(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-03-30
(54)【発明の名称】自動販売機の決済額を取得し、在庫量を監視するためのアダプタ装置
(51)【国際特許分類】
G07F 9/00 20060101AFI20220323BHJP
G07F 7/02 20060101ALI20220323BHJP
【FI】
G07F9/00 L
G07F7/02 Z
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021528870
(86)(22)【出願日】2018-11-21
(85)【翻訳文提出日】2021-07-16
(86)【国際出願番号】 US2018062293
(87)【国際公開番号】W WO2020106294
(87)【国際公開日】2020-05-28
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
(71)【出願人】
【識別番号】521218375
【氏名又は名称】ワン ステップ ショット,エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】110000659
【氏名又は名称】特許業務法人広江アソシエイツ特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ロメロ,カルロス
【テーマコード(参考)】
3E044
【Fターム(参考)】
3E044AA01
3E044BA10
3E044CC01
3E044DC01
3E044DE01
(57)【要約】
本発明は、自動販売機内部に収容された第1の携帯電話を具備する、自動販売機用監視システムを提供する。該システムはまた、自動販売機内に設置又は組み込まれるように構成されるアダプタ装置を具備する。アダプタ装置は、自動販売機の制御装置に通信可能に結合され、自動販売機の様々な操作を監視・制御する。特に、アダプタ装置は、様々なケーブル間のブリッジとして機能し、自動販売機の操作及び制御装置に関する信号を伝達する。さらに、第1のモバイル機器は、アダプタ装置と無線又は有線通信する自動販売機内に設置され、これにより、自動販売機が、非接触型決済を受領し、在庫量や決済情報を記録可能である。アダプタ装置は、計算装置と同様に、自動販売機を遠隔で監視・制御する追加機能を提供する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
自動販売用CPUと、アダプタに接続される自動販売機内に収容された第1の携帯電話と、複数の自動販売機の周辺機器に接続された制御装置と、を具備し、前記第1の携帯電話は、前記自動販売用CPUによりサーバに提供される決済情報由来の在庫及び販売情報を送信するように適合され、前記アダプタは、USBポートと、コンバーターと、RS-232・USB間の変圧器と、前記アダプタを前記制御装置に接続するMDBバスと、を具備する、自動販売機用在庫監視装置。
【請求項2】
前記第1の携帯電話は、非接触型決済を受領する、請求項1に記載の自動販売機用監視装置。
【請求項3】
第2の携帯電話は、前記自動販売機の外部に配置され、前記第1の携帯電話により送信された前記在庫情報を収集するように構成される、請求項1に記載の自動販売機用監視装置。
【請求項4】
前記第1及び第2の携帯電話は、ダウンロード可能なアプリケーションを必要とせず、Bluetooth又は近距離無線通信を使用して、通信を行う、請求項2に記載の自動販売機用監視装置。
【請求項5】
前記第1の携帯電話は、前記自動販売機のファームウェアを更新するために、データ命令を受信するように構成される、請求項1に記載の自動販売機用監視装置。
【請求項6】
決済は、ユーザの携帯電話から、前記アダプタに接続される前記第1の電話に送信され、前記アダプタは、決済が、前記第1の携帯電話により受信される時に、商品を販売するための命令を出す前記自動販売機の制御装置に接続される、請求項1に記載の自動販売機用監視装置。
【請求項7】
前記第1の携帯電話は、常時電源がオンで、在庫及び決済情報を、Wi-Fi又はセルラーデータにより、遠隔コンピュータ化されたステーションに送信する、請求項1に記載の自動販売機用監視装置。
【請求項8】
前記複数の自動販売機の周辺機器は、決済リーダーを具備し、前記決済リーダーは、コインリーダー、紙幣リーダー、及び/又はカードリーダーである、請求項1に記載の自動販売機用監視装置。
【請求項9】
前記RS-232・USB間の変圧器は、前記制御装置から入力する34ボルトを、前記第1の携帯電話に入力する場合、5ボルトに変圧し、それによって、前記第1の携帯電話を充電状態に保つ、電圧変圧器である、請求項1に記載の自動販売機用監視装置。
【請求項10】
前記USBポートは、前記アダプタの第1の端部に配置され、前記MDBは、前記アダプタの第2の端部に配置され、前記第1の端部と前記第2の端部は、互いに対向又は隣接する、請求項1に記載の自動販売機用監視装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、一般的に、自動販売機であって、より詳しくは、新規又は既存の自動販売機の機能を改良するためのアダプタ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
先行技術の説明
自動販売機は、レストラン、娯楽会場、小売店、オフィスビル、及び他の施設内の消費者に、飲料や軽食等の食料品、又は新聞等の他の商品を配るために頻繁に使用されている。自動販売機は、主に自律的な方法で作動する店頭(POS)装置として機能し、それによって、商品販売に費用対効果の高い解決策を提供する。これらの自動販売機により、ユーザインターフェース経由で、顧客は希望の商品を選択できる。従来型の自動販売機のユーザインターフェースは、一般的に、ユーザが希望の商品を選択するための押しボタンを具備する。さらに、いくつかの場合において、自動販売機は、自動販売機内部の照明、温度、及び他の気候条件を制御するための制御装置を具備する。自動販売機はまた、通貨検出器、硬貨両替機、紙幣鑑別機等の決済を受領するためのインターフェースを具備可能である。いくつかの自動販売機はまた、クレジット/デビットカードリーダー、モバイル決済機器等のキャッシュレス決済装置を含み得る。
【0003】
自動販売機の技術が進歩した結果として、ハードウェアとソフトウェアが改良され、最新の自動販売機における機能が向上した。これらの進歩には、非接触型決済機器、商品の表示及び選択等のためのタッチスクリーン等に予め適合される自動販売機が含まれる。このような商品選択や決済用の最新のインターフェースは、タッチスクリーンが、あらゆる場所で使用され、モバイル決済が、ほとんどの消費者にとって好ましい小売り購入用決済オプションとなった時代では特に、消費者の利便性を高めている。他方、様々な施設ですでに設置済みの既存の自動販売機は、従来の性能が障壁のままになっている。このような従来型の自動販売機を、最新の自動販売機に完全に置き換えることは、費用がかかると考えられ得る。したがって、上述の通り、既存の従来型の自動販売機を、最新の機能を備えて改良可能な装置へのニーズが存在する。
【0004】
出願者は、関連する参考文献が、米国特許第8,856,045号B1(以下、「’045特許」と称する)に該当し、ユーザが、好ましくは、入力機構を有する決済受領装置から少なくとも1つの商品又はサービスを購入するための、キャッシュレス取引を容易にするためのモバイル装置・機械間の決済システムを開示するものと見なしている。ユーザは、短距離通信技術と長距離通信技術の両方を有するモバイル機器を有する。決済受領装置は、少なくとも1つの商品又はサービスを分配可能である。該システムは、アダプタモジュールとサーバとを含む。アダプタモジュールは、決済受領装置に関連し、モバイル機器の短距離通信技術と通信するための短距離通信技術を有する。サーバは、モバイル機器の長距離通信技術と通信するための長距離通信技術を有する。アダプタモジュールは、短距離通信技術を使用して、資金の承認要求をモバイル機器に送信するためのものである。その後、モバイル機器は、長距離通信技術を使用して、資金の承認要求をサーバに転送する。サーバは、長距離通信技術を使用して、資金の承認許可をモバイル機器に送信するためのものである。その後、モバイル機器は、短距離通信技術を使用して、資金の承認許可をアダプタモジュールに転送する。決済受領装置は、アダプタモジュールが、承認許可を受信したならば、決済受領装置入力機構へのユーザ入力の受信に応答して、少なくとも1つの商品又はサービスを分配する。
【0005】
’045特許の開示されたモバイル装置・機械間の決済システムは、自動販売機用の便利な決済方法を提供するものの、アダプタは、’045特許で記載の通り、非接触型決済方法を受領するためのこのような機能を提供し、既存の自動販売機への設置又は組み込み用に設計されていると思われることなく、むしろ、その製造時点で、自動販売機に組み込まれる。さらに、’045特許は、過度に設計変更することなく、既存の自動販売機内で商品の表示及び選択のための最新のタッチインターフェースを提供するいかなる手段も開示しない。本発明は、実際に足を運んで、アダプタを取り出し、修理せざるを得ない代わりに、自動販売機内に収容された電話により、遠隔で自動販売機内のシステムを使用して、修理・更新が可能である。
【0006】
さらに、既存の技術は、詐欺に遭いやすいが、それは、ユーザの携帯電話が一度、決済リーダーと通信すると、セッションが自動販売機内でオープンな状態になるためである。ユーザが、電話の電源をオフにすれば、商品は、決済内容が送信されずに分配され得る。
【0007】
最も類似した発明の対象を記載する他の文献は、効率的・経済的な方法で問題解決できない、程度差こそあれ複雑な、複数の特徴を提供する。これらの特許はいずれも、本発明の新規の特徴を示唆するものではない。
【発明の概要】
【0008】
既存の自動販売機に組み込み可能で、その機能を改良する装置を提供することは、本発明の主な目的の1つである。
【0009】
既存の自動販売機を、非接触型決済を受領するように構成可能な装置を提供することは、本発明の別の目的である。
【0010】
既存の自動販売機を、確実な方法で、遠隔監視され、制御されるように構成可能な装置を提供することは、本発明のさらに別の目的である。
【0011】
既存の自動販売機を、商品の表示及び選択のためのタッチ式インターフェースを提供するように構成可能な装置を提供することは、本発明のさらに別の目的である。
【0012】
実装やメンテナンスが安価であるような装置を、その有効性を保持しながら提供することは、本発明のさらに別の目的である。
【0013】
本発明のさらなる目的は、本明細書の以下の部分で明記され、詳細な説明は、それに限定されることなく、発明を十分に開示することを目的とする。
【0014】
上記及び他の関連する目的を考慮すると、本発明は、以下の添付図面とともに解釈される場合、下記の説明からより十分に理解される通り、部分の構造と組み合わせの詳細に存在する。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】
図1は、本開示の1つ以上の実施形態に係る、典型的な自動販売機の等角側面図を示す。
【
図2】
図2は、本開示の1つ以上の実施形態に係る、自動販売機の概略図を示す。
【
図3】
図3は、自動販売機の管理者が、自動販売機外部の第2の携帯電話を使用して、又はその代わりとして、遠隔でコンピュータ化(コンピュータ制御)されたステーション内で、在庫及び決済情報を遠隔で取得する、本発明の動作環境を示す。
【
図4】
図4は、自動販売機の管理者が、有線手段を使用して、自動販売機に配線接続されることで、決済及び在庫情報を取得可能に示される、動作環境を示す。
【
図5】
図5は、自動販売機の制御盤とアダプタとの間の関係を示す概略図である。
【
図6】
図6は、本発明で使用するプロセッサの概略図である。
【
図7】
図7は、本発明のアダプタで使用するバスコネクタを示す。
【
図8】
図8は、自動販売機内部で使用する電気制御の概略を示す。
【発明を実施するための形態】
【0016】
本発明の例示的な実施形態を、以下に記載する。以下の説明は、これらの実施形態を完全に理解するためであり、また説明を可能にする特定の詳細を提供する。当業者は、本発明が、そのような詳細がなくても実施可能であると理解するであろう。いくつかの事例において、公知の構造、プロセス及び機能は、詳細に図示又は記載されないことで、実施形態の説明を不必要に不明瞭にするのを回避する。
【0017】
記載事項にわたって、文脈上そうでないとの明らかな要求がない限り、記載語「具備する」、「含む」等は、排他的又は徹底的な意味とは異なり、包括的な意味で、つまり、「~を含むが、~に限定されない」の意味で解釈されるものとする。単数又は複数を使う語はまた、本発明の概念を順守しつつ、それぞれ単数又は複数を含む。さらに、「1つの実施形態」及び「ある実施形態」と言及しても、引用された特徴も組み込む追加の実施形態の存在を排除するものと解釈されることを意図しない。
【0018】
図1は、典型的な自動販売機100の斜視図を示す。本明細書において、用語「自動販売機」は、より広範な意味で使用され、(軽食を分配するための)自動販売機、(飲料を分配するための)ソーダ水ディスペンサ、(温度制御商品貯蔵部を開けるための)visiクーラー、又は商品及び/又はサービスを顧客自らが購入可能な任意の装置を含むが、これらに限定され得ない。典型的に、
図1に示す通り、自動販売機100は、様々な構成要素が中に設置されるハウジングを提供するキャビネット102を具備する。キャビネット102は、透明ガラス等により、自動販売機100の外側から典型的に目視でき、様々な販売商品が所定の方法で表示される、自動販売機100内に貯蔵部104を提供する。シュート(図示せず)は、貯蔵部104を、商品を分配し、必要に応じて、消費者が自動販売機100の外から取り出すための分配扉106に接続するように提供される。自動販売機から希望の商品の分配を制御するために使用される様々なシステム及び装置は、該産業では公知で、このため、本明細書では、開示内容の説明簡略化のため詳細には記載しない。
【0019】
図2は、本開示の自動販売機100の概略図を示す。自動販売機100は、電気及び/又は電気機械の構成であり得る。特に、自動販売機100は、自動販売機100の様々な操作を実行するように構成された制御装置108を具備する。制御装置108は、本明細書記載の通り、マイクロコントローラ、縮小命令セット・コンピュータ(RISC)、特定用途向け集積回路(ASIC)、フィールド・プログラマブル・ゲート・アレイ(FPGA)、グラフィックスプロセッシングユニット(GPU)、論理回路、及び自動販売機100が要求する機能を実行可能な他の任意の回路を使用するシステムを含む、任意のプロセッサベース又はマイクロプロセッサベースのシステムであり得る。制御装置108は、一般的に、自動販売機100のキャビネット102内部に設置可能である。いくつかの代替の実施例において、制御装置108は、自動販売機100の位置から遠隔で配置可能である。他の実施例において、制御装置108は、自動販売機100のキャビネット102内部等の1つ以上の場所及び/又は自動販売機100の位置から遠隔の1つ以上の位置で配置された複数の電子処理装置を具備可能である。
【0020】
自動販売機100は、一般的にキャビネット102内部に設置される複数の装置及びシステム(一般的に、「周辺機器」と称される)をさらに具備し得る。例えば、自動販売機100は、コインアクセプタ/鑑別機、紙幣アクセプタ/鑑別機、キャッシュレスのクレジット/デビットカード用端末、及び類似の装置等の様々な決済装置110を具備可能である。さらに、自動販売機100は、生鮮食品アイテムが、貯蔵部104内部で貯蔵される場合は特に、自動販売機100の貯蔵部104内部の適切な温度及び湿度レベルを維持するための気候制御システム112を含み得る。いくつかの実施例において、自動販売機100は、自動販売機100の貯蔵部104を照射して、その中に貯蔵された商品を消費者に適切に示すための照明制御システム114をさらに含み得る。これらの周辺機器は、自動販売機業界では公知で、本明細書では、本開示内容の説明簡略化のため詳細には記載しない。このような周辺機器は、操作において、制御装置108と結合する様々なスイッチ、センサ及びモータを具備可能である。
【0021】
さらに、自動販売機100は、一般的に、キャビネット102内部に配線され、自動販売機100の様々な周辺機器を、その中の制御装置108に通信可能に結合する複数のケーブル116を具備する。典型的に、各ケーブルは、例えば、取引情報を決済装置110から送信(例:決済がクレジットカード、硬貨又は紙幣で行われるのか)、又は気候制御システム112、照明制御システム114等に供給される電力を管理するための所定の機能を有する。制御装置108は、自動販売機100内の付属の周辺機器を操作するのに必要なプロトコル及び通信手段を実装可能である。1つの実施例において、自動販売機100は、電子制御式自動販売機用に様々な周辺機器と制御装置108との間に電子通信を提供する、NAMA(National Automatic Merchandising Association)規定のMDB(マルチドロップバス/内部通信プロトコル)基準等の標準シリアルバスインターフェースを使用可能である。
【0022】
ある実施形態において、アダプタ装置118は、本開示の自動販売機100内に提供される。アダプタ装置118は、自動販売機100内部の制御装置108と多重ケーブル116との間のブリッジとして機能可能で、すなわち、キャビネット102内部のケーブル116は、1つの端部からアダプタ装置118に通信可能に結合可能で、アダプタ装置118のもう1つの端部は、制御装置108に通信可能に結合可能である。このように、アダプタ装置118は、様々な周辺機器から制御装置108まで及びその反対での信号の供給を制御する配置であり得、それによって、自動販売機100の全体操作を管理可能である。ほとんどの場合、アダプタ装置118は、ケーブル116経由で、様々な周辺機器からのすべての受信信号を複製し、同一信号を制御装置108に送信可能である。
【0023】
本実施形態において、アダプタ装置118は、一般的に、自動販売機100内に設置する形状・大きさの、個別のスタンドアロン構成要素であり得る。特に、アダプタ装置118は、その中の多重ケーブル116の接続端を受けるための1つの入力ポート120又は入力ポート120のアレイを具備可能である。さらに、アダプタ装置118は、シリアルバス等が、そこから制御装置108の入力端子に接続可能な、出力ポート122を含み得る。ほとんどの場合、アダプタ装置118は、既存の設計及び/又はシステムを大幅に変えることなく、自動販売機100内に組み込み可能である。本開示の1つの実施形態において、アダプタ装置118は、Bluetooth及び/又は近距離無線通信(NFC)基準により、通信を可能にするための回路又はチップ(図示せず)を具備可能である。これにより、アダプタ装置118は、以下の段落に記載の通り、他のBluetooth、NFC又は無線通信装置(例:スマートフォン)と無線通信するための送信器として機能可能である。
【0024】
1つの実施例において、アダプタ装置118は、レトロフィット装置であり得る。本明細書で使用する用語「レトロフィット装置」は、一般的に、例えば、「アフターマーケット」レトロフィット装置等の製造後及び/又はその機能を追加及び/又は変更するためのアフターマーケットアドオンとして、標準式自動販売機に加えられる任意の装置を指し得る。他の実施例において、レトロフィット装置は、このような装置が、例えば、相手先商標製品製造会社(OEM)のレトロフィット装置等の本明細書記載の製造自動販売機の機能を追加及び/又は変更する、製造時に自動販売機に結合される装置であり得る。以下の開示は、本開示の自動販売機100等の既存の自動販売機内に設置されるアダプタ装置118について記載されている。しかしながら、記載の通り、同一のアダプタ装置118は、いかなる制限もなく、新規の自動販売機100の製造又は組立時に設置可能である。アダプタ装置118は、多重ケーブル116が、制御装置108の回路基板にはんだ付け可能なノード等で、制御装置108と多重ケーブル116との間の接続を最初に解除することで、既存の自動販売機100内に設置可能であることは、当業者が意図し得る。その後、多重ケーブル116の開口端は、アダプタ装置118の様々な入力ポート120に接続可能である。さらに、シリアルバスケーブルは、1つの端部からアダプタ装置118の出力ポート122まで接続可能で、その他端は、制御装置108の入力端子に接続される。
【0025】
さらに、ある実施形態において、自動販売機100は、キャビネット102の内外いずれかに設置される計算装置124を具備する。ある実施形態において、計算装置124は、本開示の自動販売機100等の既存の自動販売機に組み込み可能である。計算装置124は、締結装置により、キャビネット102に固定された取付容器の使用を含むが、これに限定されない任意の公知の取付方法により、キャビネット102の外部に取付可能である。1つの実施形態において、計算装置124は、Bluetooth及び/又はNFC等の無線通信プロトコルにより、自動販売機100のアダプタ装置118に通信可能に結合されるスマートフォン又はタブレット型コンピュータであり得る。その代わりとして、計算装置124は、計算装置124に電力も供給する有線通信により、アダプタ装置118に接続可能である。
【0026】
アダプタ装置118と計算装置124が、それらの間で双方向通信を有し得ることは、理解され得る。自動販売機100において、アダプタ装置118は、制御装置108に加えて、多重ケーブル116により、分配システムから商品の分配に関する情報、決済装置110からの取引情報、気候制御システム112からの温度及び湿度レベルに関する情報、及び照明制御システム114からの照明の状態に関する情報等を受信可能である。アダプタ装置118は、標準無線通信プロトコルにより、受信情報を計算装置124にさらに送信可能である。いくつかの場合、計算装置124は、命令をアダプタ装置118に送信可能で、自動販売機100の1つ以上の操作を制御する。
【0027】
1つの実施形態において、本開示の計算装置124は、自動販売機100により非接触型決済を容易にするようにさらに構成可能である。このため、計算装置124は、消費者のスマートフォンと通信可能な、Bluetooth又はNFCチップをその中に実装可能である。消費者が希望の商品を選択すると、計算装置124のディスプレイ等に、決済額が提示されるであろう。消費者は、計算装置124上で自分のスマートフォン「A」をタップして、条件を満たせば、表示金額で決済可能である。決済方法は、Apple-Pay(商標)、Android-Pay(商標)、S-Pay(商標)等の任意の非接触型決済プロトコルを含み得ることが意図され得る。他の実施例において、決済額は、計算装置124により、消費者のスマートフォンと直接通信可能で、消費者は、暗証番号の入力、生体照合、遠隔照合等の使用等の任意の公知の方法により、決済を確認可能である。このため、計算装置124を、アダプタ装置118と同様に加えると、非接触型決済のよく知られた機能が、本開示の自動販売機100等の既存の自動販売機に追加可能である。
【0028】
ある実施形態において、自動販売機100は、自動販売機100の所有者等のユーザが、自動販売機100内の在庫を追跡し、販売機内で行われる決済や取引を監視可能な遠隔システム126に通信可能に接続可能である。
図3は、自動販売機100内の計算装置124を遠隔システム126に通信可能に接続するための典型的な構成を示す。図示の通り、計算装置124、又は自動販売機100は、クラウドベースのネットワーク128に接続可能である。このような目的で、計算装置124は、WiFiモジュール、GSM/セルラーモジュール等のインターネット/通信ネットワークに接続するための手段を含み得る。計算装置124は、インターネット/通信ネットワークにより、自動販売機100と遠隔システム126との間の接続を確立するためのサーバ130を構成するクラウドベースのネットワーク128に通信可能に結合可能である。代替の実施例において、アダプタ装置118は、遠隔システム126と直接通信するためのインターネット接続手段を含み得る。
【0029】
計算装置124が、現状に関する受信情報を、アダプタ装置118から遠隔システム126まで送信するように構成可能であることは理解され得る。次に、遠隔システム126は、受信情報に基づいて、自動販売機100内部の在庫の追跡、キャッシュレス決済情報の照合、自動販売機100のオペレーティングシステムのソフトウェアコードの更新等の販売サービスを、自動販売機100の所有者に提供するように構成可能である。遠隔システム126のこのような操作は、当業者により理解され得、本明細書には詳細に記載しない。いくつかの実施形態において、遠隔システム126はまた、受信情報を処理し、該情報に基づいて、命令を作成することができる場合がある。さらに、遠隔システム126は、これらの命令を計算装置124に送信可能で、自動販売機100のエネルギー使用を管理するための気候制御システム112及び照明制御システム114を含むが、これらに限定されない、自動販売機100の様々なシステムを制御する。自動販売機100において、計算装置124は、次に、このような命令を、いくつかの場合において、自動販売機100の必須な操作を制御するための制御装置108を実装することにより、受信命令をコマンドに翻訳する、アダプタ装置118に送信することを意図し得る。
【0030】
図4は、自動販売機100の所有者等のユーザが、自動販売機100内の在庫を追跡し、販売機内で行われる決済や取引を監視できるための代替の実施形態を示す。図示の通り、ユーザは、最初に自動販売機100の扉101を開けて、計算装置124のポート125にアクセスできる。扉102は、通常、ロック状態であり得、ユーザは、何らかの鍵、暗証番号等により、ロックを解除して扉を開けられることを意図し得る。ポート125がアクセス可能な場合、ユーザは、ケーブル127を差し込んで、ユーザ装置「B」をポート125に接続可能で、在庫や決済情報等の自動販売機100の操作に関する所望の情報をダウンロードする。このような場合、ユーザ装置「B」は、図による方法等、ユーザが理解可能な方法で、受信情報を表示するための互換性アプリケーションを有し得ることが意図される場合がある。
【0031】
いくつかの実施例において、計算装置124は、自動販売機100の既存の押しボタン、テンキー及び他の入力インターフェースを交換することで、追加機能を提供可能である。このような場合、計算装置124は、自動販売機100の既存の入力インターフェース上に設置可能で、又は計算装置124は、他のインターフェース機器を第2の入力手段とする、又はいくつかの場合においては冗長となる、他のいくつかの適切な位置に設置可能である。計算装置124のタッチスクリーンディスプレイは、自動販売機100内に現在貯蔵され、分配の準備が整った商品の品揃えを表示するように構成可能である。タッチスクリーンは、商品リストが、分配システムに残存する商品の在庫に基づいて、リアルタイムで更新可能である利点を提供する。さらに、計算装置124のタッチスクリーンは、消費者が、そのスクリーンに表示される、希望の商品と同一の写真をタッチすることで商品を選択できるため、商品選択用のより使い勝手の良いインターフェースを提供可能である。計算装置124が、商品の選択に関する情報をアダプタ装置118に送信可能で、次に、制御装置108により、分配システムを操作して、貯蔵部104から分配扉106まで商品を移動させて消費者が取り出すことは理解可能である。
【0032】
アダプタ装置118と計算装置124の組み合わせにより、自動販売機100等の既存の自動販売機を改良して、最新の非接触型決済手段を受領することができる。さらに、計算装置124を追加することで、例えば、自動販売機100の販売サービス代理店又は所有者等が、自動販売機100を遠隔監視及び制御可能である。いくつかの場合、アラームシステム等の追加システムはまた、盗難防止等のために、計算装置124に組み込み可能である。さらに、計算装置124は、商品の表示及び選択のためのタッチインターフェースの追加機能を提供することで、自動販売機100の操作を改良可能である。したがって、本開示は、既存の自動販売機を改良する簡便で費用対効果の高い方法を提供し、最新の自動販売機のほとんどで導入済みの機能を提供する。
【0033】
本発明により、自動販売機の管理者は、リアルタイムにかつ遠隔で在庫量を監視できる。当業で現在公知のシステムでは、管理者が販売機まで実際に足を運んで、在庫情報を取得する必要がある。さらに、本発明は、現金、硬貨、デビット/クレジットカード、及び非接触型決済を含む、任意の種類の金融商品を使用して行われる販売に関する情報を提供可能である。決済リーダーは、有形商品を使用して行われるすべての種類の決済を監視し、アダプタ及び/又は第1の携帯電話は、非接触型決済を考慮可能である。アダプタは、商品を保持するコイルに接続可能で、当初ストックした商品数に基づいて、販売済の商品数を監視し、残りの在庫量を決定する。
【0034】
本発明は、Googleウォレット又はApple Pay、さらにはギフト券等の決済を受領するための第三者によるアプリケーションと機能するように構成可能である。本発明により、自動販売機の所有者又は顧客は、近距離無線通信、Bluetooth、配線、又はそれらの組み合わせを使用して、自動販売機内外いずれかに収容されたアダプタ又は電話に接続可能である。
【0035】
本発明のアダプタは、電力、接地、データの送受信に使用する6つのケーブルを受ける6つのポートを具備可能である。アダプタは、マルチプルドロップバスを使用して、決済リーダーと通信する。アダプタは、USB、Bluetooth、Wi-Fi、セルラー、又は近距離無線通信を使用して、収容された携帯電話に接続される。アダプタは、ハブ又はバスコネクタにより、自動販売機の決済リーダーに接続される。1つの実施形態において、アダプタは、自動販売機の外部ではなく、携帯電話にのみ情報を送信する。
【0036】
本発明は、自動販売機のCPUに接続されて、任意の決済方法を使用して行われる販売を追跡するが、現在の技術は、システムによる決済を追跡するのみである。さらに、本発明は、電話により、非接触型決済用の自動販売機の決済受領者に適合する、より多くの企業及び/又はアプリケーションを遠隔で追加可能である。
【0037】
顧客が、自動販売機に近づく場合、顧客の電話は、顧客を認識し、顧客が持つ利用可能な残高を使用し、商品購入を許可するサーバ内に登録されている。自動販売機内部の電話は、サーバと通信する、ダウンロードされたアプリケーションを有する。
【0038】
上述の説明は、本発明の目的及び利点を、最良に理解する形で伝達する。異なる実施形態は、本発明の発明概念からなり得る。本明細書で開示されるすべての発明の対象は、例示的にすぎず、限定する意味ではないと解釈されるものと理解されたい。
【産業上の利用可能性】
【0039】
本発明の産業上の利用可能性は、自動販売機内部に第1の携帯電話を含み、アダプタを使用して、自動販売機の制御装置に接続される、自動販売機監視システムを含む。第1の携帯電話は、サーバに接続され、自動販売機のユーザ又はサービスプロバイダーにより操作される第2の携帯電話に接続可能である。本発明は、既存の自動販売機に組み込み可能で、その機能や信頼性を改良する。さらに、本発明は、非接触型決済を容易に行える。また、本発明により、自動販売機のサービスプロバイダー又は所有者が、自動販売機を遠隔で修理又は監視することができる。
【国際調査報告】