(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-03-30
(54)【発明の名称】管理及び使用が便利な消火器
(51)【国際特許分類】
A62C 13/76 20060101AFI20220323BHJP
A62C 13/64 20060101ALI20220323BHJP
【FI】
A62C13/76 L
A62C13/64
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021547828
(86)(22)【出願日】2020-02-21
(85)【翻訳文提出日】2021-08-13
(86)【国際出願番号】 KR2020002507
(87)【国際公開番号】W WO2020171639
(87)【国際公開日】2020-08-27
(31)【優先権主張番号】10-2019-0020948
(32)【優先日】2019-02-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(31)【優先権主張番号】10-2020-0020832
(32)【優先日】2020-02-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】521359760
【氏名又は名称】キム,スンヨン
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100135079
【氏名又は名称】宮崎 修
(72)【発明者】
【氏名】キム,スンヨン
(72)【発明者】
【氏名】キム,ジンテ
(72)【発明者】
【氏名】キム,ソンイ
(57)【要約】
平常時はストッパが自ら抜けられて生じる誤射事故の危険を減らし、火災発生時はストッパを取っ手から容易に引き抜けることができる消火器が提供されます。
個の消火器によると、ストッパが取っ手に設置される場合、間隙支持部によって上部取っ手とプラグとの間の間隙が維持されて上部取っ手を押す力が弁棒に伝達されず、ストッパが取っ手から分離される場合、間隙支持部がプラグと重畳しないように弾性部材によって水平移動し、上部取っ手を押す力が弁加圧部を介して弁棒に伝達されます。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
消火薬材が充填されている本体容器60と、
前記本体容器の上部に位置するプラグ62に結合される下部取っ手20と、
第1ヒンジ軸を介して前記下部取っ手に結合される上部取っ手10と、
前記プラグの上部に設置され、上下運動で前記消火薬材の噴射を制御する弁棒64と、
第2ヒンジ軸を介して前記下部取っ手または前記プラグに結合される回動レバー50と、
前記回動レバーに連結され、前記上部取っ手と前記プラグとの間に配置されて水平移動可能な噴射安全装置30と、
前記回動レバーまたは前記噴射安全装置に設置されて前記噴射安全装置を水平に移動可能にする弾性部材と、
前記噴射安全装置の水平移動を阻止するストッパと、を含むが、
前記噴射安全装置は、本体部と、前記本体部から前記プラグに向かって突出されて前記上部取っ手と前記プラグとの間の間隙を維持する間隙支持部と、前記本体部から前記弁棒に向かって突出される弁加圧部と、を含むことを特徴とする消火器。
【請求項2】
前記ストッパが前記上部取っ手に設置される場合、前記間隙支持部によって前記上部取っ手と前記プラグとの間の間隙が維持されて前記上部取っ手を押す力が前記弁棒に伝達されず、
前記ストッパが前記上部取っ手から分離される場合、前記間隙支持部が前記プラグと重畳しないように前記弾性部材によって水平移動し、前記上部取っ手を押す力は前記弁加圧部を介して前記弁棒に伝達されることを特徴とする請求項1に記載の消火器。
【請求項3】
前記弾性部材は前記第2ヒンジ軸に形成される回動ばねであり、前記回動ばねが前記回動レバーを水平方向に引き上げると、前記回動レバーに連結されている前記噴射安全装置は前記上部取っ手と前記プラグとの間で水平方向に移動することを特徴とする請求項1に記載の消火器。
【請求項4】
前記ストッパは、前記上部取っ手を水平方向に貫通するか前記上部取っ手を垂直方向に貫通することを特徴とする請求項1に記載の消火器。
【請求項5】
前記間隙支持部は前記弁棒の両側に一対で配置され、前記弁加圧部は一対の前記間隙支持部の間に配置され、前記間隙支持部が前記弁加圧部より前記プラグに向かってより多く突出されることを特徴とする請求項1に記載の消火器。
【請求項6】
前記噴射安全装置はアームを介して前記回動レバーと結合されるが、前記回動レバーと前記アーム、または前記アームと前記噴射安全装置はヒンジ結合することを特徴とする請求項1に記載の消火器。
【請求項7】
前記弾性部材は、前記間隙支持部と前記上部取っ手の末端を連結するコイルばねであることを特徴とする請求項1に記載の消火器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は消火器に関し、より詳しくは、平常時に管理が楽なだけでなく、火災が発生したら使用者が容易に使用し得る消火器に関する。
【背景技術】
【0002】
従来に広く知られて配給されている消火器の場合、安全ピンによって多くの問題が引き起こされている。
【0003】
第一、実際に火災が発生したら安全ピンを引き抜くことが容易ではない。火災が発生したら、消防車が到着する前に消火器を利用した初期鎮火が非常に重要である。しかし、火災を発見した人は大部分慌てている状態であり、その上、消火器を直接使用した経験がほとんどないため、このような人の行動パターンを観察すると、消火器を手で握ったまま安全ピンを引き抜こうとする。従来の消火器の特性上、消火器の取っ手を握っていると、特に慌てた人が無意識中に強い握力で握っていると、安全ピンがよく引き抜けられなくなる。それによって、火災を初期に鎮火するためのゴールデンタイムを逃がす場合が多い。
【0004】
第二、平常時に消火器が備えられている状態で安全ピンが緩く差し込まれていて、思いがけず容易に抜けられてしまって誤射の恐れがある。更に、従来の消火器の場合、安全ピンが消火器の取っ手に水平方向に挿入されるため、安全ピンが抜けられていても察知することが難しく、管理が容易ではなかった。
【0005】
このように、取っ手に緩く差し込まれている安全ピンが自ら抜けられることを防止するために、安全ピンを取っ手に紐で結んでおくことが世界的に強制されている。紐の強度が相対的に弱いため力を入れて引っ張ると容易に紐を切ることができるが、この事実を知らない使用者は紐で結ばれている安全ピンを見て慌ててしまう。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明が解決しようとする課題は、火災が発生したら使用者がストッパを容易に除去することができるだけでなく、平常時にストッパが取っ手から自ら抜けられることがなく、使用法がより単純な消火器を提供しようとすることである。
【0007】
本発明が解決しようとする課題は上述した課題に限らず、上述されていない他の課題は以下の記載から当業者に明確に理解されるはずである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前記課題を達成するための本発明の一実施例による消火器は、消火薬材が充填されている本体容器60と、前記本体容器の上部に位置するプラグ62に結合される下部取っ手20と、第1ヒンジ軸を介して前記下部取っ手に結合される上部取っ手10と、前記プラグの上部に設置され、上下運動で前記消火薬材の噴射を制御する弁棒64と、第2ヒンジ軸を介して前記下部取っ手または前記プラグに結合される回動レバー50と、前記回動レバーに連結され、前記上部取っ手と前記プラグとの間に配置されて水平移動可能な噴射安全装置30と、前記回動レバーまたは前記噴射安全装置に設置されて前記噴射安全装置を水平に移動可能にする弾性部材と、前記上部取っ手に設置されて前記噴射安全装置の水平移動を阻止するストッパと、を含む。ここで、前記噴射安全装置は、本体部と、前記本体部から前記プラグに向かって突出されて前記上部取っ手と前記プラグとの間の間隙を維持する間隙支持部と、前記本体部から前記弁棒に向かって突出される弁加圧部と、を含む。
【0009】
前記ストッパが前記上部取っ手に設置される場合、前記間隙支持部によって前記上部取っ手と前記プラグとの間の間隙が維持されて前記上部取っ手を押す力が前記弁棒に伝達されず、前記ストッパが前記上部取っ手から分離される場合、前記間隙支持部が前記プラグと重畳しないように前記弾性部材によって水平移動し、前記上部取っ手を押す力は前記弁加圧部を介して前記弁棒に伝達される。
【0010】
前記弾性部材は前記第2ヒンジ軸に形成される回動ばねであり、前記回動ばねが前記回動レバーを水平方向に引き上げると、前記回動レバーに連結されている前記噴射安全装置は前記上部取っ手と前記プラグとの間で水平方向に移動する。
【0011】
前記ストッパは、前記上部取っ手を水平方向に貫通するか前記上部取っ手を垂直方向に貫通する。
【0012】
前記間隙支持部は前記弁棒の両側に一対で配置され、前記弁加圧部は一対の前記間隙支持部の間に配置され、前記間隙支持部が前記弁加圧部より前記プラグに向かってより多く突出される。
【0013】
前記噴射安全装置はアームを介して前記回動レバーと結合されるが、前記回動レバーと前記アーム、または前記アームと前記噴射安全装置はヒンジ結合する。
【0014】
前記弾性部材は、前記間隙支持部と前記上部取っ手の末端を連結するコイルばねである。
【0015】
その他の実施例の具体的な事項は、具体的な内容及び図面に含まれている。
【発明の効果】
【0016】
上述したように、本発明による消火器によると以下のような優秀な効果がある。
【0017】
第一、平常時は弾性部材がストッパに水平方向に一定な圧力を加えるためストッパが思いがけず取っ手から抜けられることを防止し、誤射事故の危険を減らすことができる。よって、ストッパを取っ手に追加に結んでおく必要が全くない。
【0018】
第二、平常時に間違ってストッパが取っ手から抜けられている場合、弾性部材によって回動レバーが一定部分上がるようになるため、遠くからでも消火器の状態を容易に把握することができる。
【0019】
第三、火災が発生した時、慌てた使用者が消火器の取っ手を強く握った状態でストッパを引き抜こうとしたら従来の消火器のストッパは引き抜けられないが、本発明の場合、小さい力でもストッパを取っ手から引き抜くことができる。なぜならば、消火器の取っ手を押す力は噴射安全装置にのみ伝達され、ストッパを押すことには使用されないためである。
【0020】
第四、従来の消火器に比べ使用のステップを簡素化したため、初期消火のゴールデンタイムを短くすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【
図1】本発明の一実施例による消火器の正面図及び部分断面図である。
【
図6】
図1の消火器に含まれた噴射安全装置の斜視図である。
【
図7】平常時にストッパが取り付けられている状態の本発明の消火器を示す図である。
【
図8】火災発生時にストッパが除去されている状態の本発明の消火器を示す図である。
【
図9】本発明の他の実施例による消火器の部分切開斜視図である。
【
図10】本発明のまた他の実施例による消火器の部分切開斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
本発明の利点及び特徴、そしてそれらを達成する方法は、添付した図面と共に詳細に後述する実施例を参照すると明確になるはずである。しかし、本発明は以下に開示される実施例に限らず、互いに異なる様々な形態に具現されるはずであるが、但し、本実施例は本発明の開示が完全になるようにし、本発明の属する技術分野における通常の知識を有する者に発明の範疇を完全に知らせるために提供されるものであって、本発明は請求項の範疇によって定義されるのみである。明細書全体にわたって、同じ参照符号は同じ構成要素を指す。
【0023】
本発明の噴射安全装置は、上下部の取っ手(またはレバー)を備えた多様な消火器、例えば、粉末消火器、ハロゲン化合物消火器、二酸化炭素消火器、強化液消火器などに適用される。よって、本発明の実施例に言及された粉末消火器は単に例示的に使用されたものに過ぎず、本発明はこれに限らない。例えば、本発明の噴射安全装置が噴射ホースのない消火器に適用される場合、回動レバーは噴射ホースの一側部を囲む形態ではなく他の形態に具現される。
【0024】
以下、
図1乃至
図6を参照して本発明の一実施例による消火器を説明する。ここで、
図1は本発明の一実施例による消火器の正面図及び部分断面図である。
図2は、
図1の消火器の部分切開斜視図である。
図3は、
図1の上部取っ手の斜視図である。
図4は、
図1の下部取っ手の斜視図である。
図5は、
図1の回動レバーの斜視図である。
図6は、
図1の消火器に含まれた噴射安全装置の斜視図である。
【0025】
まず
図1乃至
図2を参照すると、本発明の消火器100は、消火薬材が充填されている本体容器60と、本体容器60の上部に位置するプラグ62に結合される下部取っ手20と、プラグ62に連結される噴射ホース70と、第1ヒンジ軸12を介して下部取っ手20と結合される上部取っ手10と、プラグ62の上部に設置され、上下運動で消火薬材の噴射を制御する弁棒64と、第2ヒンジ軸52を介して下部取っ手20またはプラグ62に結合される回動レバー50と、回動レバー50に連結され、上部取っ手10とプラグ62との間に設置されて水平移動可能な噴射安全装置30と、回動レバー50に設置されて噴射安全装置30を水平に移動可能にする弾性部材56と、上部取っ手10に設置されて噴射安全装置30の水平移動を阻止するストッパ40と、を含む。
【0026】
詳しくは、本体容器60の上部にはプラグ62がねじ結合されている。プラグ62の内部には弁棒(valve stem)64が配置され、弁棒64の下端には弁ゴム61が設置される。弁ゴム61の下に位置する弁ばね63が弁ゴム61及び弁棒64に対して上向きに力を加えることで、弁ゴム61とプラグ62との間の気密を維持する。弁棒64の上下運動によって消火薬材の噴射が制御される。もし火災発生時に上部取っ手10を押して噴射安全装置30、特に弁加圧部32が弁棒64を下に押したら、弁ゴム61とプラグ62との間にできた隙間を介して、充填されている消火薬材が噴射ホース70を介して噴射される。
【0027】
図3を参照すると、上部取っ手10は全体的に長いプレートと、前記プレートの側部に形成される側壁で構成される。上部取っ手10の内部で噴射安全装置30が水平移動するように、上部取っ手10は、例えば、U字型の断面を有する。上部取っ手10は第1ヒンジ軸12を介して下部取っ手20に結合されるが、そのために上部取っ手10の側壁には第1ヒンジ軸12が挿入される孔12aが形成される。
【0028】
上部取っ手10の側壁にはストッパ40が挿入される孔40aが形成される。ストッパ40は上部取っ手10に設置されて噴射安全装置30の水平移動を阻止する部材であって、硬性素材からなる。例えば、ストッパ40は安全ピンなどで構成される。
図2及び
図3を参照すると、ストッパ40が孔40aを介して上部取っ手10を水平方向に貫通して噴射安全装置30の後方に配置されれば、効果的に噴射安全装置30の動きを阻止することができる。
【0029】
図4を参照すると、下部取っ手20は全体的に長いプレートと、前記プレートの側部に形成される側壁で構成される。下部取っ手20のプレートにはプラグ62が挿入される開口部が形成される。下部取っ手20は第1ヒンジ軸12を介して上部取っ手10と結合されるが、そのために下部取っ手20の側壁には第1ヒンジ軸12が挿入される孔12bが形成される。また、下部取っ手20は第2ヒンジ軸52を介して回動レバー50と結合されるが、そのために下部取っ手20の側壁には第2ヒンジ軸52が挿入される孔52bが形成される。
【0030】
弾性部材56は、例えば、第2ヒンジ軸52に形成される回動ばねで構成される。弾性部材56は第2ヒンジ軸52を中心に回動レバー50と下部取っ手20との間に設置されるが、固定された下部取っ手20を基準に回動レバー50を水平方向に引き上げると、結果的に回動レバー50に連結されている噴射安全装置30を上部取っ手10とプラグ62との間で水平に移動させる役割をする。
【0031】
図5を参照すると、回動レバー50は噴射ホース70の少なくとも一側部を囲むように全体的に緩やかに屈曲形状を有するが、例えば、U字型の断面を有する。回動レバー50は第2ヒンジ軸52を介して下部取っ手20に結合されるが、そのために回動レバー50の側壁には第2ヒンジ軸52が挿入される孔52cが形成される。但し、本発明はこれに限らず、回動レバー50はプラグ62にヒンジ結合してもよい。回動レバー50はアーム34を利用して噴射安全装置30と結合するが、回動レバー50とアーム32の結合のために回動レバー50の側壁には孔54cが形成される。
【0032】
図6を参照すると、噴射安全装置30は、本体部31と、本体部31からプラグ62に向かって下方に突出される間隙支持部36と、本体部31から弁棒64に向かって突出される弁加圧部32とを含む。
【0033】
間隙支持部36は上部取っ手10とプラグ62との間の間隙を維持するようにこれらの間を支持する役割をし、弁加圧部32は上部取っ手10を押す力を弁棒64に伝達する役割をする。間隙支持部36は弁棒64の両側に一対で配置され、弁加圧部32は一対の間隙支持部36の間に配置される。消火器100の縦方向を基準に間隙支持部36と弁加圧部32は段差を形成するが、言い換えれば、間隙支持部36は弁加圧部32より本体部31からプラグ62に向かってより多く突出される。
【0034】
噴射安全装置30はアーム34を介して回動レバー50と結合する。まず、アーム34と回動レバー50は多様な形態で結合するが、例えば、ヒンジ結合してもよい。この場合、アーム34の孔54dと回動レバー50の孔54cを介してヒンジ軸が結合された形態に形成される。また、アーム34と噴射安全装置30は多様な形態で結合するが、例えば、ヒンジ結合してもよい。本実施例では回動レバー50、アーム34、及び噴射安全装置30を互いに別の構成のように例を挙げて説明したが、本発明はこれに限らない。例えば、回動レバー50とアーム34が実質的に同じ物質で一体に形成されてもよく、アーム34と噴射安全装置30が実質的に同じ物質で一体に形成されてもよく、回動レバー50、アーム34、及び噴射安全装置30が実質的に同じ物質で一体に形成されてもよい。
【0035】
以下、
図7及び
図8を参照して本発明の一実施例による消火器の差動方法について説明する。ここで、
図7は平常時にストッパが取り付けられている状態の本発明の消火器を示す図である。
図8は火災発生時にストッパが除去されている状態の本発明の消火器を示す図である。
【0036】
図7を参照すると、ストッパ40が上部取っ手10に設置されれば、回動レバー50に設置された弾性部材56が回動レバー50と連結された噴射安全装置30を水平方向(
図7における右側方向)に押しても、ストッパ40によって噴射安全装置30の動きが阻止される。このような噴射安全装置30の位置において、間隙支持部36が上部取っ手10とプラグ62との間の間隙を維持するため、使用者が上部取っ手10を押してもその力が弁棒64に伝達されない。なお、弾性部材56の回動力によってストッパ40に水平方向に一定な圧力が加えられるため、ストッパ40が思いがけず上部取っ手10から抜けられることを防止する。
【0037】
図8を参照すると、ストッパ40が上部取っ手10あら分離されれば、回動レバー50に設置された弾性部材56が回動レバー50を引き上げながら、これに連結された噴射安全装置30を水平方向(
図7における右側方向)に押すようになる。このような噴射安全装置30の位置において、間隙支持部36は弾性部材56によって水平移動してプラグ62と重畳しなくなり、上部取っ手10とプラグ62との間の間隙を維持する手段がなくなるようになる。よって、上部取っ手10を押す力は弁加圧部32を介して弁棒64に伝達される。つまり、使用者が上部取っ手10と下部取っ手20を握ると弁加圧部32に弁棒64を下に押すようになり、消火薬材が噴射ホース70を介して外部に噴射される。
【0038】
図9を参照して本発明の他の実施例による消火器を説明する。
図9は、本発明の他の実施例による消火器の部分切開斜視図である。説明の便宜上、以前の実施例(
図1乃至
図8)との差について主に説明する。
【0039】
図9に示したように、本実施例の場合、ストッパ40が上部取っ手10を垂直方向に貫通するが、以前の実施例と実質的に同じ作用及び効果が得られる。ストッパ40が上部取っ手10を垂直方向に貫通して下部取っ手20に固定されるように孔(
図3の40b)が上部取っ手10のプレートに形成され、孔(
図4の40c)が下部取っ手20のプレートに形成される。
【0040】
図10を参照して本発明のまた他の実施例による消火器を説明する。
図10は、本発明のまた他の実施例による消火器の部分切開斜視図である。説明の便宜上、以前の実施例(
図1乃至
図8)との差について主に説明する。
【0041】
図10に示したように、回動レバー50が噴射安全装置30の一側に連結されれば、弾性部材56’は噴射安全装置30の他側に設置されて噴射安全装置30を水平方向(
図10における右側方向)に引っ張る役割をする。例えば、弾性部材56’は間隙支持部36と上部取っ手10の末端を連結するコイルばねからなってもよい。
【0042】
以上の実施例ではストッパとして上部取っ手または上下部の取っ手に設置される安全ピンを例に挙げて説明したが、本発明はこれに限らない。本発明のストッパは噴射安全装置の水平移動を阻止する任意の手段であってもよく、例えば、本体容器に設置されて噴射ホースまたは回動レバーを収納する収納ホルダがストッパの役割を行ってもよい。この場合、取っ手に安全ピンまたはストッパが設置されなくても実質的に同じ作用及び効果が得られる。
【0043】
これまで添付した図面を参照して本発明の実施例を説明したが、本発明が属する技術分野における通常の知識を有する者は、本発明がその技術的思想や必須的特徴を変更せずも他の具体的な形態に実施され得ることを理解できるはずである。よって、上述した実施例は全ての面で例示的なものであって、限定的なものではないと理解すべきである。
【国際調査報告】