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特表2022-520582光制御フィルムを有するマルチビューディスプレイ及び方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-03-31
(54)【発明の名称】光制御フィルムを有するマルチビューディスプレイ及び方法
(51)【国際特許分類】
   H04N 13/32 20180101AFI20220324BHJP
   F21S 2/00 20160101ALI20220324BHJP
   G02B 27/02 20060101ALI20220324BHJP
   G02F 1/13 20060101ALI20220324BHJP
   G02F 1/13357 20060101ALI20220324BHJP
   G09F 9/00 20060101ALI20220324BHJP
   H04N 13/351 20180101ALI20220324BHJP
   H04N 13/125 20180101ALI20220324BHJP
   H04N 13/286 20180101ALI20220324BHJP
   H04N 13/324 20180101ALI20220324BHJP
   F21Y 115/10 20160101ALN20220324BHJP
   F21Y 115/15 20160101ALN20220324BHJP
   F21Y 105/00 20160101ALN20220324BHJP
   F21Y 101/00 20160101ALN20220324BHJP
   F21Y 103/00 20160101ALN20220324BHJP
【FI】
H04N13/32
F21S2/00 413
G02B27/02 Z
G02F1/13 505
G02F1/13357
G09F9/00 336J
G09F9/00 313
H04N13/351
H04N13/125
H04N13/286
H04N13/324
F21Y115:10
F21Y115:15
F21Y105:00 300
F21Y101:00 100
F21Y103:00
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021547229
(86)(22)【出願日】2019-12-16
(85)【翻訳文提出日】2021-08-12
(86)【国際出願番号】 US2019066630
(87)【国際公開番号】W WO2020167374
(87)【国際公開日】2020-08-20
(31)【優先権主張番号】62/806,807
(32)【優先日】2019-02-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】PCT/US2019/029730
(32)【優先日】2019-04-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】514274546
【氏名又は名称】レイア、インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】LEIA INC.
(74)【代理人】
【識別番号】100092783
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100120134
【弁理士】
【氏名又は名称】大森 規雄
(74)【代理人】
【識別番号】100093676
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 純子
(74)【代理人】
【識別番号】100126354
【弁理士】
【氏名又は名称】藤田 尚
(72)【発明者】
【氏名】ファタル,デイヴィッド エー.
(72)【発明者】
【氏名】マ,ミン
【テーマコード(参考)】
2H088
2H199
2H391
3K244
5C061
5G435
【Fターム(参考)】
2H088EA02
2H088EA05
2H088HA12
2H088HA28
2H088HA30
2H088MA01
2H199BA17
2H199BB22
2H199BB29
2H199BB59
2H199EA10
2H391AA15
2H391AB04
2H391AB08
2H391AB43
2H391AB45
2H391AC30
2H391AD26
2H391AD28
2H391AD36
2H391AD43
2H391EA02
2H391FA03
2H391FA04
3K244AA01
3K244AA02
3K244AA04
3K244BA14
3K244BA16
3K244BA22
3K244BA24
3K244CA02
3K244DA01
3K244DA02
3K244DA03
3K244DA04
3K244DA05
3K244DA07
3K244EA02
3K244EA12
3K244EC01
3K244EC03
3K244EC30
3K244GA06
3K244GA08
5C061AA06
5C061AB12
5C061AB14
5C061AB16
5C061AB18
5G435AA01
5G435BB12
5G435DD09
5G435EE27
5G435FF08
5G435GG17
5G435HH02
5G435KK07
5G435LL07
5G435LL08
5G435LL10
5G435LL17
(57)【要約】
マルチビューディスプレイは、反復する複数のカラーサブピクセルの行を有し、マルチビュー画像のビューのカラーピクセルとして指向性光ビームを変調するように構成された複数のマルチビューピクセルとして配置されたライトバルブのアレイを含む。反復する複数のカラーサブピクセルの第1の行は、反復する複数のカラーサブピクセルの第2の行から、カラーサブピクセルの幅の整数倍だけ行方向にオフセットされている。第1及び第2の行のオフセットは、マルチビュー画像のカラーピクセルに関連付けられたカラーフリンジを軽減するために、異なる色を有する隣接するマルチビューピクセル内の対応するカラーサブピクセルを提供するように構成される。マルチビューディスプレイは、マルチビュー画像の画角を制御するように構成された光制御フィルムをさらに含む。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
マルチビューディスプレイであって、
反復する複数のカラーサブピクセルの行を有し、マルチビュー画像のビューのカラーピクセルとして指向性光ビームを変調するように構成された複数のマルチビューピクセルとして配置されたライトバルブのアレイであって、前記反復する複数のカラーサブピクセルの第1の行が、前記反復する複数のカラーサブピクセルの第2の行から、カラーサブピクセルの幅の整数倍だけ行方向にオフセットされている、ライトバルブのアレイと、
前記マルチビュー画像の画角を制御するように構成された光制御フィルムと、
を備え、
前記第1及び第2の行の前記オフセットが、異なる色を有する隣接するマルチビューピクセル内の対応するカラーサブピクセルを提供して、前記マルチビュー画像の前記カラーピクセルに関連付けられたカラーフリンジを軽減するように構成される、
マルチビューディスプレイ。
【請求項2】
前記反復する複数のカラーサブピクセルの各カラーサブピクセルは異なる色を有し、前記変調された光ビームは、前記マルチビュー画像の前記カラーピクセル内の前記それぞれの異なる色を表す、請求項1に記載のマルチビューディスプレイ。
【請求項3】
前記反復する複数のカラーサブピクセルは、赤色サブピクセル、緑色サブピクセル、及び青色サブピクセルを含む、請求項2に記載のマルチビューディスプレイ。
【請求項4】
互いに離間され、前記指向性光ビームを提供するように構成されたマルチビームエミッタのアレイをさらに備え、前記マルチビームエミッタアレイのマルチビームエミッタが、前記ライトバルブアレイのライトバルブのサイズの半分~2倍のサイズを有する、請求項1に記載のマルチビューディスプレイ。
【請求項5】
前記ライトバルブのアレイの前記反復する複数のカラーサブピクセルのカラーサブピクセルの異なるサブセットは、前記マルチビームエミッタアレイの各マルチビームエミッタに対応し、前記異なるサブセットが、前記マルチビューディスプレイの前記複数のマルチビューピクセルのうちのマルチビューピクセルを表す、請求項4に記載のマルチビューディスプレイ。
【請求項6】
前記マルチビューディスプレイの長さに沿って互いに離間した複数のマルチビーム列であって、前記複数のマルチビーム列は、前記指向性光ビームを水平のみの指向性パターンで提供するように構成される、複数のマルチビーム列をさらに備え、
前記複数のマルチビーム列は、前記マルチビームエミッタのアレイであり、前記マルチビューディスプレイは、水平視差のみのディスプレイであり、前記光制御フィルムは、前記指向性光ビームの前記水平のみの指向性パターンに直交して配向された光制御軸を有する、
請求項4に記載のマルチビューディスプレイ。
【請求項7】
前記マルチビーム列は連続マルチビーム要素を含む、請求項6に記載のマルチビューディスプレイ。
【請求項8】
ライトガイドの長さに沿って光を誘導するように構成された前記ライトガイドと、
前記ライトガイド長に沿って互いに離間したマルチビーム要素のアレイであって、前記マルチビーム要素アレイのマルチビーム要素が、前記指向性光ビームとして前記導波光の一部を前記ライトガイドから散乱させるように構成されている、マルチビーム要素のアレイと、
をさらに備え、
前記マルチビーム要素アレイは、前記マルチビームエミッタアレイであり、前記マルチビーム要素アレイの各マルチビーム要素は、前記マルチビームエミッタアレイの異なるマルチビームエミッタに対応し、前記光制御フィルムは、前記ライトガイドと前記ライトバルブのアレイとの間に配置され、前記マルチビーム要素アレイのマルチビーム要素の列と位置合わせされた光制御軸を有する、
請求項4に記載のマルチビューディスプレイ。
【請求項9】
前記マルチビーム要素は、前記導波光の前記一部を前記指向性光ビームとして回折的に散乱させるように構成された回折格子と、前記導波光の前記一部を前記指向性光ビームとして反射的に散乱させるように構成されたマイクロ反射構造と、前記導波光の前記一部を前記指向性光ビームとして屈折的に散乱させるように構成されたマイクロ屈折構造と、のうちの1つ又はそれ以上を備える、請求項8に記載のマルチビューディスプレイ。
【請求項10】
前記ライトバルブアレイに隣接する側とは反対の前記ライトガイドの側に隣接する広角バックライトであって、前記広角バックライトは、前記マルチビューディスプレイの2次元(2D)モード中に広角放射光を提供するように構成され、前記ライトバルブアレイは、前記広角放射光を2D画像として変調するように構成される、広角バックライトをさらに備え、
前記ライトガイド及びマルチビーム要素アレイは、前記広角放射光に対して透過的であるように構成され、前記マルチビューディスプレイは、マルチビューモード中に前記マルチビュー画像を表示し、前記2Dモード中に前記2D画像を表示するように構成される、
請求項8に記載のマルチビューディスプレイ。
【請求項11】
前記光制御フィルムは、前記ライトバルブアレイのライトバルブの列と位置合わせされた光制御軸を有する、請求項1に記載のマルチビューディスプレイ。
【請求項12】
マルチビューディスプレイであって、
オフセット行に配置された反復する複数のカラーサブピクセルを有するライトバルブのアレイであって、前記ライトバルブアレイのライトバルブは、マルチビュー画像のカラーピクセルとして指向性光ビームを変調するように構成されたマルチビューピクセルとして配置されている、ライトバルブアレイと、
前記指向性光ビームの異なるセットを有する異なるマルチビューピクセルを照明するように構成されたマルチビームエミッタのアレイと、
前記マルチビュー画像の画角を制御するように構成された光制御フィルムであって、前記光制御フィルムの光制御軸が前記マルチビームエミッタアレイのマルチビームエミッタの列と位置合わせされている、光制御フィルムと、
を備え、
隣接するオフセット行は、カラーサブピクセルの幅の整数倍だけ互いにオフセットされ、前記隣接する行間の前記オフセットは、第2のマルチビューピクセルの対応するカラーサブピクセルとは異なる色を有する第1のマルチビューピクセルのカラーサブピクセルを提供するように構成される、
マルチビューディスプレイ。
【請求項13】
前記反復する複数のカラーサブピクセルの各カラーサブピクセルは異なる色を有し、前記変調された光ビームは、前記マルチビュー画像の前記カラーピクセル内の前記それぞれの異なる色を表す、請求項12に記載のマルチビューディスプレイ。
【請求項14】
前記マルチビームエミッタアレイのマルチビームエミッタは、前記指向性光ビームとして光を放射するように構成されたアクティブ光エミッタを備え、前記アクティブ光エミッタが、前記ライトバルブアレイのライトバルブのサイズに相当するサイズを有する、請求項12に記載のマルチビューディスプレイ。
【請求項15】
ライトガイドの長さに沿った伝播方向に光を誘導するように構成された前記ライトガイドと、
前記ライトガイド長に沿って互いに離間したマルチビーム要素のアレイであって、前記マルチビーム要素アレイのマルチビーム要素は、前記マルチビームエミッタアレイのマルチビームエミッタに対応し、前記マルチビューピクセルのライトバルブのサイズに相当するサイズを有し、前記導波光の一部を前記指向性光ビームとして前記ライトガイドから散乱させるように構成されている、マルチビーム要素のアレイと、
をさらに備え、
ライトバルブアレイは、前記光制御フィルムと前記ライトガイドとの間に配置される、
請求項12に記載のマルチビューディスプレイ。
【請求項16】
前記マルチビーム要素は、前記導波光の前記一部を散乱させるために前記ライトガイドに光学的に接続された回折格子、マイクロ反射要素、及びマイクロ屈折要素のうちの1つ又はそれ以上を備える、請求項15に記載のマルチビューディスプレイ。
【請求項17】
前記ライトガイドの入力に光学的に結合された光源をさらに備え、前記光源は、非ゼロ伝播角を有すること、及び所定のコリメーション係数に従ってコリメートされていることの一方又は両方の導波光として前記ライトガイド内で誘導される光を提供するように構成される、請求項15に記載のマルチビューディスプレイ。
【請求項18】
マルチビューディスプレイの動作の方法であって、
マルチビームエミッタのアレイを使用して指向性光ビームを放射するステップと、
マルチビュー画像を提供するために、反復する複数のカラーサブピクセルの行を有し、複数のマルチビューピクセルとして配置されたライトバルブのアレイを使用して前記指向性光ビームを変調するステップと、
前記マルチビームエミッタアレイのマルチビームエミッタの列と位置合わせされた光制御軸を有する光制御フィルムを使用して前記マルチビュー画像の画角を制御するステップと、
を含み、
前記反復する複数のカラーサブピクセルの第1の行が、前記反復する複数のカラーサブピクセルの第2の行からオフセットされて、異なる色を有する隣接するマルチビューピクセル内の対応するカラーサブピクセルを提供して、前記マルチビューディスプレイによって表示されている前記マルチビュー画像の前記カラーピクセルに関連付けられたカラーフリンジを軽減する、
方法。
【請求項19】
前記反復する複数のカラーサブピクセルの各カラーサブピクセルは異なる色を有し、前記変調された光ビームは、前記マルチビュー画像の前記カラーピクセル内の前記それぞれの異なる色を表し、前記第2の行は、前記複数のカラーサブピクセルのうちのカラーサブピクセルの幅の整数倍だけ行方向に前記第1の行からオフセットされている、請求項18に記載のマルチビューディスプレイの動作の方法。
【請求項20】
前記指向性光ビームを放射するステップは、前記指向性光ビームを放射するために前記マルチビューディスプレイの長さに沿って互いに離間した複数のマルチビーム列を使用するステップを含み、前記複数のマルチビーム列の各マルチビーム列は、前記マルチビューディスプレイのビュー方向に対応する方向を有する複数の指向性光ビームを放射するように構成され、
前記複数のマルチビーム列は、前記マルチビームエミッタのアレイであり、前記マルチビューディスプレイは、水平視差のみのディスプレイであり、前記ビュー方向は、水平視差配置に配置され、前記光制御フィルムは、前記ビュー方向の前記水平視差配置と直交して配向された光制御軸を有する、
請求項18に記載のマルチビューディスプレイの動作の方法。
【請求項21】
前記マルチビームエミッタのアレイを使用して前記指向性光ビームを放射するステップは、
導波光としてライトガイド内で光を誘導するステップと、
前記指向性光ビームを提供するためにマルチビーム要素のアレイのマルチビーム要素を使用して前記導波光の一部を散乱させるステップであって、前記マルチビーム要素のサイズは、前記ライトバルブアレイのライトバルブのサイズに相当する、散乱させるステップと、
を含み、
前記マルチビーム要素アレイは前記マルチビームエミッタアレイであり、前記マルチビーム要素アレイの各マルチビーム要素は前記マルチビームエミッタアレイの異なるマルチビームエミッタに対応する、
請求項18に記載のマルチビューディスプレイの動作の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2019年2月16日に出願された米国仮出願第62/806,807号、及び2019年4月29日に出願された国際特許出願第PCT/US2019/029730号の優先権を主張し、その内容は参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
連邦政府による資金提供を受けた研究開発に関する記載
なし
【背景技術】
【0003】
電子ディスプレイは、多種多様なデバイス及び製品の情報をユーザに伝達するためのほぼユビキタスな媒体である。最も一般的に採用されている電子ディスプレイには、陰極線管(CRT)、プラズマディスプレイパネル(PDP)、液晶ディスプレイ(LCD)、エレクトロルミネセントディスプレイ(EL)、有機発光ダイオード(OLED)及びアクティブマトリクスOLED(AMOLED)ディスプレイ、電気泳動ディスプレイ(EP)、並びに電気機械的又は電気流体的光変調(例えば、デジタルマイクロミラーデバイス、エレクトロウェッティングディスプレイなど)を採用する様々なディスプレイが含まれる。一般に、電子ディスプレイは、アクティブディスプレイ(すなわち、光を発するディスプレイ)又はパッシブディスプレイ(すなわち、別の光源によって提供される光を変調するディスプレイ)のいずれかに分類され得る。アクティブディスプレイの最も明白な例は、CRT、PDP及びOLED/AMOLEDである。放射光を考慮するときに典型的にパッシブとして分類されるディスプレイは、LCD及びEPディスプレイである。パッシブディスプレイは、本質的に低電力消費を含むがこれに限定されない魅力的な性能特性を示すことが多いが、発光能力がないことを考慮すると、多くの実用的な用途では幾分用途が限られる場合がある。
【発明の概要】
【0004】
本明細書に記載の原理による例及び実施形態の様々な特徴は、添付の図面と併せて以下の詳細な説明を参照することによってより容易に理解することができ、同様の参照番号は同様の構造要素を示す。
【図面の簡単な説明】
【0005】
図1A】本明細書に記載の原理と一致する一実施形態による、一例におけるマルチビューディスプレイの斜視図を示す。
【0006】
図1B】本明細書に記載の原理と一致する一実施形態による、一例におけるマルチビューディスプレイのビュー方向に対応する特定の主角度方向を有する光ビームの角度成分のグラフ表示を示す。
【0007】
図2】本明細書に記載の原理と一致する一実施形態による、一例におけるマルチビューディスプレイの断面図を示す。
【0008】
図3】本明細書に記載の原理と一致する一実施形態による、一例におけるマルチビューディスプレイのライトバルブのアレイの一部の詳細図を示す。
【0009】
図4】本明細書に記載の原理と一致する一実施形態による、一例におけるマルチビューディスプレイのライトバルブのアレイの一部の詳細図を示す。
【0010】
図5A】本明細書に記載の原理と一致する別の実施形態による、一例における光制御フィルムを有するマルチビューディスプレイの平面図を示す。
【0011】
図5B】本明細書に記載の原理と一致する別の実施形態による、一例における光制御フィルムの斜視図を示す。
【0012】
図5C】本明細書に記載の原理と一致する別の実施形態による、一例における光制御フィルムを有するマルチビューディスプレイの側面図を示す。
【0013】
図6】本明細書に記載の原理の一実施形態による、一例における広角バックライトを備えるマルチビューディスプレイの断面図を示す。
【0014】
図7】本明細書の原理と一致する一実施形態による、一例におけるマルチビューディスプレイシステムのブロック図を示す。
【0015】
図8】本明細書に記載の原理と一致する一実施形態による、一例におけるマルチビューディスプレイシステムの動作の方法のフローチャートを示す。
【発明を実施するための形態】
【0016】
特定の例及び実施形態は、上記参照図面に示された特徴に加えて、及びその代わりのうちの一方である他の特徴を有する。これら及び他の特徴は、上記参照図面を参照して以下に詳述される。
【0017】
本明細書に記載の原理による例及び実施形態は、オフセット行に配置された反復する複数のカラーサブピクセルを有するライトバルブのアレイを採用するバックライトを提供する。さらに、バックライトは、様々な例及び実施形態において、光制御フィルム(LCF)を含む。具体的には、本明細書の原理と一致する様々な実施形態によれば、マルチビューディスプレイが提供される。マルチビューディスプレイは、反復する複数のカラーサブピクセルを有し、マルチビュー画像のビューのカラーピクセルとして指向性光ビームを変調するように構成された複数のマルチビューピクセルとして配置されたライトバルブのアレイを備える。反復する複数のカラーサブピクセルの第1の行は、行方向に反復する複数のカラーサブピクセルの第2の行からオフセット又は第2の行に対してシフトされる。オフセット又はシフトは、マルチビュー画像に関連付けられたカラーフリンジを軽減するように構成される。追加で、マルチビューディスプレイは、様々な実施形態によれば、マルチビュー画像の画角を制御するように構成された光制御フィルム(LCF)をさらに備える。
【0018】
本明細書では、「2次元ディスプレイ」又は「2Dディスプレイ」は、画像が見られる方向(すなわち、2Dディスプレイの所定の画角又は範囲内)にかかわらず実質的に同じ画像のビューを提供するように構成されたディスプレイとして定義される。多くのスマートフォン及びコンピュータモニタに見られる従来の液晶ディスプレイ(LCD)は、2Dディスプレイの例である。対称的に、本明細書では、「マルチビューディスプレイ」は、異なるビュー方向で又は異なるビュー方向からマルチビュー画像の異なるビューを提供するように構成された電子ディスプレイ又はディスプレイシステムとして定義される。具体的には、異なるビューは、マルチビュー画像のシーン又はオブジェクトの異なる斜視図を表すことができる。本明細書に記載のマルチビュー画像のディスプレイに適用可能なマルチビューバックライト及びマルチビューディスプレイの使用には、携帯電話(例えば、スマートフォン)、時計、タブレットコンピュータ、モバイルコンピュータ(例えば、ラップトップコンピュータ)、パーソナルコンピュータ及びコンピュータモニタ、自動車ディスプレイコンソール、カメラディスプレイ、及び様々な他のモバイル並びに実質的に非モバイルのディスプレイアプリケーション及びデバイスが含まれるが、これらに限定されない。
【0019】
図1Aは、本明細書に記載の原理と一致する一実施形態による、一例におけるマルチビューディスプレイ10の斜視図を示す。図1Aに示すように、マルチビューディスプレイ10は、見られるマルチビュー画像を表示するための画面12を備える。マルチビューディスプレイ10は、画面12に対して異なるビュー方向16にマルチビュー画像の異なるビュー14を提供する。ビュー方向16は、画面12から様々な異なる主角度方向に延びる矢印として示され、異なるビュー14は、矢印の終端(すなわち、ビュー方向16を描写する)に網掛け多角形ボックスとして示されていて、限定ではなく例として、4つのビュー14及び4つのビュー方向16のみが示されている。図1Aでは異なるビュー14が画面の上にあるように示されているが、マルチビュー画像がマルチビューディスプレイ10に表示されると、ビュー14は実際には画面12上又はその近傍に現れることに留意されたい。画面12の上にビュー14を描写することは、説明を簡単にするためだけであり、特定のビュー14に対応するビュー方向16の各々からマルチビューディスプレイ10を見ることを表すことを意味する。
【0020】
ビュー方向、すなわちマルチビューディスプレイのビュー方向に対応する方向を有する光ビームは、一般に、本明細書の定義により、角度成分{θ、φ}によって与えられる主角度方向を有する。角度成分θは、本明細書では光ビームの「仰角成分」又は「仰角」と呼ばれる。角度成分φは、光ビームの「方位角成分」又は「方位角」と呼ばれる。定義により、仰角θは、垂直面における角度(例えば、マルチビューディスプレイ画面の平面に垂直)であるが、方位角φは水平面における角度(例えば、マルチビューディスプレイ画面の平面に平行)である。
【0021】
図1Bは、本明細書に記載の原理と一致する一実施形態による、一例におけるマルチビューディスプレイのビュー方向(例えば、図1Aのビュー方向16)に対応する特定の主角度方向を有する光ビーム20の角度成分{θ、φ}のグラフ表示を示す。追加で、光ビーム20は、本明細書の定義により、特定の点から放射又は発散される。すなわち、定義により、光ビーム20は、マルチビューディスプレイ内の特定の原点に関連付けられた中心光線を有する。図1Bは、光ビーム(又はビュー方向)の原点Oも示している。
【0022】
さらに本明細書では、「マルチビュー画像」及び「マルチビューディスプレイ」という用語で使用される「マルチビュー」という用語は、複数のビューのビュー間の異なる視点を表すか、又は角度視差を含む複数のビューとして定義される。追加で、本明細書では、「マルチビュー」 という用語は、本明細書の定義により、3つ以上の異なるビュー(すなわち、最低3つのビュー、一般に3つを超えるビュー)を明示的に含む。したがって、本明細書で採用される「マルチビューディスプレイ」は、シーン又は画像を表すために2つの異なるビューのみを含む立体ディスプレイとは明確に区別される。しかしながら、マルチビュー画像及びマルチビューディスプレイは3つ以上のビューを含むが、本明細書の定義により、マルチビュー画像は、マルチビューのビューのうちの2つのみを選択して一度に見る(例えば、1つの眼につき1つのビュー)ことによって、画像の立体ペアとして見る(例えば、マルチビューディスプレイ上で)ことができることに留意されたい。
【0023】
「マルチビューピクセル」は、本明細書では、マルチビューディスプレイの同様の複数の異なるビューのそれぞれの「ビュー」ピクセルを表すピクセルのセットとして定義される。具体的には、マルチビューピクセルは、マルチビュー画像の異なるビューのそれぞれのビューピクセルに対応する、又はビューピクセルを表す個々のピクセル又はピクセルのセットを有することができる。したがって、本明細書の定義により、「ビューピクセル」は、マルチビューディスプレイのマルチビューピクセル内のビューに対応するピクセル又はピクセルのセットである。いくつかの実施形態では、ビューピクセルは、1つ又はそれ以上のカラーサブピクセルを含むことができる。さらに、マルチビューピクセルのビューピクセルは、本明細書の定義により、ビューピクセルのそれぞれが異なるビューのうちの対応するビューの所定のビュー方向に関連付けられているという点で、いわゆる「指向性ピクセル」である。さらに、様々な例及び実施形態によれば、マルチビューピクセルの異なるビューピクセルは、異なるビューのそれぞれにおいて同等又は少なくとも実質的に同様の位置又は座標を有することができる。例えば、第1のマルチビューピクセルは、マルチビュー画像の異なるビューのそれぞれにおいて{x1、y1}に配置される個々のビューピクセルを有してもよく、第2のマルチビューピクセルは、異なるビューのそれぞれにおいて{x2、y2}に配置される個々のビューピクセルを有してもよく、以下同様である。
【0024】
いくつかの実施形態では、マルチビューピクセル内のビューピクセルの数は、マルチビューディスプレイのビューの数に等しくてもよい。例えば、マルチビューピクセルは、64個の異なるビューを有するマルチビューディスプレイに関連付けられた64個のビューピクセルを提供することができる。別の例では、マルチビューディスプレイは、8×4個のビューのアレイ(すなわち、32個のビュー)を提供することができ、マルチビューピクセルは、32個のビューピクセル(すなわち、各ビューに1個)を含むことができる。加えて、それぞれの異なるビューピクセルは、例えば、64個の異なるビューに対応するビュー方向のうちの異なる1つに対応する関連方向(例えば、光ビーム主角度方向)を有することができる。さらに、いくつかの実施形態によれば、マルチビューディスプレイのマルチビューピクセルの数は、マルチビューディスプレイの各ビューのマルチビューディスプレイビュー内のビューピクセル(すなわち、選択されたビューを構成するピクセル)の数に実質的に等しくてもよい。例えば、ビューが640×480個のビューピクセル(すなわち、640×480のビュー解像度)を含む場合、マルチビューディスプレイは307,200個のマルチビューピクセルを有することができる。別の例では、ビューが100×100個のピクセルを含む場合、マルチビューディスプレイは合計1万(すなわち、100×100=1万)個のマルチビューピクセルを含み得る。
【0025】
本明細書の定義により、「マルチビームエミッタ」は、複数の光ビームを含む光を生成するバックライト又はディスプレイの構造又は要素である。いくつかの実施形態では、マルチビームエミッタは、バックライトのライトガイドに光学的に結合されて、ライトガイド内でガイドされた光の一部を結合することによって光ビームを提供することができる。そのような実施形態では、マルチビームエミッタは「マルチビーム要素」を含むことができる。他の実施形態では、マルチビームエミッタは、光ビーム(すなわち、光源を備えていてもよい)として放射される光を生成することができる。さらに、本明細書の定義により、マルチビームエミッタによって生成された複数の光ビームの光ビームは、互いに異なる主角度方向を有する。具体的には、定義により、複数の光ビームのうちの1つの光ビームは、複数の光ビームのうちの別の光ビームとは異なる所定の主角度方向を有する。さらに、複数の光ビームは、明視野を表すことができる。例えば、複数の光ビームは、実質的に円錐形の空間領域に限定されてもよく、又は複数の光ビームにおける光ビームの異なる主角度方向を含む所定の角度広がりを有してもよい。したがって、組み合わせた光ビームの所定の角度広がり(すなわち、複数の光ビーム)は、明視野を表すことができる。様々な実施形態によれば、様々な光ビームの異なる主角度方向は、マルチビームエミッタのサイズ(例えば、長さ、幅、面積など)を含むがこれに限定されない特性によって決定される。いくつかの実施形態では、マルチビームエミッタは、本明細書の定義により、「拡張点光源」、すなわちマルチビームエミッタの範囲にわたって分布した複数の点光源と考えることができる。さらに、マルチビームエミッタによって生成された光ビームは、本明細書の定義により、図1Bに関して上述したように、角度成分{θ、φ}によって与えられる主角度方向を有する。
【0026】
本明細書では、「マルチビーム列」は、行すなわちカラムに配置された複数のマルチビーム要素を含む細長い構造として定義される。具体的には、マルチビーム列は、列すなわちカラムに配置された複数のマルチビーム要素のうちのマルチビーム要素で構成される。さらに、マルチビーム列は、定義により、複数の指向性光ビームを含む光を提供又は放射するように構成される。したがって、マルチビーム列は、その光散乱特性に関してマルチビーム要素と機能的に同様であり得る。すなわち、本明細書の定義により、マルチビーム列のマルチビーム要素によって生成された複数の指向性光ビームのうちの指向性光ビームは、互いに異なる主角度方向を有する。いくつかの実施形態では、マルチビーム列は、バックライト又はマルチビューディスプレイの同様の構成要素の幅にわたって実質的に延在する狭い細長い構造であってもよい。具体的には、マルチビーム列は、例えば、バックライト幅にわたって延在する列に配置された複数の個別マルチビーム要素(discrete multibeam elements)で構成されてもよい。上記の定義の例外は、いくつかの実施形態では、マルチビーム列が個々の個別マルチビーム要素の代わりに単一の連続回折格子構造を含むことである。例外として、連続回折格子のセクションは、上述のマルチビーム列の個別マルチビーム要素と実質的に同様の方法で効果的に機能する。
【0027】
様々な実施形態によれば、マルチビーム列の幅は、マルチビーム列の複数のマルチビーム要素のうちのマルチビーム要素のサイズによって定義されてもよい。したがって、マルチビーム列の幅は、マルチビーム列に関連付けられるマルチビューディスプレイで使用されるライトバルブの幅に相当し得る。さらに、いくつかの実施形態では、マルチビーム列の幅は、ライトバルブのサイズの約半分~約2倍であってもよい。
【0028】
本明細書では、「アクティブエミッタ」又は同等の「アクティブ光エミッタ」は、起動又はオンにされたときに光を生成又は放射するように構成された光エミッタとして定義される。アクティブエミッタは、別の光源からの光を受けない。代わりに、アクティブエミッタは、起動時にそれ自体の光を生成する。アクティブエミッタは、いくつかの例では、発光ダイオード(LED)、マイクロ発光ダイオード(μLED)、又は有機発光ダイオード(OLED)を含んでもよい。アクティブエミッタによって生成された光は、色を有してもよく(すなわち、特定の光の波長を含むことができる)、又は波長の範囲(例えば、白色光)であってもよい。本明細書の定義により、「カラーエミッタ」は、色を有する光を提供するアクティブエミッタである。いくつかの実施形態では、アクティブエミッタは、複数の光エミッタを含んでもよい。いくつかの実施形態では、アクティブ光エミッタ内の少なくとも1つの光エミッタは、複数のうちの少なくとも1つの他の光エミッタによって生成される光の色又は波長とは異なる色又は同等の波長を有する光を生成することができる。
【0029】
本明細書では、「ライトガイド」は、全内部反射を使用して構造体内で光を誘導する構造体として定義される。具体的には、ライトガイドは、ライトガイドの動作波長で実質的に透明なコアを含むことができる。「ライトガイド」という用語は、一般に、ライトガイドの誘電体材料とそのライトガイドを取り囲む材料又は媒体との間の界面で光を誘導するために全内部反射を採用する誘電体光導波路を指す。定義により、全内部反射の条件は、ライトガイドの屈折率がライトガイド材料の表面に隣接する周囲媒体の屈折率よりも大きいことである。いくつかの実施形態では、ライトガイドは、全内部反射をさらに促進するために、前述の屈折率差に加えて、又はその代わりにコーティングを含んでもよい。コーティングは、例えば、反射コーティングであってもよい。ライトガイドは、限定はしないが、平板(plate)又はスラブ(slab)ガイド及びストリップ(strip)ガイドの一方又は両方を含むいくつかのライトガイドのいずれかであってもよい。
【0030】
定義により、「広角」放射光は、マルチビュー画像又はマルチビューディスプレイのビューの円錐角よりも大きい円錐角を有する光として定義される。具体的には、いくつかの実施形態では、広角放射光は、約20度(例えば、>±20°)より大きい円錐角を有することができる。他の実施形態では、広角放射光円錐角は、約30度より大きくてもよく(例えば、>±30°)、又は約40度より大きくてもよく(例えば、>±40°)、又は約50度より大きくてもよい(例えば、>±50°)。例えば、広角放射光の円錐角は、約60度(例えば、>±60°)より大きくてもよい。
【0031】
いくつかの実施形態では、広角放射光円錐角は、LCDコンピュータモニタ、LCDタブレット、LCDテレビ、又は広角視野(例えば、約±40~65°)を意図した同様のデジタルディスプレイデバイスの画角とほぼ同じになるように定義することができる。他の実施形態では、広角放射光はまた、拡散光、実質的に拡散光、非指向性光(すなわち、特定の又は定義された方向性を欠いている)として、又は単一もしくは実質的に均一な方向を有する光として特徴付けられ又は説明され得る。
【0032】
本明細書では、「光源」は、光の供給源(例えば、光を生成して放射するように構成された光エミッタ)として定義される。例えば、光源は、光エミッタ、例えば、起動又はオンにされると光を放射する発光ダイオード(LED)などを備えてもよい。具体的には、本明細書では、光源は、実質的に任意の光の供給源であってもよく、又は、発光ダイオード(LED)、レーザ、有機発光ダイオード(OLED)、ポリマー発光ダイオード、プラズマベースの光エミッタ、蛍光灯、白熱灯、及び実質的に任意の他の光の供給源のうちの1つ又はそれ以上を含むがこれらに限定されない、実質的に任意の光エミッタを含んでもよい。光源によって生成された光は、色を有してもよく(すなわち、特定の光の波長を含むことができる)、又は波長の範囲(例えば、白色光)であってもよい。いくつかの実施形態では、光源は、複数の光エミッタを備えてもよい。例えば、光源は、光エミッタの少なくとも1つが、セット又はグループの少なくとも1つの他の光エミッタによって生成される光の色又は波長とは異なる色又は同等の波長を有する光を生成する、光エミッタのセット又はグループを含んでもよい。異なる色は、例えば原色(例えば、赤色、緑色、青色)を含むことができる。
【0033】
さらに、本明細書で使用される場合、冠詞「1つの(a)」は、特許分野におけるその通常の意味、すなわち「1つ又はそれ以上の」を有することが意図されている。例えば、「カラーサブピクセル」は1つ又はそれ以上のカラーサブピクセルを意味し、したがって、本明細書では「カラーサブピクセル」は「カラーサブピクセル(複数可)」を意味する。また、本明細書における「上部(top)」、「下部(bottom)」、「上側(upper)」、「下側(lower)」、「上向き(up)」、「下向き(down)」、「前(front)」、「後(back)」、「第1(first)」、「第2(second)」、「左(left)」又は「右(right)」への言及はいずれも、本明細書における限定を意図するものではない。本明細書では、「約」という用語は、値に適用される場合、一般に、値を生成するために使用される機器の許容差範囲内を意味するか、又は特に明記しない限り、プラスマイナス10%、プラスマイナス5%、又はプラスマイナス1%を意味し得る。さらに、本明細書で使用される「実質的に」という用語は、大部分、又はほとんどすべて、又はすべて、又は約51%~約100%の範囲内の量を意味する。さらに、本明細書の例は、例示のみを意図しており、限定ではなく説明の目的で提示されている。
【0034】
本明細書に記載の原理のいくつかの実施形態によれば、マルチビューディスプレイが提供される。図2は、本明細書に記載の原理と一致する一実施形態による、一例におけるマルチビューディスプレイ100の断面図を示す。
【0035】
マルチビューディスプレイ100は、ライトバルブ110のアレイを備える。様々な実施形態では、液晶ライトバルブ、電気泳動ライトバルブ、及びエレクトロウェッティングに基づくライトバルブのうちの1つ又はそれ以上を含むがこれらに限定されない、ライトバルブアレイのライトバルブ110として異なるタイプのライトバルブを採用することができる。ライトバルブ110のアレイは、マルチビュー画像のビューのカラーピクセルとして指向性光ビームを変調するように構成された反復する複数のカラーサブピクセル112を備える。
【0036】
図3は、本明細書に記載の原理と一致する一実施形態による、一例におけるマルチビューディスプレイ100のライトバルブ110のアレイの一部の詳細図を示す。ライトバルブ110のアレイは、反復する複数のカラーサブピクセル112を備える。いくつかの実施形態では、反復する複数のカラーサブピクセルの各カラーサブピクセル112は、異なる色を有する。図示の実施形態では、反復する複数のカラーサブピクセル112は、ライトバルブ110のアレイの列に沿って赤色、青色、及び緑色のカラーサブピクセル(RGB)のこの順序での反復セットからなる(反復する複数のカラーサブピクセルの1つのカラーサブピクセルの各色は、図では対応する初期値で示されている)。他の実施形態では、反復する複数のカラーサブピクセル112は、赤色、青色、緑色、及び黄色のカラーサブピクセル(RGBY)の反復セットを含んでもよい。さらに別の実施形態では、反復セットは、赤色、青色、緑色、及び白色ピクセル(RGBW)を含んでもよい。
【0037】
図3に示すように、反復する複数のカラーサブピクセルは、マルチビューディスプレイ100の複数のマルチビューピクセル120として配置される。複数のマルチビューピクセルの各マルチビューピクセル120は、反復する複数のカラーサブピクセル112の異なるサブセットを含む。各マルチビューピクセル120は、マルチビューディスプレイ100のビューのカラーピクセルとして指向性光ビームを変調するように構成される。変調された光ビームは、マルチビューディスプレイ100のカラーピクセル内の複数のカラーサブピクセル112のそれぞれの異なる色を表す。図示の実施形態では、マルチビューディスプレイ100は4×4ディスプレイ(すなわち、全視差モード(full parallax mode)で16個のビューを提供する)である。したがって、複数のマルチビューピクセル120の各々は、マルチビュー画像の16個の異なるビューの16個のカラーピクセルに対応する16個のカラービューピクセルを提供する。各カラービューピクセルは、赤色サブピクセル112、緑色サブピクセル112、及び青色サブピクセル112を含む3つの連続するカラーサブピクセル112のセットを備える。複数のマルチビューピクセル120は、マルチビューピクセル120の行及び列に配置されてもよい。
【0038】
反復する複数のカラーサブピクセル112の第1の行は、反復する複数のカラーサブピクセル112の第2の行からオフセットされるか又は第2の行に対してシフトされている。図3は、反復する複数のカラーサブピクセル112の第2の行IIからオフセットされている反復する複数のカラーサブピクセル112の第1の行Iを示す。第1の行I及び第2の行IIは、カラーサブピクセル112の列内で、第1の行Iのカラーサブピクセル112が第2の行IIのカラーサブピクセル112とは異なる色を有するように、行方向にオフセットされている。図示の実施形態では、第1の行I及び第2の行IIは隣接している。さらに、反復する複数のカラーサブピクセル112の第1の行Iと第2の行IIとの間のオフセット(又は等価的に、オフセット距離)は、カラーサブピクセル112の幅の整数倍に等しい。図3に示す実施形態では、反復する複数のカラーサブピクセル112の第1の行Iは、反復する複数のカラーサブピクセル112の第2の行IIから、反復する複数のカラーサブピクセル112の方向にカラーサブピクセル112の1つの幅の距離だけオフセット又はシフトされる。他の実施形態では、第1の行Iと第2の行IIとの間のオフセット距離又はシフト距離は、例えば、カラーサブピクセル112の2つの幅になり得る。
【0039】
第1の行Iと第2の行IIとの間のオフセット又はシフトは、異なる色を備えるか、又は異なる色を有する隣接するマルチビューピクセル120内の対応するカラーサブピクセル112を提供するように構成される。図3は、反復する複数のカラーサブピクセル112の第1の行Iと第2の行IIとの間のオフセットの結果として異なる色を有する隣接するマルチビューピクセル120a、120bのセット内の対応するカラーサブピクセル112を示す。例えば、図示のマルチビューピクセル120aの第1のカラーサブピクセル112aは、オフセットのために隣接するマルチビューピクセル120bの対応するカラーサブピクセル112bの青色とは異なる緑色を有することができる。同様に、オフセットは、異なる色、すなわち、それぞれ青及び赤を有する対応するカラーサブピクセル112b、112cをもたらす。いくつかの実施形態によれば、隣接するマルチビューピクセル内の行のオフセットによって提供される対応するカラーサブピクセル112の異なる色は、マルチビューディスプレイ100のカラーピクセルに関連付けられたカラーフリンジを軽減するのに役立ち得る。
【0040】
いくつかの実施形態(例えば、図2及び図3に示すように)では、マルチビューディスプレイ100は、マルチビームエミッタ130のアレイをさらに備えてもよい。マルチビームエミッタ130は、複数のカラーサブピクセル112によって変調された指向性光ビームを提供するように構成される。指向性光ビームは、マルチビューディスプレイ100のそれぞれの異なるビュー方向に対応する主角度方向を有することができる。具体的には、図2は、マルチビームエミッタアレイのマルチビームエミッタ130から離れる方に向けられた図示の複数の発散矢印としての指向性光ビーム102を示している。
【0041】
いくつかの実施形態では、アレイのマルチビームエミッタ130は、図2に示すように、マルチビームエミッタ130又は同等の「マルチビームバックライト」を支持する基板の第1の(上部)表面に又はそれに隣接して配置されてもよい。他の実施形態(図示せず)では、複数のマルチビームエミッタ130は、第1の表面とは反対の、マルチビームバックライトの第2の(又は底部)表面に配置されてもよい。さらに他の実施形態(図示せず)では、マルチビームエミッタアレイのマルチビームエミッタ130は、第1の表面と第2の表面との間のマルチビームバックライトの内側に配置されてもよい。
【0042】
いくつかの実施形態では、マルチビームエミッタ130のサイズは、マルチビューディスプレイ100のライトバルブ110のサイズに相当する。本明細書では、「サイズ」は、限定はしないが、長さ、幅、又は面積を含むように様々な方法のいずれかで定義することができる。例えば、ライトバルブ110のサイズはその長さであってもよく、マルチビームエミッタ130に相当するサイズもマルチビームエミッタ130の長さであってよい。別の例では、サイズは、マルチビームエミッタ130の面積がライトバルブ110の面積に相当し得るような面積を指すことができる。いくつかの実施形態では、マルチビームエミッタのサイズは、マルチビームエミッタのサイズがライトバルブサイズの約50%~約200%であるようなライトバルブのサイズに相当する。
【0043】
図2及び図3に示すように、ライトバルブ110のアレイの反復する複数のカラーサブピクセル112のうちのカラーサブピクセル112の異なるサブセットは、マルチビームエミッタアレイの異なるマルチビームエミッタ130に対応する。さらに、カラーサブピクセル112の異なるサブセットのそれぞれは、図示のように、マルチビューディスプレイ100のマルチビューピクセル120を表すことができる。したがって、いくつかの実施形態では、マルチビームエミッタアレイのマルチビームエミッタ130と対応するマルチビューピクセル120(例えば、ライトバルブ110のセット)との間の関係は、一対一の関係であり得る。すなわち、同数のマルチビューピクセル120及びマルチビームエミッタ130があってもよい。図2及び図3は、限定ではなく例として、ライトバルブ110の異なるセットを備える各マルチビューピクセル120がより太い線で囲まれて示されている一対一の関係を示している。
【0044】
図4は、本明細書に記載の原理と一致する一実施形態による、一例における別のマルチビューディスプレイ100の平面図を示す。図示のマルチビューディスプレイ100は、水平視差マルチビューディスプレイを表すことができる。例えば、図示のように、マルチビューディスプレイ100は、8×1の水平視差マルチビューディスプレイであってもよい。図示の実施形態では、水平視差マルチビューディスプレイとしてのマルチビューディスプレイ100は、マルチビューディスプレイ100の長さに沿って離間した複数のマルチビーム列135を備える。複数のマルチビーム列のうちのマルチビーム列135は、指向性光ビームを水平のみの指向性パターンで提供するように構成される。複数のマルチビーム列135によって提供される指向性光ビームは、例えば上述したように、反復する複数のカラーサブピクセル112のオフセット行を有するライトバルブ110のアレイによって変調される。指向性光ビームは、マルチビューディスプレイ100のそれぞれの異なるビュー方向に対応する主角度方向を有することができ、異なるビュー方向に対応するビューは、水平のみの指向性パターンに対応する水平のみの配置で配置される。
【0045】
図4において、マルチビューディスプレイ100の反復する複数のカラーサブピクセル112の第1の行Iは、反復する複数のカラーサブピクセル112の第2の行IIからオフセット又はシフトされている。さらに、第1の行I及び第2の行IIは、カラーサブピクセル112の列内で、第1の行Iのカラーサブピクセル112が第2の行IIのカラーサブピクセル112と異なる色を有するように、行方向にオフセットされている。様々な実施形態によれば、行間のオフセット距離又はシフト距離は、カラーサブピクセル112の幅、例えば、単色サブピクセル112の幅の整数倍に等しくてもよい。オフセット距離により、複数の色ごとに平行な傾斜縦ストライプに配置される反復する複数のカラーサブピクセル112のカラーサブピクセル112をもたらし得る。カラーサブピクセル112は、RGBカラーモデルに対応する色R、G、Bに従ってラベル付けされ、一方、8つのビューに対応するカラーサブピクセル112は、図4において番号付けされる(すなわち、1、2、3、4、5、6、7、8)。
【0046】
図2及び図3の実施形態と同様に、図4に示す傾斜縦ストライプとしてのカラーサブピクセル112のこの配置は、いくつかの実施形態では、マルチビューディスプレイ100のカラーピクセルに関連付けられたカラーフリンジを軽減するのに役立ち得る。さらに、カラーサブピクセル112の傾斜ストライプ配置は、観察者の頭部が縦方向又はマルチビーム列に沿って移動するときに水平方向の視野シフトを防止することができる。
【0047】
いくつかの実施形態では、複数のマルチビーム列135は、マルチビームエミッタ130のアレイである。すなわち、複数のマルチビーム列のうちのマルチビーム列135は、列内に配置されたマルチビームエミッタのアレイの複数のマルチビームエミッタ130を備えてもよい。さらに、いくつかの実施形態では、各マルチビーム列135のマルチビームエミッタ130は、マルチビームエミッタ130のサイズの幅よりも小さい距離だけ分離されてもよい。いくつかの実施形態では、マルチビーム列135のマルチビームエミッタ130は、ライトバルブのアレイの隣接するライトバルブ110を分離する距離に相当する距離だけ分離されてもよい。いくつかの実施形態では、マルチビーム列135は、連続マルチビームエミッタ130又は単一の細長いマルチビームエミッタ130を含んでもよい。
【0048】
図2に戻って参照すると、いくつかの実施形態では、マルチビューディスプレイ100は、ライトガイド140をさらに備える。ライトガイド140は、導波光104(すなわち、導波光ビーム104)としてライトガイドの長さに沿って光を誘導するように構成される。例えば、ライトガイド140は、光導波路として構成された誘電体材料を含むことができる。誘電体材料は、誘電体光導波路を取り囲む媒体の第2の屈折率よりも大きい第1の屈折率を有することができる。屈折率の差は、例えば、ライトガイド140の1つ又はそれ以上の導波モードに従って、導波光104の全内部反射を促進するように構成される。
【0049】
ライトガイド140は、光学的に透明な誘電体材料の延長された実質的に平面のシートを含むスラブ又は平板光導波路(すなわち、平板ライトガイド)であってもよい。誘電体材料の実質的に平面のシートは、全内部反射を使用してコリメートされた導波光ビーム104を誘導するように構成される。様々な例によれば、ライトガイド140の光学的に透明な材料は、これらに限定されないが、様々なタイプのガラス(例えば、シリカガラス、アルカリアルミノケイ酸塩ガラス、ホウケイ酸塩ガラスなど)及び実質的に光学的に透明なプラスチック又はポリマー(例えば、ポリ(メチルメタクリレート)又は「アクリルガラス」、ポリカーボネートなど)のうちの1つ又はそれ以上を含む様々な誘電体材料のいずれかを含むか、又はそれらから構成されてもよい。いくつかの例では、ライトガイド140は、ライトガイド140の表面(例えば、第1の表面及び第2の表面の一方又は両方)の少なくとも一部にクラッド層(図示せず)をさらに含むことができる。いくつかの例によれば、クラッド層は、全内部反射をさらに促進するために使用されてもよい。
【0050】
様々な実施形態によれば、ライトガイド140は、ライトガイド140の第1の表面140’(例えば、「前」表面又は上部表面又は側面)と第2の表面140’’(例えば、「裏」表面又は底部表面又は側面)との間の非ゼロ伝播角での全内部反射に従って導波光ビーム104を誘導するように構成されている。具体的には、導波光ビーム104は、非ゼロ伝播角でライトガイド140の第1の表面140’と第2の表面140’’との間で反射又は「跳ね返る」ことによって伝播する。いくつかの実施形態では、異なる光の色を含む複数の導波光ビーム104は、異なる色固有の非ゼロ伝播角のそれぞれでライトガイド140によって誘導され得る。説明を簡単にするために、非ゼロ伝播角は図2には示されていないことに留意されたい。しかしながら、伝播方向103を描写する太い矢印は、図2のライトガイド長に沿った導波光104の一般的な伝播方向を示している。
【0051】
いくつかの実施形態によれば、マルチビームエミッタ130は、マルチビーム要素130’を備えてもよい。具体的には、ライトガイド140を含むマルチビューディスプレイ100は、マルチビームエミッタ130のアレイに対応するマルチビーム要素130’のアレイをさらに備えてもよい。したがって、いくつかの実施形態では、マルチビーム要素アレイはマルチビームエミッタアレイであり、マルチビーム要素アレイの各マルチビーム要素130’は、マルチビームエミッタアレイの異なるマルチビームエミッタ130に対応することができる。様々な実施形態によれば、アレイのマルチビーム要素130’は、ライトガイド140の長さに沿って互いに離間している。アレイのマルチビーム要素130’は、例えば図2に示すように、ライトガイド140の第1の(又は「上部」)表面140’に又はそれに隣接して配置されてもよい。他の実施形態では、アレイのマルチビーム要素130’は、ライトガイド140の第2の(又は「底部」)表面140、又は第1の表面140’と第2の表面140’’との間のライトガイド140の内側に配置されてもよい。
【0052】
様々な実施形態によれば、マルチビーム要素アレイのマルチビーム要素130’は、マルチビュー画像又はマルチビューディスプレイ100の同等の異なるビューのビュー方向に対応する主角度方向を有する複数の指向性光ビームとしてライトガイド140から光を散乱させるように構成される。様々な実施形態によれば、マルチビーム要素130’は、導波光104の一部を指向性光ビームとして散乱させるように構成されたいくつかの異なる構造のいずれかを含むことができる。例えば、異なる構造は、回折格子、マイクロ反射要素、マイクロ屈折要素、又はそれらの様々な組み合わせを含むことができるが、これらに限定されない。いくつかの実施形態では、回折格子を含むマルチビーム要素130’は、異なる主角度方向を有する複数の指向性光ビームとして導波光部分を回折的に散乱させるように構成される。他の実施形態では、マイクロ反射要素を含むマルチビーム要素130’は、複数の指向性光ビームとして導波光部分を反射的に散乱させるように構成されるか、又はマイクロ屈折要素を含むマルチビーム要素130’は、屈折(すなわち、導波光部分を屈折的に散乱させる)によって又はそれを使用して複数の指向性光ビームとして導波光部分を散乱させるように構成される。
【0053】
他の実施形態(図示せず)では、マルチビームエミッタ130は、発光ダイオード(LED)、マイクロ発光ダイオード(μLED)、及びマイクロ有機発光ダイオード(μOLED)などであるがこれらに限定されないアクティブ光エミッタを備えてもよい。これらの実施形態では、ライトガイド140、及びライトガイド140内の導波光として誘導される光を提供するように構成された光源は、省略されてもよい。代わりに、ライトガイド140は、上述したように、マルチビームエミッタ130を支持して電力を供給するための基板に置き換えられてもよい。
【0054】
再び図2を参照すると、マルチビューディスプレイ100は、光制御フィルム150をさらに備える。様々な実施形態によれば、光制御フィルム150は、マルチビュー画像の画角を制御するように構成される。いくつかの実施形態では、光制御フィルム150は、マルチビューディスプレイ100の水平方向に直交する方向のマルチビュー画像の画角を制御するように構成される。具体的には、光制御フィルム150の光制御軸は、マルチビームエミッタ130の列(例えば、マルチビーム列135又はマルチビーム要素130’の列に平行)と位置合わせされてもよく、又は平行であってもよい。これらの実施形態では、光制御フィルム150は、水平方向に対応する方向のマルチビュー画像の画角にほとんど又は全く影響を及ぼさなくてもよい。
【0055】
図5Aは、本明細書に記載の原理と一致する一実施形態による、一例における光制御フィルム150を有するマルチビューディスプレイ100の平面図を示す。図示のように、光制御フィルム150の光制御軸152は、限定ではなく例として、マルチビームエミッタ130を含むマルチビーム列135と位置合わせされる(すなわち、実質的に平行)。図示のように、光制御軸152はまた、ライトバルブ110のアレイのライトバルブ110の列(例えば、カラーサブピクセルの列)と平行であるか、又は位置合わせされている。いくつかの実施形態では、光制御フィルム150は、例えば図5Aに示すように、ライトバルブ110のアレイとライトガイド140の表面(例えば、第1の表面140’)との間に配置されてもよい。他の実施形態では、ライトバルブ110のアレイは、限定ではなく例として、例えば図2に示すように、ライトガイド140と光制御フィルム150との間に配置されてもよい。
【0056】
様々な実施形態によれば、光制御フィルム150は、様々な光制御フィルム、プライバシーフィルタ、及び同様のプライバシーフィルムのいずれかを含むことができる。図5Bは、本明細書に記載の原理と一致する別の実施形態による、一例における光制御フィルム150の斜視図を示す。図示のように、光制御フィルム150は、光制御フィルム150を通過する光に対して不透明であるように構成された複数の平行なマイクロルーバ又はマイクロバッフル154を備える。平行なマイクロバッフル154の間において、光制御フィルム150は、光に対して実質的に透明である。平行なマイクロバッフル154は、平行なマイクロバッフル154の長さ方向に垂直な方向に最大量の角度制御を提供する。したがって、定義により、光制御軸152は、図示のように、平行なマイクロバッフル154の長さ方向に対して垂直である。光制御フィルム150として使用され得る光制御フィルムの例には、例えば、www.shinetsu.info/vc_filmを参照されたいが、光学的透明シリコンゴムと黒色シリコンゴムの層とが交互になった光学ルーバーフィルムを含む、Shin-Etsu Polymers Europe B.V.によって製造された様々な視野制御フィルム(VCフィルム)が含まれるが、これらに限定されない。別の非限定的な例では、光制御フィルム150は、3M Display Materials&Systems Division,St.Paul,MNによって製造された高度光制御フィルム(例えば、ALCF-P又はALCF-A)を含むことができる。
【0057】
様々な実施形態によれば、光制御フィルム150は、光制御軸152の方向におけるマルチビュー画像の角度視認性又は画角を最小化又は制限するように構成されてもよい。このように、反射が問題となり得る状況では、光制御フィルム150を有するマルチビューディスプレイ100を採用することができる。図5Cは、本明細書に記載の原理と一致する別の実施形態による、一例における光制御フィルム150を有するマルチビューディスプレイ100の側面図を示す。図示のように、マルチビューディスプレイ100は、自動車のインストルメントパネルに取り付けられている。ドライバ106は、マルチビューディスプレイ100に向かう方向102a(例えば、マルチビューディスプレイ100が水平視差のみのディスプレイとして構成されている場合の水平視差の平面)でマルチビュー画像を容易に見ることができる。一方、光制御フィルム150は、ビュー方向102bによって示されるように、自動車のフロントガラス108から反射するマルチビューディスプレイ100のビューを実質的に遮断することができる。
【0058】
いくつかの実施形態では、マルチビューディスプレイ100は、ライトガイド140に隣接する広角バックライト160をさらに備える。図6は、本明細書に記載の原理の一実施形態による、一例における広角バックライト160を備えるマルチビューディスプレイ100の断面図を示す。様々な実施形態によれば、広角バックライト160は、ライトバルブアレイに隣接するライトガイド140の側面と対向する。具体的には、図示のように、広角バックライト160は、ライトガイド140の底部表面(すなわち、第2の表面140’’)に隣接している。広角バックライト160は、広角放射光として広角光162を提供するように構成される。図6には、ライトバルブ110及び光制御フィルム150のアレイも示されている。
【0059】
いくつかの実施形態によれば、ライトガイド140及びマルチビームエミッタ又は要素130、130’のアレイは、ライトガイド140(例えば、第1及び第2の表面140’、140’’)の厚さを通る光の通過を容易にするために、ライトガイド140の表面に対して実質的に垂直に伝播する光に対して光学的に透明であるように構成されてもよい。具体的には、図6に示すように、ライトガイド140及びマルチビームエミッタ又は要素130、130’のアレイは、隣接する広角バックライト160から放射された広角光162に対して光学的に透明であるように構成されてもよい。したがって、広角光162は、広角バックライト160から、ライトガイド140の厚さを通って放射され得る。したがって、広角バックライト160からの広角光162は、ライトガイド140の底面又は第2の表面140’’を通って受光され、ライトガイド140の厚さを通って透過され、ライトガイド140の上面(すなわち、第1の表面140’)からライトバルブ110のアレイに向かって放射され得る。ライトガイド140は、広角光162に対して光学的に透明であるため、広角光162は、ライトガイド140の影響を実質的に受けない。
【0060】
様々な実施形態によれば、図6に示すマルチビューディスプレイ100は、二次元(2D)モード又はマルチビューモードで選択的に動作することができる。2Dモードでは、マルチビューディスプレイ100は、広角バックライト160によって提供される広角光162を放射するように構成される。マルチビューモードでは、マルチビューディスプレイ100は、前述のように、ライトガイド140によって提供される指向性光ビーム102を放射するように構成される。ライトガイド140と広角バックライト160との組み合わせは、例えば、デュアル(2D/3D)ディスプレイで使用することができる。
【0061】
本明細書に記載の原理のいくつかの実施形態によれば、マルチビューディスプレイ200が提供される。図7は、本明細書の原理と一致する一実施形態による、一例におけるマルチビューディスプレイ200のブロック図を示す。マルチビューディスプレイ200は、オフセット行に配置された反復する複数のカラーサブピクセルを有するライトバルブ210のアレイを備える。様々な実施形態によれば、ライトバルブアレイのライトバルブ210は、マルチビュー画像のカラーピクセルとして指向性光ビームを変調するように構成されたマルチビューピクセルとして配置される。いくつかの実施形態では、アレイのライトバルブ210は、前述のマルチビューディスプレイ100のライトバルブ110と実質的に同様であってもよい。したがって、液晶ライトバルブ、電気泳動ライトバルブ、及びエレクトロウェッティングに基づくライトバルブのうちの1つ又はそれ以上を含むがこれらに限定されない、異なるタイプのライトバルブを、ライトバルブアレイのライトバルブ110として採用することができる。いくつかの実施形態では、反復する複数のカラーサブピクセルの各カラーサブピクセルは、異なる色を有する。例えば、反復する複数のカラーサブピクセルは、ライトバルブ210のアレイの行に沿って赤色、青色、及び緑色サブピクセル(RGB)のこの順序で反復セットからなることができる。他の実施形態では、反復する複数のカラーサブピクセルは、赤色、青色、緑色、及び黄色のカラーサブピクセル(RGBY)の反復セットを含むことができる。さらに別の実施形態では、反復セットは、赤色、青色、緑色、及び白色ピクセル(RGBW)を含んでもよい。
【0062】
マルチビューディスプレイ200は、異なる指向性光ビームのセットを有する異なるマルチビューピクセルを照明するように構成されたマルチビームエミッタ220のアレイをさらに備える。いくつかの実施形態では、マルチビームエミッタ220のアレイの1つのマルチビームエミッタ220とライトバルブアレイのマルチビューピクセルとの間には一対一の関係があり得る。いくつかの実施形態によれば、アレイのマルチビームエミッタ220は、上述のマルチビューディスプレイ100のマルチビームエミッタ130と実質的に同様であってもよい。例えば、複数のマルチビームエミッタ220は、ライトバルブ210のアレイによって変調される指向性光ビームを提供するように構成される。様々な実施形態によれば、指向性光ビームは、マルチビューディスプレイ200のそれぞれの異なるビュー方向に対応する主角度方向を有する。さらに、複数のマルチビームエミッタ220は、マルチビームエミッタ220を支持するために使用される基板の表面上又は基板内に配置されてもよい(例えば、以下に記載されるライトガイド)。
【0063】
様々な実施形態によれば、複数のカラーサブピクセルの隣接する行は、行方向に又はそれに沿ってカラーサブピクセルの幅の整数倍だけ互いにオフセットされる。隣接する行間のオフセット又はシフトは、様々な実施形態によれば、第2のマルチビューピクセルの対応するカラーサブピクセルとは異なる色を有する第1のマルチビューピクセルのカラーサブピクセルを提供するように構成される。いくつかの実施形態では、オフセット行は、マルチビューディスプレイ100に関して上述した、カラーサブピクセルのアレイの第1の行とカラーサブピクセルのアレイの第2の行との間にオフセットを有する行と実質的に同様であってもよい。さらに、複数のカラーサブピクセルの隣接するオフセット行のオフセットがカラーサブピクセルの幅の整数倍であることに応じて、隣接する行は、カラーサブピクセルの幅(例えば、マルチビューディスプレイ100に関連して図3及び図4に示すように)、又はカラーサブピクセルの2つの幅、又はカラーサブピクセルの3つの幅などの距離だけオフセット又はシフトされてもよい。
【0064】
いくつかの実施形態では、マルチビームエミッタアレイのマルチビームエミッタ220は、アクティブ光エミッタを備える。アクティブ光エミッタは、指向性光ビームとして光を放射するように構成される。アクティブ光エミッタによって放射された指向性光ビームは、マルチビューディスプレイ200のそれぞれの異なるビュー方向に対応する主角度方向を有する。アクティブ光エミッタは、複数の指向性光ビームとして光を放射するように構成された任意の数の異なる構造を備えることができる。いくつかの実施形態では、アクティブ光エミッタは、マイクロ発光ダイオード(μLED)又は有機発光ダイオード(OLED)を備えるが、これらに限定されない。いくつかの実施形態では、アクティブ光エミッタは、白色光を放射するように構成されるが、他の実施形態では、アクティブ光エミッタは、(例えば、単色アクティブ光エミッタであってもよい)特定の色を含む光を放射することができる。
【0065】
さらに、アクティブ光エミッタのサイズは、ライトバルブアレイのライトバルブ210のサイズに相当する。本明細書では、「サイズ」は、限定はしないが、長さ、幅、又は面積を含むように様々な方法のいずれかで定義することができる。例えば、ライトバルブアレイのライトバルブ210のサイズはその長さであってもよく、アクティブ光エミッタの相当するサイズはまた、アクティブ光エミッタの長さであってもよい。別の例では、サイズは、アクティブ光エミッタの面積がライトバルブアレイのライトバルブ210の面積に相当し得るような面積を指すことができる。
【0066】
他の実施形態では、マルチビームエミッタアレイのマルチビームエミッタ220は、実質的にパッシブであってもよい。具体的には、いくつかの実施形態(例えば、図7に示すように、)では、マルチビューディスプレイ200は、ライトガイド230をさらに備える。ライトガイド230は、導波光としてライトガイドの長さに沿った伝播方向に光を誘導するように構成される。いくつかの実施形態では、ライトガイド230は、前述のマルチビューディスプレイ100のライトガイド140と実質的に同様であってもよい。様々な実施形態によれば、ライトガイド230は、全内部反射を使用して導波光を誘導するように構成される。さらに、導波光は、ライトガイド230によって、又はライトガイド230内で非ゼロ伝播角度で誘導されてもよい。いくつかの実施形態では、導波光はコリメートされてもよく、又はコリメート光ビームであってもよい。具体的には、様々な実施形態において、導波光は、コリメーション係数σに従って、又はコリメーション係数σを有してコリメートされてもよい。
【0067】
いくつかの実施形態(例えば、マルチビームエミッタ220がパッシブである場合、)では、マルチビューディスプレイ200は、ライトガイド長に沿って互いに離間したマルチビーム要素のアレイをさらに備えてもよい。マルチビーム要素は、ライトガイド230内の導波光の一部を指向性光ビームとして散乱させるように構成される。さらに、これらの実施形態によれば、マルチビーム要素アレイのマルチビーム要素は、マルチビームエミッタアレイのマルチビームエミッタに対応することができる。いくつかの実施形態では、マルチビーム要素のアレイのマルチビーム要素は、上述のマルチビューディスプレイ100のマルチビーム要素130’と実質的に同様であってもよい。したがって、マルチビーム要素は、指向性光ビームの異なるセットを有する異なるマルチビューピクセルを照明するように構成される。具体的には、マルチビーム要素のアレイのマルチビーム要素とマルチビューピクセルのアレイのマルチビューピクセルとの間には1対1の関係があり得る。マルチビーム要素は、ライトガイド230の表面上又は内部に配置されてもよい。
【0068】
いくつかの実施形態では、マルチビーム要素のサイズは、ライトバルブアレイのライトバルブ210のサイズに相当する。いくつかの実施形態では、マルチビーム要素のサイズは、マルチビーム要素のサイズがライトバルブサイズの約50%~約200%であるようなライトバルブサイズに相当する。
【0069】
いくつかの実施形態では、マルチビーム要素は、導波光の一部を散乱させるように構成されたいくつかの異なる構造のいずれかを備えることができる。例えば、異なる構造は、回折格子、マイクロ反射要素、マイクロ屈折要素、又はそれらの様々な組み合わせを含むことができるが、これらに限定されない。いくつかの実施形態では、回折格子を含むマルチビーム要素は、異なる主角度方向を有する複数の指向性光ビームとして導波光部分を回折的に散乱させるように構成される。他の実施形態では、マイクロ反射要素を含むマルチビーム要素は、複数の指向性光ビームとして導波光部分を反射的に散乱させるように構成されるか、又はマイクロ屈折要素を含むマルチビーム要素は、屈折によって、又は屈折を使用して複数の指向性光ビームとして導波光部分を散乱させるように構成される(すなわち、導波光部分を屈折的に散乱させる)。
【0070】
図7に示すマルチビューディスプレイ200は、マルチビュー画像の画角を制御するように構成された光制御フィルム240をさらに備える。いくつかの実施形態によれば、光制御フィルム240は、マルチビューディスプレイ100に関して上述した光制御フィルム150と実質的に同様であってもよい。具体的には、いくつかの実施形態では、光制御フィルム240は、マルチビームエミッタ220の列と位置合わせされた光制御軸を有する。すなわち、光制御フィルム240の光制御軸は、マルチビューディスプレイ200のマルチビームエミッタ列と平行であってもよい。光制御軸はまた、ライトバルブアレイ内のライトバルブ210の列と位置合わせされてもよい。いくつかの実施形態では、ライトバルブ210のアレイは、図7に示すように、光制御フィルム240とマルチビームエミッタ222を有するライトガイド230との間にある。マルチビューディスプレイ200に関して明示的に示されていない他の実施形態では、光制御フィルム240は、ライトバルブ210のアレイとライトガイド230との間に配置されてもよい。
【0071】
いくつかの実施形態(図示せず)では、マルチビューディスプレイ200は、光源をさらに備えてもよい。様々な実施形態によれば、光源は、ライトガイド230内で誘導される光を提供するように構成される。具体的には、光源は、ライトガイド230の入射面又は端部(入力端)に隣接して配置されてもよい。様々な実施形態では、光源は、これらに限定されないが、1つ又はそれ以上の発光ダイオード(LED)又はレーザ(例えば、レーザダイオード)を含む実質的に任意の光の供給源(例えば、光エミッタ)を備えることができる。いくつかの実施形態では、光源は、特定の色によって示される狭帯域スペクトルを有する実質的に単色光を生成するように構成された光エミッタを備えてもよい。具体的には、単色光の色は、特定の色空間又は色モデル(例えば、赤、緑、青(RGB)色モデル)の原色であってもよい。他の例では、光源は、実質的に広帯域又は多色の光を提供するように構成された実質的に広帯域の光源であってもよい。例えば、光源は白色光を提供することができる。いくつかの実施形態では、光源は、異なる光の色を提供するように構成された複数の異なる光エミッタを備えてもよい。さらに、異なる光エミッタは、異なる光の色の各々に対応する導波光の異なる、色固有の、非ゼロ伝播角を有する光を提供するように構成されてもよい。
【0072】
いくつかの実施形態では、導波光はコリメートされてもよく、又は同等のコリメート光ビーム(例えば、以下で説明するように、コリメータによって提供される)であってもよい。本明細書では、「コリメート光」又は「コリメート光ビーム」は、一般に、光ビームの光線が光ビーム(例えば、導波光)内の所定の又は定義された角度広がりに実質的に限定される光ビームとして定義される。さらに、コリメートされた光ビームから発散又は散乱される光線は、本明細書の定義により、コリメートされた光ビームの一部とは見なされない。さらに、様々な実施形態において、導波光は、コリメーション係数σに従って、又はコリメーション係数σを有してコリメートされてもよい。
【0073】
本明細書に記載の原理のいくつかの実施形態によれば、マルチビューディスプレイの動作の方法が提供される。図8は、本明細書に記載の原理と一致する一実施形態による、マルチビューディスプレイの動作の方法300のフローチャートを示す。図示のように、マルチビューディスプレイの動作の方法300は、マルチビームエミッタのアレイを使用して指向性光ビームを放射すること310を含む。いくつかの実施形態では、アレイのマルチビームエミッタは、前述のマルチビューディスプレイ100のマルチビームエミッタ130と実質的に同様であってもよい。具体的には、マルチビームエミッタアレイのマルチビームエミッタは、マルチビームエミッタの行及び列に配置されてもよい。指向性光ビームは、マルチビューディスプレイの異なるビュー方向に対応する方向を有する。
【0074】
マルチビューディスプレイの動作の方法300は、ライトバルブのアレイを使用して指向性光ビームを変調すること320をさらに含む。ライトバルブのアレイは、複数のマルチビューピクセルとして配置された反復する複数のカラーサブピクセルを備え、変調された指向性光ビームは、マルチビューディスプレイによって表示されるマルチビュー画像の異なるビューのカラーピクセルを提供する。いくつかの実施形態によれば、ライトバルブのアレイは、上述のマルチビューディスプレイ100のライトバルブ110のアレイと実質的に同様であってもよい。したがって、液晶ライトバルブ、電気泳動ライトバルブ、及びエレクトロウェッティングに基づくライトバルブのうちの1つ又はそれ以上を含むがこれらに限定されない、異なるタイプのライトバルブを、ライトバルブアレイのライトバルブとして採用することができる。
【0075】
いくつかの実施形態では、反復する複数のカラーサブピクセルの各カラーサブピクセルは、異なる色を有する。例えば、マルチビューディスプレイ100について図3及び図4に示すように、反復する複数のカラーサブピクセルは、ライトバルブのアレイの行に沿って赤色、青色、及び緑色のカラーサブピクセル(RGB)の順序で、この反復セットからなることができる。他の実施形態では、反復する複数のカラーサブピクセルは、赤色、青色、緑色、及び黄色のカラーサブピクセル(RGBY)の反復セットを含むことができる。さらに別の実施形態では、反復セットは、赤色、青色、緑色、及び白色ピクセル(RGBW)を含んでもよい。反復する複数のカラーサブピクセルのうちのカラーサブピクセルは、ライトバルブアレイの行に沿って配置される。さらに、マルチビームエミッタアレイのマルチビームエミッタは、ライトバルブアレイの行の行方向に対応する行方向を有する行に配置されている。
【0076】
様々な実施形態によれば、ライトバルブアレイの反復する複数のカラーサブピクセルの行は、互いにオフセット又はシフトされる。具体的には、異なる色を有する隣接するマルチビューピクセル内の対応するカラーサブピクセルを提供するために、反復する複数のカラーサブピクセルの第1の行は、反復する複数のカラーサブピクセルの第2の行からオフセットされる。行のオフセットは、マルチビューディスプレイによって表示されているマルチビュー画像のカラーピクセルに関連付けられたカラーフリンジを軽減するように構成される。いくつかの実施形態では、第1の行と第2の行との間のオフセットは、マルチビューディスプレイ100に関して説明した第1の行と第2の行との間のオフセットと実質的に同様であってもよい。例えば、反復する複数のカラーサブピクセルの第1及び第2の行の間のオフセット又はシフトは、反復する複数のカラーサブピクセルの方向におけるカラーサブピクセルの幅の整数倍に等しくてもよい。いくつかの実施形態では、指向性光ビームを放射すること310は、指向性光ビームを放射するために、マルチビューディスプレイの長さに沿って互いに離間した複数のマルチビーム列を使用することを含む。具体的には、複数のマルチビーム列のうちのマルチビーム列は、複数の指向性光ビームを放射するように構成される。指向性光ビームは、マルチビューディスプレイのビュー方向に対応する主方向を有する。いくつかの実施形態では、複数のマルチビーム列はマルチビームエミッタのアレイである。すなわち、複数のマルチビーム列のうちの1つのマルチビーム列は、マルチビームエミッタのアレイのマルチビームエミッタの列を含み、マルチビームエミッタは、マルチビームエミッタの傾斜列を形成するために行方向に互いにオフセットされる。いくつかの実施形態では、マルチビーム列は、連続マルチビーム要素又は単一の細長いマルチビーム要素を含み得る。マルチビーム列は、マルチビューディスプレイ100の水平視差のみの配置について図4に示すように、ビューが水平視差配置に配置される水平視差のみのディスプレイで採用されてもよい。
【0077】
いくつかの実施形態では、マルチビームエミッタのアレイを使用して指向性光ビームを放射すること310は、導波光としてライトガイド内で光を誘導することを含む。いくつかの実施形態では、ライトガイドは、マルチビューディスプレイ100のライトガイド140と実質的に同様であってもよく、光は、ライトガイドの対向する内面間の非ゼロ伝播角度で誘導されてもよい。マルチビームエミッタのアレイを使用して指向性光ビームを放射すること310は、指向性光ビームを提供するためにマルチビーム要素のアレイのうちのマルチビーム要素を使用して導波光の一部を散乱させることをさらに含むことができる。マルチビーム要素は、マルチビューディスプレイ100のマルチビーム要素130’と実質的に同様であってもよい。さらに、マルチビーム要素は、ライトバルブアレイのライトバルブのサイズに相当するサイズを有することができる。例えば、マルチビーム要素のサイズは、マルチビーム要素のサイズがライトバルブサイズの約50%~約200%であるようなライトバルブサイズに相当し得る。さらに、マルチビーム要素は、マルチビーム要素アレイの各マルチビーム要素がマルチビームエミッタアレイの異なるマルチビームエミッタに対応するようなマルチビームエミッタアレイであってもよい。
【0078】
図8に示すように、マルチビューディスプレイの動作の方法300は、光制御フィルムを使用してマルチビュー画像の画角を制御すること330をさらに含む。いくつかの実施形態(例えば、マルチビューディスプレイが水平視差マルチビューディスプレイである場合)では、画角は、水平視差に垂直な方向に制御されてもよい。いくつかの実施形態によれば、光制御フィルムは、マルチビューディスプレイ100の上述の光制御フィルム150と実質的に同様であってもよい。例えば、光制御フィルムは、マイクロルーバを備えてもよく、光制御軸は、マイクロルーバの方向に垂直な方向として画定されてもよい。いくつかの実施形態では、光制御フィルムは、ライトバルブのアレイとライトガイドの表面との間に配置されてもよく、他の実施形態では、ライトバルブアレイは、光制御フィルムとライトガイドの表面との間に配置されてもよい。
【0079】
したがって、光制御フィルムを有し、行に配置され、マルチビュー画像に関連付けられたカラーフリンジを軽減するように構成されたオフセット又はシフトを有する反復する複数のカラーサブピクセルを備えるマルチビューディスプレイ及び方法の例及び実施形態が記載されている。上述の例は、本明細書に記載の原理を表す多くの特定の例のいくつかの単なる例示であることを理解されたい。明らかに、当業者は、以下の特許請求の範囲によって規定される範囲から逸脱することなく、多数の他の構成を容易に考案することができる。
【符号の説明】
【0080】
100 マルチビューディスプレイ
104 導波光
110 ライトバルブ
120 マルチビューピクセル
130 マルチビーム要素
130 マルチビームエミッタ
135 マルチビーム列
140 ライトガイド
150 光制御フィルム
152 光制御軸
154 平行なマイクロバッフル
160 広角バックライト
162 広角光
図1A
図1B
図2
図3
図4
図5A
図5B
図5C
図6
図7
図8
【国際調査報告】