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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-03-31
(54)【発明の名称】メモリデバイス上でのエラー補正
(51)【国際特許分類】
   G06F 11/10 20060101AFI20220324BHJP
   G06F 12/06 20060101ALI20220324BHJP
   G11C 11/22 20060101ALI20220324BHJP
【FI】
G06F11/10 648
G06F12/06 540E
G11C11/22 200
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021548198
(86)(22)【出願日】2020-02-03
(85)【翻訳文提出日】2021-10-13
(86)【国際出願番号】 US2020016366
(87)【国際公開番号】W WO2020171933
(87)【国際公開日】2020-08-27
(31)【優先権主張番号】16/279,483
(32)【優先日】2019-02-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】595168543
【氏名又は名称】マイクロン テクノロジー,インク.
(74)【代理人】
【識別番号】100121083
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 宏義
(74)【代理人】
【識別番号】100138391
【弁理士】
【氏名又は名称】天田 昌行
(74)【代理人】
【識別番号】100074099
【弁理士】
【氏名又は名称】大菅 義之
(72)【発明者】
【氏名】ポーター ジョン デイビッド
【テーマコード(参考)】
5B160
【Fターム(参考)】
5B160HA04
(57)【要約】
メモリデバイス上でのエラー補正のための方法、システム、およびデバイスを説明する。例には、複数のバンクを含むメモリセルのアレイを有するメモリダイを含むことができる。メモリダイは、メモリセルの第1のバンクと結合された第1のエラー補正コード(ECC)回路をさらに含むことができ、第1のECC回路は、メモリセルの第1のバンクの第1のアクセス動作(例えば、書き込み動作)に関連付けられた動作を実行するように構成される。メモリダイは、メモリセルの第1のバンクと結合された第2のECC回路をさらに含むことが可能であり、第2のECC回路は、第1のバンクの第2のアクセス動作(例えば、読み取り動作)に関連付けられたECC動作を実行するように構成される。場合によっては、第1のECC回路は、アレイのフットプリントの下に位置することができ、第2のECC回路は、アレイのフットプリント外部に位置することができる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のバンクを備えるメモリセルのアレイと、
前記複数のバンクのうちの第1のバンクと結合され、前記第1のバンクの第1のアクセス動作に関連付けられた1つまたは複数のエラー補正コード(ECC)動作を実行するように構成された、第1のECC回路と、
前記複数のバンクのうちの前記第1のバンクと結合され、前記第1のバンクの第2のアクセス動作に関連付けられた1つまたは複数のECC動作を実行するように構成された、第2のECC回路と、
を備える、装置。
【請求項2】
前記第1のECC回路は、前記メモリセルのアレイのフットプリントの下に位置決めされ、
前記第2のECC回路は、前記メモリセルのアレイの前記フットプリント外部に位置決めされる、
請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記第2のECC回路は、前記メモリセルのアレイの縁部に位置決めされる、請求項2に記載の装置。
【請求項4】
前記第1のECC回路は、前記メモリセルのアレイの下の相補型金属酸化物半導体(CMOS)(CuA)内に位置決めされる、請求項2に記載の装置。
【請求項5】
前記第1のバンクの前記第1のアクセス動作は書き込み動作であり、前記第1のECC回路は、前記第1のバンク上での前記書き込み動作の一部として、前記1つまたは複数のECC動作を実行するように構成され、
前記第1のバンクの前記第2のアクセス動作は読み取り動作であり、前記第2のECC回路は、前記第1のバンク上での前記読み取り動作の一部として、前記1つまたは複数のECC動作を実行するように構成される、
請求項1に記載の装置。
【請求項6】
前記第2のECC回路は、前記第1のECC回路より高速で前記1つまたは複数のECC動作を実行するように構成される、請求項1に記載の装置。
【請求項7】
前記第1のECC回路は第1の回路構造を備え、前記第2のECC回路は、前記第1の回路構造とは異なる第2の回路構造を備える、請求項1に記載の装置。
【請求項8】
前記第1の回路構造は複数の不平衡排他的OR(XOR)ゲートを備え、前記第2の回路構造は複数の平衡XORゲートを備える、請求項7に記載の装置。
【請求項9】
前記第1の回路構造は第1の電圧閾値を有する第1のトランジスタのセットを備え、前記第2の回路構造は第2の電圧閾値を有する第2のトランジスタのセットを備える、請求項7に記載の装置。
【請求項10】
前記第2のECC回路および前記第1のバンクと結合され、読み取り動作に関連付けられたデータを前記第2のECC回路に移送するように構成された、専用導電経路、
をさらに備える、請求項1に記載の装置。
【請求項11】
前記専用導電経路は、前記第1のバンクと前記第2のECC回路との間で、前記読み取り動作に関連付けられたパリティデータを移送するように構成される、請求項10に記載の装置。
【請求項12】
前記メモリセルのアレイは、第1の層上に位置決めされ、
前記第1のECC回路は、前記第1の層の下方に位置する第2の層上に位置決めされ、
前記第1のECC回路は、前記第1のバンクの少なくとも一部にわたって分散される、
請求項1に記載の装置。
【請求項13】
前記複数のバンクのうちの各バンクは、複数のタイルに細分され、
前記第1のECC回路は、前記第1のバンクの複数のタイルと結合される、
請求項12に記載の装置。
【請求項14】
複数の第1のECC回路をさらに備え、各第1のECC回路は、前記メモリセルのアレイの下方に位置し、前記複数のバンクのうちの少なくとも1つに関連付けられる、
請求項1に記載の装置。
【請求項15】
前記第2のECC回路は、前記第1のECC回路と同じ層上に位置し、前記メモリセルのアレイとチャネルとの間に位置決めされる、請求項1に記載の装置。
【請求項16】
メモリセルのアレイの第1のバンクのための書き込み動作に関連付けられたデータを受信すること、
前記データの受信に少なくとも部分的に基づいて、第1のエラー補正コード(ECC)回路を使用して、前記データ上で第1のECC動作を実行すること、
前記データ上での前記第1のECC動作の実行に少なくとも部分的に基づいて、前記書き込み動作の一部として、前記メモリセルのアレイの前記第1のバンク内に前記データを記憶すること、
読み取り動作の一部として、前記第1のバンクから前記データを取り出すこと、および、
第2のECC回路を使用して、前記データに少なくとも部分的に基づいて、前記データ上で第2のECC動作を実行すること、
を含む、方法。
【請求項17】
前記第2のECC回路によって、前記第2のECC動作を実行することに少なくとも部分的に基づいて、前記データについてのエラー指示を決定すること、
をさらに含む、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記第2のECC回路によって、前記エラー指示を決定することに少なくとも部分的に基づいて、前記データを補正すること、
をさらに含む、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
前記データ上で前記第1のECC動作を実行することに少なくとも部分的に基づいて、パリティデータのセットを生成すること、および、
前記書き込み動作の一部として、前記メモリセルのアレイ内に前記パリティデータのセットを記憶すること、
をさらに含む、請求項16に記載の方法。
【請求項20】
前記読み取り動作の間に、前記メモリセルのアレイからの前記パリティデータのセットを前記第2のECC回路に伝送することをさらに含み、前記第2のECC動作を実行することは、前記第2のECC回路において前記パリティデータのセットを受信することに少なくとも部分的に基づく、
請求項19に記載の方法。
【請求項21】
前記第2のECC動作を実行することに少なくとも部分的に基づいて、前記データを修正すること、および、
前記修正されたデータを前記第2のECC回路からチャネルに伝送すること、
をさらに含む、請求項16に記載の方法。
【請求項22】
前記第1のECC動作を実行することに少なくとも部分的に基づいて、前記データを修正すること、および、
前記修正されたデータを前記第1のECC回路から前記第1のバンクに伝送すること、
をさらに含む、請求項16に記載の方法。
【請求項23】
前記メモリセルのアレイの第2のバンクのための書き込み動作に関連付けられた第2のデータを受信すること、
第3のECC回路を使用して、前記第2のデータ上で前記第1のECC動作を実行すること、
前記第2のデータ上での前記第1のECC動作の実行に少なくとも部分的に基づいて、前記書き込み動作の一部として、前記メモリセルのアレイの前記第2のバンク内に前記第2のデータを記憶すること、
前記読み取り動作の一部として、前記第2のバンクから前記第2のデータを取り出すこと、および、
前記第2のECC回路を使用して、前記読み取り動作の一部として、前記第2のデータ上で前記第2のECC動作を実行すること、
をさらに含む、請求項16に記載の方法。
【請求項24】
複数のバンクを備えるメモリセルのアレイと、
前記複数のバンクのうちの第1のバンクと結合され、前記第1のバンクの書き込み動作に関連付けられた1つまたは複数のエラー補正コード(ECC)動作を実行するように構成された、第1のECC回路と、
前記複数のバンクのうちの前記第1のバンクと結合され、前記第1のバンクの読み取り動作に関連付けられた1つまたは複数のECC動作を実行するように構成された、第2のECC回路と、
を備える、装置であって、
前記第1のECC回路を使用して、データ上で第1のECC動作を実行し、
前記データ上での前記第1のECC動作の実行に少なくとも部分的に基づいて、前記書き込み動作の一部として、前記第1のバンク内に前記データを記憶し、
前記読み取り動作の一部として、前記第1のバンクから前記データを取り出し、
前記第2のECC回路を使用して、前記読み取り動作の一部として、前記データ上で第2のECC動作を実行する
ように構成される、装置。
【請求項25】
前記第1のECC回路は、前記メモリセルのアレイのフットプリントの下に位置決めされ、
前記第2のECC回路は、前記メモリセルのアレイの前記フットプリント外部に位置決めされる、
請求項24に記載の装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
クロスリファレンス
本特許出願は、本出願の譲受人に譲渡された、2019年2月19日出願のPorterによる「ERROR CORRECTION ON A MEMORY DEVICE」という名称の米国特許出願第16/279,483号の優先権を主張し、その全体が参照により本明細書に明確に組み込まれる。
【背景技術】
【0002】
メモリデバイスは、コンピュータ、ワイヤレス通信デバイス、カメラ、デジタルディスプレイなどの様々な電子デバイス内に情報を記憶するために、幅広く使用される。情報は、メモリデバイスの異なる状態をプログラミングすることによって記憶される。例えば、バイナリデバイスは、ほとんどの場合、しばしば論理1または論理0によって示される2つの状態のうちの1つを記憶する。他のデバイスでは、2つより多くの状態を記憶できる。記憶された情報にアクセスするために、デバイスの構成要素は、メモリデバイス内に記憶された少なくとも1つの状態を、読み取るかまたは感知することができる。情報を記憶するために、デバイスの構成要素は、状態をメモリデバイス内に書き込むかまたはプログラミングすることができる。
【0003】
磁気ハードディスク、ランダムアクセスメモリ(RAM)、読み取り専用メモリ(ROM)、ダイナミックRAM(DRAM)、同期型ダイナミックRAM(SDRAM)、強誘電体RAM(FeRAM)、磁気RAM(MRAM)、抵抗RAM(RRAM)、フラッシュメモリ、位相変化メモリ(PCM)、およびその他を含む、様々なタイプのメモリデバイスが存在する。メモリデバイスは、揮発性または不揮発性であってよい。不揮発性メモリ、例えばFeRAMは、外部電源がない場合であっても、延長時間の間、それらの記憶された論理状態を維持することができる。揮発性メモリデバイス、例えばSRAMは、外部電源から切断されたとき、それらの記憶された状態を失う可能性がある。FeRAMは、揮発性メモリと同様の密度を達成できる場合があるが、ストレージデバイスとしての強誘電体キャパシタの使用に起因して、不揮発性特性を有することができる。
【0004】
メモリデバイスを改良することは、一般に、メトリクスの中でもとりわけ、メモリセル密度を増加させること、読み取り/書き込み速度を上昇させること、信頼性を高めること、データ保持を向上させること、電力消費量を低減させること、または製造コストを削減することを含むことができる。いくつかのメモリデバイスは、エラー補正動作を実行するように構成可能である。メモリアレイの効率を向上させること(例えば、より高速な動作、ダイサイズの縮小)も望ましい可能性がある。
【図面の簡単な説明】
【0005】
図1】本明細書で開示する例に従った、メモリデバイス上でのエラー補正をサポートするシステムの一例を示す図である。
図2】本明細書で開示する例に従った、メモリデバイス上でのエラー補正をサポートするメモリダイの一例を示す図である。
図3A】本明細書で開示する例に従った、メモリデバイス上でのエラー補正をサポートするヒステリシス曲線の例を示す図である。
図3B】本明細書で開示する例に従った、メモリデバイス上でのエラー補正をサポートするヒステリシス曲線の例を示す図である。
図4】本明細書で開示する例に従った、メモリデバイス上でのエラー補正をサポートするメモリダイの一例を示す図である。
図5】本明細書で開示する例に従った、メモリデバイス上でのエラー補正をサポートするメモリダイの一例を示す図である。
図6】本明細書で開示する例に従った、メモリデバイス上でのエラー補正をサポートするプロセスフローの一例を示す図である。
図7】本明細書で開示する例に従った、エラー補正をサポートするメモリデバイスを示すブロック図である。
図8】本明細書で開示する例に従った、メモリデバイス上でのエラー補正をサポートする方法を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0006】
メモリデバイスは、メモリデバイスのメモリセル上で実行される1つまたは複数のアクセス動作(例えば、読み取りまたは書き込み)の一部としてのエラー補正コード(ECC)動作などの、データ内のエラーを検出または補正するための動作を実行することができる。メモリデバイスは、ECC動作を実行するための1つまたは複数の回路を含むことができる。ECC動作の例は、シングルエラー補正(SEC)動作、またはシングルエラー補正ダブルエラー検出(SECDED)動作を含むことができる。場合によっては、ECC回路はメモリセルのバンクに関連付けられ、その対応するメモリセルのバンクに関連付けられたアクセス動作のためのECC動作を実行することができる。ダイ上で、ECC回路は空間(例えば、表面エリア)を占有し、それによってダイ上のメモリセルに使用可能なエリアを減少させることができる。他の構成要素によって占有されていないダイのオープン/フリー空間にわたってECC回路を分散させることによって、ECC回路のサイズを縮小することができる。しかしながら、ECC回路を分散させることは、メモリデバイス上で実行されるECC動作の効率を低下させること(例えば、確度を低下させる、速度を低下させるなど)が可能である。
【0007】
いくつかの例において、メモリデバイスは、第1のECC動作のセットを実行するための第1のECC回路、および第2の動作のセットを実行するための第2のECC回路を含む、メモリダイを有することができる。第1および第2のECC回路は、メモリデバイスの効率(例えば、メモリ密度、アクセス動作の速度、信頼性など)を上昇させるように構成可能である。
【0008】
例えば、第1のECC回路は、書き込み動作(例えば、書き込み、マスク書き込み、ウェアレベリング)に関連付けられたECCプロセスを実行するように構成可能である。さらに、第1のECC回路は、メモリセルのアレイの下(例えば、メモリセルのアレイのフットプリント内)にあるメモリセルのアレイとは別の層上に位置し、それによって、メモリセルのアレイのメモリセル密度を維持することができる。第2のECC回路は、読み取り動作に関連付けられたECCプロセスを実行するように構成可能である。場合によっては、メモリデバイスは、書き込み動作よりも多くの読み取り動作を実行することができる。第2のECC回路は、第1のECC回路より高速のECC回路を実行する構造を有することができる。さらに第2のECC回路は、メモリセルのアレイのメモリセル密度を維持するために、メモリセルのアレイのフットプリント外に位置することができる。したがって、第1および第2のECC回路は、メモリデバイスの効率を上昇させるように、独立して構成可能である。
【0009】
メモリデバイス上でのエラー補正のための技法を説明する。メモリデバイスは、複数のバンクを含むメモリセルのアレイを含むことができる。第1のECC回路は、複数のバンクのうちの第1のバンクに結合し、第1のアクセス動作(例えば、書き込み動作)に関連付けられたECC動作を実行することができる。第1のECC回路は、第1のアクセス動作に関連付けられたデータを受信し、第1のアクセス動作の一部として第1のECC動作を実行することができる。データは、メモリデバイスの第1のバンクに記憶することができる。第2のECC回路は、第1のバンクに結合し、第2のアクセス動作(例えば、読み取り動作)に関連付けられたECC動作を実行することができる。第2のアクセス動作中、第2のECC回路は、メモリデバイスの第1のバンクに記憶されたデータを受信することができる。第2のECC回路は、読み取り動作の一部として第2のECC動作を実行することができる。場合によっては、第2の回路は、第2のECC動作の実行に基づいて、バンクから受信したデータを修正することができる。
【0010】
本開示の特徴は、初めに、図1図3を参照しながら説明するメモリシステムおよびメモリダイとの関連において説明する。本開示の特徴は、図4図6を参照しながら説明するメモリダイ図およびプロセスフロー図との関連において説明する。本開示のこれらおよび他の特徴は、図7図8を参照しながら説明するメモリデバイス上でのエラー補正に関する装置図およびフローチャートを参照しながら、さらに図示および説明する。
【0011】
図1は、本明細書で開示する例に従った、1つまたは複数のメモリデバイスを利用するシステム100の一例を示す。システム100は、外部メモリコントローラ105、メモリデバイス110、および、外部メモリコントローラ105をメモリデバイス110に結合する複数のチャネル115を含むことができる。システム100は、1つまたは複数のメモリデバイスを含むことができるが、説明を容易にするために、1つまたは複数のメモリデバイスを単一のメモリデバイス110として説明する。
【0012】
システム100は、コンピューティングデバイス、モバイルコンピューティングデバイス、ワイヤレスデバイス、またはグラフィックス処理デバイスなどの、電子デバイスの一部を含むことができる。システム100は、コンピュータ、ラップトップコンピュータ、タブレットコンピュータ、スマートフォン、携帯電話、ウェアラブルデバイス、インターネット接続デバイスなどの例であってよい。メモリデバイス110は、システム100の1つまたは複数の他の構成要素についてのデータを記憶するように構成された、システムの構成要素であってよい。いくつかの例において、システム100は、基地局またはアクセスポイントを使用した他のシステムまたはデバイスとの双方向ワイヤレス通信のために構成される。いくつかの例において、システム100は、機械型通信(MTC)、機械間(M2M)通信、またはデバイス間(D2D)通信が可能である。
【0013】
システム100の少なくとも一部は、ホストデバイスの例であってよい。こうしたホストデバイスは、コンピューティングデバイス、モバイルコンピューティングデバイス、ワイヤレスデバイス、グラフィックス処理デバイス、コンピュータ、ラップトップコンピュータ、タブレットコンピュータ、スマートフォン、携帯電話、ウェアラブルデバイス、インターネット接続デバイス、何らかの他の固定式または移動式電子デバイスなどの、プロセスを実行するためにメモリを使用するデバイスの一例であってよい。場合によっては、ホストデバイスは、外部メモリコントローラ105の機能を実施する、ハードウェア、ファームウェア、ソフトウェア、またはそれらの組み合わせを示すことができる。場合によっては、外部メモリコントローラ105はホストまたはホストデバイスと呼ぶことができる。
【0014】
場合によっては、メモリデバイス110は、システム100の他の構成要素と通信し、システム100によって潜在的に使用または参照されるべき物理的メモリアドレス/空間を提供するように構成された、独立デバイスまたは構成要素であってよい。いくつかの例において、メモリデバイス110は、少なくとも1つまたは複数の異なるタイプのシステム100と協働するように構成可能であってよい。システム100の構成要素とメモリデバイス110との間でのシグナリングは、信号を変調するための変調方式、信号を通信するための異なるピン設計、システム100およびメモリデバイス110の明確なパッケージング、システム100とメモリデバイス110との間のクロックシグナリングおよび同期、タイミング規約、および/または他の要因を、サポートするように動作可能であってよい。
【0015】
メモリデバイス110は、システム100の構成要素についてのデータを記憶するように構成可能であってよい。場合によっては、メモリデバイス110は、システム100に対してスレーブ型(例えば、外部メモリコントローラ105を介して、システム100によって提供されるコマンドに応答し、これらのコマンドを実行する)デバイスとして働くことができる。こうしたコマンドは、書き込み動作のための書き込みコマンド、読み取り動作のための読み取りコマンド、リフレッシュ動作のためのリフレッシュコマンド、または他のコマンドなどの、アクセス動作のためのアクセスコマンドを含むことができる。メモリデバイス110は、データストレージのための望ましいまたは指定された容量をサポートするための、2つ以上のメモリダイ160(例えば、メモリチップ)を含むことができる。2つ以上のメモリダイを含むメモリデバイス110は、マルチダイメモリまたはパッケージ(マルチチップメモリまたはパッケージとも呼ばれる)と呼ぶことができる。
【0016】
システム100は、プロセッサ120、基本入力/出力システム(BIOS)構成要素125、1つまたは複数の周辺構成要素130、および入力/出力(I/O)コントローラ135を、さらに含むことができる。システム100の構成要素は、バス140を使用して互いに電子通信することができる。
【0017】
プロセッサ120は、システム100の少なくとも一部を制御するように構成可能である。プロセッサ120は、汎用プロセッサ、デジタル信号プロセッサ(DSP)、特定用途向け集積回路(ASIC)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)または他のプログラマブル論理デバイス、離散ゲートまたはトランジスタ論理、離散ハードウェア構成要素であってよく、あるいは、これらのタイプの構成要素の組み合わせであってよい。こうした場合には、プロセッサ120は、とりわけ、中央処理ユニット(CPU)、グラフィックス処理ユニット(GPU)、汎用グラフィック処理ユニット(GPGPU)、またはシステムオンチップ(SoC)の例とすることができる。
【0018】
BIOS構成要素125は、システム100の様々なハードウェア構成要素を初期設定および実行することが可能な、ファームウェアとして動作されるBIOSを含む、ソフトウェア構成要素であってよい。BIOS構成要素125は、プロセッサ120とシステム100の様々な構成要素、例えば、周辺構成要素130、I/Oコントローラ135などとの間のデータフローを管理することも可能である。BIOS構成要素125は、読み取り専用メモリ(ROM)、フラッシュメモリ、または任意の他の不揮発性メモリに記憶される、プログラムまたはソフトウェアを含むことができる。
【0019】
周辺構成要素130は、システム100に組み込むかまたはシステム100と一体化することができる、任意の入力デバイスまたは出力デバイス、あるいはこうしたデバイスのためのインターフェースとすることができる。例には、ディスクコントローラ、サウンドコントローラ、グラフィックスコントローラ、イーサネットコントローラ、モデム、ユニバーサルシリアルバス(USB)コントローラ、シリアルまたはパラレルポート、あるいは、周辺構成要素相互接続(PCI)または専用グラフィックスポートなどの周辺カードスロットを含むことができる。周辺構成要素130は、当業者であれば周辺装置として理解される、他の構成要素とすることができる。
【0020】
I/Oコントローラ135は、プロセッサ120と、周辺構成要素130、入力デバイス145、または出力デバイス150との間の、データ通信を管理することができる。I/Oコントローラ135は、システムに組み込まれないかまたはシステム100と一体化されない、周辺装置を管理することができる。場合によっては、I/Oコントローラ135は、外部周辺構成要素への物理的接続またはポートを表すことができる。
【0021】
入力145は、システム100またはその構成要素に、情報、信号、またはデータを提供する、システム100外部のデバイスまたは信号を表すことができる。これには、ユーザインターフェース、あるいは、他のデバイスとのインターフェースまたは他のデバイス間のインターフェースを含むことができる。場合によっては、入力145は、1つまたは複数の周辺構成要素を介してシステム100とインターフェースする周辺装置であるか、または、I/Oコントローラ135によって管理することができる。
【0022】
出力150は、システム100またはその構成要素のうちのいずれかから出力を受信するように構成された、システム100外部のデバイスまたは信号を表すことができる。出力150は、ディスプレイ、オーディオスピーカ、プリンティングデバイス、または、プリント回路基板上の別のプロセッサなどを、含むことができる。場合によっては、出力150は、1つまたは複数の周辺構成要素130を介してシステム100とインターフェースする周辺装置とすることができるか、あるいは、I/Oコントローラ135によって管理することができる。
【0023】
システム100の構成要素は、それらの機能を実施するように設計された、汎用または特定用途向けの回路要素で構成することができる。これには、本明細書で説明する機能を実施するように構成された、様々な回路要素、例えば、導電線、トランジスタ、キャパシタ、インダクタ、レジスタ、増幅器、あるいは、他の能動素子または受動素子を含むことができる。
【0024】
メモリデバイス110は、デバイスメモリコントローラ155および1つまたは複数のメモリダイ160を含むことができる。各メモリダイ160は、ローカルメモリコントローラ165(例えば、ローカルメモリコントローラ165-a、ローカルメモリコントローラ165-b、および/またはローカルメモリコントローラ165-N)、およびメモリアレイ170(例えば、メモリアレイ170-a、メモリアレイ170-b、および/またはメモリアレイ170-N)を含むことができる。メモリアレイ170は、各メモリセルが少なくとも1ビットのデジタルデータを記憶するように構成された、メモリセルの集合(例えば、グリッド)とすることができる。メモリアレイ170および/またはメモリセルの特徴を、図2を参照しながらより詳細に説明する。メモリダイ160は、1つまたは複数のメモリアレイ170上でのデータの記憶に関連付けられたエラーを補正するためのECC回路を含むことができる。例えば、ECC回路は、1つまたは複数のメモリセルのアクセス動作(例えば、読み取りおよび書き込み動作)に関連付けられた、シングルビットエラーを補正することができる。場合によっては、各メモリダイ160は、第1のECC回路および第2のECC回路を含むことができる。第1のECC回路は、アクセス動作(例えば、読み取りまたは書き込み動作)の第1のセットに関連付けられた1つまたは複数のECC動作を実行するように構成可能である。第2のECC回路は、アクセス動作(例えば、読み取りまたは書き込み動作)の第2のセットに関連付けられた1つまたは複数のECC動作(例えば、SECまたはSECDED)を実行するように構成可能である。第1および第2のECC回路は、独立に構成可能である。場合によっては、第1および第2のECC回路は、メモリダイ160上の別々のロケーションを占有することができる。
【0025】
メモリデバイス110は、メモリセルの2次元(2D)アレイの一例であるか、または、メモリセルの3次元(3D)アレイの一例であってよい。例えば、2Dメモリデバイスは、単一のメモリダイ160-aを含むことができる。3Dメモリデバイスは、2つ以上のメモリダイ160(例えば、メモリダイ160-a、メモリダイ160-b、および/または任意の量のメモリダイ160-N)を含むことができる。3Dメモリデバイスでは、複数のメモリダイ160-Nを積み重ねるかまたは並べることができる。場合によっては、3Dメモリデバイス内のメモリデバイス160-Nは、デッキ、レベル、層、またはダイと呼ぶことができる。3Dメモリデバイスは、任意の量の積み重ねられたメモリダイ160-N(例えば、2段、3段、4段、5段、6段、7段、8段)を含むことができる。これにより、単一の2Dメモリデバイスに比べて、基板上に位置決め可能なメモリセルの量を増加させることができ、これによって生産コストを低下させ、メモリアレイのパフォーマンスを向上させること、またはその両方が可能である。いくつかの3Dメモリデバイスでは、異なるデッキが少なくとも1つの共通アクセス線を共有することができるため、いくつかのデッキが、ワード線、ディジット線、および/またはプレート線のうちの少なくとも1つを共有することができる。
【0026】
2Dまたは3Dメモリデバイスのいずれかにおいて、各メモリダイ160は複数の層(例えば、アクセス動作を実行するための1つまたは複数の構成要素を各々が含む複数のレベル)を有することができる。メモリダイ160の第1の層はメモリセルのアレイを含むことができ、第2の層は、1つまたは複数のディジット線ドライバまたは関連する構成要素、1つまたは複数のワード線ドライバまたは関連する構成要素、1つまたは複数のプレート線ドライバまたは関連する構成要素、1つまたは複数の感知構成要素または関連する構成要素などの、サポート回路要素を含むことができる。いくつかの例において、サポート回路要素は、mux信号増幅器などの、多重化(mux)構成要素を含むことができる。第1のECC回路のうちの1つまたは複数は、第2のECC回路と同じかまたは異なる層上に位置することができる。場合によっては、複数の第1のECC回路は各メモリダイ160の第2の層上に位置することができ、第2のECC回路もECCダイ160の第2の層上に位置することができる。第1のECC回路は、第2の層上および各メモリアレイ170のメモリセルの下方に位置決めすることができ、第2のECC回路も、第2の層上に位置し、各メモリアレイ170のメモリセルのフットプリント外に位置決めすることができる。
【0027】
デバイスメモリコントローラ155は、メモリデバイス110の動作を制御するように構成された回路または構成要素を含むことができる。したがって、デバイスメモリコントローラ155は、メモリデバイス110がコマンドを実行できるようにする、ハードウェア、ファームウェア、およびソフトウェアを含むことができ、また、メモリデバイス110に関するコマンド、データ、または制御情報を、受信、送信、または実行するように構成可能である。デバイスメモリコントローラ155は、外部メモリコントローラ105、1つまたは複数のメモリダイ160、あるいはプロセッサ120と通信するように構成可能である。場合によっては、メモリデバイス110は、外部メモリコントローラ105からデータおよび/またはコマンドを受信することができる。例えば、メモリデバイス110は、メモリデバイス110がシステム100の構成要素(例えば、プロセッサ120)の代わりに特定のデータを記憶するものであることを示す、書き込みコマンドと、メモリデバイス110が、メモリダイ160に記憶された特定のデータをシステム100の構成要素(例えば、プロセッサ120)に提供するものであることを示す、読み取りコマンドとを、受信することができる。場合によっては、デバイスメモリコントローラ155は、メモリダイ160のローカルメモリコントローラ165に関連して本明細書で説明するメモリデバイス110の動作を制御することができる。デバイスメモリコントローラ155および/またはローカルメモリコントローラ165に含まれる構成要素の例には、外部メモリコントローラ105から受信した信号を復調するための受信器、信号を変調して外部メモリコントローラ105に送信するためのデコーダ、論理、デコーダ、増幅器、フィルタ、などを含むことができる。
【0028】
(例えば、メモリダイ160に対してローカルな)ローカルメモリコントローラ165は、メモリダイ160の動作を制御するように構成可能である。また、ローカルメモリコントローラ165は、デバイスメモリコントローラ155と通信する(例えば、データおよび/またはコマンドを受信および送信する)ように、構成可能でもある。ローカルメモリコントローラ165は、本明細書で説明するメモリデバイス110の動作を制御するために、デバイスメモリコントローラ155をサポートすることができる。場合によっては、メモリデバイス110はデバイスメモリコントローラ155を含まず、またローカルメモリコントローラ165または外部メモリコントローラ105は、本明細書で説明する様々な機能を実行することができる。したがって、ローカルメモリコントローラ165は、デバイスメモリコントローラ155と、他のローカルメモリコントローラ165と、または外部メモリコントローラ105またはプロセッサ120と直接、通信するように構成可能である。場合によっては、ローカルメモリコントローラ165は、メモリデバイス110に関連付けられた1つまたは複数のECC回路のためのECC動作を制御するように構成可能である。いくつかの例において、ローカルメモリコントローラ165は、1つまたは複数のメモリアレイ170に関連付けられたECC回路を制御することができる。
【0029】
外部メモリコントローラ105は、システム100の構成要素(例えば、プロセッサ120)とメモリデバイス110との間での、情報、データ、および/またはコマンドの通信を実行可能にするように構成可能である。外部メモリコントローラ105は、システム100の構成要素とメモリデバイス110との間でリエゾンとして作用することが可能であるため、システム100の構成要素は、必ずしもメモリデバイスの動作の詳細を知る必要はない。システム100の構成要素は、外部メモリコントローラ105が満たす要求(例えば、読み取りコマンドまたは書き込みコマンド)を、外部メモリコントローラ105に提示することができる。外部メモリコントローラ105は、システム100の構成要素とメモリデバイス110との間で交換される通信を、転換または変換することができる。場合によっては、外部メモリコントローラ105は、共通(ソース)システムクロック信号を生成するシステムクロックを含むことができる。場合によっては、外部メモリコントローラ105は、共通(ソース)データクロック信号を生成する共通データクロックを含むことができる。場合によっては、外部メモリコントローラ105は、メモリデバイス110に関連付けられた1つまたは複数のECC回路のためのECC動作を制御するように構成可能である。いくつかの例において、外部メモリコントローラ105は、1つまたは複数のメモリアレイ170に関連付けられたECC回路を制御することができる。
【0030】
場合によっては、外部メモリコントローラ105またはシステム100の他の構成要素、あるいは本明細書で説明するその機能は、プロセッサ120によって実施することができる。例えば、外部メモリコントローラ105は、プロセッサ120またはシステム100の他の構成要素によって実施される、ハードウェア、ファームウェア、またはソフトウェア、あるいはそれらの何らかの組み合わせとすることができる。外部メモリコントローラ105は、メモリデバイス110の外部にあるものと示されるが、場合によっては、外部メモリコントローラ105または本明細書で説明するその機能は、メモリデバイス110によって実施可能である。例えば、外部メモリコントローラ105は、デバイスメモリコントローラ155あるいは1つまたは複数のローカルメモリコントローラ165によって実施される、ハードウェア、ファームウェア、またはソフトウェア、あるいはそれらの何らかの組み合わせとすることができる。場合によっては、外部メモリコントローラ105は、プロセッサ120およびメモリデバイス110にわたって分散可能であるため、外部メモリコントローラ105の一部はプロセッサ120によって実施され、他の部分はデバイスメモリコントローラ155またはローカルメモリコントローラ165によって実施されることになる。同様に、場合によっては、本明細書でデバイスメモリコントローラ155またはローカルメモリコントローラ165に帰する1つまたは複数の機能は、場合によっては、(プロセッサ120とは別であるか、またはプロセッサ120に含められた)外部メモリコントローラ105によって実行可能である。
【0031】
システム100の構成要素は、複数のチャネル115を使用してメモリデバイス110と情報を交換することができる。いくつかの例において、チャネル115は、外部メモリコントローラ105とメモリデバイス110との間での通信を実行可能にすることができる。各チャネル115は、システム100の構成要素に関連付けられた端子間に、1つまたは複数の信号経路または伝送媒体(例えば、導体)を含むことができる。例えば、チャネル115は、外部メモリコントローラ105に1つまたは複数のピンまたはパッドを含み、メモリデバイス110に1つまたは複数のピンまたはパッドを含む、第1の端子を含むことができる。ピンは、システム100のデバイスの導電入力または出力ポイントの一例であってよく、ピンは、チャネルの一部として作用するように構成可能である。場合によっては、端子のピンまたはパッドは、チャネル115の信号経路の一部とすることができる。システム100の構成要素内で信号を経路指定するために、追加の信号経路をチャネルの端子に結合することができる。例えばメモリデバイス110は、チャネル115の端子からメモリデバイス110の様々な構成要素(例えば、デバイスメモリコントローラ155、メモリダイ160、ローカルメモリコントローラ165、メモリアレイ170)へと、信号を経路指定する、信号経路(例えば、メモリダイ160の内部などの、メモリデバイス110またはその構成要素の内部の信号経路)を含むことができる。
【0032】
チャネル115(および、関連付けられた信号経路および端子)は、特定タイプの情報の通信専用とすることができる。場合によっては、チャネル115は集合チャネルとすることができ、したがって、複数の個別のチャネルを含むことができる。例えば、データチャネル190は、×4(例えば、4つの信号経路を含む)、×8(例えば、8つの信号経路を含む)、×16(例えば、16の信号経路を含む)、などとすることができる。チャネルを介して通信される信号は、ダブルデータレート(DDR)タイミング方式を使用することができる。例えば、信号のいくつかのシンボルはクロック信号の立上りエッジに登録可能であり、信号の他のシンボルはクロック信号の立下りエッジに登録可能である。チャネルを介して通信される信号は、シングルデータレート(SDR)シグナリングを使用することができる。例えば、各クロックサイクルについて信号の1つのシンボルを登録することができる。
【0033】
場合によっては、チャネル115は、1つまたは複数のコマンドおよびアドレス(CA)チャネル186を含むことができる。CAチャネル186は、外部メモリコントローラ105と、コマンドに関連付けられた制御情報(例えば、アドレス情報)を含むメモリデバイス110との間で、コマンドを通信するように構成可能である。例えば、CAチャネル186は、望ましいデータのアドレスを伴う読み取りコマンドを含むことができる。場合によっては、CAチャネル186は、立上りクロック信号エッジおよび/または立下りクロック信号エッジに登録することができる。場合によっては、CAチャネル186が、アドレスおよびコマンドデータを復号するための任意量の信号経路(例えば、8または9の信号経路)を含むことができる。
【0034】
場合によっては、チャネル115は、1つまたは複数のクロック信号(CK)チャネル188を含むことができる。CKチャネル188は、外部メモリコントローラ105とメモリデバイス110との間で1つまたは複数の共通クロック信号を通信するように構成可能である。各クロック信号は、高状態と低状態との間で振動するように、また、外部メモリコントローラ105およびメモリデバイス110のアクションを調整するように、構成可能である。場合によっては、クロック信号は、差分出力(例えば、CK_t信号およびCK_c信号)とすることができ、CKチャネル188の信号経路はそれに応じて構成可能である。場合によっては、クロック信号はシングルエンドとすることができる。CKチャネル188は、任意の量の信号経路を含むことができる。場合によっては、クロック信号CK(例えば、CK_t信号およびCK_c信号)は、メモリデバイス110のためのコマンドおよびアドレス指定動作のタイミング基準、または、メモリデバイス110のための他のシステム全体の動作を提供することができる。したがってクロック信号CKは、制御クロック信号CK、共通クロック信号CK、またはシステムクロック信号CKと、様々に呼ぶことができることができる。システムクロック信号CKは、1つまたは複数のハードウェア構成要素(例えば、発振器、結晶、論理ゲート、トランジスタなど)を含むことができる、システムクロックによって生成可能である。
【0035】
場合によっては、チャネル115は、1つまたは複数のデータ(DQ)チャネル190を含むことができる。データチャネル190は、外部メモリコントローラ105とメモリデバイス110との間で、データおよび/または制御情報を通信するように構成可能である。例えば、データチャネル190は、メモリデバイス110に書き込むべき情報またはメモリデバイス110から読み取った情報(例えば、双方向)を、通信することができる。
【0036】
場合によっては、チャネル115は、他の目的専用であってよい1つまたは複数の他のチャネル192を含むことができる。これらの他のチャネル192は、任意の量の信号経路を含むことができる。
【0037】
場合によっては、その他のチャネル192は、1つまたは複数の書き込みクロック信号(WCK)チャネルを含むことができる。WCKの「W」は、名目上「書き込み(write)」を表し、書き込みクロック信号WCK(例えば、WCK_t信号およびWCK_c信号)は、一般に、メモリデバイス110のためのアクセス動作にタイミング基準(例えば、読み取りおよび書き込みの両方の動作のためのタイミング基準)を提供することができる。したがって、書き込みクロック信号WCKは、データクロック信号WCKとも呼ばれることがある。WCKチャネルは、外部メモリコントローラ105とメモリデバイス110との間で、共通のデータクロック信号を通信するように構成可能である。データクロック信号は、外部メモリコントローラ105およびメモリデバイス110のアクセス動作(例えば、書き込み動作または読み取り動作)を調整するように構成可能である。場合によっては、書き込みクロック信号は差分出力(例えば、WCK_t信号およびWCK_c信号)とすることができ、それに応じてWCKチャネルの信号経路を構成することができる。WCKチャネルは任意量の信号経路を含むことができる。データクロック信号WCKは、1つまたは複数のハードウェア構成要素(例えば、発振器、結晶、論理ゲート、トランジスタなど)を含むことができる、データクロックによって生成可能である。
【0038】
場合によっては、他のチャネル192は、1つまたは複数のエラー検出コード(EDC)チャネルを含むことができる。EDCチャネルは、システムの信頼性を向上させるために、チェックサムなどのエラー検出信号を通信するように構成可能である。EDCチャネルは、任意量の信号経路を含むことができる。
【0039】
チャネル115は、様々な異なるアーキテクチャを使用して外部メモリコントローラ105をメモリデバイス110に結合することができる。様々なアーキテクチャの例は、バス、2地点間接続、クロスバー、シリコンインターポーザなどの高密度インターポーザ、または、有機基板内に形成されたチャネル、あるいはそれらの組み合わせを含むことができる。例えば、場合によっては、信号経路は、シリコンインターポーザまたはガラスインターポーザなどの高密度インターポーザを少なくとも部分的に含むことができる。
【0040】
チャネル115を介して通信される信号は、様々な異なる変調方式を使用して変調することができる。場合によっては、バイナリシンボル(またはバイナリレベル)変調方式を使用して、外部メモリコントローラ105とメモリデバイス110との間で通信される信号を変調することができる。バイナリシンボル変調方式は、Mが2に等しい多値変調方式の一例とすることができる。バイナリシンボル変調方式の各々のシンボルは、1ビットのデジタルデータを表すように構成可能である(例えば、シンボルは論理1または論理0を表すことができる)。バイナリシンボル変調方式の例は、非ゼロ復帰(NRZ)、単極性符号化、双極性符号化、マンチェスター符号化、2つのシンボル(例えば、PAM2)を有するパルス振幅変調(PAM)、および/またはその他を含むが、限定されない。
【0041】
図2は、本明細書で開示する例に従った、メモリダイ200の一例を示す図である。メモリダイ200は、図1を参照しながら説明するメモリダイ160の一例とすることができる。場合によっては、メモリダイ200は、メモリチップ、メモリデバイス、または電子メモリ装置と呼ぶことができる。メモリダイ200は、異なる論理状態を記憶するようにプログラム可能な1つまたは複数のメモリセル205を含むことができる。各メモリセル205は、2つまたはそれ以上の状態を記憶するようにプログラム可能である。例えば、メモリセル205は、一度に1ビットのデジタル論理(例えば、論理0および論理1)を記憶するように構成可能である。場合によっては、単一のメモリセル205(例えば、マルチレベルメモリセル)は、一度に1ビットより多くのデジタル論理(例えば、論理00、論理01、論理10、または論理11)を記憶するように構成可能である。
【0042】
メモリセル205は、デジタルデータを表す状態(例えば、分極状態または誘電電荷)を記憶することができる。FeRAMアーキテクチャにおいて、メモリセル205は、プログラム可能状態を表す電荷および/または分極を記憶するための強誘電材料を含む、キャパシタを含むことができる。DRAMアーキテクチャにおいて、メモリセル205は、プログラム可能状態を表す電荷を記憶するための誘電材料を含む、キャパシタを含むことができる。
【0043】
読み取りおよび書き込みなどの動作は、ワード線210、ディジット線215、および/またはプレート線220などのアクセス線を活動化または選択することによって、メモリセル205上で実行することができる。場合によっては、ディジット線215はビット線とも呼ぶことができる。アクセス線、ワード線、ディジット線、プレート線、またはそれらの類似物への言及は、理解または動作を犠牲にすることなく、交換可能である。ワード線210、ディジット線215、またはプレート線220を活動化または選択することは、それぞれの線に電圧を印加することを含むことができる。
【0044】
メモリダイ200は、格子状パターンに配置されたアクセス線(例えば、ワード線210、ディジット線215、およびプレート線220)を含むことができる。メモリセル205は、ワード線210、ディジット線215、およびプレート線220の交点に位置決めすることができる。ワード線210、ディジット線215、またはプレート線220をバイアスすること(例えば、ワード線210、ディジット線215、および/またはプレート線220に電圧を印加すること)によって、それらの交点で単一のメモリセル205にアクセスすることができる。
【0045】
メモリセル205にアクセスすることは、行デコーダ225、列デコーダ230、およびプレートドライバ235を介して制御することができる。例えば行デコーダ225は、ローカルメモリコントローラ265から行アドレスを受信し、受信した行アドレスに基づいてワード線210を活動化することができる。列デコーダ230は、ローカルメモリコントローラ265から列アドレスを受信し、受信した列アドレスに基づいてディジット線215を活動化する。プレートドライバ235は、ローカルメモリコントローラ265からプレートアドレスを受信し、受信したプレートアドレスに基づいてプレート線220を活動化する。例えばメモリダイ200は、WL_1からWL_Mと標示された複数のワード線210、DL_1からDL_Nと標示された複数のディジット線215、および、PL_1からPL_Pと標示された複数のプレート線を含むことができ、M、N、およびPはメモリアレイのサイズに依存する。したがって、ワード線210、ディジット線215、およびプレート線220、例えばWL_1、DL_3、およびPL_1を活動化することによって、それらの交点でメモリセル205にアクセスすることができる。2次元または3次元のいずれの構成においても、ワード線210およびディジット線215の交点を、メモリセル205のアドレスと呼ぶことができる。場合によっては、ワード線210、ディジット線215、およびプレート線220を、メモリセル205のアドレスと呼ぶことができる。
【0046】
メモリセル205は、キャパシタ240などの論理ストレージ構成要素、およびスイッチング構成要素245を含むことができる。キャパシタ240は、強誘電体キャパシタの一例とすることができる。キャパシタ240の第1のノードはスイッチング構成要素245と結合することができ、キャパシタ240の第2のノードはプレート線220と結合することができる。スイッチング構成要素245は、トランジスタ、あるいは、2つの構成要素間の電子通信を選択的に確立するかまたは確立解除する任意の他のタイプのスイッチデバイスの一例とすることができる。
【0047】
メモリセル205の選択または選択解除は、スイッチング構成要素245を活動化または非活動化することによって達成可能である。キャパシタ240は、スイッチング構成要素245を使用してディジット線215と電子通信することができる。例えばキャパシタ240は、スイッチング構成要素245が非活動化されたときにディジット線215から分離可能であり、またキャパシタ240は、スイッチング構成要素245が活動化されたときにディジット線215に結合可能である。場合によっては、スイッチング構成要素245はトランジスタであり、その動作は、トランジスタゲートに電圧を印加することによって制御され、トランジスタゲートとトランジスタソースとの間の電圧差は、トランジスタの閾値電圧より大きいかまたは小さい。場合によっては、スイッチング構成要素245は、p形トランジスタまたはn形トランジスタとすることができる。ワード線210は、スイッチング構成要素245のゲートと電子通信可能であり、ワード線210に印加されている電圧に基づいて、スイッチング構成要素245を活動化/非活動化することができる。
【0048】
ワード線210は、メモリセル205上でアクセス動作を実行するために使用されるメモリセル205と電子通信する導電線とすることができる。場合によっては、ワード線210は、スイッチング構成要素245のゲートと電子通信可能であり、メモリセルのスイッチング構成要素245を制御するように構成可能である。いくつかのアーキテクチャにおいて、ワード線210はメモリセル205のキャパシタのノードと電子通信可能であり、メモリセル205はスイッチング構成要素を含まなくてよい。
【0049】
ディジット線215は、メモリセル205を感知構成要素250と接続する、導電線とすることができる。いくつかのアーキテクチャにおいて、メモリセル205は、アクセス動作の一部の間に、ディジット線215と選択的に結合することができる。例えば、ワード線210およびメモリセル205のスイッチング構成要素245は、メモリセル205のキャパシタ240およびディジット線215を選択的に結合および/または分離するように構成可能である。いくつかのアーキテクチャにおいて、メモリセル205はディジット線215と(例えば、継続的に)電子通信可能である。
【0050】
プレート線220は、メモリセル205上でアクセス動作を実行するために使用されるメモリセル205と電子通信する、導電線とすることができる。プレート線220は、キャパシタ240のノード(例えば、セル底部)と電子通信することができる。プレート線220は、メモリセル205のアクセス動作の間、キャパシタ240をバイアスするためにディジット線215と協働するように構成可能である。
【0051】
感知構成要素250は、メモリセル205のキャパシタ240上に記憶された状態(例えば、分極状態または電荷)を検出し、検出された状態に基づいてメモリセル205の論理状態を決定するように構成可能である。メモリセル205によって記憶された電荷は、場合によっては極端に小さい可能性がある。したがって、感知構成要素250は、メモリセル205の信号出力を増幅するための、1つまたは複数の感知増幅器を含むことができる。感知増幅器は、読み取り動作の間、ディジット線215の電荷における微細な変化を検出可能であり、また検出された電荷に基づいて、論理0または論理1のいずれかに対応する信号を生成することができる。読み取り動作の間、メモリセル205のキャパシタ240は、その対応するディジット線215に信号を出力(例えば、電荷を放電)することができる。信号は、ディジット線215の電圧を変化させることができる。感知構成要素250は、ディジット線215を横切ってメモリセル205から受信した信号を、基準信号255(例えば、基準電圧)と比較するように構成可能である。感知構成要素250は、この比較に基づいてメモリセル205の記憶された状態を決定することができる。例えば、バイナリシグナリングでは、ディジット線215が基準信号255より高い電圧を有する場合、感知構成要素250は、メモリセル205の記憶された状態が論理1であるものと決定可能であり、ディジット線215が基準信号255より低い電圧を有する場合、感知構成要素250は、メモリセル205の記憶された状態が論理0であるものと決定可能である。感知構成要素250は、信号における差を検出および増幅するための、様々なトランジスタまたは増幅器を含むことができる。メモリセル205の検出された論理状態は、出力260として列デコーダ230を介して出力可能である。場合によっては、感知構成要素250は、別の構成要素(例えば、列デコーダ230、行デコーダ225)の一部とすることができる。場合によっては、感知構成要素250は、行デコーダ225、列デコーダ230、および/またはプレートドライバ235と電子通信することができる。
【0052】
ローカルメモリコントローラ265は、様々な構成要素(例えば、行デコーダ225、列デコーダ230、プレートドライバ235、および感知構成要素250)を介して、メモリセル205の動作を制御することができる。ローカルメモリコントローラ265は、図1を参照しながら説明したローカルメモリコントローラ165の一例とすることができる。場合によっては、行デコーダ225、列デコーダ230、およびプレートドライバ235、および感知構成要素250のうちの1つまたは複数を、ローカルメモリコントローラ265と共同設置することができる。ローカルメモリコントローラ265は、外部メモリコントローラ105(または、図1を参照しながら説明したデバイスメモリコントローラ155)から1つまたは複数のコマンドおよび/またはデータを受信するように、コマンドおよび/またはデータをメモリダイ200によって使用可能な情報に変換するように、メモリダイ200上で1つまたは複数の動作を実行するように、ならびに、1つまたは複数の動作の実行に応答して、メモリダイ200からのデータを外部メモリコントローラ105(または、デバイスメモリコントローラ155)に通信するように、構成可能である。
【0053】
ローカルメモリコントローラ265は、ターゲットワード線210、ターゲットディジット線215、およびターゲットプレート線220を活動化するために、行、列、および/またはプレートの線アドレス信号を生成することができる。ローカルメモリコントローラ265は、メモリダイ200の動作中に使用される様々な電圧または電流を、生成および制御することもできる。一般に、本明細書で考察する印加される電圧または電流の振幅、形状、または持続時間は、調節または変更可能であり、メモリダイ200を動作する際に考察される様々な動作について、異なる可能性がある。
【0054】
場合によっては、ローカルメモリコントローラ265は、メモリダイ200の1つまたは複数のメモリセル205上で書き込み動作(例えば、プログラミング動作)を実行するように構成可能である。書き込み動作の間、メモリダイ200のメモリセル205は、望ましい論理状態を記憶するようにプログラム可能である。場合によっては、複数のメモリセル205を単一の書き込み動作の間にプログラミングすることができる。ローカルメモリコントローラ265は、書き込み動作を実行するためのターゲットメモリセル205を識別することができる。ローカルメモリコントローラ265は、ターゲットメモリセル205(例えば、ターゲットメモリセル205のアドレス)と電子通信する、ターゲットワード線210、ターゲットディジット線215、および/またはターゲットプレート線220を識別することができる。ローカルメモリコントローラ265は、ターゲットメモリセル205にアクセスするために、ターゲットワード線210、ターゲットディジット線215、および/またはターゲットプレート線220を活動化すること(例えば、ワード線210、ディジット線215、またはプレート線220に電圧を印加すること)ができる。ローカルメモリコントローラ265は、特定の状態をメモリセル205のキャパシタ240に記憶するための書き込み動作の間に、特定の信号(例えば、電圧)をディジット線215に印加すること、および、特定の信号(例えば、電圧)をプレート線220に印加することが可能であり、特定の状態は望ましい論理状態を示す。
【0055】
メモリダイ200は、1つまたは複数のメモリセル205上の書き込み動作の一部として1つまたは複数のECC動作を実行するように構成可能である。場合によっては、メモリダイ200は、書き込み動作に関連付けられたエラー補正動作(例えば、SECまたはSECDED)を実行するための1つまたは複数のECC回路を含むことができる。例えばメモリダイ200は、ECC書き込み動作を実行するように構成された複数の第1のECC回路を含むことができる。第1のECC回路(例えば、ECC書き込み回路)の各々は、メモリダイ200上に位置するメモリセル205のサブセットに関連付けることができる。場合によっては、第1のECC回路の各々は、メモリダイ200上のメモリセル205のバンクに関連付けることができ、そのメモリセル205のバンクへのデータの書き込みに関連付けられたECC書き込み動作を実行するように構成可能である。いくつかの例において、ローカルメモリコントローラ265は、メモリダイ200上に位置するメモリセル205でECC書き込み動作の1つまたは複数の態様を実行するように構成可能である。これは、いずれのECC書き込み回路/メモリセル205が書き込み動作に関連付けられたデータを受信するかを制御すること、書き込み動作に関連付けられたパリティデータを記憶すること、1つまたは複数のECC動作に基づいてデータを修正すること、ECC書き込み動作に関する情報を例えばホストデバイスなどに伝送すること、またはそれらの組み合わせを行う、ローカルメモリコントローラ265を含むことができる。
【0056】
場合によっては、ローカルメモリコントローラ265は、メモリダイ200の1つまたは複数のメモリセル205上で読み取り動作(例えば、感知動作)を実行するように構成可能である。読み取り動作の間、メモリダイ200のメモリセル205に記憶される論理状態を決定することができる。場合によっては、単一の読み取り動作の間に複数のメモリセル205を感知することができる。ローカルメモリコントローラ265は、読み取り動作を実行するためのターゲットメモリセル205を識別することができる。ローカルメモリコントローラ265は、ターゲットメモリセル205(例えば、ターゲットメモリセル205のアドレス)と電子通信する、ターゲットワード線210、ターゲットディジット線215、および/またはターゲットプレート線220を識別することができる。ローカルメモリコントローラ265は、ターゲットメモリセル205にアクセスするために、ターゲットワード線210、ターゲットディジット線215、および/またはターゲットプレート線220を活動化すること(例えば、ワード線210、ディジット線215、またはプレート線220に電圧を印加すること)ができる。ターゲットメモリセル205は、アクセス線をバイアスすることに応答して、感知構成要素250に信号を転送することができる。感知構成要素250は信号を増幅することができる。ローカルメモリコントローラ265は、感知構成要素250を発動すること(例えば、感知構成要素をラッチすること)が可能であり、それによってメモリセル205から受信した信号を基準信号255と比較することができる。この比較に基づいて、感知構成要素250は、メモリセル205上に記憶される論理状態を決定することができる。ローカルメモリコントローラ265は、メモリセル205に記憶された論理状態を、読み取り動作の一部として外部メモリコントローラ105(または、デバイスメモリコントローラ)に通信することができる。
【0057】
メモリダイ200は、1つまたは複数のメモリセル205上での読み取り動作の一部として、1つまたは複数のECC動作を実行するように構成可能である。場合によっては、メモリダイ200は、読み取り動作に関連付けられたエラー補正動作(例えば、SECまたはSECDED)を実行するための1つまたは複数のECC回路を含むことができる。例えばメモリダイ200は、ECC読み取り動作を実行するように構成された第2のECC回路を含むことができる。第2のECC回路(例えば、ECC書き込み回路)は、メモリダイ200上に位置するメモリセル205の複数のバンクに関連付けることができる。場合によっては、第2のECC回路は、メモリダイ200上のすべてのメモリセル205のためのECC読み取り動作を実行するように構成可能である。いくつかの例において、ローカルメモリコントローラ265は、メモリダイ200上に位置するメモリセル205上でのECC読み取り動作の1つまたは複数の態様を実行するように構成可能である。これは、メモリセル205上でのECC読み取り動作を制御すること、読み取り動作に関連付けられたパリティデータを伝送すること、1つまたは複数のECC読み取り動作に基づいてデータを修正すること、ECC読み取り動作に関する情報を例えばホストデバイスなどに伝送すること、またはそれらの組み合わせを行う、ローカルメモリコントロール265を含むことができる。
【0058】
図3Aおよび図3Bは、本明細書で開示する様々な例に従った、ヒステリシス曲線300-aおよび300-bを伴う強誘電体メモリセルの非線形電気特性の例を示す。ヒステリシス曲線300-aおよび300-bは、それぞれ、例示の強誘電体メモリセルの書き込みおよび読み取りプロセスを示す。ヒステリシス曲線300-aおよび300-bは、電圧差Vの関数として、強誘電体キャパシタ(例えば、図2を参照しながら説明したキャパシタ240)上に記憶される電荷Qを示す。
【0059】
強誘電体材料は、自発電気分極によって特徴付けられ、すなわち電界が存在しないときに非ゼロの電気分極を維持する。強誘電体材料の例は、チタン酸バリウム(BaTiO3)、チタン酸鉛(PbTiO3)、チタン酸ジルコン酸鉛(PZT)、およびタンタル酸ストロンチウムビスマス(SBT)を含む。本明細書で説明する強誘電体キャパシタは、これらまたは他の強誘電体材料を含むことができる。強誘電体キャパシタ内の電気分極は、結果として、強誘電体材料の表面に正味電荷を生じさせ、キャパシタ端子を介して反対の電荷を引き付ける。したがって、電荷は、強誘電体材料とキャパシタ端子とのインターフェースに蓄えられる。相対的に長い時間、たとえ無制限であっても、電場が外部から印加されない場合、電気分極は維持されるため、例えば、DRAMアレイに採用されるキャパシタと比較して、電荷漏れを大幅に低減させることができる。これにより、リフレッシュ動作を実行する必要性を低減させることができる。
【0060】
ヒステリシス曲線300-aおよび300-bは、キャパシタの単一の端子の視点から理解することができる。例を挙げると、強誘電体材料が負の分極を有する場合、端子には正の電荷が蓄積する。同様に、強誘電体材料が正の分極を有する場合、端子には負の電荷が蓄積する。加えて、ヒステリシス曲線300-aおよび300-b内の電圧は、キャパシタを横切る電圧差を表し、指向性である。例えば正の電圧は、対象となる端子(例えば、セルプレート)に正の電圧を印加すること、および第2の端子(例えば、セル下部)を接地(またはおよそゼロ電圧(0V))で維持することによって、実現可能である。負の電圧は、対象となる端子を接地で維持すること、および、正の電圧を第2の端子に印加することによって、印加することができ、すなわち正の電圧は、対象となる端子を負に分極するように、印加することができる。同様に、ヒステリシス曲線300-aおよび300-b内に示される電圧差を生成するために、2つの正の電圧、2つの負の電圧、または正の電圧および負の電圧の任意の組み合わせを、適切なキャパシタ端子に印加することができる。
【0061】
ヒステリシス曲線300-aに示されるように、強誘電体材料は、正または負の分極をゼロ電圧差で維持することが可能であり、結果として、電荷状態305および電荷状態310という2つの可能な電荷状態が生じる。図3Aおよび図3Bの例によれば、電荷状態305は論理0を表し、電荷状態310は論理1を表す。いくつかの例において、それぞれの電荷状態の論理値は、メモリセルを動作するための他の方式に対処するために反転させることができる。
【0062】
論理0または1は、強誘電体材料の電気分極、およびしたがってキャパシタ端子の電荷を制御することによって、電圧を印加することによって、メモリセルに書き込むことができる。例えば、キャパシタを横切って正味の正の電圧315を印加することによって、結果として、電荷状態305-aに達するまで電荷が蓄積される。電圧315を除去すると、電荷状態305-aは、ゼロ電圧において電荷状態305に達するまで経路320をたどる。同様に、電荷状態310は、正味の負の電圧325を印加することによって書き込まれ、結果として、電荷状態310-aが生じる。負の電圧325を除去した後、電荷状態310-aは、ゼロ電圧において電荷状態310に達するまで経路330をたどる。電荷状態305-aおよび310-aは残留分極(Pr)値とも呼ばれ、すなわち、外部バイアス(例えば、電圧)を除去した時点で残る分極(または電荷)である。強制電圧は、電荷(または分極)がゼロの電圧である。
【0063】
強誘電体キャパシタの記憶された状態を読み取るかまたは感知するために、キャパシタを横切って電圧を印加することができる。これに応答して、記憶された電荷Qが変化し、変化の程度は初期の電荷状態に依存し、すなわち最終の記憶された電荷(Q)は、電荷状態305-bまたは310-bが初期に記憶されたかどうかに依存する。例えばヒステリシス曲線300-bは、2つの可能な記憶された電荷状態305-bおよび310-bを示す。電圧335は、図2を参照しながら論じたように、キャパシタ240を横切って印加することができる。他の場合には、固定電圧をセルプレートに印加することができ、電圧335は正の電圧として示されるが、負であってもよい。電圧335に応答して、電荷状態305-bは経路340をたどることができる。同様に、電荷状態310-bが初期に記憶された場合、その後経路345をたどる。電荷状態305-cおよび電荷状態310-cの最終位置は、特定の感知方式および回路要素を含む、1つまたは複数の要因に依存する。
【0064】
場合によっては、最終電荷は、メモリセルに接続されたディジット線の真性容量に依存し得る。例えば、キャパシタがディジット線に接続され、電圧335が印加された場合、ディジット線の電圧はその真性容量に起因して上昇し得る。感知構成要素で測定される電圧は電圧335に等しくない可能性があり、代わりにディジット線の電圧に依存することができる。したがってヒステリシス曲線300-b上の最終電荷状態305-cおよび310-cの位置は、ディジット線の容量に依存することができ、またロード線分析を介して決定することができる。すなわち、電荷状態305-cおよび310-cは、ディジット線容量に関して定義することができる。結果として、キャパシタの電圧、電圧350または電圧355は異なってよく、キャパシタの初期状態に依存することができる。
【0065】
ディジット線電圧を基準電圧と比較することによって、キャパシタの初期状態を決定することができる。ディジット線電圧は、電圧335と、キャパシタを横切る最終電圧、電圧350または電圧355との間の差、すなわち、電圧335と電圧350との間の差、または電圧335と電圧355とすることができる。基準電圧は、記憶された論理状態を決定するために、すなわちディジット線電圧が基準電圧より高いかまたは低い場合、その大きさが、2つの可能なディジット線電圧の2つの可能な電圧の間であるように生成可能である。感知構成要素による比較の際、感知されるディジット線電圧は、基準電圧より高いかまたは低いかを決定することができ、強誘電体メモリセルの記憶された論理値(すなわち、論理0または1)を決定することができる。
【0066】
場合によっては、強誘電体メモリセルは、読み取り動作の後、初期論理状態を維持することができる。例えば、電荷状態305-bが記憶された場合、電荷状態は、読み取り動作の間、電荷状態305-cへと経路340をたどることができ、また電圧335を除去した後、電荷状態は、経路340を反対方向にたどることによって、初期電荷状態305-bに戻ることができる。場合によっては、読み取り動作の後、強誘電体メモリセルはその初期論理状態を失う可能性がある。例えば、電荷状態310-bが記憶された場合、電荷状態は、読み取り動作の間、電荷状態305-cへと経路345をたどることができ、また電圧335を除去した後、電荷状態は、経路340をたどることによって、電荷状態305-bへと緩和することができる。
【0067】
ヒステリシス曲線300-bは、電荷状態305-bおよび電荷状態310-bを記憶するように構成されたメモリセルの読み取りの一例を示す。読み取り電圧335は、例えば図2を参照しながら説明したように、ディジット線215およびプレート線220を介した電圧差として印加することができる。ヒステリシス曲線300-bは、読み取り電圧335が負の電圧差Vcapである場合(例えば、Vbottom-Vplateが負の場合)の読み取り動作を示すことができる。キャパシタを横切る負の読み取り電圧は、「プレート高」読み取り動作と呼ぶことが可能であり、プレート線220は初期には高い電圧になり、ディジット線215は初期には低い電圧(例えば、接地電圧)にある。読み取り電圧335は強誘電体キャパシタ240を横切る負の電圧として示されるが、代替の動作では、読み取り電圧は強誘電体キャパシタ240を横切る正の電圧とすることができ、これは「プレート低」読み取り動作と呼ぶことが可能である。
【0068】
読み取り電圧335は、メモリセル205が(例えば、図2を参照しながら説明したように、スイッチング構成要素245を活動化することによって)選択されたとき、強誘電体キャパシタ240を横切って印加することができる。読み取り電圧335を強誘電体キャパシタ240に印加すると、電荷はディジット線215およびプレート線220を介して強誘電体キャパシタ240の内側または外側へと流れることができ、強誘電体キャパシタ240が電荷状態305-a(例えば、論理1)または電荷状態310-a(例えば、論理0)のいずれにあったかに応じて、異なる電荷状態が生じる可能性がある。
【0069】
1つまたは複数のエラーが、メモリセル上での電荷の読み取り、書き込み、または記憶動作の間に生じる可能性がある。場合によっては、読み取り、書き込み、または記憶動作によって導入されたエラーは、1つまたは複数のエラー補正動作を実行することによって補正可能である。メモリダイ200は、第1のアクセス動作のセット(例えば、書き込み、マスク書き込み、ウェアレベルなど)に関連して第1のECC動作のセットを実行するための、第1のECC回路を含むことができる。ECC回路は、第1のアクセス動作のセットの実行の一部として、エラー(シングルビットエラー)を補正することができる。場合によっては、これは、第1のアクセス動作のセットの一部として、メモリセル上にパリティデータを記憶すること、または記憶されたデータを修正することを含むことができる。メモリダイ200は、第2のアクセス動作のセット(例えば、読み取り動作)に関連して第2のECC動作のセットを実行するための、第2のECC回路を含むこともできる。場合によっては、これは、メモリセル上に記憶されたパリティデータと共にデータを受信すること、受信したデータを修正すること、ECC動作に関連付けられた情報をメモリデバイス(例えば、ホストデバイス)に関連付けられた他の構成要素またはデバイスに伝送すること、またはそれらの組み合わせを含むことができる。
【0070】
図4は、本明細書で開示する例に従った、メモリデバイス上でのエラー補正をサポートするメモリダイ400の一例を示す。メモリダイ400は、上面図の観点からのメモリダイレイアウトまたはメモリダイプランの一例を示す。メモリダイ400は、図1および図2を参照しながら説明したメモリダイ160または200の一例とすることができる。メモリダイ400は、図1図3を参照しながら説明した1つまたは複数の構成要素を含むこともできる。例えばメモリダイ400は、図1および図2を参照しながら説明したメモリアレイ170またはメモリセル205の一例とすることができる、メモリセル402のアレイ405と、1つまたは複数のバンク410と、図2を参照しながら説明した行デコーダ225、列デコーダ230、およびプレートドライバ235、感知構成要素250など、またはそれらの組み合わせの例とすることができる、サポート回路415と、図1および図2を参照しながら説明したエラー補正構成要素の例とすることができる、第1のECC回路420および第2のECC回路425と、図1図3を参照しながら説明したようなデータ移送構成要素の例とすることができる、1つまたは複数のデータバス430と、図1を参照しながら説明した1つまたは複数のチャネル115の一例とすることができるチャネル435とを、含むことができる。
【0071】
メモリダイ400は、アレイ405の1つまたは複数のメモリセル402上で1つまたは複数のアクセス動作(例えば、書き込み、マスク書き込み、ウェアレベリング、読み取りなど)を実行するように構成可能である。場合によっては、1つまたは複数のアクセス動作は、論理状態(例えば、論理1または論理0)の書き込み、マスク書き込み動作の実行、ウェアレベリング動作の実行などを含むことができる、メモリセル402のうちの1つまたは複数上での書き込み動作を含むことができる。1つまたは複数のアクセス動作は、メモリセル402上に記憶された論理状態(例えば、論理1または論理0)の読み取りなどの、メモリセル402のうちの1つまたは複数上での読み取り動作を含むこともできる。メモリダイ400は、アクセス動作に関連付けられたデータをチャネル435に伝送するように、さらに構成可能である。いくつかの例において、チャネル435は、メモリダイ400またはメモリデバイスに関連付けられた1つまたは複数の他の構成要素またはデバイス(例えば、ホストデバイス)に、データを伝送することができる。
【0072】
メモリダイ400は、アレイ405に関連付けられた複数のメモリセル402を含むことができる。メモリセル402のアレイ405は、複数のバンク410を含むことができる。各バンクは、アレイ405内にメモリセル402のサブセットを含むことができる。場合によっては、アレイ405内のメモリセル402のうちのいくつかまたはすべてを、メモリセルの反復パターンで位置決めすることができる。例えば図に示すように、アレイ405は、4×8の矩形構成で位置決めされたメモリセルの32のバンク410を含むことができる。このアレイ405構成は例示の目的で提示され、円、対角、ランダム、オフセット、または他の配置を含む、様々なアレイ構成が可能である。
【0073】
メモリダイ400は、アレイ405内のメモリセル402のアクセス動作に関連付けられた1つまたは複数のプロセスを実行するように構成可能な、1つまたは複数のサポート回路415(明確にするために1つのみ図示)を含むこともできる。例えば、サポート回路415は、1つまたは複数のディジット線ドライバまたは関連する構成要素、1つまたは複数のワード線ドライバまたは関連する構成要素、1つまたは複数のプレート線ドライバまたは関連する構成要素、1つまたは複数の感知構成要素または関連する構成要素を、含むことができる。いくつかの例において、サポート回路415は、mux信号増幅器などの多重化(mux)構成要素を含むことができる。場合によっては、サポート回路415は、メモリセル402とは異なる基板層上に位置することができる。例えば、サポート回路415は、メモリセル402の第1のバンク410-aの下方に位置する基板上に位置することができる。場合によっては、サポート回路415は、CMOSアンダーアレイ(CuA)と呼ぶことのできる、アレイの下に位置する相補型金属酸化物半導体(CMOS)回路とすることができる。サポート回路415は、バンク410レベル回路とすることができ、メモリセル402の第1のバンク410-aのためのアクセス動作をサポートすることができる。したがってアレイ405は、各々がアレイ405の一部に関連付けられた複数のサポート回路415を有することができ、例えば、各サポート回路415はメモリセル402のバンク410に関連付けることができる。場合によっては、各サポート回路415は、バンク410の空間(例えば、表面エリア)の一部のみを占めることができる。
【0074】
メモリダイ400は、アクセス動作に関連付けられたエラー補正動作を実行するように構成された、第1のECC回路420(明確にするために1つのみ図示)を含むこともできる。場合によっては、第1のECC回路420は、アレイ405内のメモリセル402に関連付けられたデータ上で、シングルビットエラー補正動作を実行することができる。この点について、第1のECC回路420は、アレイ405との間で転送されるデータに関連付けられたパリティデータを、生成または処理することができる。場合によっては、第1のECC回路420は、メモリセル402のアレイ405のフットプリントの下に位置決めすることができる。これは、第1のECC回路420が、メモリセル402の第1のバンク410-aのフットプリントの下に位置決めされることを含むことができる。例えば第一に、第1のECC回路420は、メモリセル402のバンク410に関連付けられたバンクレベル回路とすることができる。
【0075】
追加または代替として、第1のECC回路420は、サポート回路415と同じ、メモリセル402のバンク410の下の基板層上に、位置/位置決めすることができる。例えば、メモリセル402の第1のバンク410-aは、メモリダイ400の第1の層上に位置することができ、サポート回路415および第1のECC回路420は、メモリセル402の第1のバンク410-aの下方に位置決めされたメモリダイ400の第2の層上に位置することができる。場合によっては、サポート回路415および第1のECC回路420は、第1のバンク410-aにわたって分散可能である。この点について、図4は、サポート回路415および第1のECC回路420の各々が、バンク410を占有することができる、代表的なエリアを示す。図5を参照しながらより詳細に説明するように、サポート回路要素は、バンク410-aの第2の層(例えば、CuA)の第1の部分を占有可能であり、第1のECC回路420は、第2の層の第2の部分を占有可能である。例えば第1のECC回路420は、サポート回路415の周辺の空き空間内に位置/分散することができる。
【0076】
場合によっては、第1のECC回路420は、メモリセル402のバンク410上での書き込み動作(例えば、書き込み、マスク書き込み、ウェアレベリングなど)の一部として、1つまたは複数のECC動作を実行するように構成可能である。第1のECC回路420は、例えば、サポート回路415が占めていないバンク410のエリア内に第1のECC回路420を収めるために、第1のECC回路420が占める基板上のエリアを減少させる、回路構造を用いて構成可能である。例えば、第1のECC回路420が排他的OR(XOR)ゲートを含む場合、第1のECC回路420は、第1のECC回路420によって占有されるエリア(例えば、表面エリア)を減少させるために、不平衡XORゲートを含むことができる。場合によっては、第1のECC回路420は、書き込み動作の性能を向上させる回路設計を含むことができる。これは、バンク410のメモリセル402への書き込み動作の確度、速度、効率などを向上させることを含むことができる。
【0077】
メモリダイ400は、アクセス動作に関連付けられたエラー補正動作を実行するように構成された、第2のECC回路425をさらに含むことができる。場合によっては、第2のECC回路425は、アレイ405内のメモリセル402に関連付けられたデータ上でのシングルビットエラー補正動作を実行することができる。この点について、第2のECC回路425は、アレイ405との間で転送されるデータに関連付けられたパリティデータを生成または処理することができる。場合によっては、第2のECC回路425は、メモリセル402のアレイ405のフットプリント外部に位置決めすることができる。これは、第2のECC回路425がメモリセル402のアレイ405の縁部に位置決めされることを、含むことができる。この点について、第2のECC回路425は、メモリセル402のアレイ405のためのエラー補正動作を実行することができる。
【0078】
いくつかの例において、第2のECC回路425は、第1のECC回路420と同じ層またはレベル上に位置することができる。この場合、第2のECC回路は、メモリセル402のアレイ405のフットプリント外部に位置決めされながら、メモリセル402のアレイ405の下方にある層上に位置することができる。すなわち、メモリセルのアレイ405は、第1のECC回路420の上方に位置決めされるが、第2のECC回路420の上方には位置決めされない。
【0079】
場合によっては、第2のECC回路425は、メモリセル402のアレイ405上での読み取り動作の一部として、1つまたは複数のECC動作を実行するように構成可能である。例えば、第2のECC回路425は、書き込み動作を実行する第1のECC回路420に比べてECC読み取り動作の速度を上昇させる、回路構造を用いて構成可能である。メモリデバイスは、書き込み動作よりも多くの読み取り動作を実行することができる。したがって、ECC読み取り動作の速度を上昇させることは、ECC動作を書き込むメモリデバイスの全体性能に、より大きな影響を与えることができる。対照的に、第1のECC回路420は、例えば、サポート回路415が占めていないフリー空間の間でルーティングされる、バンク410の様々な部分にわたって分散可能である。
【0080】
場合によっては、バンク410を横切って第1のECC回路420を分散させることで、例えば、第1のECC回路420の様々な構成要素(例えば、トランジスタ、XORゲートなど)間に長い相互接続(例えば、導電経路)を必要とすることにより、回路の経路長さを増加させることができる。したがって、第1のECC回路420上で実行されるエラー補正動作は、より低速になるか、または、同じ空間制約を受けないECC回路に比べて、精度の低い回路(不平衡XORゲート)が対象となる。この点について、第2のECC回路425は、より高密度の回路として構成するか、またはメモリダイ400上の専用エリア内に位置決めすることが可能であり、したがって、例えばアレイ405のデータ読み取りに関連付けられたエラー補正動作の速度を上昇させるように構成可能である。
【0081】
第2のECC回路425は、第1のECC回路420に比べて異なるタイプまたは構成の回路構成要素を含むことができる。すなわち、第1のECC回路420および第2のECC回路425は、各回路内に存在するいくつかの同様の回路構造(例えば、トランジスタ構成、XORゲート構成など)を有することができるが、第1のECC回路420および第2のECC回路425の構造は、それぞれの動作を実行する(例えば、第1のECC回路420はECC書き込み動作を実行し、第2のECC回路425はECC読み取り動作を実行する)ために独立に構成可能である。例えば、第1のECC回路420は不平衡XORゲート(例えば、回路サイズを縮小するため)を含むことができ、第2のECC回路425は平衡XORゲートを含むことができる。
【0082】
さらなる例において、第2のECC回路は、電力消費を低減させるように構成された第2のトランジスタのセットを含むことができる第1のECC回路420に比べて、ECC読み取り動作を増加させるように構成された第1のトランジスタのセットを含むことができる。第1のECC回路420および第2のECC回路425は、異なる電圧閾値、入力/出力接続などを伴うトランジスタを含むこともできる。場合によっては、第2のECC回路425は、構成要素間のより短い相互接続(例えば、導電経路)、異なるレイアウトの構成要素など、またはそれらの組み合わせを含むことができる。いくつかの例において、第2のECC回路425は、メモリセル402のアレイ405とチャネル435との間に位置決めすることができる。例えば、第2のECC回路425は、アレイ405の縁部に位置決めすること、およびアレイ405をチャネル435から分離することが可能である。
【0083】
メモリダイ400は、アレイ405と第2のECC回路425との間でデータを移送するように構成された、1つまたは複数のデータバス430を含むことができる。データバス430は、メモリセル402のバンク410を第2のECC回路425と結合させることができる。例えば、データバス430は、バンク410と第2のECC回路425との間に1つまたは複数の導電経路を含むことができる。場合によっては、メモリダイ400は複数のデータバス430を含むことができ、例えば別々のデータバス430は、各バンク410を第2のECC回路425と結合することができる。他の場合には、単一のデータバス430が、複数のバンク410を第2のECC回路425と結合することができる。
【0084】
例えば、単一のデータバス430は、メモリバンク410の列内の各バンク410を第2のECC回路425と結合することができる。データバス430は、アレイ405の読み取り動作に関連付けられたパリティデータを含むデータを伝送するように構成可能である。例えば、アクセス動作(例えば、書き込み動作)に関連付けられたパリティデータは、メモリセル402の第1のバンク410-aに記憶することができる。いくつかの例において、記憶されるパリティデータは、CuA回路として構成された第1のECC回路420によって生成可能である。したがって読み取り動作の間、記憶されるパリティデータを含むデータは、メモリセル402の第1のバンク410-aから第2のECC回路425へ、第1のデータバス430-aを介して伝送することができる。
【0085】
場合によっては、第2のECC回路425は、関連するパリティデータを受信することに基づいて、アレイ405から受信したデータ上でECC読み取り動作を実行するように構成可能である。場合によっては、第2のECC回路425は、データを読み取ることに関連付けられたECC動作を実行することに基づいて、データについてのエラー指示を決定することができる。第2のECC回路425は、エラー指示を識別することに基づいて、データをさらに補正することができる。追加または代替として、第2のECC回路425は、補正されたデータをチャネル435に伝送することができる。
【0086】
図5は、本明細書で開示する例に従った、メモリデバイス上でのエラー補正をサポートするメモリダイ500の一例を示す。メモリダイ500は、上面図の観点からのメモリダイレイアウトまたはメモリダイプランの一例を示す。メモリダイ500は、図1図2、および図4を参照しながら説明したメモリダイ160、200、または400の一例とすることができる。メモリダイ500は、図1図4を参照しながら説明した1つまたは複数の構成要素を含むこともできる。
【0087】
例えば、メモリダイ500は、図1図2、および図4を参照しながら説明した、メモリアレイ170、メモリセル205、またはメモリセル402のアレイ405の一例とすることができる、メモリセル502のアレイ505と、図4を参照しながら説明したバンク410の一例とすることができる、1つまたは複数のバンク510と、図4を参照しながら説明したサポート回路415の一例とすることができる、サポート回路515と、図4を参照しながら説明した第1および第2のECC回路420および425の例とすることができる、第1のECC回路520および第2のECC回路525と、図4を参照しながら説明したデータバス430の例とすることができる、1つまたは複数のデータバス530と、図4を参照しながら説明したチャネル435の一例とすることができるチャネル535とを、含むことができる。メモリダイ500は、図4を参照しながら説明したサポート回路415および第1のECC回路420の例とすることができる、メモリセル502の第1の層511、ならびに、1つまたは複数のサポート回路515および第1のECC回路520を含む第2の層512を、さらに含むことができる。
【0088】
図5は、第1のバンク510-aの第2の層512の詳細図509をさらに示す。詳細図509は、第2の層512が、境界が実線によって表される複数のタイル514(例えば、パッチ)を含むか、またはこれら複数のタイル514にダイブされることが可能であることを示す。各タイル514は、第1のタイル514-a内の影付きボックスによって表されるサポート回路515を備えることができる(明確にするために、第1のタイル514-a内には第1のサポート回路515-aのみが示されている)。第2の層512は、詳細図509内に破線で表される第1のECC回路520を含むこともできる。場合によっては、各タイル514は、アレイ505のメモリセル502のサブセットに関連付けることができる。例えば、タイル514-a内に位置するサポート回路515-aは、第1のバンク510-aの第1の層511上に位置する第1のメモリセル502のセットについてのアクセス動作をサポートすることができる。
【0089】
いくつかの実施例において、サポート回路515は、1つまたは複数のディジット線ドライバまたは関連する構成要素、1つまたは複数のワード線ドライバまたは関連する構成要素、1つまたは複数のプレート線ドライバまたは関連する構成要素、1つまたは複数の感知構成要素または関連する構成要素を含むことができる。いくつかの例において、サポート回路515は、mux信号増幅器などの多重化(mux)構成要素を含むことができる。場合によっては、1つまたは複数のサポート回路515は、アレイの下に位置するCMOS回路とすることができる(例えば、CuA)。追加または代替として、いくつかの実施例において、サポート回路515はタイル514レベル回路とすることができる。例えば、第1のサポート回路515-aは、メモリセル502のセットに関連付けられた第1のタイル514-aについて、アクセス動作をサポートすることができる。したがって、アレイ505内の各バンク510は、各々がアレイ505の一部に関連付けられた、複数のサポート回路515を有することができ、例えば各サポート回路515はタイル510に関連付けることができる。場合によっては、各サポート回路515は、タイル514の空間(例えば、表面エリア)の一部のみを占めることができる。
【0090】
第1のECC回路520(詳細図509内に破線で表される)は、第1のバンク510-aの第2の層512にわたって分散/ルーティングすることができる。場合によっては、第1のECC回路520はバンクレベル回路とすることができる。すなわち、第1のECC回路520は、メモリセル502のバンク510-aのためのエラー補正動作を実行することができる。この点について、第1のECC回路520は、複数のタイル514に関連付けるか、または複数のタイル514にわたって分散することができる。例えば、第1のバンク510-aは、各々がサポート回路515を含む(例えば、第1のバンク510-aは161のサポート回路を有する)、7×23のタイルのアレイ(すなわち、161のタイル)を含むことができる。この例において、単一の第1のECC回路510は、例えば詳細図509内で破線によって示されるように、161のタイルにわたって分散可能である。他の実施例において、複数のサポート回路515を各バンク510に関連付けることができる。
【0091】
図5は、第1のバンク510-aの4つのタイル514の詳細図517をさらに示す。第2のタイル514-b(実線で囲まれた右上のボックス)は、第2のタイル514-bのフットプリントにわたって分散された第2のサポート回路515-b(4つの影付きボックスによって表される)を含むことができる。ここで説明するように、第2のサポート回路515-bは、第2のタイル514-bに関連付けられたメモリセル502(詳細図517には図示せず)のアクセス動作のための異なるプロセスを実行するように構成可能である。タイル514は、第1のECC回路520のサブセクション521(点線で図示)を含むこともできる。例えば、第1のECC回路520は、エラー補正動作を実行するための様々な構成要素を含むことができる。
【0092】
いくつかの例において、第1のECC回路520は、複数のXORゲート、XORゲートを結合する導電線(相互接続)などを含むことができる。したがって、第2のタイル514-b内に位置する第1のECC回路520の第1のサブセクション521-bは、XORゲートの一部または第1のECC回路520のための相互接続の一部を含むことができる。この点について、第1のECC回路520は、各タイル514の空間内に位置する複数のサブセクションを含むことができる。したがって、メモリダイ500は、アレイ505の第1の層511上に位置するメモリセル502の密度を減少させることなく、1つまたは複数の第1のECC回路510を含むことができる。
【0093】
メモリダイ500は、メモリセル502のアレイ505のフットプリント外部に位置する第2のECC回路525を含むこともできる。第2のECC回路525は、メモリダイ500の一部を占有することができる。すなわち、第2のECC回路525は、メモリダイ500の他の構成要素(例えば、メモリセル502のアレイ505またはチャネル535)とは異なる基板の一部上に位置することができる。場合によっては、第2のECC回路525は、アレイ505のアクセス動作に関連付けられたエラー補正動作の効率(例えば、速度、確度、信頼性など)を向上させるように構成可能である。例えば、第2のECC回路525は、メモリセル502のアレイ505上での読み取り動作に関連付けられたECC動作を実行するように構成可能である。したがって、第2のECC回路525は、第1のECC回路520に比べて、アレイ505上での読み取り動作の速度を上昇させる、構成要素(例えば、XORゲート、トランジスタなど)を用いて構成可能である。場合によっては、これは、第1のECC回路520がアレイ505上で同様のサイズの書き込み動作を実行するように構成されるよりも高速で、第2のECC回路525が、アレイ505上での読み取り動作のためのECC動作を実行するように構成されることを含む。
【0094】
第2のECC回路525は、1つまたは複数のデータバス530を介してアレイ505からのパリティデータを含むデータを受信するように、さらに構成することができる。場合によっては、第2のECC回路525は、アレイ505の縁部に位置することが可能であり、アレイ505のすべてまたは一部をチャネル535から分離することができる。追加または代替として、第2のECC回路525は、アレイ505レベル回路とすることができ、アレイ505の複数のバンク510のためにECC動作を実行するように構成可能である。場合によっては、メモリダイ500は複数の第2のECC回路525を含むことができる。
【0095】
いくつかの例において、第2のECC回路525は、アレイ505から受信するデータを検出または補正するように構成可能である。例えば、第2のECC回路525は、アレイ505からデータ(パリティデータを含む)を受信するように、また、ECC動作を実行することに基づいてデータを修正するように、構成可能である。場合によっては、第2のECC回路525は、アレイから受信したデータに関連付けられたシンドロームを生成するように構成可能である。シンドロームは、アレイ505から受信したデータに関連付けられたエラー、エラーのタイプ、エラーの数などを示すことができる。第2のECC回路525は、シンドロームに基づいてデータを修正すること、メモリダイ400に関連付けられた1つまたは複数の他の構成要素(例えば、コントローラ)にシンドロームを伝送すること、またはそれらの組み合わせを行うことができる。
【0096】
図6は、本明細書で開示する例に従った、メモリデバイス上でのエラー補正をサポートするプロセスフロー600の一例を示す。いくつかの例において、プロセスフロー600は、システム100あるいはメモリダイ200、400、または500の一部を実装することができる。プロセスフロー600は、図4図5を参照しながら説明したメモリセル402、502のアレイ405、505の例とすることができる、メモリセルの第1のアレイ605を含むことができる。プロセスフローは、図4図5を参照しながら説明した、第1のECC回路420、520、バンク410、510、第2のECC回路425、525、およびチャネル435、535の例とすることができる、第1のECC回路620、メモリセル610の第1のバンク、第2のECC回路625、およびチャネル635を、さらに含むことができる。プロセスフロー600は、本明細書で説明するエラー補正との関連において、メモリダイ上で実装される機能またはプロセスを含む。
【0097】
650において、第1のECC回路620は、メモリアレイ605上でのアクセス動作に関連付けられたデータ上で第1のECC動作を実行することができる。場合によっては、これは、例えばローカルメモリコントローラにおいて書き込みコマンドを受信することを含むことができる。その後、書き込みコマンドを受信することに基づいて、書き込みデータを第1のアレイ605に伝送すること、および第1のECC回路620によって受信することが可能である。第1のECC回路620は、受信したデータ上で第1のECC動作を実行することができる。第1のECC動作はオンダイECC動作を含むことが可能であり、第1のECC回路620はデータを受信することに基づいてパリティデータを生成することができる。パリティデータは、データと共にメモリアレイ605内に記憶するように構成可能であり、データ内のエラーを検出するように構成可能である。場合によっては、パリティデータを生成する代わりに、パリティデータをホストデバイスによって生成することが可能であり、またデータと共に転送し、第1のECC回路620によって受信することができる。いくつかの例において、第1のECC動作はリンクECC動作を含むことが可能であり、第1のECC回路620は、例えばパリティ情報を受信することに基づいて、受信したデータ内にエラーが存在するかどうかを判別することができる。いくつかの実施例において、第1のECC動作は、オンダイおよびリンクの両方のECC動作を含むことができる。
【0098】
655において、第1のECC回路620は、任意選択として、第1のECC動作を実行することに基づいてデータを修正することができる。場合によっては、ECC回路620は、リンクECCを実行するとき、この修正を実行することができる。場合によっては、第1のECC回路は、パリティデータを含むようにデータを修正すること、または、受信したデータとは独立にパリティデータを記憶するように構成することが、可能である。場合によっては、例えばリンクECC動作に関連して、第1のECC回路は、データがメモリアレイ605上に記憶される前に、受信したデータ内の1つまたは複数のエラーを補正することができる。
【0099】
第1のECC回路620は、650において、第1のECC動作を実行することに対応して情報を生成することも可能である。例えば、第1のECC回路620は、受信したデータに関連付けられた1つまたは複数のエラーが存在するかどうかを判別すること、および、データを拒否する(例えば、メモリアレイ605で記憶するように受信したデータを伝送しない)ことが可能である。したがって、第1のECC回路620は、受信したデータが記憶されない旨の指示を、ホストデバイスまたはローカルメモリコントローラなどの1つまたは複数のデバイスに伝送することができる。場合によっては、指示を伝送することで、結果としてデータを再度送信することができる。
【0100】
660において、第1のECC回路620は、第1のECC動作(例えば、650)で生成されたパリティデータを含むデータを、メモリセル610のバンクに伝送することができる。メモリセル610のバンクにデータを伝送することは、第1のECC動作を実行することの一部として自動的に発生可能であるか、あるいは、ローカルメモリコントローラまたはホストデバイスなどの他のデバイスによって制御可能である。第1のECC回路620は、本明細書で説明するバンクレベル回路とすることができる。この点について、第1のECC回路620-aは、メモリセルの第1のバンク610-aに対応することができる。例えば第1のECC回路620-aは、メモリセルの第1のバンク610-aの下に位置するCuA回路とすることができる。したがって、660において、メモリセルの第1のバンク610-aにデータを伝送することは、650において第1のECC動作を実行する第1のECC回路620-aから修正されたデータおよびまたはパリティデータを、メモリセルの第1のバンク610-aに伝送することを含むことができる。場合によっては、アレイ605は、各々が第1のECC回路620に関連付けられたメモリセル610の複数のバンクを含むことができる。したがって、アレイ605の複数の第1のECC回路620は、650において、第1のECC動作を独立に実行することが可能であり、また655において、メモリセル610の対応するバンクにデータを記憶することができる。これによって、メモリアレイ605のための複数のECC動作を同時に実行することが可能となり、それによって、第1のECC動作の効率が向上する。
【0101】
665において、メモリセル610のバンクは、第1のECC回路620からデータおよびパリティデータを受信し、データをバンクの1つまたは複数のメモリセルに記憶することができる。場合によっては、データまたはパリティデータは、第1のECC回路620-aに関連付けられたメモリセルの第1のバンク610-aに記憶することができる。他の場合には、データはメモリセルの第1のバンク610-aに記憶することが可能であり、パリティデータは、第1のデータとは独立に記憶することができる。場合によっては、これは、パリティデータを、異なるバンクまたはメモリセルのセットに記憶することを含むことができる。
【0102】
メモリアレイ605は、書き込み動作(例えば、650~665)および読み取り動作(例えば、670~680)の両方をサポートすることができる。異なるタイプのアクセス動作は、異なるECC回路を使用することができる。
【0103】
670において、データは、メモリアレイ605上でのアクセス動作(例えば、読み取り動作)に関連付けられたデータ上での第2のECC動作の一部として、第2のECC回路625に伝送可能である。メモリセルのバンク610-aは、読み取り動作の一部としてデータにアクセスすることができる。これは、記憶されたデータおよび記憶されたパリティデータの両方を、第2のECC回路625に伝送することを含むことができる。場合によっては、第2のECC回路625にデータを伝送することは、メモリセル610のバンクからのデータを、例えばデータバスを介して第2のECC回路625に伝送することを含むこともできる。
【0104】
いくつかの例において、第2のECC回路625は、アレイ605のフットプリント外部に位置することができる。したがって、メモリセル610のバンクからのデータを伝送することは、アレイ605のフットプリント外のデータを伝送することを含むことができる。追加または代替として、第2のECC回路625は、本明細書で説明するアレイ605レベル回路とすることができる。この点について、660でデータを伝送することは、メモリセル610の複数のバンクからのデータを第2のECC回路625に伝送することを、さらに含むことができる。場合によっては、670において、複数のバンクからのデータを伝送することは、同時にまたは並行して実行可能である。他の場合には、アレイは、第2のECC回路625が既知の様式または調整された様式で、メモリセル610の異なるバンクからデータを受信するように、670においてデータを伝送することを予定に入れるように構成または制御することができる。
【0105】
670-bにおいて、パリティデータは、アレイ605から第2のECC回路625に伝送することもできる。場合によっては、パリティデータおよびデータは共に伝送可能である。他の場合には、パリティデータは独立に伝送可能である。パリティデータは、データと同じデータバスを介して伝送可能であるか、または、専用パリティバスなどの異なるバスを介して伝送可能である。
【0106】
675において、第2のECC回路はデータ上で第2のECC動作を実行することができる。第2の動作は、例えばパリティデータを受信することに基づいて、データに関連付けられたエラーを決定することを含むことができる。場合によっては、第2の動作はデータに関連付けられたシンドロームを生成または決定することを含むことができる。シンドロームは、第2のECC動作を実行することに基づいて、データの1つまたは複数のエラー、エラータイプ、エラーレート、エラーの数、または他の特徴を特徴付けることができる。第2のECC動作は、アレイ605に関連付けられた1つまたは複数の構成要素(例えば、ローカルメモリコントローラ、外部メモリコントローラ、周辺構成要素など)に、データについてのシンドロームを伝送することを含むことができる。追加または代替として、第2のECC動作はデータを修正することを含むことができる。例えば第2のECC動作は、受信したパリティデータに基づいて、シングルビットエラー補正を実行することができる。
【0107】
680において、第2のECC回路625はデータをチャネル635に伝送することができる。これは、第2のECC回路625が、例えば第2のECC動作を実行することに基づいて、修正したデータをチャネルに伝送することを含むことができる。場合によっては、チャネル635に伝送されるデータは、チャネル635を介してホストデバイスに伝送されることが可能である。したがって、第2のECC動作を含む読み取り動作は、修正されたデータが第2のECC回路625から、およびチャネル635へ、転送されると同時に完了することができる。
【0108】
図7は、本明細書で開示する例に従った、エラー補正をサポートするメモリデバイス705のブロック図700を示す。メモリデバイス705は、図1図6を参照しながら説明した、メモリデバイスの一部の一例とすることができる。メモリデバイス705は、データ入力マネージャ710、エラー補正構成要素715、およびデータストレージ構成要素720を含むことができる。これらのモジュールの各々が、互いに(例えば、1つまたは複数のバスを介して)直接または間接的に通信可能である。
【0109】
データ入力マネージャ710は、メモリセルのアレイの第1のバンクのための書き込み動作に関連付けられたデータを受信することができる。いくつかの例において、データ入力マネージャ710は、メモリセルのアレイの第2のバンクのための書き込み動作に関連付けられた第2のデータを受信することができる。
【0110】
エラー補正構成要素715は、第1のECC回路を使用して、データを受信することに基づいてデータ上で第1のECC動作を実行することができる。いくつかの例において、エラー補正構成要素715は、第2のECC回路を使用して、データに基づいてデータ上で第2のECC動作を実行することができる。いくつかの例において、エラー補正構成要素715は、第2のECC回路によって、第2のECC動作を実行することに基づいて、データについてのエラー指示を決定することができる。いくつかの例において、エラー補正構成要素715は、エラー指示を決定することに基づいて、第2のECC回路によって、データを補正することができる。いくつかの例において、エラー補正構成要素715は、データ上で第1のECC動作を実行することに基づいて、パリティデータのセットを生成することができる。いくつかの例において、エラー補正構成要素715は、読み取り動作の間に、メモリセルのアレイからのパリティデータのセットを第2のECC回路に伝送することが可能であり、第2のECC動作を実行することは、第2のECC回路においてパリティデータのセットを受信することに基づく。いくつかの例において、エラー補正構成要素715は、第2のECC動作を受信することに基づいて、データを修正することができる。いくつかの例において、エラー補正構成要素715は、第1のECC動作を実行することに少なくとも部分的に基づいて、データを修正することができる。いくつかの例において、エラー補正構成要素715は、第3のECC回路を使用して、第2のデータ上で第1のECC動作を実行することができる。いくつかの例において、エラー補正構成要素715は、第2のECC回路を使用して、第2のデータ上で読み取り動作の一部として第2のECC動作を実行することができる。
【0111】
データストレージ構成要素720は、書き込み動作の一部として、データ上で第1のECC動作を実行することに基づいて、メモリセルのアレイの第1のバンク内にデータを記憶することができる。いくつかの例において、データストレージ構成要素720は、読み取り動作の一部として、第1のバンクからデータを取り出すことができる。いくつかの例において、データストレージ構成要素720は、書き込み動作の一部として、メモリセルのアレイ内にパリティデータのセットを記憶することができる。いくつかの例において、データストレージ構成要素720は、修正されたデータを第2のECC回路からチャネルへ伝送することができる。いくつかの例において、データストレージ構成要素720は、修正されたデータを第1のECC回路から第1のバンクへ伝送することができる。いくつかの例において、データストレージ構成要素720は、第2のデータ上で第1のECC動作を実行することに基づいて、書き込み動作の一部として、メモリセルのアレイの第2のバンク内に第2のデータを記憶することができる。いくつかの例において、データストレージ構成要素720は、読み取り動作の一部として、第2のバンクから第2のデータを取り出すことができる。
【0112】
図8は、本明細書で開示する例に従った、メモリデバイス上でのエラー補正をサポートする方法800を示すフローチャートを示す。方法800の動作は、本明細書で説明するメモリデバイスまたはその構成要素によって実装可能である。例えば、方法800の動作は、図7を参照しながら説明したメモリデバイスによって実行可能である。いくつかの例において、メモリデバイスは、説明する機能を実行するように、メモリデバイスの機能要素を制御するための命令のセットを実行することができる。追加または代替として、メモリデバイスは、特定用途向けハードウェアを使用して、説明する機能の一部を実行することができる。
【0113】
805において、メモリデバイスは、メモリセルのアレイの第1のバンクのための書き込み動作に関連付けられたデータを受信することができる。805の動作は、本明細書で説明する方法に従って実行することができる。いくつかの例において、805の動作の一部は、図7を参照しながら説明したデータ入力マネージャによって実行可能である。
【0114】
810において、メモリデバイスは、データの受信に基づき、第1のECC回路を使用してデータ上で第1のECC動作を実行することができる。810の動作は、本明細書で説明する方法に従って実行することができる。いくつかの例において、810の動作の一部は、図7を参照しながら説明したエラー補正構成要素によって実行可能である。
【0115】
815において、メモリデバイスは、データ上での第1のECC動作の実行に基づき、書き込み動作の一部としてメモリセルのアレイの第1のバンク内にデータを記憶することができる。815の動作は、本明細書で説明する方法に従って実行することができる。いくつかの例において、815の動作の一部は、図7を参照しながら説明したデータストレージ構成要素によって実行可能である。
【0116】
820において、メモリデバイスは、読み取り動作の一部として、第1のバンクからデータを取り出すことができる。820の動作は、本明細書で説明する方法に従って実行することができる。いくつかの例において、820の動作の一部は、図7を参照しながら説明したデータストレージ構成要素によって実行可能である。
【0117】
825において、メモリデバイスは、データに基づき、第2のECC回路を使用してデータ上で第2のECC動作を実行することができる。825の動作は、本明細書で説明する方法に従って実行することができる。いくつかの例において、825の動作の一部は、図7を参照しながら説明したエラー補正構成要素によって実行可能である。
【0118】
いくつかの例において、本明細書で説明する装置は、方法800などの方法を実行することができる。装置は、メモリセルのアレイの第1のバンクのための書き込み動作に関連付けられたデータを受信するため、データの受信に基づいて、第1のECC回路を使用してデータ上で第1のECC動作を実行するため、データ上での第1のECC動作の実行に基づいて、書き込み動作の一部として、メモリセルのアレイの第1のバンク内にデータを記憶するため、読み取り動作の一部として、第1のバンクからデータを取り出すため、および、第2のECC回路を使用して、データに基づいてデータ上で第2のECC動作を実行するための、機構、手段、または命令(例えば、プロセッサによって実行可能な非一時的コンピュータ可読媒体記憶命令)を含むことができる。
【0119】
方法800および本明細書で説明する装置のいくつかの例は、第2のECC回路によって、第2のECC動作を実行することに基づいて、データについてのエラー指示を決定するための、動作、機構、手段、または命令を、さらに含むことができる。
【0120】
方法800および本明細書で説明する装置のいくつかの例は、第2のECC回路によって、エラー指示を決定することに基づいて、データを補正するための動作、機構、手段、または命令を、さらに含むことができる。
【0121】
方法800および本明細書で説明する装置のいくつかの例は、データ上で第1のECC動作を実行することに基づいてパリティデータのセットを生成するため、および、書き込み動作の一部として、メモリセルのアレイ内にパリティデータのセットを記憶するための、動作、機構、手段、または命令を、さらに含むことができる。
【0122】
方法800および本明細書で説明する装置のいくつかの例は、読み取り動作の間に、メモリセルのアレイからのパリティデータのセットを第2のECC回路に伝送するための、動作、機構、手段、または命令を、さらに含むことができ、第2のECC動作を実行することは、第2のECC回路においてパリティデータのセットを受信することに基づくことができる。
【0123】
方法800および本明細書で説明する装置のいくつかの例は、第2のECC動作を実行することに基づいてデータを修正するため、および、第2のECC回路からの修正されたデータをチャネルに伝送するための、動作、機構、手段、または命令を、さらに含むことができる。
【0124】
方法800および本明細書で説明する装置のいくつかの例は、第1のECC動作を実行することに少なくとも部分的に基づいてデータを修正するため、および、第1のECC回路からの修正されたデータを第1のバンクに伝送するための、動作、機構、手段、または命令を、さらに含むことができる。
【0125】
方法800および本明細書で説明する装置のいくつかの例は、メモリセルのアレイの第2のバンクのための書き込み動作に関連付けられた第2のデータを受信するため、第3のECC回路を使用して、第2のデータ上で第1のECC動作を実行するため、第2のデータ上で第1のECC動作を実行することに基づいて、書き込み動作の一部として、第2のデータをメモリセルのアレイの第2のバンク内に記憶するため、読み取り動作の一部として、第2のデータを第2のバンクから取り出すため、および、第2のECC回路を使用して、読み取り動作の一部として、第2のデータ上で第2のECC動作を実行するための、動作、機構、手段、または命令を、さらに含むことができる。
【0126】
本明細書で説明した方法は、可能な実施を説明するものであり、動作およびステップは再配置可能であるかまたは他の方法で改変可能であり、他の実施も可能であることに留意されたい。さらに、2つまたはそれ以上の方法の一部を組み合わせることも可能である。
【0127】
装置を説明する。装置は、バンクのセットを含むメモリセルのアレイと、セットのうちの第1のバンクと結合され、第1のバンクの第1のアクセス動作に関連付けられた1つまたは複数のECC動作を実行するように構成された、第1のECC回路と、バンクのセットのうちの第1のバンクと結合され、第1のバンクの第2のアクセス動作に関連付けられた1つまたは複数のECC動作を実行するように構成された、第2のECC回路とを、含むことができる。
【0128】
いくつかの例において、第1のECC回路は、メモリセルのアレイのフットプリントの下に位置決めすることができ、第2のECC回路は、メモリセルのアレイのフットプリント外部に位置決めすることができる。いくつかの例において、第2のECC回路は、メモリセルのアレイの縁部に位置決めすることができる。いくつかの例において、第1のECC回路は、メモリセルのアレイの下の相補型CMOS(CuA)内に位置決めすることができる。
【0129】
いくつかの例において、第1のバンクの第1のアクセス動作は書き込み動作とすることができ、また第1のECC回路は、第1のバンク上での書き込み動作の一部として1つまたは複数のECC動作を実行するように構成可能であり、さらに、第1のバンクの第2のアクセス動作は読み取り動作とすることができ、また第2のECC回路は、第1のバンク上での読み取り動作の一部として1つまたは複数のECC動作を実行するように構成可能である。
【0130】
いくつかの例において、第2のECC回路は、第1のECC回路よりも高速に、1つまたは複数のECC動作を実行するように構成可能である。いくつかの例において、第1のECC回路は第1の回路構造を含み、第2のECC回路は第1の回路構造とは異なる第2の回路構造を含む。いくつかの例において、第1の回路構造は不平衡XORゲートのセットを含み、また第2の回路構造は平衡XORゲートのセットを含む。
【0131】
いくつかの例において、第1の回路構造は、第1の電圧閾値を有する第1のトランジスタのセットを含み、また第2の回路構造は、第2の電圧閾値を有する第2のトランジスタのセットを含む。装置のいくつかの例は、第2のECC回路および第1のバンクと結合され、読み取り動作に関連付けられたデータを第2のECC回路に移送するように構成された、専用導電経路を含むことができる。いくつかの例において、専用導電経路は、第1のバンクと第2のECC回路との間で、読み取り動作に関連付けられたパリティデータを移送するように構成可能である。
【0132】
いくつかの例において、メモリセルのアレイは第1の層上に位置決めすることができ、第1のECC回路は、第1の層の下方に位置することができる第2の層上に位置決めすることができ、また第1のECC回路は、第1のバンクの少なくとも一部にわたって分散可能である。いくつかの例において、バンクのセットのうちの各バンクは複数のタイルに細分され、また第1のECC回路は、第1のバンクの複数のタイルと結合することができる。
【0133】
装置のいくつかの例は、第1のECC回路のセットを含むことができ、各第1のECC回路は、メモリセルのアレイの下方に位置し、バンクのセットのうちの少なくとも1つに関連付けることができる。いくつかの例において、第2のECC回路は、メモリセルのアレイと同じ層上に位置することができ、メモリセルのアレイとチャネルとの間に位置決めすることができる。
【0134】
装置を説明する。装置は、バンクのセットを含むメモリセルのアレイと、バンクのセットのうちの第1のバンクと結合され、第1のバンクの書き込み動作に関連付けられた1つまたは複数のECC動作を実行するように構成された、第1のECC回路と、バンクのセットのうちの第1のバンクと結合され、第1のバンクの読み取り動作に関連付けられた1つまたは複数のECC動作を実行するように構成された、第2のECC回路とを、含むことができ、装置は、第1のECC回路を使用して、データ上で第1のECC動作を実行するように、データ上で第1のECC動作を実行することに基づいて、書き込み動作の一部として第1のバンク内にデータを記憶するように、読み取り動作の一部として第1のバンクからデータを取り出すように、および、第2のECC回路を使用して、読み取り動作の一部としてデータ上で第2のECC動作を実行するように、構成される。いくつかの例において、第1のECC回路は、メモリセルのアレイのフットプリントの下に位置決めすることができ、また第2のECC回路は、メモリセルのアレイのフットプリント外部に位置決めすることができる。
【0135】
本明細書で説明する情報および信号は、様々な異なる技術および技法のうちのいずれかを使用して表すことができる。例えば、上記説明全体を通じて参照可能な、データ、命令、コマンド、情報、信号、ビット、記号、およびチップは、電圧、電流、電磁波、磁場または粒子、光場または粒子、あるいはそれらの任意の組み合わせによって表すことができる。いくつかの図面は、信号を単一の信号として示すことができるが、当業者であれば、信号は信号のバスを表すことができ、バスは様々なビット幅を有することができることを理解されよう。
【0136】
本明細書で使用する「仮想接地」という用語は、およそゼロボルト(0V)の電圧で保持されるが、接地と直接結合されていない、電気回路のノードを指す。したがって仮想接地の電圧は、一時的に変動し、定常状態でおよそ0Vに戻ることができる。仮想接地は、演算増幅器およびレジスタからなる分圧器などの、様々な電子回路素子を使用して実施可能である。他の実施も可能である。「仮想接地している」または「仮想的に接地された」は、ほぼ0Vに接続されることを意味する。
【0137】
「電子通信」、「導電接触」、「接続された」、および「結合された」という用語は、構成要素間の信号の流れをサポートする構成要素間の関係を指すことができる。構成要素は、いつでも構成要素間の信号の流れをサポートすることができる構成要素間の任意の導電経路が存在する場合、互いに電子通信している(あるいは、導電接触または接続または結合している)ものと見なされる。任意の所与の時点で、互いに電子通信している(あるいは、導電接触または接続または結合している)構成要素間の導電経路は、接続された構成要素を含むデバイスの動作に基づいて、開回路または閉回路とすることができる。接続された構成要素間の導電経路は、接続された構成要素間の導電経路は、構成要素間の直接導電経路とすることができるか、あるいは、接続された構成要素間の導電経路は、スイッチ、トランジスタ、または他の構成要素などの、中間構成要素を含むことができる、間接的導電経路とすることができる。場合によっては、接続された構成要素間の信号の流れは、例えば、スイッチまたはトランジスタなどの1つまたは複数の中間構成要素を使用して、一時的に中断することができる。
【0138】
「結合」という用語は、信号が現在、導電経路を介して構成要素間で通信することができない、構成要素間の開回路関係から、信号が導電経路を介して構成要素間で通信することができる、構成要素間の閉回路関係へと、移動する状態を指す。コントローラなどの構成要素が他の構成要素をまとめて結合するとき、構成要素は、以前には信号が流れることができなかった導電経路を介して、信号が他の構成要素間を流れるようにすることができる変更を開始する。
【0139】
「絶縁された」という用語は、信号が現在、構成要素間を流れることができない、構成要素間の関係を指す。構成要素間に開回路が存在する場合、構成要素は互いに絶縁される。例えば、構成要素間に位置決めされたスイッチによって分離される2つの構成要素は、スイッチが開のとき、互いに絶縁される。コントローラが2つの構成要素を互いに絶縁するとき、コントローラは、以前は信号を流すことができた導電経路を使用して信号が構成要素間を流れないようにする変更に影響を与える。
【0140】
本明細書で使用する「層」という用語は、幾何学的構造の層またはシートを指し、各層は3つの次元(例えば、高さ、幅、および深さ)を有することができ、表面の少なくとも一部を覆うことができる。例えば層は、2つの次元が第3の次元よりも大きい3次元構造、例えば薄膜とすることができる。層は異なる要素、構成要素、および/または材料を含むことができる。場合によっては、1つの層は、2つまたはそれ以上の副層から構成されることができる。添付の図面のいくつかにおいて、3次元層のうちの2つの次元は、例示の目的で示されている。しかしながら、当業者であれば、層が本来は3次元であることを理解されよう。
【0141】
本明細書で使用される、「実質的に」という用語は、修正される特徴(例えば、実質的にという用語によって修正される動詞または形容詞)が必ずしも絶対的ではないが、特徴の利点を達成するのに十分に近いことを意味する。
【0142】
本明細書で使用する「短絡」という用語は、対象となる2つの構成要素間の単一の中間構成要素の活動化を介して、構成要素間に導電経路が確立される、構成要素間の関係を指す。例えば、第2の構成要素に短絡された第1の構成要素は、2つの構成要素間のスイッチが閉じているとき、第2の構成要素と信号を交換することができる。したがって短絡は、電子通信している構成要素(または線)間での電荷の流れを可能にする、動的動作とすることができる。
【0143】
本明細書で考察するメモリアレイを含むデバイスは、シリコン、ゲルマニウム、シリコン・ゲルマニウム合金、ガリウムヒ素、窒化ガリウムなどの、半導体基板上に形成可能である。場合によっては、基板は半導体ウェーハである。他の場合には、基板は、シリコンオンガラス(SOG)またはシリコンオンサファイア(SOP)などのシリコンオンインシュレータ(SOI)基板とするか、あるいは、別の基板上の半導体材料のエピタキシャル層とすることができる。基板、または基板のサブ領域の導電性は、リン、ホウ素、またはヒ素を含むが限定されない様々な化学種を使用したドーピングを介して制御可能である。ドーピングは、基板の初期形成または成長の間に、イオン注入または任意の他のドーピング手段によって実行可能である。
【0144】
本明細書で考察するスイッチング構成要素またはトランジスタは、電界効果トランジスタ(FET)を表すことができ、ソース、ドレイン、およびゲートを含む3端末デバイスを含む。端末は、導電材料、例えば金属を介して、他の電子素子に接続可能である。ソースおよびドレインは導電性とすることができ、高濃度にドープされた、例えば縮退半導体領域を含むことができる。ソースおよびドレインは、低濃度にドープされた半導体領域またはチャネルによって分離することができる。チャネルがn形(すなわち、多数のキャリアが電子である)の場合、FETはn形FETと呼ぶことができる。チャネルがp形(すなわち、多数のキャリアがホールである)の場合、FETはp形FETと呼ぶことができる。チャネルは絶縁ゲート酸化物によって覆うことができる。チャネルの導電性は、ゲートに電圧を印加することによって制御可能である。例えば、n形FETまたはp形FETにそれぞれ正の電圧または負の電圧を印加すると、結果としてチャネルは導電性となることができる。トランジスタは、トランジスタの閾値電圧より大きいかまたは閾値電圧に等しい電圧がトランジスタゲートに印加されるとき、「オン」となるかまたは「活動化」されることになる。トランジスタは、トランジスタの閾値電圧より小さい電圧がトランジスタゲートに印加されるとき、「オフ」となるかまたは「非活動化」されることになる。
【0145】
本明細書で添付の図面に関連して述べる説明は、例示的構成を示すものであり、実施可能であるかまたは特許請求の範囲内であるすべての例を表すものではない。本明細書で使用される「例示的」という用語は、「例、インスタンス、または例示としての役割を果たす」ことを意味し、「好ましい」かまたは「他の例よりも有利である」ことは意味していない。詳細な説明は、説明する技法を理解するための特定の詳細を含む。しかしながらこれらの技法は、これらの特定の詳細なしに実施可能である。いくつかのインスタンスでは、説明する例の概念を不明瞭にするのを避けるために、周知の構造およびデバイスがブロック図の形で示される。
【0146】
添付の図面では、同様の構成要素または機構は同じ参照ラベルを有することができる。さらに、同じタイプの様々な構成要素は、参照ラベルの後にダッシュと同様の構成要素の中で区別する第2のラベルとを付けることによって、区別することができる。明細書において第1の参照ラベルのみが使用される場合、説明は、第2の参照ラベルに関係なく、同じ第1の参照ラベルを有する同様の構成要素のうちの任意の1つに適用可能である。
【0147】
本明細書で説明する情報および信号は、様々な異なる技術および技法のうちのいずれかを使用して表すことができる。例えば、上記説明全体を通じて参照可能な、データ、命令、コマンド、情報、信号、ビット、記号、およびチップは、電圧、電流、電磁波、磁場または粒子、光場または粒子、あるいはそれらの任意の組み合わせによって表すことができる。
【0148】
本明細書における開示に関連して説明する様々な例示のブロックおよびモジュールは、汎用プロセッサ、DSP、ASIC、FPGAまたは他のプログラム可能論理デバイス、離散ゲートまたはトランジスタ論理、離散ハードウェア構成要素、あるいは、本明細書で説明する機能を実行するように設計されたそれらの任意の組み合わせを用いて、実施または実行することができる。汎用プロセッサはマイクロプロセッサとすることができるが、代替として、プロセッサは任意のプロセッサ、コントローラ、マイクロコントローラ、または状態機械とすることもできる。プロセッサは、コンピューティングデバイスの組み合わせ(例えば、DSPおよびマイクロプロセッサの組み合わせ、複数のマイクロプロセッサ、DSPコアに関連する1つまたは複数のマイクロプロセッサ、あるいは任意の他のこうした構成)としても実施可能である。
【0149】
本明細書で説明する機能は、ハードウェア、プロセッサによって実行可能なソフトウェア、ファームウェア、またはそれらの任意の組み合わせにおいて実施可能である。プロセッサによって実行可能なソフトウェア内で実施される場合、機能は、コンピュータ可能媒体上の1つまたは複数の命令またはコードとして、記憶または伝送することができる。他の例および実施は、本開示および添付の特許請求の範囲の範囲内にある。例えば、ソフトウェアの性質に起因して、本明細書で説明する機能は、プロセッサ、ハードウェア、ファームウェア、ハードワイヤリング、またはこれらのうちの任意の組み合わせによって実行されるソフトウェアを使用して実施可能である。機能を実施する機構は、機能の一部が異なる物理的位置で実施されるように分散されることを含み、様々な位置に物理的に配置することもできる。また、特許請求の範囲を含む本明細書で使用される場合、アイテムのリスト(例えば、「のうちの少なくとも1つ」または「1つまたは複数の」などの言い回しが前置きされるアイテムのリスト)で使用される「または」は、例えば、A、B、またはCのうちの少なくとも1つのリストが、A、またはB、またはC、またはAB、またはAC、またはBC、またはABC(すなわち、AおよびBおよびC)を意味するような、包括的リストを示す。また、本明細書で使用される「基づく」という語句は、条件の閉集合を言い表すものと解釈されるべきではない。例えば、「条件Aに基づく」と説明される例示的ステップは、本開示の範囲を逸脱することなく、条件Aおよび条件Bの両方に基づくことができる。言い換えれば、本明細書で使用される他の語句では、「基づく」という言い回しは、「少なくとも部分的に基づく」という言い回しと同じように解釈されるべきである。
【0150】
コンピュータ可読媒体は、非一時的コンピュータ記憶媒体と、コンピュータプログラムを1つの場所から他の場所へ移動させることを容易にする任意の媒体を含む通信媒体の、両方を含む。非一時的記憶媒体は、汎用コンピュータまたは特定用途向けコンピュータによってアクセス可能な、任意の使用可能媒体とすることができる。例を挙げると、限定ではないが、非一時的コンピュータ可読媒体は、RAM、ROM、電気的消去可能プログラム可能読み取り専用メモリ(EEPROM)、コンパクトディスク(CD)ROMまたは他の光ディスクストレージ、磁気ディスクストレージ、または他の磁気ストレージデバイス、あるいは、命令またはデータ構造の形の望ましいプログラムコード手段を担持または記憶するために使用可能であり、汎用コンピュータまたは特定用途向けコンピュータ、あるいは汎用プロセッサまたは特定用途向けプロセッサによってアクセス可能である、任意の他の非一時的媒体を、備えることができる。また、任意の接続がコンピュータ可読媒体と適切に呼ばれる。例えば、ソフトウェアが、同軸ケーブル、光ファイバケーブル、ツイストペア、デジタル加入者回線(DSL)、または、赤外線、無線、およびマイクロ波などの無線技術を使用して、ウェブサイト、サーバ、または他のリモートソースから伝送される場合、同軸ケーブル、光ファイバケーブル、ツイストペア、デジタル加入者回線(DSL)、または、赤外線、無線、およびマイクロ波などの無線技術は、媒体の定義に含まれる。本明細書で使用されるディスクは、CD、レーザディスク、光ディスク、デジタル多用途ディスク(DVD)、フロッピーディスク、および、ディスクがレーザによってデータを光学的に再生するのに対して、通常、データを磁気的に再生するブルーレイディスクを含む。上記の組み合わせもコンピュータ可読媒体の範囲に含められる。
【0151】
本明細書における説明は、当業者が本開示を作成または使用できるようにするために提供される。本開示に対する様々な修正は当業者にとって明らかであり、本明細書で定義される一般原理は、本開示の範囲を逸脱することなく他の変形に適用可能である。したがって本開示は、本明細書で説明する例および設計に限定されるものではなく、本明細書で開示される原理および新規な特徴と一致する最も広い範囲が認められるものである。
図1
図2
図3A
図3B
図4
図5
図6
図7
図8
【手続補正書】
【提出日】2021-10-13
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0001
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0001】
関連出願へのクロスリファレンス
本特許出願は、2020年2月3日出願のPorterによる「ERROR CORRECTION ON A MEMORY DEVICE」という名称のPCT出願番号PCT/US2020/016366の優先権を主張するものであり、それは、2019年2月19日出願のPorterによる「ERROR CORRECTION ON A MEMORY DEVICE」という名称の米国特許出願第16/279,483号の優先権を主張するものでありそれぞれは、本出願の譲受人に譲渡され且つその全体が参照により本明細書に明確に組み込まれる。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0034
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0034】
場合によっては、チャネル115は、1つまたは複数のクロック信号(CK)チャネル188を含むことができる。CKチャネル188は、外部メモリコントローラ105とメモリデバイス110との間で1つまたは複数の共通クロック信号を通信するように構成可能である。各クロック信号は、高状態と低状態との間で振動するように、また、外部メモリコントローラ105およびメモリデバイス110のアクションを調整するように、構成可能である。場合によっては、クロック信号は、差分出力(例えば、CK_t信号およびCK_c信号)とすることができ、CKチャネル188の信号経路はそれに応じて構成可能である。場合によっては、クロック信号はシングルエンドとすることができる。CKチャネル188は、任意の量の信号経路を含むことができる。場合によっては、クロック信号CK(例えば、CK_t信号およびCK_c信号)は、メモリデバイス110のためのコマンドおよびアドレス指定動作のタイミング基準、または、メモリデバイス110のための他のシステム全体の動作を提供することができる。したがってクロック信号CKは、制御クロック信号CK、共通クロック信号CK、またはシステムクロック信号CKと、様々に呼ぶことができる。システムクロック信号CKは、1つまたは複数のハードウェア構成要素(例えば、発振器、結晶、論理ゲート、トランジスタなど)を含むことができる、システムクロックによって生成可能である。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0089
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0089】
いくつかの実施例において、サポート回路515は、1つまたは複数のディジット線ドライバまたは関連する構成要素、1つまたは複数のワード線ドライバまたは関連する構成要素、1つまたは複数のプレート線ドライバまたは関連する構成要素、1つまたは複数の感知構成要素または関連する構成要素を含むことができる。いくつかの例において、サポート回路515は、mux信号増幅器などの多重化(mux)構成要素を含むことができる。場合によっては、1つまたは複数のサポート回路515は、アレイの下に位置するCMOS回路とすることができる(例えば、CuA)。追加または代替として、いくつかの実施例において、サポート回路515はタイル514レベル回路とすることができる。例えば、第1のサポート回路515-aは、メモリセル502のセットに関連付けられた第1のタイル514-aについて、アクセス動作をサポートすることができる。したがって、アレイ505内の各バンク510は、各々がアレイ505の一部に関連付けられた、複数のサポート回路515を有することができ、例えば各サポート回路515はタイル514に関連付けることができる。場合によっては、各サポート回路515は、タイル514の空間(例えば、表面エリア)の一部のみを占めることができる。
【国際調査報告】