(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-04-01
(54)【発明の名称】防水通気性フットウェア
(51)【国際特許分類】
A43B 1/028 20220101AFI20220325BHJP
A43B 7/12 20060101ALI20220325BHJP
【FI】
A43B1/028
A43B7/12
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021544357
(86)(22)【出願日】2020-01-31
(85)【翻訳文提出日】2021-07-29
(86)【国際出願番号】 EP2020052517
(87)【国際公開番号】W WO2020157323
(87)【国際公開日】2020-08-06
(31)【優先権主張番号】202019000000383
(32)【優先日】2019-02-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】IT
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】391018178
【氏名又は名称】ダブリュ.エル.ゴア アンド アソシエーツ,ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング
【氏名又は名称原語表記】W.L. GORE & ASSOCIATES, GESELLSCHAFT MIT BESCHRANKTER HAFTUNG
(71)【出願人】
【識別番号】510326809
【氏名又は名称】ダブリュ.エル.ゴア アンド アソチアティ ソチエタ レスポンサビリタ リミテ
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100128495
【氏名又は名称】出野 知
(74)【代理人】
【識別番号】100208225
【氏名又は名称】青木 修二郎
(74)【代理人】
【識別番号】100144417
【氏名又は名称】堂垣 泰雄
(72)【発明者】
【氏名】スタネ ナベルニク
(72)【発明者】
【氏名】マルティン プフィスター
(72)【発明者】
【氏名】ケルスティン シラー
(72)【発明者】
【氏名】ニコトラ マルコ
(72)【発明者】
【氏名】アンドレーア ジュッポーニ
【テーマコード(参考)】
4F050
【Fターム(参考)】
4F050AA01
4F050BC43
4F050CA10
4F050HA20
4F050HA56
4F050HA79
4F050LA01
(57)【要約】
フットウェア物品(15)がアッパー集成体(1)とソール集成体とを含み、アッパー集成体(1)がモノフィラメント層(3)と、機能層(4,8,12)と、ポリマーグリッド(2)とを含み、モノフィラメント層が80g/m2未満のテキスタイル質量と、1mm未満の厚さとを有しており、モノフィラメント層(3)の一表面が機能層(4,8,12)に積層されており、ポリマーグリッド(2)がモノフィラメント層(3)の機能層(4,8,12)とは反対側の表面上に配置されている。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
アッパー集成体とソール集成体とを含むフットウェア物品であって、
該アッパー集成体はモノフィラメント層と、機能層と、ポリマーグリッドとを含み、
該モノフィラメント層は80g/m
2未満のテキスタイル質量と、1mm未満の厚さとを有しており、
該モノフィラメント層の一表面は該機能層に積層されており、かつ
該モノフィラメント層の該機能層とは反対側の表面上にポリマーグリッドが配置されている、フットウェア物品。
【請求項2】
前記モノフィラメント層が単一層である、請求項1に記載のフットウェア物品。
【請求項3】
前記ポリマーグリッドがポリウレタンを含む、請求項1又は2に記載のフットウェア物品。
【請求項4】
前記ポリウレタンが熱可塑性ポリウレタンである、請求項3に記載のフットウェア物品。
【請求項5】
前記ポリマーグリッドが、前記アッパー集成体の継ぎ目及び/又は切断縁を跨ぐように構成されている、請求項1~4のいずれか1項に記載のフットウェア物品。
【請求項6】
ヒール部分内で前記アッパー集成体を閉じる継ぎ目が、前記アッパー集成体の前記フットウェア物品の外側に向いた表面上に配置されている、請求項1~5のいずれか1項に記載のフットウェア物品。
【請求項7】
前記アッパー集成体の前記フットウェア物品の内側に向いた表面上に、二層もしくは三層ライナー積層体、又は三層もしくは四層ブーティ積層体が配置されている、請求項1~6のいずれか1項に記載のフットウェア物品。
【請求項8】
前記アッパー集成体がさらに、前記機能層の、前記モノフィラメント層に取り付けられた表面とは反対側の表面に取り付けられた強化層を含む、請求項1~7のいずれか1項に記載のフットウェア物品。
【請求項9】
前記二層もしくは三層ライナー積層体、又は前記三層もしくは四層ブーティ積層体が、前記アッパー集成体の前記強化層に付着させられている、請求項8に記載のフットウェア物品。
【請求項10】
さらに、前記アッパー集成体と前記ソール集成体との間に防水シールを含む、請求項1~9のいずれか1項に記載のフットウェア物品。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はフットウェア物品に関し、より具体的には防水且つ通気性のフットウェア物品に関する。
【背景技術】
【0002】
防水フットウェア物品は、作業環境内で、又はレジャーのために多種多様な目的で使用されている。このようなフットウェア物品は、水、泥、及び雪のような要素からの保護をもたらす一方、耐久性をも提供する。着用者は、水蒸気がフットウェア物品を通って外部へ透過するのを可能にすることにより快適さを保つ。典型的には、フットウェア物品を防水且つ通気性にするためにメンブレンが使用される。メンブレンは、機械的損傷からメンブレンを保護するためにテキスタイル層によって覆われている。警察、軍隊、又は消防の業務を目的とするような保護フットウェアを必要とする作業環境において使用されるフットウェアのためには、耐久性及び足保護力が高められることが特に望ましい。機械的損傷に対して保護するためにフットウェア物品の外側に付加的な材料層を加えると、通気性が低減され、その結果、足が過熱し、フットウェア内に湿分が形成され、次いで冷気が導かれるという問題が生じ得る。
【0003】
米国特許出願公開第2013/000851号明細書には、アウトソール、三部分ブーティ、トゥキャップ、ヒールキャップ、中央フロントパネル、インステップパネル及びリアパネルを含む防水通気性ブーツが開示されている。トゥキャップ、ヒールキャップ、及びパネルは、防水弾性材料、例えばゴム、又はネオプレンから形成されている。しかしながら、米国特許出願公開第2013/000851号明細書のブーツは、機械的損傷に対して保護されていない大きな部材を表面上にまだ含んでいる。
【0004】
したがって、通気性且つ防水であるとともに、耐久性及び快適さをも有するフットウェアが必要である。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の第1態様によれば、アッパー集成体とソール集成体とを含むフットウェア物品であって、該アッパー集成体はモノフィラメント層と、機能層と、ポリマーグリッドとを含み、該モノフィラメント層は80g/m2未満のテキスタイル質量と、1mm未満の厚さとを有しており、該モノフィラメント層の一表面は該機能層に積層されており、かつ、該モノフィラメント層の該機能層とは反対側の表面上にポリマーグリッドが配置されている、フットウェア物品が提供される。
【0006】
実施態様では、モノフィラメント層は単一層である。
【0007】
ポリマーグリッドはポリウレタンを含んでよく、そして任意にはポリウレタンは熱可塑性ポリウレタンである。
【0008】
ポリマーグリッドはフットウェア物品の最も外側の表面を形成する。ポリマーグリッドは、アッパー集成体の継ぎ目及び/又は切断縁の一部又は全部を跨ぐように構成されていてよい。
【0009】
フットウェア物品の集成前には、アッパー集成体は完全に開いており、平面に広げることができる。
【0010】
ヒール部分においてアッパー集成体を閉じる継ぎ目は、アッパー集成体の、フットウェア物品の外側に向いた表面上に配置されていてよい。
【0011】
アッパー集成体の、フットウェア物品の内側に向いた表面上に、三層もしくは四層ブーティ積層体、又は二層もしくは三層ライナー積層体が取り付けられていてよい。
【0012】
ヒール部分においてアッパー集成体を閉じる継ぎ目は、アッパー集成体の、フットウェア物品の外側に向いた表面上に配置されていてよい。あるいは、ヒール部分においてアッパー集成体を閉じる継ぎ目は、アッパー集成体の、フットウェア物品の内側に向いた表面上に配置されていてもよい。
【0013】
前記アッパー集成体の、フットウェア物品の内側に向いた表面上に、二層もしくは三層ライナー積層体又は三層もしくは四層ブーティ積層体が配置されていてよい。
【0014】
アッパー集成体はさらに、機能層の、モノフィラメント層に取り付けられた表面とは反対側の表面に取り付けられた強化層を含んでよい。強化層もモノフィラメントを含んでよく又はモノフィラメントから成っていてよい。
【0015】
二層もしくは三層ライナー積層体、又は三層もしくは四層ブーティ積層体はアッパー集成体の強化層に付着させられていてよい。
【0016】
二層もしくは三層ライナー積層体、又は三層もしくは四層ブーティ積層体はアッパー集成体の機能層に付着させられていてよい。
【0017】
足がフットウェア物品内へ挿入される、アッパー集成体の上部の周りで、アッパー集成体の機能層にライニング、例えばテキスタイル、テキスタイルメッシュ、布地、不織布、織布、又はニットを取り付けることができる。
【0018】
フットウェア物品はさらに、アッパー集成体とソール集成体との間に防水シールを含んでよい。
【0019】
図面を参照しながら、本発明の実施態様をより具体的に以下に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【
図2】
図2は、三層ブーティ積層体の層を示す図である。
【
図3】
図3は、アッパー集成体に取り付けるための接着剤を含む三層ライナー積層体の層を示す図である。
【
図4】
図4は、本発明によるフットウェア物品を示す図である。
【
図5】
図5は、本発明によるフットウェア物品を示す断面図である。
【
図6】
図6は、本発明によるフットウェア物品を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
本発明の種々の実施態様の形成及び使用を以下に詳述するが、言うまでもなく、本発明は多種多様な具体的な文脈で具体化し得る数多くの応用可能な発明概念を提供する。本明細書中に論じられる具体的な実施態様は、本発明を形成し使用する具体的な方法を例示したに過ぎず、本発明の範囲を限定するものではない。
【0022】
本発明の理解を容易にするために、数多くの用語を以下に定義する。ここで定義された用語は、本発明に関連する分野の当業者によって共通して理解される意味を有する。「a」、「an」及び「the」のような用語は、単数形だけを意味するように意図されるのではなく、説明のために使用し得る具体例を有する全般的な集合を含んでいる。本明細書中の専門用語は、本発明の具体的な実施態様を記述するために使用されるが、これらの使用は、請求項における概説を除いて、本発明を限定するものではない。
【0023】
フットウェア又はフットウェア物品という用語は、足のための外側カバー、例えば靴、ブーツ、サンダル、運動靴、スニーカー及びこれに類するものを意味する。本発明のフットウェア物品はアッパー集成体及びソール集成体を含む。
【0024】
アッパー集成体はモノフィラメント層と、機能層と、ポリマーグリッドとを含み、モノフィラメント層は80g/m2未満のテキスタイル質量と、1mm未満の厚さとを有しており、モノフィラメント層の一表面は機能層に積層されており、モノフィラメント層の機能層とは反対側の表面上にポリマーグリッドが配置されている。
【0025】
モノフィラメント層
モノフィラメントという用語は、単一のポリマーストランドを意味する。少なくとも1種のポリマーを、任意に少なくとも1種の添加剤を添加して混合し、次いで溶融する。溶融されたポリマー混合物又はポリマー/添加剤混合物は、ストランドを形成する穴を通して押し出される。
【0026】
モノフィラメントは均質な構造を有し、湿分、例えば水蒸気及び/又は液体水、及び/又はその他任意の液体を、モノフィラメントによって分子規模でのみ、すなわちモノフィラメント材料の分子構造中に分子を取り込むことによって、吸収することができる。
【0027】
モノフィラメントの吸水率は、DIN EN 29685(1991)に記載された「ブンデスマン試験(Bundesmann test)」によれば40%未満であってよい。さらなる実施態様では、モノフィラメントの吸水率は、DIN EN 29685(1991)によれば30%未満、25%未満であってよい。いくつかの実施態様では、モノフィラメントの吸水率は、DIN EN 29685(1991)によれば20%~35%であってよい。
【0028】
本明細書中に使用される吸水率は、機能層(下記のようなePTFE機能層)とモノフィラメント層とから形成された積層体を使用して測定した、モノフィラメントの吸水率を意味する。このような積層体において、機能層はモノフィラメント層のための担体として役立つ。吸水率はDIN EN 29685(1991)に詳細に記載された試験設定において、モノフィラメント層の側で測定される。
【0029】
モノフィラメント層は、ループ、メッシュ、及び/又は横糸と縦糸との間の間隙を形成するために互いに交錯されたモノフィラメントから形成されたニット及び/又は製織形態を有している。こうして、モノフィラメント層はモノフィラメント間に多数の間隙を含む。また、モノフィラメント層内に形成された間隙は比較的大きく、ひいては顕著な毛管機能をもたらすことはない。むしろ、湿分は、モノフィラメント層によって形成された間隙を通って機能層へ向かって輸送される。
【0030】
モノフィラメント層は編地であってよい。本明細書中に使用される「編地(knit fabric)」という用語は、少なくとも1つの糸、スレッド、又はモノフィラメントがループステッチと呼ばれる連続的なループ列にさせられた形態を有する任意の布地又はテキスタイルを意味する。各列が進行するのに伴って、新しいループが既存のループに引き通される。アクティブなループステッチは、別のループがこれらを通過できるようになるまで針上に保持される。
【0031】
布地を編む過程では、糸又はモノフィラメントのループを噛み合わせることにより布地が形成される。糸又はモノフィラメントの各スレッドはコースと呼ばれる蛇行経路に追従し、ひいてはスレッドの蛇行経路に対して対称的にループを形成する。1つのループが別のループに引き通されると、ループステッチが形成される。ループステッチは水平方向(横編み)又は鉛直方向(縦編み)で形成することができる。各ステッチが次のステッチから吊り下げられた一連のループステッチはウェールと呼ばれる。
【0032】
横編みは、ループが単一糸又はモノフィラメントから水平方向に形成された布地を形成する方法であり、ループの噛み合いは横方向で行われる。すなわちウェールは、糸又はモノフィラメントのコースに対して垂直である。横編みは、1つの糸又はモノフィラメントだけを使用した、又は複数の糸又はモノフィラメントを使用したニットであってよい。
【0033】
縦編みは、ループが各縦糸又は縦モノフィラメントから布地の長さに沿って鉛直方向に形成される布地形成方法であり、ループの噛み合いは長さ方向で行われる。縦編みの場合、ウェールとコースとは平行に延びる。各ウェールには1つの糸又はモノフィラメントが必要とされ、ひいては糸又はモノフィラメントの多数の端部が、横方向に置かれた個々の針に同時に供給される。
【0034】
本明細書中に使用されるニット又は編地はまた、モノフィラメントが結び目によって結合された網と、モノフィラメントの交錯されたストランドから成るブレイドとを含む。
【0035】
モノフィラメント層は軽量であってよい。モノフィラメント層のテキスタイル質量は80g/m2未満であってよい。モノフィラメント層のテキスタイル質量は70g/m2未満、又は60g/m2未満であってよい。いくつかの実施態様では、モノフィラメント層のテキスタイル質量は40g/m2~70g/m2であってよい。
【0036】
モノフィラメント層は単一層、例えば単一の布地層であってよい。モノフィラメント層の厚さは1mm未満である。任意には、モノフィラメント層の厚さは0.9mm未満又は0.7mm未満である。
【0037】
実施態様では、モノフィラメント層は、耐久撥水性(DWR)であるようには処理されていない。
【0038】
機能層
「機能層」という用語は、防水且つ水蒸気透過性のメンブレンである材料を意味する。
【0039】
DIN EN 343 (2010)に定められた要件を満たすときに、すなわち、EN 20 811 (1992)に基づく液体静力学的水圧に対する耐液体水抵抗試験が8000 Pa以上の耐水性Wpをもたらすときに、機能層又は機能層を含む積層体は防水性を有すると考えられる。
【0040】
機能層又は機能層を含む積層体の水蒸気透過性は、「カップテスト(Cup Test)」としても知られるEN ISO 15496において試験され定義される。機能層又は機能層を含む積層体の20cm×20cm又は円形Φ100mmの試料を、水を含有する容器上に置き、水蒸気透過性且つ防水のメンブレンで覆う。次いで、酢酸カリウムを含有する、同じメンブレンによって覆われたカップを試料上に置く。水蒸気が機能層又は機能層を含む積層体を通過してカップ内に入る。次いでカップの重量増加を割り出す。水蒸気透過率が0.01g/(Pa m2h)以上であるならば、機能層又は機能層を含む積層体は水蒸気透過性又は通気性であると考えられる。所要のサイズの試料を得ることができない場合には、基準において定められた酢酸カリウムの半量、すなわち100gの代わりに50gを15.6gの水と混合した状態で含有するより小さなカップを使用して、より小さな試料を測定のために使用してよい。水蒸気透過性及び通気性という用語は本明細書では互いに置き換え可能に使用される。
【0041】
一実施態様によれば、機能層は延伸ポリテトラフルオロエチレン(ePTFE)、ポリウレタン(PU)、ポリエステル(PES)、及びコポリエーテルエステル、ポリエーテル、ポリアミド(PA)、コポリエーテルアミド及びポリアクリレート、その他の適当な熱可塑性フィルム及びエラストマーフィルムのうちの少なくとも1種を含む。機能層は、フルオロポリマーから形成されていてよく、具体的には微孔質延伸ポリテトラフルオロエチレン(ePTFE)から形成されていてよい。
【0042】
微孔質ポリテトラフルオロエチレン機能層は、米国特許第3,953,566号明細書及び米国特許第4,187,390号明細書に教示された延伸ポリテトラフルオロエチレンから成るメンブレンである。このような延伸ポリテトラフルオロエチレンメンブレンは、GORE-TEX(登録商標)ファブリックの商品名でW. L. Gore and Associatesから商業的に入手可能な布地において存在する。水蒸気透過性且つ防水のメンブレンは、メリーランド州Elkton在W.L. Gore and Associatesに譲渡された米国特許第4,194,041号明細書及び米国特許第4,942,214号明細書の教示内容に実質的にしたがって形成された、ポリウレタン被覆型の微孔質延伸ポリテトラフルオロエチレンメンブレンから構成されていてよい。
【0043】
ポリマーグリッド
アッパー集成体の、フットウェア物品の外側に向いた表面上にはポリマーグリッドが配置されており、ポリマーグリッドは、モノフィラメント層の表面に付着させられている。ポリマーグリッドのポリマーは、ポリウレタン、ポリアミド、ポリエチレン、又はこれらの任意の混合物から選択されてよい。ポリマーグリッドはポリウレタンを含んでよい。実施態様では、ポリウレタンは熱可塑性ポリウレタン(TPU)である。TPUは、ジイソシアネートと短鎖及び長鎖ジオールとの反応によって形成された硬質及び軟質のセグメント又はドメインの交互の配列から成るブロックコポリマーである。
【0044】
ポリマーグリッドはモノフィラメント層に被さるように射出されるか、あるいはモノフィラメント層上に注入されるか、あるいは任意の他の高分子技術を用いてモノフィラメント層上に被着されてよい。あるいは、ポリマーグリッドはモノフィラメント層上に高周波溶接又は超音波溶接されるか、又は熱プレスされてよい。ポリマーグリッドは、例えば繰り返しの形状を有する規則的な幾何学パターンを有していてよい。ポリマーグリッドはランダムなパターンを有していてもよい。
【0045】
ポリマーグリッドは、ポリマーの真直ぐなストライプ、ポリマーの湾曲したストライプ、ポリマーの交差したストライプ、ポリマーの平行なストライプ、又はこれらの任意の組み合わせを含んでよい。ポリマーのストライプの幅は0.5mm~3mm未満であってよい。ポリマーのストライプは、正方形、三角形、五角形、六角形、又はその他の多角形、円形、楕円形、又はこれらの組み合わせのような輪郭形状を描いてよい。ポリマーグリッドはポリマーのベルトを含んでよい。このようなポリマーベルトの幅は3mm~4cmであってよい。ポリマーベルトは幅及び長さが種々異なっていてよく、また真直ぐであっても曲げられていてもよい。フットウェア物品のポリマーグリッドは上記のものの任意の組み合わせを含んでよい。
【0046】
ポリマーグリッドはフットウェア物品の外面を提供することができる。ポリマーグリッドは、アッパー集成体の継ぎ目及び/又は切断縁を跨ぐように構成されていてよい。「跨ぐ(straddle)」という用語は、ポリマーグリッドが継ぎ目を横切って延び、ひいては継ぎ目を介して結合された両面に付着することを記述するために使用される。
【0047】
アッパー集成体は、カットすることによりフットウェアのアッパーの形状にさせられていてよい。ポリマーグリッドはさらに、舌革がフットウェアのアッパー集成体に取り付けられている場所の継ぎ目を跨ぐように構成されていてもよい。
【0048】
強化層
アッパー集成体は、任意的に、機能層のモノフィラメント層とは反対側の表面に結合された強化層を含んでよい。
【0049】
強化層はテキスタイル層であってよい。強化層はフィラメント、例えばモノフィラメント、又は繊維、又はこれらの任意の混合物を含んでよい。繊維は天然繊維、合成繊維、及びこれらの任意の混合物を含む。天然繊維は、セルロース系、例えば綿、麻又はリネン、動物性繊維、例えば絹、アンゴラ、羊毛、アルパカ、カシミア、モヘア、及びこれらの任意の組み合わせを含む。
【0050】
合成繊維は、アクリルポリマー、ポリエステル、ポリオレフィン、ポリウレタン、及びこれらの任意の組み合わせを基材とする繊維を含む。
【0051】
強化層は上記のような編地、織布、又は不織布であってよい。
【0052】
織布は製織によって形成された布地を意味する。製織は縦糸と横糸とを交錯させることによる布地形成プロセスである。縦糸及び横糸の両方は本質的に真直ぐであり、縦方向(縦糸)又は横方向(横糸)で互いに平行である。織布は、スレッドが弾性でない限りバイアス方向(縦糸方向と横糸方向との間)で対角線方向にだけ伸長する。
【0053】
不織布は、織られても編まれてもいない布地様材料、例えばフェルトを意味する。不織布は、化学処理、機械処理、熱処理、又は溶剤処理によって互いに結合された繊維から形成されている。
【0054】
強化層は耐久撥水性(DWR)であってよい。DWRは、疎水剤を布地に塗布、浸漬又は噴霧することにより、布地を耐水性又は疎水性にする処理である。布地が水で飽和されるようになるのを防止すると、機能層の通気性の低下が回避される。
【0055】
モノフィラメント層及び/又は強化層の、機能層に対する結合は、熱接着グルーによって達成することができる。接着剤、例えばポリウレタン(PU)系接着剤の粉末が機能層の表面上に分配されてよい。あるいは、接着剤がホットメルトタイプである場合、直径が0.1~2.0mmであり密度が50~600ドット/cm2である接着剤ドットを機能層の表面に被着してもよい。熱接着グルーは、取り付けられるべき表面上に噴霧されてよい。熱接着グルーは、任意の規則的又は不規則的なパターンで、取り付けられるべき表面に被着されてよい。
【0056】
接着剤の融点を上回る温度まで相異なる成分を加熱すると、相異なる層が結合されることにより、積層体が形成される。典型的には、5~20秒間にわたる100~150℃の温度及び圧力付与の結果、蒸気透過性防水積層体がもたらされる。
【0057】
ポリマーグリッドは、上述のようにモノフィラメント層に取り付けられている。
【0058】
図1は、ポリマーグリッド(2)と、モノフィラメント層(3)と、機能層(4)とを含むアッパー集成体(1)の材料構造を示している。
図1の実施態様はさらに強化層(5)を含む。
【0059】
アッパー集成体がフットウェア物品のアッパーの3D形状を集成するために閉じられるときには、開いたヒール領域を縫合継ぎ目によって閉じることができ、この縫合継ぎ目は次いでシールされる。
【0060】
シーリングはシーリングテープを用いて行うことができる。シーリングテープは、3D印刷、溶接、又は接着によって、継ぎ目の上方に取り付けられる。継ぎ目は、フットウェア物品の外側に向くことになる表面上で、又はフットウェア物品の内側に向くことになる表面上でシールすることができる。継ぎ目がフットウェア物品の内側に向いた表面上でシールされ、且つ強化層が存在する場合には、強化層は、継ぎ目のシーリング後に、集成体がすでに3D形態を成している状態で付加される必要がある。継ぎ目がフットウェア物品の外側に面した表面上にある場合には、ポリマーグリッドは継ぎ目を跨ぐように構成されてよい。
【0061】
継ぎ目シーリングテープとして特に好適なのは、GORE-SEAM(登録商標)の商品名でW. L. Gore Associates GmbHから入手可能な防水接着テープである。GORE-SEAM(登録商標)は、防水蒸気透過性の機能層及びテキスタイル層を有する二プライ積層体であって、融点約130℃のポリウレタン接着剤の形態を成す連続的な接着層を機能層側に備えている。継ぎ目シーリングテープとしては、切断してベルト形状にされた二プライ積層体を使用することができる。薄い、機械的に強いテキスタイル層をライニング層の代わりに提供する。このような継ぎ目シーリングテープは種々の幅で入手可能であり、22mm幅が好ましい。
【0062】
アッパー集成体は舌革を含んでよい。舌革は、アッパーを形成しているものと同じモノフィラメント層及び機能層の材料から成るストリップであってよい。このストリップは、アッパー集成体の締め付け領域に、例えばアッパー集成体材料上での縫合によって又はアッパー集成体材料との一体部分として配置されている。この代わりに又はこれに加えて、舌革は、防水且つ通気性の層を含む弾性積層体から形成されてもよい。弾性積層体はポリウレタン被覆型のエラストマーモノフィラメントを含んでよい。ポリマーグリッドは、アッパー集成体と舌革との間のシールを跨ぐように、又は舌革をアッパー集成体に取り付けるように構成されていてよい。あるいは、舌革継ぎ目は、例えば上記継ぎ目シーリングテープを被着することによって、又は切り取られた熱可塑性ポリウレタン(TPU)フィルムを、アッパー集成体の、フットウェア物品の内側に向いた表面上に被着することにより、シールすることもできる。
【0063】
ポリマーグリッド内へは紐が一体的に組み込まれてよい。任意には、ポリマーグリッドは紐をくぐらせるためのアイレットを提供する。
【0064】
フットウェア物品のカラー(collar)領域は、舌革と同じ材料又は異なる積層体を含んでよい。カラー領域は舌革に関して開示されたような弾性積層体を含むことが好ましい。
【0065】
実施態様では、上記アッパー集成体の内側には、三層又は四層ブーティ積層体を配置することができる。三層ブーティ積層体は2つのテキスタイル層間にサンドイッチされた機能層を含んでよい。四層ブーティ積層体はさらに、フットウェア物品の内側に向いたテキスタイル層の表面上にさらなるテキスタイル層を含む。
【0066】
機能層は、アッパー集成体に関連して上述した機能層から選択されてよい。三層ブーティ積層体の2つのテキスタイル層又は四層ブーティ積層体の3つのテキスタイル層は独立して、強化層に関連して上述した編地、織布及び不織布から選択されてよい。テキスタイル層は、全てアッパー集成体に関連して上述したような天然もしくは合成繊維又はモノフィラメントを含んでよい。実施態様では、三層又は四層ブーティ積層体の2つ又は3つのテキスタイル層は独立して、ポリアミド(PA)編地又はポリエステル(PES)編地から選択されてよい。フットウェア物品の内側に向いた四層ブーティ積層体のテキスタイル層は、親水性繊維及び/又は断熱繊維を含んでよい。
【0067】
三層又は四層ブーティ積層体の3つ又は4つの全てのテキスタイル層は、接着剤、例えばモノフィラメント層の結合に関連して上述したような熱接着グルーを使用して互いに付着させられてよい。
【0068】
三層又は四層ブーティ積層体は三次元的なブーティ、インサート、又はソックスとして形成されてよい。三層又は四層ブーティ積層体の三次元的ブーティは、少なくとも1つの継ぎ目を有してよく、あるいは三層又は四層ブーティ積層体の三次元的ブーティは、シームレスであってもよい。継ぎ目は上記のような継ぎ目テームによってシールされてよい。
【0069】
三層又は四層ブーティ積層体は、カラー領域においてアッパー集成体に取り付けられていてよい。
【0070】
実施態様では、カラー領域における取り付けは縫合継ぎ目である。加えて、三層又は四層ブーティ積層体は、例えば熱接着グルーを使用することによってアッパー集成体に選択的に結合されてもよい。接着剤は区別可能なエリア内、例えばトゥエリア及び/又はヒールエリア及び/又はソールエリア内に被着されてよい。接着剤は、モノフィラメント層の結合に関連して上述したように被着されてよい。
【0071】
図2は、2つのテキスタイル層(7)と(9)との間にサンドイッチされた機能層(8)を含む三層ブーティ積層体(6)を示している。
【0072】
別の実施態様では、アッパー集成体の内側には、機能層とテキスタイル層とを含む二層ライナー積層体が付着させられて、二層ライナー積層体のテキスタイル層がフットウェア物品の内側に向くようになっている。
【0073】
任意には、二層ライナー積層体の機能層のアッパー集成体に向いた表面に、さらなるテキスタイル層を付着させることにより三層ライナー積層体を形成してもよい。機能層はこの場合、三層ライナー積層体の2つのテキスタイル層間にサンドイッチされる。
【0074】
二層又は三層ライナー積層体の機能層は、アッパー集成体に関連して上述した機能層から選択されてよい。二層又は三層ライナー積層体のテキスタイル層は、編地、織布及び不織布から選択されてよい。
【0075】
実施態様では、フットウェア物品の内側に最も近いテキスタイル層は親水性布地を含む。これの代わりに又はこれに加えて、フットウェア物品の内側に最も近いテキスタイル層、好ましくは第2テキスタイル層が、繊維状断熱材料を含んでよい。
【0076】
二層又は三層ライナー積層体は、カラー領域においてアッパー集成体に取り付けられていてよい。
【0077】
実施態様では、カラー領域における取り付けは縫合継ぎ目である。加えて、二層又は三層ライナー積層体は、例えば熱接着グルーを使用することによって、アッパー集成体に結合されてもよい。熱接着グルーは、モノフィラメント層の結合に関連して開示されているように被着されてよい。
【0078】
図3は、テキスタイル層(11)と機能層(12)とさらなるテキスタイル層(13)とを含む三層ライナー積層体(10)を示している。三層積層体(10)は、熱接着グルー(14)を使用してアッパー集成体に積層されてよい。
【0079】
アッパー集成体とブーティ又はライナー積層体のいずれかを含むフットウェア物品のアッパーは、次いで、アッパー集成体並びにそれぞれのブーティ又はライナー積層体を集成体インソールに縫合又は接着することによって閉じられる。集成体インソールは任意の周知のインソール、例えばラスティングボード又はストロベルボードであってよい。アッパーを閉じた後、ソール集成体をこれと連携させる。ソール集成体は単一のブロックであってよい。単一のブロックはフットウェア物品のアッパーに接着剤によって取り付けられる。高い耐摩耗性及びソール安定性を得るために、使用される材料はゴム又はポリマー、例えばポリウレタン(PU)を含む。
【0080】
あるいは、ソール集成体はポリマー材料、例えばポリウレタン、熱可塑性ポリウレタン(TPU)、又はエチレンビニルアセテート(EVA)から形成され、フットウェア物品のアッパーの底部に被さるように射出されてもよい。
【0081】
図4は、アッパー集成体とソール集成体とを含むフットウェア物品(15)を開示している。アッパー集成体は、ポリマーの規則的な幾何形状(16)、ストライプ(17)及びベルト(18)を含むポリマーグリッドによって覆われている。紐(19)は、紐の締め付けのためのアイレット(20)を提供するポリマーグリッド内に組み込まれている。
【0082】
別の実施態様では、フットウェア物品は、フットウェア物品を防水且つ通気性にするために三層又は四層ブーティ積層体を含まない。アッパー集成体の構造は、アッパー集成体を通して水を輸送することができないため、ソール集成体が取り付けられると本出願のフットウェア物品が防水であることを可能にする。さらなるガスケット又は防水メンブレンは必要とされない。
【0083】
アッパー集成体を閉じ、例えばラスティング構造又はストロベル(Strobel)構造を成すソール集成体に、これを取り付けることができる。
【0084】
図5は、インソール(B)を有するフットウェア物品を開示している。インソールは、縫合によって、例えばストロベル技術によってアッパー集成体に取り付けられている(ストロベル構造)。継ぎ目(N)がインソール(B)をアッパー(S及びL)と結合する。
図5は、ポリマーグリッド(S)と、モノフィラメント層(T)と、機能層(M)と、強化層(F)とを含むアッパーを示している。アッパー集成体は、ポリマーグリッドと、モノフィラメント層と、機能層と、任意には支持層とを含む、本出願において開示されたアッパー集成体のうちのいずれかであってよい。インソールはストロベルボードであってよい。
【0085】
ソール集成体(K,O)は、予備成形されたアウタソールを接着することにより、又は射出成形により取り付けることができる。ソール集成体は単一ブロックであってよい。このブロックはフットウェア物品のアッパーに、接着剤又はソールセメントによって取り付けられる。高い耐摩耗性及びソール安定性を得るために、ソール集成体の単一ブロックのために使用される材料はゴム又はポリマー、例えばポリウレタン(PU)を含む。
【0086】
ソール集成体が射出成形によって提供される場合には、液体ソール材料がアッパー集成体の底部に被さるように射出される。ソール集成体はポリマー材料、例えばポリウレタン(PU)、熱可塑性ポリウレタン(TPU)、又はエチレンビニルアセテート(EVA)から形成されてよい。ソール集成体はアッパー集成体の底部に被さるように注入又は射出されてもよい。
【0087】
一例が
図6に示されたラスティング構造では、アッパー集成体がラストに被せられている。アッパー集成体は、
図6において層(3)として示されたポリマーグリッドを含み、そして複合層(2)として、本出願において全て前述したモノフィラメント層と、機能層と、任意には強化層とが示されている。本出願において開示されたいずれかのアッパー集成体をこのラスティング構造のために使用することができる。
【0088】
アッパー集成体の底部の開口は次いでインソール(1)によって閉じられる。インソールは、インソールのために典型的に使用される任意の材料から形成することができる。アッパー集成体はインソールの縁部の周りに被せられ、次いで防水接着剤(4)を使用してインソールに取り付けられる。実施態様では、インソールは防水である。防水接着剤は、ポリウレタン系反応性ホットメルト接着剤であることが好ましい。反応性ホットメルト接着剤は、完全に反応した状態で防水にされる接着剤である。防水接着剤は熱可塑性接着剤である。熱可塑性接着剤はポリエステル及び/又はポリアミドを含んでよい。
【0089】
ポリマーグリッド(3)はアッパー集成体の、インソール(1)の周りで折り曲げられひいてはインソール(1)の下に配置された部分内に存在してよい。実施態様では、モノフィラメント層、機能層、及び任意には強化層だけがインソールの周りに被せられ、ポリマーグリッドはソール集成体の外側のモノフィラメント層だけを覆うようになっていてよい。アッパーにはソール集成体が取り付けられている。
【0090】
ソール集成体は、予備成形されたアウタソールを接着することにより、又は射出成形により取り付けることができる。ソール集成体は単一ブロック(6)であってよい。このブロックはフットウェア物品のアッパーに、接着剤又はソールセメント(5)によって取り付けられる。この接着剤又はソールセメントはポリウレタン接着剤であってよい。好ましくは、接着剤又はソールセメントはホットメルト接着剤ではない。高い耐摩耗性及びソール安定性を得るために、ソール集成体の単一ブロックのために使用される材料はゴム又はポリマー、例えばポリウレタン(PU)を含む。
【0091】
実施態様では、ソール集成体がアッパー集成体に接着剤又はソールセメントによって取り付けられるときには、インソールと、ラストの周りに被せられたアッパー集成体部分とにガスケット(図示せず)が取り付けられてよい。このアッパー集成体部分において、ガスケットはアッパー集成体の、フットウェア物品の外側に向いた層に取り付けられることが好ましい。着用者の足の下に平らな表面を提供するために、ガスケットの下にボトム充填材が取り付けられてよい。ガスケットはインソールとソール集成体との間、又はインソールとボトム充填材との間にサンドイッチされる。
【0092】
ソール集成体が射出成形によって提供される場合には、液体ソール材料がアッパー集成体の底部に被さるように射出される。ソール集成体はポリマー材料、例えばポリウレタン(PU)、熱可塑性ポリウレタン(TPU)、又はエチレンビニルアセテート(EVA)から形成されてよい。アッパー集成体にソール集成体を取り付けることにより、フットウェア物品は防水式にシールされる。
【0093】
アッパー集成体構造はハイブリッド構造(図示せず)であってもよい。例えば、別個のライニングが使用される場合、このライニングは継ぎ目(N)によってインソール(B)に、ポリマーグリッド(S)、モノフィラメント層(T)、機能層(M)、及び任意には強化層(F)と一緒に結合されてよく、あるいは、ライニングだけを縫合する一方で、ポリマーグリッド(S)、モノフィラメント層(T)、機能層(M)、及び任意には強化層(F)又はこれらの部分は例えばラスティングにより、別個のインソールに、
図6の層(2)及び(3)のように取り付けることもできる。層(S),(T),(M)及び/又は(F)の部分とは、例えばフットウェア物品のトゥエリア又はヒールエリアだけを意味する。
【0094】
暖かさ又は快適さのために、アッパー集成体の内側にさらなるライニングが位置決めされていてよい。このライニングは縫い付けによりフットウェア物品のカラーにだけ取り付けることができる。あるいは、ライニングはフットウェア物品のカラーとインソールとに、アッパー集成体と一緒に縫い付けることにより取り付けることもできる。ラスティングされた構造の場合、ライニングはインソールの周りに、アッパー集成体と一緒に被せ、そしてアッパー集成体に縫い付けにより取り付けることができる。さらなる実施態様の場合、ライニングはアッパー集成体の内側に積層されてもよい。
【国際調査報告】