(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-04-01
(54)【発明の名称】塞栓デバイスおよび塞栓デバイスを製造する方法
(51)【国際特許分類】
A61B 17/12 20060101AFI20220325BHJP
【FI】
A61B17/12
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021503541
(86)(22)【出願日】2019-04-18
(85)【翻訳文提出日】2021-03-05
(86)【国際出願番号】 EP2019060106
(87)【国際公開番号】W WO2020211943
(87)【国際公開日】2020-10-22
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】514222743
【氏名又は名称】クリアストリーム・テクノロジーズ・リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100118902
【氏名又は名称】山本 修
(74)【代理人】
【識別番号】100106208
【氏名又は名称】宮前 徹
(74)【代理人】
【識別番号】100196508
【氏名又は名称】松尾 淳一
(74)【代理人】
【識別番号】100092967
【氏名又は名称】星野 修
(74)【代理人】
【識別番号】100220065
【氏名又は名称】高梨 幸輝
(72)【発明者】
【氏名】ウォール,ショーン
(72)【発明者】
【氏名】ロナン,アラン
【テーマコード(参考)】
4C160
【Fターム(参考)】
4C160DD03
4C160DD54
4C160DD62
(57)【要約】
収縮した送達構成および拡張した配備構成を有する、身体管腔内で血栓形成を促進するための塞栓デバイスが提供され、塞栓デバイスが、チューブ壁を有するチューブを備えるステムと、チューブから径方向外側に延在する複数の可撓性ブリストルとを備え、複数の可撓性ブリストルのうちの少なくとも1つの可撓性ブリストルがチューブ壁を貫通する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
収縮した送達構成および拡張した配備構成を有する、身体管腔内で血栓形成を促進するための塞栓デバイスであって、
チューブ壁を有するチューブを備えるステムと、
前記チューブから径方向外側に延在する複数の可撓性ブリストルであって、前記複数の可撓性ブリストルのうちの少なくとも1つの可撓性ブリストルが前記チューブ壁を貫通する、複数の可撓性ブリストルと
を備える、塞栓デバイス。
【請求項2】
請求項1に記載の塞栓デバイスであって、
前記複数の可撓性ブリストルのうちの前記少なくとも1つの可撓性ブリストルの一部分が、前記チューブ壁の2つの対向する側部の間でクランプされる、塞栓デバイス。
【請求項3】
請求項1または2に記載の塞栓デバイスであって、
前記チューブが収縮可能材料から形成され、任意選択で熱収縮可能材料または化学収縮可能材料から形成される、塞栓デバイス。
【請求項4】
請求項1から3のいずれか一項に記載の塞栓デバイスであって、
前記複数の可撓性ブリストルのうちの前記少なくとも1つの可撓性ブリストルの一部分が前記チューブ壁の2つの対向する側部の間でクランプされるように、前記チューブが縮められる、塞栓デバイス。
【請求項5】
請求項4に記載の塞栓デバイスであって、
前記チューブが前記チューブの径方向に縮められる、塞栓デバイス。
【請求項6】
請求項1から5のいずれか一項に記載の塞栓デバイスであって、
前記複数の可撓性ブリストルのうちの前記少なくとも1つの可撓性ブリストルの一部分が前記チューブ壁の2つの対向する側部の間でクランプされるように、前記チューブが径方向に機械的に圧縮され、任意選択で、前記チューブがクリンピングによって機械的に圧縮される、塞栓デバイス。
【請求項7】
請求項1から6のいずれか一項に記載の塞栓デバイスであって、
前記チューブが融解可能材料から形成される、塞栓デバイス。
【請求項8】
請求項1から7のいずれか一項に記載の塞栓デバイスであって、
前記複数の可撓性ブリストルのうちの前記少なくとも1つの可撓性ブリストルの一部分が前記チューブに固定されるように、前記チューブの少なくとも一部分を融解させる、塞栓デバイス。
【請求項9】
請求項1から8のいずれか一項に記載の塞栓デバイスであって、
フィラー材料が、前記複数の可撓性ブリストルのうちの前記少なくとも1つの可撓性ブリストルを前記チューブに固定するために前記チューブの管腔内に配置される、塞栓デバイス。
【請求項10】
請求項9に記載の塞栓デバイスであって、
前記フィラー材料が接着剤である、塞栓デバイス。
【請求項11】
請求項9または10に記載の塞栓デバイスであって、
前記フィラー材料が硬化材料または凝固可能材料であり、任意選択で、前記フィラー材料が、加熱時、溶剤フラッシング時、および/または照射時に硬化可能または凝固可能である、塞栓デバイス。
【請求項12】
請求項9、10、または11に記載の塞栓デバイスであって、
前記フィラー材料が前記複数の可撓性ブリストルのうちの前記少なくとも1つの可撓性ブリストルに接着または結合し、ならびに/あるいは前記フィラー材料が、前記複数の可撓性ブリストルのうちの前記少なくとも1つの可撓性ブリストルを機械的に定着させる、塞栓デバイス。
【請求項13】
請求項9から12のいずれか一項に記載の塞栓デバイスであって、
前記フィラー材料が前記チューブの前記管腔を実質的に塞ぐ、塞栓デバイス。
【請求項14】
請求項1から13のいずれか一項に記載の塞栓デバイスであって、
前記チューブの管腔内に配置される固定部片であって、前記複数の可撓性ブリストルのうちの前記少なくとも1つの可撓性ブリストルが前記チューブに固定されるように構成される、固定部片をさらに備える、塞栓デバイス。
【請求項15】
請求項14に記載の塞栓デバイスであって、
前記複数の可撓性ブリストルのうちの前記少なくとも1つの可撓性ブリストルの一部分が前記固定部片と前記チューブ壁の内側表面との間でクランプされる、塞栓デバイス。
【請求項16】
請求項14に記載の塞栓デバイスであって、
前記固定部片が内側マンドレルであり、前記複数の可撓性ブリストルのうちの前記少なくとも1つの可撓性ブリストルの一部分が、前記内側マンドレルの外側表面と前記チューブ壁の内側表面との間でクランプされる、塞栓デバイス。
【請求項17】
請求項1から16のいずれか一項に記載の塞栓デバイスであって、
前記チューブ壁を貫通する前記複数の可撓性ブリストルのうちの前記少なくとも1つの可撓性ブリストルの一部分が、前記チューブ壁内の孔より大きい半径を有し、前記ブリストルが、前記孔を通して前記チューブ壁を貫通する、塞栓デバイス。
【請求項18】
請求項1から17のいずれか一項に記載の塞栓デバイスであって、
前記チューブ壁を貫通する前記複数の可撓性ブリストルのうちの前記少なくとも1つの可撓性ブリストルの一部分が粗い部分を備える、塞栓デバイス。
【請求項19】
請求項1から18のいずれか一項に記載の塞栓デバイスであって、
前記チューブ壁が、前記複数の可撓性ブリストルのうちの前記少なくとも1つの可撓性ブリストルを受ける予め機械加工された孔を有する、塞栓デバイス。
【請求項20】
請求項1から19のいずれか一項に記載の塞栓デバイスであって、
前記複数の可撓性ブリストルのうちの前記少なくとも1つの可撓性ブリストルが、第1のロケーションで前記チューブ壁を貫通し、第2のロケーションで前記チューブ壁を貫通する、塞栓デバイス。
【請求項21】
請求項20に記載の塞栓デバイスであって、
前記第1のロケーションおよび前記第2のロケーションが前記チューブの円周の実質的に対向する側にある、塞栓デバイス。
【請求項22】
請求項20に記載の塞栓デバイスであって、
前記第1のロケーションおよび前記第2のロケーションが、前記チューブの円周の同じ2分の1、3分の1、4分の1、5分の1、または6分の1のところにある、塞栓デバイス。
【請求項23】
収縮した送達構成および拡張した配備構成を有する、管腔内で血栓形成を促進するための塞栓デバイスを製造する方法であって、
チューブ壁を有するチューブを備えるステムを提供するステップと、
複数の可撓性ブリストルが前記チューブから径方向外側に延在するように前記複数の可撓性ブリストルを提供するステップと
を含み、
前記複数の可撓性ブリストルのうちの少なくとも1つの可撓性ブリストルが前記チューブ壁を貫通する、方法。
【請求項24】
請求項23に記載の方法であって、
前記チューブ壁の2つの対向する側部の間で前記複数の可撓性ブリストルのうちの前記少なくとも1つの可撓性ブリストルをクランプするステップを含む、方法。
【請求項25】
請求項23または24に記載の方法であって、
前記複数の可撓性ブリストルのうちの前記少なくとも1つの可撓性ブリストルの一部分が前記チューブ壁の2つの対向する側部の間でクランプされるように、前記チューブを縮めるかまたは機械的に圧縮するステップを含む、方法。
【請求項26】
請求項25に記載の方法であって、
前記チューブが前記チューブの径方向に縮められるかまたは圧縮される、方法。
【請求項27】
請求項23から26のいずれか一項に記載の方法であって、
前記複数の可撓性ブリストルのうちの前記少なくとも1つの可撓性ブリストルの一部分が前記チューブに固定されるように、前記チューブの少なくとも一部分を融解させるステップを含む、方法。
【請求項28】
請求項23から27のいずれか一項に記載の方法であって、
前記複数の可撓性ブリストルのうちの前記少なくとも1つの可撓性ブリストルを前記チューブに固定するために前記チューブの管腔内にフィラー材料を配置するステップを含み、任意選択で、前記フィラー材料が、前記複数の可撓性ブリストルのうちの前記少なくとも1つの可撓性ブリストルを前記チューブ壁を通して貫通させる前にまたは貫通させた後に、前記管腔内に配置される、方法。
【請求項29】
請求項28に記載の方法であって、
前記フィラー材料が接着剤である、方法。
【請求項30】
請求項28または29に記載の方法であって、
前記フィラー材料を硬化または凝固させ、任意選択で、前記フィラー材料を、加熱時、溶剤フラッシング時、および/または照射時に硬化または凝固させる、方法。
【請求項31】
請求項28、29、または30に記載の方法であって、
前記フィラー材料が前記複数の可撓性ブリストルのうちの前記少なくとも1つの可撓性ブリストルに接着または結合し、ならびに/あるいは前記フィラー材料が、前記複数の可撓性ブリストルのうちの前記少なくとも1つの可撓性ブリストルを機械的に定着させる、方法。
【請求項32】
請求項28から31のいずれか一項に記載の方法であって、
前記フィラー材料が前記チューブの前記管腔を実質的に塞ぐ、方法。
【請求項33】
請求項23から32のいずれか一項に記載の方法であって、
前記複数の可撓性ブリストルのうちの前記少なくとも1つの可撓性ブリストルを前記チューブに固定するために前記チューブの管腔内に固定部片を配置するステップを含む、方法。
【請求項34】
請求項33に記載の方法であって、
前記複数の可撓性ブリストルのうちの前記少なくとも1つの可撓性ブリストルの一部分が前記固定部片と前記チューブ壁の内側表面との間でクランプされる、方法。
【請求項35】
請求項33に記載の方法であって、
前記固定部片が内側マンドレルであり、前記複数の可撓性ブリストルのうちの前記少なくとも1つの可撓性ブリストルの一部分が、前記内側マンドレルの外側表面と前記チューブ壁の内側表面との間でクランプされる、方法。
【請求項36】
請求項33から35のいずれか一項に記載の方法であって、
前記チューブが縮められるかまたは機械的に圧縮され、ならびに/あるいは、前記固定部片が前記管腔内に配置されると、前記固定部片が径方向に拡張され、その結果、前記複数の可撓性ブリストルのうちの前記少なくとも1つの可撓性ブリストルの前記一部分が前記固定部片と前記チューブ壁の内側表面との間でクランプされる、方法。
【請求項37】
請求項23から36のいずれか一項に記載の方法であって、
前記チューブ壁の中に穴を機械加工するステップと、前記複数の可撓性ブリストルのうちの前記少なくとも1つの可撓性ブリストルを前記孔の中で受けるステップとを含む、方法。
【請求項38】
請求項23から37のいずれか一項に記載の方法であって、
前記チューブ壁を貫通する前記複数の可撓性ブリストルのうちの前記少なくとも1つの可撓性ブリストルの一部分が、前記チューブ壁内の孔より大きい半径を有し、前記ブリストルが、前記孔を通して前記チューブ壁を貫通する、方法。
【請求項39】
請求項23から38のいずれか一項に記載の方法であって、
第1のロケーションで前記チューブ壁を通して前記複数の可撓性ブリストルのうちの前記少なくとも1つの可撓性ブリストルを貫通させるステップと、第2のロケーションで前記チューブ壁を通して前記可撓性ブリストルを貫通させるステップとを含む、方法。
【請求項40】
請求項23から39のいずれか一項に記載の方法であって、
前記可撓性ブリストルの一部分が前記チューブの管腔の内部から孔を通して前記チューブの外部まで案内され得るように、前記管腔の中にガイドを挿入するステップを含む、方法。
【請求項41】
収縮した送達構成および拡張した配備構成を有する、管腔内で血栓形成を促進するための塞栓デバイスであって、
材料から形成されるステムと、
前記ステムから径方向外側に延在する複数の可撓性ブリストルであって、前記複数の可撓性ブリストルのうちの少なくとも1つの可撓性ブリストルの一部分が前記ステムの前記材料の容積の中に配置され、その結果、前記材料が前記可撓性ブリストルの前記一部分を囲んで固定する、複数の可撓性ブリストルと
を備える、塞栓デバイス。
【請求項42】
請求項41に記載の塞栓デバイスであって、
前記材料が前記複数の可撓性ブリストルのうちの前記少なくとも1つの可撓性ブリストルの前記一部分に接着または結合する、塞栓デバイス。
【請求項43】
請求項41または42に記載の塞栓デバイスであって、
前記材料が前記複数の可撓性ブリストルのうちの前記少なくとも1つの可撓性ブリストルの前記一部分を機械的に定着させる、塞栓デバイス。
【請求項44】
請求項41から43のいずれか一項に記載の塞栓デバイスであって、
前記材料が硬化材料または凝固可能材料であり、任意選択で、前記材料が、加熱時、溶剤フラッシング時、および/または照射時に硬化可能または凝固可能である、塞栓デバイス。
【請求項45】
請求項41から44のいずれか一項に記載の塞栓デバイスであって、
前記材料が前記可撓性ブリストルの前記一部分を囲んで固定するように、前記材料を硬化または凝固させる、塞栓デバイス。
【請求項46】
請求項41から45のいずれか一項に記載の塞栓デバイスであって、
前記一部分が粗い部分を含む、塞栓デバイス。
【請求項47】
請求項41から46のいずれか一項に記載の塞栓デバイスであって、
前記一部分が厚い部分を含む、塞栓デバイス。
【請求項48】
請求項41から47のいずれか一項に記載の塞栓デバイスであって、
前記ステムが、前記材料の外側表面の少なくとも一部分の上に配置されるカバー要素をさらに備える、塞栓デバイス。
【請求項49】
請求項48に記載の塞栓デバイスであって、
前記カバー要素がチューブであり、前記材料が前記チューブ内に配置される、塞栓デバイス。
【請求項50】
請求項41から49のいずれか一項に記載の塞栓デバイスであって、
前記ステムが、前記材料の中に最終的に部分的に配置される内側要素をさらに備え、任意選択で、前記内側要素が前記材料の長さの少なくとも一部分に沿って延在する、塞栓デバイス。
【請求項51】
請求項50に記載の塞栓デバイスであって、
前記内側要素が細長く、任意選択で棒形状である、塞栓デバイス。
【請求項52】
請求項41から51のいずれか一項に記載の塞栓デバイスであって、前記ステムの前記材料と一体である流れ制限部をさらに備え、任意選択で、前記流れ制限部が前記材料から形成される、塞栓デバイス。
【請求項53】
請求項41から52のいずれか一項に記載の塞栓デバイスであって、
前記材料がポリマーであり、任意選択でナイロンである、塞栓デバイス。
【請求項54】
請求項41から52のいずれか一項に記載の塞栓デバイスであって、
前記材料が樹脂である、塞栓デバイス。
【請求項55】
請求項41から52のいずれか一項に記載の塞栓デバイスであって、
前記材料が金属および/または合金である、塞栓デバイス。
【請求項56】
収縮した送達構成および拡張した配備構成を有する、管腔内で血栓形成を促進するための塞栓デバイスを製造する方法であって、
材料から形成されるステムを提供するステップと、
前記ステムから径方向外側に延在する複数の可撓性ブリストルを提供するステップであって、前記複数の可撓性ブリストルのうちの少なくとも1つの可撓性ブリストルの一部分が前記ステムの前記材料の容積の中に配置され、その結果、前記材料が前記可撓性ブリストルの前記一部分を囲んで固定する、ステップと
を含む、方法。
【請求項57】
請求項56に記載の方法であって、
前記複数の可撓性ブリストルのうちの前記少なくとも1つの可撓性ブリストルの前記一部分に前記材料を接着するかまたは結合するステップを含む、方法。
【請求項58】
請求項56または57に記載の方法であって、
前記複数の可撓性ブリストルのうちの前記少なくとも1つの可撓性ブリストルの前記一部分を前記材料に機械的に定着させるステップを含む、方法。
【請求項59】
請求項56から58のいずれか一項に記載の方法であって、
前記材料が前記可撓性ブリストルの前記一部分を囲んで固定するように、前記材料を硬化または凝固させるステップを含み、任意選択で、硬化または凝固する前記ステップが、加熱時、溶剤フラッシング時、および/または照射時に行われる、方法。
【請求項60】
請求項56から59のいずれか一項に記載の方法であって、
金型内で前記材料を成形するステップを含む、方法。
【請求項61】
請求項60に記載の方法であって、
前記可撓性ブリストルが前記金型の壁を貫通するように、前記可撓性ブリストルの前記一部分を前記金型の内部に配置するステップを含む、方法。
【請求項62】
請求項61に記載の方法であって、
前記可撓性ブリストルの前記一部分を前記金型の内部に配置する前記ステップが、金型内で前記材料を成形する前にまたは成形した後に行われる、方法。
【請求項63】
請求項60から62のいずれか一項に記載の方法であって、
前記金型の少なくとも一部分がチューブ壁を有するチューブである、方法。
【請求項64】
請求項63に記載の方法であって、
前記塞栓デバイスが前記チューブを備える、方法。
【請求項65】
請求項56から59のいずれか一項に記載の方法であって、
前記材料を前記ステムに形作るステップを含む、方法。
【請求項66】
請求項65に記載の方法であって、
前記一部分を前記形作られたステムの中に挿入するステップと、任意選択で、その後、前記材料を硬化または凝固するステップとを含む、方法。
【請求項67】
請求項56から66のいずれか一項に記載の方法であって、
前記材料の中に最終的に部分的に配置される内側要素を提供するステップをさらに含む、方法。
【請求項68】
請求項67に記載の方法であって、
前記材料を硬化または凝固させる前に、前記内側要素が前記材料内に配置される、方法。
【請求項69】
請求項67に記載の方法であって、
前記材料を硬化または凝固させた後に、前記内側要素が前記材料の中に配置され、任意選択で、前記内側要素が前記材料内の孔の中に挿入され、前記孔が、前記内側要素自体により、および/またはドリルなどの別のデバイスにより、作られる、方法。
【請求項70】
収縮した送達構成および拡張した配備構成を有する、管腔内で血栓形成を促進するための塞栓デバイスであって、
材料から形成されるステムと、
前記ステムから径方向外側に延在する複数の可撓性ブリストルと、
前記ステムから径方向外側に延在する流れ制限部と
を備え、
前記流れ制限部が前記材料から形成され、前記流れ制限部が前記ステムの前記材料と一体に形成される、塞栓デバイス。
【請求項71】
請求項70に記載の塞栓デバイスであって、
前記材料が硬化材料または凝固可能材料であり、任意選択で、前記材料が、加熱時、溶剤フラッシング時、および/または照射時に硬化可能または凝固可能な硬化材料または凝固可能材料である、塞栓デバイス。
【請求項72】
請求項70または71に記載の塞栓デバイスであって、
前記材料が成形可能材料である、塞栓デバイス。
【請求項73】
請求項70から72のいずれか一項に記載の塞栓デバイスであって、
前記材料が前記流れ制限部および前記ステムを一体に形成するように成形される、塞栓デバイス。
【請求項74】
請求項70から73のいずれか一項に記載の塞栓デバイスであって、
前記複数の可撓性ブリストルのうちの少なくとも1つの可撓性ブリストルの少なくとも一部分が、前記流れ制限部および/または前記ステムの前記材料の容積の中に配置される、塞栓デバイス。
【請求項75】
請求項70から74のいずれか一項に記載の塞栓デバイスであって、
前記流れ制限部が弾性であり、および/または予め湾曲している、塞栓デバイス。
【請求項76】
請求項70から75のいずれか一項に記載の塞栓デバイスであって、
前記流れ制限部が流れ制限膜である、塞栓デバイス。
【請求項77】
請求項70から76のいずれか一項に記載の塞栓デバイスであって、
前記流れ制限部が2つ以上のセグメントを備える、塞栓デバイス。
【請求項78】
請求項70から77のいずれか一項に記載の塞栓デバイスであって、
前記ステムが、前記ステムの前記材料の外側表面の少なくとも一部分の上に配置されるカバー要素をさらに備え、任意選択で、前記カバー要素がチューブであり、前記材料が前記チューブ内に配置される、塞栓デバイス。
【請求項79】
請求項70から78のいずれか一項に記載の塞栓デバイスであって、
前記流れ制限部が、前記流れ制限部の前記材料の外側表面の少なくとも一部分の上に配置されるカバー要素をさらに備え、任意選択で、前記カバー要素が2つの膜を備え、前記材料が前記2つの膜の間に配置される、塞栓デバイス。
【請求項80】
収縮した送達構成および拡張した配備構成を有する、管腔内で血栓形成を促進するための塞栓デバイスを製造する方法であって、
材料から形成されるステムを提供するステップと、
前記ステムから径方向外側に延在する複数の可撓性ブリストルを提供するステップと、
前記ステムから径方向外側に延在する流れ制限部を提供するステップと、
を含み、
前記流れ制限部が前記材料から形成され、前記流れ制限部が前記ステムの前記材料と一体に形成される、方法。
【請求項81】
請求項80に記載の方法であって、
前記ステムおよび前記流れ制限部が金型内で成形される、方法。
【請求項82】
請求項81に記載の方法であって、
前記可撓性ブリストルのうちの少なくとも1つの可撓性ブリストルが前記金型の壁を貫通するように、前記金型の内部に前記可撓性ブリストルのうちの前記少なくとも1つの可撓性ブリストルの一部分を配置するステップを含む、方法。
【請求項83】
請求項81または82に記載の方法であって、
前記金型の少なくとも一部分がチューブ壁を有するチューブである、方法。
【請求項84】
請求項83に記載の方法であって、
前記塞栓デバイスが前記チューブを備える、方法。
【請求項85】
請求項81から84のいずれか一項に記載の方法であって、
前記流れ制限部を画定するモールドキャビティの一部分が湾曲している、方法。
【請求項86】
請求項80に記載の方法であって、
前記材料を前記ステムおよび前記流れ制限部に形作るステップを含む、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、概して、身体管腔内で血栓形成を促進するための塞栓デバイスに関する。本開示は、概して、身体管腔内で血栓形成を促進するための塞栓デバイスを製造する方法にも関する。
【背景技術】
【0002】
塞栓デバイスは、身体管腔内で血栓形成を促進することを目的として身体管腔内で受けられ得る永久的なまたは半永久的な移植可能デバイスである。このような塞栓デバイスは、収縮した送達構成および拡張した配備構成を有することがある。収縮した送達構成は、このデバイスを送達カテーテルなどの送達デバイスの中に装填することが可能であるような構成であってよい。種々の塞栓デバイスがWO2014/140325およびWO2016/041961に開示されており、いずれもその全体が参照により本明細書に組み込まれている。
【0003】
塞栓デバイスは、血栓形成を促進して最終的に血管を閉塞させることを目的として医者により脈管構造内の特定のロケーションに配備され得る。しかし、一般的な塞栓デバイスは脈管構造内で移動する傾向を有する可能性があり、それにより深刻な副作用を引き起こす可能性がある。
【0004】
移動を低減するために、いくつかの既知の塞栓デバイスが、中央孔から径方向外側に延在する複数のブリストル(bristle;剛毛とも言う)またはファイバを備える。ブリストルが、身体管腔に接触して、ブリストルと身体管腔の壁との間の摩擦により塞栓デバイスを身体管腔内で定着させるように、構成される。
【0005】
しかし、これらの既知の塞栓デバイスでは、ブリストルが中央孔から切り離される可能性があり、それにより固定力を低減し、それによりデバイスが移動する可能性が上がる。
ブリストルに加えて、特定の塞栓デバイスが、身体管腔内で流れを制限するように機能してさらに追加の固定力を提供するように機能することができる流れ制限部をさらに有する。これらのデバイスでは、流れ制限部が、通常、塞栓デバイスの中央孔の上に配置される別個の膜である。デバイスの組み立て中、したがって、流れ制限部が、中央孔に取り付けられるように操作されなければならない。しかし、これにより、取り付けの信頼性が低下する可能性があり、また取り付けられた流れ制限部が変形したりまたは取り付けられた流れ制限部に異常が生じたりする可能性がある。
【0006】
したがって、これらの流れ制限部は身体管腔内でそれらの拡張した配備構成へと確実には拡張しない可能性があり、したがって、デバイスの配備時、流れ制限部により追加の固定力が確実には提供されない可能性がある。これにより、やはり、デバイスが移動する可能性が上がる。
【発明の概要】
【0007】
上記を考慮して、より確実に固定力を得て維持することができる改善された塞栓デバイスが必要とされる。また、より確実に固定力を得て維持することができる塞栓デバイスを製造する改善された方法が必要とされる。
【0008】
本開示をより良好に理解することができるように、および如何にして本開示が有効に実施され得るかを示すために、単に例として、以下の図面を参照する。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図2】送達カテーテル内にある収縮した送達構成の
図1の塞栓デバイスを示す図である。
【
図3】身体管腔内で拡張した配備構成の
図1および2の塞栓デバイスを示す図である。
【
図4】塞栓デバイスの種々の実施形態の長さの一部分に沿う断面図である。
【
図5】塞栓デバイスの種々の実施形態の長さの一部分に沿う断面図である。
【
図6】塞栓デバイスの種々の実施形態の長さの一部分に沿う断面図である。
【
図7】塞栓デバイスの種々の実施形態の長さの一部分に沿う断面図である。
【
図8】塞栓デバイスの種々の実施形態の長さの一部分に沿う断面図である。
【
図9】塞栓デバイスの特定の実施形態の長さに沿う横断面図である。
【
図10】塞栓デバイスの特定の実施形態の長さに沿う横断面図である。
【
図11】塞栓デバイスの種々の実施形態の長さの一部分に沿う断面図である。
【
図12】塞栓デバイスの種々の実施形態の長さの一部分に沿う断面図である。
【
図13】塞栓デバイスの種々の実施形態の長さの一部分に沿う断面図である。
【
図14】流れ制限膜を備える塞栓デバイスの種々の実施形態の長さの一部分に沿う断面図である。
【
図15】流れ制限膜を備える塞栓デバイスの種々の実施形態の長さの一部分に沿う断面図である。
【
図16】流れ制限膜を備える塞栓デバイスの種々の実施形態の長さの一部分に沿う断面図である。
【
図17】流れ制限膜を備える塞栓デバイスの特定の実施形態の長さに沿う横断面図である。
【
図18】流れ制限膜を備える塞栓デバイスの特定の実施形態の長さに沿う横断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
管腔内で血栓形成を促進するための塞栓デバイスが提供される。塞栓デバイスが、収縮した送達構成および拡張した配備構成を有することができる。塞栓デバイスが、チューブ壁を有するチューブを備えるステムを備えることができる。塞栓デバイスが、チューブから径方向外側に延在する複数の可撓性ブリストルを備えることができる。複数の可撓性ブリストルのうちの少なくとも1つの可撓性ブリストルがチューブ壁を貫通することができる。
【0011】
本開示を通して、「塞栓デバイス」という用語は、身体管腔内に永久的にまたは半永久的に移植され得るデバイスを意味することができる。したがって、「塞栓デバイス」は、数日間などの一定期間にわたって身体管腔内に配置されるように、または無期限に身体管腔内に配置されるように、構成され得る。この目的のため、「塞栓デバイス」は、隔離状態で身体管腔内に移植され得るように、送達要素から選択的に脱着されるように構成され得る。
【0012】
本開示を通して、要素の「収縮した送達構成」は、要素の「拡張した配備構成」より小さい径方向範囲を有する要素の構成を意味することができる。
本開示を通して、「チューブ壁」という用語は、チューブの長手方向軸に沿って延在するチューブの壁を意味することができる。チューブ壁は連続していてもまたは不連続であってもよい。
【0013】
本開示を通して、「チューブ」という用語は、長手方向軸にわたってチューブ壁の異なる部分が互いに対向している、チューブ壁を有する任意の要素を意味することができる。例えば、チューブ壁はチューブの長手方向軸を中心として湾曲していてよく(例えば、円形断面を有する)、その結果、チューブ壁の両側が互いに対向する。チューブはその長手方向軸の任意の部分に沿って延在する管腔を有してもまたは有さなくてもよい。
【0014】
チューブ壁が、チューブの長手方向の長さの一部分または全体に沿って延在する1つまたは複数のスリットを有することができる。
チューブが細長いチューブであってよい。
【0015】
チューブがコイルを備えなくてよい。
チューブがその長手方向軸に沿って延在する管腔を有することができる。チューブ壁を貫通する複数の可撓性ブリストルのうちの少なくとも1つの可撓性ブリストルの一部分が管腔内に配置される。
【0016】
チューブがその長手方向軸に沿って延在する2つ以上の管腔を有することができる。2つ以上の管腔のうちの少なくとも一部の管腔が互いに実質的に隔離される。2つ以上の管腔のうちの少なくとも一部の管腔がチューブの長手方向軸に沿って分離される。複数の可撓性ブリストルのうちの少なくとも1つの可撓性ブリストルの一部分が2つ以上の管腔のうちの1つの管腔内に配置される。
【0017】
チューブが、2つ以上の管腔のうちの少なくとも1つの管腔に対応する部分にあるチューブの径方向範囲より小さい径方向範囲を2つ以上の管腔のうちの少なくとも1つの管腔に隣接する部分において有することができる。2つ以上の管腔のうちの少なくとも1つの管腔に隣接する部分が、2つの管腔に対応するチューブの2つの部分の間に配置され得る。
【0018】
チューブ壁を貫通する複数の可撓性ブリストルのうちの少なくとも1つの可撓性ブリストルのこの一部分がチューブの管腔を実質的に塞ぐ。
当業者には理解されるであろうが、本開示を通して、「ステム」という用語は、塞栓デバイスのバックボーンとして機能するために塞栓デバイスの長さに沿って長手方向に延在し、塞栓デバイスの別の要素(例えば、複数の可撓性ブリストル)より有意に小さい径方向範囲を有する細長い要素を意味する。ステムが複数の可撓性ブリストルの長手方向の全範囲に実質的に沿って延在することができる(例えば、塞栓デバイスが、抑制されていない構成、収縮した送達構成、および/または拡張した配備構成にあるとき)。ステムが、塞栓デバイスの全長に実質的に沿って延在することができる。
【0019】
本明細書で説明される実施形態のいくつかにおいて、当業者には理解されるであろうが、「ブリストル」という用語は、実質的に単一部片で形成される細長いストランド材料を意味することができる。「ブリストル」は弾性ブリストルであってよい。弾性ブリストルは特定の曲率の方向に付勢され得る。
【0020】
本開示を通して、「径方向外側」という用語は、デバイスの長手方向に追加的に延在する要素を排除しない。例えば、複数の可撓性ブリストルがチューブから径方向外側におよび長手方向に延在することができる。
【0021】
複数の可撓性ブリストルが、収縮した送達構成において収縮構成を有することができる。複数の可撓性ブリストルが、拡張した配備構成において拡張構成を有することができる。
【0022】
拡張構成では、複数の可撓性ブリストルが身体管腔内でデバイスを定着させるように構成され得る。複数の可撓性ブリストルが、身体管腔内の塞栓デバイスのための固定力の実質的にすべてを提供するように構成され得る。
【0023】
拡張構成では、複数の可撓性ブリストルが身体管腔に接触するように構成され得る。
本開示を通して、「貫通」という用語は、ある物体が別の物体の中に入るおよびその別の物体を通過することを意味する。
【0024】
複数の可撓性ブリストルのうちの少なくとも1つの可撓性ブリストルの一部分がチューブ壁の2つの対向する側部の間でクランプされる。
本開示を通して、2つのクランプ要素「の間でクランプされる」と言及される要素は、この要素を動かないようにするためにこの要素に対して2つのクランプ要素により力(例えば、対向する力)が直接的にまたは間接的に提供されることを意味する。クランプ要素が、クランプされる(又は、締め付けられる)要素に直接的にまたは間接的に接触することができる。
【0025】
チューブが収縮可能材料から形成され得る。チューブが熱収縮可能材料から形成され得る。チューブが化学収縮可能材料から形成される。
本開示を通して、「収縮可能材料」は、特定の治療時に特定の方向に縮む材料を意味することができる。このような治療は熱治療および/または化学治療であってよい。当業者には理解されるであろうが、収縮可能材料は、例えばクリンピングによる、収縮可能材料に加えられる外力なしで、それ自体で縮む。
【0026】
チューブは、複数の可撓性ブリストルのうちの少なくとも1つの可撓性ブリストルの一部分がチューブ壁の2つの対向する側部の間でクランプされるように、縮めることができる。
【0027】
チューブはチューブの径方向に縮めることができる。加えてまたは別法として、チューブはチューブの軸方向に縮めることができる。
チューブは、複数の可撓性ブリストルのうちの少なくとも1つの可撓性ブリストルの一部分がチューブ壁の2つの対向する側部の間でクランプされるように、径方向に機械的に圧縮され得る。チューブがクリンピングによって機械的に圧縮され得る。
【0028】
本開示を通して、要素を「機械的に圧縮する」という用語は、外部デバイスと要素との間での機械的相互作用によって引き起こされる圧縮を意味する。
チューブが融解可能材料または融解材料から形成され得る。
【0029】
チューブの少なくとも一部分または実質的にチューブ全体が、複数の可撓性ブリストルのうちの少なくとも1つの可撓性ブリストルの一部分をチューブに固定するように、融解していてよい。
【0030】
チューブの少なくとも一部分または実質的にチューブ全体が、チューブの融解材料が可撓性ブリストルの一部分を囲むのを可能にするように、融解していてよい。その後、融解材料が、この部分を固定するように固化することが可能となっていてもよい。
【0031】
フィラー材料が、複数の可撓性ブリストルのうちの少なくとも1つの可撓性ブリストルをチューブに固定するためにチューブの管腔内に配置され得る。
フィラー材料が接着剤であってよい。
【0032】
フィラー材料が硬化材料または凝固可能材料(settable material)であってよい。フィラー材料が、加熱時、溶剤フラッシング(solvent flashing)時、および/または照射時に硬化可能または凝固可能であり得る。
【0033】
フィラー材料が複数の可撓性ブリストルのうちの少なくとも1つの可撓性ブリストルに接着または結合し得る。加えてまたは別法として、フィラー材料が、複数の可撓性ブリストルのうちの少なくとも1つの可撓性ブリストルを機械的に定着させることができる。
【0034】
本開示を通して、「機械的に定着させる(mechanically anchor)」という用語は、接着/結合に関与する、固定要素と、定着させられる要素との間の分子間力および/または化学結合ではなく、実質的に、固定要素のマクロ的特性によって生じる機械的力により要素を定着させることを意味する。
【0035】
フィラー材料がチューブの管腔を実質的に塞ぐことができる。
塞栓デバイスが、チューブの管腔内に配置される固定部片をさらに備えることができる。固定部片が、複数の可撓性ブリストルのうちの少なくとも1つの可撓性ブリストルをチューブに固定するように構成され得る。
【0036】
複数の可撓性ブリストルのうちの少なくとも1つの可撓性ブリストルの一部分が固定部片とチューブ壁の内側表面との間でクランプされ得る。
固定部片が内側マンドレルであってよい。
【0037】
固定部片が内側マンドレルであってよく、ここでは、複数の可撓性ブリストルのうちの少なくとも1つの可撓性ブリストルの一部分が、内側マンドレルの外側表面とチューブ壁の内側表面との間でクランプされ得る。
【0038】
チューブ壁を貫通する複数の可撓性ブリストルのうちの少なくとも1つの可撓性ブリストルの一部分が、チューブ壁内の孔より大きい半径を有することができ、ブリストルが、この孔を通してチューブ壁を貫通する。
【0039】
チューブ壁を貫通する複数の可撓性ブリストルのうちの少なくとも1つの可撓性ブリストルのこの一部分が、チューブの管腔内に配置される一部分であってよい。
チューブの管腔内に配置される複数の可撓性ブリストルのうちの少なくとも1つの可撓性ブリストルのこの一部分が、チューブ壁内の孔より大きい半径を有することができ、ブリストルが、この孔を通してチューブ壁を貫通する。
【0040】
チューブ壁を貫通する複数の可撓性ブリストルのうちの少なくとも1つの可撓性ブリストルの一部分が固定セクションを備えることができる。
チューブ壁を貫通する複数の可撓性ブリストルのうちの少なくとも1つの可撓性ブリストルの一部分が粗い部分を備えることができる。
【0041】
この粗い部分が可撓性ブリストルの別の部分より粗くてよい。この別の部分が、チューブ壁から径方向外側に延在する可撓性ブリストルの一部分であってよい。
チューブ壁がその中に画定される1つまたは複数の孔を有することができる。1つまたは複数の孔の各々が、複数の可撓性ブリストルのうちの1つまたは複数の可撓性ブリストルを受けるように構成され得る。
【0042】
チューブ壁が、1つまたは複数の予め機械加工された孔を有することができる。予め機械加工された孔が、複数の可撓性ブリストルのうちの1つまたは複数の可撓性ブリストルを受けるように構成され得る。
【0043】
本開示を通して、「予め機械加工された孔」は、材料の一部片の中に作られる孔を意味する。例えば、予め機械加工された孔は、チューブの連続する壁の中に機械加工される孔であってよい。「機械加工」は、例えば穿孔またはレーザ加工などの、種々の手法で実行され得る。
【0044】
孔または予め機械加工された孔が、複数の可撓性ブリストルのうちの少なくとも1つの可撓性ブリストルのうちの1つの可撓性ブリストルのみ受けることができる。孔または予め機械加工された孔が、複数の可撓性ブリストルのうちの少なくとも1つの可撓性ブリストルのうちの2つ、3つ、または4つの可撓性ブリストルのみを受ける。
【0045】
孔または予め機械加工された孔が、そこを通過している可撓性ブリストルと実質的に同じ直径を有することができる。
本明細書の任意の箇所で説明されるチューブ壁内の孔は所定の手法で可撓性ブリストルを構成するように構成され得る。例えば、これらの孔は、ステムの円周周りで可撓性ブリストルを実質的に均等に分布させるように、方向付けられ得る。加えてまたは別法として、複数の孔が、離間されるセグメント内に配置され得る。任意選択で、2つの離間されるセグメントの間の空間が流れ制限部を受け入れることができる。
【0046】
複数の可撓性ブリストルのうちの少なくとも1つの可撓性ブリストルが、第1のロケーション(又は、位置)でチューブ壁を貫通することができ、第2のロケーションでチューブ壁を貫通することができる。
【0047】
第1のロケーションが第2のロケーションと異なる。
第1のロケーションおよび第2のロケーションがチューブの円周の実質的に対向する側にあってよい。
【0048】
第1のロケーションおよび第2のロケーションが、チューブの円周の同じ2分の1、3分の1、4分の1、5分の1、または6分の1のところにあってよい。
第1のロケーションおよび第2のロケーションが実質的に軸方向において位置合わせされ得る。
【0049】
収縮した送達構成および拡張した配備構成を有する、管腔内で血栓形成を促進するための塞栓デバイスを製造する方法が提供される。この方法が、チューブ壁を有するチューブを備えるステムを提供することを含むことができる。この方法が、チューブから径方向外側に延在するように複数の可撓性ブリストルを提供することを含むことができる。複数の可撓性ブリストルのうちの少なくとも1つの可撓性ブリストルがチューブ壁を貫通することができる。
【0050】
この方法が、チューブ壁の2つの対向する側部の間で複数の可撓性ブリストルのうちの少なくとも1つの可撓性ブリストルをクランプすることを含むことができる。
この方法が、複数の可撓性ブリストルのうちの少なくとも1つの可撓性ブリストルの一部分がチューブ壁の2つの対向する側部の間でクランプされるように、チューブを縮めるかまたは機械的に圧縮することを含むことができる。
【0051】
チューブはチューブの径方向に縮められるかまたは圧縮され得る。加えてまたは別法として、チューブがチューブの軸方向に縮められるかまたは圧縮され得る。
この方法が、複数の可撓性ブリストルのうちの少なくとも1つの可撓性ブリストルの一部分をチューブに固定するように、チューブの少なくとも一部分または実質的にチューブの全体を融解させることを含むことができる。
【0052】
チューブの少なくとも一部分または実質的にチューブ全体が、チューブの融解材料が可撓性ブリストルの一部分を囲むのを可能にするために、融解(又は、溶解)していてよい。その後、融解材料が、この部分を固定するように固化することが可能であってもよい。
【0053】
この方法が、複数の可撓性ブリストルのうちの少なくとも1つの可撓性ブリストルをチューブに固定するためにチューブの管腔内にフィラー材料を配置することを含むことができる。フィラー材料が、複数の可撓性ブリストルのうちの少なくとも1つの可撓性ブリストルをチューブ壁を通して貫通させる前にまたは貫通させた後に、管腔内に配置され得る。
【0054】
フィラー材料が接着剤であってよい。
フィラー材料を硬化または凝固させることができる。フィラー材料を、加熱時、溶剤フラッシング時、および/または照射時に硬化または凝固させることができる。
【0055】
フィラー材料が複数の可撓性ブリストルのうちの少なくとも1つの可撓性ブリストルに接着または結合し得る。加えてまたは別法として、フィラー材料が、複数の可撓性ブリストルのうちの少なくとも1つの可撓性ブリストルを機械的に定着させることができる。
【0056】
フィラー材料がチューブの管腔を実質的に塞ぐことができる。
この方法が、複数の可撓性ブリストルのうちの少なくとも1つの可撓性ブリストルをチューブに固定するためにチューブの管腔内に固定部片を配置することを含むことができる。
【0057】
複数の可撓性ブリストルのうちの少なくとも1つの可撓性ブリストルの一部分が固定部片とチューブ壁の内側表面との間でクランプされ得る。
固定部片が内側マンドレルであってよい。複数の可撓性ブリストルのうちの少なくとも1つの可撓性ブリストルの一部分が、内側マンドレルの外側表面とチューブ壁の内側表面との間でクランプされ得る。
【0058】
チューブは縮められるかまたは機械的に圧縮され得る。加えてまたは別法として、固定部片が管腔内に配置されると、固定部片が径方向に拡張され得、その結果、複数の可撓性ブリストルのうちの少なくとも1つの可撓性ブリストルのこの一部分が固定部片とチューブ壁の内側表面との間でクランプされ得る。
【0059】
この方法が、チューブ壁の中に穴を機械加工することと、複数の可撓性ブリストルのうちの少なくとも1つの可撓性ブリストルのうちの1つまたは複数の可撓性ブリストルを孔の中で受けることとを含むことができる。
【0060】
チューブ壁を貫通する複数の可撓性ブリストルのうちの少なくとも1つの可撓性ブリストルの一部分が、チューブ壁内の孔より大きい半径を有し、ブリストルが、この孔を通してチューブ壁を貫通する。
【0061】
この方法が、第1のロケーションでチューブ壁を通して複数の可撓性ブリストルのうちの少なくとも1つの可撓性ブリストルを貫通させることと、第2のロケーションでチューブ壁を通して可撓性ブリストルを貫通させることとを含むことができる。
【0062】
この方法が、可撓性ブリストルの一部分がチューブの管腔の内部から孔を通してチューブの外部まで案内され得るように、管腔の中にガイドを挿入することを含むことができる。
【0063】
収縮した送達構成および拡張した配備構成を有する、管腔内で血栓形成を促進するための塞栓デバイスが提供される。塞栓デバイスが、材料から形成されるステムを備えることができる。塞栓デバイスが、ステムから径方向外側に延在する複数の可撓性ブリストルを備えることができる。複数の可撓性ブリストルのうちの少なくとも1つの可撓性ブリストルの一部分がステムの材料の容積の中に配置され得、その結果、この材料が可撓性ブリストルのこの一部分を囲んで固定する。
【0064】
本開示を通して、「材料の容積」に言及することは、材料のかさ容積または均一の容積を意味することができる。この材料の容積が、2つの実質的に個別である要素(2つの対向する個別のワイヤなど)ではなく、この材料の連続する部分から形成される。
【0065】
可撓性ブリストルの一部分がこの「材料の容積」の中に配置される。したがって、この一部分は、2つの実質的に個別である要素の間ではなく(例えば、可撓性ブリストルが2つの対向する個別のワイヤの間に配置されるのではなく)、材料のかさ容積または均一の容積の中に配置される。
【0066】
当業者には理解されるであろうが、本開示を通して、「材料から形成されるステム」は、ステムの体積の有意な一部分がこの材料で形成されている、ステムを意味し、ブリストルは、ステムの体積に沿って取り付けられる。ステムの構造特性は、ステムの任意の他の成分ではなく、主として、この材料およびその形状によって決定され得る。したがって、ステムは実質的にこの材料で形成され得る。
【0067】
この材料は一様である必要はない。この材料は、ステムの異なる部分で異なる特性および/または構成物を有することができる。例えば、ステムの構成物はステムの1つのパートから別のパートまで徐々に変化してよい。
【0068】
この材料が複数の可撓性ブリストルのうちの少なくとも1つの可撓性ブリストルのこの一部分に接着または結合し得る。
この材料が複数の可撓性ブリストルのうちの少なくとも1つの可撓性ブリストルのこの一部分を機械的に定着させ得る。
【0069】
この材料が硬化材料または凝固可能材料であってよい。この材料が、加熱時、溶剤フラッシング時、および/または照射時に硬化可能または凝固可能であり得る。
この材料を、可撓性ブリストルのこの一部分を囲んで固定するように、硬化または凝固させることができる。
【0070】
本明細書を通して使用される「材料」は本明細書で説明される「フィラー材料」を意味することができる。
この一部分が粗い部分を含むことができる。
【0071】
粗い部分が可撓性ブリストルの一部の部分または他のすべての部分、特に径方向外側に延在する自由部分より粗くてよい。
この一部分が厚い部分または固定部分を含むことができる。
【0072】
厚い部分が可撓性ブリストルの一部の部分または他のすべての部分、特に径方向外側に延在する自由部分より厚くてよい。
ステムが、この材料の外側表面の少なくとも一部分の上に配置されるカバー要素をさらに備えることができる。
【0073】
カバー要素がチューブであってよい。この材料がチューブ内に配置され得る。
カバー要素がシートの形態であってよい。シートが湾曲シートであってよい。
ステムが内側要素をさらに備えることができる。内側要素がこの材料の中に最終的に部分的に配置され得る。内側要素がこの材料の長さの少なくとも一部分に沿って延在することができる。
【0074】
内側要素が細長くてよい。内側要素が棒形状であってよい。
塞栓デバイスが、ステムのこの材料と一体である流れ制限部をさらに備えることができる。流れ制限部がこの材料から形成され得る。
【0075】
流れ制限部が流れ制限膜であってよい。
本明細書で開示される「流れ制限部」または「流れ制限膜」のいずれも、収縮した送達構成において収縮構成を有することができる。本明細書で開示される「流れ制限部」または「流れ制限膜」のいずれも、拡張した配備構成において拡張構成を有することができる。
【0076】
拡張構成では、本明細書で開示される「流れ制限部」または「流れ制限膜」のいずれも、身体管腔内でデバイスを定着させるように構成され得る。「流れ制限部」または「流れ制限膜」が、身体管腔内の塞栓デバイスのための固定力の実質的にすべてを提供するように構成され得る。
【0077】
拡張構成では、本明細書で開示される「流れ制限部」または「流れ制限膜」のいずれも、身体管腔に接触するように構成され得る。
この材料がポリマーであってよい。この材料がナイロンであってよい。この材料が樹脂であってよい。この材料が金属および/または合金であってよい。
【0078】
ステムのこの材料内に配置される複数の可撓性ブリストルのうちの少なくとも1つの可撓性ブリストルのこの一部分が実質的に径方向外側方向に延在することができる。
ステムのこの材料内に配置される複数の可撓性ブリストルのうちの少なくとも1つの可撓性ブリストルのこの一部分がステムの長手方向軸に対して実質的に横方向に延在することができる。
【0079】
複数の可撓性ブリストルのうちの少なくとも1つの可撓性ブリストルが、好適には少なくとも塞栓デバイスの非拘束構成において、実質的に垂直にステムと交差することができる。
【0080】
収縮した送達構成および拡張した配備構成を有する、管腔内で血栓形成を促進するための塞栓デバイスを製造する方法が提供される。この方法が、材料から形成されるステムを提供することを含むことができる。この方法が、ステムから径方向外側に延在する複数の可撓性ブリストルを提供することを含むことができる。複数の可撓性ブリストルのうちの少なくとも1つの可撓性ブリストルの一部分がステムの材料の容積の中に配置され得、その結果、この材料が可撓性ブリストルのこの一部分を囲んで固定する。
【0081】
この方法が、複数の可撓性ブリストルのうちの少なくとも1つの可撓性ブリストルのこの一部分にこの材料を接着するかまたは結合することを含むことができる。
この方法が、複数の可撓性ブリストルのうちの少なくとも1つの可撓性ブリストルのこの一部分をこの材料に機械的に定着させることを含むことができる。
【0082】
この方法が、可撓性ブリストルのこの一部分を囲んで固定するように、この材料を硬化または凝固することを含むことができる。硬化または凝固することが、加熱時、溶剤フラッシング時、および/または照射時に行われてよい。
【0083】
この方法が、金型内でこの材料を成形することを含むことができる。
この方法が、可撓性ブリストルが金型の壁を貫通するように、可撓性ブリストルのこの一部分を金型の内部に配置することを含むことができる。
【0084】
可撓性ブリストルのこの一部分を金型の内部に配置するステップが、金型内でこの材料を成形する前にまたは成形した後に行われ得る。
金型の少なくとも一部分がチューブ壁を有するチューブであってよい。
【0085】
チューブが、最終的な塞栓デバイスの一部分を形成するように、取り外されなくてよい。
塞栓デバイスが、金型の少なくとも一部分を形成するチューブを備えることができる。
【0086】
この方法が、この材料をステムに形作ることを含むことができる。
この方法が、この一部分を形作られたステムの中に挿入することを含むことができる。この方法が、この材料を硬化または凝固することを含むことができる。
【0087】
この方法が、この材料の中に最終的に部分的に配置される内側要素を提供することをさらに含むことができる。
内側要素が、材料を硬化または凝固させる前に、この材料の中に配置され得る。
【0088】
内側要素が、この材料を硬化または凝固させた後に、この材料の中に配置され得る。内側要素がこの材料内の孔の中に挿入され得る。孔が、内側要素自体により、および/またはドリルなどの別のデバイスにより、作られ得る。
【0089】
収縮した送達構成および拡張した配備構成を有する、管腔内で血栓形成を促進するための塞栓デバイスが提供される。塞栓デバイスが、材料から形成されるステムを備えることができる。塞栓デバイスが、ステムから径方向外側に延在する複数の可撓性ブリストルを備えることができる。塞栓デバイスが、ステムから径方向外側に延在する流れ制限部を備えることができる。流れ制限部がこの材料から形成され得る。流れ制限部がステムのこの材料と一体に形成され得る。
【0090】
本開示を通して、当業者には理解されるであろうが、別の要素の「材料と一体に形成される」という記載される要素は、2つの要素の間にはっきりと識別できる接続部を存在させないように2つの要素が形成されるということを意味する。これらの2つの要素は同じ材料から形成されてよい。これらの2つの要素は全く同一とみなされてよい。
【0091】
この材料が硬化材料または凝固可能材料であってよい。この材料が、加熱時、溶剤フラッシング時、および/または照射時に硬化可能または凝固可能な硬化材料または凝固可能材料であってよい。
【0092】
この材料が成形可能材料であってよい。
この材料が流れ制限部およびステムを一体に形成するように成形され得る。
複数の可撓性ブリストルのうちの少なくとも1つの可撓性ブリストルの少なくとも一部分が、流れ制限部および/またはステムの材料の容積内に配置され得る。
【0093】
この少なくとも一部分が、この材料により可撓性ブリストルのこの一部分を囲んで固定するように、流れ制限部および/またはステムのこの材料の容積内に配置され得る。
複数の可撓性ブリストルのうちの少なくとも1つの可撓性ブリストルの全体が、流れ制限部および/またはステムの材料の容積内に配置され得る。
【0094】
流れ制限部が弾性であってよく、および/または予め湾曲していてよい。
流れ制限部が流れ制限膜であってよい。
流れ制限部が2つ以上の個別のセグメントを備えることができる。
【0095】
2つ以上の個別のセグメントが直接接続されない可能性がある。2つ以上の個別のセグメントの各々がステムに直接接続され得る。
ステムが、ステムのこの材料の外側表面の少なくとも一部分の上に配置されるカバー要素をさらに備えることができる。カバー要素がチューブであってよい。この材料がチューブ内に配置され得る。
【0096】
カバー要素がシートの形態であってよい。カバー要素が湾曲シートであってよい。
流れ制限部が、流れ制限部のこの材料の外側表面の少なくとも一部分の上に配置されるカバー要素をさらに備えることができる。
【0097】
カバー要素が2つの膜を備えることができる。この材料が2つの膜の間に配置され得る。2つの膜の各々がステムから径方向外側に延在することができる。
カバー要素が、加えてまたは別法として、実質的に長手方向に延在する流れ制限部のこの材料の表面を少なくとも部分的に覆うことができる。
【0098】
収縮した送達構成および拡張した配備構成を有する、管腔内で血栓形成を促進するための塞栓デバイスを製造する方法が提供される。この方法が、材料から形成されるステムを提供することを含むことができる。この方法が、ステムから径方向外側に延在する複数の可撓性ブリストルを提供することを含むことができる。この方法が、ステムから径方向外側に延在する流れ制限部を提供することを含むことができる。流れ制限部がこの材料から形成され得る。流れ制限部がステムのこの材料と一体に形成され得る。
【0099】
ステムおよび流れ制限部が金型内で成形され得る。
金型が単一の金型であってよい。金型が単一の連続するモールドキャビティを画定することができる。
【0100】
この方法が、可撓性ブリストルのうちの少なくとも1つの可撓性ブリストルが金型の壁を貫通するように、金型の内部に可撓性ブリストルのうちの少なくとも1つの可撓性ブリストルの一部分を配置することを含むことができる。
【0101】
金型の少なくとも一部分がチューブ壁を有するチューブであってよい。
塞栓デバイスがチューブを備えることができる。
チューブが、最終的な塞栓デバイスの一部分を形成するように、取り外されなくてよい。
【0102】
塞栓デバイスが、金型の少なくとも一部分を形成するチューブを備えることができる。
流れ制限部を画定するモールドキャビティの一部分が湾曲していてよい。
この方法がこの材料をステムおよび流れ制限部に形作ることを含むことができる。
【0103】
本開示を通して、「フィラー材料」に関連して開示される例示の材料が、本明細書に記載されるこの「材料」のための例示の材料でもあり、逆も同様である。
可撓性ブリストルがチューブ壁を貫通する本明細書で開示される実施形態のいくつかにおいて、チューブ壁が、可撓性ブリストルの断面ペリメータ全体を実質的に囲むことができる。
【0104】
本明細書で開示される実施形態のいくつかにおいて、フィラー材料は、医療グレードの、2パートエポキシ樹脂、ポリウレタン、ナイロン12、Pebax4033、液晶ポリマー、ポリエーテルエーテルケトン、ポリカーボネート、ネオプレン、アクリレート重合体、またはその任意の組み合わせを含むことができるかまたはこれらから構成され得る。
【0105】
本明細書で開示される実施形態のいくつかにおいて、熱収縮可能材料が、ポリオレフィン、Pebax、FEP、PTFE、PFA、ETFE、PET、ポリエーテルエーテルケトン、またはその任意の組み合わせを含むことができるかまたはこれらから構成され得る。
【0106】
図1が塞栓デバイス100を示す。塞栓デバイス100が、身体管腔内で血栓形成を促進するために身体管腔内に配備されるように構成される。
図1の塞栓デバイス100が非拘束構成で示される。
【0107】
塞栓デバイス100が、ステム110と、複数の可撓性ブリストル120a、120bと、流れ制限膜130とを備える。本明細書で説明される実施形態のいくつかにおいて、流れ制限膜130が任意選択である。
【0108】
ステム110が塞栓デバイス100の長手方向の長さに沿って延在する。塞栓デバイス100が非拘束構成にあるとき、ステム110が塞栓デバイス100の長手方向の全長に実質的に沿って延在することができる。
【0109】
ステム110が可撓性であってよく、例えばその全長に実質的に沿って可撓性であってよい。ステム110が、身体管腔内に配備されるときに塞栓デバイス100を身体管腔の形状に従わせるように、可撓性であってよい。ステム110が、その長さに沿って配置される、可撓性セクション、ヒンジ、および/またはコネクタ(図示せず)を有することができる。加えてまたは別法として、ステム110が予め湾曲している形状を有することができる。
【0110】
例えば近位側部分である、ステム110の一部分が、送達ワイヤなどの送達要素に取り外し可能に取り付け可能となるように構成される脱着機構(図示せず)を有することができる。例えば、脱着機構が雌ねじ穴であってよい。
【0111】
図1が、ステム110の長手方向の長さに沿って離間される、近位側のブリストルセグメント120aおよび遠位側のブリストルセグメント120bの形態であるブリストルの2つの離間されるセグメントとして複数の可撓性ブリストル120a、120bを示す。しかし、当業者には理解されるであろうが、例えば単一のセグメントを含めた任意の数のセグメントとして、複数の可撓性ブリストル120a、120bの多様な構成が可能である。さらに、複数の可撓性ブリストル120a、120bは等しいものである必要はなく、例えば、異なる長さ、材料、可撓性および厚さを有することができる。
【0112】
複数の可撓性ブリストル120a、120bの各々がステム110に固定され、ステム110から径方向外側に延在する。
複数の可撓性ブリストル120a、120bの各々がステム110の長手方向の長さに沿って離間され得る。特定の実施形態で、複数の可撓性ブリストル120a、120bの少なくとも一部が、ステム110に沿って同じ軸方向位置に配置され得る。
【0113】
流れ制限膜130がステム110に取り付けられ得る。流れ制限膜130がその中に孔を有することができ、ステム110がこの孔を通過する。しかし、本明細書では他の構成も企図される。
【0114】
流れ制限膜130がステム110から径方向外側に延在することができる。流れ制限膜130が任意の形状であってよく、例えば概略円形であってよい。流れ制限膜130が、可撓性であってよく、弾性であってよく、および/または予め湾曲していてよい。代替的実施形態で、流れ制限膜130が任意の種類の流れ制限部であってよい。
【0115】
流れ制限膜130が複数の可撓性ブリストル120a、120bの一部の間に配置され得る。特定の実施形態で、流れ制限膜130が、
図1に示されるように、近位側のブリストルセグメント120aと遠位側のブリストルセグメント120bとの間に配置され得る。
【0116】
図2が、送達カテーテルC内で収縮した送達構成である塞栓デバイス100を示す。
図2から見てとれるように、塞栓デバイス100の収縮した送達構成で、複数の可撓性ブリストル120a、120bが折り畳まれて収縮構成になっている。
【0117】
また、
図2から見てとれるように、塞栓デバイス100の収縮した送達構成において、流れ制限膜130が折り畳まれて収縮構成になっている。
図2では、近位側のブリストルセグメント120aおよび遠位側のブリストルセグメント120bの両方が近位側を向いている。しかし、当業者には明らかであろうが、この点に関して任意の構成が可能である。具体的には、近位側のブリストルセグメント120aおよび遠位側のブリストルセグメント120bが遠位側を向いていてもよい。近位側のブリストルセグメント120aが近位側を向いていてもよく、遠位側のブリストルセグメント120bが遠位側を向いていてもよい。近位側のブリストルセグメント120aが遠位側を向いていてもよく、遠位側のブリストルセグメント120bが近位側を向いていてもよい。
【0118】
図3が、身体管腔L内にある拡張した配備構成の塞栓デバイス100を示す。送達カテーテルCを取り外すことにより、塞栓デバイス100が、身体管腔Lの中に挿入された状態で、拡張した配備構成で身体管腔L内に配置され得、その結果、塞栓デバイス100が身体管腔L内で拡張することが可能となる。
【0119】
塞栓デバイス100の拡張した配備構成が、
図2に示される収縮した送達構成より大きい径方向範囲を有する。
図3に示される拡張した配備構成では、複数の可撓性ブリストル120a、120bおよび流れ制限膜130が身体管腔Lに接触し、それにより身体管腔L内で塞栓デバイス100を定着させる。複数の可撓性ブリストル120a、120bおよび流れ制限膜130によって提供される固定力が、身体管腔L内での塞栓デバイス100の移動に抵抗するのに十分な大きさであってよい。
【0120】
図3に示される拡張した配備構成では、塞栓デバイス100が身体管腔Lを閉塞させることができ、身体管腔内で血栓形成を促進することができる。
図1から3が単に例示の特定の形態の塞栓デバイスを示すが、本開示の態様は、これらの図を参照して説明される塞栓の形態に具体的に適用される必要はない。したがって、説明される塞栓デバイスの全体構造/全体構成に対して、多様な数/構成のブリストルセグメント、各ブリストルセグメント内にある多様な数のブリストル、各ブリストルセグメント内にある多様な種類のブリストルなどの、多様な修正形態が作られ得る。さらに、例えばブリストルセグメントのうちの一部のブリストルセグメントの間にまたはすべてのブリストルセグメントの間に、接続部/ヒンジがステムの長さに沿って存在してよい。
【0121】
これに関して、いずれもその全体が参照により本明細書に組み込まれている、WO2014/140325およびWO2016/041961に開示される塞栓デバイスを参照されたい。
【0122】
図4が、塞栓デバイスの、具体的にはステム210および可撓性ブリストル220の、実施形態の長さの一部分に沿う断面図を示している。
ステム210がチューブ壁211を有するチューブを備える。チューブが概略円筒形であってよい。チューブがチューブの長手方向軸に沿って管腔を画定することができる。
【0123】
複数の可撓性ブリストル220が、チューブから、具体的にはチューブ壁211から、径方向外側に延在する。複数の可撓性ブリストル220の各々がチューブ壁211を貫通する。
【0124】
図4に示されるように、複数の可撓性ブリストル220の各々が、各々の可撓性ブリストル220の一部分をチューブの管腔内に配置するように、チューブ壁211を貫通する。
【0125】
チューブ壁211がその中に複数の孔(図示せず)を有することができ、例えば、複数の可撓性ブリストル220のうちの単一の可撓性ブリストルまたはいくつかの可撓性ブリストルがこの孔を通過する。孔の各々が、これらの孔を通過する可撓性ブリストルと実質的に等しい直径を有することができる。
【0126】
チューブ壁211内の複数の孔が、可撓性ブリストル220を所定の手法で構成するように、構成され得る。例えば、複数の孔が、ステム210の円周周りで可撓性ブリストル220を実質的に均等に分布させるように、方向付けられ得る。加えてまたは別法として、複数の孔が、離間されるセグメント内に配置され得る。任意選択で、2つの離間されるセグメントの間の空間が流れ制限膜を受け入れることができる。
【0127】
ステム210が、チューブの管腔内に配置されるフィラー材料212をさらに備える。
図4に示されるように、フィラー材料212がチューブの管腔を実質的に塞ぐことができる。
【0128】
チューブの管腔内に配置されるフィラー材料212が、チューブの管腔内に配置される可撓性ブリストル220の一部分に係合され得る。フィラー材料212が、複数の可撓性ブリストル220をステム210に固定するように機能することができる。
【0129】
フィラー材料212が接着剤であってよい。このような実施形態では、フィラー材料212が、可撓性ブリストル220に接着または結合することにより、可撓性ブリストル210に係合され得る。
【0130】
フィラー材料が、加熱時、溶剤フラッシング時、および/または照射時に硬化可能または凝固可能な硬化材料または凝固可能材料であってよい。硬化または凝固時、材料が固くなって可撓性ブリストル220をステム210に固定することができる。
【0131】
フィラー材料212が、可撓性ブリストル220をステム210に機械的に定着させることにより可撓性ブリストル220に係合され得る。
複数の可撓性ブリストル220のうちの1つ(または、サブセット)がチューブ壁211内の各孔を通過するとき、可撓性ブリストル220が個別にまたは(小さい)サブセットとしてステムに取り付けられる。したがって、可撓性ブリストルのうちの1つの可撓性ブリストルの取り付けの完全性が損なわれる場合、他の可撓性ブリストルの取り付けの完全性が損なわれる可能性がない。例えば、複数の可撓性ブリストル220のうちの1つの可撓性ブリストルがステム210から外される場合、残りの可撓性ブリストルの取り付けが損なわれていない状態を維持することができる。これは、特定のブリストルのための取り付け力の大部分が周囲の/隣接するブリストルにより提供される場合には当てはまらない。
【0132】
塞栓デバイスのステム210および可撓性ブリストル220が、チューブのチューブ壁211の中に複数の孔を例えば機械加工によって作ることにより、製造され得る。複数の可撓性ブリストル220のうちの1つの可撓性ブリストルがチューブ壁211の中の複数の孔の各々を通して挿入され得、その結果、各々の可撓性ブリストル220の一部分がチューブの管腔の中まで延在し、各々の可撓性ブリストル220の自由部分がチューブ壁211から径方向外側に延在する。
【0133】
フィラー材料212がチューブの管腔内に配置され得る。フィラー材料212が、可撓性ブリストル220を挿入する前にまたは挿入した後に、チューブの管腔内に配置され得る。
【0134】
特定の実施形態で、フィラー材料212をチューブの管腔内に配置した後、フィラー材料212を硬化または凝固させて、その結果、フィラー材料212が固くなって複数の可撓性ブリストル220をステム210に固定するように、フィラー材料212が硬化材料または凝固可能材料であってよい。
【0135】
図5が、塞栓デバイスの、具体的にはステム210および可撓性ブリストル220の、実施形態の長さの一部分に沿う断面図を示している。
塞栓デバイスのステム310がチューブ壁311を有するチューブを備える。
【0136】
図5から見てとれるように、複数の可撓性ブリストル320の各々がチューブ壁311を貫通する。各々の複数の可撓性ブリストル220の自由部分321aが、チューブから、具体的にはチューブ壁311から、径方向外側に延在する。
【0137】
各々の複数の可撓性ブリストル320のクランプされる部分321bがチューブ壁311の2つの対向する側部の間でクランプされる。チューブ壁311の対向する側部がクランプされる部分321bの各々にクランプ力を提供し、その結果、可撓性ブリストル320がステム310に固定される。
【0138】
図5に示される実施形態では、ステム310のチューブが、チューブの全長に実質的に沿って延在する管腔313を有する。この実施形態では、管腔313が連続する管腔であり、ここでは、可撓性ブリストル320のクランプされる部分321bが管腔313内に配置される。チューブ壁311の対向する側部がクランプされる部分321bの間の領域で互いに接触する可能性がなく、その結果、連続する管腔が画定される。
【0139】
管腔313の一部分が、例えば管腔313の1セクションを完全に塞ぐクランプされる部分321bによって、管腔313の別の部分に流体連通されなくてよい。
特定の実施形態で、クランプされる部分321bのうちの一部のクランプされる部分321bの間のまたはすべてのクランプされる部分321bの間のチューブ壁311の部分が、チューブ壁311の対向する側部が互いに接触するように構成され得る(
図5には示されない)。
【0140】
任意選択で、各々のクランプされる部分321bの間のチューブのチューブ壁311の部分が、チューブ壁311の対向する側部が互いに接触するように構成され得、その結果、チューブが、チューブの長さに沿って配置される、別個の隔離される複数の管腔を備えることができる。チューブの管腔が、複数の可撓性ブリストル320のクランプされる部分321bによって実質的に塞がれ得る。
【0141】
チューブの管腔313が、
図4のフィラー材料212などの、本明細書で開示される任意のフィラー材料で塞がれ得る。
塞栓デバイスのステム310および可撓性ブリストル320が、チューブのチューブ壁311の中に複数の孔を例えば機械加工によって作ることにより、製造され得る。複数の可撓性ブリストル320のうちの1つのまたはいくつかの可撓性ブリストルがチューブ壁311の中の複数の孔の各々の中に挿入され得、その結果、各々の可撓性ブリストル320の部分321bがチューブの管腔313の中まで延在する。
【0142】
各々の可撓性ブリストル320の部分321bがチューブ壁311の2つの対向する側部の間でクランプされ得る。
この点に関して、チューブの少なくとも一部分は、径方向に縮める、例えば熱的に縮めるかまたは化学的に縮めることができ、その結果、各々の可撓性ブリストル320の部分321bがチューブ壁311の2つの対向する側部の間でクランプされる。
【0143】
加えてまたは別法として、チューブの少なくとも一部分が、例えばクリンピングにより、径方向に圧縮され得(例えば、機械的に圧縮され得)、その結果、各々の可撓性ブリストル320の部分321bがチューブ壁311の2つの対向する側部の間でクランプされる。
【0144】
図6が、塞栓デバイスの、具体的にはステム410および可撓性ブリストル420の、実施形態の長さの一部分に沿う断面図を示している。
塞栓デバイスのステム410がチューブ壁411を有するチューブを備える。
【0145】
図6から見てとれるように、複数の可撓性ブリストル420の各々がチューブ壁411を貫通する。各々の複数の可撓性ブリストル420の自由部分421aが、チューブから、具体的にはチューブ壁411から、径方向外側に延在する。
【0146】
各々の複数の可撓性ブリストル420のクランプされる部分421bがチューブの管腔内に配置される内側マンドレル414とチューブ壁411との間でクランプされる。
各々の可撓性ブリストル420のクランプされる部分421bが、内側マンドレル414とチューブ壁411との間に画定される環状部分415内に配置され得る。
【0147】
内側マンドレル414の外側表面およびチューブ壁411の内側表面がクランプされる部分421bの各々にクランプ力を提供し、その結果、可撓性ブリストル420がステム410に固定される。
【0148】
クランプされる部分421bのうちの一部のクランプされる部分421bの間のまたはすべてのクランプされる部分421bの間のチューブ壁411の部分が、内側マンドレル414の外側表面およびチューブ壁411の内側表面が互いに接触するように、構成され得る(
図6には示されない)。
【0149】
任意選択で、クランプされる部分421bのうちの一部のクランプされる部分421bの間のまたはすべてのクランプされる部分421bの間のチューブ壁411の部分が、内側マンドレル414の外側表面およびチューブ壁411の内側表面が互いに接触するように構成され得、その結果、ステム410によりチューブの長さに沿って配置される別個の隔離される複数の環状部分を画定する。ステム410の複数の環状部分がクランプされる部分421bによって実質的に塞がれ得る。
【0150】
ステム410の環状部分415または複数の環状部分が、
図4のフィラー材料212などの、本明細書で開示される任意のフィラー材料で塞がれ得る。
塞栓デバイスのステム410および可撓性ブリストル420が、チューブのチューブ壁411の中に複数の孔を例えば機械加工によって作ることにより、製造され得る。複数の可撓性ブリストル420のうちの1つの可撓性ブリストルがチューブ壁411の中の複数の孔の各々を通して挿入され得、その結果、各々の可撓性ブリストル420の部分421bがチューブの管腔の中まで延在する。
【0151】
内側マンドレル414がチューブの管腔の中に挿入され得、その結果、部分321bが内側マンドレル414とチューブ壁411との間でクランプされる。任意選択で、チューブのチューブ壁411は縮められるかまたは機械的に圧縮され得、ならびに/あるいは内側マンドレル414がチューブの管腔の中に挿入されると、径方向に拡張され得る。
【0152】
図7が、塞栓デバイスの、具体的にはステム510および可撓性ブリストル520の、実施形態の長さの一部分に沿う断面図を示している。
塞栓デバイスのステム510がチューブ壁511を有するチューブを備える。
【0153】
複数の可撓性ブリストル520の各々がチューブ壁511を貫通し、その結果、部分521bがチューブの管腔513内に配置される。各々の複数の可撓性ブリストル520の自由部分521aがチューブから、具体的にはチューブ壁511から、径方向外側に延在する。
【0154】
図7に示されるように、チューブの管腔513内に配置される部分521bが自由部分521aより厚い。部分521bが、可撓性ブリストルをチューブに固定するように構成され得る。具体的には、部分521bが、チューブ壁511内の孔の半径より大きい半径を有することができ、可撓性ブリストルがこの孔を通過する。
【0155】
加えてまたは別法として、チューブの管腔513内に配置される部分521bが粗い部分を備えることができる。粗い部分が自由部分521aの一部の部分またはすべての部分より粗くてよい。
【0156】
ステム510の管腔513が、
図4のフィラー材料212などの本明細書で開示される任意のフィラー材料で塞がれ得る。
加えてまたは別法として、部分521bの一部またはすべてが、
図5に関連して説明した手法と同様の手法で、チューブ壁511の2つの対向する側部の間でクランプされ得る。
【0157】
加えてまたは別法として、部分521bの一部またはすべてが、
図6に関連して説明した手法と同様の手法で、チューブの管腔513内に配置される内側マンドレル(図示せず)とチューブ壁511との間でクランプされ得る。
【0158】
塞栓デバイスのステム510および可撓性ブリストル520が、チューブのチューブ壁511の中に複数の孔を例えば機械加工によって作ることにより、製造され得る。複数の可撓性ブリストル520のうちの1つの可撓性ブリストルがチューブ壁511の中の複数の孔の各々を通して挿入され得、その結果、各々の可撓性ブリストル520の部分521bがチューブの管腔513の中まで延在する。
【0159】
例えば、ガイドがチューブの管腔513の中に挿入され得、その結果、自由部分521aが管腔513の内部から孔を通してチューブの外部まで案内され得る。
加えてまたは別法として、チューブが、管腔の内部からそれらのそれぞれの孔を通して可撓性ブリストル520を挿入するのを容易にするために、その長さの少なくとも一部分に沿って薄いスリットを有することができる。
【0160】
図4から7を参照して説明される実施形態では、可撓性ブリストルの端部がステムのチューブ内で終端する。しかし、
図4から7を参照して説明される実施形態の可撓性ブリストルのうちのいくつかの可撓性ブリストルまたはすべての可撓性ブリストルが、可撓性ブリストルの両端部をステムの外部に置くように、ステムを通って延在することができる。
図4から7に関連して説明した手段および方法がこれらの実施形態に同様に適用可能である。
【0161】
例えば、
図8が、塞栓デバイスの、具体的にはステム610および可撓性ブリストル620の、実施形態の長さの一部分に沿う断面図を示す。
前の実施形態のように、塞栓デバイスが、チューブ壁611を有するチューブを備える。複数の可撓性ブリストル620の各々が第1のロケーションおよび第2のロケーションでチューブ壁611を貫通する。可撓性ブリストル620の端部の両方がステムのチューブの外部に配置される。両端部がチューブ、具体的にはチューブ壁611から、径方向外側に延在する。
【0162】
図8に示される実施形態では、ステム610が、
図4に関連して説明した手法と同様の手法で、チューブの管腔内に配置されるフィラー材料612をさらに備える。しかし、上で述べたように、本明細書で説明される任意の手段または方法が可撓性ブリストル620をステムに固定するのに適する。
【0163】
上述の第1のロケーションおよび第2のロケーションが種々の手法で選択され得る。
この点に関して、塞栓デバイスの実施形態の、具体的にはステム710および可撓性ブリストル720の、長さに沿う横断面図を示す
図9を参照する。
【0164】
図9から見てとれるように、各々の可撓性ブリストル720がチューブ壁711内の第1のロケーションおよび第2のロケーションで孔713を通過する。単に例として上述の手法と同様の手法で、ステム710が、可撓性ブリストル720をステム710に固定するためにチューブの管腔内に配置されるフィラー材料712をさらに備える。
【0165】
孔713の第1および第2のロケーションがチューブの円周の実質的に対向する側にある。
図10が、塞栓デバイスの、具体的にはステム810および可撓性ブリストル820の、別の実施形態の長さに沿う横断面図を示す。
【0166】
可撓性ブリストル820の各々がチューブ壁811内の第1および第2のロケーションで孔813を通過する。単に例として上記の手法と同様の手法で、ステム810が、可撓性ブリストル820をステム810に固定するためにチューブの管腔内に配置されるフィラー材料812をさらに備える。
【0167】
図10から見てとれるように、孔813の第1および第2のロケーションがステムの円周の同じ4分の1のところにある。他の実施形態で、孔813の第1および第2のロケーションが、ステムの円周の同じ2分の1、3分の1、4分の1、5分の1、または6分の1のところにある。
【0168】
任意選択で、孔713の第1および第2のロケーションが実質的に軸方向において位置合わせされる。
可撓性ブリストル720、820が、チューブの管腔内に配置されるガイドを使用して、第1および第2のロケーションで孔を通して挿入され得る。
【0169】
加えてまたは別法として、チューブが、第1および第2のロケーションにおいてそれらのそれぞれの孔を通して可撓性ブリストル720、820を挿入するのを容易にするために、その長さの少なくとも一部分に沿って薄いスリットを有することができる。
【0170】
図11が、塞栓デバイスの、具体的にはステム910および可撓性ブリストル920の、実施形態の長さの一部分に沿う断面図を示す。
複数の可撓性ブリストル920がステム910から径方向外側に延在する。具体的には、各々の複数の可撓性ブリストル920の自由部分921aがステム910から径方向外側に延在する。
【0171】
ステム910が材料912から形成される。各々の可撓性ブリストル920の部分921bがステム910の材料912の容積内に配置される。材料912が部分921bを囲み、部分921bをステム910に固定する。
【0172】
図11に示されるように、材料912が各々の可撓性ブリストル920の端部分921bを実質的に完全に囲んで接触する。具体的には、材料912が、各々の可撓性ブリストル920の横方向に延在する縁部表面の全体に実質的に接触することができる。
【0173】
図11を参照すると、材料912の一定の容積が、材料912の連続する容積から形成されるステム910のかさ容積または均一の容積である。
ステム910の材料912が可撓性ブリストル920の部分921bに係合される。材料912が複数の可撓性ブリストル920をステム910に固定するように機能する。
【0174】
材料912が接着剤であってよい。このような実施形態では、材料912が、部分921bに接着または結合することにより、可撓性ブリストル920の部分921bに係合され得る。
【0175】
材料912が、加熱時、溶剤フラッシング時、および/または照射時に硬化可能または凝固可能な硬化材料または凝固可能材料であってよい。硬化または凝固時、材料が固くなって可撓性ブリストル920をステム910に固定することができる。
【0176】
材料912が、可撓性ブリストル920をステム910に機械的に定着させるために可撓性ブリストル920の部分921bに係合され得る。
複数の可撓性ブリストル920のうちの1つ(または、サブセット)がステム910の材料の中に入るとき、可撓性ブリストル920が個別にまたは(小さい)サブセットとしてステムに取り付けられる。したがって、可撓性ブリストルのうちの1つの可撓性ブリストルの取り付けの完全性が損なわれる場合、他の可撓性ブリストルの取り付けの完全性が損なわれる可能性がない。例えば、複数の可撓性ブリストル920のうちの1つの可撓性ブリストルがステム910から外される場合、残りの可撓性ブリストルの取り付けが損なわれていない状態を維持することができる。これは、特定のブリストルのための取り付け力の大部分が周囲の/隣接するブリストルにより提供される場合には当てはまらない。
【0177】
さらに、材料912が、例えば可撓性などの、ステム910の構造特性に影響を与えるように選択され得る。
塞栓デバイスのステム910および可撓性ブリストル920が、材料912から形成されるステム910を提供することにより、および各々の可撓性ブリストル920の部分921bを材料912の容積内に配置するように複数の可撓性ブリストル920を提供することにより、製造され得る。
【0178】
例えば、可撓性ブリストル920の部分921bが材料912の中に挿入され得る。その後、材料912を硬化または凝固させることができ、その結果、例えば材料912が固くなることおよび/または収縮することにより、材料912が部分921bを囲んで部分921bをステム910に固定する。
【0179】
特定の実施形態で、材料912を成形することにより、ステム910が形成され得る。例えば、可撓性ブリストル920の部分921bが、金型によって画定されるモールドキャビティの中に挿入され得る。成形されることになる材料がモールドキャビティの中に挿入され得る。材料912が可撓性ブリストル920を囲んで固定するように、材料を凝固させることが可能となり得る。次いで、金型が取り外され得、それによりステム910およびステム910に固定された可撓性ブリストル920を残す。
【0180】
特定の実施形態で、金型が必要ない。例えば、材料912がステム910に形作られ得る。その後、複数の可撓性ブリストル920が形作られた材料912の中に挿入され得、その結果、部分921bが材料912の容積内に配置される。その後、材料912を、任意選択で、硬化または凝固させることができ、その結果、例えば材料912が固くなることによりおよび/または収縮することにより、材料912が部分921bを囲んで部分921bをステム910に固定する。
【0181】
図12が、塞栓デバイスの、具体的にはステム1010および可撓性ブリストル1020の、実施形態の長さの一部分に沿う断面図を示す。
図12に示される実施形態は、塞栓デバイスが材料1012から形成されるステム1010を有するという点で、
図11の実施形態と同様であり、ここでは、各々の可撓性ブリストル1020の部分1021bが材料1012の容積内に配置され、自由部分1021aが径方向外側に延在する。
【0182】
しかし、
図12に示される実施形態では、部分1012bが自由部分1021aより厚い。例えば、部分1021bが球形の固定セクションを有することができる。厚い領域に加えてまたはその別法として、部分1021bが粗い領域(図示せず)を備えることができる。粗い領域が、自由部分1021aの一部の部分またはすべての部分より粗くてよい。
【0183】
可撓性ブリストル1020のこの形態が、概して、本明細書で説明されるすべての実施形態に適用可能である。
図13が、塞栓デバイスの、具体的にはステム1110および可撓性ブリストル1120の、実施形態の長さの一部分に沿う断面図を示す。
【0184】
図13に示される実施形態は、塞栓デバイスが材料1112から形成されるステム1110を有するという点で、
図11の実施形態と同様であり、ここでは、各々の可撓性ブリストル1120の部分が材料1112の容積内に配置され、自由部分が径方向外側に延在する。
【0185】
しかし、
図13に示される実施形態では、ステム1110が構造部材1113をさらに備える。構造部材1113が、少なくとも部分的にまたは完全にステム1110の材料1112内に配置され得る。
【0186】
構造部材1113がステム1110の長さに沿って長手方向に延在することができる。構造部材1113が細長くてよいかまたは棒形状であってよい。
材料1112を硬化または凝固させてステムの材料1112内で構造部材1113を固定する前に、構造部材1113が材料1112内に配置され得る。別法として、例えば、構造部材1113自体を使用しておよび/またはドリルなどの別のデバイスを使用して材料1112の中に孔を開けることにより、材料1112を硬化または凝固させた後に、構造部材1113が材料1112の中に挿入されることにより材料1112内に配置され得る。
【0187】
図14が、塞栓デバイスの、具体的には、ステム1210、可撓性ブリストル1220、および流れ制限膜1230の、実施形態の長さの一部分に沿う断面図を示す。
図14に示される実施形態は、塞栓デバイスが材料1212から形成されるステム1210を有するという点で、
図11の実施形態と同様であり、ここでは、各々の可撓性ブリストル1220の一部分が材料1212の容積内に配置され、自由部分が径方向外側に延在する。
【0188】
しかし、
図14から見てとれるように、塞栓デバイスが流れ制限膜1230をさらに備える。流れ制限膜がステム1210から径方向外側に延在することができる。
流れ制限膜1230がステム1210と同じ材料1212から形成される。流れ制限膜1230がステムの材料1212と一体に形成される。
【0189】
ステム1210および流れ制限膜1230が一体に形成されることから、別個の膜をコアに取り付けることに関連する上述の問題が回避され得る。
ステム1210、可撓性ブリストル1220、および流れ制限膜1230が、材料1212から一体に形成されるステム1210および流れ制限膜1230を提供することにより、ならびに各々の可撓性ブリストル1220の部分1221bを材料1212の容積内に配置するように複数の可撓性ブリストル1220を提供することにより、製造され得る。
【0190】
例えば、材料1212を成形することにより、ステム1210および流れ制限膜1230が形成され得る。この点に関して、単一の金型内に画定される連続するモールドキャビティが、ステム1210およびステム1210に接続される流れ制限膜1230を画定する形状を有することができる。可撓性ブリストル1220の部分1221bが、金型内に画定される孔を通して挿入されることにより、モールドキャビティの中に挿入され得る。成形可能材料がモールドキャビティ内に配置され得、材料1212をステム1210およびステム1210に接続される流れ制限膜1230の形態にするように、凝固することが可能であってよい。また、材料1212は凝固して可撓性ブリストル1220を囲んで固定する。次いで、金型が取り外され得、それによりステム1210、ステム1210に固定された可撓性ブリストル1220、および流れ制限膜1230を残す。
【0191】
特定の実施形態で、金型が必要ない。例えば、材料1212がステム1210および流れ制限膜1230に形作られ得る。その後、上述したように、複数の可撓性ブリストル1220が形作られた材料1212の中に挿入され得る。その後、材料1212を、任意選択で、硬化または凝固させることができる。
【0192】
図15が、塞栓デバイスの、具体的には、ステム1310、可撓性ブリストル1320、および流れ制限膜1330の、実施形態の長さの一部分に沿う断面図を示す。
図15に示される実施形態は、塞栓デバイスが材料1312から一体に形成されるステム1310および流れ制限膜1330を有するという点で、
図14の実施形態と同様であり、ここでは、各々の可撓性ブリストル1320の一部分が材料1312の容積内に配置され、自由部分が径方向外側に延在する。
【0193】
しかし、
図15から見てとれるように、ステム1310が、
図4に関連して説明したチューブ壁211を備えるチューブと同様の手法で、チューブ壁1311a、1311bを各々が有する2つのチューブをさらに備える。
図15から見てとれるように、複数の可撓性ブリストル1320がチューブから、具体的にはチューブ壁1311a、1311bから径方向外側に延在する。複数の可撓性ブリストル1320の各々が、本明細書で説明されるように、それぞれのチューブ壁1311a、1311bを貫通する。
【0194】
チューブが流れ制限膜1330のいずれの側にも配置され得る。
ステム1310、可撓性ブリストル1320、および流れ制限膜1330が、
図14に関連して説明した手法と同様の手法で製造され得る。
【0195】
しかし、チューブ壁1311a、1311bを有する2つのチューブが材料1312の上に配置される。この点に関して、チューブが、成形後に取り外されない材料1312を成形するのに使用される金型の一部を形成することができる。
【0196】
他の実施形態で、材料1312が任意の手段によりステム1310の形態に形作られると、チューブがステム1310の材料1312の上に配置され得る。
図16が、塞栓デバイスの、具体的には、ステム1410、可撓性ブリストル1420、および流れ制限膜1430の、実施形態の長さの一部分に沿う断面図を示す。
【0197】
図16に示される実施形態は、塞栓デバイスが材料1412で一体に形成されるステム1410および流れ制限膜1430を有するという点で、
図14の実施形態と同様であり、ここでは、各々の可撓性ブリストル1420の一部分が材料1412の容積内に配置され、自由部分が径方向外側に延在する。
【0198】
しかし、
図16から見てとれるように、複数の可撓性ブリストル1420のうちの少なくとも1つの可撓性ブリストルの部分1412bが流れ制限膜1430の材料1412の容積内に配置される。流れ制限膜1430の材料1412が部分1421bを囲んで固定することができる。
【0199】
複数の可撓性ブリストル1420のうちの少なくとも1つの可撓性ブリストルの自由部分1421aが、流れ制限膜1430から径方向外側に自由に延在する。
特定の実施形態で、複数の可撓性ブリストル1420のうちの少なくとも1つの可撓性ブリストルの全体が、流れ制限膜1430の材料1412の容積内に配置される。このような実施形態では、流れ制限膜1430から径方向外側に延在する自由部分が存在しない。
【0200】
ブリストルが流れ制限膜1430に特定の構造特性(剛性/可撓性など)を提供することができ、ステム1410を基準として流れ制限膜1430の完全性を改善することができる。
【0201】
ステム1410、可撓性ブリストル1420、および流れ制限膜1430が、
図14に関連して説明した手法と同様の手法で製造され得る。
しかし、可撓性ブリストル1420のうちの少なくとも1つの可撓性ブリストルが流れ制限膜1430の材料1412の容積内で受けられる。この点に関して、可撓性ブリストル1420のうちの少なくとも1つの可撓性ブリストルが金型内に形成される孔を通して金型の中に挿入され得、その結果、流れ制限膜1430を画定するキャビティの一部分を貫通する。他の実施形態で、可撓性ブリストル1420のうちの少なくとも1つの可撓性ブリストルが、形成後に、流れ制限膜の材料の中に挿入され得る。
【0202】
図11から16を参照して説明される実施形態では、可撓性ブリストルの端部がステムおよび/または流れ制限膜内で終端する。
この点に関して、塞栓デバイスの、具体的には、ステム1510、複数の可撓性ブリストル1520、および流れ制限膜1530の、実施形態の長さに沿う横断面図を示す
図17を参照されたい。この図から見てとれるように、可撓性ブリストル1520の各々が、ステム1510内に配置される端部セクションを有する。特定の実施形態で、可撓性ブリストル1520の端部セクションのうちのいくつかの端部セクションが流れ制限膜1530内で終端することができる。
【0203】
しかし、他の実施形態では、
図11から16に示される実施形態の可撓性ブリストルのうちの一部またはすべての可撓性ブリストルがステムおよび/または流れ制限膜を通って延在することができ、その結果、可撓性ブリストルの両端部がステムおよび/または流れ制限膜の外部にある。
図11から16に関連して説明した手段および方法がこれらの実施形態に同様に適用可能である。
【0204】
この点に関して、塞栓デバイスの、具体的には、ステム1610、複数の可撓性ブリストル1620、および流れ制限膜1630の、実施形態の長さに沿う横断面図を示す
図18を参照されたい。この図から見てとれるように、可撓性ブリストル1520の各々がステム1610および/または流れ制限膜1630を通過する。
【0205】
可撓性ブリストル1620の端部の両方がステム1610および/または流れ制限膜1630の外側に配置される。両端部がステム1610および/または流れ制限膜1630から径方向外側に延在する。
【0206】
図18に示されるように、可撓性ブリストル1520の各々が第1のロケーションおよび第2のロケーションでステム1610および/または流れ制限膜1630の表面を貫通する。第1および第2のロケーションが、ステム1610および/または流れ制限膜1630の円周の実質的に対向する側にあってよい。
【0207】
図10に関連して説明した手法と同様の手法で、第1および第2のロケーションの種々の構成が企図される。例えば、第1および第2のロケーションが、ステム1610および/または流れ制限膜1630の円周の同じ4分の1のところにあってよい。第1および第2のロケーションが、ステム1610および/または流れ制限膜1630の円周の同じ2分の1、3分の1、4分の1、5分の1、または6分の1のところにあってよい。
【0208】
任意選択で、第1および第2のロケーションが実質的に軸方向において位置合わせされる。
図17および18が流れ制限膜を備える塞栓デバイスを示すが、可撓性ブリストルの構成は、流れ制限膜を備えない実施形態にも同様に適用可能である。
【0209】
上記の説明は、如何にして当業者により本開示が簡単に実施され得るかを完全に明らかにするものと考えられるが、上記の説明は単に例示であるとみなされる。具体的には、当業者には認識され得るような、可能である多数の変形形態が存在する。
【0210】
例えば、
図4から10に関連して説明した実施形態は複数の可撓性ブリストルをステムに固定することの具体的な例を示しているが、これらの例は好適な実施形態である。したがって、複数の可撓性ブリストルのうちの少なくとも1つの可撓性ブリストルがチューブのチューブ壁を貫通する限りにおいて、複数の可撓性のものをステム、具体的にはチューブに固定するための任意の手段が考えられる。
【0211】
さらに、この同じ手段を使用して複数の可撓性ブリストルのすべてがステムに固定された上記の実施形態が説明されているが、複数の可撓性ブリストルのうちのすべてが同じ手段によりステムに固定される必要があるわけではないことが当業者には明らかとなろう。上述の手段および方法の任意の組み合わせが、複数の可撓性ブリストルをステムに取り付けるのに使用され得る。
【0212】
さらに、
図15に関連して説明した実施形態が2つのチューブ壁1311a、1311bを備えるが、単一のチューブを含めて、任意の数のチューブが使用され得る。さらに、チューブは、ステムの材料の任意の外側表面の少なくとも一部分の上に配置される任意の種類のカバー要素であってよい。
【0213】
上記の実施形態は流れ制限膜を参照するが、他の形態の流れ制限部も本開示に従って企図される。具体的には、流れ制限部が身体管腔L内で流れを制限するように機能する限りにおいて、任意の形状の流れ制限部が企図される。
【0214】
図14から18に関連して説明した実施形態では、各々の可撓性ブリストルの少なくとも一部分が、ステムおよび/または流れ制限部の材料内に配置される。しかし、これは任意選択である。具体的には、例えば従来の手段および方法などの、任意の手段および方法が、可撓性ブリストルをステムに固定するのに使用され得、可撓性ブリストルが固定されたステムの部分が、いずれもその全体が参照により本明細書に組み込まれている、WO2014/140325およびWO2016/041961で説明されるように、例えば撚線方法(twisted wire method)を使用して、従来の手段および方法によって形成され得る。
【0215】
上記のすべてが完全に本開示の範囲内にあり、上述の特徴のうちの1つまたは複数の組み合わせが適用される代替的実施形態のための基礎を形成するとみなされ、ここでは、上で開示される具体的な組み合わせのみに限定されない。
【0216】
これに照らして、本開示の教示を実施する多くの代替形態が存在するであろう。開示されるかまたは上記から導き出される本開示の一部のまたはすべての技術的効果を維持しながら、当技術分野における当業者の広く知られる一般的な知識に照らして、本開示の範囲内で、当業者がその特有の環境および要求を満たすために上記の開示を修正したり適合させたりすることができることが見込まれる。このようなすべての均等物、修正形態、または適合が本開示の範囲内にある。
【手続補正書】
【提出日】2021-10-25
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
収縮した送達構成および拡張した配備構成を有する、身体管腔内で血栓形成を促進するための塞栓デバイスであって、
チューブ壁を有するチューブを備えるステムと、
前記チューブから径方向外側に延在する複数の可撓性ブリストルであって、前記複数の可撓性ブリストルのうちの少なくとも1つの可撓性ブリストルが前記チューブ壁を貫通する、複数の可撓性ブリストルと
を備え
、
前記チューブが収縮可能材料から形成され、任意選択で熱収縮可能材料または化学収縮可能材料から形成される、塞栓デバイス。
【請求項2】
請求項1に記載の塞栓デバイスであって、
前記複数の可撓性ブリストルのうちの前記少なくとも1つの可撓性ブリストルの一部分が、前記チューブ壁の2つの対向する側部の間でクランプされる、塞栓デバイス。
【請求項3】
請求項
1または2に記載の塞栓デバイスであって、
前記複数の可撓性ブリストルのうちの前記少なくとも1つの可撓性ブリストルの一部分が前記チューブ壁の2つの対向する側部の間でクランプされるように、前記チューブが縮められる、塞栓デバイス。
【請求項4】
請求項
3に記載の塞栓デバイスであって、
前記チューブが前記チューブの径方向に縮められる、塞栓デバイス。
【請求項5】
請求項1から
4のいずれか一項に記載の塞栓デバイスであって、
前記複数の可撓性ブリストルのうちの前記少なくとも1つの可撓性ブリストルの一部分が前記チューブ壁の2つの対向する側部の間でクランプされるように、前記チューブが径方向に機械的に圧縮され、任意選択で、前記チューブがクリンピングによって機械的に圧縮される、塞栓デバイス。
【請求項6】
収縮した送達構成および拡張した配備構成を有する、管腔内で血栓形成を促進するための塞栓デバイスを製造する方法であって、
チューブ壁を有するチューブを備えるステムを提供するステップと、
複数の可撓性ブリストルが前記チューブから径方向外側に延在するように前記複数の可撓性ブリストルを提供するステップと
を含み、
前記複数の可撓性ブリストルのうちの少なくとも1つの可撓性ブリストルが前記チューブ壁を貫通
し、
前記方法が、前記複数の可撓性ブリストルのうちの前記少なくとも1つの可撓性ブリストルの一部分が前記チューブ壁の2つの対向する側部の間でクランプされるように、前記チューブを縮めるかまたは機械的に圧縮するステップをさらに含む、
方法。
【請求項7】
請求項
6に記載の方法であって、
前記チューブ壁の2つの対向する側部の間で前記複数の可撓性ブリストルのうちの前記少なくとも1つの可撓性ブリストルをクランプするステップを含む、方法。
【請求項8】
請求項
6または7に記載の方法であって、
前記チューブが前記チューブの径方向に縮められるかまたは圧縮される、方法。
【請求項9】
請求項6から8のいずれか一項に記載の方法であって、
前記複数の可撓性ブリストルのうちの前記少なくとも1つの可撓性ブリストルの一部分が前記チューブ壁の2つの対向する側部の間でクランプされるように、前記チューブが径方向に機械的に圧縮され、任意選択で、前記チューブがクリンピングによって機械的に圧縮される、方法。
【国際調査報告】