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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-04-01
(54)【発明の名称】太陽電池パネル
(51)【国際特許分類】
   H01L 31/048 20140101AFI20220325BHJP
   H01L 31/0216 20140101ALI20220325BHJP
【FI】
H01L31/04 560
H01L31/04 240
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021547475
(86)(22)【出願日】2020-02-13
(85)【翻訳文提出日】2021-08-26
(86)【国際出願番号】 KR2020002052
(87)【国際公開番号】W WO2020166999
(87)【国際公開日】2020-08-20
(31)【優先権主張番号】10-2019-0017830
(32)【優先日】2019-02-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】502032105
【氏名又は名称】エルジー エレクトロニクス インコーポレイティド
【氏名又は名称原語表記】LG ELECTRONICS INC.
【住所又は居所原語表記】128, Yeoui-daero, Yeongdeungpo-gu, 07336 Seoul,Republic of Korea
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【弁理士】
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100165191
【弁理士】
【氏名又は名称】河合 章
(74)【代理人】
【識別番号】100114018
【弁理士】
【氏名又は名称】南山 知広
(74)【代理人】
【識別番号】100159259
【弁理士】
【氏名又は名称】竹本 実
(72)【発明者】
【氏名】キム チョンイ
(72)【発明者】
【氏名】チェ チョンフン
(72)【発明者】
【氏名】キム チョンキョ
【テーマコード(参考)】
5F151
【Fターム(参考)】
5F151BA03
5F151HA03
5F151JA03
5F151JA25
(57)【要約】
【課題】優れた外観を有し、グレア現象を防止し、優れた出力を有することができる太陽電池パネルを提供する。
【解決手段】本発明の実施形態に係る太陽電池パネルは、第1ベース部材と、これに形成され酸化物セラミック組成物で構成される外観形成部、着色部、またはカバー部分を含む第1カバー部材またはガラス基板を含む。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
太陽電池と、
前記太陽電池を密封するシール材と、
前記シール材の上において、前記太陽電池の一面上に位置する第1カバー部材と、
前記シール材の上において、前記太陽電池の他面上に位置する第2カバー部材と、を含み、
前記第1カバー部材は、前記太陽電池と向き合う第1ベース部材と、
前記第1ベース部材に形成され酸化物セラミック組成物で構成される外観形成部114を含み、
前記外観形成部からの赤外線領域の光に対する前記外観形成部の平均光透過度である第1透過度が可視光線領域の光に対する前記外観形成部の平均光透過度である第2透過度と同じかそれよりもさらに大きい太陽電池パネル。
【請求項2】
第1項において、
前記外観形成部が非晶質状態のガラス構造を含む太陽電池パネル。
【請求項3】
第1項において、
前記外観形成部において前記第1透過度が前記第2透過度よりも大きい太陽電池パネル。
【請求項4】
第3項において、
前記外観形成部において前記第1透過度が前記第2透過度より2%以上さらに大きい太陽電池パネル。
【請求項5】
第1項において、
前記外観形成部において前記第1及び第2透過度、それぞれより紫外線領域の光に対する前記外観形成部の平均光透過度である第3透過度が小さい太陽電池パネル。
【請求項6】
第5項において、
前記外観形成部において前記第1透過度と前記第2透過度との間の第1の差が前記第2透過度と前記第3透過度との間の第2の差よりも大きい太陽電池パネル。
【請求項7】
第1項において、
前記外観形成部が気泡を備えて多孔性を有する太陽電池パネル。
【請求項8】
第1項において、
前記気泡は、0.1μm以上の大きさを有する太陽電池パネル。
【請求項9】
第1項において、
前記第1ベース部材は、外観形成部と向き合う第1表面と前記第1表面の反対面である第2表面を有し、
前記外観形成部は、前記第1ベース部材の第2表面上に存在しなく、
前記外観形成部が形成された部分で、前記第1ベース部材の前記第1表面と前記外観形成部境界の表面粗さが前記外観形成部が形成されていない前記第1ベース部材の他の部分の表面粗さよりも大きい太陽電池パネル。
【請求項10】
第1項において、
前記外観形成部の屈折率が前記第1ベース部材の屈折率又は前記シール材の屈折率よりも大きく、
前記外観形成部の厚さが1μm以上の太陽電池パネル。
【請求項11】
第1項において、
前記外観形成部が少なくとも前記第1ベース部材の一部に形成されるか、または、
前記外観形成部が1つとして認識される少なくともカバー領域の一部に形成される太陽電池パネル。
【請求項12】
第1項において、
前記第1カバー部材が強化ガラス基板または半強化ガラス基板を含む太陽電池パネル。
【請求項13】
第12項において、
前記外観形成部はセラミックフリットを主な物質として含み、
前記外観形成部は、前記セラミックフリットが、前記強化ガラス基板または半強化ガラス基板の内部に混合されて、前記強化ガラス基板または半強化ガラス基板の一部を構成する一体化された部分で構成される太陽電池パネル。
【請求項14】
第12項において、
前記第1カバー部材が表面圧縮応力が60MPa以下である、前記半強化ガラス基板を含む太陽電池パネル。
【請求項15】
第1項において、
前記第1カバー部材の一面に、前記外観形成部が形成され、前記第1カバー部材の他の一面に光拡散部が形成される太陽電池パネル。
【請求項16】
太陽電池と
前記太陽電池を密封するシール材と、
前記シール材の上において、前記太陽電池の一面上に位置する第1カバー部材と、
前記シール材の上において、前記太陽電池の他面上に位置する第2カバー部材と、を含み、
国際照明委員会(CIE)Lab色座標、D65標準光源で前記太陽電池と前記第2カバー部材の色差(△E ab)のレベルが11以下である太陽電池パネル。
【請求項17】
第1項において、
前記第2カバー部材は、ガラス基板で構成される第2ベース部材と、前記第2ベース部材の上に、少なくとも前記太陽電池が位置しない非有効領域に位置するカバー部分を含む太陽電池パネル。
【請求項18】
第17項において、
前記カバー部分が、複数のカバー層を含み、前記複数のカバー層のそれぞれは、酸化物セラミックスの組成物、誘電物質または絶縁物質の内、少なくとも一つで作成される太陽電池パネル。
【請求項19】
第17項において、
前記カバー部分が、前記太陽電池の光電変換部を構成するシリコンを含むシリコン層と、前記シリコン層の上に位置し、前記太陽電池の一面に位置する反射防止層と同一の物質及び積層構造を有する太陽電池パネル。
【請求項20】
第1項乃至第19項の内、いずれか一項において、
前記太陽電池パネルが、建物に一体化される建物一体型構造を有する太陽電池パネル。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、太陽電池パネルに関し、より詳細には、建物一体型構造を有する太陽電池パネルに関する。
【背景技術】
【0002】
化合物半導体は、シリコンやゲルマニウムのような単一元素ではなく、2種以上の元素が結合されて、半導体として動作する。このような化合物半導体は、現在、様々な種類が開発され、様々な分野で使用されている。
【0003】
この中で、一般的に、太陽電池パネルを建物に適用する場合には、屋上や屋根などに設置した。しかし、アパートや高層ビルなどでは屋上や屋根に設置することができる太陽電池パネルのサイズが限定されて太陽光を効率的に活用することが難しかった。これに最近では住宅、建物などの外壁などに設置されて、住宅、建物などと一体化される建物一体型構造を有する太陽電池パネルの研究が活発に行われている。建物一体型構造を有する太陽電池パネルを適用すると、建物の外壁の広い面積で光電変換が行われることができ、太陽光を効果的に使用することができる。
【0004】
ところで、建物の外壁に適用されるためには、建物一体型構造を有する太陽電池パネルが設置された後も優れた審美的特性を有するベキであるところ、建物一体型構造を有する太陽電池パネルの色を多様化したり、外観を向上することが要求される。しかし、既存の建物一体型構造を有する太陽電池パネルは、太陽電池、これに接続される配線などがそのまま外部でみられるか、または太陽電池の色である青系の色だけを有することができており、審美性、外観などを向上させるに困難があった。さらに、太陽電池パネルの長時間使用時に黄変が発生し、太陽電池パネルの外観が低下することがあった。また、建物一体型構造を有する太陽電池パネルが建物の外壁、特に垂直壁に設置されると、床面と垂直に設置されて建物一体型構造を有する太陽電池パネルの前面に位置するガラス基板によってグレア(glare:グレア)現象が発生することができた。
【0005】
これを防止するために、太陽電池パネルの前面に一定の厚さを超えて着色をすると、太陽電池パネルに入射される光の量が減少し、太陽電池パネルの出力が大きく低下した。他の例として、日本登録特許第3717369号のように着色フィルムを使用すれば、横から見たり明るい場合に着色フィルムによる色が異なるように認識されたり、他の部材とは別に認識されて審美性を低下させることができた。
【0006】
一方、建物一体型構造を有する太陽電池パネルにおいて後面に金属箔(foil)または樹脂で構成されるシートを使用すると、火災に脆弱するという問題があった。これに火災時の耐火性を高めるために、太陽電池パネルの後面にガラス基板を使用した。ところが、従来には、後面に位置するガラス基板を、別の処理なしでそのまま使用して、太陽電池、またはこれに接続される配線などが容易に認識されて建物一体型構造を有する太陽電池パネルの外観を向上するに限界があった。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、優れた外観を有し、グレア(glare)現象を防止することができ、優れた出力を有することができる太陽電池パネルを提供する。
【0008】
さらに具体的には、本発明は、前面ガラス基板を備える太陽電池パネルにおいて前面ガラス基板によって外観を向上し、グレア現象を防止することができ、優れた光透過度によって高出力を維持することができる太陽電池パネルを提供する。
【0009】
また、本発明は、後面ガラス基板を備える太陽電池パネルにおいて太陽電池などが認識されることを防止して外観を向上させることができる太陽電池パネルを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の一実施形態に係る太陽電池パネルは、第1ベース部材と、これに形成され酸化物セラミック組成物で構成される外観形成部、着色部、またはカバー部分を含む第1バー部材またはガラス基板を含む。外観形成部から赤外線領域の光の外観形成部の平均光透過度である第1透過度が可視光線領域の光の外観形成部の平均光透過度である第2透過度と同じかそれよりもさらに大きくなることができる。太陽電池パネルは、太陽電池と、太陽電池を密封する封止材と、第2カバー部材またはガラス基板をさらに含むことができる。このとき、第1カバー部材がシール材の上で太陽電池の一面上に位置することができ、第2カバー部材がシール材の上で太陽電池の他面の上に位置することができる。
【0011】
さらに具体的に、外観形成部の非晶質状態のガラス構造を有する酸化物セラミックスの組成物で構成されることができる。
【0012】
一例として、外観形成部で第1透過度が第2透過度より大きくなることができる。そして外観形成部で第1透過度が第2透過度より2%以上大きくなることができる。外観形成部で第1及び第2透過度それぞれより紫外線領域の光の外観形成部の平均光透過度である第3透過度がさらに小さいことができる。ここで、外観形成部で第1透過度と第2透過度との間の第1の差が第2透過度と第3透過度との間の第2差より大きくなることがある。
【0013】
外観形成部が気泡を備えて多孔性を有することができる。気泡は、0.1μm 以上の大きさを有することができます。そして外観形成部が形成された部分で、第1ベース部材と外観形成部の境界部分の表面粗さが外観形成部が形成されていない第1ベース部材の他の部分の表面粗さより大きくなることができる。
【0014】
外観形成部の屈折率が第1ベース部材またはシール材の屈折率より大きく、外観形成部の厚さが1μm 以上で有り得る。
【0015】
外観形成部が第1ベース部材の一部または全体に形成されることができる。または、外観形成部が1つとして認識されるカバー領域の一部または全体に形成されることができる。
【0016】
第1カバー部材、第1ベース部材、またはこれに含まれるガラス基板が強化または半強化ガラス基板を含むことができる。このとき、外観形成部はセラミックフリットを主な物質として含み、外観形成部はセラミックフリットが強化または半強化ガラス基板の内部に混合されて強化または半強化ガラス基板の一部を構成する一体化された部分で構成することができる。一例として、第1カバー部材が表面圧縮応力が60MPa以下である半強化ガラス基板を含むことができる。
【0017】
一方、本発明の他の実施形態に係る太陽電池パネルは、国際照明委員会(CIE)Lab色座標、D65標準光源で太陽電池と第2カバー部材の色差(△E * ab)のレベルが11以下で有り得る。例えば、第2カバー部材は、ガラス基板で構成される第2ベース部材と、第2ベース部材の上で、少なくとも太陽電池が位置しない非有効領域に位置するカバー部分を含むことができる。ここで、カバー部分が、酸化物セラミック組成物で構成されるか、それぞれの誘電物質または絶縁物質を含む複数のカバー層を含むことができる。一例として、カバー部分が、太陽電池の光電変換部を構成するシリコンを含むシリコン層と、シリコン層の上に位置し、太陽電池の一面に位置する反射防止層と同一の物質との積層構造を有することができる。
【0018】
前述した太陽電池パネルが、建物に一体化される建物一体型構造を有することができる。
【発明の効果】
【0019】
本実施形態に係れば、赤外線領域の平均光透過度である第1透過度が可視光線領域の平均光透過度である第2透過度と同じかそれより大きい外観形成部が第1カバー部材に備えられて、太陽電池パネルの外観と審美性を向上させながらも、太陽電池パネルの出力を高く維持することができる。このような外観形成部は酸化物セラミック組成物で構成されて、第1カバー部材がガラス基板を含む場合に示されることができるグレア現象を効果的に防止することができる。また、第2カバー部材がカバー部分によって太陽電池、インターコネクタなどが認識されないようにする色を有するように着色されて、太陽電池パネルの外観をさらに向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1図1は、本発明の実施形態に係る太陽電池パネルが適用された建物の一例を概略的に示す図である。
図2図2は、本発明の一実施形態に係る太陽電池パネルを概略的に示す分解斜視図である。
図3図3は、図2のIII-III線に沿って切断して見た概略的な断面図である。
図4図4は、図2に示した太陽電池パネルに含まれる第1カバー部材及び第2カバー部材を概略的に示す平面図である。
図5図5は、本発明の実施形態に係る太陽電池パネルに含まれる第1カバー部材の製造方法の一例を示すフローチャートである。
図6a図6aは、図5に示した第1カバー部材の製造方法の各ステップを示す断面図である。
図6b図6bは、図5に示した第1カバー部材の製造方法の各ステップを示す断面図である。
図6c図6cは、図5に示した第1カバー部材の製造方法の各ステップを示す断面図である。
図6d図6dは、図5に示した第1カバー部材の製造方法の各ステップを示す断面図である。
図7図7は、本発明の実施形態に係る太陽電池パネルに含まれる外観形成部の波長による光透過度を色に応じて示したグラフである。
図8図8は、波長に応じた単結晶シリコンに基づいた太陽電池のスペクトル応答(spectral response、SR)を示したグラフである。
図9図9は、波長に応じた単結晶シリコンに基づいた太陽電池の両者効率(quantum efficiency、QE)を示したグラフである。
図10図10は、本発明の実施形態に係る太陽電池パネルに含まれる第1カバー部材の例を撮影した走査電子顕微鏡(SEM)写真である。
図11図11は、本発明の実施形態に係る太陽電池パネルに含まれる第1カバー部材の外観形成部での光拡散を概略的に説明した図である。
図12図12は、本発明の他の実施形態に係る太陽電池パネルに含まれる第2カバー部材の様々な例を示す部分断面図である。
図13図13は、本発明のまた他の実施形態に係る太陽電池パネルに含まれる第1カバー部材の一例を示す平面図である。
図14図14は、図13のA-A線に沿って切断して見た断面図である。
図15図15は、本発明の一変形例に係る太陽電池パネルに含まれる第1カバー部材の様々な例を示す平面図である。
図16図16は、本発明のまた他の実施形態に係る太陽電池パネルに含まれる第2カバー部材の一例を示す平面図である。
図17図17は、本発明の実施形態に係る太陽電池パネルの一例の一部を撮影した写真である。
図18図18は、本発明の他の変形例に係る太陽電池パネルに含まれた第2カバー部材の他の例を示す平面図である。
図19図19は、本発明のまた他の実施形態に係る太陽電池パネルに含まれる第1カバー部材を示す平面図である。
図20図20は、本発明の他の実施形態に係る太陽電池パネルに含まれた第1カバー部材を示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下においては、添付した図面を参照して、本発明の実施形態を詳細に説明する。しかし、本発明は、このような実施形態に限定されるものではなく、様々な形態に変形することができることはもちろんである。
【0022】
図においては、本発明を明確かつ簡略に説明するために説明と関係ない部分の図示を省略し、明細書全体を通じて同一または極めて類似の部分には、同一の図面参照符号を使用する。そして、図面では、説明をさらに明確にするために厚さ、広さなどを拡大または縮小して図示したところ、本発明の厚さ、広さなどは図に図示されたところに限定されない。
【0023】
そして明細書全体でどのような部分が他の部分を「含む」とするとき、特に反対される記載がない限り、他の部分を排除するものではなく、他の部分をさらに含むことができる。また、層、膜、領域、板などの部分が他の部分 "上に"あるとする時、これは他の部分「真上に」ある場合だけでなく、その中間に他の部分が位置する場合も含む。層、膜、領域、板などの部分が他の部分「真上に」あるとするときは、中間に他の部分が位置しないことを意味する。
【0024】
以下、添付した図面を参照して、本発明の実施形態に係る太陽電池パネルを詳細に説明する。
【0025】
図1は、本発明の実施形態に係る太陽電池パネル100が適用された建物1の一例を概略的に示す図である。
【0026】
図1を参照すると、本実施形態に係る太陽電池パネル100は、一例として、建物1の外壁面(例えば、垂直壁3、屋根面など)に適用される建物一体型構造を有する太陽電池パネルで有り得る。しかし、本発明がこれに限定されるものではなく、太陽電池パネル100が建物1の屋上、または建物1ではないほかの異なる場所などに設置されることもできる。このような太陽電池パネル100は、太陽電池(図2の参照符号150)を含みから太陽から供給される太陽光を用いて電力を生産することができる。
【0027】
本実施形態において、太陽電池パネル100は、一定の色、画像、パターン、感じ、質感などを有することができる。このとき、一定の色、画像、パターン、感じ、質感などを有し建物1の審美性を向上させながらも、太陽光の損失を減らし、太陽光の変換効率の減少を最小化または防止するようにする。図1と共に図2乃至図4を参照して、太陽電池パネル100をさらに詳細に説明する。
【0028】
図2は、本発明の一実施形態に係る太陽電池パネル100を概略的に示す分解斜視図であり、図3は、図2のIII-III線に沿って切断して見た概略的な断面図である。そして、図4は、図2に示した太陽電池パネル100に含まれる第1カバー部材110及び第2カバー部材120を概略的に示す平面図である。簡略で明確な図示のために図2では、第1カバー部材110及び第2カバー部材120を簡略に図示して外観形成部114とカバー部材124を図示しながった。そして、図3において太陽電池150の構造を詳細に図示しなく、フロントに形成された反射防止膜152だけを概略的に図示した。
【0029】
図2乃至図4を参照すると、本実施形態に係る太陽電池パネル100は、太陽電池150と、太陽電池150を囲んで密封するシール材130と、シール材130の上において太陽電池150の一面(一例として、前面)に位置する第1カバー部材(または前面部材)110と、シール材130の上で太陽電池150の他面(一例として、後面)に位置する第2カバー部材(または後面部材)120を含む。
【0030】
このとき、太陽電池150は、太陽電池を電気エネルギーに変換する光電変換部と、光電変換部に電気的に接続されて電流を収集して伝達する電極を含むことができる。例えば、太陽電池150は、少なくとも100nm乃至1400nm(一例として、100nm乃至1200nm)の波長帯の光から電気エネルギーを生成する太陽電池で有り得る。本実施形態においては、一例として、光電変換部が、結晶質シリコン基板(一例として、シリコンウエハ)と、結晶質シリコン基板にまたはその上に形成されドーパントを含む導電型領域または酸化物を含む導電型領域で構成されることができる。このように結晶性が高く、欠陥の少ない結晶質シリコン基板に基づいた太陽電池150は、電気的特性が優れる。
【0031】
そして、本実施形態においては、太陽電池150が、互いに離隔されながら、複数で備え、複数の太陽電池150がインターコネクタ(142、145)によって電気的に直列、並列または直並列に接続することができる。一例として、複数の太陽電池150が直列に接続されて一方向に沿って長く延長される太陽電池ストリングを形成することができる。インターコネクタ(142、145)ではリボン、ワイヤーなどの太陽電池150を接続することができる様々な構造、形状が適用されることができる。本発明は、各太陽電池150に使用されるインターコネクタ(142、145)の数、構造、形状等に限定されない。
【0032】
しかし、本発明がこれに限定されるものではなく、太陽電池150の構造、方式などは多様に変形することができる。一例として、太陽電池150は、化合物半導体太陽電池、シリコン半導体太陽電池、染料感応型太陽電池などの多様な構造を有することができる。そして、一つの太陽電池150のみが備えられることも可能である。
【0033】
本実施形態においては、太陽電池150の前面には、光の入射を防止するための反射防止膜152が位置するが、このような反射防止膜152による補強干渉によって太陽電池150が、一定の色(例えば、青、黒色など)を有することができる。そしてインターコネクタ(142、145)は、金属で構成されることができる。これにより、第1カバー部材110が、ガラス基板だけで備えると、太陽電池150が配置した有効領域(AA)と太陽電池150が位置しない非有効領域(NA)の境界、非有効領域(NA)に位置するインターコネクタ(142、145)などが容易に認識することができる。それでは、太陽電池パネル100の審美性が低下することができる。そこで、本実施形態においては、第1及び第2カバー部材(110、120)に外観形成部114またはカバー部分124が備えられるが、これについては後で詳細に説明する。
【0034】
例えば、太陽電池150の反射防止層152が、シリコンを含む酸化物、窒化物、または炭化物(例えば、酸化シリコン、シリコン窒化物、またはシリコン炭化物)、シリケート、または非晶質シリコンを含む絶縁層を複数で積層した構造を有することができる。または、太陽電池150の反射防止層152は、シリコン、チタン、アルミニウム、ジルコニウム、亜鉛、アンチモン、銅を含む酸化物または窒化酸化物で構成される絶縁層を複数積層した構造を有することができる。反射防止層152が酸化物または窒化酸化物で構成された場合に、その内部または外部にシリコン窒化物を含む層及び/またはシリコン炭化窒化物を含む層をさらに備え、紫外線、水分等による問題を防止することができる。しかし、本発明がこれに限定されるものではなく、反射防止層152が、様々な物質、積層構造などを有することができる。
【0035】
第1カバー部材110は、シール材130(一例として、第1シール材131)上に位置して太陽電池パネル100の一面(一例として、前面)を構成し、第2カバー部材120は、シール材130( 一例として、第2シール材132)上に位置して、太陽電池150の他面(一例として、後面)を構成する。第1カバー部材110及び第2カバー部材120は、それぞれ、外部の衝撃、湿気、紫外線などから太陽電池150を保護することができる絶縁物質で構成されることができる。第1及び第2カバー部材(110、120)の具体的な構造については、後で詳細に説明する。
【0036】
シール材130は、太陽電池150の前面と後面にそれぞれ位置する第1及び第2シール材(131、132)を含むことができる。第1シール材131と第2シール材132は、水分と酸素の流入を防止し、太陽電池パネル100の各要素を化学的に結合する。第1及び第2シール材(131、132)は、透光性及び接着性を有する絶縁物質で構成されることができる。一例として、第1シール材131と第2シール材132でエチレン酢酸ビニル共重合体樹脂(EVA)、ポリビニルブチラール(polyvinyl butyral)、ケイ素樹脂、エステル系樹脂、オレフィン系樹脂(例えば、ポリオレフィン)などが使用されることができる。第1及び第2シール材(131、132)を用いたラミネート工程などによって第2カバー部材120、第2シール材132、インターコネクタ(142、145)によって接続された太陽電池150、第1シール材131、第1カバー部材110が一体化されて、太陽電池パネル100を構成することができる。
【0037】
しかし、本発明がこれに限定されるものではない。したがって、第1及び第2シール材(131、132)が、前述した説明以外の様々な物質を含むことができ、様々な形態を有することができる。
【0038】
本実施形態においては、第1及び第2カバー部材(110、120)が、太陽電池パネル100が一定の色、画像、パターン、感じ、質感などの所望する外観を有するようにしたり、太陽電池150またはこれに接続されるインターコネクタ(142、145)が明確に認識されることを防止することができる一定の構造を有することができる。
【0039】
第1カバー部材110は、太陽電池150に入射される光を遮断しないように光が透過することができる透光性を有することができる。さらに具体的には、第1カバー部材110は、に、第1ベース部材112と、第1ベース部材112に形成され酸化物セラミック組成物で構成されて所望する外観を形成する外観形成部114を含むことができる。外観形成部114は、太陽電池パネル100が所望する外観を有するようにしながら、太陽電池150またはこれに接続されるインターコネクタ(142、145)が明確に認識されることを防止する役割をすることができる。
【0040】
そして、第2カバー部材120は、優れた耐火性と絶縁性を有することができる。さらに具体的に、第2カバー部材120は、第2ベース部材122と、第2ベース部材122に形成されるカバー部分124を含むことができる。カバー部分124は、太陽電池150またはこれに接続されるインターコネクタ(142、145)が明確に認識されることを防止する役割をすることができる。
【0041】
このとき、第1ベース部材112は、優れた光透過度を有する(一例として、透明な)物質で構成されることができる。例えば、第1ベース部材112は、ガラス、樹脂(一例として、ポリカーボネート(polycarbonate)など)などで構成される基板、フィルム、シートなどで有り得る。このような第1ベース部材112は、単一層または複数の層で構成されることができる。そして第2ベース部材122は、優れた耐火性、絶縁性などを有する物質などで構成されることができる。第2ベース部材122は、ガラス、樹脂などで構成される基板、フィルム、シートなどで有り得る。
【0042】
特に、第1及び第2ベース部材(112、122)がそれぞれ優れた透明度、優れた絶縁特性、安定性、耐久性、耐火性などを有するガラス基板からなることができる。一例として、第1及び第2ベース部材(112、122)がそれぞれ380nm乃至1200nmの波長を有する光の光透過度が80%以上(一例として、85%以上)である低鉄分ガラス基板(一例として、低鉄分強化ガラス基板)で有り得る。このように鉄分を少なく含む低鉄分ガラス基板を使用すれば、太陽光の反射を防止して太陽光の透過率を向上させることができる。そして低鉄強化ガラス基板を使用すると、外部の衝撃などから太陽電池150を効果的に保護することができる。
【0043】
このとき、太陽電池パネル100が、建物1の外装材として使用される場合には、風圧、雨あられ、積雪荷重のような外部の衝撃にも耐えられるように、第1または第2カバー部材(110、120)、または太陽電池パネル100が十分な強さを持たなければならない。このために、第1または第2カバー部材(110、120)、または第1または第2ベース部材(112、122)は2400Nmの力を加えたときの力を受ける方向に発生する曲げ(deflection)が5mm以下で有り得る。前述した曲げが5mmを超えて発生すると、風圧、あられ、積雪荷重のような外部からの衝撃に対する耐久性が十分でなく建物1の外装材として使用することが難しいことがある。
【0044】
一例として、第1または第2ベース部材(112、122)は、2.8mm以上、例えば、2.8mm乃至12mm(具体的には、2.8mm乃至8mm)の厚さを有することができ、0.04乃至10mmの面積を有することができる。第1または第2ベース部材(112、122)の厚さが2.8mm未満であると、太陽電池パネル100が外部からの衝撃に耐えることが困難であるか建物1に適用されるのに十分な耐久性を有することが難しいことがある。第1または第2ベース部材(112、122)の厚さが12mmを超えると、太陽電池パネル100の重量が増加し、建物1に適用されることが困難で有り得る。前述した第1または第2ベース部材(112、122)の面積は、太陽電池パネル100の構造的安定性、生産性などを考慮して、限られたものである。
【0045】
しかし、本発明がこれに限定されるものではなく、第1または第2ベース 部材(112、122)の曲げの値,厚さ、面積などは様々な値を有することができる。
【0046】
本実施形態において、第1ベース部材112に外観形成部114が形成されることができる。ここで、外観形成部114とは、太陽電池パネル100が所望する色、画像、パターン、感じ、質感などを有することができるように形成された部分である。外観形成部114が白、灰色、黒色などの無彩色、または赤色、黄色、緑色、青色などの有彩色を有し、一定の色を有することができる。または、外観形成部114が、透明または半透明の特性を示したり、無光沢 または有光沢 特性を示したり、ガラス基板などで構成された第1ベース部材112と、他の質感を有してグレアを防止することができる。このような外観形成部114は、太陽電池150、またはこれに接続されるインターコネクタ(142、145)などが外部から明確に認識されることを防止する役割もすることができる。第2ベース部材122の上にカバー部分124が形成されることができる。カバー部分124は、太陽電池150、またはこれに接続されるインターコネクタ(142、145)などが外部から明確に認識されることを防止することができる色を有することができる。
【0047】
本実施形態において外観形成部114及びカバー部分124は、酸化物セラミック組成物で構成されることができる。以下では、酸化物セラミック組成物で構成される外観形成部114を詳細に説明した後、カバー部分124について詳細に説明する。
【0048】
本実施形態において外観形成部114が酸化物セラミック組成物で構成されることができる。さらに具体的には、外観形成部114を構成する酸化物セラミック組成物が非晶質状態のガラス構造を有することができる。例えば、外観形成部114がガラス質酸化物セラミック組成物(glassy oxide ceramic composition)で構成されることができる。
【0049】
以下では、図1図4と共に、図5図6a~図6dを参照して、前述したように、非晶質状態のガラス構造を有する酸化物セラミック組成物で構成された外観形成部114を第1ベース部材112に形成する方法(すなわち、本実施形態に係る外観形成部114を備える第1カバー部材110を製造する方法)を詳細に説明した後、それに応じて製造された外観形成部114を詳細に説明する。
【0050】
図5は、本発明の実施形態に係る太陽電池パネル100に含まれる第1カバー部材110の製造方法の一例を示すフローチャートであり、図6a~図6dは、図5に示した第1カバー部材110の製造方法の各ステップを示す断面図である。
【0051】
図5を参照すると、本実施形態に係る第1カバー部材110の製造方法は、基板洗浄段階(S10)、予備加熱段階(S20)、外観形成層塗布段階(S30)、乾燥段階(S40)、ガラス強化段階(S50)及び仕上げ段階S60を含むことができる。
【0052】
図6aに示すように、基板洗浄段階(S10)においては、非強化ガラス基板で構成された第1ベース部材112を洗浄し、乾燥する。基板洗浄段階(S10)により、第1ベース部材112の異物や油膜などが除去されることができる。
【0053】
このとき、非強化ガラス基板は、380nm乃至1200nmの波長を有する光の光透過度が80%以上(一例として、85%以上)であり、厚さが2.8mm以上で有り得る。一例として、非強化ガラス基板は、建築用、非強化ガラス基板であり、切削、面取り、または表面加工(etching)等により準備することができる。
【0054】
基板洗浄段階(S10)の後に乾燥段階(S40)またはガラス強化段階(S50)よりも低い温度で第1ベース部材112を予備加熱する予備加熱段階(S20)が実行されることができる。一例として、第1ベース部材112が外観形成層塗布段階(S30)のための装置に供給される工程中に25~150℃の温度に予備加熱することができる。このとき、予備加熱は、第1ベース部材112を直接加熱することにより実行されることもあり、赤外線加熱装置などを用いて行うこともできる。第1ベース部材112に予備加熱を行うと、外観形成層塗布段階(S30)でセラミックフリット(ガラスフリット)(図6bの参照符号1144)などを含む外観形成層(図6bの参照符号1140)が均一に塗布されることができ、外観形成層1140の付着力を向上させることができる。
【0055】
続いて、図6bに示すように、外観形成層塗布段階(S30)においては、セラミックフリット1144、色素1142及び樹脂1146を含むセラミック物質層(セラミックインク、セラミックペースト、またはセラミック溶液など)を、第1ベース部材112上に塗布し、外観形成層1140を形成する。そしてセラミック物質層は添加剤などをさらに含むことができる。添加剤としては、所望の特性を考慮して酸化物、金属など様々な物質が含まれることができる。または添加物としての粘度を調整するためのワックス、水、油、有機溶媒、または粘度調節用シンナーなどをさらに含むことができる。
【0056】
ここで、セラミックフリット1144は、基本的に外観形成部114を第1ベース部材112(特に、ガラス基板)に安定的に結合させる役割を果たし、選択的に特定の色、質感、感じなどを実装する役割をすることができる。
【0057】
セラミックフリット1144とは、複数の金属、そして非金属を含む
化合物として、複数の金属化合物を含みから形成されることができる。このようなセラミックフリット1144は、複数の金属、そして酸素を含む不規則網目構造(random network structure)、またはガラスの構造を有する酸素多面体で構成されることができる。複数の金属化合物がそれぞれ金属酸化物で構成されると、不規則な網目構造またはガラスの構造を容易かつ安定的に形成することができる。本明細書で複数の金属化合物(一例として、金属酸化物)を含みから形成されることができるとは、複数の金属化合物(一例として、金属酸化物)を使用してセラミックフリット1144を製造し、セラミックフリット1144が、複数の金属、そして非金属(一例として、酸素)を含む化合物の構造、不規則な網目構造、ガラス構造などを少なくとも一部備えて用いて形成されたことを意味することができる。
【0058】
セラミックフリット1144としては、知られた様々な物質を含むことができる。例えば、セラミックフリット1144は、酸化シリコン(SiOx、例えば、SiO)と共に、酸化アルミニウム(AlOx、例えば、Al)、酸化ナトリウム(NaOx、例えば、NaO)、酸化ビスマス(BiOx、例えば、Bi)、酸化ホウ素(BOx、例えば、BO)及び酸化亜鉛 (ZnOx、例えば、ZnO)の内、少なくとも一つを基本物質として含みから形成されることができる。その他セラミックフリット1144は、酸化アルミニウム、酸化ナトリウム、酸化ビスマス、酸化ホウ素、酸化亜鉛 、酸化チタン(TiOx、例えば、TiO)、酸化ジルコニウム(ZrOx、例えば、ZrO)、酸化カリウム(KOx、例えば、KO)、リチウム酸化物(LiOx、例えば、LiO)、酸化カルシウム(CaOx、例えば、CaO)、酸化コバルト(CoOx)、酸化鉄(FeOx)などをさらに含みから形成することができる。例えば、セラミックフリット1144が酸化ビスマス、酸化ホウ素、酸化シリコンを含みから形成されるビスマスボロ - シリケート系(bismuth boro-silicate)セラミック物質例えば、Bi-AlO-SiO系物質)で構成されることができる。または、セラミックフリット1144が、酸化ナトリウム、酸化アルミニウム、酸化シリコンを含みから形成される、ナオス(NAOS)系セラミック物質(例えば、NaO-Al-SiO系物質)で構成されることができる。または、セラミックフリット1144が酸化亜鉛 、酸化シリコン、酸化ホウ素を含みから形成されるセラミック物質(例えば、ZnO-SiO-B系物質)で構成されることができる。しかし、本発明がこれに限定されるものではなくセラミックフリット1144が、そのほか様々な物質で構成されることができる。
【0059】
色素1142は、外観形成部114が所望する外観を有するようにするために含まれたものである。例えば、外観形成部114が一定の色を有する場合には、色素1142に、太陽光中の可視光線を選択的に吸収または 反射して、固有の色を示すことができる物質を使用することができる。一例として、色素1142は、顔料(pigment)で有り得る。顔料とは水及びほとんどの有機溶媒に溶解されない無機成分で構成された色素として、第1ベース部材112の表面を被覆して色を示す。顔料は耐化学性、耐光性、耐候性、及び隠蔽力が優れる。つまり、顔料は塩基と酸に強く、紫外線にさらされたとき、変色、退色がよくされず、気候によく耐えることができる。参照として、有機溶媒に溶解される有機成分で構成された染料(dyestuff)を色素として使用すると、太陽光によって分子構造が容易に破損することがあり、安定性が低下することがあり、これを保護するための保護層などを形成しなければならいして製造工程が複雑になることができる。そこで、本実施形態において色素1142は、染料を含まないことがある。しかし、本発明がこれに限定されるものではなく色素1142が染料などの様々な物質などを含むこともできる。
【0060】
色素1142は、所望する外観形成部114の外観を考慮して物質で構成されることができる。図では、色素1142がセラミックフリット1144とは別に備えられたもので示したが、本発明がこれに限定されるものではない。例えば、セラミックフリット1144を構成する物質によって所望する外観形成部114の外観が実装されてセラミックフリット1144とは別に色素1142が備えられないことがある。または、セラミックフリット1144と色素1142の区別が明確でないことがある。本実施形態において色素1142で含まれた物質の金属がセラミックフリット1144を構成する不規則な網目構造またはガラス構造(一例として、酸素多面体)の金属を一部置換して、これに含まれることができる。または、色素1142に含まれた金属は、セラミックフリット1144の不規則な網目構造、ガラス構造、または酸素多面体の侵入型位置に位置することができる。
【0061】
例えば、セラミックフリット1144に含む金属化合物(一例として、金属酸化物)によって外観形成部114が白色を有することができる。一例として、セラミックフリット1144が、鉛酸化物(PbOx、例えば、PbO)、酸化チタン、酸化アルミニウム及び酸化ビスマスを含む群から少なくとも1つ以上を含みから形成されると、外観形成部114が白色を有することができる。このとき、外観形成部114が白色を有するとき、前述した物質の他にも酸化ホウ素などの物質をさらに含むことができる。一例として、外観形成部114が白色を有するとき、セラミックフリット1144が、酸化ビスマス、酸化シリコン及び酸化ホウ素を含みから形成されるセラミック物質(BiOx-SiOx-BO系物質)、鉛酸化物、酸化シリコン及び酸化ホウ素を含みから形成されるセラミック物質(PbOx-SiOx-BO系物質)、酸化チタン、酸化シリコン及び酸化ホウ素を含みから形成されるセラミック物質(TiOx-SiOx-BO系物質)、酸化アルミニウム、酸化シリコンと酸化ホウ素を含みから成されるセラミック物質(AlOx-SiOx-BO系物質)などで構成されることができる。ただし、鉛酸化物は、環境問題などを考慮して、本実施形態に係る外観形成部114またはセラミックフリット1144などに含まれないことがある。
【0062】
他の例として、外観形成部114が白色以外の色を有するようにするために、様々な色素1142が含まれることがある。つまり、所望する色を考慮して、これに対応する一つまたは複数の物質を色素1142で使用することができる。色素1142を構成する物質は、金属、または金属を含む酸化物、炭化物、窒化物、硫化物、塩化物、シリケートなどの形で構成されることができる。
【0063】
例えば、赤色、黄色などの系列を示すために、銅(Cu)、鉄(Fe)、ニッケル(Ni)、クロム(Cr)、ウラン(U)、バナジウム(V)の内、少なくとも一つを含む物質などを色素1142で使用することができる。緑色または青色などの系列を示すためにチタン(Ti)、マグネシウム(Mg)、ルチル(rutile)の内、少なくとも一つを含む物質を色素1142で使用することができる。そのほかにも色素1142が酸化コバルト、酸化鉄、銅酸化物(CuOx)、クロム酸化物(CrOx)、ニッケル酸化物(NiOx)、マンガン酸化物(MnOx)、スズ酸化物(SnOx)、アンチモン酸化物(SbOx)、バナジウム酸化物(VOx)などを含むことができる。
【0064】
さらに具体的な例として、色素1142で、 青緑色(cyan)を実装するためにCoAlを使用することができ、青色(blue)を実装するためにCoSiOなどを使用することができ、緑色(green)を実装するためにCoCrなどを使用することができ、黄色を実装するためにTi(Cr、Sb)Oを使用することができ、黒色を実装するためにCoFeを、Co-Cr-Fe-Mnスピネルなどを使用することができる。または、色素1142で、緑色を実装するためにNiO、Crなどを使用することができ、ピンク色を実装するためにCr-Alスピネル、Ca-Sn-Si-Crスピン、Zr-Si-Feジルコンなどを使用ことができ、グレー色を実装するために、Sn-Sb-Vルチル、黄色を実装するためにTi-Sb-Niルチル、Zr-Vバーテルライトなどを使用することができ、青色を実装するためにCo-Zn-Alスピネル、茶色を実装するためにZn-Fe-Crスピネル、緑色を実装するためにCa-Cr-Siガーネットなどを使用することができ、暗い青色を実装するためにCo-Zn-Siウィルレマイト、Co-Siかんらん石などを使用することができ、茶色を実装するためにZn-Fe-Cr-Alスピネルなどを使用することができ、マゼンタ(magenta)を実装するためにAuなどを使用ことができる。このような物質は、一例として提示したもの過ぎず、本発明がこれに限定されるものではない。
【0065】
前述した説明は、外観形成部114が一定の色を有することを例示したものである。しかし、本発明がこれに限定されるものではない。したがって外観形成部114が、透明または半透明の色を有したり、光沢または無光沢 を示したり、特定の質感を表現したり、グレアを防止するためのもので有り得る。この場合には、外観形成部114が色素1142が含まれることがあるが、色素1142が含まれないことがある。このとき、外観形成部114が白色を持たないようにするためにセラミックフリット1144は、白色を示すことができる鉛酸化物、酸化アルミニウムなどを含んでいないことがあります。一例として、外観形成部114が、透明または半透明の色を有する場合には、セラミックフリット1144が、酸化ナトリウム、酸化シリコン及び酸化ホウ素を含みから形成されるセラミック物質(NaOx-SiOx-BO系物質)などで構成されることができる。酸化チタン、酸化ビスマスは、白色を実装するに使用することができる物質であるが、一部含まれても外観形成部114が透明または半透明に維持することができる。ただし、外観形成部114が、透明または半透明の色を有する場合でも、若干の発色などのために(例えば、赤色の香り半透明、緑色の香り透明など)のために顔料または色素1142が少量含まれることもある。
【0066】
樹脂1146は、セラミック物質層を塗布する際に、適切な粘度、流動性などを有するようにして色素1142とセラミックフリット1144を均一に混合して使用される物質として、揮発することができる揮発性物質で有り得る。樹脂1146では知られている様々な物質を含むことができる。例えば、樹脂1146でアクリル系樹脂、セルロース系樹脂などのような有機系樹脂を使用することもでき、シリコン系樹脂のように無機系樹脂を含むこともできる。
【0067】
セラミック物質層または外観形成層1140は、セラミックフリット1144を最も大量に含み、色素1142が含む場合でも、色素1142は、セラミックフリット1144よりも小さい量で含まれることができる。例えば、色素1142を含む場合に、セラミック物質層または外観形成層(1140)100重量部に対してセラミックフリット1144を40~90重量部(一例として、50~90重量部)で含み、色素1142を5~50重量部で含み、樹脂1146、及び/または添加剤を0~20重量部で含むことができる。色素1142を別途含まれない場合には、セラミック物質層又は外観形成層(1140)100重量部に対してセラミックフリット1144が50~100重量部(一例として、60~100重量部)で含み、樹脂1146、及び/または添加剤が0~50重量部(一例として、0~40重量部)で含めることができる。しかし、本発明がこれに限定されるものではなく、セラミック物質層または外観形成層1140が、様々な組成有することができる。
【0068】
このような外観形成層1140は、スプレー工程、印刷工程、ゾル - ゲル工程によって、第1ベース部材112に塗布されることができるが、例えば、印刷工程では、インクジェット印刷(一例として、デジタルインクジェット印刷)、リソグラフィ印刷、レーザー印刷、スクリーン印刷などが適用されることができる。印刷工程によれば、簡単な工程によって外観形成層1140が所望する厚さを有するように安定的に形成することができる。しかし、本発明がこれに限定されるものではなく、そのほかさまざまな方法で外観形成層1140を塗布することができる。
【0069】
続いて、図6cに示すように、乾燥段階S40では、熱を加えて外観形成層1140を乾燥しながら、樹脂1146を揮発させる。樹脂1146などを先に揮発させて色素1142、セラミックスフリット1144などが第1ベース部材112とともに効果的に混合することができるようにする。乾燥段階(S40)において樹脂1146は、すべて除去されることもあり、一部が残留することもできる。このとき、樹脂1146が除去された部分の少なくとも一部が除去された部分に空き空間で構成された気泡(気孔)(図6dの参照符号114V)が残留することができる。一例として、乾燥段階(S40)においては、50~200℃の温度で外観形成層1140を乾燥することができる。乾燥段階(S40)は、赤外線加熱装置、紫外線硬化などを用いて行うことができる。しかし、本発明がこれに限定されるものではなく、乾燥温度、乾燥方法等は、様々に変化することができる。
【0070】
次に、図6dに示すように、ガラス強化段階(S50)においては、熱処理またはアニーリング(annealing)に熱強化によって、第1ベース部材112を構成する非強化ガラス基板を強化または半強化する。その時、相平衡を合わせるために外観形成層1140に含まれたセラミックフリット1144、色素1142などが強化または半強化ガラス基板の内部に混入されながら強化または半強化ガラス基板の一部を構成する外観形成部114が形成される。ここで、外観形成層1140は、質量比が高くて、第1ベース部材112よりも大きな比重を有することができるが、それなら、ガラス強化段階(S50)での高い温度によって外観形成層1140が融着されながらベタベタになれながら、ガラス基板で構成された第1ベース部材112の内部に、さらに容易に混入することができる。
【0071】
ガラス強化段階(S50)においては、非強化ガラス基板を強化または半強化することができる温度で行うことができる。一例として、ガラス強化段階(S50)の熱処理温度は、500~800℃(例えば、500乃至750℃、一例として、650乃至750℃)で有り得、高圧処理されていない状態で、(一例として、常圧付近で)熱処理されることができる。しかし、本発明は、ガラス強化段階(S50)の温度に限定されるものではない。
【0072】
一例として、ガラス強化段階(S50)において、第1ベース部材112を構成する非強化ガラス基板を半強化することができる。これにより、第1ベース部材112または第1カバー部材110が熱強化された半強化ガラス基板(倍強さガラス)(heat strengthened glass)で構成されることができる。これによれば、第1カバー部材110の透過率を高く維持することができる。ここで、半強化ガラスで構成された第1カバー部材110は、表面圧縮応力が60MPa以下(例えば、24乃至52Mpa)で有り得る。一例として、第1カバー部材110のエッジ応力が約30~40MPaで有り得る。つまり、このような半強化ガラスは、軟化点よりもやや低い温度で熱処理した後、徐冷して形成することができる。参照で、完全強化ガラスは、軟化点よりも高い温度で熱処理した後、急冷して形成されることができるが、表面圧縮応力が70~200MPaである。
【0073】
このように、本実施形態においては、ガラス強化段階(S50)で熱処理温度、冷却速度などを調節して外観形成部114の光透過度を高く維持することができる。特に、熱処理温度を一定範囲内に維持しながら、冷却速度を一定水準以下にして外観形成部114が非晶質状態のガラス構造を有するようにして、赤外線領域の光の平均光透過度を相対的に高く維持することができる。これについては今後、さらに詳細に説明する。これとは異なり、熱処理温度が一定範囲内に維持されないか、及び/または冷却速度や圧力が過度に大きい場合には、外観を形成部である酸化物セラミック組成物の化学構造の変化に非晶質ガラス構造の相変化またはガラス基板との間の界面結合の変化に赤外線領域の光の平均光透過度が可視光線領域の平均光透過度よりも高いレベルの値を有することが難しいことがある。そして、熱処理温度が一定のレベル未満(一例として、650℃未満)であれば外観形成部114がベース部材112から剥離することができる可能性が高くなることができ、熱処理温度が一定のレベルを超える(一例として、750℃を超える)と、外観形成部114が所望する色を有しないか、または透過度の傾向が変化するなど、外観形成部114が所望する特性を有することが難しいことができる。
【0074】
続いて、仕上げ段階S60においては、ガラス強化段階(S50)が実行された第1カバー部材110を洗浄、乾燥する。それでは、一体化された外観形成部114を備える第1カバー部材110の製造が完了する。
【0075】
このとき、セラミック物質層、外観形成層1140、または外観形成部114は、ナトリウムまたはカリウムの含有量が第1ベース部材112のナトリウムまたはカリウムの含有量と類似であるがそれより低いことができる。特に、セラミックス物質層、外観形成層1140、または外観形成部114は、ナトリウム、カリウムの含有量が第1ベース部材112のナトリウム及びカリウムの含有量よりもそれぞれ低いことができる。一例として、セラミックス物質層、外観形成層1140、または外観形成部114が、ナトリウム及びカリウム、それぞれを10 X 1018個/cc以下で含むことができる。これと反対に、セラミック物質層、外観形成層1140、または外観形成部114が、前述した範囲を超えて、ナトリウムまたはカリウムを含むと、漏れ電流による劣化(potential-induced degradation、PID)現象が発生して、太陽電池パネル100の信頼性が低下することができる。そしてセラミック物質層、外観形成層1140、または外観形成部114が鉛及び/またはクロム(一例として、鉛酸化物及び/または酸化クロム)を含んでなくて環境問題が発生しないようにすることができる。一例として、セラミックス物質層、外観形成層1140、または外観形成部114に含まれたナトリウム、カリウム、鉛の量は二次イオン質量分析(secondary ion mass spectrometry、SIMS)等により測定または判別することができる。
【0076】
このような製造工程によって形成された第1カバー部材110は、強化または半強化ガラス基板で構成された第1ベース部材112と、強化または半強化ガラス基板の内部にセラミックフリット1144などを含み強化または半強化ガラス基板の一部を構成する一体化された部分で構成される外観形成部114を含むことができる。つまり、外観形成部114は、第1ベース部材112を構成する強化または半強化ガラス基板の一部として構成されるが、第1ベース部材112と、他の物質(一例として、非晶質状態のガラス構造を有するセラミック酸化物組成物)を含む部分で有り得る。このような外観形成部114は、に、第1ベース部材112を構成するガラス基板を強化または半強化する工程でセラミックフリット1144、色素1142などが第1ベース部材112の内部に広がり及び浸透してガラス基板の物質と混合されて形成されることができる。これによれば、外観形成部114が、第1ベース部材112と一体化されて形成され、物理的耐久性及び化学的耐久性に優れることができる。
【0077】
本実施形態において外観形成部114は、前述したように、非晶質状態のガラス構造を有する酸化物セラミック組成物で構成される。例えば、外観形成部114は、セラミックフリット1144、及び/または色素1142に含まれた複数の金属と非金属(一例として、酸素)を含む金属化合物(一例として、金属酸化物)を複数含み形成され、複数の金属と酸素を含む不規則な網目構造を有する酸素多面体、ガラス構造、不規則網目構造などを有することができる。外観形成部114が酸化物セラミック組成物の形態で備えたかどうかは、光電子分析(X-ray photoelectron spectroscopy、XPS)等により判別することができる。
【0078】
このような非晶質状態のガラス構造を有する酸化物セラミックスの組成物は、一般的な酸化物セラミックを形成する温度よりも低い温度で熱処理され形成されて非晶質状態のガラス構造を有することができる。つまり、非晶質状態のガラス構造を有する酸化物セラミックスの組成物は、結晶質部分を含まないか、部分的にしか含むことができる。ここで、非晶質状態のガラス構造を有する酸化物セラミックスの組成物には、非晶質部分が結晶質部分と同じかそれより多く含まれることができ、特に、非晶質部分が結晶質部分よりも多く含まれることができる。一例として、非晶質状態のガラス構造を有する酸化物セラミックスの組成物は、結晶化度が50%以下(さらに具体的には、50%未満、一例として、20%以下)で有り得る。参照で、既存で使っていた一般的な酸化物セラミックとは、イオン結合、共有結合、またはこれらの組み合わせが混在された酸化物として、高温及び高圧で生成された無機質非金属材料を意味する。このような酸化物セラミックは、850℃以上(例えば、1400℃付近)の高温、それと高圧力下で熱処理され、ほとんどが結晶化された状態を有する。
【0079】
このような外観形成部114は、セラミックフリット1144を基本物質(一例として、最も多く含まれた物質、50重量部以上で含まれた物質)で含むことができる。そして外観形成部114は、必要に応じて添加された色素1142、添加物などをさらに含むことができる。そしてガラス強化段階(S50)での熱処理時、樹脂1146が揮発することができるので、外観形成部114は、樹脂1146を含まないか、または含まないことがある。外観形成部114に色素1142が含む場合でも、外観形成部114のセラミックフリット1144と色素1142の区別が明確でないことがある。例えば、色素1142に含まれる物質の金属がセラミックフリット1144を構成する酸素多面体、ガラス構造、不規則網目構造などの金属で含まれた形で存在することができる。このように外観形成部114に含まれたセラミックフリット1144などは、様々な成分の分析方法(例えば、走査電子顕微鏡 ‐ エネルギー分散型分光分析法(SEM-EDX)など)によって判別することができる。
【0080】
本実施形態に係る第1カバー部材110は、外観形成部114によって所望する外観を実現することができる。例えば、外観形成部114の色、物質、面積比、厚さ等、または外観形成部114に含まれるセラミックフリット1144、色素1142などの物質、大きさ、濃度、密集度などを調節して、第1カバー部材110の外観及び透過率を調節することができる。本実施形態においては、外観形成部114は、第1ベース部材112よりは低いが、一定の光透過度を有し太陽光の一部を透過させることができる。それでは、外観形成部114をつうじても太陽光が透過されることができ、外観形成部114による光の損失を防止または最小化ことができる。一例として、外観形成部114またはこれを備える第1カバー部材110が380nm乃至1200nmの波長を有する光の光透過度が10%以上(一例として、10%~95%、さらに具体的には、20%~95%)で有り得る。しかし、本発明がこれに限定されるものではない。したがって外観形成部114の色、物質、形成面積等に応じて光透過度が様々な値を有することができる。
【0081】
また、本実施形態に係る外観形成部114は、酸化物セラミック組成物(特に、非晶質状態のガラス構造を有する酸化物セラミックス組成物)で構成されて波長に応じた特定の光透過度型、気泡(114V)、表面粗さなどを有し外観形成部14によって光透過度が多少低くなっても、太陽電池パネル100の出力が低下することを防止または最小化ことができる。これを図3とともに図7図11を参照して、詳細に説明する。
【0082】
図7は、本発明の実施形態に係る太陽電池パネル100に含まれる外観形成部114の波長による光透過度を色に応じて示したグラフである。図8は、波長に応じた単結晶シリコンに基づいた太陽電池150のスペクトル応答を示すグラフであり、図9は、波長に応じた単結晶シリコンに基づいた太陽電池150の量子効率を示したグラフある。図10は、本発明の実施形態に係る太陽電池パネル100に含まれる第1カバー部材110の例を撮影した走査電子顕微鏡写真である。
【0083】
本実施形態においては、図7に示すように、非晶質状態のガラス構造を有する酸化物セラミック組成物で構成された外観形成部114では、赤外線領域の光の平均光透過度である第1透過度が可視光線領域の光の平均光透過度である第2透過度と同じかそれよりもさらに大きい。特に、非晶質状態のガラス構造を有する酸化物セラミック組成物で構成された外観形成部114は、第1透過度が第2透過度よりも大きくすることができる。そして非晶質状態のガラス構造を酸化物セラミック組成物で構成された外観形成部114は、赤外線領域と可視光線領域の光それぞれの平均光透過度である第1及び第2透過度より紫外線領域の光の平均光透過度である第3透過度がさらに小さいことができる。
ここで、紫外線領域の光は、100nm乃至380nmの波長を有する光、可視光線領域の光は、380nm乃至760nmの波長を有する光、赤外線領域の光は、760nm乃至1200nmの波長を有する光として定義することができる。そして平均光透過度は、第1ベース部材112の光透過度を反映しないように正規化された光透過度(normalized transmittance)の平均として定義することができる。
【0084】
図7に示すように色によって差があるが、第2透過度が第3透過度よりも大きく、第1透過度が第2透過度と同じかそれより大きい傾向はそのまま維持することが分かる。このような傾向は、ガラス強化段階(S50)での熱処理温度、冷却速度等によって実現することができる。
【0085】
前述したように、第1透過度が第2透過度と同じかそれより大きければ、外観形成部114が備えても、第1カバー部材110を通過して、太陽電池150に到達する光の中で赤外線領域の光の量が可視光線領域の光の量と同じか、それより大きいことができる。これにより、外観形成部114によって光透過度が多少低下する場合でも、赤外線領域の光が太陽電池150に多く到達し、これを効果的に使用することができる。これにより、外観形成部114によって光透過度が多少低下しても、太陽電池150の光電変換効率または、太陽電池パネル100の出力が低下することが防止または最小化ことができる。
【0086】
そして、前述したように、第1及び第2透過度がそれぞれ第3透過度よりも大きいことができる。これは外観形成部114がセラミックフリット1144、色素1142、添加剤などを含みガラス基板で構成された第1ベース部材112よりも高い屈折率を有し、物質に応じて、ガラス基板で構成された第1ベース部材112よりも高い吸光係数を有するからである。紫外線領域の光は、太陽電池150の光電変換効率、それと太陽電池パネル100の出力に寄与するところが大きくなく、高い光子エネルギー(photon energy)を有し太陽電池150、シール材130などの変形、特性の変化などを引き起こすことができる。本実施形態においては、外観形成部114が、紫外線領域の光を散乱、遮断、または吸収して、紫外線領域の光の光透過度を下げる役割をする。これにより、太陽電池150の光電変換効率、太陽電池パネル100の出力には大きな影響を与えずに、紫外線によって発生することができる太陽電池150、シール材130などの変形、特性の変化等を最小化することができる。
【0087】
例えば、本実施形態において外観形成部114は、に、第1透過度が第2透過度より2%以上さらに大きくなることができる。または、第1透過度と第2透過度との間の第1差が第2透過度と第3透過度との間の第2差よりも大きくなることができる。このような場合に、太陽電池パネル100で赤外線領域の光をさらに効果的に使用することができる。前述した光透過度は、様々な方法によって測定することができるが、垂直光の透過度(正常透過度)(normal transmittance)と散乱光の透過度(拡散透過度)(diffused transmittance)のすべてを測定することができる方法で測定することができる。たとえば、ISO9050:2003、BS EN 14500:2008のような標準的な測定方法によって光透過度を測定することができる。
【0088】
図8を参照すると、赤外線領域の光で単結晶シリコンに基づいた太陽電池150のスペクトル応答(つまり、光の特定の波長で生成される短絡電流密度(Isc)または出力)が高いことが分かる。そして図9を参照すると、赤外線領域の光で単結晶シリコンに基づいた太陽電池150の量子効率が高いことがわかる。本実施形態においては、このように高いスペクトル応答及び量子効率を有する赤外線領域での光の平均光透過度を向上して、特定の色、感じ、質感などを実装する外観形成部114によって光透過度がやや低下する場合でも、赤外線領域の光を効果的に使用することができる。これにより、外観形成部114が形成されても、太陽電池150の光電変換効率または、太陽電池パネル100の出力が高い値を維持することができる。紫外線領域の光は、スペクトル応答と量子効率が非常に低い値を有するので外観形成部114の第3透過度が低くても、これによる太陽電池150の光電変換効率または、太陽電池パネル100の出力には大きな影響を及ぼさない。
【0089】
そして、本実施形態において外観形成部114が気泡(114V)を備えて多孔性を有することができる。外観形成部114を形成するための熱処理工程(一例として、ガラス強化工程(S40))でセラミック物質層または外観形成層1140に備えられた樹脂1146が揮発して、その部分に気泡(114V)が残留することができる。
【0090】
一例として、0.1μm 以上の大きさを有する気泡(114V)が備えられる。このような気泡(114V)の大きさで気泡(114V)による効果を最大化することができる。気泡(114V)の大きさは、外観形成部114の形成方法に応じて異なることがある。例えば、インクジェット印刷によって形成された外観形成部114には、0.1μm 以上の大きさを有する気泡(114V)が備えられることがあり、スクリーン印刷によって形成された外観形成部114には、0.5μm 以上の大きさを有する気泡(114V)が備えられる。このような気泡(114V)の最大サイズは、外観形成部114の厚さに該当することができる。例えば、気泡(114V)が0.1μm 乃至15μm のサイズを有することができ、さらに具体的にインクジェット印刷によって形成された外観形成部114から気泡(114V)が0.1~7μm のサイズを有することができ、スクリーン印刷によって形成された外観形成部114から気泡(114V)が0.5μm 乃至15μm のサイズを有することができる。たとえば、平面で見たとき気泡(114V)の総面積の割合が4%以上で有り得る。一例で、インクジェット印刷によって形成された外観形成部114から気泡(114V)の総面積の割合が4%以上、スクリーン印刷によって形成された外観形成部114から気泡(114V)の総面積の割合が7.5%以上で有り得る。
【0091】
前述した気泡(114V)の大きさ、面積比率等は、セラミック物質層、外観形成層1140、または外観形成部114(または、これらに含まれた色素1142、セラミックスフリット1144 、樹脂1146など)の物質、セラミック物質層、外観形成層1140、または外観形成部114の製造方法、工程条件などによって異なることがある。図10の(a)にインクジェット印刷によって形成された外観形成部114を有する第1カバー部材110の断面写真を添付し、図10の(b)及び(c)にスクリーン印刷によって形成された外観形成部114を含む第1カバー部材110の断面写真及び平面写真を添付した。図10に示すように外観形成部114の全体的に一定サイズ以上の気泡(114V)が分布していることが分かる。
【0092】
このように外観形成部114の内部に気泡(114V)が存在すれば、図11に示すように、太陽電池パネル100に入射される光が気泡(114V)で分散されて広く拡散される。さらに具体的に、外観形成部114が気泡(114V)を備えると、正常の透過(diffused transmittance)と拡散透過(diffused transmittance)が共に起こって半球形透過(hemispherical transmittance)が起こる。この時、図11の実線で示すように、外観形成部114の気泡(114V)が太陽電池パネル100の内部に入射される半球形の透過形を有するように光を散乱させることができる。それでは、太陽電池150との間の領域に向かって消失することができる光の一部を、太陽電池150の方向に使用したり、外観形成部114と、ベース部材112の界面による再使用をすることができる。これにより、外観形成部114が備える場合にも、光電変換に使用される光の量を最大化して、太陽電池150の光電変換効率及び太陽電池パネル100の出力を高く維持することができる。一例として、外観形成部114は、太陽電池150の間の領域に対応する部分に、少なくとも一部が位置することができる。そして、図11の一点鎖線で示すように、外観形成部114の気泡(114V)が太陽電池パネル100の外部の方向に半球形の透過形を有するように光を散乱させてアンチグレア(anti-glare)特性を向上することができる。一方、外観形成部114が気泡(114V)を有さない場合には、気泡(114V)を有する場合に比べて拡散透過が十分に起こらなくて相対的に低い光透過率を有することができる。
【0093】
そして本実施形態において外観形成部114が形成された部分で、第1ベース部材112と外観形成部114の境界部分(つまり、外観形成部114の界面)の表面粗さが外観形成部114が形成されない第1ベース部材112の他の部分の表面粗さよりも大きくなることができる。すなわち、図3の拡大円で示したように、第1カバー部材110で外観形成部114と、第1ベース部材112の一面が構成する境界部分の表面粗さが、第1ベース部材112の他面または側面の表面粗さよりも大きくなることができる。これは外観形成部114が形成されるとき、セラミックフリット1144、色素1142などが第1ベース部材112の内部に混入したり、その他の相平衡のための物質などが移動しながら第1ベース部材112との界面部分で表面粗さが相対的に大きくなることがあるからである。
【0094】
一例として、図3においては、外観形成部114が形成されない他面に光拡散部(LD)が位置することを示した。光拡散部(LD)は、光を拡散させ、太陽電池150などの認識を最大限に防止し、外観形成部114による色などの統一性を向上することができる。一例として、光拡散部(LD)がシール材130に接して形成されると、シール材130との接着面積を増加させて接着力を向上する役割をすることができる。例えば、光拡散部(LD)が10~500μm の大きさを有することができ、ラウンドされた形状(一例として、矩形の一部に対応する形状)、角形状、ピラミッド形状など、様々な形状を有することができる。前述した光拡散部(LD)は、陽刻形状に突出した形状を有することができ、陰刻形状で凹状を有することもできる。
【0095】
このとき、光拡散部(LD)の大きさが外観形成部114が形成された境界部分の表面粗さと同じかそれより大きいことができる(一例として、大きくなることができる)。ここで、光拡散部(LD)の大きさとは、光拡散部(LD)の最上段と最下段の間の距離を意味することができる。これにより、光拡散部(LD)による拡散効果を向上することができる。そして外観形成部114が形成された境界部分の表面粗さが光拡散部(LD)の表面粗さと同じかそれより大きいことができる(一例として、大きくなることができる)。ここで、光拡散部(LD)の表面粗さは、光拡散部(LD)の形状を構成する外表面からの表面粗さを意味することができる。これは、光拡散部(LD)は、一定の形状を有するように、特定の加工工程を経て形成されたものであるため、光拡散部(LD)の外表面が相対的に小さい表面粗さを有するからである。
【0096】
そして、図3等では、外観形成部114の外表面を平らに示したが、本発明がこれに限定されるものではない。外観形成部114と、第1ベース部材112の境界部分の凹凸、屈曲部などに対応するように外観形成部114の外表面が凹凸、屈曲部などを備えることができ、外観形成部114の外表面が外観形成部114と第1ベース部材112の境界部分の表面粗さと同一または類似の表面粗さを有し第1ベース部材112の他の部分の表面粗さよりも大きくなることができる。
【0097】
このような外観形成部114の界面での高い表面粗さによって外観形成部114が光の散乱を効果的に誘導することができる。つまり、外観形成部114内の気泡(114V)と外観形成部114の界面で高い表面粗さが共に備えると、光の散乱を効果的に誘導することができる。特に、太陽電池150の間に対応する部分(すなわち、非有効領域(NA))に外観形成部114が位置すれば、外観形成部114からの散乱による光が太陽電池150の方向に光電変換に使用することができる。これにより、太陽電池150の光電変換効率及び太陽電池パネル100の出力を高く維持することができる。
【0098】
前述した外観形成部114は、第1ベース部材112またはシール材130よりも大きい屈折率(一例として、1.48以上の屈折率)を有することができる。そして外観形成部114は、1μm 以上の厚さ(一例として、1μm 乃至15μm )の厚さを有することができる。外観形成部114の製造工程に応じて外観形成部114の厚さが異なることがある。例えば、外観形成部114がスクリングプリンティングで形成された場合には、1μm 乃至15μm の厚さを有することができ、インクジェットプリンティングに形成された場合には、1μm 乃至7μm の厚さを有することができる。外観形成部114の厚さが1μm 未満であると、所望する外観を実現するのに困難が有り得、色素1142が含まれる場合に色素1142の密集度が低下して所望する色を示すことが難しいことがある。外観形成部114の厚さが15μm (一例として、7μm )を超えると、光透過度が全体的に低下することがあり、外観形成部114の剥離、ひび割れ等の現象が発生することができる。一例として、外観形成部114の製造工程を簡素化し、材料コストを削減するために外観形成部114の厚さが1μm 乃至3μm (一例として、1μm 乃至2μm )で有り得るが、本発明がこれに限定されるものではない。また、色に応じて外観形成部114の厚さを調節することができるが、一例として、外観形成部114が相対的に低い光透過度を有する白色を有する場合には、他の色の外観形成部114より小さな厚さを有することができる。
【0099】
一方、従来の第1カバー部材110に形成される層は、赤外線領域の光の光透過度が低くて、太陽電池に到達する光で可視光線領域の光よりも赤外線領域の光の量が少なくて、赤外線領域の光を効果的に利用するのに困難があった。例えば、反射を防止するための反射防止層は、太陽光の強さが最も強い600nm程度の短波長を有する光の反射を防止することができるように、該当波長で最大の光透過度を有する。従来、第1カバー部材110に備えられる層(一例として、反射防止層)が外観形成部114と同一または類似の物質で構成される場合でも、セラミックの形態を備えない場合には、可視光線領域の光の平均光透過度よりも赤外線領域の光の平均光透過度が小さい。そして反射防止層は、第1ベース部材112及びシール材130よりも小さい1.3程度の屈折率を有し500nm以下(一例として、200nm内外)の厚さを有する。これにより、本実施形態の外観形成層114とは特性が異なり、赤外線領域の光を効果的に利用するには困難がある。また、ほとんどの場合、第1カバー部材110に備えられる層(一例として、反射防止層)の形成が第1カバー部材112の上に積層されることにより行われるので、第1カバー部材110に備える層(一例として、反射防止層)の界面での表面粗さが他の部分との差を有さない。
【0100】
本実施形態においては、第2カバー部材120がカバー部分124を備えて着色されたガラス基板で構成されることができる。本実施形態においてカバー部分124は、太陽電池150、インターコネクタ(142、145)などが外部から認識されないように、一定の色を示す部分で有り得る。外観形成部114とは異なり、建物一体型構造を有する太陽電池パネル100の後面に位置してカバー部分124は、光の拡散、散乱などが要求されないため、特定の色を有することができる。
【0101】
第2カバー部材120またはカバー部分124は、国際照明委員会(CIE)Lab(つまり、CIE L * a * b *)色座標、D65標準光源(正午の太陽光源)から太陽電池150特に、太陽電池150の反射防止層152)と第2カバー部材120の色差(△E * ab)レベルが11以下になるようにする色を有することができる。前述した色差(△E * ab)レベルが11以下になると、太陽電池150、インターコネクタ(142、145)などが一定距離以上では、外部から認識されないようにすることができる。ここで、国際照明委員会(CIE)Lab(つまり、CIE L * a * b *)色座標、D65標準光源で輝度(L *)が50以下で相対的に暗い色を有することができる。それでは、太陽電池150、インターコネクタ(142、145)などが外部から効果的に認識されないようにすることができる。しかし、本発明がこれに限定されるものではなく、国際照明委員会(CIE)Lab(つまり、CIE L * a * b *)色座標、D65標準光源で輝度(L *)が50を超えて相対的に明るい色を有することができる
【0102】
このとき、カバー部分124の色は、外観形成部114の色と同じで有り得、異なることもある。特に、カバー部分124は、透明、半透明などでは形成されないことがあり、白色を除外した無彩色、不透明な色、または太陽電池150と同じ系列の色を有することができる。例えば、カバー部分124が黒、グレー、青、緑、茶、太陽電池150(特に、太陽電池150の反射防止層152)と同じ系列の色、またはこれらを混合した色を有することができる。白は明度の高い色であるため、これを用いてカバー部分124が形成することが難しいことがある。一例として、カバー部分124が太陽電池150と同じ系列の色で形成されると、色の統一性を有し、太陽電池パネル100が、全体的に色の統一性を有するので審美性をさらに向上することができる。しかし、本発明がこれに限定されるものではない。前述した色以外の色であっても外観形成部114よりも低い明るさまたはベース部材112及び/またはベース部分122よりも低い光透過度を有する色であれば、様々な色を使用することができる。
【0103】
このように、第2カバー部材120が、一定の色を有し、太陽電池150などが認識されることを防止するとシール材130の色を変化させなくてもよい。シール材130に色を変化させるための色素(例えば、カーボンブラック)などを含めると、所望しないようにシール材130の絶縁特性などが低下するなどの問題が発生することができる。
【0104】
一例として、本実施形態においてカバー部分124は、酸化物セラミック組成物で構成されることができる。そうすると、同一または類似の製造工程によって、第1及び第2カバー部材(110、120)を形成することができ、製造工程を単純化することができる。この場合にカバー部分124を構成する酸化物セラミック組成物と第2カバー部材120に対しては、先に説明した外観形成部114を構成する酸化物セラミック組成物及び第1カバー部材110の説明がそのまま適用されることができる。
【0105】
しかし、本発明がこれに限定されるものではなくカバー部分124が酸化物セラミック組成物以外の他の物質で構成されることができる。これについては後に図12を参照して、詳細に説明する。
【0106】
そして、前述した説明においては、第2カバー部材120が、ガラス基板で構成された第2ベース部材122とカバー部分124を備えたことを例示したが、本発明がこれに限定されるものではない。例えば、カバー部分124が金属膜(一例として、黒を有するようにコーティングされた銀(Ag)、またはアルミニウム)で構成されて、ガラス基板で構成された、第2ベース部材122に蒸着することができる。または第2カバー部材120が第2ベース部材122とカバー部分124を備えなく一体化された一つの部材で構成されることができる。例えば、第2カバー部材120が金属板(一例として、鋼板)で構成されることができる。そのほかにも、第2カバー部材120または第2ベース部材122が樹脂(一例として、ポリカーボネート(poly carbonate、PC)、ポリエチレンテレフタレート(poly ethylene terephthalate、PET)、エチレンテトラフルオロエチレン(ethylene tetra fluoro ethylene、ETFE)、ポリテトラフルオロエチレン(poly tetra fluoro ethylene、PTFE)など)を含むシート、繊維強化プラスチック(fiber reinforced plastic)などで構成されることができる。このようなシートなどで構成された第2ベース部材122の上に、別のカバー部分124が形成されたり、第2ベース部材122の内部に顔料などが含まれて一定の色を有することができる。このようなシートなどで構成された第2ベース部材122は、単一層または複数の層で構成されることができる。
【0107】
そして、前述した説明においては、第2カバー部材120が一定の色を有する着色された部材で構成されたことを例示した。しかし、本発明がこれに限定されるものではなく、第2カバー部材120が透光性、非透光性、または反射特性のさまざまな特性を有することができる。その他の様々な変形が可能である。
【0108】
図3などにおいては、外観形成部114が第1カバー部材110の外面側に位置しカバー部分124が第2カバー部材120の外面側に位置することを例示した。外観形成部114が第1カバー部材110の外面側に位置して太陽電池パネル100が建物1に適用されたときに発生することができるグレアを外観形成部114によって防止または最小化ことができる。カバー部分124が第2カバー部材120の外面の方向に位置して太陽電池パネル100の後面側に近く位置することができる。しかし、本発明がこれに限定されるものではない。したがって外観形成部114が第1カバー部材112の内面及び外面の内、少なくとも一つに位置することができ、及び/またはカバー部分124が第2カバー部材120の内面及び外面の内、少なくとも一つに位置することができる。そして、前述したように、外観形成部114またはカバー部分124が形成されない他の一面に凹凸、テクスチャリングなどが形成された光拡散部(LD)が形成されることができる。その他の様々な変形が可能である。そして、図4においては外観形成部114とカバー部分124がそれぞれ第1及び第2カバー部材(110,120)の全体領域で1つの色を有しながら形成されたことを例示した。そして、一つの外観形成部114及びカバー部分124がそれぞれ一つのカバー領域(CA)を形成することを例示した。ここで、カバー領域(CA)とは、一定の色、画像、パターン、感じ、質感などを実装するように同じ色、画像、パターン、感じ、質感などを有すると認識される領域を意味する。しかし、本発明がこれに限定されるものではない。
【0109】
したがって外観形成部114及びカバー部分124の内、少なくとも1つが、第1または第2カバー部材(110、120)の一部にのみ形成することができる。そして外観形成部114及びカバー部分124の内、少なくとも1つが、複数の色を有する部分を含むことができる。そしてカバー領域(CA)の一部にのみ外観形成部114またはカバー部分124が形成されてもカバー領域(CA)が一つの領域として認識されることもできる。このような例については図13乃至図16図19及び図20を参照して、後で詳細に説明する。そのほかにも様々な変形が可能である。
【0110】
本実施形態によれば、赤外線領域の平均光透過度である第1透過度が可視光線領域の平均光透過度である第2透過度と同じかそれより大きな外観形成部114が第1カバー部材110に備えられて、太陽電池パネル100の外観及び審美性を向上しながらも、太陽電池パネル100の出力を高く維持することができる。このような外観形成部114は、酸化物セラミック組成物で構成されて、第1カバー部材110が、ガラス基板を含む場合に示されることができるグレア現象を効果的に防止することができる。そして、太陽電池パネル100を横から見る場合にも、色の変化、または外観形成部114が認識されなく所望する色、画像、パターン、感じ、質感などをそのまま維持することができる。また、第2カバー部材120がカバー部分124によって太陽電池150、インターコネクタ(142、145)などが認識されないようにする色を有するように着色されて、太陽電池パネル100の外観をさらに向上することができる。
【0111】
反面、従来技術として、第1または第2ベース部材(110、120)と一体化されないながら、その上に別に形成される着色部を位置させる場合には、横から見たり、明るい場合に着色部分の色が異なるように認識されたり、他の部材とは別に認識されて審美性を低下させることができた。また、従来使用された色ガラスは、光透過度が非常に低くて、太陽電池パネル100の第1カバー部材110などに適用されると、太陽電池パネル100の出力を大幅に低下させることができる。
【0112】
以下においては、本発明の他の実施形態に係る太陽電池パネルを詳細に説明する。前述した説明と同一又は極めて類似の部分については詳細な説明を省略し、互いに異なる部分についてのみ詳細に説明する。そして、前述した実施形態またはこれを変形した例と下の実施形態またはその変形した例を、互いに結合したものもまた、本発明の範囲に属する。
【0113】
図12は、本発明の他の実施形態に係る太陽電池パネルに含まれる第2カバー部材の様々な例を示す部分断面図である。
【0114】
*図12を参照すると、本実施形態に係る太陽電池パネルに含まれる第2カバー部材120は、第2ベース部材122と、第2ベース部材122上に形成され、複数のカバー層(124a、124b、124c、124d)で構成されカバー部分124を含むことができる。複数のカバー層(124a、124b、124c、124d)は、特定の色を実現することができる数で形成され、各カバー層(124a、124b、124c、124d)は、誘電物質、絶縁物質、半導体物質などのような様々な物質で構成されることができる。複数のカバー層(124a、124b、124c、124d)は、図12の(a)から(c)に示すように、様々な階数に実装されることが ている。図12の(a)乃至(c)には、複数のカバー層(124a、124b、124c、124d)が2層乃至4層で構成されたことを例示したが、本発明がこれに限定されるものではなく、5層以上で構成されこともできる。
【0115】
例えば、本実施形態においてカバー部分124は、太陽電池(図3の参照符号150、以下同じ)の反射防止層(図3の参照符号152、以下同じ)と同一又は類似の色を実装することができる。
【0116】
一例として、カバー部分124が、太陽電池150の光電変換部を構成するシリコンを含むシリコン層と、シリコン層の上に位置し、反射防止層152と同一の物質及び積層構造を有する誘電層または絶縁層を含むことができる。それでは、カバー部分124が、太陽電池150と同一または類似の色を有することができて、太陽電池150と同一または類似の色を実現することができる。これにより、簡単な構造によって太陽電池150、インターコネクタ(図2の参照符号142、145、以下同じ)などが認識されることを効果的に防止することができる。
【0117】
他の例として、カバー部分124がそれぞれ金属化合物(一例として、金属酸化物または金属窒化酸化物)で構成される複数のカバー層(124a、124b、124c、124d)を含むことができる。たとえば、複数のカバー層(124a、124b、124c、124d)がシリコン、チタン、アルミニウム、ジルコニウム、亜鉛、アンチモン、銅を含む酸化物または窒化酸化物で構成される絶縁層を複数積層した構造を有することができる。そして、複数のカバー層(124a、124b、124c、124d)が酸化物または窒化酸化物で構成された場合にカバー部分124は、複数のカバー層(124a、124b、124c、124d)の内部または外部にシリコン窒化物を含む層、及び/またはシリコン炭化窒化物を含む層をさらに備え、紫外線、水分等による問題を防止することができる。
【0118】
例えば、カバー部分124が、酸化シリコンで構成された第1カバー層124a、その上に位置し、シリコン窒化物で構成された第2カバー層124b、それと、その上に位置し、シリコン炭化窒化物で構成された第3カバー層124cを含めると、カバー部分124が青色を有することができる。
または、カバー部分124が酸化ジルコニウムで構成された第1カバー層124a、その上に位置し、酸化シリコンで構成された第2カバー層124b、その上に位置し、ジルコニウム酸化物で構成された第3カバー層124c、それとその上に位置し、酸化シリコンを含む第4カバー層124dを含めると、カバー部分124が緑色を有することができる。
【0119】
本実施形態に係ると、蒸着等による簡単な製造工程によってカバー部分124を形成することができ、所望する色を備えた第2カバー部材120を製造することができる。図12においては、カバー部分124が第2カバー部材120の内面側に位置することを例示したが、本発明がこれに限定されるものではなくカバー部分124が第2カバー部材120の外面側に位置することができる。
【0120】
図13は、本発明のまた他の実施形態に係る太陽電池パネルに含まれる第1カバー部材の一例を示す平面図であり、図14は、図13のA-A線に沿って切断して見た断面図である。図13の(a)には、外観形成部114が形成された第1カバー部材110の実際の形状を図示し、図13の(b)では、一定距離だけ離隔された距離から見たときの第1カバー部材110の形状を示した。
【0121】
図13及び図14を参照すると、本実施形態においては、第1カバー部材110でカバー領域(CA)の一部にのみ外観形成部114が備えられ、一定距離だけ離隔された距離から見るとカバー領域(CA)の全体にわたって外観形成部114による同じ外観を有すると認識されることができる。さらに具体的に、図13の(a)に示すように、第1ベース部材112の全領域にドット状の外観形成部114が一定の間隔で位置して、図13の(b)に示したように一定距離だけ離れてみると、外観形成部114が位置した、第1ベース部材112またはカバー領域(CA)が全体的に一つの色として認識されることができる。
【0122】
さらに具体的に、複数の外観形成部114が一定距離を有しながら互いに離隔しながら一定面積の割合以上形成されると、一定距離から見る場合に、光透過部(LTA)を挟んだ複数の外観形成部114が一つで認識されることができる。つまり、複数の外観形成部114によって、複数の外観形成部114が位置したカバー領域(CA)が一つの色として認識されながらも、複数の外観形成部114との間に位置する高い光透過度の第1ベース部材112で構成された、光透過部(LTA)を介して太陽光は大きな損失なしに、第1カバー部材110を通過して、太陽電池150に伝達されることができる。
【0123】
一例として、外観形成部114がそれぞれ0.2~10mmの幅またはサイズを有し、カバー領域(CA)の総面積に対する外観形成部114の総面積の割合が0.01以上(例えば、たとえば、0.01~0.95、さらに具体的には、0.05~0.5)で有り得る。このような範囲で一定距離(一例として、1m)を置いて複数の外観形成部114を見てみると一つの色として認識されることができる。このとき、カバー領域(CA)の総面積に対する外観形成部114の総面積の割合が0.5以下であれば(つまり、外観形成部114の総面積が光透過部(LTA)の面積と同じかそれより小さいと)、第1カバー部材110を通過する光の損失がほとんどなく、所望する色、画像、パターン、感じ、質感などを実装することができる。しかし、本発明がこれに限定されるものではなく、カバー領域(CA)の総面積に対する外観形成部114の総面積の割合が0.95を超える(つまり、0.95超え、1以下)ことで有り得る。
【0124】
または、複数の外観形成部114が、互いに一定の間隔で位置すると複数の外観形成部114を一つで認識することができる。一例として、複数の外観形成部114が40~300 dpi(dots per inch)(一例として、80~300dip)で形成されると、複数の外観形成部114が、全体的に一つで認識されて所望する形状、画像、パターン、感じ、質感などを構成することができる。しかし、本発明がこれに限定されるものではなく、外観形成部114の密度、分布などが多様に変形することができる。
【0125】
本実施形態において外観形成部114は、第1ベース部材112の一面で厚さ方向での一部分に対応するように形成される。さらに具体的に、外観
形成部114の一部分が第1ベース部材112の内部に陥没され、他の部分が外観形成部114が形成されない第1ベース部材112の基板面(BS)より突出した形状を有する。このような外観形成部114の外面がラウンドされた形状を有することができる。このとき、外観形成部114と、第1ベース部材112の境界での表面粗さが基板面(BS)の表面粗さよりも大きくなることができる。しかし、本発明がこれに限定されるものではなく、第1ベース部材112に隣接する外観形成部114の形状が異なる形状を有することもできる。一例として、外観形成部114が均一な厚さを有しながら、平らに形成することもできる。その他の様々な変形が可能である。
【0126】
図13においては、カバー領域(CA)を構成する外観形成部114が円形のドット形状を有し、カバー領域(CA)でドット形状の外観形成部114が位置しない部分が全体的に接続されて光透過部(LTA)を形成することを例示した。しかし、本発明がこれに限定されるものではなく、外観形成部114が円形、楕円形、多角形(三角形、四角形など)、不規則形状、またはこれらの組み合わせで構成されることもある。他の例として、図15の(a)に示すように、外観形成部114が一字形状を有するように一方向に長くつながって複数の外観形成部114がストライプ形状を形成することもできる。それでは、複数の外観形成部114と平行な光透過部(LTA)が複数の外観形成部114との間に位置して、前記一方向と交差する方向で外観形成部114光透過部(LTA)が交互して位置することができる。また別の例として、図15の(b)に示すように、外観形成部114が、第1方向に延びる第1部分と、第1方向と交差する第2方向に延長される第2部分を含むチェック柄の形状を有することもできる。それでは、第1部分と第2部分によって囲まれてドット形状を有する部分が光透過部(LTA)を構成することができる。そのほかにも外観形成部114が、様々な形状を有することができる。
【0127】
本実施形態においては、太陽電池パネル100を一定距離以上(一例として、1m以上)から離れ肉眼で見る場合に、第1カバー部材110によって太陽電池パネル100が一定の色、画像、パターン、感じ、質感などを全体的に均一に有することができる。一例として、建物(図1の参照符号1、以下同じ)の外観を眺めために十分な距離で太陽電池パネル100を見た場合に、建物1の外観を向上させながらも、出力は大きく減らさないようにすることができる。
【0128】
図13図15においては、第1カバー部材110及び、これに含まれた外観形成部114に基づいて説明したが、しかし、第1及び/または第2カバー部材(110、120)に含まれる外観形成部114またはカバー部分124が、前述した構造を有することができる。
【0129】
図16は、本発明のまた他の実施形態に係る太陽電池パネルに含まれる第2カバー部材の一例を示す平面図である。図16の(a)には、カバー部分114が形成された第2カバー部材120の実際の形状を示したし、図16の(b)では、一定距離だけ離隔された距離で見たときの第2カバー部材120の形状を示した。
【0130】
図16に示すように、第2カバー部材120に形成されたカバー部分124がカバー領域(CA)の一部のみに形成されカバー領域(CA)が全体的に同じように認識されることができる。しかし、本発明がこれに限定されるものではない。つまり、カバー部分124は、それ自体で外観を形成する役割よりは、太陽電池150、インターコネクタ(142、145)などが認識されないようにする役割だけを実行すると、されるため、カバー領域(CA)が同じように認識されなくてもよい。図16においては、カバー部分124が円形のドット形状を有することを例示したが、本発明がこれに限定されるものではなくカバー部分124が、様々な形状を有することができる。
【0131】
前述した実施形態及び後述する実施形態において、一例として、カバー部分124が外観形成部114よりも低い明度を有したり、相対的に低い光透過度を有するか、及び/または第1カバー比率より第2カバー比率がさらに大きくなることがある。一例として、外観形成部114よりカバー部分124の明度が低いか、カバー部分124が外観形成部114と同じ色またはこれより低い明度の色を有しながら、第1カバー比率より大きな第2カバー比率を有することができる。それでは、太陽電池150、インターコネクタ(142、145)などが認識されることを防止することができる。第1カバー比率はカバー領域(CA)の面積の外観形成部114の面積の割合を意味し、第2カバー比率は、非有効領域(NA)の面積に対して非有効領域(NA)に位置するカバー部分124が占める面積の割合を意味することができる。
【0132】
ここで、相対的に低い明度を有するとすることは、外観形成部114よりも低い明度を有することを意味することができ、相対的に低い光透過度を有するとすることは、第1ベース部材112及び/または第2ベース部材122よりも低い光透過度を有することを意味することができる。一例として、第1カバー部材110の外観形成部114と第2カバー部材120のカバー部分124が同一または類似のパターンを有すると、太陽電池パネル100内でのデザインの統一性を有し審美性を確保することができる。
【0133】
すなわち、図17の(a)のような太陽電池150とインターコネクタ(142、145)の上に、図17の(b)に示すように外観形成部114を有する第1カバー部材110を置くと、外観形成部114による色は認識されることができるが、太陽電池150の境界及びインターコネクタ(142、145)の境界がどの程度認識される。この状態で、図17の(c)のようにカバー部分124を有する第2カバー部材120を一緒に置くと、外観形成部114による色が認識されながらも外観形成部114とカバー部分124の干渉によって、太陽電池150、インターコネクタ(142、145)などの境界を認識しにくくなる。
【0134】
本実施形態において、インターコネクタ(142、145)を覆う形状のシールド部材が太陽電池150及びインターコネクタ(142、145)と、第1シール材130の間に位置することができる。一例として、シールド部材が、隣接する太陽電池10の間に位置する第1インターコネクタ142及び/または複数の太陽電池ストリングの端部で、これらに接続される第2インターコネクタ145例えば、バスリボン)を覆う位置に位置することができる。このようなシールド部材50は、特定の色(一例として、黒色、灰色、または太陽電池10と同一または類似の色)を有することができ、インターコネクタ(142、145)と、他の反射度を有しインターコネクタ(142、145)が認識されることを防止するが光を完全に遮断することはない物質で構成されることができる。このようなシールド部材は、太陽電池150などに粘着されて位置することができる。ここで、粘着とは、常温で物理的な力により2つの層が互いに付着したり分離することができる程度の接着力を意味するもので、熱処理を介して、2つの層が互いに付着され、2つの層を分離する際にいずれか1つの層が損傷される接着(adhesion)とは別の意味である。このようにシールド部材が粘着によって太陽電池150などに固定されると、製造工程中シールド部材の粘着、分離、位置調整などが容易である。シールド部材の形状、構造、物質などは多様に変形することができる。または、一定の色(一例として、黒色、グレーなど)を有するインターコネクタ(142、145)が使用されることができる。それでは、インターコネクタ(142、145)などの境界が認識されることをさらに効果的に防止することができる。一例として、第2カバー比率が0.5~1で有り得る。つまり、非有効領域(NA)の全域について、これに形成されたカバー部分124の面積の割合が0.5~1で有り得る。このような第2カバー比率を有するとき、太陽電池150の境界が認識されるかインターコネクタ(142、145)などが認識されることを効果的に防止することができる。
【0135】
一例として、第2カバー部材120が、図16に示すように、有効領域(AA)と非有効領域(NA)に対応するように、全体的に形成されることもあり、図18に示すようのように、非有効領域(NA)に対応する部分にのみ形成され有効領域(AA)には形成されないことがある。有効領域(AA)のカバー部分124が形成されないとカバー部分124の形成のためのコストを削減することができる。
【0136】
図19は、本発明のまた他の実施形態に係る太陽電池パネルに含まれる第1カバー部材を示す平面図である。
【0137】
図19に示すように、本実施形態においては、互いに異なる色を有する複数のカバー領域(CA)が備えられることができる。互いに異なる色を有する複数のカバー領域(CA)が互いに隣接するか、独立して位置することができる。図19においては、一例として、2色を有する第1及び第2外観形成部(114a、114b)によって互いに異なる色を有する二つの第1及び第2カバー領域(CA1、CA2)が備えたことを例示した。しかし、本発明が、カバー領域(CA)の形状、色、数、配置等に限定されるものではなく、様々な変形が可能である。
【0138】
図20は、本発明のまた他の実施形態に係る太陽電池パネルに含まれた第1カバー部材を示す平面図である。
【0139】
図20に示すように、本実施形態では、第1カバー部材110または第1ベース部材112の一部の領域にのみカバー領域(CA)が位置し、他の領域は、一定の色などが備えないと認識される非カバー領域(NCA)が位置することができる。図20においては、一例として、2色を有する第1及び第2外観形成部(114a、114b)によって互いに異なる色を有する二つの第1及び第2カバー領域(CA1、CA2)が備えたことを例示した。しかし、本発明が、カバー領域(CA)の形状、色、数、位置などに限定されるものではなく、様々な変形が可能である。
【0140】
図18図20においては、外観形成部114またはカバー部分124がカバー領域(CA)に全体的に形成されたことを例示したが、図16の(a)に示すようにカバー領域(CA)の一部にのみ外観形成部114またはカバー部分124が位置し、一定距離以上に見ると、一つのカバー領域(CA)として認識されるもので有り得る。
【0141】
前述したところに従った特徴、構造、効果などは、本発明の少なくとも一つの実施形態に含まれ、必ずしも一つの実施形態のみに限定されるものではない。さらに、各実施形態で例示された特徴、構造、効果などは、実施形態が属する分野の通常の知識を有する者によって他の実施形態にも組み合わせ、または変形して実施可能である。したがって、このような組み合わせと変形に係る内容は、本発明の範囲に含まれるものと解釈されるべきである。
図1
図2
図3
図4(a)】
図4(b)】
図5
図6a
図6b
図6c
図6d
図7
図8
図9
図10(a)】
図10(b)】
図10(c)】
図11
図12(a)】
図12(b)】
図12(c)】
図13(a)】
図13(b)】
図14
図15(a)】
図15(b)】
図16(a)】
図16(b)】
図17(a)】
図17(b)】
図17(c)】
図18
図19
図20
【国際調査報告】