(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-04-01
(54)【発明の名称】吸引器、吸引器および方法のための装置
(51)【国際特許分類】
G01N 1/14 20060101AFI20220325BHJP
G01N 1/10 20060101ALI20220325BHJP
【FI】
G01N1/14 A
G01N1/10 A
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021531880
(86)(22)【出願日】2018-12-04
(85)【翻訳文提出日】2021-07-28
(86)【国際出願番号】 EP2018083514
(87)【国際公開番号】W WO2020114581
(87)【国際公開日】2020-06-11
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】521241959
【氏名又は名称】エクシトゥス アクスイェ セルスカプ
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100092624
【氏名又は名称】鶴田 準一
(74)【代理人】
【識別番号】100114018
【氏名又は名称】南山 知広
(74)【代理人】
【識別番号】100153729
【氏名又は名称】森本 有一
(74)【代理人】
【識別番号】100211177
【氏名又は名称】赤木 啓二
(72)【発明者】
【氏名】オービンド チョルセン
(72)【発明者】
【氏名】ペル レイダル オールケ
【テーマコード(参考)】
2G052
【Fターム(参考)】
2G052AA06
2G052AA09
2G052AA29
2G052AD06
2G052AD26
2G052AD46
2G052BA14
2G052BA22
2G052CA02
2G052CA03
2G052CA04
2G052CA12
2G052CA39
2G052EA03
2G052ED03
2G052ED17
2G052JA04
2G052JA07
2G052JA08
2G052JA11
(57)【要約】
吸引器(10)用の装置(38)であって、該装置(38)は、吸引された空気、液体(78)および粒子のための吸引入口(12)と、空気のための排気出口(18)、空気から分離された液体(78)および粒子を収集するためのリザーバ(20)と、吸引入口(12)と排気出口(18)との間の流動的な除去装置(56)とを含む。除去装置(56)は、吸引入口(12)を通じて吸引された液体(78)から実質的に除去され、空間内の装置(38)の任意の方向での、排気出口(18)への空気の経路(64)を提供するように構成される。装置(38)を含む吸引器(10)、および吸引器(10)用の装置(38)を変更する方法も提供される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
吸引器(10)のための装置(38)であって、
吸引空気、液体(78)および粒子のための吸引入口(12)と、
空気のための排気出口(18)と、
空気から分離された液体(78)および粒子を収集するためのリザーバ(20)と、
前記吸引入口(12)と前記排気出口(18)の間の流動的な除去装置(56)であって、該除去装置(56)は、前記吸引入口(12)を通じて吸引された液体(78)が実質的に除去され、空間内の装置(38)の任意の方向での、前記排気出口(18)への空気の経路(64)を提供するように構成される除去装置(56)と、
を備える装置(38)。
【請求項2】
前記吸引入口(12)と前記排気出口(18)の間の流動的なフィルタ(30)をさらに備え、前記除去装置(56)は、前記吸引入口(12)と前記フィルタ(30)の間で流動的であり、かつ、前記除去装置(56)は、前記吸引入口(12)を通じて吸引された液体(78)が実質的に除去され、空間内の装置(38)の任意の方向での、前記フィルタ(30)への空気の経路(64)を提供するように構成される、請求項1に記載の装置(38)。
【請求項3】
前記除去装置(56)が可動性であり、かつ/または形状が変化するように構成される、請求項1または2に記載の装置(38)。
【請求項4】
前記除去装置(56)が、液体(78)を誘引することによって液体(78)を空気から分離するように構成される、請求項1~3のいずれか一項に記載の装置(38)。
【請求項5】
前記除去装置(56)が、吸収によって液体(78)を空気から分離するように構成される、請求項1~4のいずれか一項に記載の装置(38)。
【請求項6】
前記除去装置(56)が、超吸収性ポリマー(72)などの吸収性材料を含む、請求項5に記載の装置(38)。
【請求項7】
前記除去装置(56)が、毛細管吸収によって液体(78)を空気から分離するように構成される、請求項1~6のいずれか一項に記載の装置(38)。
【請求項8】
前記除去装置(56)が接着剤(66)を含む、請求項1~7のいずれか一項に記載の装置(38)。
【請求項9】
前記除去装置(56)が、サイクロン分離器(88)を含む、請求項1~8のいずれか一項記載の装置(38)。
【請求項10】
前記除去装置(56)が少なくとも1つの自由体(68)を含む、請求項1~9のいずれか一項に記載の装置(38)。
【請求項11】
前記除去装置(56)が前記リザーバ(20)内に配置されている、請求項1~10のいずれか一項に記載の装置(38)。
【請求項12】
前記除去装置(56)は、前記リザーバ(20)内の収集された液体(78)上を浮遊するように構成された浮遊要素(80)と、管入口(84)および管出口(86)を有する管(82)とを備え、前記管入口(84)は前記浮遊要素(80)に接続され、前記管出口(86)は前記経路(64)に沿って下流側に配置される、請求項11に記載の装置(38)。
【請求項13】
二次除去装置(118)とスイッチ機構(116)をさらに備え、
前記スイッチ機構(116)は、前記二次除去装置(118)を、前記二次除去装置(118)が前記吸引入口(12)から流動的に切り離される不活性状態から、前記二次除去装置(118)が前記吸引入口(12)と前記排気出口(18)の間に流動的に配置される活性状態にスイッチするように構成されており、前記二次除去装置(118)は、前記吸引入口(12)を通じて吸引された液体(78)が実質的に除去され、空間内の前記装置(38)の任意の方向での、前記排気出口(18)への空気の経路(64)を提供するように構成される、請求項1~12のいずれか一項に記載の装置(38)。
【請求項14】
請求項1~13のいずれか一項に記載の装置(38)を含む吸引器(10)。
【請求項15】
前記装置(38)が真空ポンプ(16)を含み、前記吸引器(10)は、前記真空ポンプ(16)を駆動するためのモータ(40)を有する主要部(36)を含む、請求項14に記載の吸引器(10)。
【請求項16】
前記吸引器(10)がハンドヘルドである、請求項14または15に記載の吸引器(10)。
【請求項17】
吸引器(10)のための装置(38)を変更する方法であって、
吸引器(10)に使用されるように構成された装置(38)を提供することであって、前記装置(38)は、吸引空気、液体(78)および粒子のための吸引入口(12)と、空気のための排気出口(18)と、空気から分離された液体(78)および粒子を収集するためのリザーバ(20)とを備える、装置(38)を提供することと、
前記装置(38)に、吸引入口(12)と排気出口(18)との間に流体的に、除去装置(56)を付加することであって、前記除去装置(56)は、前記吸引入口(12)を通じて吸引された液体(78)が実質的に除去され、空間内の前記装置(38)の任意の方向での、前記排気出口(18)への空気の経路(64)を提供するように構成される、除去装置(56)を付加することと、
を含む、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、一般的に、吸引器に関するものである。特に、除去装置を含む装置を含む吸引器用の装置、装置を含む吸引器、および吸引器用の装置を変更する方法が提供される。
【背景技術】
【0002】
医療用吸引器は、医療用吸引ユニットとも呼ばれ、例えば、医療処置または緊急事態の間に体液を除去するための装置である。例えば、患者または傷病者は、上気道、肺または他の場所から体液および分泌物を除去するために真空吸引にさらされる必要があるかもしれない。医療用吸引器は、ほとんどの救急車の標準的な器材の一部である。
【0003】
吸引器は、閉じ込められた空間から液体および/または破片を除去するなど、医療以外の用途にも適用可能である。一例は、加熱および冷却システムのような換気システムにおける吸引器の使用である。
【0004】
多くの吸引器は、機能するために水平面上に配置される必要がある受取った流体および分泌物を集めるためのキャニスタを含む。吸引器はまた、典型的には、キャニスタの上部に排気エアフィルタ、真空ポンプおよびバルブ配置を備える。このフィルタは、吸引ポンプやバルブの配置に粒子や液滴が入らないようにするために使用されることがある。これにより、フィルタは、真空ポンプおよびバルブ配置の機能性を改善し、洗浄要件を低減することができる。また、フィルタは汚染された粒子や液滴が周囲環境に排出されるのを防ぐ。
【0005】
キャニスタが水平になると、吸引された液体がキャニスタの下面に集まり、フィルタが詰まる危険性が減少する。しかし、キャニスタが水平方向でなければ、フィルタが急速に詰まり、吸引操作が悪化または停止する可能性がある。
【0006】
したがって、上記タイプの吸引器は、救急救命士のように、利用者にとって最も実用的かつ効率的な方法では使用できない。吸引器が患者に使用するためのキャニスタと吸引入口の間のホースを含む場合、キャニスタ上の動作制御部(ボタン、ノブ、スライダーなど)が吸引入口から分離されている。この場合、両手操作が必要となるので、好ましくない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本開示の目的の1つは、吸引器のための装置を提供することであり、これにより、吸引器のより実用的で、より効率的かつ/またはより簡便な使用を可能にする。
【0008】
なお、本開示のさらなる目的は、吸引器のための装置を提供することであり、これは、吸引器のより確実な操作を可能にする装置である。
【0009】
なお、本開示のさらなる目的は、吸引器のための装置を提供することであり、この装置は、吸引器のより長い寿命および/またはメインテナンスの必要性の減少を提供する。
【0010】
なお、本開示のさらなる目的は、簡便かつ/または安価な設計を有する吸引器のための装置を提供することである。
【0011】
本開示のさらなる目的は、吸引器のための装置を提供することであり、この装置は、いくつかまたは全ての前記目的を組み合わせて解決する。
【0012】
なお、本開示のさらなる目的は、吸引器が1個、いくつかまたは全ての前記目的を解決する装置を含む吸引器を提供することである。
【0013】
なお、本開示のさらなる目的は、1つの、いくつかまたは全ての前記目的を解決する方法である吸引器のための装置を変更する方法を提供することである。
【0014】
一態様によれば、吸引器のための装置であって、該装置は、吸引された空気、液体および粒子の吸引入口と、空気のための排気出口と、空気から分離された液体および粒子を収集するためのリザーバと、吸引入口と排気出口の間の流動的な除去装置であって、該除去装置は、吸引入口を通じて吸引された液体が実質的に除去され、空間内の装置の任意の方向での、排気出口への空気の経路を提供するように構成される除去装置と、を備える、吸引器のための装置が提供される。
【0015】
除去装置は、例えば、装置の第1の配向の両方、および装置の第2の配向の両方に空気の経路を提供するように構成されてもよく、第2の配向の装置は、水平軸を中心として、30度から80度などの少なくとも30度の第1の配向から傾斜している。この場合、第1の向きは、水平の向きであってもよい。吸引入口、例えばリザーバへの排出口の中心軸が水平の場合、装置は水平であると言える。除去装置は、重力とは、実質的に独立して、または独立して、空気の経路を提供するように構成され得る。
【0016】
吸引器によって吸引される液体は、例えば、血液、分泌物、胃、嘔吐物および/または尿などの様々な種類の体液を含み得る。吸引された液体のさらなる例は、アルコール、酸、石けん、毒物などであり得る。
【0017】
吸引器によって吸引される粒子には、例えば、砂、砂利、破片および/または骨片が含まれ得る。
【0018】
本開示に従った除去装置はフィルタではない。いくつかの変形例によれば、除去装置は、例えば、吸引入口から、リザーバを通って、排気出口への既に存在する経路内の液体の存在を減少させるように構成される。いくつかの変形例によれば、除去装置は、既に存在する排気出口への経路を変化させるように構成される。
【0019】
装置は、吸引入口と排気出口との間に流体的にフィルタをさらに備えることができる。この場合、除去装置は、吸引入口とフィルタとの間で流動的であってよく、除去装置は、吸引入口を通じて吸引された液体が、実質的に除去または除去され、空間内の装置の任意の方向で、フィルタへの空気の経路を提供するように構成されてもよい。フィルタは、真空ポンプの上流に設けられてもよい。
【0020】
装置はさらにフィルタチャンバを含み、フィルタはフィルタチャンバ内に収容してもよい。装置はさらに、リザーバとフィルタチャンバとの間の空気連絡を提供するための1つ以上の通過、例えばフィルタチャンバの壁の1つ以上の開口部を備えることができる。フィルタは、例えば、HEPA(高効率微粒子停止)フィルタであり得る。代替的に、または付加的に、フィルタは疎水性のであってもよい。使用するフィルタの種類は、特定の実装に依存することがある。例えば、フィルタが曝露されるであろう体液に依存して選択されることがある。
【0021】
フィルタは、装置から取り出すことができる。フィルタが詰まっていたり、収集液量が装置の収集可能量を超えている緊急事態では、フィルタを外し、フィルタなしで吸引操作を継続できる場合がある。このような状況では、流体および液滴がポンプおよびバルブ配置を通過し、最終的に装置から排出され、その結果、汚染が広がるリスクに加えて、機能および性能劣化のリスクが増大する。しかし、特に軍事用途では、命を救う最後のチャンスが1つ増えることになる。
【0022】
装置はさらに、吸引された液体をより小さな液滴に分配するように構成された分配構造を備えることができる。分配構造は、例えばリザーバ内への吸引入口の排出開口部の中心軸に対して、例えば、実質的に垂直、または垂直な壁によって構成されてもよい。分配構造の壁は、フィルタチャンバの壁、または装置内の別の壁であってもよい。
【0023】
除去装置は、可動性であり、かつ/または形状が変化するように構成されていてもよい。除去装置は、例えば、リザーバ内のように装置内で可動性であってもよい。
【0024】
除去装置は、液体を吸引することによって液体と空気を分離するように構成されてもよい。このように、除去装置は、空気のための経路を提供するために、液体を動かすように構成されてもよい。静電気、吸収および/または吸着によって、液体を誘引するためのいくつかの方法が存在する。
【0025】
除去装置は、液体と空気を吸収によって分離するように構成されてもよい。この目的のために、除去装置は、水および/または他の液体と結合するように構成された1つ以上の物質を含み得る。
【0026】
除去装置は、吸収性材料を含み得る。適切な吸収性材料の一例は、超吸収性ポリマー、例えば、超吸収性ポリマーのクラスに含まれる化合物である。本明細書で使用される場合、「超吸収性ポリマー」は、水と接触してハイドロゲルを形成し、したがって、少なくとも200重量%、例えば300重量%までの水を吸収し、保持する材料である。このクラスの化合物は、水素結合によって水分子を結合することができるポリマーを実質的に含み得る。超吸収性ポリマー、または代替吸収性材料は、粉末形態または粒子として提供され得る。1つの変形例によると、除去装置は、例えば1~3秒間に0.2~0.3リットル水などの、0.1~0.5リットル水を吸収し保持するように構成された超吸収性ポリマーを含む。吸収性材料の代替例はシリカゲルである。
【0027】
除去装置は、超吸収性ポリマーなどの吸収性材料を含有する少なくとも1つの担体を含むことができる。1つの例によると、1つまたは複数の担体は、透過性バッグによって構成される。少なくとも1つの担体は、装置に関して、例えばリザーバの内面に固定されてもよく、または装置に関して、例えばリザーバ内で移動可能であってもよい。
【0028】
代わりに、又は加えて、除去装置は、例えばリザーバ内の仕切り容積を画定する仕切り壁を含むことができる。この場合、超吸収性ポリマーのような吸収性材料が、仕切り容積内に供給されることがある。それにより、液体が仕切り容積に入ると、吸収材料の膨潤を制御できる。すなわち、仕切り容積によって吸収材料の膨潤を制限することができる。仕切り壁は、透過性であってもよく、例えば、本明細書に記載されている粗いフィルタと同じタイプであってもよい。
【0029】
代替的に、または付加的に、超吸収性ポリマーのような吸収性材料を、本開示に従って少なくとも1つの自由体の中または上に提供することができる。この場合、自由体は、液体が体内に入り、吸収性材料と接触することができ、より大きな粒子が吸収性材料から離れて保持されるような透過性の壁を含むことができる。透過性の壁は、例えば、穴を含む壁、または完全にもしくは部分的にメッシュ等で作られた壁であってよい。
【0030】
代替的に、または付加的に、吸収性材料は、静電気および/または接着剤によって、リザーバの内面などの特定の場所に保持されてもよい。
【0031】
代替的に、または付加的に、除去装置は、毛細管吸収によって液体と空気とを分離するように構成されてもよい。この目的のために、除去装置は、少なくとも1つの毛細管構造を含み得る。毛細管構造は、例えば、複数の毛細管および/またはプレート間の距離が小型複数の平行プレートを含み得る。
【0032】
いずれにせよ、毛細管構造は、装置に関して固定されていても可動性であってもよい。1つの変形例によると、毛細管構造はリザーバの内面に付着している。例えば、毛細管構造は、内面から、例えば放射状に突出する複数の平行プレートを含み得る。
【0033】
さらなる変形例によると、毛細管構造は、例えばリザーバ内を移動するブロックのような、1つまたは複数の可動体内に提供される。各ブロックは、例えば、毛細管および/または平行プレートの形態の毛細管構造を含み得る。1つまたは複数のブロックは、実質的に硬い、または硬い。代替的に、毛細管構造を含む1つ以上のブロックは、柔軟であってよく、例えば、液体を吸収するときに膨潤するように構成されていてもよい。
【0034】
さらなる変形例によれば、毛細管構造は、ボールのように自由に動くことができる、複数の可動体を含む。そして、可動体の間隙に毛細管の働きが起こる。このような可動体は、例えば、リザーバ内で自由に移動可能であってもよい。重力のために、液体と可動体は装置の同じ領域に配置され、液体はこの領域の毛細管作用によって吸収されるであろう。これは、毛細管構造が上記のような可動性ブロックを含む場合にも当てはまる。
【0035】
除去装置は、接着剤を含み得る。接着剤は、例えば、リザーバの内面に付着した両面テープとして提供されるか、またはリザーバの内面にスプレーされることができる。接着剤はまた、本開示に従って、1つまたは複数の自由体上に提供され得る。装置が粗いフィルタを含む場合には、粗いフィルタの下流側に接着剤を供給してもよい。接着剤は、例えば、例えば、湿った組織が接着することができる粘着性表面を提供することによって、液体を引き付けるために使用され得る。代替的に、または付加的に、接着剤を、例えば粉末形態の吸収性材料の接着に使用してもよい。接着による誘引が吸着の一例となっている可能性がある。
【0036】
除去装置は、サイクロン分離器を含むことができる。サイクロン分離器は、リザーバ内に配置されてもよいし、リザーバの外に配置されてもよい。
【0037】
除去装置は、少なくとも1つの自由体、例えば、複数の自由体を含み得る。自由体は、例えばリザーバ内で、装置内を移動することができる。自由体は、例えば、毛細管構造を含むかまたは構成し得、および/または接着剤または超吸収性ポリマーの任意の組合せを含む。自由体は、実質的に硬い、硬い、または柔軟であり得る。
【0038】
除去装置は、リザーバ内に配置することができる。しかしながら、除去装置は、別法として、例えば、リザーバの上流もしくは下流のチャンバ内に、またはリザーバと平行して、リザーバの外側に提供され得る。
【0039】
除去装置は、リザーバ内で収集された液体上に浮遊するように構成された浮遊要素と、管入口および管出口を有する管とを備えることができ、管入口は浮遊要素に接続され、管出口は経路に沿って下流に配置される。それにより、管入口は、リザーバ内の液体の表面の上に保持することができる。管出口は、例えば、フィルタチャンバの壁の開口部に接続されてもよい。この場合、排気出口に到達するために全ての空気がチューブを通って流れなければならないように、ただ一つの開口部をフィルタチャンバの壁に設けてもよい。この変形例では、空気のための経路がチューブを通過する。管入口には、液滴などの液体が管内に入らないようにするための装置が備わっている場合がある。このような装置は、例えば、機械的遮蔽、粗いフィルタ、または疎水性フィルタであり得る。浮遊要素を含むこのタイプの除去装置は、例えば、液体表面レベルがリザーバ内を移動するときに、経路又は空気を変化させるように構成される。
【0040】
装置は、さらに、二次除去装置、すなわち、上述の一次除去装置に加えて、スイッチ機構を備えることができ、このスイッチ機構は、二次除去装置を、吸引入口から流体的に切り離された状態から、二次除去装置が吸引入口と排気出口との間に流体的に配置されたアクティブ状態に切り替えるように構成され、二次除去装置は、吸引入口を通して吸入された液体から排気出口へ、空間的に装置の任意の向きで空気の経路、実質的に除去された状態、または除去された状態を提供するように構成される。二次的除去装置は、例えば、超吸収性ポリマーまたは代替吸収性材料を含むことができる。
【0041】
スイッチ機構は、隔離された位置から露出した位置への二次除去装置の移動により、二次除去装置を不活性状態から活性状態へスイッチするように構成されてもよい。隔離位置は、吸引入口からの任意の流体が二次除去装置に到達するのを妨げる位置であってもよい。露出位置は、吸引入口からの流体が二次除去装置に導かれる位置であってもよい。単離された位置および露出された位置の各々は、例えば、リザーバ内に提供され得る。
【0042】
代わりに、スイッチ機構は、吸引入口からの流体の流れを方向転換することによって、二次除去装置を不活性状態から活性状態に切り替えるように構成してもよい。例えば、一次除去装置は一次リザーバに配置され、二次除去装置は二次リザーバに配置され得る。次いで、スイッチ機構は、吸引入口から一次リザーバ内への流体の流れを、吸引入口から二次リザーバ内への流体の流れに向け直すように構成されてもよい。それにより、また、二次除去装置は、空間内の装置の任意の向きで、吸引入口を通って吸引された液体が実質的に除去された、排気出口への空気の経路を提供するように構成される。
【0043】
本開示に従う装置は、除去装置に加えて粗いフィルタ、例えば除去装置の上流に配置されていてもよい。粗いフィルタを使って、より大きな粒子をろ過することもある。
【0044】
1つの変形例によれば、粗いフィルタは、装置に対して回転可能である。このような回転可能なフィルタは、例えば、求心力を用いて、シリンダの内側に実質的に乾燥した粒子を保持しながら、フィルタを通して流体を強制的に押し込むように構成された円筒形フィルタであってもよい。代替的に、または付加的に、本開示による装置は、吸引入口と排気出口との間に流動的にあるラビリンス経路を含み得る。ラビリンス経路は、例えば、除去装置と排気出口との間に流体的に設けられてもよい。ラビリンス経路は、さらに、液体が排気出口に到達するのを妨げる。1つの例において、ラビリンス経路は、少なくとも120度の少なくとも2つの屈曲を含む。
【0045】
さらなる態様によれば、吸引器のための装置が提供され、該装置は、吸引空気、液体および粒子のための吸引入口と、空気のための排気出口と、空気から分離された液体および粒子を収集するためのリザーバと、吸引入口と排気出口の間の流動的な除去装置であって、該除去装置は、液体が実質的に除去され、排気出口への空気の経路を提供するように構成される除去装置と、を備える。除去装置は、本明細書に記載されているように可動性で、付着可能かつ/または形状が変化するように構成されていてもよく、および/または本明細書に記載されているように誘引(例えば、吸収)によって液体と空気とを分離するように構成されていてもよい。
【0046】
さらなる態様によれば、医療用吸引器のような吸引器が提供され、本開示に従う装置を含む。装置は、例えば、吸引入口からの吸引および排気出口を通る排気のための真空ポンプを備えることができる。この場合、吸引器は、真空ポンプを駆動するためのモータを有する主要部を含むことができる。装置は本体部に着脱可能に装着されてもよい。本開示の間、吸引器は手持ちでよい。本開示に従う装置は、ディスポーザブルのものであってもよい。
【0047】
さらなる態様によれば、医療用吸引器のような吸引器のための装置を変更する方法が提供される。該方法は、吸引器で使用されるように構成された装置を提供することであって、装置は、吸引空気、液体および粒子のための吸引入口と、空気のための排気出口と、空気から分離された液体および粒子を収集するためのリザーバとを備える、装置を提供することと、装置に、吸引入口と排気出口との間に流体的に、除去装置を付加することであって、除去装置は、吸引入口を通じて吸引された液体が実質的に除去または除去され、空間内の装置の任意の方向での、排気出口への空気の経路を提供するように構成される、除去装置を付加することと、を含む。したがって、既に機能可能な装置は、本開示に従った除去装置でアップグレードすることができる。該方法に係る装置および除去装置は、本開示に従った任意のタイプのものでよい。除去装置は、例えば、リザーバに挿入することができる。
【0048】
本開示のさらなる詳細、利点および態様は、ここで、図面と併せてとられた以下の実施形態から明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0049】
【
図1】
図1は、吸引器の視点を模式的に表している。
【
図4a】
図4aは、医療用吸引器の断面図を模式的に表している。
【
図4b】
図4bは、
図4aの吸引器の除去装置の部分図を模式的に表している。
【
図5】
図5は、吸引器のさらなる例の横断面図を模式的に表している。
【
図6a】
図6aは、吸引器のさらなる例の横断面図を模式的に表している。
【
図6b】
図6bは、
図6aにおける医療吸引器の除去装置を模式的に示したものである。
【
図7】
図7は、吸引器のさらなる例の横断面図を模式的に表している。
【
図8】
図8は、吸引器のさらなる例の横断面図を模式的に表している。
【
図9】
図9は、吸引器のさらなる例の横断面図を模式的に表している。
【
図11】
図11は、吸引器のさらなる例の横断面図を模式的に表している。
【
図12】
図12は、吸引器のさらなる例の横断面図を模式的に表している。
【
図13】
図13は、吸引器のさらなる例の横断面図を模式的に表している。
【
図16】
図16は、吸引器のさらなる例の横断面図を模式的に表している。
【
図17】
図17は、吸引器の別の例の横断面図を模式的に表している。
【
図18】
図18は、吸引器のさらなる例の横断面図を模式的に表している。
【発明を実施するための形態】
【0050】
以下では、除去装置を含む装置、装置を含む吸引器、および吸引器のための装置を変更する方法について記載する。同じ参照数字を用いて、同じまたは類似した構造的特徴を示す。
【0051】
図1は、吸引器10の一具体的かつ非限定的な実施例の斜視図を模式的に表したものであり、
図2は、
図2における吸引器10の断面斜視図を模式的に表したものであり、
図3は、
図1および
図2における吸引器10の断面側面図を模式的に表したものである。
図1~3をまとめて参照すると、吸引器10は、吸引チップ14、真空ポンプ16、排気出口18を有する吸引入口12からなる。吸引器10は、さらに、吸引入口12と真空ポンプ16との間に流動的にリザーバ20を備える。
図1~
図3では、吸引器10が水平方向に示されている。
図1~16の例では、医療用吸引器として吸引器10を例示している。
【0052】
図1~
図3の吸引器10の排気出口18は、複数の一方向バルブ22を備えている。この例の真空ポンプ16は、ピストンチャンバ24と、ピストンチャンバ24内を往復移動可能なピストン26とを備えている。ピストンチャンバ24は、バルブ22への通路28を備える。しかしながら、代替のタイプの真空ポンプを使用してもよい。
【0053】
吸引器10はさらに、疎水性のHEPAフィルタなどのフィルタ30を備える。フィルタ30は、吸引入口12と排気出口18との間に流体的に配置され、この例では、リザーバ20と真空ポンプ16との間に流体的に配置される。吸引器10は、フィルタ30を収容したフィルタチャンバ32を備える。フィルタチャンバ32の下部には複数の開口部34が設けられている。開口部34は、リザーバ20とフィルタチャンバ32との間に流体のための通路を確立する。また、フィルタチャンバ32とピストンチャンバ24との間に通路(見えない)が設けられている。
【0054】
この特異的かつ非限定的な例において、吸引器10は、主要部36、および主要部36に着脱可能に取り付けられた装置38を含む。装置38はディスポーザブルのものであってもよく、主要部36はリユース可能なものであってもよい。主要部36は、真空ポンプ16を駆動するためのモータ40と、モータ40に電力を供給するための電源42とを備えている。主要部36は、さらに、ハンドグリップ44と、モータ40とそれによって真空ポンプ16を制御するためのボタン46とを備えている。ハンドグリップ44は、主要部36に着脱可能に取り付けられてもよい。
【0055】
この特異的かつ非限定的な例の装置38は、キャニスタ部48と、例えば、スナップまたはスクリュー接続によって互いに接続されたポンプ部50とを含む。キャニスタ部48およびポンプ部50はここでは略円筒形のハウジングである。連結されると、キャニスタ部48とポンプ部50の内面52は、液体および粒子を収集するためのリザーバ20を構成する連続した容積を形成する。吸引入口12は、キャニスタ部48内に設けられている。ポンプ部50にはフィルタチャンバ32、真空ポンプ16および排気出口18が設けられている。
【0056】
装置38はさらに、分配構造54を備える。分配構造54は、吸引入口12に対して実質的に垂直に配向される。この例において、分配構造54は、吸引入口12に対向するフィルタチャンバ32の壁によって構成される。分配構造54は開口部34を覆っている。
【0057】
真空ポンプ16を作動させるとき、装置38内に確立された過小圧力は、例えば30 1/分の流れで空気、液体および種々の粒子を吸引入口12を通して吸引させる。液体が分配構造54に当たると、液体はリザーバ20内のより小さな液滴に粉砕される。空気および小液滴は、開口部34を通ってフィルタチャンバ32およびフィルタ30に吸い込まれる。フィルタ30は、通っている空気から液滴を除去する。空気は、真空ポンプ16によって排気出口18を通ってポンプ排出される。
【0058】
図4aは、除去装置56を含む吸引器10の横断面図を模式的に表し、
図4bは、
図4aの除去装置56の部分図を模式的に表している。
図4aおよび4bをまとめて参照すると、除去装置56は、毛細管構造58を含む。毛細管構造58は、複数の平行プレート60を含む。毛細管に似た小さな距離62が、隣接するプレート60の各対の間に提供される。この実施例では、プレート60はリザーバ20の内面52に付着しており、放射状に内側に突出している。別法として、各プレート60は、交配した場合にプレート60のそのような隣接面の間に細長い毛細管が形成されるように鋸歯状または波状の表面を含むことができる。
図4aの除去装置56は、このようにして、吸引入口12と排気出口18との間、より具体的には吸引入口12とフィルタチャンバ32との間に流体的に配置される。
【0059】
液体がリザーバ20に入ったとき、液体は、例えば液体小滴および/またはより大きな液体の体の形成で、毛細管吸収によってプレート60の間の空間に引き込まれる。それにより、実質的に液体から除去された空気の経路64が確立される。毛細管構造58は、空間内の装置38の任意の向きに液体を保持することができる。それにより、液体が毛細管構造58によって保持されている場合、空間内の装置38の任意の向きに空気の経路64を提供することもできる。フィルタ30に吸引される液体の量は、装置38が空間中で非水平方向に保持されている場合を含めて減少する。これにより、フィルタ30の目詰まりも低減または除去することができ、装置38の寿命が長くなる。
【0060】
図5は、代替除去装置56を含む吸引器10の断面側面図を模式的に表している。
図4aと4bに関する主な相違点について述べる。
【0061】
図5の吸引器10の装置38は、接着剤66を含む。接着剤66は、両面テープのストリップをリザーバ20の内面52に取り付けることにより提供されている。このようにして、既に機能している吸引器10を変更することができる。接着剤66は、直接的または間接的に液体を引き寄せる。接着剤66は、例えば、組織含有液体を内面52に保持することができる。また、このようにして、液体が実質的に除去された経路64を、空間内の装置38の任意の向きに提供することができる。図中の除去装置564aと5を組み合わせてもよい。接着剤66はまた、本開示に従って1つ以上の自由体を保持するために使用され得る。
【0062】
図6aは、代替的な除去装置56を含む吸引器10の横断面図を模式的に表し、
図6bは、
図6aの除去装置56を模式的に表している。
図4a~5に関する主な相違点について述べる。
【0063】
図6の除去装置56は、自由体68を含む。自由体68は、リザーバ20内を移動し、毛細管構造58を構成する。この実施形態において、自由体68は、複数の毛細管70を含む剛体ブロックによって構成される。したがって、リザーバ20内の液体は、毛細管吸収によって自由体68によって引き寄せることができる。
図6aに見られるように、自由体68は、フィルタチャンバ32への開口部34よりも大きく、したがって、フィルタチャンバ32への入り込みを阻止される。また、自由体68は、分配構造54と内面52との間の空間よりも大きい。
図4a,5および6aの除去装置56を組み合わせてもよく、例えば、接着剤66を自由体68に適用してもよい。
【0064】
図7は、代替除去装置56を含む吸引器10の断面側面図を模式的に表している。
図4a~6bに関する主な相違点について述べる。
【0065】
図7の除去装置56は、ボールとして例示される複数の自由体68を含む。自由体68は、リザーバ20内で自由に移動可能である。除去装置56は、超吸収性ポリマー72をさらに含む。この実施例において、超吸収性ポリマー72は、自由体68上に配置される。それによって、自由体68は、超吸収性ポリマー72の担体74を構成する。それによって、自由体68上の超吸収性ポリマー72は、液体を吸収するように構成される。接着剤66はまた、自由体68上に提供されてもよい。それにより、自由体68は内面52に接着することができる。
【0066】
図8は、代替除去装置56を含む吸引器10の断面側面図を模式的に表している。
図4a~
図7に関する主な相違点について述べる。
【0067】
図8の除去装置56は、超吸収性ポリマー72を含む。超吸収性ポリマー72は、複数の担体74に配置される。担体74は液体透過性であり、袋またはポケットによって構成されてもよい。さらに、この実施例の担体74は、リザーバ20の内面52に付着している。担体74は、代替的に、例えば、
図7の自由体68として、装置38内で自由に移動可能であってもよい。
【0068】
図8の担体74内の超吸収性ポリマー72と液体が接触すると、超吸収性ポリマー72は液体を吸収して膨潤させる。それにより、液体は、リザーバ20の内面52(または担体74が提供される装置38の任意の他の位置)に保持され得る。その結果、実質的に液体から除去された空気の経路64を、フィルタ30を通って排気出口18に供給することができる。
図8に従う超吸収性ポリマー72を含む除去装置56は、毛細管作用および/または接着剤66に基づく除去装置56と組み合わせてもよい。除去装置56には、超吸収性ポリマー72以外の吸収材料、例えばシリカゲルを使用してもよい。
【0069】
図8の装置38は、粗いフィルタ76も備えている。粗いフィルタ76は、吸引された液体から骨片、食物片および同様の粒子を分離する機能を有する。粗いフィルタ76のメッシュサイズは、開口部34よりも大きくなるように寸法決めされることが好ましい。
図8において、粗いフィルタ76は、除去装置56の上流のリザーバ20内に配置される。しかしながら、粗いフィルタ76は、代替的に、除去装置56の下流側に配置されてもよく、または除去装置56と平行して配置されてもよい。残りの図のいずれかにおいて、
図8のタイプの粗いフィルタ76を装置38に設けることができる。
【0070】
図9は、代替除去装置56を含む吸引器10の断面側面図を模式的に表している。
図4a~8に関する主な相違点について述べる。
【0071】
図9の除去装置56は、リザーバ20内の複数の自由体68を含む。各自由体68は、例えば、
図8に従う担体74の形成で提供される超吸収性ポリマー72を含む。
図9の自由体68は、剛性であってもよい。各自由体68は、少なくとも1つの開口部を含むことによって透過性である。それにより、液体は、自由体68に入ることができ、より大きな粒子が自由体68に入るのを妨げると同時に、超吸収性ポリマー72に接触する。自由体68は、重力のためにリザーバ20内の任意の液体と一緒に移動する。これは、超吸収性ポリマー72によって液体吸収を改善する。一例によれば、粗いフィルタ76(
図9参照)は、吸引入口12と除去装置56との間に流体的に存在する。それにより、骨片および食物片は粗いフィルタ76に集められることがあるが、一方、液体は粗いフィルタ76およびリザーバ20内又は別のコンパートメント内のいずれかに提供された自由体68に通すことができる。
【0072】
図10は、
図9の吸引器10の断面側面図を模式的に表す。
図10に示すように、自由体68内の超吸収性ポリマー72は、液体78を吸収した。自由体68は、フィルタチャンバ32への開口部34よりも大きく、したがってフィルタチャンバ32への入り込みを阻止される。さらに、自由体68のサイズが比較的大きいため、超吸収性ポリマー72は、自由体68間および/又は自由体68と内面52との間の間隙に空気の経路64を提供しながら、比較的大量の液体78を引き付けることができる。
図9および10の除去装置56は、さらに接着剤66および/または毛細管構造58を含み得る。
【0073】
図11は、代替除去装置56を含む吸引器10の断面側面図を模式的に表している。
図4aと
図10に関する主な相違点について述べる。
【0074】
図11の除去装置56は、浮遊要素80と管82とを備える。管82は、管入口84および管出口86を備える。管82は、管入口84が浮遊要素80より上(すなわち、測地的に上)になるように浮遊要素80に接続される。浮遊要素80は、液体78の表面上に浮遊するときに、
図11における垂直配向を実質的に維持するように構成される。
図11では、フィルタチャンバ32に1つの開口部34のみが設けられている。この開口部34には管出口86がしっかりと接続されている。従って、空気がフィルタチャンバ32に入る唯一の方法は、管82によって提供される経路64を通る。浮遊要素80は、管入口84が常に液体78の表面より上にあることを保証するので、除去装置56は、実質的に排気出口18に液体78を含まない空気の経路64を提供する。
図11におけるタイプの除去装置56は、複数の浮遊要素80および管82、例えば、複数の開口部34のそれぞれに対して1つの管82を備えることができる。
図11の除去装置56は、接着剤66、毛細管構造58および/または吸収材料を含む除去装置56と組み合わせてもよい。
【0075】
図12は、代替除去装置56を含む吸引器10の断面側面図を模式的に表している。
図4a~11に関する主な相違点について述べる。
【0076】
図12の除去装置56は、リザーバ20内に配置されたサイクロン分離器88を備える。
図12の例のサイクロン分離器88は、入口90、上側の(
図12では)空気出口92、下側液体出口94、上側円筒状部分96、および下側円錐台状部分98を備える。サイクロン分離器88の入口90は、吸引入口12にしっかりと接続されている。吸引器10の作動中、吸引された空気、液体および粒子は、上側円筒状部分96の内面に対してほぼ接線に配置された入口90を通って入る。上側円筒状部分96および下側円錐台状部分98の形状は、液体および粒子が下側液体出口94を通って押し出され、空気が上側の空気出口92を通って押し出されることによって渦を誘起する。それにより、
図12の除去装置56も、液体が実質的に除去される経路64を提供するように構成される。
【0077】
一変形例によれば、サイクロン分離器88は、重力に応じて、例えば垂直配向を維持するように移動するように配置されている。これを達成する一つの方法は、スイベル結合によってサイクロン分離器88の入口90を吸引入口12に接続することである。このようにして、空気出口92が液体出口94の上方に常に測地的に配置されていることを確実にすることができる。
【0078】
サイクロン分離器88は、代替的に、リザーバ20の上流に配置されてもよい。サイクロン分離器88を含む除去装置56は、本明細書に記載される如何なる他の除去装置56と組み合わせてもよい。
【0079】
図13は、代替装置38を含む吸引器10の断面側面図を模式的に表している。
図4a~12に関する主な相違点について述べる。
【0080】
図13の除去装置56は、超吸収性ポリマー72を含む。
図13の装置38は、リザーバ20内にピストンチャンバ100を備える。装置38は、ピストンロッド102と、第1ピストン104と、ピストンロッド102に固定された第2ピストン106とをさらに備える。第1ピストン104および第2ピストン106は、ピストンチャンバ100内で移動可能である。ピストンロッド102は、リザーバ20を突き出し、ピストンロッド102にボタン108が取り付けられる装置38の外部に突出する。ピストンチャンバ100は、入口110と出口側112を備える。接続管114が吸引入口12を入口110に接続する。出口側112は、リザーバ20に開口している。ピストンチャンバ100、ピストンロッド102、第1ピストン104、第2ピストン106およびボタン108は、単に本開示によるスイッチ機構116の多くの例の1つを構成するに過ぎない。
【0081】
図13に示すように、超吸収性ポリマー72を含む除去装置56は、第1ピストン104と第2ピストン106との間に提供される。さらに、入口110および出口側112は、第1ピストン104と第2ピストン106との間に配置される。装置38は、ここでは超吸収性ポリマー72を含むように例示される二次除去装置118をさらに含む。
図13において、二次除去装置118は、ピストンチャンバに第1ピストン104より上すぎて提供され、それによって不活性状態にあり、ここで、超吸収性ポリマー72は吸引入口12から流動的に切り離される。動作において、空気、液体および任意の粒子は、除去装置56を越えて吸引され、超吸収性ポリマー72が任意の液体を通過させて吸収する。しかし、二次除去装置118の超吸収性ポリマー72は単離されたままであろう。
【0082】
吸引器をしばらく動作した後、
図14に示すように、除去装置56の超吸収性ポリマー72が膨潤している。吸引操作を中断したり、装置38または吸引器10全体を交換したりする代わりに、利用者は、
図15の矢印120によって示されるように、ボタン108を単に押し下げてもよい。それにより、第1ピストン104は、入口110および出口側112の下を移動し、入ってくる液体(および空気および任意の粒子)に、二次除去装置118の未使用の超吸収性ポリマー72を露出させることになる。スイッチ機構116によって、二次除去装置118は、それによって、二次除去装置118が、液体が実質的に除去された空気の経路64を提供するように構成される活性状態を採用した。このようにして、装置38の寿命は、簡単で信頼性の高い速い方法で実質的に延長される。
【0083】
二次除去装置118は、超吸収性ポリマー72を含むと記載されているが、二次除去装置118は、本開示に従う除去装置56として、任意タイプのものでもよい。特に、二次除去装置118は、代替的に、または追加的に、毛細管構造58、接着剤66、および/または超吸収性ポリマー72以外の吸収材料を含むことができる。
【0084】
図16は、吸引器10のさらなる例の横断面図を模式的に表している。
図16の装置38は、
図9と同じタイプの除去装置56を備える。装置38はさらに、ラビリンス経路122を備える。ラビリンス経路122は、吸引入口12と排気出口18との間に流体的に配置される。より具体的には、ラビリンス経路122は、フィルタチャンバ32のすぐ上流のリザーバ20に配置されている。しかしながら、ラビリンス経路122は、リザーバ20の上流、下流、または並列のようにリザーバ20の外側に供給されることもできる。
図16の具体例のラビリンス経路122は、約180度の3つの曲がり部と、約90度のフィルタチャンバ32の開口部34内への1つの曲がり部とを備えている。
図16において、超吸収性ポリマー72は、例えば、ラビリンス経路122の壁上に、超吸収性ポリマー72の膨潤のためにラビリンス経路122が閉じられないように少量ずつ提供される。それにより、ラビリンス経路122は、潜在的な残余液体がフィルタ30に入るのをさらに妨げる。
【0085】
図17は、吸引器10のさらなる例の横断面図を模式的に表している。
図4a~16に関する主な相違点について述べる。
図17の吸引器10の除去装置56は、接着剤66を含む。さらに、除去装置56は、ボールなどの複数の自由体68を含む。
【0086】
図17の装置38は、第一に、例えば内面52に噴霧することによって接着剤66を提供し、次いで、超吸収性ポリマー72などの吸収性材料をリザーバ20に吹き込むことによって改変されている。超吸収性ポリマー72は、例えば、粉末形態でリザーバ20内に、および/または担体74内に送達され得る。代替的に、または付加的に、超吸収性ポリマー72を、接着剤66と共にリザーバ20内に送達することができる。超吸収性ポリマー72は、それによって内面52に粘着する。超吸収性ポリマー72によって吸収されたいずれの液体も、それによってリザーバ20の放射状に外側の領域、すなわち内面52に超吸収性ポリマー72の膨潤を引き起こすであろう。また、このようにして、液体が実質的に除去された経路64を、空間内の装置38の任意の向きに提供することができる。
【0087】
図18は、吸引器10のさらなる例の横断面図を模式的に表している。
図4a~17に関する主な相違点を述べる。
図18の装置38は、仕切り壁124を含む。仕切り壁124は、仕切り容積126を定義する。
図18の例では、仕切り壁124と仕切り容積126がリザーバ20内に備えられている。さらに、この実施例の仕切り壁124は、粗いフィルタ、例えば、
図8と同じタイプのフィルタを含む。
【0088】
図18の除去装置56は、
図7と同じタイプの複数の自由体68を備える。自由体68は、仕切り容積126内に提供される。仕切り壁124は、仕切り容積126内に自由体68を維持する。リザーバ20内の任意の液体は、仕切り壁124を透過し、仕切り容積126に入るであろう。粗い粒子が仕切り容積126に入らないようにする。それにより、例えば、超吸収性ポリマー72による吸収又は毛細管作用による除去装置56による液体の誘引が改善される。さらに、超吸収性ポリマー72の膨潤は、仕切り容積126内で実質的に制限することができる。仕切り容積126に入ることができないより大きな粒子も、開口部34のサイズのためにフィルタチャンバ32に入ることができない。
【0089】
本開示は例示的な実施形態を参照して記載されているが、本発明は、上述したものに限定されないことが認識されるであろう。例えば、必要に応じて部材の寸法を変化させることができることが認識されるであろう。
【手続補正書】
【提出日】2021-08-04
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
吸引器(10)のための装置(38)であって、
吸引空気、液体(78)および粒子のための吸引入口(12)と、
空気のための排気出口(18)と、
空気から分離された液体(78)および粒子を収集するためのリザーバ(20)と、
前記吸引入口(12)と前記排気出口(18)の間の流動的な除去装置(56)であって、該除去装置(56)は、前記吸引入口(12)を通じて吸引された液体(78)が実質的に除去され、空間内の装置(38)の任意の方向での、前記排気出口(18)への空気の経路(64)を提供するように構成される除去装置(56)と、
を備える装置(38)。
【請求項2】
前記吸引入口(12)と前記排気出口(18)の間の流動的なフィルタ(30)をさらに備え、前記除去装置(56)は、前記吸引入口(12)と前記フィルタ(30)の間で流動的であり、かつ、前記除去装置(56)は、前記吸引入口(12)を通じて吸引された液体(78)が実質的に除去され、空間内の装置(38)の任意の方向での、前記フィルタ(30)への空気の経路(64)を提供するように構成され
、
吸引された液体をより小さな液滴に分配するように構成された分配構造(54)であって、該分配構造(54)は壁によって構成される、分配構造(54)をさらに備える、請求項1に記載の装置(38)。
【請求項3】
フィルタチャンバ(32)をさらに備え、前記フィルタ(30)は、前記フィルタチャンバ(32)内に収容され、前記リザーバ(20)と前記フィルタチャンバ(32)との間の空気連通を提供するための1つまたは複数の通路(34)を含み、かつ、前記分配構造(54)は1つまたは複数の通路(34)を遮蔽する、請求項
2に記載の装置(38)。
【請求項4】
前記分配構造(54)は、前記フィルタチャンバ(32)の壁によって構成される、請求項
3に記載の装置(38)。
【請求項5】
前記分配構造(54)は、前記吸引入口(12)の排出開口部の中心軸に実質的に垂直な壁によって構成される、請求項
2~4のいずれか一項に記載の装置(38)。
【請求項6】
前記除去装置(56)が、吸収によって液体(78)を空気から分離するように構成され、かつ、前記除去装置(56)が、超吸収性ポリマー(72)などの吸収性材料を含む、請求項
1~5のいずれか一項に記載の装置(38)。
【請求項7】
仕切り容積(126)を画定する仕切り壁(124)をさらに備え、前記仕切り容積(126)内に吸収性材料が提供される、請求項
6に記載の装置(38)。
【請求項8】
前記除去装置(56)が
複数の自由体(68)を含み、前記自由体(68)の中または上に吸収性材料が提供される、請求項1~7のいずれか一項に記載の装置(38)。
【請求項9】
二次除去装置(118)とスイッチ機構(116)をさらに備え、
前記スイッチ機構(116)は、前記二次除去装置(118)を、前記二次除去装置(118)が前記吸引入口(12)から流動的に切り離される不活性状態から、前記二次除去装置(118)が前記吸引入口(12)と前記排気出口(18)の間に流動的に配置される活性状態にスイッチするように構成されており、前記二次除去装置(118)は、前記吸引入口(12)を通じて吸引された液体(78)が実質的に除去され、空間内の前記装置(38)の任意の方向での、前記排気出口(18)への空気の経路(64)を提供するように構成される、請求項1~
8のいずれか一項に記載の装置(38)。
【請求項10】
前記吸引入口(12)と前記排気出口(18)の間の流動的なラビリンス経路(122)をさらに備える、請求項1~9のいずれか一項に記載の装置(38)。
【請求項11】
前記ラビリンス経路(122)は、前記除去装置(56)と前記フィルタチャンバ(32)との間に流動的に提供される、請求項3を引用する場合の請求項
10に記載の装置(38)。
【請求項12】
請求項1~
11のいずれか一項に記載の装置(38)を含む吸引器(10)。
【請求項13】
前記装置(38)が真空ポンプ(16)を含み、前記吸引器(10)は、前記真空ポンプ(16)を駆動するためのモータ(40)を有する主要部(36)を含む、請求項
12に記載の吸引器(10)。
【請求項14】
前記吸引器(10)がハンドヘルドである、請求項
12または
13に記載の吸引器(10)。
【請求項15】
吸引器(10)のための装置(38)を変更する方法であって、
吸引器(10)に使用されるように構成された装置(38)を提供することであって、前記装置(38)は、吸引空気、液体(78)および粒子のための吸引入口(12)と、空気のための排気出口(18)と、空気から分離された液体(78)および粒子を収集するためのリザーバ(20)とを備える、装置(38)を提供することと、
前記装置(38)に、吸引入口(12)と排気出口(18)との間に流動的に、除去装置(56)を付加することであって、前記除去装置(56)は、前記吸引入口(12)を通じて吸引された液体(78)が実質的に除去され、空間内の前記装置(38)の任意の方向での、前記排気出口(18)への空気の経路(64)を提供するように構成される、除去装置(56)を付加することと、
を含む、方法。
【国際調査報告】