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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-03-30
(54)【発明の名称】硬性内視鏡装置
(51)【国際特許分類】
   A61B 1/00 20060101AFI20220323BHJP
   A61B 1/06 20060101ALI20220323BHJP
   A61B 1/012 20060101ALI20220323BHJP
【FI】
A61B1/00 711
A61B1/00 632
A61B1/00 R
A61B1/06 531
A61B1/00 712
A61B1/012 511
A61B1/00 716
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021547285
(86)(22)【出願日】2019-10-16
(85)【翻訳文提出日】2021-08-12
(86)【国際出願番号】 CN2019111377
(87)【国際公開番号】W WO2021000452
(87)【国際公開日】2021-01-07
(31)【優先権主張番号】201910597167.3
(32)【優先日】2019-07-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】519228854
【氏名又は名称】上海英諾偉医療器械有限公司
【住所又は居所原語表記】1F And East 2F Building 7,No.150 Cailun Road,Pilot Free Trade Zone,Pudong New Area Shanghai 201203 China
(74)【代理人】
【識別番号】100142804
【弁理士】
【氏名又は名称】大上 寛
(72)【発明者】
【氏名】厳航
(72)【発明者】
【氏名】唐偉
【テーマコード(参考)】
4C161
【Fターム(参考)】
4C161CC06
4C161DD01
4C161FF12
4C161FF42
4C161JJ11
4C161JJ13
4C161LL03
(57)【要約】
【課題】本発明の硬性内視鏡装置は、繰り返し使用可能な内視鏡清の洗浄、滅菌が手間がかかり、且つ交差感染のリスクがある問題を解決できる。また、使い捨て内視鏡装置のコストが高い問題を解決できる。
【解決手段】本発明は、使い捨て本体部、使い捨て滅菌線部、及び繰り返し使用可能な撮像部を有する内視鏡装置を提供する。前記本体部の前端近傍に光源を有する。前記本体部及び前記滅菌線部は、一体であるか又は互いに分離可能である。前記撮像部は、前記本体部の後端から直線方向に沿って前記本体部に挿入できる。前記滅菌線部は、前記直線方向に沿って前記本体部の後端に接続され、前記本体部の後端で閉じられる。よって、前記本体部内の撮像部を外部から隔離できる。本発明によれば、繰り返し使用可能な撮像部は、外部から隔離され、医者、患者等との接触を避けられるため、その無菌性を保証できる。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
使い捨て本体部、使い捨て滅菌線部、及び繰り返し使用可能な撮像部を有し、
前記本体部の前端近傍に光源を有し、
前記本体部及び前記滅菌線部は、一体であるか又は互いに分離可能であり、
前記撮像部は、前記本体部の後端から直線方向に沿って前記本体部に挿入し、
前記滅菌線部は、前記直線方向に沿って前記本体部の後端に接続され、前記本体部の後端で閉じられ、
それによって、前記本体部内の撮像部を外部から隔離でき、
前記滅菌線部は、使い捨て電源線を有し、
前記滅菌線部の電源コネクタは、前記撮像部の第1コネクタに接続され、
前記電源線の給電は、前記電源コネクタを介して前記第1コネクタに供給され、
前記撮像部は、本体部に差し込んだ後、第2コネクタを介して前記光源の光源コネクタに接続導通され、
前記第1コネクタの給電は、前記光源コネクタ及び光源線を介して前記光源に供給されることを特徴とする、
硬性内視鏡装置。
【請求項2】
前記撮像部は、撮像把手、撮像通路管、及び撮像密封部を有し、
前記第1コネクタ及び前記第2コネクタは、前記撮像把手に設けられ、
前記撮像通路管内に前記撮像密封部に接続される撮像線が設けられ、
前記第2コネクタの給電は、前記撮像線を介して前記撮像密封部に供給され、
前記撮像通路管は、その後端が前記撮像把手に接続され、その前端が前記撮像密封部に接続され、
前記撮像部を前記本体部に挿入した後、前記撮像把手、撮像通路管、及び撮像密封部は、いずれも前記本体部内に位置し、
前記直線方向は、前記撮像通路管の長さ方向であることを特徴とする、
請求項1に記載の硬性内視鏡装置。
【請求項3】
前記本体部は、本体把手、本体通路管、及び本体頭部を有し、
前記本体通路管は、その後端が前記本体把手に接続され、その前端が前記本体頭部に接続され、
前記本体頭部は、その末端にレンズを有し、
前記撮像部を前記本体機構に挿入した後、前記撮像把手は前記本体把手に位置し、前記撮像密封部は前記本体頭部に位置し、
前記本体通路管内に光源線通路及び撮像部通路を有し、
前記光源は、前記本体頭部に設けられ、
前記光源線は、前記光源線通路に設けられ、
前記撮像通路管は、前記撮像部通路に設けられることを特徴とする、
請求項2に記載の硬性内視鏡装置。
【請求項4】
前記本体通路管の断面は、三日月形であり、
前記光源線通路の数は、2組であり、
2組の光源線通路は、前記撮像部通路の両側に対称に設けられることを特徴とする、
請求項3に記載の硬性内視鏡装置。
【請求項5】
前記本体部は、気体又は液体を流すための媒質通路、及び前記媒質通路に連通する媒質バルブをさらに有し、
前記媒質通路は、順に前記本体通路管及び前記本体頭部を通過でき、
前記媒質バルブは、前記本体把手に設けられることを特徴とする、
請求項3又は4に記載の硬性内視鏡装置。
【請求項6】
外管部をさらに有し、
前記外管部は、前記本体通路管の外側に設けられることを特徴とする、
請求項3又は4に記載の硬性内視鏡装置。
【請求項7】
前記外管部は、外管通路管、外管把手、及び位置制限部を有し、
前記外管通路管は、前記本体通路管の外側に設けられ、
前記外管把手は、前記外管通路管の外側に設けられ、
前記位置制限部は、前記外管通路管内に設けられ、前記外管通路管及び前記本体通路管の長さ方向の位置を制限するために用いられることを特徴とする、
請求項6に記載の硬性内視鏡装置。
【請求項8】
前記滅菌線部は、滅菌線把手及び配線コネクタを有し、
前記電源コネクタ及び前記配線コネクタは、前記滅菌線把手に設けられ、
前記電源線は、前記配線コネクタを介して前記滅菌線把手内に差し込んで、前記電源コネクタに接続されることを特徴とする、
請求項1~4のいずれか1項に記載の硬性内視鏡装置。
【請求項9】
前記本体部及び前記滅菌線部が分離可能である場合に、
前記本体部及び前記滅菌線部は、ロック構造によってロック接続されることを特徴とする、
請求項1~4のいずれか1項に記載の硬性内視鏡装置。
【請求項10】
前記本体部及び/又は前記滅菌線部は、デバイス通路をさらに有することを特徴とする、
請求項1~4のいずれか1項に記載の硬性内視鏡装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、医療機器の分野、特に硬性内視鏡装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、内視鏡及びその手術デバイスは低侵襲診断治療の分野で広く使われる。低侵襲医療技術の発展につれて、内視鏡の要求が高っている。内視鏡は、部位によって分類すると、神経鏡、尿道膀胱鏡、切除鏡、腹腔鏡、関節鏡、副鼻腔鏡、喉頭鏡等に分けられる。内視鏡の頭部の湾曲によって、軟性内視鏡及び硬性内視鏡に分けられる。内視鏡装置は、繰り返し使用可能なもの又は使い捨てのものがある。
【0003】
繰り返し使用可能な内視鏡装置は、患者、医療関係者等と接触するために、滅菌消毒処理を行わなければならない。そのため、洗浄、滅菌の手間がかかるだけでなく、交差感染のリスクがある。一方、使い捨て内視鏡装置は、コストが高い問題がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の硬性内視鏡装置は、繰り返し使用可能な内視鏡清の洗浄、滅菌の手間がかかり、且つ交差感染のリスクがあるという問題を解決できる。また、使い捨て内視鏡装置のコストが高い問題を解決できる。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の第1側面によれば、硬性内視鏡装置は、使い捨て本体部、使い捨て滅菌線部、及び繰り返し使用可能な撮像部を有する。前記本体部の前端近傍に光源を有する。前記本体部及び前記滅菌線部は、一体であるか又は互いに分離可能である。
【0006】
前記撮像部は、前記本体部の後端から直線方向に沿って前記本体部に挿入する。前記滅菌線部は、前記直線方向に沿って前記本体部の後端に接続され、前記本体部の後端で閉じられる。それによって、前記本体部内の撮像部を外部から隔離できる。
【0007】
前記滅菌線部は、使い捨て電源線を有する。前記滅菌線部の電源コネクタは、前記撮像部の第1コネクタに接続される。前記電源線の給電は、前記電源コネクタを介して前記第1コネクタに供給される。前記撮像部は、本体部に差し込んだ後、第2コネクタを介して前記光源の光源コネクタに接続導通される。前記第1コネクタの給電は、前記光源コネクタ及び光源線を介して前記光源に供給される。
【0008】
好ましくは、前記撮像部は、撮像把手、撮像通路管、及び撮像密封部を有する。前記第1コネクタ及び前記第2コネクタは、前記撮像把手に設けられる。前記撮像通路管内に前記撮像密封部に接続される撮像線が設けられる。前記第2コネクタの給電は、前記撮像線を介して前記撮像密封部に供給される。
【0009】
前記撮像通路管は、その後端が前記撮像把手に接続され、その前端が前記撮像密封部に接続される。前記撮像部を前記本体部に挿入した後、前記撮像把手、撮像通路管、及び撮像密封部は、いずれも前記本体部内に位置する。
【0010】
前記直線方向は、前記撮像通路管の長さ方向である。
【0011】
好ましくは、前記本体部は、本体把手、本体通路管、及び本体頭部を有する。前記本体通路管は、その後端が前記本体把手に接続され、その前端が前記本体頭部に接続される。前記本体頭部は、その末端にレンズを有する。
【0012】
前記撮像部を前記本体機構に挿入した後、前記撮像把手は前記本体把手に位置し、前記撮像密封部は前記本体頭部に位置する。
【0013】
前記本体通路管内に光源線通路及び撮像部通路を有する。前記光源は、前記本体頭部に設けられる。前記光源線は、前記光源線通路に設けられる。前記撮像通路管は、前記撮像部通路に設けられる。
【0014】
好ましくは、前記本体通路管の断面は、三日月形である。前記光源線通路の数は、2組である。2組の光源線通路は、前記撮像部通路の両側に対称に設けられる。
【0015】
好ましくは、前記本体部は、気体又は液体を流すための媒質通路、及び前記媒質通路に連通する媒質バルブをさらに有する。前記媒質通路は、順に前記本体通路管及び前記本体頭部を通過できる。前記媒質バルブは、前記本体把手に設けられる。
【0016】
好ましくは、前記装置は、外管部をさらに有する。前記外管部は、前記本体通路管の外側に設けられる。
【0017】
好ましくは、前記外管部は、外管通路管、外管把手、及び位置制限部を有する。前記外管通路管は、前記本体通路管の外側に設けられる。前記外管把手は、前記外管通路管の外側に設けられる。前記位置制限部は、前記外管通路管内に設けられ、前記外管通路管及び前記本体通路管の長さ方向の位置を制限するために用いられる。
【0018】
好ましくは、前記滅菌線部は、滅菌線把手及び配線コネクタを有する。前記電源コネクタ及び前記配線コネクタは、前記滅菌線把手に設けられる。前記電源線は、前記配線コネクタを介して前記滅菌線把手内に差し込んで、前記電源コネクタに接続される。
【0019】
好ましくは、前記本体部及び前記滅菌線部が分離可能である場合に、前記本体部及び前記滅菌線部は、ロック構造によってロック接続される。
【0020】
好ましくは、前記本体部及び/又は前記滅菌線部は、デバイス通路をさらに有する。
【発明の効果】
【0021】
本発明の硬性内視鏡装置は、使い捨て本体部及び使い捨て滅菌線部を利用して装置の無菌性を保証し、滅菌消毒処理の手間及び交差感染のリスクを避ける。本発明は、繰り返し使用可能な撮像部を利用し、撮像関連部品の浪費を避け、コストを削減できる。また、本発明の撮像部は、本体部に挿入して外部から隔離され、患者等との接触を避けられるため、その無菌性を保証できる。
【0022】
また、本発明において、本体部に光源を設けるため、撮像部を差し込むことで光源に給電できる。光源に給電部品を独立に設ける必要がなく、独立に設けられる給電部品の使い捨てによる浪費を避け、コストを低減できる。また、撮像部及び光源部を一緒に密封する方法と比べると、内視鏡本体内の光源集成による散光、反射の問題を避ける。
【図面の簡単な説明】
【0023】
図1】本発明の1つの実施例の硬性内視鏡装置の構造模式図1である。
図2】本発明の1つの実施例の硬性内視鏡装置の局所構造模式図である。
図3】本発明の1つの実施例の硬性内視鏡装置の構造模式図2である。
図4】本発明の1つの実施例の撮像部の構造模式図である。
図5】本発明の1つの実施例の本体部の構造模式図である。
図6】本発明の1つの実施例の本体通路管の断面模式図である。
図7】本発明の1つの実施例の本体頭部の構造模式図である。
図8】本発明の1つの実施例の本体部の後端の模式図である。
図9】本発明の1つの実施例の滅菌線部の構造模式図である。
図10】本発明の1つの実施例の本体部及び滅菌線部の構造模式図である。
図11】本発明の1つの実施例の外管部の構造模式図である。
図12】本発明の1つの実施例の外管部の端面の構造模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、図面を開示しながら本発明の実施例を詳しく説明するが、図面及び実施例があくまで例示であり、種々の変形例が可能なこと、またそうした変形例も本発明の範囲にあることは当業者に理解されるところである。
【0025】
本発明の明細書及び請求項に記載の用語「第1」、「第2」、「第3」、「第4」等は、類似の対象を区別するために用いられるが、その順番を制限するものではない。それらの用語を適切に交換し、下記図面及び実施例に開示する順番以外の形で実施してもよい。また、用語「含む」、「有する」、及びその類似の用語は、他の可能性を排除する意図、例えば、一連の工程又は要素を有するプロセス、方法、システム、製品、又は設備に対してそれらの工程又は要素を限定する意図で使われるものではない。
【0026】
以下、具体的な実施例を開示しながら本発明を詳しく説明するが、下記実施例を互いに組み合わせてもよい。同じ若しくは類似の概念、又はプロセスの説明を省略する場合もある。
【0027】
図1は、本発明の1つの実施例の硬性内視鏡装置の構造模式図1である。図2は、本発明の1つの実施例の硬性内視鏡装置の局所構造模式図である。図3は、本発明の1つの実施例の硬性内視鏡装置の構造模式図2である。
【0028】
本実施例の硬性内視鏡装置は、例えば椎間孔鏡、関節鏡、子宮鏡等に適用できる。
【0029】
図3を参照しながら説明する。硬性内視鏡装置は、使い捨て本体部2、使い捨て滅菌線部3、及び繰り返し使用可能な撮像部1を有する。前記本体部2及び前記滅菌線部3は、一体であるか又は互いに分離可能である。
【0030】
撮像部1は、画像を取得するための撮像部品に設けられ、本体部2に差し込むことができる。
【0031】
本体部2は、撮像部1を受容し、医療活動において医者及び患者と接触する部分である。撮像部1外に設けられる構造は、いずれも本実施例の本体部2として適用できる。
【0032】
滅菌線部3は、本体部2に接続して撮像部1を外部から隔離し、滅菌効果を達成し、且つ電源線の給電を撮像部1に伝送する。
【0033】
上記実施例において、使い捨て本体部及び使い捨て滅菌線部を使用して装置の無菌性を保証し、滅菌消毒処理及び交差感染のリスクを避ける。上記実施例において、繰り返し使用可能な撮像部を利用することで撮像関連部品の浪費を避け、コストを低減できる。撮像部が繰り返し使用可能であり、破損し難く、且つ低コストである。
【0034】
本実施例において、前記撮像部1は、前記本体部2の後端から直線方向に沿って前記本体部2に挿入する。前記滅菌線部3は、前記直線方向に沿って前記本体部2の後端に接続され、前記本体部2の後端で閉じられる。それによって、前記本体部2内の撮像部1を外部から隔離できる。
【0035】
本実施例において、硬性内視鏡装置に適用するため、直線方向の直線運動によって撮像部1を挿入できる。そのため、組み立てが容易である。
【0036】
図2を参照しながら説明する。本体機構2の内部に前記撮像部1及び滅菌線部3を受容できる内部空間を形成する。差し込んだ後、撮像部1及び滅菌線部3は内部空間に位置するため、外部から隔離できる。
【0037】
上記実施例において、撮像部を本体部に挿入して外部から隔離できるため、繰り返し使用可能な撮像部は、外部から隔離され、医者、患者等との接触を避けられるため、その無菌性を保証できる。
【0038】
言い換えると、繰り返し使用可能な撮像部が完全に包み込まれて、医者及び患者が接触する箇所が全て滅菌器具であり、非滅菌領域及び無菌領域を完全に隔離できる。そのため、使用上便利、安全である。
【0039】
また、本実施例の撮像部は繰り返し使用可能であり、その他の関連部品は撮像関連部品ではない。そのため、他の部品が破損しても撮像関連部品が壊れにくく、使用上便利であり、メンテナンスコストが非常に安い。
【0040】
本実施例において、前記本体部2の前端近傍に光源5を有する。前記前端は、本体部2における人体の腔所又は切口の通路に挿入するための一端であり、撮像部に近く且つ電源線及び把手から離れる一端である。
【0041】
前記滅菌線部3は、使い捨て電源線4を有する。前記滅菌線部3の電源コネクタ31は、前記撮像部1の第1コネクタ11に接続される。前記電源線4の給電は、前記電源コネクタ31を介して前記第1コネクタ11に供給される。
【0042】
前記撮像部1は、本体部2に差し込んだ後、第2コネクタ12を介して前記光源5の光源コネクタ52に接続導通される。前記第1コネクタ11の給電は、前記光源コネクタ及び光源線を介して前記光源に供給される。また、撮像部が前記光源コネクタ及び前記第1コネクタ11に接続されるため、撮像部への給電、及び画像の伝送を確保できる。
【0043】
1つの実施例において、第1コネクタ11及び第2コネクタ12は、凸構造であるため、容易に対応する電源コネクタ31及び光源コネクタ52に挿入できる。また、1つの実施例において、電源コネクタ31及び光源コネクタ52は、凸構造であるため、第1コネクタ11及び第2コネクタ12に挿入できる。
【0044】
上記実施例において、本体部に光源を設けるため、撮像部を差し込むことで光源に給電できる。光源に給電部品を独立に設ける必要がなく、独立に設けられる給電部品の使い捨てによる浪費を避け、コストを低減できる。また、撮像部及び光源部を一緒に密封する方法と比べると、内視鏡本体内の光源集成による散光、反射の問題が避けられる。
【0045】
また、撮像回路用の通路及び照明回路用の通路は異なる通路であるため、管壁によって物理的に隔離され、光の干渉を有効に防ぐことができる。
【0046】
図4は、本発明の1つの実施例の撮像部の構造模式図である。
【0047】
図4を参照しながら説明する。前記撮像部1は、撮像把手13、撮像通路管14、及び撮像密封部15を有する。
【0048】
撮像密封部15は、撮像部を有し、密封技術で密封されて完全な密封構造になる。従来技術の密封構造と比べると、上記実施例によれば、光源部を密封しなくて済むため、構造の簡単化が可能になる。さらに、よりコンパクトな構造を形成できるため、内視鏡の外径を抑える。
【0049】
具体的には、前記撮像密封部15は、回路基板、及び光路を調整するための部品、電気信号を処理する部品、又はそれらの組合を設けてもよい。撮像密封部15は、回路基板を介して撮像線に接続される。接続方法は、例えば溶接が挙げられる。
【0050】
前記第1コネクタ11及び前記第2コネクタ12は、前記撮像把手13に設けられる。それに対応し、第1コネクタ11と第2コネクタ12を接続導通して給電するために、撮像把手13の内部に対応する接続回路を設けてもよい。また、1つの実施例において、回路を接続すると同時に、電圧、電流等の電気信号を処理する処理回路を設けてもよい。前記接続回路及び処理回路は、回路基板に設けられる。前記接続回路、処理回路、及び回路基板は、撮像把手13内の空間に設けてもよい。
【0051】
前記撮像通路管14は、前記撮像密封部15に接続される撮像線を設けられる。前記第1コネクタ11の給電は、前記撮像線を介して前記撮像密封部15に供給される。
【0052】
前記撮像通路管14は、その後端が前記撮像把手13に接続され、その前端が前記撮像密封部15に接続される。前記撮像部1を前記本体部2に挿入した後、前記撮像把手13、撮像通路管14、及び撮像密封部15は、いずれも前記本体部2内に位置する。撮像通路管14を容易に本体通路管22に挿入するために、前記直線方向は、前記撮像通路管14の長さ方向であってもよい。
【0053】
撮像把手13は、手で持つことで前記撮像把手13を持つことができる部分である。それによって、撮像部1を本体部2に挿入できる。
【0054】
図5は、本発明の1つの実施例の本体部の構造模式図である。図6は、本発明の1つの実施例の本体通路管のA-Aの断面模式図である。図7は、本発明の1つの実施例の本体頭部の構造模式図である。図8は、本発明の1つの実施例の本体部の後端の模式図である。
【0055】
図5図8を参照しながら説明する。前記本体部2は、本体把手21、本体通路管22、及び本体頭部25を有する。
【0056】
前記本体通路管22は、その後端が前記本体把手21に接続され、その前端が前記本体頭部25に接続される。
【0057】
前記撮像部1を前記本体機構2に挿入した後、前記撮像把手13は、前記本体把手21に位置し、前記撮像密封部15は、前記本体頭部25に位置する。
【0058】
図6を参照しながら説明する。前記本体通路管22内に光源線通路222及び撮像部通路221を有する。前記光源5は、前記本体頭部25に設けられる。前記光源線51は、前記光源線通路222に設けられる。前記撮像通路管14は、前記撮像部通路221に設けられる。
【0059】
本体通路管22内の通路に対応し、本体頭部25は、光源5を受容する光源受容部を有してもよい。前記光源受容部は、本体頭部25の光源線通路に接続される。光源線を容易に通過させるために、前記光源受容部は、光源線通路222に直接に接続してもよい。
【0060】
本体頭部25は、レンズ251を有する。前記レンズ251は、光路に影響を与えないシンプルな透明媒質であってもよく、密封部を形成し且つ光路を屈折させるプリズムであってもよい。前記レンズ251によれば、撮像部1は、本体頭部から異なる方向の映像を収集できる。前記レンズ251は、撮像部通路221の前端に設けられて、且つ密封される。よって、撮像部通路221内の撮像部を人体組織、医者等から隔離できる。具体的には、レンズ251は、一体型プリズムであり、特定の角度範囲、例えば0°~60°の視野角を有する。
【0061】
光源線通路222は、光源線51を通過させるための通路である。
【0062】
また、前記撮像部通路221及び光源線通路222は、前記直線方向に沿う直線通路である。スペースを最大限に活用できるように、前記撮像部通路221の断面形状及び前記光源線通路222の断面形状は、例えば円形、矩形、台形、又はその他の規則又は不規則の形状が挙げられる。
【0063】
1つの実施例において、前記本体通路管22の断面は、三日月形である。前記三日月形は、2つの弧線、例えば、第1弧線及び第2弧線を有する。前記第1弧線の第1端は、第2弧線の第1端に直接又は間接に接続される。前記第1弧線の第2端は、第2弧線の第2端に直接又は間接に接続される。且2つの弧線の円心は、弧線の同じ側に位置する。2つの弧線の弧度は、同じであってもよく、異なっていてもよい。
【0064】
また、第1弧線の第1端と第2弧線の第1端、及び第1弧線の第2端と第2弧線の第2端を直接に接続してもよいが、直線、弧線、曲線等を介して接続してもよい。
【0065】
三日月形の本体通路管22によれば、撮像部通路221及び光源線通路222を均等に設けることができる。具体的な実施例において、さらに媒質通路を均等に設けることができる。
【0066】
前記光源線通路222の数は、2組である。2組の光源線通路222は、前記撮像部通路221の両側に対称に設けられる。光源線通路222のサイズは、一般的には撮像部通路221より小さいため、三日月形の本体通路管22に対応できる。具体的には、各光源線通路222の数は、1つ又は複数である。
【0067】
1つの実施例において、前記本体部2は、気体又は液体を流すための媒質通路、及び前記媒質通路に連通する媒質バルブを有する。前記媒質通路は、順に前記本体通路管及び前記本体頭部を通過できる。前記媒質バルブは、前記本体把手に設けられる。
【0068】
媒質通路は、例えば本体通路管22の媒質通路223及び本体頭部25の媒質通路252を含む。前記媒質通路223及び媒質通路252は、互いに前記直線方向に沿って連通する。また、本体通路管22の2つの媒質通路223は、それぞれ液体及び気体を流す。本体頭部25の2つの媒質通路252は、それぞれ液体及び気体を流す。
【0069】
図3及び図5を参照しながら説明する。媒質バルブは、気体を流す媒質通路に連通する気体媒質バルブ23、及び液体を流す媒質通路に連通する液体媒質バルブ24を有する。
【0070】
また、内視鏡の外にジャケットを付けるではなく、使い捨て本体部2及び撮像部1が分離可能であるため、外径を増加せず、容易に組み立て及び使用できる。
【0071】
図9は、本発明の1つの実施例の滅菌線部の構造模式図である。
【0072】
図9を参照しながら説明する。滅菌線部3は、滅菌線把手32及び配線コネクタ33を有する。前記電源コネクタ31及び前記配線コネクタ33は、前記滅菌線把手32に設けられる。前記電源線4は、前記配線コネクタ33を介して前記滅菌線把手32内に差し込んで、前記電源コネクタ31に接続される。
【0073】
滅菌線把手32は、手で持つ構造であり、内部空間を有する。電源線4は、配線コネクタ33を介して内部空間に差し込んだ後、電源コネクタ31に接続され、給電を行うことができる。具体的には、電源線4は、電源コネクタ31に直接又は間接的に接続される。
【0074】
1つの実施例において、前記本体部2及び/又は前記滅菌線部3は、デバイス通路口、例えば図9に示すデバイス通路口34をさらに有する。
【0075】
図10は、本発明の1つの実施例の本体部及び滅菌線部の構造模式図である。
【0076】
図10を参照しながら説明する。前記本体部2及び前記滅菌線部3が分離可能である場合に、前記本体部2及び前記滅菌線部3は、ロック構造によってロック接続される。前記ロック構造は、ロックボタン35によって制御できる。
【0077】
ロック構造は、2つの部品をロックできる構造であり、例えばねじ山構造、係止構造、ピン構造等が挙げられる。
【0078】
具体的には、ロックボタン35を押し、滅菌線把手32を本体把手21内に押し込んだ後、ロックボタン35を放すことで、自動ロックを実現できる。それを分離しようとする場合、ロックボタン35を押すことでロックを解除できる。上記実施例によれば、滅菌線把手32及び本体把手21の組み合わせ及び分離を実現できる。
【0079】
他の実施例において、前記本体部2及び前記滅菌線部3は一体である。滅菌線部3は、滅菌線ケース及び配線コネクタを有する。前記電源コネクタ及び前記配線コネクタは、前記滅菌線把手に設けられる。前記電源線は、前記配線コネクタを介して前記滅菌線把手内に差し込んで、前記電源コネクタに接続される。滅菌線ケースは、前記実施例の滅菌線把手32を参照できる。電源コネクタ及び配線コネクタは、前記実施例の電源コネクタ31及び配線コネクタ33を参照できる。
【0080】
具体的には、本体部2及び滅菌線部3に差込口を形成し、撮像部を差し込んだ後、それを係止して位置を固定できる。差し込んだ後、コネクタ間を直接又は間接に接続することで、前記接続を行うことができる。
【0081】
よって、滅菌線部は、滅菌線把手及び対応するコネクタ等の部品を有し、未減菌領域を完全に隔離できる。そのため、滅菌ジャケット等のコネクタによる不便を解決できる。
【0082】
図11は、本発明の1つの実施例の外管部の構造模式図である。図12は、本発明の1つの実施例の外管部の端面の構造模式図である。
【0083】
図11及び図12参照しながら説明する。前記装置は、外管部6をさらに有する。前記外管部6は、前記本体通路管22の外側に設けられる。外管部6によれば、デバイス及び/又は本体通路管22の作業用通路を提供できると共に、それらを支持する効果を有する。
【0084】
1つの実施例において、前記外管部6は、外管通路管61、外管把手62、及び位置制限部64を有する。前記外管通路管61は、前記本体通路管の外側に設けられる。前記外管把手62は、前記外管通路管61の外側に設けられる。前記位置制限部64は、前記外管通路管61内に設けられ、前記外管通路管61及び前記本体通路管22の長さ方向の位置を制限するために用いられる。外管通路管61は、本体通路管22及び/又はデバイスを通るための外管内通路63を形成してもよい。
【0085】
具体的には、位置制限部64は、外管通路管61の前端の末端に近い位置に設けられ、本体通路管22が外管通路管61から出てしまうことを防ぐことができる。位置制限部64によれば、本体通路管22と外管部6の間の位置を固定できる。
【0086】
また、手術の需要に応じてデバイス通路のサイズを変更し、且つスペースを最大限に活用できるように、前記外管部6の外管通路管61の断面は、円形又は楕円形、その他の任意不規則形状が挙げられる。また、外管部6が独立に製造されるため、通路のサイズを拡大するように楕円形構造を採用してもよい。
【0087】
以上をまとめると、本発明の硬性内視鏡装置は、使い捨て本体部及び使い捨て滅菌線部を利用して装置の無菌性を保証し、滅菌消毒処理の手間及び交差感染のリスクを避ける。本発明は、繰り返し使用可能な撮像部を利用し、撮像関連部品の浪費を避け、コストを削減できる。また、本発明の撮像部は、本体部に挿入して外部から隔離され、患者等との接触を避けられるため、その無菌性を保証できる。
【0088】
また、本実施例において、本体部に光源を設けるため、撮像部を差し込むことで光源に給電できる。光源に給電部品を独立に設ける必要がなく、独立に設けられる給電部品の使い捨てによる浪費を避け、コストを低減できる。また、撮像部及び光源部を一緒に密封する方法と比べると、内視鏡本体内の光源集成による散光、反射の問題が避けられる。
【0089】
本発明を説明するために上記実施例を開示したが、本発明は、それらに限定されない。当業者が上記実施例に基づいてなされた均等的な変更は、いずれも本発明に含む。
【符号の説明】
【0090】
1 撮像部
11 第1コネクタ
12 第2コネクタ
13 撮像把手
14 撮像通路管
15 撮像密封部
2 本体部
21 本体把手
22 本体通路管
221 撮像部通路
222 光源線通路
223 媒質通路
23 気体媒質バルブ
24 液体媒質バルブ
25 本体頭部
251 レンズ
252 媒質通路
3 滅菌線部
31 電源コネクタ
32 滅菌線把手
33 配線コネクタ
34 デバイス通路口
35 ロックボタン
4 電源線
5 光源
51 光源線
52 光源コネクタ
6 外管部
61 外管通路管
62 外管把手
63 外管内通路
64 位置制限部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
【国際調査報告】