(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-03-30
(54)【発明の名称】水から廃棄物を収集するための装置および装置のための分離装置
(51)【国際特許分類】
B01D 43/00 20060101AFI20220323BHJP
C02F 1/40 20060101ALI20220323BHJP
E02B 15/10 20060101ALI20220323BHJP
【FI】
B01D43/00 Z
C02F1/40 B
C02F1/40 A
E02B15/10 A
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021546861
(86)(22)【出願日】2020-02-06
(85)【翻訳文提出日】2021-08-10
(86)【国際出願番号】 FI2020000004
(87)【国際公開番号】W WO2020161381
(87)【国際公開日】2020-08-13
(32)【優先日】2019-02-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】FI
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】521354064
【氏名又は名称】クレワット オーイー
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】特許業務法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ミュッリュコスキ、ヨハンネス
【テーマコード(参考)】
2D025
4D051
【Fターム(参考)】
2D025BA21
4D051AA01
4D051AA06
4D051AB07
4D051BA02
4D051DB11
4D051DD11
(57)【要約】
本発明は、水面上または水面付近に浮遊する廃棄物を収集するための装置のための分離装置(113)である。分離装置は、第1の水盤(111)と分離手段(113)とを含む。廃水を含む水は移送装置(104)、例えば、パイプによって第1の水盤に導かれる。装置は移送装置から来る水が速度勾配を有するように、すなわち、移送装置の断面が、水流の速度が異なる領域を有するように構成される。水の最も速い速度成分は、最も高い廃棄物濃度を有する。第1の水盤および分離手段は水が第1の水盤に到達すると、廃棄物の大部分が分離手段に到達し、第1の水盤の壁を詰まらせないように構成される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
海または類似の大水域の表面上またはその近くに浮遊する油、プラスチックまたは類似の廃棄物を収集するための装置(100; 200)のための分離装置(105; 205)であって、前記装置は前記水および前記廃棄物を収集するための収集装置(103)と、収集された前記水および前記廃棄物を前記分離装置に移送するための移送装置(104)とを備え、前記分離装置は第1の水盤(111)および分離手段(113; 218)を備え、前記移送装置は前記第1の水盤に接続され、前記分離手段は前記第1の水盤から前記水から前記廃棄物の少なくとも一部を分離するように構成され、前記移送装置は前記第1の水盤内に開口(112)を有し、前記移送装置は前記収集装置に接続された鉛直の吸引パイプ(107)と、前記吸引パイプに接続されたベースパイプ(104)と、前記装置の使用中に前記水の噴流を前記ベースパイプに押し込むための圧力パイプ(106)とを備え、前記ベースパイプは前記収集装置(103)の下方から開口(112)まで延在するように構成され、前記圧力パイプは前記ベースパイプ内を移動する水が速度勾配を有し、前記開口から前記第1の水盤に来る前記水が前記分離手段に向けられ、前記第1の水盤の幅が前記開口の直径の少なくとも3倍以上であり、前記分離手段が第1の端部(115)および第2の端部(116; 216)を有し、前記分離手段の前記第1の端部が前記分離手段の前記第2の端部よりも前記開口に近く、前記開口と前記分離手段の前記第1の端部との間の距離が前記分離手段の前記第1の端部における前記水の最も速い速度成分が、装置が使用されているときの前記開口における前記水の最も速い速度成分の50%以下であるように、前記ベースパイプ内の前記水の噴流を前記ベースパイプの中心に向けるように構成されることを特徴とする分離装置。
【請求項2】
前記分離手段の前記開口(112)と前記第1の端部(115)との間の間隔は、前記分離手段の前記第1の端部における前記水の最高速度成分が前記開口における水の最高速度成分の10%~50%であることを特徴とする請求項1に記載の分離装置(105; 205)。
【請求項3】
前記開口(112)における前記水の速度勾配が、前記水の最速成分と前記水の最遅成分との差が15%以上であることを特徴とする請求項1または2に記載の分離装置(105; 205)。
【請求項4】
前記第1の水盤(111)は前記装置(100; 200)が使用されているときに、前記開口(112)の上縁が前記第1の水盤の水線の下にあるように充填されるように構成されていることを特徴とする、請求項1~3のいずれか1項に記載の分離装置(105; 205)。
【請求項5】
前記第1の水盤(111)および前記開口(112)は、前記開口の下縁が前記開口の直径の少なくとも半分であるか、または前記開口の近くの前記第1の水盤の底部の上方にあるように構成されることを特徴とする、請求項1~4のいずれか1項に記載の分離装置(105; 205)。
【請求項6】
前記開口(112)と前記分離手段の前記第1の端部(115)との間の第1の水盤(111)の底部および側壁が、前記開口における前記水の最高速度成分の向きに平行であることを特徴とする、請求項1~5のいずれか1項に記載の分離装置(105; 205)。
【請求項7】
前記分離手段(113; 218)が固体廃棄物を分離するためのコンベヤベルト装置(218)を含み、前記コンベヤベルト装置が、分離された前記固体廃棄物を1つ以上の容器に移動させるように構成されることを特徴とする、請求項1~6のいずれか1項に記載の分離装置(105; 205)。
【請求項8】
前記コンベヤベルト配置(218)は第1のコンベヤベルト及び第2のコンベヤベルトを備え、前記第2のコンベヤベルトは前記第1のコンベヤベルトの内側にあることを特徴とする、請求項7に記載の分離配置(105; 205)。
【請求項9】
前記第1のコンベヤベルトおよび前記第2のコンベヤベルトは穴を有し、前記第1のコンベヤベルトは1cmの最小直径を有する廃棄粒子を搬送するように構成され、前記第2のコンベヤベルトは500pmの最小直径を有する廃棄粒子を搬送するように構成されることを特徴とする、請求項8に記載の分離装置(105; 205)。
【請求項10】
前記コンベヤベルト配置(218)は、空気ブロワシステムを備え、前記空気ブロワシステムは前記第2のコンベヤベルト上を吹き飛ばし、前記第2のコンベヤベルトによって運ばれる廃棄粒子を緩めるように構成されることを特徴とする、請求項9に記載の分離配置(105; 205)。
【請求項11】
前記分離手段(113; 218)は油分離装置を備え、前記油分離装置は前記水の表面から油を持ち上げるための2つ以上のせき装置を備え、前記せき装置は前記分離装置の底部に取り付けられ、前記せき装置は前記分離装置において前記水流方向に対して横断的であり、前記せき装置が使用されているとき、前記せき装置の少なくとも一部は水中にあり、前記分離装置はさらに、第2の水盤(1、14; 214)を備え、前記第2の水盤は前記油分離装置が分離した前記油を貯留するように構成されることを特徴とする、請求項1~10のいずれか1項に記載の分離装置(105; 205)。
【請求項12】
前記せき装置の傾斜、または前記せき装置の上縁部の水面からの距離、またはその両方が、前記油の特性に適合するように調整可能であることを特徴とする、請求項11に記載の分離装置(105; 205)。
【請求項13】
前記分離装置は、前記装置が使用されているときに前記コンベヤベルト装置が前記水の上にあるように前記コンベヤベルト装置(218)を持ち上げるための持ち上げ装置を備えることを特徴とする、請求項7~12のいずれか1項に記載の分離装置(105; 205)。
【請求項14】
海または類似の大水域の表面上またはその近くに浮遊する油、プラスチックまたは類似の廃棄物を収集するための装置(100; 200)であって、前記装置は、前記水および前記廃棄物を収集するための収集装置(103)、分離装置(105; 205)、および収集された前記水および前記廃棄物を前記分離装置に移送するための移送装置(104)をさらに備え、前記分離装置は請求項1に記載のものであることを特徴とする装置。
【請求項15】
ベースパイプが真っ直であり、前記水の噴流の方向が前記ベースパイプの長手方向軸に平行であることを特徴とする、請求項14に記載の装置(100; 200)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は海面または同様の大きな水域上またはその近傍に浮遊する油、プラスチックまたは同様の廃棄物を収集するための装置の分離装置に関し、装置は水および廃棄物を収集するための収集装置と、収集された水および廃棄物を分離装置に移送するための移送装置とをさらに備え、分離装置は第1の水盤および分離手段を備え、移送装置は第1の水盤に接続され、分離手段は廃棄物の少なくとも一部を第1の水盤から分離するように構成される。本発明は、分離装置を組み込んだ装置にも関する。
【背景技術】
【0002】
プラスチック廃棄物が海に集まり、多くの有害な結果をもたらすことは、現在では周知の事実である。プラスチックおよび他の形態の固体廃棄物を除去するための多くのシステムが提案されている。
【0003】
水上に浮遊する固形廃棄物を洗浄するための公知のシステムは水中収集バスケットを組み込んだボートのシステムであり、その結果、ボートが前方に移動することにつれて、固形廃棄物がバスケットに入り、次いで、バスケットは、特定の間隔でボート上に持ち上げられ、その後、陸上に処分される。このシステムは2つの基本的な欠点を特徴とし、そのうちの1つは、バスケットの空にすることが手動で行われなければならないという事実であり、その重量のために、バスケットの取り外しおよびボート上でのその保管が問題となり、かなりの物理的労力を必要とする。他方、問題のバスケットは固体廃棄物がバスケットに入る大きなオリフィスを備えているが、同様に、波の影響により、前述のように廃棄物は定期的に収集されるだけであるため、前記廃棄物は収集される前にバスケットから出ることができる。
【0004】
同様に、水の表面から油または同様の液体を収集することも問題である。海上における油の流出を洗浄するためのよく知られたシステムは、オイルブームと回転ブラシから成るシステムである。ブームは表面に浮いた油を案内して漏斗にかけ、ブラシは油を回収容器に持ち上げる。しかしながら、このシステムは非常に非効率的であり、最悪の場合、除去するのに問題のある小さな液滴(油-水エマルジョン)に油スリックを分解する。
【0005】
特許公報US5047156は、多数の油分離タンクと、油、デブリ及び他の汚染物質を分離タンクに排出するために海水からスキミングするための調整可能な高さの堰を有する船首開口部とを有する油回収容器を開示している。しかしながら、このシステムは、非常に扱いにくく、調整が困難である。また、スケールダウンすることは、不可能ではないにしても、非常に困難である。
【0006】
水及び廃棄物、液体又は固体を分離するための多くの種類の機械的分離装置がある。これらの構成は、通常、タンク及び堰、並びに廃棄物を収集するような構造を含む。これらの構造は、水が流れなければならず、また、水が含む廃棄物の種類および水に含まれる廃棄物の量に応じて、流れの速度を調整しなければならないという共通点を有する。しかしながら、この流れは、制御するのが非常に困難である。多くの装置は最初に、例えば、水の表面上のブームまたはスプレッドバーを使用して、広い領域から汚染された水を集め、この集められた水は、分離装置を使用して洗浄される。従って、集められた水は多くの廃棄物を含み、その結果、分離装置に詰まり又は障害物が形成される。障害物は装置を停止させる可能性があり、手動で洗浄しなければならない。また、分離装置内の廃棄物は廃棄物が水から分離される前に、すなわち汚染された水が洗浄プロセスで移動される前に、分離装置の壁に付着することがある。
【0007】
地表またはその近くに浮遊するあらゆる種類の廃棄物を収集し、容易に目詰まりしない、海のような水域で使用するための廃棄物収集装置が明らかに必要とされている。
【発明の概要】
【0008】
本発明の目的は、従来技術の不利益および欠点を大幅に低減することができる解決策である。特に、本発明の目的は固体廃棄物と液体廃棄物の両方を分離することができ、詰まらない洗浄装置のための分離装置が提供される解決策である。
【0009】
本発明の目的は、独立請求項に記載されていることを特徴とする分離装置によって達成される。本発明のいくつかの有利な実施形態は、従属請求項に開示されている。
【0010】
本発明は、水面上または水面付近に浮遊する廃棄物を収集するための装置のための分離装置である。分離装置は、第1の水盤と分離手段とを含む。水を含む廃棄物は、例えばパイプのような移送装置によって第1の水盤に導かれる。装置は移送装置から来る水が速度勾配を有するように、すなわち、移送装置の断面が、水流の速度が異なる領域を有するように構成される。水の最も速い速度成分は、最も高い廃棄物濃度を有する。第1の水盤および分離手段は水が第1の水盤に流入するときに、廃棄物の大部分が分離手段に到達し、第1の水盤の壁に対して詰まらないように構成される。
【0011】
本文において、上方または下方部分、またはそれぞれの方向(例えば、下方または上方)を参照する場合、本発明によるデバイスが使用されている状況が記載される。また、垂直方向または水平方向または表面を参照する場合、装置は同様に配置される。
【0012】
本発明の一実施形態は海または同様の大きな水域の表面上またはその近くに浮遊する油、プラスチックまたは同様の廃棄物を収集するための装置のための分離装置であり、この装置は水および廃棄物を収集するための収集装置と、収集された水および廃棄物を分離装置に移送するための移送装置とを備え、分離装置は第1の水盤および分離手段を備える。移送装置は第1の水盤に接続され、分離手段は第1の水盤からの水から廃棄物の少なくとも一部を分離するように構成される。本発明の1つの有利な実施形態では装置が、移送装置内の移動水が速度勾配を有するように構成され、移送装置は第1の水盤内に開口を有する。移送装置から開口を通って第1の水盤に流入する水は、分離手段に向けられる。第1の水盤の幅は、開口の直径の少なくとも3倍以上である。分離手段は第1の端部および第2の端部を有し、分離手段の第1の端部は、分離装置の第2の端部よりも開口に近い。開口と分離手段の第1の端部との間の間隔は、分離手段の第1の端部における水の最高速度成分が、装置が使用されているときの開口における水の最高速度成分よりも50%以下であるような間隔である。本発明者は移送配置において速度勾配を有することが、廃棄物をより速い水流に濃縮することを見出した。第1の水盤で速度が低下すると、廃棄物は表面で上昇する。大部分の廃棄物を含む流れ部分は分離手段に向けられるので、第1の水盤の壁に詰まる廃棄物の量は著しく減少する。
【0013】
分離装置の一実施形態では、開口と分離手段の第1の端部との間の間隔が分離手段の第1の端部における水の最高速度成分が開口における水の最高速度成分の10%~50%であるような間隔である。本発明者は、廃棄物を含有する水流の速度が過度に低下してはならないことを発見した。
【0014】
分離装置の第2の実施形態では、開口における水の速度勾配が水の最速成分と水の最遅速度成分との差が15%以上であるようなものである。本発明者は、勾配がより小さい場合、廃棄物の濃度が崩壊することを発見した。
【0015】
分離装置の第3の実施形態では、第1の水盤および開口が、装置が使用されているときに、開口の上縁が第1の水盤の水線よりも下になるように構成される。この特徴は、開口付近で乱流が発生する可能性を減少させる。
【0016】
分離装置の第4の実施形態では、第1の水盤および開口が開口の下縁が開口の直径の少なくとも半分であるか、または開口の近くの第1の水盤の底部の上方にあるように構成される。本発明者は、いくつかの場合において、底部を開口に近づけると、廃棄物流が下方に湾曲し得ることを発見した。
【0017】
分離装置の第5の実施形態では、開口と分離手段の第1の端部との間の第1の水盤の底部および側壁が開口における水の最高速度成分の向きに平行である。この特徴はより滑らかな流れパターンを可能にし、したがって、分離手段に向かう廃棄物の流れを改善する。
【0018】
分離装置の第6の実施形態では、分離手段が固体廃棄物を分離するためのコンベヤベルト装置を備え、コンベヤベルト装置は分離された固体廃棄物を1つまたは複数の容器に移動させるように構成される。分離装置の第7の実施形態ではコンベヤベルト装置が第1のコンベヤベルトと第2のコンベヤベルトとを備え、第2のコンベヤベルトは第1のコンベヤベルトの内側にある。分離装置の第8の実施形態では、第1のコンベヤベルトおよび第2のコンベヤベルトは穴を有し、第1のコンベヤベルトは最小直径1cmの廃棄物粒子を運搬するように構成され、第2のコンベヤベルトは最小直径500pmの廃棄物粒子を運搬するように構成される。分離装置の第9の実施形態では、コンベヤベルト装置が空気送風システムを備え、空気送風システムは第2のコンベヤベルト上を送風し、第2のコンベヤベルトによって運ばれる廃棄粒子を緩めるように構成される。コンベヤベルトは、固体廃棄物粒子を捕捉するのに有効であることが見出されている。もちろん、液体廃棄物の分離にも用いることができる。
【0019】
分離装置の第10の実施形態では分離手段が油分離装置を含み、油分離装置は水面から油を持ち上げるための2つ以上の堰装置を含み、堰装置は分離装置の底部に取り付けられ、堰装置は分離装置内の水流の方向に対して横方向であり、堰装置の少なくとも一部は装置が使用されているときに浸漬され、分離装置は第2の水盤をさらに含み、第2の水盤は油分離装置が分離した油を貯蔵するように構成される。分離装置の第11の実施形態では、堰装置の傾斜、または堰装置の上縁部の水面からの距離、またはその両方は油の特性に応じて調整可能である。
【0020】
分離装置の第12の実施形態では、分離装置が、装置が使用されているときに、コンベアベルト装置が水より上になるように、コンベアベルト装置を持ち上げるためのリフティング装置を含む。この特徴は、装置が液体廃棄物と固体廃棄物の両方を収集するために使用されることを可能にする。また、両方の種類の廃棄物を同時に収集することができる。
【0021】
本発明の一実施形態は海または同様の大きな水域の表面上またはその近くに浮遊する油、プラスチックまたは同様の廃棄物を収集するための装置であり、この装置は、水および廃棄物を収集するための収集装置と、分離装置と、収集された水および廃棄物を分離装置に移送するための移送装置とをさらに備える。本発明の1つの有利な実施形態では、装置が前の実施形態で説明した分離構成を有する。
【0022】
本装置の一実施形態では、移送装置が収集装置の下から開口まで延在するベースパイプを含み、ベースパイプは直線状であり、本装置が使用されているときにベースパイプに水の噴射を強制的に押し込むための圧力パイプがあり、水の噴射の方向はベースパイプの縦軸に平行である。この特徴は、移送装置における乱流を最小化する。
【0023】
本発明の利点は、収集された廃棄物の詰まりが著しく低減される分離装置を提供することである。したがって、このような分離装置を使用する装置は、公知の装置よりも効率的である。
【0024】
本発明はまた、使用が容易であり、固体および液体廃棄物の両方の収集および両方の組み合わせに適した装置を可能にする。また、複雑な部品を持たない装置を製造するので、公知の技術による装置よりも製造及び保守が容易である。
【0025】
本発明の1つの利点は液体廃棄物を収集するのに非常に効率的であり、水および液体廃棄物の混合を防止する(乳化プロセス)ことである。また、装置は、容易かつ迅速に組み立て、分解することができる。この装置は、固体廃棄物と液体廃棄物の両方を収集するのにも適している。その構造により、浅海での使用が可能になる。
【0026】
本発明のさらなる利点は、異なる状況に対して容易に最適化できることである。そのスケーラビリティは良好である。
【0027】
本発明はまた、容易に詰まらない装置を提供する。これは、藻類が豊富な水中で使用できるという手段である。このような水は、通常、洗浄するのに非常に問題があった。
【0028】
以下、本発明を詳細に説明する。説明は添付の図面を参照する。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【発明を実施するための形態】
【0030】
以下の説明における実施形態は例としてのみ与えられ、当業者は説明に記載されたもの以外の何らかの方法で本発明の基本的な概念を実行することもできる。説明はいくつかの場所で1つまたは複数の特定の実施形態を参照することができるが、これは参照が1つの説明された実施形態のみに向けられること、または説明された特性が1つの説明された実施形態のみで使用可能であることを意味しない。2つ以上の実施形態の個々の特徴を組み合わせることができ、したがって、本発明の新しい実施形態を提供することができる。
【0031】
図1は、海または同様の大きな水域の表面上またはその近くに浮遊する油、プラスチックまたは同様の廃棄物を収集するための装置100の実施形態を示す。
図1Aは、装置の概要を示す。
図1Bは、上方からの装置を示す。
図1Cは、側面からの装置を示す。これらの図に示された装置の構造は、明確にするために簡略化されている。
【0032】
この例では、装置100が第1の端部101と第2の端部102とを有する細長い構造である。この装置は、この例では漏斗構造103である収集装置と、この例ではベースパイプ104を含む移送装置とを含む。装置は、分離装置105と、圧力パイプ106と、吸入パイプ107とをさらに備える。漏斗構造は装置の第1の端部にあり、分離装置は、装置の第2の端部または装置の中間部分にある。漏斗構造は水および廃棄物を収集し、それらは、分離装置において分離される。廃棄物は貯蔵され、清浄化された水は、ほとんどの場合、海中に放出される。装置は容器上または2つ以上の容器上に配置されるように構成され、すなわち、装置の部品は、別々の場所に実装することができる。漏斗構造の近くで地表水を含む廃棄物を案内するために、ブームまたは同様の構造が存在し得る。
【0033】
分離装置105は、廃棄物を含む水をベースパイプ104から受け取るように設計されている。さらに、それは、流れ勾配がある、すなわち、水の速度がベースパイプの長手方向中心軸から異なる距離で異なる、ベースパイプから水流を受け取るように設計される。有利には、ベースパイプ104の中央の水の速度がベースパイプの壁付近の水の速度よりも大きい。廃棄物の大部分は、水の最も速い速度成分、すなわちベースパイプの中央に濃縮される。これは、収集装置の設計によって達成される。いくつかの実施形態では、装置の第1の端部101の方向から装置の第2の端部102の方向への分離装置において水の安定した流れを維持するための配置が存在することができる。この配置は、ポンプまたは同様のものであり得る。
【0034】
分離装置105は、第1の水盤111、分離手段113、および第2の水盤114を含む。第1の水盤は、側壁および底部を有する。装置100が使用されているとき、第1の水盤は、少なくとも部分的に水で満たされている。分離手段は、分離手段の第1の端部115と、分離手段の第2の端部116とを有する。分離手段の第1の端部は装置の第1の端部101に向かい、分離手段の第2の端部は装置の第2の端部102に向かう。この移送装置、すなわちベースパイプ104は、第1の水盤111に開口112を有する。第1の水盤は収集された水および廃棄物で満たされ、分離手段は廃棄物またはその大部分を水から分離するように構成される。一実施形態では、第1の水盤及び開口が、装置が使用されているときに、開口の上端が第1の水盤の喫水線よりも下になるように構成される。ベースパイプは第1の水盤内に延在することができ、または開口は、分離手段の第1の端部115に対向する壁面内にあることができる。
【0035】
漏斗構造103によって集められた水および廃棄物は、開口112から第1の槽111に排出される。ベースパイプ104および開口は、放出された水および廃棄物が分離手段の第1の端部115に向けられるように構成される。排出された水と廃棄物の組み合わせは、最初の流域に達すると減速する。濃縮廃棄物を含むウォータージェットの部分は、ウォータージェットの他の部分よりも遅く減速する。これにより、廃棄物は分離手段の第1の端部115に到達し、第1の水盤の側壁付近を移動しない。これにより、分離手段は、開口112から来る廃棄物の大部分を直接的に受け取ることができる。開口と分離手段の第1の端部との間の間隔は、分離手段の第1の端部における水の最高速度成分が開口における水の最高速度成分の50%以下であるような間隔である。減速が十分でない場合、浸漬された廃棄物粒子は、上方に立ち上がるのに十分な時間を与えられず、分離配置105の効率は最適でない場合がある。これはベースパイプ内の水圧を調整することによって、すなわち最高速度を制御することによって、さらに最適化することができ、またはいくつかの実施形態ではベースパイプ104が開口と分離手段の第1の端部との間の間隔を変更することができるように、移動または調整することができる。これらの適用可能な変化は廃棄物の特性、例えば、量およびその組成、ならびに速度流勾配に依存する。いくつかの実施態様において、開口と分離手段の第1の端部との距離を調整する際に、ベース配管の移動配置がある。例えば、開口と分離手段との間の距離を延長または短縮するために、第1の水盤内にあるベースパイプの部分に伸縮自在の配置を設けることができる。もちろん、ベースパイプは、装置100が使用のために準備されるときに手動で取り付け又は取り外すことができる延長部分を有することができる。
【0036】
実験として、本発明者は流れ勾配差、すなわち、開口112における最も遅い流れ成分と最も速い流れ成分の速度差は、少なくとも15%以上異なるべきであることを見出した。速度差がそれより小さい場合、廃棄物はより大きな程度に分配されるため、目詰まりの確率が増加する。
【0037】
いくつかの実施形態では、開口112と分離手段の第1の端部115との間の第1の水盤111の底部および側壁が開口における水の最高速度成分の向きと平行である。この特徴により、目詰まりの確率が低下する。
【0038】
分離手段113は、固形廃棄物または液状廃棄物、あるいはその両方を分離するように構成することができる。固形廃棄物を分離するために、分離手段は、コンベアベルト装置を含むことができる。コンベアベルト装置は第1の水盤111から、装置100の第2の端部102の近くに配置された1つまたは複数の容器に廃棄粒子を運ぶように構成されている。油のような廃液を分離するために、分離手段は油分離装置を含む。油分離装置は、水面から油を持ち上げるための2つ以上の堰装置を含む。堰装置は、分離装置105の底部又は壁に固定された板状の構成である。堰装置の位置は調整可能である。堰装置は、油を水面に案内する。水と油は、装置の第2の端部102に向かってドリフトする。油は、それが除去され得る場所から第2の水盤114内に蓄積する。いくつかの実施形態では、コンベアベルト装置は、廃棄物が専ら又は大部分が油のような液体を含む場合、コンベアベルト装置が水より上になるように持ち上げることができる。いくつかの実施形態では、コンベヤベルト装置が油をはじく材料から製造されるか、またはその材料でコーティングされる。
【0039】
いくつかの実施形態ではコンベヤベルト装置が第1のコンベヤベルトと第2のコンベヤベルトとを備え、第2のコンベヤベルトは第1のコンベヤベルトの内側にある。第1のコンベヤベルト及び第2のコンベヤベルトは穴を有し、第1のコンベヤベルトは最小直径1cmの廃棄物粒子を運搬するように構成され、第2のコンベヤベルトは最小直径500pmの廃棄物粒子を運搬するように構成される。これは、第1のコンベヤベルトの孔の最小径は1cmであり、第2のコンベヤベルトの孔の最小径は500pmであるという手段である。もちろん、孔の大きさは異なっていてもよい。いくつかの実施形態では、コンベヤベルト装置が空気送風システムを備え、空気送風システムは第2のコンベヤベルトの上または中を送風し、第2のコンベヤベルトによって運ばれる廃粒子を緩めるように構成される。また、エアブローシステムは、コンベヤベルトまたはベルトからのオイルを緩めることができる。
【0040】
水含有廃棄物を分離装置105に供給するために、ベースパイプ104内に流れ勾配(すなわち、速度勾配)を生成するための装置のいくつかの実施形態を以下に説明する。
【0041】
装置100の第1の端部101には、漏斗構造103(すなわち、収集装置)がある。漏斗構造は、漏斗縁部108、漏斗表面109、底部114、および底部の穴110を含む。上から見た漏斗構造は、漏斗状の直径を有する円形構造である。漏斗表面は漏斗構造の中心点に向かって傾斜し、すなわち、装置が使用されているとき、漏斗構造の中心は、漏斗縁部よりも水面の下にさらに進む。漏斗構造は、下方に狭くなる円錐である。底部は、漏斗構造の最下部である。穴は、底部の漏斗状の中心にある。漏斗縁部は装置が使用されているときに、少なくとも部分的に表面の下にあるように構成される。いくつかの実施形態では、漏斗縁部に案内装置またはそのようなものがある。漏斗縁部が水中にあるとき、水およびそれに含まれる廃棄物は漏斗構造の縁部を通過し、漏斗状の中心およびそこに位置する穴に向かって渦を巻く。いくつかの実施形態では、漏斗構造の縁部の周りにいくつかのカラー構造がある。これらのカラー構造は、漏斗縁部108の近くで容易な波動および水の移動を可能にするように構成される。
【0042】
いくつかの実施形態では、漏斗表面109の傾斜が水平面から5~20度である。本発明者は、勾配が緩やかすぎると、漏斗構造および穴110への水の流れが遅すぎて、廃棄物の収集も遅くなることを見出した。しかし、勾配が急すぎると、水流が孔110の上方に渦を形成し、孔を通って吸入パイプ107への水および廃棄物の流れが遅くなる可能性がある。
【0043】
漏斗縁部の少なくとも一部の水面下の距離は、装置が使用されているとき、2cmと10cmとの間である。いくつかの実施形態では、距離は一定である。いくつかの実施形態では、漏斗構造103が装置の使用時に、水域の表面に対する漏斗縁部108の位置を調整するための調整装置を備える。
【0044】
吸入パイプ107は垂直であり、漏斗構造からの水が吸入パイプに流入できるように孔110に接続されている。いくつかの実施態様において、吸入パイプは、第2の端部103に向かって傾斜している。穴の直径は吸入パイプの直径に等しい。ベースパイプ104は、分離装置105に導く。ベースパイプは水平である。ベースパイプの直径は吸入パイプの直径に等しい。いくつかの実施形態では、それらの直径の変動は10%未満である。吸入パイプは、孔の下方に曲面壁があるようにしてベースパイプに固定されている。曲率は、乱流が最小限に抑えられるように水をベースパイプに導く。
【0045】
水の流れを安定させる、すなわち、ベースパイプ104内の水の流れの速度の低下を防止し、水の流れの性質(例えば、量、速度および乱流)を制御するために、圧力パイプ106は、装置が使用されているときにベースパイプ内に水の噴流を押し込むように構成される。圧力パイプは、孔110の下の壁の湾曲部分に開口を有する。本実施の形態では、圧力パイプと開口が漏斗構造の近傍で開口における水の噴出の縦軸とベースパイプの縦軸とが収束するように構成されている。これは、水流がベースパイプの中心に向けられるという手段である。いくつかの実施態様において、開口における水の噴流の縦軸及びベースパイプの縦軸は合同又は平行である。水の噴流がベースパイプに向かう、すなわち水の噴流がベースパイプに入ることが不可欠である。圧力パイプの直径は、ベースパイプの直径よりも小さい。いくつかの実施態様において、ベースパイプの直径は、圧力パイプの直径よりも2~5倍大きい。装置100は、圧力パイプ内の圧力を制御するために調整可能なポンプ装置を備える。ポンプ装置は、装置が設置されている容器内にあることができる。それはまた、分離装置105内にあってもよい。いくつかの実施形態ではデバイスが液体廃棄物または液体廃棄物と固体廃棄物との組み合わせを収集するように構成される場合、圧力パイプ内でポンプ装置が生成する圧力は有利には0.2バールと1.5バールとの間である。ベースパイプ内のウォータージェット強化水流は、パイプ内の固体廃棄物による詰まりを防止する。圧力パイプの開口から出てくる水の噴流の速度は、吸入パイプから出てくる水の速度よりも速い。この速度差により、ベースパイプ内に流れ勾配が生じる。流れ勾配は、洗浄プロセスに有益な効果を有することが見出されている。分離プロセスはすでにベースパイプで始まり、従って、装置の全体的な効率が改善される。また、流れ勾配は、液体廃棄物が水とエマルジョンを形成しないように調整することができる。
【0046】
圧力パイプ106内の圧力は、収集される廃棄物のサイズまたは組成、あるいはその両方に対して最適化するために調整可能である。いくつかの実施形態では、廃棄物が大きな物体(2cmより大きい直径を有する)を含む場合、収集された廃棄物が主に液体または小さな物体(2cm未満の直径を有する)またはその両方を含む状況と比較して、圧力パイプ内の圧力はより高い。また、水がかなりの量の藻類を含有する場合、圧力を増加させることができる。一部の実施形態では、圧力パイプの開口にノズルがある。ノズルは、水の噴流の速度を増加させるために使用することができる。圧力パイプ内の圧力を上げるのと同じ効果がある。ノズルは水の噴流を導き、水の噴流の直径を小さくするためにも使用することができる。
【0047】
圧力パイプ106からの水の噴出は、吸入パイプ107内の吸入を増加させる。それはまた、ベースパイプ104内の水の量を増加させる。また、多くの実施形態では水のジェットの速度が吸入パイプ107から流入する水の速度よりも大きく、この速度差はベースパイプ104内に流れ勾配を提供する。本発明者はベースパイプ内(または装置100の少なくとも第1の端部101内)に流れ勾配を有することにより、分離装置105内の水からの廃棄物(固体および液体の両方の形成)の分離が改善されることを見出した。水の噴流を調節することによって、漏斗構造の水流特性を調節することができ、同時に、装置100全体の廃棄物処理特性を調節することができる。いくつかの実施形態では漏斗の底部114からベースパイプの上面までの距離、すなわち吸引パイプの長さはベースパイプの半径と少なくとも等しいかまたはそれを超える。吸引パイプが短いと、場合によっては、水がベースパイプと圧力パイプから吸引パイプを経由して上方に流れ始めることがある。
【0048】
いくつかの実施形態では、漏斗の直径が吸引パイプおよびベースパイプの直径の2.5~5倍である。本発明者は、これらの関係が漏斗構造103の流れ特性に理想的であることを発見した。
【0049】
いくつかの実施形態では、圧力パイプ106が漏斗構造103の下で60度以上の湾曲を有する。管内の水は湾曲の内側で回転運動をする。湾曲が圧力パイプの開口近傍の場合、水の噴流は回転速度成分を持つ。本発明者はこれにより、装置の効率が改善されるように、ベースパイプ内の流れ勾配が改善されることを見出した。これは、除去される廃棄物が液体粒子と固体粒子の両方を含む場合、または固体廃棄物が多くのサイズの粒子を含む場合に特に明らかである。いくつかの実施形態では、湾曲が80~100度である場合、良好な結果が達成される。
【0050】
装置100のいくつかの実施形態では圧力パイプ106が漏斗構造の下方180度の湾曲を有し、圧力パイプの一部はベースパイプ104と平行である。これは、圧力パイプが分離装置105の向きから来ることの手段である。発明者はこれにより、装置の効率が向上し、また、装置の構造がよりコンパクトになるように、ベースパイプ内の流れ勾配が改善されることを見出した。いくつかの実施形態では、湾曲は連続している。いくつかの実施態様において、湾曲の最大半径は、圧力パイプの直径の4倍である。この例では、圧力パイプはベースパイプの中心線と同じレベルにある。
【0051】
清浄化された水は、海中に放出して戻すことができる。その一部は、圧力パイプ106にポンプで戻すことができる。収集された廃棄物は、容器上に貯蔵される。
【0052】
図2は、海または同様の大きな水域の表面上またはその近くに浮遊する廃棄物を収集するための装置200の第2の実施形態を示す。
【0053】
装置200は、第1の端部201および第2の端部202を有する細長い構造である。装置は、装置の内部構造を保護する船体217を備える。装置は、収集装置(船体内部)、移送装置(船体内部)、及び分離装置205をさらに備える。分離装置は、分離手段の第1の端部(船体の内側)と分離装置の第2の端部216とを有する分離手段218を含む。この実施形態では、分離手段はコンベアベルトアレンジメント218である。分離装置は、収集された水および廃棄物が移送装置によって移送される第1の水盤(船体内部)と、収集された廃棄物が貯蔵される第2の水盤とをさらに備える。装置は移送配置からくる水(および廃棄物)が横方向の速度勾配を有するように、すなわち移送装置の断面において、移送装置の中心からの距離に応じて異なる速度で水が流れるように構成される。最も速い速度は、センターエリアまたはその近くで見つかる。いくつかの実施形態では、移送装置の断面は円形である。
【0054】
廃棄物の大部分は水および廃棄物が第1の水盤に到達するときに、最も速い水流成分内に見出すことができる。廃棄物は、この例ではコンベヤベルト装置218である分離手段の第1の端部に向かって進む。分離手段の第1の端部は廃棄粒子がコンベヤベルト上を移動するように構成され、コンベヤベルトは廃棄粒子を持ち上げ、それらを分離装置の第2の端部216に向かって移動させ、ここで、コンベヤベルトは廃棄粒子を容器または第2の水盤214内に堆積させる。
【0055】
本発明による装置のいくつかの有利な実施形態を上述した。しかしながら、本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の概念は特許請求の範囲内で多数の方法で適用することができる。
【手続補正書】
【提出日】2021-08-10
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0001
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0001】
本発明は海面または同様の大きな水域上またはその近傍に浮遊する油、プラスチックまたは同様の廃棄物を収集するための装置の分離装置に関し、分離装置は水および廃棄物を収集するための収集装置と、収集された水および廃棄物を分離装置に移送するための移送装置とをさらに備え、分離装置は第1の水盤および分離手段を備え、移送装置は第1の水盤に接続され、分離手段は廃棄物の少なくとも一部を第1の水盤から分離するように構成される。本発明は、分離装置を組み込んだ装置にも関する。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0018
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0018】
分離装置の第6の実施形態では、分離手段が固体廃棄物を分離するためのコンベヤベルト装置を備え、コンベヤベルト装置は分離された固体廃棄物を1つまたは複数の容器に移動させるように構成される。分離装置の第7の実施形態ではコンベヤベルト装置が第1のコンベヤベルトと第2のコンベヤベルトとを備え、第2のコンベヤベルトは第1のコンベヤベルトの内側にある。分離装置の第8の実施形態では、第1のコンベヤベルトおよび第2のコンベヤベルトは穴を有し、第1のコンベヤベルトは最小直径1cmの廃棄物粒子を運搬するように構成され、第2のコンベヤベルトは最小直径500μmの廃棄物粒子を運搬するように構成される。分離装置の第9の実施形態では、コンベヤベルト装置が空気送風システムを備え、空気送風システムは第2のコンベヤベルト上を送風し、第2のコンベヤベルトによって運ばれる廃棄粒子を緩めるように構成される。コンベヤベルトは、固体廃棄物粒子を捕捉するのに有効であることが見出されている。もちろん、液体廃棄物の分離にも用いることができる。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0039
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0039】
いくつかの実施形態ではコンベヤベルト装置が第1のコンベヤベルトと第2のコンベヤベルトとを備え、第2のコンベヤベルトは第1のコンベヤベルトの内側にある。第1のコンベヤベルト及び第2のコンベヤベルトは穴を有し、第1のコンベヤベルトは最小直径1cmの廃棄物粒子を運搬するように構成され、第2のコンベヤベルトは最小直径500μmの廃棄物粒子を運搬するように構成される。これは、第1のコンベヤベルトの孔の最小径は1cmであり、第2のコンベヤベルトの孔の最小径は500μmであるという手段である。もちろん、孔の大きさは異なっていてもよい。いくつかの実施形態では、コンベヤベルト装置が空気送風システムを備え、空気送風システムは第2のコンベヤベルトの上または中を送風し、第2のコンベヤベルトによって運ばれる廃粒子を緩めるように構成される。また、エアブローシステムは、コンベヤベルトまたはベルトからのオイルを緩めることができる。
【手続補正4】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
海面又は類似の大水域の表面上又はその近傍に浮遊する油、プラスチック又は類似の廃棄物を回収する装置(100; 200)のための分離装置(105; 205)であって、前記分離装置は、第一の水盤(111)と、前記第一の水盤内の開口(112)と、分離手段(113; 218)と、水及び廃棄物を収集するための収集装置(103)と、収集された前記水及び廃棄物を前記収集装置から前記開口に延在するように構成されたベースパイプを備えた前記分離装置に移送するための移送装置(104)と、前記装置の使用中に前記ベースパイプ内に前記水の噴流を強制するための圧力パイプ(106)と、を備え、前記分離手段は前記廃棄物の少なくとも一部を前記第一の水盤から分離するように構成され、前記第一の水盤の幅は前記開口の直径の少なくとも3倍以上であり、前記収集装置は底部の孔を含む漏斗であり、前記移送装置は前記収集装置の前記孔に接続された垂直の吸引管(107)を備え、前記ベースパイプは前記漏斗の下の前記吸引管に接続され、前記圧力パイプは前記ベースパイプ内の移動水が速度勾配を有し、前記水の噴流の方向が前記ベースパイプの長手方向軸に平行となるように、前記水の噴流をベースパイプの中心に向けるように構成され、前記移送装置から前記第1の水盤に到る前記水は前記開口から前記分離手段に向けられ、前記分離手段は第1の端部(115)および第2の端部(116; 216)を有し、前記分離手段の前記第1の端部は前記分離手段の前記第2の端部よりも前記開口に近いことを特徴とする分離装置(105; 205)。
【請求項2】
前記開口(112)における前記水の前記速度勾配が、水の最も速い速度成分と水の最も遅い速度成分との差が15%以上であるように、前記移送装置が構成されることを特徴とする、請求項1に記載の分離装置(105; 205)。
【請求項3】
前記第1の水盤(111)は、収集された前記水および廃棄物で満たされるように構成され、前記開口(112)は前記装置(100; 200)が使用されているときに、前記開口の上縁が水線の下にあるように構成されることを特徴とする、請求項1または2のいずれかに記載の分離装置(105; 205)。
【請求項4】
前記第1の水盤(111)および前記開口(112)は、前記開口の下縁が前記開口の直径の少なくとも半分であるか、または前記開口の近くの前記第1の水盤の底部の上方にあるように構成されることを特徴とする、請求項1~3のいずれか1項に記載の分離装置(105; 205)。
【請求項5】
前記開口(112)と前記分離手段の前記第1の端部(115)との間の第1の水盤(111)の底部および側壁が、前記開口における前記水の最高速度成分の向きに平行であることを特徴とする、請求項1~4のいずれか1項に記載の分離装置(105; 205)。
【請求項6】
前記分離手段(113; 218)が固体廃棄物を分離するためのコンベヤベルト装置(218)を含み、前記コンベヤベルト装置が、分離された固体廃棄物を1つ以上の容器に移動させるように構成されることを特徴とする、請求項1~5のいずれか1項に記載の分離装置(105; 205)。
【請求項7】
前記コンベヤベルト配置(218)は第1のコンベヤベルト及び第2のコンベヤベルトを備え、前記第2のコンベヤベルトは前記第1のコンベヤベルトの内側にあることを特徴とする請求項6に記載の分離配置(105; 205)。
【請求項8】
前記第1のコンベヤベルトおよび前記第2のコンベヤベルトは穴を有し、前記第1のコンベヤベルトは1cmの最小直径を有する廃棄粒子を搬送するように構成され、前記第2のコンベヤベルトは500μmの最小直径を有する廃棄粒子を搬送するように構成されることを特徴とする、請求項7に記載の分離装置(105; 205)。
【請求項9】
前記コンベヤベルト配置(218)は、空気ブロワシステムを備え、前記空気ブロワシステムは前記第2のコンベヤベルト上を吹き飛ばし、前記第2のコンベヤベルトによって運ばれる廃棄粒子を緩めるように構成されることを特徴とする、請求項8に記載の分離配置(105; 205)。
【請求項10】
前記分離手段(113; 218)が油分離装置を備え、油分離装置が水面から油を持ち上げるための2つ以上のせき装置を備え、前記せき装置が前記分離装置の底部に取り付けられ、前記せき装置が前記分離装置の水流方向に対して横方向であり、前記装置が使用されているときに前記せき装置の少なくとも一部が水中にあり、前記分離装置が第2の水盤(114; 214)をさらに備え、第2の水盤が前記油分離装置が分離した前記油を貯蔵するように構成されることを特徴とする、請求項1~9のいずれか1項に記載の分離装置(105; 205)。
【請求項11】
前記せき装置の傾斜、または前記せき装置の上縁部の水面からの距離、またはその両方が、前記油の特性に適合するように調整可能であることを特徴とする、請求項10に記載の分離配列(105; 205)。
【請求項12】
前記分離装置が、前記装置が使用されているときにコンベヤベルト装置が前記水の上にあるように前記コンベヤベルト装置(218)を持ち上げるための持ち上げ装置を含むことを特徴とする請求項6~11のいずれか1項に記載の分離装置(105; 205)。
【請求項13】
前記開口と前記分離手段の前記第1の端部との間の間隔は、前記分離手段の前記第1の端部における前記水の最高速度成分が前記装置の使用時における前記開口における前記水の最高速度成分の50%以下であることを特徴とする、請求項1~12のいずれか1項に記載の分離装置(105; 205)。
【請求項14】
海面または類似の大水域の表面上またはその近傍に浮遊する油、プラスチックまたは類似の廃棄物を回収する装置(100; 200)であって、分離装置(105; 205)を備え、前記分離装置は第一の水盤(111)と、第一の水盤内の開口(112)と、分離手段(113; 218)と、前記水および廃棄物を回収する回収装置(103)と、収集された前記水および廃棄物を前記収集装置から前記開口に延在するように構成されたベースパイプを備えた前記分離装置に移送するための移送装置(104)と、前記装置の使用中に前記ベースパイプ内に前記水の噴流を強制するための圧力パイプ(106)と、を備え、前記分離手段は前記廃棄物の少なくとも一部を前記第一の水盤から分離するように構成され、前記第一の水盤の幅は開口の直径の少なくとも3倍以上であり、前記収集装置は底部の孔を含む漏斗であり、前記移送装置は前記収集装置の前記孔に接続された垂直の吸引管(107)を備え、前記ベースパイプは前記漏斗の下の前記吸引管に接続され、前記圧力パイプは前記ベースパイプ内の移動水が速度勾配を有し、前記水の噴流の方向がベースパイプの長手方向軸に平行となるように、前記水の噴流をベースパイプの中心に向けるように構成され、前記移送装置から前記第1の水盤に到る前記水は前記開口から前記分離手段に向けられ、前記分離手段は第1の端部(115)および第2の端部(116; 216)を有し、前記分離手段の前記第1の端部は前記分離手段の前記第2の端部よりも前記開口に近いことを特徴とする。
【請求項15】
前記ベースパイプが真っ直であり、前記水の噴流の方向が前記ベースパイプの長手方向軸に平行であることを特徴とする、請求項14に記載の装置(100; 200)。
【国際調査報告】