であって、
ネットワークノードのセットからの下りリンク参照信号の測定値を提供する、ワイヤレス通信デバイスからのチャネル品質測定報告を受信することと(206)、
前記ワイヤレス通信デバイスからの前記チャネル品質測定報告に基づいて、上りリンクベース測位用の構成を決定することと(208)、前記構成は、前記ワイヤレス通信デバイスからの上りリンク参照信号の伝送ビームと、前記ネットワークノードのセットから選択された1つ又は複数のネットワークノードによるそれぞれの受信ビームとの連携を提供し、
前記選択された1つ又は複数のネットワークノードに第1構成情報を、及び前記ワイヤレス通信デバイスに第2構成情報を送信することと(210)、
前記1つ又は複数のネットワークノードから、前記ワイヤレス通信デバイスによる上りリンク参照信号伝送に関連付けられたそれぞれの測位測定報告を受信することと(212)、
前記測位測定報告に基づいて、前記ワイヤレス通信デバイスの位置を推定することと(214)を含む、方法。
【請求項20】
前記構成は、前記上りリンク参照信号の伝送がその間に行われる閾値時間をさらに含み、前記閾値時間は、前記チャネル品質測定報告が受信される時間又は前記ワイヤレス通信デバイスによってチャネル品質測定が行われる時間のうち1つに基づいて定められる、請求項19に記載の方法。
【請求項21】
前記ワイヤレス通信デバイス及び前記ネットワークノードのセットからそれぞれのビーム構成を受信すること(202)をさらに含む、請求項19又は20に記載の方法。
【請求項22】
測位要求を前記ワイヤレス通信デバイスのサービングネットワークノードに送信すること(204)をさらに含み、前記測位要求は所望の精度を示す、請求項19~21のいずれか1つに記載の方法。
【請求項23】
前記構成情報を決定することは、前記ワイヤレス通信デバイスからの前記チャネル品質測定報告に基づいて、前記上りリンクベース測位に関与する前記1つ又は複数のネットワークノードを選択することをさらに含む、請求項19~22のいずれか1つに記載の方法。
【請求項24】
前記第2構成情報は、前記ワイヤレス通信デバイスからの1つ又は複数の上りリンク参照信号伝送用の上りリンクタイミング情報及び/又は伝送ビーム情報を示す、請求項19~23のいずれか1つに記載の方法。
【請求項25】
前記第1構成情報は、前記上りリンクベース測位に関与する前記1つ又は複数のネットワークノード向けのそれぞれのタイミング情報及び受信ビーム情報を示す、請求項19~24のいずれか1つに記載の方法。
【請求項26】
ワイヤレス通信ネットワーク(102)で動作するように構成されたワイヤレス通信デバイス(100)であって、
それを通して1つ又は複数のネットワークノード(110)とのワイヤレス通信が実行されるワイヤレスインターフェース(122)と、
制御回路(118)とを備え、前記制御回路は、
測位計算ノード(105)から上りリンクベース測位用の構成情報(156)を受信し、前記構成情報(156)は、前記ワイヤレス通信デバイス(100)の伝送ビーム(101)と、関与するRANノード(110)のセットのそれぞれの受信ビーム(111)との連携を提供し、
前記構成情報(156)に従って、上りリンク参照信号(164)を前記関与するRANノード(110)のセットに伝送するように構成される、ワイヤレス通信デバイス(100)。
【請求項27】
前記制御回路(118)は、
前記測位計算ノード(105)から測位要求(144)を受信し、
複数のRANノード(110)から受信した下りリンク参照信号(146)を測定し、
前記受信した下りリンク参照信号(146)に関連付けられたチャネル品質測定報告(150)を、前記測位計算ノード(105)に伝送するようにさらに構成される、請求項26に記載のワイヤレス通信デバイス(100)。
【請求項28】
前記測位要求(144)は、所望の精度を示す、請求項27に記載のワイヤレス通信デバイス(100)。
【請求項29】
前記上りリンク参照信号(164)は、前記下りリンク参照信号(146)が測定される時間か、又は、前記チャネル品質測定報告(150)が伝送される時間から所定の期間内に伝送される、請求項27又は28に記載のワイヤレス通信デバイス(100)。
【請求項30】
前記制御回路(118)は、前記チャネル品質測定報告(150)に含めるために、前記複数のRANノードからRANノードのセットを選択するようにさらに構成される、請求項27~29のいずれか1つに記載のワイヤレス通信デバイス(100)。
【請求項31】
前記RANノードのセットは、前記所望の精度及び/又は前記複数のRANノードに関連付けられたそれぞれの測定値に基づいて選択される、請求項30に記載のワイヤレス通信デバイス(100)。
【請求項32】
前記チャネル品質測定報告(150)は、受信した下りリンク参照信号(146)のビーム情報に関連付けられた測定の値を含む、請求項27~31のいずれか1つに記載のワイヤレス通信デバイス(100)。
【請求項33】
前記ビーム情報は、前記チャネル品質測定報告(150)に含まれる前記下りリンク参照信号(146)に関連付けられた伝送ビーム情報及び/又は前記ワイヤレス通信デバイス(100)の受信ビーム情報を含む、請求項32に記載のワイヤレス通信デバイス(100)。
【請求項34】
前記制御回路(118)は、前記関与するRANノードのセットへの前記上りリンク参照信号の伝送用のリソース割り当て情報をサービングRANノードから受信するようにさらに構成される、請求項26~33のいずれか1つに記載のワイヤレス通信デバイス(100)。
【請求項35】
前記構成情報は、前記関与するRANノードのセットへの上りリンク参照信号の伝送用のビームパターンを示す、請求項26~34のいずれか1つに記載のワイヤレス通信デバイス(100)。
【請求項36】
前記制御回路(118)は、前記ワイヤレス通信デバイス(100)の伝送ビーム構成を前記測位計算ノード(105)に送信するようにさらに構成される、請求項26~35のいずれか1つに記載のワイヤレス通信デバイス(100)。
【請求項37】
ワイヤレス通信ネットワーク(102)で動作するように構成されたネットワークノード(110)であって、
それを通してワイヤレス通信デバイス(100)とのワイヤレス通信が実行されるワイヤレスインターフェース(114)と、
それを通してコアネットワーク(104)との通信が実行されるインターフェース(116)と、
制御回路(112)とを備え、前記制御回路は、
測位計算ノード(105)から上りリンクベース測位用の構成情報(154)を受信し、前記構成情報(154)は、ワイヤレス通信デバイス(100)からの上りリンク参照信号(164)の伝送ビーム(101)と、前記ネットワークノード(110)の受信ビーム(111)との連携を提供し、
前記構成情報(154)に従って、前記ワイヤレス通信デバイス(100)からの前記上りリンク参照信号(164)を受信するために、前記ネットワークノード(110)の前記受信ビーム(111)を構成し、
前記受信した上りリンク参照信号(164)を測定し、
前記受信した上りリンク参照信号(164)の測位測定報告(170)を前記測位計算ノード(105)に送信するように構成される、ネットワークノード(110)。
【請求項38】
前記構成情報(154)は、前記上りリンク参照信号(164)の受信用の少なくともビーム情報を示す、請求項37に記載のネットワークノード(110)。
【請求項39】
前記測位測定報告(170)は、タイミング測定値、電力測定値及び/又は前記受信した上りリンク参照信号(164)のビーム情報を含む、請求項37又は38に記載のネットワークノード(110)。
【請求項40】
前記制御回路(112)は、前記構成情報(154)に基づいて前記ワイヤレス通信デバイス(100)に上りリンクリソースを割り当てるようにさらに構成される、請求項37~39のいずれか1つに記載のネットワークノード(110)。
【請求項41】
前記構成情報(154)は、タイミング情報を含み、前記タイミング情報に従って上りリンク参照信号(164)伝送が行われるように、リソースが前記ワイヤレス通信デバイス(100)に割り当てられる、請求項40に記載のネットワークノード(110)。
【請求項42】
前記制御回路(112)は、1つ又は複数の隣接RANノード(110、134)から測定報告を収集して、集計した測定報告を前記測位計算ノード(105)に送信するようにさらに構成される、請求項37~41のいずれか1つに記載のネットワークノード(110)。
【請求項43】
前記制御回路(112)は、前記ネットワークノード(110)の受信ビーム構成(142)を前記測位計算ノード(105)に送信するようにさらに構成される、請求項37~42のいずれか1つに記載のネットワークノード(110)。
【請求項44】
ワイヤレス通信ネットワーク(102)で動作するように構成された測位計算ノード(105)であって、
それを通して複数のネットワークノード(110)及びワイヤレス通信デバイス(100)との通信が実行されるインターフェース(128)と、
プロセッサ(124)とを備え、前記プロセッサは、
ネットワークノード(110)のセットからの下りリンク参照信号(146)の測定値を提供する、前記ワイヤレス通信デバイス(100)からのチャネル品質測定報告(150)を受信し、
前記ワイヤレス通信デバイス(100)からの前記受信したチャネル品質測定報告に基づいて、上りリンクベース測位用の構成を決定し、前記構成は、前記ワイヤレス通信デバイス(100)からの上りリンク参照信号(164)の伝送ビーム(101)と、前記ネットワークノードのセットから選択された1つ又は複数のネットワークノード(110)によるそれぞれの受信ビーム(111)との連携を提供し、
前記選択された1つ又は複数のネットワークノード(110)に第1構成情報(154)を、及び前記ワイヤレス通信デバイス(100)に第2構成情報(156)を送信し、
前記1つ又は複数のネットワークノード(110)から、前記ワイヤレス通信デバイス(100)による上りリンク参照信号(164)伝送に関連付けられたそれぞれの測位測定報告(170)を受信し、
前記測位測定報告(170)に基づいて、前記ワイヤレス通信デバイス(100)の位置を推定するように構成される、測位計算ノード(105)。
【請求項45】
前記構成は、前記上りリンク参照信号(164)の伝送がその間に行われる閾値時間をさらに含み、前記閾値時間は、前記チャネル品質測定報告(150)が受信される時間又は前記ワイヤレス通信デバイス(100)によってチャネル品質測定が行われる時間のうち1つに基づいて定められる、請求項44に記載の測位計算ノード(105)。
【請求項46】
前記プロセッサ(124)は、前記ワイヤレス通信デバイス(100)及び前記ネットワークノード(110)のセットからそれぞれのビーム構成(142)を受信するようにさらに構成される、請求項44又は45に記載の測位計算ノード(105)。
【請求項47】
前記プロセッサ(124)は、測位要求(144)を前記ワイヤレス通信デバイス(100)のサービングネットワークノード(132)に送信するように構成され、前記測位要求(132)は所望の精度を示す、請求項44~46のいずれか1つに記載の測位計算ノード(105)。
【請求項48】
前記プロセッサ(124)は、前記ワイヤレス通信デバイス(100)からの前記チャネル品質測定報告(150)に基づいて、前記上りリンクベース測位に関与する前記1つ又は複数のネットワークノード(110)を選択するようにさらに構成される、請求項44~47のいずれか1つに記載の測位計算ノード(105)。
【請求項49】
前記第2構成情報(156)は、前記ワイヤレス通信デバイス(100)からの1つ又は複数の上りリンク参照信号伝送用の上りリンクタイミング情報及び/又は伝送ビーム情報を示す、請求項44~48のいずれか1つに記載の測位計算ノード(105)。
【請求項50】
前記第1構成情報(154)は、前記上りリンクベース測位に関与する前記1つ又は複数のネットワークノード(110)向けのそれぞれのタイミング情報及び受信ビーム情報を示す、請求項44~49のいずれか1つに記載の測位計算ノード(105)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
〔関連出願の相互参照〕
本出願は、2019年2月15日に出願のスウェーデン特許出願番号第1930061-5号の利益を主張し、その全体が参照により援用される。
【背景技術】
【0002】
既存のワイヤレス通信システム(例えば、3G又は4Gベースシステム)では、デバイスの位置の推定は、一般に、規制上の測位要件を満たす場合に許容可能であると見なされる。例えば、緊急呼出の場合、位置推定は、4Gシステムでは50メートルの範囲内のみの精度であることが求められる。新無線(New Radio:NR)などの5Gシステムの場合、測位は、第3世代パートナーシッププロジェクト(Third Generation Partnership Project:3GPP)で考慮されている重要な機能である。規格は、緊急呼出サービス(すなわち、規制上の要件)以外のユースケース、例えば、商用のユースケースを対象としており、また5Gシステムではサブメートル級の測位精度を提供することが要求される可能性がある。
【0003】
セルラベース測位は、下りリンクベース又は上りリンクベース、あるいはそれらの組み合わせである場合がある。上りリンクベース測位の従来システムでの一手法には、上りリンク到達時間差(Uplink Time Difference Of Arrival:UTDOA)がある。この手法によって、ユーザ端末(User Equipment:UE)は、参照信号を伝送し、この参照信号は、1つ又は複数の基地局又は専用のロケーション測定ユニット(Location Measurement Unit:LMU)によって受信される。基地局(又は、LMU)は、到達時間を推定して、その推定値を(例えば、複数の基地局が到達時間を測定する場合、多辺測量を介して)UEの位置を推定するロケーションサーバに報告する。
【0004】
従来のセルラベース測位方法は、典型的には、UE及び基地局での全方向性アンテナを必要とする。しかし、5Gシステムは、特により高い周波数(例えば、ミリ波周波数)範囲での送信機であるUE及び受信機である基地局における複数のビーム操作を企図している。それゆえに、従来のセルラベース測位方法は、5Gセルラシステムに容易に適用することができない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上りリンクベース測位の場合、複数のビーム操作は、基地局、特に隣接基地局による到達時間の測定を阻害する可能性がある。開示する手法は、1つ又は複数のUE伝送ビームを介して測位用の上りリンク参照信号を伝送するUEと、1つ又は複数の受信ビームを介して上りリンク参照信号を受信する基地局(及び/又はロケーション管理ユニット(LMU))との連携を提供する。測位計算ノードは、構成情報を、UE、及び上りリンクベース測位に関与する受信機(例えば、基地局及び/又はLMU)のセットに送信する。構成情報により、UEからの上りリンク参照信号伝送を受信するために、受信機が受信ビームを構成することが可能になる。受信機は、参照信号の種々の測定を実施して、その測定値及びビーム情報を、測位計算ノードに報告してもよい。ビーム情報により、伝送の指向性が示され、かつ測位推定の精度を向上させるために角度情報が提供されてもよい。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一態様によれば、ワイヤレス通信デバイスによって実施される上りリンクベース測位の方法は、測位計算ノードから上りリンクベース測位用の構成情報を受信することと、該構成情報は、ワイヤレス通信デバイスの伝送ビームと、関与する無線アクセスネットワーク(Radio Access Network:RAN)ノードのセットのそれぞれの受信ビームとの連携を提供し、該構成情報に従って、上りリンク参照信号を関与するRANノードのセットに伝送することとを含む。
【0007】
方法の一実施形態によれば、方法は、測位計算ノードから測位要求を受信することと、複数のRANノードから受信した下りリンク参照信号を測定することと(178)、受信した下りリンク参照信号に関連付けられたチャネル品質測定報告を、測位計算ノードに伝送することと(180)を含む。
【0008】
方法の一実施形態によれば、測位要求は、所望の精度をさらに示す。
【0009】
方法の一実施形態によれば、上りリンク参照信号の伝送は、下りリンク参照信号の測定又はチャネル品質測定報告の伝送から、所定の期間内に行われる。
【0010】
方法の一実施形態によれば、方法は、チャネル品質測定報告に含めるために、複数のRANノードからRANノードのセットを選択することを含む。
【0011】
方法の一実施形態によれば、RANノードのセットを選択することは、所望の精度及び/又は複数のRANノードに関連付けられたそれぞれの測定値に基づく。
【0012】
方法の一実施形態によれば、チャネル品質測定報告は、受信した下りリンク参照信号のビーム情報に関連付けられた測定の値を含む。
【0013】
方法の一実施形態によれば、ビーム情報は、チャネル品質測定報告に含まれる下りリンク参照信号に関連付けられた伝送ビーム情報及び/又はワイヤレス通信デバイスの受信ビーム情報を含む。
【0014】
一実施形態によれば、方法は、関与するRANノードのセットへの上りリンク参照信号の伝送用のリソース割り当て情報をサービングRANノードから受信することを含む。
【0015】
方法の一実施形態によれば、構成情報は、関与するRANノードのセットへの上りリンク参照信号の伝送用のビームパターンを示す。
【0016】
一実施形態によれば、方法は、ワイヤレス通信デバイスの伝送ビーム構成を測位計算ノードに送信することを含む。
【0017】
本開示の一態様によれば、無線アクセスネットワーク(RAN)ノードによって実施される上りリンクベース測位の方法は、測位計算ノードから上りリンクベース測位用の構成情報を受信することと、該構成情報は、ワイヤレス通信デバイスからの上りリンク参照信号の伝送ビームと、RANノードの受信ビームとの連携を提供し、該構成情報に従って、ワイヤレス通信デバイスからの上りリンク参照信号を受信するために、RANノードの受信ビームを構成することと、受信した上りリンク参照信号を測定することと、受信した上りリンク参照信号の測位測定報告を測位計算ノードに送信することとを含む。
【0018】
方法の一実施形態によれば、構成情報は、上りリンク参照信号の受信用の少なくともビーム情報を示す。
【0019】
方法の一実施形態によれば、測位測定報告は、タイミング測定値、電力測定値及び/又は受信した上りリンク参照信号のビーム情報を含む。
【0020】
一実施形態によれば、方法は、構成情報に基づいてワイヤレス通信デバイスに上りリンクリソースを割り当てることを含む。
【0021】
方法の一実施形態によれば、構成情報は、タイミング情報を含み、該タイミング情報に従って上りリンク参照信号伝送が行われるように、リソースがワイヤレス通信デバイスに割り当てられる。
【0022】
方法の一実施形態によれば、測位測定報告を送信することは、1つ又は複数の隣接RANノードから測定報告を収集して、集計した測定報告を測位計算ノードに送信することを含む。
【0023】
一実施形態によれば、方法は、RANノードの受信ビーム構成を測位計算ノードに送信することを含む。
【0024】
本開示の別の態様によれば、測位計算ノードによって実施される上りリンクベース測位の方法は、ネットワークノードのセットからの下りリンク参照信号の測定値を提供する、ワイヤレス通信デバイスからのチャネル品質測定報告を受信することと、ワイヤレス通信デバイスからのチャネル品質測定報告に基づいて、上りリンクベース測位用の構成を決定することと、該構成は、ワイヤレス通信デバイスからの上りリンク参照信号の伝送ビームと、ネットワークノードのセットから選択された1つ又は複数のネットワークノードによるそれぞれの受信ビームとの連携を提供し、選択された1つ又は複数のネットワークノードに第1構成情報を、及びワイヤレス通信デバイスに第2構成情報を送信することと、1つ又は複数のネットワークノードから、ワイヤレス通信デバイスによる上りリンク参照信号伝送に関連付けられたそれぞれの測位測定報告を受信することと、測位測定報告に基づいて、ワイヤレス通信デバイスの位置を推定することとを含む。
【0025】
方法の一実施形態によれば、構成は、上りリンク参照信号の伝送がその間に行われる閾値時間をさらに含み、該閾値時間は、チャネル品質測定報告が受信される時間又はワイヤレス通信デバイスによってチャネル品質測定が行われる時間のうち1つに基づいて定められる。
【0026】
一実施形態によれば、方法は、ワイヤレス通信デバイス及びネットワークノードのセットからそれぞれのビーム構成を受信することを含む。
【0027】
一実施形態によれば、方法は、測位要求をワイヤレス通信デバイスのサービングネットワークノードに送信することを含み、該測位要求は所望の精度を示す。
【0028】
方法の一実施形態によれば、構成情報を決定することは、ワイヤレス通信デバイスからのチャネル品質測定報告に基づいて、上りリンクベース測位に関与する1つ又は複数のネットワークノードを選択することをさらに含む。
【0029】
方法の一実施形態によれば、第2構成情報は、ワイヤレス通信デバイスからの1つ又は複数の上りリンク参照信号伝送用の上りリンクタイミング情報及び/又は伝送ビーム情報を示す。
【0030】
方法の一実施形態によれば、第1構成情報は、上りリンクベース測位に関与する1つ又は複数のネットワークノード向けのそれぞれのタイミング情報及び受信ビーム情報を示す。
【0031】
本開示の別の態様によれば、ワイヤレス通信ネットワークで動作するように構成されたワイヤレス通信ノードは、それを通して1つ又は複数のネットワークノードとのワイヤレス通信が実行されるワイヤレスインターフェースと、制御回路とを備え、該制御回路は、測位計算ノードから上りリンクベース測位用の構成情報を受信し、該構成情報は、ワイヤレス通信デバイスの伝送ビームと、関与するRANノードのセットのそれぞれの受信ビームとの連携を提供し、該構成情報に従って、上りリンク参照信号を関与するRANノードのセットに伝送する、ように構成される。
【0032】
ワイヤレス通信デバイスの一実施形態によれば、制御回路は、測位計算ノードから測位要求を受信し、複数のRANノードから受信した下りリンク参照信号を測定し、受信した下りリンク参照信号に関連付けられたチャネル品質測定報告を、測位計算ノードに伝送するようにさらに構成される。
【0033】
ワイヤレス通信デバイスの一実施形態によれば、測位要求は、所望の精度をさらに示す。
【0034】
ワイヤレス通信デバイスの一実施形態によれば、上りリンク参照信号は、下りリンク参照信号が測定される時間か、又はチャネル品質測定報告が伝送される時間から所定の期間内に伝送される。
【0035】
ワイヤレス通信デバイスの一実施形態によれば、制御回路は、チャネル品質測定報告に含めるために、複数のRANノードからRANノードのセットを選択するようにさらに構成される。
【0036】
ワイヤレス通信デバイスの一実施形態によれば、RANノードのセットは、所望の精度及び/又は複数のRANノードに関連付けられたそれぞれの測定値に基づいて選択される。
【0037】
ワイヤレス通信デバイスの一実施形態によれば、チャネル品質測定報告は、受信した下りリンク参照信号のビーム情報に関連付けられた測定の値を含む。
【0038】
ワイヤレス通信デバイスの一実施形態によれば、ビーム情報は、チャネル品質測定報告に含まれる下りリンク参照信号に関連付けられた伝送ビーム情報及び/又はワイヤレス通信デバイスの受信ビーム情報を含む。
【0039】
ワイヤレス通信デバイスの一実施形態によれば、制御回路は、関与するRANノードのセットへの上りリンク参照信号の伝送用のリソース割り当て情報をサービングRANノードから受信するようにさらに構成される。
【0040】
ワイヤレス通信デバイスの一実施形態によれば、構成情報は、関与するRANノードのセットへの上りリンク参照信号の伝送用のビームパターンを示す。
【0041】
ワイヤレス通信デバイスの一実施形態によれば、制御回路は、ワイヤレス通信デバイスの伝送ビーム構成を測位計算ノードに送信するようにさらに構成される。
【0042】
本開示の別の態様によれば、ワイヤレス通信ネットワークで動作するように構成されたネットワークノードは、それを通してワイヤレス通信デバイスとのワイヤレス通信が実行されるワイヤレスインターフェースと、それを通してコアネットワークとの通信が実行されるインターフェースと、制御回路とを備え、該制御回路は、測位計算ノードから上りリンクベース測位用の構成情報を受信し、該構成情報は、ワイヤレス通信デバイスからの上りリンク参照信号の伝送ビームと、ネットワークノードの受信ビームとの連携を提供し、該構成情報に従って、ワイヤレス通信デバイスからの上りリンク参照信号を受信するために、ネットワークノードの受信ビームを構成し、受信した上りリンク参照信号を測定し、受信した上りリンク参照信号の測位測定報告を測位計算ノードに送信するように構成される。
【0043】
ネットワークノードの一実施形態によれば、構成情報は、上りリンク参照信号の受信用の少なくともビーム情報を示す。
【0044】
ネットワークノードの一実施形態によれば、測位測定報告は、タイミング測定値、電力測定値及び/又は受信した上りリンク参照信号のビーム情報を含む。
【0045】
ネットワークノードの一実施形態によれば、制御回路は、構成情報に基づいてワイヤレス通信デバイスに上りリンクリソースを割り当てるようにさらに構成される。
【0046】
ネットワークノードの一実施形態によれば、構成情報は、タイミング情報を含み、該タイミング情報に従って上りリンク参照信号伝送が行われるように、リソースがワイヤレス通信デバイスに割り当てられる。
【0047】
ネットワークノードの一実施形態によれば、制御回路は、1つ又は複数の隣接RANノードから測定報告を収集して、集計した測定報告を測位計算ノードに送信するようにさらに構成される。
【0048】
ネットワークノードの一実施形態によれば、制御回路は、ネットワークノードの受信ビーム構成を測位計算ノードに送信するようにさらに構成される。
【0049】
本開示の別の態様によれば、ワイヤレス通信ネットワークで動作するように構成された測位計算ノードは、それを通して複数のネットワークノード及びワイヤレス通信デバイスとの通信が実行されるインターフェースと、プロセッサとを備え、該プロセッサは、ネットワークノードのセットからの下りリンク参照信号の測定値を提供する、ワイヤレス通信デバイスからのチャネル品質測定報告を受信し、ワイヤレス通信デバイスから受信したチャネル品質報告に基づいて、上りリンクベース測位用の構成を決定し、該構成は、ワイヤレス通信デバイスからの上りリンク参照信号の伝送ビームと、ネットワークノードのセットから選択された1つ又は複数のネットワークノードによるそれぞれの受信ビームとの連携を提供し、選択された1つ又は複数のネットワークノードに第1構成情報を、及びワイヤレス通信デバイスに第2構成情報を送信し、1つ又は複数のネットワークノードから、ワイヤレス通信デバイスによる上りリンク参照信号伝送に関連付けられたそれぞれの測位測定報告を受信し、測位測定報告に基づいて、ワイヤレス通信デバイスの位置を推定するように構成される。
【0050】
測位計算ノードの一実施形態によれば、構成は、上りリンク参照信号の伝送がその間に行われる閾値時間をさらに含み、該閾値時間は、チャネル品質測定報告が受信される時間、又はワイヤレス通信デバイスによってチャネル品質測定が行われる時間のうち1つに基づいて定められる。
【0051】
測位計算ノードの一実施形態によれば、プロセッサは、ワイヤレス通信デバイス及びネットワークノードのセットからそれぞれのビーム構成を受信するようにさらに構成される。
【0052】
測位計算ノードの一実施形態によれば、プロセッサは、測位要求をワイヤレス通信デバイスのサービングネットワークノードに送信するようにさらに構成され、該測位要求は所望の精度を示す。
【0053】
測位計算ノードの一実施形態によれば、プロセッサは、ワイヤレス通信デバイスからのチャネル品質測定報告に基づいて、上りリンクベース測位に関与する1つ又は複数のネットワークノードを選択するようにさらに構成される。
【0054】
測位計算ノードの一実施形態によれば、第2構成情報は、ワイヤレス通信デバイスからの1つ又は複数の上りリンク参照信号伝送用の上りリンクタイミング情報及び/又は伝送ビーム情報を示す。
【0055】
測位計算ノードの一実施形態によれば、第1構成情報は、上りリンクベース測位に関与する1つ又は複数のネットワークノード向けのそれぞれのタイミング情報及び受信ビーム情報を示す。
【図面の簡単な説明】
【0056】
【
図1】
図1は、ユーザ端末(UE)とも称されるワイヤレス通信デバイス向けの代表的な動作可能ネットワーク環境の概略ブロック図である。
【
図2】
図2は、ネットワーク環境の無線アクセスネットワーク(RAN)ノードの概略ブロック図である。
【
図3】
図3は、ネットワーク環境のUEの概略ブロック図である。
【
図4】
図4は、ネットワーク環境の測位計算ノードの概略ブロック図である。
【
図5】
図5は、例示的な連携上りリンクベース測位技法の略図である。
【
図6】
図6は、上りリンク参照信号を伝送するために、UEによって利用可能な例示的な伝送ビームパターンの略図である。
【
図7】
図7は、ワイヤレス通信システムで連携上りリンクベース測位を実施する例示的プロシージャのシグナリング図である。
【
図8】
図8は、ワイヤレス通信デバイスで実施される上りリンクベース測位の代表的方法のフロー図である。
【
図9】
図9は、ネットワークノードで実施される上りリンクベース測位の代表的方法のフロー図である。
【
図10】
図10は、測位計算ノードで実施される上りリンクベース測位の代表的方法のフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0057】
これより、図を参照しながら、実施形態について説明するが、全体を通して、同じ参照番号は同じ要素を意味するものとして使用する。各図は必ずしも一定の比率であるというわけではないことが理解されよう。一実施形態に関して記載及び/又は示される特徴は、1つ又は複数の他の実施形態において同じ又は類似の方式で、及び/又は他の実施形態の特徴と組み合わされて、又はその代わりに使用される場合がある。
【0058】
〔システムアーキテクチャ〕
図1は、開示する技法が実装される例示的ネットワーク環境の略図である。例示するネットワーク環境は代表的なものであり、その他の環境又はシステムが開示する技法を実装するために使用される場合があることを理解されよう。また、種々の機能は、単一のデバイスによって、例えば、無線アクセスノード、ユーザ端末、又はコアネットワークノードによって実行される場合があり、コンピューティング環境の複数のノードにわたって分散して実行される場合がある。
【0059】
ネットワーク環境は、ユーザ端末(UE)100などの電子デバイスに関係するものである。3GPP規格によって企図されているように、UEは、モバイル無線電話機(「スマートフォン」)であってもよい。他の例示的なタイプのUE100としては、ゲーミングデバイス、メディアプレイヤー、タブレットコンピューティングデバイス、コンピュータ、カメラ、及びモノのインターネット(Internet of Things:IoT)デバイスが挙げられるが、これらに限定されない。開示する技法の態様は、非3GPPネットワークに適用される場合があるので、UE100は、より一般的には、ワイヤレス通信デバイス、又は無線通信デバイスと称される場合がある。
【0060】
ネットワーク環境としては、1つ又は複数の3GPP規格に従って構成される場合があるワイヤレス通信ネットワーク102、例えば、3Gネットワーク、4Gネットワーク又は5Gネットワークが挙げられる。開示する手法は、他のタイプのネットワークに適用可能である。一実施形態では、ワイヤレス通信ネットワーク102は、3G又は4Gネットワークでは使用できない場合があるビームベース信号伝送を利用する場合がある。それでもなお、本明細書に開示する連携の態様は、複数のビーム操作を利用しないネットワークに適用することができる。
【0061】
ネットワーク102が3GPPネットワークである例では、ネットワーク102は、コアネットワーク(Core Network:CN)104及び無線アクセスネットワーク(RAN)106を含む。コアネットワーク104は、データネットワーク(Data Network:DN)108へのインターフェースを提供する。DN108は、オペレータサービス、インターネットへの接続、サードパーティサービスなどを指す。コアネットワーク104の詳細は、本明細書の話を簡単にするために省略するが、コアネットワーク104は、種々のネットワーク管理機能をホストする1つ又は複数のサーバを含むことが理解されており、該種々のネットワーク管理機能の例としては、ユーザプレーン機能(User Plane Function:UPF)、セッション管理機能(Session Management Function:SMF)、コアアクセス・モビリティ管理機能(Access and Mobility management Function:AMF)、認証サーバ機能(Authentication Server Function:AUSF)、ネットワークエクスポージャー機能(Network Exposure Function:NEF)、ネットワークリポジトリ機能(Network Repository Function:NRF)、ポリシー制御機能(Policy Control Function:PCF)、統一データ管理(Unified Data Management:UDM)、アプリケーション機能(Application Function:AF)及びネットワークスライス選択機能(Network Slice Selection Function:NSSF)が挙げられるが、これらに限定されない。加えて、コアネットワーク104は、下りリンクベース測位に関してUE100によって報告される測定値、及び/又は、例えば、上りリンクベース測位でRAN106によって報告される測定値に基づいてUE100の位置を推定するように構成された測位計算ノード105を含む場合がある。後述するように、測位計算ノード105は、上りリンクベース測位を支援及び連携させるために、UE100及び/又はRAN106から他の情報を取得する場合がある。さらに、測位計算ノード105は、コアネットワーク104に含まれるように
図1には示されているが、RAN106のノードなどの任意のネットワークノード、又はUE100などのデバイスに含まれてもよい。
【0062】
RAN106は、複数のRANノード110を含む。示されている例では、3つのRANノード110a、110b、及び110cがある。3つ以下、又は、3つ以上のRANノード110が、存在してもよい。3GPPネットワークの場合、RANノード110の各々は、発展型ノードB(evolved Node B:eNB)基地局、又は5G世代gNB基地局などの、基地局である場合がある。RANノード110は、1つ又は2つ以上のTx/Rxポイント(Tx/Rx Point:TRP)を含む場合がある。開示する技法の態様は、非3GPPネットワークに適用される場合があるので、RANノード110は、より一般的には、ネットワークアクセスノードと称される場合があり、その代替例としては、WiFiアクセスポイントがある。
【0063】
UE100にワイヤレス無線サービスを提供するために、UE100と、RANノード110のうち1つとの間で無線リンクが確立されてよい。無線リンクが確立されたRANノード110は、サービングRANノード110、又はサービング基地局と呼ばれる。その他のRANノード110が、UE100の通信範囲内にあってもよい。RAN106は、ユーザプレーン及び制御プレーンを有すると見なされる。制御プレーンは、UE100とRANノード110との間で、無線リソース制御(Radio Resource Control:RRC)シグナリングによって実装される。UE100とコアネットワーク104との間の別の制御プレーンも存在する場合があり、かつ非アクセス層(Non-Access Stratum:NAS)シグナリングによって実装されることがある。
【0064】
さらに、
図2を参照すると、RANノード110の各々は、典型的には、本明細書に記載する操作を実行するために、RANノード110を制御することを含む、RANノード110の全体的な操作に関する役割を担う制御回路112を備えている。例示的な実施形態では、制御回路は、RANノード110の操作を実行するために、制御回路112のメモリ(例えば、非一時的コンピュータ可読媒体)によって記憶されている論理命令(例えば、コード行、ソフトウェアなど)を実行する、プロセッサ(例えば、中央演算処理装置(Central Processing Unit:CPU)、マイクロコントローラ、又はマイクロプロセッサ)を含む場合がある。
【0065】
RANノード110はまた、UE100との電波接続を確立するためのワイヤレスインターフェース114を備える。ワイヤレスインターフェース114は、TRPを形成するために、1つ又は複数の無線送受信機及びアンテナアセンブリを含む場合がある。RANノード110は、コアネットワーク104へのインターフェース116も備える。RANノード110はまた、RAN106内のネットワーク連携を行うために、1つ又は複数の隣接RANノード110へのインターフェース(図示せず)も備える。
【0066】
さらなる態様によれば、上りリンクベース測位は、ロケーション測定ユニット(LMU)を必要とする場合がある。LMUは、別個のノード(例えば、RAN106内の)であるか、又はRANノード110と共に配置されるか、RANノード110のコンポーネントであってもよい。例えば、LMUは、RANノード110に通信可能に接続され、かつRANノード110の近くに配置されるコンピュータベースシステムであってもよい。あるいは、LMUは、RANノード110に組み込まれてもよく、また制御回路112のメモリに記憶された論理命令によって実行されてよい。
【0067】
さらに、
図3を参照すると、UE100の概略ブロック図が例示されている。UE100は、本明細書に記載する操作を実行するために、UE100を制御することを含む、UE100の全体的な操作に関する役割を担う制御回路118を備える。例示的な実施形態では、制御回路118は、UE100の操作を実行するために、制御回路118のメモリ(例えば、非一時的コンピュータ可読媒体)又は別個のメモリ120によって記憶されている論理命令(例えば、コード行、ソフトウェアなど)を実行する、プロセッサ(例えば、中央演算処理装置(CPU)、マイクロコントローラ、又はマイクロプロセッサ)を含む場合がある。
【0068】
UE100は、サービング基地局110との電波接続を確立するための無線送受信機及びアンテナアセンブリなどのワイヤレスインターフェース122を備える。場合によっては、UE100は、充電式電池(図示せず)によって電力を供給されることがある。デバイスのタイプに応じて、UE100は、1つ又は複数の他のコンポーネントを含む場合がある。他の構成要素としては、センサ、ディスプレイ、入力コンポーネント、出力コンポーネント、電気コネクタなどが挙げられるが、これらに限定されない。
【0069】
図4では、測位計算ノード105の例示的な実施形態の概略ブロック図が示されている。測位計算ノード105は、測位推定値を生成するために、(例えば、1つ又は複数のソフトウェアアプリケーションの形態で)論理命令を実行する。しかし、測位計算ノード105の態様は、コアネットワーク104又は別のコンピューティング環境の種々のノードにわたって分散される場合があることを理解されたい。
【0070】
測位計算ノード105は、計算ノード105の機能を実行するコンピュータアプリケーション(例えば、ソフトウェアプログラム)を実行することができる、コンピュータベースシステムとして実装されてよい。コンピュータプラットフォームでは典型的であるように、測位計算ノード105は、データ、情報セット及びソフトウェアを記憶しているメモリ126などの非一時的コンピュータ可読媒体、及びソフトウェアを実行するプロセッサ124を備える場合がある。プロセッサ124とメモリ126とは、ローカルインターフェース127を使用して接続されていてもよい。例えば、ローカルインターフェース127は、制御バスを伴うデータバス、ネットワーク、又は他のサブシステムであってもよい。計算ノード105は、種々の周辺デバイスに動作可能に接続するための種々の入力/出力(Input/Output:I/O)インターフェース、及び1つ又は複数のインターフェース128を有していてもよい。インターフェース128として、例えば、モデム及び/又はネットワークインターフェースカードを挙げてもよい。通信インターフェース128は、コアネットワーク104、RAN106及び/又は適切な他の場所における他のコンピューティングデバイスと、計算ノード105がデータ信号を送受信することを可能にする場合がある。
【0071】
〔連携上りリンクベース測位〕
精度を向上させ、かつ関与する基地局及び/又はLMUによる上りリンク参照信号伝送の受信を容易にするために、上りリンクベース測位を連携させる技法について記載する。前述したように、UE100又は受信機における複数のビーム操作は、特に隣接セルの受信機でビーム方向が整合しないことがあるので、従来の上りリンクベース測位に悪影響を与える可能性がある。測位計算ノード105は、例えば、UE100の伝送ビームが、RANノード110(及び/又はLMU)の受信ビームと整合するように、UE100、RANノード110及び/又はLMU(RANノード110に関連付けられていることがある)に、上りリンクベース測位プロシージャをどのように進めるかを命令してもよい。UE100によって収集された下りリンクチャネル品質測定値により、上りリンクベース測位プロシージャの構成を容易にし、測位推定の所望の精度を達成することができる。上りリンク伝送に対する測位測定値に加えて、受信機(例えば、RANノード110又はLMU)は、ビーム関連情報を報告してもよい。ビーム関連情報により、例えば、得られた角度情報に基づいて、より正確な測位推定値の計算が可能になる場合がある。
【0072】
図5を参照すると、連携上りリンクベース測位技法の例示的な実施形態が示されている。
図5に示すように、上りリンクベース測位を用いて、UE100は、1つ又は複数のRANノード110(又はLMU)によって受信される上りリンク参照信号を伝送してもよい。上りリンク参照信号は、サウンディング参照信号(Sounding Reference Signal:SRS)であってもよい。しかし、上りリンク参照信号は、それに対して受信機が測位測定値を計算することが可能な、UE100によって伝送される任意の上りリンク信号であってもよいことを理解されよう。測位測定値は、タイミングベース(例えば、TOA、相対TOA(Relative TOA:RTOA)、UTDOAなど)、及び/又は信号強度ベース(例えば、参照信号受信電力(Reference Signal Received Power:RSRP)、受信信号強度インジケーション(Received Signal Strength Indication:RSSI)など)であってもよい。RANノード110などの上りリンク参照信号の1つ又は複数の受信機は、測位測定値(概して、本明細書においては上りリンク測定値とも称する)を生成し、かつその測定値を測位測定報告又は上りリンク測定報告で、測位計算ノード105に報告してもよい。RANノード110は、別個の(例えば、個々の)報告を、測位計算ノード105に送信してもよい。あるいは、隣接RANノード110b、110cが、測定値をサービングRANノード110aに送信してもよい。サービングRANノード110aは、隣接RANノード110b、110cから測定値を収集して、集計した報告を測位計算ノード105に送信する。測位計算ノード105は、報告された上りリンク又は測位測定値に基づいて、UE100の位置を推定することができる。
【0073】
UE100は、ビーム伝送を介して上りリンク参照信号を伝送してもよい。例えば、
図5に示すように、UE100は、伝送ビーム101a、101b及び/又は101cで上りリンク参照信号を伝送してもよい。別の実施形態では、UE100は、上りリンク参照信号を全方向に伝送してもよい。例えば、FR1(すなわち、概して、6GHz以下のNR周波数帯域)での操作では、上りリンクは全方向性のものである場合があり、その一方で、FR2(すなわち、ミリ波)での操作は、典型的には、狭ビームが使用される場合がある。しかし、UE100は、周波数帯域に関係なく、全方向に、又は
図5に示すようなビームを介して伝送してもよいことを理解されよう。
【0074】
図5に示した例では、一態様において、RANノード110a~110cは、それぞれの受信ビーム111a~111cを介して、UE100から上りリンク参照信号を受信する場合がある。測位測定値に加えて、RANノード110は、測位計算ノード105に送信される測定報告(例えば、上りリンク測定報告又は測位測定報告と称される)に、ビーム情報を含めてもよい。ビーム情報は、ビーム101a~101cに対応する伝送ビーム情報及び/又はビーム111a~111cに対応する受信ビーム情報を含んでもよい。全方向性上りリンク伝送の場合、ビーム情報は、受信ビーム情報のみを含んでもよい。ビーム情報は、RANノード110又はUE100向けの所定のビーム構成に対応するビームインデックス、観察又は推定されたビームパラメータ(例えば、AoD、AoA、ビーム幅など)、及び/又はアンテナパネルインデックスを含んでもよい。例えば、アンテナパネルは、複数のビームをサポートしてもよい。説明のために、送信機又は受信機は、各々が4つのビームをサポートする2つのパネルを有していてもよい。それに応じて、ビーム情報は、アンテナパネルインデックス及び対応するビームインデックスを含んでもよい。観察又は推定されたビームパラメータに関して、角度情報は、三次元空間でのビームを特定するために、2つの角度(例えば、水平(方位角)及び垂直(高度角))として提供されてよい。
【0075】
典型的には、UE100は、サービングRANノードに対する適切なビーム方向を維持することができる。しかし、このような整合は、隣接RANノードとは保証されない可能性がある。上りリンク参照信号の受信を保証するために、測位計算ノード105は、伝送ビームと受信ビームとの整合を実現するために、UE100とRANノード110とを連携させてよい。
図5では、別個のコンポーネントとして示されているが、測位計算ノード105は、コアネットワークノード(例えば、ロケーションサーバ又はサービングモバイルロケーションセンター(SMLC又はE-SMLC))、無線アクセスネットワークノード(例えば、RANノード110に組み込まれた)、又はUE100のコンポーネントであってもよいことを理解されよう。
【0076】
連携を容易にするために、測位計算ノード105は、RANノード110及びUE100向けのそれぞれの構成を収集してもよい。構成は、UE100の上りリンク参照信号(例えば、SRS構成)用の構成を含んでもよい。加えて、RANノード110は、それぞれの受信ビーム構成を報告してもよく、またUE100は、伝送ビーム構成を報告してもよい。上りリンクベース測位プロシージャを開始するために、測位計算ノード105は、測位要求を、ネットワークノード(例えば、RANノード110)に、及び、特にUE100のサービングネットワークノードに送信してもよい。一例では、測位要求には、所望の精度又は測位推定のサービスレベルが含まれてよい。測位をさらに容易にするために、サービングネットワークノードは、UE100に、サービングセル及び隣接セルのチャネル品質測定の実施を要求してもよい。サービングネットワークノードはまた、UE100に所望の精度又はサービスレベルを通知してもよい。
【0077】
UE100は、複数のRANノード110から受信した下りリンク参照信号に基づいて、チャネル品質測定(例えば、下りリンクチャネルの測定、又は下りリンク測定)を実施してもよい。下りリンク参照信号は、チャネル状態情報参照信号(Channel State Information Reference Signal:CSI-RS)、同期信号ブロック(Synchronization Signal Block:SSB)、追跡参照信号(Tracking Reference Signal:TRS)、測位参照信号(Positioning Reference Signal:PRS)及び/又はそれによってチャネル品質が測定される場合がある任意の他の下りリンク信号であってよい。複数のRANノードからの下りリンク参照信号は、UE100によって測定されてよい。しかし、報告されるチャネル品質測定値は、測定された総ネットワークノードのサブセットであってもよい。報告向けに選択されたサブセットは、ある程度の所望の測位精度に基づくものであってよい。例えば、UE100は、測定時間ウィンドウと呼ばれる、特定の時間及び特定の期間に、隣接セルを測定してもよい。このウィンドウの間に、UE100は、それらの隣接セルのチャネル品質測定を実施してもよい。この結果セットは、大きなものである場合がある。そのため、測位計算ノード105に送信されるチャネル品質測定報告(例えば、下りリンクチャネルの測定報告、又は下りリンク測定報告)は、UE100によって取得された全測定値の全部を含まないこともある。チャネル品質測定報告に含まれる特定の測定値は、測位計算ノード105によって通知される所望の精度、及び測定の値に基づいて選択されてよい。例えば、特定のネットワークノードのチャネル品質が低いことを示す測定値は、チャネル品質が低いことが原因で測位推定を向上させることができないため、そのネットワークノードからの対応する測位測定値として報告されなくてもよい。別の例では、UE100は、高レベルの精度が所望される場合、多数のRANノード、及び、特に比較的良好な測定品質を伴う多数のRANノードからのチャネル品質測定値を含むチャネル品質測定報告を送信してもよい。
【0078】
UE100は、受信した下りリンク参照信号に関連付けられたチャネル品質測定報告を測位計算ノード105に送信してもよい。チャネル品質報告は、測定された複数のRANノードから選択されたRANノードのセットに対する測定値を含んでもよい。選択されたRANノードのセットのネットワークノードから受信された所与の下りリンク参照信号の場合、報告は、ビーム情報に関連付けられた測定の値(例えば、RSRP又は経路損失測定値)を含んでもよい。ビーム情報は、ネットワークノードの関連付けられた伝送ビームインデックス及び/又はUE100の受信ビームインデックスを含んでもよい。モバイル発信の位置特定要求の場合、UE100は、下りリンクチャネル品質の測定にダイレクトに進んで、チャネル品質測定報告を測位計算ノード105に送信してもよい。
【0079】
チャネル品質測定報告に基づいて、測位計算ノード105は、UE100からの報告に含まれている1つ又は複数のネットワークノードから、関与するネットワークノード(又はLMU)のセットを選択してもよい。測位計算ノード105は、構成情報を、UE100及び測位プロシージャに関与するRANノード110に送信してもよい。RANノード110は、UE100からの上りリンク参照信号伝送の受信のために、RANノード110が適切な受信ビームを構成することを可能にする、構成情報を受信してもよい。RANノード110はまた、受信操作が伝送と整合するように、タイミングインジケーション(例えば、SFN及びサブフレームオフセット)を受信してもよい。別の例では、測位計算ノード105は、構成情報のみをUE100に送信してもよい。構成情報により、特定のビームで、特定の時間及び周波数で、UE100が上りリンク参照信号伝送を構成することが可能になる。この例では、RANノード110は、上りリンク参照信号を受信するために、ビームスイーピング操作を周期的に実施する場合がある。ビームスイーピングに関して、RANノード110は、全方向をカバーするために、一連の受信ビームを通して循環する。
【0080】
UE100は、測位計算ノード105から、上りリンク参照信号伝送用のビーム情報を示す構成情報を受信してもよい。一例では、ビーム情報は、ビームパターンを含んでもよい。別の例では、伝送用の時間/周波数リソース割り当てを含んでもよい。簡単に
図6を参照すると、種々の例示的なビームパターンが描かれている。(A)では、逐次的なビームスイーピング手法が用いられる場合がある。逐次的なビームスイーピングに関して、
図6に示すように、UE100は、T1でビーム1を使用して伝送し、T2でビーム2を介する伝送に切り替え、T3でビーム3に切り替えてもよい。例えば、これは、UE100がビーム相関性を維持することができない場合に、適用される場合がある。ビーム相関性とは、UE100が、下りリンクビームに基づいて上りリンク(例えば、伝送)ビームを導出することができる状況を意味する(逆も同様である)。例えば、UE100が下りリンク信号をビームインデックス1で受信する場合、上りリンクビーム(例えば、伝送ビーム)もまた、ビームインデックス1を使用する場合がある。ビーム相関性が維持されない場合、下りリンクビーム方向と上りリンクビーム方向との間になんらかの偏差がある可能性がある。そのため、逐次的なビームスイーピングが、その偏差を解決するために用いられてよい。(B)では、任意選択の繰り返しを伴うワンショット伝送に関するビームパターンが描かれている。示されているように、ビーム1を使用する伝送は、T1、T2及びT3で繰り返されてよい。ビームパターン(C)では、非逐次的手法が描かれている。示されている特定の例では、UE100は、T1でビーム1、T2でビーム3、及びT3でビーム8を使用して伝送する。この手法に関して、各伝送インスタンスで用いられる伝送ビームは、その伝送を受信するように指定されている特定のネットワークノードの特定の受信ビームに対応するものであってよい。例えば、概ねビーム8の方向に位置しているネットワークは、T3で上りリンク参照信号を受信するために、対応する受信ビームを構成してよい。
【0081】
別の態様では、サービングRANノード110は、上りリンク参照信号の伝送向けに、UE100に上りリンクリソースを割り当ててもよい。割り当ては、測位計算ノード105の指示、及び/又は測位計算ノード105から送信される構成情報に基づいてよい。前述したように、上りリンクベース測位プロシージャは、下りリンクチャネル品質測定に基づいて構成されてよい。したがって、上りリンク参照信号伝送は、チャネル条件が類似することが想定可能な、測定の時間からある期間内で行われてよい。例えば、上りリンク参照信号伝送は、下りリンクチャネルの測定に続いて、一定の時間期間内(例えば、X個のサブフレーム又はY個の無線フレーム内)に行われるようにスケジュールされてよい。より詳細には、所定の時間期間(例えば、時間ウィンドウ又は範囲)が、定められてもよい。この期間は、測位計算ノード105が、UE100からチャネル品質測定報告を受信する時間を基準にするものであってもよい。したがって、上りリンク参照信号伝送は、報告が受信された時から所定の時間期間内に行われるようにスケジュールされる必要がある。別の例では、スケジューリングは、UE100がチャネル品質測定を実施するタイミングに基づいて決定されてもよい。この例では、UE100は、チャネル品質測定報告にタイムスタンプを含んでもよい。
【0082】
図7を参照すると、上りリンクベース測位を連携させるための例示的なシグナリング図が示されている。
図7に示すように、上述の測位計算ノード105に類似する場合がある測位計算ノード130は、サービング基地局(gNB)又はLMU132、隣接基地局又はLMU134、及びUE136と相互作用する。サービング及び隣接基地局は、上述のRANノード110に類似する場合があり、UE136は、上述のUE100と類似する場合がある。最初に、サービング基地局132はUE構成138を実施してよい。とりわけ、基地局132が、UE136の上りリンク参照信号(例えばSRS)伝送用の初期構成を提供する。測位プロシージャを準備するために、測位計算ノード130は、構成要求140をサービング基地局132及び隣接基地局134に送信することによって、基地局132、134及びUE136の構成を収集してもよい。基地局132、134は、要求140に応じて、gNB構成142を測位計算ノード130に送信する。gNB構成142は、基地局132及び134のそれぞれの受信ビーム構成を含んでもよい。一例では、サービング基地局132は、その構成142と共にUE構成を含んでもよい。UE構成は、上りリンク参照信号構成及びUE伝送ビーム構成を含んでもよい。
【0083】
測位プロシージャを開始するために、測位計算ノード130は、測位要求144をサービング基地局132に、及び(例えば、基地局132を通して)UE136に送信してよい。測位要求144は、測位推定の所望の精度を示してもよい。UE136は、サービング基地局132及び隣接基地局134、ならびに、その他の隣接基地局から下りリンク参照信号146を受信する。UE136は、受信した下りリンク参照信号のチャネル品質測定148を実施する。測定後、UE136は、チャネル品質測定報告150を測位計算ノード130に送信する。測定報告150は、測定された総ネットワークノードのサブセットを含んでもよい。すなわち、UE136は、上りリンクベース測位プロシージャに関与するネットワークノードの第1選択を実施してよい。より詳しく例示するために、測定値の全セットは、多数のネットワークノードを含んでもよい。シグナリングオーバーヘッドを低減するために、例えば、チャネル品質測定報告に含まれる特定の測定値は、所望の精度に基づいて選択されてもよい。測定値は、測定の値に基づいて報告向けに選択されてよい。例えば、特定のネットワークノードのチャネル品質が低いことを示す測定値は、チャネル品質が低いことが原因で測位推定を向上させることができないため、そのネットワークノードからの対応する測位測定値として報告されなくてもよい。別の例では、厳密な精度が所望される場合、チャネル品質測定報告150は、多数のネットワークノードからの、及び、特に、比較的良好な品質の測定値に関連付けられた多数のネットワークノードからのチャネル品質測定値を含んでもよい。言い換えると、UE136による第1選択により、上りリンクベース測位プロシージャに関与する候補ネットワークノードのセットが示されてもよい。
【0084】
チャネル品質測定報告150に基づいて、測位計算ノード105は、測位プロシージャ152を構成する。例えば、測位計算ノード105は、報告に含まれているノードから、測位に関与する必要がある1つ又は複数のネットワークノードを選択してもよい。測位計算ノード105による選択は、所望の精度、及び報告150内の測定値に基づいてよい。この選択のために、測位計算ノード105は、上述のUE135と類似の因子を考慮してもよい。あるいは、測位計算ノード105は、所望の精度で位置を推定すると予測される能力に基づいてネットワークノードを選択してもよい。例えば、チャネル品質測定報告150は、比較的狭いビーム(すなわち、狭ビーム幅)及び高いチャネル品質に関連付けられたネットワークノードの小セットを示してもよい。この小セットからの測位測定値は、そのような測位測定値そのものが高品質である場合があるので、所望の測位精度を達成するのに充分であり得る。場合によっては、選択されたネットワークノードのセットは、特に、非常に狭いビーム及び優れたチャネル条件の状況では、3つ未満のノードのみを含む場合がある。
【0085】
測位計算ノード105は、さらに、上りリンク参照信号の伝送と受信とを整合させるために、UE136向けの適切な伝送ビーム及びネットワークノード向けの受信ビームを、タイミング情報と共に決定してもよい。測位計算ノード105は、gNB構成情報154をサービング基地局132及び隣接基地局134に送信する。測位計算ノード105はまた、UE構成情報156をUE136に送信する。一例では、UE構成156は、サービング基地局132を通過してもよい。さらに、UE構成156は、上りリンクリソース割り当ての形態をとってもよい。他の例では、gNB構成情報154は、タイミング情報及び受信ビーム情報を含んでもよい。UE構成情報156は、上りリンク参照信号伝送向けの上りリンクタイミング情報及び/又は伝送ビーム情報(例えば、ビームパターン)を含んでもよい。
【0086】
構成情報の受信後、サービング基地局132は受信158の準備をし、隣接基地局134は受信160の準備をし、かつUE136は伝送の準備をする。一例では、サービング基地局132及び隣接基地局134は、上りリンク参照信号伝送を受信するために、それぞれの受信ビームを構成する場合がある。別の例では、測位計算ノード105は、gNB構成情報154を基地局132及び134に送信しない場合がある。特に、測位計算ノード105は、特別な受信ビーム情報を提供しなくてもよい。むしろ、基地局132及び134は、UE136から上りリンク参照信号を受信するために、実質的に全ての方向をカバーするビームスイーピングを実施してよい。
【0087】
UE136は、サービング基地局132、隣接基地局134、及び関与するために選択された他の基地局に、上りリンク参照信号164を伝送するために、1つ又は複数の伝送ビームを使用してもよい。隣接基地局134は、上りリンク参照信号164の測位測定166を実施する。サービング基地局132もまた、受信した上りリンク参照信号164の測位測定168を実施する。基地局132及び134は、それぞれの測位測定報告170を、測位計算105に送信し、該測位計算105は、報告170に基づいて測位推定値172を算出する。報告170は、ビーム情報(例えば、伝送ビーム情報及び/又は受信ビーム情報)と共に、測位測定の値(例えば、測位タイミング測定値又は測位信号強度測定値)を含んでもよい。
【0088】
図7で説明した上述の順番は、例示的なものであり、代替の順番が用いられてもよいことを理解されたい。
【0089】
図8~
図10は、UE100、RANノード110、及び測位計算ノード105によって、それぞれ、具現化される場合があるステップを表した例示的プロセスフローを示している。論理的進行で例示されているが、
図8~
図10に示すブロックは、他の順番で、及び/又は2つ以上のブロック間で同時に実行されてもよい。したがって、例示されているフロー図は、変更されてもよく(ステップの省略を含む)、及び/又は、オブジェクト指向方式又は状態指向方式で実施されてよい。
【0090】
図8は、上りリンクベース測位を実施する代表的な方法を示している。
図8の方法は、UE100などのワイヤレス通信デバイスによって実行されてよい。論理フローは、UEが、伝送ビーム構成を測位計算ノードに送信するブロック174で開始してよい。伝送ビーム構成から、測位計算ノードは、どの伝送ビームがUEによってサポートされているかなどのUEの能力を学習することができる。例えば、UEが狭ビーム幅の多数のビームをサポートしている場合、例えば、位置を推定する際に角度情報(例えば、AoD)が利用されてよい。しかし、UEが広ビーム幅のビームをサポートするか、全方向性ビームのみをサポートしている場合、角度情報は、同様に有益であるか、あるいは利用可能である場合がある。そのため、UEの伝送ビーム構成は、上りリンクベース測位プロシージャの構成時に、測位計算ノードによって使用されてよい。例えば、伝送ビーム構成は、要求される精度を達成するために、どれだけの測位測定値が必要とされるかについて測位計算ノードに報告するものであってもよい。
【0091】
ブロック176で、UEは、上りリンクベース測位の要求を受信する。要求は、測位推定の所望の精度を含んでもよい。所望の精度は、後述のようなチャネル品質測定及び報告の間に、UEに指示される。ブロック178で、複数のRANノードからの下りリンク参照信号が測定される。特に、チャネル品質測定が、下りリンク参照信号に対して実施される。ブロック180で、測定値(及び関連付けられたRANノード)が、報告向けに選択され、チャネル品質報告が、測位計算ノードに送信される。測定値が報告されるノードの選択は、所望の精度及び測定の値そのものに基づいてもよい。例えば、所定の閾値を下回るチャネル品質を示す測定値に関連付けられたRANノードは破棄されてよい。ブロック182で、UEは、上りリンク参照信号伝送用の構成情報を受信する。構成情報は、伝送ビーム情報及び/又は伝送ビームパターンを含んでもよい。ブロック184で、UEは、上りリンク参照信号伝送のために利用される上りリンクリソースをスケジュールするリソース割り当て情報を受信する。スケジュールされたリソースは、チャネル品質測定が行われる時間を基準にして時間ドメインで制約され、及び/又は上りリンク参照信号が伝送される時と比較的同様のチャネル条件を維持することを保証するために報告されてよい。ブロック186で、UEは、構成情報及びリソース割り当て情報に従って、上りリンク参照信号を1つ又は複数のRANノードに伝送する。
【0092】
図9は、上りリンクベース測位を実施する代表的な方法を示している。
図9の方法は、RANノード110又はLMUなどのネットワークノードによって実行されてよい。論理フローは、ネットワークノードが、受信ビーム構成を測位計算ノードに送信するブロック188で開始してよい。上述のUE伝送ビーム構成と同様に、測位計算ノードは、受信ビーム構成からネットワークノードの能力を学習することができる。例えば、測位計算ノードは、サポートされるいくつかのビーム及びそれぞれのビーム幅を学習してよい。情報により、目的の精度を達成するように、測位計算ノードが上りリンクベース測位プロシージャを構成することが可能になる。ブロック190で、ネットワークノードは、上りリンクベース測位の要求を受信する。要求は、測位推定の所望の精度を含んでもよい。ブロック192では、ネットワークノードは、任意選択で、ワイヤレス通信デバイスからの上りリンク参照信号伝送の受信用の構成情報を受信してもよい。構成情報は、上りリンク参照信号伝送を受信するために利用される受信ビーム情報を含んでもよい。別の例では、受信ビーム構成情報が受信されない場合、ネットワークノードは、ビームスイーピング操作を利用してもよい。
【0093】
ブロック194で、ネットワークノードがサービングネットワークノードの場合、ネットワークノードは、上りリンクリソースをワイヤレス通信デバイスに割り当てる。スケジュールされたリソースは、チャネル品質測定が行われる時間を基準にして時間ドメインで制約され、及び/又は上りリンク参照信号が伝送される時と比較的同様のチャネル条件を維持することを保証するために報告されてよい。この例によれば、サービングネットワークノードは、ブロック192でビームスイーピングが利用されても、依然として構成情報を受信してよい。この状況では、所定の時間期間内で上りリンク伝送をスケジュールするように、構成情報により、適切なタイミング情報がサービングネットワークノードに通知される。
【0094】
ブロック196では、ネットワークノードは、ワイヤレス通信デバイスから上りリンク参照信号を受信するために、受信ビームを構成するか、又はビームスイーピングを実施する。ブロック198で、ネットワークノードは、受信した上りリンク参照信号の測位測定(例えば、タイミングベース及び/又は信号強度ベースの)を実施する。ブロック200で、ネットワークノードは、測位測定報告を測位計算ノードに送信する。測定報告は、測定の値及びビーム情報を含んでもよい。ビーム情報は、伝送ビーム情報及び/又は受信ビーム情報を含んでもよい。
【0095】
図10は、上りリンクベース測位を実施する代表的な方法を示している。
図8の方法は、測位計算ノード105などの測位計算ノードによって実行されてよい。論理フローは、測位計算ノードが、UE及び複数の基地局及び/又はLMUからそれぞれのビーム構成を受信するブロック202で開始してよい。前述したように、ビーム構成により、UE及び基地局の能力(例えば、サポートされるビーム、それぞれのビーム幅など)が測位計算ノードに通知される。例えば、能力には、目的の精度内で位置推定を計算するために、どれだけの測位測定値が収集される必要があるかが考慮に入れられてもよい。
【0096】
ブロック204で、測位計算ノードは、所望の精度を含む測位要求を発信してもよい。所望の精度は、上述のようなチャネル品質測定及び報告の間に、UEに指示されてよい。ブロック206で、測位計算ノードは、UEからチャネル品質測定報告を受信してよい。チャネル品質報告は、ネットワークノードのセットに対するチャネル品質測定値及び関連付けられたビーム情報を含む。ブロック208で、測位計算ノードは、チャネル品質測定報告の少なくとも一部に基づいて、プロシージャに関与することになるノードのセットを選択することを含む、上りリンクベース測位プロシージャ用の測位構成を決定する。測位計算ノードによる選択は、所望の精度及び報告内の測定値に基づいてよい。例えば、測位計算ノードは、より高い品質の測位測定値が収集されるように、良好なチャネル条件に関連付けられたネットワークノードを選択してもよい。ブロック210で、構成情報は、測位プロシージャに関与するネットワークノード及びUEに送信される。構成情報は、上りリンク参照信号伝送用の伝送及び受信ビーム情報を含んでもよい。構成情報はまた、UE及びネットワークノードにおける伝送と受信とを整合させるために、タイミング情報を含んでもよい。別の例では、ネットワークノードは、上りリンク参照信号を受信するために、ビームスイーピングを利用する場合がある。そのため、ネットワークノードに送信される構成情報は、受信ビーム情報を含まなくてもよい。ブロック212で、測位計算ノードは、関与するネットワークノードから、1つ又は複数の測位測定報告又は上りリンク測定報告を受信する。報告は、測位測定値(例えば、タイミングベース及び/又は信号強度ベースの)及びビーム情報を含む。ブロック214で、測位計算ノードは、受信した測定報告に基づいてUEの位置を推定する。
【0097】
〔結言〕
特定の実施形態を示し、説明してきたが、添付の特許請求の範囲の範囲内に入る等価物及び修正は、本明細書を読み、かつ理解することにより当業者により行われることが理解される。
【手続補正書】
【提出日】2021-10-05
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ワイヤレス通信デバイスによって実施される上りリンクベース測位の方法であって、
測位計算ノードから、上りリンクベース測位用の構成情報を受信することと(182)、前記構成情報は、前記ワイヤレス通信デバイスの伝送ビームと、関与する無線アクセスネットワーク(Radio Access Network:RAN)ノードのセットのそれぞれの受信ビームとの連携を提供し、
前記構成情報に従って、上りリンク参照信号を前記関与するRANノードのセットに伝送することと(186)を含む、方法。
【請求項2】
前記測位計算ノードから測位要求を受信することと(176)、
複数のRANノードから受信した下りリンク参照信号を測定することと(178)、
前記受信した下りリンク参照信号に関連付けられたチャネル品質測定報告を、前記測位計算ノードに伝送することと(180)をさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記測位要求は、所望の精度を示す、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記上りリンク参照信号を伝送することは、前記下りリンク参照信号の前記測定又は前記チャネル品質測定報告の前記伝送から、所定の期間内に行われる、請求項2又は3に記載の方法。
【請求項5】
前記チャネル品質測定報告に含めるために、前記複数のRANノードからRANノードのセットを選択すること(180)をさらに含
み、
前記RANノードのセットを前記選択することは、前記所望の精度及び/又は前記複数のRANノードに関連付けられたそれぞれの測定値に基づく、請求項2~4のいずれか1つに記載の方法。
【請求項6】
前記チャネル品質測定報告は、受信した下りリンク参照信号のビーム情報に関連付けられた測定の値を含
み、
前記ビーム情報は、前記チャネル品質測定報告に含まれる前記下りリンク参照信号に関連付けられた伝送ビーム情報及び/又は前記ワイヤレス通信デバイスの受信ビーム情報を含む、請求項2~
5のいずれか1つに記載の方法。
【請求項7】
サービングRANノードから、前記関与するRANノードのセットへの前記上りリンク参照信号の伝送用のリソース割り当て情報を受信すること(184)をさらに含む、請求項1~
6のいずれか1つに記載の方法。
【請求項8】
前記構成情報は、前記関与するRANノードのセットへの上りリンク参照信号の伝送用のビームパターンを示
し、
前記ワイヤレス通信デバイスの伝送ビーム構成を前記測位計算ノードに送信すること(174)をさらに含む、請求項1~
7のいずれか1つに記載の方法。
【請求項9】
無線アクセスネットワーク(RAN)ノードによって実施される上りリンクベース測位の方法であって、
測位計算ノードから、上りリンクベース測位用の構成情報を受信することと(192)、前記構成情報は、ワイヤレス通信デバイスからの上りリンク参照信号の伝送ビームと、前記RANノードの受信ビームとの連携を提供し、
前記構成情報に従って、前記ワイヤレス通信デバイスからの前記上りリンク参照信号を受信するために、前記RANノードの前記受信ビームを構成することと(196)、
前記受信した上りリンク参照信号を測定することと(198)、
前記受信した上りリンク参照信号の測位測定報告を前記測位計算ノードに送信することと(200)を含む、方法。
【請求項10】
前記構成情報は、前記上りリンク参照信号の受信用の少なくともビーム情報を示す、請求項
9に記載の方法。
【請求項11】
前記測位測定報告は、タイミング測定値、電力測定値及び/又は前記受信した上りリンク参照信号のビーム情報を含む、請求項
9又は
10に記載の方法。
【請求項12】
前記構成情報に基づいて前記ワイヤレス通信デバイスに上りリンクリソースを割り当てること(194)をさらに含
み、
前記構成情報は、タイミング情報を含み、前記タイミング情報に従って上りリンク参照信号伝送が行われるように、リソースが前記ワイヤレス通信デバイスに割り当てられる、請求項
9~
11のいずれか1つに記載の方法。
【請求項13】
測位計算ノードによって実施される上りリンクベース測位の方法であって、
ネットワークノードのセットからの下りリンク参照信号の測定値を提供する、ワイヤレス通信デバイスからのチャネル品質測定報告を受信することと(206)、
前記ワイヤレス通信デバイスからの前記チャネル品質測定報告に基づいて、上りリンクベース測位用の構成を決定することと(208)、前記構成は、前記ワイヤレス通信デバイスからの上りリンク参照信号の伝送ビームと、前記ネットワークノードのセットから選択された1つ又は複数のネットワークノードによるそれぞれの受信ビームとの連携を提供し、
前記選択された1つ又は複数のネットワークノードに第1構成情報を、及び前記ワイヤレス通信デバイスに第2構成情報を送信することと(210)、
前記1つ又は複数のネットワークノードから、前記ワイヤレス通信デバイスによる上りリンク参照信号伝送に関連付けられたそれぞれの測位測定報告を受信することと(212)、
前記測位測定報告に基づいて、前記ワイヤレス通信デバイスの位置を推定することと(214)を含む、方法。
【請求項14】
前記構成は、前記上りリンク参照信号の伝送がその間に行われる閾値時間をさらに含み、前記閾値時間は、前記チャネル品質測定報告が受信される時間又は前記ワイヤレス通信デバイスによってチャネル品質測定が行われる時間のうち1つに基づいて定められ
、
前記構成情報を決定することは、前記ワイヤレス通信デバイスからの前記チャネル品質測定報告に基づいて、前記上りリンクベース測位に関与する前記1つ又は複数のネットワークノードを選択することをさらに含み、
前記第2構成情報は、前記ワイヤレス通信デバイスからの1つ又は複数の上りリンク参照信号伝送用の上りリンクタイミング情報及び/又は伝送ビーム情報を示し、
前記第1構成情報は、前記上りリンクベース測位に関与する前記1つ又は複数のネットワークノード向けのそれぞれのタイミング情報及び受信ビーム情報を示す、請求項
13に記載の方法。
【請求項15】
前記ワイヤレス通信デバイス及び前記ネットワークノードのセットからそれぞれのビーム構成を受信すること(202)をさらに含
み、
測位要求を前記ワイヤレス通信デバイスのサービングネットワークノードに送信すること(204)をさらに含み、前記測位要求は所望の精度を示す、請求項
13又は
14に記載の方法。
【国際調査報告】