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▶ ヘーエーアー プロセス エンジニアリング ナームロゼ フェンノートシャップの特許一覧

(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-03-31
(54)【発明の名称】粉末材料を供給するための供給装置
(51)【国際特許分類】
   B65G 33/14 20060101AFI20220324BHJP
   B65G 33/26 20060101ALI20220324BHJP
【FI】
B65G33/14
B65G33/26
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021546762
(86)(22)【出願日】2020-02-11
(85)【翻訳文提出日】2021-08-10
(86)【国際出願番号】 EP2020053462
(87)【国際公開番号】W WO2020165165
(87)【国際公開日】2020-08-20
(31)【優先権主張番号】PA201970094
(32)【優先日】2019-02-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DK
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】514308782
【氏名又は名称】ヘーエーアー プロセス エンジニアリング ナームロゼ フェンノートシャップ
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【弁理士】
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100092624
【弁理士】
【氏名又は名称】鶴田 準一
(74)【代理人】
【識別番号】100114018
【弁理士】
【氏名又は名称】南山 知広
(74)【代理人】
【識別番号】100153729
【弁理士】
【氏名又は名称】森本 有一
(72)【発明者】
【氏名】バルト フェルフースト
(72)【発明者】
【氏名】ギード ファイタル ユーディット ヘーケンス
(72)【発明者】
【氏名】アレクサンデル クレメンス ヘンリキュス ヨーゼフ スハープマン
(72)【発明者】
【氏名】ヨハンネス アドリアヌス ヨーゼフ マリア フュフツ
【テーマコード(参考)】
3F040
【Fターム(参考)】
3F040AA02
3F040AA10
3F040BA01
3F040CA02
3F040CA08
3F040DA00
3F040EA01
(57)【要約】
粉末を供給する供給装置は、下流端部を有するバレル3aの供給流路を備える。供給流路は、粉末材料を下流端部まで搬送する少なくとも1つの搬送要素を備える。回転可能な出口要素9a、9bが、供給流路の下流端部に設けられている。回転可能な出口要素は、粉末係合縁部によって画定される出口開口部を画定する環状部を備える。回転可能な出口要素は、供給流路の下流端部の近傍でバレル3aの外側で横断方向に位置決めされている。供給流路は第1の内径dを有し、回転可能な出口要素9a、9bは第2の外径Dを有し、第2の外径Dは、第1の内径dと等しいか又は第1の内径dよりも大きい。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
粉末を供給するための供給装置であって、
前記供給装置は、
下流端部を有する供給流路であって、粉末材料を前記供給流路の下流端部に搬送するための少なくとも1つの搬送要素を備える供給流路と、前記供給流路の前記下流端部に設けられた回転可能な出口要素であって、粉末係合縁部によって画定される出口開口部を画定する環状部を備える回転可能な出口要素とを備える、粉末を供給するための供給装置において、
前記回転可能な出口要素は、前記供給流路の前記下流端部の近傍かつ前記供給流路の外側で横断して位置し、
前記供給流路が第1の内径を有し、前記回転可能な出口要素が第2の外径を有し、前記第2の外径が前記第1の内径と等しい又はそれよりも大きい、供給装置。
【請求項2】
前記少なくとも1つの搬送要素は、回転可能なスクリュー要素などの回転可能な搬送要素であり、かつ、前記供給流路に沿って延在する回転軸線であって、少なくとも1つの方向に前記回転軸線を中心として回転することができる、回転軸線を有する、請求項1に記載の供給装置。
【請求項3】
少なくとも2つの前記回転可能なスクリュー要素は、それぞれの互いに平行な回転軸線を有し、好ましくは、これらの回転軸線を中心として同じ方向に回転させることができる、請求項2に記載の供給装置。
【請求項4】
少なくとも1つの前記スクリュー要素は、少なくとも1つの螺旋状隆起部を備え、前記少なくとも1つの螺旋状隆起部は、定数値を有するピッチ、又は、前記下流端部に向かって増加する値を有するピッチを有する、請求項2又は3に記載の供給装置。
【請求項5】
少なくとも1つの前記回転可能なスクリュー要素は、少なくとも1つの螺旋状隆起部を備え、前記螺旋状隆起部の頂部と前記供給流路の内側壁との間に第1の遊びが存在し、前記第1の遊びは、好ましくは、0.5mm~2mmの範囲内にある、請求項2~4のいずれか1項に記載の供給装置。
【請求項6】
少なくとも1つの前記回転可能なスクリュー要素は、少なくとも1つの螺旋状隆起部を備える凹型スクリューであり、複数の前記螺旋状隆起部の隣接するターンの間の谷部は、回転軸線を通る軸線方向断面において湾曲した延長部を有する、請求項2~5のいずれか1項に記載の供給装置。
【請求項7】
前記少なくとも1つの回転可能なスクリュー要素は、少なくとも1つの螺旋状隆起部を備えるオーガー型スクリュー要素であり、複数の前記螺旋状隆起部の隣接するターンの間の谷部は、前記回転可能なスクリュー要素のコア部を画定する筒状の底部を有する、請求項2~5のいずれか1項に記載の供給装置。
【請求項8】
前記少なくとも1つの回転可能な出口要素と前記供給流路の前記下流端部を画定する下流端面との間において、第2の遊びが存在し、前記第2の遊びは、0mm~8mmの範囲内、好ましくは0.1mm~5mmの範囲内、好ましくは0.5mm~3mmの範囲内にある、請求項1~7のいずれか1項に記載の供給装置。
【請求項9】
前記少なくとも1つの回転可能なスクリュー要素は、少なくとも1つの螺旋状隆起部を備え、前記少なくとも1つの螺旋状隆起部の下流端部と前記回転可能な出口要素との間において、第3の遊びが存在し、前記第3の遊びは、0mm~11mmの範囲内、好ましくは0~3mmの範囲内にある、請求項2~8のいずれか1項に記載の供給装置。
【請求項10】
前記少なくとも1つの螺旋状隆起部は、実質的に完全に前記回転可能な出口要素まで延在する、請求項9に記載の供給装置。
【請求項11】
2つの回転可能な出口要素の重なり部分の間において第4の遊びが存在し、前記第4の遊びは、0~8mmの範囲内、好ましくは0.1mm~5mmの範囲内、好ましくは0.5mm~3mmの範囲内にある、請求項3~10のいずれか一項に記載の供給装置。
【請求項12】
前記少なくとも1つの回転可能な出口要素は、前記供給流路の前記下流端部に面する少なくともその側の前記環状部において平面状である、請求項1~11のいずれか一項に記載の供給装置。
【請求項13】
前記回転可能な出口要素の前記環状部は、0.5mm~5mmの範囲の厚さを有する平面状である、請求項12に記載の供給装置。
【請求項14】
前記少なくとも1つの回転可能な出口要素は、前記回転可能なスクリュー要素の回転軸線を中心として、それと共回転するために前記少なくとも1つの回転可能なスクリュー要素に固定される、請求項2~13のいずれか1項に記載の供給装置。
【請求項15】
前記回転可能な出口要素は、中心コア部と、前記中心コア部から離れて延在するいくつかの突出部とを備え、前記いくつかの突出部は、それらの間で粉末材料のための出口開口部を画定し、前記いくつかの突出部の各々は、前記中心コア部において根元部を有し、前記中心コア部から離れた先端部を有する、請求項1~14のいずれか1項に記載の供給装置。
【請求項16】
前記中心コア部の直径は、前記回転可能なスクリュー要素の前記下流端部における前記回転可能なスクリュー要素のコア部の直径以下である、請求項15に記載の供給装置。
【請求項17】
前記いくつかの突出部のうちの少なくとも2つの突出部は、前記回転軸線を中心として等距離間隔で離間している、請求項15又は16に記載の供給装置。
【請求項18】
前記いくつかの突出部の内の少なくとも2つの突出部は、形状及び/又は寸法が相互に類似している、請求項15~17のいずれか一項に記載の供給装置。
【請求項19】
前記いくつかの突出部の内の少なくとも1つの突出部は、前記根元部から前記先端部までの実質的に一定の幅を有する、請求項15~18のいずれか一項に記載の供給装置。
【請求項20】
前記いくつかの突出部の少なくとも1つの突出部の前記根元部は、前記突出部の前記先端部よりも幅広である、請求項15~18のいずれか一項に記載の供給装置。
【請求項21】
隣接する前記いくつかの突出部の前記根元部の内の少なくとも2つの根元部は、前記中心コア部で遭遇する、請求項20に記載の供給装置。
【請求項22】
前記いくつかの突出部の内の少なくとも1つの突出部は、前記根元部と前記先端部が前記回転軸線から延在する共通の半径上に位置するように延在している、請求項15~21のいずれか1項に記載の供給装置。
【請求項23】
前記いくつかの突出部の内の少なくとも1つの突出部は、前記先端部が前記根元部に対して意図された回転方向に先導するように延在している、請求項15~21のいずれか1項に記載の供給装置。
【請求項24】
前記いくつかの突出部の内の少なくとも1つの突出部は、前記先端部が前記根元部に対して意図された回転方向に後続するように延在している、請求項15~21のいずれか1項に記載の供給装置。
【請求項25】
前記いくつかの突出部の内の少なくとも1つの突出部は、前記根元部から前記先端部まで延在する湾曲した延長部を有する、請求項15~24のいずれか1項に記載の供給装置。
【請求項26】
前記いくつかの突出部の内の少なくとも1つの突出部は、C字形状に又はS字形状又はZ字形状に延在している、請求項25に記載の供給装置。
【請求項27】
隣接するいくつかの突出部が、それらの間において前記回転軸線に向かって半径方向に延在する前記出口開口部を画定し、前記中心コア部の直径を規定する、請求項15~26のいずれか1項に記載の供給装置。
【請求項28】
前記いくつかの突出部の内の少なくとも1つの突出部は、その先端において、概ね周方向に延在する少なくとも1つの延長部を有する、請求項15~27のいずれか1項に記載の供給装置。
【請求項29】
前記いくつかの突出部の内の少なくとも2つの突出部は、少なくとも1つの周方向リング部によって相互接続される、請求項15~27のいずれか1項に記載の供給装置。
【請求項30】
前記いくつかの突出部の内の少なくとも2つの突出部の前記先端部は、外周リング部によって相互接続される、請求項29に記載の供給装置。
【請求項31】
前記いくつかの突出部の内の少なくとも1つの突出部は、前縁部及び後縁部を有し、前記前縁部及び後縁部の両方は、前記回転軸線から延在するそれぞれの半径に沿って延在し、前記少なくとも1つの突出部の前縁部は、前記下流端部に隣接して、意図された回転方向に対して、矩形であるか、鋭角を形成するか、丸められているか、面取りされている、請求項15に記載の供給装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、粉末材料を供給する供給装置であって、下流端部を有する供給流路であって、粉末材料を下流端部に搬送する少なくとも1つの搬送要素を収納する供給流路と、供給流路の下流端部における回転可能な出口要素であって、粉末係合縁部によって画定される出口開口部を画定する環状部を備える回転可能な出口要素とを備える、粉末材料を供給する供給装置に関する。
【背景技術】
【0002】
医薬品錠剤の製造のために、医薬品錠剤の原料成分は、いわゆる医薬品有効成分(API(Active Pharmaceutical Ingredient))と、例えばステアリン酸マグネシウム及び選択的にさらなる添加剤などの充填剤又はマトリックスとして作用するように、医薬品有効成分に添加される、一般的に薬学的に不活性な成分である、添加剤などの化合物を含みうる。これらの化合物は、しばしば、輸送中のそれらの流動性と、錠剤プレスにおける後続の錠剤の圧密を可能にするために必要とされる他の処理特性を改善するために、造粒(凝集)を必要とし得る粒子の形態である。多くの造粒技術が利用可能であり、多くの場合、使用される医薬品有効成分の種類及び必要とされる錠剤の特性に応じて、例えば、ローラー圧縮機での乾式造粒、溶融造粒、又は、押出機での湿式造粒、スフェロナイザー、流動床噴霧造粒機、高剪断造粒機、又は、流動床乾燥と組み合わせたツインスクリュー湿式造粒などの造粒装置が利用可能である。
【0003】
粉末又は粉末材料は、本明細書では、1つ又は複数の化合物を含む複数の細かく分割された固体物質の集合体として定義され、造粒状態、すなわち凝集(乾燥)状態においてこれらの物質の任意の所与の割合とすることができる。また、構成物としては、粉末間及び粉末内の湿度と同様に全て又は任意の空気又は気体が粉末を構成するものとして見られる。しばしば、例えば、20体積%又は20重量%より大きな、粉末材料に対する造粒物の割合が増加することで、一般的に流動性を改善し、医薬品有効成分の濃度/分布のより良好な確かさ、液体中での溶解の容易さ、圧縮の容易さを提供するという点で有利である。
【0004】
連続的な錠剤製造工程を提供するためには、バッチ式工程とは対照的に、粉末の容易な移送、容易な輸送、粉末と原料容器の間の造粒と錠剤プレスへのより正確な投入が必要である。このような輸送及び投入は、供給器で実施することができ、しばしば、比較的少量かつより長い又はより短い距離において、単位時間あたりの均一な量の粉末及び/又は造粒物のより安定した流れを必要とする。従って、供給器などの、より正確で均一に分布する輸送及び投入装置は、一般的に、特に医薬品粉末の輸送及び投入のために有利である。本明細書中の用語「供給(Feeding)」とは、一般に、所与の量(単位時間当たりの質量)の粉末等の材料の、例えば工程における次の段階への移動又は輸送(流れ)を意味する。本明細書中の用語「投入(Dosing)」とは、一般に、所与の量(単位時間にわたる質量)の粉末等の材料の供給後の解放を意味し、この時間にわたる量は、時間にわたる既知の設定された量又は所望の量であることを意味する。しばしば、このような特定量に達するためには、複数の工程の間において、一貫した流れ、いわゆる均一な流れを達成することが望まれる。
【0005】
粉末材料を均一な流れ、場合によっては一様な小さな体積の流れ、すなわち、時間にわたって低減した均一な質量の流れを供給及び投入することは、しばしば困難な作業である、すなわち、粉末材料の特性に依存することが証明される。
【0006】
このような粉末は、多かれ少なかれ自由に流れることができ、その流動性は複雑であり、粉末の物理的及び化学的特性、粒子間の相互作用などの多くの異なる要因に依存するが、周囲の環境、すなわち、例えば、粉末が移動及する能力及び/又は共に又は側面(接着)に固着する能力(密着性)に影響を及ぼす、接触面、重力の引張り、静電気力、大気圧又は気体圧、温度及び湿度依存する。粉末の固着性を構成する粒子及び/又は凝集体は、粉末の密着性と呼ばれ、この密着性は、特に事前計算又は輸送中に定量化、測定又は制御するよりも実用性において観察するのが簡単である。したがって、密着は、粉末粒子同士の間で相互に固着する性質である。粘着性は、粉末粒子同士の間及び例えば隣接する表面の間において互いに固着する特性である。
【0007】
粉末が次第に密着性を増し、ある量の粉末が粉末を供給又は移動する工程に影響を及ぼし始めるため、その粉末がその構成部分に対してよりゆっくり移動する傾向があり、それゆえ、塊を作り出すためにより高い傾向を有する、すなわち、粉末の内側又は粉末の表面上に目に見える又は物理的に影響のある寸法の凝集シェルを形成するように比較的に多数の粉末構成部分を共に固着する傾向を有する。
【0008】
安定した状態の流れで均一な流れで粉末を供給及び投入することは、得るべき理想的な条件である。しかしながら、異なる粒子又は造粒物の粒径分布及び軟質又は硬質又は形状などのそれらの表面特性に依存する、少なくとも個々の粒子及び/又は塊の間での密着性及び他の機械的及び化学的相互作用のため、実際には達成することは困難又は不可能である。
【0009】
従って、製薬産業における用途については、例えば、医薬品錠剤を製造するために、時間にわたって極めて小さな粉末体積を均一な速度で供給及び/又は投入することができることが幾つかの用途において有利である。
【0010】
粉末を供給する際に、圧力差を受けたため、粉末が塊状に固着する傾向がありうる。圧力差は、多くの異なる場合に生じる。すなわち、重力による供給器の両側の圧力差、供給中に圧縮又は圧力の上昇による圧力差、スクリュー供給器の場合における、スクリューと壁の間の圧力差、スクリュー同士の間の圧力差、又は、開口部又は管又はバレル又は容器の先端部から出るときの外部との圧力差が生じる。この圧力差は、密着性及び他の流動特性に直接的に依存して、シェルの層などの望ましくない塊やより大きな凝集体を作り出すことがある。特に出口において、重力が不均一な方法でそれらを引き下げるまで塊が前方に押し出される。このような塊を回避することは、製薬のいくつかの用途において有利である。何故ならば、これらは、医薬品有効成分(API)のいわゆる「ホットスポット」、すなわち、錠剤を入手する際に、エンドユーザーに深刻な健康上の結果をもたらす可能性のある、供給された粉末を備えるように製造された錠剤の内部での医薬品有効成分の不均一な分布をもたらす可能性があるからである。
【0011】
供給の正確さは、バッチ式であろうと連続式であろうと、バレルの内部に設けられたものなどの供給流路から、例えば錠剤製造などの受け入れるシステムに落下する任意の塊の寸法/質量を発散させることによって、負の影響を受ける。
【0012】
本出願人は、非公的な事情の下で、バレルの先端部にグリッド又はメッシュ又はダイを設けることによって上記の課題を解決しようと試みてきたが、ここでもこのようなダイの内側に対して圧力が上昇し、その結果、ダイやメッシュやグリッドから、一様でない凝集体、塊、シェル、及び、スパゲッティ状の糸状体が生じる可能性がある。
【0013】
塊などを避ける課題を解決する他の試みには、密着性を低減するための添加剤の導入が含まれる。しかしながら、これは、例えば、消費者へのリスクに起因した粉末の含有量に厳しい要件が適用される製薬の用途や、高品質の粉末ブレンド特性が設定されている又はさらなる処理に必要な他の用途では、しばしば不可能である。
【0014】
本出願人は、他の非公的事情の下で、上記の課題を解決する別の方法で、振動機関又は高い力又は短時間の打撃をスクリュー部又はバレル端部に適用することを含む他の試みを行ったが、これは、しばしば、上記の振動等により導入される力及び圧力に起因して物理的又は化学的な形態が変化する可能性のある敏感な材料であるため、医薬粉末には不適当である場合がある。
【0015】
更に、供給器の輸送中に又は出口で形成される塊を破壊することによって除去するためにエアブラシを使用することができると考えられる。
【0016】
本明細書の導入部に記載された当業界の供給装置は、一般に、種子の処理のためにタルク及びグラファイトなどの農薬を分注するためのディスペンサに関する、特許文献1(米国特許出願公開第2017/0274331号明細書)から公知である。このディスペンサは、単一のスクリュー、好ましくは、スペーサ要素と、回転可能な出口要素と類似性を有する複数のベーンを備えたナイフアセンブリが提供されるバレルを備える。スペーサは、ナイフアセンブリの前に分布されるべき粉末の一様な圧密を提供する。ナイフアセンブリは、粉末状の材料の排出開口部からの連続的かつ一様な流れを削るか又は裂く。ナイフアセンブリは、バレルの内径よりも小さい直径を有し、特許文献1に記載されているように、好ましくは、0.06インチ(1.52mm)の半径方向のクリアランス又は遊びを残す。バレルは、先端部において横方向凹部を有し、排出開口部を提供し、バレルの残りの部分が排出開口部を越えて延在するようにし、湿潤で固着性のある種子から排出開口部を保護するフード部を提供する。
【0017】
搬送要素を収納する供給流路と、供給流路の内側に回転可能な出口要素とを備える他の供給装置又は分布装置が知られている。例えば、特許文献2(独国特許出願公開第102005048176号明細書)は、例えば、バレル内のスクリューと、バレルの先端部における微細な投入要素とを備える、流動性のバルク材料で袋部を充填するための装置を開示する。微細な投入要素は、速くかつ粗い投入のためにバレルの外側の受動的位置と、バレルの内側の能動的位置に位置決め可能な星形要素(投入要素)を含む。
【0018】
特許文献3(中国実用新案第204587938号明細書)は、塩、砂糖、コショウなどの調味料(スパイス)用のディスペンサに関するものである。ディスペンサは、小さくなるピッチを有するスクリューと、星型のホイールとを備え、これらの両方がバレルの内側に配置される。星型ホイールの機能は、一様かつ正確な投入を提供すること、すなわち、材料が早期に脱落するのを防止することである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0019】
【特許文献1】米国特許出願公開第2017/0274331号明細書
【特許文献2】独国特許出願公開第102005048176号明細書
【特許文献3】中国実用新案第204587938号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0020】
本発明の目的は、上述したいくつかの課題の内の少なくともいくつかを回避又は最小化する、導入部分で記載した技術を改良した供給装置を提供することである。
【0021】
本発明の更なる目的は、均一で一定の速度、すなわち、好ましくは異なる寸法の塊を伴わずに粉末材料を供給することができ、ひいては、しばしば少量の粉末材料をより正確に投入することができる供給装置を提供することである。
【0022】
本発明の更なる目的は、敏感な医薬品有効成分又は圧力に敏感な他の成分を含む特に医薬品粉末を供給する際に有利であり、粉末の一部に誘発されるいかなる物理的又は化学的変化のリスクを少なくとも低減する、概ね粉末材料を過剰な圧力勾配に曝さずに粉末材料を供給する供給装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0023】
これは、回転可能な出口要素が供給流路の下流端部の近くで供給流路の外側に位置し、供給流路が第1の内径を有し、回転可能な出口要素が第2の外径を有し、第2の外径が第1の内径と等しいか又はそれよりも大きいことで得られる。すなわち、それは、供給流路内に形成された任意のシェルの層が、回転可能な出口要素によって係合させられ、粒子又は造粒物などの粉末の構成部分などの、より小さな部分に破砕又は分解されることで得られる。一実施形態では、回転可能な出口要素は、バレル、容器、又は、管などの管状要素の下流端部に直接的に近接して配置され、供給流路が設けられる。供給流路の下流端部の近傍に、好ましくはバレル又は管に直接的に近接して配置され、供給流路が設けることができ、回転可能な出口要素は、使用時に、搬送要素によって搬送されて供給流路の下流端部から出てくる粉末と係合する。
【0024】
「直接的に近接(direct proximity)」という用語は、バレル又は管などの端面が、回転可能な出口要素の隣接する側に当接することを含む。
【0025】
要するに、星形要素等のドーザをバレル、管、又は容器の内側で、供給流路の内側に設ける従来技術の供給器又はディスペンサとは対照的に、出口要素は、供給流路の外側に設けられる。
【0026】
したがって、粉末が供給流路を出た後、粉末係合縁部を有する回転可能な出口要素は使用時に、供給流路から出てくる粉末、例えば、多かれ少なかれ密着した物質として供給流路から出る接着性の粉末と係合し、粉末を供給流路の長手方向にほぼ垂直な方向に押し、それによって、供給流路から出てくる粉末の密着した塊及びシェルの層を分解させる。
【0027】
一実施形態では、少なくとも1つの搬送要素は、回転軸線及び意図される回転方向を有する回転可能なスクリュー要素である。回転可能なスクリュー要素は、回転軸線に沿って設けられた要素を備える、隔螺式のスクリュー要素を有する、多くの異なる実施形態において当該技術分野で公知である。搬送要素の異なる実施形態では、搬送要素は、例えば粉末を回転軸線に沿った方向に推進するように、ピッチを有するパドル状の突出部を担持する回転可能なパドル要素である。
【0028】
一実施形態では、搬送要素は、スクリュー要素に沿って延在している螺旋状隆起部であって、螺旋状隆起部の複数の巻部の間で少なくとも1つの螺旋状谷部を画定する、少なくとも1つの螺旋状隆起部を有する。さらなる実施形態では、2つの上記回転可能なスクリュー要素は、それぞれの、互いに平行な回転軸線を有し、好ましくは、意図される同じ回転方向を有する。2つの回転可能なスクリュー要素のいずれかのスクリュー要素の螺旋状隆起部は、隣接する回転可能なスクリュー要素の螺旋状谷部内に延在することができ、2つの回転可能な出口要素は、搬送要素の各端部に対して1つが、互いに互い違いの位置で取り付けることができ、それによって、2つの回転可能な出口要素の周囲は、互いに重なり合う。好ましくは隣接する谷部に延在する隆起部を有する2つ以上のスクリュー要素を設けることによって、スクリューが回転軸線に沿った搬送方向の周囲又はそれに対してさえも粉末材料を循環させるリスクが最小限に抑えられ、それによって供給流路内の粉末材料の保持時間が最小限に抑えられ、それによって粉末に加えられて粉末が受ける一括的な圧力量が最小限に抑えられるように、しっかりとした搬送が提供される。
【0029】
さらなる実施形態において、少なくとも1つのスクリュー要素は、ピッチ、すなわち、螺旋状隆起部の隣接するターンの間の距離を有する、少なくとも1つの螺旋状隆起部を備え、このピッチは、定数値であるか、又は、下流端部に向かって増加する値を有するピッチである。これにより、粉末材料を均一に搬送しつつ減少するピッチiに起因した粉末材料への圧力上昇のリスクが少なくなる。しかしながら、当業者は、特定の用途において、変動する、さらには減少するピッチが積極的機能を有し得ることを理解するであろう。
【0030】
一実施形態では、少なくとも1つのスクリュー要素は、少なくとも1つの螺旋状隆起部を備え、第1の遊びは、隆起部の頂部と供給流路の内側壁との間に存在し、第1の遊びは、好ましくは0.5mm~2mmの範囲内にある。したがって、一方では、螺旋状隆起部は、供給流路の内側壁に対して掻かれず、他方では、材料が使用中に効果的に前進させられる。
【0031】
一実施形態では、少なくとも1つのスクリュー要素は、少なくとも1つの螺旋状隆起部を備える凹型スクリューであり、螺旋状隆起部の隣接するターンの間の谷部は、回転軸線を通る軸線方向断面において湾曲した延長部を有する。これによって、2つの上記の回転可能なスクリュー要素の間の遊びは最小限に抑えることができ、上記のスクリュー要素の回転中に、回転可能なスクリュー要素の周りを循環すること、それによって、隆起部の隣接するターンの間の谷部を洗浄する効果が得られる。
【0032】
一実施形態では、少なくとも1つの回転可能なスクリュー要素は、少なくとも1つの螺旋状隆起部を備え、複数の螺旋状隆起部の隣接するターンの間の谷部は、回転可能なスクリュー要素のコア部を画定する筒状の底部を有する、オーガー型スクリュー要素である。
【0033】
一実施形態では、第2の遊びは、少なくとも1つの回転可能な出口要素と供給流路又はバレル又は管の下流端部との間に存在し、この第2の遊びは、0~8mmの範囲、好ましくは0.1mm~5mmの範囲、好ましくは0.5mm~3mmの範囲である。従って、少なくとも1つの回転可能な出口要素が、供給流路又はバレル又は管の端部に対して擦ることによって、端面又は回転可能な出口要素から粒子を摩耗させるリスクを回避し、一方、任意の塊の寸法が特定の最大値を超えないことを保証する。例えば、粒子が摩耗する傾向がない材料が使用される場合、遊びを実質的にゼロとすることができる。
【0034】
実用的な実施形態では、少なくとも1つの回転可能なスクリュー要素は、少なくとも1つの螺旋状隆起部を備え、少なくとも1つの螺旋状隆起部の下流端部と回転可能な出口要素との間に第3の遊びが存在し、この第3の遊びは、0mm~11mmの範囲、好ましくは0~3mmの範囲内である。したがって、スクリュー要素の下流端部と回転可能な出口要素との間の粉末材料への圧力が上昇するリスクは概ね回避される。
【0035】
さらなる実施形態では、少なくとも1つの螺旋状隆起部は、回転可能な出口要素まで実質的に完全に延在する。したがって、スクリュー要素の下流端部とスクリュー要素に面する回転可能な出口要素の側面との間の粉末材料への圧力の上昇は、実質的に回避される。
【0036】
一実施形態では、2つの回転可能な出口要素の重なり部分の間に第4の遊びが存在し、第4の遊びは、0.1mm~5mmの範囲、好ましくは0mm~8mmの範囲内にあり、好ましくは、0.5mm~3mmの範囲内にある。これにより、2つの回転可能な出口要素が、互いに擦って回転可能な出口要素から粒子が摩耗するリスクが回避され、一方、任意の塊の寸法も特定の最大値を超えないことを保証する。例えば、粒子が摩耗する傾向がない材料が使用される場合、遊びを実質的にゼロとし得る。
【0037】
実用的な実施形態では、少なくとも1つの回転可能な出口要素は、少なくとも供給流路の下流端部に面する側の環状部において平面状である。さらなる実施形態では、回転可能な出口要素の環状部は、0.5mm~5mmの範囲の厚さを有する平面状である。
【0038】
実用的な実施形態では、少なくとも1つの回転可能な出口要素は、回転可能なスクリュー要素の回転軸線を中心として、それと共回転するために少なくとも1つの回転可能なスクリュー要素に固定される。
【0039】
一実施形態では、回転可能な出口要素は、中心コア部と、中心コア部から離れて延在するいくつかの突出部とを備え、これらの突出部は、使用時に、それらの間において、粉末材料のための出口開口部を画定し、各突出部は、中心コア部における根元部と、中心コア部から離れた先端部とを有する。
【0040】
さらなる実施形態では、中心コア部の直径は、その下流端部における回転可能なスクリュー要素のコア部の直径と等しいか又はそれよりも小さい。コア部の直径は、少なくとも1つの螺旋状谷部の底部と、回転軸線などの中心軸線との間の距離の2倍として規定することができる。これにより、供給された粉末材料の通過が中心コア部によって妨げられない。
【0041】
さらなる実施形態では、いくつかの突出部の内の少なくとも2つの突出部は、回転軸線を中心として等距離間隔で配置される。
【0042】
さらなる実施形態では、いくつかの突出部の内の少なくとも2つの突出部は、形状及び/又は寸法が相互に類似している。これら2つの後者の実施形態は、適切な機能を提供すると共に、出口要素の製造を容易にする。
【0043】
一実施形態では、いくつかの突出部の内の少なくとも1つの突出部は、根元部から先端部まで一定の幅を有する。これは、いくつかの突出部の間の比較的大きな空間、すなわち、いくつかの比較的大きな出口開口部を提供する。
【0044】
代替的な実施形態では、いくつかの突出部の内の少なくとも1つの突出部の根元部は、この突出部の先端部よりも広い。これにより、突出部の強度が向上する。
【0045】
さらなる実施形態では、隣接する突出部のいくつかの根元部の内の少なくとも2つの根元部は、中心コア部で遭遇する。
【0046】
一実施形態では、いくつかの突出部の内の少なくとも1つの突出部は、根元部と先端部が、回転軸線から延在する共通の半径上に位置決めされるように延在する。
【0047】
一実施形態では、いくつかの突出部の内の少なくとも1つの突出部は、根元部に対して意図された回転方向に先端部が先導するように延在している。これにより、粉末材料を回転軸線に向かって少なくともわずかに内側に向かう方向に押し込むことができる。
【0048】
一実施形態では、いくつかの突出部の内の少なくとも1つの突出部は、先端部が根元部に対して回転方向において後続するように延在している。これにより、粉末材料を回転軸線から少なくともわずかに外側に向かう方向に押し出すことができる。
【0049】
一実施形態では、いくつかの突出部の内の少なくとも1つの突出部は、根元部から先端部まで延在する湾曲した延長部を有する。これによって、粉末材料に集合効果を与える凹面又は粉末材料に広がり効果を与える凸面で粉末材料を押し込むことができる。
【0050】
さらなる実施形態では、いくつかの突出部の内の少なくとも1つの突出部は、C字形状に延在している。したがって、いくつかの突出部は、一定の曲率又は螺旋状の曲率を有する、湾曲した延長部を有しうる。
【0051】
さらなる実施形態では、いくつかの突出部の内の少なくとも1つの突出部は、S字形状及び/又はZ字形状に延在する。
【0052】
一実施形態では、隣接する突出部は、それらの間において、半径方向において回転軸線に向かって延在している出口開口部を画定し、中心コア部の直径を規定する。
【0053】
一実施形態では、いくつかの突出部の内の少なくとも1つの突出部は、先端部において、概ね周方向に延在する少なくとも1つの延長部を有する。これにより、粉末材料は、回転軸線に対して見て半径方向外側から接触させられ、使用中において出口要素が回転すると、延長部によって囲まれた領域の内側からさらに出ることができる。
【0054】
一実施形態では、いくつかの突出部の内の少なくとも1つの突出部は、少なくとも1つの周方向リング部によって相互接続される。これにより、粉末材料の成分のいずれかの成分が例えば硬質結晶などの硬質材料を含む場合に、相互支持の形態で突出部の強度がより良好となる。
【0055】
さらなる実施形態では、いくつかの突出部の先端部の少なくとも1つは、外周リング部によって相互接続される。
【0056】
一実施形態では、いくつかの突出部の内の少なくとも1つの突出部は、それぞれ、回転軸線から延在するそれぞれの半径に沿って延在する前縁部及び後縁部を有し、
意図された回転方向に対して下流端部に隣接する、いくつかの突出部の内の少なくとも1つの突出部の前縁部が矩形であり、かつ/又は、
意図された回転方向に対して下流端部に隣接する、いくつかの突出部の内の少なくとも1つの突出部の前縁部が鋭角を形成しており、かつ/又は、
意図された回転方向に対して下流端部に隣接する、いくつかの突出部の内の少なくとも1つの突出部の前縁部は、丸められるか、又は面取りされる。
【0057】
回転可能な出口要素が回転可能なスクリュー要素に固定されると、回転可能な出口要素は、例えばねじ接続、ボルト、バイオネット配置又は別の公知の解放可能な締結手段によって、解放可能に締結されうる。供給流路は、例えば、バレル又は可撓性管内に設けうる。バレル又は管は、例えばホッパーに取り付けることができる。分解の可能性は、例えば、製薬産業において特に重要である洗浄のために重要であろう。このようなバレル又は管をホッパーから分解するために、本発明による回転可能な出口要素を、バレル又は管をホッパーから分解する前に除去しなければならない場合がある。このような除去は、回転可能な出口要素が、回転可能なスクリュー要素に解放可能に締結される場合に可能である。
【0058】
代替的に、回転可能な出口要素は、回転可能なスクリュー要素と一体化されることができ、すなわち、例えば、溶接及び/又は接着剤、又は当業者に一般に知られているような他の解放不可能な手段によって、回転可能なスクリュー要素と一体化されて提供されうる。第1の代替例では、回転可能なスクリュー要素は、それ自体、例えばねじ接続又はバイオネット配置によって、その端部に取付けられるように搬送要素から解放可能としうる。
【0059】
本明細書で使用される「バレル」という語によって、供給流路を備える、本体、例えば剛体であると理解されるべきである。本明細書で使用されるような剛体により、供給装置の意図する使用中に粉末によって加えられる圧力によって実質的に降伏しないであろう供給流路の内側壁を提供し、通常の意図された使用において実質的に曲がらない本体であると理解されるべきである。これに対応して、可撓性管は、曲げることができ、それによって、長手中心軸線が、少なくともわずかに曲がるか又は変形するか、又は、供給流路の内側壁の少なくとも短い部分が、粉末によって加えられた圧力下で降伏しうる。
【0060】
好ましい実施形態では、中心軸線は直線状である。
【0061】
突出部の縁部、特に意図された回転方向における前縁部は、任意の適切な断面を有し得る。上記断面は、回転軸線と同軸の円柱に接する平面内に画定され、突出部の根元部と先端部との間の中間半径で延在しうる。このように、上記断面は、突出部の回転移動において進行方向に垂直な前縁部を有する矩形としうるし、また、進行方向に対して傾斜した前縁部を有する三角形としうるし、また、その一方又は両方の縁部等で丸められうる。供給装置が使用されているときに、粉末が受ける圧力勾配が増大するリスクを低下させる目的で、任意の数の縁部の形状が適している。
【0062】
回転可能な出口要素を構成する材料は、任意の適切な金属、セラミック、ポリマー、エラストマー、又は、それらの組合せとすることができ、特に製薬の用途のために、それらの任意の表面は容易に洗浄可能であることが好ましい。製薬の用途では、規制(GMP)により非動物性物質が好まれる場合がある。更に、回転可能な出口要素の剛性、及び、特にその突出部の剛性は、本発明による供給装置内に供給される粉末材料に対するより緩やかな縁部の圧力に対応するために、軟らかい表面から硬い表面まで変化し、特にその側縁部の、軟らかい柔軟性(柔軟性)から硬い柔軟性(pliability)(可撓性(flexibility))まで変化し得る。例えばポリマー材料から作られた、羽状、ひげ状、又はブラシ状の突出部などの容易に柔軟な(可撓性の)突出部も考えられ得る。
【0063】
特に、一部の医薬品粉末は、その構成部分の一部又は全てが、特に結晶化された又はさもなくば壊れやすい医薬品有効成分などの敏感な材料であるので、非常に注意深く取り扱う必要がある。取り扱い、搬送、又は他の処理の間に受ける圧力勾配の増加などのあらゆる粗い条件によって、これらの構成部分の物理的及び/又は化学的な形態を変化又は変更させる可能性がある。これは、特に、供給装置などの取り扱い中に導入される力及び圧力のためである。このような粉末については、供給流路の外側に配置された回転可能な出口要素を有する本発明によって、粉末上で受ける圧力勾配を減少させた、取り扱いを改良することができる。
【0064】
以下において、添付図面を参照しながら、実施形態の非限定的な例により、本発明をより詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0065】
図1図1は、本発明の第1実施形態による供給装置の斜視図である。
図2図2は、バレルを取り外した状態での図1に示す実施形態の図である。
図3図3は、図2に示す供給装置の上面図である。
図4図4は、バレルの下流端部から見た図1に示す供給装置の正面図である。
図5図5は、図4の線V-Vに沿った断面を示す。
図6図6は、図1に示す供給装置のバレル内の供給流路の正面図である。
図7図7は、図6の供給流路を有するバレルの上面図である。
図8図8は、図1に示す供給装置などの一対の回転可能な出口要素の正面図である。
図9図9は、図8に示されている回転可能な出口要素の上面図である。
図10図10(a)~図10(f)は、異なる実施形態の回転可能な出口要素を示す。
図11図11(a)~図11(f)は、異なる実施形態の回転可能な出口要素を示す。
図12図12(a)~図12(f)は、異なる実施形態の回転可能な出口要素を示す。
図13図13(a)~図13(d)は、異なる実施形態の回転可能な出口要素を示す。
図14図14(a)~図14(e)は、異なる実施形態の回転可能な出口要素を示す。
図15図15は、図10(b)に示す回転可能な出口要素の拡大図である。
図16図16は、図15の回転可能な出口要素の突出部の異なる形状の前縁部を有する供給装置の異なる実施形態の内の1つの断面を示す。
図17図17は、図15の回転可能な出口要素の突出部の異なる形状の前縁部を有する供給装置の異なる実施形態の内の1つの断面を示す。
図18図18は、図15の回転可能な出口要素の突出部の異なる形状の前縁部を有する供給装置の異なる実施形態の内の1つの断面を示す。
図19図19は、図15の回転可能な出口要素の突出部の異なる形状の前縁部を有する供給装置の異なる実施形態の内の1つの断面を示す。
図20図20は、オーガー型スクリュー要素のタイプの搬送要素を有する第2の実施形態における供給装置を示す図2と同様の図である。
図21図21は、図20に示す供給装置の上面図である。
図22図22は、バレルを取り外した単一の搬送要素を有する第3の実施形態における供給装置を示す図である。
図23図23は、図22に示す供給装置の上面図である。
【発明を実施するための形態】
【0066】
本発明の第1の実施形態における図1図9を参照すると、粉末材料を均一な流れで供給するための供給装置1は、下流端部5を備えた供給流路3を内部に備えたバレル3aであって、バレル3aの供給流路3が、バレル3aの下流端部5に粉末材料を搬送するための2つの回転可能なスクリュー要素7a、7bの形態の搬送要素を収納する、バレル3aと、下流端部5、すなわち供給流路の下流にある2つの回転可能な出口要素9a、9bとを備える。回転可能な出口要素は、それぞれ、粉末係合縁部15(図15参照)によって画定される出口開口部13を画定する環状部11を備える。回転可能な出口要素9a、9bは、バレル3aの供給流路に近接しかつ直接的に外側に配置される。バレル3aは、概ね管状の要素によって提供される実施形態において示される。バレル3aの供給流路は、それぞれが円形の輪郭を有する2つの合流部分を備える(例えば図6参照)。供給流路3、すなわち、その2つの合流部分は、第1の(バレルの内)径d、好ましくは、同じ直径を有し、例えば、6mm~50mmの範囲、好ましくは、8mm~35mmの範囲内とすることができ、回転可能な出口要素9a、9bの各々は、第1の直径dと等しいかそれより大きく、好ましくは0mm~8mmだけ、僅かに大きい第2の(外側の)直径Dを有する。
【0067】
回転可能な出口要素を供給流路の外側に配置し、供給流路の直径よりも小さくない直径を有する回転可能な出口要素を設けることによって、供給流路の内壁と搬送要素の外面との間の供給流路内にシェルの層が形成され、それによって、供給流路の端部から排出されないというリスクが下げられる。その代わり、本出願人は、ここで形成されるいかなる塊も、その代わりに、回転可能な出口要素の側縁部と係合する可能性が高く、より小さな塊に破砕されるか、又は、粒子又は造粒物などの、構成部分に分解される可能性が高いと考えている。さらに、供給流路を通して供給される粉末が、回転可能な出口要素の半径方向外側の先端部又は突出部と供給流路の内壁との間で押しつぶされたり、砕かれたりするリスクが低い。こうして、粉末係合縁部15を有する回転可能な出口要素9a、9b(図15参照)は、供給流路3を離れた粉末、例えば、供給流路3を多かれ少なかれ密着した物質として離れた凝集性粉末と係合し、粉末が流路を離れた後、供給流路の長手方向にほぼ垂直な方向に粉末を押し、それによって、供給流路を出た粉末の密着した塊及びシェルの層を分解させる。
【0068】
回転可能なスクリュー要素7a、7bは、各々、回転軸線7a’、7b’と、意図される回転方向とを有する。図4に見られ、矢印77で示されるように、意図される回転方向は、ここでは、両方の回転可能なスクリュー要素7a、7bについて時計回りである。選択される実際の回転方向は、当然、螺旋スクリューがどのように設けられているかに依存して、反時計回り又は時計回りであり、そして、結果として生じる回転は、それぞれ時計回り、反時計回りである。本実施形態では、回転可能なスクリュー要素は、各々、スクリュー要素の周囲及び沿いに延在する螺旋状隆起部17a、17bであって、巻部の間で螺旋状谷部19a、19bを画定する螺旋状隆起部17a、17bを有する。2つの回転可能なスクリュー要素7a、7bは、それぞれの、互いに平行な回転軸線7a’、7b’を有するように設けられている。2つの回転可能なスクリュー要素7a、7bのいずれかの螺旋状隆起部17a、17bは、隣接する回転可能なスクリュー要素7b、7aの螺旋状谷部19a、19b内に延在しており、2つの回転可能な出口要素9a、9bは互いに互い違いの位置に取り付けられており、2つの回転可能な出口要素9a、9bの周縁部が互いに重なるようになっている。隣接する谷部内に延在する隆起部を有する、2つ以上又はさらにはそれ以上のスクリュー要素を設けることによって、スクリューが回転軸線を中心として粉末材料を循環させるリスクが最小限に抑えられ、それによって、供給流路内の粉末材料の保持時間と、粉末に加えられる圧力の量が最小限に抑えられるように、しっかりとした輸送が提供される。
【0069】
本実施形態では、螺旋状隆起部17a、17bは、一定の値を有するピッチS(図3参照)を有する。例えば図3に示すようなスクリュー要素7a、7bは、二重巻きスクリュー、すなわち、互いに絡み合った二つの螺旋で具現化されていることに留意されたい。あるいは、ピッチSは、下流端部5に向かって増加する値を有しうる。圧力勾配が増加する減少ピッチとは対照的に、一定又は(わずかに)増加するピッチにより、一定又はわずかに減少する圧力勾配で粉末の均一な輸送を提供する。
【0070】
図示の実施形態では、第1の遊び21が、螺旋状隆起部の頂部と、バレル3aの内側壁、すなわち供給流路3の側壁との間において存在する。この第1の遊びは、0.5mm~2mmの範囲内にあることが好ましい。このように、一方では、螺旋状の隆起部がバレルの壁面に対して掻かれず、他方では、材料、すなわち粉末は、使用中に効果的に前進させられる。
【0071】
図1図5に示す実施形態では、回転スクリュー要素7a、7bは凹型のスクリューであり、それによって、螺旋状隆起部17a、17bの隣接する巻部の間の螺旋状谷部19a、19bは、それぞれの回転軸線7a’、7b’を通る軸線方向断面において湾曲した延長部を有する。2つの回転可能なスクリュー要素の間の遊びは、低減させることができ、それにより、スクリュー要素の回転中に、材料が回転可能なスクリュー要素上又はそれと共に循環するのを防止し、それにより、螺旋状隆起部の隣接するターンの間の谷部を洗浄する効果が得られる。このタイプの凹型及び自己洗浄のスクリューは、一般に、当業者には当業者には公知である。
【0072】
本実施形態では、第2の遊び23(図5及び図9参照)が、それぞれの回転可能な出口要素9a、9bと、供給流路3の下流端部5を画定する下流端面25との間に存在する。バレル3aの下流端面25は、2つの回転可能な出口要素の互い違いの位置に対応するように下流端面を収容する段部27を備えることに留意されたい。この点については例えば図7を参照されたい。第2の遊び23は、本実施形態では、0.1mm~5mmの範囲内、好ましくは0.5mm~3mmの範囲内にある。第2の遊びによって、粉末表面に向かって回る回転可能な出口要素9a、9bの側面が、回転可能な出口要素の端面内の粉末表面の部分において圧力勾配を潜在的に増加させる、端面に対して擦ることがないためである。さらに、第2の遊び23の低減された寸法によって、通過する任意の塊の寸法が一定の最大値を超えないことを保証し、また、ここから出て行く粉末に増大した圧力が生成される体積部分を提供しないことを保証する。
【0073】
第3の遊びが、螺旋状隆起部17a、17bの下流端部と、回転可能な出口要素9a、9bとの間に存在し、この第3の遊びは0mm~11mmの範囲内、好ましくは0~3mmの範囲内にある。
【0074】
したがって、一実施形態では、螺旋状隆起部は、回転可能な出口要素まで延在する、すなわち、第3の遊びは、ほぼゼロである。
【0075】
一般に、第3の遊びの利点は、供給流路3の下流端部5に到達する粉末材料から生じる推進力とは別の推進力がないために、回転可能な出口要素9a、9bのすぐ上流の圧力勾配を回避又は最小化することである。
【0076】
2つの回転可能なスクリュー要素7a、7bと2つの回転可能な出口要素9a、9bが重なり合う部分を有する本実施形態では、第4の遊び29が、2つの回転可能な出口要素9a、9bの重なり合う部分の間に存在する。この第4の遊び29は、本実施形態では0.1mm~5mmの範囲内、好ましくは0.5mm~3mmの範囲内にある。第4の遊びは、2つの回転可能な出口要素9a、9bが互いに擦れ合って、動作中に、回転可能な出口要素9a、9bから粉末粒子又は造粒物を摩耗又は破壊しないことを保証する。他方、第4の遊びは、2つの回転可能な出口要素9a、9bの間を通過するときに形成される任意の塊の寸法が一定の最大値を超えないように、また、ここから出て行く粉末に増加した圧力が生成される体積部分を提供しないように、減少した寸法であるべきである。
【0077】
第3の遊びに関して、本実施形態では、図5及び図9を参照すると、2対の回転可能なスクリュー要素及び回転可能な出口要素について相違することに留意されたい。こうして、第1の対の回転可能なスクリュー要素7aと回転可能な出口要素9aでは、回転可能なスクリュー要素7aの下流端部は下流端面25の隣接する部分と面一であり、従って、第3の遊びは第2の遊び23と等しい。しかしながら、第2の対の回転可能なスクリュー要素7b及び回転可能な出口要素9bについては、回転可能なスクリュー要素7bの下流端部は回転可能なスクリュー要素7aの下流端部と面一であり、これら2つの要素が互いに衝突又は摩耗しないように、回転可能なスクリュー要素7bの下流端部と回転可能な出口要素9aとの間に遊びを残している。さらに、本実施形態では、回転可能な出口要素9a、9bは、出口開口部を備える環状部において、特に供給流路3の下流端部に面する側において、平面状であり、特に、回転可能な出口要素の環状部は、平面状であり、厚さ30は0.5mm~5mmの範囲内である。このように、回転可能な出口要素9b、特にその環状部は、第2の遊び23と、回転可能な出口要素9aの環状部の厚さ30と、第4の遊び29の合計だけ、螺旋状隆起部17bの下流端部から距離を置くことになる。
【0078】
例えば段部27は高さ27aを有し、これは、回転可能な出口要素9aの環状部の厚さ30と第4の遊び29との合計にほぼ等しい。
【0079】
図に示される実施形態では、特に図4図5図8及び図9において参照されるように、回転可能な出口要素9a、9bは、回転軸線7a’、7b’を中心としてそれと共回転するために、それぞれの回転可能なスクリュー要素7a、7bに固定される。したがって、回転可能な出口要素9a、9bは、各々、ねじ込みピン31a、31bを備え、回転可能なスクリュー要素7a、7bは、各々、ねじ込みピン31a、31bを受け入れるためのねじ込み穴33a、33bを備える。回転可能な出口要素9a、9bは、各々、スクリュードライバ等を受け入れるためのスロット35a、35bを備える。こうして、回転可能な出口要素は、本実施形態では、回転可能なスクリュー要素に着脱自在に固定される。回転可能な出口要素は、各々、それぞれの回転可能なスクリュー要素7a、7bの下流端部に当接しかつ第3の遊びを画定する突出部37a、37bをさらに備える。
【0080】
本実施形態では、回転可能なスクリュー要素7a、7b自体には、スクリュードライバ等のためのスロットが設けられており、回転可能なスクリュー要素7bのスロット39bは、図5に示されている。したがって、回転可能なスクリュー要素7a、7bは、例えばスクリュー取付具又はバイオネット式取付具としうる、それらのそれぞれの取付具(図示せず)から取り外されうる。当業者は、他の装着構成が可能であることを理解するであろう。したがって、回転可能な出口要素9a、9bの取付具は、バイオネット式取付具又は他の取付具とすることができ、又は、回転可能な出口要素9a、9bは、例えば供給装置1の洗浄又は保守のために、それとともに取り外されるようにそれぞれの回転可能なスクリュー要素7a、7bに永久的に固定されうる。
【0081】
次に、図10図19を参照して、回転可能な出口要素の実施形態をより詳細に説明する。図示されているような実施形態については、時計回りの回転が意図されているが、当業者は、供給装置の設計又は配置に応じて、必要に応じて、これを逆にすることができることを認識することに留意されたい。
【0082】
図15は、図1図5及び図8及び図9に示される回転可能な出口要素9a又は9bなどの回転可能な出口要素9を示す。回転可能な出口要素9は、図面の平面に対して垂直に延在する回転軸線7’を有する。回転可能な出口要素9は、中心コア部41と、中心コア部から離れて延在するいくつかの突出部43とを備える。いくつかの突出部43は、これらの間において、供給装置1によって供給される粉末材料のための出口開口部13を画定しており、各突出部は、中心コア部41において根元部47と、中心コア部41から離れた先端部49とを有している。回転可能な出口要素9a、9bと同様に、回転可能な出口要素9は、スクリュードライバ等のためのスロット(図示せず)を備える。
【0083】
本実施形態では、中心コア部41は、回転可能な出口要素7a、7bの下流端において、回転可能な出口要素9が取り付けられるべきである、回転可能なスクリュー要素7a、7bのコア部の直径以下の径を有する。回動可能なスクリュー要素7a、7bのコア部の直径は、螺旋状谷部19a,19bの底部によって画定されうる。これにより、供給された粉末材料の通過が中心コア部41によって妨げられず、それによって、粉末が受ける圧力勾配の増加のリスクが低減される。
【0084】
さらに、回転可能な出口要素9の実施形態に関しては、以下に示すように、多種多様であることが可能である。
【0085】
本実施形態では、図10図15を参照すると、突出部43は、回転軸線7’を中心として等距離間隔で配置されている。
【0086】
さらに、本実施形態では、全ての突出部は、形状及び寸法が相互に類似している。
【0087】
いくつかの実施形態では、図10a~図10d、図11a~図11f、図12e~図12f、図13a~図13c、図14a、図14c、図14e及び図15を参照すると、突出部は、根元部から先端部まで一定の幅を有する。これにより、突出部同士の間の比較的大きな空間、すなわち、比較的大きな出口開口部45が提供される。
【0088】
代替の実施形態では、図10e~図10f、図12a~図12d、図13d及び図14bを参照すると、突出部の根元部は、突出部の先端部よりも広い。これにより、突出部43の強度が向上する。
【0089】
さらに、いくつかの実施態様において、図10e~図10f、図12c~図12d及び図13dを参照すると、隣接する突出部の根元部は、中心コア部で遭遇する。
【0090】
いくつかの実施形態では、特に図10a~図10f、図13a、図13f、図14a、図14c、図14e及び図15を参照すると、突出部は、根元部と先端部が回転軸線から延在する共通の半径上に位置決めされるように延在している。
【0091】
いくつかの実施形態において、特に図10c~図10d、図11e、図12a、図12c、図13c及び図14bを参照すると、突出部は、先端部が根元部に対して意図された回転方向において先導する状態で延在している。これにより、粉末材料を回転軸線に向かって少なくともわずかに内側に向かう方向に押し込むことができる。
【0092】
いくつかの実施態様において、特に図11f、図12b、図12d及び図13bを参照すると、突出部は、先端部が根元部に対して回転方向において後続するように延在している。これにより、粉末材料を回転軸線から少なくともわずかに外側に向かう方向に押し出すことができる。
【0093】
いくつかの実施形態では、特に図11a、図11b、図11e、図11f、図12c、図12及び図14bを参照すると、突出部は、根元部から先端部まで湾曲した延長部を有している。これにより、粉末材料に集合効果を与える凹面又は粉末材料に広がり効果を与える凸面で粉末材料を押し込むことができる。
【0094】
さらなる実施形態では、図11e、図11f、図12c、図12d及び図14bを参照すると、突出部はC字形状に延在している。これにより、突出部は、一定の曲率又は螺旋状の曲率を有する、湾曲した延長部を有しうる。
【0095】
他の実施形態では、図11a及び図11bを参照すると、突出部はS字形状に延在している。
【0096】
さらに他の実施形態では、図12e及び図12fを参照すると、突出部はZ字形状に延在している。
【0097】
一般に、隣接する突出部43がそれらの間に画定される実施形態では、回転軸線7’に向かって半径方向に延在する出口開口部45が中心コア部41の直径を規定する。
【0098】
いくつかの実施態様において、図11c、図11d及び図14cを参照すると、突出部は、先端部において、ほぼ周方向に延在している、少なくとも1つの延長部を有している。これにより、粉末材料は、回転軸線に対して見られるように、半径方向外側から接触されうる。
【0099】
いくつかの実施態様において、図14a及び図14eを参照すると、いくつかの突出部は、少なくとも1つの周方向リング部によって相互接続される。これにより、粉末材料の成分のいずれかの成分が例えば硬質結晶などの硬質材料を含む場合に、相互支持の形態で突出部の強度がより良好となる。このような実施態様において、特に、突出部の先端部は、外周リング部40によって相互接続されうる。外周リング部40は、好ましくは、供給流路3の第1の直径dより小さくなく、より好ましくは供給流路3の第1の直径dよりも大きい、内径D1を有する。
【0100】
一実施形態では、図14dを参照すると、いくつかの突出部は、各々、前縁部及び後縁部を有し、両者は、回転軸線から延在するそれぞれの半径に沿って延在している。
【0101】
図15図19を参照すると、参照番号51は、供給流路3の下流端部5に面し、したがって、回転可能なスクリュー要素によって供給される粉末材料に曝される回転可能な出口要素7の側を示し、突出部43の粉末係合縁部15は、代替的な方法で具現され得る。
【0102】
一実施形態では、図16を参照すると、粉末係合縁部15は、下流端部に隣接する突出部43の先端部15aが意図された回転方向に対して矩形となるように形成される。
【0103】
別の実施形態では、図17を参照すると、粉末係合縁部15は、意図された回転方向に対して下流端部に隣接する突出部43の先端部15bが鋭角を形成するように形成されている。この実施形態は、いくつかの用途に対して有利ではない場合があり、例えば、供給されるべき粉末が特定量の感光性の医薬品有効成分を備え、供給されるべき粉末上のより鋭い粉末係合縁部からの圧力が、これらの医薬品有効成分の物理的又は化学的変化につながる可能性がある場合に有利ではない。実際、反対がより有利な実施形態であり得るが、同じ図17を使用するが、ここでは、鋭角で切断される粉末係合縁部の後縁部であり、その後、粉末は、結果として生じる鈍角の前縁部からより低い圧力を受ける。
【0104】
さらに別の実施形態では、図18を参照すると、粉末係合縁部15は、意図された回転方向に対して下流端部に隣接する突出部の前縁部15cが面取りされるように形成される。
【0105】
さらに別の実施形態では、図19を参照すると、粉末係合縁部15は、意図された回転方向に対して下流端部に隣接する突出部の前縁部15dが丸くなるように形成される。
【0106】
粉末係合縁部の面取り又は丸められた前縁部を適用する場合、より緩やかな押し込み又は横向きの付勢力を粉末に印加することができ、これにより、供給された粉末上に圧力が生成されるリスクが低減されうる。
【0107】
出口要素の材料は、任意の適切な金属、セラミック、ポリマー、エラストマー、又はそれらの組合せとすることができ、有利には、表面材料は容易に洗浄可能である。したがって、出口要素は、1つの材料からなるコア部と、別の材料からなる表面層とを備えうる。これにより、比較的に硬い又は軟らかい表面を設けつつ、突出部43の特定の剛性を有する出口要素を設計することができる。特に、粉末係合縁部15の柔軟性(曲げ性)は、供給器内に供給される粉末を収容するために設計することができ、したがって、粉末がより敏感であるほど、使用される材料が、有利的には少なくとも流れ方向に対して横断方向において、より可撓性又は柔軟性を有する。一般的に、医薬業界で適用されているGMP(製造管理及び品質管理に関する基準(Good Manufacturing Practice))の要件により、非動物材料が好ましい場合がある。一例として、出口要素は、ステンレス鋼製のコア部と、ポリマー及び/又はエラストマー製の表面を備えうる。いくつかの実施形態では、ステンレス鋼が好ましいが、セラミックス、プラスチック又はポリマー又はエラストマーを使用することもできる。さらに、突出部は、図示のようにインペラ状アームの代わりにブラシ構成とすることができる。また、任意の組合せが可能である。
【0108】
出口要素の実施形態に関連するそれぞれの異なる特徴は、スポーク数、角度、寸法、傾斜、又は、要素材料が異なるかどうかに関わらず、全て、輸送又は投入される出た粉末材料の要件及び供給器の設計に適合するように出口要素を構成するために、当業者が利用可能であることを理解されたい。
【0109】
ここで、図20図25を参照すると、本発明の範囲内で、搬送要素の異なる実施形態が可能であることに留意されたい。
【0110】
したがって、図20及び図21は、少なくとも1つの螺旋状隆起部117a、117bと、スクリュー要素107a、107bのコア部を画定する筒状底部120a、120bをスクリュー要素107a、107が有する、螺旋状隆起部117a、117bの隣接するターンの間の谷部119a、119bとを備える、2つのオーガー型スクリュー要素107a、107bを備える、一実施形態の搬送要素を示す。図1図9に示される実施形態と同様に、図20及び図21に示される実施形態は、回転可能な出口要素9a、9bなどを備える。例えば図21に示すようなスクリュー要素117a、117bは、単一巻きのスクリュー、すなわち、その長さに沿って延在する1つの螺旋で具現化されていることに留意されたい。この種のオーガー型スクリュー要素は、当業者には一般に公知である。
【0111】
図22及び図23は、図1図5に示された実施形態と同様に、凹型のスクリューであって、螺旋状隆起部217と、螺旋状隆起部217の隣接するターンの間の谷部219とを備える、単一のスクリュー要素207を備える、一実施形態の搬送要素を示している。図1図9に示す実施形態と同様に、図22及び図23に示す実施形態は、回転可能な出口要素9を備える。図23に示されるようなスクリュー要素207は、二重巻きスクリュー、すなわち、互いに絡み合った2つの螺旋で具現化されていることに留意されたい。
【0112】
一実施形態では、回転軸線に沿って設けられかつ、下流端部5に向かって粉末を推進するためにピッチを有するパドル状突出部を担持する要素を備える、隔螺式のスクリュー要素などの分布流要素として知られるものが設けられうる。
【0113】
他の組み合わせが可能であり、好ましくは、少なくともスクリューの一部又はスクリューが搬送部である。また、他のセクションの設計が可能であり、混練、混合、切削、圧力上昇又は下降、及び他の要素設計が可能である。さらに、前述したように、パドル又は能動要素などの、スクリュー構成に対する代替案が考えられる。さらに、液体、加熱、秤量の用途などの他の工程なども、ここでは輸送又は投入セクションに適用可能である。
【0114】
注:上述した図示の装置の全ての実施形態は、当業者に公知のように、1つ又は複数の回転スクリュー要素などの搬送要素を駆動するための1つ又は複数のモータと、加熱又は冷却配置などの補助部品と、計量装置、分析センサなどのプロセス解析工学(PAT)と、制御装置などの供給装置の動作に必要な部品を備えうる。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10(a)】
図10(b)】
図10(c)】
図10(d)】
図10(e)】
図10(f)】
図11(a)】
図11(b)】
図11(c)】
図11(d)】
図11(e)】
図11(f)】
図12(a)】
図12(b)】
図12(c)】
図12(d)】
図12(e)】
図12(f)】
図13(a)】
図13(b)】
図13(c)】
図13(d)】
図14(a)】
図14(b)】
図14(c)】
図14(d)】
図14(e)】
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
図23
【国際調査報告】