(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-03-31
(54)【発明の名称】タイミングアドバンスを決定するための方法および装置
(51)【国際特許分類】
H04W 56/00 20090101AFI20220324BHJP
H04W 84/06 20090101ALI20220324BHJP
H04W 64/00 20090101ALI20220324BHJP
H04W 74/08 20090101ALI20220324BHJP
【FI】
H04W56/00 130
H04W84/06
H04W64/00 171
H04W74/08
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021547509
(86)(22)【出願日】2020-01-15
(85)【翻訳文提出日】2021-08-13
(86)【国際出願番号】 CN2020072323
(87)【国際公開番号】W WO2020164362
(87)【国際公開日】2020-08-20
(31)【優先権主張番号】201910115060.0
(32)【優先日】2019-02-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(31)【優先権主張番号】201910185664.2
(32)【優先日】2019-03-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
(71)【出願人】
【識別番号】510065207
【氏名又は名称】大唐移▲動▼通信▲設▼▲備▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】DATANG MOBILE COMMUNICATIONS EQUIPMENT CO., LTD.
【住所又は居所原語表記】1/F, Building 1, No.5 Shangdi East Road, Haidian District,Beijing 100085, China
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】任 斌
(72)【発明者】
【氏名】▲繆▼ ▲徳▼山
(72)【発明者】
【氏名】▲孫▼ 韶▲輝▼
(72)【発明者】
【氏名】康 ▲紹▼莉
【テーマコード(参考)】
5K067
【Fターム(参考)】
5K067AA23
5K067DD23
5K067DD24
5K067DD30
5K067EE02
5K067EE07
5K067EE10
5K067JJ56
(57)【要約】
本発明の実施形態は、NTNシステムのランダムアクセスプロセスにおけるタイミングアドバンス確立に適用される、タイミングアドバンスを決定するための方法および装置に関する。本発明の実施形態による前記方法は、構成メッセージ内の関連パラメータを受信および取得するステップと、セル共通遅延情報に従い、構成メッセージ受信位置に対するアップリンク送信タイミング位置のアップリンクタイミングアドバンスを決定するステップとを含み、前記関連パラメータは、前記セル共通遅延情報を含む。NTNシステムのセル共通遅延情報に従って、アップリンク送信タイミング位置を決定し、PRACH Preambleを事前に送信することにより、NTNシステムに適用される、ランダムアクセスプロセスにおけるタイミングアドバンスを確立する問題を解決し、ランダムアクセスプロセス処理後のデータ伝送時のプロセスにおけるタイミングアドバンスの計算精度を保証することができる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
構成メッセージ内の関連パラメータを受信および取得するステップと、
セル共通遅延情報に従い、構成メッセージ受信位置に対するアップリンク送信タイミング位置のアップリンクタイミングアドバンスを決定するステップとを含み、
前記関連パラメータは、前記セル共通遅延情報を含むことを特徴とする、端末によるタイミングアドバンスを決定するための方法。
【請求項2】
前記セル共通遅延情報に従い、構成メッセージ受信位置に対するアップリンク送信タイミング位置のアップリンクタイミングアドバンスを決定ステップは、
端末のユーザーリンク伝搬パスと衛星への事前設定された位置にある参考端末の最小リンク遅延パスとの間の伝搬距離差に対応する相対的な伝送遅延を推定ステップと、
前記セル共通遅延情報に従い、ブロードキャストセル共通遅延とスロットの整数倍との間の偏差のセルレベルのタイミングアドバンスを決定ステップと、
前記相対的な伝送遅延およびセルレベルのタイミングアドバンスに従ってアップリンクタイミングアドバンスを決定するステップとを含むことを特徴とする、請求項1に記載の端末によるタイミングアドバンスを決定するための方法。
【請求項3】
前記参考端末は、衛星に最も近くに配置された地上参考端末、または、衛星に対して設定された高度にある非地上参考端末を含むことを特徴とする、請求項2に記載の端末によるタイミングアドバンスを決定するための方法。
【請求項4】
前記衛星に対して設定された高度にある非地上参考端は、地上から最も高い非地上参考端末を含むことを特徴とする、請求項3に記載の端末によるタイミングアドバンスを決定するための方法。
【請求項5】
前記端末のユーザーリンク伝搬パスと衛星への事前設定された位置にある参考端末の最小リンク遅延パスとの間の伝搬距離差に対応する相対的な伝送遅延を推定するステップは、
グローバルナビゲーション衛星システム(GNSS)信号に従い、前記端末の測位情報を決定し、エフェメリスを介して衛星の運用パラメータ情報を取得するステップと、
前記測位情報および衛星の運用パラメータ情報に従い、端末のユーザーリンク伝搬パスと衛星への事前設定された位置にある参考端末の最小リンク遅延パスとの間の伝搬距離差を推定するステップと、
前記伝搬距離差に対応する相対的な伝送遅延を決定するステップとを含むことを特徴とする、請求項2に記載の端末によるタイミングアドバンスを決定するための方法。
【請求項6】
前記相対的な伝送遅延およびセルレベルのタイミングアドバンスに従ってアップリンクタイミングアドバンスを決定するステップは、
相対的な送信遅延の2倍とセルレベルタイミングアドバンスの合計を求めて、アップリンクタイミングアドバンスを取得するステップを含むことを特徴とする、請求項2に記載の端末によるタイミングアドバンスを決定するための方法。
【請求項7】
ランダムアクセス応答(RAR)メッセージを受信し、前記RARメッセージ内の現在のアップリンクタイミングアドバンス調整量を取得し、
前記現在のアップリンクタイミングアドバンス調整量に従い、構成メッセージ受信位置に対するアップリンク送信タイミング位置のアップリンクタイミングアドバンスを調整することを特徴とする、請求項1に記載の端末によるタイミングアドバンスを決定するための方法。
【請求項8】
物理ダウンリンク共有チャネル(PUSCH)のサブキャリア間隔(SCS)が120KHzである場合、前記アップリンクタイミングアドバンス調整量は16ビットの命令を占有することを特徴とする、請求項7に記載の端末によるタイミングアドバンスを決定するための方法。
【請求項9】
RARメッセージを受信し、前記RARメッセージ内の現在のアップリンクタイミングアドバンス調整量を取得するステップと、
ダウンリンクビーム参考信号(BRS)パイロットを周期的または非周期的に測定することによって現在のアップリンクタイミングアドバンスを更新するステップとをさらに含むことを特徴とする、請求項1から請求項6のいずれか一項に記載の端末によるタイミングアドバンスを決定するための方法。
【請求項10】
前記ダウンリンクビーム参考信号(BRS)パイロットを周期的または非周期的に測定することによって現在のアップリンクタイミングアドバンスを更新するステップは、
ダウンリンクビーム参考信号(BRS)パイロットを周期的または非周期的に測定することによって衛星の移動速度と端末の移動速度を決定するステップと、
前記衛星の移動速度、端末の移動速度および衛星の動作周波数帯域に従い、現在のアップリンクタイミングアドバンスの調整ステップ長を決定するステップと、
前記調整ステップ長に従い、現在のアップリンクタイミングアドバンスを更新するステップとを含むことを特徴とする、請求項9に記載の端末によるタイミングアドバンスを決定するための方法。
【請求項11】
前記衛星の移動速度、端末の移動速度および衛星の動作周波数帯域に従い、現在のアップリンクタイミングアドバンスの調整ステップ長を決定するステップは、
衛星の動作周波数帯域に従い、受信した構成メッセージ内のサイクリックプレフィックスCPの長さを決定するステップと、
衛星速度と端末速度の合計値の速度範囲に対応する調整係数を決定するステップと、
前記CPの長さと調整係数に従い、現在のアップリンクタイミングアドバンスの調整ステップ長を決定するステップとを含むことを特徴とする、請求項10に記載の端末によるタイミングアドバンスを決定するための方法。
【請求項12】
次の式で、前記調整ステップ長に従い、現在のアップリンクタイミングアドバンスを更新し、
【数1】
ここで、T
Aは、RARメッセージ内のアップリンクタイミングアドバンス調整量であり、N
delta-TA,UEは前記調整ステップ長であることを特徴とする、請求項10に記載の端末によるタイミングアドバンスを決定するための方法。
【請求項13】
次の式で、前記CPの長さと調整係数に従い、現在のアップリンクタイミングアドバンスの調整ステップ長を決定し、
【数2】
ここで、1/Mは調整係数であり、Mは1以上の正の整数、N
CPは決定されたCPの長さであることを特徴とする、請求項10に記載の端末によるタイミングアドバンスを決定するための方法。
【請求項14】
セル共通遅延情報を決定するステップと、
関連パラメータが含まれる構成メッセージを端末に送信ステップとを含み、
前記関連パラメータは、前記セル共通遅延情報を含み、前記セル共通遅延情報は、前記端末の構成メッセージ受信位置に対するアップリンク送信タイミング位置のアップリンクタイミングアドバンスを決定するように構成されることを特徴とする、ネットワーク側装置によるタイミングアドバンスを決定するための方法。
【請求項15】
端末によって送信された物理層ランダムアクセスチャネルランダムアクセスプリアンブル(PRACH Preamble)が検出された後、アップリンクタイミングアドバンス調整量を決定し、ランダムアクセス応答(RAR)メッセージを介して前記端末に送信することを特徴とする、請求項14に記載のネットワーク側装置によるタイミングアドバンスを決定するための方法。
【請求項16】
物理ダウンリンク共有チャネル(PUSCH)のサブキャリア間隔(SCS)が120KHzである場合、前記アップリンクタイミングアドバンス調整量は16ビットの命令を占有することを特徴とする、請求項15に記載のネットワーク側装置によるタイミングアドバンスを決定するための方法。
【請求項17】
前記アップリンクタイミングアドバンス調整量を決定するステップは
端末によって送信されたPRACHプリアンブルが検出される検出位置およびセル共通遅延情報に従い、端末に対応する時間同期スロット数を選択するステップと、
前記時間同期スロット数に従い、現在のアップリンクタイミングアドバンス調整量を決定するステップとを含むことを特徴とする、請求項15に記載のネットワーク側装置によるタイミングアドバンスを決定するための方法。
【請求項18】
プロセッサと、メモリと、送受信機とを含み、
前記送受信機は、プロセッサの制御下でデータを送受信するように構成され、
前記メモリはコンピュータ命令を格納するように構成され、
前記プロセッサは、前記メモリ内のコンピューター命令を読み取って、
構成メッセージ内の関連パラメータを受信および取得し、前記関連パラメータは、セル共通遅延情報を含み、
前記セル共通遅延情報に従い、構成メッセージ受信位置に対するアップリンク送信タイミング位置のアップリンクタイミングアドバンスを決定することを特徴とする、端末。
【請求項19】
前記プロセッサは、
端末のユーザーリンク伝搬パスと衛星への事前設定された位置にある参考端末の最小リンク遅延パスとの間の伝搬距離差に対応する相対的な伝送遅延を推定し、
前記セル共通遅延情報に従い、ブロードキャストセル共通遅延とスロットの整数倍との間の偏差のセルレベルのタイミングアドバンスを決定し、
前記相対的な伝送遅延およびセルレベルのタイミングアドバンスに従ってアップリンクタイミングアドバンスを決定することを特徴とする、請求項18に記載の端末。
【請求項20】
前記参考端末は、衛星に最も近くに配置された地上参考端末、または、衛星に対して設定された高度にある非地上参考端末を含むことを特徴とする、請求項19に記載の端末。
【請求項21】
前記衛星に対して設定された高度にある非地上参考端は、地上から最も高い非地上参考端末を含むことを特徴とする、請求項20に記載の端末。
【請求項22】
前記プロセッサは、
グローバルナビゲーション衛星システム(GNSS)信号に従い、前記端末の測位情報を決定し、エフェメリスを介して衛星の運用パラメータ情報を取得し、
前記測位情報および衛星の運用パラメータ情報に従い、端末のユーザーリンク伝搬パスと衛星への事前設定された位置にある参考端末の最小リンク遅延パスとの間の伝搬距離差を推定し、
前記伝搬距離差に対応する相対的な伝送遅延を決定することを特徴とする、請求項19に記載の端末。
【請求項23】
前記プロセッサは、
相対的な送信遅延の2倍とセルレベルタイミングアドバンスの合計を求めて、アップリンクタイミングアドバンスを取得することを特徴とする、請求項19に記載の端末。
【請求項24】
前記プロセッサはさらに、
RARメッセージを受信し、前記RARメッセージ内の現在のアップリンクタイミングアドバンス調整量を取得し、
前記現在のアップリンクタイミングアドバンス調整量に従い、構成メッセージ受信位置に対するアップリンク送信タイミング位置のアップリンクタイミングアドバンスを調整することを特徴とする、請求項18に記載の端末。
【請求項25】
物理ダウンリンク共有チャネル(PUSCH)のサブキャリア間隔(SCS)が120KHzである場合、前記アップリンクタイミングアドバンス調整量は16ビットの命令を占有することを特徴とする、請求項24に記載の端末。
【請求項26】
前記プロセッサはさらに、
RARメッセージを受信し、前記RARメッセージ内の現在のアップリンクタイミングアドバンス調整量を取得し、
ダウンリンクビーム参考信号(BRS)パイロットを周期的または非周期的に測定することによって現在のアップリンクタイミングアドバンスを更新することを特徴とする、請求項18から請求項23のいずれか一項に記載の端末。
【請求項27】
前記プロセッサは、
ダウンリンクビーム参考信号(BRS)パイロットを周期的または非周期的に測定することによって衛星の移動速度と端末の移動速度を決定し、
前記衛星の移動速度、端末の移動速度および衛星の動作周波数帯域に従い、現在のアップリンクタイミングアドバンスの調整ステップ長を決定し、
前記調整ステップ長に従い、現在のアップリンクタイミングアドバンスを更新することを特徴とする、請求項26に記載の端末。
【請求項28】
前記プロセッサは、
衛星の動作周波数帯域に従い、受信した構成メッセージ内のサイクリックプレフィックスCPの長さを決定し、
衛星速度と端末速度の合計値の速度範囲に対応する調整係数を決定し、
前記CPの長さと調整係数に従い、現在のアップリンクタイミングアドバンスの調整ステップ長を決定することを特徴とする、請求項27に記載の端末。
【請求項29】
前記プロセッサは、具体的に次の式で、前記調整ステップ長に従い、現在のアップリンクタイミングアドバンスを更新する:
【数3】
ここで、T
Aは、RARメッセージ内のアップリンクタイミングアドバンス調整量であり、N
delta-TA,UEは前記調整ステップ長である。ことを特徴とする、請求項27に記載の端末。
【請求項30】
前記プロセッサは、次の式で、決定されたCPの長さおよび調整係数に従い、現在のアップリンクタイミングアドバンスの調整ステップ長を決定し、
【数4】
ここで、1/Mは調整係数であり、Mは1以上の正の整数、N
CPは決定されたCPの長さであることを特徴とする、請求項28に記載の端末。
【請求項31】
プロセッサと、メモリと、送受信機とを含み、
前記送受信機は、プロセッサの制御下でデータを送受信するように構成され、
前記メモリは、コンピュータ命令を格納するように構成され、
前記プロセッサは、前記メモリ内のコンピューター命令を読み取って、
セル共通遅延情報を決定し、
関連パラメータが含まれる構成メッセージを端末に送信し、前記関連パラメータは、前記セル共通遅延情報を含み、前記セル共通遅延情報は、前記端末の構成メッセージ受信位置に対するアップリンク送信タイミング位置のアップリンクタイミングアドバンスを決定するように構成されることを特徴とする、ネットワーク側装置。
【請求項32】
前記プロセッサは、
端末によって送信された物理層ランダムアクセスチャネルランダムアクセスプリアンブル(PRACH Preamble)が検出された後、アップリンクタイミングアドバンス調整量を決定し、RARメッセージを介してアップリンクタイミングアドバンス調整量を前記端末に送信することを特徴とする、請求項31に記載のネットワーク側装置。
【請求項33】
物理ダウンリンク共有チャネル(PUSCH)のサブキャリア間隔(SCS)が120KHzである場合、前記アップリンクタイミングアドバンス調整量は16ビットの命令を占有することを特徴とする、請求項32に記載のネットワーク側装置。
【請求項34】
前記プロセッサは、
端末によって送信されたPRACHプリアンブルが検出される検出位置およびセル共通遅延情報に従い、端末に対応する時間同期スロット数を選択し、
前記時間同期スロット数に従い、現在のアップリンクタイミングアドバンス調整量を決定することを特徴とする、請求項32に記載のネットワーク側装置。
【請求項35】
コンピュータ記憶媒体であって、
前記コンピュータ記憶媒体は、コンピュータ実行可能命令を記憶し、前記コンピュータ実行可能命令がプロセッサによって実行されるとき、請求項1から請求項13のいずれか一項に記載の方法のステップまたは請求項14から請求項17のいずれか一項に記載の方法のステップが実行されることを特徴とするコンピュータ記憶媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[関連出願の相互参照]
本出願は、2019年2月14日に中国特許局に提出し、出願番号が201910115060.0であり、発明名称が「タイミングアドバンスを決定するための方法および装置」、および2019年3月12日に中国特許局に提出し、出願番号が201910185664.2であり、発明名称が「タイミングアドバンスを決定するための方法および装置」との中国特許出願を基礎とする優先権を主張し、その開示の総てをここに取り込む。
【0002】
本発明は、非地上ネットワーク(Non-terrestrial networks,NTN)技術分野に関し、特にタイミングアドバンスを決定するための方法および装置に関する。
【背景技術】
【0003】
非地上ネットワーク(Non-terrestrial networks,NTN)は、従来のセルラー通信システムのセル半径よりもはるかに大きいセル半径を有する衛星通信システムを含み、大きな伝搬遅延を導入する。衛星通信システムによってカバーされるセルの特定のダウンリンクビームには、次の2種類のランダムアクセス同期遅延がある。
【0004】
1つは、共通伝送遅延である。
図1に示されるように、端末1は、衛星3からGPS(Global Positioning System,全地球測位システム)信号を受信し、正確な測位を実行する。同じビーム内の衛星の信号によると、これは、衛星に最も近い位置(端子1が配置されている場所)の最小リンク遅延T1とフィーダーリンク遅延T2の合計の2倍である。つまり共通伝送遅延は2(T1 + T2)である。ここで、フィーダーリンク遅延T2は、衛星からゲートウェイステーション2へのフィーダーリンク遅延である。
【0005】
他方は、相対的な伝送遅延である。
図2に示されるように、同じビームにおいて、端末のユーザーリンク伝搬パスと衛星1に最も近い位置の最小リンク遅延のパスとの間の伝搬距離差d3に対応する遅延T3は、相対的な伝送遅延である。
【0006】
新しい無線(New Radio,NR)システムでは、すべての物理ランダムアクセスチャネル(physical random access channel,PRACH)プリアンブルについて、現在のダウンリンクタイミング位置が基準タイミング位置と見なされ、アップリンク送信タイミング位置でタイミングアドバンスがない場合、式は次のとおりである。
【0007】
【0008】
ここで、NTA=0、つまりタイミングアドバンスはゼロであり、
【0009】
【0010】
は、端末がPRACHプリアンブルのアップリンクサブフレームの送信を開始するタイミング基準位置である。
【0011】
【0012】
は、端末がPRACHプリアンブルの送信を開始する時間、nはサブフレーム番号、NTA offsetは、時間分割複信(Time Division Duplexing,TDD)のモードで、基地局が信号の受信から信号の送信に変換する時間間隔である。また、周波数分割複信(Frequency Division Duplexing,FDD)システムの場合は、NTA offset=0である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
現在、タイミングアドバンスを確立するプロセスにおいて、アップリンク送信タイミング位置のタイミングアドバンスは考慮されておらず、上記のNTNシステムに2つの送信時間遅延が存在するため、上記の式でアップリンクPRACHプリアンブルの開始送信モーメントを決定すれば、アップリンクPRACHプリアンブルの決定された開始送信モーメントは遅延され、NTNシステムに適用することができない。要約すると、現在、NTNシステムに適したタイミングアドバンス確立メカニズムとメンテナンスメカニズムは存在しない。
【0014】
本発明は、NTNシステムのランダムアクセスプロセスを満たすようにタイミングアドバンス確立メカニズムを実現するように構成された、タイミングアドバンスを決定するための方法およびデバイスを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0015】
第1の態様では、本発明の実施形態によって提供される端末によるタイミングアドバンスを決定するための方法は、構成メッセージ内の関連パラメータを受信および取得するステップと、前記セル共通遅延情報に従い、構成メッセージ受信位置に対するアップリンク送信タイミング位置のアップリンクタイミングアドバンスを決定するステップとを含み、前記関連パラメータは、セル共通遅延情報を含む。
【0016】
オプションの実施形態として、前記セル共通遅延情報に従い、構成メッセージ受信位置に対するアップリンク送信タイミング位置のアップリンクタイミングアドバンスを決定するステップは、端末のユーザーリンク伝搬パスと衛星への事前設定された位置にある参考端末の最小リンク遅延パスとの間の伝搬距離差に対応する相対的な伝送遅延を推定するステップと、前記セル共通遅延情報に従い、ブロードキャストセル共通遅延とスロットの整数倍との間の偏差のセルレベルのタイミングアドバンスを決定するステップと、前記相対的な伝送遅延およびセルレベルのタイミングアドバンスに従ってアップリンクタイミングアドバンスを決定するステップとを含む。
【0017】
オプションの実施形態として、前記参考端末は、衛星に最も近くに配置された地上参考端末、または、衛星に対して設定された高度にある非地上参考端末を含む。
【0018】
オプションの実施形態として、前記参考端末は、地上から最も高い非地上参考端末を含む。
【0019】
オプションの実施形態として、前記端末のユーザーリンク伝搬パスと衛星への事前設定された位置にある参考端末の最小リンク遅延パスとの間の伝搬距離差に対応する相対的な伝送遅延を推定するステップは、グローバルナビゲーション衛星システム(GNSS)信号に従い、前記端末の測位情報を決定し、エフェメリスを介して衛星の運用パラメータ情報を取得するステップと、前記測位情報および衛星の運用パラメータ情報に従い、端末のユーザーリンク伝搬パスと衛星への事前設定された位置にある参考端末の最小リンク遅延パスとの間の伝搬距離差を推定するステップと、前記伝搬距離差に対応する相対的な伝送遅延を決定するステップとを含む。
【0020】
オプションの実施形態として、前記相対的な伝送遅延およびセルレベルのタイミングアドバンスに従ってアップリンクタイミングアドバンスを決定するステップは、相対的な送信遅延の2倍とセルレベルタイミングアドバンスの合計を求めて、アップリンクタイミングアドバンスを取得する。
【0021】
オプションの実施形態として、端末は、RARメッセージを受信し、前記RARメッセージ内の現在のアップリンクタイミングアドバンス調整量を取得し、前記現在のアップリンクタイミングアドバンス調整量に従い、構成メッセージ受信位置に対するアップリンク送信タイミング位置のアップリンクタイミングアドバンスを調整する。
【0022】
オプションの実施形態として、PUSCHのサブキャリア間隔が120 KHzの場合、前記アップリンクタイミングアドバンス調整量は16ビットの命令を占有する。
【0023】
オプションの実施形態として、さらに、ダウンリンクビーム参考信号(Beam specific Reference Signal,BRS)パイロットを周期的または非周期的に測定することによって、現在のアップリンクタイミングアドバンスを更新する。
【0024】
オプションの実施形態として、ダウンリンクビーム参考信号(BRS)パイロットを周期的または非周期的に測定することによって現在のアップリンクタイミングアドバンスを更新するステップは、ダウンリンクBRSパイロットを周期的または非周期的に測定することによって、衛星の移動速度と端末の移動速度を決定するステップと、前記衛星の移動速度、端末の移動速度および衛星の動作周波数帯域に従い、現在のアップリンクタイミングアドバンスの調整ステップ長を決定するステップと、前記調整ステップ長に従い、現在のアップリンクタイミングアドバンスを更新するステップとを含む。
【0025】
オプションの実施形態として、前記衛星の移動速度、端末の移動速度および衛星の動作周波数帯域に従い、現在のアップリンクタイミングアドバンスの調整ステップ長を決定するステップは、衛星の動作周波数帯域に従い、受信した構成メッセージ内のサイクリックプレフィックス(CP)の長さを決定するステップと、衛星速度と端末速度の合計値の速度範囲に対応する調整係数を決定するステップと、決定されたCPの長さおよび調整係数に従い、現在のアップリンクタイミングアドバンスの調整ステップ長を決定するステップを含む。
【0026】
オプションの実施形態として、次の式で前記調整ステップ長に応じて、現在のアップリンクタイミングアドバンスを更新する:
【0027】
【0028】
ここで、TAは、RARメッセージ内のアップリンクタイミングアドバンス調整量であり、Ndelta-TA,UEは前記調整ステップ長である。
【0029】
オプションの実施形態として、次の式で、決定されたCPの長さおよび調整係数に従い、現在のアップリンクタイミングアドバンスの調整ステップ長を決定する:
【0030】
【0031】
ここで、1/Mは調整係数であり、Mは1以上の正の整数、NCPは決定されたCPの長さである。
【0032】
第2の態様では、本発明の実施形態によって提供されるネットワーク側装置によるタイミングアドバンスを決定するための方法は、セル共通遅延情報を決定するステップと、関連パラメータが含まれる構成メッセージを端末に送信するステップとを含み、前記関連パラメータは、セル共通遅延情報を含み、前記セル共通遅延情報は、前記端末の構成メッセージ受信位置に対するアップリンク送信タイミング位置のアップリンクタイミングアドバンスを決定するように構成される。
【0033】
オプションの実施形態として、さらに、端末によって送信されたPRACHプリアンブルを検出した後、アップリンクタイミングアドバンス調整量を決定し、RARメッセージを介してアップリンクタイミングアドバンス調整量を前記端末に送信する。
【0034】
オプションの実施形態として、PUSCHのサブキャリア間隔が120 KHzの場合、前記アップリンクタイミングアドバンス調整量は16ビットの命令を占有する。
【0035】
オプションの実施形態として、アップリンクタイミングアドバンス調整量を決定するステップは、端末によって送信されたPRACHプリアンブルが検出される検出位置およびセル共通遅延情報に従い、端末に対応する時間同期スロット数を選択するステップと、前記時間同期スロット数に従い、現在のアップリンクタイミングアドバンス調整量を決定するステップとを含む。
【0036】
第3の態様では、本発明の実施形態によって提供される端末は、プロセッサと、メモリと、送受信機とを含み、前記送受信機は、プロセッサの制御下でデータを送受信するように構成され、前記メモリはコンピュータ命令を格納するように構成され、前記プロセッサは、メモリ内のコンピュータ命令を読み取り、上記の第1の態様で任意の方法を実行するように構成されている。
【0037】
第4の態様では、本発明の実施形態によって提供されるネットワーク側装置は、プロセッサと、メモリと、送受信機とを含み、前記送受信機は、プロセッサの制御下でデータを送受信するように構成され、前記メモリはコンピュータ命令を格納するように構成され、前記プロセッサは、メモリ内のコンピュータ命令を読み取り、上記の第2の態様で任意の方法を実行するように構成されている。
【0038】
第5の態様では、本発明の実施形態は、コンピュータ実行可能命令が格納されたコンピュータ記憶媒体を提供し、前記実行可能命令がプロセッサによって実行されるとき、上記の第1の態様の任意のスキームが実施される。
【0039】
第6の態様では、本発明の実施形態は、コンピュータ実行可能命令が格納されたコンピュータ記憶媒体を提供し、前記実行可能命令がプロセッサによって実行されるとき、上記の第2の態様の任意のスキームが実施される。
【発明の効果】
【0040】
本発明の実施形態は、主に、NTNシステムのランダムアクセスプロセスにおけるタイミングアドバンス調整量の確立メカニズムを目的として、タイミングアドバンス調整量を決定するための方法および装置を提供する。ランダムアクセス処理において、端末は、受信した構成メッセージ内のセル共通遅延情報に従い、アップリンク送信PRACH Preambleのタイミング位置を決定し、セル共通遅延情報に従って上記式のタイミングアドバンスNTAの値が決定される。NTNシステムに適用されるランダムアクセスプロセスにおけるアップリンク送信PRACH Preambleの開始送信モーメントが決定される。
【0041】
本発明に係る実施例や従来の技術方案をより明確に説明するために、以下に実施例を説明するために必要な図面をについて簡単に紹介する。無論、以下の説明における図面は本発明に係る実施例の一部であり、当業者は、創造性作業を行わないことを前提として、これらの図面に基づいて他の図面を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0042】
【
図1】本発明の実施形態によって提供されるNTNシステム共通伝送遅延の概略図である。
【
図2】本発明の実施形態によって提供されるNTNシステム相対的な伝送遅延の概略図である。
【
図3】本発明の実施形態によるNRシステムのアップリンクおよびダウンリンクフレームのタイミング関係の概略図である。
【
図4】本発明の実施形態によるNTNシステムのランダムアクセスプロセスの概略図である。
【
図5】本発明の実施形態によって提供されるタイミングアドバンスを決定するためのシステムの概略図である。
【
図6】本発明の実施形態によって提供されるタイミングアドバンスの確立プロセスの概略図である。
【
図7】本発明の実施形によって提供されるタイミングアドバンスを確立するための別のプロセスの概略図である。
【
図8】本発明の実施形態によって提供されるタイミングアドバンスの参考端末位置の概略図である。
【
図9】本発明の実施形によって提供されるタイミングアドバンスを確立するための最後のプロセスの概略図である。
【
図10】本発明の実施形によって提供されるタイミングアドバンスを決定するための第1の端末の概略図である。
【
図11】本発明の実施形によって提供されるタイミングアドバンスを決定するための第1のネットワーク側デバイスの概略図である。
【
図12】本発明の実施形によって提供されるタイミングアドバンスを決定するための第2の端末のブロック図である。
【
図13】本発明の実施形によって提供されるタイミングアドバンスを決定するための第2のネットワーク側装置のブロック図である。
【
図14】本発明の実施形態によって提供される端末によるタイミングアドバンスを決定するための方法のフローチャートである。
【
図15】本発明の実施形によって提供されるネットワーク側装置によるタイミングアドバンスを決定するための方法のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0043】
以下では、当業者の理解を容易にするために、本出願の実施形態におけるいくつかの用語が説明される。
【0044】
本発明の実施形態では、「および/または」は、関連するオブジェクトの関連関係を説明し、例えば、Aおよび/またはBは、「Aのみ」、「AおよびBの両方」、「Bのみ」との3つの関係があり得ることを示す。記号「/」は通常、関連するオブジェクトが一種の「または」関係にあることを示す。
【0045】
本発明の実施形態では、端末は、無線通信機能を備えた装置であり、屋内または屋外、ハンドヘルドまたは車載を含む陸上に展開することができる。または、水上(船など)に配備することもできる。または、空中(たとえば、飛行機、気球、衛星など)に展開することもできる。前記端末は、携帯電話(mobile phone)、パッド(pad)、無線トランシーバー機能を備えたコンピュータ、仮想現実(virtual reality,VR)端末、拡張現実(augmented reality,AR)端末、産業用制御(industrial control)の無線端末、自己運転(self driving)の無線端末、遠隔医療(remote medical)の無線端末、スマートグリッド(smart grid)の無線端末、輸送安全(transportation safety)の無線端末、スマートシティ(smart city)の無線端末、スマートホーム(smart home)の無線端末などであり得る。または、さまざまなフォーマットのUE、モバイルステーション(mobile station,MS)、端末装置(terminal device)の場合がある。
【0046】
ネットワーク側装置は、基地局、5GのgNB、無線ネットワークコントローラ(radio network controller,RNC)、ノードB(node B,NB)、基地局コントローラー(base station controller,BSC)、基地局トランシーバーステーション(base transceiver station,BTS)、ホーム基地局(たとえば、ホーム進化ノードB(home evolved nodeB)またはホームノードB(home node B,HNB))、ベースバンドユニット(BaseBand Unit,BBU)、送受信ポイント(transmitting and receiving point,TRP)、送信ポイント((transmitting point,TP)、モバイルスイッチングセンターなどを含むがこれらに限定されない。本発明の基地局は、将来登場する可能性のある他の通信システムの端末に無線通信機能を提供する装置でもある。
【0047】
本発明の目的、技術的解決策および利点をより明確にするために、本発明は、添付の図を参照して以下にさらに詳細に示される。明らかに、記載された実施形態は、本出願の実施形態の一部に過ぎず、すべての実施形態ではない。本発明の実施形態に基づいて、創造的な作業なしに当業者によって得られた他のすべての実施形態は、本発明の保護範囲に関係する。
【0048】
NRのタイミングアドバンス調整量の確立メカニズムに従い、UE側PRACHシーケンスの送信タイミング位置が決定され、NR物理層プロトコルTS38.211は、アップリンクとダウンリンクのフレームタイミングとアップリンクとの間の関係、およびUE側PRACHの送信タイミングを与える。プロトコル36.213は、UE側の物理アップリンク共有チャネル(physical uplink shared channel,PUSCH)、物理アップリンク制御チャネル(physical uplink control channel,PUCCH)、およびチャネルサウンディング参考信号(sounding reference signal,SRS)のアップリンク送信タイミングを与える。
【0049】
本発明の実施形態で使用されるパラメータの基本的な概念は、以下に与えられる。
1)TcおよびTs:パラメータTcは、NRプロトコルにおける基本単位である。
以下のとおり定義される。
【0050】
【0051】
2)アップリンクタイミングポイント:アップリンク送信信号の時点である。
3)ダウンリンクタイミングポイント:現在のサブフレームがダウンリンクサブフレームであると想定される場合の、フレーム構造内の現在のサブフレームの標準位置。
4)アップリンクタイミングアドバンス調整量:現在のアップリンク送信モーメントを参考点として、UEがアップリンクタイミング調整を実行するために必要な変化量を表す。ランダムアクセス応答では、コマンドワードには11ビットが含まれる。ランダムアクセスが完了した後、コマンドワードには6ビットが含まれる。調整ステップ長は16Tcの倍数である。
5)NTA:UE側によって局所的に維持されるタイミングアドバンスであり、ダウンリンクタイミングに対するアップリンク送信信号タイミングの差の値を表す。NTA>0は、アップリンク送信信号タイミングアドバンスを示し、NTA<0は、アップリンク送信信号のアップリンク延送信を示す。
6)NTA offset:TDDデュプレックスモードで基地局に受信から送信に切り替えるための時間間隔を提供するように構成される。 FR 1の場合、FDD周波数帯域、NR、LTEが共存するシナリオでは、NTA offset=0。
7)
【0052】
【0053】
アップリンクサブフレームがUE側でPRACHの送信を開始するタイミング参考位置。nはサブフレーム番号である。
8)
【0054】
【0055】
UE側のPRACHプリアンブルの送信開始モーメント。
【0056】
NRシステムのアップリンクとダウンリンクのフレームタイミングの関係は
図3のようであり、UE側のアップリンク無線フレーム送信モーメントは、UEのダウンリンク無線フレーム開始モーメントよりも(N
TA+ N
TA offset)×Tsだけ進んでいる。
【0057】
NRシステムのすべてのプリアンブルフォーマットで、PRACHの送信はNTA = 0とするように約定される。つまり、現在のダウンリンクタイミングへの参照がなく、アップリンク送信タイミングのタイミングアドバンスがないことを示す。式は次のように表される。
【0058】
【0059】
図4に示すように、本発明の実施形態によって提供されるタイミングアドバンス調整量を決定するための方法および装置は、主に、NTNシステムランダムアクセスプロセスにおけるタイミングアドバンス調整量の確立メカニズムを目的とし、以下、本発明の実施形態に適用されるNTNシステムランダムアクセスプロセスを説明する。
1)端末は、ゲートウェイステーションから受信した構成メッセージに従って構成メッセージ内の関連パラメータを取得し、アップリンク送信タイミングアドバンスを決定し、PRACHチャネルでプリアンブルコードを送信する。
2)ゲートウェイステーションは、端末によって送信されたPRACHプリアンブルが検出される検出位置およびセル共通遅延情報に従い、端末に対応する時間同期スロット数を選択し、選択された端末に対応する時間同期スロット数に従い、アップリンクタイミングアドバンス調整量を決定し、アップリンクタイミングアドバンス調整量に従い、ランダムアクセス応答(RAR)を送信する。
3)端末は、RARメッセージを受信し、RARメッセージ内のアップリンクタイミングアドバンス調整量に従い、アップリンクタイミングアドバンスを調整する。
4)受信したメッセージ3に応じて、端末競合解決を行い、メッセージ4を送信する。
【0060】
ランダムアクセスプロセスにおいて、端末は、受信した構成メッセージ内のセル共通遅延情報に従い、アップリンク送信PRACH Preambleのタイミング位置を決定し、セル共通遅延情報に従って決定された上記式のタイミングアドバンスNTAを決定し、NTNシステムに適用されるランダムアクセスプロセスにおけるアップリンク送信PRACH Preambleの開始送信モーメントが決定される。
【0061】
本発明の実施形態によって提供されるNTNシステムのランダムアクセスプロセスにおけるタイミングアドバンス調整量の確立メカニズムは、主にユーザ側端末によって実現され、ランダムアクセスプロセスにおいて、端末は、アップリンク送信モーメントを調整する。これは、新しい無線NRシステムのランダムアクセスプロセスにおいて、ダウンリンク受信タイミング位置がアップリンク送信タイミング位置として直接採用される既存のNRシステムのタイミングアドバンス調整量の確立とは異なる。本発明の実施形態によれば、確立メカニズムはNTNシステムに適用され、前記セル共通遅延情報に従い、構成メッセージ受信位置に対するアップリンク送信タイミング位置のアップリンクタイミングアドバンスを決定する。これにより、アップリンクタイミングアドバンスに従い、アップリンク送信タイミング位置を決定する。
【0062】
ランダムアクセスプロセスを実行する前に、端末は、アップリンク送信モーメントを調整するために、受信された構成メッセージ内のセル共通時間遅延情報に従ってアップリンク送信タイミング位置を決定し、すなわち、PRACHプリアンブルシーケンスがアドバンスまたは遅延され、アドバンスまたは遅延の送信のモーメントが決定されたアップリンク送信タイミング位置であり、前記アップリンク送信タイミング位置は、セル共通時間遅延情報に従って決定されるので、NTNシステムに適用されるタイミングアドバンスを決定するためのメカニズムを確立しそれによってNTNシステムの同期確立プロセスの信頼性と後続のデータ送信のタイミング精度が保証される。
【0063】
図5に示すように、本発明の実施形態によるタイミングアドバンスを決定するためのシステムは、端末500およびネットワーク側デバイス501を含む。
【0064】
端末500は、構成メッセージ内の関連パラメータを受信および取得し、前記関連パラメータは、セル共通遅延情報を含み、前記セル共通遅延情報に従い、構成メッセージ受信位置に対するアップリンク送信タイミング位置のアップリンクタイミングアドバンスを決定する。
【0065】
ネットワーク側装置501は、セル共通遅延情報を決定し、関連パラメータが含まれる構成メッセージを端末に送信し、前記関連パラメータは、セル共通遅延情報を含む。
【0066】
上記システムにおける端末とネットワーク側デバイスとの間のランダムアクセスプロセスにおいて、タイミングアドバンスの確立プロセスは以下の通りである。
【0067】
ランダムアクセスプロセスが実行される前、ネットワーク側装置がセル共通遅延情報を決定した後、関連パラメータが含まれる構成メッセージは、システム情報ブロック(System Information Block ,SIB)メッセージ(SIB1)を介して端末に送信される。
【0068】
前記関連パラメータは、セル共通遅延情報と、同期信号ブロック(Synchronization Signal Block,SSB)インデックスの集合と、PRACH時間周波数リソースと、PRACH Preambleフォーマットと、PRACH Preambleシーケンス集合のパラメータとを含む。
【0069】
ここで、本発明の実施形態におけるセル共通時間遅延情報は、NTNシステムがセルの特定のダウンリンクビームエリアをカバーするときに存在するランダムアクセス同期時間遅延であり、前記セル共通時間遅延情報は、ネットワーク側装置がシステムブロードキャストメッセージに従って取得した端末が配置されているビームエリアの共通伝送遅延である。ここで、前記端末は、地上または高空のいずれかに配置できる。
【0070】
ネットワーク側装置は、同じビーム内の衛星の星について、衛星に最も近い地理的位置での端末が衛星と通信することにより発生した最小リンク遅延T1と、衛星とネットワーク側装置間で生成されるフィーダーリンク遅延T2と従って、ブロードキャストセル共通遅延を取得し、前記ブロードキャストセル共通遅延は2(T1+T2)である。前記最小リンク遅延T1は、
図1のユーザーリンクT1に対応する。フィーダーリンク遅延T2は、
図1のフィーダーリンクT2に対応する。
図1のネットワーク側装置は、ゲートウェイステーション2であるが、特定の実施形態にすぎない。本発明の実施形態におけるネットワーク側装置は、ゲートウェイステーションまたは基地局を含むが、ゲートウェイステーションまたは基地局に限定されない。
【0071】
端末は、構成メッセージ内のセル共通時間遅延情報を受信および取得し、前記セル共通遅延情報に従い、構成メッセージ受信位置に対するアップリンク送信タイミング位置のアップリンクタイミングアドバンスを決定する。
【0072】
端末は、SIB1を介してネットワーク側装置によって送信された構成メッセージを受信し、取得された構成メッセージ内の関連パラメータは、セル共通時間遅延情報と、同期信号ブロック(SSB)インデックスの集合と、PRACH時間周波数リソースと、PRACHプリアンブルフォーマットと、PRACHプリアンブルシーケンス集合のパラメータとを含む。
【0073】
本発明の実施形態では、NTNシステムがセルの特定のダウンリンクビームエリアをカバーする場合、2つのタイプのランダムアクセス同期遅延があり、アップリンク送信タイミング位置が決定される。ここで、1つのタイプのランダムアクセス同期遅延は、前記セルの共通遅延情報を受信することにより、NTNシステムがセルの特定のダウンリンクビームエリアをカバーしていると、端末が判断したときに存在する共通伝送遅延である。
図1に示すように、共通伝送遅延は(T1+T2)である。他のタイプのランダムアクセス同期遅延は、端末のユーザーリンク伝搬パスと同じカバレッジセル内の衛星に最も近い地理的位置での最小リンク遅延のパスとの間の伝搬距離差に対応する遅延である。ここで、現在の記参考端末が衛星に最も近くに配置された地上参考端末である場合、ここで、前記伝搬距離の差は、
図3のd3に対応する。現在の記参考端末が衛星に対して設定された高度にある非地上参考端末である場合、前記伝搬距離の差は、
図8のd3に対応する。
【0074】
セル共通遅延情報に従い、構成メッセージ受信位置に対するアップリンク送信タイミング位置のアップリンクタイミングアドバンスを決定するための方法は、以下を含む。
1)端末のユーザーリンク伝搬パスと衛星への事前設定された位置にある参考端末の最小リンク遅延パスとの間の伝搬距離差に対応する相対的な伝送遅延が推定される。
具体的には、推定用の端末は、地上端末または非地上端末を含み、前記参考端末は、衛星に最も近くに配置された地上参考端末、または、衛星に対して設定された高度にある非地上参考端末を含む。ここで、衛星に対して設定された高度にある非地上参考端末は、地上から最も高い非地上参考端末を含み、例えば、地上から3000kmに位置する参考端末であり得る。
相対送信時間遅延は、参考位置が衛星に最も近い地上参考端末のアップリンク送信位置である場合に、衛星への所定の位置にある端末のアップリンク送信位置を参考位置とすることによって決定される。得られた相対送信時間遅延は
図2のd3であり、前記参考位置が地上から最も高い非地上参考端末のアップリンク送信位置である場合、得られた相対送信時間遅延は
図8のd3である。
2)セル共通遅延情報に従い、ブロードキャストセル共通遅延とスロットの整数倍との間の偏差のセルレベルのタイミングアドバンスを決定する。
3)相対的な伝送遅延およびセルレベルのタイミングアドバンスに従い、アップリンクタイミングアドバンスを決定する。
具体的には、端末は、以下の2つの情報に従ってアップリンク送信タイミング位置を決定する。一方は、ネットワーク側装置によって送信される関連パラメータ内のセル共通時間遅延情報であり、他方は、端末の測位情報および衛星の運用パラメータに基づいて端末によって推定される相対的な伝送遅延である。ここで、端末は、地上端末または空中端末などの非地上端末である。
【0075】
したがって、端末は、セル共通時間遅延情報および相対送信時間遅延に従い、構成メッセージ受信位置に対するアップリンク送信タイミング位置のタイミングアドバンスを決定する。端末が配置されている位置と参考端末が配置されている位置により、推定の相対伝送時間遅延は以下の4つの場合に分けられる。
1)参考端末は地上に配置され、端末は地上に配置され、すなわち、参考端末は衛星に最も近い地上に配置され、推定相対的な伝送遅延はゼロより大きい。
2)参考端末は地上に配置され、端末は高空に配置され、すなわち、参考端末は衛星に最も近い地上に配置され、推定相対的な伝送遅延はゼロ未満である。
3)参考端末は、地上から最も高い位置(地上から30000 kmの高空)にあり、端末は地上に配置され、推定相対的な伝送遅延はゼロより大きい。
4)参考端末は、地上から最も高い位置(地上から30000 kmの高空)にあり、端末が高空(前記最も高い位置より下)にある場合、推定相対的な伝送遅延はゼロより大きい。
【0076】
本発明の実施形態において、NTNシステムに存在する共通の伝送遅延および相対的な伝送遅延に従い、端末のアップリンク送信タイミング位置が調整されるという事実を考慮して、NRシステムを採用したタイミングアドバンス確立メカニズムに関して、ランダムアクセスプロセスの同期確立プロセスの信頼性およびその後のデータ送信のタイミング精度が保証される。
【0077】
一方では、端末は、前記セル共通遅延情報に従い、構成メッセージ受信位置に対するアップリンク送信タイミング位置のタイミングアドバンスを決定する。他方、端末は、端末の測位情報に従い、ユーザーリンク伝搬パスと衛星に最も近くに配置された最小リンク遅延パスとの間の伝搬距離差に対応する相対的な伝送遅延を推定する。端末は、前記相対的な伝送遅延およびセルレベルのタイミングアドバンスに従ってタイミングアドバンスを決定する。
【0078】
具体的には、タイミングアドバンスは以下のように決定される。
1)端末のユーザーリンク伝搬パスと衛星に最も近くに配置された最小リンク遅延パスとの間の伝搬距離差に対応する相対的な伝送遅延が推定される。
本発明の実施形態では、端末は、グローバルナビゲーション衛星システム(Global Navigation Satellite System,GNSS)信号に従い、端末の測位情報を決定し、エフェメリスを介して衛星の運用パラメータ情報を取得し、測位情報と衛星の運用パラメータ情報に従い、端末のユーザーリンク伝搬パスと衛星に最も近くに配置された最小リンク遅延パスとの間の伝搬距離差を推定する。推定された伝搬距離差に対応する相対的な伝送遅延を決定する。
2)セル共通遅延情報に従い、ブロードキャストセル共通遅延とスロットの整数倍との間の偏差のセルレベルのタイミングアドバンスToffsetを決定する。式は次のとおりである。
Toffset=2(T1+T2)-floor(2(T1+T2)/TSF)×TSF
ここで、2(T1+T2)はセルの共通遅延情報を表し、TSFはスロットの時間長を表し、floor(.)は下向きの丸め操作を表し、Toffsetの基本単位はTsである。
【0079】
【0080】
3)前記相対的な伝送遅延およびセルレベルのタイミングアドバンスに従ってタイミングアドバンスを決定する。
具体的には、相対的な送信遅延の2倍とセルレベルタイミングアドバンスの合計を求めて、タイミングアドバンスを取得する。式は次のとおりである。
NTA=2T3+Toffset
ここで、NTAはタイミングアドバンスであり、T3は相対的な伝送遅延である。
【0081】
次に、セル共通遅延2(T1+T2)、相対的な伝送遅延T3、およびセルレベルのタイミングアドバンスToffset特定の効果について説明する。
【0082】
まず、NTNシステムの端末とネットワーク側装置のタイミングアドバンスを確立するための基本原理を示す。端末のダウンリンクは、フレーム、サブフレーム、およびスロットのインデックスを含む受信したダウンリンクインデックスを、現在のサブフレームインデックス(index)とする。端末がランダムアクセスプロセスで最初にアップリンク信号フレーム同期を取得するとき、相対的な伝送遅延が補足された後、セルの共通遅延と一致する。セルと衛星間の最短の共通距離アップリンク送信タイミング位置を基準とし、セル内のすべての端末がネットワーク側の装置に到達する時間は、セル共通距離を基準とし、現時点では、セル内のすべての端末のアップリンクサブフレームインデックスが一致する。
【0083】
図6に示すように、本実施形態のNTNベースのシステムは、ゲートウェイステーション(BS)と、端末UE1と、参考端末UE2とを含み、ここで、参考端末UE2は、地上に配置され、セル内のゲートウェイステーションBSに最も近い端末である。参考端末UE2のアップリンク送信タイミング位置を基準とし、UE1は、地上に配置され、セル内の任意のUEである。UEとBS側のタイミング関係は以下のとおりである。
1)ゲートウェイステーションは、T
Aモーメントにダウンリンク同期チャネル/信号を送信し、構成メッセージ内の関連パラメータを端末に送信する。
具体的には、当該ダウンリンク同期チャネル/信号は、SIB1メッセージであり得る。
2)セル内のBSに最も近い参考端末UE2は、T
Bモーメントに前記構成メッセージを受信し、(T
B-T
A)=(T
1+T
2)。
すなわち、参考端末UE2は、ゲートウェイステーションによる送信のT
Aモーメントに関してT
1+T
2だけ遅延され、ここで、T
1は、衛星に最も近くに配置された最小リンク遅延であり、T
2は、フィーダーリンク遅延である。
3)端末UE1は、T
Cモーメントに前記構成メッセージを受信し、(T
C-T
A)=(T
1+T
2)+T
3。
上記の式によれば、((T
C-T
A)=(T
1+T
2)+T
3,すなわち、端末UE1は、ゲートウェイステーションによる送信の
Aモーメントに対してT
1+T
2+T
3だけ遅延される。
4)端末UE1は、T
DモーメントでPRACHプリアンブルを送信し、T
Cモーメントに対するタイミングアドバンスはN
TAであり、N
TAの計算式は以下の通りである。
N
TA=2T
3+ T
offset,ここで、(2T
3+ T
offset)はゼロより大きい、すなわち、N
TA>0である。
T
Cモーメントに対する上記T
Dの遅延は以下の通りである。
(T
D-T
C)=-N
TA=-(2T
3+ T
offset)は、端末UE1がPRACHプリアンブルを送信するモーメントが、T
Cモーメントに対するタイミングアドバンス送信であることを示す。
5)ゲートウェイステーションBSは、T
EモーメントでPRACHプリアンブルを検出し、T
Dモーメントに対するT
Eモーメントの伝搬遅延は(T
E-T
D)= (T
1+T
2)+T
3であり、T
Aモーメントに対するT
Eモーメントの伝搬遅延は(T
E-T
A)=2(T
1+T
2)-T
offsetである。
ここで、T
offsetはセルレベルのタイミングアドバンスであり、T
offset>0であり、特定の計算方法は前述のとおりであり、ここでは繰り返さない。
【0084】
基地局が、端末によって送信されたPRACHプリアンブルシーケンスを検出した後、基地局は、ランダムアクセス応答(RAR)メッセージを前記端末に送信する。
【0085】
一方、ネットワーク側装置のダウンリンクサブフレームおよびアップリンクサブフレームは、同じサブフレームインデックス(index)を維持する。共通オフセットBTAは、参考アップリンクサブフレームインデックスとネットワーク側装置の実際に受信されたアップリンクサブフレームインデックスの間に存在する。たとえば、上記の式に示すように、BTA=2(T1+T2)-Toffsetである。
【0086】
また、
図7に示すように、上記NTNシステムにおいて、ゲートウェイステーションBSに最も近い参考端末UE2は、地上に配置され、参考端末UE2のアップリンク送信タイミング位置を基準とし、端末UE3を高空中の任意のUEである場合、UE側とBS側のタイミング関係は次のとおりである。
1)ゲートウェイステーションは、T
Aモーメントにダウンリンク同期チャネル/信号を送信し、構成メッセージ内の関連パラメータを端末に送信する。
2)セル内のBSに最も近い参考端末UE2は、T
Bモーメントに、前記構成メッセージを受信し、(T
B-T
A)=(T
1+T
2)である。
3)端末UE3は、T
Cモーメントに前記構成メッセージを受信し、T
Bモーメントに対するT
Cモーメントの遅延は(T
C-T
B)= T
3である。
ここで、端末UE3は高空に位置し、UE3から衛星までの距離は、UE2から衛星までの距離よりも小さいので、T
3<0。上記の式によると、(T
C-T
A)=(T
1+T
2)+T
3である。
4)端末UE3は、T
DでPRACHプリアンブルを送信し、T
Cモーメントに対するタイミングアドバンスは、N
TAであり、N
TA計算式は以下の通りである。
N
TA=2T
3+ T
offset,ここで、(2T
3+ T
offset)はゼロ未満、すなわち、N
TA<0である。
T
Cモーメントに対する上記T
Dの遅延は以下の通りである:
(T
D-T
C)=-N
TA=-(2T
3+ T
offset)は、端末UE3がPRACHプリアンブルを送信するモーメントが、T
Cモーメントに対するタイミング遅延送信であることを示す。
5)ゲートウェイステーションBSは、T
EモーメンでPRACHプリアンブルを検出し、T
Dモーメントに対するT
Eモーメントの伝搬遅延は、T
E-T
D=(T
1+T
2)+T
3であり、TAモーメントに対するTEモーメントの伝搬遅延は、(T
E-T
A)=2(T
1+T
2)-T
offsetである。
【0087】
図8に示すように、空中の特定の高さに位置する参考端末UE0は、アップリンク送信タイミング位置の参考モーメントとして機能し、すべての端末は、地上端末および非地上端末(高空端末)を含む。アップリンク送信開始モーメントの参考基準は、端末UE0のアップリンク送信タイミング位置であり、現時点では、すべての端末のアップリンクサブフレームインデックスは、一貫性を保つことができる。
【0088】
図9に示すように、NTNシステムでは、ゲートウェイステーションBSからの距離が最も短い参考端末UE0が空中にあり、高さが30000 kmであり、参考端末UE0のアップリンク送信タイミング位置を基準とし、UE1が高空または地上にある任意のUEである場合、UE側とBS側とのタイミング関係は以下のようになる。
1)ゲートウェイステーションは、T
Aモーメントにダウンリンク同期チャネル/信号を送信し、構成メッセージ内の関連パラメータを端末に送信する。
2)参考端末UE0は、T
Bモーメントに前記構成メッセージを受信し、(T
B-T
A)=(T
1+T
2)である。
3)端末UE1は、T
Cモーメントに前記構成メッセージを受信し、(T
C-T
A)=(T
1+T
2)+T
3である。
上記の式によれば、(T
C-T
A)=(T
1+T
2)+T
3であり、すなわち、端末UE1は、ゲートウェイステーションによる送信の
Aモーメントに対してT
1+T
2+T
3だけ遅延される。
4)端末UE1は、T
DでPRACHプリアンブルを送信し、T
Cモーメントに対してタイミングアドバンスはN
TAであり、N
TAの計算式は次のとおりである。
N
TA=2T
3+ T
offset,ここで、(2T
3+ T
offset)はゼロより大きい、すなわち、N
TA>0である。
T
Cモーメントに対する上記T
D遅延は次のとおりである。
(T
D-T
C)=-N
TA=-(2T
3+ T
offset)は、端末UE1がPRACHプリアンブルを送信するモーメントが、T
Cモーメントに対するタイミングアドバンス送信であることを示す。
5)ゲートウェイステーションBSは、T
EモーメンでPRACHプリアンブルを検出し、T
Dモーメントに対するT
Eモーメントの伝搬遅延は(T
E-T
D)= (T
1+T
2)+T
3であり、T
Aモーメントに対するT
Eモーメントの伝搬遅延は(T
E-T
A)=2(T
1+T
2)-T
offsetである。
【0089】
ネットワーク側装置が端末によって送信された物理層ランダムアクセスチャネルランダムアクセスプリアンブル(PRACH Preamble)を検出した後、アップリンクタイミングアドバンス調整量を決定し、RARメッセージを介してアップリンクタイミングアドバンス調整量を前記端末に送信する。
【0090】
具体的には、ネットワーク側装置によるアップリンクタイミングアドバンス調整量を決定するための方法は、端末によって送信されたPRACHプリアンブルが検出される検出位置およびセル共通遅延情報に従い、端末に対応する時間同期スロット数を選択するステップと、選択された端末に対応する時間同期スロット数に従い、現在のアップリンクタイミングアドバンス調整量TAを決定するステップとを含む。
【0091】
前記アップリンクタイミングアドバンス調整量は16ビットの命令を占有する,すなわち、TAは、0,1,2……,65535と見なすことができる。
【0092】
一方では、端末は、RARメッセージを受信し、RARメッセージ内のアップリンクタイミングアドバンス調整量を取得し、前記アップリンクタイミングアドバンス調整量に従い、構成メッセージ受信位置に対するアップリンク送信タイミング位置のアップリンクタイミングアドバンスを調整する。
【0093】
端末は、アップリンクタイミングアドバンス調整量に従い、アップリンク同期を取得し、現在のアップリンクタイミングアドバンス調整量に従い、次の式により、アップリンク送信タイミング位置を調整する。
【0094】
具体的には、PUSCHのSCS = 120KHzを考慮し、アップリンクタイミングアドバンス調整量は16ビットの命令を使用し、NTA = TA ×2Tsであり、ここで、アップリンクタイミングアドバンス調整量TAは0,1,2……,65535とみなすことができる。
【0095】
【0096】
NTAの最大調整値は4.267 msであり、Ts=1/30.72e6 sである。
【0097】
他方、端末は現在のアップリンクタイミングアドバンスを更新し、更新後のメカニズムは以下のようになり得る。1つの更新メカニズムは、端末は、ダウンリンクビーム参考信号(BRS)パイロットを周期的または非周期的に測定することによって、現在のアップリンクタイミングアドバンスを更新する。他の更新メカニズムは、端末は、受信したRARメッセージに含まれるアップリンクタイミングアドバンス調整量に従い、現在のアップリンクタイミングアドバンスを更新する。
【0098】
2つの更新メカニズムは、交互にまたは別々に使用される。
【0099】
既存のNRシステムのアップリンクタイミングアドバンスを更新するモードは次のとおりである。
【0100】
最初に、アップリンクタイミングアドバンスを更新するプロセスで使用されるパラメータNTA,oldおよびNTA,newが定義される。
NTA,old:UEが新しいアップリンクタイミングアドバンス調整量TAを受信しない場合の現在のNTA値である。
NTA,new:UEが新しいアップリンクタイミングアドバンス調整量TAを受信し、TAに従って現在のNTAを更新した後の値である。
【0101】
ランダムアクセス応答を受信した後、UEは、アップリンクタイミングアドバンス調整TAを分析し、アップリンクタイミングアドバンスNTAを計算し、NTA値を介してアップリンク送信タイミングを調整し、NTAを保留して、後続のアップリンク同期プロセスにおける調整するための初期値とする。
【0102】
ここで、NTAの計算式はNTA=TA×16である。粒度は16Tsであり、アップリンクタイミング同期コマンドワードTAは12ビットであり、TA= 0, 1, 2, ..., 4095。
【0103】
12ビットのアップリンクタイミング同期コマンドワードTAは、320 kmの最大セル半径をサポートでき、3GPPによってTR38.913で提供される150 km~300kmのセル半径をサポートするための設計要件を満たす。
【0104】
UEがランダムアクセスプロセスを完了した後、ゲートウェイステーションは、アップリンクタイミング同期コマンドワードTAを周期的にUEに送信する。UEがTAを受信した後、UEは、NTA,oldの値をNTA,newに更新し、NTA,newを使用してUEのアップリンク送信タイミングを調整する。
NTA,oldの更新式は次のとおりである。
【0105】
【0106】
ここで、TAは現在使用されているタイミングアドバンスNTA,oldと新しいタイミングアドバンスNTA,newの調整量を表し、TAは6ビットを含み、値の範囲はTA= 0, 1, 2,..., 63である。
TA>31の場合、NTA,new>NTA,oldであり、現在のタイミングに基づいて送信信号のタイミングアドバンスを示す。
TA<31の場合、NTA,new<NTA,oldであり、現在のタイミングに基づいて送信信号のタイミングアドバンスを示す。
TA=31の場合、NTA,new=NTA,oldであり、現在のタイミングに基づいて送信信号のタイミングが変化しないことを示す。
【0107】
本発明の実施形態では、NTNシステムに基づき、衛星は、衛星と衛星との間の最大距離を考慮して、地面から1175kmの軌道高さで毎秒約8km/秒の速度で移動するので、衛星と端末との間の最大距離約3090kmを考慮して、衛星とゲートウェイステーションなどのネットワーク側装置間の最大距離は3531 kmである。端末とゲートウェイステーション間の最大遅延は22 msであり、衛星の移動によるパス長の変動は約300~400メートル、対応するパス遅延は約1.32 us、サブキャリアを120 kHz超えるPRACHプリアンブルシーケンスのサイクリックプレフィックス(CP)の長さは0.59 usであるため、伝送プロセスにおけるダウンリンクBRSパイロットは、端末によって周期的に測定する必要がる。測定による移動によって引き起こされる伝送パスの変化を認識し、伝送のアドバンスを事前に補正し、移動性能による同期精度の低減が原因となった性能損失を低減する。CPの長さを長くする方法と比較して、本発明の実施形態によって提供される受信したアップリンクタイミングアドバンス調整量に従ってアップリンクタイミングアドバンスを更新する方法は、より高いリソース利用率を有する。
【0108】
具体的には、端末は、ダウンリンクビーム参考信号(BRS)パイロットを周期的または非周期的に測定することによって、衛星の移動速度と端末の移動速度を決定し、前記衛星の移動速度、端末の移動速度および衛星の動作周波数帯域に従い、現在のアップリンクタイミングアドバンスの調整ステップ長を決定し、前記調整ステップ長に従い、現在のアップリンクタイミングアドバンスを更新する。
【0109】
上記前記衛星の移動速度、端末の移動速度および衛星の動作周波数帯域に従い、現在のアップリンクタイミングアドバンスの調整ステップ長を決定することは、具体的に、
衛星の動作周波数帯域に従い、受信した構成メッセージ内のサイクリックプレフィックスCPの長さを決定し、
衛星速度と端末速度の合計値の速度範囲に対応する調整係数を決定し、
決定されたCPの長さおよび調整係数に従い、現在のアップリンクタイミングアドバンスの調整ステップ長を決定する。
【0110】
次の式で前記調整ステップ長に従い、現在のアップリンクタイミングアドバンスを更新する。
【0111】
【0112】
ここで、TAは、RARメッセージ内のアップリンクタイミングアドバンス調整量であり、Ndelta-TA,UEは前記調整ステップ長である。
【0113】
PUSCH SCS=120KHzである場合、アップリンクタイミングアドバンス調整量TAは、11ビットを含む。TAは、11ビットを含み、値の範囲はTA = 0, 1, 2,..., 2047である。
TA>1024である場合、NTA,new>NTA,oldは、現在のタイミングに基づいて送信信号のタイミングアドバンスを示す。
TA<1024である場合、NTA,new<NTA,oldは、現在のタイミングに基づいて送信信号のタイミングが遅れていることを示す。
TA=1024である場合、NTA,new=NTA,oldは、現在のタイミングに基づいて送信信号のタイミングが変化しないことを示す。
【0114】
上記Ndelta-TA,UEは、端末によって自動的に調整される現在のアップリンクタイミングアドバンスの調整ステップ長を示し、次の式で、決定されたCPの長さおよび調整係数に従い、現在のアップリンクタイミングアドバンスの調整ステップ長を決定する。
【0115】
【0116】
ここで、1/Mは調整係数であり、Mは1以上の正の整数、NCPは決定されたCPの長さである。
【0117】
具体的には、表1に示すように、衛星速度と端末速度の合計を、それぞれ異なるM値に対応する高、中、低の3つのレベルに分割できる。
【0118】
【0119】
要約すると、ランダムアクセスシステムにおける端末とネットワーク側装置との間のタイミングアドバンス調整量の確立は、本発明の実施形態による方法によって完了する。端末のダウンリンクは、受信したダウンリンクフレームインデックス、サブフレームインデックスおよびスロットインデックスを、現在のサブフレームインデックスindexとする。端末がランダムアクセスプロセスで最初にアップリンク信号フレーム同期を取得するとき、相対的な伝送遅延が補足された後、セルの共通遅延と一致する。セルと衛星間の最短の共通距離アップリンク送信タイミング位置を基準とし、セル内のすべての端末がネットワーク側の装置に到達する時間は、セル共通距離を基準とする。本発明の実施形によって提供される方法は、衛星ビームカバレッジセル内のすべての端末のアップリンクサブフレームインデックスが一貫性を保つことを保証することができる。
【0120】
図10に示されるように、本発明の実施形態によるタイミングアドバンスを決定するための第1の端末は、プロセッサ1000、メモリ1001、および送受信機1002を含む。
【0121】
プロセッサ1000は、バスアーキテクチャおよび一般的な処理を管理する責任があり、メモリ1001は、プロセッサ1000が動作を実行する際に使用されるデータを格納するように構成される。送受信機1002は、プロセッサ1000の制御下でデータを送受信するように構成される。
【0122】
バスアーキテクチャは、任意の数の相互接続されたバスおよびブリッジを含み得、特に、プロセッサ1000によって表される1つ以上のプロセッサの様々な回路およびメモリ1001によって表されるメモリをリンクし得る。さらに、周辺装置、電圧調整器、電力管理回路などのさまざまな他の回路をリンクすることができ、これらはすべて当技術分野でよく知られており、したがって、本明細書では再度さらに説明しない。バスインターフェイスはインターフェイスを提供する。プロセッサ1000は、バスアーキテクチャおよび一般的な処理を管理する責任があり、メモリ1001は、プロセッサ1000が動作を実行する際に使用されるデータを格納するように構成される。
【0123】
本発明に係る実施例により開示されたフローチャートは、プロセッサ1000に適用することができるか、または、プロセッサ1000により実現される。実現の間、周波数ドメインにおける拡散伝送流れにおける各々ステップは、プロセッサ1000内のハードウェアの論理集積回路またはソフトウェア形式の指令により完成されることができる。プロセッサ1000は、汎用プロセッサ、デジタル信号プロセッサ、専用集積回路、フィールドプログラマブル・ゲートアレイまたはたのプログラマブルロジック・デバイス、ディスクリート・ゲートまたはトランジスタロジック・デバイス、ディスクリート・ハードウェアコンポネントであることができ、本発明に係る実施例により開示した各々方法、ステップ及びロジックブロック図を実現・執行することができる。汎用プロセッサはマイクロプロセッサまたはいずれのノーマルプロセッサなどであることができる。本発明に係る実施例に開示された方法のステップを参照すれば、ハードウェアプロセッサにより直接に執行して完成するか、または、プロセッサ内のハードウェア及びソフトウェアモジュールの組み合わせにより執行されて完成することができる。ソフトウェアモジュールは、ランダムメモリ、フラッシュメモリ、リードオンリーメモリ,プログラマブルリードオンリーメモリまたは電気的消去可能プログラマブルメモリ、レジスタなど本分野のよく知られる記憶媒体に格納されることができる。当該記憶媒体はメモリ1001に位置し、プロセッサ1000はメモリ1001に格納される情報を読み出して、そのハードウェアと協働して信号処理のフローを完成する。
【0124】
ここで、プロセッサ1000は、メモリ1001内のプログラムを読み取り、以下のプロセスを実行するように構成され、構成メッセージ内の関連パラメータを受信および取得し、前記関連パラメータは、セル共通遅延情報を含み、前記セル共通遅延情報に従い、構成メッセージ受信位置に対するアップリンク送信タイミング位置のアップリンクタイミングアドバンスを決定する。
【0125】
オプションの実施形態として、前記プロセッサは具体的に、端末のユーザーリンク伝搬パスと衛星に最も近くに配置された最小リンク遅延パスとの間の伝搬距離差に対応する相対的な伝送遅延が推定される;前記セル共通遅延情報に従い、ブロードキャストセル共通遅延とスロットの整数倍との間の偏差のセルレベルのタイミングアドバンスを決定し、前記相対的な伝送遅延およびセルレベルのタイミングアドバンスに従ってアップリンクタイミングアドバンスを決定する。
【0126】
オプションの実施形態として、前記プロセッサは具体的に、グローバルナビゲーション衛星システム(GNSS)信号に従い、前記端末の測位情報を決定し、エフェメリスを介して衛星の運用パラメータ情報を取得し、前記測位情報および衛星の運用パラメータ情報に従い、端末のユーザーリンク伝搬パスと衛星に最も近くに配置された最小リンク遅延パスとの間の伝搬距離差を推定する。推定された伝搬距離差に対応する相対的な伝送遅延を決定する。
【0127】
オプションの実施形態として、前記プロセッサは具体的に、相対的な送信遅延の2倍とセルレベルタイミングアドバンスの合計を求めて、アップリンクタイミングアドバンスを取得する。
【0128】
オプションの実施形態として、前記プロセッサはさらに、端末は、RARメッセージを受信し、前記RARメッセージ内の現在のアップリンクタイミングアドバンス調整量を取得し、前記現在のアップリンクタイミングアドバンス調整量に従い、構成メッセージ受信位置に対するアップリンク送信タイミング位置のアップリンクタイミングアドバンスを調整する。
【0129】
オプションの実施形態として、PUSCHのサブキャリア間隔が120 KHzの場合、前記アップリンクタイミングアドバンス調整量は16ビットの命令を占有する。
【0130】
オプションの実施形態として、前記プロセッサはさらに、ダウンリンクビーム参考信号(BRS)パイロットを周期的または非周期的に測定することによって現在のアップリンクタイミングアドバンスを更新する。
【0131】
オプションの実施形態として、前記プロセッサは具体的に、ダウンリンクビーム参考信号(BRS)パイロットを周期的または非周期的に測定することによって衛星の移動速度と端末の移動速度を決定し、前記衛星の移動速度、端末の移動速度および衛星の動作周波数帯域に従い、現在のアップリンクタイミングアドバンスの調整ステップ長を決定し、前記調整ステップ長に従い、現在のアップリンクタイミングアドバンスを更新する。
【0132】
オプションの実施形態として、前記プロセッサは具体的に、衛星の動作周波数帯域に従い、受信した構成メッセージ内のサイクリックプレフィックス(CP)の長さを決定し、衛星速度と端末速度の合計値の速度範囲に対応する調整係数を決定し、決定されたCPの長さおよび調整係数に従い、現在のアップリンクタイミングアドバンスの調整ステップ長を決定する。
【0133】
オプションの実施形態として、前記プロセッサは、具体的に次の式で、前記調整ステップ長に従い、現在のアップリンクタイミングアドバンスを更新する。
【0134】
【0135】
ここで、TAは、RARメッセージ内のアップリンクタイミングアドバンス調整量であり、Ndelta-TA,UEは前記調整ステップ長である。
【0136】
オプションの実施形態として、前記プロセッサは、具体的に次の式で、決定されたCPの長さおよび調整係数に従い、現在のアップリンクタイミングアドバンスの調整ステップ長を決定する:
【0137】
【0138】
ここで、1/Mは調整係数であり、Mは1以上の正の整数、NCPは決定されたCPの長さである。
【0139】
図11に示されるように、本発明の実施形態によるタイミングアドバンスを決定するための第1のネットワーク側装置は、プロセッサ1100、メモリ1101、および送受信機1102を含む。
【0140】
プロセッサ1100は、バスアーキテクチャおよび一般的な処理を管理する責任があり、メモリ1101は、プロセッサ1100が動作を実行する際に使用されるデータを格納するように構成される。送受信機1102は、プロセッサ1100の制御下でデータを送受信するように構成される。
【0141】
バスアーキテクチャは、任意の数の相互接続されたバスおよびブリッジを含み得、特に、プロセッサ1100によって表される1つ以上のプロセッサの様々な回路およびメモリ1101によって表されるメモリをリンクし得る。さらに、周辺装置、電圧調整器、電力管理回路などのさまざまな他の回路をリンクすることができ、これらはすべて当技術分野でよく知られており、したがって、本明細書では再度さらに説明しない。バスインターフェイスはインターフェイスを提供する。プロセッサ1100は、バスアーキテクチャおよび一般的な処理を管理する責任があり、メモリ1101は、プロセッサ1100が動作を実行する際に使用されるデータを格納するように構成される。
【0142】
本発明に係る実施例により開示されたフローチャートは、プロセッサ1100に適用することができるか、または、プロセッサ1100により実現される。実現の間、周波数ドメインにおける拡散伝送流れにおける各々ステップは、プロセッサ1100内のハードウェアの論理集積回路またはソフトウェア形式の指令により完成されることができる。プロセッサ1100は、汎用プロセッサ、デジタル信号プロセッサ、専用集積回路、フィールドプログラマブル・ゲートアレイまたはたのプログラマブルロジック・デバイス、ディスクリート・ゲートまたはトランジスタロジック・デバイス、ディスクリート・ハードウェアコンポネントであることができ、本発明に係る実施例により開示した各々方法、ステップ及びロジックブロック図を実現・執行することができる。汎用プロセッサはマイクロプロセッサまたはいずれのノーマルプロセッサなどであることができる。本発明に係る実施例に開示された方法のステップを参照すれば、ハードウェアプロセッサにより直接に執行して完成するか、または、プロセッサ内のハードウェア及びソフトウェアモジュールの組み合わせにより執行されて完成することができる。ソフトウェアモジュールは、ランダムメモリ、フラッシュメモリ、リードオンリーメモリ,プログラマブルリードオンリーメモリまたは電気的消去可能プログラマブルメモリ、レジスタなど本分野のよく知られる記憶媒体に格納されることができる。当該記憶媒体はメモリ1101に位置し、プロセッサ1100はメモリ1101に格納される情報を読み出して、そのハードウェアと協働して信号処理のフローを完成する。
【0143】
ここで、プロセッサ1100は、メモリ1101内のプログラムを読み取り、以下のプロセスを実行するように構成され、セル共通遅延情報を決定し、関連パラメータが含まれる構成メッセージを端末に送信し、前記関連パラメータは、セル共通遅延情報を含む。
【0144】
オプションの実施形態として、前記プロセッサは具体的に、端末によって送信されたPRACHプリアンブルを検出した後、アップリンクタイミングアドバンス調整量を決定し、RARメッセージを介してアップリンクタイミングアドバンス調整量を前記端末に送信する。
【0145】
オプションの実施形態として、PUSCHのサブキャリア間隔が120 KHzの場合、前記アップリンクタイミングアドバンス調整量は16ビットの命令を占有する。
【0146】
オプションの実施形態として、前記プロセッサは具体的に、端末によって送信されたPRACHプリアンブルが検出される検出位置およびセル共通遅延情報に従い、端末に対応する時間同期スロット数を選択し、選択された端末に対応する時間同期スロット数に従い、現在のアップリンクタイミングアドバンス調整量を決定する。
【0147】
図12に示すように、本発明の実施形態によるタイミングアドバンスを決定するための第2の端末は、受信モジュール1200、および決定モジュール1201を含む。
【0148】
前記受信モジュール1200は、構成メッセージ内の関連パラメータを受信および取得し、前記関連パラメータは、セル共通遅延情報を含む。
【0149】
前記決定モジュール1201は、前記セル共通遅延情報に従い、構成メッセージ受信位置に対するアップリンク送信タイミング位置のアップリンクタイミングアドバンスを決定する。
【0150】
オプションの実施形態として、前記決定モジュール1201は具体的に、端末のユーザーリンク伝搬パスと衛星に最も近くに配置された最小リンク遅延パスとの間の伝搬距離差に対応する相対的な伝送遅延が推定される;前記セル共通遅延情報に従い、ブロードキャストセル共通遅延とスロットの整数倍との間の偏差のセルレベルのタイミングアドバンスを決定し、前記相対的な伝送遅延およびセルレベルのタイミングアドバンスに従ってアップリンクタイミングアドバンスを決定する。
【0151】
オプションの実施形態として、前記決定モジュール1201は具体的に、グローバルナビゲーション衛星システム(GNSS)信号に従い、前記端末の測位情報を決定し、エフェメリスを介して衛星の運用パラメータ情報を取得し、前記測位情報および衛星の運用パラメータ情報に従い、端末のユーザーリンク伝搬パスと衛星に最も近くに配置された最小リンク遅延パスとの間の伝搬距離差を推定する。推定された伝搬距離差に対応する相対的な伝送遅延を決定する。
【0152】
オプションの実施形態として、前記決定モジュール1201は具体的に、相対的な送信遅延の2倍とセルレベルタイミングアドバンスの合計を求めて、アップリンクタイミングアドバンスを取得する。
【0153】
オプションの実施形態として、前記端末は、RARメッセージを受信し、前記RARメッセージ内の現在のアップリンクタイミングアドバンス調整量を取得し、前記現在のアップリンクタイミングアドバンス調整量に従い、構成メッセージ受信位置に対するアップリンク送信タイミング位置のアップリンクタイミングアドバンスを調整するように構成される受信モジュール1200をさらに含む。
【0154】
オプションの実施形態として、PUSCHのサブキャリア間隔が120 KHzの場合、前記アップリンクタイミングアドバンス調整量は16ビットの命令を占有する。
【0155】
オプションの実施形態として、前記端末は、ダウンリンクビーム参考信号(BRS)パイロットを周期的または非周期的に測定することによって現在のアップリンクタイミングアドバンスを更新するように構成される更新モジュール1202をさらに含む。
【0156】
オプションの実施形態として、前記更新モジュール1202は具体的に、ダウンリンクビーム参考信号(BRS)パイロットを周期的または非周期的に測定することによって衛星の移動速度と端末の移動速度を決定し、前記衛星の移動速度、端末の移動速度および衛星の動作周波数帯域に従い、現在のアップリンクタイミングアドバンスの調整ステップ長を決定し、前記調整ステップ長に従い、現在のアップリンクタイミングアドバンスを更新する。
【0157】
オプションの実施形態として、前記更新モジュール1202は具体的に、衛星の動作周波数帯域に従い、受信した構成メッセージ内のサイクリックプレフィックスCPの長さを決定し、衛星速度と端末速度の合計値の速度範囲に対応する調整係数を決定し、決定されたCPの長さおよび調整係数に従い、現在のアップリンクタイミングアドバンスの調整ステップ長を決定する。
【0158】
オプションの実施形態として、前記更新モジュール1202は具体的に、次の式で、前記調整ステップ長に従い、現在のアップリンクタイミングアドバンスを更新する。
【0159】
【0160】
ここで、TAは、RARメッセージ内のアップリンクタイミングアドバンス調整量であり、Ndelta-TA,UEは前記調整ステップ長である。
【0161】
オプションの実施形態として、前記更新モジュールは具体的に、次の式で、決定されたCPの長さおよび調整係数に従い、現在のアップリンクタイミングアドバンスの調整ステップ長を決定する。
【0162】
【0163】
ここで、1/Mは調整係数であり、Mは1以上の正の整数、NCPは決定されたCPの長さである。
【0164】
図13に示すように、本発明の実施形態によるタイミングアドバンスを決定するための第2のネットワーク側装置は、決定モジュール1301および送信モジュール1302を含む。
【0165】
前記決定モジュール1301は、セル共通遅延情報を決定するように構成され、前記送信モジュール1302は、関連パラメータが含まれる構成メッセージを端末に送信するように構成され、前記関連パラメータは、セル共通遅延情報を含む。
【0166】
オプションの実施形態として、前記ネットワーク側装置は、端末によって送信されたPRACHプリアンブルを検出した後、アップリンクタイミングアドバンス調整量を決定し、RARメッセージを介してアップリンクタイミングアドバンス調整量を前記端末に送信するように構成される送信モジュールをさらに含む。
【0167】
オプションの実施形態として、PUSCHのサブキャリア間隔が120 KHzの場合、前記アップリンクタイミングアドバンス調整量は16ビットの命令を占有する。
【0168】
オプションの実施形態として、前記送信モジュールは具体的に、端末によって送信されたPRACHプリアンブルが検出される検出位置およびセル共通遅延情報に従い、端末に対応する時間同期スロット数を選択し、選択された端末に対応する時間同期スロット数に従い、現在のアップリンクタイミングアドバンス調整量を決定する。
【0169】
本発明の実施形態は、不揮発性記憶媒体である可読記憶媒体を提供し、可読記憶媒体は、プログラムコードを含む不揮発性の可読記憶媒体であり、前記プログラムコードがコンピューティング装置上で実行される場合、前記プログラコードムは、コンピューティング装置が上記のネットワーク側装置のアクションを実行してタイミングアドバンスを決定できるように構成されている。
【0170】
本発明の実施形態は、不揮発性記憶媒体である可読記憶媒体を提供し、可読記憶媒体は、プログラムコードを含む不揮発性の可読記憶媒体であり、前記プログラムコードがコンピューティング装置上で実行される場合、前記プログラムコードは、コンピューティング装置が上記の端末のアクションを実行してタイミングアドバンスを決定できるように構成されている。
【0171】
本発明の実施形態は、命令を含むコンピュータプログラム製品を提供し、命令がコンピュータ上で実行されるとき、コンピューティング装置は、タイミングアドバンスを決定するために上記の端末の動作を実行する。
【0172】
同じ本発明の思想に従い、本発明の実施形態はまた、端末によるタイミングアドバンスを決定するための方法を提供する。この方法に対応する端末は、本発明の実施形態における端末であり、この方法による問題解決の原理は、装置の動作原理と類似しているので、この方法の実施は、システム、および繰り返しは省略される。
【0173】
図14に示すように、本発明の実施形態の端末によるタイミングアドバンスを決定するための方法は、ステップ1400および1401を含む。
ステップ1400:構成メッセージ内の関連パラメータを受信および取得し、前記関連パラメータは、セル共通遅延情報を含む。
ステップ1401:前記セル共通遅延情報に従い、構成メッセージ受信位置に対するアップリンク送信タイミング位置のアップリンクタイミングアドバンスを決定する。
【0174】
オプションの実施形態として、前記セル共通遅延情報に従い、構成メッセージ受信位置に対するアップリンク送信タイミング位置のアップリンクタイミングアドバンスを決定するステップは、端末のユーザーリンク伝搬パスと衛星に最も近くに配置された最小リンク遅延パスとの間の伝搬距離差に対応する相対的な伝送遅延が推定されるステップと、前記セル共通遅延情報に従い、ブロードキャストセル共通遅延とスロットの整数倍との間の偏差のセルレベルのタイミングアドバンスを決定するステップと、前記相対的な伝送遅延およびセルレベルのタイミングアドバンスに従ってアップリンクタイミングアドバンスを決定するステップとを含む。
【0175】
オプションの実施形態として、前記相対的な伝送遅延を推定するステップは、グローバルナビゲーション衛星システム(GNSS)信号に従い、前記端末の測位情報を決定するステップと、エフェメリスを介して衛星の運用パラメータ情報を取得するステップと、前記測位情報および衛星の運用パラメータ情報に従い、端末のユーザーリンク伝搬パスと衛星に最も近くに配置された最小リンク遅延パスとの間の伝搬距離差を推定するステップと。推定された伝搬距離差に対応する相対的な伝送遅延を決定するステップとを含む。
【0176】
オプションの実施形態として、前記相対的な伝送遅延およびセルレベルのタイミングアドバンスに従ってアップリンクタイミングアドバンスを決定するステップは、相対的な送信遅延の2倍とセルレベルタイミングアドバンスの合計を求めて、アップリンクタイミングアドバンスを取得するステップを含む。
【0177】
オプションの実施形態として、前記方法は、さらに、端末は、RARメッセージを受信し、前記RARメッセージ内の現在のアップリンクタイミングアドバンス調整量を取得し、前記現在のアップリンクタイミングアドバンス調整量に従い、構成メッセージ受信位置に対するアップリンク送信タイミング位置のアップリンクタイミングアドバンスを調整するステップを含む。
【0178】
オプションの実施形態として、PUSCHのサブキャリア間隔が120 KHzの場合、前記アップリンクタイミングアドバンス調整量は16ビットの命令を占有する。
【0179】
オプションの実施形態として、前記方法は、ダウンリンクビーム参考信号(BRS)パイロットを周期的または非周期的に測定することによって現在のアップリンクタイミングアドバンスを更新するステップをさらに含む。
【0180】
オプションの実施形態として、ダウンリンクビーム参考信号(BRS)パイロットを周期的または非周期的に測定することによって現在のアップリンクタイミングアドバンスを更新するステップは、ダウンリンクビーム参考信号(BRS)パイロットを周期的または非周期的に測定することによって衛星の移動速度と端末の移動速度を決定するステップと、前記衛星の移動速度、端末の移動速度および衛星の動作周波数帯域に従い、現在のアップリンクタイミングアドバンスの調整ステップ長を決定するステップと、前記調整ステップ長に従い、現在のアップリンクタイミングアドバンスを更新するステップとを含む。
【0181】
オプションの実施形態として、前記衛星の移動速度、端末の移動速度および衛星の動作周波数帯域に従い、現在のアップリンクタイミングアドバンスの調整ステップ長を決定するステップは、衛星の動作周波数帯域に従い、受信した構成メッセージ内のサイクリックプレフィックス(CP)の長さを決定するステップと、衛星速度と端末速度の合計値の速度範囲に対応する調整係数を決定するステップと、決定されたCPの長さおよび調整係数に従い、現在のアップリンクタイミングアドバンスの調整ステップ長を決定するステップとを含む。
【0182】
オプションの実施形態として、次の式で、前記調整ステップ長に従い、現在のアップリンクタイミングアドバンスを更新する。
【0183】
【0184】
ここで、TAは、RARメッセージ内のアップリンクタイミングアドバンス調整量であり、Ndelta-TA,UEは前記調整ステップ長である。
【0185】
オプションの実施形態として、次の式で、決定されたCPの長さおよび調整係数に従い、現在のアップリンクタイミングアドバンスの調整ステップ長を決定する。
【0186】
【0187】
ここで、1/Mは調整係数であり、Mは1以上の正の整数、NCPは決定されたCPの長さである。
【0188】
同じ本発明の思想に従い、本発明の実施形態はまた、ネットワーク側装置によるタイミングアドバンスを決定するための方法を提供する。この方法に対応するネットワーク側装置は、本発明の実施形態におけるネットワーク側装置であり、この方法による問題解決の原理は、装置の原理と類似しているので、この方法の実施は、システムの実施、および繰り返しは省略される。
【0189】
図15に示すように、本発明の実施形態のネットワーク側装置によるタイミングアドバンスを決定するための方法は、ステップ1500およびステップ1501を含む。
ステップ1500:セル共通遅延情報を決定する。
ステップ1501:関連パラメータが含まれる構成メッセージを端末に送信し、前記関連パラメータは、セル共通遅延情報を含む。
【0190】
オプションの実施形態として、当該方法は、さらに、端末によって送信されたPRACHプリアンブルを検出した後、アップリンクタイミングアドバンス調整量を決定し、RARメッセージを介してアップリンクタイミングアドバンス調整量を前記端末に送信するステップを含む。
【0191】
オプションの実施形態として、PUSCHのサブキャリア間隔が120 KHzの場合、前記アップリンクタイミングアドバンス調整量は16ビットの命令を占有する。
【0192】
オプションの実施形態として、アップリンクタイミングアドバンス調整量を決定するステップは、端末によって送信されたPRACHプリアンブルが検出される検出位置およびセル共通遅延情報に従い、端末に対応する時間同期スロット数を選択し、選択された端末に対応する時間同期スロット数に従い、現在のアップリンクタイミングアドバンス調整量を決定するステップを含む。
【0193】
以上は本発明の実施形態の方法、装置(システム)、およびコンピュータプログラム製品のフロー図および/またはブロック図によって、本発明を記述した。理解すべきことは、コンピュータプログラム指令によって、フロー図および/またはブロック図における各フローおよび/またはブロックと、フロー図および/またはブロック図におけるフローおよび/またはブロックの結合を実現できる。プロセッサはこれらのコンピュータプログラム指令を、汎用コンピュータ、専用コンピュータ、組込み式処理装置、または、いは他のプログラム可能なデータ処理装置設備の処理装置器に提供でき、コンピュータまたは、いは他のプログラム可能なデータ処理装置のプロセッサは、これらのコンピュータプログラム指令を実行し、フロー図における一つまたは、いは複数のフローおよび/またはブロック図における一つまたは、いは複数のブロックに指定する機能を実現する。
【0194】
これに対応して、ハードウェアおよび/またはソフトウェア(ファームウェア、常駐ソフトウェア、マイクロコードなどを含む)を使用して、本出願を実施することもできる。さらに、本出願は、コンピュータ使用可能またはコンピュータ可読記憶媒体上のコンピュータプログラム製品の形をとることができ、これは、命令実行によって使用または使用される媒体に実装されたコンピュータ使用可能またはコンピュータ可読プログラムコードを有するシステム命令実行システムと組み合わせて使用される。本出願のコンテキストでは、コンピュータ使用可能またはコンピュータ可読媒体は、命令実行システム、装置、またはデバイス、またはそれらの組み合わせで使用するためのプログラムを格納、保存、通信、送信、または送信できる任意の媒体である可能性がある。
【0195】
明らかに、当業者は、本出願の精神および範囲から逸脱することなく、本出願に様々な変更および修正を加えることができる。このように、本出願のこれらの修正および変形が本出願およびそれらの同等技術の特許請求の範囲内にある場合、本出願はこれらの修正および変形も含むことを意図する。
【符号の説明】
【0196】
500 端末
501 ネットワーク側デバイス
1000 プロセッサ
1001 メモリ
1002 送受信機
1100 プロセッサ
1101 メモリ
1102 送受信機
1200 受信モジュール
1201 決定モジュール
1301 決定モジュール
1302 送信モジュール
【手続補正書】
【提出日】2021-08-13
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
構成メッセージ内の関連パラメータを受信および取得するステップと、
セル共通遅延情報に従い、構成メッセージ受信位置に対するアップリンク送信タイミング位置のアップリンクタイミングアドバンスを決定するステップとを含み、
前記関連パラメータは、前記セル共通遅延情報を含むことを特徴とする、端末によるタイミングアドバンスを決定するための方法。
【請求項2】
前記セル共通遅延情報に従い、構成メッセージ受信位置に対するアップリンク送信タイミング位置のアップリンクタイミングアドバンスを決定ステップは、
端末のユーザーリンク伝搬パスと衛星への事前設定された位置にある参考端末の最小リンク遅延パスとの間の伝搬距離差に対応する相対的な伝送遅延を推定ステップと、
前記セル共通遅延情報に従い、ブロードキャストセル共通遅延とスロットの整数倍との間の偏差のセルレベルのタイミングアドバンスを決定ステップと、
前記相対的な伝送遅延およびセルレベルのタイミングアドバンスに従ってアップリンクタイミングアドバンスを決定するステップとを含むことを特徴とする、請求項1に記載の端末によるタイミングアドバンスを決定するための方法。
【請求項3】
前記参考端末は、衛星に最も近くに配置された地上参考端末、または、衛星に対して設定された高度にある非地上参考端末を含
み、
前記衛星に対して設定された高度にある非地上参考端は、地上から最も高い非地上参考端末を含むことを特徴とする、請求項2に記載の端末によるタイミングアドバンスを決定するための方法。
【請求項4】
前記端末のユーザーリンク伝搬パスと衛星への事前設定された位置にある参考端末の最小リンク遅延パスとの間の伝搬距離差に対応する相対的な伝送遅延を推定するステップは、
グローバルナビゲーション衛星システム(GNSS)信号に従い、前記端末の測位情報を決定し、エフェメリスを介して衛星の運用パラメータ情報を取得するステップと、
前記測位情報および衛星の運用パラメータ情報に従い、端末のユーザーリンク伝搬パスと衛星への事前設定された位置にある参考端末の最小リンク遅延パスとの間の伝搬距離差を推定するステップと、
前記伝搬距離差に対応する相対的な伝送遅延を決定するステップとを含むことを特徴とする、請求項2に記載の端末によるタイミングアドバンスを決定するための方法。
【請求項5】
前記相対的な伝送遅延およびセルレベルのタイミングアドバンスに従ってアップリンクタイミングアドバンスを決定するステップは、
相対的な送信遅延の2倍とセルレベルタイミングアドバンスの合計を求めて、アップリンクタイミングアドバンスを取得するステップを含むことを特徴とする、請求項2に記載の端末によるタイミングアドバンスを決定するための方法。
【請求項6】
ランダムアクセス応答(RAR)メッセージを受信し、前記RARメッセージ内の現在のアップリンクタイミングアドバンス調整量を取得し、
前記現在のアップリンクタイミングアドバンス調整量に従い、構成メッセージ受信位置に対するアップリンク送信タイミング位置のアップリンクタイミングアドバンスを調整
し、
物理ダウンリンク共有チャネル(PUSCH)のサブキャリア間隔(SCS)が120KHzである場合、前記アップリンクタイミングアドバンス調整量は16ビットの命令を占有することを特徴とする、請求項1に記載の端末によるタイミングアドバンスを決定するための方法。
【請求項7】
RARメッセージを受信し、前記RARメッセージ内の現在のアップリンクタイミングアドバンス調整量を取得するステップと、
ダウンリンクビーム参考信号(BRS)パイロットを周期的または非周期的に測定することによって現在のアップリンクタイミングアドバンスを更新するステップとをさらに含
み、
前記ダウンリンクビーム参考信号(BRS)パイロットを周期的または非周期的に測定することによって現在のアップリンクタイミングアドバンスを更新するステップは、
ダウンリンクビーム参考信号(BRS)パイロットを周期的または非周期的に測定することによって衛星の移動速度と端末の移動速度を決定するステップと、
前記衛星の移動速度、端末の移動速度および衛星の動作周波数帯域に従い、現在のアップリンクタイミングアドバンスの調整ステップ長を決定するステップと、
前記調整ステップ長に従い、現在のアップリンクタイミングアドバンスを更新するステップとを含むことを特徴とする、請求項
1に記載の端末によるタイミングアドバンスを決定するための方法。
【請求項8】
前記衛星の移動速度、端末の移動速度および衛星の動作周波数帯域に従い、現在のアップリンクタイミングアドバンスの調整ステップ長を決定するステップは、
衛星の動作周波数帯域に従い、受信した構成メッセージ内のサイクリックプレフィックスCPの長さを決定するステップと、
衛星
の移動速度と端末
の移動速度の合計値の速度範囲に対応する調整係数を決定するステップと、
前記CPの長さと調整係数に従い、現在のアップリンクタイミングアドバンスの調整ステップ長を決定するステップとを含むことを特徴とする、請求項
7に記載の端末によるタイミングアドバンスを決定するための方法。
【請求項9】
次の式で、前記調整ステップ長に従い、現在のアップリンクタイミングアドバンスを更新し、
【数1】
ここで、T
Aは、RARメッセージ内のアップリンクタイミングアドバンス調整量であり、N
delta-TA,UEは前記調整ステップ長であることを特徴とする、請求項
7に記載の端末によるタイミングアドバンスを決定するための方法。
【請求項10】
次の式で、前記CPの長さと調整係数に従い、現在のアップリンクタイミングアドバンスの調整ステップ長を決定し、
【数2】
ここで、1/Mは調整係数であり、Mは1以上の正の整数、N
CPは決定されたCPの長さであることを特徴とする、請求項
8に記載の端末によるタイミングアドバンスを決定するための方法。
【請求項11】
セル共通遅延情報を決定するステップと、
関連パラメータが含まれる構成メッセージを端末に送信ステップとを含み、
前記関連パラメータは、前記セル共通遅延情報を含み、前記セル共通遅延情報は、前記端末の構成メッセージ受信位置に対するアップリンク送信タイミング位置のアップリンクタイミングアドバンスを決定するように構成されることを特徴とする、ネットワーク側装置によるタイミングアドバンスを決定するための方法。
【請求項12】
端末によって送信された物理層ランダムアクセスチャネルランダムアクセスプリアンブル(PRACH Preamble)が検出された後、アップリンクタイミングアドバンス調整量を決定し、ランダムアクセス応答(RAR)メッセージを介して前記端末に送信
し、
物理ダウンリンク共有チャネル(PUSCH)のサブキャリア間隔(SCS)が120KHzである場合、前記アップリンクタイミングアドバンス調整量は16ビットの命令を占有することを特徴とする、請求項
11に記載のネットワーク側装置によるタイミングアドバンスを決定するための方法。
【請求項13】
前記アップリンクタイミングアドバンス調整量を決定するステップは
端末によって送信されたPRACHプリアンブルが検出される検出位置およびセル共通遅延情報に従い、端末に対応する時間同期スロット数を選択するステップと、
前記時間同期スロット数に従い、現在のアップリンクタイミングアドバンス調整量を決定するステップとを含むことを特徴とする、請求項
12に記載のネットワーク側装置によるタイミングアドバンスを決定するための方法。
【請求項14】
プロセッサと、メモリと、送受信機とを含み、
前記送受信機は、プロセッサの制御下でデータを送受信するように構成され、
前記メモリはコンピュータ命令を格納するように構成され、
前記プロセッサは、前記メモリ内のコンピューター命令を読み取って、
構成メッセージ内の関連パラメータを受信および取得し、前記関連パラメータは、セル共通遅延情報を含み、
前記セル共通遅延情報に従い、構成メッセージ受信位置に対するアップリンク送信タイミング位置のアップリンクタイミングアドバンスを決定することを特徴とする、端末。
【請求項15】
前記プロセッサは、
端末のユーザーリンク伝搬パスと衛星への事前設定された位置にある参考端末の最小リンク遅延パスとの間の伝搬距離差に対応する相対的な伝送遅延を推定し、
前記セル共通遅延情報に従い、ブロードキャストセル共通遅延とスロットの整数倍との間の偏差のセルレベルのタイミングアドバンスを決定し、
前記相対的な伝送遅延およびセルレベルのタイミングアドバンスに従ってアップリンクタイミングアドバンスを決定することを特徴とする、請求項
14に記載の端末。
【請求項16】
前記参考端末は、衛星に最も近くに配置された地上参考端末、または、衛星に対して設定された高度にある非地上参考端末を含
み、
前記衛星に対して設定された高度にある非地上参考端は、地上から最も高い非地上参考端末を含むことを特徴とする、請求項
15に記載の端末。
【請求項17】
前記プロセッサは、
グローバルナビゲーション衛星システム(GNSS)信号に従い、前記端末の測位情報を決定し、エフェメリスを介して衛星の運用パラメータ情報を取得し、
前記測位情報および衛星の運用パラメータ情報に従い、端末のユーザーリンク伝搬パスと衛星への事前設定された位置にある参考端末の最小リンク遅延パスとの間の伝搬距離差を推定し、
前記伝搬距離差に対応する相対的な伝送遅延を決定することを特徴とする、請求項
15に記載の端末。
【請求項18】
前記プロセッサはさらに、
RARメッセージを受信し、前記RARメッセージ内の現在のアップリンクタイミングアドバンス調整量を取得し、
前記現在のアップリンクタイミングアドバンス調整量に従い、構成メッセージ受信位置に対するアップリンク送信タイミング位置のアップリンクタイミングアドバンスを調整
し、
物理ダウンリンク共有チャネル(PUSCH)のサブキャリア間隔(SCS)が120KHzである場合、前記アップリンクタイミングアドバンス調整量は16ビットの命令を占有することを特徴とする、請求項
14に記載の端末。
【請求項19】
プロセッサと、メモリと、送受信機とを含み、
前記送受信機は、プロセッサの制御下でデータを送受信するように構成され、
前記メモリは、コンピュータ命令を格納するように構成され、
前記プロセッサは、前記メモリ内のコンピューター命令を読み取って、
セル共通遅延情報を決定し、
関連パラメータが含まれる構成メッセージを端末に送信し、前記関連パラメータは、前記セル共通遅延情報を含み、前記セル共通遅延情報は、前記端末の構成メッセージ受信位置に対するアップリンク送信タイミング位置のアップリンクタイミングアドバンスを決定するように構成されることを特徴とする、ネットワーク側装置。
【請求項20】
コンピュータ記憶媒体であって、
前記コンピュータ記憶媒体は、コンピュータ実行可能命令を記憶し、前記コンピュータ実行可能命令がプロセッサによって実行されるとき、請求項1から請求項
10のいずれか一項に記載の方法のステップまたは請求項
11から請求項
13のいずれか一項に記載の方法のステップが実行されることを特徴とするコンピュータ記憶媒体。
【国際調査報告】