(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-03-30
(54)【発明の名称】エアロゾル生成装置
(51)【国際特許分類】
A24F 40/50 20200101AFI20220323BHJP
A24F 40/60 20200101ALI20220323BHJP
A24F 40/51 20200101ALI20220323BHJP
【FI】
A24F40/50
A24F40/60
A24F40/51
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021540454
(86)(22)【出願日】2020-12-14
(85)【翻訳文提出日】2021-07-12
(86)【国際出願番号】 KR2020018239
(87)【国際公開番号】W WO2021145568
(87)【国際公開日】2021-07-22
(31)【優先権主張番号】10-2020-0006166
(32)【優先日】2020-01-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】519217032
【氏名又は名称】ケーティー アンド ジー コーポレイション
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】特許業務法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】イ、ウォン キョン
(72)【発明者】
【氏名】イ、チョン ソプ
(72)【発明者】
【氏名】キム、ミン キョ
(72)【発明者】
【氏名】チョ、ピョン ソン
【テーマコード(参考)】
4B162
【Fターム(参考)】
4B162AA05
4B162AA22
4B162AB14
4B162AB23
4B162AC02
4B162AC06
4B162AC17
4B162AC34
4B162AD16
4B162AD20
4B162AD22
(57)【要約】
一部実施例によれば、着脱可能なカートリッジが挿入されるための収容空間を含む本体、本体に含まれる電力消耗部品に電力を供給し、本体内に備えられるバッテリ、カートリッジが収容空間に挿入されることにより、カートリッジ内のヒータと本体との間に形成される電気的な連結をフィードバックするフィードバックライン、及びエアロゾル生成装置が出荷モードに設定された場合、フィードバックラインを通じてフィードバック信号が受信されることにより、エアロゾル生成装置のモードを使用モードに変更する制御部を含む、エアロゾル生成装置が提供されうる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
エアロゾル生成装置において、
着脱可能なカートリッジが挿入されるための収容空間を含む本体と、
前記本体に含まれる電力消耗部品に電力を供給し、前記本体内に備えられるバッテリと、
前記カートリッジが前記収容空間に挿入されることにより、前記カートリッジ内のヒータと前記本体との間に形成される電気的な連結をフィードバックするフィードバックラインと、
前記エアロゾル生成装置が出荷モードに設定された場合、前記フィードバックラインを通じてフィードバック信号が受信されることにより、前記エアロゾル生成装置のモードを使用モードに変更する制御部と、を含む、エアロゾル生成装置。
【請求項2】
前記制御部は、
前記電力消耗部品に対する電圧または電流の供給を制御する少なくとも1つのロードロップアウトレギュレータ(Low-dropout regulator; LDO)にイネーブル信号を印加することで、前記エアロゾル生成装置のモードを前記使用モードに変更する、請求項1に記載のエアロゾル生成装置。
【請求項3】
前記少なくとも1つのLDOは、
前記エアロゾル生成装置が前記出荷モードである場合、前記少なくとも1つのLDOと連結された電力消耗部品及び前記バッテリ間の電気的な連結を遮断する、請求項2に記載のエアロゾル生成装置。
【請求項4】
前記少なくとも1つのLDOは、
前記エアロゾル生成装置が前記使用モードである場合、前記少なくとも1つのLDOと連結された電力消耗部品を前記バッテリに電気的に連結する、請求項2に記載のエアロゾル生成装置。
【請求項5】
前記制御部は、
前記エアロゾル生成装置が前記使用モードに変更された後、前記フィードバックラインを通じて前記フィードバック信号が受信されなくても、前記エアロゾル生成装置のモードを前記使用モードに保持する、請求項1に記載のエアロゾル生成装置。
【請求項6】
前記制御部は、
前記エアロゾル生成装置が前記使用モードである場合、前記フィードバックラインを通じて前記フィードバック信号が受信されていない状態から再受信されることにより、前記バッテリの残量情報をディスプレイする、請求項1に記載のエアロゾル生成装置。
【請求項7】
前記使用モードは、
前記電力消耗部品のうちの少なくとも一部を活性化された状態に保持するスリープモード、及び前記電力消耗部品のうちの1つ以上または前記ヒータを用いて既設定の動作を行う動作モードを含む、請求項1に記載のエアロゾル生成装置。
【請求項8】
前記電力消耗部品は、センサ、ユーザインターフェース及びメモリのうちの少なくとも1つを含む、請求項1に記載のエアロゾル生成装置。
【請求項9】
前記制御部は、
前記エアロゾル生成装置が出荷される以前に外部の入力に基づいて前記エアロゾル生成装置を前記出荷モードに設定する、請求項1に記載のエアロゾル生成装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、エアロゾル生成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
最近、一般的なシガレットの短所を克服する代替方法に係わる需要が増加している。例えば、シガレットを燃焼させてエアロゾルを生成する方法ではない、エアロゾル生成装置を用いてシガレットまたはエアロゾル生成物質を加熱することで、エアロゾルを生成するシステムに係わる需要が増加している。
【0003】
一方、エアロゾル生成装置が出荷された後、ユーザによって使用されるまでバッテリの電力消耗を最小化することで、ユーザに販売可能な出荷目的地(例えば、商店)における在庫時間(stocked time)を増加させるために、エアロゾル生成装置は、出荷モードに設定して出荷していた。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来のエアロゾル生成装置のうち、一部は、出荷モードを解除するために充電ケーブルをエアロゾル生成装置に連結するなどの煩わしい動作がさらに要求された。また、従来のエアロゾル生成装置のうち、他の一部は、エアロゾル生成装置をパッケージングから除去する瞬間出荷モードから使用モードに変更されるように構成され、これにより、パッケージングから除去された後、ユーザによって実際に使用されるまでのバッテリの電力消耗を最小化することが不可能であった。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の1以上の実施例は、エアロゾル生成装置を含む。本発明が解決しようとする技術的課題は、前述したような技術的課題に限定されず、以下の実施例からさらに他の技術的課題が類推されうる。
【0006】
エアロゾル生成装置は、着脱可能なカートリッジが挿入される収容空間を含む本体と、前記本体に含まれる電力消耗部品に電力を供給するために前記本体内に備えられるバッテリと、前記カートリッジが前記収容空間に挿入されることにより、前記カートリッジ内のヒータと前記本体との間に形成される電気的な連結をフィードバックするフィードバックラインと、前記エアロゾル生成装置が出荷モードに設定された場合、前記フィードバックラインを通じてフィードバック信号が受信されることにより、前記エアロゾル生成装置のモードを使用モードに変更する制御部と、を含んでもよい。
【発明の効果】
【0007】
本発明の実施例は、エアロゾル生成装置を提供することができる。具体的に、本発明の一実施例によるエアロゾル生成装置は、着脱可能なカートリッジが挿入される収容空間を含む本体、本体に含まれる電力消耗部品に電力を供給するためで本体内に備えられるバッテリ、カートリッジが収容空間に挿入されることによりカートリッジ内のヒータと本体との間に形成される電気的な連結をフィードバックするフィードバックライン、及びエアロゾル生成装置が出荷モードに設定された場合、フィードバックラインを通じてフィードバック信号が受信されることにより、エアロゾル生成装置のモードを使用モードに変更する制御部を含んでもよい。
【0008】
着脱可能なカートリッジと共に使用されるエアロゾル生成装置を用いて喫煙をするためには、ユーザがカートリッジを本体の収容空間に挿入する動作が必ず提供されなければならない。このように本発明の一実施例によるエアロゾル生成装置は、ユーザがエアロゾル生成装置を購買した後、使用するまでの過程で自然に伴われる動作によって出荷モードが解除されるように、カートリッジが収容空間への挿入を検知し、エアロゾル生成装置のモードを出荷モードから使用モードに変更することができる。したがって、従来のエアロゾル生成装置のように、充電ケーブルをエアロゾル生成装置に連結するなどの煩わしい動作がさらに要求されないため、ユーザ便宜性が増大しうる。
【0009】
また、本発明の一実施例によるエアロゾル生成装置は、カートリッジが収容空間に挿入される時点から使用モードに切り換えられるため、エアロゾル生成装置がパッケージングから除去された時点と、ユーザによって実際に使用されるまでの時点との間の遅延時間とは関係なく、バッテリの電力消耗が最小化されうる。また、本発明の一実施例によるエアロゾル生成装置は、カートリッジが収容空間への挿入を検知するために別途のセンサを利用せず、フィードバックラインを用いるので、カートリッジの収容空間への挿入を検知するのに消耗する電力までも減少しうる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】一実施例に係わるエアロゾル生成物質を保有する交換可能なカートリッジと、それを備えたエアロゾル生成装置の結合関係を概略的に示す分離斜視図である。
【
図2】
図1に示された実施例に係わるエアロゾル生成装置の例示的な一作動状態を示す斜視図である。
【
図3】
図1に示された実施例に係わるエアロゾル生成装置の例示的な他の作動状態を示す斜視図である。
【
図4】一実施例によるエアロゾル生成装置のハードウェア構成を示すブロック図である。
【
図5】一実施例によるエアロゾル生成装置の構成を示すブロック図である。
【
図6】一実施例によるエアロゾル生成装置内部の回路構造の例示を示す図面である。
【
図7】一実施例によるMCUの制御アルゴリズムを説明するための図面である。
【
図8】一実施例によるエアロゾル生成装置の動作方法を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本発明によるエアロゾル生成装置は、着脱可能なカートリッジが挿入されるための収容空間を含む本体と、前記本体に含まれる電力消耗部品に電力を供給し、前記本体内に備えられるバッテリと、前記カートリッジが前記収容空間に挿入されることにより、前記カートリッジ内のヒータと前記本体との間に形成される電気的な連結をフィードバックするフィードバックラインと、前記エアロゾル生成装置が出荷モードに設定された場合、前記フィードバックラインを通じてフィードバック信号が受信されることにより、前記エアロゾル生成装置のモードを使用モードに変更する制御部と、を含んでもよい。
【0012】
前記制御部は、前記電力消耗部品に対する電圧または電流の供給を制御する少なくとも1つのロードロップアウトレギュレータ(Low-dropout regulator; LDO)にイネーブル信号を印加することで、前記エアロゾル生成装置のモードを前記使用モードに変更することができる。
【0013】
前記少なくとも1つのLDOは、前記エアロゾル生成装置が前記出荷モードである場合、前記少なくとも1つのLDOと連結された電力消耗部品及び前記バッテリ間の電気的な連結を遮断することができる。
【0014】
前記少なくとも1つのLDOは、前記エアロゾル生成装置が前記使用モードである場合、前記少なくとも1つのLDOと連結された電力消耗部品を前記バッテリに電気的に連結することができる。
【0015】
前記制御部は、前記エアロゾル生成装置が前記使用モードに変更された後、前記フィードバックラインを通じて前記フィードバック信号が受信されなくても、前記エアロゾル生成装置のモードを前記使用モードに保持することができる。
【0016】
前記制御部は、前記エアロゾル生成装置が前記使用モードである場合、前記フィードバックラインを通じて前記フィードバック信号が受信されていない状態から再受信されることにより、前記バッテリの残量情報をディスプレイすることができる。
【0017】
前記使用モードは、前記電力消耗部品のうち、少なくとも一部を活性化された状態に保持するスリープモード、及び前記電力消耗部品のうち、1つ以上または前記ヒータを用いて既設定の動作を行う動作モードを含んでもよい。
【0018】
前記電力消耗部品は、センサ、ユーザインターフェース及びメモリのうち、少なくとも1つを含んでもよい。
【0019】
前記制御部は、前記エアロゾル生成装置が出荷される以前に外部の入力に基づいて前記エアロゾル生成装置を前記出荷モードに設定することができる。
【0020】
実施例で使用される用語は、本発明での機能を考慮しながら可能な限り、現在広く使用される一般的な用語を選択したが、これは、当分野に従事する技術者の意図または判例、新たな技術の出現などによっても異なる。また、特定の場合は、出願人が任意に選定した用語もあり、その場合、当該発明の説明部分において、詳細にその意味を記載する。したがって、本発明で使用される用語は、単なる用語の名称ではない、その用語が有する意味と本発明の全般にわたる内容とに基づいて定義されねばならない。
【0021】
本明細書で使用されたように、「少なくとも1つ」のような表現は構成要素のリストに先行するとき、構成要素の全体リストを限定し、リストの個別的な構成要素を限定しない。例えば、「a、b及びcのうち、少なくとも1つ」という表現は「a」、「b」、「c」、「a及びb」、「a及びc」、「b及びc」、または「a、b及びc」を含むと理解されねばならない。
【0022】
1つのエレメントまたはレイヤが他のエレメントまたはレイヤの「上部に(over)」、「上に(above)」、「連結された(connected to)」または「結合された(coupled to)」と指称されたとき、これは、他のエレメントまたはレイヤの直上に、上に、連結されるか、結合されるものでもあり、または中間のエレメントまたはレイヤが存在してもよい。対照的に、あるエレメントが他のエレメントまたはレイヤの「直ぐ上に」、「直上に」、「直接連結された」または「直接結合された」と言及されたときには、中間に別途のエレメントまたはレイヤが存在していないと理解されねばならない。
【0023】
明細書全体において、ある部分がある構成要素を「含む」とするとき、それは、特に反対となる記載がない限り、他の構成要素を除くものではなく、他の構成要素をさらに含んでもよいということを意味する。また、明細書に記載された「…部」、「…モジュール」などの用語は、少なくとも1つの機能や動作を処理する単位を意味し、それは、ハードウェアまたはソフトウェアによって具現されるか、あるいは、ハードウェアとソフトウェアとの結合によっても具現される。
【0024】
以下、添付図面に基づいて本発明の例示的な実施例について本発明が属する技術分野で通常の知識を有する者が容易に実施可能なように詳細に説明する。しかし、本発明の実施例は、様々な互いに異なる形態にも具現され、ここで説明する例示的な実施例に限定されない。
【0025】
図1は、一実施例に係わるエアロゾル生成物質を保有する交換可能なカートリッジと、それを備えたエアロゾル生成装置の結合関係を概略的に示す分離斜視図である。
【0026】
図1に示された実施例に係わるエアロゾル生成装置5は、エアロゾル生成物質を保有するカートリッジ20と、カートリッジ20を支持する本体10を含む。
【0027】
カートリッジ20は、内部にエアロゾル生成物質を収容した状態で本体10に結合することができる。カートリッジ20の一部分が本体10の収容空間19に挿入されることでカートリッジ20が本体10に装着されうる。
【0028】
カートリッジ20は、例えば、液体状態や、固体状態や、気体状態や、ゲル(gel)状態のうち、いずれか1つの状態を有するエアロゾル生成物質を保有することができる。エアロゾル生成物質は、液状組成物を含んでもよい。例えば、液状組成物は、揮発性タバコ香成分を含むタバコ含有物質を含む液体でもあり、非タバコ物質を含む液体でもある。
【0029】
液状組成物は、例えば、水、ソルベント、エタノール、植物抽出物、香料、香味剤、及びビタミン混合物のうち、いずれか1つの成分や、これら成分の混合物を含んでもよい。香料は、メントール、ペパーミント、スペアミントオイル、各種果物の香り成分などを含んでもよいが、それらに制限されない。香味剤は、ユーザに多様な香味または風味を提供する成分を含んでもよい。ビタミン混合物は、ビタミンA、ビタミンB、ビタミンC及びビタミンEのうち、少なくとも1つが混合されたものでもあるが、それらに制限されるものではない。また液状組成物は、グリセリン及びプロピレングリコールのようなエアロゾル形成剤を含んでもよい。
【0030】
例えば、液状組成物は、ニコチン塩が添加された任意の重量比のグリセリン及びプロピレングリコール溶液を含んでもよい。液状組成物には、2種以上のニコチン塩が含まれうる。ニコチン塩は、ニコチンに有機酸または無機酸を含む適切な酸を添加することで形成されうる。ニコチンは、自然に発生するニコチンまたは合成ニコチンであって、液状組成物の総溶液重量に対する任意の適切な重量の濃度を有することができる。
【0031】
ニコチン塩の形成のための酸は、血中ニコチン吸収速度、エアロゾル生成装置5の作動温度、香味または風味、溶解度などを考慮して適切に選択されうる。例えば、ニコチン塩の形成のための酸は、安息香酸、乳酸、サリチル酸、ラウリン酸、ソルビン酸、レブリン酸、ピルビン酸、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、バレリン酸、カプロン酸、カプリル酸、カプリン酸、クエン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸、フェニル酢酸、酒石酸、コハク酸、フマル酸、グルコン酸、サッカリン酸、マロン酸またはリンゴ酸で構成された群から選択される単独の酸または前記群から選択される2以上の酸の混合にもなるが、それらに限定されない。
【0032】
カートリッジ20は、本体10から伝達される電気信号または無線信号などによって作動することで、カートリッジ20の内部のエアロゾル生成物質の相(phase)を気相に変換してエアロゾル(aerosol)を発生させる機能を行う。エアロゾルは、エアロゾル生成物質から発生した蒸気化された粒子と空気が混合された状態の気体を意味する。
【0033】
例えば、カートリッジ20は、本体10から電気信号を供給されてエアロゾル生成物質を加熱するか、超音波振動方式を用いるか、誘導加熱方式を用いることで、エアロゾル生成物質の相を変換することができる。他の例として、カートリッジ20が自体の電力源を含む場合には、本体10からカートリッジ20に伝達される電気的な制御信号や無線信号によってカートリッジ20が作動することで、エアロゾルを発生させうる。
【0034】
カートリッジ20は、内部にエアロゾル生成物質を収容する液体保存部21と、液体保存部21のエアロゾル生成物質をエアロゾルに変換する機能を行う霧化器(atomizer)を含んでもよい。
【0035】
液体保存部21が内部に「エアロゾル生成物質を収容する」ということは、液体保存部21が容器(container)の用途のようにエアロゾル生成物質を単に入れる機能を行うことと、液体保存部21の内部に、例えば、スポンジ(sponge)や綿や布や多孔性セラミック構造体のようなエアロゾル生成物質を含浸(含有)する要素を含むことを意味する。
【0036】
霧化器は、例えば、エアロゾル生成物質を吸収し、エアロゾルに変換するための最適の状態に保持する液体伝達手段(wick;芯)と、液体伝達手段を加熱してエアロゾルを発生させるヒータとを含んでもよい。
【0037】
液体伝達手段は、例えば、綿繊維、セラミック繊維、ガラス繊維、多孔性セラミックの少なくとも1つを含んでもよい。
【0038】
ヒータは、電気抵抗によって熱を発生させることで、液体伝達手段に伝達されるエアロゾル生成物質を加熱するために銅、ニッケル、タングステンなどの金属素材を含んでもよい。ヒータは、例えば、金属熱線(wire)、金属熱板(plate)、セラミック発熱体などによって具現され、ニクロム線のような素材を用いて伝導性フィラメントに具現されるか、液体伝達手段に巻かれるか、液体伝達手段に隣接して配置されうる。
【0039】
また、霧化器は、別途の液体伝達手段を使用せず、エアロゾル生成物質を吸収し、エアロゾルに変換するための最適の状態に保持する機能と、エアロゾル生成物質を加熱してエアロゾルを発生させる機能とをいずれも行うメッシュ状(mesh shape)や板状(plate shape)の発熱体によっても具現される。
【0040】
カートリッジ20の内部に収容されたエアロゾル生成物質を外部から視認可能なようにカートリッジ20の液体保存部21は、少なくとも一部が透明な素材を含んでもよい。液体保存部21は、本体10に結合するとき、本体10の溝11に挿入されるように液体保存部21から突出する突出窓21aを含む。マウスピース22及び液体保存部21の全体が透明なプラスチックやガラスなどの素材によって作製され、液体保存部21の一部に該当する突出窓21aだけが透明な素材によっても作製される。
【0041】
本体10は、収容空間19の内側に配置された接続端子10tを含む。本体10の収容空間19にカートリッジ20の液体保存部21が挿入されれば、本体10は、接続端子10tを通じてカートリッジ20に電力を提供するか、カートリッジ20の作動に係わる信号をカートリッジ20に供給することができる。
【0042】
カートリッジ20の液体保存部21の一側端部には、マウスピース22が結合される。マウスピース22は、エアロゾル生成装置5のユーザの口腔に挿入される部分である。マウスピース22は、液体保存部21内部のエアロゾル生成物質から発生したエアロゾルを外部に排出する排出孔22aを含む。
【0043】
本体10には、スライダ7が本体10に対して移動自在に結合される。スライダ7は、本体10に対して移動することで、本体10に結合されたカートリッジ20のマウスピース22の少なくとも一部を覆うか、マウスピース22の少なくとも一部を外部に露出させる機能を行う。スライダ7は、カートリッジ20の突出窓21aの少なくとも一部を外部に露出させる長孔7aを含む。
【0044】
スライダ7は、内部が空いており、両側端部が開放された筒状を有する。スライダ7の構造は、図面に示されたように筒状に制限されるものではなく、本体10の縁部に結合された状態を保持しながら本体10に対して移動可能なクリップ状の断面形状を有する折り曲げられた板構造や、湾曲された円弧状の断面形状を有する曲がった半円筒状などの構造を有することができる。
【0045】
スライダ7は、本体10とカートリッジ20に対するスライダ7の位置を保持するための磁性体を含む。磁性体は永久磁石や、鉄、ニッケル、コバルト、またはそれらの合金のような素材を含んでもよい。
【0046】
磁性体は、スライダ7の内部空間を介して互いに対向する1つの第1磁性体8aと、スライダ7の内部空間を介して互いに対向する1つの第2磁性体8bを含む。第1磁性体8aと第2磁性体8bは、スライダ7の移動方向、すなわち本体10が延びる方向である本体10の長手方向に沿って互いに離隔して配置される。
【0047】
本体10は、スライダ7が本体10に対して移動する間、スライダ7の第1磁性体8aと第2磁性体8bが移動する経路上に配置された少なくとも1つの固定磁性体9を含む。例えば、本体10の固定磁性体9も収容空間19を介して互いに対向するように1つが設けられうる。
【0048】
スライダ7の位置によって、固定磁性体9のうちの少なくとも1つと第1磁性体8aのうちの少なくとも1つとの間、または固定磁性体9のうちの少なくとも1つと第2磁性体8bのうちの少なくとも1つとの間で作用する磁力によって、スライダ7は、マウスピース22の端部を覆うか、露出させる位置に安定して保持されうる。
【0049】
本体10は、スライダ7が本体10に対して移動する間、スライダ7の第1磁性体8aのうちの1つと第2磁性体8bのうちの1つが移動する経路上に配置される位置変化検知センサ3を含む。位置変化検知センサ3は、例えば、磁場の変化を検知して信号を発生させるホール効果(hall effect)を用いたホールセンサ(Hall IC)を含んでもよい。
【0050】
上述した実施例に係わるエアロゾル生成装置5において、本体10とカートリッジ20とスライダ7は、長手方向を横切る方向における断面形状がほぼ長方形であるが、実施例は、このようなエアロゾル生成装置5の形状によって制限されない。エアロゾル生成装置5は、例えば、円形や楕円形や正方形や様々な形態の多角形の断面形状を有してもよい。また、エアロゾル生成装置5が長手方向に延びるとき、必ずしも直線的に延びる構造によって制限されるものではなく、ユーザが手で把持しやすく、例えば流線形に湾曲されるか、特定領域で既設定の角度に折り曲げられつつ長く延びる。
【0051】
図2は、
図1に示された実施例に係わるエアロゾル生成装置の例示的な一作動状態を示す斜視図である。
【0052】
図2では、スライダ7が、本体10と結合されたカートリッジのマウスピース22の端部を覆う位置に移動した作動状態が図示されている。スライダ7がマウスピース22の端部を覆う位置に移動した状態では、マウスピース22が外部の異物から安全に保護され、清潔な状態に保持されうる。
【0053】
ユーザは、スライダ7の長孔7aを通じてカートリッジの突出窓21aを視認することで、カートリッジが保有するエアロゾル生成物質の残量を確認することができる。ユーザは、エアロゾル生成装置5を使用するためにスライダ7を本体10の長手方向に移動させることができる。
【0054】
図3は、
図1に示された実施例に係わるエアロゾル生成装置の例示的な他の作動状態を示す斜視図である。
【0055】
図3では、スライダ7が、本体10と結合されたカートリッジのマウスピース22の端部を外部に露出させる位置に移動した作動状態が図示されている。スライダ7がマウスピース22の端部を外部に露出させる位置に移動した状態で、ユーザが自分の口腔にマウスピース22を挿入し、マウスピース22の排出孔22aを通じて排出されるエアロゾルを吸い込むことができる。
【0056】
スライダ7がマウスピース22の端部を外部に露出させる位置に移動した状態でもスライダ7の長孔7aを通じてカートリッジの突出窓21aが外部に露出されるので、ユーザはカートリッジが保有するエアロゾル生成物質の残量を視認することができる。
【0057】
図4は、一実施例によるエアロゾル生成装置のハードウェア構成を示すブロック図である。
図4に図示されたエアロゾル生成装置400は、
図1を参照して説明されたエアロゾル生成装置5に対応しうる。
【0058】
図4を参照すれば、エアロゾル生成装置400は、バッテリ410、ヒータ420、センサ430、ユーザインターフェース440、メモリ450及び制御部460を含んでもよい。しかし、エアロゾル生成装置400の内部構造は、
図4に図示されたところに限定されない。エアロゾル生成装置400の設計によって、
図4に図示されたハードウェア構成のうち、一部が省略されるか、新たな構成がさらに追加されるということを、本実施例に係わる技術分野で通常の知識を有する者であれば、理解できるであろう。
【0059】
一実施例において、エアロゾル生成装置400は、本体だけで構成され、その場合、エアロゾル生成装置400に含まれたハードウェア構成は、本体に位置する。他の実施例において、エアロゾル生成装置400は、本体及びカートリッジを含むか本体及びカートリッジで構成され、エアロゾル生成装置400に含まれたハードウェア構成は、本体及びカートリッジに分けられて位置することができる。または、エアロゾル生成装置400に含まれたハードウェア構成のうち、少なくとも一部は、本体及びカートリッジそれぞれに位置することもできる。
【0060】
以下では、エアロゾル生成装置400に含まれた各構成の特定の位置を限定せず、各構成の動作について説明する。
【0061】
バッテリ410は、エアロゾル生成装置400の動作に用いられる電力を供給する。すなわち、バッテリ410は、ヒータ420が加熱されるように電力を供給することができる。また、バッテリ410は、エアロゾル生成装置400内に備えられた他のハードウェア構成、すなわち、センサ430、ユーザインターフェース440、メモリ450及び制御部460の動作に必要な電力を供給することができる。バッテリ410は、充電が可能なバッテリでも、使い捨てバッテリでもある。例えば、バッテリ410は、リチウムポリマー(LiPoly)バッテリでもあるが、それに制限されない。
【0062】
ヒータ420は、制御部460の制御によってバッテリ410から電力を供給される。ヒータ420は、バッテリ410から電力を供給されてエアロゾル生成装置400に挿入されたシガレットを加熱するか、エアロゾル生成装置400に装着されたカートリッジを加熱することができる。
【0063】
ヒータ420は、エアロゾル生成装置400の本体に位置することができる。または、エアロゾル生成装置400が本体及びカートリッジを含むか、あるいは本体及びカートリッジで構成される場合、ヒータ420は、カートリッジに位置することができる。ヒータ420がカートリッジに位置する場合、ヒータ420は、本体及びカートリッジのうち、少なくともいずれか1箇所に位置したバッテリ410から電力を供給されうる。
【0064】
ヒータ420は、任意の好適な電気抵抗性物質で形成されうる。例えば、好適な電気抵抗性物質は、チタン、ジルコニウム、タンタル、白金、ニッケル、コバルト、クロム、ハフニウム、ニオブ、モリブデン、タングステン、錫、ガリウム、マンガン、鉄、銅、ステンレス鋼、ニクロムなどを含む金属または金属合金でもあるが、それらに制限されない。また、ヒータ420は、金属熱線(wire)、導電性トラック(track)が配置された金属熱板(plate)、セラミック発熱体などによって具現されるが、それらに制限されない。
【0065】
一実施例において、ヒータ420は、カートリッジに含まれた構成でもある。カートリッジは、ヒータ420、液体伝達手段及び液体保存部を含んでもよい。液体保存部に収容されたエアロゾル生成物質は、液体伝達手段に移動して、ヒータ420は、液体伝達手段に吸収されたエアロゾル生成物質を加熱してエアロゾルを発生させうる。例えば、ヒータ420は、ニッケルクロムのような素材を含み、液体伝達手段に巻かれるか、液体伝達手段に隣接して配置されうる。
【0066】
一方、ヒータ420は、誘導加熱式ヒータでもある。ヒータ420は、シガレットまたはカートリッジを誘導加熱方式で加熱するための導電性コイルを含み、シガレットまたはカートリッジには、誘導加熱式ヒータによって加熱されうるサセプタが含まれる。
【0067】
エアロゾル生成装置400は、少なくとも1つのセンサ430を含んでもよい。少なくとも1つのセンサ430でセンシングされた結果は、制御部460に伝達され、センシング結果によって制御部460は、ヒータの動作制御、喫煙の制限、シガレット(または、カートリッジ)挿入有/無の判断、お知らせ表示のような多様な機能が行われるようにエアロゾル生成装置400を制御することができる。
【0068】
例えば、少なくとも1つのセンサ430は、パフ検知センサを含んでもよい。パフ検知センサは、温度変化、流量(flow)変化、電圧変化及び圧力変化のうち、いずれか1つに基づいてユーザのパフを検知することができる。
【0069】
また、少なくとも1つのセンサ430は、温度検知センサを含んでもよい。温度検知センサは、ヒータ420(または、エアロゾル生成物質)が加熱される温度を検知することができる。エアロゾル生成装置400は、ヒータ420の温度を検知する別途の温度検知センサを含むか、別途の温度検知センサを含む代わりにヒータ420自体が温度検知センサの役割を行うことができる。または、ヒータ420が温度検知センサの役割を行うと共に、エアロゾル生成装置400に別途の温度検知センサがさらに含まれる。
【0070】
また、少なくとも1つのセンサ430は、位置変化検知センサを含んでもよい。位置変化検知センサは、本体に対して移動自在に結合されたスライダの位置変化を検知することができる。
【0071】
ユーザインターフェース440は、ユーザにエアロゾル生成装置400の状態に係わる情報を提供することができる。ユーザインターフェース440は、視覚情報を出力するディスプレイまたはランプ、触覚情報を出力するモータ、音情報を出力するスピーカ、ユーザから入力された情報を受信するか、ユーザに情報を出力する入/出力(I/O)インターフェーシング手段(例えば、ボタンまたはタッチスクリーン)とデータ通信を行うか、充電電力を供給されるための端子、外部デバイスと無線通信(例えば、WI-FI(登録商標), WI-FI Direct(登録商標), Bluetooth(登録商標), NFC(Near-Field Communication)など)を行うための通信インターフェーシングモジュールなどの多様なインターフェーシング手段を含んでもよい。
【0072】
一実施例によれば、エアロゾル生成装置400には、多様なユーザインターフェーシング装置の前述した例示のうち、一部のみ取捨選択して具現されうる。
【0073】
メモリ450は、エアロゾル生成装置400内で処理される各種データを保存するハードウェアであって、メモリ450は、制御部460で処理されたデータ及び処理されるデータを保存することができる。メモリ450は、DRAM(dynamic random access memory), SRAM(static random access memory)のようなRAM(random access memory), ROM(read-only memory), EEPROM(electrically erasable programmable read-only memory)などの多様な種類によっても具現される。
【0074】
メモリ450には、エアロゾル生成装置400の動作時間、最大パフ回数、現在パフ回数、少なくとも1つの温度プロファイル及びユーザの喫煙パターンに係わるデータなどが保存されうる。
【0075】
制御部460は、エアロゾル生成装置400の全般的な動作を制御するハードウェアである。制御部460は、少なくとも1つのプロセッサを含む。プロセッサは、多数の論理ゲートのアレイによっても具現され、汎用的なマイクロプロセッサと該マイクロプロセッサで実行されるプログラムが保存されたメモリの組合わせによっても具現される。また、プロセッサが異なる形態のハードウェアによっても具現されることを、本実施例が属する技術分野で通常の知識を有する者であれば、理解できるであろう。
【0076】
制御部460は、少なくとも1つのセンサ430によってセンシングされた結果を分析し、後続して行われる処理を制御する。
【0077】
制御部460は、少なくとも1つのセンサ430によってセンシングされた結果に基づいて、ヒータ420の動作が開始または終了するようにヒータ420に供給される電力を制御することができる。また、制御部460は、少なくとも1つのセンサ430によってセンシングされた結果に基づいて、ヒータ420が所定の温度まで加熱されるか、適切な温度を保持するようにヒータ420に供給される電力の量及び電力が供給される時間を制御することができる。
【0078】
制御部460は、少なくとも1つのセンサ430によってセンシングされた結果に基づいて、ユーザインターフェース440を制御することができる。例えば、パフ検知センサを用いてパフ回数をカウントした後、パフ回数が既設定の回数に到逹すれば、制御部460は、ランプ、モータ及びスピーカのうち、少なくともいずれか1つを用いてユーザにエアロゾル生成装置400の動作がすぐ終了するということを予告することができる。
【0079】
一方、
図4には、図示されていないが、エアロゾル生成装置400は、別途のクレードルと共に、エアロゾル生成システムを構成することもできる。例えば、クレードルは、エアロゾル生成装置400のバッテリ410を充電するのに用いられる。例えば、エアロゾル生成装置400は、クレードル内部の収容空間に収容された状態で、クレードルのバッテリから電力を供給されてエアロゾル生成装置400のバッテリ410を充電することができる。
【0080】
図5は、一実施例によるエアロゾル生成装置の構成を示すブロック図である。
【0081】
図5を参照すれば、エアロゾル生成装置50は、本体51及びカートリッジ52を含んでもよい。
図5に図示された本体51及びカートリッジ52は、それぞれ
図1ないし
図3を参照して説明した本体10及びカートリッジ20に対応するので、重複説明は省略する。一方、本体51は、制御部510、フィードバックライン530、電力消耗部品540及びバッテリ550を含み、カートリッジ52は、ヒータ520を含んでもよい。一部構成要素が
図5に図示された本体51及びカートリッジ52に図示されている。但し、
図5に図示された構成要素以外の構成要素が本体51及びカートリッジ52にさらに含まれるということを、本実施例に係わる技術分野で通常の知識を有する者であれば、理解できるであろう。
【0082】
図5の制御部510、ヒータ520、及びバッテリ550は、それぞれ
図4の制御部460、ヒータ420及びバッテリ410に対応するため、重複説明は省略する。また、
図5の電力消耗部品540は、
図4のセンサ430、ユーザインターフェース440及びメモリ450のうち、少なくとも1つを含んでもよい。
【0083】
本体51は、着脱可能なカートリッジ52が挿入される収容空間を含んでもよい。本体51の収容空間にカートリッジ52が挿入される場合、本体51とカートリッジ52は、電気的に連結されうる。
【0084】
バッテリ550は、本体51に含まれる電力消耗部品540に電力を供給するために本体51内に備えられうる。バッテリ550は、本体51とカートリッジ52との間に形成される電気的な連結を通じてカートリッジ52に含まれる構成要素にも電力を供給することができる。例えば、バッテリ550は、カートリッジ52内のヒータ520に電力を供給することができる。
【0085】
フィードバックライン530は、カートリッジ52が本体51の収容空間に挿入されることにより、カートリッジ52内のヒータ520と本体51との間に形成される電気的な連結をフィードバックすることができる。例えば、フィードバックライン530は、カートリッジ52内のヒータ520と本体51とが電気的に連結されれば、フィードバック信号を制御部510に伝送することができる。フィードバックライン530は、電流を通じるようにする導体として、電気伝導率が高い物質を含んでもよい。例えば、フィードバックライン530は、導電性ワイヤ(conducting wire)に該当することができるが、必ずしもそれに制限されるものではない。フィードバックライン530から制御部510に伝送されるフィードバック信号は、電気信号または電流に該当することができる。
【0086】
制御部510は、エアロゾル生成装置50が出荷モードに設定された場合、フィードバックライン530を通じてフィードバック信号が受信されることにより、エアロゾル生成装置50のモードを使用モードに変更することができる。出荷モードとは、エアロゾル生成装置50を組み上げて出荷する過程でエアロゾル生成装置50内部のハードウェア部品をいずれも非活性化させることで、エアロゾル生成装置50の電力消耗を最小化するモードを意味することができる。制御部510は、エアロゾル生成装置50が出荷される以前に外部の入力によって出荷モードに設定されるようにプログラミングされうる。
【0087】
一方、フィードバックライン530を通じてフィードバック信号が受信されるということは、エアロゾル生成装置50が出荷された後、ユーザに伝達され、ユーザがエアロゾル生成装置50を用いて喫煙するために、カートリッジ52を本体51の収容空間に挿入したことを意味する。これは、着脱可能なカートリッジ52と共に使用されるエアロゾル生成装置50を用いて喫煙するためには、ユーザがカートリッジ52を本体51の収容空間に挿入する動作が必要であるからである。
【0088】
このように本発明の一実施例によるエアロゾル生成装置50は、ユーザがエアロゾル生成装置50を購入した後、使用するまでの過程で自然に伴う動作によって出荷モードが解除されるように、カートリッジ52が収容空間への挿入を検知してエアロゾル生成装置50のモードを出荷モードから使用モードに変更することができる。したがって、従来のエアロゾル生成装置のように、充電ケーブルをエアロゾル生成装置に連結するなどの煩わしい動作がさらに要求されないため、ユーザ便宜性が増大しうる。
【0089】
また、本発明の実施例によるエアロゾル生成装置50は、カートリッジ52が収容空間に挿入される時点から使用モードに切り換えられるため、エアロゾル生成装置50がパッケージングから除去された時点と、ユーザによって実際に使用される時点との遅延時間と関係なく、バッテリ550の電力消耗が最小化されうる。また、本発明の実施例によるエアロゾル生成装置50は、カートリッジ52が収容空間への挿入を検知するために別途のセンサを利用せず、フィードバックライン530を用いるので、カートリッジ52を検知するのに消耗する電力までも減少しうる。
【0090】
一方、制御部510は、電力消耗部品540に対する電圧または電流の供給を制御する少なくとも1つのロードロップアウトレギュレータ(Low-dropout regulator; LDO、図示せず)にイネーブル信号を印加することで、エアロゾル生成装置50のモードを使用モードに変更することができる。LDOは、バッテリ550から伝達する電力を用いて電力消耗部品540にレギュレーティングされた電圧/電流を提供するハードウェアを意味することができる。以下、
図6を参照して、エアロゾル生成装置50が少なくとも1つのLDOを用いてエアロゾル生成装置50のモードを変更する過程を詳細に説明する。
【0091】
図6は、一実施例によるエアロゾル生成装置内部の回路構造の例示を示す図面である。
【0092】
図6のMCU(Micro Controller Unit)610は、エアロゾル生成装置を制御するための専用プロセッサでもあり、
図4の制御部460または
図5の制御部510に対応しうる。また、
図6のヒータ620は、
図4のヒータ420または
図5のヒータ520に対応し、
図6のフィードバックライン630は、
図5のフィードバックライン530に対応しうる。
図6のバッテリ640も、
図4のバッテリ410または
図5のバッテリ550に対応しうる。したがって、前述した構成要素に係わる重複説明は省略する。
【0093】
MCU610は、最初に出荷モードで動作するようにプログラミングされてもいる。エアロゾル生成装置が出荷モードである場合、MCU610は、LDO650及びLDO660にイネーブル信号を印加しない。これにより、LDO650及びLDO660は、ディスエーブルされ、LDO650及びLDO660のうちの1つとそれぞれ連結された電力消耗部品とバッテリ640との電気的な連結を遮断することができる。LDO650及びLDO660それぞれと連結された電力消耗部品は、バッテリ640との電気的な連結が遮断されることにより、非活性化され、これにより、電力消耗部品による電力消耗が防止されうる。
【0094】
例えば、LDO650は、LDO650に連結された圧力センサ670及び温度センサ680とバッテリ640との電気的な連結を遮断することで、圧力センサ670及び温度センサ680を非活性化させうる。また、LDO660は、LDO660に連結された振動モータ690とバッテリ640との電気的な連結を遮断することで、振動モータ690を非活性化させうる。したがって、エアロゾル生成装置が出荷された後、ユーザに販売されて使用されるまでバッテリ640の電力消耗が最小化し、ユーザに販売されうる出荷目的地(例えば、商店)での在庫時間が増加しうる。
【0095】
一方、エアロゾル生成装置が、例えば、商店に出荷された後、ユーザに購入され、ユーザは、エアロゾル生成装置を用いて喫煙するために、カートリッジをエアロゾル生成装置の本体に挿入する。これにより、本体内のMCU610とカートリッジ内のヒータ620との電気的な連結が形成されうる。例えば、MCU610は、ヒータ620との電気的な連結が形成されることにより、フィードバックライン630を通じてフィードバック信号を受信することができる。MCU610は、フィードバックライン630を通じてフィードバック信号が受信されれば、LDO650及びLDO660にイネーブル信号を印加することができる。
【0096】
LDO650及びLDO660からのイネーブル信号によってイネーブルされることにより、LDO650及びLDO660それぞれと連結された電力消耗部品及びバッテリ640を電気的に連結することができる。LDO650及びLDO660それぞれと連結された電力消耗部品は、バッテリ640との電気的な連結が形成されることにより、活性化されうる。
【0097】
例えば、LDO650は、圧力センサ670及び温度センサ680をバッテリ640に電気的に連結することで、圧力センサ670及び温度センサ680を活性化させうる。また、LDO660は、振動モータ690をバッテリ640に電気的に連結することで、振動モータ690を活性化させうる。これにより、エアロゾル生成装置内の電力消耗部品である圧力センサ670、温度センサ680、及び振動モータ690は、外部入力に対して早く反応し、ユーザの喫煙に必要な動作が行える。
【0098】
一方、
図6では、説明の便宜上、エアロゾル生成装置に2個のLDOが含まれる例示について説明したが、エアロゾル生成装置には、2個より多いか、少ないLDOが含まれ、LDOそれぞれに連結される電力消耗部品の種類も、
図6について説明された例示と互いに異なってもいるということを、当該技術分野の通常の技術者であれば、容易に理解できるであろう。
【0099】
再び
図5に戻り、少なくとも1つのLDOは、エアロゾル生成装置50が出荷モードである場合、少なくとも1つのLDOと連結された電力消耗部品540及びバッテリ550間の電気的な連結を遮断することで、電力消耗部品540を非活性化させうる。また、少なくとも1つのLDOは、エアロゾル生成装置50が使用モードである場合、少なくとも1つのLDOと連結された電力消耗部品540をバッテリ550に電気的に連結することで、電力消耗部品540を活性化させうる。
【0100】
一方、制御部510は、エアロゾル生成装置50が使用モードに変更された後、フィードバックライン530を通じてフィードバック信号が受信されなくても、エアロゾル生成装置50のモードを使用モードに保持することができる。すなわち、制御部510は、一旦出荷モードから使用モードに切り換えられた後、別途のプログラミングが行われない限り、フィードバック信号が受信されたか否かと関係なく、使用モードを保持することができる。
【0101】
但し、エアロゾル生成装置50が使用モードである場合、フィードバックライン530を介したフィードバック信号の有無は、エアロゾル生成装置50装置の追加的な制御を行うか、ユーザ便宜性を増加させるために活用されうる。例えば、エアロゾル生成装置50が使用モードである場合、制御部510は、フィードバックライン530を通じてフィードバック信号が受信されていない状態から再受信されることにより、バッテリ550の残量情報をディスプレイすることができる。フィードバックライン530を通じてフィードバック信号が受信されないということは、カートリッジ52が本体51と分離されたということを意味し、フィードバックライン530を通じてフィードバック信号が再び受信されたということは、カートリッジ52または新たなカートリッジが本体51と結合されたということを意味する。
【0102】
このようにユーザがカートリッジ52または新たなカートリッジを本体51に結合する場合、エアロゾル生成装置50は、ユーザの使用意図を予想することができ、これに対応してユーザに係わる情報を提供することができる。一方、バッテリ550の残量情報は、例示に過ぎず、制御部510は、フィードバックライン530を通じてフィードバック信号が再受信される場合、本体51に挿入されたカートリッジ52の種類または残量に係わる情報、またはエアロゾル生成装置50に含まれる各構成要素の状態に係わる情報を提供することができる。また、制御部510がユーザに情報を提供する方式は、ディスプレイを用いる方式に制限されず、モータ、スピーカ、またはその他の出力インターフェーシング手段などを用いる方式でもある。
【0103】
一方、使用モードは、電力消耗部品540のうち、少なくとも一部を活性化された状態に保持するスリープモード(sleep mode)、及び電力消耗部品540のうち、少なくとも一部またはヒータ520を用いて既設定の動作を行う動作モード(operation mode)を含んでもよい。スリープモードは、出荷モードよりも電力消耗は、多少高いが、電力消耗部品540の活性化によって外部の入力に対する反応性が高いモードに該当する。動作モードは、予熱モード及び加熱モードを含んでもよい。一例において、制御部510は、エアロゾル生成装置50に対するユーザ入力を受信した後、ヒータ520の動作を開始するために、ヒータ520のモードを予熱モードに設定することができる。また、制御部510は、パフ検知センサを用いてユーザのパフを検知した後、ヒータ520のモードを予熱モードから加熱モードに切換えられる。
【0104】
図7は、一実施例によるMCUの制御アルゴリズムを説明するための図面である。
【0105】
図7を参照すれば、本発明の一実施例によるエアロゾル生成装置に含まれるMCUの制御アルゴリズムが図示されている。MCUは、
図4の制御部460、
図5の制御部510または
図6のMCU610に対応するので、重複説明は省略する。
【0106】
MCUは、エアロゾル生成装置が出荷される以前にプログラミングを通じて出荷モードに設定されうる(710)。MCUが出荷モードに設定されれば(710)、LDOは、ディスエーブルされ、これにより、エアロゾル生成装置内の電力消耗部品とバッテリ間の電気的な連結が遮断されうる。電力消耗部品とバッテリ間の電気的な連結が遮断されれば、電力消耗部品は、非活性化され、これにより、バッテリの電力消耗が最小化されうる。
【0107】
一方、MCUが出荷モードに設定された後、最初にカートリッジ結合が認識されれば(720)、MCUは、使用モードに変更されうる(730)。MCUが使用モードに変更されれば(730)、LDOがイネーブルされ、これにより、エアロゾル生成装置内の電力消耗部品とバッテリが電気的に連結されうる。電力消耗部品とバッテリが電気的に連結されれば、電力消耗部品は、活性化され、これにより、電力消耗部品は、反応性を有することができる。
【0108】
MCUが使用モードに変更された後、カートリッジ結合が再認識されれば(740)、MCUは、使用モードを保持することができる(750)。使用モードは、スリープモード及び動作モードを含むため、MCUは、スリープモード及び動作モードのうちの1つで動作することができる。スリープモード及び動作モードのいずれもで、LDOは、イネーブルされた状態でもある。また、MCUは、使用モードの状態でカートリッジ結合が認識されれば(740)、エアロゾル生成装置の構成要素のうち、少なくとも一部に係わる情報をユーザに提供することもできる。
【0109】
図8は、一実施例によるエアロゾル生成装置の動作方法を示すフローチャートである。
【0110】
図8を参照すれば、エアロゾル生成装置の動作方法は、
図1ないし
図6に図示されたエアロゾル生成装置5、エアロゾル生成装置400またはエアロゾル生成装置50で時系列的に処理される段階で構成される。したがって、以下で省略された内容であるとしても、
図1ないし
図6のエアロゾル生成装置5、エアロゾル生成装置400またはエアロゾル生成装置50について前述した内容は、
図8のエアロゾル生成装置の動作方法にも適用されることが分かる。
【0111】
段階810において、エアロゾル生成装置は、エアロゾル生成装置のモードを出荷モードに設定することができる。エアロゾル生成装置は、ユーザに販売される前に出荷される過程で外部の入力によってプログラミングされることにより、出荷モードに設定されうる。
【0112】
段階820において、エアロゾル生成装置は、カートリッジが本体の収容空間に結合されることにより、カートリッジ内のヒータと本体との間に形成される電気的な連結をフィードバックするフィードバックラインを通じて伝達される信号を受信することができる。フィードバックラインを通じて信号が受信されるということは、エアロゾル生成装置が出荷された後、ユーザに獲得され(例えば、ユーザに販売され)、ユーザがエアロゾル生成装置を用いて喫煙するために、カートリッジを本体の収容空間に挿入したことを意味することができる。
【0113】
段階830において、エアロゾル生成装置は、エアロゾル生成装置のモードを使用モードに変更することができる。エアロゾル生成装置は、ユーザがエアロゾル生成装置を用いて喫煙するために、カートリッジを本体の収容空間に挿入したことを検知することにより、エアロゾル生成装置のモードを使用モードに変更することができる。このように、本発明の一実施例によるエアロゾル生成装置は、出荷された後、ユーザが実際エアロゾル生成装置を用いて喫煙するまで出荷モードを保持することができるため、電力消耗が最小化されうる。また、本発明の一実施例によるエアロゾル生成装置は、カートリッジが本体の収容空間への挿入を検知するために、別途のセンサを利用せず、フィードバックラインを用いるので、カートリッジが収容空間に挿入されることを検知するのに消耗する電力までも減少しうる。
【0114】
一実施例は、コンピュータによって実行されるプログラムモジュールのようなコンピュータによって実行可能な命令語を含む記録媒体の形態にも具現されうる。コンピュータ可読媒体は、コンピュータによってアクセスされうる任意の可用媒体でもあり、揮発性及び不揮発性媒体、分離型及び非分離型媒体をいずれも含む。また、コンピュータ可読媒体は、コンピュータ記録媒体及び通信媒体をいずれも含んでもよい。コンピュータ記録媒体は、コンピュータ可読命令語、データ構造、プログラムモジュール、またはその他データのような情報の保存のための任意の方法または技術によって具現された揮発性及び不揮発性、分離型及び非分離型媒体をいずれも含む。通信媒体は、典型的にコンピュータ可読命令語、データ構造、プログラムモジュールのような変調されたデータ信号のその他データ、またはその他伝送メカニズムを含み、任意の情報伝達媒体を含む。
【0115】
上述した実施例は、本発明の例示的な実施例に過ぎず、当該技術分野で通常の知識を有する者であれば、それにより多様な変形及び均等な他の実施例が可能であるという点を理解できるであろう。
【国際調査報告】