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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-03-31
(54)【発明の名称】機械化学的プロセス
(51)【国際特許分類】
   B09B 3/30 20220101AFI20220324BHJP
   C02F 11/00 20060101ALI20220324BHJP
   C02F 11/10 20060101ALI20220324BHJP
【FI】
B09B3/00 Z ZAB
C02F11/00 C
C02F11/10 Z
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021546832
(86)(22)【出願日】2020-02-09
(85)【翻訳文提出日】2021-09-27
(86)【国際出願番号】 EP2020000035
(87)【国際公開番号】W WO2020164792
(87)【国際公開日】2020-08-20
(31)【優先権主張番号】102019000987.8
(32)【優先日】2019-02-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】521353654
【氏名又は名称】スマート マテリアル プリンティング ビー.ヴイ.
【氏名又は名称原語表記】SMART MATERIAL PRINTING B.V.
(71)【出願人】
【識別番号】521353665
【氏名又は名称】ミュンヒ, エルケ
【氏名又は名称原語表記】MUENCH, Elke
(74)【代理人】
【識別番号】100133503
【弁理士】
【氏名又は名称】関口 一哉
(72)【発明者】
【氏名】ルーテ, グレゴア
【テーマコード(参考)】
4D004
4D059
【Fターム(参考)】
4D004AA02
4D004AA03
4D004AA04
4D004AA07
4D004AA12
4D004AA16
4D004AA31
4D004AA43
4D004AA46
4D004AB05
4D004AB09
4D004BA04
4D004CA04
4D004CA13
4D004CA15
4D004CA40
4D004CA43
4D004CB13
4D004CC09
4D004CC12
4D004CC15
4D004DA03
4D004DA06
4D004DA10
4D059AA03
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4D059BJ20
4D059BK11
4D059BK22
4D059BK23
4D059BK30
4D059CA21
4D059CC01
4D059CC04
4D059CC07
4D059CC10
4D059DA01
4D059DA02
4D059DA03
4D059DA05
4D059DA08
4D059DA12
4D059DA15
4D059DA22
4D059DA32
4D059DA33
4D059DA35
4D059DA38
4D059DA44
4D059DA46
4D059DA47
4D059DA55
4D059DB08
(57)【要約】
本発明は、問題のある、合成の、生物起源及び生物学的材料Aを除染及び/又は除去するため;リン酸塩Bを分解するため;金属及びその化合物Cを固定化するため;二酸化炭素と一酸化炭素Dを元素に分離するため;及び、価値のある生成物Eを回収するための、機械化学的プロセスに関する。このプロセスは、以下を含む:-少なくとも1つの材料A、B、C及び/又はD、及び-少なくとも1つのタイプの炭素又は炭素生成材料Gを含む、摩砕される材料Fを提供すること、あるいは、FとGの成分を互いに別々に提供すること、-摩砕される材料Fを機械式ミル(1)に充填すること、あるいは-摩砕される材料Fの成分を機械式ミル(1)に充填すること、及び、-攪拌手段(1.4)によって移動する摩砕エレメント(1.2)又はローラ(1.4.6)を使用して摩砕すること、その後、得られた生成品Iは、摩砕エレメント(1.2)又はローラ(1.4.6)から分離され、摩砕チャンバ(1.1)から排出され、ワークアップされる。本発明はまた、価値のある材料Eとしての生成物Iの使用、機械化学的ミル(1)を駆動するための自己冷却電動モータ(4)の使用、及び新たな攪拌手段(1.4)を有する機械化学的ミル(1)に関する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
問題のある、合成、生物起源及び生物学的物質の除染及び/又は除去のため(A)、リン酸塩の消化のため(B)、金属及びそれらの化合物の固定化のため(C)、二酸化炭素を、(D)元素に分解し、そして価値のある生成物の回収のため(E)の機械化学的プロセスであって、
(I)粉砕ストックF、少なくとも1つの流体F、少なくとも1つの溶液F、少なくとも1つの懸濁液F、少なくとも1つの細かく分割された固体混合物F及び/又は少なくとも1つの反応性ガスFとして利用可能にし、それは以下を含むものである:
- 少なくとも1つの材料A、B、C及び/又はD及び
- 純粋な細かく分割された鉱物石炭、部分的に熱分解された石炭、バイオチャー及び活性炭、汚染又は含浸された細かく分割された鉱物石炭、部分的に熱分解された石炭、バイオチャー及び活性炭、細かく分割された亜炭及び純粋及び汚染又は含浸された細かく分割された炭素供給源、並びに上記の湿った材料Gからなる群から選択される少なくとも1つの材料G、又は代わりに、成分F及びGは、互いに別々に利用可能にされる
(II)少なくとも1つの流体F、少なくとも1つの溶液F、少なくとも1つの懸濁液F、少なくとも1つの細かく分割された固体混合物F及び/又は少なくとも1つの反応性ガスFを、少なくとも1つの機械式ミル(1)の粉砕チャンバ(1.1)内に連続的又は不連続的に供給する、又は代わりに
(III)粉砕ストックFの成分A、B、C及び/又はD並びにGを、少なくとも1つの機械式ミル(1)の粉砕チャンバ(1.1)へ次々に、又は同時に、連続的又は不連続的に注ぎ、そして
(IV)攪拌手段(1.4)又は移動粉砕媒体(1.2)又はローラ(1.4.6)を使用して、一定及び/又は可変の回転速度でそれらを細かく粉砕し、その後、
(V)少なくとも1つの粉状生成物I及び/又は少なくとも1つの粉状生成物Iの結果として生じる少なくとも1つの懸濁液Hを粉砕媒体(1.2)又はローラ(1.4.6)から連続的又は不連続的に分離し、粉砕チャンバ(1.1)からそれを排出して、そして、
(VI)少なくとも1つの細かく分割された固体生成物Iを懸濁液Hから分離し、その結果、少なくとも1つの消化された生物学的に利用可能な可溶性物質が価値のある生成物Eとして液体媒体に入り、又は、
(VII)少なくとも1つの細かく分割された固体生成物Iに存在する又はまだ存在する少なくとも1つの消化された生物学的に利用可能な可溶性物質Eを少なくとも1つの液体媒体で洗浄するか、又はそれをさらに使用するまで少なくとも1つの生成物I内に生成物Eとして残し、及び/又は
(VIII)活性炭Gの少なくとも1つの洗浄された細かく分割された固体生成物Iをプロセスステップ(I)にリサイクルし、及び/又はそれを他の場所で価値のある生成物Eとして使用し、及び/又は
(IX)価値のある製品Eとして再利用されるか廃棄されるまで、少なくとも1つの固定化金属C及び/又は少なくとも1つのその化合物Cを含む少なくとも1つの細かく分割された固体生成物Iを保管し、及び/又は
(X)結果として生じる元素窒素及び/又は酸素を分離することを特徴とする、機械化学的プロセス。
【請求項2】
液体媒体に可溶性である少なくとも1つの消化物Eが、リチウム、ナトリウム及びカリウムの塩並びにマグネシウム及びカルシウムの塩並びに生物学的に利用可能なリン酸塩Bからなる群から選択されることを特徴とし、及び/又は、少なくとも1つの固定化された材料Cは、主族元素、遷移金属、ランタニド及びアクチニドC並びにそれらの化合物Cからなる群から選択される、請求項1に記載の機械化学的プロセス。
【請求項3】
少なくとも1つの固体の細かく分割された生成物Iが、プロセスステップ(I)に戻される若しくは他の方法で使用される活性炭G、農地に施用される少なくとも1つのリン酸塩含有肥料E、少なくとも1つの固定化された金属C及び/又は少なくとも1つのその化合物Cを含有する少なくとも1つの安全に貯蔵可能な材料E、又は、少なくとも1つの固定化された金属C及び/又は少なくとも1つのその化合物Cに基づく少なくとも1つの不均一触媒Eからなる群から選択される価値のある少なくとも1つの生成物Eであることを特徴とする、請求項1又は2に記載の機械化学的プロセス。
【請求項4】
ミル(1)の粉砕チャンバ(1.1)内での粉砕中にプラズマが存在することを特徴とする、請求項1から3のいずれか一項に記載の機械化学的プロセス。
【請求項5】
プラズマが、ガス放電、ホットスポット、静電荷、エキソ電子の放出、トリボルミネッセンス、結晶格子欠陥、細断、転位、結晶格子振動、破壊形成、切断プロセス、圧縮、サンディング、摩耗、高圧、摩擦、準安定状態、及び固体の衝突及び/又は固体の相互の摩擦によるホットスポット、並びに、粉砕体(1.2)及び/又は粉砕チャンバの壁(1.1)上及び/又は攪拌手段(1.4)上及び/又は機械式ミル(1)の粉砕チャンバ(1.1)内の触媒活性及び/又は圧電性粒子及びコーティング、集束レーザ放射、電子ビーム、放射性放射、X線、UV放射、IR放射、マイクロ波放射、超音波、化学及び核反応、静電界、電磁界、直流電圧、容量性電気励起、ワイヤー爆発、ガス放電、電気アーク、火花放電、真空火花放電、サイクロトロン共鳴、容量性ガラス管放電、及びピンチ効果によるトリボプラズマの生成によって生成することができることを特徴とする、請求項4に記載の機械化学的プロセス。
【請求項6】
粉砕体(1.2)、ドライブシャフト(3)、粉砕チャンバ(1.1)の壁及び/又は攪拌手段(1.4)上及び/又は機械式ミル(1)の粉砕チャンバー(1.1)内の圧電性粒子及び/又はコーティングは、炭素、石英、チタン酸バリウムガラス(BTO)、チタン酸ジルコン酸鉛(PZT)、ニオブ酸鉛マグネシウム(PMN)、オルトリン酸ガリウム、ベリナイト、トルマリン、セイネット塩、酸化亜鉛の圧電薄層、窒化アルミニウム、窒化ケイ素、炭化ケイ素、酸化アルミニウム、酸化ジルコニウム及び窒化チタン、フッ化ポリビニリデン(PVDF)及び強誘電性多結晶セラミックからなるグループから選択され、粉砕媒体(1.2)、粉砕チャンバー(1.1)の壁、ドライブシャフト(3)上及び/又は攪拌手段(1.4)上及び/又は機械式ミル(1)の粉砕チャンバ(1.1)上の触媒活性粒子及び/又はコーティングは、金属、金属合金、金属化合物、微孔質材料からなる群から選択されることを特徴とする、請求項5に記載の機械化学的方法。
【請求項7】
少なくとも1つの材料Aが、生態学的に問題のある天然、合成、生物起源及び生物学的材料、強い臭いがする、毒性、可燃性、酸化性、放射性、炭素供給及び/又は爆発性材料、それらの混合物及び廃棄物、並びに、汚染された鉱物石炭、バイオチャー、活性炭及び炭素供給源からなる群から選択されることを特徴とする、請求項1から6のいずれか一項に記載の機械化学的方法。
【請求項8】
少なくとも1つの粉砕ストックFの粉砕が、前記粉砕媒体(1.2)及び前記少なくとも1つの粉砕ストックFの温度が-273℃~+1,200℃で行われることを特徴とする、請求項1から7のいずれか一項に記載の機械化学的プロセス。
【請求項9】
前記ホットスポット及び前記プラズマ中の温度が最大15,000℃であることを特徴とする、請求項8に記載の機械化学的プロセス。
【請求項10】
ミルベースF中の重量比(Y)=(A、B、C及び/又はD):(G)が0.01~1012であることを特徴とする、請求項1から9のいずれか一項に記載の機械化学的プロセス。
【請求項11】
ジャケットと、冷却剤を導くことができる内部空洞とを有する少なくとも1つの導波管を備える、磁場を発生させるための少なくとも1つの巻線を有する電気機械部品を備える電気モータの使用であって、前記巻線は、電気動作電圧が接続される2つの端部を有し、
- 前記導波管は、円形管状であり、1mm~4mmの範囲の外径を有し、
- 前記巻線の端部は、それぞれ冷却剤入口又は冷却剤出口として機能し、
- 前記巻線の端部は、冷却剤入口及び/又は冷却剤出口、導波管を接続するためのいくつかの導波管接続部、冷却剤が少なくとも1つの導波管に供給される分配チャネルを備えるコネクタに接続され、及び/又は、少なくとも1つの導波管から出てくる冷却剤がコネクタの冷却剤出口に導かれる回収チャネルを備えるコネクタに接続されており、
機械化学的プロセスのための機械式ミルのための駆動装置としての使用。
【請求項12】
少なくとも1つの回転可能又は固定式の機械化学的反応器及び導波管(1.1)を備える機械式ミル(1)であって、回転可能又は固定式のドラム(1.5)と、粉砕チャンバ(1.1)と、粉砕材料(F;1.3)用の少なくとも1つの入口(1.5.1)と、粉砕生成物Iのための少なくとも1つの出口(1.5.2)と、複数の固定式又は回転可能な攪拌手段(1.4)とを備え、ここで、
- 回転可能な機械化学的反応器及び導波管(1.1)のドラム(1.5)には、ディスク状の垂直ドラム壁(1.5.3)があり、その中心で、モータ(4)で駆動できる回転可能なドライブシャフト(3)に接続されおり、
- 固定式の機械化学的反応器及び導波管(1.1)のドラム(1.5)には、粉砕媒体(1.2)と粉砕ストック(1.3)を混合するためのドライブシャフト(3)の助けを借りて回転可能な攪拌手段(1.4)又はドラム(1.5)の長手方向に整列した回転可能なローラ(1.4.6)があり、ドライブシャフト(3)は、モータ(4)によって駆動され、ディスク形状の垂直ドラム壁(1.5.3)を介してブッシング(1.5.3.1)を介してガイドされ、
- 攪拌手段(1.4)は、ストライキング・ディスク(1.4.2)、ストライキング・ホール(1.4.3)、フラッピング又はストライキング・クラブ(1.4.4)、フラッピング又はストライキング・ウイング(1.4.5)からなる群から選択され、ストライキング・ホール(1.4.2.2)、フラッピング又はストライキング・ウェブ(1.4.2.4)、山と谷の輪郭(1.4.3.2)、接続ウェブ(1.4.4.2)、及び衝撃体(1.4.4.3)がドライブシャフト(3)に対して対称的に配置されており、ここで
- 回転可能なローラ(1.4.6)は、反対の回転方向(1.4.6.1)に回転でき、それらの回転軸(1.4.6.4)は互いに平行であるか、傾斜角度(1.4.6.5)を有しており、又は、削磨面(1.4.6.3)に対して回転することができる、機械式ミル(1)。
【請求項13】
前記ミル(1)が、同じタイプの攪拌手段(1.4)及び/又は少なくとも2つの異なるタイプの攪拌手段(1.4)を有し、前記攪拌手段(1.4)が、ストライキング・ディスク(1.4.2)、ストライキング・ファン(1.4.3)、ストライキング・クラブ(1.4.4)及びフラッピング又はストライキング・ウイング(1.4.5)からなる群から選択され、ここで、前記ストライキング・ホール(1.4.2.2)、前記フラッピング又はストライキング・ウェブ(1.4.2.4)、前記山と谷の輪郭(1.4.3.2)、前記接続ウェブ(1.4.4.2)及びストライキング体(1.4.4.3)が、前記ドライブシャフト(3)に対して対称に配置され、前記ドライブシャフト(3)の方向から見た攪拌手段(1.4)が一致(in congruence)及び/又はギャップ上にあることを特徴とする、請求項14に記載の機械化学的ミル(1)。
【請求項14】
前記ディスク形状の垂直ドラム壁(1.5.3)に対向する前記固定式及び前記回転可能な機械化学的反応器及び導波管(1.1)の両方の前記ドラム壁(1.5.4)には、電磁放射線及び/又は粒子放射線(2.1)が透過可能であって前記機械化学的反応器及び前記導波管(1.1)を少なくとも1つの放射源(2)から分離する1つの耐衝撃性グリッド又は窓(1.5.5)が設けられることを特徴とする、請求項12又は13に記載の機械式ミル(1)。
【請求項15】
前記粉砕チャンバ(1.1)が、少なくとも1つの円形狭窄部(1.1.2)によって形成された、前後に配置された少なくとも2つの球状粉砕チャンバ(1.1.1)を有し、ここで、ドライブシャフト(3)は、球形断面形状の粉砕チャンバ(1.1.1)及び前記円形狭窄部(1.1.2)の中心を通って伸びており、前記攪拌手段(1.4)の寸法が、前記粉砕チャンバ(1.1.1)の周期的に変化する直径に適合されることを特徴とする、請求項12から14のいずれか一項に記載の機械化学的ミル(1)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、リン酸塩の消化、金属及びそれらの化合物の固定、二酸化炭素及び一酸化炭素の元素への分解、並びに価値のある生成物の回収のための、問題のある合成、生物起源及び生物学的材料の除染及び/又は除去のための機械化学的プロセスに関する。
【0002】
本発明はまた、機械化学的プロセスから得られる生成物の使用に関する。
【0003】
最後に、本発明は、機械化学的プロセスのための新しい機械式ミルに関する。
【背景技術】
【0004】
特別な物理化学的効果と機械化学のメカニズムは、例えば以下の論文のような数多くの理論的解明の主題となっている。
V.V.Boldyrev,Mechanochemistry and mechanical activation of solids(Russian Chemical Reviews,75(3)177-189(2006));
P.Yu.Butygain and A.N.Streletskii,The Kinetics and Energy Balance of Mechanochemical Transformations(Physics of the Solid State,Vol.47,No.5,2005,856-852)
J.Fontaine et al.Tribochemistry between hydrogen and diamond-like carbon films(Surface Coatings Technology 146-147(2001)286-291;
L.Takacs,Mechanochemistry and the Other Branches of Chemistry:Similarities and Differences,in Acta Physica Polonica A,Vol.121(2012),3,711-714);
S.A.Steiner III et al.,Circumventing the Mechanochemical Origins of Strength Loess in the Synthesis of Hierarchical Carbon Fibers(Applied Materials&Interfaces,2013,4892-4903);又は、
Materialsgate Newsletter 9/12/2017,Tribology:Simulation shows previously unknown friction mechanisms at the molecular level。
【0005】
さらに、総説は、以下の論文など、機械化学の歴史的発展と展望の概要を示している。
S.L.Jamesら,Mechanochemistry:opportunities for new and cleaner synthesis(Chem.Soc.Rev.,2012,41,413-447)(ここでは、合金、酸化物、ハロゲン化物、硫化物、窒化物、複合材料などの無機材料の合成、電荷移動共結晶、酸塩基共結晶、イオン共結晶、共結晶による有機触媒作用などの共結晶、医薬品共結晶などの新しい形態の薬物、及び、化学量論的有機反応、金属触媒有機反応、有機触媒非対称反応、リガンドとホスト-ゲストシステムの合成、金属錯体の合成、配位ポリマー(MOF)の合成などの炭素-炭素と炭素-X結合の形成を用いた有機合成が示されている);
P.Balazら,Hallmarks of mechanochemistry:from nanoparticles to technology(Chem.Soc.Rev.,42,2013,7571-7637);又は、
Tomislav Friscic,Supramolecular concepts and new techniques in mechanochemistry:cocrystals,cages,rotoxanes,open metal-organic frameworks(Chem.Soc.Rev.,2012,41,3493-3510)。
【0006】
例えば、F.Cavalierie及びF.Padellaの論文「Development of composite materials by mechanochemical treatment of post-consumer plastic waste」(Waste Management,22(2002)913-916)には、ポリプロピレン及びポリエチレンの混合物を液体二酸化炭素中で粉砕することにより、もはや2つのポリマー間のいかなる不適合性も示さず、出発ポリマーよりも良好な特性を有する複合物を製造することができると記載されている。
【0007】
例えば、Haoliang Jiaらの論文「Formation of nanocrystalline TiC from titanium and different carbon sources by mechanical alloying」(Journal of Alloys and Compounds,472(2009)97-103)には、チタン粉末及び様々な炭素源からのナノ結晶炭化チタンの製造が記載されている。Tan Xingらの論文「Ball milling:a green approach for synthesis of nitrogen doped carbon nanoparticles」(Nanoscale,2013,5,7970-7976)には、窒素ドープ炭素ナノ粒子の製造のための工業的に適用可能な合成プロセスが記載されている。L.Borchardtらは、「Beilstein Journal of Organic Cemistry,2017,13,1332」において、スーパーキャパシタとして適用される階層的多孔質炭素の機械化学による合成の論文に、キャパシタ及び電極に使用するための植物材料からの多孔質炭素の製造を記載している。
【0008】
Journal of Composite Materials 0(0)1-8の簡単なラビング法を使用した炭素繊維の機械化学的表面改質という論文において、S.Motozukaらは、機械的摩擦によるポリアクリロニトリルに基づく炭素繊維の表面改質を記載している。
【0009】
論文「Mechanochemical Polymerization-Controlling a polycondensation reaction between a diamine and a dialdehyde in a ball mill」(RCS Adv.,2016,6,64799-64802)において、S.Graetz及びL.Borchardtは、ジアミンとジアルデヒドとの間の機械化学的重縮合を記載し、これは従来の方法に対する魅力的な代替法を提供するものである。
【0010】
会議報告書AIP Conference Proceedings,Volumei 664,Issue 1,150008(2015)「Recyclig and Processing of several typical crosslinked polymer scraps with enhanced mechanical properties based on solid state mechanochemical milling」において、著者らは、ケーブル廃棄物からの部分的に脱硫又は未架橋のタイヤゴムチップ、後加硫のフッ素ゴムカッティング及び架橋ポリエチレンカッティングの粉砕を記載しており、加工性が改善され、より良好な機械的特性を有する材料を得ている。
【0011】
異なる分野における機械化学の有用性のさらなる例は、以下の特許から明らかになる。
【0012】
例えば、独国特許出願公開第102014101766号明細書は、鉱物廃棄物及び残留物からランタニドを塩化物又は酸化物として回収し、必要に応じて分離する方法を開示している。このプロセスでは、粉末粒子が最初に生成され、次いで機械化学的に活性化される。欧州特許第1830824号明細書は、治療薬のナノ粒子を含むナノ粒子組成物を製造する方法を開示している。この際、前駆体化合物と共反応体との混合物を粉砕媒体を用いて粉砕装置で粉砕する。
【0013】
米国特許出願公開第2017/0036967号明細書は、高粘性媒体用の機械化学的反応器内で褐炭及びレオナルダイトからフミン酸に基づく肥料を製造する方法を開示している。
【0014】
ゼオライトの機械化学的製造は、国際公開第2012/072527号に記載されている。
【0015】
鉄を含まない金属粉末及び硫黄、セレン、テルル又はヒ素からの主に鉄を含まない金属カルコゲナイド又はヒ素の機械化学的製造は、欧州特許出願公開第1681270号明細書から明らかになっている。
【0016】
欧州特許第1303460号明細書は、二酸化マンガン及びリチウム塩からのリチウム化二酸化マンガンの機械化学的合成を記載している。
【0017】
欧州特許第0963825号明細書の翻訳であるDE69911502T2は、都市廃棄物又は商業廃棄物からの異種プラスチックの相溶化及びリサイクルのための、液体二酸化炭素の存在下でのポリエチレンテレフタレート、ポリスチレン、ポリプロピレン又はポリエチレンなどのプラスチックの機械化学的処理を記載している。
【0018】
独国特許出願公開4240545号明細書は、アシル化成分としてのアミノ保護アミノ酸を、粉砕によってNaCOx 10HOなどの結晶水を含有する物質の存在下でカルボキシル保護アミノ酸と反応させる、タンパク質分解酵素を用いたペプチドの製造方法を記載している。
【0019】
セルロース又はキチンなどの非熱可塑性天然ポリマー及び5~20重量%の合成熱可塑性樹脂から熱可塑性複合物を製造するための機械化学的プロセスが、特許第3099064号公報から明らかになっている。得られた複合材料自体は熱可塑性である。
【0020】
2017年1月20日の出願日を有する古い独国特許出願番号102018000418.0には、残留性有機汚染物質及び他の有機ハロゲン化合物を含まない価値のある生成物の製造のための機械化学的プロセスが記載されている。これらは、残留性有機汚染物質で汚染され、及び/又は他の有機ハロゲン化合物を含有する、単一タイプ及び非単一タイプのプラスチック及びプラスチックラミネートの廃棄物から製造される。
【0021】
そうすることで、機械化学的プロセスでは、(i)廃棄物は粒径分布ができるだけ狭くなるように細断され、(ii)砕かれた廃棄物は粉砕ボールを備えるミルに入れられ、さらに粉砕によって砕かれ、(iii)残留性有機汚染物質及び/又は存在する他の有機ハロゲン化合物の量に対して、少なくとも1つの脱ハロゲン化剤をモル過剰で添加され、(iv)粉砕され細かく砕かれた廃棄物と脱ハロゲン化剤の混合物をさらに粉砕し、事前に選択された時間後に、粉砕を終了し、(v)残留性有機汚染物質やその他の有機ハロゲン化合物を含まない、得られた価値のある生成物は、粉砕ボールから分離され、そして、水性溶媒で洗浄することによって生成されたハロゲン含有の水溶性生成物を分離し、及び/又は、ハロゲン含有の水不溶性生成物は、価値のある生成物中のフィラーとしてであるが、洗浄しない、(vi)乾燥後の洗浄された価値のある生成物及び洗浄されていない価値のある生成物は、残留性有機汚染物質及び/又は他の有機ハロゲン化合物をまだ含んでいるかどうかを判断するためにチェックされ、それにより、(vii)プロセスステップ(iv)の前及び/又は後に少なくとも1つの添加剤を加える。
【0022】
プラスチック、特に未混合プラスチック及びプラスチックラミネートのリサイクルに伴う別の問題は、例えばPVC、PVDF、PTFE又はクロロフッ素化熱可塑性樹脂がプラスチック廃棄物に含まれる場合、有機的に結合したハロゲンの含有量が高いことである。
【0023】
刊行物「Mechanochemical conversion of brominated POPs into useful oxybromides:a greener approach」(Sci.Rep.2016,6:28394)において、G.Castagnettaらは、対応するオキシ臭化物及び非晶質炭素の形成を伴う化学量論量の酸化ビスマス又は酸化ランタンとの反応による臭素化残留有機汚染物質の分解を記載している。
【0024】
論文「Simultaneous treatment of PVC and oyster-shell wastes by mechanochemical means,in Waste Management 28(2008)484-488」において、W.Tonganmpらは、塩化カルシウム及び二重結合を有する有機生成物を提供する、牡蠣廃棄物によるPVCの脱塩素を記載している。
【0025】
有機ハロゲン物質の還元的脱ハロゲン化のための機械化学的プロセスは、独国特許発明第197 42 297号明細書から明らかになっており、還元剤としての元素アルカリ金属、アルカリ土類金属、アルミニウム又は鉄、及び、水素源としてのエーテル、ポリエーテル、アンモニア、アミン、アミド、トリアルキルシラン、ポリアルキル水素シロキサン又は金属窒化物を個別に又は組み合わせて添加した物質又は物質混合物を、一段階で粉砕する。このようにして、PCB又はクロフェンで汚染された砂又は土壌を機械化学的に除染することができる。
【0026】
しかしながら、PVCなどのプラスチックの高い有機ハロゲン含有量だけでなく、より低い有機ハロゲン含有量も、プラスチック及びプラスチックラミネートをリサイクルする際に問題を引き起こす可能性がある。廃棄物が有機的に結合したハロゲンを含まなくても、屋外でプラスチック及びラミネートを長期間使用した後、遍在する残留性有機汚染物質又は残留性有機汚染物質又はPOP(残留性有機汚染物質)、例えばクロルダン、DDT、ディルドリン又はトキサフェンなどの第1世代の有機塩素殺虫剤、PCBなどの工業的に製造された化学物質、又は塩素化及び臭素化されたダイオキシン及びジベンゾフランなどの製造副産物及び燃焼生成物は、必然的に経時的に蓄積する。これらの化合物クラスの代表例は、「dirty dozen」としても知られている。POPは半揮発性であり、気相中とダスト粒子に結合した状態の両方で発生する可能性があり、長距離輸送機構を介して世界中に分布している。それらは親油性のため、動物及びヒトの脂肪組織に生物蓄積する。一部のPOPは、内分泌破壊物質と考えられているか、又は発癌性であり、不妊症、行動障害、及び免疫不全にも関連している。それらの痕跡は、化粧品、インク及びプラスチック中の着色顔料として使用される二酸化チタンナノ粒子など、大規模な製品を汚染する。その量は、詳細には少なく見えるかもしれないが、二酸化チタンの量が問題となっているため、無視することはできない。
【0027】
(Georgios Ctistis,Peter Schon,Wouter Bakker and Gregor Luthe,PCDDs,PCDFs,and PCBs co-occurrence in Ti02nanoparticles(Environmental Science and Pollution Research,DOI 10.1007/s1 1356-015-5628-7)による論文を参照)
【0028】
Critical Reviews(Environmental Science and Technology,August 2018,pages 1 to 51)における論文「A mini-review on mechanochemical treatment of contaminated soil:From laboratory to large-scale」において、G.Cagnettaは、土壌の機械化学的除染の概要を提供する。
【0029】
独国特許出願公開第10261204号明細書から、ダイオキシン、ジベンゾフラン及び副生成物(同族体)又はPCBのような、ポリハロゲン化化合物又は有機塩素物質などの環境毒素で汚染された固体又は液体製品を、高速度プロセスによって除染又は解毒する方法が知られており、この方法では、汚染された製品は、衝撃力又は剪断力の複数の影響によって、いわゆるトリボマテリアルを使用して高速度の微細粉砕に供される。デュラン/ソリデックスから窓ガラスまでのすべてのタイプのガラスが、トリボマテリアルとして使用される。また、必要に応じて、砂粒、花崗岩粒子及び石英斑岩粒子、並びに、カレット粒子としてのエナメル、又はソーダライト、セラミックスを混合して用いることができる。これらの場合、粒子のサイズは最大5mmである。しかし、二酸化ケイ素、酸化カルシウム、酸化マグネシウム、二酸化チタン、酸化鉄、酸化ジルコニウム又は酸化ホウ素などの酸化物、黄鉄鉱、硫化鉄及び硫化アンチモンなどの硫化物、窒化ホウ素及び窒化ケイ素などの窒化物、炭化ホウ素、炭化ケイ素及び炭化タングステンなどの炭化物、ケイ化鉄及びケイ化チタンなどのケイ化物、又はケイ素及びホウ素を、必要に応じてそのまま又は混合して使用することもできる。粒径は10μm~1mmである。本特許出願の実施例3では、0.17のTCDD(2,3,7,8-テトラクロロジベンゾ[1,4]ジオキシン)及び0.23gの同族体が吸収された10gの活性炭を、200gの破壊されたデュランガラス及び2kgの粉砕鋼ボール(CR6)で粉砕した。粉砕後に毒素又は揮発性有機化合物を検出することはできなかった。
【0030】
微量物質を除去するプロセスは、2018年12月30日にインターネットからダウンロードされた企業出版物「HUBER技術廃水溶液、第4の洗浄レベル:微量汚染物質を除去するためのHUBER溶液」から既知である。これらは、洗い流すことによって再生される活性炭フィルタを使用する。しかしながら、フィルタが動作し続けると、活性炭の内面への微量汚染物質の負荷が増加する。活性炭フィルタを用いたプロセスは、オゾン処理又は二次清澄器タンクからの水の砂濾過と組み合わせることもできる。
【0031】
ドイツだけで毎年、何百万トンもの液体肥料、乾燥液体肥料、液体肥料、消化物、乾燥発酵物、下水汚泥、発酵物、バイオ廃棄物、二次清澄器からの水、生物学的浄化段階からの乾燥濃縮物、並びに、化学洗浄器、フィルタ及び静電集塵器からの廃棄物及び残留物、排気処理及び空調システムからの廃棄物及び残留物が発生する。これらは、とりわけ、硝酸塩、亜硝酸塩、ニトロソアミン、アンモニウム塩、アンモニア、硫黄化合物、農薬、薬物及びそれらの残留物及び代謝産物、重金属及び放射性金属及びそれらの化合物、ウイルス、細菌及び他の毒性物質を含有する。
【0032】
したがって、ドイツ立法府及び欧州連合は、これらの汚染物質の排出にさらに厳しい基準を適用している。生産者、廃棄物処理業者及び廃棄物使用者は、これに適応しなければならない。
【0033】
液体肥料及びその伝統的かつ慣習的な利用方法、例えば、液体肥料を表面に広げるか又は土壌に直接接種する液体肥料タンクを用いて、それを農場所有の肥料として圃場及び牧草地に広げることは、特に問題である。液体肥料が過剰に、又は植生がそれに含まれる栄養素を吸収できない冬などの時期に施用されると、栄養素がより深い土壌層に浸出し、地下水及び地表水に浸出又は遮蔽及び侵食するリスクが増加する。アンモニウム塩、硝酸塩及び他の液体肥料成分は、例えば、水域での富栄養化によって藻類異常発生及び魚の死を引き起こす可能性がある。最後に、特に幅広スプレッダを使用する場合の土壌表面への施用は、易溶性窒素化合物、とりわけすべてのアンモニウム塩がアンモニアの形態で失われるため、栄養損失に関連する。
【0034】
排泄物はまた、獣医学的薬物、特に抗生物質からの残留物を含有し得る。特に、抗生物質が大規模に使用される集中的な畜産では、動物は、物質の大部分を糞便及び尿中にそのまま排出する。このような肥料を散布することにより、薬物も地下水などの環境に入る。EHEC細菌株などの危険な病原体が動物の排泄物を介して土壌に侵入する可能性があるため、植物及び果実の成長のために肥料の施肥は一般に禁止されている。
【0035】
バイオガスプラントにおけるバイオマスの発酵後に残る液体又は固体残留物は、消化物と呼ばれる。バイオガススラリー又は発酵生成物という用語も使用される。栄養素の含有量が高いため、発酵残渣は主に農業肥料として使用される。他の利用方法では、農地に敷き詰める前に、まず消化物を乾燥させる。発酵残渣の乾燥システムは、バイオガスの電気への変換からの熱で運転されることが多い。発酵残渣は、セルロース及びリグノセルロースなどの一定の割合の難分解性炭水化物を依然として含有する可能性があるため、乾燥後の燃料としても興味深いものとなり得る。しかしながら、その高い鉱物含有量並びにそれが含有する硫黄及び窒素化合物は、高レベルのスラグ及び腐食を引き起こす。
【0036】
別の問題領域は、下水汚泥である。これは、廃水処理における沈降によって生成される固体と液体の混合物である。液体媒体は、水に加えて、溶解した多数の化合物を含む。初期状態では、下水汚泥は薄く色が濃い。沈降(重力の作用)によって、約2%~5%の固形分が達成される。
【0037】
別の問題領域は、下水汚泥である。これは、廃水処理における沈降によって生成される固体と液体の混合物である。液体媒体は、水に加えて、溶解した多数の化合物を含む。初期状態では、下水汚泥は薄く色が濃い。沈降(重力の作用)によって、約2%~5%の固形分が達成される。
【0038】
下水汚泥では、生汚泥と処理済み下水汚泥とが区別される。下水処理プラントのスラッジフィールドは、機械的洗浄段階では主にスラッジとして、又は生物学的段階では余剰スラッジとして現れる。過剰なスラッジは、ほとんどが原虫及び細菌などの微生物からなる。生汚泥の好気性及び嫌気性安定化により、臭気集約度の低い処理済み下水汚泥が得られる。嫌気性処理は、消化塔内のより大きな下水処理プラントで行われ、消化されたスラッジを供給する。
【0039】
塩化鉄(III)又は石灰などの補助材料による凝集及び沈殿によって、下水汚泥は、例えば遠心分離機及びベルトシーブシステムを使用することによって最大35%の固形分含有量まで脱水することができるように処理される。チャンバーフィルタプレスの助けを借りて、さらに高い脱水度を達成することができる。生物学的段階の細菌は廃水成分を使用してバイオマスを蓄積するので、下水汚泥は栄養素が豊富である。最大1300mg/リットルで存在する硝酸塩、リン酸塩及び他の栄養塩は、農業にとって特に重要である。
【0040】
しかしながら、下水汚泥はまた、環境及び人々にとって問題となり得る物質を含む。特に、これらの物質は、とりわけパイプラインからの溶解によって生じる重金属である。有機汚染物質も無視できない問題である。下水汚泥は、人為的プロセスを経て廃水中に最終的に生じる異なる特性及び効果を有する多数の有機化合物を含む可能性がある。例えば、これらの物質は、発癌性、変異原性、毒性又はホルモン作用性である可能性がある。下水汚泥法は、AOX(吸収性有機結合ハロゲン)、PCB(ポリ塩素化ビフェニル)及びPCDD(ポリ塩素化ダイオキシン及びジベンゾフラン)の合計パラメータの限界値を規定している。このような物質が廃水中に存在する場合、農業施用後に低濃度であっても生物蓄積し、食物連鎖に入る可能性があるため、特に危険である。一部の雑草及び有害生物防除剤の使用に対する法的禁止により、これらの化合物の一部は現在、下水汚泥中ではもはや検出できない。しかしながら、他の有毒な有機化合物は依然として下水汚泥中に存在する。
【0041】
しかしながら、下水汚泥はまた、環境及び人々にとって問題となり得る物質を含む。特に、これらの物質は、とりわけパイプラインからの溶解によって生じる重金属である。有機汚染物質も無視できない問題である。下水汚泥は、人為的プロセスを経て廃水中に最終的に生じる異なる特性及び効果を有する多数の有機化合物を含む可能性がある。例えば、これらの物質は、発癌性、変異原性、毒性又はホルモン作用性である可能性がある。下水汚泥法は、AOX(吸収性有機結合ハロゲン)、PCB(ポリ塩素化ビフェニル)及びPCDD(ポリ塩素化ダイオキシン及びジベンゾフラン)の合計パラメータの限界値を規定している。このような物質が廃水中に存在する場合、農業施用後に低濃度であっても生物蓄積し、食物連鎖に入る可能性があるため、特に危険である。一部の雑草及び有害生物防除剤の使用に対する法的禁止により、これらの化合物の一部は現在、下水汚泥中ではもはや検出できない。しかしながら、他の有毒な有機化合物は依然として下水汚泥中に存在する。
【0042】
肥料と同様に、重金属及び他の毒性物質を無害にすることができ、同時にリン酸塩及び他の栄養塩を生物学的に利用可能な形態で回収することができる既知の経済的プロセスはない。
【0043】
しかしながら、下水汚泥はまた、環境及び人々にとって問題となり得る物質を含む。特に、これらの物質は、とりわけパイプラインからの溶解によって生じる重金属である。有機汚染物質も無視できない問題である。下水汚泥は、人為的プロセスを経て廃水中に最終的に生じる異なる特性及び効果を有する多数の有機化合物を含む可能性がある。例えば、これらの物質は、発癌性、変異原性、毒性又はホルモン作用性である可能性がある。下水汚泥法は、AOX(吸収性有機結合ハロゲン)、PCB(ポリ塩素化ビフェニル)及びPCDD(ポリ塩素化ダイオキシン及びジベンゾフラン)の合計パラメータの限界値を規定している。このような物質が廃水中に存在する場合、農業施用後に低濃度であっても生物蓄積し、食物連鎖に入る可能性があるため、特に危険である。一部の雑草及び有害生物防除剤の使用に対する法的禁止により、これらの化合物の一部は現在、下水汚泥中ではもはや検出できない。しかしながら、他の有毒な有機化合物は依然として下水汚泥中に存在する。
【0044】
肥料と同様に、重金属及び他の毒性物質を無害にすることができ、同時にリン酸塩及び他の栄養塩を生物学的に利用可能な形態で回収することができる既知の経済的プロセスはない。
【0045】
別の問題領域はリンである。リンは有限の資源であり、容易に回収可能な鉱物資源は80年から120年で枯渇するはずである。ドイツの廃水中の回収には年間約70,000tのリンの可能性があるが、ドイツだけで年間約120,000tが使用されている。リンのリサイクルは、現在、50,000以上の人口当量を有する大型の水処理プラントにとって必須である。カリウム及びマグネシウムなどの微量栄養素及びリンの取り込みは、土壌に導入された窒素のアンモニウム相を長くする硝化阻害剤によっても増加させることができる。液体肥料の焼却又は熱分解による液体肥料処理は、それに含まれるリン酸塩をガラス固化によって変換し、これは、もはや生物学的に利用可能ではなく、施肥のために失われていることを意味する。
【0046】
石炭はリン酸塩に結合し、次いでそれらを再び植物に生物学的に利用可能にすることが知られている。バイオチャー及びバイオチャーは、褐炭と同様にこれに使用されるが、多くの毒性多環芳香族炭化水素(PAH)を含む。リン酸塩の別の二次供給源は、リン酸塩含有セメント、コンクリート、レンガ、人工石及び環状隙間モルタルなどの建築材料、並びに乳製品、ソーセージ製品及び缶詰魚などのリン酸塩含有食品である。しかしながら、生物学的に利用可能な形態のリン酸塩の回収には、機能が不十分であり、したがって不経済な方法しか利用できない。
【0047】
リン酸塩の別の二次供給源は、リン酸塩含有セメント、コンクリート、レンガ、人工石及び環状隙間モルタルなどの建築材料、並びに乳製品、ソーセージ製品及び缶詰魚などのリン酸塩含有食品である。しかしながら、生物学的に利用可能な形態のリン酸塩の回収には、機能が不十分であり、したがって不経済な方法しか利用できない。
【0048】
毎年、200,000,000tの液状肥料及び追加の発酵残渣、乾燥発酵物及び排気スクラバからの濃縮物がドイツの畑に持ち込まれる。これは、液体肥料だけで、34,000,000t/年のアンモニウム、36,000,000t/年の硝酸塩及び20,000,000t/年のリン酸塩に相当する。
【0049】
しかしながら、アンモニアのアンモニウム形態は、揮発性ではないため、気相を介して失われない。しかしながら、負に帯電した土壌粒子にカチオンとしてイオン結合することができるため、それらの移動度は硝酸塩の移動度よりも低い。
【0050】
水で飽和した高温の土壌では、温室効果ガスである亜酸化窒素(悪臭ガス)及び窒素酸化物NOxへの脱窒が好まれる。
【0051】
したがって、現在、肥料を燃焼及び/又は熱分解する、硝酸塩を破壊する、乾燥によってアンモニアを結合する、又は硝化阻害剤を使用する、又は圧力下で肥料を滅菌する試みが行われている。
【0052】
肥料の熱分解及び焼却は、水を蒸発させなければならないため、高いエネルギーを必要とする。さらに、細かい塵埃をフィルタで保持しなければならない。リン酸塩はガラス化し、したがってもはや生物学的に利用できないため、失われる。重要な窒素肥料は失われ、窒素酸化物NOxに変換され、環境に有害であり、酸を形成する。これらの手順は、集中的に実行されなければならないので、大規模にのみ実施することができ、高い投資を伴う。これは、追加の輸送コスト及び排出をもたらす。窒素肥料の損失は、人工肥料によって補わなければならない。それ自体、実際の問題であるのは硝酸塩及びアンモニウムではなく、年間にわたるそれらの不均一な分布、並びに植物による不均一な取り込み及び浸出である。これらの問題は、熱分解及び焼却によって解決されない。
【0053】
硝酸塩が生物学的及び化学的プロセスを使用することによって破壊されると、重要な窒素肥料が失われ、この損失は人工肥料によって補わなければならない。この手順は非常に費用がかかり、長期施肥の問題を解決しない。
【0054】
水及び酸による乾燥機内のアンモニアの結合及びその後の生物学的分解も効果的ではない。アンモニアは、液体肥料及びバイオガスの乾燥中に水及び/又は酸と結合し、次いで細菌によって硝酸塩に酸化され得ることは事実である。この液体肥料はまた、生育期に施用され、植物の必要性に適合させることができる。しかしながら、欠点は、200,000,000リットルの水を蒸発させ、それを再び凝縮し、酸に結合するのに必要な膨大な量のエネルギーである。単純な計算は、エネルギー要件が、ドイツ自体で生成される天然ガスの量の12倍に相当することを示している。これらの理由から、この解決策は、それに関連する二酸化炭素排出量は言うまでもなく、エネルギーに関して意味をなさない。
【0055】
硝化阻害剤による肥料損失の低減は、分散的に実行することができる単純なプロセスである。リン酸塩、カリウム及びマグネシウムは生物学的に利用可能なままであり、これにより収量が向上し、地下水への硝酸塩の流入が少なくなる。しかし、使用される硝化阻害剤は、水に有害であり、水溶性であると分類されており、これが地下水を汚染する理由である。生物学的処理によって硝酸塩が地下水から回収され得る場合、硝化阻害剤は地下水及び食物連鎖に蓄積し、したがって長期的に危険にさらされる。
【0056】
液体肥料をCNFフィルタで濾過する場合、ナノ細孔は直接詰まるため、事前のマイクロ及びナノ濾過なしでは液体肥料に対して透過性ではなく、硝酸塩にも結合することができない。CNFはアニオン形態で重金属に結合するが、これらはCNFと共にスラリーから除去されなければならず、そうでなければCNFが生分解すると再び土壌に放出される。
【0057】
石炭はリン酸塩及び他の栄養素に結合し、遅れてそれらを放出する。しかしながら、問題は、例えば約2000.00ユーロ/トンの活性炭の高い製造コスト、又は高いレベルの亜炭汚染である。
【0058】
環境に有害な有機材料を含む他の廃棄物は、石油生産からのスラッジである。ここでも、この種の廃棄物を価値のある生成物に変換するための満足のいく解決策はまだ見出されていない。
【0059】
地球の大気中の温室効果ガスの二酸化炭素の濃度は、産業革命以降継続的に増加しており、地球の大気の顕著な温暖化をもたらす臨界値に達している。その結果、例えば永久凍土は融解しており、氷河は貯水として後退している。別の結果は、メタン氷からのメタン(より一層効果的な温室効果ガス)の開発であり得、その負の結果は予測できない。したがって、二酸化炭素の形成を減少させる、及び/又は、大気から一旦形成された二酸化炭素を回収する試みの不足はない。しかしながら、対応するプロセスは高価で時間がかかり、その成功は疑問である。したがって、以下の出版物からわかるように、比較的低温で二酸化炭素を酸素と炭素に分解する試みが不足することはない:
H.Katoら,JOURNAL OF MATERIALS SCIENCE(1994),29:5689,「Decomposition of carbon dioxide to carbon by hydrogen-reduced Ni(II)-bearing ferrite」;
Kodamaら,Journal of Solid State Chemistry,1995,「XRD and Moessbauer studies on oxygen deficient Ni(II)-bearing ferrite with a high reactivity for C02 decomposition to carbon」;
Kodamaら,Materials Research Bulletin,1995,「CO decomposition to carbon by ultrafine Ni(II)bearing ferrite at 300°C」;
Masamichi Tsujiら,Applied Catalysis A:General,Vol.142(1),1996,31-45,「Catalytic acceleration for C02 decomposition into carbon by Rh,Pt or Ce impregnation onto Ni(ii)-bearing ferrite」;
Chun-lei Zhangら,Materials Chemistry and Physics,Vol.62(1),2000,52-61,「Studies on the decomposing carbon dioxide into carbon with oxygen deficient magnetite:II.The effects of magnetite on activity of decomposition CO and mechanism of the reaction」;及び
Dorna Esrafilzadehら,Nature Communications 10,Article number:865(2019),「Room temperature CO reduction to solid carbon species on liquid metals featuring atomically thin ceria interfaces」。
【0060】
しかしながら、これらのプロセスは、工業的に使用できるようにするためにさらに開発が必要である。
【0061】
さらに、炭素繊維強化プラスチック(CFRP)からの廃棄物は、さらなる使用のために高価な炭素繊維を回収するためにリサイクルすることが困難である。例えば、炭素繊維強化ポリエポキシドを超臨界水又は溶媒で処理して炭素繊維を放出させる。米国特許出願公開第2019/0203013号明細書から、CFRPが好気的に解重合されるワークアップ・プロセスが知られている。放出された炭素繊維は再使用することができ、得られたモノマーは再び重合することができる。しかしながら、これは比較的複雑である。特に、モノマーの分離は安全性の点で問題がある。米国特許出願公開第2019/0039266号明細書から知られている方法及び既知の装置は、CFRPを熱分解することによってこの問題を回避し、炭素繊維を再び放出するが、プラスチックマトリックスを排除するという犠牲を払う。
【0062】
したがって、CFRPを価値のある新しい生成物に直接変換できることが望ましいであろう。しかしながら、これまでに知られている方法及び装置は、これには適していない。
【0063】
酸触媒機械化学的プロセスは、S.Amirjylayerらの論文「Understanding the Mechanocatalytic Conversion of Biomass:A Low-Energy One-Step Reaction Mechanism by Applying Mechanical Force,Angewandte Chemie International Edition,Vol.58,Issue 16」から知られており、これにより、セルロースを低分子量の糖類に分解することができる。このプロセスが価値のある販売可能な生成物の工業生産にどの程度使用できるかは知られていない。
したがって、全体として、先行技術の方法は、問題のある合成、生物起源及び生物学的材料の除染又は除去、金属の固定、リン酸塩の消化、二酸化炭素及び一酸化炭素の元素への分解、及び適切な価値のある生成物の回収にはあまり適していないか、又は全く適していない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0064】
【特許文献1】独国特許出願公開第102014101766号明細書
【特許文献2】欧州特許第1830824号明細書
【特許文献3】米国特許出願公開第2017/0036967号明細書
【特許文献4】国際公開第2012/072527号
【特許文献5】欧州特許出願公開第1681270号明細書
【特許文献6】欧州特許第1303460号明細書
【特許文献7】欧州特許第0963825号明細書
【特許文献8】独国特許出願公開第69911502号明細書
【特許文献9】独国特許出願公開第4240545号明細書
【特許文献10】特許第3099064号公報
【特許文献11】独国特許発明第19742297号明細書
【特許文献12】独国特許出願番号102018000418.0
【特許文献13】独国特許出願公開第10261204号明細書
【特許文献14】米国特許出願公開第2019/0203013号明細書
【特許文献15】米国特許出願公開第2019/0039266号明細書
【非特許文献】
【0065】
(非特許文献1)Russian Chemical Reviews,75(3)177-189(2006)
(非特許文献2)Physics of the Solid State,Vol.47,No.5,2005,856-852
(非特許文献3)Surface Coatings Technology 146-147(2001)286-291
(非特許文献4)Acta Physica Polonica A,Vol.121(2012),3,711-714
(非特許文献5)Applied Materials&Interfaces,2013,4892-4903
(非特許文献6)Materialsgate Newsletter 9/12/2017,Tribology
(非特許文献7)Chem.Soc.Rev.,2012,41,413-447
(非特許文献8)Chem.Soc.Rev.,42,2013,7571-7637
(非特許文献9)Chem.Soc.Rev.,2012,41,3493-3510
(非特許文献10)Waste Management,22(2002)913-916
(非特許文献11)Journal of Alloys and Compounds,472(2009)97-103
(非特許文献12)Nanoscale,2013,5,7970-7976
(非特許文献13)Beilstein Journal of Organic Cemistry,2017,13,1332
(非特許文献14)Journal of Composite Materials 0(0)1-8
(非特許文献15)RCS Adv.,2016,6,64799-64802
(非特許文献16)AIP Conference Proceedings,Volumei 664,Issue 1,150008(2015)
(非特許文献17)Sci.Rep.2016,6:28394
(非特許文献18)Waste Management 28(2008)484-488
(非特許文献19)Environmental Science and Pollution Research,DOI 10.1007/s1 1356-015-5628-7
(非特許文献20)Environmental Science and Technology,August 2018,1-51
(非特許文献21)JOURNAL OF MATERIALS SCIENCE (1994),29:5689
(非特許文献22)Kodamaら,Journal of Solid State Chemistry,1995
(非特許文献23)Kodamaら,Materials Research Bulletin,1995
(非特許文献24)Applied Catalysis A:General,Vol.142(1),1996,31-45
(非特許文献25)Materials Chemistry and Physics,Vol.62(1),2000,52-61
(非特許文献26)Nature Communications 10, Article number:865(2019)
(非特許文献27)Angewandte Chemie International Edition,Vol.58,Issue 16
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0066】
本発明は、天然、合成、生物起源及び生物学的材料を簡単な方法で汚染除去及び/又は除去すること、並びに安全に貯蔵することができるように金属を固定化し、リン酸塩を分解して生物学的に利用可能にし、二酸化炭素及び一酸化炭素をその元素に分解して二酸化炭素シンクを作り出し、本格的な肥料、又は、グラフェン、カーボンナノチューブ、カーボンナノコン及び活性炭などの炭素の同素体などの価値のある生成物を抽出することを可能にする広く適用可能な方法を発見することを目的とした。しかしながら、特に、プロセスにフィードバックされ得るか、又はテラ・プレタの製造のために若しくは二酸化炭素シンクとして使用され得る活性炭が得られるべきである。
【課題を解決するための手段】
【0067】
したがって、本発明の目的は、独立特許請求項1に記載の、問題のある合成、生物起源及び生物学的材料の汚染除去及び/又は排除のための、リン酸塩の分解のための、金属及びそれらの化合物の固定化のための、二酸化炭素及び一酸化炭素の元素への分解のための、機械化学的方法、及び、価値のある生成物の回収のための方法、並びに、独立特許請求項20に記載の機械化学的ミルを用いて解決された。有利な実施形態及び使用は、従属請求項を参照して見出すことができる。
【発明の効果】
【0068】
先行技術に関して、本発明の基礎となった目的が本発明による機械化学的プロセスの助けを借りて達成され得ることは、当業者にとって驚くべきことであり、予測できなかった。特に、本発明による機械化学的プロセスはもはや従来技術の欠点を有さないが、極めて広範に適用可能であり、合成、生物起源及び生物学的材料、金属及びそれらの化合物を簡単な方法で除染及び/又は排除して固定化及び無毒化し、それによりそれらを安全に貯蔵又は触媒として使用することができ、リン酸塩を分解し、それらを再び生物学的に利用可能にし、二酸化炭素及び一酸化炭素を酸素及び元素状炭素に分解し、本格的な肥料、又は、グラフェン及びカーボンナノチューブなどの炭素の同素体などの価値のある生成物を生成し、カーボンナノコン及び活性炭を抽出することを可能にしたことは驚くべきことであった。しかしながら、特に、機械化学的プロセスにフィードバックすることができる活性炭を得ることができた。これにより、バイオマスを恒久的に石炭に変換することができるため、二酸化炭素排出量を削減することが可能になった。さらに、石炭のために、生産された肥料は土壌中の微生物の活性化を増強することができた。さらに、本発明による機械化学的プロセスに亜炭を使用することさえ可能であった。特に、機械化学的プロセスでは、もはや、多環芳香族炭化水素(PAH;PAH)、ニトロソアミン、タール及び他の有害物質が形成されず、塩化物及び臭化物の存在によりラジカル酸化ストレス(ROS)を生成する臭素化及び/又は塩素化ダイオキシン、ジベンゾフラン及び毒性親油性化合物が形成されなかったことは驚くべきことであった。さらに、薬物残渣、あらゆる種類の毒素、殺生物剤、ウイルス、細菌、藻類、有毒植物及びその一部、並びに有毒動物及びその一部を破壊し、排除することができた。本発明による機械化学的プロセスが、任意の種類の有機材料を、例えば下水処理プラントの第4の浄化段階に戻すことができるか又は電池貯蔵に使用することができる炭素、特に活性炭に変換することは、特に有利であった。プラスチック及び増加した割合の砂又はセメントを用いて、新しい石積み砂及び石積みセメントを製造することができた。特に、壁セメントは、もはやセメントの風解及び/又はセメント・ベールを示さなかった。さらに、セメントは、リン酸塩の供給源及び肥料の製造のための原料として使用することができた。鋭錐石及びダイヤモンドが、副産物として発生する可能性があった。本発明による機械化学的プロセスの粉末生成物は、顆粒及びペレットに直接加工することができた。
【0069】
本発明による機械化学的プロセスの粉末生成物は、燃料電池の膜からのプラスチック成形用の離型剤の製造、電子材料からのプラスチックのリサイクル、及び細菌による純粋なプラスチックの製造に使用することができた。
【0070】
さらに、本発明による機械化学的プロセスは、熱硬化性樹脂を熱可塑性樹脂に変換し、及び/又は、反応性ラジカル中心及び/又は官能基の形成によって熱硬化性樹脂の表面で熱硬化性樹脂を活性化するのに役立つことができ、その結果、熱硬化性樹脂はグラフト共重合のためのグラフト塩基として役立った。
【0071】
本発明による機械化学的法を使用して、爆発物及び火工品材料を問題なく処分することができることも驚くべきことであった。
【0072】
全体として、本発明による機械化学的プロセスの実施は、比較的少ないエネルギー、より低いコスト及びより低い輸送コストを必要とし、リン酸塩貯留物の保護に寄与した。
【発明を実施するための形態】
【0073】
本発明は、機械式ミルを用いて実施される機械化学的プロセスに関する。慣用的な公知の機械式ミルを本発明による方法に使用することができる。適切な機械式ミルの例は、ボールミル、ハンマーミル、ピンディスクミル、ジェットミル、振動ミル、振とうミル、水平ミル、アトライタ及び遊星ミルである。例えば、独国特許出願公開第195 04 540号明細書の図1a~4bに記載されている機械式ミルを使用することができる。
【0074】
上述の独国特許出願によるアトライタに加えて、粉砕ストックと共にエネルギーに富む質量流で粉砕媒体を撹拌するための手段は、好ましくは少なくとも1つ、特に1つのドライブシャフトに対して対称である異なる形状を有することができる。これらの攪拌手段は、好ましくは、金属、合金、セラミック、並びに、セラミック及びコーティングされた金属と合金で構成される。
【0075】
例えば、動力伝達は、不均衡が生じないようにドライブシャフトに対して対称的に配置された少なくとも2つのストライキング・エンドを有する平面のストライキング・ウイングを介して行うことができる。ストライキング・ウイングは、ギャップ内及び/又は一致して(in congruence)、ドライブシャフト上に配置することができ、好ましくはそれらの端部の領域に円形の穴を有することができる。
【0076】
しかしながら、好ましくは円形の円周を有し、好ましくは円周に平行に湾曲した円形、長円形、楕円形及び/又は細長い穴を有する平面のストライキング・ディスクも使用することができ、これらは好ましくは円形に、好ましくは互いに同じ距離に配置される。ストライキング・ディスクは、穴がギャップ内及び/又は一致するようにドライブシャフト上に配置することができた。
【0077】
しかしながら、平面のストライキング・ディスクは、その表面に隆起ウェブを有することもでき、隆起ウェブは、対称に配置され、直線状に延び、及び/又は好ましくはドライブシャフトから円形縁部への回転方向に湾曲している。ウェブの始端及び終端は、好ましくは、互いに同じ距離に配置される。これらのウェブの少なくとも4つを用いることが好ましい。さらなる実施形態では、これらのウェブは、平面のストライキング・ディスクの2つの対向する側に配置される。ウェブは、4つの角、3つの角、又は半円形の断面を有することができる。ストライキング・ディスクは、ウェブがギャップ内及び/又は一致するようにドライブシャフト上に配置することができる。しかしながら、粉砕媒体への動力伝達は、ドライブシャフトに対して対称的に配置されたストライキング・ファンによって行うこともできる。これらは、ドライブシャフトを取り囲むリングと、このリングから放射状に伸びる少なくとも2つの扇形ファンとによって形成される。さらなる実施形態では、リングは、ドライブシャフトに対して対称的に配置された少なくとも2つの表面上で広がり、その各々は、少なくとも2つの外側に放射状に伸びているストライキング・ファンに合流する。縁部は、好ましくは湾曲しており、配置全体の周りの仮想円上にある。したがって、n倍の単一ストライキング・ファン又はn倍の複数ストライキング・ファンとすることができ、ここで、nは少なくとも2である。
【0078】
さらなる実施形態では、ストライキング・ファンは、1つの側面又は2つの対向する側面に、互いに対称に配置されてドライブシャフトからストライキング・ファンのそれぞれの縁部まで伸びている隆起ウェブを有することができる。ウェブは、三角形、四角形、又は半円形の輪郭を有することができる。さらに別の実施形態では、これらのウェブは、ストライキング・ファンの湾曲した縁部に平行に伸びることができる。
【0079】
上述の攪拌手段は、好ましくは、少なくとも粉砕体の幅だけ離間される。ドライブシャフトの横方向に見た攪拌手段の幅は、それぞれの粉砕媒体の幅の0.1~8倍であることが好ましい。攪拌手段は、ドライブシャフト上に、互いに平行に、又はオフセットして配置することができる。
【0080】
上記の攪拌手段の代わりに、対称的に配置されたストライキング・クラブ及びドライブシャフトを使用することもでき、ドライブシャフトと同じ長さ又は異なる長さの直線又は湾曲したロッドによってドライブシャフトを取り囲むリングに接続されたストライキング体を有していた。衝撃体は、直方体、シャベル形、球形又は涙滴形の物体又は楕円体であり得る。回転時にアンバランスがないように、それらは好ましくは同じ重量を有するべきである。
【0081】
ドライブシャフト自体は、スプラインシャフト、中空シャフト、動力取出シャフト、ウォームシャフト、円錐シャフト、円錐シャフト又は三角形シャフトであってもよい。
【0082】
ドライブシャフト及びその周りに配置された上述の攪拌手段の配置の代わりに、粉砕チャンバの長手方向に互いに平行に配置された少なくとも2つの逆回転ローラを使用することができる。粉砕する材料は、ローラが接触する領域で粉砕される。
【0083】
一実施形態では、ローラは、粉砕チャンバの長手方向軸に対して斜めに配置され、粉砕材料の追加のねじれをもたらす。
【0084】
さらに別の実施形態では、削磨面に対してローラが回転するため、粉砕はローラと削磨面との間の接触領域で行われる。
【0085】
さらなる実施形態では、ローラの表面及び削磨面は、例えば、鋸歯、ニップル及び/又は窪みなどの構造を有することができる。
【0086】
またさらなる実施形態では、ローラ表面の弾力性によって衝撃効果及び嵌合を改善することができる。これは、ローラが全体として互いに弾性的に配置されているという事実によって達成することができる。しかしながら、ロール表面上の個々の点は、別個に弾性であるように設計することもできる。これは、例えば、ローラが表面の領域に窪みを有しており、そこに、渦巻きばねによって窪みから押し出されるボールが配置されることで達成することができる。窪みは、ボールの半径よりも大きい明確な幅を有することができ、それにより、ローラがさらに回転するにつれて、窪みに入るグリストが窪みから再び滴り落ちる。
【0087】
攪拌手段が配置される粉砕チャンバは、好ましくは管状設計であり、好ましくは円形の周囲を有する。上述のローラが使用される場合、粉砕空間はまた、ローラの幅にわたってある距離を置いて延在し、2つの対向する湾曲壁によって接続された2つの対向する平行な直線壁によって画定することができる。
【0088】
長手方向において、すなわちドライブシャフトに沿って見て、粉砕チャンバの周囲は、少なくとも1回収縮することができ、その結果、少なくとも2つの球状粉砕チャンバが前後に配置され、円形の開口結果によって互いに接続される。次いで、攪拌手段の寸法は、個々の粉砕チャンバ内の壁の経路に適合され、その結果、攪拌手段はまた、球形粉砕チャンバの最大直径において最大であり、その寸法は、粉砕チャンバの丸みに続いて左右に減少する。
【0089】
機械式ミルは、風車、水車及び潮力発電所によって供給されるエネルギーによって直接動力を供給することができる。
【0090】
反発モータは、大型の機械式ミルの円滑な始動のためにそれ自体が証明されている。これらは、その後の連続動作中にそれらの出力を絞ることができる。
【0091】
始動後にスイッチオフされる強力な始動用モータと、より弱い連続運転用モータとを組み合わせて使用することもできる。
【0092】
また、化石燃料やバイオ技術から得られる燃料を動力源とするガスタービンや内燃機関を用いることができる。
【0093】
非同期モータ、DCモータ(整流子モータ)、AC及び三相モータ、回転界磁機及び走行界磁機、三相非同期機、スリップリングモータ、三相同期機、カスケードマシン、ステッパモータ、ブラシレスDCモータ、リニアモータ、ACモータ、コンデンサモータ、同期モータ、シェードポールモータも適している。リラクタンスモータ、磁気モータ、横磁束機、整流子又は整流子機、DCモータ、ユニバーサルモータ(DC及びAC用)、永久励磁DCモータ、電気励磁(個別励磁)DCモータ、直列モータ、シャントモータ、複合モータ、ボールベアリングモータ、ユニポーラ機、ホモポーラモータ及びバーロー車輪。
【0094】
国際公開第2017/055246号による電気モータが好ましく使用される。これらは、ジャケットと、冷却剤を導くことができる内部空洞とを有する少なくとも1つの導波管を備える、磁場を発生させるための少なくとも1つの巻線を有する少なくとも1つの電気機械部品を備え、巻線は、電気動作電圧が接続される2つの端部を有し、
導波管は、円形管状であり、3mmの範囲の外径を有し、巻線の端部はそれぞれ冷却剤入口又は冷却剤出口として機能し、
巻線の端部は、冷却剤入口及び/又は冷却剤出口、導波管を接続するための複数の導波管接続部、冷却剤が少なくとも1つの導波管に供給される分配チャネル、及び/又は少なくとも1つの導波管から出てくる冷却剤が流入してコネクタの冷却剤出口に導かれる回収チャネルを含むコネクタに接続される。
【0095】
このタイプの電動機は、Dynamic E Flow GmbH(Kaufbeuren、ドイツ)によりcapcooltech(登録商標)のブランドで販売されている。タイプHC及びLCが好ましく使用される。
【0096】
しかしながら、圧縮空気によって駆動されるモータも使用することができ、これは防爆領域において特に有用である。
【0097】
粉砕は、粉砕媒体及び粉砕材料の温度-273℃~+1200℃で行うことができる。いわゆるホットスポット及びプラズマ中の温度は、15,000℃までであり得る。
【0098】
粉砕の持続時間は、大きく変化させることができ、したがって、手元の作業に完全に適合させることができる。粉砕時間は、好ましくは0.5分~1000時間、より好ましくは10分~500時間、特に好ましくは10分~100時間、特に10分~50時間である。
【0099】
粉砕は、少なくとも1つ、特に1つの不活性物質の存在下で行うことができる。適切な不活性物質の例は、元素に分解されない条件下での気体、液体及び固体の窒素、気体、液体及び固体の二酸化炭素、並びに、六フッ化硫黄、及び、気体、液体及び固体の希ガス、ネオン、アルゴン、クリプトン及びキセノン、並びに気体及び液体のヘリウムである。
【0100】
好ましくは、プラズマは、ミル内での粉砕中、すなわち粉砕室内に存在する。プラズマは、ガス放電、ホットスポット、静電荷、エキソ電子の放出、トリボルミネッセンス、結晶格子欠陥、細断、転位、結晶格子振動、破壊形成、切断プロセス、圧縮、サンディング、穿孔、粉砕、摩耗、高圧、摩擦準安定条件、及び固体の衝突及び/又は固体の相互の摩擦によるホットスポット、並びに粉砕体及び/又は粉砕チャンバの壁及び/又は攪拌手段及び/又は機械式ミルの粉砕チャンバ内の触媒活性及び/又は圧電性粒子及びコーティング、集束レーザ放射、電子放射、放射性放射、X線、UV放射、IR放射、マイクロ波放射、超音波、化学及び核反応、静電場、電磁界、直流電圧、容量性電気励起、ワイヤー爆発、ガス放電、アーク、火花放電、真空火花放電、サイクロトロン共鳴、容量性ガラス管放電、及びピンチ効果によるトリボプラズマの生成によって生成することができる。
【0101】
放射線は、ドライブシャフト及び/又は攪拌手段を介して、機械的に安定した耐スクラッチ性の放射線透過性窓を介して粉砕チャンバ内に放射することができる。
【0102】
さらに、好ましくは結合を刺激する特定の波長を有するIR放射及びUV放射を使用することができる。音響泳動又は音響凝集、特に定在超音波によって、新しい機械化学的プロセス経路を開くために粉砕中に粉砕材料を変更することができる。グリストの得られたナノ粒子及び微粒子は、新しい方法で機械化学的に反応するために再び集合させることができる。
【0103】
プラズマは、圧電性粒子によって発生させることが好ましい。炭素、石英、ガラス、チタン酸バリウム(BTO)、チタン酸ジルコン酸鉛(PZT)、ニオブ酸マグネシウム鉛(PMN)、オルトリン酸ガリウム、ベルリナイト、トルマリン、シーネット塩、酸化亜鉛の圧電薄層、窒化アルミニウム、窒化ケイ素からなる群からの圧電性粒子が特に好ましい。酸化アルミニウム、酸化ジルコニウム及び窒化チタン、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)並びに強誘電性多結晶セラミック。特に、カーボン、石英、ガラスが用いられる。
【0104】
特定の実施形態では、圧電性粒子又は材料は、粉砕媒体、壁、ドライブシャフト及び/又は攪拌手段の表面に適用され、及び/又は機械式ミルの粉砕チャンバに導入される。
【0105】
触媒活性粒子及び/又はコーティングを、粉砕体、ドライブシャフト、粉砕チャンバの壁及び/又は攪拌手段に適用することもでき、及び/又は、機械式ミルの粉砕チャンバに導入することもできる。
【0106】
金属、金属合金、金属化合物及び微孔質材料からなる群からの触媒活性粒子が好ましく使用される。
【0107】
金属としては、以下のものを使用することができる。
アクチニウム、記号:Ac、原子番号:89
アルミニウム、記号:AI、原子番号:13
アメリシウム、記号:Am、原子番号:95
アンチモン、記号:Sb、原子番号:51
ヒ素、記号:As、原子番号:33
アスタチン、シンボル:At、原子番号:85
バリウム、記号:Ba、原子番号:56
バーケリウム、記号:Bk、原子番号:97
ベリリウム、記号:Be、原子番号:4
ビスマス、記号:Bi、原子番号:83
鉛、記号:Pb、原子番号:82
ボーリウム、記号:Bh、原子番号:107
ホウ素、記号:B、原子番号:5
カドミウム、記号:Cd、原子番号:48
セシウム、記号:Cs、原子番号:55
カルシウム、記号:Ca、原子番号:20
カリフォルニウム、記号:Cf、原子番号:98
Cer、記号:Ce、原子番号:58
クロム、記号:Cr、原子番号:24
コバルト、記号:Co、原子番号:27
コペルニシウム、記号:Cn、原子番号:112
キュリウム、記号:Cm、原子番号:96
ダームスタチウム、記号:Ds、原子番号:110
デュブニウム、記号:Db、原子番号:105
ジスプロシウム、記号:Dy、原子番号:66
アインスタイニウム、記号:Es、原子番号:99
鉄、記号:Fe、原子番号:26
エルビウム、記号:Er、原子番号:68
ユウロピウム、記号:Eu、原子番号:63
フェルミウム、記号:Fm、原子番号:100
フレロビウム、記号:Fl、原子番号:114
フランシウム、記号:Fr、原子番号:87
ガドリニウム、記号:Gd、原子番号:64
ガリウム、記号:Ga、原子番号:31
ゲルマニウム、記号:Ge、原子番号:32
金、記号:Au、原子番号:79
ハフニウム、記号:Hf、原子番号:72
ハッシウム、記号:Hs、原子番号:108
ホルミウム、記号:Ho、原子番号:67
インジウム、記号:In、原子番号:49
ヨウ素、記号:I、原子番号:53
イリジウム、記号:Ir、原子番号:77
カリウム、記号:K、原子番号:19
炭素、記号:C、原子番号:6
銅、記号:Cu、原子番号:29
ランタン、記号La、原子番号57
ローレンシウム、記号:Lr、原子番号:103
リチウム、記号Li、原子番号3
リバモリウム、記号:Lv、原子番号:116
ルテチウム、記号:Lu、原子番号:71
マグネシウム、記号:Mg、原子番号:12
マンガン、記号:Mn、原子番号:25
マイトネリウム、記号:Mt、原子番号:109
メンデレビウム、記号:Md、原子番号:101
モリブデン、記号:Mo、原子番号:42
モスコビウム、記号:Mc、原子番号:115
ナトリウム、記号:Na、原子番号:11
ネオジム、記号:Nd、原子番号:60
ネプツニウム、記号:Np、原子番号:93
ニッケル、記号:Ni、原子番号:28
ニホニウム、記号:Nh、原子番号:113
ニオブ、記号Nb、原子番号41
ノーベリウム、記号:No、原子番号:102
オガネソン、記号:Og、原子番号:118
オスミウム、記号:Os、原子番号:76
パラジウム、記号:Pd、原子番号:46
リン、記号:P、原子番号:15
白金、記号:Pt、原子番号:78
プルトニウム、記号:Pu、原子番号:94
ポロニウム、記号:Po、原子番号:84
プラセオジム、記号:Pr、原子番号:59
プロメチウム、記号:Pm、原子番号:61
プロトアクチニウム、記号:Pa、原子番号:91
水銀、記号:Hg、原子番号:80
ラジウム、記号:Ra、原子番号:88
レニウム、記号R、原子番号:75
ロジウム、記号Rh、原子番号45
レントゲニウム、記号:Rg、原子番号:111
ルビジウム、記号:Rb、原子番号:37
ルテニウム、記号:Ru、原子番号:44
ラザホージウム、記号:Rf、原子番号:104
サマリウム、記号:Sm、原子番号:62
スカンジウム、記号:Sc、原子番号:21
シーボーギウム、記号:Sg、原子番号:106
セレン、記号:Se、原子番号:34
銀、記号:Ag、原子番号:47
ケイ素、記号:Si、原子番号:14
ストロンチウム、記号:Sr、原子番号:38
タンタル、記号:Ta、原子番号:73
テクネチウム、記号:Tc、原子番号:43
テルル、記号:Te、原子番号:52
テネシウム、記号:Ts、原子番号:117
テルビウム、記号:Tb、原子番号:65
タリウム、記号:TI、原子番号:81
トリウム、記号:Th、原子番号:90
ツリウム、記号:Tm、原子番号:69
チタン、記号:Ti、原子番号:22
ウラン、記号:U、原子番号:92
バナジウム、記号:V、原子番号:23
水素、記号:H、原子番号:1
タングステン、記号:W、原子番号:74
イッテルビウム、記号:Yb、原子番号:70
イットリウム、記号:Y、原子番号:39
亜鉛、記号:Zn、原子番号:30
スズ、記号:Sn、原子番号:50
ジルコニウム、記号:Zr、原子番号:40。
【0108】
アルカリ金属及びアルカリ土類金属並びに放射性金属などの反応性金属を使用する場合、適切な通例の既知の予防措置を講じなければならない。
【0109】
金属合金としては、以下のものを用いることができる。
【0110】
アルミニウム合金:
銅、マグネシウム、ケイ素又はマンガンを主な合金元素とする合金;ジュラルミンは、アルミニウム、銅、マグネシウム、マンガン及びケイ素、パルチニウム、アルミニウム-マンガン合金、アルミニウム-マグネシウム合金、ヒドロナリウム(3~12%のマグネシウムを含む鋳造アルミニウム合金の商品名)、主に鋳造合金としてのアルミニウム-シリコン合金、シルミン(亜共晶~共晶の範囲のアルミニウム、シリコン鋳造合金の商標名)、アルミニウム-リチウム合金(特に軽量)、アルミニウム-亜鉛-マグネシウム合金及びチタナール(Titanal)。
【0111】
鉛合金;
硬質鉛は、鉛及びアンチモンからなる。ショット(Shot)は、鉛、ヒ素及びアンチモンの合金である;スズはんだは、鉛-スズ合金である。ここしばらくの間、銅又は銀を含有するスズ合金も使用されてきており、ナトリウム-鉛合金は、乾燥剤として、及びテトラエチル鉛の製造に使用される。
【0112】
ビスマス合金:
ローズ金属は、ビスマス、鉛、及びスズから構成される;ウッド金属は、ビスマス、鉛、スズ及びカドミウム、Lipowitz金属、オリオン金属、高速はんだ、Darcotmetallから構成される。
【0113】
コバルト合金:
ステライトは、20~68%のコバルトからなる硬質合金である。異なる量の他の必須成分は、クロム、タングステン、ニッケル、モリブデン、場合によっては最大2.5%の炭素である;ビタリウムは、コバルト、クロム及びモリブデンから作製された金属合金である(クロム-コバルト-モリブデン合金を参照)。
【0114】
鉄合金:
鋼は、塑性変形可能な鉄-炭素合金の総称であり、最大2.06パーセントが炭素である。鋳鉄は、非塑性変形可能な鉄-炭素合金の総称であり、少なくとも2.06%C(通常は約4%炭素、鉄-ニッケル合金;Invarは(主に)鉄とニッケルからなり、kovarは(主に)鉄、ニッケル、コバルトからなる;鉄合金。
【0115】
アルミニウム合金:
デバルダ合金。
【0116】
ガリウム合金:
ガリンスタンは、ガリウム、インジウム及びスズの共晶合金である。
【0117】
金合金:
チタンゴールド:合金:99%ゴールド、1%チタンは、主に結婚指輪の製造や医療技術で使用され、色は750イエローゴールドに匹敵するが、少し灰色がかっている。カラーゴールド(一般)は、ゴールド、シルバー(黄色を明るくし、機械的な作業性を向上させるため)、銅(「高貴な」濃いゴールドカラー又は赤みを帯びた色のため)の合金である。イエローゴールド:銀の比率は銅の比率に相当する。レッドゴールド:銀の割合は銅よりも大幅に低くなっている(地元ではトルコの金としても知られている)。ルシアンゴールド:わずかに明るいレッドゴールドで、金の含有量は583と異常である。ペールゴールド:銀の比率は銅の比率よりもはるかに高い。グリーンゴールド:主に又は排他的にシルバーを含むゴールドで、グリーンの色味を強めるために少量のカドミウムが追加されることがよくあるが、これは2011年以降EU全体で禁止されている。ホワイトゴールドとグレーゴールドは、プラチナ、パラジウム、又は銀との金の合金であるが、コバルト、クロム、マンガン-ゲルマニウム及び他の金属を含むホワイトゴールド合金もある。ニッケルも過去に使用されていた。エレクトラムは、古代にすでに知られている金と銀の合金であり、1920年以来、この用語は琥珀にも使用されている。エレクトロンは、当時のI.G.由来の、マグネシウム合金の保護された名前である。Fabrbenindustrie、Griesheimプラント;Normmetall又はNorm-Metall(スイスではまた、保証金属)は、金含有量が333%未満の金を含む合金である。硬質金:コバルト、ニッケル又は鉄を少量(数原子%)で電気めっきすることによって製造された金。
【0118】
銅合金:
青銅又は真鍮(錫が青銅を決定し亜鉛が真鍮を決定する)。青銅(本物の青銅)は、銅と錫のみで構成される合金である。アルミニウム青銅は、銅とアルミニウム、及びニッケルと鉄の一部で構成できる合金である。真鍮は銅と亜鉛の合金であり、アルミニウムを含む鉛を混合して圧延及び鍛造材料として広く使用されている。銅が豊富な真鍮はトンバクと呼ばれる。鉛青銅は銅、スズ、鉛の合金である。イザベリンは銅、ニッケル、マンガンの合金で、主に耐熱ワイヤー用である(熱伝導体合金)。コンスタンタンは銅、ニッケル、マンガンの匹敵する合金であり、ニッケルは銅、ニッケル、マンガンの匹敵する合金である。ジャーマンシルバー(アルパカ、パクフォン)は、銅、ニッケル、亜鉛の合金である。ガンメタルは、フィッティングに使用される銅、スズ、亜鉛、鉛の合金である。銅とベリリウムから作られたベリリウム銅は、特に鉱業の非火花工具に使用された。白銅は明るい色の銅-ヒ素合金である。
【0119】
マグネシウム合金:
エレクトロンは1920年代に保護された名称である;
【0120】
ニッケル系合金:
プレシットは、互いに成長したカマサイト(ビーム鉄)及びテエナイト(帯鉄)からなり、ニッケル鉄の隕石に存在する。クロニンは、ニッケル及びクロムからなる合金を指す。モネルは、ニッケル、銅、鉄及びマンガンの合金である;インコネル及びインコロイは、ニッケル、クロム及び5%までの鉄で作られた合金であり、800℃までの耐熱性を有する。スーパーマロイは、ニッケル、鉄及びモリブデンの合金である。
【0121】
水銀合金:
水銀と金との化合物としての、銀アマルガム、金アマルガムは、特定の目的のための合金ではなく、金抽出における環境的に有害な中間段階にすぎない。
【0122】
銀合金:
純銀は、銅又は他の材料と合金化された925/1000銀を有する合金であり、この合金は主に硬貨、宝飾品及び刃物を作るために使用される。Vermeil(火めっき加工された銀);Niello(tula silver)(主に美術品及び食器用に中年期に使用された)は、銀、銅、鉛、硫黄及び塩化アンモニウムで作られている。チベットシルバーは、銀含有量が250/1000と非常に低い合金である。
【0123】
タングステン合金又は複合材:
タングステンは、その高い融点(SMWungsten=3422℃)のために、他の金属との合金化が困難であり、したがって焼結されて材料加工用の硬質金属などの複合材料を与える耐熱金属の1つである。Widiaは、タングステン、コバルト、炭素及びチタンからなる硬質金属の保護された名称である。タングステン-銀複合材は、誤解を招くように汗冷却合金とも呼ばれる。一方、実際の合金は、タングステン-モリブデン合金、様々な組成のニッケル、銅、鉄、及びモリブデンの合金成分を有する高密度タングステン合金を含む。数重量%の割合の合金元素として、タングステンは通常、高品質鋼(合金元素のリストも参照)及び照明目的で使用されるワイヤ合金(例えば、オスミウム及びタングステンの組成物としてのOsram(登録商標)ブランド)の両方の成分である。
【0124】
亜鉛合金:
ザマク合金;微細亜鉛鋳造合金は、主にダイカスト部品に使用され、微細鋳造部品を含む。チタン亜鉛は、亜鉛めっきに好ましい亜鉛合金であり、非常に低い銅及びチタン含有量を有する。Alzen(ZnAI 35)は、Alzeenとも呼ばれ、亜鉛-アルミニウム合金の商品名である。
【0125】
スズ合金:
ブリタニア金属は、家庭用品及び装飾品に使用される「鋳物用辞書」(旧)によれば、90~95%のスズと最大9%のアンチモン及び1%の銅との合金である(「偽青銅」)。硬質スズ(Pewter)は、スズ、銅及び/又は鉛の合金である;スズはんだは鉛-スズ合金であり、現在では、銅又は銀を含有するスズ合金も使用されている。「ポチングリス」は、歴史的なフランス青銅(ある割合のスズを含む銅合金)である。
【0126】
金属間化合物:
ジントール相;ラーベス相;ヒューム-ロザリー相。
【0127】
磁性及び磁化可能合金:
ルテチウム、オスミウム、コバルト、ロジウム、イリジウム、ニッケル、パラジウム、プラチナ、銅、銀、金、亜鉛、カドミウム、スカンジウム、イットリウム、ランタン、セリウム、プラセオジム、ネオジム、サマリウム、ユーロピウム、ガドリニウム、酸化テルビウム、ジスプロシウム、ホルミウム、エルビウム、ツリウム、イッテルビウム、ルテチウム、チタン、ジルコニウム、ハフニウム、バナジウム、ニオブ、タンタル、クロム、モリブデン、タングステン、マンガン、レニウム、アルミニウム、ガリウム、インジウム、タリウム、ゲルマニウム、スズ、鉛、アンチモン、ビスマスからなる群から選択される少なくとも1つの金属と鉄の合金;適切な金属合金の例は、ニッケル及び鉄に基づくパーマロイ(登録商標)、ニッケル-鉄-亜鉛合金、又はアルミニウム、シリコン及び鉄に基づくセンダストなどの軟磁性金属合金である。RE1-yFe100-v-w-x-zCo、ここで、REは、セリウム、プラセオジム、ネオジム、サマリウム、ユーロピウム、ガドリニウム、酸化テルビウム、酸化テルビウム、ジスプロシウム、ホルミウム、エルビウム、ツリウム、イッテルビウム及びルテチウムからなる群由来の希土類金属であり、チタン、ジルコニウム、ハフニウム、バナジウム、ニオブ、タンタル、クロムの群由来の金属に関するMであり、そして、Mはモリブデンとタングステンであって、v=5~15、w>5、x=9~30、y=0.05~0.5、及びz=0.1~5である。上記の金属及び金属合金は、リチウム、ナトリウム、カリウム、ルビジウム、セシウム、ベリリウム、マグネシウム、カルシウム、ストロンチウム、バリウム、ホウ素、炭素、ケイ素、窒素、リン、ヒ素、酸素、硫黄、セシウム、テルル、フッ素、塩素、臭素及びヨウ素からなる群から選択される少なくとも1つのさらなる金属及び/又は非金属を含むことができ、選択され、又は非化学量論量で含まれる。このタイプの特に適切な材料はNdFeBである。
【0128】
適切な触媒金属化合物の例は、ホウ化物、酸化物、硫化物、セレン化物、テルル化物、炭化物、ケイ化物、ゲルマン化物、窒化物、リン化物、ヒ化物、アンチモン化物、フッ化物、塩化物、臭化物及びヨウ化物、有機及び/又は無機配位子を有する配位化合物、イソポリ酸及びヘテロポリ酸(ポリオキソメタレート;POM)並びに共有結合性有機金属オルガニル、サンドイッチ化合物及びカルベンである。
【0129】
特に、ヘマタイト、非化学量論的ヘマタイト、フェライト、ニッケルフェライト、ニッケル塩及びポリオキソメタレート(POM)が使用される。
【0130】
適切なPOMの例は、国際公開2016/116259号、14頁、32行目から23頁、17行目まで、特に表1、「Sum Formulas of Suitable POM」から公知である。
【0131】
適切な微孔質材料の例は、ゼオライト及び金属有機構造体(金属有機構造体;MOF)である。亜鉛修飾ゼオライトが特に使用される。
【0132】
粉砕により、触媒活性粒子、ナノ粒子及び微粒子が生成され、及び/又はドライブシャフト、壁、粉砕媒体、攪拌手段及び/又はローラの表面が繰り返し活性化され、これにより触媒効果が増大する。金属及び金属合金もまた、存在する炭素質材料の助けを借りて還元によって新たに繰り返し生成される。これは、捻れ及び格子欠陥に起因して触媒上に新たな活性中心をもたらす可能性があり、圧電特性を介して酸化還元反応のための電子を供給することができる。
【0133】
粉砕媒体又は粉砕ボールは、高硬度及び非常に高い融点を有する高温低温耐性、耐衝撃性、耐削磨性材料からなる。適切な粉砕媒体は、例えば、酸化アルミニウム、ステアタイト、磁器、酸化ジルコニウム、ガラス、フリント石、鋼、クロム鋼、炭化タングステン、炭化ケイ素、窒化ケイ素、窒化ホウ素又は炭化ホウ素からなるか、又はこれらの材料を含む。
【0134】
粉砕媒体は、特にミルのサイズ及び構造、ミル壁を回転させることによる、粉砕チャンバを取り囲む容器を回転又は振動させることによる、遠心力による、圧縮空気による、衝撃による、又は静電及び/又は磁気引力などによる加速度のタイプ、並びに、粉砕される材料に応じて、任意の直径を有することができる。したがって、直径は、有利な方法で特定の作業に最適に適合させることができる。直径は、好ましくは0.5cm~10cmである。
【0135】
粉砕媒体は、衝突ごとに異なる接触オプションがあるように、球体若しくは楕円体であるか、又は不規則な形状を有することができる。さらに、粉砕媒体は、滑らかな又は粗い表面を有することができ、又はゴルフボールなどのカップ形状の窪みを有することができ、その場合、粉砕材料はカップ内に蓄積することができる。粉砕媒体の表面は、粉砕材料の層を有するか、又は粉砕材料でドープされ得る。
【0136】
粉砕媒体としては、粉砕ボールを用いることが好ましい。
【0137】
一方、粉砕される材料の粉砕に上述したローラを用いる場合、上述したいずれの粉砕媒体も用いられない。中実又は中空であり得るローラは、好ましくは、粉砕媒体と同じ硬質材料から構成される。
【0138】
本発明による機械化学的プロセスは、汚染除去、除去、再生、固定化、消化、及び/又は、天然、合成、生物起源及び生物学的材料又は粉砕材料の価値のある生成物への変換、金属及びそれらの化合物の固定化、リン酸塩の消化、二酸化炭素及び一酸化炭素の元素への分解、並びに価値のある生成物の取得に使用される。前記材料は、好ましくはリン酸塩、特に硝子体リン酸塩を含有し、これらは本発明による機械化学的方法を用いて生物学的に利用可能な形態で再び回収することができる。
【0139】
本発明による機械化学的プロセスの第1のプロセスステップでは、少なくとも1つの、特に懸濁液又はペースト状混合物、少なくとも1つの、特に細かく分割された固体混合物、及び/又は、少なくとも1つの、特に1つのガスが、粉砕材料として提供される。
【0140】
本発明の文脈において、固体材料又は固体混合物は、それが1nm~2cmの平均粒径d50を有する粒子からなる場合、細かく分割されていると見なされる。
【0141】
懸濁されているか、ペーストの形態であるか、又は細かく分割された固体粉末としての少なくとも1つの細かく分割された固体混合物は、好ましくは、少なくとも1つの、特に1つの、リン酸塩を含むか又はそれからなる少なくとも1つの材料を含む。
【0142】
少なくとも1つの材料は、汚染され、生態学的に問題があり疑わしい、有害で、強い臭いがする、毒性、可燃性、酸化性、放射性及び/又は爆発性の混合物及び廃棄物である天然、合成、生物起源及び生物学的材料、並びに、汚染された鉱物石炭、バイオチャー、活性炭、炭素供給源からなる群から選択されることが好ましい。
【0143】
乾燥スラリー、液体肥料、発酵残留物、乾燥発酵物、下水汚泥、発酵物、堆肥、バイオ廃棄物、植物廃棄物、葉、製材、建設木材、マッシュ、搾りかす、食品産業廃棄物、バイオテクノロジー廃棄物、遺伝子工学廃棄物、動物廃棄物、金属抽出廃棄物、放射性廃棄物、炭素繊維強化プラスチック(CFRP)、セルロース、ヘミセルロース、リジノセルロース、セルロース、ヘミセルロース及び/又はバイオマスからの廃棄物、及び、リジノセルロース、高分子量タンパク質及び構造タンパク質を含む廃棄物、下水処理プラントの生物学的段階からの乾燥濃縮物、化学洗浄機及びフィルタ、廃水、排気処理の残留物、窒素化合物、硫黄化合物、リン化合物、多環式芳香族炭化水素(PAH)、揮発性有機化合物(VOC)、反応性ガス、医療製品、ホルモン、微量汚染物質、リン酸塩含有建築材料、リン酸塩を含む身体の一部、リン酸塩を含む食品及び飼料、その他のリン酸塩源、合成及び天然の強臭物質、合成及び天然の毒素、殺生物剤、火工品材料、爆発物、ウイルス、細菌、マイコプラズマ、プリオン、藻類、有毒植物及びそれらの一部及び有毒動物及びその一部からなる群からの材料。
【0144】
特に、アンモニア、脂肪族アミン、脂環式アミン、オレフィン性不飽和アミン、芳香族アミン、飽和、不飽和及び芳香族複素環式アミン及びそれらのアンモニウム化合物、アミド、アミンオキシド、アンミン錯体、アゾ化合物、カルボジイミド、ヒドラジン、ヒドラゾン、ヒドラジドヒドラゾン、グアニジン、尿素、ビウレット、トリウレット、セミカルバジド、カルボジゾン、カルバジド酸誘導体、イソセミカルバジド、イミン、イソシアニド、N-ヒドロキシ化合物、カルボキサミド、カルボン酸ヒドラジド、イミド、ヒドラゾン、ニトロセン化合物、ニトロアミド酸、ニトロセン酸、ニトロアミド酸、ニトロセン及びニトロアミド酸、ニトロシル化合物、ニトロ化合物、テトラゼン及びウレタンからなる群からの窒素化合物。特に、窒素化合物は、硝酸塩、亜硝酸塩及びニトロソアミンである。
【0145】
特に、硫黄化合物は、硫黄、硫化水素、チオール、スルフィド、ハロゲン化硫黄、スルホキシド、スルホン、スルトン、硫酸エステル、スルホン酸、スルホン酸エステル、硫黄-窒素化合物及びスルホニウム化合物の同素体からなる群から選択される。
【0146】
特に、リン化合物は、リン同素体、ホスフィン、ホスホニウム化合物、ホスファイト、ホスフェート、ホスホネート、ハロゲン化リン及びホスファゼンからなる群から選択されるが、特にホスフェートである。
【0147】
特に、流体は、工業用溶媒及び工業用溶媒の残留物、特に塗料産業、自動車産業、チップ製造及び工業用低分子及び高分子有機合成からの溶媒からなる群から選択される。
【0148】
特に、エタナール、プロピオンアルデヒド、チオアルデヒド、ブチルアルデヒド、ヘプタナール、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン及びホルムアルデヒドなどのアルデヒド類及びケトン類、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、ノナン、デカン、シクロヘキサノン及びメチルシクロヘキサンなどのアルカン類及びシクロアルカン類、ベンゼン、トルエン、エチルベンゼン、キシレン、クレゾール及びスチレンなどの芳香族、フェノール及びクレゾールなどのフェノール類、部分的及び完全に塩素化された炭化水素、フッ素化炭化水素及びクロロフルオロカーボン、クロロフルオロカーボン、クロロフルオロカーボン、クロロフルオロカーボン、トリフルオロクロロメタン、四塩化炭素、クロロフルオロフルオロカーボン、テトラクロロエタン及びジクロロベンゼンなどの揮発性ハロゲン化炭化水素(LHKW)からなる群からの揮発性有機化合物(VOC)。
【0149】
特に、上記で言及されていない、メタン、エタン、プロパン、ブタン、エチレン、プロピレン、シアン化水素、ジシアン、ホスゲン、アセチレン、フッ化ビニル、塩化ビニル、塩化ビニリデン、フッ化ビニリデン、三フッ化窒素、テトラフルオロヒドラジン、シス-及びトランス-ジフルオロジアジン、四フッ化硫黄及び一酸化炭素からなる群から反応性ガス。
【0150】
正しい条件下では、二酸化炭素も反応性ガスである。
【0151】
特に、ペンタレン、インデン、ナフタレン、アズレン、ヘプタレン、ビフェニレン、非対称インダセン、対称インダセン、アセナフチレン、フルオレン、フェナール類、フェナントレン、アントラセン、アセフェナントリレン、アセアントリレン、トリフェニレン、ピレン、クリセン、ナフタセンPleiades、ピセン、ペリレン、ペンタフェン、ペンタセン、テトラフェニレン、ヘキサフェン、ヘキサセン、ルビセン、コロネン、トリナフチレン、ヘプタフェン、ヘプタセン、オクタセン、ovals、スーパーフェナール類、ベンゾ[a]アントラセン、ベンゾブ[b]フルオランテン、ベンゾ[k]フルオランテン、ベンゾ[a]ピレン、ジベンゾ[a、h]アントラセン、インデノ[1,2,3-cd]ピレン及びベンゾ[ghi]ペリレンからなる群からのPAH。
【0152】
特に、「イエローリストPharmaindex」及び「レッドリスト」に列挙されているホルモンを含む薬物、ヒトへの使用が承認されていない薬物、獣医用薬物、研究段階、開発及び臨床試験における薬物、並びにそれらの廃棄物及びそれらの代謝産物からなる群からの医療機器。
【0153】
特に、微量汚染物質は、pg/リットル~ng/リットルの濃度の医療機器、工業用化学物質及びホルモン並びにマイクロプラスチックからなる群から選択される。特に、リン酸塩含有建築材料は、リン酸塩含有セメント、コンクリート、レンガ、人工石、石材、ボード、木材と環状間隙モルタルの複合材料からなる群から選択される。
【0154】
特に、リン酸塩の他の供給源は、洗剤、防食剤、歯、歯粉、骨、骨粉、アパタイト及びヒドロキシアパタイトからなる群から選択される。
【0155】
特に、リン酸塩含有食品及び飼料は、乳製品、ソーセージ製品、レモネード、インスタントミール、缶詰魚及び動物用のリン酸塩含有飼料からなる群から選択される。
【0156】
特に、強臭気物質は、合成、有機及び無機窒素、硫黄、セレン、テルル、リン及びヒ素化合物、動物に優しい抗脂肪族香料並びに植物系の交感神経及び抗脂肪族香料からなる群から選択される。
【0157】
特に、合成毒素は、兵器剤、シアン化カリウム、ベリリウム、セレン、テルル、タリウム、白リン、ヒ素、ヒ素化合物、カドミウム、水銀、水銀化合物、ポロニウム、プルトニウム及びポリハロゲン化芳香族、ダイオキシン及びジベンゾフランからなる群から選択される。
【0158】
特に、天然毒素は、植物性、動物性、真菌性及び細菌性毒素並びに藻類毒素からなる群から選択される。
【0159】
特に、殺有害生物剤、除草剤、ウイルスに対する殺ウイルス剤、細菌に対する殺菌剤、ダニに対する殺ダニ剤、藻類剤、真菌に対する殺真菌剤、昆虫に対する殺虫剤、微生物に対する殺微生物剤、カタツムリに対する殺軟体動物剤、回虫(線虫)に対する殺線虫剤、げっ歯類に対する殺鼠剤、鳥類に対する殺鳥剤及び魚類に対する殺魚剤からなる群からの殺生物剤。
【0160】
特に、火工品材料は、花火及び演劇の花火並びにそこで使用される酸化剤、燃料及び助剤からなる群から選択される。
【0161】
特に、爆発物は、塩素酸塩、過塩素酸塩、キセノン酸化物、有機及び無機窒素ハロゲン化合物、過酸化物、硝酸エステル、ニトロ化合物、ニトロミン、ニトロソアミン、高エネルギー窒素化合物、初期爆発物及び低煙粉末からなる群から選択される。そのような爆発物の例は、例えば、Thomas M.Klapoetkeによる教科書、Chemistry of High-Energy Materials、Walter de Gruyter、Berlin/New York、2011に記載されている。
【0162】
特に、有毒植物及びその一部は、植物ブルーモンクシュード、ドッグパセリ、アラム、ベラドンナ、木立朝鮮朝顔、ブランフェルシア、ツゲ、タンブルカーフクロップ(tumbled calf crop)、ドクゼリ、イヌサフラン、ドクニンジン、斑点ドクニンジン、スズラン、シクラメン、一般的なシーアップル、高ヒエンソウ、赤いフォックスグローブ、ディフェンバキア、ワームシダ(worm fern)、金漆(gold lacquer)、花菱草種子、ピーコックコーン(peacock cone)、ポインセチア、ゴムの木、クラウン・オブ・フェイム(crown of fame)、アイビー、強いにおいのするヘレボルス(smelly hellebore)、クリスマスローズ、ブタクサ、ヒヤシンス、ヒヨス、セイヨウヒイラギ、アイリス、キバナフジ、タバコ、ケマンソウ、オレアンダ・シングル・ベリー(oleander single berry)、インゲンマメ、アブラナ、アプリコット、アプリコット、西洋博打の木、キンポウゲ、ルバーブ、ワンダー・ツリー(wonder tree)、ツツジ、エルダー、ビター・スイート・ナイトシェード(bitter-sweet nightshade)、ジャガイモ、イグナティス・ピーナッツ(Ignatius peanut)、エゾヨモギギク、ベルツリー(bell tree)、オガオガ(ongaonga)、ホワイト・ゲルマー(white germer,)、フジ、トマト、ナス及びイチイの木からなる群から選択される。
【0163】
特に、毒性動物及びその一部は、海綿、花動物(flower animal)、水耕動物、傘状クラゲ、多毛類、カタツムリ、頭足綱の動物、昆虫、クモ類、魚類、両生類、爬虫類、鳥類及び哺乳動物からなる群から選択される。
【0164】
構造タンパク質の例は、哺乳類の毛、爪、蹄及び角、鳥類の羽毛及び爬虫類の鱗片のケラチン、全ての組織動物の結合組織及び細胞外マトリックスのコラーゲン、エラスチン、筋細胞の収縮を引き起こすミオシン及びトロポミオシンなどの原線維(線維)構造タンパク質(これらは通常、運動タンパク質と呼ばれる)、昆虫由来のフィブロイン絹タンパク質(フィブロイン及びセリシン)又はクモ由来のフィブロイン絹タンパク質(スピドリン1及びスピドリン2)、アルスロジン及びスクレロチン(フェノール染め(phenol-tanned)アルスロポジン)、キチンに加えて、体殻(キューティクル)節足動物の主成分、ほとんどの生物の中心小体及び微小管並びにほとんどの生物の細胞骨格の微小フィラメントである。
【0165】
上述の植物材料並びに外皮、木材削りくず、おがくず、乾草、草、穀物、芒、サイレージ、ナッツ殻、樹皮、乾燥した葉及び針葉、並びに、天然繊維、例えば、綿(CO)、カポック(KP)、ポプラ毛羽、アコン、竹繊維、イラクサ繊維、麻繊維(HA)、ジュート(JU)、ケナフ、リネン(LI)、ホップ、ラミー(RA)及び麻などの種子繊維、パイナップル、カルーラ、クロア、ヘネケン、ニュージーランド亜麻、サイザル(Sl)及びココナツ(CC)などの硬質繊維、並びにビスコース(CV)、モダール(CMD)、リヨセル(CLY)、キュプロ(CUP)、アセテート(CA)及びトリアセテート(CTA)などのセルロース系繊維などの天然ポリマーから作製された繊維からなる群からの炭素供給材料を選択した。
【0166】
さらに、少なくとも1つのリン酸塩含有材料は、好ましくは、純粋な細かく分割された鉱物石炭、純粋な細かく分割されたバイオチャー、純粋な細かく分割された活性炭、汚染された細かく分割された鉱物石炭、汚染された、細かく分割されたバイオチャー、汚染された、細かく分割された活性炭、細かく分割された亜炭、及び、純粋及び汚染された細かく分割された炭素供給源からからなる群、並びに、前述の湿った材料から選択される少なくとも1つのタイプの炭素を含む。
【0167】
少なくとも1つの、特に1つの細かく分割された固体混合物は、さらに、少なくとも1つの固体、細かく分割された、又は少なくとも1つの懸濁液の場合、上述の材料とは異なる少なくとも1つの溶解添加剤、乳化添加剤又は懸濁添加剤を含むことができる。好ましくは、無機及び有機塩、酸、塩基、酸化物、還元剤、酸化剤、水蒸気、過熱蒸気、ゼオライト及び層状ケイ酸塩からなる群からの少なくとも1つの添加剤が添加される。適切な無機塩及び有機塩の例は、塩酸、硫酸、硝酸、亜硝酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、安息香酸、ベンゼンスルホン酸及びベンゼンホスホン酸のリチウム塩、ナトリウム塩、カリウム塩、マグネシウム塩及びカルシウム塩である。適切な酸の例は、上述のものである。適切な塩基の例は、リチウム、ナトリウム、カリウム、マグネシウム及び水酸化カルシウムである。適切な酸化物の例は、酸化鉄、酸化アルミニウム、酸化ガリウム、酸化インジウム、酸化ケイ素、砂、酸化ゲルマニウム、酸化スズ、酸化鉛、酸化アンチモン及び酸化ビスマスである。適切な還元剤の例は、水素、窒化リチウムアルミニウム、水素化ホウ素ナトリウム、亜硫酸ナトリウム、亜ジチオン酸ナトリウム及びチオ硫酸ナトリウムである。適切な酸化剤の例は、酸素、過酸化水素及び有機過酸化物、過炭酸ナトリウム、過マンガン酸カリウム、二クロム酸カリウム及びハロゲンである。
【0168】
上述の酸化剤は、吸着及び化学吸着を改善し、新しい反応経路を開く官能基を炭素に提供することができるという利点を有する。
【0169】
特に、塩化ナトリウム、塩化カリウム及び層状ケイ酸塩が使用される。
【0170】
フィロケイ酸塩は、好ましくは、1nm~1000μm未満、好ましくは10nm~900μm、特に300nm~1000nm、特に650±200nm、非常に特に650±150nm、特に650±100nmの平均粒径d50を有するナノ粒子及び/又はマイクロ粒子である。
【0171】
層状ケイ酸マイクロ及び/又はナノ粒子の元素組成及び構造も非常に広く変化し得る。例えば、ケイ酸塩を以下の構造に分類することが知られている。
島状ケイ酸塩
群状ケイ酸塩
環状ケイ酸
鎖状及び帯状ケイ酸塩
鎖状及び層状ケイ酸塩間の遷移構造
層状ケイ酸塩
骨格ケイ酸塩。
【0172】
層状ケイ酸塩は、ケイ酸イオンが角結合SiO四面体の層からなるケイ酸塩である。これらの層及び/又は二重層は、さらに互いに連結されていない。堆積岩に見られる技術的に重要な粘土鉱物もまた、層状ケイ酸塩である。これらの鉱物の層状構造は、結晶の形状及び特性を決定する。それらは通常、層に平行な良好から完全な劈開を有する平板状から葉状である。ケイ酸層を構成する環内の位置の数は、結晶の対称性及び形状を決定することが多い。水分子、大きなカチオン及び/又は脂質は、層間に蓄積し得る。
【0173】
適切な層状ケイ酸塩の例を以下の表1に示す。このリストは例示的なものであり、網羅的なものではない。
【0174】
【表1】
a)Mineralienatlas,Mineralklasse VIII/H-Schichtsilikate(Phyllosilikate),Strunz 8 Systematikを参照されたい。
【0175】
特に、モンモリロナイト((Na,Ca)0.3(Al,Mg)Si10(OH).nHO)の群からのベントナイトが使用される。ベントナイトは、異なる粘土鉱物の混合物であり、モンモリロナイトを主成分として含む。ナトリウムベントナイトは、水中で自身の乾燥重量の何倍も吸収することができる。カルシウムベントナイトはまた、脂肪及び/又は油を吸収することができる。
【0176】
上記の層状ケイ酸塩マイクロ及び/又はナノ粒子は、官能化されている、官能化されていない、集合している、集合していない、集塊している、集塊していない、支持されている、及び/又は支持されていない。例えば、それらは官能化され、集塊され、支持され得る。しかし、それらは官能化及び集合することもできない。
【0177】
それらは触媒的に作用し、及び/又は脱ハロゲン化を助けることができる。
【0178】
粉砕ストックは、少なくとも1つ、特に1つの流体、少なくとも1つ、特に1つの溶液、少なくとも1つ、特に1つの懸濁液、少なくとも1つ、特に1つの細かく分割された固体混合物、及び/又は、少なくとも1つ、特に1つの反応性ガスを含有する。上述の材料は、問題のある合成の、生物起源及び生物学的材料、リン酸塩、金属及び/又はそれらの化合物及び/又は二酸化炭素及び/又は一酸化炭素を含有する。
【0179】
さらに、グリストは、上述の石炭及び/又は炭素供給源を含む。
【0180】
少なくとも1つ、特に1つの懸濁液は、少なくとも1つ、特に1つの細かく分割された固体混合物及び/又はその成分を含有するペーストの形態であってもよい。少なくとも1つの、特に1つの固体の細かく分割された混合物の成分は、互いに別々に提供することもできる。
【0181】
少なくとも1つ、特に1つの懸濁液又はペーストは、連続水系及び/又は連続有機液相を含有することができる。
【0182】
水混和性、プロトン性及び/又は非プロトン性極性有機溶媒を含有することができる水相が好ましく使用される。特に、水相は有機溶媒を含まない。
【0183】
上記の溶媒の少なくとも1つは、少なくとも1つ、特に1つの流体として使用される。
【0184】
上述した材料の少なくとも1つを分子分散させて溶解させた少なくとも1種の溶媒が、少なくとも1つ、特に1つの溶液として用いられる。
【0185】
少なくとも1つの反応性ガスは、ガスとして、凝縮流体として、及び/又は凍結固体として存在することができる。
【0186】
第2又は第3のプロセスステップでは、粉砕材料は、少なくとも1つ、特に1つの機械式ミルに連続的又は不連続的に計量供給される。あるいは、グリストの構成要素は、連続的又は同時に、連続的又は不連続的に、少なくとも1つ、特に1つの機械式ミルに計量供給することができる。
【0187】
第4のプロセスステップでは、粉砕材料は、上述の攪拌手段を用いて移動される上述の粉砕媒体を用いて一定及び/又は可変速度で細かく粉砕され、その後、第5のプロセスステップでは、少なくとも1つの粉状生成物の少なくとも1つ、特に1つの得られた粉砕懸濁物又は少なくとも1つ、特に1つの粉状生成物は、第5のプロセスステップで粉砕体から連続的又は不連続的に分離され、粉砕チャンバから排出される。
【0188】
「可変回転速度」とは、粉砕の過程での回転速度が限界値まで増加するか、予め選択された値から減少するか、又は少なくとも1回増加した後、再び減少することを意味する。
【0189】
粉砕生成物は、少なくとも1つのさらなる機械式ミル又は一式のミルに連続的又は不連続的に添加することができる。
【0190】
第6のプロセスステップでは、少なくとも1つの、特に1つの粉砕された細かく分割された固体生成物が、少なくとも1つの、特に1つの粉砕懸濁液から分離され、それにより、少なくとも1つの消化された生物学的に利用可能な水溶性材料、特に少なくとも1つのリン酸塩が、好ましくは分子的に分散された形態で、液体、特に水性媒体に移送される。
【0191】
あるいは、少なくとも1つの細かく分割された固体生成物、特に少なくとも1つのリン酸塩中に存在する又は依然として存在する少なくとも1つの消化された生物学的に利用可能な水溶性材料は、例えば肥料として使用されるまで少なくとも1つの生成物中に残る。
【0192】
さらに、活性炭で作られた少なくとも1つの洗浄され、細かく分割された固体生成物は、第1のプロセスステップに戻され、及び/又は何らかの他の方法で販売製品として使用される。
【0193】
少なくとも1つ、特に1つの微細に分割された固体生成物は、洗浄、デカント、蒸留、クロマトグラフィー、抽出、磁気分離、濾過、沈降及び/又は遠心分離によって洗い流すことができる。
【0194】
上記のようにして得られる少なくとも1つの、特に1つの細かく分割された固体生成物はまた、液体、特に水性媒体に可溶な少なくとも1つのさらなる、特に少なくとも2つのさらなる生物学的に利用可能な材料を含有することができ、この材料は、さらなる使用まで、又は材料が少なくとも1つの生成物から洗い出されるまで、少なくとも1つの生成物に残される。これらの生物学的に利用可能な材料は、好ましくは、リチウム塩、ナトリウム塩及びカリウム塩、並びにマグネシウム塩及びカルシウム塩、特に硫酸塩からなる群から選択される。
【0195】
さらに、少なくとも1つの、特に1つの固体の細かく分割された生成物は、主族元素、重金属及び放射性金属並びにそれらの化合物からなる群から選択される少なくとも1つの固定化金属を含むことができる。主族元素は、特に、ベリリウム、ヒ素、アンチモン、ビスマス、アルミニウム、ガリウム、ゲルマニウム、セレン、テルル、タリウム及び鉛である。重金属は、遷移金属、特にロジウム、イリジウム、パラジウム、白金、銀及び金などの貴金属、並びにランタニドである。放射性金属は、特にアクチニドである。化合物は、これらの元素及び金属の酸化物、水酸化物、酸、塩、錯体又は有機金属化合物である。
【0196】
本発明による方法の特定の利点は、クロム酸塩又は重クロム酸塩などの有毒及び/又は発癌性金属化合物が、本発明による方法の過程で、例えばクロム(III)又はクロム(0)などのゼロ価金属に還元され、それによって無毒化及び固定化されることである。
【0197】
少なくとも1つ、特に1つの洗い流された固体の細かく分割された生成物は、第1のプロセスステップに戻すことができる価値のある生成物活性炭である。これは、高価な新しい活性炭の供給を最小限に抑えることができるため、本発明による機械化学的プロセスの特定の利点である。
【0198】
さらに、洗い流されていない少なくとも1つの固体の細かく分割された生成物は、価値のあるリン酸塩含有肥料であり得る。
【0199】
さらに、少なくとも1つの固定化金属及び/又は少なくとも1つの固定化金属化合物は、安全に貯蔵又は廃棄することができる少なくとも1つの材料であり得るか、又は少なくとも1つの不均一触媒であり得る。
【0200】
少なくとも一つの固定化金属が上記貴金属の少なくとも一つである場合は、活性炭を燃焼させることにより容易に回収することができる。
【0201】
本発明による機械化学的プロセスのさらに特に好ましい実施形態では、上述の流体、溶液、懸濁液、細かく分割された固体混合物及び/又はガス又は材料と、少なくとも1つの添加剤と、純粋な細かく分割された鉱物石炭、バイオチャー又は活性炭、汚染された細かく分割された鉱物炭、バイオチャー又は活性炭、細かく分割された褐炭又は純粋な若しくは汚染された細かく分割された炭素供給源、並びに上述の湿潤材料との重量比は、0.01から1012、好ましくは0.1から10、特に好ましくは1.0から10、特に1.0から10である。
【0202】
本発明による機械化学的プロセスの非常に重要な利点は、アンモニア、アンモニウム塩、硝酸塩、亜硝酸塩及びニトロソアミンを還元又は除去し、及び/又は生物学的に利用可能なリン酸塩及び活性炭を同時に生成するのに役立つことである。この目的のために、本発明による機械化学的プロセスは、特に、乾燥した液体肥料、液体肥料、発酵残渣、乾燥発酵物、下水汚泥、発酵物、バイオ廃棄物、植物廃棄物、動物廃棄物、下水処理プラントの生物学的浄化段階の乾燥濃縮物、化学的洗浄器及び濾過器、廃水及び排気処理の残渣を用いて行われる。
【0203】
そうすることで、本発明による機械化学的プロセスの特定の利点、すなわち、NOx又は亜酸化窒素が生成されることなく窒素化合物がすべて元素窒素に変換されることが、それ自体示される。脱離は非常に迅速に行われるため、本発明による機械化学的プロセスは、比較的短い時間、例えば100分後に終了することができる。
【0204】
特に、本発明による機械化学的プロセスは、下水処理プラントの少なくとも第4の浄化段階に関連して実施される。
【0205】
しかしながら、本発明による方法は、以下の実施例によって示されるように、より広く適用することができる。
【0206】
活性炭の助けを借りた機械式ミルにおける液体肥料、バイオガス植物由来のバイオマス、液体肥料及び下水汚泥の処理
科学的研究は、活性炭が以下の物質を非常によく吸収することを示している。
【0207】
繊維、懸濁固体など、フィルタ孔よりも大きい粒子又は懸濁固体。
【0208】
フィルタ孔より大きい細菌及び寄生生物。
【0209】
塩素及び塩素化合物。
【0210】
農薬及び農薬残渣、除草剤、殺虫剤、薬物残渣、ホルモン及びホルモン様物質等の有機化合物(炭素系の化学化合物)。-
【0211】
鉛及び銅、セレン、カドミウム、バイオガスプラントからの微量元素、リン酸塩の付随物質としてのウランなどの特定の重金属。
【0212】
オゾン、スーパーオキシド、酸化剤。
【0213】
活性炭ブロックフィルタが吸収できない又はほとんど吸収しない物質には、以下が含まれる。
【0214】
フィルタ孔よりも小さい有機及び無機粒子又は粒子状懸濁物質。
【0215】
溶解塩:カルシウム及びマグネシウムイオン、硝酸塩、亜硝酸塩、アンモニウムなどの天然鉱物。
【0216】
液状肥料、バイオマス、液状肥料、下水汚泥は様々な濃度で含有する。
【0217】
水。
【0218】
水溶性カチオン:カリウム、ナトリウム、カルシウム、マグネシウム。
【0219】
水溶性イオン:塩化物、硝酸塩、亜硝酸塩、リン酸塩、硫酸塩、アンモニウム。
【0220】
溶解ガス;アンモニア、硫化水素、メタン、二酸化炭素、一酸化炭素。
【0221】
有機化合物:フミン酸、農薬、薬物及び残留物、ホルモン、PAH、アミド、タンパク質。
【0222】
固形成分:懸濁物、粒子、繊維、砂。
【0223】
洗浄剤及び外部添加材料からの塩素及び塩素化合物。
【0224】
細菌、クリプトスポリジア、ジアルジア。
【0225】
液体肥料を処理する様々な方法がある。
【0226】
プレス・スクリューによる分離
プレス・スクリューは、中程度のエネルギー要件を有する。これらの中で、肥料は、スクリューで周囲のふるいに押し付けられる。薄相はふるいを通過し、固相は機械的抵抗に対して押し出される。例えば開口領域の抵抗の変化により、分離の程度に影響が及ぶ可能性がある。プレス・スクリューは、25重量%25重量%、50重量%の乾燥物、30重量%の窒素及び40重量%までのリン酸塩を分離することができる。
【0227】
遠心分離機による分離
遠心分離はより高いエネルギー要求を有するが、より多くのリン酸塩を分離する。固相及び液相は、急速に回転するドラム内で分離される。この技術では、プレス・スクリューのように繊維状の材料だけでなく、微細な材料も固相に入る。これは、栄養素がこの段階で濃縮されることを意味する。分離遠心分離機は、15重量%、60重量%の乾燥物、20重量%の窒素及び70重量%までのリン酸塩を分離することができる。
【0228】
多段肥料分離機
2つの遠心分離機を有する多段分離機は、非常に高価であるだけでなく、エネルギー消費量も非常に高い。しかしながら、それらは、30重量%、90重量%の乾燥質量、50重量%の窒素及び95重量%までのリン酸塩を抽出する。
【0229】
移動式肥料分離機
永久的に設置された分離機に加えて、様々な移動式の型が利用可能である。これらの装置は、フォークリフトトラック、自動車若しくは大型トレーラ又はトラックによって様々な場所に柔軟に持ち込むことができる。これは、小規模企業、例えば契約業者からのより少量の液体肥料を、十分に利用された技術で処理できることを意味する。
【0230】
機械化学的処理
栄養物のバランスに応じて、固相をさらに処理したり、機械化学的に処理したりすることができる。機械化学的ワークアップは、以下の目的を追求する。
【0231】
ここでは窒素として示されている硝酸塩及びアンモニウムを、有機窒素と共に大気窒素に変換すること。
【0232】
リン酸塩は水溶性のままであるか、又はそれに戻され、したがって生物学的に利用可能になる。
【0233】
セルロース、ヘミセルロース、リグニン、フミン酸、タンパク質、アミン、組織残留物、細菌、スラッジ、繊維及びそれらに結合したPAHからなる乾燥物は、石炭に加工されるか、又は機械式ミルの運転時間に応じて、最初に短鎖生体分子に変換される。これらは、真菌、細菌及び動物にとって栄養価を有する。この材料をバイオガスプラントに供給して、栄養素をメタンに変換することができる。合わせて、窒素含有量は同時に減少している。-
【0234】
活性炭の清澄化
活性炭ブロックフィルタでは、3つの異なる原理がそれらの効果において互いに補完する。
【0235】
活性炭の機械的効果
ふるいのように、活性炭は、その孔よりも大きい全ての粒子を保持する。この機械的作用は、例えば細菌、クリプトスポリジア(単細胞寄生生物)、ジアルジア(小腸寄生生物)、懸濁粒子及び砂、錆粒子、アスベスト繊維などを濾過する。純粋な活性炭フィルタで可能であるよりもさらに微細で信頼性の高い粒子濾過を達成するために、いくつかのフィルタ挿入体は、中空糸膜の形態の第2のフィルタ段階を使用する。
【0236】
触媒効果
フィルタ孔よりも小さい特定の物質は、活性炭の触媒効果によって変換することができる。このとき、これらの物質はもはや元の形態ではない。触媒効果は、例えば、塩素処理水の不快な味を除去する。活性炭は、わずかしか枯渇しないので、その触媒効果の点で非常に効率的である。触媒効果により、例えば、塩素、CHC及びFCHCが水から除去される。
【0237】
吸着効果
活性炭は、フィルタ孔よりも小さい特定の物質を吸着効果によって吸収することができる。吸着中、物質は活性炭に付着し、固着する。この付着を引き起こす力は化学結合ではなく、様々な物質に対する磁力と同様に作用する「ファンデルワールス力」である。
【0238】
活性炭は、すべての既知の物質の中で最大の吸着力を有し、したがって、濾過材として特に適している。
【0239】
「ファンデルワールス力」は非常に強いが、非常に短い距離でのみ作用する。したがって、接触面への近接性及び水が通過する速度は、吸着効果にとって決定的である。活性炭フィルタは微細であるほど、また、水が透過するのが遅いほど、吸着濾過は良好である。この場合に、特に小さい活性炭の利点が働く。なぜならば、比較的微細な細孔を有し、水の流れを遅くするからである。
【0240】
その吸着効果により、活性炭フィルタは、鉛、銅、殺虫剤、除草剤、殺真菌剤、ホルモン残留物、薬物残留物、並びに臭気及び味を損なう物質など、人間が消費するのに水中で望ましくない有機物質及び無機物質に結合することができる。
【0241】
充填された活性炭の機械化学的プロセス
活性炭は押し出され、短時間予備乾燥され、次いで機械式ミルで機械化学的に処理され、サイクルで再利用できるようにリサイクルされる。分離された水も再利用することができる。機械化学的ワークアップは、以下を目的とする:
【0242】
硝酸塩及びアンモニウムを有機窒素と一緒に大気窒素に変換すること。
【0243】
水不溶性であり、したがって植物に利用できない小さなリン酸塩粒子を、再び生物学的に利用可能にすること。
【0244】
セルロース、ヘミセルロース、リグニン、フミン酸、タンパク質、アミン、組織残渣、細菌、スラッジ、繊維及びPAHからなる乾燥物を処理して石炭に戻すか、又は機械式ミルの運転時間に応じて、それをまずは短鎖生体分子に変換すること。これらは、真菌、細菌及び動物にとって栄養価を有する。有利には、栄養素をメタンに変換するために、材料をバイオガスプラントに供給することができる。そうすることで、窒素含有量が同時に減少する。
【0245】
重金属を結合し、バイオマスシステム用の活性炭中の補助材料として再利用すること。このようにして、それらは圃場又は自然環境で終わらない。特に、ウラン、カドミウム、鉛、銅及びコバルトなどの重金属は、より長く自然環境に入り込む。
【0246】
除草剤、殺真菌剤、ホルモン残渣及び薬物残渣は、木炭に分解される。
【0247】
塩素、CHC、CFC、PCB及びダイオキシンは、非毒性の塩化物及び炭素に変換される。
【0248】
活性炭濾過後に残った水は、従来の脱塩システムを使用して清浄な水と栄養素に分離することができる。
【0249】
活性炭は常にリサイクルすることができる。
【0250】
水の脱塩における機械化学
いずれの場合も、脱塩水は飲料水としての直接使用には適していない。さらに、このような低塩水は、石灰錆保護層を形成することができないため、鉄系材料に対して腐食性である。したがって、その後の炭酸水素カルシウムの添加は、水中の硬度炭酸塩の含有量を再び増加させる。炭酸水素カルシウムは、水酸化カルシウム(石灰乳)と二酸化炭(CO)との反応によって生成される。
【0251】
以下のセクションは、通常のプロセスをその経済的重要性の順に列挙する。多段フラッシュ蒸発(MSF)のプロセスが最も普及しており、大規模な工業規模で使用されている。これらのプロセスに加えて、太陽海水脱塩プロセスも、より少ない程度であるが使用されている。
【0252】
多段フラッシュ蒸発
これは、略語「MSF」(多段フラッシュ蒸発)による熱プロセスである。これは、海水淡水化のために最も一般的に使用されるプロセスである。先行する技術は多重効用蒸留であった。
【0253】
このプロセスでは、供給された塩水は、カロリー発電所からの廃熱を使用して、そしてまれに原子力発電所からの廃熱を使用して115℃の温度に加熱される。いわゆる鹹水ヒータで加熱された塩水は、真空下で下流の緩和段階で蒸発する。水蒸気は、これらの段階において、冷却液で満たされたパイプ上に凝縮物として堆積し、塩を含まない水として引き出される。蒸発プロセスによって塩がますます濃縮される水は、鹹水(brine)とも呼ばれ、供給された淡水の蒸気の凝縮温度(約40℃)に冷却される。その後、それはパイプライン内の冷却液として機能する。パイプ自体は、スポンジゴム球で結晶化塩が連続的に清浄される。最後に、新しい塩水が鹹水に供給され、混合物はガスタービンからの廃熱によって再び加熱される。したがって、プロセス全体は閉サイクルである。サイクルで濃縮された塩の余剰分は海に戻される。
【0254】
Jabal Ali発電プラント及び世界最大の海水脱塩プラントである海水脱塩プラントなどの大規模プラントは、毎日2.135百万立方メートルの海水を脱塩する。通常、最大500,000立方メートルの飲料水が、このプロセスで毎日海水から抽出される。同様の量が、この地域の石油火力発電所によっても生成される。エネルギー消費量は23~27kWh/m3である。
【0255】
逆浸透
逆浸透では、浸透圧を克服するために、0.5から5nmの孔径を有するポリアミド、PTFE又はスルホン化コポリマーからなる半透膜を通して溶液を高圧下で加圧する。これはフィルタのように作用し、特定のイオン及び分子のみを通過させる。これにより、元の溶液の分離が達成される。メンブレンフィルタは、塩、細菌、ウイルス、石灰の過剰供給及び重金属などの毒素を阻止することができる。
【0256】
浸透圧は塩濃度の増加と共に増加するため、プロセスはある時点で停止する。これに対抗するために、濃縮物が排出される。膜中の塩又は鉱物の結晶化(沈殿)を防止しなければならないので、逆浸透の使用は、還流の特定の最大濃度までしか意味をなさない。塩濃度に応じて、高圧のために、最適なシステムであっても、飲料水の立方メートル当たり2~4kWhのエネルギー消費が予想されなければならない。
【0257】
逆浸透システムの膜は、メンテナンスフリーではない。鉱物堆積物(スケーリング)、生物学的物質(バイオファウリング)又はコロイド粒子によって引き起こされる堆積物の形成は、膜を通る水分子の透過を減少させる。これに対抗するために、膜を化学洗浄剤でリンスしなければならない。細菌性沈着物に対するポリリン酸及びポリマレイン酸などの抗スケーリング剤、並びに殺生物剤及び塩素が一般的である。これらの洗浄剤又はリンス水は環境に優しくなく、海に戻す前に分離又は処理しなければならない。
【0258】
飲料水処理システムは、水質汚染の種類に応じて追加の前置フィルタを装備することができる。粗い材料は、20μmの粒径まで分離することができる。追加の活性炭フィルタは、農薬などの有機物を分離する。UV照射を下流で使用することもでき、これは細菌に対する安全性のさらなるレベルを表す。この原理に従って機能するシステムは、南アフリカのMossel Bay海水脱塩プラントである。
【0259】
逆浸透のあらゆる段階において、活性炭を用いた機械化学的プロセスは、逆浸透自体よりも優れた解決策を提供する。
【0260】
精密濾過の前に、膜を汚れ及び粒子から保護するために、精密濾過の前駆体として活性炭が使用される。これにより、蓄積及び目詰まりが低減される。
【0261】
一般的な高分子は、限外濾過段階で保持される。これの大部分は活性炭に起因して既に起こっているため、限外濾過膜は目詰まりが少なく、はるかに長く続くガード膜である。これは、特にセルロース、ヘミセルロース、リグニン、フミン酸、タンパク質及び代謝産物に当てはまる。
【0262】
ナノろ過は、解離した塩、二価以上の塩、カチオン及びアニオン、例えば硫酸塩、リン酸塩及びアルカリ土類金属並びに糖を保持する。リン酸塩をここで分離し、アルカリ土類金属と共にきれいに処理できることが特に重要である。
【0263】
逆浸透では、一価塩及び非解離塩が保持される。これにより、多くのアンモニウム及び硝酸塩並びに塩化物、臭化物及びアルカリ金属カチオンを含有する高度に濃縮された溶液及び懸濁液が生成される。これらの塩は、別々に増粘させることができ、又は肥料濃縮物として販売することができ、又は過剰供給がある場合、乾燥後に単に機械化学的に大気窒素に変換することができる。これにより、機械式ミル内において、カリウムなどの破壊されないカチオンの濃度が増加する。
【0264】
プレフィルタとしての活性炭は、乾燥後に機械化学的にリサイクルされる。
【0265】
膜蒸留
膜蒸留プロセスでは、水蒸気のみを通過させるが液体水を保持する微多孔膜が使用される。膜の一方の側には温かい塩水があり、他方の側にはより冷たい表面がある。システムの向流動作は、膜の全長にわたって温度差があることを確実にする。結果として生じる水蒸気分圧の差は、水分子を膜の温かい側から冷たい側に移動させる。
【0266】
実験技術
以下のセクションには、脱塩のための様々な試験方法が記載されており、そのうちのいくつかは、より小さなプラントでも使用される。
【0267】
プラスチック蒸発ホース
欧州CRAFTプロジェクトの一部として、フランスの研究センターCEA/GRETHは、金属成分の大部分がポリマーに置き換えられた海水脱塩プラントを開発した。これは、プラスチックが金属よりもはるかに腐食しにくく、したがってより耐性があるという利点を有する。プラスチックを使用することにより、プロセスは、100℃及び1バールの通常の条件下で実施することができる。この装置は、100l/hの飲料水生産速度を達成する。水は100℃に加熱されるので、大部分が無菌であり、少量の塩のみを含有する。
【0268】
凍結工程
塩水が冷えると、塩を含まない氷結晶が形成される。しかしながら、技術的な困難は、本質的に、氷結晶を母液から分離することにある。氷結晶は、母液から洗浄しなければならない。次に、淡水がかなり必要とされているため、このプロセスは実際には失敗している。
【0269】
電気透析
電気透析は、塩含有量が非常に低い場合にのみ経済的である。エネルギーコストは、塩含有量と線形関係にある。したがって、この手順は、汽水に対してのみ価値があることが多い。
【0270】
イオン出力
塩水は4つの槽に供給される。槽1では、塩分濃度が高められている(例えば、太陽蒸発によって)。槽1内の得られた濃縮鹹水は、槽2に対してNaイオンを遮断し槽3に対してCIイオンを遮断する選択的ポリスチレン膜を介して接続され、槽1及び2内にそれぞれNa及びClイオンの過剰を引き起こす。これらの2つの槽は、膜によって第4の槽に接続される。イオンは、この第4の槽から拡散して、槽2及び3内のイオンを補う。したがって、水槽4内の水はNaClを含まない。他の塩を除去しなければならない場合、他のイオンフィルタも使用しなければならない。環境補助金を伴うパイロットプラントがカナダに建設された。Siemenのグループは、シンガポールでパイロットプラントを運営している。
【0271】
プール1内の蒸発が太陽によって引き起こされるならば、低エネルギー消費が利点である。ナトリウム及び塩化物を除きミネラル含有量は保持されるので、飲料水を使用するために他のミネラルを添加する必要はない。他の目的のために追加のイオンフィルタが必要である。
【0272】
バイオ燃料電池
弱塩水の脱塩のためのバイオ燃料電池に関する研究は、とりわけ、クイーンズランド大学,清華大学及びオークリッジ国立研究所(USA)で行われている。また、汽水にも実用化が検討されている。
【0273】
水の脱塩における機械化学的プロセス
塩は、アルカリ陽イオン、アルカリ土類陽イオン、アンモニウムなどの陽イオン、塩化物及び臭化物などの陰イオン、並びにフッ化物、亜硝酸及び硝酸などの窒素陰イオン、リン酸塩及び重金属の残留物を含有する。機械化学的ワークアップは、以下の目的を有する。
【0274】
重金属の残留物を活性炭に固定化すること。
【0275】
アンモニウム、硝酸塩、亜硝酸塩を、部分的又は完全に、上記のすべての陽イオンと陰イオンを含む濃厚な塊の大気中窒素に変換すること。これにより、多くのカリウム及びリン酸を含有するが、窒素をほとんど又は全く含有しない肥料が得られる。
【0276】
肥料としての純粋なアンモニウム及び硝酸塩の需要がない場合は、これらの物質を現場で安価に大気窒素に変換することが可能である。
【0277】
具体的なバージョンについては、逆浸透に関する説明を参照されたい。
【0278】
発癌性化合物の無毒化
重クロム酸カリウム等の六価クロムの化合物は発癌性があることが知られている。本発明による機械化学的プロセスの助けを借りて、六価クロムを三価クロムに、場合によっては金属クロムに還元することが可能である。したがって、クロムは、これらの酸化状態ではもはや発癌物質ではない。
【0279】
活性炭を用いた、地下水及び飲料水からの硝酸及びアンモニウムの処理
より低い濃度のために、活性炭を使用して硝酸を結合することができる。
【0280】
官能化活性炭を、CaCl、金属鉄及びFe(III)などの鉄、磁性鉄粒子、銅、パラジウム、スズ、インジウム及び他の金属と共に使用することもできる。
【0281】
機械化学的ワークアップの利点:
機械化学的ワークアップ中、粒子は細かく砕かれ、ナノ効果を付加する。
【0282】
フィルタとして使用する場合、鉄は洗い流すことができるが、まだ存在する場合、還元によって再活性化することができる。
【0283】
同じことが、銅、パラジウムなどのナノ粒子及び化合物にも当てはまる。これらは、石炭と一緒にさらに砕いて回収することができる。
【0284】
これにより、活性炭が官能化されていなくても、結合した硝酸を窒素及び活性炭に変換する選択肢が得られる。
【0285】
同じことが、多くの活性化及び官能化された活性炭にも当てはまり、次いで、硝酸を同時に分解しながら再活性化することができる。
【0286】
このようにして、活性炭は、機械化学的に新たに官能化され、又は後に官能化され得て、又は、リフレッシュされて再使用され得る。
【0287】
二酸化炭素及び一酸化炭素の、酸素及び炭素同素体への機械化学的分解
出発点は、二酸化炭素又は一酸化炭素の、活性炭、又は活性炭と組み合わせたゼオライトなどの微孔性材料への結合と、それに続く二酸化炭素の炭素酸素への機械化学的変換である。したがって、恒久的かつ大規模に実装することができ移動可能である安価な二酸化炭素シンクの目標は、どこでも達成することができる。アンモニア又はアルカリ溶液などの塩基が結合に利用可能である場合、効果を高めることができる。その場合、それは化学吸着の問題である。炭酸ナトリウムなどの二酸化炭素の塩又は二酸化炭素の堆積から生じる他の塩も分解することができる。二酸化炭素の吸着は、炭素中のOH基及びそれに関連し得る特定の残留水分によって強化され得る。部分的に熱分解された活性炭又は木炭は、より多くのOH基を有し、したがって二酸化炭素とより容易に結合するため、有利であることも証明されている。上記のようなガラス、石英又は岩石などのトライボケミカル触媒、還元触媒、酸化触媒、混合触媒又は金属触媒を触媒として使用することができる。
【0288】
特別な実施形態は、二酸化炭素の凝縮を伴う低温システムにおける膜、ドライアイスの導入又は二酸化炭素の低温分離、金属触媒及び炭素を有する金属合金、有機金属触媒又は均一触媒を用いた二酸化炭素変換である。
【0289】
二酸化炭素を膜で変換する場合、酸素を透過し、二酸化炭素を透過しないガス透過膜が用いられる。酸素を吸引することにより、永久的な変換が起こるように平衡をシフトさせることができる。AIRCOは、異なる拡散速度のために、中空繊維を通って流れるときに物質を分離する膜を提供する。
【0290】
二酸化炭素の凝縮を伴う低温システムでは、二酸化炭素は-78.5℃で反応器に凝縮される。反応器は、-78.5℃の二酸化炭素の昇華点未満の温度まで冷却される。その結果、粉砕チャンバ内の二酸化炭素の量は、石炭のみに吸着するよりも多い。反応器は、例えば、液体窒素又はヘリウムで冷却される二重壁反応器を介して冷却することができる。冷却液は、冷蔵庫のようにスロットル緩和と組み合わせることができる。熱電素子やペルチェ素子を用いることもできる。酸素は-183℃でやっと液体になるので、気体のままである。
【0291】
ドライアイスは、小片にして、又はスラッシュとして導入され、場合により石炭と混合される。又は、石炭は既に粉砕チャンバ内にある。ドライアイスは、粉砕チャンバ内に単独で存在し、次いで粉砕の過程で石炭に変換することもできる。しかしながら、活性炭の存在は、反応を促進するので好ましい。
【0292】
二酸化炭素の低温分離の場合、粉砕チャンバはコールドフィンガーを備え、それは好ましくはタッピング・フィンガー又はセパレータとして設計され、それの上で二酸化炭素が-78.5℃で分離する。あるいは、粉砕チャンバは、対応する別個のシステムと組み合わせることができる。酸素は気相に留まり、膜によって汲み出され、又は分離され得る。
【0293】
同様に、一酸化炭素を元素に分割することができる。したがって、本発明による方法は、この有毒ガスを除去するためにも利用可能である。
【0294】
本発明による機械化学的プロセスのさらなる実施形態では、二酸化炭素及び一酸化炭素は、活性炭によるだけでなく、任意のバイオマス及び/又は炭素供給材料によっても粉砕される。例えば、圧縮ガス状二酸化炭素をバイオガスプラントからの排気ガスと共にバイオマスに注入することができ、得られた粉砕ストックを機械化学的に活性炭に変換することができる。
【0295】
これは、スリップガスが炭素に変換され、特に強力な温室効果ガスとして作用する大気中にはもはや到達しないので、バイオガスプラント及び一般にはガスエンジンなどの他のメタン及び/又は天然ガス駆動システムにおけるメタンのスリップも効果的に回避することができることを意味する。このようにして、温室効果ガスの排出も、本発明による機械化学的方法によって効果的に防止することができる。
【0296】
アンモニア、アミン、細塵、超細塵、水銀、二酸化炭素、一酸化炭素、硫化水素及び他の硫黄化合物などの病原性毒素の、小屋、下水処理プラント、バイオガスプラント及び閉鎖された廃棄物処分場の空気から活性炭への結合は、活性炭の適切な含浸によって可能になり、これは吸着能力を著しく増加させ、その結果、ガス中の吸収が不十分な不純物を経済的に除去するために有利に使用することができる。その場合、病原性毒素は、吸着によってのみ結合されるのではなく、化学的収着又は触媒的にも結合される。活性炭は、ヨウ化カリウム、炭酸カリウム、リン酸、苛性ソーダ、水酸化カリウム、硫黄、硫酸及び銀で官能化され、均一かつ均質に含浸される。
【0297】
次いで、病原性毒素を担持した活性炭を、本発明による機械化学的プロセスの助けを借りてリサイクル及び再活性化することができる。
【0298】
本発明による機械化学的プロセスの別の有利な用途は、異なる粒度を有する活性炭の分離及び分類である。この目的のために、ガス、特に空気又は窒素などの不活性ガスは、送風機、ファン又は圧縮機の助けを借りて第1のパイプを介して機械式ミルの粉砕チャンバに吹き込まれ、細かく分割された粉末状の活性炭粒子は、粉砕チャンバから第2のパイプを介して排出され、例えば国際公開第2017/153038号から知られているように、音響泳動によって気相中で集塊される。次いで、集塊した活性炭粒子は、サイクロン内に吹き込まれ、そこで気相から分離される。第1及び第2の管を互いに流体接続するバイパスは、より強いガス流が粉砕チャンバを通るよりもサイクロンを通って流れることを確実にする。
【0299】
特に有利な実施形態では、本発明による機械化学的プロセスのための機械式ミルは、粉砕ストックのための少なくとも1つの入口及び粉砕生成物のための少なくとも1つの出口を有するドラム内の複数の上述の粉砕媒体を有する少なくとも1つの回転可能又は固定式の機械化学的反応器、導波管又は粉砕チャンバを備える。回転可能な機械化学的反応器及び導波管のドラムは、その中心においてモータによって駆動され得る回転可能なドライブシャフトに接続されたディスク形状の垂直ドラム壁を有する。
【0300】
これとは対照的に、固定式の機械化学的反応器及び導波管のドラムは、粉砕媒体及び粉砕材料を混合するための攪拌手段を有する。攪拌手段は、ドラムの長手方向軸に沿って回転可能であるように配置され、モータによって駆動されることができ、ディスク形状の垂直ドラム壁を通過する回転可能なドライブシャフトによって回転される。
【0301】
固定式及び回転可能な機械化学的反応器の両方の垂直ドラム壁、及び、ディスク形状の垂直ドラム壁に対向する導波管は、電磁放射線及び/又は粒子放射線が透過可能である耐衝撃性グリッド又は窓によって形成され、そのグリッド又は窓は、少なくとも1つの放射源を分離し、粉砕媒体及び粉砕ストックが少なくとも1つの放射源を損傷するのを防止する。
【0302】
集束レーザ放射、電子放射、α線、中性子放射及びガンマ線放射などの放射性放射、X線、UV放射、IR放射、マイクロ波放射及び超音波、並びに対応する放射源が好ましく使用される。特に、マイクロ波放射線が使用される。
【0303】
放射源は、機械化学的反応器、粉砕チャンバ又は導波管に接続することができ、又はそれらとは別個に配置することができる。
【0304】
機械式ミルが構築される材料は、とりわけ、使用される放射線の種類に依存する。特に、マイクロ波放射を使用する場合、グリッド、機械化学的反応器及び導波管の内壁、粉砕媒体及び攪拌手段は、電気的短絡を引き起こさない材料で作られなければならない。内壁及び攪拌手段に適した材料の例は、耐衝撃性、耐擦傷性及び高温耐性のプラスチック及びセラミックである。粉砕媒体は、好ましくは磁器などのセラミックでも作製される。照射されない機械式ミルの他の部分には、ステンレス鋼などの金属を使用することができる。電気モータ、特に上述の内部冷却式電気モータの1つが、好ましくは駆動に使用される。
【0305】
本発明による機械化学的プロセス及び本発明による機械式ミルは、実施例及び図を用いて以下により詳細に説明される。実施例及び図は限定的ではなく、本発明による機械化学的方法及び本発明による機械化学的装置を特定することを意図している。
【0306】
図1~24は、本発明による機械化学的プロセス及び本発明によるその使用の本質的な特徴を説明することを意図した概略図である。いくつかの図は縮尺通りではない:
【図面の簡単な説明】
【0307】
図1】マイクロ波放射による照射下で粉砕ストックを粉砕するための回転ドラム1.5を備えた本発明による機械式ミル1を示す。
図2】固定式ドラム1.5と、マイクロ波放射2.1による照射下で粉砕ストックを粉砕するためのアトライタ1.4とを備えた本発明による機械式ミル1を示す。
図3】汚染されたリン酸塩含有バイオマスの除染及び生物学的に利用可能な形態のリン酸塩の回収のための機械化学的プロセスのフロー図を示す。
図4】第4の精製段階の湿った汚染された活性炭及びスラッジから再生活性炭を得るための機械化学的プロセスのフロー図である。
図5-1】(a)は、ストライキング・ディスク1.4.2の縮尺通りの表面の平面図を示し、(b)は、ストライキング・ディスク1.4.2の縮尺通りの側面図を示し、(c)は、ストライキング・ディスク1.4.2の斜視図を示す。
図5-2】(a)は、ストライキング・ディスク1.4.2の縮尺通りの表面の平面図を示し、(b)は、ストライキング・ディスク1.4.2の縮尺通りの側面図を示し、(c)は、ストライキング・ディスク1.4.2の斜視図を示す。
図6】(a)は、ストライキング・ディスク1.4.2の縮尺通りの表面の平面図を示し、(b)は、ストライキング・ディスク1.4.2の縮尺通りの側面図を示し、(c)は、ストライキング・ディスク1.4.2の斜視図を示す。
図7】(a)は、ストライキング・ウェブ1.4.2を有するストライキング・ディスク1.4.2.4の縮尺通りの表面の平面図を示し、(b)は、ストライキング・ディスク1.4.2の縮尺通りの側面図を示し、(c)は、ストライキング・ウェブ1.4.2.4の輪郭を示し、(d)は、ストライキング・ディスク1.4.2の斜視図を示す。
図8】(a)は、ストライキング・ウェブ1.4.2を有するストライキング・ディスク1.4.2.4の縮尺通りの表面の平面図を示し、(b)は、ストライキング・ディスク1.4.2の縮尺通りの側面図を示し、(c)は、ストライキング・ウェブ1.4.2.4の輪郭を示し、(d)は、ストライキング・ディスク1.4.2の斜視図を示す。
図9】(a)は、ストライキング・ウェブ1.4.2を有するストライキング・ディスク1.4.2.4の縮尺通りの表面の平面図を示し、(b)は、ストライキング・ディスク1.4.2の縮尺通りの側面図を示し、(c)は、ストライキング・ウェブ1.4.2.4の輪郭を示し、(d)は、ストライキング・ディスク1.4.2の斜視図を示す。
図10】(a)は、ストライキング・ウェブ1.4.2.4を有するファン1.4.3の縮尺通りの表面の平面図を示し、(b)は、ストライキング・ファン1.4.2の縮尺通りの側面図を示し、(c)は、ストライキング・ファン1.4.2の斜視図を示す。
図11】(a)は、ストライキング・ウェブ1.4.2.4を有するファン1.4.3の縮尺通りの表面の平面図を示し、(b)は、ストライキング・ファン1.4.2の縮尺通りの側面図を示し、(c)は、ストライキング・ウェブ1.4.2.4の輪郭を示し、(d)は、ストライキング・ファン1.4.2の斜視図を示す。
図12】ストライキング・ウェブ1.4.2.4を有するファン1.4.3の縮尺通りの表面の平面図を示し、(a)及び(b)は、ストライキング・ファン1.4.2の縮尺通りの側面図を示し、(c)は、ストライキング・ウェブ1.4.2.4の輪郭を示し、(d)は、ストライキング・ファン1.4.2の斜視図を示す。
図13】(a)は、山と谷の輪郭1.4.3.2を有する二重ストライキング・ファン1.4.3及びU字形の柱状部1.4.3.3の縮尺通りの表面の平面図を示し、(b)及び(d)は、二重ストライキング・ファン1.4.3の縮尺通りの側面図を示し、(c)は、山と谷の輪郭1.4.3.2を通る断面を示し、(e)は、二重ストライキング1.4.3の斜視図を示す。
図14】対称に配置されたストライキング体1.4.4.3を有するストライキング・クラブ1.4.4の上面図を示す。
図15】ストライキング・ウイング1.4.5の上面図である。
図16】ストライキング・ウイング1.4.5のさらなる実施形態の平面図を示す。
図17】2つの逆回転ローラ1.4.6による粉砕を示す。
図18】表面構造1.4.6を有する2つの逆回転ローラ1.4.6.2による粉砕を示す。
図19】ローラ1.4.6及び削磨面1.4.6.3による粉砕を示す。
図20】特定の角度1.4.6.5で互いに回転する2つの逆回転傾斜ローラ1.4.6による摩砕を示す。
図21】弾性表面1.4.6.6を有する2つの逆回転ローラ1.4.6による粉砕を示す。
図22】いくつかの粉砕チャンバ1.1.1を備えるドラム1.5を示す。
図23】逆浸透システムのフロー図である。
図24】機械化学的ミル1と、活性炭粒子Gを集塊させるための音響泳動装置7と、集塊した活性炭粒子Gを気相から分離するためのサイクロン8とを備える粒度分類器KSを示す。
【0308】
図1から図24において、参照符号は以下の意味を有する。
【0309】
1機械式ミル、粉砕ユニット
1.1 機械的反応器、導波管、粉砕チャンバ
1.1.1 球面粉砕チャンバ
1.1.2 円形狭窄部
1.2 粉砕媒体
1.3 グリストF
1.4 攪拌手段
1.4.1 アトライタ
1.4.2 ストライキング・ディスク
1.4.2.1 ドライブシャフト3用のブッシング
1.4.2.2 ストライキング・ホール
1.4.2.3 縁部
1.4.2.4 ストライキング・バー
1.4.3 ストライキング・ファン
1.4.3.1 ドライブシャフト3の周りのリング
1.4.3.2 山と谷の輪郭
1.4.3.3 U字形の分断部
1.4.4 ストライキング・クラブ
1.4.4.1 ドライブシャフト3の周りのリング
1.4.4.2 連結バー
1.4.4.3 インパクタ
1.4.5 ストライキング・ウイング
1.4.5.1 ストライキング・エンド
1.4.6 回転ローラ、ドラム
1.4.6.1 回転方向
1.4.6.2スパイク
1.4.6.3 削磨面
1.4.6.4 回転軸
1.4.6.5 傾斜角度
1.4.6.6 ローラ表面
1.4.6.7 陥凹部
1.4.6.8サスペンション
1.4.6.9 球体
1.5ドラム
1.5.1 粉砕ストックF;1.3の入口
1.5.2 粉砕生成物出口I
1.5.3 円盤状の垂直ドラム壁
1.5.3.1 1.5.3を通る通路
1.5.4 ドラム壁(1.5.3と反対側)
1.5.5 グリッド、放射線透過性窓
1.5.5.1 開口部
2電磁放射線、粒子放射線
2.1 マイクロ波放射
3ドライブシャフト
3.1 回転方向
4モータ
5ファン
5.0 吸引
5.1 吸引ガス
5.2 1の粉砕チャンバ1.1に吹き込まれたガス流
5.2.1 バイパスBPに注入されるガス流
5.2.2 ガス流5.2のためのガスライン5.5内の制御バルブ
5.2.3 ガス流5.2.1のためのバイパスBP内のガスライン5.5.1内の制御バルブ
5.3 粉砕されたグリストFが充填されたガス流
5.3.1 ガス流5.3のためのガスライン5.6内の制御バルブ
5.4 集塊粒子9.1を伴うガス流
5.5 ファン5から機械式ミル1へのガスライン
5.5.1 バイパスBP内のガスライン
5.6 機械式ミル1からバイパスBP、音響泳動ユニット7及びサイクロン8へのガスライン
5.7 サイクロン排ガス8
6透過性保護グリッド
7音響泳動ユニット
7.1 超音波源
7.2 定在波
8サイクロン
8.1 排気管
8.2 固体出口
9粉末状固体I
9.1 集塊粒子
A-A切断線
C-C断面線
Dストライキング・ディスク1.4.2の直径
dドライブシャフト3のブッシング1.4.2.1の直径
DS解離酸、二価塩
EWS一価塩
Fグリスト、粉砕ストック、ミルベース
O水
KS粒度ふるい
MF精密濾過
MM巨大分子
NFナノ濾過
R半径
RO逆浸透
SP懸濁粒子
SW塩水
T厚み
UDS非解離酸
UF限外濾過
UO逆浸透
X拡大部
ZU糖
以下の本文において、用語の後に置かれる以下の略語は、以下の意味を有する。
A問題のある、合成の、生物起源及び生物学的材料
Bリン酸塩
C金属及びその化合物
D二酸化炭素、一酸化炭素
E価値のある生成物
Fグリスト、流体、溶液、懸濁液、細かく分割された固体混合物、反応性ガス
G石炭、炭素供給源
H粉末状生成物Iの懸濁物
I粉末生成物、ふるった生成物I
K触媒活性粒子
Q圧電性粒子
Y(A、B、C及び/又はD、並びに場合によっては
Z)のGに対する重量比
Z添加剤
【0310】
実施例1~3及び比較実験V 1
独国特許出願公開第 195 04 540 号明細書に記載されているアトライタ1.4.1を有する粉砕ユニット1を、実施例1~3及び比較実験V 1の粉砕実験に使用した。それぞれ1gの重さの2000個の鋼球を粉砕媒体1.2として使用した。粉砕ストックFの重量:鋼球1.2の重量の重量比は1:10であった。粉砕試験は、大気圧の周囲空気下で行った。
【0311】
国際公開第 2017/055246号による電気モータ3を使用して、アトライタ1.4.1で粉砕ユニット1を駆動した。これは、ジャケットと、冷却剤を供給することができる内部空洞とを有する少なくとも1つの導波管を備える、磁場を発生させるための少なくとも1つの巻線を有する電気モータ構成要素を備え、巻線は、電気動作電圧が接続される2つの端部を有し、
導波管は、円形管の形状に設計され、3mmの範囲の外径を有し、巻線の端部はそれぞれ冷却剤入口又は冷却剤出口として機能し、
巻線の端部は、冷却剤入口及び/又は冷却剤出口、導波管を接続するための複数の導波管接続部、冷却剤が少なくとも1つの導波管に供給される分配チャネル、及び/又は少なくとも1つの導波管から出てくる冷却剤が流入してコネクタの冷却剤出口に導かれる回収チャネルを含むコネクタに接続される。
【0312】
このタイプのモータ3は、Dynamic E Flow GmbH(Kaufbeuren、ドイツ)によってcapcooltech(登録商標)の商標で販売されている。タイプHC及びLCを使用した。
【0313】
硝酸カリウムAを含有する混合物を実施例1~3のミルベースFとして提供した。比較実験V1の混合物は硝酸カリウムAを含有しなかった。混合物Fのそれぞれを、アトライタ1.4.1の速度1250回転/分で480分間粉砕した。0.5gの重量のサンプルを、0分(ブランク・サンプル)、60分後、120分後、及び480分後に採取し、50mlの脱イオン水で溶出した。次いで、DIN EN ISO 10304-1によるそれぞれの硝酸塩含有量A及びDIN EN ISO 11732によるアンモニウム含有量Aを測定した。
【0314】
表1に混合物Fの概要と測定結果を示す。
【0315】
【表1】
【0316】
アンモニウムA及び硝酸塩Aの大部分は、60~120分の粉砕後に既に除去されていることが分かった。
【0317】
実施例4~6及び比較実験V 2
発酵残渣Aの粉砕-材料組成の影響
粉砕試験は、本質的に実施例1~3及び比較試験C1に記載したように実施した。表2は、粉砕ストックFの材料組成の概要を示す。粉砕ストックFに対する粉砕媒体1.2の重量比は、すべての場合で50:1であった。回転数はすべての場合で1250rpmであった。0、1、2及び3時間の摩砕時間の後、それぞれの細かく分割された粉末状生成物I 0.5gを、DIN 38414-4 DIN EN 12457-4に従って蒸留水50mlで溶出した。アンモニウムイオンAの各濃度は、DIN EN ISO 11732に従ってmg/リットルで決定した。結果は表2にも見ることができる。
【0318】
【表2】
【0319】
試験結果は、活性炭G又は石英Q及び活性炭Aを含む試料におけるアンモニウムイオンAの減少が、活性炭を含まない試料よりも有意に大きかったことを示している。
【0320】
実施例7
第4のモデルとしての薬物Aの機械化学的分解
下水処理プラントの浄化段階
珪砂Q及び活性炭G(実施例7、試験番号1~4及び13~16)、珪砂Q単独(実施例7、試験番号9~12及び21~24)及び活性炭G単独(実施例7、試験5~8及び17~20)をそれぞれ、プロポフォール2錠、ロラチジン1錠、イブフラム2錠及びACC 1錠からなる混合物Aと混合した。得られた混合物Fを1回擦って乾燥させ、一部を蒸留水150mlに注ぎ、次いで48時間浸漬させ、次いで室温でウォータージェット真空下で2時間乾燥させた。次いで、サンプルFを空気下及びアルゴン下で摩砕した。粉砕試験は、実施例4~6に記載のように行った。表3に、使用した試験条件の概要を示す。
【0321】
【表3】
【0322】
試験の結果は、以下のように要約することができる。
【0323】
1.活性炭Gのみを含む薬剤Aの分解は、珪砂Qのみを含む場合よりも速かった。
【0324】
2.より長い粉砕時間(約2時間)の後、珪砂Qの効果は活性炭Gの効果よりも強かったので、少量の珪砂Qを添加することが有利であった。
【0325】
3.減少は自然対数に従っており、すべての化合物が60分後に分解された。
【0326】
4.プロポフォールAは、他の薬物Aよりもはるかにゆっくりと分解された。
【0327】
5.合計混合物Fと乾燥混合物Fとの間の有意差は、決定することができなかった。しかしながら、合計混合物Fが幾分速く分解するという一定の傾向があった。
【0328】
6.回転速度が決定的な要因であった。薬物Fの分解は、1100RPMでは、800RPMでの分解の2倍速かった。
【0329】
7.不活性ガスZ下と空気下の間に、粉砕の差は見られなかった。
【0330】
実施例8
下水処理プラントの第4の精製段階からのリン酸塩Bの回収
第4の精製段階の槽からの粒状充填活性炭Gを水浴中で1回粗洗浄した。次いで、これを市販の乾燥システムで高温及び減圧下で乾燥させた。その後、乾燥後の活性炭Gを、ドラム1.5を備える機械式ミル1に900リットルの容量で連続的に投入した。機械式ミル1は、直径5mmの1000個の鋼球1.2を含み、これらは保護グリッド6によってドラム1.5から出ることが防止された。乾燥した活性炭Gを上部開口部(1.5.1、粉砕材料F用入口)で保護グリッド6を通して入れ、再びサイクロン8によって中央に分離した。約100kgの石炭Gを1時間で機械化学的ミル1に通した。あるいは、プロセスは、同じ量のバッチプロセスとして不連続的に実施することができる。
【0331】
ミル1の回転数は1100rpmであった。再活性化された活性炭Gを含む粉砕グリストFを、市販のペレット化システムにおいて不連続的又は連続的にペレットGにプレスした。次いで、ペレットを再び第4の精製段階の槽に添加した。活性炭Gの損失はここでは観察できなかった。砂汚染はプロセスを妨害しなかった。
【0332】
存在する可溶性リン酸塩Bは、活性炭Gをペレット化する前又は後に、別個の洗浄サイクルで溶出することができた。
【0333】
実施例9
肥料Aの活性炭Gへの処理
硝酸塩A、アンモニウムA、リン酸塩B及び重金属Cを含有するスラリーA 1000kgを、市販の消化乾燥機で乾燥させた。これにより、80kgの乾燥物が粉砕ストックFとして残った。乾燥は高温で実行され、漏れ出たアンモニアAは、独国特許出願公開第10 2016 004 162号明細書に記載されているように、硫酸と結合させた。得られた硫酸アンモニウムAは、乾燥物Fと共にさらに処理することができた。乾燥物F及び硫酸アンモニウムAは、別個の機械式ミル1で予備摩砕した。次いで、粉砕媒体1.2が流出するのを防止する保護グリッド6を介して、上から、半分の量の活性炭Gと共に、900リットルの容積のドラム1.5を備える機械式ミル1に連続的に導入した。1000kgの直径5mmの鋼球1.2を、粉砕媒体1.2として使用した。粉砕材料Fを再びサイクロン8によって中心に分離した。約100kgの乾燥材料Fを1時間で機械式ミル1に通し、1100rpmの一定速度で粉砕した。
【0334】
得られた固体の細かく分割された生成物Iは、出発生成物Fよりも有意に少ない硝酸イオンA及びアンモニウムイオンAを含んでいた。さらに、重金属Cを固定化した。
【0335】
炭素Gに加えて、又は炭素Gの代わりに、ベントナイト又はモンモリロナイトなどの層状ケイ酸塩Zを導入して、重金属Cを固定化することができる。
【0336】
固体の細かく分割された生成物Iを市販のペレット化プラントでプレスし、リン酸肥料E及び石炭肥料Eとしてのテラプレタの代替Eとして使用し、腐植形成及び微生物増殖を促進した。
【0337】
あるいは、リン酸塩BをペレットGから除去することもできた。残った材料は、VOC(揮発性有機化合物)に結合する活性炭Gの代替物として、パネルの製造のための充填剤として、及び木材及び砂の代替物として、非常に適していた。
【0338】
実施例10
使用済みナフィオン膜AからのイリジウムCの回収
500kgの使用済みナフィオン膜Aを細断し、100kgの活性炭G及び20kgの固体水酸化ナトリウム溶液Zと乾燥混合し、予備粉砕した。次いで、混合物Fを実施例8及び9に記載の機械化学的ミル1に連続的に導入し、1100rpmの速度で2時間粉砕した。サイクロン8を用いて分離した細かく分割された固体粉末Iを水で溶出し、得られたフッ化ナトリウムIを洗い流した。残った粉末Iは固定化されたイリジウムCを含んでいた。これは粉末Iを燃焼させることによって回収された。
【0339】
実施例11~15
バイオマスAの機械化学的処理、硝酸塩A及びアンモニウムAの除去並びにリン酸塩Bの回収
バイオマスA、珪砂Q及び活性炭Gを様々な量で一緒に混合した。硝酸ナトリウムA、塩化アンモニウムA及びガラス状ウルトラホスフェートBを様々な量で混合物に添加した。得られた混合物Fを擦って乾燥させた。これらの一部を蒸留水150mlで1回注ぎ、48時間浸漬した後、室温にてウォータージェット真空下で2時間乾燥し、次いで粉砕した。並行して、乾燥混合物Fを粉砕した。全ての実験は、空気下で1回及びアルゴンZ下で1回行った。この目的のために、実施例1~3に記載の装置1を使用した。全ての場合において、30分、60分、120分及び180分後、得られた粉砕混合物Fから試料Iを採取し、蒸留水で溶出した。次いで、溶液を分析した。
【0340】
使用した材料とその割合の概要を表4~8に示す。
【表4】
Ex.=実施例;Tri.=試験
【0341】
【表5】
Ex.=実施例;Tri.=試験
【0342】
【表6】
Ex.=実施例;Tri.=試験
【0343】
【表7】
Ex.=実施例;Tri.=試験
【0344】
【表8】
Ex.=実施例;Tri.=試験
【0345】
実施例11~実施例15の試験結果から、以下の一般的な傾向を導き出すことができる。
【0346】
1.バイオマスA及び窒素化合物Aの分解は、珪砂Qよりも活性炭Gで速く進行した。
【0347】
2.しかしながら、約2時間後、珪砂Qの効果は活性炭Gの効果よりも強いので、少量の珪砂Qを混合物に添加することが賢明であった。
【0348】
3.窒素含有化合物Aの減少は自然対数に従っており、すべての窒素含有化合物Aは60分後に分解された。
【0349】
4.合計混合物Fと乾燥調製混合物Fとの間で、窒素含有化合物Aの分解の有意差を決定することができなかった。合計混合物Fがより速い分解を示すという特定の傾向のみがあった。
【0350】
5.回転数が決定的要因であった。例えば、窒素含有化合物Aの分解は、1,100RPMでは、800RPMでの分解の2倍の速さである。
【0351】
6.空気中で粉砕した場合の分解速度とアルゴン下で粉砕した場合の分解速度との間に差は見られなかった。
【0352】
7.ウルトラホスフェートBは、粉砕によって生物学的に利用可能な水溶性リン酸塩Bに変換することができた。
【0353】
8.異なる量の硝酸ナトリウムA及び塩化アンモニウムAは、分解速度に影響を及ぼさなかった。
【0354】
実施例16
硝酸塩A及びアンモニウムAの除去並びに石炭G中の微量元素Cの固定化及びバイオガスプラントにおける石炭Gの再使用
硝酸塩A、アンモニウムA、リン酸塩B、並びに微量のヒ素C及び重金属Cを含有するスラリーA 10.000kgを、市販の消化乾燥機を使用して徐々に乾燥させた。乾燥物Fは合計800kg残った。乾燥は高温で実行され、漏れ出たアンモニアAは、独国特許出願公開第10 2016 004 162号明細書に記載されているように、硫酸と結合させた。得られた硫酸アンモニウムAは、乾燥物Fと共にさらに処理することができた。乾燥物F及び硫酸アンモニウムAは、別個の機械式ミル1で予備摩砕した。次いで、これらを、半分の量の活性炭G、50kgのベントナイトZ及び10kgのN,N,N’、N’-エチレンジアミンテトラ(メチレンホスホン酸)Zと共に、粉砕媒体1.2が出るのを防ぐ保護グリル6を介して、900リットルの容積のドラム1.5を備える機械式ミル1内に連続的に上方から入れた。1000kgの直径5mmの鋼球1.2を、粉砕媒体1.2として使用した。粉砕材料Fを再びサイクロン8によって中心に分離した。約100kgの乾燥材料Fを1時間で機械式ミル1に通し、1,100rpmの一定速度で粉砕した。
【0355】
得られた固体の細かく分割された生成物Iは、元の乾物Fよりも著しく少ない硝酸イオンA及びアンモニウムイオンAを含んでいた。さらに、ヒ素C、重金属C及びそれらの化合物Cは、石炭Gに、ベントナイトZに、及びキレート錯化剤Zで固定化され、その結果、もはや地下水に入ることができなくなり、これは大きな利益だった。
【0356】
水溶性リン酸塩Bを、固体の細かく分割された生成物Iから洗い流し、得られた溶液を液体肥料Eとして使用することができた。
【0357】
洗浄された生成物Iは、メタン形成を増加させるために、乾燥物として又は任意の形態の湿った状態でバイオガスプラントに戻すことができた。
【0358】
実施例17
触媒活性鉄粒子Kの存在下での肥料Aの機械化学的処理及び硝酸塩Aの除去。
【0359】
200mg/Lの硝酸イオンを含有するスラリーを、通例の既知の方法で乾燥させた。乾燥した肥料A 100重量部と、珪砂Q 34重量部と、活性炭G 34重量部と、触媒鉄粒子K 2重量部とを互いに混合し、実施例1~3で説明したように粉砕した。30分、60分、90分、120分、180分及び240分後、サンプルIをミルベースFから取り出し、蒸留水で溶出した。次いで、それぞれの硝酸塩含有量Aを決定した。それぞれ180mg/L、120mg/L、90mg/L、50mg/L、36mg/L、21mg/L、11mg/Lであった。
【0360】
この実施例は、本発明による機械化学的プロセスがバイオマス中の硝酸塩Aの除去に非常に適していることを実証した。
【0361】
実施例18
発癌性六価クロムAの機械化学的固定
50重量部の活性炭G、50重量部の珪砂及び10重量部の重クロム酸カリウムCからミルベースFを調製し、実施例1から3に記載のように粉砕した。120分後、粉末状生成物Iからサンプルを採取した。サンプルIを水で溶出し、水溶性クロム塩Cが依然として存在するかどうかを確認した。しかしながら、濃度は、クロムCを決定するための通例の既知の方法の検出限界未満であった。比較のために、粉末生成物Iのクロム含有量を通例の既知の方法で分析した。元のクロムCの量のほぼ全体が見られた。したがって、六価クロムCの元の量はほぼ完全に固定化された。クロムCのわずかに欠落した量は、明らかに、機械式ミル1の空洞1.1内の材料によって取り込まれた。
【0362】
実施例19及び20
機械化学的プロセスを実施するための機械式ミル
機械化学的プロセス用の機械式ミル1は、ステンレス鋼製であり、工業用セラミックで裏打ちされたドラム1.5内の粉砕媒体1.2として工業用セラミック製の様々なボールを含む少なくとも1つの回転可能な(実施例18;図1)又は固定式(実施例19;図2)機械化学的反応器及び導波管1.1と、グリストF;1.3用の少なくとも1つの入口1.5.1と、粉砕生成物Iのための少なくとも1つの出口1.5.2とを備えていた。
【0363】
実施例19(図1)の回転可能な機械化学的反応器及び導波管1.1のドラム1.5は、その中心においてモータ4によって駆動される回転ドライブシャフト3に接続されたディスク形状の垂直ドラム壁1.5.3を有していた。
【0364】
実施例20(図2)の固定式機械化学的反応器及び導波管1.1のドラム1.5は、粉砕媒体1.2及び粉砕材料1.3を混合するために、工業用セラミックでコーティングされたステンレス鋼製のアトライタ1.4を有していた。アトライタは、モータ4によって駆動され、ブッシング1.5.3.1を通ってディスク形状の垂直ドラム壁1.5.3を通過する回転可能なドライブシャフト3によってドラム1.5の長手方向軸に沿って回転可能であるように配置される。
【0365】
実施例19の機械式ミル1(図1)及び実施例20の機械式ミル1(図2)の両方において、ディスク形状の垂直ドラム壁1.5.3及び対向するドラム壁1.5.4は、機械化学反応器及び導波管1.1をマイクロ波発生器2から分離するための、セラミック製の、電磁放射線及び/又は粒子放射線2.1が透過可能であり、取り外し可能であり、耐擦傷性であり、そして耐衝撃性であるグリッド1.5.5で構成されていた。
【0366】
マイクロ波発生器2は、フランジによって機械化学的反応器及び導波管1.1にしっかりと接続された。グリッド1.5.5の開口部1.5.5.1は円形であり、パターンを形成した。丸い開口部1.5.5.1を有するグリッド1.5.5は、3つの角、4つの角、5つの角、6つの角及びスロット形状の輪郭を有する開口部1.5.5.1を有するグリッド1.5.5に置き換えることができた。
【0367】
実施例20(図2)のドラム1.5は、独国特許出願公開第195 04 540号明細書の図1a、1b、2a、及び3aに示す形状をとることもでき、ドライブ4;3上の少なくとも1つのグリッド1.5.5及びドラム壁1.5.3の反対側のドラム壁1.5.4のみ有していた。
【0368】
使用したモータ4は、Dynamic E Flow GmbH(Kaufbeuren、ドイツ)製のcapcooltech(登録商標)の商標で、タイプHC及びタイプLCの電動モータであった。
【0369】
実施例21
機械化学的ミル1における攪拌手段1.4の実施形態
実施例20による機械化学的ミル1が提供され、これは、アトライタ1.4.1の代わりに、攪拌手段1.4のさらなる実施形態を含んでいた。
【0370】
図5-1(a)、(b)及び(c)による攪拌手段1.4は、それぞれ円形の縁部1.4.2を有するストライキング・ディスク1.4.2.3であった。ストライキング・ディスク1.4.2の各々は、ドライブシャフト3のための中央に配置されたブッシング1.4.2.1を有していた。6つの同じサイズのストライキング・ホール1.4.2.2がブッシング1.4.2.1の周りに対称に配置された。図5-2(a)、(b)、及び(c)によるストライキング・ディスク1.4.2は、6つのストライキング・ホール1.4.2.2の代わりに4つのストライキング・ホールを有する点のみが、図5-1a)、(b)、及び(c)によるストライキング・ディスク1.4.2と異なる。図6(a)、(b)、及び(c)によるストライキング・ディスク1.4.2は、湾曲し、細長く、互いに対称に円形で配置され、縁部1.2.4.3に平行に配置された3つのストライキング・ホール1.4.2.2を有していた。
【0371】
ストライキング・ディスク1.4.2は、ストライキング・ホール1.4.2.2が一致又はギャップ内にあるように、ドライブシャフト3上に配置することができた。しかしながら、ストライキング・ディスク1.4.2.1は、2つ以上が交互に一致し、次いで2つ以上がギャップ上にあるように配置することもできた。
【0372】
図7(a)、(b)、及び(c)のストライキング・ディスク1.4.2は、対称的に配置された6つのストライキング・ウェブ1.4.2.4を有しており、それらの対向する表面の1つは、回転方向に凸状に湾曲した三角形の輪郭を有していた。ストライキング・ウェブ1.4.2.1の各々は、ブッシング1.4.2.1から縁部1.4.2.3まで延びていた。さらなる実施形態では、ストライキング・ウェブ1.4.2.4を両面に配置することができた。
【0373】
図8(a)、(b)、及び(c)のストライキング・ディスク1.4.2は、ストライキング・ウェブ1.4.2.4が直線状に配置され、正方形の輪郭を有する点でストライキング・ディスク1.4.2とは異なる。図9(a)、(b)、及び(c)のストライキング・ディスク1.4.2は、ストライキング・ウェブ1.4.2.4が三角形の輪郭を有する点でのみ、図8(a)、(b)、及び(c)のストライキング・ディスクとは異なっていた。
【0374】
これらのストライキング・ディスク1.4.2は、ストライキング・ウェブ1.4.2.4が一致又はギャップ内にあるように、ドライブシャフト3上に配置することもできた。しかしながら、ストライキング・ディスク1.4.2.1は、2つ以上が交互に一致し、次いで2つ以上がギャップ上にあるように配置することもできた。
【0375】
ドライブシャフト3に対して対称に配置された図10(a)、(b)及び(c)の攪拌手段1.4はそれぞれ、ブッシング1.4.2を取り囲むリング1.4.3.1から放射状に伸びる2つのストライキング・ファン1.4.3を有していた。正方形の輪郭を有する2つのストライキング・ウェブ1.4.2.4を、2つのストックファン1.4.3の表面のそれぞれに放射状に配置した。図11(a)、(b)、及び(c)のストライキング・ファン1.4.3は、ストライキング・ウェブ1.4.2.4が三角形の輪郭を有する点でのみ、図10(a)、(b)、及び(c)のストライキング・ディスクとは異なっていた。
【0376】
図12(a)、(b)、(c)、及び(d)のストライキング・ファン1.4.3は、ドライブシャフト3に対して対称に配置され、各々が縁部1.4.2.3に平行に伸びる2つの谷と2つの山からなる山と谷の輪郭1.4.3.2を各々有していた。
【0377】
図13(a)、図(b)、図(c)及び図(e)の攪拌手段1.4では、対称的に広げられ、U字形のギャップ1.4.3.3によってそれぞれ分離された2対の2つの放射状ストライキング・ファン1.4.3に併合されたリング1.4.3.1が、上で互いから分離されている。4つの区画の各々はまた、縁部1.4.2.3に平行に伸びる山と谷の輪郭を有していた。
【0378】
これらのストライキング・ファン1.4.3を、それらが一致又はギャップ内にあるように、ドライブシャフト3上に配置することもできた。ストライキング・ファン1.4.3は、交互に2つ以上が一致し、次いで2つ以上がギャップ上にあるように配置することもできた。
【0379】
図14のストライキング・クラブ1.4.4は、ドライブシャフト3を取り囲むリング1.4.4.1から対称的に放射状に伸びている丸い断面を有する3つの連結ウェブ1.4.2.4を有し、その各端部には、球状のストライキング体1.4.4.3が取り付けられていた。ストライキング・クラブ1.4.4は、それらが一致又はギャップ上にあるようにドライブシャフト3上に配置することができた。しかしながら、それらは、交互に2つ以上が一致し、次いで2つ以上がギャップ上にあるように配置することもできた。他の実施形態では、接続ウェブ1.4.2.4は、ナイフエッジ通るのと同様に、四角形、長円形、又は台形の断面、又は平坦な断面を有することもできた。
【0380】
図15のシート状のストライキング・ウイング1.4.5は、S字形を有し、その2つのストライキング・エンド1.4.5.1にはストライキング・ホール1.4.2.2が配置された。平面ストライキング・ファン1.4.5 16は、ストライキング・ホール1.4.2.2のないより顕著なS字形を有していた。ストライキング・ウイング1.4.5は、それらが一致又はギャップ内にあるようにドライブシャフト上に配置することができた。しかしながら、それらは、2つ以上が交互に一致し、次いで2つ以上がギャップ上にあるように配置することもできた。
【0381】
上述した攪拌手段1.4及び粉砕媒体1.2の代わりに、機械式ミル1は、反対の回転方向1.4.6.1に回転するローラ1.4.6で動作させることもできた。次いで、粉砕をニップ内で行った。図17による構成では、2つの平行なローラが粉砕チャンバ1.1内に配置された。図18による構成では、2つのローラ1.4.6の表面は、インターロック・スパイク1.4.6.2を有していた。図19による構成では、ローラ1.4.6は削磨壁1.4.6.3に対して回転し、粉砕はローラ1.4.6と削磨壁1.4.6.3との間のギャップで行われた。図20の構成では、2つの平行なローラ1.4.6の回転軸1.4.6.4が角度1.4.6.5で交差し、これにより、粉砕ストックFがさらにねじれた。
【0382】
反対の回転方向1.4.6.1に回転する図21のローラ1.4.6は、弾性表面1.4.6.6を有していた。これは、ばね1.4.6.8が球体1.4.6.9を窪み1.4.6.7から押し出す対称的に配置された窪み1.4.6.7によって形成されていた。次いで、粉砕ストックFの粉砕は、ローラ1.4.6が2つの球体1.4.6.9の間の接触領域で回転したときに行われた。球体1.4.6.9は、窪み1.4.6.7の明確な幅よりも小さい直径を有し、それにより、窪み1.4.6.7に侵入したグリストFは、ローラ1.4.6が適切な位置にあるときに再び滴下することができた。
【0383】
実施例22
機械式ミル1の粉砕チャンバ1.1の実施形態
粉砕チャンバ1.1が直線シリンダの形状を有するドラム1.5の代わりに、少なくとも1つの円形狭窄部1.1.2によって形成された、前後に配置された少なくとも2つの球状粉砕チャンバ1.1.1を含む粉砕チャンバ1.1を使用することもできた。ドライブシャフト3は、球形断面形状の粉砕チャンバ1.1.1及び円形狭窄部1.1.2の中心を通って伸びていた。攪拌手段1.4の寸法は、粉砕チャンバ1.1.1の周期的に変化する直径に適合された。この構成により、粉砕ストックFの混合を向上させることができた。
【0384】
実施例23
汚染されたリン酸塩含有バイオマスA;Bの除染のための機械化学的プロセス及び生物学的に利用可能な形態のホスフェートBの回収
機械化学的プロセスは、図4のフロー図を使用してより詳細に説明される。
【0385】
湿った有害なリン酸塩含有バイオマスA;Bを乾燥させた。得られた乾燥物A;B又はバイオマスA;Bの固体をふるい分けし、予備粉砕した。乾燥中に得られた、アンモニアA及びアンモニウムAを含む水を浸透又は蒸留に供して、固体アンモニウム塩Eを得た。これらは、アンモニウム肥料(価値のある生成物E)として使用することができる。アンモニウム塩Aは、バイオマスA;Bの固体と共に機械式ミルに移動させて、そこで、プラズマの存在下で機械化学的粉砕に供した。これにより、有害物質非含有又は有害物質が低減された固定化重金属C及びバイオマスA;Bを含有する破壊された細菌A及びウイルスA、並びに、石炭G及びリン酸塩Bが得られた。この混合物Iを造粒し、ペレット化し、石炭G及び非毒性の無機及び有機成分Zを含むリン酸肥料Eとして使用することができた。混合物Iを粉砕することもでき、その結果、石炭G及び非毒性の無機及び有機成分Zを含む粉末リン酸肥料Eが形成された。水溶性の生物学的に利用可能なリン酸塩Bを粉末I及びペレットIから抽出し、液体肥料Eとして使用することができた。このようにして、非毒性の有機及び無機成分Zを有する炭素Gを残した。
【0386】
実施例23
第4の精製段階へ戻すための活性炭Gの再生
湿った担持された活性炭G及び第4の精製段階のスラッジAを洗い流した。これにより、洗い流された、湿った、担持された活性炭G;Aが得られた。これを乾燥させて、洗い流された乾燥した担持された活性炭Gを得た。
【0387】
さらなる実施形態では、湿った担持された活性炭G;AとスラッジAを直接乾燥させ、砂Q及び有機不純物Aを含む乾燥した担持された活性炭G;Aが得られた。
【0388】
2つの乾燥質量はそれぞれ、それ自体についてふるい分けされるか、又は組み合わせられてからふるい分けされ、その結果、ふるい分けされた乾燥した担持された活性炭G;Aが得られた。
【0389】
砂Q及び有機不純物Aを含む乾燥した担持された活性炭G;A、洗い流された乾燥した活性炭G;A、及び、ふるい分けられた乾燥した担持された活性炭G;Aは、それぞれ個別に又は一緒に機械式ミル1内で、粉砕媒体1.2及びプラズマによる機械化学的処理に供することができた。すべての場合において、結果は、繊維並びに鉱物及び金属成分による不純物A;Cも含有し得る粉砕された再生活性炭Gであった。この活性炭をふるい分けして重金属Cを分離した。必要に応じて、磁石を用いて重金属Cを分離することもできた。得られた摩砕されてふるい分け及び再生された活性炭Gを造粒し、ペレット化することができ、顆粒及びペレットを第4の精製段階に戻すことができた。
【0390】
実施例24
機械化学的に処理された熱硬化性クリアコート上でのエチレンとプロピレンの混合物のラジカルグラフト共重合-概念証明
粉砕には、実施例1~3に係る機械式ミル1を用いた。それらの金属表面を実施例17(図2)による酸化アルミニウムセラミックの層でコーティングし、酸化アルミニウムセラミック製のボールをスチールボール1.2(Ceram Tec-ETEC GmbH,Lohmarの会社パンフレットのUlrike Wiech,think ceramics TECHNISCHE KERAMIK,21 1及び212頁,3.4.4.2 grinding and breakingを参照されたい。)の代わりに使用した。粉砕媒体1.2対粉砕ストックFの重量比は20:1であった。粉砕ストックF用の入口1.5.1は、粉砕ストックFが注がれる排気可能なロックを備えていた。次いで、ロックを排気した。0.01mbarの圧力に達した後、ロックを1.0barの圧力までアルゴンで充填した。次いで、粉砕ストックFをロックから機械化学的反応器及び導波管1.1のアルゴン充填粉砕チャンバ1.1に落下させた。粉砕生成物Pの出口1.5.2は、接線方向サイクロン・セパレータ8を備えていた。
【0391】
表II-2.5:Bodo Mueller及びUlrich Pothによる教科書の142頁の自動車シリーズクリアコート、ラッカー配合物及びラッカー沈殿物、訓練及び練習のための教科書Vincentz Verlag 2003による70gの粉末化熱硬化自動車シリーズクリアコートA、3gの活性炭G及び2gの硅砂Qの混合物を粉砕ストックFとして使用した。粉砕ストックFを、平均粒径d50=500nmの繊度まで1100rpmのアトライター速度でアルゴン下で2時間粉砕した。粉砕中、導波管1.1は、マイクロ波発生器2の助けを借りて生成されたマイクロ波2.1を、グリッド1.5.5を通して照射された。粉砕の終了後、得られた生成物Iを機械化学的反応器1.1から接線方向サイクロン・セパレータ8にアルゴンでフラッシングし、その中で、アルゴン下で気相から分離し、不活性条件下で、通例の既知の設計の適切なサイズの流動床反応器に移し、アルゴンで流動化した。不活性ガス雰囲気を、エチレンとプロピレンとのモル比1:1のガス混合物によって置き換えた。ガス混合物を、流動床反応器を通して下方から円形にポンプ輸送し、粉砕生成物Iの粒子上のグラフト共重合から生じる圧力降下を、ガス混合物中の計量によって補った。圧力降下がもはや観察できなくなったら、流動床反応器をアルゴンでフラッシュすることによってグラフト共重合を終了させ、得られたグラフト共重合体を排出した。これは、d50=1.5μmの平均粒径を有する細かく分割された自由流動性の黒色粉末であった。
【0392】
実施例25
飲料水HOの製造における本発明による機械化学的プロセスの使用
図23は、逆浸透UO及び膜濾過による塩水及び/又は汚水SWからの飲料水HOの生成を概略的に示す。
【0393】
精密濾過MFの前に、膜MFを汚れ及び粒子SPから保護するために、活性炭Gを精密濾過の予備段階として使用した。これにより、蓄積及び目詰まりが減少した。
【0394】
一般的な高分子MMは、限外濾過段階で保持された。しかしながら、高分子MMの大部分は既に活性炭Gによって除去されているため、限外濾過膜UFは目詰まりが少なく、はるかに長く持続するガード膜であった。これは、セルロース、ヘミセルロース、リグニン、フミン酸、タンパク質及び代謝産物に特に当てはまる。
【0395】
その後のナノ濾過では、ナノ濾過膜NFは、解離した塩及び二価以上の塩DS並びにカチオン及びアニオン、例えば硫酸塩DS、リン酸塩B及びアルカリ土類金属C並びに糖ZUを保持した。リン酸塩Bをここで分離し、アルカリ土類金属Cと共にきれいに処理できることが特に重要であった。
【0396】
最終的な逆浸透又は逆浸透ROでは、一価塩及び非解離塩EWS;UDSは留保した。これにより、多くのアンモニウムA及び硝酸塩A並びに塩化物、臭化物及びアルカリ金属カチオンCを含有する高度に濃縮された溶液又は懸濁液が得られた。これらの塩Cは、別々に増粘させるか、又は肥料濃縮物Eとして販売するか、又は過剰供給がある場合、乾燥後に単に機械化学的に大気窒素に変換することができた。これにより、機械式ミル内で破壊されなかったカリウムCなどのカチオンCの濃度を高めることが可能になった。プレフィルタとしての活性炭は、乾燥後に機械化学的にリサイクルされ、再びプレフィルタとして使用された。
【0397】
全体として、このプロセスは、活性炭の前濾過及び機械化学的再処理のために、効果的かつ効率的に純水の生成を可能にした。
【0398】
実施例26
含浸された活性炭Gの助けを借りた病原性毒素Aの結合及び担持された含浸活性炭Gの再処理
畜舎、消化塔、バイオガスプラント及び閉鎖廃棄物処理場の排気フィルタには、多層含浸活性炭フィルタAを装備した。個々の層には、ヨウ化カリウム、二酸化炭素、一酸化炭素、硫化水素及び他の硫黄化合物を含浸させた。これにより、アンモニア、アミン、細塵、超微粒子、ヒ素及び水銀などの病原性毒素Aが吸着だけでなく化学吸着又は触媒反応によっても結合したため、活性炭Gの吸着容量が大幅に増加した。ヨウ化カリウムを含浸させた活性炭Gは、この点で特に効果的であった。
【0399】
次いで、病原性毒素Aを担持した含浸活性炭Gを、本発明による機械化学的プロセスを用いてリサイクル及び再活性化することができた。
【0400】
実施例27
粒径1μm~3μmの活性炭粒子Gの分類
本発明による機械化学的方法のさらなる有利な用途は、ふるい、すなわち分離であり、図24による装置における1μm 3μmの平均粒径d50を有する活性炭粒子Gのふるいであった。この目的のために、洗浄され乾燥された窒素5.1は、送風機5を用いて吸引パイプ5.0を介して吸引され、ガス流5.2として第1のパイプ5.5を介して機械式1ミルの粉砕チャンバ1.1に吹き込まれた。粉砕チャンバ1.1に入る前に、ガス5.2はガス透過性保護グリッド6を通って流れ、これにより、機械式ミル1の動作中に粉砕ボール1.2が管5.5に入ることが防止された。流れの方向で見たガス流5.2は、粉砕チャンバ1.1に入る直前に制御バルブ5.2.2を用いて調節された。
【0401】
細かく分割された粉末状の活性炭粒子Gは、第2の管5.6を介してさらなる保護グリッド6を通って平均粒径<1μmのガス流5.3で粉砕チャンバ1.1から排出された。ガス流5.3は、制御バルブ5.3.1によって調節された。
【0402】
ガス流5.3は、パイプ5.5.1を有するバイパスBPを通ってパイプ5.6のさらなる経路を通過し、制御バルブ5.2.3の助けを借りて調節されたガス流5.2.1と組み合わされた。合流ガス流5.3;5.2.1は、国際特許公開第2017/153038号による音響泳動ユニット7に導かれ、そこにおいて、細かく分割された活性炭粒子Gは、互いに対向する超音波源7.1によって生成された定在超音波7.2によって集塊され、その結果、所望の平均粒径d50を有した。集塊した活性炭粒子Gを有する流出ガス流5.4は、ガス供給ライン5.6を介してサイクロン8内に吹き込まれ、そこにおいて、集塊した活性炭粒子G;9.1を気相(排ガス5.7)から分離し、これを排気ガスライン8.1を介して排出し、固体排出口8.2を介して粉末状の固体9として排出した。
【0403】
この装置の主な利点は、ガスライン5.5とガスライン5.6とを流体接続するバイパスBPによって、強いガス流5.4が、粉砕チャンバ1.1を通るよりも、サイクロン8を通って流れることを確実にしたことであった。
【0404】
実施例28
バイオガスプラント及びガスエンジンからの排気ガス中の有機ガス及び二酸化炭素のスリップの機械化学的除去
有機ガスF及び二酸化炭素Dのスリップ、特にバイオガスプラント並びにメタン及び/又は天然ガスで運転されるガスエンジンのメタンスリップFは、活性炭Gの存在下で本発明による機械化学的方法を使用してスリップガスを炭素Gに機械化学的に変換することによって効果的かつ効率的に排除することができ、その結果、特に強い温室効果ガスとして作用していたであろう大気中にもはや入ることはない。したがって、本発明による機械化学的プロセスによって温室効果ガスの排出を効果的に防止できるだけでなく、得られた石炭Gを粉砕に再び使用することができる。
【0405】
実施例29及び30
二酸化炭素の要素への分解-概念実証
実施例29:通常の活性炭上にC-13を有する二酸化炭素L
98.9%のC-12及び1.1%のC-13の典型的な同位体比を有する20gの活性炭を、室温で12時間、1Lの体積を有する機械式ミル中で飽和するまでC-13標識二酸化炭素(Sigma Aldrich 364592-1 L EU、99%原子C-13)で処理した。まず、活性炭を110℃で12時間乾燥させた後、減圧下で脱気した。減圧は10-3 hPa(mbar)の高真空であった。
【0406】
その後、石炭を5重量%のシリカと混合し、直径5mmのクロム鋼ボール1250gを備えた1Lの粉砕チャンバを備えた機械式ミル内で、室温にて1200RPMで機械化学的に処理した。次いで、活性炭のC-13含有量を質量分析によって決定した。測定により、3.4%のC-13が存在することが示された。これは、粉砕中に3.4×100/3.854=88.2%のC-13が活性炭に組み込まれたことを意味する。
【0407】
計算:
1リットルのC-13 COは、0.04461モルのC-13 COを含有した。
モル質量M=45g/mol(O-16=99%)の0,04461molは、n×M=m、m=2.0076gを含有した。
【0408】
このうち、13/45の割合が100%の変換率で石炭に変換された。それは0.579gのC-13であった。
【0409】
100%の理論的実施は、以下をもたらした:
98.9%のC-12及び1.1%のC-13を含む20gの活性炭AK
0.006g及び0.573gとなる
C-13が0.220g及び99%C-12を含む19.780gの活性炭素AKを生じる
合計:19.786gのC-12、0.793gのC-13
合計:19.786g+0.793g=20.579g
これは96.146% C-12及び3.854% C-13である。
以前は、活性炭AKの質量比=98.9 C-12/1.1% C-13
100%の吸着及び変換後、活性炭AK中の比率は96.146% C-12/3.854% C-13であった。
【0410】
実施例30:
アンモニアを担持した活性炭上の13-Cで標識した二酸化炭素
98.9% C-12及び1.1% C-13の典型的な同位体比を有する20gの活性炭を、C-13標識二酸化炭素(Sigma Aldrich 364592-1 L EU、99%原子C-13)及び同じ化学量論量のアンモニアを用いて、飽和するまで室温で12時間、1Lの体積を有する機械式ミルで処理した。まず、活性炭を110℃で12時間乾燥させた後、減圧下で脱気した。減圧は10-3 hPa(mbar)の高真空であった。
【0411】
その後、石炭を5重量%の二酸化ケイ素と混合し、直径5mmのクロム鋼ボール1250gを備えた1Lの粉砕チャンバを備えた機械式ミル内で、室温にて1200rpmで機械化学的に処理した。次いで、粉砕石炭中のC-13含有量を質量分析によって決定した。測定により、3.4%のC-13を含むことが示された。これは、3.6×100/3.854=93.4%のC-13が活性炭に組み込まれたことを意味する。
【0412】
1リットルのC-13 COは、0.04461モルのC-13 COを含有した。
【0413】
モル質量M=45g/mol(O-16=99%)の0,04461molは、n×M=m、m=2.0076gを含有した。
【0414】
このうち、13/45の割合が100%の変換率で石炭に変換された。それは0.579gのC-13であった。
【0415】
100%の理論的実施は、以下をもたらした:
98.9%のC-12及び1.1%のC-13を含む20gの活性炭AK
0.006g及び0.573gとなる
C-13が0.220g及び99%C-12を含む19.780gの活性炭素AKを生じる
合計:19.786gのC-12、0.793gのC-13
合計:19.786g+0.793g=20.579g
これは96.146% C-12及び3.854% C-13である。
以前は、活性炭AKの質量比=98.9 C-12/1.1% C-13
100%の吸着及び変換後、活性炭AK中の比率は96.146% C-12/3.854% C-13であった。
【0416】
結論:
アンモニアの存在下では、活性炭へのC-13の取り込みが有意に増加した。活性炭へのC-13の組み込みは、二酸化炭素が元素に分解された証拠であった。
図1
図2
図3
図4
図5-1】
図5-2】
図6(a)】
図6(b)】
図6(c)】
図7
図8
図9
図10(a)】
図10(b)】
図10(c)】
図11(a)】
図11(b)】
図11(c)】
図11(d)】
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
図23
図24
【国際調査報告】