(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-03-31
(54)【発明の名称】三次元部品ライブラリに基づいてマウントデータを生成する方法、システム、媒体及びデバイス
(51)【国際特許分類】
G05B 19/418 20060101AFI20220324BHJP
H05K 13/00 20060101ALI20220324BHJP
G06Q 50/04 20120101ALI20220324BHJP
【FI】
G05B19/418 Z
H05K13/00 Z
G06Q50/04
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021547300
(86)(22)【出願日】2019-12-18
(85)【翻訳文提出日】2021-08-13
(86)【国際出願番号】 CN2019126307
(87)【国際公開番号】W WO2020164307
(87)【国際公開日】2020-08-20
(31)【優先権主張番号】201910113419.0
(32)【優先日】2019-02-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】514234230
【氏名又は名称】上海望友信息科技有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】100160299
【氏名又は名称】伊藤 卓
(72)【発明者】
【氏名】▲チェ▼ 国▲亮▼
(72)【発明者】
【氏名】武 ▲紀▼宏
(72)【発明者】
【氏名】▲銭▼ ▲勝▼杰
(72)【発明者】
【氏名】瞿 永建
【テーマコード(参考)】
3C100
5E353
5L049
【Fターム(参考)】
3C100AA22
3C100AA43
3C100AA66
3C100BB05
3C100BB06
3C100BB13
3C100EE07
5E353CC01
5E353CC03
5E353CC05
5E353CC16
5E353CC22
5E353HH11
5E353JJ21
5E353KK01
5E353QQ01
5E353QQ14
5L049CC04
(57)【要約】
本発明は三次元部品ライブラリに基づいてマウントデータを生成する方法、システム、媒体及びデバイスを提供する。前記三次元部品ライブラリに基づいてマウントデータを生成する方法は、回路基板設計段階で必要な部品3Dデータベースを構築すること及び回路基板生産段階で必要な生産プロセステンプレートライブラリを構築するステップと、前記部品3Dデータベースと前記生産プロセステンプレートライブラリに対してデータ変換を行うことで、生産段階で適用する際に使用される部品画像ライブラリを生成するステップとを含む。本発明は重複動作を回避し、生産データをリアルタイムで更新して整合させ、回路基板生産過程において生産データが原因となるエラーレートを下げることができる。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
回路基板設計段階で必要な部品3Dデータベースを構築し、回路基板生産段階で必要な生産プロセステンプレートライブラリを構築するステップと、
前記部品3Dデータベースと前記生産プロセステンプレートライブラリに対してデータ変換を行うことで、生産段階で適用する際に使用される部品画像ライブラリを生成するステップと、
を含むことを特徴とする三次元部品ライブラリに基づいてマウントデータを生成する方法。
【請求項2】
前記回路基板設計段階で必要な部品3Dデータベースを構築するステップは、
回路基板設計段階で必要な部品の設計属性情報を取得することと、
前記部品の設計属性情報を材料コード情報と対応させて前記回路基板設計段階で必要な部品3Dデータベースを生成することとを含み、
前記部品の設計属性情報は、部品の三次元データ、パッケージング情報及び/又は動作パラメータ情報を含むことを特徴とする請求項1に記載の三次元部品ライブラリに基づいてマウントデータを生成する方法。
【請求項3】
前記回路基板生産段階で必要な生産プロセステンプレートライブラリを構築するステップは、
回路基板生産段階で蓄積された関連部品の生産プロセス情報を記憶させることで、回路基板生産段階で必要な生産プロセステンプレートライブラリを形成すること、又は、
回路基板生産段階における部品の種類又は部品の外形に基づいて対応する生産プロセス情報を生成することで、回路基板生産段階で必要な生産プロセステンプレートライブラリを形成すること、
を含むことを特徴とする請求項1に記載の三次元部品ライブラリに基づいてマウントデータを生成する方法。
【請求項4】
回路基板生産段階における部品の種類又は部品の外形に対応する生産プロセス情報は、吸着ノズル情報、フィーダ情報、カメラ情報及び/又はプロセスが要求する特殊設定情報を含むことを特徴とする請求項3に記載の三次元部品ライブラリに基づいてマウントデータを生成する方法。
【請求項5】
前記部品3Dデータベースと前記生産プロセステンプレートライブラリに対してデータ変換を行うことで、生産段階で適用する際に使用される部品画像ライブラリを生成するステップは、
部品種類情報によって前記部品3Dデータベースと前記生産プロセステンプレートライブラリを関連付け、部品の三次元モデルと部品の生産プロセスデータをそれぞれ抽出することと、
部品の三次元モデルと部品の生産プロセスデータを1対1の画像データとして関連付けることで、前記部品画像ライブラリを形成することと、
を含むこと特徴とする請求項1に記載の三次元部品ライブラリに基づいてマウントデータを生成する方法。
【請求項6】
前記生産プロセステンプレートライブラリは、異なる生産システムに対して設定される異なる生産プロセステンプレートライブラリ又は異なる生産システムに対して設定された共通の生産プロセステンプレートライブラリを含むことを特徴とする請求項1に記載の三次元部品ライブラリに基づいてマウントデータを生成する方法。
【請求項7】
回路基板設計段階で必要な部品3Dデータベースを構築するため及び回路基板生産段階で必要な生産プロセステンプレートライブラリを構築するために用いられるデータベース構築モジュールと、
前記部品3Dデータベースと前記生産プロセステンプレートライブラリに対してデータ変換を行うことで、生産段階で適用する際に使用される部品画像ライブラリを生成するために用いられる変換モジュールと、
を含むことを特徴とする三次元部品ライブラリに基づいてマウントデータを生成するシステム。
【請求項8】
前記変換モジュールは、部品種類情報によって前記部品3Dデータベースと前記生産プロセステンプレートライブラリを関連付け、部品の三次元モデルと部品の生産プロセスデータをそれぞれ抽出し、部品の三次元モデルと部品の生産プロセスデータを1対1の画像データとして関連付けることで前記部品画像ライブラリを形成することに用いられることを特徴とする請求項7に記載の三次元部品ライブラリに基づいてマウントデータを生成するシステム。
【請求項9】
コンピュータプログラムが記憶されたコンピュータ読み取り可能な記憶媒体であって、当該プログラムがプロセッサによって実行されるとき、請求項1乃至請求項6のいずれか1項に記載の三次元部品ライブラリに基づいてマウントデータを生成する方法が実行されることを特徴とするコンピュータ読み取り可能な記憶媒体。
【請求項10】
プロセッサ及びメモリを含むデバイスであって、
前記メモリはコンピュータプログラムを記憶するために用いられ、前記プロセッサは前記メモリが記憶するコンピュータプログラムを実行するために用いられることにより、前記デバイスに請求項1乃至請求項6のいずれか1項に記載の三次元部品ライブラリに基づいてマウントデータを生成する方法を実行させることを特徴とするデバイス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は電子製造技術分野に属し、変換方法及びシステムに関し、特に、三次元部品ライブラリに基づいてマウントデータを生成する方法、システム、媒体及びデバイスに関する。
【背景技術】
【0002】
科学技術が絶えず進歩するにつれて、電子業界は飛躍的に発展している。電子製品の発展においては変化が激しく、PCBの信頼性に対する要求、高密度化、小型化への要求はいずれも高まりつつあり、PCB密度が高まるとともに、設計要求も高まっている。PCB製造過程において、電子部品に対する要求はますます高くなると同時に、設計、シミュレーション、検査、生産等の各段階にも及んでいる。また、これらの異なる段階においては、電子部品の異なる情報データを使用する必要があるが、従来の方法はいずれも各段階が別々に行われており、人的資源の浪費につながるとともに、管理の際に支障が生じる。更には、各段階において関わる作業者が異なるため、データの統一性及び正確性を保証することが難しくなる。
【0003】
現在、業界内のオペレーティング方法に存在する問題として、以下の点が挙げられる。第一に、重複業務が生じること。第二に、リアルタイムで更新して整合させることができないため、設計し終わったPCB基板を速やかに生産できないこと。第三に、設計者と生産者が異なるため、異なる部品モデルに対応する同一の材料コードが存在する可能性があり、これは非常に重大な欠点となることである。
【0004】
電子製品のモデルチェンジが加速し、インダストリー4.0が推進され、インターネットと融合した製造及びインテリジェント工場の理念が社会に深く浸透しつつあることから、電子製造業全体はより高効率で信頼性のある製造方法及び技術を探し求めている。如何にして設計から生産へのシフトを加速させ、三次元部品ライブラリとSMTマウント部品データとを統合するかは、PCB業界において特に重要なことになりつつある。
【0005】
したがって、従来技術における回路基板生産データを正確に得ることができないこと、及び重複業務及び生産における抜け落ちを回避することができていない等の欠点を解決できる三次元部品ライブラリに基づいてマウントデータを生成する方法、システム、媒体及びデバイスを如何にして提供するかは、当業者にとって早急に解決を要する技術的課題となっている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
以上に述べた従来技術の欠点に鑑み、本発明の目的は、従来技術においては回路基板生産データを正確に得ることができず、重複業務及び生産における抜け落ちを回避することができていないという課題を解決するための三次元部品ライブラリに基づいてマウントデータを生成する方法、システム、媒体及びデバイス提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の目的を達成するために、本発明は、まず、三次元部品ライブラリに基づいてマウントデータを生成する方法を提供する。前記三次元部品ライブラリに基づいてマウントデータを生成する方法は、回路基板設計段階で必要な部品3Dデータベースを構築すること及び回路基板生産段階で必要な生産プロセステンプレートライブラリを構築するステップと、前記部品3Dデータベースと前記生産プロセステンプレートライブラリに対してデータ変換を行うことで、生産段階で適用する際に使用される部品画像ライブラリを生成するステップとを含んでいる。
【0008】
本発明の一実施例において、前記回路基板設計段階で必要な部品3Dデータベースを構築するステップは、回路基板設計段階で必要な部品の設計属性情報を取得することと、前記部品の設計属性情報を材料コード情報と対応させて前記回路基板設計段階で必要な部品3Dデータベースを生成することとを含み、前記部品の設計属性情報は、部品の三次元データ、パッケージング情報及び/又は動作パラメータ情報を含んでいる。
【0009】
本発明の一実施例において、前記回路基板生産段階で必要な生産プロセステンプレートライブラリを構築するステップは、回路基板生産段階で蓄積された関連部品の生産プロセス情報を記憶させることで、回路基板生産段階で必要な生産プロセステンプレートライブラリを形成すること、又は、回路基板生産段階における部品の種類又は部品の外形に基づいて対応する生産プロセス情報を生成することで、回路基板生産段階で必要な生産プロセステンプレートライブラリを形成することを含んでいる。
【0010】
本発明の一実施例において、回路基板生産段階における部品の種類又は部品の外形に対応する生産プロセス情報は、吸着ノズル情報、フィーダ情報、カメラ情報及び/又はプロセスが要求する特殊設定情報を含んでいる。
【0011】
本発明の一実施例において、前記部品3Dデータベースと前記生産プロセステンプレートライブラリに対してデータ変換を行うことで、生産段階で適用する際に使用される部品画像ライブラリを生成するステップは、部品種類情報によって前記部品3Dデータベースと前記生産プロセステンプレートライブラリを関連付け、部品の三次元モデルと部品の生産プロセスデータをそれぞれ抽出することと、部品の三次元モデルと部品の生産プロセスデータを1対1の画像データとして関連付けることで、前記部品画像ライブラリを形成することとを含んでいる。
【0012】
本発明の一実施例において、前記生産プロセステンプレートライブラリは、異なる生産システムに対して設定される異なる生産プロセステンプレートライブラリ又は異なる生産システムに対して設定された共通の生産プロセステンプレートライブラリを含んでいる。
【0013】
本発明は、次に、三次元部品ライブラリに基づいてマウントデータを生成するシステムを提供し、前記三次元部品ライブラリに基づいてマウントデータを生成するシステムは、回路基板設計段階で必要な部品3Dデータベースを構築するため及び回路基板生産段階で必要な生産プロセステンプレートライブラリを構築するために用いられるデータベース構築モジュールと、前記部品3Dデータベースと前記生産プロセステンプレートライブラリに対してデータ変換を行うことで、生産段階で適用する際に使用される部品画像ライブラリを生成するために用いられる変換モジュールとを含むことを特徴とする。
【0014】
本発明の一実施例において、前記変換モジュールは、部品種類情報によって前記部品3Dデータベースと前記生産プロセステンプレートライブラリを関連付け、部品の三次元モデルと部品の生産プロセスデータをそれぞれ抽出し、部品の三次元モデルと部品の生産プロセスデータを1対1の画像データとして関連付けることで、前記部品画像ライブラリを形成することに用いられる。
【0015】
本発明は、更に、コンピュータプログラムが記憶されたコンピュータ読み取り可能な記憶媒体を提供する。当該コンピュータプログラムがプロセッサによって実行されるとき、前記三次元部品ライブラリに基づいてマウントデータを生成する方法が実行される。
【0016】
本発明は、最後に、プロセッサ及びメモリを含むデバイスを提供する。前記メモリはコンピュータプログラムを記憶するために用いられ、前記プロセッサは前記メモリが記憶するコンピュータプログラムを実行するために用いられることにより、前記デバイスに三次元部品ライブラリに基づいてマウントデータを生成する方法を実行させる。
【発明の効果】
【0017】
上述したように、本発明で述べる三次元部品ライブラリに基づいてマウントデータを生成する方法、システム、媒体及びデバイスは以下の有益な効果を有する。
【0018】
本発明で述べる三次元部品ライブラリに基づいてマウントデータを生成する方法、システム、媒体及びデバイスと従来の工程とを比較すると、本発明は多くの重複業務を取り除くことができ、手動に代わって自動化することが可能であり、従来の方法と比較して時間を60%~80%節約することができる。また、電子部品データにおける設計段階での適用と生産段階での適用を連携させることで、データの統一性及び正確性を保証し、電子部品データの管理を簡略化し、設計段階の電子部品三次元データと生産プロセスデータを結び付けて画像ライブラリデータを自動的に生成し、後に続く生産に用いることができる。更に、異なる生産システムに対する包括性も有する。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【
図1】
図1は本発明における三次元部品ライブラリに基づいてマウントデータを生成する方法の一実施例における原理のフローチャートである。
【
図2】
図2は本発明における三次元部品ライブラリに基づいてマウントデータを生成する方法の一実施例におけるフローチャートである。
【
図3】
図3は本発明における三次元部品ライブラリに基づいてマウントデータを生成する方法の一実施例における複数対複数の生産システム構造図である。
【
図4】
図4は本発明における三次元部品ライブラリに基づいてマウントデータを生成する方法の一実施例における一対複数の生産システム構造図である。
【
図5】
図5は本発明における三次元部品ライブラリに基づいてマウントデータを生成する方法の一実施例における構造原理図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、特定の具体的な実施例を通じて本発明の実施手段を説明するが、当業者であれば本明細書で開示された内容によって本発明の他の利点と効果を容易に理解することができる。また、本発明は、その他の異なる具体的実施手段による実施又は応用も可能である。本明細書における各詳細については、異なる視点及び応用に基づき、本発明の精神を逸脱しないことを前提に各種の補足又は変更を行ってもよい。説明すべき点として、矛盾しない状況においては、以下の実施例及び実施例中の特徴は互いに組み合わせることができる。
【0021】
説明すべき点として、以下の実施例で提供する図面は概略的に本発明の基本思想を説明するためのものにすぎない。図面には本発明に関連するアセンブリのみを示しているが、実際に実施する際のアセンブリの数、形状及びサイズに基づき記載しているわけではない。実際に実施する際の各アセンブリの形態、数量及び比率は任意に変更してもよく、かつ、アセンブリのレイアウトや形態がより複雑になることもある。
【実施例1】
【0022】
本実施例は三次元部品ライブラリに基づいてマウントデータを生成する方法を提供する。前記三次元部品ライブラリに基づいてマウントデータを生成する方法は、回路基板設計段階で必要な部品3Dデータベースを構築すること及び回路基板生産段階で必要な生産プロセステンプレートライブラリを構築するステップと、前記部品3Dデータベースと前記生産プロセステンプレートライブラリに対してデータ変換を行うことで、生産段階で適用する際に使用される部品画像ライブラリを生成するステップとを含んでいる。
【0023】
以下、図面を参照しながら本実施例が提供する三次元部品ライブラリに基づいてマウントデータを生成する方法について詳細に説明する。本発明における三次元部品ライブラリに基づいてマウントデータを生成する方法の一実施例における原理のフローチャートである
図1を参照されたい。
図1に示すように、前記三次元部品ライブラリに基づいてマウントデータを生成する方法は、具体的に、以下の複数のステップを含んでいる。
【0024】
S11において、回路基板設計段階で必要な部品3Dデータベースを構築し、回路基板生産段階で必要な生産プロセステンプレートライブラリを構築する。
【0025】
本実施例において、前記回路基板設計段階で必要な部品3Dデータベースを構築するステップは、回路基板設計段階で必要な部品の設計属性情報を取得することと、前記部品の設計属性情報を材料コード情報と対応させて前記回路基板設計段階で必要な部品3Dデータベースを生成することとを含んでいる。前記部品の設計属性情報は、部品の三次元データ、パッケージング情報及び/又は動作パラメータ情報を含んでいる。
【0026】
具体的には、前記部品3Dデータベースは手動でデータ入力することができ、テンプレート(Excel又は他の形式)により自動インポートすることもできる。データ形式はsql serverである。
【0027】
本実施例において、前記回路基板生産段階で必要な生産プロセステンプレートライブラリを構築するステップは、回路基板生産段階で蓄積された関連部品の生産プロセス情報を記憶させることで、回路基板生産段階で必要な生産プロセステンプレートライブラリを形成すること、又は、回路基板生産段階における部品の種類又は部品の外形に基づいて対応する生産プロセス情報を生成することで、回路基板生産段階で必要な生産プロセステンプレートライブラリを形成することを含んでいる。
【0028】
本実施例において、回路基板生産段階における部品の種類又は部品の外形に対応する生産プロセス情報は、吸着ノズル情報、フィーダ情報、カメラ情報及び/又はプロセスが要求する特殊設定情報を含んでいる。
【0029】
前記プロセスが要求する特殊設定情報はパラメータ情報の設定及びキャンセル情報を含み、生産初期状態のパラメータ設定値を更に含んでいる。
【0030】
前記生産プロセスデータの変換関係はコンフィグレーションファイルによって決定される。一部のデータは、所定の種類の部品をマウントするために、所定のパラメータが必要か否かに基づいて決定されたものであり、他のデータは、クライアントによって初期設定された値である。
【0031】
本実施例において、フィーダは生産ラインのチップマウンターに部品を供給する装置である。種類は、テープフィーダ、トレイフィーダ、スティックフィーダ等の形式がある。チップマウンターは毎回、自動的に1つを選択し、吸引してマウントする。前記フィーダ情報はテープフィーダ型番、トレイフィーダ型番及びスティックフィーダ型番を含んでいる。
【0032】
具体的には、生産プロセステンプレートライブラリのソースは2つ存在している。1つは、生産過程において蓄積された関連部品の生産プロセス情報を、生産プロセステンプレートライブラリに保存したものである。もう1つは、蓄積されていない部品について、コンフィグレーションテーブルによって生産プロセス情報を生成し、生産プロセステンプレートライブラリに保存したものである。
【0033】
具体的には、前記コンフィグレーションテーブルは、部品種類(又は外形識別)と生産プロセス情報との対応関係が示されたものである。
【0034】
具体的には、前記コンフィグレーションテーブルの機能として、現時点で既知である部品種類、寸法情報等の情報を通じて、必要なプロセス情報を自動的に推奨することが挙げられる。推奨される判断条件のパラメータは、コンフィグレーションファイルによって指定される。例えば、現在、長さ0.6mm、幅0.3mmの寸法の部品が存在するとした場合、この寸法には「3×8mm S 0201」のフィーダを配置し、906RVの吸着ノズルを選択する等である。
【0035】
S12において、前記部品3Dデータベースと前記生産プロセステンプレートライブラリに対してデータ変換を行うことで、生産段階で適用する際に使用される部品画像ライブラリを生成する。
【0036】
本実施例において、前記部品3Dデータベースと前記生産プロセステンプレートライブラリに対してデータ変換を行うことで、生産段階で適用する際に使用される部品画像ライブラリを生成するステップは、部品種類情報によって前記部品3Dデータベースと前記生産プロセステンプレートライブラリを関連付け、部品の三次元モデルと部品の生産プロセスデータをそれぞれ抽出することと、部品の三次元モデルと部品の生産プロセスデータを1対1の画像データとして関連付けることで、前記部品画像ライブラリを形成することとを含んでいる。
【0037】
本実施例において、前記画像ライブラリのデータは変換されることにより生成された後、データベースのMDBファイルに記憶され、回路基板生産に用いられるチップマウンターのシステムソフトウェアに保存される。
【0038】
具体的には、ASMのチップマウンターを例とすると、前記画像ライブラリはシステムソフトウェアに関連付けられたsql serverデータベースに保存される。本実施例において、MDBファイルが提供されることで当該データが一時的に記憶される。
【0039】
具体的には、部品の三次元データと部品の生産プロセス情報が結び付けられて生産段階で必要な画像ライブラリが生成された後、部品3Dデータベース内の部品データは設計段階で出力されて設計、シミュレーションが行われ、前記部品画像ライブラリは生産段階で出力され使用される。本発明における三次元部品ライブラリに基づいてマウントデータを生成する方法の一実施例におけるフローチャートである
図2を参照されたい。
【0040】
前記設計段階とはPCBの設計過程及びシミュレーション過程のことである。PCB設計過程において部品の三次元データ、パッケージング情報、動作パラメータ等の情報を使用する必要があり、前記部品の三次元データ、パッケージング情報、動作パラメータ等はサプライヤが提供する製品マニュアルから取得することができる。この情報と材料コードを対応させて部品3Dデータベースを生成する。なお、部品の三次元データは、部品3Dデータベースから出力できるほか、後に続く設計、シミュレーション過程から出力することもできる。部品3Dデータベース内における部品の三次元データ、パッケージング情報等を設計過程で適用し、また、動作パラメータ等をシミュレーション過程で適用する。
【0041】
前記生産段階とは前記部品画像ライブラリを用いて回路基板生産操作を行うことであり、以下の具体的なステップを含んでいる。
【0042】
まず、チップマウンターのシステムソフトウェアを通じて、前記部品種類情報リストをエクスポートする。
【0043】
次いで、前記部品種類情報リストが前記部品種類に基づいて前記画像ライブラリ内を検索し、sql serverデータベース内から部品の画像ライブラリ情報を検索する。
【0044】
更に、検索結果に基づいて前記部品の画像ライブラリ情報を回路基板生産過程にインポートする。前記部品の画像ライブラリ情報は生産で必要な部品情報であり、部品3Dデータベースのデータと生産プロセステンプレートライブラリのデータとが組み合わせられることにより生成されるもので、部品外形、識別種、マウント関連コンフィグレーションパラメータ等が含まれている。
【0045】
本実施例において、前記生産プロセステンプレートライブラリは、異なる生産システムに対して設定される異なる生産プロセステンプレートライブラリ又は異なる生産システムに対して設定された共通の生産プロセステンプレートライブラリを含んでいる。
【0046】
具体的には、本実施例は複数の生産システムにおける2つの適用方法を提供する。本発明における三次元部品ライブラリに基づいてマウントデータを生成する方法の一実施例における複数対複数の生産システム構造図である
図3、及び本発明における三次元部品ライブラリに基づいてマウントデータを生成する方法の一実施例における一対複数の生産システム構造図である
図4をそれぞれ参照されたい。
【0047】
図3に示すように、第1の方法は、複数の生産システムと複数のテンプレートライブラリによる変換である。
【0048】
生産システムが複数である場合、必要な生産プロセスが異なり、内容も一つではないため、異なる生産システムのために異なる生産プロセステンプレートライブラリを設定する。
【0049】
部品3Dデータベースから部品三次元データを取り出し、異なる生産プロセステンプレートライブラリから各々の生産プロセスデータを取り出して、組み合わせて、異なる生産システムに用いる画像ライブラリを複数生成する。更に、生産システムは生産プロセステンプレートライブラリを更新することもできる。
【0050】
図4に示すように、第2の方法は、複数の生産システムと共通テンプレートライブラリによる変換である。
【0051】
生産システムが複数である場合、生産プロセステンプレートライブラリを1つのみ設置することもでき、全ての生産プロセス情報が異なる生産システムに基づいて区分される。
【0052】
部品3Dデータベースから部品三次元データを取り出し、生産プロセステンプレートライブラリから対応する生産プロセスデータを取り出して、生産システム種別に基づいて部品三次元データと生産プロセスデータとを組み合わせて画像ライブラリを生成し、異なる生産システムに適用する。更に、生産システムは生産プロセステンプレートライブラリを更新することもできる。
【0053】
本実施例において、生産システムの実施例はシーメンス社のSiplace Proシステムであり、かつ、生産データ変換モードは2つ存在する。
【0054】
1つは、手動変換モードを用いて、サプライヤが提供する電子部品生産マニュアルから電子部品の寸法データ、パラメータデータ等を取得し、部品3Dデータベースに入力する。
【0055】
部品3Dデータベースから部品三次元データを取り出す。
【0056】
変換する必要のある部品を手動で入力するか、又は関連ファイルをインポートして変換部品リストを生成する。
【0057】
変換部品リストに従って部品三次元データをパターン情報に変換し、生産プロセステンプレートライブラリから生産プロセスデータ(フィーダ、カメラ、吸着ノズル、マウント等)を抽出する。設定された条件に従って変換を実行する。前記設定された条件は、ある回路基板を生産、製作する過程において、当該回路基板が必要とする部品種類情報である。部品種類情報は部品3Dデータベースに事前に記憶されている。
【0058】
変換結果を調査して、変換報告を出力する。Siplace ProのAPIインターフェースを通じて変換結果を生産段階のSiplace ProシステムComponent、component Shapeライブラリに出力し、後に続く生産を行う。
【0059】
もう1つは、自動変換モードを用いて、サプライヤが提供する電子部品生産マニュアルから電子部品の寸法データ、パラメータデータ等を取得し、部品3Dデータベースに入力する。更に入力時間を記録する。
【0060】
部品3Dデータベースから部品三次元データを取り出す。
【0061】
設定された自動変換周期に従って、前回の変換時間から構築し始めた部品を定時に自動検索し、変換リストを取得する。
【0062】
変換部品リストに従って部品三次元データをパターン情報に変換し、生産プロセステンプレートライブラリから生産プロセスデータ(フィーダ、カメラ、吸着ノズル、マウント等)を抽出する。設定された条件に従って変換を実行する。前記設定された条件は、所定の回路基板を生産、製作する過程において、当該回路基板が必要とする部品種類情報である。部品種類情報は部品3Dデータベースに事前に記憶されている。
【0063】
変換結果を調査して、変換報告を出力する。Siplace ProのAPIインターフェースを通じて変換結果を生産段階のSiplace ProシステムComponent、component Shapeライブラリに出力し、後に続く生産を行う。
【0064】
変換未達報告を手動変換モードに出力する。
【0065】
本実施例はコンピュータプログラムが記憶されたコンピュータ読み取り可能な記憶媒体を提供する。当該コンピュータプログラムがプロセッサによって実行されるとき、前記三次元部品ライブラリに基づいてマウントデータを生成する方法が実行される。
【0066】
当業者であれば、上述の各方法における実施例の全部又は一部のステップの実現は、コンピュータプログラムに関連するハードウェアを通じて完了可能であることを理解することができる。上述したコンピュータプログラムは、コンピュータ読み取り可能な記憶媒体中に記憶させることができる。当該プログラムが実行される場合、上述の各方法における実施例を含むステップが実行される。また、上述の記憶媒体にはROM、RAM、磁気ディスク又は光ディスク等のプログラムコードを記憶することができる各種媒体が含まれている。
【0067】
本実施例における前記三次元部品ライブラリに基づいてマウントデータを生成する方法と従来の工程とを比較すると、本発明は多くの重複業務を取り除くことができ、手動に代わって自動化が可能であり、従来の方法と比較して時間を60%~80%節約することができる。電子部品データにおける設計段階での適用と生産段階での適用を結び付けることで、データの統一性及び正確性を保証し、異なる生産システムに対する包括性も有している。更に、電子部品データの管理を最適化することもできる。
【実施例2】
【0068】
本実施例は三次元部品ライブラリに基づいてマウントデータを生成するシステムを提供する。前記三次元部品ライブラリに基づいてマウントデータを生成するシステムは、回路基板設計段階で必要な部品3Dデータベースを構築するため及び回路基板生産段階で必要な生産プロセステンプレートライブラリを構築するために用いられるデータベース構築モジュールと、前記部品3Dデータベースと前記生産プロセステンプレートライブラリに対してデータ変換を行うことで、生産段階で適応用する際に使用される部品画像ライブラリを生成するために用いられる変換モジュールとを含んでいる。
【0069】
以下、図面を参照しながら本実施例が提供する三次元部品ライブラリに基づいてマウントデータを生成するシステムについて詳細に説明する。説明すべき点として、以下のシステムにおける各モジュールの区分は論理機能の区分にすぎず、実際に実現する際には、全部又は一部を1つの物理的実体に集積することができ、物理的に別々にすることもできると解釈すべきである。かつ、これらのモジュールは、全てを処理素子によってソフトウェアを呼び出す形式で実現してもよく、全てをハードウェアの形式で実現してもよく、更に、一部のモジュールを処理素子によってソフトウェアを呼び出す形式で実現し、一部のモジュールをハードウェアの形式で実現してもよい。例えば、xモジュールは、単独で設けられる処理素子を用いることができ、いずれかのチップ内に集積することによっても実現することができる。このほか、xモジュールは、プログラムコードの形式でメモリに記憶させ、いずれかの処理素子によって呼び出されて以下のxモジュールの機能を実行させることもできる。
その他のモジュールの実現は上記と類似する。これらのモジュールは全部又は一部を一体に集積することができ、単独で実現することもできる。ここで述べる処理素子には集積回路を用いることができ、信号の処理能力を有する。実現過程において、上述の方法における各ステップ又は以下の各モジュールは、プロセッサ素子内のハードウェアの集積論理回路又はソフトウェア形式の命令を通じて完了することができる。例えば、1つ又は複数の特定用途向け集積回路(Application Specific Integrated Circuit,ASICと略称する)、1つ又は複数のマイクロプロセッサ(Digital Signal Processing,DSPと略称する)、1つ又は複数のフィールドプログラマブルゲートアレイ(Field Programmable Gate Array,FPGAと略称する)等、これらのモジュールは、以上の方法を実現するように配置される1つ又は複数の集積回路であればよい。例えば、中央処理装置(Central Processing Unit,CPUと略称する)又は他のプログラムコードを呼び出すことができるプロセッサなど、いずれかのモジュールが処理素子を通じてプログラムコードを呼び出す形式で実現させるときには、当該処理素子は汎用プロセッサを用いることができる。これらのモジュールは一体に集積することができ、システムオンチップ(System-on-a-chip,SOCと略称する)の形式で実現することができる。
【0070】
本発明における三次元部品ライブラリに基づいてマウントデータを生成する方法の一実施例における構造原理図である
図5を参照されたい。
図5に示すように、前記三次元部品ライブラリに基づいてマウントデータを生成するシステム2は、データベース構築モジュール21及び変換モジュール22を含んでいる。
【0071】
本実施例において、前記データベース構築モジュール21を用いて前記部品3Dデータベース及び回路基板生産段階で必要な生産プロセステンプレートライブラリの構築が行われる。
【0072】
前記部品3Dデータベース及び前記生産プロセステンプレートライブラリに対して前記変換モジュール22を通じてデータ変換を行うことで、生産段階で適用する際に使用される部品画像ライブラリが生成される。
【実施例3】
【0073】
本実施例は、プロセッサ、メモリ、トランシーバ、通信インターフェース及び/又はシステムバスを含むデバイスを提供する。メモリ及び通信インターフェースはシステムバスを介してプロセッサ及びトランシーバに接続されており、相互間の通信を実現する。メモリはコンピュータプログラムを記憶するために用いられ、通信インターフェースは他のデバイスと通信を行うために用いられ、プロセッサ及びトランシーバはコンピュータプログラムを動作せるために用いられ、前記デバイスに実施例1で述べた三次元部品ライブラリに基づいてマウントデータを生成する方法の各ステップを実行させる。
【0074】
上記で言及したシステムバスは、周辺機器相互接続標準(Peripheral Component Interconnect,PCIと略称する)バス又は拡張業界標準アーキテクチャ(Extended Industry Standard Architecture,EISAと略称する)バス等であってよい。当該システムバスは、アドレスバス、データバス、コントロールバス等に分けることができる。通信インターフェースはデータベースアクセス装置と他のデバイス(例えば、クライアント端末、読み取り・書き込みライブラリ及び読み取り専用ライブラリ)との間の通信を実現するために用いられる。メモリは、ランダムアクセスメモリ(Random Access Memory,RAMと略称する)を含んでいてもよく、不揮発性メモリ(non-volatile memory)を更に含んでいてもよく、例えば、少なくとも1つの磁気ディスクメモリである。
【0075】
上述のプロセッサは、中央処理装置(Central Processing Unit,CPUと略称する)、ネットワークプロセッサ(Network Processor,NPと略称する)等を含む汎用プロセッサであってもよく、デジタルシグナルプロセッサ(Digital Signal Processing,DSPと略称する)、特定用途向け集積回路(Application Specific Integrated Circuit,ASICと略称する)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(Field Programmable Gate Array,FPGAと略称する)又は他のプログラム可能論理デバイス、離散ゲート若しくはトランジスタ論理デバイス、離散ハードウェア部品であってもよい。
【0076】
本発明で述べる三次元部品ライブラリに基づいてマウントデータを生成する方法の保護範囲は本実施例で挙げるステップの実行順序に限定されるものではなく、本発明の原理に基づいて行われる従来技術のステップの増減、ステップの置換が実現する方案はいずれも本発明の保護範囲内に含まれるものとする。
【0077】
本発明は、三次元部品ライブラリに基づいてマウントデータを生成するシステムを更に提供する。前記三次元部品ライブラリに基づいてマウントデータを生成するシステムは、本発明で述べる三次元部品ライブラリに基づいてマウントデータを生成する方法を実現することができるが、本発明で述べる三次元部品ライブラリに基づいてマウントデータを生成する方法を実現する装置は、本実施例が挙げる三次元部品ライブラリに基づいてマウントデータを生成するシステムの構造を含むがこれらに限定されるものではない。本発明の原理に基づいて行われる従来技術の構造変形及び置換はいずれも本発明の保護範囲内に含まれる。
【0078】
以上に述べたように、本発明で述べる三次元部品ライブラリに基づいてマウントデータを生成する方法、システム、媒体及びデバイスと従来の工程とを比較すると、本発明は多くの重複業務を取り除くことができ、手動に代わって自動化することができ、従前の方法と比較して時間を60%~80%節約することができる。また、電子部品データにおける設計段階での適用と生産段階での適用を結び付けることで、データの統一性及び正確性を保証し、異なる生産システムに対する包括性も有する。更に、電子部品データの管理を最適化することもできる。本発明は従来技術における種々の欠点を効果的に解決できるため、高度な産業利用価値を有している。
【0079】
上記の実施例は本発明の原理及びその効果を例示的に説明するにすぎず、本発明を限定するためのものではない。本技術を熟知する者であれば、本発明の精神及び範囲を逸脱せずに上記の実施例に対する補足又は変更を行うことができる。したがって、当業者が本発明で開示する精神と技術思想を逸脱することなく完了するあらゆる等価の補足又は変更は、依然として本発明の請求の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0080】
2 三次元部品ライブラリに基づいてマウントデータを生成するシステム
21 データベース構築モジュール
22 変換モジュール
S11~S12 三次元部品ライブラリに基づいてマウントデータを生成する方法におけるステップ
【国際調査報告】