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特表2022-520728時分割多元接続通信システムを用いた空間センサ同期システム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-04-01
(54)【発明の名称】時分割多元接続通信システムを用いた空間センサ同期システム
(51)【国際特許分類】
   G01S 13/931 20200101AFI20220325BHJP
   H04L 7/00 20060101ALI20220325BHJP
   G01S 5/10 20060101ALN20220325BHJP
【FI】
G01S13/931
H04L7/00 990
G01S5/10 Z
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021544195
(86)(22)【出願日】2020-01-30
(85)【翻訳文提出日】2021-09-22
(86)【国際出願番号】 EP2020052354
(87)【国際公開番号】W WO2020157235
(87)【国際公開日】2020-08-06
(31)【優先権主張番号】19305124.0
(32)【優先日】2019-02-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】516373683
【氏名又は名称】テラビー エス ア エス
【氏名又は名称原語表記】TERABEE S.A.S
【住所又は居所原語表記】90 Rue Fabre, F-01630 Saint-Genis Pouilly, France
(74)【代理人】
【識別番号】100107456
【弁理士】
【氏名又は名称】池田 成人
(74)【代理人】
【識別番号】100162352
【弁理士】
【氏名又は名称】酒巻 順一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100123995
【弁理士】
【氏名又は名称】野田 雅一
(72)【発明者】
【氏名】コーヴァーマン, ジャン ダブリュー.
(72)【発明者】
【氏名】ルッフォ, マッシミリアーノ
【テーマコード(参考)】
5J062
5J070
5K047
【Fターム(参考)】
5J062BB01
5J062FF01
5J062FF02
5J062FF03
5J070AB01
5J070AC01
5J070AC02
5J070AF04
5J070AK06
5K047AA18
(57)【要約】
時分割多元接続(TDMA)通信システムを用いた、前記TDMA通信システム内で展開する複数のエンティティのための、空間センサ同期システムを提供するものであり、各エンティティが、空間センサと、TDMA通信システム内において通信可能なタグとをそれぞれ含み、さらに、各空間センサは、所定のアクティブ期間中に空間測定を行うことが可能であり、さらに、複数のエンティティのタグは、TDMA通信システム内の2つの連続するアドレスを分離する所定のシーケンス期間で、TDMA通信システムによって順次アドレッシングされる。各タグは、TDMA通信システムによってアドレッシングされるときに、対応するエンティティのセンサに電気的トリガを出力するように構成された電気的トリガ出力手段を備える。各センサは、電気的トリガ出力手段に接続されるとともに、受信した各電気的トリガに対して空間センサ測定を開始するよう構成された電気的トリガ入力手段を備える。決定されたシーケンス期間の長さは、決定されたアクティブ期間の長さ以上である。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
時分割多元接続(TDMA)通信システムを用いた、前記TDMA通信システム内で展開する複数のエンティティのための空間センサ同期のシステムであって、
前記複数のエンティティの各エンティティが、空間センサと、TDMA通信システム内において通信可能なタグとをそれぞれ含み、さらに、各空間センサは、所定のアクティブ期間中に空間測定を行うことが可能であり、さらに、前記複数のエンティティの前記タグは、前記TDMA通信システム内の2つの連続するアドレスを分離する所定のシーケンス期間で、前記TDMA通信システムによって順次アドレッシングされ、
前記タグの各々は、前記TDMA通信システムによってアドレッシングされるときに、対応する前記エンティティの前記センサに電気的トリガを出力するように構成された電気的トリガ出力手段を備えており、
前記センサの各々は、前記電気的トリガ出力手段に接続されるとともに、受信した各電気的トリガに対して空間センサ測定を開始するよう構成された電気的トリガ入力手段を備えており、
前記シーケンス期間の長さが、決定された前記アクティブ期間の長さ以上である、システム。
【請求項2】
前記空間センサは、測距センサ又は衝突防止センサである、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記TDMA通信システムは、超広帯域(UWB)システムである、請求項1又は2に記載のシステム。
【請求項4】
前記空間センサは、飛行時間型(ToF)センサであり、前記TDMA通信システムは、超広帯域(UWB)システムである、請求項1に記載のシステム。
【請求項5】
前記複数のエンティティのうちの少なくとも1つのエンティティは、少なくとも追加のToFセンサを含むように意図され、当該追加のToFセンサは、受信された前記電気的トリガによってさらにトリガされる、請求項2に記載のシステム。
【請求項6】
時分割多元接続(TDMA)通信システムと共に用いられる1つ以上の空間センサのための空間センサ同期の方法であって、
各空間センサは、決定されたアクティブ期間中に空間測定を行うことが可能であり、前記方法は、
前記1つ以上の空間センサが前記TDMAシステムに接続するステップと、
前記TDMAシステムが、前記TDMA通信システム内の2つの連続するアドレスを分離する決定されたシーケンス期間で前記1つ以上の空間センサをアドレッシングするステップと、
前記1つ以上の空間センサが、前記TDMAシステムによってアドレッシングされるときに、タイミング信号を抽出するステップと、
前記1つ以上の空間センサが、前記タイミング信号に対してアライニングされるステップと、
前記タイミング信号をトリガ信号として使用して、測定のために前記1つ以上の空間センサのうち1つ又は一連の空間センサをトリガする、使用するステップであり、前記シーケンス期間の長さは、前記決定されたアクティブ期間の長さ以上である、使用するステップと、
前記1つ以上の空間センサが前記TDMAシステムに接続するステップから再開することによって、本方法を繰り返すステップと、
を含む、方法。
【請求項7】
前記1つ以上の空間センサが、前記タイミング信号に対してアライニングされるステップにおいて、前記1つ以上の空間センサは前記タイミング信号が到着するのを待つ、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記1つ以上の空間センサがタイミング信号に対してアライニングされるステップにおいて、前記1つ以上の空間センサのそれぞれの内部クロックが前記タイミング信号に同期し、前記1つ以上の空間センサのそれぞれが測定前に所定の時間待機する、請求項6に記載の方法。
【請求項9】
前記方法は、前記1つ以上の空間センサがタイミング信号を抽出するステップを実施する前に、前記1つ以上の空間センサそれぞれのトリガ入力に対して正しい電気特性を提供するよう、前記TDMA装置によって前記タイミング信号を整形し送信するステップをさらに含む、請求項6に記載の方法。
【請求項10】
前記タイミング信号を使用するステップは、前記1つ以上の空間センサをデイジーチェーンでつなぐステップをさらに含み、各空間センサは、前記トリガ信号を受信し、遅延させ、再送信し、各空間センサは、測定によりクロストークが生じないように遅延する、請求項6に記載の方法。
【請求項11】
前記タイミング信号を使用するステップは、
空間センサのスタートポロジ内に前記1つ以上の空間センサを設けるステップをさらに含み、前記空間センサの各空間センサは、同時に前記トリガ信号を受信し、各空間センサは、測定によりクロストークが生じないよう、選択された異なる時間だけ測定の開始を遅延させる、請求項6に記載の方法。
【請求項12】
前記タイミング信号を使用するステップは、センサハブ内の前記1つ以上の空間センサに、それに接続された前記1つ以上の空間センサを提供するステップをさらに含み、前記センサハブは、測定によりクロストークが生じないような方法で、前記1つ以上の空間センサの測定シーケンスを決定するステップを実施するよう構成されている、請求項6に記載の方法。
【請求項13】
前記センサハブは、前記1つ以上の空間センサの幾何学的構成に応じて測定速度を最適化するステップを実施するようにさらに構成されている、請求項12に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、時分割多元接続(TDMA)通信システムと共に用いられる1つ以上の空間センサのための空間センサ同期の新規な方法及びシステムに関する。このTDMA通信システムは、超広帯域(UWB)測位システムであってよい。好ましくは、空間センサは、測距センサ又は衝突防止センサである。
【背景】
【0002】
自律ロボットが移動するためには、静的インフラストラクチャに対する位置と動的な障害物を回避するための衝突防止センシングとの少なくとも2つの入力を必要とする。産業又は物流における典型的な用途においては、静的インフラストラクチャに対する相対測位システムは、UWB屋内測位システムとすることができ、衝突回避機能は、自律ロボットごとに少なくとも1つの飛行時間型(ToF)センサを使用することによって実現することができる。
【0003】
ToFセンサは、特に位相測定原理に基づく場合、同時に測定をする少なくとも2つのToFセンサ間のクロストークに起因して、特に2つのセンサの照明が重なる場合に、誤った測定をしてしまう可能性がある。これは、少なくとも2台のロボットが同じ静的インフラストラクチャ内で動作する場合に起きやすい。
【0004】
クロストーク回避のためのシステムは、ケーブルを介した同期に基づいており、その実施例はPCT/EP2018/072978に記載されている。自由に移動するロボットにはこの方法は適用できず、上述のような無線による方法が必要となる。
【0005】
上述したような既知のシステムから離れ、本発明の目的の1つは、誤測定を防止する方法及びシステムを見出すことである。
【発明の要旨】
【0006】
本発明は、時分割多元接続(TDMA)通信システムを用いた、TDMA通信システム内で展開する複数のエンティティのための、空間センサ同期システムを提供するものであり、各エンティティが、空間センサと、TDMA通信システム内において通信可能なタグとをそれぞれ含み、さらに、各空間センサは、所定のアクティブ期間中に空間測定を行うことが可能であり、さらに、複数のエンティティのタグは、TDMA通信システム内の2つの連続するアドレスを分離する所定のシーケンス期間で、TDMA通信システムによって順次、アドレス指定(address、アドレッシング)される。各タグは、TDMA通信システムによってアドレッシングされるときに、対応するエンティティのセンサに電気的トリガを出力するように構成された電気的トリガ出力手段を備える。各センサは、電気的トリガ出力手段に接続されるとともに、受信した各電気的トリガに対して空間センサ測定を開始するよう構成された電気的トリガ入力手段を備える。決定されたシーケンス期間の長さは、決定されたアクティブ期間の長さ以上である。
【0007】
本発明の好ましい実施形態では、空間センサは、測距センサ又は衝突防止センサである。
【0008】
さらに好ましい実施形態では、TDMA通信システムは超広帯域(UWB)システムである。
【0009】
さらに好ましい実施形態では、空間センサは飛行時間型(ToF)センサであり、TDMA通信システムは超広帯域(UWB)システムである。
【0010】
さらに好ましい実施形態では、複数のエンティティのうちの少なくとも1つのエンティティは、少なくとも追加のToFセンサを含むように意図され、当該追加のToFセンサは、受信された電気的トリガによってさらにトリガされる。
【0011】
第2の態様では、本発明は、時分割多元接続(TDMA)通信システムと共に用いられる1つ以上の空間センサのための空間センサ同期の方法を提供する。各空間センサは、決定されたアクティブ期間中に空間測定を行うことが可能となる。本方法は、1つ以上の空間センサがTDMAシステムに接続するステップと、TDMAシステムが、TDMA通信システム内の2つの連続するアドレスを分離する決定されたシーケンス期間で前記1つ以上の空間センサをアドレッシングするステップと、前記1つ以上の空間センサが、TDMAシステムによってアドレッシングされるときに、タイミング信号を抽出するステップと、前記1つ以上の空間センサが、前記タイミング信号に対して位置合わせ(align、アライニング)されるステップと、前記タイミング信号をトリガ信号として使用して、測定のために前記1つ以上の空間センサのうち1つ又は一連の空間センサをトリガするステップと、を含み、前記シーケンス期間の長さは、決定されたアクティブ期間の長さ以上であり、前記1つ以上の空間センサがTDMAシステムに接続するステップから再開することによって、本方法を繰り返すステップを含む。
【0012】
さらに好ましい実施形態では、前記1つ以上の空間センサが前記タイミング信号に対してアライニングされるステップにおいて、前記1つ以上の空間センサは前記タイミング信号が到着するのを待つ。
【0013】
さらに好ましい実施形態では、前記1つ以上の空間センサがタイミング信号に対してアライニングされるステップにおいて、前記1つ以上の空間センサのそれぞれの内部クロックが前記タイミング信号に同期し、前記1つ以上の空間センサのそれぞれが測定前に所定の時間待機する。
【0014】
さらに好ましい実施形態では、本方法は、前記1つ以上の空間センサがタイミング信号を抽出するステップを実施する前に、前記1つ以上の空間センサそれぞれのトリガ入力に対して正しい電気特性を提供するよう、前記TDMA装置によって前記タイミング信号を整形し送信するステップをさらに含む。
【0015】
さらに好ましい実施形態では、前記タイミング信号を使用するステップは、前記1つ以上の空間センサをデイジーチェーンでつなぐステップをさらに含み、各空間センサは、前記トリガ信号を受信し、遅延させ、再送信し、各空間センサは、測定によりクロストークが生じないように遅延する。
【0016】
さらに好ましい実施形態では、前記タイミング信号を使用するステップは、
空間センサのスタートポロジ内に前記1つ以上の空間センサを設けるステップをさらに含み、前記空間センサの各空間センサは、同時に前記トリガ信号を受信し、各空間センサは、測定によりクロストークが生じないよう、選択された異なる時間だけ測定の開始を遅延させる。
【0017】
さらに好ましい実施形態では、前記タイミング信号を使用するステップは、センサハブ内の前記1つ以上の空間センサに、それに接続された前記1つ以上の空間センサを提供するステップをさらに含み、前記センサハブは、測定によりクロストークが生じないような方法で、前記1つ以上の空間センサの測定シーケンスを決定するステップを実施するよう構成されている。
【0018】
さらに好ましい実施形態では、前記センサハブは、前記1つ以上の空間センサの幾何学的構成に応じて測定速度を最適化するステップを実施するようにさらに構成されている。
【図面の簡単な説明】
【0019】
本発明は、好ましい実施形態の説明を通して、かつ図面を参照して説明される。
【0020】
図1図1は、本発明が解決しようとする課題を説明するための、複数のロボット及びターゲットを含む例示的なシステムを示す図である。
図2図2は、本発明によるシステムの例示的実施形態を概略的に示す図である。
図3図3は、本発明の例示的実施形態による自律ロボットの内部構成を概略的に示す図である。
図4図4は、本発明による例示的なシステムのタイミング図である。
図5図5は、本発明による方法の例示的な実施を示すフローチャートである。
【発明の好適な実施形態の詳細な説明】
【0021】
図1は、本発明の使用によって解消される問題を示す。複数の自律ロボット(2、3)は、それぞれ同時測定の場合に干渉し得るアクティブセンサ3によるアクティブセンシング技術を使用する。少なくとも2台のロボットが同時に測定を行い、同じターゲット4を指し示す場合には、干渉が生じて誤った測定が行われたり、事故やナビゲーションの失敗につながったりすることがある。各ロボットがUWB系の絶対位置決めシステム2を備える場合、本発明は、干渉が生じないようアクティブセンサ3の測定を同期させる方法を提供する。
【0022】
好ましい一実施形態では、本発明は、2つの従来技術、すなわち、UWB位置決め(例えば、PMC4883398参照)及び飛行時間型(ToF)センサと異なる。
【0023】
ToFセンサは、次の2つのフェーズによりパルス方式で動作する。
・信号が送出され、同時にターゲットからその反射が受信されるアクティブフェーズ及び、
・受信信号が処理・較正・通信されるパッシブフェーズ。
【0024】
アクティブフェーズは、通常、パッシブフェーズに比較して短いものの、後述するように、クロストークが発生し得るのはアクティブフェーズである。ターゲットから反射された信号を送出し、受信する第1のToFセンサの場合、他のToFセンサからの信号のうちの1つの信号も、第1のToFセンサで重畳して受信される。
【0025】
UWBシステムは、通常、既知の位置(「アンカー」と呼ばれる)にある静的インフラストラクチャに固定されたいくつかのUWBトランシーバと、アンカーと通信し、アンカー、すなわち静的インフラストラクチャに対する相対位置を、到達時間差(TDOA)原理(例えば、参考文献「マルチラテレーション」参照)を利用して計算する携帯型UWBトランシーバ(「タグ」と呼ばれる)とを備える。一度にアンカーと通信できるのは1つのタグだけなので、システムは、タグが順次アンカーと通信してその位置を計算するよう設定されている(時分割多元接続(TDMA)原理:タグは、それぞれの「スロット」を有する。例えば、参考文献「時分割多元接続」参照)。すべてのタグがそれぞれの位置の計算を終了すると、システムは最初から動作をやり直す(システムループサイクル時間:通常は約1OOms)。
【0026】
本発明による方法及びシステムの基礎となる考えは、UWBシステムの内部タイミングを利用して、ToFセンサの測定をトリガすることにある。
【0027】
本発明によるシステムの好ましい実施形態は、以下を含む。
・各タグ上に電気的トリガ出力を含み、かつタグが有効な絶対位置又は相対位置を計算するたびに、電気的トリガ出力パルスを出力するようにさらに構成されているUWBシステム。好ましくは、従来のUWBシステムにおけるファームウェアの変更によって構成を実現することができる。
・例えばロボットのようなタグとセンサの両方を有するエンティティ内におけるUWBタグとToFセンサ又はToFセンサハブとの間の電気的接続。
・電気的トリガ入力と、内部トリガを受信して処理するように適合されたファームウェアとを備えるToFセンサ又はToFセンサハブ。
【0028】
TDMA原理によれば、システム内のすべてのタグからのすべてのトリガパルスは、最小の時間間隔で連続的に発生し、それにより、付加されたそれぞれのシステムが、他のシステムとのクロストークを起こすおそれなく、ToF測定を終了させることができる時間を残す。好ましくは、当該最小の時間は、ToFシステムのアクティブフェーズの長さ以上である。
【0029】
本発明によるシステムの例示的な実施形態を概略的に示す図2を参照すると、本システムは、2つの主なサブシステムを含む。第1の主なサブシステムは、集積アクティブセンサ3をそれぞれ有する自律ロボット(2、3)を備える。第2の主なサブシステムは、UWBトランシーバ又は「タグ」2及びUWBアンカー1を含む。 UWBアンカー1は空間内に固定されており、自律ロボット(2、3)は空間内を移動し、衝突防止及びナビゲーションの目的でアクティブセンサ3を使用することができる。
【0030】
図3は、本発明による干渉防止動作を可能にするよう構成されている、本発明の好ましい実施形態による自律ロボットの内部構成を示す。当該内部構成は、ロボット制御システム4aへの接続3bを有するアクティブセンサ3aを含む。接続3bは、ナビゲーション及び衝突防止機能を可能にするために、センサデータを制御システム4aに送る。また、UWBタグ2aも、ロボット制御システム4aに位置情報を転送するためのその受信アンテナ2b及びデータ接続2cとともに、システムの一部である。本発明のシステムは、UWBタグ2aとアクティブセンサ3aとの間のもう一つの直接接続2bをさらに含む。接続2bは、UWBタグ2aからアクティブセンサ3aに同期パルスを供給することにより、アクティブセンサ3aの範囲内で動作するロボットが複数ある場合に、アクティブセンサ同士が干渉せずに動作できるようにする。
【0031】
図4はシステムのタイミング図を示す。ライン1は、UWBアンカーとタグ(どちらも図4には示されていない)との間のTDMA通信である。ライン1の各パルスは、アンカーと(通常、自律ロボット上の)1つのタグとの間のナビゲーションメッセージを示す。システム(図4には示されていない)は、常に1つのタグのみが順次通信するように管理される。すべてのタグの通信が終了すると、システムは最初から動作を繰り返す。ライン2及び3は、自律ロボットに埋め込まれたUWBタグの出力パルスを示す。これらの出力パルスは、TDMAパルスから導出され、図3に示す接続2bを介して、同じく図3に示すアクティブセンサ3aに送信される。次に、これらのパルスはアクティブセンサの測定を開始させ、そのアクティブセンシングフェーズがライン4及び5に示されている。2つのTDMAパルス間の時間が、アクティブセンサのアクティブセンシング時間に固有のシステム遅延(パルス選択及び送信)を加えた時間より長い場合、比較的長い時間でもアクティブセンサの干渉は生じない。
【0032】
より一般的には、本発明は、ToF原理に基づく3Dカメラ及びその他のアクティブセンサを含む、センサとしてのToFの使用に限定されない。代わりに、超音波測距に基づく測距センサや衝突防止センサなど、測定時にクロストークが生じる可能性のある他のセンサを使用することもできる。また、様々な種類のセンサを一緒に使用することができる可能性もあり、異なる種類のセンサ間でクロストークが発生してもしなくてもよい。
【0033】
さらに、本発明は、UWBシステムを利用することに限定されない。より一般的には、時分割多元接続通信システムが、対応するタグを複数のエンティティのそれぞれに帰属させ、タグが、UWBタグ及びToFを使用する実施形態について説明したのと同じように動作するよう適合され得るかぎり、様々なセンサのうちの1つを有する当該複数のエンティティによって共通に使用されるTDMAシステムであれば、本発明を実施するのに適している。
【0034】
次に図5を参照する。図5は、時分割多元接続(TDMA)通信システムと共に使用される1つ以上の空間センサのための空間センサ同期化方法の一例をフローチャートによって示す。図5は、以下のステップを示す。
ボックス51:前記1つ以上の空間センサをTDMAシステムに接続する。
ボックス52:前記1つ以上の空間センサが、TDMAシステム内でTDMAデバイスをアドレッシングした後、TDMAデバイスの出力信号からタイミング信号を抽出する。
ボックス53:前記1つ以上の空間センサが前記タイミング信号に対してアライニングされる。
ボックス54: 前記タイミング信号を、測定のための前記1つ以上の空間センサから1つ又は一連の空間センサをトリガするトリガ信号として使用する。
矢印55:ボックス51のステップから、この方法を繰り返す。
【0035】
好ましい実施形態では、ボックス53のステップ、つまり、前記1つ以上の空間センサが前記タイミング信号に対してアライニングされるステップにおいて、「アライニング」の動作は同期として理解されうる。このステップにおいて、センサはタイミング信号が到着するのを「待つ」。さらに好ましい実施形態では、「アライニング」の動作は、センサの内部クロックがタイミング信号と同期され、センサが測定前に所定の時間待機することを意味する。
【0036】
さらに好ましい実施形態では、ボックス52のステップの前に、さらに別のステップがあり、そのステップでは、前記タイミング信号は、前記1つ以上の空間センサのそれぞれのトリガ入力に対して正しい電気特性を提供するよう、TDMAデバイスによって整形され送信される。
【0037】
さらに好ましい実施形態では、ボックス54の「前記タイミング信号を使用する」ステップは、前記1つ以上の空間センサをデイジーチェーンでつなぐことを含み、各空間センサは、前記トリガ信号を受信し、遅延させ、再送信し、各空間センサは、測定によりクロストークが生じないように遅延する。このことは、例えば、図4のタイミング図により説明される。
【0038】
さらに好ましい実施形態では、ボックス54の「前記タイミング信号を使用する」ステップは、空間センサのスタートポロジ内に前記1つ以上の空間センサを設けるステップを含み、各空間センサは同時に前記トリガ信号を受信し、各空間センサは、測定によりクロストークが生じないよう、選択された異なる時間だけ測定の開始を遅延させる。
【0039】
さらに好ましい実施形態では、ボックス54の「前記タイミング信号を使用する」ステップは、センサハブ内の前記1つ以上の空間センサに、それに接続された前記1つ以上の空間センサを提供することを含む。センサハブは、測定によりクロストークが生じないような方法で、前記1つ以上の空間センサの測定シーケンスを決定するステップを実施するように構成されている。さらに好ましい実施形態では、センサハブは、前記1つ以上の空間センサの幾何学的構成に応じて測定速度を最適化するステップを実施するようにさらに構成されている。
【参考文献】
【0040】
PMC4883398
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC4883398/

マルチラテレーション
https://en.wikipedia.org/wiki/Multilateration

時分割多元接続
https://en.wikipedia.org/wiki/Time-division_multiple_access
図1
図2
図3
図4
図5
【国際調査報告】