(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-03-31
(54)【発明の名称】医療診断サポートのためのシステムおよび方法
(51)【国際特許分類】
G16H 10/00 20180101AFI20220324BHJP
【FI】
G16H10/00
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021545954
(86)(22)【出願日】2020-02-05
(85)【翻訳文提出日】2021-09-16
(86)【国際出願番号】 IL2020050137
(87)【国際公開番号】W WO2020161709
(87)【国際公開日】2020-08-13
(32)【優先日】2019-02-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】521345453
【氏名又は名称】タイト ケア リミテッド
【氏名又は名称原語表記】TYTO CARE LTD.
【住所又は居所原語表記】14 Beni Ga’on St., 4250803 Netanya Israel
(74)【代理人】
【識別番号】100120662
【氏名又は名称】川上 桂子
(74)【代理人】
【識別番号】100216770
【氏名又は名称】三品 明生
(74)【代理人】
【識別番号】100217364
【氏名又は名称】田端 豊
(72)【発明者】
【氏名】ビシュコフ、 エヤル
【テーマコード(参考)】
5L099
【Fターム(参考)】
5L099AA04
5L099AA21
(57)【要約】
医療データ取得デバイスを用いて所与の時間に患者の身体から取得された医療データを取得し、(i)所与の時間における患者の第1の所在地、または(ii)所与の時間より前の1または複数の対応する第2の時間における患者の1または複数の第2の所在地の少なくとも1つに関連付けられた残留情報を識別および検索し、医療データおよび残留情報を医療従事者に表示することにより、医療従事者が患者の病状の診断を提供することを可能にするように構成された処理リソースを備える、医療診断サポートシステム。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
医療診断サポートシステムであって、
医療データ取得デバイスを用いて所与の時間に患者の身体から取得された医療データを取得し、
(i)前記所与の時間における前記患者の第1の所在地、または(ii)前記所与の時間より前の1または複数の対応する第2の時間における前記患者の1または複数の第2の所在地の少なくとも1つに関連付けられた残留情報を識別および検索し、
前記医療データおよび前記残留情報を医療従事者に表示することにより、前記医療従事者が、前記患者の病状の診断を提供することを可能にする
ように構成された処理リソースを備える、医療診断サポートシステム。
【請求項2】
前記検索された残留情報は、(a)前記第1の所在地および前記所与の時間、および前記残留情報の種類の関連期間を定めるメタデータ、(b)前記第2の所在地、前記対応する第2の時間、および前記残留情報の種類の関連期間を定める前記メタデータ、(c)前記患者の既知の病状、または(d)前記取得された医療データの少なくとも1つに基づいて、診断目的に関する前記残留情報の関連性を定める第1の規則セットを用いて識別される、請求項1に記載の医療診断サポートシステム。
【請求項3】
前記医療データは、前記患者と前記医療従事者との間のオンラインセッション中に、前記患者の身体から取得され、前記医療従事者に表示される、請求項1に記載の医療診断サポートシステム。
【請求項4】
前記医療データは、前記所与の時間より後の第3の時間に、前記患者の身体から取得され、前記医療従事者に表示され、前記医療データ取得デバイスが前記医療診断サポートシステムとの通信状態ではない、請求項1に記載の医療診断サポートシステム。
【請求項5】
前記残留情報は、
a.1または複数の大気汚染インジケータ、
b.1または複数の水質汚染インジケータ、
c.病気の発生の情報、
d.放射線レベルの情報、
e.天候情報、
f.食中毒情報、または
g.前記第1の所在地または前記第2の所在地における既知の病気
の1または複数を含む、請求項1に記載の医療診断サポートシステム。
【請求項6】
前記残留情報は、オンラインソースから取得され、前記オンラインソースの少なくとも1つは、前記医療診断サポートシステムの外部にある、請求項1に記載の医療診断サポートシステム。
【請求項7】
前記医療データ取得デバイスは、少なくとも1つの医療データ取得センサを含み、前記医療データは、前記医療データ取得センサによって取得された少なくとも1つの測定値を含む、請求項1に記載の医療診断サポートシステム。
【請求項8】
医療診断サポートシステムであって、
第1の処理リソースおよび少なくとも1つの医療データ取得センサを備える医療データ取得デバイスと、
第2の処理リソースおよびディスプレイを備える医療従事者ワークステーションと
を備え、
前記第1の処理リソースは、
所与の時間に、前記医療データ取得センサを用いて患者から医療データを取得し、
前記医療データ、および前記所与の時間における前記患者の所在地を示す位置情報を前記医療従事者デバイスへ送信する
ように構成され、
前記第2の処理リソースは、
前記医療データ取得デバイスから前記医療データおよび前記位置情報を受信し、
前記所在地における環境条件を示す環境情報を検索し、
前記医療情報および前記環境情報を前記ディスプレイに表示することにより、前記医療従事者ワークステーションを操作する医療従事者が、前記患者の病状の診断を提供することを可能にする
ように構成される、医療診断サポートシステム。
【請求項9】
前記検索された残留情報は、(a)前記第1の所在地および前記所与の時間、および前記残留情報の種類の関連期間を定めるメタデータ、(b)前記第2の所在地、前記対応する第2の時間、および前記残留情報の種類の関連期間を定める前記メタデータ、(c)前記患者の既知の病状、または(d)前記取得された医療データの少なくとも1つに基づいて、診断目的に関する前記残留情報の関連性を定める第1の規則セットを用いて識別される、請求項8に記載の医療診断サポートシステム。
【請求項10】
前記医療データは、前記患者と前記医療従事者との間のオンラインセッション中に、前記患者の身体から取得され、前記医療従事者に表示される、請求項8に記載の医療診断サポートシステム。
【請求項11】
前記医療データは、前記所与の時間より後の第3の時間に、前記患者の身体から取得され、前記医療従事者に表示され、前記医療データ取得デバイスが前記医療診断サポートシステムとの通信状態ではない、請求項8に記載の医療診断サポートシステム。
【請求項12】
前記残留情報は、
a.1または複数の大気汚染インジケータ、
b.1または複数の水質汚染インジケータ、
c.病気の発生の情報、
d.放射線レベルの情報、
e.天候情報、
f.食中毒情報、または
g.前記第1の所在地または前記第2の所在地における既知の病気
の1または複数を含む、請求項8に記載の医療診断サポートシステム。
【請求項13】
前記残留情報は、オンラインソースから取得され、前記オンラインソースの少なくとも1つは、前記医療診断サポートシステムの外部にある、請求項8に記載の医療診断サポートシステム。
【請求項14】
前記医療データ取得デバイスは、少なくとも1つの医療データ取得センサを含み、前記医療データは、前記医療データ取得センサによって取得された少なくとも1つの測定値を含む、請求項8に記載の医療診断サポートシステム。
【請求項15】
医療診断サポート方法であって、
医療データ取得デバイスを用いて所与の時間に患者の身体から取得された医療データを取得することと、
(i)前記所与の時間における前記患者の第1の所在地、または(ii)前記所与の時間より前の1または複数の対応する第2の時間における前記患者の1または複数の第2の所在地の少なくとも1つに関連付けられた残留情報を識別および検索することと、
前記医療データおよび前記残留情報を医療従事者に表示することにより、前記医療従事者が、前記患者の病状の診断を提供することを可能にすることと
を備える方法。
【請求項16】
前記検索された残留情報は、(a)前記第1の所在地および前記所与の時間、および前記残留情報の種類の関連期間を定めるメタデータ、(b)前記第2の所在地、前記対応する第2の時間、および前記残留情報の種類の関連期間を定める前記メタデータ、(c)前記患者の既知の病状、または(d)前記取得された医療データの少なくとも1つに基づいて、診断目的に関する前記残留情報の関連性を定める第1の規則セットを用いて識別される、請求項15に記載の医療診断サポート方法。
【請求項17】
前記医療データは、前記患者と前記医療従事者との間のオンラインセッション中に、前記患者の身体から取得され、前記医療従事者に表示される、請求項15に記載の医療診断サポート方法。
【請求項18】
前記医療データは、前記所与の時間より後の第3の時間に、前記患者の身体から取得され、前記医療従事者に表示され、前記医療データ取得デバイスが前記医療診断サポートシステムとの通信状態ではない、請求項15に記載の医療診断サポート方法。
【請求項19】
前記残留情報は、
a.1または複数の大気汚染インジケータ、
b.1または複数の水質汚染インジケータ、
c.病気の発生の情報、
d.放射線レベルの情報、
e.天候情報、
f.食中毒情報、または
g.前記第1の所在地または前記第2の所在地における既知の病気
の1または複数を含む、請求項15に記載の医療診断サポート方法。
【請求項20】
前記残留情報は、オンラインソースから取得され、前記オンラインソースの少なくとも1つは、前記医療診断サポートシステムの外部にある、請求項15に記載の医療診断サポート方法。
【請求項21】
前記医療データ取得デバイスは、少なくとも1つの医療データ取得センサを含み、前記医療データは、前記医療データ取得センサによって取得された少なくとも1つの測定値を含む、請求項15に記載の医療診断サポート方法。
【請求項22】
医療診断サポート方法であって、
少なくとも1つの医療データ取得センサを備える医療データ取得デバイスによって、所与の時間に、前記医療データ取得センサを用いて患者から医療データを取得することと、
前記医療データ取得デバイスによって、前記医療データ、および前記所与の時間における前記患者の所在地を示す位置情報を、前記医療従事者デバイスへ送信することと、
ディスプレイを備える医療従事者ワークステーションによって、前記医療データ取得デバイスからの前記医療データおよび前記位置情報を受信することと、
前記医療従事者ワークステーションによって、前記所在地における環境条件を示す環境情報を検索することと、
前記医療情報および前記環境情報を前記ディスプレイに表示することにより、前記医療従事者ワークステーションを操作する医療従事者が、前記患者の病状の診断を提供することを可能にすることと
を備える方法。
【請求項23】
前記検索された残留情報は、(a)前記第1の所在地および前記所与の時間、および前記残留情報の種類の関連期間を定めるメタデータ、(b)前記第2の所在地、前記対応する第2の時間、および前記残留情報の種類の関連期間を定める前記メタデータ、(c)前記患者の既知の病状、または(d)前記取得された医療データの少なくとも1つに基づいて、診断目的に関する前記残留情報の関連性を定める第1の規則セットを用いて識別される、請求項22に記載の医療診断サポート方法。
【請求項24】
前記医療データは、前記患者と前記医療従事者との間のオンラインセッション中に、前記患者の身体から取得され、前記医療従事者に表示される、請求項22に記載の医療診断サポート方法。
【請求項25】
前記医療データは、前記所与の時間より後の第3の時間に、前記患者の身体から取得され、前記医療従事者に表示され、前記医療データ取得デバイスが前記医療診断サポートシステムとの通信状態ではない、請求項22に記載の医療診断サポート方法。
【請求項26】
前記残留情報は、
a.1または複数の大気汚染インジケータ、
b.1または複数の水質汚染インジケータ、
c.病気の発生の情報、
d.放射線レベルの情報、
e.天候情報、
f.食中毒情報、または
g.前記第1の所在地または前記第2の所在地における既知の病気
の1または複数を含む、請求項22に記載の医療診断サポート方法。
【請求項27】
前記残留情報は、オンラインソースから取得され、前記オンラインソースの少なくとも1つは、前記医療診断サポートシステムの外部にある、請求項22に記載の医療診断サポート方法。
【請求項28】
前記医療データ取得デバイスは、少なくとも1つの医療データ取得センサを含み、前記医療データは、前記医療データ取得センサによって取得された少なくとも1つの測定値を含む、請求項22に記載の医療診断サポート方法。
【請求項29】
医療データ取得デバイスを用いて所与の時間に患者の身体から取得された医療データを取得することと、
(i)前記所与の時間における前記患者の第1の所在地、または(ii)前記所与の時間より前の1または複数の対応する第2の時間における前記患者の1または複数の第2の所在地の少なくとも1つに関連付けられた残留情報を識別および検索することと、
前記医療データおよび前記残留情報を医療従事者に表示することにより、前記医療従事者が、前記患者の病状の診断を提供することを可能にすることと
を備える方法を行うために、コンピュータの少なくとも1つのプロセッサによって実行可能なコンピュータ可読プログラムコードが具体化された非一時的コンピュータ可読記憶媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、医療診断サポートのためのシステムおよび方法に関する。
【背景技術】
【0002】
世界中で増大する医療のコストおよび複雑性により、遠隔から臨床医療を提供するためにテレコミュニケーションおよび情報技術を用いる遠隔医療を用いることが一般的になっている。遠隔医療はますます、増大する手頃かつ利用しやすい医療の需要のための解決策と見られつつある。
【0003】
遠隔医療ソリューションに対し、患者が(たとえば医師または看護士などの)医療従事者を物理的に訪問する対面訪問には多くの利点がある。利点の1つは、多くの場合、地域の医療従事者が、特定の地理的エリアからの複数の患者と会う点である。したがって、地域の医療従事者は一般に、患者自身とのみならず、患者の交友関係(家族、近所の人、同僚、クラスメートなど)にも精通している。これは、地域の医療従事者に、患者の周囲環境における病気の価値ある見識を提供するものであり、遠隔医療の医療従事者にはそれがない。他の利点は、地域の医療従事者が、自身の患者と会う地理的エリア内の様々な環境条件(たとえば水質汚染、大気汚染、病気の発生、放射線レベル、天候情報、食中毒情報、既知の病気など)に精通している点である。これは、地域の医療従事者に、より正確な診断を提供することを可能にし得る、患者の医学的症状の潜在的理由の価値ある見識を提供するものである。
【0004】
遠隔医療の課題の1つは、対面訪問と同様に効果的であり、地域の医療従事者が通常所有する、患者の周囲の地理的領域または社会的集団における病気の、または患者の所在地における環境条件に関する価値ある見識を保持しながら、遠隔から医療を提供する柔軟性および利点を維持する遠隔医療の予約をどのように生み出すかである。そのような見識を遠隔医療の医療従事者に提供することは、患者の電子カルテ(EHR)を補い、遠隔医療の医療従事者が、患者の病状のより良い診断を提供することを可能にし得る。
【0005】
また、地域の医療従事者は、場合によっては先回りして、患者の周囲の地理的領域または社会的集団における病気に基づき、未診断の潜在的感染患者に病気を通知することができる。遠隔医療の医療従事者に同様の通知能力を提供し、遠くの潜在的感染患者への通知を可能にすることが必要である。
【0006】
したがって、当技術分野において、新たな医療診断サポートシステムおよび方法の必要性がある。
【発明の概要】
【0007】
本開示の主題の第1の態様によると、プロセッサを備える医療記録管理システムが提供され、プロセッサは、各々が対応する患者に関連付けられ、各々が患者識別情報および少なくとも1つの患者属性を備える複数の医療記録であって、そのうちの1または複数は、対応する患者に以前提供された1または複数の過去診断を含む医療記録を提供し、患者属性に基づいて、共通条件を満たす値を有する少なくとも1つの共有患者属性を各々が有する少なくとも2つの医療記録に各々が関連付けられた1または複数のクラスタを生成し、所与の患者の識別情報を含む診断サポート情報要求を受信し、所与の患者の識別情報を用いて、所与の患者の医療記録に各々が関連付けられたクラスタのうちの1または複数の患者関連クラスタを識別し、ここで、所与の患者の医療記録以外の各患者関連クラスタの医療記録の少なくとも1つは、過去診断の1または複数を含み、所与の患者の過去診断以外の患者関連クラスタの少なくとも1つの過去診断を含む診断サポート情報応答を送信するように構成される。
【0008】
場合によっては、診断サポート情報応答は、識別された患者関連クラスタの対応する共有患者属性を含む。
【0009】
場合によっては、診断サポート情報応答は、閾値を超過する計算された所与の患者との関連可能性を有する過去診断のみを含む。
【0010】
場合によっては、患者属性は、患者の姓、患者の氏名、患者の職種、患者の職場、患者の年齢層、または医療データを取得するために用いられた医療データ取得デバイスの識別子を含む。
【0011】
場合によっては、共通条件は、値が等しいことである。
【0012】
場合によっては、共有患者属性は、地理的患者属性であり、条件は、物理的近接性に基づく。
【0013】
本開示の主題の第2の態様によると、ディスプレイおよびプロセッサを備える医療診断サポートシステムが提供され、プロセッサは、複数の患者に関して、(a)患者のうちの所与の患者に関連付けられた医療情報、および(b)以前診断された患者に提供された少なくとも1つの過去診断を含む診断サポート情報であって、以前診断された患者および所与の患者は、共通条件を満たす値を有する以前診断された患者の医療記録および所与の患者の医療記録の少なくとも1つの共有患者属性に基づいて生成された少なくとも1つの共通クラスタの一部である診断サポート情報を取得すること、および、医療情報および診断サポート情報をディスプレイに表示することにより、医療診断エンティティが、(i)所与の患者に関連付けられた医療情報、および(ii)診断サポート情報に基づいて、所与の患者の病状の診断を提供することを可能にすることを行うように構成される。
【0014】
場合によっては、プロセッサは更に、医療情報および診断サポート情報に基づいて所与の患者に行われる1または複数の医療検査を決定し、医療検査をディスプレイに表示することにより、医療診断エンティティが所与の患者に追加の検診を推奨することを可能にするように構成される。
【0015】
場合によっては、プロセッサは更に、医療診断エンティティからの診断を受信し、所与の患者へ診断を送信するように構成される。
【0016】
場合によっては、プロセッサは更に、第1の疾患の第1の過去診断を有する第1の共通クラスタに関連付けられている第1の患者が、第1の疾患の緊急レベルよりも低い緊急レベルを有すると事前定義された第2の疾患の第2の過去診断を有する第2の共通クラスタに関連付けられている第2の患者より先になるように、診断サポート情報に基づいて患者の待ち行列を処理するように構成される。
【0017】
場合によっては、過去診断は、少なくとも1つの既定の基準を満たす。
【0018】
場合によっては、既定の基準は、過去診断の種類が接触感染症の診断であることである。
【0019】
場合によっては、診断サポート情報は更に、過去診断の各々に関する関連性パラメータ、過去診断の診断の種類および共通クラスタのクラスタの種類に基づいて生成された関連性パラメータ、所与の患者との過去診断の関連可能性を示す関連性パラメータを含む。
【0020】
場合によっては、共通クラスタは、医療記録管理システムによって生成される。
【0021】
場合によっては、所与の患者に関連付けられた医療情報の少なくとも一部は、医療データ取得デバイスによって取得される。
【0022】
場合によっては、過去診断は、鳥インフルエンザ、エボラ出血熱、肝炎、HIV/AIDS、サルモネラ、または結核の1または複数を含む。
【0023】
場合によっては、共有患者属性は、患者の姓、患者の住所、患者の職種、患者の職場、患者の年齢層、および医療データを取得するために用いられた医療データ取得デバイスの識別子を含む。
【0024】
場合によっては、医療診断サポートシステムは、所与の患者から遠隔に位置する。
【0025】
場合によっては、共通条件は、値が等しいことである。
【0026】
場合によっては、共有患者属性は、地理的患者属性であり、共通条件は、物理的近接性に基づく。
【0027】
本開示の主題の第3の態様によると、(a)所与の患者を識別する患者識別情報、および(b)以前診断された患者に提供された1または複数の特定の病状の少なくとも1つの過去診断を含む診断サポート情報であって、以前診断された患者および所与の患者は、共通条件を満たす値を有する以前診断された患者および所与の患者の少なくとも1つの共有患者属性に基づいて生成された少なくとも1つの共通クラスタの一部である診断サポート情報を受信し、所与の患者のために、少なくとも診断サポート情報に基づいて、所与の患者に行われる1または複数の医療検査を定める検診計画を決定するように構成されたプロセッサを備える検診計画決定システムが提供され、医療検査の少なくとも1つは、所与の患者がその病状を有するかを診断するために必要である。
【0028】
場合によっては、検診計画は、サポート情報を含まない医療情報に基づいて、検診計画に含まれない少なくとも1つの医療検査を含む。
【0029】
場合によっては、検査は、医療データ取得デバイスによって行われる。
【0030】
場合によっては、医療検査は、体温、血圧、血液化学、または尿検査の1または複数を含む。
【0031】
場合によっては、共通条件は、値が等しいことである。
【0032】
場合によっては、共有患者属性は、地理的患者属性であり、共通条件は、物理的近接性に基づく。
【0033】
本開示の主題の第4の態様によると、ディスプレイおよびプロセッサを備える医療通知サポートシステムが提供され、プロセッサは、(a)以前診断された患者に提供された1または複数の特定の病状の少なくとも1つの過去診断を含む通知サポート情報であって、以前診断された患者および1または複数の未診断患者は、共通条件を満たす値を有する以前診断された患者の医療記録および未診断患者の医療記録の少なくとも1つの共有患者属性に基づいて生成された少なくとも1つの共通クラスタの一部である通知サポート情報、および(b)未診断患者を識別する患者識別情報を取得し、通知サポート情報および患者識別情報をディスプレイに表示することにより、1または複数の関係者が、病状への潜在的感染を未診断患者に通知することを可能にするように構成される。
【0034】
場合によっては、医療関係者の少なくとも1つは、対応する未診断患者の治療を請け負う医療診断エンティティである。
【0035】
場合によっては、医療診断エンティティは、以前診断された患者の治療を請け負う医療診断エンティティとは異なる。
【0036】
場合によっては、取得は定期的に発生する。
【0037】
場合によっては、未診断患者への通知は、未診断患者の少なくとも1つの医療データ取得デバイスへ送信される。
【0038】
場合によっては、共通条件は、値が等しいことである。
【0039】
場合によっては、共有患者属性は、地理的患者属性であり、共通条件は、物理的近接性に基づく。
【0040】
本開示の主題に係る第5の態様によると、各々が対応する患者に関連付けられ、各々が患者識別情報および少なくとも1つの患者属性を備える複数の医療記録を提供することであって、医療記録の1または複数は、対応する患者に以前提供された1または複数の過去診断を含むことと、患者属性に基づいて、共通条件を満たす値を有する少なくとも1つの共有患者属性を各々が有する少なくとも2つの医療記録に各々が関連付けられた1または複数のクラスタを生成することと、所与の患者の識別情報を含む診断サポート情報要求を受信することと、所与の患者の識別情報を用いて、所与の患者の医療記録に各々が関連付けられたクラスタのうちの1または複数の患者関連クラスタを識別することであって、所与の患者の医療記録以外の各患者関連クラスタの医療記録の少なくとも1つは、過去診断の1または複数を含むことと、所与の患者の過去診断以外の患者関連クラスタの少なくとも1つの過去診断を含む診断サポート情報応答を送信することとを備える方法が提供される。
【0041】
場合によっては、診断サポート情報応答は、識別された患者関連クラスタの対応する共有患者属性を含む。
【0042】
場合によっては、診断サポート情報応答は、閾値を超過する計算された所与の患者との関連可能性を有する過去診断のみを含む。
【0043】
場合によっては、患者属性は、患者の姓、患者の住所、患者の職種、患者の職場、患者の年齢層、または医療データを取得するために用いられた医療データ取得デバイスの識別子の1または複数を含む。
【0044】
場合によっては、共通条件は、値が等しいことである。
【0045】
場合によっては、共有患者属性は、地理的患者属性であり、条件は、物理的近接性に基づく。
【0046】
本開示の主題の第6の態様によると、複数の患者に関して、(a)患者のうちのある患者に関連付けられた医療情報、および(b)以前診断された患者に提供された少なくとも1つの過去診断を含む診断サポート情報であって、以前診断された患者および所与の患者は、共通条件を満たす値を有する以前診断された患者の医療記録および所与の患者の医療記録の少なくとも1つの共有患者属性に基づいて生成された少なくとも1つの共通クラスタの一部である、診断サポート情報を取得することと、医療情報および診断サポート情報をディスプレイに表示することにより、医療診断エンティティが、(i)所与の患者に関連付けられた医療情報、および(ii)診断サポート情報に基づいて、所与の患者の病状の診断を提供することを可能にすることと、を備える方法が提供される。
【0047】
場合によっては、方法は更に、医療情報および診断サポート情報に基づいて、所与の患者に行われる1または複数の医療検査を決定することと、医療検査をディスプレイに表示することにより、医療診断エンティティが、所与の患者に追加の検診を推奨することを可能にすることを備える。
【0048】
場合によっては、方法は更に、医療診断エンティティからの診断を受信することと、所与の患者へ診断を送信することとを備える。
【0049】
場合によっては、方法は更に、第1の疾患の第1の過去診断を有する第1の共通クラスタに関連付けられている第1の患者が、第1の疾患の緊急レベルよりも低い緊急レベルを有すると事前定義された第2の疾患の第2の過去診断を有する第2の共通クラスタに関連付けられている第2の患者より先になるように、診断サポート情報に基づいて患者の待ち行列を処理することを備える。
【0050】
場合によっては、過去診断は、少なくとも1つの既定の基準を満たす。
【0051】
場合によっては、既定の基準は、過去診断の種類が接触感染症の診断であることである。
【0052】
場合によっては、診断サポート情報は更に、過去診断の各々に関する関連性パラメータ、過去診断の診断の種類および共通クラスタのクラスタの種類に基づいて生成された関連性パラメータ、所与の患者との過去診断の関連可能性を示す関連性パラメータを含む。
【0053】
場合によっては、共通クラスタは、医療記録管理システムによって生成される。
【0054】
場合によっては、所与の患者に関連付けられた医療情報の少なくとも一部は、医療データ取得デバイスによって取得される。
【0055】
場合によっては、過去診断は、鳥インフルエンザ、エボラ出血熱、肝炎、HIV/AIDS、サルモネラ、または結核の1または複数を含む。
【0056】
場合によっては、共有患者属性は、患者の姓、患者の住所、患者の職種、患者の職場、患者の年齢層、または医療データを取得するために用いられた医療データ取得デバイスの識別子を含む。
【0057】
場合によっては、医療診断サポートシステムは、所与の患者から遠隔に位置する。
【0058】
場合によっては、共通条件は、値が等しいことである。
【0059】
場合によっては、共有患者属性は、地理的患者属性であり、共通条件は、物理的近接性に基づく。
【0060】
本開示の主題の第7の態様によると、(a)所与の患者を識別する患者識別情報、および(b)以前診断された患者に提供された1または複数の特定の病状の少なくとも1つの過去診断を含む診断サポート情報であって、以前診断された患者および所与の患者は、共通条件を満たす値を有する以前診断された患者および所与の患者の少なくとも1つの共有患者属性に基づいて生成された少なくとも1つの共通クラスタの一部である、診断サポート情報を受信することと、所与の患者のために、少なくとも診断サポート情報に基づいて、所与の患者に行われる1または複数の医療検査を定める検診計画を決定することであって、医療検査の少なくとも1つは、所与の患者がその病状を有するかを診断するために必要であることと、を備える方法が提供される。
【0061】
場合によっては、検診計画は、サポート情報を含まない医療情報に基づいて、検診計画に含まれていなかった少なくとも1つの医療検査を含む。
【0062】
場合によっては、検査は、医療データ取得デバイスによって行われる。
【0063】
場合によっては、医療検査は、体温、血圧、血液化学、または尿検査の1または複数を含む。
【0064】
場合によっては、共通条件は、値が等しいことである。
【0065】
場合によっては、共有患者属性は、地理的患者属性であり、共通条件は、物理的近接性に基づく。
【0066】
本開示の主題の第8の態様によると、(a)以前診断された患者に提供された1または複数の特定の病状の少なくとも1つの過去診断を含む通知サポート情報であって、以前診断された患者および1または複数の未診断患者は、共通条件を満たす値を有する以前診断された患者の医療記録および未診断患者の医療記録の少なくとも1つの共有患者属性に基づいて生成された少なくとも1つの共通クラスタの一部である、通知サポート情報、および(b)未診断患者を識別する患者識別情報を取得することと、通知サポート情報および患者識別情報をディスプレイに表示することにより、1または複数の関係者が、病状への潜在的感染を未診断患者に通知することを可能にすることと、を備える方法が提供される。
【0067】
場合によっては、医療関係者の少なくとも1つは、対応する未診断患者の治療を請け負う医療診断エンティティである。
【0068】
場合によっては、医療診断エンティティは、以前診断された患者の治療を請け負う医療診断エンティティとは異なる。
【0069】
場合によっては、取得は定期的に発生する。
【0070】
場合によっては、未診断患者への通知は、未診断患者の少なくとも1つの医療データ取得デバイスへ送信される。
【0071】
場合によっては、共通条件は、値が等しいことである。
【0072】
場合によっては、共有患者属性は、地理的患者属性であり、共通条件は、物理的近接性に基づく。
【0073】
本開示の主題に係る第9の態様によると、各々が対応する患者に関連付けられ、各々が患者識別情報および少なくとも1つの患者属性を備える複数の医療記録を提供することであって、医療記録の1または複数は、対応する患者に以前提供された1または複数の過去診断を含むことと、患者属性に基づいて、共通条件を満たす値を有する少なくとも1つの共有患者属性を各々が有する少なくとも2つの医療記録に各々が関連付けられた1または複数のクラスタを生成することと、所与の患者の識別情報を含む診断サポート情報要求を受信することと、所与の患者の識別情報を用いて、所与の患者の医療記録に各々が関連付けられたクラスタのうちの1または複数の患者関連クラスタを識別することであって、所与の患者の医療記録以外の各患者関連クラスタの医療記録の少なくとも1つは、過去診断の1または複数を含むことと、所与の患者の過去診断以外の患者関連クラスタの少なくとも1つの過去診断を含む診断サポート情報応答を送信することとを備える方法を行うために、コンピュータの少なくとも1つのプロセッサによって実行可能なコンピュータ可読プログラムコードが具体化された非一時的コンピュータ可読記憶媒体が提供される。
【0074】
本開示の主題の第10の態様によると、複数の患者に関して、(a)患者のうちの所与の患者に関連付けられた医療情報、および(b)以前診断された患者に提供された少なくとも1つの過去診断を含む診断サポート情報であって、以前診断された患者および所与の患者は、共通条件を満たす値を有する以前診断された患者に医療記録および所与の患者の医療記録の少なくとも1つの共有患者属性に基づいて生成された少なくとも1つの共通クラスタの一部である、診断サポート情報を取得することと、医療情報および診断サポート情報をディスプレイに表示することにより、医療診断エンティティが、(i)所与の患者に関連付けられた医療情報、および(ii)診断サポート情報に基づいて、所与の患者の病状の診断を提供することを可能にすることと、を備える方法を行うために、コンピュータの少なくとも1つのプロセッサによって実行可能なコンピュータ可読プログラムコードが具体化された非一時的コンピュータ可読記憶媒体が提供される。
【0075】
本開示の主題の第11の態様によると、(a)所与の患者を識別する患者識別情報、および(b)以前診断された患者に提供された1または複数の特定の病状の少なくとも1つの過去診断を含む診断サポート情報であって、以前診断された患者および所与の患者は、共通条件を満たす値を有する以前診断された患者および所与の患者の少なくとも1つの共有患者属性に基づいて生成された少なくとも1つの共通クラスタの一部である、診断サポート情報を受信することと、所与の患者のために、少なくとも診断サポート情報に基づいて、所与の患者に行われる1または複数の医療検査を定める検診計画を決定することであって、医療検査の少なくとも1つは、所与の患者がその病状を有するかを診断するために必要であることと、を備える方法を行うために、コンピュータの少なくとも1つのプロセッサによって実行可能なコンピュータ可読プログラムコードが具体化された非一時的コンピュータ可読記憶媒体が提供される。
【0076】
本開示の主題の第12の態様によると、(a)以前診断された患者に提供された1または複数の特定の病状の少なくとも1つの過去診断を含む通知サポート情報であって、以前診断された患者および1または複数の未診断患者は、共通条件を満たす値を有する以前診断された患者の医療記録および未診断患者の医療記録の少なくとも1つの共有患者属性に基づいて生成された少なくとも1つの共通クラスタの一部である、通知サポート情報、および(b)未診断患者を識別する患者識別情報を取得することと、通知サポート情報および患者識別情報をディスプレイに表示することにより、1または複数の医療関係者が、病状への潜在的感染を未診断患者に通知することを可能にすることと、を備える方法を行うために、コンピュータの少なくとも1つのプロセッサによって実行可能なコンピュータ可読プログラムコードが具体化された非一時的コンピュータ可読記憶媒体が提供される。
【0077】
本開示の主題に係る第13の態様によると、医療データ取得デバイスを用いて所与の時間に患者の身体から取得された医療データを取得し、(i)所与の時間における患者の第1の所在地、または(ii)所与の時間より前の1または複数の対応する第2の時間における患者の1または複数の第2の所在地の少なくとも1つに関連付けられた残留情報を識別および検索し、医療データおよび残留情報を医療従事者に表示することにより、医療従事者が、患者の病状の診断を提供することを可能にするように構成された処理リソースを備える、医療診断サポートシステムが提供される。
【0078】
場合によっては、検索された残留情報は、(a)第1の所在地および所与の時間、および残留情報の種類の関連期間を定めるメタデータ、(b)第2の所在地、対応する第2の時間、および残留情報の種類の関連期間を定めるメタデータ、(c)患者の既知の病状、または(d)取得された医療データの少なくとも1つに基づいて、診断目的に関する残留情報の関連性を定める第1の規則セットを用いて識別される。
【0079】
場合によっては、医療データは、患者と医療従事者との間のオンラインセッション中に、患者の身体から取得され、医療従事者に表示される。
【0080】
場合によっては、医療データは、所与の時間より後の第3の時間に、患者の身体から取得され、医療従事者に表示され、医療データ取得デバイスは、医療診断サポートシステムとの通信状態ではない。
【0081】
場合によっては、残留情報は、1または複数の大気汚染インジケータ、1または複数の水質汚染インジケータ、病気の発生の情報、放射線レベルの情報、天候情報、食中毒情報、または第1の所在地または第2の所在地における既知の病気の1または複数を含む。
【0082】
場合によっては、残留情報は、オンラインソースから取得され、オンラインソースの少なくとも1つは、医療診断サポートシステムの外部にある。
【0083】
場合によっては、医療データ取得デバイスは、少なくとも1つの医療データ取得センサを含み、医療データは、医療データ取得センサによって取得された少なくとも1つの測定値を含む。
【0084】
本開示の主題の第14の態様によると、第1の処理リソースおよび少なくとも1つの医療データ取得センサを備える医療データ取得デバイスと、第2の処理リソースおよびディスプレイを備える医療従事者ワークステーションとを備える医療診断サポートシステムが提供され、第1の処理リソースは、所与の時間に、医療データ取得センサを用いて患者から医療データを取得し、医療データ、および所与の時間における患者の所在地を示す位置情報を医療従事者デバイスへ送信するように構成され、第2の処理リソースは、医療データ取得デバイスから医療データおよび位置情報を受信し、所在地における環境条件を示す環境情報を検索し、医療情報および環境情報をディスプレイに表示することにより、医療従事者ワークステーションを操作する医療従事者が、患者の病状の診断を提供することを可能にするように構成される。
【0085】
場合によっては、検索された残留情報は、(a)第1の所在地および所与の時間、および残留情報の種類の関連期間を定めるメタデータ、(b)第2の所在地、対応する第2の時間、および残留情報の種類の関連期間を定めるメタデータ、(c)患者の既知の病状、または(d)取得された医療データの少なくとも1つに基づいて、診断目的に関する残留情報の関連性を定める第1の規則セットを用いて識別される。
【0086】
場合によっては、医療データは、患者と医療従事者との間のオンラインセッション中に、患者の身体から取得され、医療従事者に表示される。
【0087】
場合によっては、医療データは、所与の時間より後の第3の時間に、患者の身体から取得され、医療従事者に表示され、医療データ取得デバイスは、医療診断サポートシステムとの通信状態ではない。
【0088】
場合によっては、残留情報は、1または複数の大気汚染インジケータ、1または複数の水質汚染インジケータ、病気の発生の情報、放射線レベルの情報、天候情報、食中毒情報、または第1の所在地または第2の所在地における既知の病気の1または複数を含む。
【0089】
場合によっては、残留情報は、オンラインソースから取得され、オンラインソースの少なくとも1つは、医療診断サポートシステムの外部にある。
【0090】
場合によっては、医療データ取得デバイスは、少なくとも1つの医療データ取得センサを含み、医療データは、医療データ取得センサによって取得された少なくとも1つの測定値を含む。
【0091】
本開示の主題の第15の態様によると、医療データ取得デバイスを用いて所与の時間に患者の身体から取得された医療データを取得することと、(i)所与の時間における患者の第1の所在地、または(ii)所与の時間より前の1または複数の対応する第2の時間における患者の1または複数の第2の所在地の少なくとも1つに関連付けられた残留情報を識別および検索することと、医療データおよび前記残留情報を医療従事者に表示することにより、医療従事者が、患者の病状の診断を提供することを可能にすることとを備える、医療診断サポート方法が提供される。
【0092】
場合によっては、検索された残留情報は、(a)第1の所在地および所与の時間、および残留情報の種類の関連期間を定めるメタデータ、(b)第2の所在地、対応する第2の時間、および残留情報の種類の関連期間を定めるメタデータ、(c)患者の既知の病状、または(d)取得された医療データの少なくとも1つに基づいて、診断目的に関する残留情報の関連性を定める第1の規則セットを用いて識別される。
【0093】
場合によっては、医療データは、患者と医療従事者との間のオンラインセッション中に、患者の身体から取得され、医療従事者に表示される。
【0094】
場合によっては、医療データは、所与の時間より後の第3の時間に、患者の身体から取得され、医療従事者に表示され、医療データ取得デバイスは、医療診断サポートシステムとの通信状態ではない。
【0095】
場合によっては、残留情報は、1または複数の大気汚染インジケータ、1または複数の水質汚染インジケータ、病気の発生の情報、放射線レベルの情報、天候情報、食中毒情報、または第1の所在地または第2の所在地における既知の病気の1または複数を含む。
【0096】
場合によっては、残留情報は、オンラインソースから取得され、オンラインソースの少なくとも1つは、医療診断サポートシステムの外部にある。
【0097】
場合によっては、医療データ取得デバイスは、少なくとも1つの医療データ取得センサを含み、医療データは、医療データ取得センサによって取得された少なくとも1つの測定値を含む。
【0098】
本開示の主題の第16の態様によると、少なくとも1つの医療データ取得センサを備える医療データ取得デバイスによって、所与の時間に、医療データ取得センサを用いて患者から医療データを取得することと、医療データ取得デバイスによって、医療データ、および所与の時間における患者の所在地を示す位置情報を、医療従事者デバイスへ送信することと、ディスプレイを備える医療従事者ワークステーションによって、医療データ取得デバイスからの医療データおよび位置情報を受信することと、医療従事者ワークステーションによって、所在地における環境条件を示す環境情報を検索することと、医療情報および環境情報をディスプレイに表示することにより、医療従事者ワークステーションを操作する医療従事者が、患者の病状の診断を提供することを可能にすることとを備える、医療診断サポート方法が提供される。
【0099】
場合によっては、検索された残留情報は、(a)第1の所在地および所与の時間、および残留情報の種類の関連期間を定めるメタデータ、(b)第2の所在地、対応する第2の時間、および残留情報の種類の関連期間を定めるメタデータ、(c)患者の既知の病状、または(d)取得された医療データの少なくとも1つに基づいて、診断目的に関する残留情報の関連性を定める第1の規則セットを用いて識別される。
【0100】
場合によっては、医療データは、患者と医療従事者との間のオンラインセッション中に、患者の身体から取得され、医療従事者に表示される。
【0101】
場合によっては、医療データは、所与の時間より後の第3の時間に、患者の身体から取得され、医療従事者に表示され、医療データ取得デバイスは、医療診断サポートシステムとの通信状態ではない。
【0102】
場合によっては、残留情報は、1または複数の大気汚染インジケータ、1または複数の水質汚染インジケータ、病気の発生の情報、放射線レベルの情報、天候情報、食中毒情報、または第1の所在地または第2の所在地における既知の病気の1または複数を含む。
【0103】
場合によっては、残留情報は、オンラインソースから取得され、オンラインソースの少なくとも1つは、医療診断サポートシステムの外部にある。
【0104】
場合によっては、医療データ取得デバイスは、少なくとも1つの医療データ取得センサを含み、医療データは、医療データ取得センサによって取得された少なくとも1つの測定値を含む。
【0105】
本開示の主題の第17の態様によると、医療データ取得デバイスを用いて所与の時間に患者の身体から取得された医療データを取得することと、(i)所与の時間における患者の第1の所在地、または(ii)所与の時間より前の1または複数の対応する第2の時間における患者の1または複数の第2の所在地の少なくとも1つに関連付けられた残留情報を識別および検索することと、医療データおよび残留情報を医療従事者に表示することにより、医療従事者が、患者の病状の診断を提供することを可能にすることとを備える方法を行うために、コンピュータの少なくとも1つのプロセッサによって実行可能なコンピュータ可読プログラムコードが具体化された非一時的コンピュータ可読記憶媒体が提供される。
【0106】
本開示の主題を理解し、それが実際にどのように実施されるかを知るために、以下、添付図面を参照して、単に非限定的な例として主題が説明される。
【図面の簡単な説明】
【0107】
【
図1】本開示の主題に係る、遠隔医療従事者によって患者の医療検査を行うためのシステムの一例を概略的に示すブロック図である。
【
図2】本開示の主題に係る、医療診断サポートのためのシステムの環境の概略図である。
【
図3】本開示の主題に係る、医療診断サポートシステム、患者ワークステーション、医療データ取得デバイス、および医療従事者ワークステーション、およびそれらの間の様々な接続の一例を概略的に示すブロック図である。
【
図4】本開示の主題に係る、医療記録管理システムおよび医療診断サポートシステム、およびそれらの間の様々な接続の一例を概略的に示すブロック図である。
【
図5】本開示の主題に係る、検診計画決定システム、医療データ取得デバイス、および医療診断サポートシステム、およびそれらの間の様々な接続の一例を概略的に示すブロック図である。
【
図6】本開示の主題に係る、医療通知サポートシステムおよび医療データ取得デバイス、およびそれらの間の様々な接続の一例を概略的に示すブロック図である。
【
図7】本開示の主題に係る、クラスタベースの診断サポートを提供するために医療記録管理システムによって実行される一連の動作の一例を示すフローチャートである。
【
図8】本開示の主題に係る、クラスタベースの診断サポートを提供するために医療診断サポートシステムによって実行される一連の動作の一例を示すフローチャートである。
【
図9】本開示の主題に係る、診断要求エンティティの待ち行列を処理するために医療診断サポートシステムによって実行される一連の動作の一例を示すフローチャートである。
【
図10】本開示の主題に係る、クラスタベースの診断サポートを提供するために検診計画決定システムによって実行される一連の動作の一例を示すフローチャートである。
【
図11】本開示の主題に係る、クラスタベースの通知サポートを提供するために医療通知サポートシステムによって実行される一連の動作の一例を示すフローチャートである。
【
図12】本開示の主題に係る、医療従事者に残留情報を提供するために実行される一連の動作の一例を示すフローチャートである。
【
図13】本開示の主題に係る、医療従事者に残留情報を提供するために実行される一連の動作の他の例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0108】
以下の詳細な説明において、本開示の主題の完全な理解を提供するために、数々の具体的な細部が説明される。ただし、本開示の主題は、これらの具体的な細部がなくとも実施され得ることが、当業者には理解される。他の例において、本開示の主題を不明瞭にしないために、周知の方法、手順、および構成要素は詳細には説明されていない。
【0109】
記載される図面および説明において、同一の参照番号は、様々な実施形態または構成に共通である構成要素を示す。
【0110】
特に明記されない限り、以下の説明から明らかであるように、本明細書を通して、たとえば「取得する」、「生成する」、「受信する」、「送信する」、「提供する」などの用語を用いる説明は、データを他のデータに処理および/または変換するコンピュータの動作および/またはプロセスを含むことが理解され、上記データは、たとえば電子的数量などの物理的数量として表され、および/または上記データは、物理的物体を表す。「コンピュータ」、「プロセッサ」、および「コントローラ」という用語は、非限定的例として、パーソナルデスクトップ/ラップトップコンピュータ、サーバ、コンピューティングシステム、通信デバイス、スマートフォン、タブレットコンピュータ、スマートテレビ、プロセッサ(たとえばデジタル信号プロセッサ(DSP)、マイクロコントローラ、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、特定用途向け集積回路(ASIC)など)、様々なタスクの遂行を共有する多数の物理マシンのグループ、単一の物理マシンに共同常駐する仮想サーバ、他の任意の電子コンピューティングデバイス、および/またはそれらの任意の組み合わせを含む、データ処理能力を有する任意の種類の電子デバイスを包含するように広く解釈すべきである。
【0111】
本明細書の教示に係る動作は、所望の目的のために特別に構成されたコンピュータによって、または非一時的コンピュータ可読記憶媒体に格納されたコンピュータプログラムによって所望の目的のために特別に設計された汎用コンピュータによって行われ得る。「非一時的」という用語は、本明細書において、一時的な伝搬信号を除外するが、本出願に適した任意の揮発性または不揮発性コンピュータメモリ技術を含むものとして用いられる。
【0112】
本明細書で用いられる場合、「たとえば」、「たとえば~など」、「一例として」という表現およびそれらの変化形は、本開示の主題の非限定的な実施形態を説明する。本明細書における「一例」、「いくつかの例」、「他の例」、またはそれらの変化形への言及は、実施形態(複数も可)に関連して説明された特定の特徴、構造、または特性が、本開示の主題の少なくとも1つの実施形態に含まれることを意味する。したがって、「一例」、「いくつかの例」、「他の例」という表現またはそれらの変化形は、必ずしも同じ実施形態(複数も可)を指すわけではない。
【0113】
特に明記されない限り、明確性のために個別の実施形態の文脈で説明される本開示の主題の特定の特徴は、単一の実施形態に組み合わせて提供されてもよいことが理解される。逆に、簡潔性のために単一の実施形態の文脈で説明される本開示の主題の様々な特徴は、個別に、または任意の適当な部分的組み合わせで提供されてもよい。
【0114】
本開示の主題の実施形態において、
図7~13に示すものより多い、少ない、および/またはそれらと異なる段階が実行され得る。本開示の主題の実施形態において、
図7~13に示す1または複数の段階は、異なる順序で実行されてよく、および/または、段階の1または複数のグループが同時に実行されてよい。
図1~6は、本開示の主題の実施形態に係るシステムアーキテクチャの一般概要を示す。
図1~6における各モジュールは、本明細書で定義され説明されるような機能を行うソフトウェア、ハードウェア、および/またはファームウェアの任意の組み合わせを構成し得る。
図1~6におけるモジュールは、1つの場所に集中してよく、または複数の場所に分散され得る。本開示の主題の他の実施形態において、システムは、
図1~6に示すものより少ない、多い、および/またはそれらと異なるモジュールを備えてよい。
【0115】
本明細書における方法への任意の言及は、必要な変更を加えて、方法を実行することが可能なシステムに適用され、必要な変更を加えて、コンピュータによって実行されるとその方法の実行をもたらす命令を格納する非一時的コンピュータ可読媒体に適用されるものとする。
【0116】
本明細書におけるシステムへの任意の言及は、必要な変更を加えて、システムによって実行され得る方法に適用され、必要な変更を加えて、そのシステムによって実行され得る命令を格納する非一時的コンピュータ可読媒体に適用されるものとする。
【0117】
本明細書における非一時的コンピュータ可読媒体への任意の言及は、必要な変更を加えて、非一時的コンピュータ可読媒体に格納された命令を実行することが可能なシステムに適用され、必要な変更を加えて、その非一時的コンピュータ可読媒体に格納された命令を読み取るコンピュータによって実行され得る方法に適用されるものとする。
【0118】
この点に留意し、本開示の主題に係る、遠隔医療従事者によって患者の医療検査を行うためのシステムの一例を概略的に示すブロック図である
図1に注目する。ユーザ102および患者103(医療検査を必要とする人物または動物)は、患者所在地100に位置し、医療従事者124は、患者所在地100から遠隔である医療従事者所在地120に位置する。実際、本開示の主題によると、医療従事者124は、患者所在地100から遠隔の医療従事者所在地120に位置するので、医療従事者124は、患者103への直接アクセスを有さない(たとえば、医療従事者所在地120は、患者103と同じ室内または他の任意の形式のその近傍に位置せず、医療従事者124が自身で医療データ取得デバイス104を保持し、医療データを取得するために患者103の身体に医療データ取得デバイス104を載置することはできない)。場合によっては、医療従事者124は、患者103とは異なる部屋/階/建物/通り/都市/州/国/大陸に位置し得る。
【0119】
医療従事者124が患者103と異なる所在地に位置するという点を考慮すると、ユーザ102は、患者103の身体から医療データを取得するために医療データ取得デバイス104を操作する必要がある。この点に関し、留意すべき点として、ユーザ102は、医療検査を必要とする患者103であってよい(そのような場合、図内でユーザ102と患者103とが個別のエンティティとして示される場合でも、実際には彼らは同じエンティティである)。他の例において、ユーザ102は、本明細書において更に詳述するように、患者103の身体から医療データを取得するために医療データ取得デバイス104を操作する(患者103とは別の)他者であってよい。場合によっては、ユーザ102は医療従事者ではなく、すなわち、ユーザ102は、患者103の身体から医療データを取得するために特別に訓練された人物ではなく、患者の身体から取得された医療データに基づいて患者103の病状を診断する資格も有していない。
【0120】
患者所在地100内の構成要素に注目する。
【0121】
医療データ取得デバイス104は、少なくとも1つの処理リソース105を備える(または少なくとも1つの処理リソース105に関連付けられる)。処理リソース105は、関連する医療データ取得デバイス104リソースを制御するため、および医療データ取得デバイス104リソースに関連する動作を可能にするために、独立して、または協働してデータを処理するために適合された、1または複数の処理ユニット(たとえば中央処理ユニット)、マイクロプロセッサ、マイクロコントローラ(たとえばマイクロコントローラユニット(MCU))、または他の任意のコンピューティング/処理デバイスであってよい。
【0122】
医療データ取得デバイス104は更に、患者103の身体から、医療従事者124がそれに基づいて患者103の病状を診断し得る医療データを取得することが可能な少なくとも1つのセンサを含む、1または複数のセンサ106(たとえば、カメラ(複数も可)、マイクロフォン(複数も可)、温度計、深度カメラ(複数も可)、耳鏡、血圧センサ、心電図(ECG)、超音波センサ、音響センサ、血中飽和度センサなど)を備える。医療データは、たとえば、体温、血圧、血中飽和度、ECG測定値、(たとえば心臓動作または肺の)オーディオ信号、(たとえば心臓、腸などの)超音波信号、音響測定値、身体組織電気抵抗、身体組織の硬度、心拍数、(体内器官または体外器官にかかわらず)人体器官または人体器官の一部の画像またはビデオ記録、(体内器官または体外器官にかかわらず)1または複数の人体器官またはその一部の3D表現、血液サンプル解析、尿サンプル、咽頭培養菌、唾液サンプル、または、それに基づいて診断が提供され得る患者の1または複数の生理学的特性に関連付けられた他の任意のパラメータであってよい。
【0123】
場合によっては、医療データ取得デバイス104は、1または複数の患者103に関する患者関連データおよびそのような患者103の身体から取得された様々な医療データ(たとえば、医療データ取得デバイス104を用いて患者の医療検査中に取得されたデータ)、センサ(複数も可)106の様々な構成パラメータ、(たとえば、患者103に行われる医療検査を定める)患者103のための検診計画、(たとえば、様々な種類の測定値に必要とされる品質レベルを定める)閾値パラメータなどを特に含むデータを格納するように構成されたデータレポジトリ107(たとえば、データベース、ストレージシステム、読取専用メモリ(ROM)、ランダムアクセスメモリ(RAM)、または他の任意の種類のメモリを含むメモリなど)を更に備えてよく、またはそれと関連付けられ得る。場合によっては、データレポジトリ107は更に、格納されたデータの検索および/または更新および/または削除を可能にするように構成され得る。留意すべき点として、場合によっては、データレポジトリ107は、医療データ取得デバイス104内および/または患者所在地100内および/または中央システム130内および/または医療従事者所在地120内および/またはその他どこかにかかわらず、多数の位置に分散され得る。留意すべき点として、場合によっては、患者103に関する関連情報は、103の医療検査を行う前に(たとえば医療検査の開始時、および/または定期的に、および/またはたとえば医療従事者124などのエンティティが情報を要求した時)、データレポジトリ107内にロードされ得る。
【0124】
留意すべき点として、場合によっては、医療データ取得デバイス104はハンドヘルドデバイスであってよく、少なくとも処理リソース105およびセンサ106は、任意選択的にハンドヘルドデバイスであってよい医療データ取得デバイス104のハウジング内に含まれ得る。場合によっては、センサは、医療データ取得デバイス104に取り付けられるように構成された着脱可能ユニット内に含まれ得る。場合によっては、センサは、医療データ取得デバイス104の外部にあってよく、そのような場合、センサは、有線接続および/または無線接続(たとえばWiFi接続)を介して医療データ取得デバイス104と通信してよい。
【0125】
更に留意すべき点として、場合によっては、医療データ取得デバイス104は更に、オーディオ記録(たとえば、どのように医療検査を行うかをユーザ102に指示する医療従事者124の記録、どのように医療検査を行うかをユーザ102に指示する、医療データ取得デバイス104によって生成された音声命令など)をユーザ102に提供するための1または複数のスピーカを備えてよい。医療データ取得デバイス104は更に、たとえば医療データ取得デバイス104を用いて行われる医療検査中、医療データ取得デバイス104の近傍における(たとえばユーザ102および/または患者103の)音声を含む音を記録するためのマイクロフォンを備えてよい。医療データ取得デバイス104は更に、視覚出力(たとえば、遠隔医療従事者124のビデオ記録、どのように医療検査を行うかをユーザ102に指示するコンピュータ生成命令、取得された測定値の品質のインジケーションなど)をユーザ102に提供するためのディスプレイを備えてよい。
【0126】
場合によっては、医療データ取得デバイス104は、有線または無線通信を介して、通信ネットワーク116(たとえばインターネット)を通して、直接または間接的に、患者ワークステーション144および/または医療従事者ワークステーション122および/または中央システム130と通信してよい。留意すべき点として、そのような通信は、代替または追加として、たとえばセルラネットワーク、仮想プライベートネットワーク(VPN)、ローカルエリアネットワーク(LAN)などの他の既知の通信選択肢を用いて行われてよい。
【0127】
場合によっては、カメラ110もまた患者所在地100に位置してよい。(「外部カメラ110」とも称される)カメラ110は、医療データ取得デバイス104のハウジング内に含まれないという意味で、医療データ取得デバイス104の外部にある。カメラ110は好適には、医療データ取得デバイス104にかかわらず可動である。カメラ110は、可視光を捕捉し、捕捉した光に基づいて画像またはビデオを生成するために動作可能である。カメラ110は、追加または代替として、可視光付近にある電磁スペクトルの他の部分(たとえば近IR放射などの赤外放射)を感知可能であってよい。カメラ110は、可視スペクトル全体を感知可能であってよく(たとえばDSLRカメラ、スマートフォンカメラ、ウェブカメラなどの商用オフザシェルフカメラ)、またはその一部のみを感知可能であってよい。場合によっては、カメラ110は、医療検査プロセスの3D表現を生成することが可能な深度カメラであってよい。
【0128】
カメラ110は、医療データ取得デバイス104が患者103の身体から医療データを取得している時間の少なくとも一部において、検査される患者103の身体位置に向けられる。特に、カメラ110は、(上述したように)検査される患者103の身体位置に向けられると、患者103の身体の少なくとも一部、および医療データ取得デバイス104(またはセンサ106の1または複数)が検査される患者103の身体に隣接している時の医療データ取得デバイス104の少なくとも一部を含む(任意選択的にビデオを形成し得る)1または複数の画像を取得するために動作可能である。したがって、カメラ110による画像捕捉は、医療データ取得デバイス104の少なくとも一部、およびそれによって現在検査されている患者103の身体上の位置を含む。
【0129】
場合によっては、患者ワークステーション114もまた患者所在地100に位置し得る。患者ワークステーション114は、たとえばその目的のために特別に構成され得る装置を含む、パーソナルコンピュータ、ポータブルコンピュータ、スマートフォン、または適当な処理機能を有する他の任意の装置を含む任意のコンピュータであってよい。患者ワークステーション114は、そこからの入力(たとえば、回答への質問、様々な識別情報など)を受信するため、および/または(医療データ取得デバイス104を操作するための操作指示などを示す)そこへの出力を提供するために、ユーザ102によって操作され得る。場合によっては、患者ワークステーション114は、有線または無線通信を介して、通信ネットワーク116(たとえばインターネット)を通して、医療データ取得デバイス104および/または医療従事者ワークステーション122および/または中央システム130と通信してよい。留意すべき点として、そのような通信は、代替または追加として、たとえばセルラネットワーク、仮想プライベートネットワーク(VPN)、ローカルエリアネットワーク(LAN)などの他の既知の通信選択肢を用いて行われてよい。留意すべき点として、場合によっては、患者ワークステーション114は、カメラ110を備えてよく、より具体的な例において、患者ワークステーション114はスマートフォンであってよく、カメラ110はスマートフォンのカメラであってよい。留意すべき点として、場合によっては、患者ワークステーション114の、または(患者所在地100またはその他どこかに位置する)他の任意のコンピュータの処理リソースは、医療データ取得デバイス104の処理リソース105を参照して説明したタスクの一部を行ってよい。
【0130】
医療従事者所在地120内の構成要素に注目する。
【0131】
医療従事者ワークステーション122は、医療従事者所在地120に位置する。医療従事者ワークステーション122は、たとえばその目的のために特別に構成され得る装置を含む、パーソナルコンピュータ、ポータブルコンピュータ、スマートフォン、または適当な処理機能を有する他の任意の装置を含む任意のコンピュータであってよい。医療従事者ワークステーション122は、医療従事者124からの入力(たとえばユーザ102および/または患者103に提供される指示および/または質問など)を受信し、および/または、(医療データ取得デバイス104によって取得された医療データなどを示す)医療従事者124への出力を提供してよい。場合によっては、医療従事者ワークステーション122は、有線または無線通信を介して、通信ネットワーク116(たとえばインターネット)を通して、医療データ取得デバイス104および/または患者ワークステーション114および/または中央システム130と通信してよい。留意すべき点として、そのような通信は、代替または追加として、たとえばセルラネットワーク、VPN、LANなどの他の既知の通信選択肢を用いて行われてよい。場合によっては、医療従事者ワークステーション122は、たとえば医療従事者ワークステーション122を操作する第1の医療従事者が、任意選択的に第1の医療従事者によって提供された特定の診断に関する、他の医療従事者からのセカンドオピニオンを得ることに関心を持つ場合、1または複数の他の医療従事者ワークステーション122と通信してよい。
【0132】
場合によっては、医療従事者ワークステーション122は更に、特に医療データ取得デバイス104によって取得された(任意選択的に医療データに関する様々なメタデータも含む)医療データ、および1または複数の患者103に関する他の患者関連データを含むデータを格納するように構成された医療従事者データレポジトリ123(たとえばデータベース、ストレージシステム、読取専用メモリ(ROM)、ランダムアクセスメモリ(RAM)、または他の任意の種類のメモリを含むメモリなど)を備えてよく、またはそれと関連付けられ得る。場合によっては、医療従事者データレポジトリ123は更に、格納されたデータの検索および/または更新および/または削除を可能にするように構成され得る。留意すべき点として、場合によっては、医療従事者データレポジトリ123は、医療従事者所在地120内および/または中央システム130内および/またはその他どこかにかかわらず、多数の位置に分散され得る。留意すべき点として、場合によっては、所与の検査患者103に関する関連情報は、患者103の医療検査を行う前に(たとえば、医療検査の開始時、および/または定期的に、および/またはたとえば医療従事者124などのエンティティが情報を要求した時)、データレポジトリ123内にロードされ得る。場合によっては、医療データは、1または複数の患者103に関する電子カルテ(EHR)データを含んでよい。場合によっては、EHRデータは、遠隔EHRシステムへの(たとえば通信ネットワーク116を介した)インタフェースを通して取得され得る。
【0133】
場合によっては、医療従事者システム122は、有線または無線通信を介して、通信ネットワーク116(たとえばインターネット)を通して、患者ワークステーション144および/または医療データ取得デバイス104および/または中央システム130と通信してよい。留意すべき点として、そのような通信は、代替または追加として、たとえばセルラネットワーク、仮想プライベートネットワーク(VPN)、ローカルエリアネットワーク(LAN)などの他の既知の通信選択肢を用いて行われてよい。
【0134】
場合によっては、中央システム130は、医療データおよび/または他の患者関連データが多数の患者所在地100から中央システム130によって受信され、中央システム130によって多数の医療従事者所在地120へ転送され得る分散型アプローチを可能にするために存在してよい。したがって、送信された医療データおよび/または他の患者関連データが中央システム130において受信される場合、それは医療検査レポジトリ134内に格納されてよく、管理システム132は、それを特定の医療従事者所在地120へ(たとえばインターネットなどの通信ネットワーク116を介して)送信してよい。場合によっては、管理システム132は、たとえば患者の申込み、利用可能な医療従事者への患者のスケジューリングの計画などの他のプロセスも管理してよい。
【0135】
留意すべき点として、中央システム130は、このソリューションに対し任意選択的であり、中央システム130は、医療従事者ワークステーション122の一部であってよい。加えて、患者ワークステーション114および/または医療データ取得デバイス104と、医療従事者ワークステーション122との間の通信は、中央システム130を使用せず、または必要とせず直接行われ得る。
【0136】
中央システム130が存在する場合、中央システム130は、1または複数の患者103に関する様々な患者関連データが保持される患者および検診計画レポジトリ136を備えてよい。そのような患者関連データは、たとえば患者識別番号、患者氏名、患者年齢、患者連絡先、(たとえば患者のEHR、患者の疾患の情報、薬剤感受性などの)患者医療記録データ、(以下で更に詳述するような)検診計画データなどを含んでよい。中央システム130は更に、(a)医療データ取得デバイス104によって取得された医療データ(任意選択的にそのような医療データに関する様々なメタデータも含む)、(b)タイプインおよび/または音声記録および/またはユーザ102によって提供された患者103に関する追加情報を含む、たとえば患者ワークステーション114を用いてユーザ102によって提供されたユーザ提供データ、および(c)患者103を診断する医療従事者によって提供された診断データの1または複数が格納され得る医療検査レポジトリ134を備えてよい。医療データおよび/またはユーザ提供データは、たとえば、体温、血圧、血中飽和度、心電図(ECG)測定値、(たとえば心臓動作または肺の)オーディオ信号、(たとえば心臓、腸などの)超音波信号、音響測定値、身体組織電気抵抗、身体組織の硬度、心拍数、(体内器官または体外器官にかかわらず)人体器官または人体器官の一部の画像またはビデオ記録、血液サンプル解析、(体内器官または体外器官にかかわらず)1または複数の人体器官またはその一部の3D表現、尿サンプル、咽頭培養菌、唾液サンプル、またはそれに基づいて診断が提供され得る患者の1または複数の生理学的特性に関連付けられた他の任意のパラメータの1または複数の音声記録および/またはビデオ記録および/または値を含んでよい。場合によっては、パラメータ値の1または複数は、たとえばパラメータ値が取得された時間を示すタイムスタンプ、パラメータ値が取得された位置を示す位置データ(たとえば地理的座標、WiFiインターネットプロトコル(IP)アドレスなど)、センサの種類、パラメータ値が取得された特定のセンサの識別を可能にする情報、パラメータ値の取得中に取得された慣性航法システム(INS)および/または圧力センサおよび/または室内湿度および/または室温および/または患者の向きおよび/または室内周囲雑音レベルの読取り値などのメタデータに関連付けられ得る。
【0137】
中央システム130は更に、(生の形式か、医療データ取得デバイス104によって取得された生データの任意の処理されたバージョンかにかかわらず)医療データ取得デバイス104によって取得された患者103に関する医療データ、および任意選択的に患者103に関する他の患者関連データを、選択された医療従事者ワークステーション122(たとえば空いている医療従事者ワークステーション122、またはたとえば複数の医療従事者ワークステーションの中から現在空いている医療従事者が存在しない場合、最短の待ち行列を有する医療従事者ワークステーション122)へ転送するように構成された管理システム132を備えてよい。留意すべき点として、中央システム130を設ける場合、中央システム130は、データ(たとえば医療データおよび/または他の患者関連データ)が多数の患者所在地100から中央システム130によって受信され、中央システム130によって多数の医療従事者所在地120へ転送され得る分散型アプローチを可能にし得るので、複数の医療従事者所在地120および複数の医療従事者124が存在してよい。
【0138】
患者所在地100、医療従事者所在地120、および中央システム130における様々な構成要素が説明された上で、医療データ取得デバイス104の2つの典型的な動作モードであるオンラインモードおよびオフラインモードに注目する。
【0139】
オンラインモードにおいて、医療従事者124がプロセスに能動的に関与する間に患者103の医療検査が行われる。そのような動作モードにおいて、医療従事者124は、ビデオまたは画像シーケンスを提供されてよく、それに基づいて、医療従事者124は、患者103の身体に対して医療データ取得デバイス104を位置決めするための指示をユーザ102に提供する。加えて、医療従事者124は、(位置決め指示以外の)現在の医療検査を行うための指示および/または医療検査フローの一部として他の医療検査を行うための指示をユーザ102に提供してよい。場合によっては、指示は、医療従事者所在地におけるマイクロフォン(たとえば医療従事者ワークステーション122に接続されたマイクロフォン)によって取得され、患者所在地100におけるスピーカ(たとえば医療データ取得デバイス104のスピーカ、患者ワークステーション114のスピーカ、またはユーザ102が聴くことができる音を提供する他の任意のスピーカ)を介してユーザ102に提供される可聴指示であってよい。可聴指示への追加または代替として、指示は、患者所在地100におけるディスプレイ(たとえば医療データ取得デバイス104のディスプレイ、患者ワークステーション114のディスプレイ、またはユーザ102の目に見える他の任意のディスプレイ)を介して提供されるビデオ指示であってよい。
【0140】
医療従事者124に提供されるビデオは、医療データ取得デバイス104内に含まれたカメラによって取得されてよく(たとえばセンサ106の1つが、この目的で用いられるカメラであってよく)、そのような場合、医療従事者124は、カメラが向けられた患者の身体の一部を目視し得る。追加または代替例において、ビデオは、医療データ取得デバイス104の外部の外部カメラ110によって取得されてよく、そのような場合、医療従事者124は、患者103および医療データ取得デバイス104を同じフレーム内で目視し得る。いずれの場合も、カメラのビューに基づいて、医療従事者124は、患者103の身体に対して所望の空間配置に医療データ取得デバイス104をナビゲートするための操縦指示をユーザ102に提供してよい。場合によっては、ビデオは、患者所在地100に位置するマイクロフォン(たとえば医療データ取得デバイス104のマイクロフォン、患者ワークステーション114のマイクロフォン、または患者所在地100における音声を記録する音を取得し得る他の任意のマイクロフォン)を用いて取得された音声記録を添付され得る。
【0141】
医療データ取得デバイス104が、患者103の身体に対して(医療データが取得され得る)所望の空間配置に到達すると、医療従事者124は、ユーザ102に、医療データを取得するように指示してよく、または、医療データを取得するために自身でセンサ106を操作してよい。場合によっては、医療従事者124は、たとえば医療従事者ワークステーション122を介して、センサ106の様々なパラメータを遠隔操作してもよい。
【0142】
留意すべき点として、医療データ取得デバイス104は、医療データを取得する時、患者の体外に位置し得る。それでもなお、場合によっては、医療データ取得デバイス104の一部が患者の体内に入り得る(たとえば、皮膚および/または血管を貫通する針、耳や口などの身体開口部に入るセンサなど)。そのような場合でも、医療データ取得デバイス104の大部分は、測定時、体外に位置し得る。
【0143】
医療データ取得デバイス104によって取得された医療データは、(直接、または患者ワークステーション114を介して、および/または、医療データが取得された患者103に関連付けられた医療検査レポジトリ134内に医療データが格納され得る中央システム130を介して)医療従事者ワークステーション122へ送信されてよく、ここで、医療データが取得された患者103に関連付けられた医療従事者データレポジトリ123内に格納され得る。
【0144】
医療従事者所在地120に位置する医療従事者124(たとえば、医療データを取得および/または分析するためのノウハウおよび技術を有する他の任意の人物を含む、医師、看護士、医学生など)は、たとえば医療従事者ワークステーション122を用いて、取得された医療データを見直してよい。留意すべき点として、患者ワークステーション114、医療従事者ワークステーション122、および中央システム130は、ディスプレイ(たとえばLCDスクリーン)、およびキーボードまたは他の任意の適当な入力/出力デバイスを含んでよい。
【0145】
場合によっては、医療従事者124は、たとえば診断、1または複数の処方箋、または1または複数の追加の医療検査を行う指示などのフィードバックデータを(たとえば、患者ワークステーション114および/または医療データ取得デバイス104へ対応する指示を送信することによって)ユーザ102に提供してよい。代替または追加として、医療従事者124は、中央システム130へフィードバックデータを送信してよく、その後中央システム130は、任意選択的に、患者ワークステーション114および/または医療データ取得デバイス104へ(たとえば通信ネットワーク116を介して)フィードバックデータを送信してよい。
【0146】
場合によっては、医療データ取得デバイス104および/または患者ワークステーション114は、センサによって取得された信号の品質のインジケーションをユーザ102に提供するように構成され得る。そのような場合、医療データ取得デバイス104および/または患者ワークステーション114は、信号品質を決定し、ユーザ102の目に見えるディスプレイ(たとえば医療データ取得デバイス104のディスプレイおよび/または患者ワークステーション114のディスプレイ)に適当なインジケーションを表示するように構成され得る。場合によっては、信号品質が既定の閾値を満たさない時、医療データ取得デバイス104および/または患者ワークステーション114は、取得された信号品質を改善するための指示(たとえば医療データ取得デバイス104を再配置する指示、周囲雑音を低減する指示など)をユーザ102に提供するように構成され得る。
【0147】
オフラインモードにおいて、医療従事者124がプロセスに能動的に関与していない間に患者103の医療検査が行われる。そのような動作モードにおいて、医療データ取得デバイス104は、患者103の身体に対して所望の空間配置に医療データ取得デバイス104をナビゲートするためのオーディオおよび/またはビデオナビゲーション指示をユーザ102に提供してよい。ナビゲーション指示は、任意選択的にセンサ106の一部であってよい慣性航法システム(INS)から得た情報を用いて、および/または、参照画像内の参照点と、医療データ取得デバイス104内に含まれたカメラおよび/または外部カメラ110によって取得された画像とのマッチングを用いて、医療データ取得デバイス104および/または患者ワークステーション114によって決定され得る。ナビゲーション指示は、ユーザがナビゲーション指示を聞くおよび/または見ることが可能な方法で、医療データ取得デバイス104および/または患者ワークステーション114および/またはユーザ102の付近に存在する他の任意のデバイスのスピーカおよび/またはディスプレイを介して提供され得る。
【0148】
医療データ取得デバイス104が患者103の身体に対して(医療データが取得され得る)所望の空間配置に到達すると、ユーザ102は、医療データを取得するために医療データ取得デバイス104を操作してよく、代わりに、医療データ取得デバイス104は、医療データを自動的に取得してもよい。
【0149】
場合によっては、医療データ取得デバイス104および/または患者ワークステーション114は、センサによって取得された信号の品質のインジケーションをユーザ102に提供するように構成され得る。そのような場合、医療データ取得デバイス104および/または患者ワークステーション114は、信号品質を決定し、ユーザ102の目に見えるディスプレイ(たとえば医療データ取得デバイス104のディスプレイおよび/または患者ワークステーション114のディスプレイ)に適当なインジケーションを表示するように構成され得る。そのような場合、信号品質が既定の閾値を満たさない時、医療データ取得デバイス104および/または患者ワークステーション114は、取得された信号品質を改善するための指示(たとえば医療データ取得デバイス104を再配置する指示、周囲雑音を低減する指示など)をユーザ102に提供するように構成され得る。
【0150】
留意すべき点として、医療データ取得デバイス104は、医療データを取得する時、患者の体外に位置し得る。それでもなお、場合によっては、医療データ取得デバイス104の一部が患者の体内に入り得る(たとえば、皮膚および/または血管を貫通する針、耳や口などの身体開口部に入るセンサなど)。そのような場合でも、医療データ取得デバイス104の大部分は、測定時、体外に位置し得る。
【0151】
医療データ取得デバイス104によって取得された医療データは、(直接、または患者ワークステーション114を介して、および/または、医療データが取得された患者130に関連付けられた医療検査レポジトリ134内に医療データが格納され得る中央システム130を介して)医療従事者ワークステーション122へ送信されてよく、ここで、医療データが取得された患者130に関連付けられた医療従事者データレポジトリ123内に格納され得る。
【0152】
医療従事者所在地120に位置する医療従事者124(たとえば、医療データを取得および/または分析するためのノウハウおよび技術を有する他の任意のエンティティ(人間またはコンピュータ化)を含む、医師、医学生など)は、たとえば医療従事者ワークステーション122のディスプレイおよび/またはスピーカおよび/または他の任意の適当な出力デバイスを用いて、取得された医療データを見直してよい。留意すべき点として、患者ワークステーション114、医療従事者ワークステーション122、および中央システム130は、ディスプレイ(たとえばLCDスクリーン)、およびキーボードまたは他の任意の適当な入力/出力デバイスを含んでよい。
【0153】
場合によっては、医療従事者124は、たとえば診断、1または複数の処方箋、または1または複数の追加の医療検査を行う指示などのフィードバックデータを(たとえば、患者ワークステーション114および/または医療データ取得デバイス104へ対応する指示を送信することによって)ユーザ102に提供してよい。代替または追加として、医療従事者124は、中央システム130へフィードバックデータを送信してよく、その後中央システム130は、任意選択的に、患者ワークステーション114へ(たとえば通信ネットワーク116を介して)フィードバックデータを送信してよい。本明細書に示すように、フィードバックデータは、医療データ取得デバイス104および/または患者ワークステーション114の出力デバイス(たとえばディスプレイ、スピーカなど)、またはそれぞれの出力をユーザ102に提供することが可能な他の任意のデバイスを介して、ユーザ102に提供され得る。
【0154】
留意すべき点として、場合によっては、医療従事者データレポジトリ123はおよび/またはデータレポジトリ107、および/または検診レポジトリ134および/または患者および検診計画レポジトリ136は、分散型か否かにかかわらず、全ての関連エンティティによってアクセス可能な同じ単一のデータレポジトリであってよい。
【0155】
図2を参照すると、本開示の主題に係る、医療診断サポートのためのシステムの環境の概略図が示される。
【0156】
本開示の主題の特定の例によると、環境20は、特に
図4を参照して本明細書で更に詳述するように、各々が、プロセッサ、データレポジトリ、および任意選択的にディスプレイ(たとえばLCDスクリーン)および/またはキーボードまたは他の任意の適当な入力/出力デバイスを有する1または複数の医療記録管理システム210を含む。
【0157】
医療記録管理システム210は、データレポジトリ内に、複数の医療記録を保持し、各医療記録は、対応する患者103に関連付けられる。各医療記録は、対応する患者103を一意的に識別する患者識別情報(たとえば患者識別番号、たとえば指紋、DNA、虹彩認証などの患者の生体識別子など)を備える。加えて、各医療記録は、対応する患者103の患者属性(たとえば患者氏名、年齢、年齢層、住所、職種、職場、位置情報、薬剤感受性、医療データを取得するために用いられた医療データ取得デバイス104の識別子など)を備える。そのような属性の値は、本明細書で更に詳述するように、医療記録をグループにクラスタ化するために用いられ得る。
【0158】
加えて、医療記録の少なくとも一部は更に、たとえば過去の現実(すなわち対面)または仮想の患者訪問中に、対応する患者103の医療従事者124によって対応する患者103に以前提供された1または複数の過去診断を含む。たとえば、特定の患者103の医療記録は、患者103を一意的に識別するソーシャルセキュリティ番号(SSN)、対応する値を有する、たとえば氏名、住所、職場住所、(たとえば患者103のスマートフォンのGPSから得られた)位置情報などの患者属性、および、患者103の医療従事者124への過去の現実/仮想の患者訪問中に患者103に与えられた1または複数の過去診断、たとえば、患者103が(一時的または慢性的にかかわらず)インフルエンザまたは喘息または他の任意の病状を患っていると診断する、最近の患者訪問において与えられた過去の診断を含んでよい。
【0159】
医療記録管理システム210は更に、患者属性に基づいて、医療記録をグループにクラスタ化するように構成され得る。属性値を共有する医療記録は、同じクラスタにグループ分けされる。2つ以上の医療記録の属性値が共通条件(たとえば値の同等性、値の物理的近接性、既定のグループの一部である値など)を満たす場合、属性値は、医療記録管理システム210によって共有属性値であると決定される。
【0160】
たとえば、職場患者属性に関する同一値に基づいて、同じ職場「X」で働く人々の医療記録を保持する職場「X」クラスタが生成され得る。他の例において、医療記録管理システム210は、近隣地域「Y」の地理的境界を画定する特定の地理的エリア内であるアドレス値を有する医療記録を保持する近隣地域「Y」クラスタを生成してよい。他の例は、物理的近接条件に基づいてよく、医療記録管理システム210は、所与の時間フレーム(たとえば直近3日間)中に互いに物理的に(たとえば互いに5メートル未満の位置に)近接したことのある全ての患者103の医療記録を保持する接触「Z」クラスタを生成してよい。
【0161】
場合によっては、医療記録管理システム210は、医療従事者所在地120に位置してよい。そのような場合、医療記録管理システム210は、医療従事者ワークステーション122内に組み込まれてよく、または、医療従事者所在地120におけるローカルネットワークを介して通信状態にあるスタンドアロンシステムとして動作してよい。他の例において、医療記録管理システム210は、中央システム130の一部であってよく、または、中央システム130所在地または他の場所に位置する個別のシステムであってよい。そのような場合、医療記録管理システム210は、通信ネットワーク116を介して、医療診断サポートシステム200および/または患者ワークステーション114および/または医療従事者ワークステーション122と通信してよい。
【0162】
環境20は更に、1または複数の医療診断エンティティ124(留意すべき点として、医療従事者および医療診断エンティティという用語は本明細書において同義的に用いられる)によって医療診断が行われることを必要とする1または複数の診断要求エンティティ103(留意すべき点として、患者および診断要求エンティティという用語は本明細書において同義的に用いられる)を含んでよい。診断要求エンティティ103は、任意選択的に(たとえば、診断要求エンティティ103とは異なる部屋/階/建物/通り/都市/州/国/大陸の)医療従事者所在地120から遠隔に位置し得る患者所在地100に位置してよい。
【0163】
各診断要求エンティティ103は、(中央システム130によってランダムに選択されるか、診断要求エンティティ103によって具体的に識別されるかにかかわらず)1または複数の医療診断エンティティ124からの医療診断を要求し得る。医療診断要求は、たとえば医療診断エンティティ124の施設(すなわち医療従事者所在地120)において診断要求エンティティ103の現実の対面患者訪問の一部として対面でなされてよく、または、医療診断要求は、仮想患者訪問の一部として、患者ワークステーション114から診断要求エンティティ103によってなされてよい。場合によっては、診断要求は、たとえば医療従事者ワークステーション122を操作する第1の医療診断エンティティ124が、任意選択的に第1の医療診断エンティティ124によって提供された特定の診断に関する、第2の医療診断エンティティ124からのセカンドオピニオンを得ることに関心を持つ場合、医療従事者ワークステーション122を用いて医療診断エンティティ124によって入力され得る。
【0164】
診断要求の一部として、医療診断エンティティ124は、診断要求エンティティ103によって提供される医療データ(たとえば、頭痛、胃痛、吐き気、下痢などの特定の生理現象のインジケーションなど)、および/または、任意選択的に医療データ取得デバイス104によって診断要求エンティティ103の身体から取得される医療データへのアクセスを有してよい。医療データは、診断要求患者103の生理学的特性を表す属性値(たとえば体温、血圧、ECG測定値など)を含んでよく、場合によっては、属性値の1または複数は、たとえば値が取得された時間を示すタイムスタンプ、および/またはその値を取得するために用いられた医療データ取得デバイス104を識別するID番号などのメタデータに関連付けられ得る。
【0165】
たとえば、特定の診断要求エンティティ103は、医療診断エンティティ124への仮想患者訪問を開始するために自身の患者ワークステーション114を用いてよい。診断要求エンティティ103は、患者識別情報、すなわち自身のSSN、たとえば医療データ取得デバイス104を用いて患者103によって取得したような自身の体温、(たとえば頭痛などの)医学的現象の訴えを入力し、医療診断エンティティ124からの診断を要求する。医療診断エンティティ124は、医療従事者ワークステーション122において、全ての添付医療データとともに、診断要求にアクセスしてよい。
【0166】
環境20は更に、特に
図3を参照して本明細書で更に詳述するように、各々が、プロセッサ、データレポジトリ、および任意選択的にディスプレイ(たとえばLCDスクリーン)、および/またはキーボードまたは他の任意の適当な入力/出力デバイスを有する1または複数の医療診断サポートシステム200を含んでよい。場合によっては、医療診断サポートシステム200は、医療従事者所在地120に位置し得る。そのような場合、医療診断サポートシステム200は、医療従事者ワークステーション122内に組み込まれてよく、または、医療従事者所在地120におけるローカルネットワークを介して通信状態にあるスタンドアロンシステムとして動作してよい。他の例において、医療診断サポートシステム200は、中央システム130の一部であってよく、または、中央システム130所在地または他の任意の場所に位置するスタンドアロンシステムであってよい。そのような場合、医療診断サポートシステム200は、通信ネットワーク116を介して、医療記録管理システム210および/または患者ワークステーション114および/または医療従事者ワークステーション122と通信してよい。
【0167】
医療診断エンティティ124は、所与の診断要求エンティティ103に関する診断サポート情報を取得するために、医療診断サポートシステム200を用いてよい。
【0168】
場合によっては、診断サポート情報は、以前診断された患者に提供された少なくとも1つの過去診断を含み、以前診断された患者および所与の診断要求エンティティ103は、少なくとも1つの共通クラスタの一部である。任意選択的に、診断サポート情報は、特定の閾値を超過する所与の診断要求エンティティ103との計算された関連可能性を有する過去診断のみを含んでよく、たとえば、最近のタイムフレーム内に与えられた過去診断のみが診断サポート情報に含まれる。加えて、診断サポート情報は、診断要求エンティティ103に関連付けられた共通クラスタをクラスタ化する理由となった共有属性値を含んでよい。診断サポート情報は、本明細書において特に
図4で詳述するように、任意選択的に医療記録管理システム210から取得され得る。
【0169】
追加または代替例において、診断サポート情報は、所与の診断要求エンティティ103が診断を要求した時点における所与の診断要求エンティティ103の所在地、または(たとえばGPS受信機などの位置監視デバイスまたは他の任意のソースから得られた)所与の診断要求エンティティ103の過去所在地における環境条件(たとえば水質汚染、大気汚染、病気の発生、放射線レベル、天候情報、食中毒情報、既知の病気など)を示す残留情報を含む。
【0170】
診断サポート情報は、医療従事者ワークステーション122に表示されてよく、それによって、医療診断エンティティ124が、所与の診断要求エンティティ103の病状の診断を提供することを可能にする。
【0171】
クラスタ化に関して、上述の第1の例を継続すると、特定の職場「X」クラスタの一部である所与の診断要求エンティティ103が、医療診断エンティティ124からの診断を要求し得る。医療診断エンティティ124は、特定の関連性閾値を満たす職場「X」クラスタの一部である患者に与えられた過去の診断、たとえば診断要求エンティティ103の同僚に前日与えられた特定の食品関連症状の診断を含む、所与の診断要求エンティティ103に関する診断サポート情報を取得および表示するために、医療診断サポートシステム200を用いてよく、それによって、医療診断エンティティ124が、診断要求エンティティ103の同じ食品関連状況への曝露の可能性を考慮に入れて、所与の診断要求エンティティ103の病状の診断を提供することを可能にする。
【0172】
上述の第2の例を継続すると、特定の近隣地域「Y」クラスタの一部である所与の診断要求エンティティ103が、医療診断エンティティ124からの診断を要求し得る。医療診断エンティティ124は、特定の関連性閾値を満たす近隣地域「Y」クラスタの一部である患者に与えられた過去の診断、たとえば診断要求エンティティ103の近隣住民に2日前に与えられた接触感染症の診断を含む、所与の診断要求エンティティ103に関する診断サポート情報を取得および表示するために、医療診断サポートシステム200を用いてよく、それによって、医療診断エンティティ124が、接触感染症への感染の可能性を考慮に入れて、所与の診断要求エンティティ103の病状の診断を提供することを可能にする。
【0173】
上述の第3の例を継続すると、特定の接触「Z」クラスタの一部である所与の診断要求エンティティ103が、医療診断エンティティ124からの診断を要求し得る。医療診断エンティティ124は、特定の関連性閾値を満たす接触「Z」クラスタの一部である患者に与えられた過去診断、たとえば直近3日間のどこかの時点で診断要求エンティティ103から5メートルの物理的近接にいた人物に本日与えられた接触感染症の診断を含む、所与の診断要求エンティティ103に関する診断サポート情報を取得および表示するために、医療診断サポートシステム200を用いてよく、それによって、医療診断エンティティ124が、接触感染症への感染の可能性を考慮に入れて、所与の診断要求エンティティ103の病状の診断を提供することを可能にする。
【0174】
診断サポート情報が、環境条件を示す残留情報を含む他の例として、喘息であることが分かっている所与の診断要求エンティティ103が、呼吸困難に苛まれることにより診断を求めている。これは、所与の診断要求エンティティ103が、所与の診断要求エンティティ103が診断を求めている時点で高い大気汚染レベルを有することが知られている地理的エリアに位置する場合に当てはまり得る。所与の診断要求エンティティ103の所在地における大気汚染に精通していない医療診断エンティティ124は、所与の診断要求エンティティ103が呼吸困難を有する理由が、その場所の高い大気汚染レベルであることを識別することができない可能性があるため、誤った診断を提供し得る。所与の診断要求エンティティ103の所在地における環境条件を示す残留情報を含む診断サポート情報を有することで、医療診断エンティティ124は、正確な診断を提供することが可能である。
【0175】
医療診断サポートシステム200は更に、特定の診断要求エンティティ103からの追加の医療データを取得するために1または複数の追加の医療検査が行われることを決定してよい。追加の医療検査は、医療情報に基づいて、かつ診断サポート情報に基づいて決定される。たとえば、所与の診断要求エンティティ103のクラスタにおけるインフルエンザの関連過去診断を含む診断サポート情報に基づいて、医療診断サポートシステム200は、医療診断エンティティ124に、提案された体温の追加医療検査を表示してよい(診断要求エンティティ103に体温検査が行われていないことを前提とする)。他の例として、追加の医療検査は、環境条件を示す残留情報に基づいて決定され得るので、医療診断エンティティ124は、所与の診断要求エンティティ103の所在地における高い大気汚染レベルを認知している場合、医療診断エンティティ124が正確な診断を提供することを可能にするために、所与の診断要求エンティティ103に肺振動検査を行うように指示し得る。
【0176】
追加の医療検査がディスプレイに表示され得ることにより、医療診断エンティティ124は、行うべき追加の医療検査を診断要求エンティティ103に推奨することが可能である。
【0177】
任意選択的に、追加の医療検査は、診断要求エンティティ103の医療データ取得デバイス104において自動的に更新されてよく、それによって、診断要求エンティティ103が、医療データ取得デバイス104を用いて、すなわち追加の医療検査の遂行に適したように医療データ取得デバイス104を手動で設定する必要なく、追加の医療検査を行うことを可能にする。追加または代替として、追加の医療検査は、診断要求エンティティ103に関連付けられた(患者および検診計画レポジトリ136に格納された)検診計画に取り入れられてよく、それによって、医療データ取得デバイス104は、次に診断要求エンティティ103から医療データを収集するために用いられる時、追加の医療検査も行う。上述の例を継続すると、必要な体温検査は、任意選択的に、患者103の医療データ取得デバイス104において自動的に更新されてよく、それによって、患者103が、医療データ取得デバイス104で自身の体温を検査することを可能にし、または、これは任意選択的に、患者および検診計画レポジトリ136に格納された、診断要求エンティティ103に関連付けられた検診計画に追加されてよく、それによって、医療データ取得デバイス104は、次に診断要求エンティティ103からの医療データを収集するために用いられる時、追加の医療検査も行う。
【0178】
医療診断サポートシステム200は更に、たとえば医療従事者ワークステーション122を介して、医療診断エンティティ124から、医療診断エンティティ124によって提供された所与の診断要求エンティティ103の病状の診断を受信し、たとえば患者ワークステーション114を介して、所与の診断要求エンティティ103へ診断を送信してよい。
【0179】
医療診断サポートシステム200は更に、診断要求エンティティ103の待ち行列、たとえば、医療従事者所在地120で物理的に待機することによって、または本明細書に示すように遠隔であってよい医療従事者ワークステーション122へ診断要求を送信することによって、医療診断エンティティ124からの診断を受けるために待機している診断要求エンティティ103の待ち行列を処理するように構成され得る。この処理は、診断サポート情報に基づく。したがって、たとえば、第1の診断要求エンティティ103より前に第2の診断要求エンティティ103が待ち行列に入った場合でも、第1の疾患の第1の過去の診断を有する第1の共通クラスタに関連付けられた第1の診断要求エンティティ103は、第1の疾患の緊急レベルよりも低い緊急レベルを有すると事前定義された第2の疾患の第2の過去診断を有する第2の共通クラスタに関連付けられた第2の診断要求エンティティ103より先になる。他の例として、第1の大気汚染レベルを有するエリアに位置する第1の喘息診断要求エンティティ103は、第1の大気汚染レベルよりも低い大気汚染レベルを有するエリアに位置する第2の喘息診断要求エンティティ103より先になる。
【0180】
クラスタに関する特定の例において、低い緊急レベルを有する疾患(たとえば一般的なインフルエンザ)の過去診断を有する特定クラスタに関連付けられた第1の診断要求エンティティ103、および高い緊急レベルを有する疾患(たとえばエボラ出血熱)の過去診断を有する特定クラスタに関連付けられた第2の診断要求エンティティ103が、所与の医療診断エンティティ124からの診断を受けるために待機している場合、医療診断サポートシステム200は、所与の医療診断エンティティ124からの診断を受けるための待ち行列において、第2の診断要求エンティティ103が第1の診断要求エンティティ103より先であることを確実にし得る。
【0181】
クラスタに関する他の例において、感染性疾患の関連過去診断を有する特定クラスタに関連付けられた診断要求エンティティ103は、非感染性疾患の関連過去診断を有する特定クラスタに関連付けられた診断要求エンティティ103より先である。
【0182】
加えて、所与の診断要求エンティティ103に関する診断サポート情報を取得した後、検診計画決定システム500は、所与の診断要求エンティティ103の共通クラスタ内で発見された過去診断に含まれる症状に関する医療検査を含む検診計画を決定してよい。加えて、検診計画決定システム500は、他の患者103に与えられた特定の病状の診断に応答して、更新された検診計画を決定してよい。更新された検診計画は、特に
図5において本明細書で詳述するように、その病状への潜在的感染を検査するために、共通クラスタに含まれた全ての未診断患者103に与えられる。
【0183】
加えて、他の患者103に与えられた特定の病状の診断に応答して、医療通知サポートシステム600は、特に
図6において本明細書で詳述するように、所与の診断要求エンティティ103の共通クラスタに含まれた全ての未診断患者103に、その病状への潜在的感染を通知してよい。
【0184】
ここで、本開示の主題に係る、医療診断サポートシステム、患者ワークステーション、医療データ取得デバイス、および医療従事者ワークステーション、およびそれらの間の様々な接続の一例を概略的に示すブロック図を示す
図3に注目する。
【0185】
医療診断サポートシステム200は、本明細書で更に詳述するように、特に医療記録、診断、医療検査などを含むデータを格納するように構成された医療診断サポートシステムデータレポジトリ320(たとえばデータベース、ストレージシステム、読取専用メモリ(ROM)、ランダムアクセスメモリ(RAM)、または他の任意の種類のメモリを含むメモリなど)を備え、またはそれと関連付けられ得る。場合によっては、医療診断サポートシステムデータレポジトリ320は更に、格納されたデータの検索および/または更新および/または削除を可能にするように構成され得る。留意すべき点として、場合によっては、医療診断サポートシステムデータレポジトリ320は、分散され得る。
【0186】
医療診断サポートシステム200は更に、情報を表示(たとえば医療診断エンティティ124に診断サポート情報を表示)することが可能な医療診断サポートシステムディスプレイ310(たとえばコンピュータモニタまたは他の任意の種類のスクリーンまたはディスプレイ)を含んでよい。留意すべき点として、医療診断サポートシステム200が医療従事者ワークステーション122に組み込まれる場合、医療診断サポートシステムディスプレイ310は、医療従事者ワークステーション122のディスプレイであってよい。
【0187】
医療診断サポートシステム200は更に、キーボードまたは他の任意の適当な入力/出力デバイスを含んでよい。
【0188】
医療診断サポートシステム200は更に、医療診断サポートシステムプロセッサ300を含む。医療診断サポートシステムプロセッサ300は、1または複数の処理ユニット(たとえば中央処理ユニット)、マイクロプロセッサ、マイクロコントローラ(たとえばマイクロコントローラユニット(MCU))、または、関連医療診断サポートシステム200リソースを制御するため、および医療診断サポートシステム200リソースに関連する動作を可能にするために独立して、または協働してデータを処理するように適合された、多重および/または並列および/または分散型処理ユニットを含む他の任意のコンピューティングデバイスまたはモジュールであってよい。
【0189】
医療診断サポートシステムプロセッサ300は、診断サポート情報管理モジュール330および患者待ち行列管理モジュール340の1または複数を備えてよい。
【0190】
診断サポート情報管理モジュール330は、所与の診断要求エンティティ103に関連付けられた医療情報を取得し、所与の診断要求エンティティ103に関する診断サポート情報を取得するプロセスを管理するように構成され得る。診断サポート情報管理モジュール330は更に、医療診断サポートシステムディスプレイ310に医療情報および診断サポート情報を表示するように構成され得る。特に
図8、
図12、および
図13を参照して更に詳述するように、医療診断サポートシステムディスプレイ310へのそのようなデータの表示は、医療診断エンティティ124が、所与の診断要求エンティティ103の病状の診断を提供することを可能にし得る。
【0191】
診断サポート情報管理モジュール330は更に、所与の診断要求エンティティ103からの追加の医療データを取得するために、診断要求エンティティ103が診断要求エンティティ103の現在の検診計画に含まれた医療訪問および/または検査を提示する前に行われた任意の検査に加えて行われる1または複数の追加の医療検査を決定し、医療診断サポートシステムディスプレイ310に医療検査を表示するプロセスを管理するように構成され得る。特に
図8を参照して更に詳述するように、医療診断サポートシステムディスプレイ310へのそのようなデータの表示は、医療診断エンティティ124が、所与の診断要求エンティティ103に追加の検診を推奨することを可能にし得る。
【0192】
診断サポート情報管理モジュール330は、また更に、特に
図8を参照して更に詳述するように、たとえば医療従事者ワークステーション122を介して、医療診断エンティティ124から、医療診断エンティティ124によって提供された所与の診断要求エンティティ103の病状の診断を受信し、たとえば患者ワークステーション114または医療データ取得デバイス104を介して、所与の診断要求エンティティ103へ診断を送信するプロセスを管理するように構成され得る。
【0193】
一般に医療において、特に遠隔医療において、医療診断エンティティ124が、診断を待機する診断要求エンティティ103の待ち行列を有する様々なシナリオが存在するので、緊急レベルに基づいて診断要求エンティティ103の待ち行列を処理すること、すなわち、急患が定期検診よりも早くなることが有益である。患者待ち行列管理モジュール340は、特に
図9を参照して更に詳述するように、第2の診断要求エンティティ103が第1の診断要求エンティティ103よりも前に待ち行列に入った場合でも、第1の疾患の第1の過去診断を有する第1の共通クラスタに関連付けられている第1の診断要求エンティティ103が、第1の疾患の緊急レベルよりも低い緊急レベルを有すると事前定義された第2の疾患の第2の過去診断を有する第2の共通クラスタに関連付けられている第2の診断要求エンティティ103より先になるように、診断要求エンティティ103の待ち行列を処理するプロセスを管理するように構成され得る。追加または代替として、患者待ち行列管理モジュール340は、第1の大気汚染レベルを有するエリアに位置する第1の喘息診断要求エンティティ103が、第1の大気汚染レベルよりも低い大気汚染レベルを有するエリアに位置する第2の喘息診断要求エンティティ103よりも先になるように、診断要求エンティティ103の待ち行列を処理するプロセスを管理するように構成され得る。
【0194】
ここで、本開示の主題に係る、医療記録管理システムおよび医療診断サポートシステム、およびそれらの間の様々な接続の一例を概略的に示すブロック図を示す
図4に注目する。
【0195】
医療記録管理システム210は、本明細書で更に詳述するように、特に医療記録、患者の属性、医療記録のクラスタなどを含むデータを格納するように構成された医療記録管理システムデータレポジトリ440(たとえばデータベース、ストレージシステム、読取専用メモリ(ROM)、ランダムアクセスメモリ(RAM)、または他の任意の種類のメモリを含むメモリなど)を備えてよく、またはそれと関連付けられ得る。場合によっては、医療記録管理システムデータレポジトリ440は更に、格納されたデータの検索および/または更新および/または削除を可能にするように構成され得る。留意すべき点として、場合によっては、医療記録管理システムデータレポジトリ440は分散され得る。
【0196】
医療記録管理システムデータレポジトリ440は、複数の医療記録を保持してよく、各医療記録は、対応する患者103に関連付けられる。各医療記録は、対応する患者103を一意的に識別する患者識別情報(たとえば患者識別番号、たとえば指紋、DNA、虹彩認証などの患者の生体識別子など)を備える。加えて、各医療記録は、対応する患者103の患者属性(たとえば患者氏名、年齢、年齢層、住所、職種、職場、位置情報、薬剤感受性、医療データを取得するために用いられた医療データ取得デバイス104の識別子など)を備える。加えて、医療記録の少なくとも一部は更に、たとえば過去の現実(すなわち対面)または仮想の患者訪問中に対応する患者103の医療従事者124によって対応する患者103に以前提供された1または複数の過去診断を含む。
【0197】
医療記録管理システム210は更に、情報を表示する(たとえば医療診断エンティティ124に診断サポート情報を表示する)ことが可能な医療記録管理システムディスプレイ430(たとえばコンピュータモニタまたは他の任意の種類のスクリーンまたはディスプレイ)を含んでよい。留意すべき点として、医療記録管理システム210が医療従事者ワークステーション122に組み込まれる場合、医療記録管理システムディスプレイ430は、医療従事者ワークステーション122のディスプレイであってよい。
【0198】
医療記録管理システム210は更に、キーボードまたは他の任意の適当な入力/出力デバイスを含んでよい。
【0199】
医療記録管理システム210は更に、医療記録管理システムプロセッサ400を含む。医療記録管理システムプロセッサ400は、1または複数の処理ユニット(たとえば中央処理ユニット)、マイクロプロセッサ、マイクロコントローラ(たとえばマイクロコントローラユニット(MCU))、または、関連する医療記録管理システム210リソースを制御するため、および医療記録管理システム210リソースに関連する動作を可能にするために独立して、または協働してデータを処理するように適合された多重および/または並列および/または分散型処理ユニットを含む、他の任意のコンピューティングデバイスまたはモジュールであってよい。
【0200】
医療記録管理システムプロセッサ400は、共通クラスタ管理モジュール410および診断サポート管理モジュール420の1または複数を備えてよい。
【0201】
共通クラスタ管理モジュール410は、患者属性に基づいて、医療記録をグループにクラスタ化するプロセスを管理するように構成され得る。少なくとも1つの属性値を共有する医療記録は、同じクラスタにグループ分けされる。ここで、特に
図7を参照して更に詳述するように、2つ以上の医療記録の属性値の値が共通条件(たとえば値の同等性、値の物理的近接性、既定のグループの一部である値など)を満たす場合、属性値は、医療記録管理システム210によって共有属性値であると決定される。
【0202】
診断サポート管理モジュール420は、
(1)医療診断サポートシステム200から、所与の診断要求エンティティ103の識別情報を含む診断サポート情報要求を受信すること、
(2)患者関連クラスタ、すなわち所与の診断要求エンティティ103の医療記録に関連付けられたクラスタの過去診断の情報を備える診断サポート情報を生成すること、および
(3)特に
図7を参照して更に詳述するように、診断サポート情報、すなわち患者関連クラスタからの過去診断を備える診断サポート情報応答を、医療診断サポートシステム200に送信すること
というプロセスを管理するように構成され得る。
【0203】
ここで、本開示の主題に係る、検診計画決定システム、医療データ取得デバイス、および医療診断サポートシステム、およびそれらの間の様々な接続の一例を概略的に示すブロック図を示す
図5に注目する。
【0204】
環境20は、各々が、診断要求エンティティ103に行われる1または複数の医療検査を決定することが可能な1または複数の検診計画決定システム500を含んでよい。
【0205】
場合によっては、検診計画決定システム500は、医療従事者所在地120に位置し得る。そのような場合、医療記録管理システム210は、医療従事者ワークステーション122に組み込まれてよく、または医療従事者所在地120におけるローカルネットワークを介して通信状態であるスタンドアロンシステムとして動作してよい。他の例において、検診計画決定システム500は、中央システム130の一部であってよく、または中央システム130所在地または他の場所に位置する個別のシステムであってよい。そのような場合、検診計画決定システム500は、通信ネットワーク116を介して、医療診断サポートシステム200および/または医療記録管理システム210および/または患者ワークステーション114および/または医療従事者ワークステーション122および/または医療データ取得デバイス104と通信してよい。
【0206】
検診計画決定システム500は、少なくとも診断サポート情報に基づいて、(たとえば患者ワークステーション114または医療従事者ワークステーション122を介した)診断要求エンティティ103の所与の診断要求の結果として、検診計画を決定してよい。診断サポート情報は、検診計画決定システム500自体によって取得されてよく、または、医療診断サポートシステム200および/または医療記録管理システム210から取得され得る。診断サポート情報は、診断要求エンティティ103と少なくとも1つの共通クラスタを共有する以前診断された患者に提供された1または複数の特定の病状の過去診断の情報を含んでよい。本明細書で示すような共通クラスタは、共通条件(たとえば属性値の同等性、地理的属性の値の物理的近接性など)を満たす値を有する、以前診断された患者および所与の診断要求エンティティ103の少なくとも1つの共有患者属性に基づいて生成される。たとえば、所与の患者103の診断要求に応答して、検診計画は、所与の患者103のために、所与の患者の過去診断共通クラスタに基づいて決定される。決定された検診計画は、過去診断を特徴付ける条件を識別するために結果が用いられ得る医療検査を含んでよい。
【0207】
任意選択的に、検診計画決定プロセスは、他の患者103に与えられた診断に応答して開始されてよく、そのような診断は、患者103の共通クラスタ内の他の全ての患者への更新された検診計画を決定することを必要とする。たとえば、所与の患者103が接触感染症と診断されたことに応答して、所与の患者の共通クラスタにおける他の全ての患者103のために検診計画が決定される。決定された検診計画は、診断された接触感染症を特徴付ける条件を識別するために結果が用いられ得る医療検査を含む。
【0208】
任意選択的に、決定された検診計画は、所与の患者の医療データ取得デバイス104にアップロードされてよく、それによって、医療データ取得デバイス104は、検診計画を実行するための指示を所与の患者に提供することが可能である。
【0209】
検診計画決定システム500は、本明細書で更に詳述するように、特に検診計画、診断要求、診断サポート情報、過去診断などを含むデータを格納するように構成された検診計画決定システムデータレポジトリ540(たとえばデータベース、ストレージシステム、読取専用メモリ(ROM)、ランダムアクセスメモリ(RAM)、または他の任意の種類のメモリを含むメモリなど)を備えてよく、またはそれと関連付けられ得る。場合によっては、検診計画決定システムデータレポジトリ540は更に、格納されたデータの検索および/または更新および/または削除を可能にするように構成され得る。留意すべき点として、場合によっては、検診計画決定システムデータレポジトリ540は、分散され得る。
【0210】
検診計画決定システム500は更に、情報を表示する(たとえば医療診断エンティティ124に診断サポート情報を表示する)ことが可能な検診計画決定システムディスプレイ530(たとえばコンピュータモニタまたは他の任意の種類のスクリーンまたはディスプレイ)を含んでよい。留意すべき点として、検診計画決定システム500が医療従事者ワークステーション122に組み込まれる場合、検診計画決定システムディスプレイ530は、医療従事者ワークステーション122のディスプレイであってよい。
【0211】
検診計画決定システム500は更に、キーボードまたは他の任意の適当な入力/出力デバイスを含んでよい。
【0212】
検診計画決定システム500は更に、検診計画決定システムプロセッサ510を含む。検診計画決定システムプロセッサ510は、1または複数の処理ユニット(たとえば中央処理ユニット)、マイクロプロセッサ、マイクロコントローラ(たとえばマイクロコントローラユニット(MCU))、または、関連する検診計画決定システム500リソースを制御するため、および検診計画決定システム500リソースに関連する動作を可能にするために独立して、または協働してデータを処理するように適合された多重および/または並列および/または分散型処理ユニットを含む他の任意のコンピューティングデバイスまたはモジュールであってよい。
【0213】
検診計画決定システムプロセッサ510は、検診計画決定モジュール520を備えてよい。
【0214】
検診計画決定モジュール520は、特に
図10を参照して更に詳述するように、検診計画決定のプロセスを管理するように構成され得る。
【0215】
ここで、本開示の主題に係る、医療通知サポートシステムおよび医療データ取得デバイス、およびそれらの間の様々な接続の一例を概略的に示すブロック図を示す
図6に注目する。
【0216】
環境20は更に、1または複数の医療通知サポートシステム600を含んでよい。
【0217】
場合によっては、医療通知サポートシステム600は、医療従事者所在地120に位置し得る。そのような場合、医療記録管理システム210は、医療従事者ワークステーション122に組み込まれてよく、または、医療従事者所在地120におけるローカルネットワークを介して通信状態にあるスタンドアロンシステムとして動作してよい。他の例において、医療通知サポートシステム600は、中央システム130の一部であってよく、または、中央システム130所在地または他の場所に位置する個別のシステムであってよい。そのような場合、医療通知サポートシステム600は、通信ネットワーク116を介して、医療診断サポートシステム200および/または医療記録管理システム210および/または患者ワークステーション114および/または医療従事者ワークステーション122および/または医療データ取得デバイス104と通信してよい。
【0218】
各医療通知サポートシステム600は、通知サポート情報を取得してよい。通知サポート情報は、医療通知サポートシステム600自体によって自動的に決定されてよく、または、医療診断サポートシステム200および/または医療記録管理システム210から取得され得る。通知サポート情報は、以前診断された患者103に提供された1または複数の特定の病状の少なくとも1つの過去診断を含み、以前診断された患者103および1または複数の未診断患者103は、共通条件(たとえば属性値の同等性、地理的属性の値の物理的近接性など)を満たす値を有する、以前診断された患者103の医療記録および未診断患者103の医療記録の少なくとも1つの共有患者属性に基づいて生成された少なくとも1つの共通クラスタの一部であり、未診断患者103を識別する患者識別情報を取得する。
【0219】
医療通知サポートシステム600は、本明細書で更に詳述するように、特に通知サポート情報などを含むデータを格納するように構成された医療通知サポートシステムデータレポジトリ640(たとえばデータベース、ストレージシステム、読取専用メモリ(ROM)、ランダムアクセスメモリ(RAM)、または他の任意の種類のメモリを含むメモリなど)を備えてよく、またはそれと関連付けられ得る。場合によっては、医療通知サポートシステムデータレポジトリ640は更に、格納されたデータの検索および/または更新および/または削除を可能にするように構成され得る。留意すべき点として、場合によっては、医療通知サポートシステムデータレポジトリ640は、分散され得る。
【0220】
医療通知サポートシステム600は更に、情報を表示する(たとえば医療診断エンティティ124に診断サポート情報を表示する)ことが可能な医療通知サポートシステムディスプレイ630(たとえばコンピュータモニタまたは他の任意の種類のスクリーンまたはディスプレイ)を含んでよい。留意すべき点として、医療通知サポートシステム600が医療従事者ワークステーション122に組み込まれる場合、医療通知サポートシステムディスプレイ630は、医療従事者ワークステーション122のディスプレイであってよい。
【0221】
医療通知サポートシステム600は更に、キーボードまたは他の任意の適当な入力/出力デバイスを含んでよい。
【0222】
医療通知サポートシステム600は更に、通知サポート情報および患者識別情報をディスプレイに表示してよく、それによって、医療診断エンティティ124が、過去診断に含まれる病状への潜在的感染を未診断患者103に通知することを可能にする。任意選択的に、通知サポート情報は、医療診断エンティティ124の関与を伴わず、医療通知サポートシステム600によって未診断患者103の患者ワークステーション114および/または医療データ取得デバイス104に自動的にアップロードされ、未診断患者103に、病状への潜在的感染を通知し得る。
【0223】
医療通知サポートシステム600は更に、医療通知サポートシステムプロセッサ610を含む。医療通知サポートシステムプロセッサ610は、1または複数の処理ユニット(たとえば中央処理ユニット)、マイクロプロセッサ、マイクロコントローラ(たとえばマイクロコントローラユニット(MCU))、または、関連する医療通知サポートシステム600リソースを制御するため、および医療通知サポートシステム600リソースに関連する動作を可能にするために独立して、または協働してデータを処理するように適合された多重および/または並列および/または分散型処理ユニットを含む他の任意のコンピューティングデバイスまたはモジュールであってよい。
【0224】
医療通知サポートシステムプロセッサ610は、通知決定モジュール620を備えてよい。
【0225】
通知決定モジュール620は、特に
図11を参照して更に詳述するように、通知決定のプロセスを管理するように構成され得る。
【0226】
環境20およびその構成要素を説明した上で、本開示の主題に係る、クラスタベースの診断サポートを提供するために医療記録管理システムによって実行される一連の動作の一例を示すフローチャートを示す
図7に注目する。
【0227】
本開示の主題のいくつかの例によると、医療記録管理システム210は、共通クラスタ管理モジュール410および診断サポート管理モジュール420を用いて、診断サポート情報管理プロセス700を実行するように構成され得る。
【0228】
この目的のために、医療記録管理システム210は、各々が対応する患者103に関連付けられた複数の医療記録を提供するように構成されてよく、各医療記録は、患者識別情報および少なくとも1つの患者属性を備え、医療記録の1または複数は、対応する患者103に以前提供された1または複数の過去診断を含む。任意選択的に、診断サポート情報は、特定の閾値を超過する所与の診断要求エンティティ103との計算された関連可能性を有する過去診断のみを含んでよく、たとえば、最近の時間フレーム内で与えられた過去診断のみが、診断サポート情報に含まれる。加えて、診断サポート情報は、診断要求エンティティ103に関連付けられた共通クラスタをクラスタ化する理由となった共有属性値を含んでよい(ブロック710)。
【0229】
医療記録を提供した後、医療記録管理システム210は更に、患者属性に基づいて、1または複数のクラスタを生成するように構成されてよく、各クラスタは、各々が共通条件(たとえば値の同等性、値の物理的近接性、既定のグループの一部である値など)を満たす値を有する少なくとも1つの共有患者属性を有する少なくとも2つの医療記録に関連付けられる。たとえば、職場患者属性に関する同一値に基づいて、同じ職場「X」で勤務している人物の医療記録を保持する職場「X」クラスタが生成され得る。他の例において、医療記録管理システム210は、近隣地域「Y」の地理的境界を定める特定の地理的エリア内であるアドレス値を有する医療記録を保持する近隣地域「Y」クラスタを生成してよい。他の例は、物理的近接条件に基づいてよく、医療記録管理システム210は、所与の時間フレーム(たとえば直近3日間)中に互いに物理的に(たとえば互いに5メートル未満の位置に)近接したことのある全ての患者103の医療記録を保持する接触「Z」クラスタを生成してよい(ブロック720)。
【0230】
ブロック710および720と並行して、医療記録管理システム210は更に、所与の患者103の識別情報を含む診断サポート情報要求を受信するように構成され得る(ブロック730)。
【0231】
診断サポート情報要求を受信した後、医療記録管理システム210は更に、所与の患者103の識別情報を用いて、各々が所与の患者103の医療記録に関連付けられたクラスタの1または複数の患者関連クラスタを識別するように構成されてよく、所与の患者103の医療記録以外の各患者関連クラスタの医療記録の少なくとも1つは、過去診断の1または複数を含む(ブロック740)。
【0232】
患者関連クラスタを識別した後、医療記録管理システム210は更に、患者関連クラスタの過去診断、任意選択的に関連する過去診断のみを含む診断サポート情報応答を送信するように構成され得る(ブロック750)。
【0233】
留意すべき点として、
図7に関して、ブロックのいくつかは連結ブロックに統合されてよく、またはいくつかのブロックに分解されてよく、および/または他のブロックが追加されてよい。また、場合によっては、ブロックは、本明細書で説明する順序とは異なる順序で行われてよい(たとえば、ブロック730がブロック720より前に行われてよい、など)。さらに留意すべき点として、ブロックのいくつかは任意選択的である。また留意すべき点として、このフロー図はそれらを実現するシステム要素も参照して説明されるが、これは決して義務的ではなく、ブロックは、本明細書で説明するもの以外の要素によって行われてよい。
【0234】
ここで、本開示の主題に係る、クラスタベースの診断サポートを提供するために医療診断サポートシステムによって実行される一連の動作の一例を示すフローチャートを示す
図8に注目する。
【0235】
本開示の主題のいくつかの例によると、医療診断サポートシステム200は、診断サポート情報管理モジュール330を用いて、診断サポート情報管理プロセス800を実行するように構成され得る。
【0236】
この目的のために、医療診断サポートシステム200は、所与の診断要求エンティティ103に関連付けられた医療情報を取得するように構成され得る。医療情報は、医療診断エンティティ124および/または診断要求エンティティ103から取得され得る。医療診断サポートシステム200は更に、所与の診断要求エンティティ103に関する診断サポート情報を取得するように構成され得る。診断サポート情報は、医療診断サポートシステム200自体によって、たとえば医療診断サポートシステムデータレポジトリ320に格納された診断要求エンティティ103の医療記録のクラスタ化に基づいて診断サポート情報を決定することによって取得され得る。医療診断サポートシステム200は、患者属性に基づいて、医療記録をグループにクラスタ化してよい。属性値を共有する医療記録は、同じクラスタにグループ分けされる。ここで、2つ以上の医療記録の属性値の値が共通条件(たとえば値の同等性、値の物理的近接性、既定のグループの一部である値など)を満たす場合、属性値は、医療診断サポートシステム200によって、共有属性値であると決定される。診断サポート情報は、特に
図4で上述したように、任意選択的に、医療記録管理システム210から医療診断サポートシステム200によって取得され得る。
【0237】
診断サポート情報は、以前診断された患者に提供された少なくとも1つの過去診断を含み、
図2に関して上述したように、以前診断された患者および所与の診断要求エンティティ103は、少なくとも1つの共通クラスタの一部である。任意選択的に、診断サポート情報は、特定の閾値を超過する所与の診断要求エンティティ103との計算された関連可能性を有する過去診断のみを含んでよく、たとえば、最近の時間フレーム内で与えられた過去診断のみが診断サポート情報に含まれる。たとえば、直近5日間に以前診断された患者に提供された過去診断のみが、診断サポート情報に含まれる。加えて、時間フレームは、過去診断において診断された特定の病状に依存して計算されてよく、たとえば、持続的影響を有する疾患の過去診断は、一時的影響を有する疾患よりも長い時間フレームを有する。たとえば、HIVの過去診断は、長い関連性時間フレーム(任意選択的に無限時間フレーム)を有するが、インフルエンザの過去診断は、短い関連性時間フレーム(たとえば1週間)を有する。
【0238】
加えて、診断サポート情報は、所与の診断要求エンティティ103に関連付けられた共通クラスタをクラスタ化する理由となった共有患者属性値を含んでよい。共有患者属性は、所与の診断要求エンティティ103に関する対応する値を有する、氏名、住所、職場所在地、(たとえば診断要求エンティティ103のスマートフォンのGPSから取得された)位置情報を含んでよい。共有患者属性値は、たとえば、職場属性に関する職場「X」の値であってよく、したがって診断サポート情報は、職場「X」クラスタのメンバに与えられた過去診断に加えて、職場属性に関する「X」の値も含む(ブロック810)。
【0239】
医療情報および診断サポート情報を取得した後、医療診断サポートシステム200は更に、医療診断サポートシステムディスプレイ310(たとえばコンピュータモニタまたは他の任意の種類のスクリーンまたはディスプレイ)に医療情報および診断サポート情報を表示するように構成され得る。留意すべき点として、医療診断サポートシステム200が医療従事者ワークステーション122に組み込まれる場合、医療情報および診断サポート情報は、医療従事者ワークステーション122のディスプレイに表示される。医療情報および診断サポート情報の表示は、医療診断エンティティ124が、医療情報および診断サポート情報に基づいて所与の診断要求エンティティ103の病状の診断を提供することを可能にする(ブロック820)。
【0240】
医療診断サポートシステム200は更に、たとえば医療従事者ワークステーション122を介して、医療診断エンティティ124によって提供された所与の診断要求エンティティ103の病状の診断を受信するように構成され得る(ブロック830)。
【0241】
所与の診断要求エンティティ103の病状の診断を受信した後、医療診断サポートシステム200は更に、たとえば患者ワークステーション114または医療データ取得デバイス104を介して、または他の任意の方法で、所与の診断要求エンティティ103へ診断を送信するように構成され得る(ブロック840)。
【0242】
ブロック820への追加または代替として、医療情報および診断サポート情報を取得した後、医療診断サポートシステム200は、特定の診断要求エンティティ103から追加の医療データを取得するために行われる1または複数の追加の医療検査を決定するように構成され得る。追加の医療検査は、医療情報および診断サポート情報に基づいて決定される。たとえば、所与の診断要求エンティティ103のクラスタ内の特定の接触感染症の1または複数の過去診断を含む診断サポート情報に基づいて、医療診断サポートシステム200は、そのような接触感染症の診断に関連する、提案された追加の検査のセットを決定してよい(ブロック850)。
【0243】
追加の医療検査を決定した後、医療診断サポートシステム200は更に、医療診断サポートシステムディスプレイ310(たとえばコンピュータモニタまたは他の任意の種類のスクリーンまたはディスプレイ)に追加の医療検査を表示するように構成され得る。留意すべき点として、医療診断サポートシステム200が医療従事者ワークステーション122に組み込まれる場合、追加の医療検査は、医療従事者ワークステーション122に表示される。これにより追加の医療検査を表示することによって、医療診断エンティティ124は、診断要求エンティティ103に行われるべき追加の医療検査を推奨することが可能であってよく、たとえば、提案される追加の検査のリストが医療診断エンティティ124に表示され、医療診断エンティティ124は、追加の検査の1または複数を行うように診断要求エンティティ103に指示/推奨するかを決定してよい。たとえば、所与の診断要求エンティティ103のクラスタ内の特定の接触感染症のいくつかの過去診断を含む診断サポート情報に基づいて、医療診断サポートシステム200は、医療診断エンティティ124に対し、医療従事者ワークステーション122のディスプレイに、接触感染症の診断に関連する、提案される追加の検査のセットを表示してよい。医療診断エンティティ124は、これらの追加の検査の1または複数を行うように診断要求エンティティ103に指示/推奨するかを決定してよい。
【0244】
任意選択的に、必要な追加の医療検査の情報は、診断要求エンティティ103の医療データ取得デバイス104に自動的に送信されてよく、それによって、医療データ取得デバイス104を用いて、すなわち追加の医療検査の遂行に適したように医療データ取得デバイス104を手動で設定する必要なく、追加の医療検査を行うように診断要求エンティティ103に指示することを可能にする。
【0245】
あるいは、追加の医療検査は、診断要求エンティティ103に関連付けられた(患者および検診計画レポジトリ136に格納された)検診計画に導入され得るので、医療データ取得デバイス104は、次に診断要求エンティティ103から医療データを収集するために用いられる時、追加の医療検査も行う。
【0246】
上述の例を継続すると、接触感染症を診断するために医療診断エンティティ124によって選択された追加の医療検査は、診断要求エンティティ103の医療データ取得デバイス104に自動的に送信されてよく、それによって、診断要求エンティティ103に、医療データ取得デバイス104を用いて追加の医療検査を遂行するように指示することを可能にする。追加または代替として、追加の医療検査は、患者および検診計画レポジトリ136に格納された、診断要求エンティティ103に関連付けられた検診計画に追加され得る。そのような場合、医療データ取得デバイス104は、次に診断要求エンティティ103から医療データを収集するために用いられる時、追加の医療検査(複数も可)も行う(ブロック860)。
【0247】
留意すべき点として、
図8に関して、ブロックのいくつかは連結ブロックに統合されてよく、またはいくつかのブロックに分解されてよく、および/または他のブロックが追加されてよい。また、場合によっては、ブロックは、本明細書で説明されるものと異なる順序で行われてよい(たとえば、ブロック850がブロック820より前に行われてよい、など)。更に留意すべき点として、ブロックのいくつかは任意選択的である。また留意すべき点として、このフロー図はそれらを実現するシステム要素も参照して説明されるが、これは決して義務的ではなく、ブロックは、本明細書で説明するもの以外の要素によって行われてよい。
【0248】
図9を参照すると、本開示の主題に係る、診断要求エンティティの待ち行列を処理するために医療診断サポートシステムによって実行される一連の動作の一例を示すフローチャートが提供される。
【0249】
本開示の主題のいくつかの例によると、医療診断サポートシステム200は、患者待ち行列管理モジュール340を用いて、患者待ち行列管理プロセス900を実行するように構成され得る。
【0250】
一般に医療において、特に遠隔医療において、医療診断エンティティ124が、医療従事者所在地において物理的に待機することによって、または医療従事者ワークステーション122へ診断要求を送信することによって診断を待機している診断要求エンティティ103の待ち行列を有する、数々のシナリオが存在する。したがって、緊急レベルに基づいて、すなわち急患が定期検診よりも迅速に処理されるように、診断要求エンティティ103の待ち行列を処理することが有益である。
【0251】
この目的のために、医療診断サポートシステム200は、診断を待機している待ち行列内の各診断要求エンティティ103に関連付けられた医療情報を取得するように構成され得る。医療情報は、医療診断エンティティ124および/または診断要求エンティティ103から取得され得る。医療診断サポートシステム200は更に、所与の診断要求エンティティ103に関する診断サポート情報を取得するように構成され得る。診断サポート情報は、医療診断サポートシステム200自体によって、たとえば医療診断サポートシステムデータレポジトリ320に格納された医療記録に基づいて診断サポート情報を計算することによって取得され得る。診断サポート情報は、特に
図8のブロック810で全て上述したように、任意選択的に、医療記録管理システム210から取得され得る(ブロック910)。
【0252】
診断を待機している診断要求エンティティ103の待ち行列内の各診断要求エンティティ103に関連付けられた医療情報および診断サポート情報を取得した後、医療診断サポートシステム200は更に、必要に応じて、診断要求エンティティ103の待ち行列を処理するように構成され得る。この処理は、診断サポート情報に基づくので、第2の診断要求エンティティ103が第1の診断要求エンティティ103より前に待ち行列に入った場合でも、第1の疾患の第1の過去診断を有する第1の共通クラスタに関連付けられている第1の診断要求エンティティ103は、第1の疾患の緊急レベルより低い緊急レベルを有すると事前定義された第2の疾患の第2の過去診断を有する第2の共通クラスタに関連付けられている第2の診断要求エンティティ103より先になる。
【0253】
特定の例において、低い緊急レベルを有する疾患(たとえば一般的なインフルエンザ)の過去診断を有する特定のクラスタに関連付けられている第1の診断要求エンティティ103、および高い緊急レベルを有する疾患(たとえばエボラ出血熱)の過去診断を有する特定のクラスタに関連付けられている第2の診断要求エンティティ103が、所与の医療診断エンティティ124からの診断を受けるために待機している場合、医療診断サポートシステム200は、第1の診断要求エンティティ103が第2の診断要求エンティティ103より前に待ち行列に入った場合でも、第2の診断要求エンティティ103が第1の診断要求エンティティ103より先であることを確実にし得る。
【0254】
他の例において、感染性疾患の過去診断を有する特定のクラスタに関連付けられている診断要求エンティティ103は、非感染性疾患の過去診断を有する特定のクラスタに関連付けられている診断要求エンティティ103よりも先である(ブロック920)。
【0255】
留意すべき点として、
図9に関して、ブロックのいくつかは連結ブロックに統合されてよく、またはいくつかのブロックに分解されてよく、および/または他のブロックが追加されてよい。また留意すべき点として、このフロー図はそれらを実現するシステム要素も参照して説明されるが、これは決して義務的ではなく、ブロックは、本明細書で説明するもの以外の要素によって行われてよい。
【0256】
ここで、本開示の主題に係る、クラスタベースの診断サポートを提供するために検診計画決定システムによって実行される一連の動作の一例を示すフローチャートを示す
図10に注目する。
【0257】
本開示の主題のいくつかの例によると、検診計画決定システム500は、検診計画決定モジュール520を用いて検診計画決定プロセス1000を実行するように構成され得る。
【0258】
この目的のために、検診計画決定システム500は、診断要求エンティティ103を識別する患者識別情報を受信し、診断サポート情報を受信するように構成され得る。診断サポート情報は、以前診断された患者103に提供された1または複数の特定の病状の少なくとも1つの過去診断を含み、以前診断された患者103および診断要求エンティティ103は、少なくとも1つの共通クラスタの一部である。共通クラスタは、共通条件を満たす値を有する、以前診断された患者103および診断要求エンティティ103の少なくとも1つの共有患者属性に基づいて生成される(ブロック1010)。
【0259】
患者識別情報および診断サポート情報を受信した後、検診計画決定システム500は更に、少なくとも診断サポート情報に基づいて、診断要求エンティティ103のために検診計画を決定するように構成され得る。検診計画は、診断要求エンティティ103に行われる1または複数の医療検査を定め、医療検査の少なくとも1つは、診断要求エンティティ103が、共通クラスタの一部である少なくとも1つの他の診断要求エンティティ103に関して以前診断された病状を有するかを診断するために必要である(ブロック1020)。
【0260】
留意すべき点として、
図10に関して、ブロックのいくつかは連結ブロックに統合されてよく、またはいくつかのブロックに分解されてよく、および/または他のブロックが追加されてよい。また留意すべき点として、このフロー図はそれらを実現するシステム要素も参照して説明されるが、これは決して義務的ではなく、ブロックは、本明細書で説明するもの以外の要素によって行われてよい。
【0261】
本開示の主題に係る、クラスタベースの通知サポートを提供するために医療通知サポートシステムによって実行される一連の動作の一例を示すフローチャートを示す
図11に注目する。
【0262】
本開示の主題のいくつかの例によると、医療通知サポートシステム600は、通知決定モジュール620を用いて通知決定プロセス1100を実行するように構成され得る。
【0263】
この目的のために、医療通知サポートシステム600は、通知サポート情報を取得するように構成され得る。通知サポート情報は、以前診断された患者103に提供された1または複数の特定の病状の少なくとも1つの過去診断を含み、以前診断された患者103および1または複数の未診断患者103は、少なくとも1つの共通クラスタの一部である。共通クラスタは、以前診断された患者103の医療記録の少なくとも1つの共有患者属性に基づいて生成される。また、通知サポート情報は、共通条件を満たす値を有する未診断患者103の医療記録を含む。加えて、医療通知サポートシステム600は、未診断患者103を識別する患者識別情報を取得するように構成され得る(ブロック1110)。
【0264】
通知サポート情報および患者識別情報を取得した後、医療通知サポートシステム600は更に、医療通知サポートシステムデータディスプレイ630に通知サポート情報および患者識別情報を表示するように構成されてよく、それによって、医療診断エンティティ124が、病状への潜在的感染を未診断患者103に通知することを可能にする。任意選択的に、医療通知サポートシステム600は、患者ワークステーション114および/または医療データ取得デバイス104を介して、医療診断エンティティ124を関与させずに、直接、病状への潜在的感染を未診断患者103に自動的に通知してよい(ブロック1120)。
【0265】
留意すべき点として、
図11に関して、ブロックのいくつかは連結ブロックに統合されてよく、またはいくつかのブロックに分解されてよく、および/または他のブロックが追加されてよい。また留意すべき点として、このフロー図はそれらを実現するシステム要素も参照して説明されるが、これは決して義務的ではなく、ブロックは、本明細書で説明するもの以外の要素によって行われてよい。
【0266】
図12を参照すると、本開示の主題に係る、医療従事者に残留情報を提供するために実行される一連の動作の一例を示すフローチャートが示される。
【0267】
本開示の主題のいくつかの例によると、医療診断サポートシステム200は、診断サポート情報管理モジュール330を用いて他の診断サポート情報管理プロセス1200を実行するように構成され得る。
【0268】
この目的のために、医療診断サポートシステム200は、患者103に関する医療データを取得するように構成される(ブロック1210)。医療データは、たとえば医療データ取得デバイス104、または患者103の身体から医療データを取得することが可能な他の任意の適当なデバイスを用いて、所与の時間に患者103の身体から取得されてよく、または、(たとえば患者103が質問事項に回答することによって情報を提供することを含む)他の方法で取得され得る。
【0269】
少なくとも1つの医療データ取得センサ106を含む医療データ取得デバイス104を用いる場合、医療データは、医療データ取得センサ106によって取得された少なくとも1つの測定値を含んでよい。
【0270】
医療診断サポートシステム200は更に、(i)ブロック1210において医療データが取得された時の患者103の所在地、または(ii)ブロック1210において医療データが取得された時より前の1または複数の対応する時間における患者103の1または複数の他の所在地の少なくとも1つに関連付けられた残留情報を識別および検索するように構成される(ブロック1220)。
【0271】
残留情報は、患者103の現在の所在地における現在の大気汚染レベル、および/またはブロック1210において医療データが取得された時より前の特定の時間までのそれぞれの時間に患者が訪れた場所における過去の大気汚染レベルを示す1または複数の大気汚染インジケータ、患者103の現在の所在地における現在の水質汚染レベル、および/またはブロック1210において医療データが取得された時より前の特定の時間までのそれぞれの時間に患者が訪れた場所における過去の水質汚染レベルを示す1または複数の水質汚染インジケータ、患者103の現在の所在地における現在の病気の発生、および/またはブロック1210において医療データが取得された時より前の特定の時間までのそれぞれの時間に患者が訪れた場所における過去の病気の発生の情報、患者103の現在の所在地における現在の放射線レベル、および/またはブロック1210において医療データが取得された時より前の特定の時間までのそれぞれの時間に患者が訪れた場所における過去の放射線レベル、患者103の現在の所在地における現在の天候情報、および/またはブロック1210において医療データが取得された時より前の特定の時間までのそれぞれの時間に患者が訪れた場所における過去の天候情報、食中毒情報、患者103の現在の所在地における現在の既知の病気、および/またはブロック1210において医療データが取得された時より前の特定の時間までのそれぞれの時間に患者が訪れた場所における過去の既知の病気、患者103の航空機利用、患者103のスキューバダイビングへの参加などの1または複数を含んでよい。
【0272】
場合によっては、検索された残留情報は、診断を目的とした残留情報の関連性を定める規則セットを用いて識別される。診断を目的とした値を有する残留情報を識別することが望ましいのは明らかである。所与の場所において、患者103がインフルエンザ関連症状を訴える3か月前にインフルエンザの発生が存在したという事実は、そのような患者103の診断を提供する上で無関係である。対照的に、同じ所与の場所において、患者103がインフルエンザ関連症状を訴える前日にインフルエンザの発生が存在した場合、そのようなインフルエンザ発生がその時点で識別されたという事実は、明らかに、インフルエンザである可能性が高いそのような患者103の診断を提供する上で極めて関連性が高い。
【0273】
同様に、喘息患者103が喘息関連症状を訴える2日前に所与の喘息患者103の特定の所在地において非常に高度の大気汚染が測定された場合、これは患者103が喘息関連症状を有する潜在的理由を示すものではないため、そのような知識を有することは無関係であるが、患者103が喘息関連症状を訴える1時間前に所与の喘息患者103の特定の所在地において非常に高度の大気汚染が測定された場合、そのような知識は、現在の高度の大気汚染によって喘息関連症状を経験している可能性が高いそのような患者103の診断を提供する上で極めて関連性が高い。
【0274】
関連性が決定され得る際に基づく規則セットは、(a)ブロック1210において医療データが取得される時間、ブロック1210において医療データが取得される時間における患者の所在地、および残留情報の種類の関連期間を定めるメタデータ(たとえばインフルエンザの場合、関連期間は数日間であり、大気汚染の場合、関連性期間は1日であるなど)、(b)ブロック1210において医療データが取得される前の患者103の所在地およびそれぞれの時間、および残留情報の種類の関連性の期間を定めるメタデータ(たとえばインフルエンザの場合、関連期間は数日間であり、大気汚染の場合、関連期間は1日であるなど)、(c)患者の既知の病状(患者103が喘息を有することが知られている場合、その病状を診断しようとする際、大気汚染レベルは高い関連性を持つ)、または(d)取得されたメタデータ(医療データが、呼吸困難としても知られる息切れに患者103が苛まれていることを示す場合、その病状を診断しようとする際、大気汚染レベルは高い関連性を持つ)の少なくとも1つに基づいて決定され得る。
【0275】
場合によっては、残留情報は、たとえばインターネットなどのオンラインソースから(たとえば大気汚染、天候、水質汚染、病気の発生などに関する情報を提供するウェブサイトから)取得される。場合によっては、オンラインソースの少なくとも1つは、医療診断サポートシステム200の外部にある。他の例において、残留情報は、そのような情報を収集する地方自治体および/または国際組織から取得され得る。
【0276】
医療診断サポートシステム200は、医療データおよび残留情報を医療従事者に表示することにより、医療従事者が、患者の病状の診断を提供することを可能にする(ブロック1230)。
【0277】
場合によっては、医療データは、患者と医療従事者との間のオンラインセッション中に、患者の身体から取得され、医療従事者に表示される。他の例において、医療データは、所与の時間に患者の身体から取得され、所与の時間より後の後の時間に、医療従事者に表示される。これは、医療データ取得デバイス104が医療診断サポートシステム200とのリアルタイム通信状態ではない場合に当てはまり得る。
【0278】
留意すべき点として、
図12に関して、ブロックのいくつかは連結ブロックに統合されてよく、またはいくつかのブロックに分解されてよく、および/または他のブロックが追加されてよい。また留意すべき点として、このフロー図はそれらを実現するシステム要素も参照して説明されるが、これは決して義務的ではなく、ブロックは、本明細書で説明するもの以外の要素によって行われてよい。
【0279】
図13を参照すると、本開示の主題に係る、医療従事者に残留情報を提供するために実行される一連の動作の他の例を示すフローチャートが示される。
【0280】
本開示の主題のいくつかの例によると、医療データ取得デバイス104および医療診断サポートシステム200は、他の診断サポート情報管理プロセス1200を実行するように構成され得る。
【0281】
この目的のために、医療データ取得デバイス104は、所与の時間に、医療データ取得センサ106を用いて患者103から医療データを取得し(ブロック1310)、医療データおよび患者103の所在地を示す位置情報を所与の時間に医療診断サポートシステム200へ送信する(ブロック1320)ように構成され得る。
【0282】
医療診断サポートシステム200は、医療データ取得デバイス104からの医療データおよび位置情報を受信し(ブロック1330)、所在地における環境情報を示す環境情報を(ブロック1220と同様に)検索し(ブロック1340)、医療情報および環境情報をディスプレイに表示することにより、医療従事者ワークステーションを操作する医療従事者が患者の病状の診断を提供することを可能にする(ブロック1350)。
【0283】
留意すべき点として、
図13に関して、ブロックのいくつかは連結ブロックに統合されてよく、またはいくつかのブロックに分解されてよく、および/または他のブロックが追加されてよい。また留意すべき点として、このフロー図はそれらを実現するシステム要素も参照して説明されるが、これは決して義務的ではなく、ブロックは、本明細書で説明するもの以外の要素によって行われてよい。
【0284】
理解すべき点として、本開示の主題は、その適用において、本明細書に含まれる説明に記載され、または図面に示された細部に限定されるものではない。本開示の主題は、他の実施形態が可能であり、様々な方法で実施および実行されることが可能である。したがって、理解すべき点として、本明細書で用いられる表現および用語は、説明を目的としており、限定的であるとみなされてはならない。よって、当業者は、本開示が基づく概念が、本開示の主題のいくつかの目的を実行するために他の構造、方法、およびシステムを設計するための基礎として容易に利用され得ることを理解する。
【0285】
また理解すべき点として、本開示の主題に係るシステムは、少なくとも部分的に、適当にプログラムされたコンピュータとして実施され得る。同様に、本開示の主題は、開示される方法を実行するためにコンピュータによって読取り可能であるコンピュータプログラムを意図する。本開示の主題は更に、開示される方法を実行するために機械によって実行可能な命令のプログラムを有形に具体化する機械可読メモリを意図する。
【国際調査報告】