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特表2022-520470連続勾配透過状態を維持するための装置
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-03-30
(54)【発明の名称】連続勾配透過状態を維持するための装置
(51)【国際特許分類】
   E06B 9/24 20060101AFI20220323BHJP
   G02F 1/15 20190101ALN20220323BHJP
【FI】
E06B9/24 C
G02F1/15 502
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021547732
(86)(22)【出願日】2020-01-30
(85)【翻訳文提出日】2021-08-16
(86)【国際出願番号】 US2020015833
(87)【国際公開番号】W WO2020171926
(87)【国際公開日】2020-08-27
(31)【優先権主張番号】62/809,318
(32)【優先日】2019-02-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】504416080
【氏名又は名称】セイジ・エレクトロクロミクス,インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110003281
【氏名又は名称】特許業務法人大塚国際特許事務所
(74)【代理人】
【識別番号】110000855
【氏名又は名称】特許業務法人浅村特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ワン、イーガン
(72)【発明者】
【氏名】マルダー、カーリン エル.
(72)【発明者】
【氏名】リーブル、トロイ
(72)【発明者】
【氏名】ファンデルフェーン、コーディー
【テーマコード(参考)】
2K101
【Fターム(参考)】
2K101AA22
2K101DA01
2K101EJ11
2K101EK05
(57)【要約】
本開示は、建物のマルチ勾配ファサードに関し、より具体的には、エレクトロクロミック絶縁ガラスユニット(IGU)などのエレクトロクロミックデバイスを含む装置、およびマルチ勾配ファサードを達成するためにこれを使用する方法に関する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
構造上に設置された複数の絶縁ガラスユニット(IGU)を含むファサードのための可変の着色を制御するための方法であって、前記複数のIGUは、少なくとも第1のIGUおよび第2のIGUを含み、前記方法は、
前記複数のIGUを空間座標系にマッピングし、それによって前記空間座標系における前記複数のIGUの各々の互いに対する位置を確立するステップであって、前記複数のIGUの各々の前記位置が前記構造上の物理的位置に対応する、ステップと、
コントローラを介して、前記空間座標系における前記第1のIGUの前記位置に少なくとも部分的に基づいて、前記第1のIGUの第1の着色プロファイルを制御するステップと、
前記コントローラを介して、前記第1の着色プロファイルおよび前記空間座標系における前記第2のIGUの前記位置に少なくとも部分的に基づいて、前記第2のIGUの第2の着色プロファイルを制御するステップと、を含む、方法。
【請求項2】
前記第1のIGUの完全に着色された部分から前記第1のIGUの部分的に着色された部分に移行する前記第1の着色プロファイルを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記第2の着色プロファイルが、前記第2のIGUの部分的に着色された部分から前記第2のIGUの完全に透明な部分に移行する、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記第2の着色プロファイルが、完全に着色された、部分的に着色された、および完全に透明、のうちの1つである、請求項2に記載の方法。
【請求項5】
前記第2の着色プロファイルが、前記第2のIGUの部分的に着色された部分から前記第2のIGUの完全に着色された部分に移行する、請求項2に記載の方法。
【請求項6】
前記コントローラを介して、前記第1のIGUを前記第1の着色プロファイルから第3の着色プロファイルに切り替えるステップをさらに含み、前記第3の着色プロファイルが、完全に着色された、完全に透明な、および勾配着色された、のいずれか1つである、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記コントローラを介して、前記第2のIGUを前記第2の着色プロファイルから第4の着色プロファイルに切り替えるステップをさらに含み、前記第4の着色プロファイルが、完全に着色された、完全に透明な、および勾配着色された、のいずれか1つである、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記第1のIGUが、前記空間座標系において前記第2のIGUに隣接し、前記第1の着色プロファイルおよび前記第2の着色プロファイルが、前記第1のIGUおよび前記第2のIGUにわたって均一な勾配着色プロファイルを形成し、前記均一な勾配着色が、前記空間座標系を基準にして水平方向、垂直方向、および斜め方向のうちの1つで変化する、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記第1のIGUおよび前記第2のIGUの少なくとも一方のためのバスバーレイアウトが、前記第1のIGUと前記第2のIGUとの間の移行領域を整合することを確実にするように調整される、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
構造上に設置された複数の絶縁ガラスユニット(IGU)を含むファサードのための可変の着色を制御するための方法であって、前記複数のIGUは、少なくとも第1のIGUおよび第2のIGUを含み、前記方法は、
前記複数のIGUを空間座標系にマッピングし、それによって前記空間座標系における前記複数のIGUの各々の互いに対する位置を確立するステップであって、前記複数のIGUの各々の前記位置が前記構造上の物理的位置に対応する、ステップと、
コントローラを介して、前記空間座標系における前記第1のIGUの前記位置に少なくとも部分的に基づいて、前記第1のIGUの第1の着色プロファイルを制御するステップと、
前記コントローラを介して、前記第1の着色プロファイルおよび前記空間座標系における前記第2のIGUの位置に少なくとも部分的に基づいて、前記第2のIGUの第2の着色プロファイルを制御するステップと、
前記コントローラを介して、前記第3のIGUの前記空間位置ならびに前記第1の着色プロファイルおよび前記第2の着色プロファイルに少なくとも部分的に基づいて、前記第3のIGUの第3の着色プロファイルを制御するステップと、
を含む、方法。
【請求項11】
前記コントローラを介して、前記第4のIGUの前記空間位置ならびに前記第1、第2、および第3の着色プロファイルに少なくとも部分的に基づいて、前記第4のIGUの第4の着色プロファイルを制御するステップをさらに含む、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記第1、第2、第3、および第4のIGUにわたって勾配着色プロファイルを形成するステップをさらに含み、前記勾配着色プロファイルは、前記第1、第2、第3、および第4のIGUを組み込んだ形状を形成し、前記第1、第2、第3、および第4の着色プロファイルのうちの少なくとも1つは、前記形状を形成するために前記空間座標系を基準にして水平方向、垂直方向、および対角線方向のうちの1つで変化する、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記コントローラでセンサデータを受信するステップと、前記センサデータに基づいて前記第1、第2、第3、および第4の着色プロファイルのうちの1つまたは複数を調整するステップとをさらに含み、前記センサデータは、前記構造内の体積における光強度、内部環境条件、外部環境条件、前記IGUに適用される電気的パラメータ、時刻、および年月日のうちの少なくとも1つを表す、請求項11に記載の方法。
【請求項14】
太陽の現在位置を表すセンサデータを受信するステップと、前記太陽の前記位置が変化するにつれて、前記センサデータに基づいて前記第1、第2、第3、および第4の着色プロファイルのうちの1つまたは複数を調整するステップとをさらに含む、請求項11に記載の方法。
【請求項15】
複数の絶縁ガラスユニット(IGU)のための可変の着色を制御するための方法であって、前記複数のIGUが、1つまたは複数の構造上に設置された複数のファサードを含み、各ファサードが、少なくとも第1のIGUおよび第2のIGUを含み、前記方法は、
前記複数のIGUを空間座標系にマッピングし、それによって前記空間座標系における前記複数のIGUの各々の互いに対する位置を確立するステップであって、前記複数のIGUの各々の前記位置が前記構造上の物理的位置に対応する、ステップと、
前記少なくとも第1のIGUおよび前記第2のIGUを、前記ファサードの前記それぞれ1つに対する制御グループにグループ化するステップと、
コントローラを介して、前記空間座標系における前記第1のIGUの前記位置に少なくとも部分的に基づいて、前記第1のIGUの第1の着色プロファイルを制御するステップと、
前記コントローラを介して、前記第1の着色プロファイルおよび前記空間座標系における前記第2のIGUの前記位置に少なくとも部分的に基づいて、前記第2のIGUの第2の着色プロファイルを制御するステップと、を含む、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、建物のマルチ勾配ファサードに関し、より具体的には、エレクトロクロミック絶縁ガラスユニット(IGU)などのエレクトロクロミックデバイスを含む装置、およびマルチ勾配ファサードを達成するためにこれを使用する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
エレクトロクロミックグレージングなどのエレクトロクロミックデバイスは、建物に入る太陽光および放射エネルギーの量を減らすことができる。従来のエレクトロクロミックデバイスは、典型的には、エレクトロクロミックデバイスのガラス板全体にわたって単一の固定された可視光透過状態(すなわち、単一の着色)を維持する。例えば、窓ガラス全体を0%の着色または100%の着色、またはこれら2つの間の他の着色の値(例えば、10%の着色)に維持することができる。他の従来のエレクトロクロミックデバイスは、ガラスの単一の窓ガラスが、窓ガラスの特定の部分(すなわち、個別の着色領域)にわたって延伸する2つまたは3つの固定された個別の可視光透過状態を有することができるが、個別の「領域」間の緩やかな移行はないように形成される。例えば、単一の窓ガラス枠の上3分の1は100%の着色で維持され、中央3分の1は50%の着色(または他の割合の着色)で維持され、窓ガラス枠の下3分の1は0%の着色で維持され得るが、領域間の段階的な移行はない。追加の他の従来のエレクトロクロミックデバイスは、ガラスの単一の窓ガラスが、窓ガラスの特定の部分にわたって延伸する2つの可視光透過状態を有することができるが、2つの「領域」の間の着色の限定された段階的な移行しかないように形成される。例えば、単一の窓ガラス枠の上半分は100%の着色で維持されてもよく、下半分は0%の着色(または他の割合の着色)で維持されてもよく、領域が出会う場所には限られた段階的な着色移行がある。
【発明の概要】
【0003】
エレクトロクロミックデバイスの着色に関する制御のさらなる改善、および複数のエレクトロクロミックデバイスにわたる着色の調整が望まれている。
【0004】
実施形態は、例として示されており、添付の図に限定されない。
【0005】
当業者は、図中の要素が単純化および明瞭化のために示されており、必ずしも縮尺どおりに描かれていないことを理解するであろう。例えば、図中の要素のいくつかの寸法は、本発明の実施形態の理解を改善するのを助けるために、他の要素に対して誇張されている場合がある。
【0006】
図面と組み合わせた以下の説明は、本明細書に開示される教示を理解するのを助けるために提供される。以下の考察は、本教示の具体的な実装および実施形態に焦点を合わせるであろう。この焦点は、本教示を説明するのを助けるために提供されており、本教示の範囲または適用性に対する限定として解釈されるべきではない。
【0007】
本明細書で使用される場合、「備える(comprise)」、「備えている(comprising)」、「含む(include)」、「含んでいる(including)」、「有する(has)」、「有している(having)」という用語、またはこれらの任意の他の変形語は、非排他的な包含を網羅することを意図している。例えば、特徴のリストを含む処理、方法、物品、または装置は、必ずしもそれらの特徴だけに限定されず、明示的に列記されていない、またはそのような処理、方法、物品、または装置に固有でない他の特徴を含み得る。さらに、そうではないと明示的に述べられていない限り、「または(or)」は、包含的な「または」を指し、排他的な「または」を指さない。例えば、条件AまたはBは、以下のいずれか1つによって満たされる。Aは真(または存在する)かつBは偽(または存在しない)、Aは偽(または存在しない)かつBは真(または存在する)、ならびにAおよびBの両方が真(または存在する)のいずれか1つによって満たされる。
【0008】
「1つ(a)」または「1つ(an)」の使用は、本明細書に記載の要素および構成要素を説明するために使用される。これは単に便宜上および本発明の範囲の一般的な意味を与えるために行われる。この説明は、そうでないことが明らかでない限り、1つまたは少なくとも1つを含むように読まれるべきであり、単数形はまた複数形をも含み、またはその逆も同様である。
【0009】
変数を参照するとき、「定常状態(steady state)」という用語は、過渡状態中に動作変数が変化し得る場合であっても、動作変数が10秒にわたって平均したときに実質的に一定であることを意味することを意図している。例えば、定常状態にあるとき、動作変数は、特定のデバイスの特定の動作モードの動作変数に関して、平均の10%以内、5%以内、または0.9%以内に維持され得る。変動は、電圧線に沿って伝達されるノイズ、制御デバイス内のトランジスタの切り替え、装置内の他の構成要素の動作、または他の同様の影響などの、装置または支持機器における不完全性に起因し得る。またさらに、変数は、電圧または電流のなどの変数を読み取ることができるように毎秒マイクロ秒にわたって変化し得るか、または1つまたはそれ以上の電圧供給端子は、1Hz以上の周波数で2つの異なる電圧(例えば、1Vと2V)の間で交互し得る。したがって、不完全性に起因して、または動作パラメータを読み取るときに、装置は、このような変動を伴っても、定常状態にあり得る。動作モードの間で変化するとき、動作変数のうちの1つまたはそれ以上は、過渡状態にあり得る。このような変数の例としては、エレクトロクロミックデバイス内の特定の位置における電圧、またはエレクトロクロミックデバイスを流れる電流を挙げることができる。
【0010】
「約」、「およそ」、または「実質的に」という言葉の使用は、パラメータの値が規定の値または位置に近いことを意味することを意図している。ただし、わずかな違いにより、値または位置が記載どおりにならない場合がある。したがって、値に対する最大10パーセント(10%)の違いは、説明するとおりの理想的な目標との妥当な差である。有意な違いとは、その違いが10パーセント(10%)を超えるときであり得る。
【0011】
他に定義されない限り、本明細書において使用される全ての技術的および科学的用語は、本発明が属する分野の当業者によって一般的に理解されるのと同じ意味を有する。材料、方法、および例は、例示的なものにすぎず、限定的であることを意図しない。本明細書で説明しない範囲で、特定の材料および処理行為に関する多くの詳細は従来どおりであり、ガラス、蒸着、およびエレクトロクロミック技術の範囲の教科書および他の情報源に見出され得る。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1A】一実施形態による構造上に設置された複数の異なる形状の絶縁ガラスユニット(IGU)を備えるファサードの図である。
図1B】一実施形態による構造上に設置された複数の同じ形状のIGUを備えるファサードの図である。
図1C】一実施形態による構造上に設置された複数のIGUを各々が含む複数のファサードの図である。
図2A】一実施形態による複数のIGUを備える勾配ファサードの図である。
図2B】一実施形態による複数のIGUを備える勾配ファサードの図である。
図2C】一実施形態による複数のIGUを備える勾配ファサードの図である。
図2D】一実施形態による複数のIGUを備える勾配ファサードの図である。
図2E】一実施形態による複数のIGUを備える勾配ファサードの図である。
図2F】一実施形態による複数のIGUを備える勾配ファサードの図である。
図3A】一実施形態による複数のIGUを備える勾配ファサードの図である。
図3B】一実施形態による複数のIGUを備える勾配ファサードの図である。
図3C】一実施形態による複数のIGUを備える勾配ファサードの図である。
図3D】一実施形態による複数のIGUを備える勾配ファサードの図である。
図3E】一実施形態による複数のIGUを備える勾配ファサードの図である。
図3F】一実施形態による複数のIGUを備える勾配ファサードの図である。
図4A】一実施形態による複数のIGUを備える勾配ファサードの図である。
図4B】一実施形態による複数のIGUを備える勾配ファサードの図である。
図5】一実施形態による複数のIGUを備える勾配ファサードの図である。
図6】一実施形態による複数のIGUを備える勾配ファサードの図である。
図7】一実施形態による複数のIGUを備える勾配ファサードの図である。
図8】一実施形態による複数のIGUを備える勾配ファサードの図である。
図9】一実施形態による複数のIGUを備える勾配ファサードの図である。
図10】一実施形態による複数のIGUを備える勾配ファサードの図である。
図11】一実施形態による複数のIGUを備える勾配ファサードの図である。
図12】一実施形態によるファサードの可変の着色を制御する方法の処理フロー図である。
図13】一実施形態による、構造上に設置された、複数のファサードを含む複数のIGUの可変の着色を制御する方法の処理フロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
図12は、構造(建物など)上に設置された複数の絶縁ガラスユニット(IGU)を含むファサードの様々な着色を制御するための方法1400の一実施形態の処理フロー図を示し、複数のIGUは、少なくとも第1のIGUおよび第2のIGUを含む。ステップ1401は、複数のIGUを空間座標系にマッピングし、それによって空間座標系における複数のIGUの各々の互いに対する位置を確立するステップを含む。複数のIGUの各々の位置は、構造上の物理的位置に対応することができる。ステップ1403は、コントローラを介して、空間座標系における第1のIGUの位置に少なくとも部分的に基づいて、第1のIGUの第1の着色プロファイルを制御するステップを含む。ステップ1405は、コントローラを介して、第1の着色プロファイルおよび空間座標系における第2のIGUの位置に少なくとも部分的に基づいて、第2のIGUの第2の着色プロファイルを制御するステップを含む。図12の方法は、第3のIGUならびに必要に応じて第4のIGUを制御するステップをさらに含むことができる。ステップ1407は、コントローラを介して、第3のIGUの空間位置ならびに第1および第2の着色プロファイルに少なくとも部分的に基づいて、第3のIGUの第3の着色プロファイルを制御するステップをさらに含むことができる。ステップ1409は、コントローラを介して、第4のIGUの空間位置ならびに第1、第2、および第3の着色プロファイルに少なくとも部分的に基づいて、第4のIGUの第4の着色プロファイルを制御するステップをさらに含むことができる。
【0014】
本明細書で使用される場合、「着色プロファイル」は、IGUにわたって分布する可視光透過度(VLT)、したがって対応する着色を指すことが理解されよう。VLTは、着色ガラスを通して見える光の割合として計算される。63%などの高いVLTは、可視光透過量が高いことを示し、透明であると考えられる。一方、VLTが低いほど、着色が暗くなり、最終的に遮光される光が多くなる。例えば、窓が5パーセントのVLT着色を有する場合、その窓は外光の5パーセントのみを許容する。
【0015】
IGU内などのエレクトロクロミックデバイスは、例えば、状態間を切り替えるために必要な時間を超えるなどの、ほぼ任意の期間にわたって、連続勾配透過状態に維持することができる。連続勾配の場合、エレクトロクロミックデバイスは、相対的により低い透過率を有する領域においてバスバー間に相対的により高い電界を有し、相対的により高い透過率を有する別の領域においてバスバー間に相対的により低い電界を有することができる。連続勾配は、離散勾配と比較して、より低い透過率とより高い透過率との間で、より視覚的に好ましい移行を可能にする。バスバーの様々な位置は、完全な脱色(最高の透過)から完全な着色(最低の透過状態)の範囲、またはそれらの間のどこかであり得る電圧を提供することができる。またさらに、エレクトロクロミックデバイスは、エレクトロクロミックデバイスの領域の全てにわたって実質的に均一な透過状態で、エレクトロクロミックデバイスの領域の全てにわたって連続勾配透過状態で、または実質的に均一な透過状態を有する部分および連続勾配透過状態を有する別の部分との組み合わせで動作させることができる。
【0016】
連続勾配透過状態のための多くの異なるパターンは、バスバーの位置、各バスバーに結合された電圧供給端子の数、バスバーに沿った電圧供給端子の位置、またはそれらの任意の組み合わせの適切な選択によって達成することができる。別の実施形態では、バスバー間の間隙を使用して、連続勾配透過状態を達成することができる。
【0017】
第1の着色プロファイルおよび第2の着色プロファイルは、完全に着色された状態から部分的に着色された状態、または着色されていない状態(本明細書では「完全に透明」または「完全に漂白された」とも呼ばれる)、またはそれらの組み合わせに有利に移行することができる。一実施形態では、第1の着色プロファイルは、第1のIGUの完全に着色された部分から第1のIGUの部分的に着色された部分に移行することができる。一実施形態では、第2の着色プロファイルは、第2のIGUの部分的に色付けされた部分から第2のIGUの完全に透明な部分に移行することができる。一実施形態では、第2の着色プロファイルは、完全に着色されていてもよく、部分的に着色されていてもよく、完全に透明であってもよく、またはそれらの組み合わせであってもよい。一実施形態では、第2の着色プロファイルは、第2のIGUの部分的に着色された部分から第2のIGUの完全に着色された部分に移行することができる。
【0018】
本方法は、有益には、1つまたは複数の着色プロファイルを別の着色プロファイルに切り替えるステップを含むことができる。切り替えは、コントローラまたは複数のコントローラを使用することによって達成することができる。一実施形態では、本方法は、第1のIGUを第1の着色プロファイルから第3の着色プロファイルに切り替えるステップを含むことができる。一実施形態では、第3の着色プロファイルは、完全に着色されていてもよく、完全に透明であってもよく、勾配着色されていてもよく、またはそれらの組み合わせであってもよい。一実施形態では、本方法は、コントローラを介して、第2のIGUを第2の着色プロファイルから第4の着色プロファイルに切り替えるステップを含むことができる。一実施形態では、第4の着色プロファイルは、完全に着色されていてもよく、完全に透明であってもよく、勾配着色されていてもよく、またはそれらの組み合わせであってもよい。
【0019】
本方法は、有利には、複数の隣接するIGUなどの複数のIGUにわたって均一な勾配を作成するステップを含むことができる。本明細書で使用される場合、「均一な勾配」は、一定の着色の値を有する第1のIGUおよび勾配着色を有する第2のIGUを指すことができる。あるいは、「均一な勾配」は、勾配着色を有する第1のIGUおよび第2のIGUの両方を指すこともできる。一実施形態では、第1の着色プロファイルおよび第2の着色プロファイルは、第1のIGUおよび第2のIGUにわたって均一な勾配着色プロファイルを形成することができる。一実施形態では、第3の着色プロファイルおよび第4の着色プロファイルは、第1のIGUおよび第2のIGUにわたって均一な勾配着色プロファイルを形成することができる。一実施形態では、第1のIGUは、空間座標系において第2のIGUに隣接することができ、第1の着色プロファイルおよび第2の着色プロファイルは、第1および第2のIGUにわたって均一な勾配着色プロファイルを形成する。一実施形態では、均一な勾配着色プロファイルは、空間座標系を参照して、水平方向、垂直方向、対角方向、またはそれらの組み合わせにおいて変化し得る。一実施形態では、本方法は、第1、第2、第3、および第4のIGUにわたって均一な勾配着色プロファイルを形成するステップを含むことができ、均一な勾配着色は、空間座標系を基準にして水平方向、垂直方向、および対角方向のうちの1つで変化する。特定の実施形態では、本方法は、第1、第2、第3、および第4のIGUにわたって勾配着色プロファイルを形成するステップを含むことができ、勾配着色プロファイルは、第1、第2、第3、および第4のIGUを組み込んだ形状を形成し、第1、第2、第3、および第4の着色プロファイルの少なくとも1つは、形状を形成するために空間座標系を基準にして水平方向、垂直方向、および対角線方向のうちの1つで変化する。勾配着色プロファイルによって形成される形状は変化し得る。一実施形態では、形状は、長方形、台形、三角形、または楕円形であり得る。
【0020】
一実施形態では、本方法は、第1の均一な勾配着色プロファイルを有する第1の複数の隣接するIGUと、第2の均一な勾配着色プロファイルを有する第2の複数の隣接するIGUとを含むことができる。第1の均一な勾配着色プロファイルおよび第2の均一な勾配着色プロファイルは、同じであっても異なっていてもよい。
【0021】
個々のIGUの形状は、同じ形状または異なる形状とすることができる。一実施形態では、第1のIGUおよび第2のIGUは同じ形状を有することができる。一実施形態では、第1のIGUおよび第2のIGUは、異なる形状を有することができる。一実施形態では、第3のIGUおよび第4のIGUは、第1および第2のIGUと同じ形状または異なる形状を有することができ、あるいは互いに同じ形状または異なる形状を有することができる。
【0022】
本明細書に記載の方法は、構造の複数のファサードまたは複数の構造に適用することができる。図13は、複数の絶縁ガラスユニット(IGU)の可変の着色を制御するための方法1500の一実施形態の処理フロー図を示し、複数のIGUは、1つまたは複数の構造上に設置された複数のファサードを含み、各ファサードは、少なくとも第1のIGUおよび第2のIGUを含む。ステップ1501は、複数のIGUを空間座標系にマッピングすることによって、空間座標系における複数のIGUの各々の互いに対する位置を確立するステップを含み、複数のIGUの各々の位置は、構造上の物理的位置に対応する。ステップ1503は、ファサードのそれぞれのための制御グループ内の少なくとも第1および第2のIGUをグループ化するステップを含む。グループ化するステップは、ファサードの1つまたは複数にIGUの複数の制御グループを作成するステップをさらに含むことができる。ステップ1505は、空間座標系における第1のIGUの位置に少なくとも部分的に基づいて、コントローラを介して、第1のIGUの第1の着色プロファイルを制御するステップを含む。ステップ1507は、コントローラを介して、第1の着色プロファイルおよび空間座標系における第2のIGUの位置に少なくとも部分的に基づいて、第2のIGUの第2の着色プロファイルを制御するステップを含む。
【0023】
IGUなどのエレクトロクロミックデバイスは、建物のファサードを形成する窓、または複数の窓の一部として使用することができる。エレクトロクロミックデバイスは、装置内で使用することができる。装置は、エネルギー源と、入力/出力ユニットと、エレクトロクロミックデバイスを制御する制御デバイスと、をさらに含むことができる。装置内の構成要素は、エレクトロクロミックデバイスの近くまたは遠くに位置付けることができる。一実施形態では、そのような構成要素のうちの1つまたはそれ以上を、建物内の環境制御と統合することができる。
【0024】
図において例示され、下で説明する実施形態は、本明細書で説明する概念を実装するための特定の用途を理解するのを補助する。
【0025】
図1Aは、一実施形態による構造上に設置された複数の絶縁ガラスユニット(IGU)を備えるファサード100の図である。ファサード100は、異なる形状のIGUの組み合わせを含む。第1の複数は、三角形のIGU101を含む。第2の複数は、長方形のIGU103を含む。ファサードは、勾配ファサードを含むことができる。
【0026】
図1Bは、一実施形態による構造上に設置された複数の同じ形状の絶縁IGU107を備えるファサード105の図である。ファサードは、勾配ファサードを含むことができる。
【0027】
図1Cは、複数のファサード(第1のファサード109および第2のファサード111)の図であり、各ファサードは、一実施形態による構造上に設置された複数のIGUを含む。第1のファサード109は、同じ形状(長方形)および同じ寸法の複数のIGU113を備える。第2のファサード111は、同じ形状(長方形)および同じ寸法の複数のIGU115を備える。第1の複数のIGU113は、第2の複数のIGU115とは異なる寸法を有する。第1のファサードおよび第2のファサードはそれぞれ、勾配ファサードを備えることができる。
【0028】
図2Aは、一実施形態による、複数のIGU、具体的には第1のIGU202および第2のIGU204を備える勾配ファサード200の図である。複数のIGUは、ファサードを横切る上から下への着色勾配(すなわち、可視光透過勾配)を含む。第1のIGUは、第1のIGUの上縁206に沿った約1%の透過率(最高の着色)から第1のIGUの下縁208に沿った約10%の透過率まで変化する連続可視光透過率勾配を含む。第2のIGUは、第2のIGUの上縁210に沿った約10%の透過率から第2のIGUの下縁212に沿った約63%の透過率(最小着色)(本明細書では「完全に透明」または「完全に漂白された」とも呼ばれる)まで変化する連続可視光透過率勾配を含む。
【0029】
図2Bは、一実施形態による、複数のIGU、具体的には第1のIGU212および第2のIGU214を備える勾配ファサード214の図である。複数のIGUは、ファサードを横切る上から下への着色勾配(すなわち、可視光透過勾配)を含む。第1のIGUは、第1のIGUの上縁216に沿った約63%の透過率(最小着色-完全に透明)から第1のIGUの下縁218に沿った約10%の透過率まで変化する連続可視光透過率勾配を含む。第2のIGUは、第2のIGUの上縁220に沿った約10%の透過率から第2のIGUの下縁222に沿った約1%の透過率(最高の着色)まで変化する連続可視光透過率勾配を含む。
【0030】
図2Cは、一実施形態による、複数のIGU、具体的には第1のIGU226および第2のIGU228を備える勾配ファサード224の図である。複数のIGUは、ファサードを横切る斜めの(本明細書では「角から角」とも呼ばれる)着色勾配(すなわち、可視光透過勾配)を含む。第1のIGUは、第1のIGUの右上隅230の約63%の透過率(最小着色-完全に透明)から第1のIGUの左下隅232の約10%の透過率まで変化する連続可視光透過勾配を含む。第2のIGUは、第2のIGUの右上隅234の約10%の透過率から第2のIGUの左下隅236の約63%の透過率(最小着色-完全に透明)まで変化する連続可視光透過率勾配を含む。
【0031】
図2Dは、一実施形態による、複数のIGU、具体的には第1のIGU240および第2のIGU242を備える勾配ファサード238の図である。複数のIGUは、ファサードを横切る斜めの(本明細書では「角から角」とも呼ばれる)着色勾配(すなわち、可視光透過勾配)を含む。第1のIGUは、第1のIGUの右上隅244の約1%の透過率(最も着色されている)から第1のIGUの左下隅246の約63%の透過率(最も着色されていない-完全に透明)まで変化する連続可視光透過勾配を含む。第2のIGUは、第2のIGUの右上隅248における約63%の透過率から第2のIGUの左下隅250における約1%の透過率まで変化する連続可視光透過率勾配を含む。
【0032】
図2Eは、一実施形態による、複数のIGU、具体的には第1のIGU254および第2のIGU256を備える勾配ファサード252の図である。複数のIGUは、ファサードを横切る左右(本明細書では「左から右」とも呼ばれる)の着色勾配(すなわち、可視光透過勾配)を含む。第1のIGUは、第1のIGUの左縁262に沿った約10%の透過率から第1のIGUの右縁260に沿った約63%の透過率(最小着色-完全に透明)まで変化する連続可視光透過率勾配を含む。第2のIGUは、第2のIGUの左縁266に沿った約10%の透過率から第2のIGUの右縁264に沿った約63%の透過率まで変化する連続可視光透過率勾配を含む。
【0033】
図2Fは、一実施形態による、複数のIGU、具体的には第1のIGU270および第2のIGU272を備える勾配ファサード268の図である。複数のIGUは、ファサードを横切る左右(本明細書では「左から右」とも呼ばれる)の着色勾配(すなわち、可視光透過勾配)を含む。第1のIGUは、第1のIGUの左縁276に沿った約63%の透過率から第1のIGUの右縁274に沿った約1%の透過率まで変化する連続可視光透過率勾配を含む。第2のIGUは、第2のIGUの左縁280に沿った約63%の透過率から第2のIGUの右縁278に沿った約1%の透過率まで変化する連続可視光透過率勾配を含む。
【0034】
図3Aは、一実施形態による、複数のIGU、具体的には第1のIGU302、第2のIGU304、第3のIGU306、および第4のIGU308を備える勾配ファサード300の図である。複数のIGUは、ファサードを横切る左右(本明細書では「左から右」とも呼ばれる)の着色勾配(すなわち、可視光透過勾配)を含む。第1のIGUは、第1のIGUの左縁310に沿った約63%の透過率から第1のIGUの右縁312に沿った約10%の透過率まで変化する連続可視光透過率勾配を含む。第2のIGUは、第2のIGUの左縁314に沿った約63%の透過率から第2のIGUの右縁316に沿った約10%の透過率まで変化する連続可視光透過率勾配を含む。第3のIGUは、第1のIGUの左縁318に沿った約10%の透過率から第3のIGUの右縁320に沿った約1%の透過率まで変化する連続可視光透過率勾配を含む。第4のIGUは、第4のIGUの左縁322に沿った約10%の透過率から第4のIGUの右縁324に沿った約1%の透過率まで変化する連続可視光透過率勾配を含む。
【0035】
図3Bは、一実施形態による、複数のIGU、具体的には第1のIGU328、第2のIGU330、第3のIGU332、および第4のIGU334を備える勾配ファサード326の図である。複数のIGUは、ファサードを横切る上から下への着色勾配(すなわち、可視光透過勾配)を含む。第1のIGUは、第1のIGUの上縁336に沿った約1%の透過率から第1のIGUの下縁338に沿った約10%の透過率まで変化する連続可視光透過率勾配を含む。第2のIGUは、第2のIGUの上縁340に沿った約10%の透過率から第2のIGUの下縁342に沿った約63%の透過率まで変化する連続可視光透過率勾配を含む。第3のIGUは、第3のIGUの上縁344に沿った約1%の透過率から第3のIGUの下縁346に沿った約10%の透過率まで変化する連続可視光透過率勾配を含む。第4のIGUは、第4のIGUの上縁348に沿った約10%の透過率から第4のIGUの下縁350に沿った約63%の透過率まで変化する連続可視光透過率勾配を含む。
【0036】
図3Cは、一実施形態による、複数のIGU、具体的には第1のIGU356、第2のIGU358、第3のIGU360、および第4のIGU362を備える勾配ファサード354の図である。複数のIGUは、ファサードを横切る上から下への着色勾配(すなわち、可視光透過勾配)を含む。第1のIGUは、第1のIGUの上縁364に沿った約63%の透過率から第1のIGUの下縁366に沿った約10%の透過率まで変化する連続可視光透過率勾配を含む。第2のIGUは、第2のIGUの上縁368に沿った約10%の透過率から第2のIGUの下縁370に沿った約63%の透過率まで変化する連続可視光透過率勾配を含む。第3のIGUは、第3のIGUの上縁372に沿った約63%の透過率から第3のIGUの下縁374に沿った約10%の透過率まで変化する連続可視光透過率勾配を含む。第4のIGUは、第4のIGUの上縁376に沿った約10%の透過率から第4のIGUの下縁378に沿った約63%の透過率まで変化する連続可視光透過率勾配を含む。
【0037】
図3Dは、一実施形態による、複数のIGU、具体的には第1のIGU382、第2のIGU384、第3のIGU386、および第4のIGU388を備える勾配ファサード380の図である。複数のIGUは、ファサードにわたって角部間の着色勾配(すなわち、可視光透過勾配)を含む。第1のIGUは、第1のIGU全体にわたって63%の均一な可視光透過率を含む。第2のIGUは、第2のIGUの左上隅390における約63%の透過率から第2のIGUの右下隅392における約1%の透過率まで変化する連続可視光透過率勾配を含む。約10%の透過率などの勾配中間透過率を有する領域は、第2のIGUを左下隅から右上隅まで二等分する線386で始まり、第2のIGUの右下隅の1%透過領域に向かって下方に延伸する台形状の領域などの領域に配置することができる。第3のIGUは、第2のIGUと同じ勾配プロファイルを有し、第3のIGUの左上隅394の透過率約63%から第3のIGUの右下隅396の透過率約1%まで変化する連続可視光透過勾配を含む。約10%の透過率などの勾配中間透過率を有する領域は、第3のIGUを左下隅から右上隅まで二等分する線386で始まり、第3のIGUの右下隅の1%透過領域に向かって下方に延伸する台形状の領域などの領域に配置することができる。第4のIGUは、第4のIGUの左上隅398における約10%の透過率から第4のIGUの右下隅400における約1%の透過率まで変化する連続可視光透過率勾配を含む。第2のIGU、第3のIGU、および第4のIGUの中間透過領域は、同じ勾配透過値を有し、透過領域クラスタを含むことができる。
【0038】
図3Eは、一実施形態による、複数のIGU、具体的には第1のIGU404、第2のIGU406、第3のIGU408、および第4のIGU410を備える勾配ファサード402の図である。IGUの各々は、IGUの面を横切る角から角への着色勾配(すなわち、可視光透過勾配)を含む。第1のIGUは、第1のIGUの左上隅412の約63%から第1のIGUの右下隅414の約1%まで変化する連続可視光透過勾配を含む。第2のIGUは、第2のIGUの左下隅416における約63%の透過率から第2のIGUの右上隅418における約1%の透過率まで変化する連続的な可視光透過率勾配を含む。第3のIGUは、第3のIGUの右上隅420における約63%の透過率から第3のIGUの左下隅422における約1%の透過率まで変化する連続的な可視光透過率勾配を有する。第4のIGUは、第4のIGUの右下角424における約63%の透過率から第4のIGUの左上角426における約1%の透過率まで変化する連続可視光透過率勾配を含む。1%の透過率を有する第1、第2、第3、および第4のIGUの隣接するコーナーの各々は、集合的に、グレア制御クラスタなどの透過領域クラスタを含むことができる。
【0039】
図3Fは、一実施形態による、複数のIGU、具体的には第1のIGU428、第2のIGU430、第3のIGU432、および第4のIGU434を備える勾配ファサード426の図である。IGUの各々は、IGUの面を横切る角から角への着色勾配(すなわち、可視光透過勾配)を含む。第1のIGUは、第1のIGUの左上隅436の約1%から第1のIGUの右下隅438の約63%まで変化する連続可視光透過勾配を含む。第2のIGUは、第2のIGUの左下隅440における約1%の透過率から第2のIGUの右上隅442における約63%の透過率まで変化する連続的な可視光透過率勾配を含む。第3のIGUは、第3のIGUの右上隅444における約1%の透過率から第3のIGUの左下隅446における約63%の透過率まで変化する連続可視光透過率勾配を含む。第4のIGUは、第4のIGUの右下角448における約1%の透過率から第4のIGUの左上角450における約63%の透過率まで変化する連続可視光透過率勾配を含む。63%の透過率を有する第1、第2、第3、および第4のIGUの隣接するコーナーの各々は、自然光クラスタなどの透過領域クラスタを集合的に含むことができる。
【0040】
図4Aは、一実施形態による複数のIGU、具体的には第1のIGU502、第2のIGU504、第3のIGU506、第4のIGU508、第5のIGU510、第6のIGU512、第7のIGU514、第8のIGU516、および第9のIGU518を含む勾配ファサード500の図である。複数のIGUは、ファサードを横切る上から下への着色勾配(すなわち、可視光透過勾配)を含む。第1のIGUは、第1のIGUの上縁522に沿った約1%の透過率から第1のIGUの下縁524に沿った約6%の透過率まで変化する連続可視光透過率勾配を含む。第2のIGUは、第2のIGUの上縁526に沿った約6%の透過率から第2のIGUの下縁528に沿った約10%の透過率まで変化する連続可視光透過率勾配を含む。第3のIGUは、第3のIGUの上縁530に沿った約10%の透過率から第3のIGUの下縁532に沿った約63%の透過率まで変化する連続可視光透過率勾配を含む。第4のIGUは、第4のIGUの上縁534に沿った約1%の透過率から第4のIGUの下縁536に沿った約6%の透過率まで変化する連続可視光透過率勾配を含む。第5のIGUは、第5のIGUの上縁538に沿った約6%の透過率から第5のIGUの下縁540に沿った約10%の透過率まで変化する連続可視光透過率勾配を含む。第6のIGUは、第6のIGUの上縁542に沿った約10%の透過率から第6のIGUの下縁544に沿った約63%の透過率まで変化する連続可視光透過率勾配を含む。第7のIGUは、第7のIGUの上縁546に沿った約1%の透過率から第7のIGUの下縁548に沿った約6%の透過率まで変化する連続可視光透過率勾配を含む。第8のIGUは、第8のIGUの上縁550に沿った約6%の透過率から第8のIGUの下縁552に沿った約10%の透過率まで変化する連続可視光透過率勾配を含む。第9のIGUは、第9のIGUの上縁554に沿った約10%の透過率から第9のIGUの下縁556に沿った約63%の透過率まで変化する連続可視光透過率勾配を含む。
【0041】
図4Bは、一実施形態による複数のIGU、具体的には第1のIGU602、第2のIGU604、第3のIGU606、第4のIGU608、第5のIGU610、第6のIGU612、第7のIGU614、第8のIGU616、および第9のIGU618を備える勾配ファサード600の図である。複数のIGUは、ファサードを横切る上から下への着色勾配(すなわち、可視光透過勾配)を含む。第1のIGUは、第1のIGUの上縁620に沿った約1%の透過率から第1のIGUの下縁622に沿った約10%の透過率まで変化する連続可視光透過率勾配を含む。第2のIGUは、第2のIGU全体にわたって10%の均一な可視光透過率を含む。第3のIGUは、第3のIGUの上縁624に沿った約10%の透過率から第3のIGUの下縁626に沿った約63%の透過率まで変化する連続可視光透過率勾配を含む。第4のIGUは、第4のIGUの上縁628に沿った約1%の透過率から第4のIGUの下縁630に沿った約10%の透過率まで変化する連続可視光透過率勾配を含む。第5のIGUは、第5のIGU全体にわたって10%の均一な可視光透過率を含む。第6のIGUは、第6のIGUの上縁632に沿った約10%の透過率から第6のIGUの下縁634に沿った約63%の透過率まで変化する連続可視光透過率勾配を含む。第7のIGUは、第7のIGUの上縁636に沿った約1%の透過率から第7のIGUの下縁638に沿った約10%の透過率まで変化する連続可視光透過率勾配を含む。第8のIGUは、第8のIGU全体にわたって10%の均一な可視光透過率を含む。第9のIGUは、第9のIGUの上縁640に沿った約10%の透過率から第9のIGUの下縁642に沿った約63%の透過率まで変化する連続可視光透過率勾配を含む。
【0042】
図5は、一実施形態による複数のIGU、具体的には第1のIGU702、第2のIGU704、第3のIGU706、第4のIGU708、第5のIGU710、第6のIGU712、第7のIGU714、第8のIGU716、および第9のIGU718を含む勾配ファサード700の図である。複数のIGUは、ファサードを横切る上から下への着色勾配(すなわち、可視光透過勾配)を含む。第1のIGUは、第1のIGU全体にわたって1%の均一な可視光透過率を含む。第2のIGUは、第2のIGUの上縁720に沿った約1%の透過率から第2のIGUの下縁722に沿った約10%の透過率まで変化する連続可視光透過率勾配を含む。第3のIGUは、第3のIGUの上縁724に沿った約10%の透過率から第3のIGUの下縁726に沿った約63%の透過率まで変化する連続可視光透過率勾配を含む。第4のIGUは、第4のIGU全体にわたって1%の均一な可視光透過率を含む。第5のIGUは、第5のIGUの上縁728に沿った約1%の透過率から第5のIGUの下縁730に沿った約10%の透過率まで変化する連続可視光透過率勾配を含む。第6のIGUは、第6のIGUの上縁732に沿った約10%の透過率から第6のIGUの下縁734に沿った約63%の透過率まで変化する連続可視光透過率勾配を含む。第7のIGUは、第7のIGU全体にわたって1%の均一な可視光透過率を含む。第8のIGUは、第8のIGUの上縁736に沿った約1%の透過率から第8のIGUの下縁738に沿った約10%の透過率まで変化する連続可視光透過率勾配を含む。第9のIGUは、第9のIGUの上縁740に沿った約10%の透過率から第9のIGUの下縁742に沿った約63%の透過率まで変化する連続可視光透過率勾配を含む。1%の透過率を有する第1、第4、および第7のIGU、ならびに第2、第5、および第8のIGUの1%の透過部分は、グレア低減クラスタなどの透過領域クラスタを集合的に含む。
【0043】
図6は、一実施形態による複数のIGU、具体的には第1のIGU802、第2のIGU804、第3のIGU806、第4のIGU808、第5のIGU810、第6のIGU812、第7のIGU814、第8のIGU816、および第9のIGU818を含む勾配ファサード800の図である。複数のIGUは、ファサードにわたって着色勾配(すなわち、可視光透過勾配)を含む。第1のIGUは、IGUの面を横切る角から角への着色勾配(すなわち、可視光透過勾配)を含む。第1のIGUは、第1のIGUの左上隅820の約63%から第1のIGUの右下隅822の約1%まで変化する連続可視光透過勾配を含む。第2のIGUは、IGUの面を横切る左右の着色勾配(すなわち、可視光透過勾配)を含む。第2のIGUは、第2のIGUの左縁824に沿った約63%の透過率から第2のIGUの右縁826に沿った約1%の透過率まで変化する連続可視光透過率勾配を含む。第3のIGUは、IGUの面を横切る角から角への着色勾配(すなわち、可視光透過勾配)を含む。第3のIGUは、第3のIGUの左下隅830における約63%の透過率から第3のIGUの右上隅828における約1%の透過率まで変化する連続的な可視光透過率勾配を含む。第4のIGUは、第4のIGUの上縁832に沿った約63%の透過率から第4のIGUの下縁834に沿った約1%の透過率まで変化する連続可視光透過率勾配を含む。第5のIGUは、第5のIGU全体にわたって1%の均一な可視光透過率を含む。第6のIGUは、第6のIGUの上縁836に沿った約1%の透過率から第6のIGUの下縁838に沿った約63%の透過率まで変化する連続可視光透過率勾配を含む。第7のIGUは、IGUの面を横切る角から角への着色勾配(すなわち、可視光透過勾配)を含む。第7のIGUは、第7のIGUの右上隅840における約63%の透過率から第7のIGUの左下隅842における約1%の透過率まで変化する連続可視光透過率勾配を含む。第8のIGUは、IGUの面を横切る左右の着色勾配を含む。第8のIGUは、第8のIGUの右縁844に沿った約63%の透過率から第8のIGUの左縁846に沿った約1%の透過率まで変化する連続可視光透過率勾配を含む。第9のIGUは、隅から隅の着色勾配を含む。第9のIGUは、第9のIGUの右下角850における約63%の透過率から第9のIGUの左上角848における約1%の透過率まで変化する連続可視光透過率勾配を含む。第5のIGUならびに第1、第2、第3、第4、第6、第7、第8、および第9のIGUの隣接する1%透過部分は、共に、グレア制御クラスタ(本明細書ではグレア制御領域とも呼ばれる)などの透過領域クラスタを備える。
【0044】
図7は、複数の9つのIGUを備える勾配ファサード900の図であり、中央IGUおよび周囲のIGUの隣接部分は、一実施形態によるグレア制御領域を形成するために、1%から5%の透過などの非常に低い可視光透過勾配を備える。
【0045】
図8は、一実施形態による、複数のIGU、具体的には第1のIGU1002、第2のIGU1004、第3のIGU1006、および第4のIGU1008を備える勾配ファサード1000の図である。第1および第2のIGUは、同じサイズおよび寸法である。第3および第4のIGUは、互いに、ならびに第1および第2のIGUとはサイズおよび寸法が異なる。第1のIGUは、第1のIGUの上縁1010に沿った約1%の透過率から第1のIGUの下縁1012に沿った約10%の透過率まで変化する連続可視光透過率勾配を含む。第2のIGUは、第2のIGUの上縁1014に沿った約10%の透過率から第2のIGUの下縁1016に沿った約63%の透過率まで変化する連続可視光透過率勾配を含む。第3のIGUは、第3のIGUの上縁1018に沿った約6%の透過率から第3のIGUの下縁1020に沿った約63%の透過率まで変化する連続可視光透過率勾配を含む。第4のIGUは、第4のIGUの上縁1022に沿った約20%の透過率から第4のIGUの下縁1024に沿った約63%の透過率まで変化する連続可視光透過率勾配を含む。
【0046】
図9は、一実施形態による複数のIGU、具体的には第1のIGU1102、第2のIGU1104、第3のIGU1106、第4のIGU1108、第5のIGU1110、第6のIGU1112、第7のIGU1114、および第8のIGU1116を含む勾配ファサード1100の図である。第1、第2、第3、第6、第7、および第8のIGUは、同じサイズおよび寸法である。第3および第4のIGUは、同じサイズおよび寸法であるが、他のIGUとは異なる。第1のIGUは、第1のIGUの上縁1118に沿った約1%の透過率から第1のIGUの下縁1120に沿った約10%の透過率まで変化する連続可視光透過率勾配を含む。第2のIGUは、IGU全体にわたって均一な10%の伝送を含む。第3のIGUは、第3のIGUの上縁1122に沿った約10%の透過率から第3のIGUの下縁1124に沿った約63%の透過率まで変化する連続可視光透過率勾配を含む。第4のIGUは、第4のIGUの上縁1126に沿った約1%の透過率から第4のIGUの下縁1128に沿った約10%の透過率まで変化する連続可視光透過率勾配を含む。第5のIGUは、第5のIGUの上縁1130に沿った約10%の透過率から第5のIGUの下縁1132に沿った約63%の透過率まで変化する連続可視光透過率勾配を含む。第6のIGUは、第6のIGUの上縁1134に沿った約1%の透過率から第6のIGUの下縁1136に沿った約10%の透過率まで変化する連続可視光透過率勾配を含む。第7のIGUは、IGU全体にわたって均一な10%の伝送を含む。第8のIGUは、第8のIGUの上縁1138に沿った約10%の透過率から第8のIGUの下縁1140に沿った約63%の透過率まで変化する連続可視光透過率勾配を含む。
【0047】
図10は、一実施形態による複数のIGU、具体的には第1のIGU1202、第2のIGU1204、および第3のIGU1206を備える勾配ファサード1200の図である。第1、第2、および第3のIGUは、異なる形状、サイズ、および寸法のものである。第1のIGUは長方形であり、第2のIGUは五角形であり、第3のIGUは三角形である。第1のIGUは、第1のIGUの上縁1208に沿った約10%の透過率から第1のIGUの下縁1210に沿った約63%の透過率まで変化する連続可視光透過率勾配を含む。第2のIGUは、第2のIGUの頂縁部1214および頂部傾斜縁部1216に沿った約10%の透過率から第2のIGUの底縁部1218に沿った約63%の透過率まで変化する連続可視光透過率勾配を含む。第3のIGUは、第3のIGUの頂部角1220での約25%の透過率から第3のIGUの底縁1222に沿った約63%の透過率まで変化する連続可視光透過率勾配を含む。
【0048】
図11は、一実施形態による複数のIGU、具体的には第1のIGU1302、第2のIGU1304、第3のIGU1306、第4のIGU1308、第5のIGU1310、第6のIGU1312、第7のIGU1314、および第8のIGU1316を含む勾配ファサード1300の図である。第1、第2、第3、第6、第7、および第8のIGUは、同じサイズおよび寸法である。第4および第5のIGUは、同じサイズおよび寸法であるが、他のIGUとは異なる。第1のIGUは、第1のIGUの上縁1318に沿った約1%の透過率から第1のIGUの下縁1320に沿った約10%の透過率まで変化する連続可視光透過率勾配を含む。第2のIGUは、IGU全体にわたって均一な10%の伝送を含む。第3のIGUは、第3のIGUの上縁1322に沿った約10%の透過率から第3のIGUの下縁1324に沿った約63%の透過率まで変化する連続可視光透過率勾配を含む。第4のIGUは、第4のIGUの上縁1326に沿った約1%の透過率から第4のIGUの下縁1328に沿った約10%の透過率まで変化する連続可視光透過率勾配を含む。第5のIGUは、第5のIGUの上縁1330に沿った約10%の透過率から第5のIGUの下縁1332に沿った約63%の透過率まで変化する連続可視光透過率勾配を含む。第6のIGUは、第6のIGUの上縁1334に沿った約1%の透過率から第6のIGUの下縁1336に沿った約10%の透過率まで変化する連続可視光透過率勾配を含む。第7のIGUは、IGU全体にわたって均一な10%の伝送を含む。第8のIGUは、第8のIGUの上縁1338に沿った約10%の透過率から第8のIGUの下縁1340に沿った約63%の透過率まで変化する連続可視光透過率勾配を含む。第1、第4、および第6のIGUの隣接する1%の伝送領域は、同じ伝送値を有する伝送領域の第1のクラスタを共に含む。第2および第7のIGU全体、ならびに第1、第3、第4、第5、第6、および第8のIGUの隣接する10%の伝送領域は共に、同じ伝送値を有する伝送領域の第2のクラスタを含む。第3、第5、および第8のIGUの隣接する63%の伝送領域は、同じ伝送値を有する伝送領域の第3のクラスタを共に含む。
【0049】
IGUは、エネルギー源と、制御デバイス(本明細書では 「コントローラ」 とも呼ばれる)と、入力/出力(I/O)ユニットと、を含むことができる。エネルギー源は、制御デバイスを介して、IGUにエネルギーを供給することができる。一実施形態において、エネルギー源としては、光電池、電池、別の好適なエネルギー源、またはそれらの任意の組み合わせを挙げることができる。制御デバイスは、IGUおよびエネルギー源に結合することができる。制御デバイスは、IGUの動作を制御するためのロジックを含むことができる。制御デバイスのロジックは、ハードウェア、ソフトウェア、ファームウェア、またはそれらの組み合わせの形態とすることができる。一実施形態において、ロジックは、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、特定用途向け集積回路(ASIC)、または別の永続性メモリに記憶することができる。一実施形態において、制御デバイスは、制御デバイス内のメモリに記憶された、または外部ソースから受信される命令を実行することができるプロセッサを含むことができる。I/Oユニットは、制御デバイスに結合することができる。I/Oユニットは、光、運動、温度、別の好適なパラメータ、またはこれらの任意の組み合わせなどのセンサからの情報を提供することができる。I/Oユニットは、装置の別の部分に、または装置外部の別の宛先に、IGU124、エネルギー源、または制御デバイスに関する情報を提供することができる。
【0050】
一実施形態では、装置は、上述のIGUのいずれかであり得る。IGUは、第1の透過状態から勾配透過状態に切り替えることができる。IGUを切り替えることは、第1のバスバーセットを第1の電圧にバイアスすることと、第2のバスバーセットを、第1の電圧とは異なる第2の電圧にバイアスすることと、を含むことができる。電圧は、0V~50Vの範囲とすることができる。本方法は、デバイスの勾配透過状態を維持することによって継続することができる。
【0051】
上で例示し、説明した実施形態は、連続勾配IGUを、透過状態の切り替えが完了した後に、ほぼあらゆる期間にわたって維持することを可能にすることができる。さらなる設計が、電力消費を低減し、より高い柔軟性を提供し、接続を単純化するために、またはそれらの組み合わせに有用であり得る。IGUは、連続勾配透過状態にある部分と、実質的に均一な透過状態を有する別の部分と、を有することができる。連続勾配透過状態と実質的に均一な透過状態との間を移行する正確な地点は、見え難い場合がある。例えば、連続勾配透過状態を有する部分は、一方の端部を完全に脱色させ、他方の端部を完全に着色させることができる。他の部分は、完全に脱色させて、連続勾配部分の完全に脱色された端部の側方に位置付けることができ、または他の部分は、完全に着色させて、連続勾配部分の完全に着色された端部の側方に位置付けることができる。本明細書で説明する概念から逸脱することなく、部分の間に離散勾配を有する実施形態を使用することができる。例えば、IGUは、完全に脱色された窓の最上部近くの部分、および窓の上部により近い完全に着色された透過状態から窓の底部近くの完全に脱色された透過状態まで連続勾配された残りの部分を維持することができる。そのような実施形態は、より多くの光が入ることを可能にして、グレアを減少させながら部屋内のより良好なカラーバランスを可能にするのに有用であり得る。さらに別の実施形態において、IGUは、実質的に均一な透過状態に維持されるいかなる部分も伴わずに、連続勾配状態に維持することができる。明らかに、IGUのための多くの異なる透過パターンが可能である。
【0052】
多くの異なる態様および実施形態が可能である。それらの態様および実施形態のいくつかが以下に説明される。例示的な実施形態は、以下に列記したもののうちのいずれか1つまたはそれ以上に従うことができる。
【0053】
実施形態
[実施形態1]
構造上に設置された複数の絶縁ガラスユニット(IGU)を含むファサードのための可変の着色を制御するための方法であって、複数のIGUは、少なくとも第1のIGUおよび第2のIGUを含み、方法は、複数のIGUを空間座標系にマッピングし、それによって空間座標系における複数のIGUのそれぞれの互いに対する位置を確立するステップであって、複数のIGUのそれぞれの位置は、構造上の物理的位置に対応する、ステップと、コントローラを介して、空間座標系における第1のIGUの位置に少なくとも部分的に基づいて、第1のIGUの第1の着色プロファイルを制御するステップと、コントローラを介して、第1の着色プロファイルおよび空間座標系における第2のIGUの位置に少なくとも部分的に基づいて、第2のIGUの第2の着色プロファイルを制御するステップと、を含む、方法。
【0054】
[実施形態2]
第1のIGUの完全に着色された部分から第1のIGUの部分的に着色された部分に移行する第1の着色プロファイルを含む、実施形態1に記載の方法。
【0055】
[実施形態3]
第2の着色プロファイルが、第2のIGUの部分的に色付けされた部分から第2のIGUの完全に透明な部分に移行する、実施形態2に記載の方法。
【0056】
[実施形態4]
第2の着色プロファイルが、完全に着色された、部分的に着色された、および完全に透明、のうちの1つである、実施形態2に記載の方法。
【0057】
[実施形態5]
第2の着色プロファイルが、第2のIGUの部分的に着色された部分から第2のIGUの完全に着色された部分に移行する、実施形態2に記載の方法。
【0058】
[実施形態6]
コントローラを介して、第1のIGUを第1の着色プロファイルから第3の着色プロファイルに切り替えるステップをさらに含み、第3の着色プロファイルが、完全に着色された、完全に透明な、および勾配着色された、のいずれか1つである、実施形態1に記載の方法。
【0059】
[実施形態7]
コントローラを介して、第2のIGUを第2の着色プロファイルから第4の着色プロファイルに切り替えるステップをさらに含み、第4の着色プロファイルが、完全に着色された、完全に透明な、および勾配着色された、のいずれか1つである、実施形態6に記載の方法。
【0060】
[実施形態8]
第3および第4の着色プロファイルが、第1および第2のIGUにわたって均一な勾配着色プロファイルを形成する、実施形態7に記載の方法。
【0061】
[実施形態9]
第1のIGUは、空間座標系において第2のIGUに隣接し、第1の着色プロファイルおよび第2の着色プロファイルは、第1のIGUおよび第2のIGUにわたって均一な勾配着色プロファイルを形成し、均一な勾配着色は、空間座標系を基準にして水平方向、垂直方向、および対角線方向のうちの1つで変化する、実施形態1に記載の方法。
【0062】
[実施形態10]
第2のIGUの形状は、第1のIGUの形状とは異なる、実施形態9に記載の方法。
【0063】
[実施形態11]
第1のおよび第2のIGUの少なくとも一方のためのバスバーレイアウトは、第1のおよび第2のIGUの間の移行領域を整合することを確実にするように調整される、実施形態10の方法。
【0064】
[実施形態12]
第3および第4のIGUをさらに含み、第1、第2、第3、および第4のIGUは、空間座標系においてIGUのアレイを形成する、実施形態1に記載の方法。
【0065】
[実施形態13]
コントローラを介して、第3のIGUの空間位置ならびに第1の着色プロファイルおよび第2の着色プロファイルに少なくとも部分的に基づいて、第3のIGUの第3の着色プロファイルを制御するステップと、コントローラを介して、第4のIGUの空間位置ならびに第1、第2、および第3の着色プロファイルに少なくとも部分的に基づいて、第4のIGUの第4の着色プロファイルを制御するステップとをさらに含む、実施形態12に記載の方法。
【0066】
[実施形態14]
第1、第2、第3、および第4のIGUにわたって均一な勾配着色プロファイルを形成するステップをさらに含み、均一な勾配着色は、空間座標系を基準にして水平方向、垂直方向、および斜め方向のうちの1つで変化する、実施形態13に記載の方法。
【0067】
[実施形態15]
第1、第2、第3、および第4のIGUにわたって勾配着色プロファイルを形成するステップをさらに含み、勾配着色プロファイルは、第1、第2、第3、および第4のIGUを組み込む形状を形成し、第1、第2、第3、および第4の着色プロファイルのうちの少なくとも1つは、形状を形成するために空間座標系を参照して水平方向、垂直方向、および斜め方向のうちの1つにおいて変化する、実施形態13に記載の方法。
【0068】
[実施形態16]
形状が、長方形、台形、三角形、および楕円形のうちの1つである、実施形態15に記載の方法。
【0069】
[実施形態17]
コントローラでセンサデータを受信するステップと、センサデータに基づいて第1、第2、第3、および第4の着色プロファイルのうちの1つまたは複数を調整するステップとをさらに含む、実施形態15に記載の方法。
【0070】
[実施形態18]
センサデータは、構造内の体積内の光強度、内部環境条件、外部環境条件、IGUに適用される電気的パラメータ、時刻、および年月日のうちの少なくとも1つを表す、実施形態17に記載の方法。
【0071】
[実施形態19]
太陽の現在位置を表すセンサデータを受信するステップと、太陽の位置が変化するときにセンサデータに基づいて第1、第2、第3、および第4の着色プロファイルのうちの1つまたは複数を調整するステップとをさらに含む、実施形態15に記載の方法。
【0072】
[実施形態20]
複数の絶縁ガラスユニット(IGU)のための可変の着色を制御するための方法であって、複数のIGUは、1つまたは複数の構造体に設置された複数のファサードを含み、各ファサードは、少なくとも第1のIGUおよび第2のIGUを含み、方法は、複数のIGUを空間座標系にマッピングし、それによって空間座標系における複数のIGUの各々の互いに対する位置を確立するステップであって、複数のIGUの各々の位置は、構造体上の物理的位置に対応する、ステップと、ファサードのそれぞれ1つに対する制御グループ内の少なくとも第1および第2のIGUをグループ化するステップと、コントローラを介して、空間座標系における第1のIGUの位置に少なくとも部分的に基づいて、第1のIGUの第1の着色プロファイルを制御するステップと、コントローラを介して、第1の着色プロファイルおよび空間座標系における第2のIGUの位置に少なくとも部分的に基づいて、第2のIGUの第2の着色プロファイルを制御するステップとを含む、方法。
【0073】
[実施形態21]
グループ化するステップは、ファサードのうちの1つまたは複数にIGUの複数の制御グループを作成するステップをさらに含む、実施形態20に記載の方法。
【0074】
上記の一般的な説明または実施例で説明した機能の全てが必要なわけではなく、特定の機能の一部は必要でない場合があり、説明した機能に加えて1つまたはそれ以上の機能を実行することができることに留意されたい。さらにまた、機能が記載される順序は、必ずしも実行される順序ではない。
【0075】
明確にするために、本明細書で別々の実施形態の文脈で説明されている特定の特徴は、単一の実施形態において組み合わせて提供することもできる。逆に、簡潔にするために単一の実施形態の文脈で説明されている様々な特徴は、別々にまたは任意の副組み合わせで提供することもできる。さらに、範囲で述べられた値への言及は、その範囲内のありとあらゆる値を含む。
【0076】
利益、他の利点、および問題に対する解決策は、特定の実施形態に関して上記で説明されている。しかしながら、利益、利点、問題の解決策、および任意の利益、利点、もしくは解決策が発生またはより顕著になる可能性のある任意の特徴(複数可)は、いずれかまたは全ての特許請求の範囲の重要な、必須の、または本質的な特徴として解釈されるべきではない。
【0077】
本明細書に記載された実施形態の明細書および例示は、様々な実施形態の構造の一般的な理解を提供することを意図している。明細書および例示は、本明細書に記載の構造または方法を使用する装置およびシステムの全ての要素および特徴の網羅的かつ包括的な説明として役立つことを意図するものではない。別個の実施形態はまた、単一の実施形態において組み合わせて提供されてもよく、逆に、簡潔にするために、単一の実施形態の文脈で説明される様々な特徴もまた、別個にまたは任意の副組み合わせで提供されてもよい。さらに、範囲で述べられた値への言及は、その範囲内のありとあらゆる値を含む。本明細書を読んだだけで、他の多くの実施形態が当業者には明らかであろう。本開示の範囲から逸脱することなく、構造的置換、論理的置換、または別の変更を行うことができるように、他の実施形態が使用され、本開示から導出され得る。したがって、本開示は限定的ではなく例示的とみなされるべきである。
図1A
図1B
図1C
図2A
図2B
図2C
図2D
図2E
図2F
図3A
図3B
図3C
図3D
図3E
図3F
図4A
図4B
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
【国際調査報告】