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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-03-29
(54)【発明の名称】車両用大気水発生器および除湿器
(51)【国際特許分類】
   F24F 13/22 20060101AFI20220322BHJP
   F28D 20/02 20060101ALI20220322BHJP
   F25B 1/00 20060101ALI20220322BHJP
【FI】
F24F1/02 371C
F28D20/02 D
F25B1/00 399Y
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021548184
(86)(22)【出願日】2020-02-18
(85)【翻訳文提出日】2021-08-25
(86)【国際出願番号】 IL2020050179
(87)【国際公開番号】W WO2020170243
(87)【国際公開日】2020-08-27
(31)【優先権主張番号】62/806,922
(32)【優先日】2019-02-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】521106740
【氏名又は名称】ウォーターゲン リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100120891
【弁理士】
【氏名又は名称】林 一好
(74)【代理人】
【識別番号】100165157
【弁理士】
【氏名又は名称】芝 哲央
(74)【代理人】
【識別番号】100205659
【弁理士】
【氏名又は名称】齋藤 拓也
(74)【代理人】
【識別番号】100185269
【弁理士】
【氏名又は名称】小菅 一弘
(72)【発明者】
【氏名】ブルバーグ シャロン
(72)【発明者】
【氏名】ブルメンタル ヤニール リチャード
(72)【発明者】
【氏名】ペリー モラン
(72)【発明者】
【氏名】チェルニン ガイ エフゲニ
(72)【発明者】
【氏名】ネチェミア チェン
(72)【発明者】
【氏名】ベルドゥゴ オハド
【テーマコード(参考)】
3L050
【Fターム(参考)】
3L050AA02
3L050BD05
3L050BF02
(57)【要約】
(i)装置(100)によって生成される残留熱を、AWG(102)によって生成された水(112)の製造、処理、もしくは分配に提供し得る熱放出要素106、(ii)AWG(102)によって生成された水(112)の製造、処理、もしくは分配に電力を提供し得る電源、または(iii)AWG(102)によって生成される水(112)もしくは除湿された空気から恩恵を受け得る要素のいずれかを有し得る、車両などの装置(100)に設置された、またはそれに連結されたAWGシステム(102)。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
大気水発生器(AWG)および少なくとも1つの発熱要素を備える車両であって、
前記AWGが、
空気からの湿気を凝縮水に凝縮するように適合された冷凍サイクル
と、
前記凝縮水を循環させ、前記車両の前記発熱要素からの熱を前記循環凝縮水に伝達するように適合された低温殺菌循環システムであって、それにより、前記循環凝縮水は、前記循環凝縮水が低温殺菌される温度および持続時間まで加熱され、前記低温殺菌された凝縮水を後冷却するように適合される、低温殺菌循環システムと、を備える、車両。
【請求項2】
前記発熱要素が、燃焼機関、電気エンジン、ブレーキシステム、およびガス排気のうちの少なくとも1つである、請求項1に記載の車両。
【請求項3】
前記冷凍サイクルが、蒸発器、凝縮器、圧縮器、膨張手段、送風器、前記凝縮水を収集および貯蔵するように適合された凝縮水貯蔵タンク、ならびに冷媒管を含み、
前記送風器が、前記蒸発器を通じて前記AWGの外側からの空気を促すように設計されており、前記蒸発器が、前記空気の露点よりも低温であり、前記凝縮水貯蔵タンクが、前記凝縮水を収集するように設計されている、請求項1または2に記載の車両。
【請求項4】
前記低温殺菌循環システムが、循環ライン、前記循環ライン内の前記凝縮水を促すための水ポンプを備える、請求項1~3のいずれか一項に記載の車両。
【請求項5】
前記低温殺菌循環システムは、前記車両の前記発熱要素からの熱を前記循環凝縮水に伝達するように設計された少なくとも1つの熱交換器を備え、それにより、前記循環凝縮水は、前記循環凝縮水が低温殺菌される温度および持続時間まで加熱され、前記低温殺菌された凝縮水を後冷却するように適合される、請求項1~4のいずれか一項に記載の車両。
【請求項6】
前記熱交換器が、第1の部分および第2の部分を含み、前記第1の部分が、バリアによって分離された2つの側を含み、各側が、入口および出口を有し、前記第2の部分に入る前に前記第1の部分の予熱側を流れる低温水と、前記第2の部分を出て前記第1の部分の第2の側を流れる高温水との間の熱交換を可能にするように適合され、前記第2の部分が、入口および出口を備え、前記車両の前記発熱要素と接触している、請求項5に記載の車両。
【請求項7】
前記低温殺菌循環ラインが、低温水を、前記貯蔵タンクの出口から前記熱交換器の前記第1の部分の前記予熱側の前記入口に循環させるように構成され、前記冷水が、前記熱交換器の前記第1の部分の前記第2の側の中で高温水と熱交換することによって昇温され、次いで、前記熱交換器の前記第1の部分の前記予熱側の前記出口を出て、前記昇温された水が、前記熱交換器の前記第2の部分に入り、前記昇温された水が、前記車両の前記発熱要素との熱交換によって加熱され、前記高温水が、次いで、前記熱交換器の前記第2の部分を出て、前記熱交換器の前記第1の部分の前記第2の側に入り、前記高温水が、前記熱交換器の前記第1の部分の前記第1の側の中で前記低温水と熱交換することによって冷却され、前記熱交換器の前記第1の部分を出て、前記凝縮水貯蔵タンクに戻る、請求項6に記載の車両。
【請求項8】
前記熱交換器の前記第2の部分を出る前記水が、低温殺菌される、請求項6または7に記載の車両。
【請求項9】
前記熱交換器内で1.5バール超の圧力を可能にする前記熱交換器の上流に位置するポンプと、前記熱交換器の下流に位置する圧力降下手段と、を備える、請求項6~8のいずれか一項に記載の車両。
【請求項10】
前記加熱要素内の前記水が、高温短時間(HTST)低温殺菌基準を満たす持続時間のための温度に到達する、請求項9に記載の車両。
【請求項11】
前記循環ラインが、前記熱交換器の前記第2の部分の下流に位置する前記蒸発器の近くを通過し、前記低温殺菌循環ラインを出る前に、前記熱交換器の前記第2の部分を出る前記水を冷却するように設計されている、請求項7~10のいずれか一項に記載の車両。
【請求項12】
方向弁が、前記循環ポンプの下流に位置し、前記弁が、少なくとも2つの状態を含み、第1の状態では、双方向弁が、前記水を前記ポンプの出口から前記循環ラインの残部に向け、第2の状態では、前記水を前記ポンプの出口から分配手段に向ける、請求項9~11のいずれか一項に記載の車両。
【請求項13】
大気水発生器(AWG)を備える車両であって、
前記AWGが、
空気からの湿気を凝縮水に凝縮するように適合された冷凍サイクルと、制御ユニットと、前記冷凍サイクルによって生成および移送された凝縮水を受容するように適合された取り外し可能な容器と、前記取り外し可能な容器の有無を感知するように適合された存在センサと、を備え、
前記制御ユニットが、前記存在センサと通信しており、前記取り外し可能な容器が存在しないという信号を前記存在センサから受信すると、前記取り外し可能な容器への凝縮水の移送を停止し、前記取り外し可能な容器が存在するという信号を前記存在センサから受信すると、前記取り外し可能な容器への凝縮水の移送をアクティブ化するように設計されている、車両。
【請求項14】
前記取り外し可能な水容器が、収集タンクおよびボトルから選択される、請求項13に記載の車両。
【請求項15】
出口スパウトを備える、前記凝縮水を収集するように設計された凝縮水貯蔵タンクをさらに備え、前記出口スパウトが、前記取り外し可能な容器に接続されており、前記制御ユニットによる前記凝縮水のアクティブ化および非アクティブ化が、前記スパウトを開閉することによる、請求項13または14に記載の車両。
【請求項16】
存在センサが、近接センサ、重量センサ、タッチスイッチ、および占有センサから選択される、請求項13~15のいずれか一項に記載の車両。
【請求項17】
前記凝縮水貯蔵タンクが、取り外し可能なボトルである、請求項13~16のいずれか一項に記載の車両。
【請求項18】
比較的高温で乾燥した空気を提供するように適合された大気水発生器(AWG)と、モータ、フロントガラス、サイドミラー、およびセンサのうちの少なくとも1つと、を備える車両であって、
前記AWGが、
比較的高温で湿った流入空気を比較的乾燥した低温の流出空気に除湿するように適合された冷凍サイクルであって、相互に、前記流入する湿った空気を予冷し、前記流出する乾燥した空気を後加熱するように適合された少なくとも1つの空気対空気熱交換器に連結されている、冷凍サイクルを備え、
前記後加熱された乾燥した空気が、a)モータ吸引部に乾燥した空気を提供すること、b)前記フロントガラスを乾燥させること、c)前記センサ上の凝縮水を乾燥させること、およびd)乗員区画の湿気を排出すること、のうちの少なくとも1つに適合されたモジュールに運ばれる、車両。
【請求項19】
前記空気対空気熱交換器が、第1の側および第2の側を備え、前記2つの側が、バリアによって分離され、各側が、入口および出口を有し、
前記AWGが、空気を、
前記AWGの外側から前記空気対空気熱交換器の前記第1の側を通って、前記空気が空気対空気熱交換器の前記第2の側の中の空気に熱を伝達することを可能にし、
次いで、前記空気対空気熱交換器の前記第1の側の前記出口を通って、前記冷凍サイクルの蒸発器まで促すように適合され、前記蒸発器が、前記蒸発器と接触することになる前記空気の前記湿気の少なくとも一部を凝縮水に凝縮するために、前記空気の露点よりも低温になるように適合され、それにより、前記AWGを出る空気が、前記蒸発器に入る空気よりも乾燥して低温であり、
次いで、空気対空気熱交換器の第2の側を通って、前記空気が、空気対空気熱交換器の第1の側の中の前記空気から熱を受容することを可能にされる、請求項18に記載の車両。
【請求項20】
2つの空気対空気熱交換器であって、
比較的高温で湿った第1の空気流が、第1の空気対空気熱交換器の第1の側を通って、前記第1の空気対空気熱交換器の第2の側の中で比較的低温の第2の空気流との熱交換を可能にし、
次いで、前記第1の空気流を冷却し、そこから湿気を凝縮するように適合された蒸発器を通って、
次いで、第2の空気対空気熱交換器の第2の側であって、前記第2の空気対空気熱交換器の前記第1の側の中で、比較的低温で乾燥した第1の空気流と比較的高温で湿った第2の空気流との間の熱交換を可能にするように適合された、第2の空気対空気熱交換器の第2の側を通ることを可能にするように適合され、
かつ
第2の比較的高温で湿った空気流が、比較的低温で乾燥した第1の空気流との熱交換を可能にするように適合された第2の空気対空気熱交換器の第1の側を通って、
次いで、前記第2の空気流を冷却し、そこから湿気を凝縮するように適合された蒸発器を通って、
次いで、第1の空気対空気熱交換器の第2の側であって、前記第1の空気対空気熱交換器の前記第1の側の中で、比較的低温で乾燥した第2の空気流と比較的高温で湿った第1の空気流との間の熱交換を可能にするように適合された、第1の空気対空気熱交換器の第2の側を通ることを可能にするように適合された、2つの空気対空気熱交換器を備える、請求項18または19に記載の車両。
【請求項21】
前記凝縮水を収集するように設計された収集タンクをさらに備える、請求項18~20のいずれか一項に記載の車両。
【請求項22】
前記AWGの凝縮器が、前記後加熱された空気の下流、かつチャネリングモジュールの上流に位置する、請求項18~21のいずれか一項に記載の車両。
【請求項23】
大気水発生器(AWG)と、燃料電池およびセンサ洗浄器のうちの少なくとも1つと、を備える車両であって、
前記AWGが、
前記空気から凝縮水に湿気を凝縮するように適合された冷凍サイクルと、前記燃料電池および前記センサ洗浄器のうちの少なくとも1つに凝縮水を提供するように適合された分配ラインと、を備える、車両。
【請求項24】
大気水発生器(AWG)および少なくとも1つの電源を備える車両であって、
前記AWGが、
PCMを収容するように適合されたPCMタンクと、
前記車両電源によって給電される冷凍サイクルであって、前記冷凍サイクルが、前記PCMタンク内に収容され、かつ前記PCMタンク内に収容された相変化材料(PCM)から熱を吸収するように適合された蒸発器を含む、冷凍サイクルと、
第1の熱交換器と、
第2の熱交換器と、
送風器と、
凝縮水貯蔵タンクと、を備え、
前記蒸発器が、前記PCMタンク内の前記PCMを固化するように適合されており、
ポンプが、前記第1の熱交換器内から前記第2の熱交換器へ、および前記第2の熱交換器から前記第1の熱交換器へ閉ループで流体を循環させるように適合されており、
前記第1の熱交換器が、前記循環流体から前記PCMタンク内の前記PCMに熱を伝達するように適合されており、
前記送風器が、前記AWGの外側から前記第2の熱交換器を通じて、気流を送風するように適合されており、
前記第2の熱交換器が、前記気流から前記流体に熱を伝達し、かつ空気をその露点未満に冷却して、凝縮水を生じさせるように適合されている、車両。
【請求項25】
前記PCMが、水である、請求項24に記載の車両。
【請求項26】
前記PCMタンク内の前記水の少なくとも一部が、前記AWGによって生成される、請求項25に記載の車両。
【請求項27】
前記AWGは、前記車両電力がオフであるときに前記AWGに電力を提供する、二次電源を備える、請求項24~26のいずれか一項に記載の車両。
【請求項28】
大気水発生器(AWG)を備える車両であって、
前記AWGが、
前記車両の電源から電力を受信する冷凍サイクルであって、空気流を冷却し、そこからの湿気を凝縮水に凝縮するように適合され、前記生成凝縮水を貯蔵するように適合された貯蔵タンクを含む、冷凍サイクルと、
前記貯蔵タンクに接続された循環ラインであって、前記車両の熱源によって前記循環ライン内で循環される前記水を加熱するように適合された第1の熱交換器、ならびに前記貯蔵タンクから前記第1の熱交換器を通って、および前記第1の熱交換器から前記貯蔵タンクに前記水を循環させるように適合された循環ポンプを含む、循環ラインと、
ポンプ、第2の熱交換器、およびスパウトを含む分配ラインであって、一端において前記凝縮水貯蔵タンクに接続され、前記スパウトが、前記第2の端に位置し、前記第2の熱交換器が、前記凝縮水貯蔵タンクと前記スパウトとの間に位置する、分配ラインと、
相変化材料(PCM)を収容するように適合されたPCM区画と、を備え、前記第2の蒸発器の少なくとも一部分、および前記分配ラインの前記第2の熱交換器の少なくとも一部分が、
第2の蒸発器と、
第2の熱交換器と、を備え、
前記第2の蒸発器が、前記冷凍サイクルに接続され、前記第2の蒸発器が前記PCM区画内で前記PCMと接触することを可能にする場所で膨張弁の下流に位置し、前記PCMを冷却および固化するように適合されており、
前記分配ライン内の前記分配ポンプが、水を、前記貯蔵タンクから、前記第2の熱交換器へ、次いで、前記スパウトへ促すように適合され、
前記第2の熱交換器は、前記第2の熱交換器が前記PCM区画内の前記PCMと接触することを可能にする場所に位置し、前記水から前記PCMへの熱伝達を可能にすることによって前記水を冷却するように適合されている、車両。
【請求項29】
前記貯蔵タンクが、出口ラインに接続され、前記出口ラインが、水ポンプ、および前記ポンプの下流に位置する方向弁を備え、前記方向弁の第1の状態では、前記水を前記分配ラインに向けるように適合され、第2の状態が、前記循環ラインに前記水を向けるように適合されている、請求項28に記載の車両。
【請求項30】
前記冷凍サイクルが、冷媒を前記第1の蒸発器に向けて、水凝縮を可能にするように適合された第1の状態と、前記冷媒を前記第2の熱交換器に向けて、PCMが固化することを可能にするように適合された第2の状態と、を有する、凝縮器の下流に位置する方向弁を備える、請求項28または29に記載の車両。
【請求項31】
前記貯蔵タンクが、60℃を上回る温度で保たれる、請求項28~30のいずれか一項に記載の車両。
【請求項32】
温度センサおよび制御ユニットを備え、温度センサが、前記貯蔵タンク内の温度を制御ユニットに示すように適合され、前記制御ユニットは、前記貯蔵タンク内の前記温度が所定の閾値を下回ったときに前記循環をアクティブ化するように適合され、前記貯蔵タンク内の前記温度が所定の閾値を上回ったときに前記循環を非アクティブ化するように適合されている、請求項28~31のいずれか一項に記載の車両。
【請求項33】
PCMが、氷であり、その少なくとも一部分が、前記凝縮水に由来する、請求項28~32のいずれか一項に記載の車両。
【請求項34】
装置に設置されるか、または装置に連結される、請求項1~33のいずれか一項に記載のAWG。
【請求項35】
前記装置が、車両である、請求項34に記載のAWG。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、屋外大気水発生器および除湿器に関する。特に、本発明は、車両内の屋外大気水発生器および除湿器に関する。
【背景技術】
【0002】
空気からの水の抽出は、よく知られており、典型的には、冷凍サイクルの蒸発器を介して湿気を含む空気を促すことを伴い、空気の温度をその露点より低下させ、それによって、湿気を凝縮させ、それによって、水が搬送空気から放出される。この方法によって生成された水は、封入、処理、および分配される必要がある。車両の空調システムから抽出される水などの、車両内のオンデマンド水を抽出および提供するための方法およびシステムも知られている。いくつかの刊行物は、抽出された水を処理するために車両によって生成された熱を利用するやり方を説明している。例えば、韓国特許出願公開第2008/0020175号、米国特許第5,435,151号を参照されたい。米国特許第8,252,174号などの他の刊行物は、車両内の他の用途のための、生成された水の使用を教示している。
【0003】
しかしながら、先行技術の解決策は、依然として多くの欠点に悩まされており、このビジョンをより実用的、省エネルギー、および経済的にするために、改善の必要性が長く残されている。
【発明の概要】
【0004】
本発明の目的は、大気水発生器(AWG)が設置された車両などの装置に対する、AWGが生成する水および乾燥空気からの、およびAWGに対する、装置によって生成される残留熱または電力からの、相互利益のための手段を提供することである。
【0005】
したがって、本発明は、(i)装置によって生成される残留熱を、AWGによって生成された水の製造、処理、もしくは分配に提供し得る熱放出要素、(ii)AWGによって生成された水の製造、処理、もしくは分配に電力を提供し得る電源、または(iii)AWGによって生成される水もしくは除湿された空気から恩恵を受け得る要素のいずれかを有し得る、装置に設置された、またはそれに連結されたAWGシステムに関する。そのような装置は、車両(例えば、自動車、トラック、レクリエーショナルビークル、列車、船、ボート、飛行機)、産業機械、農業機械、ソーラーパネルユニット、木材乾燥プラントの木材ヒータなどであり得る。
【0006】
単純化のために、説明は、車両に設置されたAWGに焦点を合わせているが、当業者は、他の対応する実施形態にも本発明を採用することができるであろう。
【0007】
第1の態様では、本発明は、AWGによって発生した水を加熱するための少なくとも1つの発熱要素を備える装置から放出された残留熱を利用するシステムを有するAWGを対象とする。AWGは、装置に設置されるか、またはそれに連結される。AWGは、空気からの湿気を凝縮水に凝縮するように適合された冷凍サイクルと、凝縮水を循環させ、車両の発熱要素からの熱を循環凝縮水に伝達するように適合された低温殺菌循環システムであって、それにより、循環凝縮水は、循環凝縮水が低温殺菌される温度および持続時間まで加熱され、低温殺菌された凝縮水を後冷却するように適合される、低温殺菌循環システムと、を備える。
【0008】
いくつかの実施形態では、装置は、車両である。
【0009】
第2の態様では、本発明は、上記のAWGシステムを備える装置を提供する。いくつかの実施形態では、AWGシステムを備える装置は、車両である。
【0010】
別の態様では、本発明は、空気からの湿気を凝縮水に凝縮するように適合された冷凍サイクルと、制御ユニットと、冷凍サイクルによって生成および移送された凝縮水を受容するように適合された、収集タンクまたはボトルなどの取り外し可能な容器と、取り外し可能な容器の有無を感知するように適合された存在センサと、を備える、AWGを対象とする。制御ユニットが、存在センサと通信しており、取り外し可能な容器が存在しないという信号を存在センサから受信すると、取り外し可能な容器への凝縮水の移送を停止し、取り外し可能な容器が存在するという信号を存在センサから受信すると、取り外し可能な容器への凝縮水の移送をアクティブ化するように設計されている。
【0011】
別の態様では、本発明は、上記の取り外し可能な容器を備えるAWGが設置された装置を対象とする。
【0012】
本発明の別の態様は、補助装置に設置されるか、またはそれに連結され、AWGから放出される乾燥した空気、および/またはAWGによって発生した水を補助装置のシステムおよびモジュールに提供するように適合されたAWGシステムを対象とする。AWGは、比較的高温で湿った流入空気を比較的乾燥した低温の流出空気に除湿するように適合された冷凍サイクルであって、温められたものを比較的低温の流出空気から比較的高温の流入空気に伝達することによって、流入する湿った空気を予冷し、流出する乾燥した空気を後加熱するように適合された少なくとも1つの空気対空気熱交換器に連結されている、冷凍サイクルを含み、後加熱された乾燥した空気が、a)モータ吸引部に乾燥した空気を提供すること、b)フロントガラスを乾燥させること、c)センサ上の凝縮水を乾燥させること、およびd)空間(例えば、車両内の乗員区画)から湿気を排出すること、のうちの少なくとも1つに適合されたモジュールに運ばれる。
【0013】
いくつかの実施形態では、AWGから乾燥した空気を提供される装置は、モータ、フロントガラス、サイドミラー、および時折の洗浄または乾燥を必要とするセンサのうちの少なくとも1つを備える車両である。
【0014】
いくつかの実施形態では、装置は、燃料電池およびセンサ洗浄器のうちの少なくとも1つを備え、AWGは、空気から凝縮水に湿気を凝縮するように適合された冷凍サイクルと、燃料電池およびセンサ洗浄器のうちの少なくとも1つに凝縮水を提供するように適合された分配ラインと、を備える。
【0015】
別の態様は、冷凍サイクルを出る空気に対して比較的高温である乾燥した空気を装置に提供するように適合されたAWGが設置された装置を対象とする。いくつかの実施形態では、AWGは、比較的高温で湿った流入空気を比較的乾燥した低温の流出空気に除湿するように適合された冷凍サイクルであって、流入する湿った空気を予冷し、流出する乾燥した空気を後加熱するように適合された少なくとも1つの空気対空気熱交換器に連結されている、冷凍サイクルを備え、後加熱された乾燥した空気が、a)モータ吸引部に乾燥した空気を提供すること、b)フロントガラスを乾燥させること、c)センサ上の凝縮水を乾燥させること、およびd)空間(例えば、車両内の乗員区画)から湿気を排出すること、のうちの少なくとも1つに適合されたモジュールに運ばれる。
【0016】
別の態様は、燃料電池およびセンサ洗浄器のうちの少なくとも1つを備え、空気から凝縮水に湿気を凝縮するように適合された冷凍サイクルと、燃料電池およびセンサ洗浄器のうちの少なくとも1つに凝縮水を提供するように適合された分配ラインと、を備えるAWGが設置された装置を対象とする。いくつかの実施形態では、装置は、車両である。
【0017】
本発明のさらに別の態様は、少なくとも1つの電源を含む装置に設置されたAWGを対象とし、AWGは、相変化材料(PCM)を収容するように適合されたPCMタンクと、装置の電源によって給電される冷凍サイクルと、を備える。冷凍サイクルは、PCMタンク内に収容され、かつPCMタンク内に収容されたPCMから熱を吸収するように適合された蒸発器と、第1の熱交換器と、第2の熱交換器と、ポンプと、送風器と、凝縮水貯蔵タンクと、を含む。冷凍サイクルが稼働しているとき、蒸発器は、PCMタンク内のPCMを冷却し、少なくとも部分的に固化するように適合されている。ポンプは、冷却された流体を第1の熱交換器内から第2の熱交換器へ、および加熱された流体を第2の熱交換器から第1の熱交換器へ閉ループで循環させるように適合されている。第1の熱交換器は、循環流体からPCMタンク内のPCMに熱を伝達することによって循環ループを冷却するように適合され、送風器は、AWGの外側から、第2の熱交換器を通じて、気流を送風するように適合され、第2の熱交換器は、気流から流体に熱を伝達し、空気をその露点未満に冷却して、凝縮水を生じさせるように適合されている。
【0018】
別の態様では、本発明は、装置に設置されるか、またはそれに連結されるAWGを対象とし、AWGは、装置の電源から電力を受信する冷凍サイクルを備える。冷凍サイクルは、空気流を冷却し、そこからの湿気を凝縮水に凝縮するように適合されている。AWGは、発生した凝縮水を貯蔵するように適合された貯蔵タンクと、循環ラインであって、車両の熱源によって循環された水を加熱するように適合された第1の熱交換器、ならびに貯蔵タンクから第1の熱交換器を通じて、および第1の熱交換器から貯蔵タンクに水を循環させるように適合された循環ポンプを含む貯蔵タンクに接続された循環ラインと、分配ラインであって、ポンプ、第2の熱交換器、およびスパウトを含み、一端において凝縮水貯蔵タンクおよび第2の端に位置するスパウトに接続され、第2の熱交換器が、凝縮水貯蔵タンクとスパウトとの間に位置する、分配ラインと、PCMを収容するように適合されたPCM区画と、をさらに備える。分配ラインの第2の蒸発器の少なくとも一部分および第2の熱交換器の少なくとも一部分は、第2の蒸発器および第2の熱交換器を含む。
【0019】
第2の蒸発器は、冷凍サイクルに接続され、第2の蒸発器がPCM区画内でPCMと接触することを可能にする場所で膨張弁の下流に位置し、PCMを冷却および固化するように適合されており、分配ライン内の分配ポンプが、水を、貯蔵タンクから、第2の熱交換器へ、次いで、スパウトへ促すように適合され、第2の熱交換器は、第2の熱交換器がPCM区画内のPCMと接触することを可能にする場所に位置し、水からPCMへの熱伝達を可能にすることによって水を冷却するように適合されている。
【0020】
別の態様では、本発明は、少なくとも1つの電源を含み、上記のPCMタンクを含むAWGのいずれか1つが設置されるか、またはそれらに連結される、装置を対象とする。いくつかの実施形態では、装置は、車両である。
【図面の簡単な説明】
【0021】
本発明とみなされる主題は、明細書の結論部分で特に指摘され、明確に主張されている。しかしながら、本発明は、その目的、特徴、および利点と共に、編成および動作方法の両方に関して、添付の図面と共に読まれるとき、以下の詳細な説明を参照することによって最良に理解され得る。
【0022】
図1】本発明の実施形態による発熱装置に設置されたAWGのブロック図である。
図2】本発明の実施形態による発熱装置に設置されたAWGのブロック図である。
図3】本発明の実施形態による、取り外し可能な容器の存在を感知するための存在センサに連結されたAWGのブロック図である。
図4】本発明の実施形態による、取り外し可能な容器の存在を感知するための存在センサに連結されたAWGを動作させるための方法を図示するフローチャートである。
図5】本発明の実施形態による、乾燥を必要とする要素を備える装置に設置された予冷/後加熱空気対空気熱交換器を有するAWGのブロック図である。
図6】本発明の一実施形態による動作中にAWGに電力を提供する装置に設置されたAWGのブロック図である。
図7】本発明の一実施形態による、装置に設置され、水冷PCM区画および水加熱循環ラインを備える、AWGのブロック図である。
図8】本発明の一実施形態による、PCM区画と、発熱装置に設置されるか、またはそれに連結される水加熱循環ラインと、を備える、AWGを動作させる方法を図示するフローチャートである。
【0023】
例示の単純化および明確化のために、図に示されている要素は、必ずしも縮尺どおりではないことが理解されるであろう。例えば、要素のいくつかの寸法は、明確化のために他の要素に比べて誇張されている場合がある。さらに、適切であると考えられる場合、対応するまたは類似の要素を示すために、参照番号が図の間で繰り返され得る。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下の詳細な説明では、本発明の完全な理解を提供するために、多くの特定の詳細が記載されている。しかしながら、本発明はこれらの特定の詳細なしで実施され得ることが当業者によって理解されるであろう。他の事例では、本発明を曖昧にしないように、周知の方法、手順、および構成要素は、詳細に説明されていない。
【0025】
本発明の一実施形態、すなわち、AWG102が設置されている装置100の熱放出構成要素106からの残留熱を利用するシステム104を有するAWG102を備える装置100を図示する図1を参照する。図1に図示される例では、システム104は、発生した水112の低温殺菌のために車両100の排気マニホルド106によって発生した熱を利用する低温殺菌システム104であり得る。
【0026】
図1およびこれ以降の図は、各図の発熱装置(例えば、車両)の関連する構成要素のみを示し、装置は、それが機能することを可能にするために多くの他の構成要素を備えるが、明確化および単純化のために、本発明に関連する構成要素のみが示されていることに留意されたい。
【0027】
「残留熱」という用語は、本明細書では、装置によって作動するように変換されない、装置の構成要素によって放出される熱を指す。
【0028】
AWG102は、水を発生する冷凍サイクル108(以下、「冷凍サイクル」)と、冷凍サイクル108を通る気流を促すための送風器110と、をさらに備える。冷凍サイクル108は、空気からの湿気を凝縮水112に凝縮するように適合されている。いくつかの実施形態では、冷凍サイクル108は、車両100の空調システムの冷凍サイクルであり得る。冷凍サイクル108は、圧縮器2、凝縮器4、蒸発器膨張手段6、蒸発器8、および一組の冷媒管10、12、および14を備える。AWG102が凝縮水を発生させるように動作するとき、冷媒ガスは、圧縮器2内で圧縮される。圧縮された冷媒ガスは、それが液体に凝縮する凝縮器4まで、冷媒ライン10内を移動する。凝縮された液体は、凝縮器4から出て冷媒ライン12を通って移動し、膨張手段6(例えば、毛細管、膨張弁)に到達し、凝縮された液体は、液体-ガス低温混合物に転換し、次いで、蒸発器8に入り、液体-ガス低温混合物が蒸発し、凝縮水112への気流16内の湿気の凝縮のために、蒸発器8を流入気流16の露点未満に冷却する。蒸発器8を出た後、この時点で気相にある冷媒は、吸引ライン14を通って圧縮器2に戻されて、冷凍サイクルを完了する。
【0029】
送風器110は、AWG102に入るように入口気流16を促すことができるように、AWG102内に位置する。気流16は、粒子を除去し、任意選択的に化学汚染物質を吸収するために、エアフィルタ(図示せず)を通過し得る。次いで、気流16は、蒸発器8を通って流れ、気流16の温度が、その露点未満に低下し、水滴112に凝縮する幾らかの水分をシェルオフする。比較的冷却され乾燥した気流は、凝縮器4を通ってさらに流れ、凝縮器4内で、加熱され、次いで、出口気流18としてAWG102から流出する。図示される実施形態では、送風器110は、凝縮器の下流に位置する。いくつかの実施形態では、送風器110は、AWG102への空気入口とAWG102からの空気出口との間の流れラインに沿った任意の好適な位置に位置し得る。
【0030】
発生する水滴(凝縮水)112は、重力によって凝縮水貯蔵タンク20(本明細書では「貯蔵タンク」とも呼ばれる)内に収集される。いくつかの実施形態では、水は、まず、水溜めの中に収集される。いくつかの実施形態では、水溜めは、貯蔵タンク20に水力学的に接続されている。
【0031】
水低温殺菌システム104は、水ポンプ24、熱交換器26、および減圧デバイス28を含む、低温殺菌循環ライン22を備える。循環ライン22は、一端において貯蔵タンク出口に接続されている。いくつかの実施形態では、循環ライン22は、別の端において貯蔵タンク入口に接続されている。水ポンプ24は、貯蔵タンク20から水を引き出し、循環ライン22を通して水を循環させるように適合されている。循環ライン22は、排気マニホルド106またはエンジン107などの、車両の発熱要素からの熱伝達を可能にするように設計されている熱交換器26を通過する。ブレーキ(図示せず)システムまたはエンジン107のラジエータ(図示せず)などの他の発熱要素からの残留熱もまた、熱交換器26をこれらの他の発熱要素の1つ以上に連結することによって使用され得る。熱交換器26は、高温水が低温殺菌システムを出るように向けられる前に、高温水の後冷却を可能にするように設計されている。図1に図示されるものなどのいくつかの実施形態では、循環ラインは、水が引き出されて閉サイクルを完了する貯蔵タンク20で終端する。いくつかの実施形態では、循環ライン22は、低温殺菌された水のみを含む別個の容器で終端する。いくつかの実施形態では、別個の容器は、別個の容器に貯蔵されている低温殺菌された水が定期的に再び低温殺菌されるように、熱交換器の上流の循環ラインに接続する出口を有する。
【0032】
水低温殺菌システムが動作したとき、貯蔵タンク20から引き出された水は、熱交換器26に向けられる。熱交換器26は、水温を細菌、真菌、ウイルスなどの病原体を不活化するために十分高く、かつ十分に長く保ち、次いで、低温殺菌ラインを出る(そして貯蔵タンクに戻るか、ユーザに分配される)水の温度が消費可能な温度、好ましくは、周囲温度に可能な限り近づくように、水温を可能な限り低下させるように設計されている。この目的のために、熱交換器26は、第1の部分30および第2の部分32を備え得る。第1の部分30は、予熱/後冷却部分であり、第2の部分32は、低温殺菌部分である。貯蔵タンク20から第1の部分30の第1の側に到達する水は、熱交換器26の第2の部分32を出て、第1の部分30の第2の側の中を流れる高温水によって予熱される。第2の部分(低温殺菌部分)32を出る高温水は、第1の部分30の第1の側を流れる水によって後冷却される。したがって、第1の部分30の第1および第2の側は、本明細書では、それぞれ、第1の部分の予熱側および後冷却側と互換的に呼ばれる。
【0033】
第1の部分30の予熱側を出る予熱された水は、熱交換器26の第2の低温殺菌部分32に到達する。低温殺菌部分32は、車両100の発熱要素と接触しており、図示される実施形態では、低温殺菌部分32に残留熱を提供する発熱要素106は、排気マニホルド106である。
【0034】
熱交換器26の第1の部分30は、バリア(図示せず)によって分離された2つの側を有し、各側は、低温殺菌水ラインが通過する入口および出口を有する。バリアは、例えば、各側の中の水が反対側の中の水と混合することを防止するが、熱が、一方の側の中の水から他方の側の中の水に伝達することを可能にするように作製される。いくつかの実施形態では、側の各々は、最適な熱伝達のために2つの側の間の境界面を最大化するために複数の入口を有する複数の区画の集合とすることができる。いくつかの実施形態では、第1の部分は、プレート熱交換器などの直交流熱交換器である。いくつかの実施形態では、熱交換器は、プレートまたは管状熱交換器などの対向流熱交換器である。
【0035】
熱交換器26の第2の部分32は、入口および出口を有し、車両100の発熱要素と接触している。いくつかの実施形態では、第2の部分32は、車両100の熱放出要素106の外壁に密接に取り付けられている壁を有する。いくつかの実施形態では、第2の部分32は、熱放出要素106の壁の中に埋め込まれている。第2の部分の長さは、第1の部分30の第2の側の中で水が後冷却される前に水の低温殺菌を達成するために、第2の部分内を流れる水が、所望の温度に到達し、その温度に留まるための十分な時間(保持時間)を可能にするように設計され得る。いくつかの実施形態では、水は、高温短時間(HTST)低温殺菌基準、例えば、少なくとも72℃で少なくとも15秒間を満たす。Pennsylvania Code Title 7 § 59.216におけるHTST低温殺菌に関する他の任意選択の温度および対応する保持時間を参照されたい。いくつかの実施形態では、より高温、より短時間(HHST)の低温殺菌基準、例えば、89℃で1秒間が満たされる。いくつかの実施形態では、第2の部分は、HTST低温殺菌の保持管標準に準拠する管である(例えば、管は、保持期間中の任意の時点で、流れの任意の断面における最も高温の水と最も低温の水との間の同時温度差が0.5℃以下になるように設計される)。いくつかの実施形態では、第2の部分32と熱放出要素106との間の常に完全な接触を確保するために、第2の部分は、車両100の熱放出要素106に固定される。
【0036】
いくつかの実施形態では、低温殺菌システム104は、最高温度の水がその温度の水の飽和蒸気圧よりも高い圧力下に保たれて、水を液相に保つように、圧力スイッチ28をさらに備える。
【0037】
熱交換器の第2の(低温殺菌)部分を出る低温殺菌された水は、熱交換器26の第1の(予熱/後冷却)部分30の後冷却側に向けられる。予熱/後冷却部分30の中の低温殺菌された水の後冷却は、後冷却側の出口点の水の温度を、熱交換器30の第1の部分の予熱側に入る流入水の温度と低温殺菌温度との間の微温の温度まで低下させる。通常、熱交換器の第1の部分の予熱側に入る前の低温殺菌ライン22内を循環する水の温度は、貯蔵タンク20内の水の温度と同様である。この実施形態における貯蔵タンク20内の水の温度は、露点温度と周囲温度との間である。したがって、熱交換器26の第1の部分30の後冷却側の中を流れる水は、貯蔵タンクから到着して予熱側の中を流れる水と熱交換するため、次いで、後冷却側から出る水の温度は、低温殺菌温度と、露点と周囲との間の温度との間である。いくつかの実施形態では、第1の部分の後冷却側を出る水の温度は、上記の温度のおよそ平均である。この文脈での「およそ」という用語は、最大5℃の偏差を意味する。いくつかの実施形態では、第1の部分の後冷却側を出る水の温度は、貯蔵タンクを出る水の温度により近く、これは、熱交換器の第1の部分を適切に設計することによって得られ得る。例えば、熱交換器の予熱部分は、予熱および後冷却チャンバの容積の間で高い比率を有し得る(例えば、大径の予熱管、およびより小径の管を有する後加熱を有する)、および/または後冷却経路を予熱経路よりも長くなるように設計することによって高い比率を有し得る。
【0038】
いくつかの実施形態では、熱交換器26は、管状熱交換器であり、第1および第2の部分は、同じ熱交換器の一体部である。いくつかの実施形態では、熱交換器26の第1および第2の部分は、物理的に離れていてもよい。
【0039】
熱交換器26の第2の部分32の後冷却側の下流に位置する減圧デバイス28は、貯蔵タンク20内の圧力に一致するように流体圧力を減圧する。減圧デバイス28は、制限器、圧力解放弁、または同様に機能する任意の他のデバイスのいずれかとすることができる。いくつかの実施形態では、特に低温殺菌が水の沸騰温度未満で行われるとき、減圧デバイスは、必要ではない。
【0040】
したがって、低温殺菌サイクルを完了する水(処理された水)は、貯蔵タンク内の水の温度に近い温度を有する低温殺菌された後冷却された水である。処理された水は、活性病原体(例えば、細菌、真菌、およびウイルス)の低減されたレベルを有することによって特徴付けられる。いくつかの実施形態では、処理された水は、本質的に活性病原体を含まない(例えば、標準的な閾値を下回る無視できる量の活性病原体を有する)。いくつかの実施形態では、処理は、病原体のレベルを3桁低減し、いくつかの実施形態では、5桁低減する。
【0041】
いくつかの実施形態では、貯蔵タンク内の水は、低温殺菌サイクルで連続的に循環され、いくつかの実施形態では、定期的に、例えば、30分毎に5分間、または1日1回1時間、循環される。この目的のために、プログラムされたモジュールがインストールされた制御ユニットは、対応する論理に従って、ポンプ24をオンおよびオフにすることによって、それに応じて、低温殺菌サイクルをアクティブ化または非アクティブ化し得る。「制御ユニット」という用語は、デバイスの動作を制御および監視する構成要素を指す。それは、プロセッサ、マイクロプロセッサ、またはマイクロコンピュータなどの統合デバイスを含み得、汎用デバイスを含んでもよく、またはASIC、PAL、PLA、PLD、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、ゲートアレイ、または他のカスタマイズされた、もしくはプログラム可能なデバイスなどの、専用処理デバイスを含んでもよい。プログラム可能なデバイスの場合、および他の実装では、メモリが必要とされる。制御ユニットは、一般に、静的RAM(ランダムアクセスメモリ)、動的RAM、フラッシュメモリ、ROM(読み出し専用メモリ)、または任意の他のデータ記憶媒体を含み得るメモリを含む。メモリは、データ、プログラム、および/または命令、ならびにプロセッサによって実行可能な任意の他のソフトウェアまたはファームウェアを含み得る。制御論理は、ハードウェア、またはメモリに記憶されているファームウェアなどのソフトウェアに実装され得る。
【0042】
ここで、本発明の一実施形態、すなわち、AWG102.1が設置されている装置200の熱放出構成要素106からの残留熱を利用するシステム104を有するAWG102.1を備える装置200を図示する図2を参照する。図1の対応する部分と同じ構成要素は、同じ参照番号で示され、その説明は、省略されることになるが、同一であると解釈されるべきである。
【0043】
AWG102.1は、(i)水発生冷凍サイクル108の蒸発器8を使用して低温殺菌された水112.1を冷却する機構、ならびに(ii)凝縮水を低温殺菌サイクルに分流させるための第1の状態、および凝縮水を分配ラインまたは他のユーティリティライン(複数可)に分流させるための第2の状態の少なくとも2つの状態を伴う弁34を有すること、の2つの任意選択の特徴を有することを除いてAWG102と同一である。
【0044】
この目的のために、低温殺菌ライン22は、蒸発器8に近接して終端し、(低温)蒸発器8に出て貯蔵タンク20内に再収集され、低温殺菌された水112.1が貯蔵タンク20に戻る前の低温殺菌された水112.1のさらなる冷却に影響を与える水を滴下するように設計される。
【0045】
2方向弁34が、水ポンプ24の下流、かつ熱交換器26の上流で低温殺菌ライン22上に配設され、追加の水ライン36に接続される。図示される実施形態では、2方向弁34は、低温殺菌ライン22内を熱交換器26に向かって流れ続けるように水を向ける第1の状態を有する。第2の状態では、2方向弁34は、分配出口スパウト38で終端する分配ライン36に水流を向ける。他の実施形態では、多方向弁(すなわち、3方向以上)が、上記の2つに対する追加の状態を有する低温殺菌ライン22上に配設され、水は、フロントガラス洗浄器リザーバ、燃料バッテリ、またはセンサの洗浄用などの、車両のシステムの1つに水を供給するラインに向けられる。
【0046】
いくつかの実施形態では、AWG102.1は、低温殺菌サイクル22の熱交換器26をバイパスし、水を低温殺菌ライン出口に向けて、循環水が低温殺菌されずに蒸発器8によって冷却されることを可能にするための状態を有する、2方向弁34の上流に配設された別の2方向弁を備え得る。
【0047】
2方向弁34は、手動で、および/または指定されたプログラムされたモジュールがインストールされた制御ユニット(図示せず)によって動作され得る。制御ユニットは、2方向(または多方向)弁34と通信し得、任意選択的に、ユーザが飲料水を要求するためのヒューマンマシンインターフェース上のボタン、および任意選択的に、水を供給する必要性を示す他のセンサと通信し得る。制御ユニットは、例えば、水で充填される準備ができているカップの存在を検出するセンサに応答して、2方向弁34をアクティブ化し得る。別の実施形態では、AWGが設置される装置が車両であるとき、制御ユニットは、フロントガラス洗浄器リザーバ内の水位が所定の閾値レベルを下回るという指示を受信したときに、2方向弁34(または多方向弁)をアクティブ化し得る。いくつかの実施形態では、制御ユニットは、2方向弁34(または多方向弁)をアクティブ化して、水をフロントガラス洗浄器ポンプに接続された供給ラインに向けることによって、フロントガラス洗浄器ポンプのアクティブ化に応答し得る。いくつかの実施形態では、貯蔵タンクから数個のラインに水を向けることは、適切な場所に位置する複数のポンプによって行われ、方向弁が必要とされない場合がある。いくつかの実施形態では、制御ユニットは、水タンクまたは飲料タンクなどの取り外し可能な容器の存在の存在センサ(例えば、近接センサ)からの指示に応答して、ボトル、またはカーボイなどの別のタイプの取り外し可能な容器を充填するための供給ラインに水を向けるように2方向弁34(または多方向弁)をアクティブ化し得る。
【0048】
ここで、これに関連して、本発明の別の態様の実施形態、すなわち、取り外し可能な容器40、存在センサ42、およびプログラムされたモジュールがインストールされた制御ユニット(図示せず)を備えるAWG102.2を図示する図3を参照する。AWG102.2は、取り外し可能な容器40が満杯になるまでそれを充填し、取り外し可能な容器が取り外されるときに充填を停止するように設計されている。図1の対応する構成要素と同じ構成要素は、同じ参照番号で示され、その説明は、省略されることになるが、別途記載されることを除いて同一であると解釈されるべきである。
【0049】
ボトルの形態の取り外し可能な容器40は、ボトルホルダに配置され、冷凍サイクル106の蒸発器8によって発生した凝縮水112によって充填されるように適合されている。ボトルホルダ(図示せず)の近くに位置し得る存在センサ42は、取り外し可能な容器40の存在を検出することができる。例えば、存在検出器は、ボトルホルダ上に位置し得る。いくつかの実施形態では、存在センサは、近接センサ、重量センサ、タッチスイッチ、および占有センサから選択され得る。
【0050】
存在センサ42は、プログラムされたモジュールがインストールされた制御ユニットと通信し、取り外し可能な容器40の有無に関する指示を制御ユニットに提供する。制御ユニットは、存在センサ42から受信された指示に応答して、取り外し可能な容器の充填機構をアクティブ化および非アクティブ化する。いくつかの実施形態では、充填機構のアクティブ化は、冷凍サイクル108による水の製造を停止することに対応する。いくつかの実施形態では、非アクティブ化は、水貯蔵器または異なる場所に存在する別の取り外し可能な容器に生成される水の分流に対応する。いくつかの実施形態では、取り外し可能な容器40が存在しないというセンサ42からの指示に応答して、制御ユニットは、2方向弁34の状態を切り替えて、水を低温殺菌サイクル22に分流させる。いくつかの実施形態では、取り外し可能な容器40は、分配ライン36(図2に示される)の一端に位置付けられ、分配ライン36の一端にある出口スパウト38(図2に示される)に接続される。取り外し可能な容器40の有無の指示に応答して、制御ユニットは、スパウト38をそれぞれ開閉させ得る。制御ユニットはまた、ボトルが水で充填されているという指示の際に、出口スパウト38を閉じ得る。
【0051】
いくつかの実施形態では、AWG102.2によって発生した水は、取り外し可能な容器40によって直接収集され、すなわち、貯蔵タンク20は、これらの実施形態では、取り外し可能な容器40と同等である。取り外し可能な容器が個人用飲料ボトルであり、貯蔵タンクが個人用飲料ボトルによって置換されている実施形態では、低温殺菌サイクル22は、単に任意選択である。いくつかの実施形態では、図1を参照すると、低温殺菌サイクル22は、蒸発器8から滴下する凝縮水を収集し、それを低温殺菌サイクル22に供給する漏斗に一端において接続され、取り外し可能な容器が接続されている出口スパウトで終端する分配ラインに他端において接続される。
【0052】
ここで、存在検出器42からの指示に応答する、制御ユニットによるAWG102.2の動作の論理を説明する図4を参照する。
【0053】
アルゴリズム410は、アルゴリズム410に従う水管理モジュールがインストールされた制御ユニット、取り外し可能な容器40、存在検出器42、および取り外し可能な容器が満杯であるか否かを示すためのセンサ(すなわち、取り外し可能な容器内の水位は、事前定義されたレベル未満である)を備えるAWGに関する。工程412で論理が開始するが、AWG102.2の冷凍サイクル108は、オフである。条件分岐工程414は、取り外し可能な容器40が取り外し可能な容器区画(例えば、ボトルホルダ)内に存在するか否かを結論付けるためのチェックアウトを説明する。取り外し可能な容器が存在するという指示が存在センサ42から受信された場合、決定は、はいであり、論理は、条件分岐工程416に進む。取り外し可能な容器が存在しないという指示が存在センサ42から受信された場合、決定は、いいえであり、冷凍サイクルが停止される(工程420)。
【0054】
条件分岐工程416は、取り外し可能な容器40が満杯であるか(すなわち、取り外し可能な容器内の水位が事前定義された閾値レベルにあるか)否かを結論付けるためのチェックアウトを説明する。指示は、取り外し可能な容器40内の水位を決定するために有効化された検出器によって提供される。ボトルが満杯ではない(すなわち、取り外し可能な容器40の水位が事前定義された閾値レベルに到達していない)という指示が検出器から受信された場合、答えは、いいえであり、冷凍サイクル108が動作して、水を発生させる(工程422)。取り外し可能な容器が満杯であるという指示が検出器から受信された場合、答えは、はいである。AWGによって発生した水が、貯蔵タンク20なしで直接取り外し可能な容器40を充填するために使用される実施形態では、次いで、冷凍サイクル108が停止される(工程420)。AWGが貯蔵タンク20を有する実施形態では、条件分岐工程416の肯定的な回答の後に、別の条件分岐工程418が続く。
【0055】
条件分岐工程418は、貯蔵タンク20が満杯であるか否かを結論付けるためのチェックアウトを説明する。水位が事前定義された閾値レベル以上であるという表示が、貯蔵タンク20内の水位を測定することができる検出器から受信された場合、答えは、はいであり、冷凍サイクル108が停止される(工程420)。貯蔵タンク内の水位が事前定義された閾値レベルを下回っているという指示が検出器から受信された場合、答えは、いいえであり、冷凍サイクル108が動作する(工程422)。取り外し可能な容器38が満杯ではないという指示が検出器から受信された場合、答えは、いいえであり、冷蔵サイクルが動作して水を生成する。
【0056】
別の態様によると、本発明は、アルゴリズム410の工程に従う方法を指す。
【0057】
AWG102.2は、本発明に説明される装置のうちのいずれか1つに設置され得るが、スタンドアロン装置、例えば、ユーザが家を出る前に受け取り得る、大気から発生した水で充填された個人用ボトルを入手する選択肢を提供する家庭用AWGであってもよい。
【0058】
別の態様では、本発明は、車両などの装置に設置され、乾燥した空気の供給から恩恵を受け得る装置の1つ以上のモデルの装置に高温で乾燥した空気を提供するように適合されたAWGを提供する。AWGによって装置に提供される高温で乾燥した空気は、蒸発器との遭遇後に冷凍サイクルを離れる低温空気と比較して高温である。高温の乾燥した空気は、車両の一般的なA/Cシステムから得られる低温の乾燥した空気よりも乾燥に効率的である。本発明によるAWGは、流入する比較的高温で湿った空気を、流出する比較的乾燥した低温空気に除湿するように適合され(流入空気は、流出空気と比較して高温で湿っており、その逆も同様であり、流出空気は、流入空気と比較して低温で乾燥している)、流入空気を予冷し、流入空気から流出空気に熱を伝達することによって流出空気を後加熱するように適合された少なくとも1つの空気対空気熱交換器に連結された、冷凍サイクルを備える。空気対空気熱交換器を出る後加熱された空気は、乾燥した空気を使用する用途に乾燥した空気を提供するように適合されたモジュールに運ばれる。車両では、モジュールは、例えば、a)モータ吸引部に乾燥した空気を提供すること、b)フロントガラスを乾燥させること、c)センサ上の凝縮水を乾燥させること、および/またはd)乗員区画の湿気を排出すること、を行い得る。
【0059】
ここで、本発明のこの態様の例示的な実施形態を提供する図5を参照する。図1~3の対応する部分と同じ構成要素は、同じ参照番号で示され、その説明は、省略されることになるが、同一であると解釈されるべきである。AWG102.3は、2つの送風器、すなわち、110.1および110.2を備える。第1の送風器110.1は、凝縮器4を冷却し、出口空気流17.1として出るために、凝縮器4を通る入口気流16.1を促す。送風器110.1は、ファンによって、およびいくつかの実施形態では、車両300のファンのうちの1つによって置換され得る。
【0060】
第2の送風器110.2はまた、車両のファンのうちの1つとすることもできる。送風器110.2は、空気対空気熱交換器50の第1の側の第1の入口52を通る比較的高温で湿っている(気流17.2に対して)入口気流16.2を促し、高温で湿った入口空気流16.2は、比較的低温で除湿されている(気流16.2に対して)第2の気流17.2に熱を伝達することによって予冷され、冷凍サイクルの蒸発器8を出て、空気対空気熱交換器50の第2の側の中を流れる。比較的高温で湿った気流16.2は、空気対空気の第1の空気出口54を出て、蒸発器8に到達し、蒸発器8は、冷凍サイクルの冷媒の支援により、気流16.2の露点よりも低温になるように設計され、気流16.2の湿気の少なくとも一部が水に凝縮される際に除湿される。蒸発器を出る気流17.2は、蒸発器に入る空気よりも乾燥しており、低温である。比較的低温の気流17.2による熱伝達に起因して、気流16.2は、より低い温度で、その露点に近い蒸発器8に到達し、これは、エネルギーを節約し、除湿プロセスの収率を増加させる。このプロセス112で凝縮される水は、処分され得る。いくつかの実施形態では、凝縮水112は、貯蔵タンク20内に収集され、その後、様々な可能な用途のために処理される。比較的低温で除湿された気流17.2は、この目的のために設計されたダクト(図示せず)に続いて第2の空気入口56を通って空気対空気熱交換器50の第2の側に再び入り、第2の側を通って流れる間、熱交換器50の第1の側を流れる、流入する比較的高温で湿った入口気流16.2から熱を吸収する。気流17.2は、比較的乾燥した高温の気流17.3(気流16.2に対してより乾燥し、空気流17.2に対してより高温)として、出口58を通って空気対空気熱交換器50を出る。いくつかの実施形態では、気流17.2および16.2は、直交流、対向流、または半直交半対向流で互いに対して流れる。比較的高温で乾燥した気流17.3は、例えば、車両のフロントガラス62を乾燥させるために、または乾燥した空気をエンジンの入口マニホルドに供給するために、様々な可能な用途のうちの少なくとも1つで使用されるように、分流モジュール60によって向けられる。分流モジュール60は、乾燥した空気を特定の用途に効果的に適用するために、ダクトおよびノズルなどの当該技術分野で利用可能な様々な部品および構成要素から構成され得る。
【0061】
いくつかの実施形態では、AWG102.3の凝縮器4は、後加熱された気流17.3の下流、かつチャネリングモジュール60の上流に位置して、空気対空気熱交換器50を出る気流をさらに加熱し、一方ではAWG102.3の完全されたエネルギー効率、他方では乾燥した空気を使用する用途のためのより高温の乾燥した気流を提供するための、凝縮器からの熱の除去を支援する。
【0062】
いくつかの実施形態では、AWGは、2つの空気対空気熱交換器を備え、それらの各々は、上記のものである。2つの熱交換器は、2つの別個の気流が互いに熱交換することを可能にするように適合された少なくとも1つのファンまたは送風器に連結されている。ファンまたは送風器は、第1の比較的高温で湿った第1の空気流を促して、第1の空気対空気熱交換器の第1の側を通って流し、第1の空気対空気熱交換器の第2の側を流れる比較的低温の第2の空気流との熱交換を可能にし、次いで、第1の空気流を冷却してそこから湿気を凝縮するように適合された蒸発器を通し、次いで、第2の空気対空気熱交換器の第1の側の中の比較的高温で湿った第2の空気流との比較的低温で乾燥した第1の空気流の間の熱交換を可能にするように適合された第2の空気対空気熱交換器の第2の側を通って流すなどのためにAWG内に設置される。
【0063】
同じファンまたは送風器は、第2の比較的高温で湿った空気流を促して、第2の空気対空気熱交換器の第2の側を流れる比較的低温で乾燥した第1の空気流との熱交換を可能にするように手起動された第2の空気対空気熱交換器の第1の側を通って流し、次いで、第2の空気流を冷却してそこから湿気を凝縮するように適合された蒸発器を通し、次いで、第1の空気対空気熱交換器の第1の側の中の比較的高温で湿った第1の空気流との比較的低温で乾燥した第2の空気流の間の熱交換を可能にするように適合された第1の空気対空気熱交換器の第2の側を通って流す。
【0064】
別の態様では、本発明は、(i)時々洗浄される必要のあるセンサ、およびセンサを洗浄するための洗浄器モジュール、ならびに(ii)燃料電池のうちの少なくとも1つと、AWGシステムと、を有する装置を提供し、AWGシステムは、燃料電池および/または洗浄器モジュールに水を供給する。この目的のために、分配ラインは、一端において、本発明に説明されるAWGシステムまたは当該技術分野で既知のAWGの貯蔵タンクに接続され、他端において、燃料電池および/または洗浄器モジュールに接続される。分配ラインは、貯蔵タンクから燃料電池および/または洗浄器モジュールに水を促すための水ポンプを備え得る。いくつかの実施形態では、制御モジュールがインストールされたAWGの制御ユニットは、燃料電池内の水の不足を検出することができるセンサ、および/またはセンサを洗浄する必要性を検出することができるセンサと通信している。制御ユニットは、それぞれのセンサから、それぞれ、水の不足または洗浄の必要性を示す信号を受信することに応答して、それぞれ、燃料電池および/または洗浄モジュールに水を供給するために分配ラインをアクティブ化するように設計されている。
【0065】
別の態様では、本発明は、AWGが設置されているか、または装置が動作している間にAWGに連結される補助装置から電力を受信するAWG内に冷却エネルギーを蓄積するための機構を提供する。蓄積される冷却エネルギーは、主装置がオフにされている間、AWGによる凝縮水および/または除湿された空気の発生を可能にするために使用され得る。この目的のために、AWGは、両方ともPCMと接触している蒸発器および熱交換器をさらに備える区画に貯蔵される相変化材料(PCM)を含む。
【0066】
「相変化材料(PCM)」という用語は、それぞれ、溶解および凝固のプロセス中に熱エネルギーを吸収および放出する物質を指す。PCMが凝固するとき、比較的一定の温度で、潜熱の形態で大量のエネルギーを放出する。逆に、そのような材料が溶解するとき、それは、比較的一定の温度で、環境から大量の熱を吸収する。水は、相変化材料の一例である。水がその凝固点まで冷却されたとき、水は、環境に熱を放出しながら、固化して氷に転換する。環境が、氷の温度よりも高い温度を有する場合、氷は、融点に到達して溶解するまで、環境から熱を吸収する。
【0067】
PCMタンク内の蒸発器(「PCM蒸発器」)は、装置(例えば、車両)から電力を受信するか、またはそれに接続された冷凍サイクルの一部である。装置から電力を受信する冷凍サイクルが稼働している限り、PCM蒸発器は、PCMの温度を低下させ、PCM区画内のPCMを固化する。PCM内に配設されている第1の熱交換器は、熱交換流体循環ラインに接続されている。熱交換流体が第1の熱交換器を通って流れるとき、熱は、熱交換流体から第1の熱交換器を通ってPCMに伝達されて、第2の熱交換器にさらに流れる低温熱交換流体を得て、第2の熱交換器では、熱が空気から熱交換流体に伝達され、凝縮水を発生させるために空気を冷却する。次いで、熱交換流体は、第1の熱交換器に戻って、閉サイクルを完了する。いくつかの実施形態では、熱交換流体は、水、不凍液、および油からなる群から選択される。いくつかの実施形態では、流体は、不凍液(例えば、エチレングリコール)を含む水とすることができる。
【0068】
ここで、本発明の実施形態による、車両(図示せず)などの電力提供装置に設置され、PCM冷却バッテリを備えるAWG102.4の一実施形態を図示する図6を参照する。図1~3および5の対応する部分と同じ構成要素は、同じ参照番号で示され、その説明は、省略されることになるが、同一であると解釈されるべきである。
【0069】
AWG102.4は、それが設置されている装置(例えば、車両)によって給電される冷凍サイクルを備える。冷凍サイクルの蒸発器8は、PCM72および第1の熱交換器74を収容するPCM区画70に収容されている。PCM72は、相を液体から固体に変化させる任意の材料であり、周囲温度と、冷凍サイクルが動作するときに蒸発器が到達し得るより低い温度との間の温度範囲内にあり得る。蒸発器8は、PCM72と接触しており、PCM72から熱を吸収することによって、PCMタンク70内のPCM72の少なくとも一部を固化させる。PCMタンク70内の第1の熱交換器74は、周囲のPCM72と接触し、かつ閉ループ78内で熱交換流体を循環させるためのポンプ80を備える閉ループ78内の第2の熱交換器76と流体連通することによって、循環流体からPCM72に熱を伝達するように適合されている。いくつかの実施形態では、流体は、不凍液(例えば、エチレングリコール)を含む水とすることができる。いくつかの実施形態では、流体は、冷媒であり、第1および第2の熱交換器は、冷媒および冷媒パイプと一緒に、ヒートパイプを形成する(この場合、ポンプ80は必須ではない)。
【0070】
循環熱交換流体は、入口73を通って第1の熱交換器74に入り、第1の熱交換器74を通って流れ、出口75を通って出る。第1の熱交換器74を通って流れるとき、熱交換器流体は、PCM72に熱を伝達することによって冷却される。次いで、冷却された流体は、第2の熱交換器76に流れる。送風器110.2は、AWG102.4の外側から第2の熱交換器76を通じて空気を送風し得るように位置付けられ、第2の熱交換器は、気流16.2から熱交換流体に熱を伝達し、その露点未満に空気を冷却して、凝縮水を生じさせるように適合されている。次いで、加熱された流体は、第1の熱交換器74に戻って、閉サイクルを終了する。任意選択の貯蔵タンク20は、発生して第2の熱交換器76から滴下する凝縮水を収集するために使用され得る。熱交換流体循環ループ78および送風器110.2は、装置電力がオフのときに流体循環ループ78に電力を提供する二次電源(図示せず)によって給電され得る。装置が稼働しているとき、流体循環ループ78および送風器110.2は、装置(例えば、車両)の主電源から電力を得ることができる。
【0071】
ここで、本発明による、熱放出要素400を備える装置に設置されたAWGのさらに別の実施形態を図示する図7を参照する。既出の図の対応する部分と同じ構成要素は、同じ参照番号で示され、その説明は、省略されることになるが、同一であると解釈されるべきである。
【0072】
AWGは、主冷凍サイクル106、PCM72、およびPCM熱交換器74と流体連通している第2の蒸発器8.1を備える分配ライン内の水を冷却するためのPCMタンクを有することを除いて、図2に図示されるシステムと同一である。PCM熱交換器74は、PCMタンク70内のPCM72と接触しており、分配ライン上に配設されている。いくつかの実施形態では、PCM熱交換器は、PCM72に浸漬されている。PCM熱交換器を通過する水は、PCM材料72に熱を伝達することによって冷却される。凝縮器4の下流に位置付けられた2方向弁82は、2つの状態を有する。第1の状態では、2方向弁82は、冷媒を水凝縮冷凍サイクルの膨張デバイス6に向ける。第2の状態では、2方向弁82は、冷媒をPCMタンク70内の蒸発器8.1の上流の膨張デバイス6.1に向ける。第2の蒸発器8.1を出る冷媒は、圧縮器2に戻る。
【0073】
2方向弁82は、プログラムされたモジュールがインストールされた制御ユニット(図示せず)によってアクティブ化され、プログラムされたモジュールは、PCMが十分に冷却され、かつ水貯蔵タンクが満杯であり、冷凍サイクルをオフにし得るときに従って、水発生冷凍サイクルをアクティブ化するとき、および水冷却PCMタンク冷凍サイクルをアクティブ化するときを決定するために、所定の論理および貯蔵タンク20内の水位およびPCMタンク70内のPCM72の温度に関する対応するセンサからの指示に応答する。貯蔵タンク内の水位が所定の値よりも低いとき、またはPCM温度が事前定義された閾値よりも高いとき、圧縮器がアクティブ化される。通常、制御システムは、冷媒をPCMサイクルまたは水発生冷凍サイクルに向けて分流するように2方向弁82を切り替えることによって、PCMタンクを冷却することを優先し、その後にのみ、水を凝縮する。
【0074】
いくつかの実施形態では、PCMは、氷であり、その少なくとも一部分は、凝縮水に由来する。
【0075】
図7のAWG102.5と図1および2のAWGとの間の別の違いは、水冷却PCMタンク70の存在が、低温殺菌サイクル22の熱交換器26内の予熱/後冷却部分31の必要性を提起することである。いくつかの実施形態では、貯蔵タンク20は、60℃を上回る温度に保たれている。制御ユニットが水分配を命令するとき、2方向弁24が水をライン36に向けて分流し、ポンプ24がアクティブ化され、貯蔵タンクからの高温水が熱交換器74を通って流れ、冷却され、蛇口38を通じて分配される。
【0076】
ここで、AWGに電力を提供する連結された装置が動作している間の、PCM区画を備える、図6および7に説明されるようなAWGの動作の論理を説明する図8を参照する(アルゴリズム810)。
【0077】
工程812では、論理が開始し、PCMが温度センサ(例えば、温度計、熱電対)によって測定可能な所与の温度にあり、AWGに電力を提供する装置が稼働している(オンになっている)。
【0078】
条件分岐工程814は、PCM冷却モードをオンにするか否かを決定するためのチェックアウトを説明する。温度センサによって測定され、制御ユニットに提供されるPCM温度が、所定の閾値温度Hを上回る場合、答えは、はいであり、制御ユニットは、PCM冷却モードを動作させる(すなわち、冷凍サイクルは、PCM蒸発器8または8.1を通って流れる(工程816)。温度センサによって測定され、制御ユニットに提供されるPCM温度が、所定の閾値温度H以下である場合、アルゴリズムは、次の条件分岐工程818に進む。いくつかの実施形態では、閾値温度Hは、PCMの凝固点である。
【0079】
PCM冷却モードがアクティブ化された後、アルゴリズム810は、PCM冷却モードが終了される必要があるか否かを決定するためのチェックアウトを説明する、次の条件分岐工程820に進む。温度センサによって測定され、制御ユニットに提供される際のPCM温度が、所定の閾値温度Lを下回る場合、答えは、はいであり、アルゴリズムは、条件分岐工程818に進む。それが所定の閾値温度Lを上回る場合、答えは、いいえであり、アルゴリズムは、PCM冷却モードが継続される工程816に従って進む。いくつかの実施形態では、閾値温度Lは、PCMの凝固点よりも5℃、10℃または15℃低い。
【0080】
条件分岐工程818は、貯蔵タンク20が満杯であるか否かを決定するためのチェックアウトを説明する。貯蔵タンク20が満杯であるか否かの指示は、貯蔵タンク内の水位、および水位が満杯の貯蔵タンクを示すと考えられる所定の水位に到達したか否かを測定することができる検出器から到達し得る。貯蔵タンクが満杯であることを検出器が示した場合、答えは、はいであり、圧縮器2は、エネルギーを節約するためにシャットダウンされ(工程822)、アルゴリズムは、条件分岐工程814に戻る。いくつかの実施形態では、システムは、超生成モードであり得、その場合、エネルギーを節約する代わりに、圧縮器が稼働し続け、PCM冷却モードは、PCM温度をさらに低下させ続ける。貯蔵タンク20が満杯ではないという指示が提供されている場合、答えは、いいえであり、AWGシステムは、冷媒がより多くの水を生成するために水発生蒸発器に分流される、水生成モードに切り替えられる(工程824)。次いで、アルゴリズムは、条件分岐工程814に戻る。
【0081】
別の態様によると、本発明は、アルゴリズム810の工程に従って、PCM区画を備えるAWGを動作させる方法を対象とする。
【0082】
別の態様では、本発明は、上記の本発明のAWGシステムのうちのいずれか1つを備え、かつ本発明のAWGが動作するために必要な構成要素(すなわち、熱放出構成要素、電源、乾燥を必要とする要素または給水を必要とする要素)を備える、車両などの装置に関する。
【0083】
以下は、本発明の実施形態である。
1.大気水発生器(AWG)および少なくとも1つの発熱要素を備える車両であって、
AWGが、
空気からの湿気を凝縮水に凝縮するように適合された冷凍サイクル
と、
凝縮水を循環させ、車両の発熱要素からの熱を循環凝縮水に伝達するように適合された低温殺菌循環システムであって、それにより、循環凝縮水は、循環凝縮水が低温殺菌される温度および持続時間まで加熱され、低温殺菌された凝縮水を後冷却するように適合される、低温殺菌循環システムと、を備える、車両。
【0084】
2.発熱要素が、燃焼機関、電気エンジン、ブレーキシステム、およびガス排気のうちの少なくとも1つである、実施形態1に記載の車両。
【0085】
3.冷凍サイクルが、蒸発器、凝縮器、圧縮器、膨張手段、送風器、凝縮水を収集および貯蔵するように適合された凝縮水貯蔵タンク、ならびに冷媒管を含み、
送風器が、蒸発器を通じてAWGの外側からの空気を促すように設計されており、蒸発器が、空気の露点よりも低温であり、凝縮水貯蔵タンクが、凝縮水を収集するように設計されている、実施形態1に記載の車両。
【0086】
4.低温殺菌循環システムが、循環ライン、循環ライン内の凝縮水を促すための水ポンプを備える、実施形態1に記載の車両。
【0087】
5.低温殺菌循環システムは、車両の発熱要素からの熱を循環凝縮水に伝達するように設計された少なくとも1つの熱交換器を備え、それにより、循環凝縮水は、循環凝縮水が低温殺菌される温度および持続時間まで加熱され、低温殺菌された凝縮水を後冷却するように適合される、実施形態1に記載の車両。
【0088】
6.熱交換器が、第1の部分および第2の部分を含み、第1の部分が、バリアによって分離された2つの側を含み、各側が、入口および出口を有し、第2の部分に入る前に第1の部分の予熱側を流れる低温水と、第2の部分を出て第1の部分の第2の側を流れる高温水との間の熱交換を可能にするように適合され、第2の部分が、入口および出口を備え、車両の発熱要素と接触している、実施形態5に記載の車両。
【0089】
7.低温殺菌循環ラインが、低温水を、貯蔵タンクの出口から熱交換器の第1の部分の予熱側の入口に循環させるように構成され、冷水が、熱交換器の第1の部分の第2の側の中で高温水と熱交換することによって昇温され、次いで、熱交換器の第1の部分の予熱側の出口を出て、昇温された水が、熱交換器の第2の部分に入り、昇温された水が、車両の発熱要素との熱交換によって加熱され、高温水が、次いで、熱交換器の第2の部分を出て、熱交換器の第1の部分の第2の側に入り、高温水が、熱交換器の第1の部分の第1の側の中で低温水と熱交換することによって冷却され、熱交換器の第1の部分を出て、凝縮水貯蔵タンクに戻る、実施形態6に記載の車両。
【0090】
8.熱交換器の第2の部分を出る水が、低温殺菌される、実施形態6に記載の車両。
【0091】
9.熱交換器内で1.5バール超の圧力を可能にする熱交換器の上流に位置するポンプと、熱交換器の下流に位置する圧力降下手段と、を備える、実施形態6に記載の車両。
【0092】
10.加熱要素内の水が、高温短時間(HTST)低温殺菌基準を満たす持続時間のための温度に到達する、実施形態9に記載の車両。
【0093】
11.循環ラインが、熱交換器の第2の部分の下流に位置する蒸発器の近くを通過し、低温殺菌循環ラインを出る前に、熱交換器の第2の部分を出る水を冷却するように設計されている、実施形態7に記載の車両。
【0094】
12.方向弁が、循環ポンプの下流に位置し、弁が、少なくとも2つの状態を含み、第1の状態では、双方向弁が、水をポンプの出口から循環ラインの残部に向け、第2の状態では、水をポンプの出口から分配手段に向ける、実施形態9に記載の車両。
【0095】
13.大気水発生器(AWG)を備える車両であって、
AWGが、
空気からの湿気を凝縮水に凝縮するように適合された冷凍サイクルと、制御ユニットと、冷凍サイクルによって生成および移送された凝縮水を受容するように適合された取り外し可能な容器と、取り外し可能な容器の有無を感知するように適合された存在センサと、を備え、
制御ユニットが、存在センサと通信しており、取り外し可能な容器が存在しないという信号を存在センサから受信すると、取り外し可能な容器への凝縮水の移送を停止し、取り外し可能な容器が存在するという信号を存在センサから受信すると、取り外し可能な容器への凝縮水の移送をアクティブ化するように設計されている、車両。
【0096】
14.取り外し可能な水容器が、収集タンクおよびボトルから選択される、実施形態13に記載の車両。
【0097】
15.出口スパウトを備える、凝縮水を収集するように設計された凝縮水貯蔵タンクをさらに備え、出口スパウトが、取り外し可能な容器に接続されており、制御ユニットによる凝縮水のアクティブ化および非アクティブ化が、スパウトを開閉することによる、実施形態13に記載の車両。
【0098】
16.存在センサが、近接センサ、重量センサ、タッチスイッチ、および占有センサから選択される、実施形態13に記載の車両。
【0099】
17.凝縮水貯蔵タンクが、取り外し可能なボトルである、実施形態13に記載の車両。
【0100】
18.比較的高温で乾燥した空気を提供するように適合された大気水発生器(AWG)と、モータ、フロントガラス、サイドミラー、およびセンサのうちの少なくとも1つと、を備える車両であって、
AWGが、
比較的高温で湿った流入空気を比較的乾燥した低温の流出空気に除湿するように適合された冷凍サイクルであって、相互に、流入する湿った空気を予冷し、流出する乾燥した空気を後加熱するように適合された少なくとも1つの空気対空気熱交換器に連結されている、冷凍サイクルを備え、
後加熱された乾燥した空気が、a)モータ吸引部に乾燥した空気を提供すること、b)フロントガラスを乾燥させること、c)センサ上の凝縮水を乾燥させること、およびd)乗員区画の湿気を排出すること、のうちの少なくとも1つに適合されたモジュールに運ばれる、車両。
【0101】
19.空気対空気熱交換器が、第1の側および第2の側を備え、2つの側が、バリアによって分離され、各側が、入口および出口を有し、
AWGが、空気を、
AWGの外側から空気対空気熱交換器の第1の側を通って、空気が空気対空気熱交換器の第2の側の中の空気に熱を伝達することを可能にし、
次いで、空気対空気熱交換器の第1の側の出口を通って、冷凍サイクルの蒸発器まで促すように適合され、蒸発器が、蒸発器と接触することになる空気の湿気の少なくとも一部を凝縮水に凝縮するために、空気の露点よりも低温になるように適合され、それにより、AWGを出る空気が、蒸発器に入る空気よりも乾燥して低温であり、
次いで、空気対空気熱交換器の第2の側を通って、空気が、空気対空気熱交換器の第1の側の中の空気から熱を受容することを可能にされる、実施形態18に記載の車両。
【0102】
20.2つの空気対空気熱交換器であって、
比較的高温で湿った第1の空気流が、第1の空気対空気熱交換器の第1の側を通って、第1の空気対空気熱交換器の第2の側の中で比較的低温の第2の空気流との熱交換を可能にし、
次いで、第1の空気流を冷却し、そこから湿気を凝縮するように適合された蒸発器を通って、
次いで、第2の空気対空気熱交換器の第2の側であって、第2の空気対空気熱交換器の第1の側の中で、比較的低温で乾燥した第1の空気流と比較的高温で湿った第2の空気流との間の熱交換を可能にするように適合された、第2の空気対空気熱交換器の第2の側を通ることを可能にするように適合され、
かつ
第2の比較的高温で湿った空気流が、比較的低温で乾燥した第1の空気流との熱交換を可能にするように適合された第2の空気対空気熱交換器の第1の側を通って、
次いで、第2の空気流を冷却し、そこから湿気を凝縮するように適合された蒸発器を通って、
次いで、第1の空気対空気熱交換器の第2の側であって、第1の空気対空気熱交換器の第1の側の中で、比較的低温で乾燥した第2の空気流と比較的高温で湿った第1の空気流との間の熱交換を可能にするように適合された、第1の空気対空気熱交換器の第2の側を通ることを可能にするように適合された、2つの空気対空気熱交換器を備える、実施形態18に記載の車両。
【0103】
21.凝縮水を収集するように設計された収集タンクをさらに備える、実施形態18に記載の車両。
【0104】
22.AWGの凝縮器が、後加熱された空気の下流、かつチャネリングモジュールの上流に位置する、実施形態18に記載の車両。
【0105】
23.大気水発生器(AWG)と、燃料電池およびセンサ洗浄器のうちの少なくとも1つと、を備える車両であって、
AWGが、
空気から凝縮水に湿気を凝縮するように適合された冷凍サイクルと、燃料電池およびセンサ洗浄器のうちの少なくとも1つに凝縮水を提供するように適合された分配ラインと、を備える、車両。
【0106】
24.大気水発生器(AWG)および少なくとも1つの電源を備える車両であって、
AWGが、
PCMを収容するように適合されたPCMタンクと、
車両電源によって給電される冷凍サイクルであって、冷凍サイクルが、PCMタンク内に収容され、かつPCMタンク内に収容された相変化材料(PCM)から熱を吸収するように適合された蒸発器を含む、冷凍サイクルと、
第1の熱交換器と、
第2の熱交換器と、
送風器と、
凝縮水貯蔵タンクと、を備え、
蒸発器が、PCMタンク内のPCMを固化するように適合されており、
ポンプが、第1の熱交換器内から第2の熱交換器へ、および第2の熱交換器から第1の熱交換器へ閉ループで流体を循環させるように適合されており、
第1の熱交換器が、循環流体からPCMタンク内のPCMに熱を伝達するように適合されており、
送風器が、AWGの外側から第2の熱交換器を通じて、気流を送風するように適合されており、
第2の熱交換器が、気流から流体に熱を伝達し、かつ空気をその露点未満に冷却して、凝縮水を生じさせるように適合されている、車両。
【0107】
25.PCMが、水である、実施形態24に記載の車両。
【0108】
26.PCMタンク内の水の少なくとも一部が、AWGによって生成される、実施形態25に記載の車両。
【0109】
27.AWGは、車両電力がオフであるときにAWGに電力を提供する、二次電源を備える、実施形態24に記載の車両。
【0110】
28.大気水発生器(AWG)を備える車両であって、
AWGが、
車両の電源から電力を受信する冷凍サイクルであって、空気流を冷却し、そこからの湿気を凝縮水に凝縮するように適合され、生成凝縮水を貯蔵するように適合された貯蔵タンクを含む、冷凍サイクルと、
貯蔵タンクに接続された循環ラインであって、車両の熱源によって循環ライン内で循環される水を加熱するように適合された第1の熱交換器、ならびに貯蔵タンクから第1の熱交換器を通って、および第1の熱交換器から貯蔵タンクに水を循環させるように適合された循環ポンプを含む、循環ラインと、
ポンプ、第2の熱交換器、およびスパウトを含む分配ラインであって、一端において凝縮水貯蔵タンクに接続され、スパウトが、第2の端に位置し、第2の熱交換器が、凝縮水貯蔵タンクとスパウトとの間に位置する、分配ラインと、
相変化材料(PCM)を収容するように適合されたPCM区画と、を備え、第2の蒸発器の少なくとも一部分、および分配ラインの第2の熱交換器の少なくとも一部分が、
第2の蒸発器と、
第2の熱交換器と、を備え、
第2の蒸発器が、冷凍サイクルに接続され、第2の蒸発器がPCM区画内でPCMと接触することを可能にする場所で膨張弁の下流に位置し、PCMを冷却および固化するように適合されており、
分配ライン内の分配ポンプが、水を、貯蔵タンクから、第2の熱交換器へ、次いで、スパウトへ促すように適合され、
第2の熱交換器は、第2の熱交換器がPCM区画内のPCMと接触することを可能にする場所に位置し、水からPCMへの熱伝達を可能にすることによって水を冷却するように適合されている、車両。
【0111】
29.貯蔵タンクが、出口ラインに接続され、出口ラインが、水ポンプ、およびポンプの下流に位置する方向弁を備え、方向弁の第1の状態では、水を分配ラインに向けるように適合され、第2の状態が、循環ラインに水を向けるように適合されている、実施形態28に記載の車両。
【0112】
30.冷凍サイクルが、冷媒を第1の蒸発器に向けて、水凝縮を可能にするように適合された第1の状態と、冷媒を第2の熱交換器に向けて、PCMが固化することを可能にするように適合された第2の状態と、を有する、凝縮器の下流に位置する方向弁を備える、実施形態28に記載の車両。
【0113】
31.貯蔵タンクが、60℃を上回る温度で保たれる、実施形態28に記載の車両。
【0114】
32.温度センサおよび制御ユニットを備え、温度センサが、貯蔵タンク内の温度を制御ユニットに示すように適合され、制御ユニットは、貯蔵タンク内の温度が所定の閾値を下回ったときに循環をアクティブ化するように適合され、貯蔵タンク内の温度が所定の閾値を上回ったときに循環を非アクティブ化するように適合されている、実施形態28に記載の車両。
【0115】
33.PCMが、氷であり、その少なくとも一部分が、凝縮水に由来する、実施形態28に記載の車両。
【0116】
34.装置に設置されるか、または装置に連結される、実施形態1~33のいずれか1つに定義されているAWG。
【0117】
35.装置が、車両である、実施形態34に記載のAWG。
図1
図2
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図5
図6
図7
図8
【国際調査報告】