(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-03-31
(54)【発明の名称】ゴルフクラブと関連する物理量を測定するための方法、システムおよび非一過性のコンピュータ読み取り可能記録媒体
(51)【国際特許分類】
A63B 69/36 20060101AFI20220324BHJP
【FI】
A63B69/36 541S
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021513871
(86)(22)【出願日】2021-01-12
(85)【翻訳文提出日】2021-03-10
(86)【国際出願番号】 KR2021000421
(87)【国際公開番号】W WO2021145654
(87)【国際公開日】2021-07-22
(31)【優先権主張番号】10-2020-0006249
(32)【優先日】2020-01-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(31)【優先権主張番号】10-2020-0143827
(32)【優先日】2020-10-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】519384770
【氏名又は名称】クリーツ インク
【氏名又は名称原語表記】CREATZ., INC.
(74)【代理人】
【識別番号】100112737
【氏名又は名称】藤田 考晴
(74)【代理人】
【識別番号】100136168
【氏名又は名称】川上 美紀
(74)【代理人】
【識別番号】100196117
【氏名又は名称】河合 利恵
(72)【発明者】
【氏名】ヨン ホ スク
(72)【発明者】
【氏名】ジェイ ホ スク
(57)【要約】
本発明はゴルフクラブと関連する物理量を測定するための方法、システムおよび非一過性のコンピュータ読み取り可能記録媒体に関する。本発明の一態様によると、ゴルフクラブと関連する物理量を測定するための方法であって、物理量測定の対象となるゴルフクラブヘッドを撮影した少なくとも一つのイメージから互いに異なる形状の第1マーカーおよび第2マーカーを検出する段階、および前記第1マーカーおよび前記第2マーカーに基づいて特定される対象領域の属性を参照して、前記ゴルフクラブと関連する物理量を測定する段階を含む方法が提供される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ゴルフクラブと関連する物理量を測定するための方法であって、
物理量測定の対象となるゴルフクラブヘッドを撮影した少なくとも一つのイメージから互いに異なる形状の第1マーカーおよび第2マーカーを検出する段階、および
前記第1マーカーおよび前記第2マーカーに基づいて特定される対象領域の属性を参照して、前記ゴルフクラブと関連する物理量を測定する段階を含む、方法。
【請求項2】
前記第1マーカーおよび前記第2マーカーは、前記ゴルフクラブヘッドのフェース(face)領域を中心に互いに対称となるように配置される、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記第1マーカーおよび前記第2マーカーは、縦横比が互いに異なる、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記対象領域は、前記第1マーカーから特定される点(dot)および前記第2マーカーから特定される線(line)に基づいて特定される、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記対象領域は、前記第1マーカーから特定される中心点および前記第2マーカーから特定される中心線を互いに連結する図形で特定される、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記対象領域は、前記第1マーカーから特定される点および前記第2マーカーから特定される線を含む平面で特定される、請求項4に記載の方法。
【請求項7】
前記測定段階で、前記ゴルフクラブヘッドを撮影した複数のイメージのうち第1イメージおよび第2イメージの撮影時点間の間隔を参照して、前記第1イメージから特定される第1対象領域および前記第2イメージから特定される第2対象領域の間での属性変化を分析することによって、前記ゴルフクラブの動きと関連する物理量を決定する、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記測定段階で、前記対象領域が基準面に対して傾いた角度を参照して前記ゴルフクラブの進行方向、アタック角およびライ角のうち少なくとも一つを決定する、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
請求項1に記載された方法を実行するためのコンピュータプログラムを記録した、非一過性のコンピュータ読み取り可能記録媒体。
【請求項10】
ゴルフクラブと関連する物理量を測定するためのシステムであって、
物理量測定の対象となるゴルフクラブヘッドを撮影した少なくとも一つのイメージから互いに異なる形状の第1マーカーおよび第2マーカーを検出するマーカー検出部、および
前記第1マーカーおよび前記第2マーカーに基づいて特定される対象領域の属性を参照して、前記ゴルフクラブと関連する物理量を測定する物理量測定部を含む、システム。
【請求項11】
前記第1マーカーおよび前記第2マーカーは、前記ゴルフクラブヘッドのフェース(face)領域を中心に互いに対称となるように配置される、請求項10に記載のシステム。
【請求項12】
前記第1マーカーおよび前記第2マーカーは、縦横比が互いに異なる、請求項10に記載のシステム。
【請求項13】
前記対象領域は、前記第1マーカーから特定される点(dot)および前記第2マーカーから特定される線(line)に基づいて特定される、請求項10に記載のシステム。
【請求項14】
前記対象領域は、前記第1マーカーから特定される中心点および前記第2マーカーから特定される中心線を互いに連結する図形で特定される、請求項13に記載のシステム。
【請求項15】
前記対象領域は、前記第1マーカーから特定される点および前記第2マーカーから特定される線を含む平面で特定される、請求項13に記載のシステム。
【請求項16】
前記物理量測定部は、前記ゴルフクラブヘッドを撮影した複数のイメージのうち第1イメージおよび第2イメージの撮影時点間の間隔を参照して、前記第1イメージから特定される第1対象領域および前記第2イメージから特定される第2対象領域の間での属性変化を分析することによって、前記ゴルフクラブの動きと関連する物理量を決定する、請求項10に記載のシステム。
【請求項17】
前記物理量測定部は、前記対象領域が基準面に対して傾いた角度を参照して前記ゴルフクラブの進行方向、アタック角およびライ角のうち少なくとも一つを決定する、請求項10に記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はゴルフクラブと関連する物理量を測定するための方法、システムおよび非一過性のコンピュータ読み取り可能記録媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
ゴルファーが都心などにおいても少ない費用でバーチャルでゴルフを楽しめるようにするバーチャルゴルフシステムが広く普及されている。このようなバーチャルゴルフシステムは、ゴルファーがゴルフボールを打つと、そのボールに対するゴルフクラブの軌跡などに基づいて該当ゴルフクラブと関連する物理量を測定し、シミュレーションを行ってショットのシミュレーション結果をスクリーン上に表示することをその基本コンセプトにすることができる。
【0003】
これと関連して、韓国登録特許第10-0818169号公報は、ゴルフクラブのグリップの一端部に3軸方向に加速度および角速度を感知する電子感知装置を具備し、このような電子感知装置に基づいてゴルフクラブのスイングの軌跡を算出する技術に関して開示している。
【0004】
しかし、前記のような従来技術をはじめ、これまで紹介された技術によると、ゴルファーの体形に合うゴルフクラブの選択、実戦に類似した環境の造成などのために自身のゴルフクラブや他の形態のゴルフクラブを使用しようとするゴルファーの需要に合わせることが難しく、ゴルフクラブのメンテナンスのための時間や費用が必要となる問題があった。
【0005】
そこで、本発明者(ら)はゴルフクラブヘッドに形成された複数のマーカー(marker)に基づいてゴルフクラブと関連する物理量を測定できる新規かつ進歩した技術に関して提案するところである。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、前述した従来技術の問題点をすべて解決することをその目的とする。
【0007】
また、本発明は、物理量測定の対象となるゴルフクラブヘッドで検出される互いに異なる形状の2個のマーカーだけでもゴルフクラブと関連する物理量を正確に測定することをその目的とする。
【0008】
また、本発明は、ゴルフクラブのスイングの軌跡を算出するための別途の複雑な装備を使わずともゴルフクラブと関連する物理量を正確に測定することをその目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
前記目的を達成するための本発明の代表的な構成は次の通りである。
【0010】
本発明の一態様によると、ゴルフクラブと関連する物理量を測定するための方法であって、物理量測定の対象となるゴルフクラブヘッドを撮影した少なくとも一つのイメージから互いに異なる形状の第1マーカーおよび第2マーカーを検出する段階、および前記第1マーカーおよび前記第2マーカーに基づいて特定される対象領域の属性を参照して、前記ゴルフクラブと関連する物理量を測定する段階を含む方法が提供される。
【0011】
本発明の他の態様によると、ゴルフクラブと関連する物理量を測定するためのシステムであって、物理量測定の対象となるゴルフクラブヘッドを撮影した少なくとも一つのイメージから互いに異なる形状の第1マーカーおよび第2マーカーを検出するマーカー検出部、および前記第1マーカーおよび前記第2マーカーに基づいて特定される対象領域の属性を参照して、前記ゴルフクラブと関連する物理量を測定する物理量測定部を含むシステムが提供される。
【0012】
この他にも、本発明を具現するための他の方法、他のシステムおよび前記方法を実行するためのコンピュータプログラムを記録する非一過性のコンピュータ読み取り可能な記録媒体がさらに提供される。
【発明の効果】
【0013】
本発明によると、物理量測定の対象となるゴルフクラブヘッドで検出される互いに異なる形状の2個のマーカーだけでもゴルフクラブと関連する物理量を正確に測定することができる。
【0014】
また、本発明によると、ゴルフクラブのスイングの軌跡を算出するための別途の複雑な装備を使わずともゴルフクラブと関連する物理量を正確に測定することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】本発明の一実施例に係る測定システムの内部構成を詳細に図示する図面である。
【
図2】本発明の一実施例に係るゴルフクラブヘッドのマーカーを例示的に示す図面である。
【
図3】本発明の一実施例に係るバーチャルゴルフシミュレーションシステムで本発明に係る測定システムが活用される状況を例示的に図示する図面である。
【
図4】本発明の一実施例に係るゴルフクラブと関連する物理量が測定される状況を例示的に示す図面である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
後述する本発明に対する詳細な説明は、本発明が実施され得る特定の実施例を例示として図示する添付図面を参照する。このような実施例は当業者が本発明を実施できるほど充分かつ詳細に説明される。本発明の多様な実施例は互いに異なるが互いに排他的である必要はないことが理解されるべきである。例えば、本明細書に記載されている特定の形状、構造および特性は、本発明の精神と範囲を逸脱することなく一実施例から他の実施例に変更されて具現され得る。また、それぞれの実施例内の個別構成要素の位置または配置も本発明の精神と範囲を逸脱することなく変更され得ることが理解されるべきである。したがって、後述する詳細な説明は限定的な意味として行われるものではなく、本発明の範囲は特許請求の範囲の請求項が請求する範囲およびそれと均等なすべての範囲を包括するものと理解されるべきである。図面で類似する参照符号は多様な側面に亘って同一または類似する構成要素を示す。
【0017】
以下では、本発明が属する技術分野で通常の知識を有する者が本発明を容易に実施できるようにするために、本発明の多様な好ましい実施例に関して添付された図面を参照して詳細に説明する。
【0018】
〔測定システムの構成〕
【0019】
図1は、本発明の一実施例に係る測定システム100の内部構成を詳細に図示する図面である。
【0020】
図1に図示された通り、測定システム100はマーカー検出部110、物理量測定部120、通信部130および制御部140を含んで構成され得る。本発明の一実施例によると、マーカー検出部110、物理量測定部120、通信部130および制御部140は、そのうち少なくとも一部が外部システム(図示されずと)と通信するプログラムモジュールであり得る。このようなプログラムモジュールは運営システム、アプリケーションモジュールまたはその他プログラムモジュールの形態で測定システム100に含まれ得、物理的には多様な公知の記憶装置に保存され得る。また、このようなプログラムモジュールは測定システム100と通信可能な遠隔記憶装置に保存されてもよい。一方、このようなプログラムモジュールは、本発明により後述する特定の業務を遂行したり、特定の抽象データ類型を実行するルーチン、サブルーチン、プログラム、オブジェクト、コンポーネント、データ構造などを包括するが、これに制限されはしない。
【0021】
一方、測定システム100について前記のように説明されたが、このような説明は例示的なものであり、測定システム100の構成要素または機能のうち少なくとも一部が必要に応じて公知のバーチャルゴルフシミュレーションシステムで実現されたり、公知のバーチャルゴルフシミュレーションシステム内に含まれてもよいことは当業者に自明である。また、場合によっては、測定システム100のすべての機能とすべての構成要素が公知のバーチャルゴルフシミュレーションシステム内ですべて実行されたり、公知のバーチャルゴルフシミュレーションシステム内にすべて含まれてもよい。
【0022】
まず、本発明の一実施例に係るマーカー検出部110は、物理量測定の対象となるゴルフクラブヘッドを撮影した少なくとも一つのイメージから互いに異なる形状の第1マーカーおよび第2マーカーを検出する機能を遂行することができる。
【0023】
例えば、マーカー検出部110は、物理量測定の対象となるゴルフクラブヘッドを撮影した複数のイメージのうち第1イメージから互いに異なる形状を有する第1マーカーおよび第2マーカーを検出し、前記複数のイメージのうち前記第1イメージと時間的に隣接した第2イメージから互いに異なる形状を有する第1マーカーおよび第2マーカーを検出することができる。
【0024】
図2は、本発明の一実施例に係るゴルフクラブヘッドのマーカーを例示的に示す図面である。
【0025】
図2を参照すると、ゴルフクラブヘッド171のフェース(face)領域を中心に第1マーカー172および第2マーカー173が互いに対称となるように配置され得、例えば、フェース領域を基準として(例えば、フェース領域の中心に基づいて特定される仮想の中心線175を基準として)その領域の左右または上下に配置されたり、フェース領域に隣接したヒール(heel)領域およびトゥ(toe)領域に(例えば、これらの領域の中心部に)それぞれ配置され得る。また、第1マーカー172および第2マーカー173はその縦横比が互いに異なり得、例えば、第1マーカー172の縦横比が1であり、第2マーカー173の縦横比が1超過(または1未満)(例えば、4または0.25)であり得る。より具体的には、第1マーカー172はドット(dot)状(例えば、縦横比が1であり、大きさが5mm×5mmである正方形の形状)であり得、第2マーカー173はバー(bar)の形状(例えば、縦横比が1超過または1未満であり、大きさが5mm×20mmである長方形の形状)であり得る。一方、第1マーカー172および第2マーカー173の形状は必ずしも前記列挙された実施例にのみ限定されず、本発明の目的を達成できる範囲内で多様な形状(例えば、円形、楕円形、五角形、六角形など)に変形され得ることを明らかにしておく。また、第1マーカー172および第2マーカー173は光または照明に対して所定水準以上の反射率を有する材質(例えば、アルミニウム材質)を利用して形成され得、前記所定の水準はゴルフクラブヘッド171を撮影する撮影モジュール(例えば、可視光線、赤外線、紫外線基盤の撮影モジュール)によって獲得されるイメージから第1マーカー172および第2マーカー173が本発明に係る測定システム100(または肉眼)によって識別され得る程度を意味し得る。一方、第1マーカー172および第2マーカー173は、ゴルフクラブのスイングに及ぼす空気の抵抗などを最小化するためにその厚さが非常に薄く形成され得る。また、第1マーカー172および第2マーカー173の一面には、ゴルフクラブヘッド171の一面(具体的には、ボールが打撃される面)に対する着脱を可能にする接着層(例えば、接着剤が塗布された層、ベルクロ(登録商標)が形成された層など)が形成され得、代案として、積層、コーティングなどの方式でマーカーがゴルフクラブヘッド自体に固定されてもよい。
【0026】
次いで、本発明の一実施例に係る物理量測定部120は、マーカー検出部110によって検出される第1マーカーおよび第2マーカーに基づいて対象領域を特定する機能を遂行することができる。ここで、本発明の一実施例に係る対象領域は2次元または3次元で形成される領域であり得る。例えば、このような対象領域は、三角形、四角形、三角錐、四角錐、円錐などの2次元または3次元の図形や平面などで特定され得る。
【0027】
例えば、物理量測定部120は少なくとも一つのイメージから検出される第1マーカーおよび第2マーカーから点(dot)および線(line)をそれぞれ特定し、その点と線に基づいて前記対象領域を特定することができる。
【0028】
より具体的には、
図2の(a)を参照すると、第1マーカー172が正方形の形状であり第2マーカー173が長方形の形状である場合、物理量測定部120は第1マーカー172から特定される中心点(すなわち、正方形の中心点)および第2マーカー173から特定される中心線(すなわち、長方形の中心点を通って長さ方向に延びる線)を互いに連結して形成される2次元の図形(例えば、三角形)を対象領域174として特定することができる。
図2の(b)を参照すると、第1マーカー172が長方形の形状であり第2マーカー173が正方形の形状である場合、物理量測定部120は第1マーカー172から特定される中心線(すなわち、長方形の中心点を通って長さ方向に延びる線)および第2マーカー173から特定される中心点(すなわち、正方形の中心点)を互いに連結して形成される2次元の図形(例えば、三角形)を対象領域174として特定することができる。
【0029】
他の例として、第1マーカーが楕円の形状であり第2マーカーが円の形状である場合、物理量測定部120は第1マーカーから特定される中心線(すなわち、楕円の中心点を通って長軸または短軸方向に延びる線)と第2マーカーから特定される中心点(すなわち、円の中心点)を含む平面を対象領域として特定することができる。
【0030】
また、物理量測定部120は前記対象領域の属性を参照して、ゴルフクラブと関連する物理量を測定することができる。ここで、本発明の一実施例に係る対象領域の属性は、ゴルフクラブヘッドを撮影したイメージから特定される対象領域の位置、方向、大きさ、傾き、角度などの物理的または数学的属性を含む概念であり得る。また、本発明の一実施例に係る物理量は、ゴルフクラブの進行速度、加速度、角速度、進行方向、ライ角(lie angle)、アタック角(attack angle)、フェース角、打撃位置(hit position)等に関する情報を含むことができる。
【0031】
例えば、物理量測定部120はゴルフクラブヘッドを撮影した少なくとも一つのイメージの対象領域が基準面(例えば、地表面)に対して傾いた角度に基づいて、ゴルフクラブのシャフト(shaft)が地表面に対して傾いた角度を特定することができ、その特定されるシャフトが傾いた角度に基づいてゴルフクラブのライ角を測定することができる。
【0032】
他の例として、物理量測定部120はゴルフクラブヘッドを撮影した少なくとも一つのイメージから特定される対象領域の法線と基準面(例えば、地表面)がなす角度に基づいて、ゴルフクラブのアタック角(attack angle)を測定することができる。
【0033】
さらに他の例として、物理量測定部120はゴルフクラブヘッドを撮影した複数のイメージのうち第1イメージから特定される第1対象領域の法線と基準面間の角度および第2イメージから特定される第2対象領域の法線と基準面間の角度を互いに比較して分析することによって、ゴルフクラブの進行方向およびその進行方向の変化を測定することができる。
【0034】
さらに他の例として、物理量測定部120はゴルフクラブヘッドを撮影した複数のイメージのうち、第1イメージおよび第2イメージの撮影時点間の間隔(例えば、このような間隔はイメージ撮影のフレームレート(frame rate)を参照して特定され得る)と前記第1イメージから特定される第1対象領域および前記第2イメージから特定される第2対象領域の間での位置または大きさの変化を参照して、ゴルフクラブの進行速度、角速度、加速度などを測定することができる。
【0035】
一方、物理量測定部120はゴルフクラブと関連する物理量を測定するために、対象領域の属性または対象領域の属性変化に対応するゴルフクラブの物理量に関するルックアップテーブルを参照したり、前記対象領域の属性または対象領域の属性変化に対応するゴルフクラブの物理量に関する学習(例えば、機械学習、ディープラーニングなど)の結果を利用してもよい。
【0036】
次いで、本発明の一実施例に係る通信部130は、マーカー検出部110および物理量測定部120からの/へのデータの送受信を可能にする機能を遂行することができる。
【0037】
最後に、本発明の一実施例に係る制御部140は、マーカー検出部110、物理量測定部120および通信部130間のデータの流れを制御する機能を遂行することができる。すなわち、制御部140は測定システム100の外部からの/へのデータの流れまたは測定システム100の各構成要素間のデータの流れを制御することによって、マーカー検出部110、物理量測定部120および通信部130でそれぞれ固有の機能を遂行するように制御することができる。
【0038】
図3は、本発明の一実施例に係るバーチャルゴルフシミュレーションシステム200で本発明に係る測定システム100が活用される状況を例示的に図示する図面である。
【0039】
図3に図示された通り、バーチャルゴルフシミュレーションシステム200は、打撃部10、照明装置20、撮影装置210、シミュレータ220および表示装置230を含んで構成され得る。また、本発明の一実施例に係るシミュレータ220には本発明に係る測定システム100が含まれ得る。
【0040】
まず、本発明の一実施例に係る打撃部10はゴルファーがバーチャルゴルフシミュレーションシステム200を利用する際に、その上に上がって立ってゴルフボールを置いて打つ部分であり得る。このような打撃部10はその傾斜角が調節され得る公知のスイングプレートを含むことができる。因みに、本発明が他の種類のバーチャルスポーツシミュレータシステムに適用される場合に、当業者は打撃部10の構成を、必要な場合、それとともに連動する他の構成要素の構成と共に、該当スポーツの特性に合うように適切に変更することができる。
【0041】
次いで、本発明の一実施例に係る照明装置20は、ゴルファーが室内や室外でバーチャルゴルフを楽しむ場合に人為的に光を照射できる装置であり得る。このような照明装置20は必要に応じてオンオフになったり、その明るさが調節され得る。好ましくは、照明装置20は光の揺れ現象によるゴルフボ-ルのイメージの自然的な劣化を防ぐための赤外線照明(例えば、LED)であり得る。
【0042】
次いで、本発明の一実施例に係る撮影装置210は少なくとも一つのカメラ(例えば、高速カメラ、ステレオカメラなど)(図示されず)を含んでゴルフクラブヘッドのイメージ(例えば、動くゴルフクラブヘッドのイメージ)を獲得する機能を遂行することができる。このような撮影装置210は
図3に図示された通り、動くゴルフクラブヘッドを上から下に見下ろす位置に配置されてもよいが、その他の位置に配置されてもよい。一方、本発明の一実施例に係る撮影装置210は、撮影速度が異なる少なくとも二つのカメラを利用してゴルフクラブヘッドのイメージを順次獲得することによって高速カメラと類似する性能を具現するか、二つの2次元カメラを利用してゴルフクラブヘッドのイメージを同時に獲得することによって3次元カメラと類似する性能を具現することができる。
【0043】
一方、本発明の一実施例によると、撮影装置210により撮影されるイメージは、ゴルフクラブヘッドの表面からマーカーの形状が鮮明に特定されるものであるほどさらに良好なものと言える。すなわち、ヘッドのイメージからマーカーがさらに鮮明に特定されるほど、後述するようなシミュレータ220が個々のヘッドのイメージに表れるマーカーおよびそのマーカーに基づいた対象領域をさらに正確に特定することができるため、ゴルフクラブと関連する物理量(例えば、ゴルフクラブの進行速度、加速度、角速度、進行方向、ライ角、アタック角、フェース角、打撃位置など)をさらに正確に演算することができる。
【0044】
次いで、本発明の一実施例に係るシミュレータ220は、物理量測定の対象となるゴルフクラブヘッドを撮影した少なくとも一つのイメージから互いに異なる形状の第1マーカーおよび第2マーカーを検出し、その第1マーカーおよび第2マーカーに基づいて特定される対象領域の属性を参照して、該当ゴルフクラブと関連する物理量を測定する機能を遂行することができる。
【0045】
一方、本発明の一実施例に係るシミュレータ220は撮影装置210および表示装置230と通信することができ、バーチャルゴルフシミュレーションシステム200のための専用プロセッサを含むことができる。このような専用プロセッサはメモリー手段を具備し、数値演算能力とグラフィック処理能力を備えたものであり得る。
【0046】
最後に、本発明の一実施例に係る表示装置230は、シミュレータ220の物理量の測定、仮想現実の具現などの結果を表示する機能を遂行することができる。このような表示装置230は所定のディスプレイ手段を通じて所定の映像を表示することができるが、例えば、打撃されたゴルフボールの衝撃を吸収する一方、直接発光しないスクリーンと、このようなスクリーンに映像を出力するプロジェクタで構成され得る。
【0047】
以下では、前述したバーチャルゴルフシミュレーションシステム200を利用して使用者がゴルフボールを打撃する場合に、そのゴルフボールを打撃するゴルフクラブと関連する物理量を測定する過程を詳察する。
【0048】
まず、本発明の一実施例に係る打撃部10で使用者によってゴルフボールが打撃されると、撮影装置210によってそのゴルフボールを打撃するゴルフクラブヘッドを撮影した複数のイメージが獲得され得る。
【0049】
その後、本発明の一実施例に係るシミュレータ220は、前記複数のイメージ(例えば、時間的に隣接した複数のイメージ)それぞれから互いに異なる形状の第1マーカーおよび第2マーカーを検出することができる。
【0050】
その後、本発明の一実施例に係るシミュレータ220は、前記複数のイメージのうち第1イメージから検出される第1マーカーおよび第2マーカーに基づいて特定される第1対象領域の属性および第2イメージから検出される第1マーカーおよび第2マーカーに基づいて特定される第2対象領域の属性を参照して、前記ゴルフクラブと関連する物理量を測定することができる。
【0051】
図4は、本発明の一実施例に係るゴルフクラブと関連する物理量が測定される状況を例示的に示す図面である。
【0052】
図4を参照すると、まず、ゴルフボールを打撃するゴルフクラブヘッドを撮影した複数のイメージ401、402、403、404、405が獲得され得る。
【0053】
その後、その複数のイメージそれぞれから長方形の形状の第1マーカー411、412、413、414、415および正方形の形状の第2マーカー421、422、423、424、425が検出され、その検出される第1マーカー411、412、413、414、415および第2マーカー421、422、423、424、425に基づいて対象領域がそれぞれ特定され得る。
【0054】
その後、各対象領域を基準として特定される法線と地表面(または基準面)がなす角度に基づいて、前記ゴルフクラブのアタック角(または進行方向)およびそのアタック角の変化に関する物理量が測定され得、各対象領域を基準として特定されるシャフトと地表面がなす角度に基づいて、前記ゴルフクラブのライ角431、432、433、434、435およびそのライ角431、432、433、434、435の変化に関する物理量が測定され得る。また、複数のイメージ401、402、403、404、405が撮影される時点間の間隔を参照して各対象領域の位置を分析することによって、前記ゴルフクラブの進行速度に関する物理量が測定され得る。
【0055】
以上で説明された本発明に係る実施例は、多様なコンピュータ構成要素を通じて実行され得るプログラム命令語の形態で具現されてコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録され得る。前記コンピュータ読み取り可能な記録媒体は、プログラム命令語、データファイル、データ構造などを単独でまたは組み合わせて含むことができる。前記コンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録されるプログラム命令語は、本発明のために特別に設計されて構成されたものであるかコンピュータソフトウェア分野の当業者に公知になっていて使用可能なものであり得る。コンピュータ読み取り可能な記録媒体の例には、ハードディスク、フロッピーディスクおよび磁気テープのような磁気媒体、CD-ROMおよびDVDのような光記録媒体、フロプティカルディスク(floptical disk)のような磁気-光媒体(magneto-optical medium)、およびROM、RAM、フラッシュメモリなどのような、プログラム命令語を保存し実行するように特別に構成されたハードウェア装置が含まれる。プログラム命令語の例には、コンパイラによって作られるような機械語コードだけでなく、インタープリタなどを使ってコンピュータによって実行され得る高級言語コードも含まれる。ハードウェア装置は本発明に係る処理を遂行するために一つ以上のソフトウェアモジュールに変更され得、その逆も同じである。
【0056】
以上、本発明が具体的な構成要素などのような特定事項と限定された実施例および図面によって説明されたが、これは本発明のより全般的な理解を助けるために提供されたものに過ぎず、本発明が前記実施例に限定されるものではなく、本発明が属する技術分野で通常の知識を有する者であれば、このような記載から多様な修正と変更を図ることができる。
【0057】
したがって、本発明の思想は前記説明された実施例に限定して定められてはならず、後述する特許請求の範囲だけでなくこの特許請求の範囲と均等なまたはこれから等価的に変更されたすべての範囲は本発明の思想の範疇に属するものと言える。
【国際調査報告】