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▶ スリンガー バッグ リミテッドの特許一覧

(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-03-31
(54)【発明の名称】伸縮式ボール回収装置
(51)【国際特許分類】
   A63B 47/02 20060101AFI20220324BHJP
【FI】
A63B47/02 A
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021543359
(86)(22)【出願日】2020-01-22
(85)【翻訳文提出日】2021-09-27
(86)【国際出願番号】 IL2020050087
(87)【国際公開番号】W WO2020157744
(87)【国際公開日】2020-08-06
(31)【優先権主張番号】264585
(32)【優先日】2019-01-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】IL
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】520188293
【氏名又は名称】スリンガー バッグ リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110002860
【氏名又は名称】特許業務法人秀和特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】カルファ,ヨナ
(57)【要約】
【解決手段】ボール回収装置は、a)複数のボールを収容するのに適した伸縮式チューブアセンブリと、b)ボールが前記チューブアセンブリ内に入ることを許容し、ボールが前記チューブアセンブリから出ることを防止するのに適した回収機構と、c)スロット付き接続要素と協働し、前記伸縮式チューブアセンブリの部品の相互に対する望ましくない回転を防止するのに適した位置決め要素と、d)ストッパ要素を有し、前記ストッパ要素が開位置にあるときにボールを装置から放出するのに適したキャップ要素とを備える。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ボール回収装置であって、
a)複数のボールを収容するのに適した伸縮式チューブアセンブリと、
b)ボールが前記チューブアセンブリ内に入ることを許容し、前記ボールが前記チューブアセンブリから出ることを防止するのに適した回収機構と、
c)スロット付き接続要素と協働し、前記伸縮式チューブアセンブリの部品の相互に対する望ましくない回転を防止するのに適した位置決め要素と、
d)ストッパ要素を有し、前記ストッパ要素が開位置にあるときにボールを前記装置から放出するのに適したキャップ要素と
を備える、ボール回収装置。
【請求項2】
前記位置決め要素がピンを備える、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記伸縮式チューブアセンブリが、異なる直径を有する2つのセクションを接続するのに適した中間接続要素を備える、請求項1に記載の装置。
【請求項4】
前記キャップ要素が有する前記ストッパ要素が、弾性スナップ式ストリップを備える、請求項1に記載の装置。
【請求項5】
前記回収機構が、前記装置のいくつかの開口部のうちの1つを介してボールが入ることを許容し、前記ボールが逆方向に移動するのを妨げるのに適した内側回収構成要素を備える、請求項1に記載の装置。
【請求項6】
前記内側回収構成要素が歯状構成要素である、請求項5に記載の装置。
【請求項7】
前記歯状構成要素がばねに結合され、前記歯が回転することを許容するのに適した軸も一端に設けられる、請求項6に記載の装置。
【請求項8】
前記内側回収構成要素が弾性であり、圧力下に変位されるのに適している、請求項5に記載の装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、スポーツアクセサリの分野に関する。特に本発明は、特に試合用の、ボールの回収装置に関する。
【背景技術】
【0002】
ボールの使用を伴う試合を実施するとき、使用者は時に、試合中又は試合後にボールを拾い集めることを必要とするが、これは負担がかかり骨の折れる作業であり得る。したがって、簡単で快適な解決策を提供するボール回収装置が必要とされている。いくつかの回収装置が存在するが、それらは、使用者が単純な機構でそれを可能にするまでは、複数のボールを収容し且つそれらのボールが装置から転がり出るのを防止することができる、ボールの簡単な収集を可能にする、高さ調整可能な回収装置の要件の組み合わせを満たさない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明の目的は、地面から簡単且つ便利にボールを収集できる装置を提供することである。
【0004】
本発明の別の目的は、高さを使用者の好みに合わせることができる伸縮式装置を提供することである。
【0005】
本発明のさらに別の目的は、伸縮式の位置調整によりもたらされる、高さに従って異なる数のボールを収容し得る装置を提供することである。
【0006】
本発明のさらなる目的は、回収後にボールが放出されないように適合され、且つ簡単で意のままにボールの放出を可能にするように適合された装置を提供することである。
【0007】
本発明の他の目的及び利点は、記載が進むにつれて明らかになるだろう。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、ボール回収装置であって、複数のボールを収容するのに適した伸縮式チューブアセンブリと、ボールが前記チューブアセンブリ内に入ることを許容し、ボールがチューブアセンブリから出ることを防止するのに適した回収機構と、スロット付き接続要素と協働し、前記伸縮式チューブアセンブリの部品の相互に対する望ましくない回転を防止するのに適した位置決め要素と、ストッパ要素を有し、前記ストッパ要素が開位置にあるときにボールを装置から放出するのに適したキャップ要素とを備える、ボール回収装置に関する。
【0009】
本発明の一実施形態によれば、位置決め要素は、装置の1つの部品に位置付けられたピンであり、装置の別の部品に位置付けられたレールに沿って摺動するのに適している。装置の異なる部品に位置付けられたレールに沿ったピンの相対移動は、装置の伸縮運動を形成し、これにより長さ調整が可能になる。この伸縮式チューブアセンブリはまた、異なる直径を有する2つのセクションを接続するのに適した中間接続要素も備える。各接続要素は、異なる直径を有する異なるチューブに接続するのに適し、それらはまた互いに接続するのにも適している。
【0010】
キャップ要素が有するストッパ要素は、本発明の一実施形態によれば、弾性スナップ式
ストリップを備える。ストリップは湾曲することができ、開位置から閉位置へ移動することができ、ここで開位置はボールの通過を許容する位置であり、閉位置はボールの通過を妨げる。キャップ要素はまた、ストリップを保持し、一方の位置から他方の位置へ移動するためにストリップに回転運動を提供する軸を備えることができる。
【0011】
回収機構は、本発明の一実施形態によれば、装置のいくつかの開口部のうちの1つを介してボールが入ることを許容し、ボールが逆方向に移動するのを妨げるのに適した内側回収構成要素を備える。
【0012】
本発明の別の実施形態によれば、内側回収構成要素は、歯のように成形され、ばねに結合され、前記歯が回転することを許容するのに適した軸を一端に設けられる。この実施形態によれば、軸に近い歯の縁部に圧力が加えられると、歯はばねを押し、ばねに向かって折り畳まれるが、圧力が逆に加えられると、歯の構造及び軸の位置は、それらが移動することを妨げる。このようにして、ボールは一方向にのみ、回収機構を通過することができる。本発明の別の実施形態によれば、内側回収構成要素は弾性であり、圧力下に変位されるのに適し、したがって回収活動中に使用者が圧力を加えると、ボールがそれらを通過することを許容する。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1図1Aは、本発明の一実施形態による装置の斜視図であり、図1Bは、図1Aの一部の拡大図である。
図2図1Aの装置の分解図である。
図3A図1Aの装置の第1のキャップの斜視図であり、前記キャップのストリップは開位置にある。
図3B図3Aのキャップの斜視図であり、ストリップは閉位置にある。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本発明はボール回収装置を提供する。本記載は主にテニスボールの回収装置に言及しているが、本装置はピングピング(ping-ping)又はゴルフボールなど、他の種類のボールにも適していることは明らかである。さらに、図面はボールを示していない。それというのも、本記載を読むときに、本装置をいずれかの種類のボールに適用する方法は、いずれの人々にも、特に当業者に明らかであるためである。
【0015】
図1Aは、本発明の一実施形態による装置を示し、ここでそのボール回収装置101は内側チューブ102と、外側チューブ103と、第1の接続要素104と、第1のキャップ105と、第2のキャップ106とを備える。内側チューブ102は、ボールを受け入れるのに適しており、内側チューブ102の内径は本質的に、装置101が回収するように設計されたボールの種類に依存して、ボールの直径のサイズである。例えば、装置101がテニスボールを回収するように設計されている場合、内側チューブ102の直径は本質的にテニスボールの直径のサイズであるが、ボールがチューブに進入するのに必要な許容差を備えている。
【0016】
図1Bは、図1AのセクションAの拡大図であり、第2のキャップ106及び内側チューブ102の一部を示している。図1Bに示されるように、キャップ106は内歯107を備え、これらは弾性のボールと共に使用するために静的であり得るか、又は、ボールがキャップ106の開口部108を介して入るのを許容するが、ボールが入った後にボールが出るのを妨げるようにそれらの元々の位置に戻るばね作動式の歯であり得る。或いは、歯は、軸の周りで折り畳み可能であり得る。この場合、歯107のそれぞれの軸は、キャップ106の開口部108に近い歯の縁部に位置し、ボールが開口部108を介してチューブ102に入ると、歯107はキャップ106の適切なくぼみ(図示せず)の中に折り
畳まれ、ボールがキャップ106の開口部108を介してチューブ102の中へ通過するのを許容する。
【0017】
記載したように、いくつかの実施形態では、歯107は、入口から内側チューブ102に向かって圧力が加えられた場合にのみ移動することができる。開口部108からより離れた歯107の縁部は、ボールがチューブ102から出るのを防ぐように設計されている。キャップ106の内周に沿って並んだ歯107の配置は、チューブ102の内側に収容されるボールのためのブロック構造を形成する。前記ブロック構造の直径がボールの直径よりも小さいからである。もちろん、歯107は、開口部108を介してボールが挿入され、それらが逆方向に移動するのを防ぐことが可能な他の任意の構造と置き換えることができ、本発明は特定の構造に限定されない。例えば、弾性要素をキャップ106の円周に設けることができ、これらは、圧力によって変位し、任意の所望の形状を有することができる。
【0018】
開口部108を介したチューブ102内へのボールの挿入は、例えば、装置101をボールの頂部に置き、圧力を下方に加えることによって実行することができる。このようにしてボールは圧力を歯107に加え、それらを通過し、それらが内側チューブ102に入ることを許容する。この操作方法は、体を折り曲げることなくボールを回収できるため、使用者にとって非常に快適である。
【0019】
図1Bに同じく示されるように、キャップ106は支持リブ109を備え、これらは、特に圧力がボールの挿入中に加えられるときに、キャップ106に強度を付与するのに適している。リブ109は構造支持を提供する例示的な解決策に過ぎず、言うまでもなくキャップ106は、十分な構造強度を提供するのに適した任意の他の手段を備えることができる。
【0020】
図1Aに戻ると、ボール回収装置101は伸縮式装置であり、内側チューブ102と外側チューブ103とを備え、これらは一緒に伸縮機構を形成する。外側チューブ103の内径は本質的に内側チューブ102の外径と同じかそれよりもわずかに大きく、内側チューブ102が外側チューブ103に挿入され、それに沿って摺動することを可能にする。伸縮機構は、この記載が続くにつれて詳細に記載される。
【0021】
図2は、図1Aの装置101の分解図であり、互いに分離された装置101の異なる構成要素を示している。図1Aにも部分的に示されている第1の接続要素104は、第2の接続要素201に接続されるのに適している。接続要素104及び201はまた、それぞれチューブ103及び102に接続されるのにも適している。第1の接続要素104は、図2の特定の実施形態において、ピン202の形態の位置決め要素を備え、これはスロット203を備える第2の接続要素201と協働するのに適している。位置決め要素は、装置の伸縮操作を可能にし、さらに、チューブ103及び102の相互に対する望ましくない回転を防止するのに有用である。当業者に認識されるように、この位置決め構成は、考案できる多くの構成の1つに過ぎず、ピン202によって可能になる操作は1つよりも多い別個の要素を用いて実行することができる。本発明は特定の位置決め要素に限定されない。第1の接続要素104及び第2の接続要素201が互いに接続されると、ピン202は要素104の内側に位置付けられ、組み立てる間、いくつかのスロット203のうちの1つの内側を移動するように圧力をかけられる。
【0022】
チューブ102はスロット203のようなピン202を受け入れるのに同じく適したくぼみレール204を備える。レール204はスロット203と整列され、ピン202は、いくつかのスロット203のうちの1つの内側に位置付けられると、いくつかのレール204のうちの1つの中をそれに沿って摺動可能であり、かくして伸縮機構を提供し、外側
チューブ103はピン202を備える要素104に接続される。内側チューブ102はレール204を備え、スロット203を備える要素201に接続される。要素104及び201を接続し、ピン202をいくつかのスロット203のうちの1つの内側に位置決めすると、伸縮機構を操作するために、ピン202をレール204に沿って摺動させ、チューブ102をチューブ103の内側で摺動させる必要がある。
【0023】
図2は1つのみのピン202と2つのスロット203とを示すが、言うまでもなく装置101は、機械的負荷に耐えることができる伸縮構造を提供するのに適した任意の数のピン及びスロットを備えることができ、図の実施形態では、2つのレール204及び2つのスロット203と協働する2つのピン202(そのうちの1つは図には示されていない)を備える。
【0024】
第2のキャップ106は、スロット203と同様の追加のスロット205を備える。スロット203及び205の形状は、ロック機構を提供するコーナー形状である。ピン202がスロット203及び205の非長手方向部分に挿入されると、ピン202は装置101の縦軸に沿って移動することが妨げられ、チューブ102及び103はもはや互いに対して移動することができない。この状態はロック位置とも呼ばれる。ピン202がロック位置においていくつかのスロット203のうちの1つの内側に位置付けられると、装置は最も細長い状態にあり、ピン202がロック位置においていくつかのスロット205のうちの1つの内側に位置付けられると、装置は最も短い状態にある。装置は、チューブ102及び103が部分的に重なっているときに追加のロック位置を提供するために、チューブ102に沿って追加のスロット、すなわち他のロック機構をさらに備えることができる。
【0025】
装置101の伸縮機構及び異なる全長において装置101をロックすることができることは、著しい利点を提供する。それというのも、使用者はボールの数に従って、及び自分の身長に従って装置101を調整できるからである。さらに、装置101のボール回収機構は、体を折り曲げる必要も多大な身体的労力の必要もなく、簡単で快適な回収作業を実現する。
【0026】
図2はまた、装置101がフック206及び207を備えていることを示し、フック206は第1のキャップ105に接続され、フック207は第1の接続要素104に接続されている。フック206及び207は装置101を吊り下げる能力を提供するのに適している。フック206及び207はまた、ストラップを保持するのに適し、これにより使用者は装置101を快適に持ち運ぶことが可能になる。キャップ105はまたラッチ208を備え、装置101を、例えばベルトに吊り下げる能力を使用者に提供する。
【0027】
伸縮機構及び回収機構に加えて、装置101はまたロック機構を備える。図3Aは、ストリップ301を同じく備えるキャップ105を示している。この図では、ストリップ301は開位置にあり、これはストリップ301がキャップ105の内面の周囲と交差しないことを意味する。この開位置において、チューブ103(図1A及び2に示される)の内側に位置するボールはキャップ105を通過して装置101を離れることができる。図3Bはキャップ105を示し、ここでストリップ301は閉位置にあり、これはストリップ301が、ボールがキャップ105を通過することを防止する位置にあることを意味する。ストリップ301の形状及び材料は、それらを湾曲させて一方の位置から他方の位置へ移動できるように設計され、キャップ105はまた、ストリップ301の移動に寄与する、地点302に位置付けられた軸を備えることができる。
【0028】
特定の実施形態の上の記載は、説明のために提供されたものであり、本発明を制限する意図ではない。本発明の範囲から逸脱することなく、多くの修正及び変更を装置に実行す
ることができる。
図1A-1B】
図2
図3A
図3B
【国際調査報告】