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特表2022-520533粒子を含む試料の音響集中、移送、及び分析
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-03-31
(54)【発明の名称】粒子を含む試料の音響集中、移送、及び分析
(51)【国際特許分類】
   G01N 15/12 20060101AFI20220324BHJP
   G01N 15/14 20060101ALI20220324BHJP
【FI】
G01N15/12 B
G01N15/14 A
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021544349
(86)(22)【出願日】2020-01-31
(85)【翻訳文提出日】2021-07-29
(86)【国際出願番号】 US2020016259
(87)【国際公開番号】W WO2020160501
(87)【国際公開日】2020-08-06
(31)【優先権主張番号】62/800,304
(32)【優先日】2019-02-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】507301040
【氏名又は名称】ラブサイト インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100078282
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 秀策
(74)【代理人】
【識別番号】100113413
【弁理士】
【氏名又は名称】森下 夏樹
(74)【代理人】
【識別番号】100181674
【弁理士】
【氏名又は名称】飯田 貴敏
(74)【代理人】
【識別番号】100181641
【弁理士】
【氏名又は名称】石川 大輔
(74)【代理人】
【識別番号】230113332
【弁護士】
【氏名又は名称】山本 健策
(72)【発明者】
【氏名】エルソン, リチャード エヌ.
(72)【発明者】
【氏名】スターンズ, リチャード ジー.
(72)【発明者】
【氏名】ハディミオグル, バブール
(57)【要約】
本明細書に記載のシステム及び方法が、例えば分析装置の入口に流体試料リザーバなどから流体試料を排出するために流体を収容するリザーバに適用される集束式音響エネルギーを用いている。多くの実施形態では、排出された流体試料は、分析装置の入口を流体試料リザーバ内の流体の上面から分離するエアギャップを横断する。多くの実施形態では、排出された流体試料は、流体試料リザーバから排出された1つまたは複数の液滴を含み、流体サンプルに浮遊する粒子を含むことができる。
【選択図】図1A
【特許請求の範囲】
【請求項1】
粒子含有流体の液滴の音響移送のための方法であって、
細胞または粒子をカウントするように構成された分析装置の入口と整列して、音響放射発生器と音響上結合された浮遊細胞または浮遊粒子を有する流体試料を含む流体試料リザーバを配置すること、及び
前記音響放射発生器による集束式音響放射の排出トーンバーストを前記流体試料リザーバ内の前記流体試料に適用して、前記液滴が前記分析装置の入口に接触するように前記流体試料リザーバから液滴を排出することであって、前記液滴は少なくとも1つの細胞または粒子を含む、こと、を含む、方法。
【請求項2】
前記音響放射発生器による集束式音響放射の集中トーンバーストを前記流体試料に適用することにより、前記排出トーンバーストを適用する前に、前記流体試料内の標的位置に前記細胞または粒子を集中させることであって、前記集中トーンバーストは、液滴の排出を引き起こすことなく、前記細胞または粒子を流体試料内の前記標的位置に向かって移動させるように構成される、ことをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記集中トーンバーストと前記排出トーンバーストが順番に適用される、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記集中トーンバーストを繰り返し適用して、前記流体試料内の前記標的位置で前記細胞または粒子の増加した集中を維持することをさらに含む、請求項2に記載の方法。
【請求項5】
前記集中トーンバーストは、共振ノードまたは反共振ノードにおいて前記細胞または粒子をトラップする前記流体試料にて定在音波を生成するように構成された連続波形または長いトーンバーストの1つを含む、請求項2に記載の方法。
【請求項6】
前記集中トーンバーストは、前記流体試料内の前記標的位置に向かって前記細胞または粒子を推進するように構成された掃引周波数を含む、請求項2に記載の方法。
【請求項7】
前記音響放射発生器は、環状の第1の音響放射発生器と、前記第1の音響放射発生器と同心に配置された、ディスク状の第2の音響放射発生器とを備え、
前記集中トーンバーストは、前記第1の音響放射発生器によって生成され、また
前記排出トーンバーストは、前記第2の音響放射発生器によって生成される、請求項2に記載の方法。
【請求項8】
前記流体試料リザーバからの前記液滴の前記排出に続いて、前記音響放射発生器と整列して第2の流体試料を含む第2の流体試料リザーバを配置すること、
前記音響放射発生器による集束式音響放射の第2の集中トーンバーストを前記第2の流体試料に適用して、前記第2の流体試料内の細胞または粒子を集中させること、及び
前記音響放射発生器による集束式音響放射の第2の排出トーンバーストを、前記集中させた細胞または粒子に対応する第2の標的位置の前記第2の流体試料リザーバ内の前記第2の試料流体に適用して、少なくとも1つの細胞または粒子を含む前記第2の流体試料リザーバから第2の液滴を排出することをさらに含む、請求項2に記載の方法。
【請求項9】
前記流体試料リザーバの垂直位置を調整して、前記排出トーンバーストの焦点領域を前記流体試料の上面と整列させることをさらに含む、請求項1~8のいずれか一項に記載の方法。
【請求項10】
前記分析装置の前記入口に接触する前記液滴の前記分析装置による粒子カウントを実行することをさらに含む、請求項1~8のいずれか一項に記載の方法。
【請求項11】
前記分析装置は、前記入口と流体結合された前記分析装置の開口を横切って前記液滴から引き出された流体の電気インピーダンスを測定することによって、前記分析装置の前記入口に接触する前記液滴の中の前記浮遊細胞または浮遊粒子をカウントまたは測定するように構成された電解粒子カウンタを含み、
前記粒子カウントを実行することは、前記入口に接触する前記液滴から前記開口を通る前記細胞または粒子の通過を電気的に感知することを含む、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記分析装置の前記入口に接触する前記液滴を補うために、前記流体試料リザーバに含まれる前記流体試料から追加の後続の液滴を排出すること、及び
前記粒子カウントの属性に基づいて、前記流体試料からの前記追加の後続の液滴の排出を停止することをさらに含む、請求項10に記載の方法。
【請求項13】
前記粒子カウントの前記属性は、細胞または粒子の数、細胞または粒子の大きさ、単位時間あたりの細胞または粒子の数、所定の大きさの範囲内の細胞または粒子の数、または前記分析装置を通過した総体積の1つである、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
粒子含有液滴の音響排出のためのシステムであって、
音響放射発生器、
流体試料を含む流体試料リザーバであって、音響結合媒体によって前記音響放射発生器と音響上結合された、流体試料リザーバ、
細胞または粒子をカウントするように構成された分析装置であって、前記音響放射発生器及び流体試料リザーバのうちの少なくとも1つと整列して配置された入口を含む、分析装置、及び
コントローラであって、1つ以上のプロセッサと、前記1つ以上のプロセッサによって実行されるとき、
前記コントローラを、前記音響放射発生器による集束式音響放射の排出トーンバーストを標的位置の前記流体試料に適用して、前記液滴が前記分析装置の前記入口に接触するように前記流体試料リザーバから少なくとも1つの細胞または粒子を含む液滴を排出するように構成する実行可能命令を含むメモリ装置と、を含む、コントローラを含む、システム。
【請求項15】
前記実行可能命令は、前記1つ以上のプロセッサによって実行されるとき、前記コントローラをさらに、
前記音響放射発生器による集束式音響放射の集中トーンバーストを前記流体試料リザーバ内の前記流体試料に適用することにより、前記排出トーンバーストを適用する前に、前記流体試料内の前記標的位置に前記細胞または粒子を集中させ、液滴の排出を引き起こすことなく、前記標的位置の前記流体試料内の細胞または粒子を集中させるように構成する、請求項14に記載のシステム。
【請求項16】
前記音響放射発生器は、前記細胞または粒子を集中させるために前記集中トーンバーストを集束させるように構成された環状要素、及び前記液滴を排出する前記排出トーンバーストを集束させるように構成された前記環状要素内の同心のディスク状要素を含み、
前記集中トーンバーストは、前記環状要素を介して適用され、
前記排出トーンバーストは、前記ディスク状要素を介して適用される、請求項15に記載のシステム。
【請求項17】
第2の流体試料を含む第2の流体試料リザーバ、及び前記音響放射発生器に対して前記第2の流体試料リザーバを移動させるように構成されたアクチュエータをさらに含み、前記実行可能な命令が、前記1つ以上のプロセッサによって実行されるときに、前記コントローラを、さらに、
前記流体試料リザーバからの前記液滴の前記排出に続いて、前記アクチュエータに、前記音響放射発生器と整列して前記第2の流体試料リザーバを配置させ、
前記音響放射発生器による集束式音響放射の第2の排出トーンバーストを、前記第2の流体試料リザーバ内の前記第2の試料流体に適用して、前記第2の液滴が前記分析装置の入口に接触するように前記第2の流体試料リザーバからを含む第2の液滴を排出するように構成する、請求項14~16のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項18】
前記第2の流体試料は、追加の細胞または粒子を含み、
前記実行可能命令は、前記1つ以上のプロセッサによって実行されるとき、前記コントローラをさらに、
前記音響放射発生器による集束式音響放射の第2の集中トーンバーストを前記第2の流体試料リザーバ内の前記第2の流体試料に適用して、前記追加の細胞または粒子を集中させるように構成する、請求項17に記載のシステム。
【請求項19】
前記実行可能命令は、前記1つ以上のプロセッサによって実行されるとき、前記コントローラを、さらに、
前記分析装置の前記入口に接触する前記液滴を補うために、前記流体試料リザーバに含まれる前記流体試料から追加の後続の液滴を排出するように後続の追加の排出トーンバーストを適用し、
前記分析装置に、前記分析装置の前記入口に接触する前記液滴に含まれる細胞または粒子の粒子カウントを取得させ、
前記粒子カウントの属性に基づいて、前記追加の後続の液滴の排出を停止するよう構成する、請求項14~16のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項20】
前記粒子カウントの前記属性は、細胞または粒子の数、細胞または粒子の大きさ、単位時間あたりの細胞または粒子の数、所定の大きさの範囲内の細胞または粒子の数、または前記分析装置を通過した総体積の1つである、請求項19に記載のシステム。
【請求項21】
前記分析装置が、前記入口と流体結合した開口を横切る粒子含有流体の電気インピーダンスを測定することによって、浮遊細胞または浮遊粒子をカウントまたは測定するように構成された電解粒子カウンタ、または、前記入口に接触する前記排出された液滴に含まれる少なくとも1つの細胞または粒子を光学的に識別することによって、浮遊細胞または浮遊粒子をカウントまたは測定するように構成された視覚粒子カウンタのうちの1つを含む、請求項14~16のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項22】
粒子含有流体の液滴の音響移送のための方法であって、
音響放射発生器による集束式音響放射の第1のトーンバーストを、浮遊細胞または浮遊粒子を含む流体試料リザーバ内の流体試料に適用して、前記第1のトーンバーストが前記流体試料内の標的位置で前記細胞または粒子を集中させること、及び
前記音響放射発生器による集束式音響放射の第2のトーンバーストを、前記集中させた細胞または粒子に対応する前記標的位置の前記流体試料に適用して、少なくとも1つの細胞または粒子を含む液滴を前記流体試料リザーバから排出することを含む、方法。
【請求項23】
粒子含有液滴の音響排出のためのシステムであって
音響放射発生器、
流体試料を含む流体試料リザーバであって、音響結合媒体によって前記音響放射発生器と音響上結合された、流体試料リザーバ、及び
コントローラであって、1つ以上のプロセッサと、前記1つ以上のプロセッサによって実行されるとき、前記コントローラを
前記音響放射発生器による集束式音響放射の第1のトーンバーストを前記流体試料リザーバ内の前記流体試料に適用して、前記流体試料内の細胞または粒子を集中させ、
前記音響放射発生器による集束式音響放射の第2のトーンバーストを、前記集中させた細胞または粒子に対応する標的位置の前記流体試料に適用して、少なくとも1つの細胞または粒子を含む液滴を前記流体試料リザーバから排出するように構成する実行可能命令を含むメモリ装置を備える、コントローラを含む、システム。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
生命科学研究と臨床診断では、分析的検出器は、多くの場合、流体試料内に配置された細胞及び/または粒子の大きさを分析するために使用されている。流体内に配置された細胞及び/または粒子の大きさの分析に対する需要の高まりという観点で、細胞及び/または粒子の大きさを分析するためのハイスループットアプローチ及び関連システムは、興味深い。流体試料内の粒子を分析するには、試料を容器に入れて、分析に適した粒子の密度に希釈するか、バルク流体の特性をカウント及びサイジングの方法と適合性があるようにする必要がある。多くの場合、流体試料内の粒子サイジングでは、コールター原理が適用される。これは、細胞やウイルスなどの生物学的な物質、及び一般的な非導電性粒子に効果的であるためである。例えば、粒子カウントのためにコールター原理を利用する方法は、導電性流体の中の非導電性細胞または粒子の存在を識別するために、コールターカウンタ(米国特許第2,656,508号)を参照して開示されている。
【0002】
コールターのカウントは、電極間の導電経路を形成する導電性溶液を使用する。それにおいて、非導電性材料(例えば、非導電性の細胞及び/または粒子)の存在または不在が、電極間の導電経路の抵抗を変化させる。粒子が電極を通過する場合、抵抗の変化を使用して粒子の大きさを判定できる。Beckman Coulter Inc.(Brea、カリフォルニア)のような商用システムは、2つの電気端子の間に配置された測定領域を通過する際の流体の粒子の存在による電気インピーダンスの変化を検出することにより、導電性流体試料を分析できる。
【0003】
しかし、コールターのカウントと、粒子カウントの他の方法と同様に、試料の移送及び試料の希釈はエラーや汚染の潜在的な源である。したがって、粒子含有試料の試料移送及び希釈の改善された方法が望まれている。音響放射(すなわち、音圧波)を使用する試料移送方法は、例えば、米国特許第10,156,499号に記載されている。しかし、浮遊粒子の分析のための粒子含有流体の信頼できる移送は、これまで達成されていなかった。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
本明細書に開示された実施形態は、音響放射発生装置、流体試料を含む流体試料リザーバ、及び流体液滴を受け取ることができる入口を伴う分析機器を有するシステムを含む。流体試料リザーバは、音響結合媒体によって音響放射発生器と音響上結合することができ、そのため音響放射発生器によって生成された印加される音響エネルギーは、流体試料リザーバを介して伝達され、流体試料と相互作用することができる。開示されたシステム及び方法は、音響発生器を使用して、集束式音響放射の第1のトーンバーストを流体試料リザーバ内の流体試料に適用して、流体試料内の細胞または粒子を集中させ、続いて、集束式音響放射の第2のトーンバーストを、集中させた細胞または粒子に対応する位置で、流体試料に、音響放射発生器により適用して、少なくとも1つの細胞または粒子を含むリザーバから液滴を排出するようにする。液滴は、例えば、細胞または粒子カウンタまたは任意の他の適切な機器などの分析機器の入口に排出することができ、または、例えば、培養分割、顕微鏡検査のためのスライドローディング、希釈などの他のいずれかの適切な目的のために移送されることができる。
【図面の簡単な説明】
【0005】
図1A】本開示の様々な実施形態による、流体分析システムの簡略化された概略図である。
図1B図1Aの流体試料分析システムの簡略化された概略図であり、集束式音響放射の適用を介して流体試料リザーバから分析装置の入口に排出された流体試料の液滴を示す。
図1C図1Aの流体試料アセンブリの簡略化された概略図であり、流体試料リザーバから分析装置への流体試料の排出が完了した後のものである。
図2】流体試料リザーバから細胞及び/または粒子の集中が増加した流体試料を排出する前に、集束式音響放射を適用することによる、流体試料リザーバの上側流体表面における細胞及び/または粒子の集中を示す。
図3】A、B、及びCは、実施形態による、それぞれの流体試料リザーバに結合された集束式音響放射発生器の実施形態を示す簡略化された概略図である。
図4】集束式音響放射を適用して、流体試料リザーバ内の流体の上面近くの細胞及び/または粒子を集中させるための環状リング集束式音響放射発生要素、及び流体試料リザーバから流体試料を排出するために集束式音響放射を適用するためのディスク状の集束式音響放射生成要素を含む集束式音響放射発生器アセンブリの実施形態の簡略化された概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0006】
本開示の様々な実施形態は、粒子含有流体を試料リザーバから標的に移送するための音響システム及び方法を含み、例えば、非限定的に、試料容器、流体ウェルプレート、試料培地、または分析装置の入口が挙げられる。例えば、試料リザーバから分析検出器への流体試料の移送は、試料リザーバ内の流体へ集束式音響放射を適用することを介して達成することができる。試料リザーバは、流体の流体表面を分析装置の入口と整列させて配置し、適切なギャップによって入口から分離するように配置することができる。
【0007】
本明細書でトーンバーストと言及しているパターンで排出された、集束式音響放射は、次に、試料リザーバから流体試料を排出する試料リザーバの流体に適用でき、排出される流体試料がギャップを横断し、分析検出器の入口に入るようにする。ほとんどの水溶液を含むがこれに限定されない多くの流体試料が、音響移送に適している。例えば、流体試料は、ある体積の電解液の内側に浮遊させた1つまたは複数の細胞及び/または粒子を有する、ある体積の電解液を含むことができる。
【0008】
いくつかの実施形態では、流体試料内に浮遊する細胞及び/または粒子が、流体試料の排出より前に、試料リザーバの流体に、集束式音響放射の適用を介して、上側流体表面付近に集中している。最初に上側流体表面近くの粒子及び/または細胞を集中させることにより、排出された流体試料内の粒子及び/または細胞の集中を、試料リザーバ内の粒子及び/または細胞の集中の平均と比較して増加させることができる。音響的アプローチは、分析装置による分析のための試料の装填に対する試料処理の既存のアプローチとは対照的であり、この場合典型的な試料リザーバは、分析装置の入口と流体連通して配置され、流体試料が試料リザーバから分析装置に移送される流体連絡経路を提供する。
【0009】
試料リザーバは、分析装置の入口との直接的な接触を必要とすることなく分析装置の入口に対して配置することができ、それによって、同一の分析装置に複数のリザーバから流体試料の連続かつ迅速な移送を可能にし、スループット及び効率を強化し、相互汚染を低減または防止し、試料の一貫性を向上させる。さらに、排出された流体試料における細胞及び/または粒子を集中できることは、流体の精製において本明細書に記載のシステム及びアプローチを使用することを可能にする。
【0010】
多くの実施形態では、本明細書に記載の装置及び方法が、集束式音響エネルギーを用いており、それは、分析装置の入口に流体試料リザーバから流体試料を排出する流体を収容するリザーバに適用される。多くの実施形態では、排出された流体試料は、分析装置の入口を流体試料リザーバ内の流体の上面から分離するエアギャップを横断する。多くの実施形態では、排出された流体試料は、流体試料リザーバから排出された1つまたは複数の液滴を含む。
【0011】
任意の適切な分析装置を用いることができる。例えば、いくつかの実施形態では、分析装置は、移送された流体試料内に含まれる粒子の数及び大きさを測定するように適合されている。例えば、検出器は、コールターカウンタ(米国特許第2,656,508号)のように電気インピーダンス計を使用して、導電性流体中の非導電性細胞または粒子の存在を識別することができる。追加の例として、検出器は、光学的で、血液分析器として散乱光を測定することができる。
【0012】
本明細書で記載の装置及び方法は、単一の分析検出器による複数の流体試料リザーバからの流体試料の高スループット分析を提供するために使用することができる。例えば、本明細書に記載の装置及び方法を使用して、第1の流体試料(例えば、少なくとも1つの非導電性粒子を含む導電性流体)を第1のリザーバから検出器の入口開口に移送し、第1の流体試料を分析し(例えば、第1の流体試料内の粒子の数及び大きさを測定する)、次に、第2の流体試料を検出器の入口に移送するために、第2のリザーバへの集束式音響エネルギーの適用に迅速に切り替えることができる。
【0013】
本明細書に記載の装置及び方法は、排出された流体試料内の細胞及び/または粒子の集中を増加させるために使用することができる。例えば、いくつかの実施形態では、流体試料の排出より前に、流体試料リザーバに集束式音響放射が適用され、流体試料リザーバ内の流体の上面付近に細胞及び/または粒子が集中するようにする。このような排出前の集中化は、任意の適切な目的に使用することができる。例えば、集束式音響エネルギーによって試料リザーバから分析装置の入口に移送される流体の総量を減らすために、集束式音響エネルギーを適用して、流体の上面近くに形成されたノード集束領域に粒子を集中させることができ、次に、音響エネルギーパルスを試料リザーバ内の流体に適用して、ノード焦点付近の流体を流体の液滴として排出することができ、液滴の粒子密度は、ノード焦点の外側の流体内の平均粒子密度を超えるようにする。
【0014】
対照的に、測定用開口へのリザーバからの立て続けの液滴の集束式音響排出は、開口のみの流体の被覆を提供することができる。これは、浸漬を提供するために、より大量の流体が開口と接触する必要性を排除する。また、測定を実行するために開口から流体を吸引することで、測定用開口の面をきれいにし、別の試料を受け取るための測定システムを準備することもできる。最初の試料測定の完了は、事前に決定された体積が測定用開口面に移送された後、または任意選択で、検出された粒子の測定システムによる分析に基づいて行うことができる。分析には、粒子の総数または所与の大きさの範囲の粒子の数が含まれ得るが、これらに限定されない。
【0015】
終了基準が満たされると(すなわち、移送された試料またはいくつかの他の分析基準の液滴の数)、リザーバからの液滴の移送が終了される。次に、装置を次のリザーバから移送するように構成できる。次のリザーバは、マイクロチューブなどの分離可能な容器、またはマルチウェルプレート(例えば、384ウェルまたは1536ウェルマイクロプレート、他の適切なマイクロプレート、または他の適切な容器)のウェルなどに接続されたものを含む、集束式音響排出を補助できる別の容器である可能性がある。
【0016】
次の試料リザーバからの液滴の音響移送に先立って、測定用開口の状態は、以前の試料が、測定装置の内部に引き込まれているかどうかを確認するために判定されることができる。これは、カメラを介した光学的手段、または好ましくは、開口の近くのガス雰囲気がオリフィスに引き込まれるときに測定用開口自体によって提供される信号を介するなどの様々な手段によって、行うことができる。オリフィスに非導電性ガスが存在していることは、電流の大幅な減少により、導電性流体に非導電性粒子が存在していることと容易に区別される。コールター法は、一般に、開口に引き込まれるガスが開口全体に広がるのとは対照的に、測定用の粒子の大きさを開口の大きさの直径の60%未満に制限して、測定の忠実度を維持する。
【0017】
本発明のいくつかの実施形態では、測定用開口の中に空気を取り込むことに起因する導電性のこの低下は、(測定用開口の後ろの)内部領域から流体を引くポンプシステムの流量の制御に結合させることができる。例えば、開口での電流の流れが最大の粒子によって生成されるレベルよりも低くなり、開口全体での空気の取り込みと一致する場合、流体を含むすべての試料がオリフィスを通過したときにポンプを停止できる。さらに、任意選択の準備態勢信号を音響ドロップ発生器に送信して、測定用開口が汚染のリスクなしに次のリザーバから試料を受け取るのに適した状態にあることを示すことができる。
【0018】
流体試料をリザーバから移送され、次いで測定用開口に引き込ませて、測定用開口面が繰り返し湿潤及び脱湿潤されたら、測定用開口面は、粒子または電解質流体のいずれも保持しない、化学的に不活性で、耐性のある、及び/または非湿潤性の材料で構成されるか、コーティングされるのが望ましい。例えば、いくつかの実施形態によれば、分析機器の入口は、疎水性コーティングを含むことができ、または疎水性材料から形成することができ、これにより、分析機器の入口の液滴は、残留物を残すことも、入口の表面で複数の液滴に分割したりすることもなく、入口を通してそれらが引っ張られるまで、コヒーレントのままである。
【0019】
粒子分析機器を装填するための「低スループット」の方法は、大きな試料体積吸引における測定用開口の浸漬を組み合わせて、自動化された試料変更機構を頻繁に欠いている。自動化されたとしても、そのような方法は、ある没入状態から次の状態へのより長い移動の制約のために、速度が制限される。
【0020】
これより図面を参照すると、図1Aは、音響エジェクタアセンブリ101、流体試料リザーバ103、及び分析装置アセンブリ105を含む流体試料分析アセンブリの簡略化された概略図である。エジェクタアセンブリ101は、集束式音響放射発生器113と、音響放射発生器113と結合され、集束要素面117からの音響エネルギーを集束させるように成形された、非限定的に凹面、回折面、または環状面などである集束要素115とを含むことができる。エジェクタアセンブリ101は、音響結合媒体119を介して流体試料リザーバ103と音響上結合することができ、それにより、エジェクタアセンブリ101によって生成された音圧のパターンは、音響結合媒体を介して流体試料リザーバ103に移動する。
【0021】
流体試料リザーバ103は、貯留体121を含むことができ、これは非限定的に、スタンドアロンの流体ウェルまたは流体収容チューブ、ウェルプレートのウェル、または他の任意の適切な流体容器が挙げられる。流体試料リザーバ103は、任意選択で浮遊粒子125を含む流体試料123で、少なくとも部分的に満たすことができる。粒子125は、例えば、ナノ粒子またはマイクロ粒子、細胞、高分子、または他の適切な粒子、ならびに個々の粒子としての前述の粒子タイプの2つ以上、または一緒に結合された前述の粒子タイプのいずれかを含む混合物を含み得る。
【0022】
流体試料123は流体試料リザーバ103の流体表面127まで延び、これは流体試料123から分析装置アセンブリ105への流体の移送のために、整列して適切な距離で配置される。分析装置アセンブリ105は、諸実施形態によれば、音響放射発生器113によって流体試料に適用され、集束要素115によって集束される集束式音響放射の適用を介して、流体試料リザーバ103から排出される流体試料を受け取るように配置される。図1Aは、流体試料リザーバ103に結合された集束要素115を備え、流体試料リザーバに浮遊粒子125を備えた音響放射発生器113を示している。
【0023】
1つ以上のプロセッサ109と非一時メモリ111を含むコンピュータシステムを含むことができるコントローラ107の制御下で、音響放射発生器113は、広範囲の周波数及び/またはパターンで任意の数のトーンバーストの音響放射を生成するように活性化することができ、トーンバーストのパラメータが流体試料123に対するトーンバーストの効果を決定する。例えば、第1の振幅での第1のトーンバーストパターンを使用して、液滴を排出することなく、流体試料123内の粒子125の動きをもたらすことができ、例えば、トーンバーストを特徴づける円錐形の音響ビーム129内の流体表面127に粒子を集中させることができる。第2の振幅で、第1のものとは異なる第2のトーンバーストパターンを使用して、流体表面127で流体試料123から分離し、それと共に粒子125を運ぶ液滴を生成することができる。
【0024】
分析装置アセンブリ105は、粒子カウンタを含むがこれらに限定されない多様の特定の分析装置または検出器を含むことができる。図1Aに示されるように、分析装置アセンブリ105は、例えば、開口の長さにわたって電圧を誘導し、検出器139の外側に配置された第1の電極141から収集チャンバ145に隣接して配置された第2の電極143までの同じ長さにわたる導電率の変化を検出するために開口を横切って配置された電極141、143を有する分析装置の検出器139の開口152を含むことができる。動作中、プロセッサ135及びメモリ装置137も含むコントローラ133は、電極141、143の間に電圧差を誘発することができ、それにより、粒子の存在または不在を示す、場合によっては粒子の大きさを示す導電率の変化と共に、開口を通して導電率を測定することができる。収集チャンバ145内にある収集された流体147は、ポンプ151を介して所定の速度で除去することができ、これは、コントローラ133の制御下にあり得る。音響エジェクタアセンブリ101及び分析装置アセンブリ105は、同じ制御システム及び付随するコントローラによって制御することができ、または別個のコントローラによって制御することができる。
【0025】
図1Bに示すように、使用時に、音響エジェクタアセンブリ101は、コントローラ107で操作され、分析装置アセンブリ105による分析のために流体試料リザーバ103から液滴を排出し得る。図1Bは、図1Aの流体試料分析システムの簡略化された概略図であり、集束式音響放射発生器113による集束式音響放射の適用を介して、流体試料リザーバ103から分析装置アセンブリ105の開口152の入口に排出された流体試料123の液滴153を示す。液滴153が流体試料123の流体表面127から排出されるとき、液滴は、検出器139の開口152の入口に堆積する前に、流体試料リザーバ103と分析装置アセンブリ105との間のエアギャップを横切ることができる。様々な実施形態によれば、粒子を含む単一の液滴が分析に十分であり得るか、または複数の液滴からの試料流体の蓄積155が、所望の量の流体試料123を得るために収集され得る。1つまたは複数の液滴153が開口152の入口で検出器139の外面に収集されたとき、粒子カウントを得るために、または、得られた粒子の属性を分析するために、例えば、電気インピーダンスが粒子の存在によって変化するときに、開口152の測定領域内の電気インピーダンスを測定することによって、ポンプ151を作動させて、試料流体の蓄積155を、開口152を通して引っ張ることができる。
【0026】
図1Cは、図1Aの流体試料アセンブリの簡略化された概略図であり、流体試料リザーバ103から分析装置アセンブリ105への流体試料123の排出が完了した後のものである。図1Cでは、液滴は流体試料リザーバ103から排出されておらず、マイクロポンプ151は、開口152の測定領域内の外側電極141の表面からの導電性試料流体の流体蓄積155のメニスカスを運んでいる。したがって、外側電極141と内側電極143との間の電気的接触が崩壊し、その時点で、コントローラ133は、収集チャンバの排気を停止するようにポンプ151に信号を送ることができる。逆に、外側電極141上で試料流体の新しい蓄積155が形成されることは、外側電極141と内側電極143との間の電気的接触を引き起こす。電気的接触が再度確立されると、導電率はコントローラ133によって検出でき、ポンプ151が再活性化され得ることを合図することができる。
【0027】
上記の分析プロセスは、同じリザーバからまたは異なるリザーバからの粒子含有流体の順次排出された試料に対して繰り返すことができ、それは所定の位置に移動し、音響イジェクタアセンブリ101及び分析装置アセンブリ105に整列させ、液滴の排出と分析を容易にすることができる。典型的には、新しいリザーバを整列させることは、排出された液滴が流体表面127と開口152の入口との間のエアギャップを横断するように、少なくともリザーバを2次元に配向することを含む。いくつかの実施形態では、流体試料123の上側流体表面127を、音響放射発生器113によって生成されて集束要素115によって集束される音響ビームの集束と整列させるために、流体リザーバアセンブリ103の垂直距離も調整することができる。いくつかの実施形態によれば、複数の潜在的に多くの流体試料リザーバ103を迅速に配置、サンプリング、及び再配置して、多くの流体リザーバからの粒子含有流体の迅速な分析を可能にすることができる。複数の流体リザーバは別個の容器にすることができ、可動ステージまたは他のアクチュエータに個別に配置することができ、または、マルチウェルプレートまたはマイクロプレート上のウェルにすることもできる。
【0028】
図2は、流体試料リザーバから細胞及び/または粒子の集中が増した流体試料を排出する前に、集束式音響放射を適用することによる、流体試料リザーバの上側流体表面227における細胞225及び/または粒子の集中化を示す、サンプルリザーバアセンブリ200を示す。試料リザーバアセンブリ200は、流体試料リザーバ103(図1A~1C)と同様に、少なくとも1つの流体試料リザーバ203を含み、これは、1つまたは複数の他の試料リザーバと共にステージ257に配置または接続することができる。
【0029】
集束要素115に結合された音響放射発生器113を含む音響エジェクタアセンブリ101は、音響結合媒体219によって流体試料リザーバ203と音響上結合することができる。使用中、音響エジェクタアセンブリ101は、集束式音響ビーム229を生成して、流体試料223の上側流体表面227の近くに粒子または細胞225のノード集中255を生成することができる。粒子が音響で集中されるとき、流体試料リザーバ203から生成される音響的に生成された液滴は、バルク流体よりも粒子の集中度が高く、表面近くの焦点領域の粒子密度を反映する。周波数を調整する方法、したがって試料流体内の音響放射の波長を変更する方法は、当業者に知られている。効率的な粒子トラッピングのためのノード面及び反ノード面の数の選択は、密度、粒子の大きさ、粒子の剛性などを含む多くの要因に依存する。ソナータイプの方法による流体の厚さの動的測定は、ノードの状態を維持するために必要な場合があり、また、リザーバの流体の深さが変化するにつれてノードの平面の数を変更する必要がある場合がある。そのような測定方法は、当業者に知られている。共振状態の感知は、例えば、Hueter, Theodor F, and Richard H. Bolt ,Sonics: techniques for the use of sound and ultrasound in engineering and science. New York: Wiley, 1955に記載されている方法に従って検出することもできる。
【0030】
図3A~3Cは、諸実施形態による、それぞれの流体試料リザーバに結合された集束式音響放射発生器の実施形態を示す簡略化された概略図である。音響放射発生器のこれらの構成は、粒子を含む液滴排出を容易にするために、流体試料リザーバの上面付近に粒子を集中させるべく、浮遊粒子を標的体積体に向けて導くのに適した音響放射のパターンを生成するように構成される。図3A~3Cのそれぞれにおける少なくとも1つの音響発生器及び集束要素(またはレンズ)が環状であることに留意されたい。これらの音響発生器及び/または集束要素は、凹面の集束式圧電要素、反射または屈折レンズ要素、またはフェーズドアレイ構成(図示せず)、または他の適切な音波集束要素を含むことができる。これらの構成での集束ビームの形状は、主にレンズ要素の形状によって、またはフェーズドアレイトランスデューサの場合は、音響放射発生器(複数可)に提供される駆動信号の振幅及び位相によって制御される。集束ビームの形状は、粒子を標的ゾーンに導く最大の効率を達成するように最適化されていることに留意されたい。これらのビーム形状には、例えば、Fan, Xudong and Zhang, Likun, Simultaneous trapping and pulling by acoustical Bessel beams as stable tractor beams, The Journal of the Acoustical Society of America 145, 1817 (2019)に記載されているように、球形に収束するビーム、ガウシアンビーム、ベッセルビーム、及びその他の適切なビームの形状が含まれる。
【0031】
図3A~3Cのそれぞれは、浮遊粒子324を有する流体試料323を含む流体試料リザーバ303を示している。流体試料リザーバのリザーバ本体321は、流体試料リザーバ303が置かれている、または流体試料リザーバを取り付けることができるステージまたはプレート357から離れて延びることができる。あるいは、流体試料リザーバ303は、試料ステージまたはプレートなしで配置することができる。流体試料リザーバ303は、音響結合媒体319を介して音響エジェクタ301と音響上結合することができる。好ましくは、この媒体は、音響エジェクタ301に対して流体試料リザーバ303の自由な動きを可能にすべく含まれている。
【0032】
図3Aにおいて、第1の例示的な構成300aは、組み合わされた音響放射発生器313a及び集束要素315aによって形成された環状音響エジェクタ301aを含み、それにより、音響放射発生器は、音波361を結合媒体319に円錐形で向ける凹状の作業面317aを有する形状になり、音波361が流体試料323の粒子325と相互作用するとき、音波が粒子を焦点領域またはノードに集中させる傾向があるようにする。流体試料リザーバ303は、音響エジェクタ301aに対して配置されて、焦点領域を、流体試料リザーバ303における任意の適切な位置、典型的には上面近くに配置することができる。
【0033】
図3Bにおいて、第2の例示的な構成300bは、環状音響エジェクタ301bを含み、これは環状及び湾曲した集束要素315bと結合された平面及び環状音響放射発生器313bによって形成され、それによって集束要素は、音波361を配置300aに従って生成された波と同様の円錐のパターンにより、結合媒体319の中に向ける凹状の作業面317bを有する。
【0034】
図3Cは第3の例示的な構成300cを示しており、それにおいて環状音響エジェクタ301cが環状音響放射発生器313cによって形成され、これは音波を結合媒体319の中に伝達し、この場合湾曲した集束要素317cが音波を方向転換し、構成300aまたは300bによって生成された波と同様の円錐形のパターンを達成するようにする。
【0035】
図3のトランスデューサは、生成された音波が、対象の大きさの制限内で、高い効率で標的焦点ゾーンに向かう、高効率の粒子の誘導を伴う周波数で動作するように設計されている。駆動信号はまた、高レベルの効果を生成するように最適化されている。波形には、連続波形(CW)または所望の周波数での長いトーンバーストが含まれ、音場の共振ノードまたは反共振ノードに粒子をトラップするための定在音波パターンが生成される。必要に応じて、駆動周波数は、ゆっくりと掃引され、標的ゾーンに向かってそれらを移動させる手段を提供する。音響ストリーミング効果を作成して、標的ゾーンへ向かう粒子を攪拌し、混合し、誘導を促す音波形を使用することもできる。所望の効果を生み出すための上記の駆動機構(粒子トラップ及びストリーミング)を組み合わせて、粒子を誘導する究極の効率を生み出すことができることも理解される。
【0036】
図4は、流体試料リザーバ403が、浮遊粒子424を有する流体試料423を含むアセンブリ400の簡略化された概略図である。流体試料リザーバのリザーバ本体421は、流体試料リザーバ403が置かれている、または流体試料リザーバを取り付けることができるステージまたはプレート457から離れて延びることができる。あるいは、流体試料リザーバ403は、試料ステージまたはプレートなしで配置することができる。流体試料リザーバ403は、音響結合媒体419を介して音響エジェクタアセンブリ401aと401bと音響上結合することができる。外側のリング集束式音響エジェクタアセンブリ401bは、流体試料リザーバ403内の細胞及び/または粒子425を集中させるために集束式音響放射を適用するために、曲面417bを有する環状及び凹面集束要素415bと結合された環状音響放射発生器413bを含む。好ましくは、浮遊粒子425は、流体試料リザーバ403内の流体試料423の上面近くに集中させることができる。内側のディスク状のエジェクタアセンブリ401aは、集束要素415aと結合されたディスク状の集束式音響放射発生器413aを含み、この要素は、集束放射を適用して流体試料リザーバから流体試料を排出するための凹状集束面417を有することができる。使用中、外側のリング集束式音響エジェクタアセンブリ401bは、液滴を排出せずに浮遊粒子425を流体試料423に集中させるように最適化されたパターン、周波数、及び振幅で集束音波461bの第1パターンの形で、音響エネルギーの第1のトーンバーストを生成できる。続いて、内部音響エジェクタアセンブリ401aは、流体試料423の表面から、及び粒子425を集中させたのと同じ場所から液滴を排出するように最適化された、集束音波461aの第2のパターンの形態で、典型的にはより高い振幅で、集束式音響エネルギーの第2のトーンバーストを生成することができる。したがって、第2のトーンバーストは、粒子を含む液滴453を上昇させ、流体試料423から分離することができる。
【0037】
図4は、粒子の誘導(環状の形状のトランスデューサ)及び液滴の排出(中央のトランスデューサ要素)のための音響発生装置を組み合わせた音響駆動機構の構成を示している。機器の効率を最適化するために、誘導トランスデューサと液滴生成トランスデューサの設計及び動作周波数を異ならせる必要がある場合があることに留意されたい。図面での幾何学形状は、2つの発生器の中心周波数を異なるように最適化する柔軟性を提供する。また、2つの発生器の独立したビーム形状の設計も可能にする。多くの実施形態では、環状リング集束式音響放射生成要素及びディスク状集束式音響放射生成要素は異なる厚さを有し、それらが生成する音の異なる周波数を示し、内側のディスクは液滴に対してより薄く、外側のリングは、混合、解凝集、トラッピング、またはノード集中フィールドによる集中などの目的の粒子の運動を生成するために、より厚い状態にする。
【0038】
図4の幾何学形状は、粒子誘導トランスデューサ及び液滴排出トランスデューサの独立した設計により、いっそう柔軟であることを可能にするが、それらを単一のトランスデューサに組み合わせて、両方の機能のための音響駆動を提供することが可能であり得ることが理解される。
【0039】
例示的な適用
実施例1:図1に示される装置は、粒子を含み得る容器の迅速な浄化及び/または品質管理を可能にするための制御手段(図示せず)で実施することができる。測定領域にわたる電極によって生成され、導体を介してアナライザに送信される信号は、システムのすべての関連するコンポーネントに対するマイクロポンプ、音響放射発生器、及び位置決め手段を制御できる意思決定手段への入力として機能することができ、それは試料流体容器/リザーバの位置合わせまたは交換、音響放射発生器の交換または位置合わせ(すなわち、流体表面に焦束させる)、または開口アセンブリを変更して測定領域の直径が試料容器内の流体で予想される粒子の大きさに適するようにすることさえ含むことができるがそれに限定されない。
【0040】
この実施形態での制御手段は、液滴の移送のための焦点ゾーンで粒子の混合または集中のいずれかによって流体試料を作成する。次に、制御手段は、マイクロポンプに、外部電極に存在する流体を、測定ゾーンを通して移動させ始めるように指示する。生成された信号は分析装置に送られ、次に制御手段によって処理されて、液滴の生成速度とマイクロポンプの流量の両方を変更して所定の目標を達成する方法を決定する。例えば、プロセスは、所定の数の液滴または総量の流体が移送され、品質管理手順の一環として粒子データが記録されるまで継続することができる。同様に、制御手段は、粒子データを処理し、移送を停止するか、または単位時間または体積あたりに検出された粒子の数、単位時間または体積あたりに検出された所与の大きさの範囲にある粒子の数などの多くの基準に基づいて、続行するかを決定することができる。そのようなシステムの構成は、焦点の近くに粒子を集中できることと相まって、本発明が、容器から粒子を効率的に抽出し、制御手段に提供される分析器からのデータが望ましい基準に適合すると、移送のプロセスを停止するよう動作することを可能にする。
【0041】
本明細書及び添付の特許請求の範囲において使用される場合、単数形「1つの(a)」、「1つの(an)」、及び「その(the)」は、文脈により別様に明確に示されない限り、複数形の指示対象を含む。したがって、例えば、「リザーバ」の言及は、単一のリザーバ及び複数のリザーバを含み、「流体」の言及は、単一の流体及び複数の流体を含み、「周波数の範囲」の言及は、単一の周波数の範囲及び複数の範囲を含み、「エジェクタ」の言及は、単一のエジェクタならびに複数のエジェクタなどを含む。
【0042】
本発明は、特定の流体、周波数の範囲、または装置の構造に限定されず、したがって多様である可能性があることを理解されたい。本発明を複数の特定の実施形態に関連して説明してきたが、前述の説明は例示を意図しており、本発明の範囲を限定するものではないことを理解されたい。他の態様、利点、及び修正は、当業者に明らかである。本明細書で引用されるすべての特許、特許出願、ジャーナルの論文及び他の参考文献は、それらの全体が参照により組み込まれる。
【0043】
以下、さらなる例が、本発明の理解を促進するために記載されている。
【0044】
実施例A:粒子含有液滴の音響排出のためのシステムであって、
音響放射発生器、
流体試料を含む流体試料リザーバであって、音響結合媒体によって前記音響放射発生器と音響上結合された、流体試料リザーバ、及び
コントローラであって、1つ以上のプロセッサと、前記1つ以上のプロセッサによって実行されるとき、前記コントローラを、
前記音響放射発生器による集束式音響放射の第1のトーンバーストを前記流体試料リザーバ内の前記流体試料に適用して、前記流体試料内の細胞または粒子を集中させ、
前記音響放射発生器による集束式音響放射の第2のトーンバーストを、前記集中させた細胞または粒子に対応する標的位置の前記流体試料に適用して、少なくとも1つの細胞または粒子を含む液滴を前記リザーバから排出するように構成する実行可能命令を含むメモリ装置を備える、コントローラを含む、システム。
【0045】
実施例B:前記液滴が前記リザーバから排出されるとき、前記液滴が前記入口に接触するように、音響放射発生器と整列させて配置される入口を有する分析装置をさらに含む、先行実施例のいずれかのシステム。
【0046】
実施例C:前記分析装置は、開口を横切る粒子含有流体の電気インピーダンスを測定することによって、浮遊粒子をカウントまたは測定するように構成された電解粒子カウンタを含む、実施例Bのシステム。
【0047】
実施例D:前記分析装置は、光学的に浮遊粒子を識別することによって、前記浮遊粒子をカウントまたは測定するように構成された視覚的な粒子カウンタを含む、実施例Bのシステム。
【0048】
実施例E:第2の流体試料を含む第2の流体試料リザーバ、及び前記音響放射発生器に対して前記第2の流体試料リザーバを移動させるように構成されたアクチュエータをさらに含み、前記実行可能な命令が、前記1つ以上のプロセッサによって実行されるときに、前記コントローラを、さらに、
前記リザーバからの前記液滴の前記排出に続いて、前記アクチュエータに、音響放射発生器と整列して前記第2の流体試料リザーバを配置させ、
前記音響放射発生器による集束式音響放射の第3のトーンバーストを前記第2の試料リザーバ内の前記第2の流体試料に適用して、前記第2の流体試料内の細胞または粒子を集中させ、
前記音響放射発生器による集束式音響放射の第4の排出トーンバーストを、前記集中させた細胞または粒子に対応する標的位置の前記第2の試料リザーバ内の前記第2の試料流体に適用して、前記第2の流体試料リザーバから少なくとも1つの細胞または粒子を含む第2の液滴を排出するよう構成する、先行実施例のいずれかのシステム。
【0049】
実施例F:前記音響放射発生器は、前記細胞または粒子を集中させるために前記第1のトーンバーストを集束させるように構成された環状要素、及び前記液滴を排出する前記第2のトーンバーストを集束させるように構成された前記環状要素内の同心のディスク状要素を含み、
前記第1のトーンバーストは、前記環状要素を介して適用され、
前記第2のトーンバーストは、前記ディスク状要素を介して適用される、先行実施例のいずれかのシステム。
【0050】
実施例G:粒子含有流体の液滴の音響移送のための方法であって、
音響放射発生器による集束式音響放射の第1のトーンバーストを、浮遊細胞または浮遊粒子を含む流体試料リザーバ内の流体試料に適用して、前記第1のトーンバーストが前記流体試料内の標的位置で前記細胞または粒子を集中させること、及び
前記音響放射発生器による集束式音響放射の第2のトーンバーストを、前記集中させた細胞または粒子に対応する前記標的位置の前記流体試料に適用して、少なくとも1つの細胞または粒子を含む液滴を前記リザーバから排出することを含む、方法。
【0051】
実施例H:
前記第2のトーンバーストを適用する前に、前記流体試料リザーバを分析装置の入口に整列させて配置すること、及び
前記液滴が前記分析装置の入口に接触するように、前記流体試料リザーバから液滴を排出することをさらに含む、先行実施例のいずれかの方法。
【0052】
実施例I:前記分析装置は、細胞または粒子をカウントするように構成された検出器を有する粒子カウンタを含み、
前記分析装置の前記入口に接触する前記液滴の粒子カウントを実行することをさらに含む、実施例Hの方法。
【0053】
実施例J:前記第1のトーンバースト及び前記第2のトーンバーストが順次適用される、先行実施例のいずれかの方法。
【0054】
実施例K:前記第1のトーンバーストを繰り返し適用して、前記流体試料内の前記標的位置で前記細胞または粒子の増加した集中を維持することをさらに含む、先行実施例のいずれかの方法。
【0055】
実施例L:前記第1のトーンバーストは、共振ノードまたは反共振ノードにおいて前記細胞または粒子をトラップする前記流体試料にて定在音波を生成するように構成された連続波形または長いトーンバーストの1つを含む、先行実施例のいずれかの方法。
【0056】
実施例M:前記第1のトーンバーストは、前記流体試料内の前記標的位置に向かって前記細胞または粒子を推進するように構成された掃引周波数を含む、先行実施例のいずれかの方法。
【0057】
実施例N:前記リザーバからの前記液滴の前記排出に続いて、前記音響放射発生器と整列して第2の流体試料を含む第2の流体試料リザーバを配置すること、
前記音響放射発生器による集束式音響放射の第3のトーンバーストを前記第2の流体試料に適用して、前記第2の流体試料内の細胞または粒子を集中させること、及び
前記音響放射発生器による集束式音響放射の第4のトーンバーストを、前記集中させた細胞または粒子に対応する第2の標的位置の前記第2の試料リザーバ内の前記第2の試料流体に適用して、少なくとも1つの細胞または粒子を含む前記第2の試料リザーバから第2の液滴を排出することをさらに含む、先行実施例のいずれかの方法。
【0058】
実施例O:前記音響放射発生器は、第1の環状の音響放射発生器と、前記第1の音響放射発生器と同心に配置された、第2のディスク状の音響放射発生器とを備え、
前記第1のトーンバーストは、前記第1の音響放射発生器によって生成され、また
前記第2のトーンバーストは、前記第2の音響放射発生器によって生成される、先行実施例のいずれかの方法。
【0059】
実施例P:前記流体試料リザーバの垂直位置を調整して、前記第1のトーンバーストまたは前記第2のトーンバーストの焦点領域を前記流体試料の上面と整列させることをさらに含む、先行実施例のいずれかの方法。
【0060】
実施例Q:音響放射発生器、
流体試料を含む流体試料リザーバであって、音響結合媒体によって前記音響放射発生器と音響上結合された、流体試料リザーバ、
流体の液滴を受け入れるように構成された入口を伴う分析機器、及び
コントローラであって、1つ以上のプロセッサと、前記1つ以上のプロセッサによって実行されるとき、前記コントローラを
前記音響放射発生器による集束式音響放射の第1のトーンバーストを前記流体試料リザーバ内の前記流体試料に適用して、前記流体試料内の細胞または粒子を集中させ、
前記音響放射発生器による集束式音響放射の第2のトーンバーストを、前記集中させた細胞または粒子に対応する標的位置の前記流体試料に適用して、少なくとも1つの細胞または粒子を含む液滴を前記リザーバから前記分析機器の前記入口に排出するように構成する実行可能命令を含むメモリ装置を備える、コントローラを含む、システム。
【0061】
実施例R:前記分析機器は、細胞または粒子をカウントするように構成された検出器を有する粒子カウンタを含み、
前記実行可能命令は、前記1つ以上のプロセッサによって実行されるとき、前記コントローラを、
前記流体試料リザーバから前記入口への前記液滴の排出後、前記排出された液滴を含む移送された流体試料に対して、前記分析機器に粒子カウントを実行させるようにさらに構成する、先行実施例のいずれかのシステム。
【0062】
実施例S:前記分析機器は、前記分析装置の前記入口に流体接続されたポンプを含み、
前記実行可能命令は、前記1つ以上のプロセッサによって実行されるとき、前記コントローラをさらに、
排出された液滴が前記入口に存在するかどうかを、前記検出器を介して検出し、
前記排出された液滴の検出に応答して、前記ポンプに前記流体を前記入口から引き込ませるよう構成する、先行実施例のいずれかのシステム。
【0063】
実施例T:前記分析機器の前記入口は、前記入口における残留物の保持に抵抗する非濡れ性材料を含む、先行実施例のいずれかのシステム。
【0064】
実施例U:粒子含有流体の液滴の音響移送のための方法であって、
細胞または粒子をカウントするように構成された分析装置の入口と整列して、音響放射発生器と音響上結合された浮遊細胞または浮遊粒子を有する流体試料を含む流体試料リザーバを配置すること、及び
前記音響放射発生器による集束式音響放射の排出トーンバーストを前記流体試料リザーバ内の前記流体試料に適用して、前記液滴が前記分析装置の入口に接触するように前記流体試料リザーバから液滴を排出することであって、前記液滴は少なくとも1つの細胞または粒子を含む、こと、を含む、方法。
【0065】
実施例V:前記音響放射発生器による集束式音響放射の集中トーンバーストを前記流体試料に適用することにより、前記排出トーンバーストを適用する前に、前記流体試料内の標的位置に前記細胞または粒子を集中させることであって、前記集中トーンバーストは、液滴の排出を引き起こすことなく、前記細胞または粒子を流体試料内の前記標的位置に向かって移動させるように構成される、ことをさらに含む、実施例Uの方法。
【0066】
実施例W.前記集中トーンバースト及び前記排出トーンバーストが順次適用される、先行実施例のいずれかの方法。
【0067】
実施例X.前記集中トーンバーストを繰り返し適用して、前記流体試料内の前記標的位置で前記細胞または粒子の増加した集中を維持することをさらに含む、先行実施例のいずれかの方法。
【0068】
実施例Y.前記集中トーンバーストは、共振ノードまたは反共振ノードにおいて前記細胞または粒子をトラップする前記流体試料にて定在音波を生成するように構成された連続波形または長いトーンバーストの1つを含む、先行実施例のいずれかの方法。
【0069】
実施例Z.前記集中トーンバーストは、前記流体試料内の前記標的位置に向かって前記細胞または粒子を推進するように構成された掃引周波数を含む、先行実施例のいずれかの方法。
【0070】
実施例AA.前記音響放射発生器は、環状の第1の音響放射発生器と、前記第1の音響放射発生器と同心に配置された、ディスク状の第2の音響放射発生器とを備え、
前記集中トーンバーストは、前記第1の音響放射発生器によって生成され、また
前記排出トーンバーストは、前記第2の音響放射発生器によって生成される、先行実施例のいずれかの方法。
【0071】
実施例AB.前記流体試料リザーバからの前記液滴の前記排出に続いて、前記音響放射発生器と整列して第2の流体試料を含む第2の流体試料リザーバを配置すること、
前記音響放射発生器による集束式音響放射の第2の集中トーンバーストを前記第2の流体試料に適用して、前記第2の流体試料内の細胞または粒子を集中させること、及び
前記音響放射発生器による集束式音響放射の第2の排出トーンバーストを、前記集中させた細胞または粒子に対応する第2の標的位置の前記第2の流体試料リザーバ内の前記第2の試料流体に適用して、少なくとも1つの細胞または粒子を含む前記第2の流体試料リザーバから第2の液滴を排出することをさらに含む、先行実施例のいずれかの方法。
【0072】
実施例AC.前記流体試料リザーバの垂直位置を調整して、前記排出トーンバーストの焦点領域を前記流体試料の上面と整列させることをさらに含む、先行実施例のいずれかの方法。
【0073】
実施例AD.前記分析装置の前記入口に接触する前記液滴の前記分析装置による粒子カウントを実行することをさらに含む、先行実施例のいずれかの方法。
【0074】
実施例AE.
前記分析装置は、前記入口と流体結合された前記分析装置の開口を横切って細胞または粒子含有流体の電気インピーダンスを測定することによって、浮遊粒子をカウントまたは測定するように構成された電解粒子カウンタを含み、
前記粒子カウントを実行することは、前記入口に接触する前記液滴から前記開口を通る前記細胞または粒子の通過を電気的に感知することを含む、実施例ADの方法。
【0075】
実施例AF.前記分析装置の前記入口に接触する前記液滴を補うために、前記流体試料リザーバに含まれる前記流体試料から追加の後続の液滴を排出すること、及び
前記粒子カウントの属性に基づいて、前記流体試料からの前記追加の後続の液滴の排出を停止することをさらに含む、実施例AEの方法。
【0076】
実施例AG.前記粒子カウントの前記属性は、細胞または粒子の数、細胞または粒子の大きさ、単位時間あたりの細胞または粒子の数、所定の大きさの範囲内の細胞または粒子の数、または前記分析装置を通過した総体積の1つである、実施例AFの方法。
【0077】
実施例AH.粒子含有液滴の音響排出のためのシステムであって、
音響放射発生器、
流体試料を含む流体試料リザーバであって、音響結合媒体によって前記音響放射発生器と音響上結合された、流体試料リザーバ、
細胞または粒子をカウントするように構成された分析装置であって、前記音響放射発生器及び流体試料リザーバのうちの少なくとも1つと整列して配置された入口を含む、分析装置、及び
コントローラであって、1つ以上のプロセッサと、前記1つ以上のプロセッサによって実行されるとき、
前記コントローラを前記音響放射発生器による集束式音響放射の排出トーンバーストを標的位置の前記流体試料に適用して、前記液滴が前記分析装置の前記入口に接触するように前記流体試料リザーバから少なくとも1つの細胞または粒子を含む液滴を排出するように構成する実行可能命令を含むメモリ装置と、を含む、コントローラを含む、システム。
【0078】
実施例AI.前記実行可能命令は、前記1つ以上のプロセッサによって実行されるとき、前記コントローラをさらに、
前記音響放射発生器による集束式音響放射の集中トーンバーストを前記流体試料リザーバ内の前記流体試料に適用することにより、前記排出トーンバーストを適用する前に、前記流体試料内の前記標的位置に前記細胞または粒子を集中させ、液滴の排出を引き起こすことなく、前記標的位置の前記流体試料内の細胞または粒子を集中させるように構成する、実施例AHのシステム。
【0079】
実施例AJ.前記音響放射発生器は、前記細胞または粒子を集中させるために前記集中トーンバーストを集束させるように構成された環状要素、及び前記液滴を排出する前記排出トーンバーストを集束させるように構成された前記環状要素内の同心のディスク状要素を含み、
前記集中トーンバーストは、前記環状要素を介して適用され、
前記排出トーンバーストは、前記ディスク状要素を介して適用される、先行実施例のいずれかのシステム。
【0080】
実施例AK.前記実行可能命令は、前記1つ以上のプロセッサによって実行されるとき、前記コントローラをさらに、
前記分析装置の前記入口に接触する前記液滴を補うために、前記流体試料リザーバに含まれる前記流体試料から追加の後続の液滴を排出するように後続の追加の排出トーンバーストを適用し、
前記分析装置に、前記分析装置の前記入口に接触する前記液滴に含まれる細胞または粒子の粒子カウントを取得させ、
前記粒子カウントの属性に基づいて、前記追加の後続の液滴の排出を停止するよう構成する、先行請求項のいずれかに記載のシステム。
【0081】
実施例AL.前記粒子カウントの前記属性は、細胞または粒子の数、細胞または粒子の大きさ、単位時間あたりの細胞または粒子の数、所定の大きさの範囲内の細胞または粒子の数、または前記分析装置を通過した総体積の1つである、実施例AKのシステム。
【0082】
実施例AM.第2の流体試料を含む第2の流体試料リザーバ、及び前記音響放射発生器に対して前記第2の流体試料リザーバを移動させるように構成されたアクチュエータをさらに含み、前記実行可能な命令が、前記1つ以上のプロセッサによって実行されるときに、前記コントローラをさらに、
前記流体試料リザーバからの前記液滴の前記排出に続いて、前記アクチュエータに、音響放射発生器と整列して前記第2の流体試料リザーバを配置させ、
前記音響放射発生器による集束式音響放射の第2の排出トーンバーストを、前記第2の流体試料リザーバ内の前記第2の試料流体に適用して、前記第2の液滴が前記分析装置の入口に接触するように前記第2の流体試料リザーバからを含む第2の液滴を排出するように構成する、先行実施例のいずれかのシステム。
【0083】
実施例AN.前記第2の流体試料は、追加の細胞または粒子を含み、
前記実行可能命令は、前記1つ以上のプロセッサによって実行されるとき、前記コントローラをさらに、
前記音響放射発生器による集束式音響放射の第2の集中トーンバーストを前記第2の流体試料リザーバ内の前記第2の流体試料に適用して、前記追加の細胞または粒子を集中させるように構成する、先行実施例のいずれかのシステム。
【0084】
実施例AO.前記分析装置が、前記入口と流体結合した開口を横切る粒子含有流体の電気インピーダンスを測定することによって、浮遊細胞または浮遊粒子をカウントまたは測定するように構成された電解粒子カウンタ、または、前記入口に接触する前記排出された液滴に含まれる少なくとも1つの細胞または粒子を光学的に識別することによって、浮遊細胞または浮遊粒子をカウントまたは測定するように構成された視覚粒子カウンタのうちの1つを含む、先行実施例のいずれかのシステム。
図1A
図1B
図1C
図2
図3A
図3B
図3C
図4
【国際調査報告】