(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-04-01
(54)【発明の名称】地理的領域を横断して健康データを管理し、正当性を立証し、伝送するためのシステムおよび方法
(51)【国際特許分類】
G16H 30/20 20180101AFI20220325BHJP
A61B 5/00 20060101ALI20220325BHJP
【FI】
G16H30/20
A61B5/00 D
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021548692
(86)(22)【出願日】2020-02-21
(85)【翻訳文提出日】2021-10-13
(86)【国際出願番号】 US2020019246
(87)【国際公開番号】W WO2020172544
(87)【国際公開日】2020-08-27
(32)【優先日】2019-02-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】513030879
【氏名又は名称】ハートフロー, インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100078282
【氏名又は名称】山本 秀策
(74)【代理人】
【識別番号】100113413
【氏名又は名称】森下 夏樹
(74)【代理人】
【識別番号】100181674
【氏名又は名称】飯田 貴敏
(74)【代理人】
【識別番号】100181641
【氏名又は名称】石川 大輔
(74)【代理人】
【識別番号】230113332
【氏名又は名称】山本 健策
(72)【発明者】
【氏名】ユーセフィ, ラジク
(72)【発明者】
【氏名】グラディー, レオ
(72)【発明者】
【氏名】サストリー, ジェイ
【テーマコード(参考)】
4C117
5L099
【Fターム(参考)】
4C117XB02
4C117XB05
4C117XE44
4C117XE45
4C117XE46
4C117XL01
4C117XL13
4C117XQ18
4C117XR07
4C117XR08
4C117XR09
5L099AA15
(57)【要約】
システムおよび方法が、健康データが異なる地理的地域内で分析、管理、および記憶されることを可能にしながら、患者プライバシーを守るために開示される。患者プライバシーを守りながら、国境を越えた健康データを管理するための1つの方法は、分析のために病院コンピューティングデバイスからDICOMオブジェクトを受信するステップと、DICOMオブジェクトに関して一意の症例識別子を発生させるステップと、受信されたDICOMオブジェクトの正当性を立証するステップと、立証に基づいて、受信されたDICOMオブジェクトが有効である場合、受信されたDICOMオブジェクトを匿名化するステップと、匿名DICOMオブジェクトを更新し、一意の症例識別子を含むステップと、更新されたDICOMオブジェクトを圧縮するステップと、圧縮されたDICOMオブジェクトを少なくとも1つのデータ分析ウェブサービスに送信するステップとを含む。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
患者プライバシーを守りながら、国境を越えた健康データを管理するコンピュータ実装方法であって、前記方法は、
分析のために病院コンピューティングデバイスからDICOMオブジェクトを受信するステップと、
前記DICOMオブジェクトに関して一意の症例識別子を発生させるステップと、
前記受信されたDICOMオブジェクトの正当性を立証するステップと、
前記立証に基づいて、前記受信されたDICOMオブジェクトが有効である場合、前記受信されたDICOMオブジェクトを匿名化するステップと、
前記一意の症例識別子を含むように、前記匿名DICOMオブジェクトを更新するステップと、
前記更新されたDICOMオブジェクトを圧縮するステップと、
前記圧縮されたDICOMオブジェクトを少なくとも1つのデータ分析ウェブサービスに送信するステップと
を含む、方法。
【請求項2】
前記一意の症例識別子は、単一の症例研究に関連する1つ以上のDICOMオブジェクトにアタッチされる、請求項1に記載のコンピュータ実装方法。
【請求項3】
前記受信されたDICOMオブジェクトの立証は、DICOM画像サイズ、前記DICOM画像の位置付け、または前記DICOMオブジェクトと関連付けられる画質に基づく、請求項1に記載のコンピュータ実装方法。
【請求項4】
前記受信されたDICOMオブジェクトを匿名化するステップはさらに、
前記DICOMオブジェクトから患者プライバシー情報を抽出するステップと、
抽出された患者プライバシー情報と、
領域特有のウェブサービスを識別するステップと、
前記一意の症例識別を伴う前記暗号化された患者プライバシー情報を前記識別された領域特有のウェブサービスに送信するステップと
から成る、請求項1に記載のコンピュータ実装方法。
【請求項5】
領域特有のウェブサービスを識別するステップはさらに、
前記病院コンピューティングデバイスと関連付けられる1つ以上のネットワークパラメータをウェブアプリケーションファイアウォール(WAF)サービスに提供し、前記病院コンピューティングデバイスの地理場所を決定するステップと、
前記WAFサービスによって提供される場所特有のアプリケーションプログラミングインターフェース(API)を使用して、領域特有のウェブサービスのネットワークアドレスを読み出すステップであって、前記識別された領域特有のウェブサービスは、前記読み出されたネットワークアドレスと関連付けられる前記領域特有のウェブサービスである、ステップと
から成る、請求項4に記載のコンピュータ実装方法。
【請求項6】
前記病院コンピューティングデバイス上に健康データ管理システムをダウンロードする要求を受信するステップと、
前記病院コンピューティングデバイス上に前記健康データ管理システムをダウンロードするためのインストールファイルを提供するステップと
をさらに含む、請求項1に記載のコンピュータ実装方法。
【請求項7】
患者査定システム、CTスキャナ、および病院ワークステーションのうちの少なくとも1つからDICOMオブジェクトを受信するように、前記健康データ管理システムを構成するステップと、
ウェブインターフェースを経由して前記病院コンピューティングデバイスの優先順位を受信するステップと、
前記受信された優先順位に基づいて、前記圧縮されたDICOMオブジェクトを更新するステップと
をさらに含む、請求項6に記載のコンピュータ実装方法。
【請求項8】
前記病院コンピューティングデバイス上に仮想マシンを作成するステップと、
仮想マシンクライアントから前記インストールファイルを展開するステップと、
前記仮想マシンをアクティブ化するステップと
をさらに含む、請求項6に記載のコンピュータ実装方法。
【請求項9】
前記健康データ管理システムを構成するステップはさらに、ホスト名、前記病院コンピューティングデバイスに関する1つ以上のネットワークパラメータ、1つ以上の通信ポート、DICOMアプリケーションエンティティタイトル、またはそれらの組み合わせを構成するステップから成る、請求項6に記載のコンピュータ実装方法。
【請求項10】
定義された形式の健康データ報告に対する要求を受信するステップと、
前記一意の症例識別子を使用して、記憶エンティティから前記健康データ報告を読み出すステップと、
前記一意の症例識別子と関連付けられる患者プライバシー情報を読み出すステップと、
前記患者プライバシー情報を含むように、前記読み出された健康データ報告を更新するステップと、
前記健康データ報告を、コンピューティングデバイス、病院電子記録サーバ、または事前構成された宛先ネットワークアドレスのうちの少なくとも1つにプッシュするステップと
をさらに含む、請求項1に記載のコンピュータ実装方法。
【請求項11】
前記健康データ報告は、国際健康レベル7(HL7)メッセージ、DICOMファイルとして、またはポータブルドキュメント形式(PDF)オブジェクトとしてプッシュされる、請求項10に記載のコンピュータ実装方法。
【請求項12】
前記病院コンピューティングデバイスは、患者査定システム、画像診断法、および病院ワークステーションのうちの少なくとも1つである、請求項1に記載のコンピュータ実装方法。
【請求項13】
患者プライバシーを守りながら、国境を越えた健康データを管理するためのシステムであって、前記システムは、
患者プライバシーを守りながら、国境を越えた健康データを管理する命令を記憶する1つ以上のデータ記憶デバイスと、
1つ以上のプロセッサであって、前記1つ以上のプロセッサは、前記命令を実行し、
分析のために病院コンピューティングデバイスからDICOMオブジェクトを受信するステップと、
前記DICOMオブジェクトに関して一意の症例識別子を発生させるステップと、
前記受信されたDICOMオブジェクトの正当性を立証するステップと、
前記立証に基づいて、前記受信されたDICOMオブジェクトが有効である場合、前記受信されたDICOMオブジェクトを匿名化するステップと、
前記一意の症例識別子を含むように、前記匿名DICOMオブジェクトを更新するステップと、
前記更新されたDICOMオブジェクトを圧縮するステップと、
前記圧縮されたDICOMオブジェクトを少なくとも1つのデータ分析ウェブサービスに送信するステップと
を含む方法を実施するように構成される、1つ以上のプロセッサと
を備える、システム。
【請求項14】
前記受信されたDICOMオブジェクトの立証は、DICOM画像サイズ、前記DICOM画像の位置付け、または前記DICOMオブジェクトと関連付けられる画質に基づく、請求項13に記載のシステム。
【請求項15】
前記病院コンピューティングデバイスは、患者査定システム、画像診断法、および病院ワークステーションのうちの少なくとも1つである、請求項13に記載のシステム。
【請求項16】
前記病院コンピューティングデバイス上に健康データ管理システムをダウンロードする要求を受信するステップと、
前記病院コンピューティングデバイス上に前記健康データ管理システムをダウンロードするためのインストールファイルを提供するステップと
をさらに含む、請求項13に記載のシステム。
【請求項17】
前記システムはさらに、
患者査定システム、CTスキャナ、および病院ワークステーションのうちの少なくとも1つからDICOMオブジェクトを受信するように、前記健康データ管理システムを構成することと、
ウェブインターフェースを経由して前記病院コンピューティングデバイスの優先順位を受信することと、
前記受信された優先順位に基づいて、前記圧縮されたDICOMオブジェクトを更新することと
を行うように構成される、請求項16に記載のシステム。
【請求項18】
前記システムはさらに、
前記病院コンピューティングデバイス上に仮想マシンを作成することと、
仮想マシンクライアントから前記インストールファイルを展開することと、
前記仮想マシンをアクティブ化することと
を行うように構成される、請求項16に記載のシステム。
【請求項19】
患者プライバシーを守りながら、国境を越えた健康データを管理するための方法を実施するためのコンピュータ実行可能プログラミング命令を含有するコンピュータシステム上で使用するための非一過性のコンピュータ可読媒体であって、前記方法は、
分析のために病院コンピューティングデバイスからDICOMオブジェクトを受信するステップと、
前記DICOMオブジェクトに関して一意の症例識別子を発生させるステップと、
前記受信されたDICOMオブジェクトの正当性を立証するステップと、
前記立証に基づいて、前記受信されたDICOMオブジェクトが有効である場合、前記受信されたDICOMオブジェクトを匿名化するステップと、
前記一意の症例識別子を含むように、前記匿名DICOMオブジェクトを更新するステップと、
前記更新されたDICOMオブジェクトを圧縮するステップと、
前記圧縮されたDICOMオブジェクトを少なくとも1つのデータ分析ウェブサービスに送信するステップと
を含む、非一過性のコンピュータ可読媒体。
【請求項20】
領域特有のウェブサービスを識別するステップは、
前記病院コンピューティングデバイスと関連付けられる1つ以上のネットワークパラメータをウェブアプリケーションファイアウォール(WAF)サービスに提供し、前記病院コンピューティングデバイスの地理場所を決定するステップと、
前記WAFサービスによって提供される場所特有のアプリケーションプログラミングインターフェース(API)を使用して、領域特有のウェブサービスのネットワークアドレスを読み出すステップであって、前記識別された領域特有のウェブサービスは、前記読み出されたネットワークアドレスと関連付けられる前記領域特有のウェブサービスである、ステップと
から成る、請求項19に記載の非一過性のコンピュータ可読媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願)
本願は、その開示全体が参照することによってその全体として本明細書に組み込まれる、2019年2月22日に出願された、米国仮出願第62/809,151号の優先権を主張する。
【背景技術】
【0002】
病院は、患者に関する有意量の健康データ記録を発生させ、記憶する。従来的に、健康データ(例えば、医療報告、X線、CTスキャン等)分析は、病院において医療専門家によって実施される。しかしながら、病院は、最先端技術を伴う(例えば、画像処理、自然言語処理、および人工知能を伴う)予測健康データ分析を実施することが可能ではない場合がある。ますます、健康データ分析の種々の側面が、病院外で実施されている。健康データが、病院外で分析されるとき、ファイルサイズ、データタイプ、データのルーティング、ファイル妥当性(例えば、画質)、転送するファイルの選択を促進するために使用されるべきアプリケーションユーザインターフェース(API)、プライバシー等を含む、病院の外に健康データを転送するために考慮するべきいくつかの要因が存在し得る。
【0003】
ある状況では、健康データは、病院または病院の部門外の領域内で分析される必要があり得る。種々の病院設備、部門、国、または地理的領域は、患者プライバシーを保護するための異なる要件を保有し得る。一般的に、健康データは、患者プライバシーデータを含み得、指定された国または領域外にそのような健康データを転送することは、患者プライバシー要件に違反し得る。例えば、米国の法律は、個人の健康情報を個人にリンクし得る情報のカテゴリを定義することによって、患者プライバシーを保護しようとする。本情報のカテゴリは、「保護健康情報(PHI)」と呼ばれ、米国の医療専門家およびサービスプロバイダ(例えば、医師、病院、保険会社、対象エンティティ、事業提携者等)は、PHI関連の健康データの使用および転送を決定付ける規制によって統制される。他の国および領域も、類似規制、法律、および/または規格(例えば、GDPR)を含み得る。
【0004】
同時に、特定の健康データ分析、記憶、および管理能力が、ある領域内にのみ存在し得る。例えば、特定の医療データ分析は、1つの選択された領域内のみで利用可能な分析を伴うウェブサービスおよびインフラストラクチャの使用を伴い得る。その選択された領域外の患者は、患者プライバシー規制が、その患者プライバシー情報(したがって、その健康データ)が選択された領域に転送されることができないことを決定付け得るため、分析サービスへのアクセスを有していない場合がある。要するに、患者プライバシー情報の国境を越えた転送を限定する患者プライバシー規制は、データが領域の外に存在するデータ分析設備によって分析されることができないことを意味し得る。その結果として、患者は、ある領域内で利用可能なデータ分析能力に限定され得る。
【0005】
したがって、領域外分析に備えた健康データの終端間自動取り込みおよび処理のためのセキュア、拡張可能、ロバスト、かつ融通性のあるインフラストラクチャを作成し得る、健康データ管理システムの所望が、存在する。さらに、領域外分析の分析された健康データ結果を含む、報告を提供することが可能な健康データ管理システムの所望が、存在する。一実施形態では、健康データ管理システムの種々のシステムおよび方法は、領域外分析の結果の正当性を立証するための誘導分析者ワークフローを含んでもよい。
【0006】
前述の一般的説明および以下の詳細な説明は、例示的かつ解説的にすぎず、本開示の制限ではない。本開示の種々の実施形態は、一実施形態による、異なる地理的地域内で健康データを効率的に分析、管理、および記憶しながら、患者のプライバシーを守るシステムおよび方法に関する。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示のある側面によると、システムおよび方法が、患者プライバシーを守りながら、分析のために国境を越えた健康データを管理するために開示される。
【0008】
患者プライバシーを守りながら、国境を越えた健康データを管理する方法であって、本方法は、分析のために病院コンピューティングデバイスからDICOMオブジェクトを受信するステップと、DICOMオブジェクトに関して一意の症例識別子を発生させるステップと、受信されたDICOMオブジェクトの正当性を立証するステップと、立証に基づいて、受信されたDICOMオブジェクトが有効である場合、受信されたDICOMオブジェクトを匿名化するステップと、匿名DICOMオブジェクトを更新し、一意の症例識別子を含むステップと、更新されたDICOMオブジェクトを圧縮するステップと、圧縮されたDICOMオブジェクトを少なくとも1つのデータ分析ウェブサービスに送信するステップとを含む。
【0009】
別の実施形態によると、患者プライバシーを守りながら、国境を越えた健康データを管理するためのシステムは、患者プライバシーを守りながら、国境を越えた健康データを管理する命令を記憶する、データ記憶デバイスと、分析のために病院コンピューティングデバイスからDICOMオブジェクトを受信し、DICOMオブジェクトに関して一意の症例識別子を発生させ、受信されたDICOMオブジェクトの正当性を立証し、立証に基づいて、受信されたDICOMオブジェクトが有効である場合、受信されたDICOMオブジェクトを匿名化し、匿名DICOMオブジェクトを更新し、一意の症例識別子を含み、更新されたDICOMオブジェクトを圧縮し、圧縮されたDICOMオブジェクトを少なくとも1つのデータ分析ウェブサービスに送信するために構成される、プロセッサとを備える。
【0010】
別の実施形態によると、患者プライバシーを守りながら、国境を越えた健康データを管理するための方法を実施するためのコンピュータ実行可能プログラミング命令を含有する、コンピュータシステム上で使用するための非一過性のコンピュータ可読媒体であって、本方法は、分析のために病院コンピューティングデバイスからDICOMオブジェクトを受信するステップと、DICOMオブジェクトに関して一意の症例識別子を発生させるステップと、受信されたDICOMオブジェクトの正当性を立証するステップと、立証に基づいて、受信されたDICOMオブジェクトが有効である場合、受信されたDICOMオブジェクトを匿名化するステップと、匿名DICOMオブジェクトを更新し、一意の症例識別子を含むステップと、更新されたDICOMオブジェクトを圧縮するステップと、圧縮されたDICOMオブジェクトを少なくとも1つのデータ分析ウェブサービスに送信するステップとを含む。
【0011】
開示される実施形態の付加的目的および利点は、以下に続く説明に部分的に記載され、説明から部分的に明白となるであろう、または開示される実施形態の実践によって習得され得る。開示される実施形態の目的および利点は、特に、添付の請求項で指摘される、要素および組み合わせを用いて、実現および達成されるであろう。
【0012】
前述の一般的説明および以下の詳細な説明は両方とも、例示的かつ解説的にすぎず、請求されるような開示される実施形態の制限ではないことを理解されたい。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】
図1は、本開示の例示的実施形態による、病院とデータ分析ベンダとの間の健康データ管理の例示的概略ブロック図を描写する。
【0014】
【
図2】
図2は、本開示の例示的実施形態による、
図1の健康データ管理システム100を通した健康データの例示的データフローを描写する。
【0015】
【
図3】
図3は、本開示の例示的実施形態による、
図1の健康データ管理システム100のコンポーネントを描写する。
【0016】
【
図4】
図4は、本開示の例示的実施形態による、健康データ管理システム100を通した健康データの例示的シーケンスフローを描写する。
【0017】
【
図5】
図5は、本開示の例示的実施形態による、健康データを管理する例示的方法のフロー図である。
【0018】
【
図6】
図6は、本開示の例示的実施形態による、国境を越えた分析のために健康データを送信する例示的方法のフロー図である。
【0019】
【
図7】
図7は、本開示の例示的実施形態による、健康データ分析報告を受信する例示的方法のフロー図である。
【0020】
【
図8A】
図8Aは、本開示の例示的実施形態による、
図1の健康データ管理システム100をインストールする例示的方法のフロー図である。
【0021】
【
図8B】
図8Bは、本開示の例示的実施形態による、
図1の健康データ管理システム100のインストールの例示的概略ブロック図およびデータフローである。
【0022】
【
図8C】
図8Cは、本開示の例示的実施形態による、病院管理者が
図1の健康データ管理システム100を構成することを可能にする、ウェブインターフェースのスクリーンショットである。
【発明を実施するための形態】
【0023】
ここで、その実施例が付随する図面に図示される、本開示の例示的実施形態が詳細に参照されるであろう。可能な限り、同一の参照番号が、同一または同様の部分を指すために、図面の全体を通して使用されるであろう。
【0024】
本明細書で使用されるように、用語「例示的」は、「理想的」ではなく、「実施例」の意味で使用される。さらに、用語「a」および「an」は、本明細書では、数量の限定を表さず、むしろ、参照される項目のうちの1つ以上のものの存在を表す。本開示の目的のために、「患者」は、診断または治療分析(例えば、データ分析)が実施されている任意の個人または人物、または1人以上の個人の診断または治療分析と関連付けられる任意の個人または人物を指し得る。
【0025】
用語「健康データ」は、1回の実践で患者に関して収集される医療データ(例えば、医用デジタル画像および通信(Digital Imaging and Communications in Medicine;DICOM)オブジェクト)、および任意の医療提供者、研究所、専門家、臨床医等によって患者に関して収集される健康データを含んでもよい。健康データは、特定の患者と関連付けられ得、患者は、患者プライバシー情報を介して識別可能である。患者プライバシー情報は、健康データを特定の個人にリンクする任意の情報であってもよい。患者プライバシー情報は、客観的に(個人をその健康データに結び付ける情報として)、および/または法律および規制によって定義され得る。種々の領域は、患者プライバシー情報を構成する情報の種類の異なる定義を含んでもよい。
【0026】
「領域」は、患者プライバシーを保護する規制によって定義される国境を伴う任意の環境を指し得る。一実施形態では、「領域」は、患者プライバシー/個人データを保護する規制のセットによって統制される、既知の地理的領域を指し得る。例えば、「領域」は、患者プライバシー法の単一のセットの下で運営される、州(例えば、カリフォルニア)、国(例えば、米国、日本、カナダ等)、または国の群(例えば、ヨーロッパ)を指し得る。米国に関して、患者プライバシー情報は、保護健康情報(PHI)を含んでもよい。米国および種々の他の領域に関して、患者プライバシー情報は、個人健康情報、患者識別情報等(例えば、CT、MRI、超音波等)を含んでもよい。健康データを伝送しながら患者健康情報を保護するための種々のシステムおよび方法が、例えば、2017年6月27日に出願され、「Systems and Methods for Modifying and Reacting Health Data Across Geographic Regions」と題された、米国非仮出願第15/635,127号(参照することによってその全体として本明細書に組み込まれる)に開示される。
【0027】
代替として、または加えて、「領域」は、所与の物理的設備、所与のエンティティのコンピューティングシステム、または所与のクラウドプラットフォームを指し得る。そのような場合において、その間で健康データが編集される種々の領域がなお、単一の国、州、または地方内に存在し得る。例えば、領域は、データ分析のために健康データを別の領域(例えば、クラウドプラットフォーム)に転送することに先立って、収集された健康データから患者プライバシー情報を除去し得る、病院を含んでもよい。病院およびクラウドプラットフォームは、同一の地理的に定義された領域、例えば、米国内に存在し得る。
【0028】
本開示は、病院の外に健康データを転送するためのシステムおよび方法を含む。一実施形態では、健康データは、分析のためにクラウドベースのウェブサービスに転送されてもよい。健康データ転送は、分析のために転送するファイルを選択または識別するステップと、転送のため、または分析のためのファイルを準備するステップと、自動健康データ取り込みを実施するステップと、ファイルの転送の時間を決めるステップと、種々のファイルが関連するかどうかを決定するステップと、健康データの完了した分析を検出するステップと、健康データ分析のステータスまたは進捗を監視するステップと、完了した分析の報告を発生させるステップと、完了した分析の報告を受信または伝送するステップと、別様に領域(例えば、病院)とクラウドベースのウェブサービスとの間の相互作用を管理するステップとを含んでもよい。
【0029】
一実施形態では、転送のためにファイルを準備し、完了した分析を決定することは、第1の領域から外への健康データの転送の間に患者プライバシーを守ることを伴ってもよい。例示的な場合において、第1の領域は、病院を含んでもよい。そのようなシナリオでは、健康データ管理システムは、データの遠隔分析のために、病院からベンダにデータを転送する一実施形態を含んでもよい。一実施形態では、健康データ管理システムは、病院から健康データを受信してもよく、健康データのファイルは、患者プライバシー情報を含む。健康データ管理システムは、健康データから患者プライバシー情報を取り除くことによって、健康データファイルを匿名化してもよい。健康データ管理システムはさらに、匿名健康データをクラウドベースのデータ分析ウェブサービスに送信してもよい。一実施形態では、患者プライバシー情報は、(例えば、第1の病院領域における)領域特有のクラウドベースのウェブサービス内に送信および記憶されてもよい。換言すると、匿名化された健康データが、第1の領域からクラウドベースのデータ分析ウェブサービスに転送されてもよい一方、健康データと関連付けられる患者プライバシー情報は、領域特有のクラウドベースのウェブサービスにおいて第1の領域内に留まってもよい。
【0030】
一実施形態では、健康データ管理システムは、クラウドベースのデータ分析ウェブサービスからの健康データ分析の結果を含む、完了した報告を発生させる、または検出してもよい。一実施形態では、健康データ管理システムは、結果報告を領域(例えば、第1の病院領域)にプッシュしてもよい。このように、データ分析は、患者プライバシー情報を遠隔領域に伝送することなく、遠隔領域内で実施されてもよい。換言すると、健康データの伝送は、健康データが、患者プライバシーを守りながら、遠隔領域において分析を受け得るように、健康データからの患者プライバシー情報を修正および編集するステップを含んでもよい。
【0031】
一実施形態では、健康データ管理システムは、DICOMオブジェクトの分析のために顧客地点(例えば、病院、診療所等)からクラウドコンピューティングウェブサービスに健康データ(例えば、DICOMオブジェクト)を転送してもよい。本システムは、DICOMプロトコルを使用して、CTスキャナ、CTワークステーション、または患者査定システムから直接、健康データを受信してもよい。
【0032】
一実施形態では、健康データは、(例えば、DICOMファイルの形態で)患者特有の画像データを含んでもよい。1つのシナリオでは、画像データは、患者の心臓の幾何学形状、例えば、患者の大動脈の少なくとも一部、大動脈に接続される主冠動脈(およびそこから延在する分岐)の近位部分、および/または心筋に関するデータを含んでもよい。患者特有の解剖学的データは、例えば、非侵襲性撮像方法を使用して、非侵襲的に取得されてもよい。例えば、CCTAは、ユーザが、コンピュータ断層撮影(CT)スキャナを動作させ、構造、例えば、心筋、大動脈、主冠動脈、およびそこに接続された他の血管を視認し、その画像を作成し得る、撮像方法である。CCTAデータは、例えば、心周期にわたって血管形状の変化を示すように、時間的に変動し得る。CCTAは、患者の心臓の画像を生成するために使用されてもよい。
【0033】
代替として、他の非侵襲性撮像方法(磁気共鳴映像法(MRI)または超音波(US)を含む)または侵襲性撮像方法(デジタル減算血管造影(DSA)等)が、患者の生体構造の構造の画像を生成するために使用されてもよい。撮像方法は、造影剤を静脈内で患者に注入し、生体構造の構造の識別を可能にすることを伴い得る。画像(例えば、CCTA、MRI等によって発生される)を伴う健康データは、放射線学研究所または心臓専門医等の第三者ベンダによって、患者の医師によって等、提供されてもよい。
【0034】
他の患者特有の解剖学的データもまた、非侵襲性的に患者から決定されてもよい。例えば、患者の血圧、基準心拍数、身長、体重、ヘマトクリット、1回拍出量等の生理学的データが、測定されてもよい。血圧は、最大(収縮期)および最小(拡張期)圧力等の患者の上腕動脈(例えば、圧力カフを使用する)内の血圧を含んでもよい。例示的健康データは、したがって、画像診断法、ウェアラブル機器、血圧カフ、温度計、フィットネストラッカ、血糖測定器、心拍数モニタ等から収集されるデータを含んでもよい。
【0035】
図1は、本開示の例示的実施形態による、クラウドプラットフォームを介して健康データを管理するための病院・ベンダシステムの概略ブロック図である。病院・ベンダシステムは、無線ネットワーク110を経由して病院コンピューティングデバイス(CTワークステーション102、CTスキャナ104、患者査定システム106等)から情報を受信するように構成される、健康データ管理システム100を備えてもよい。一実施形態では、無線ネットワーク110は、病院ネットワーク(例えば、第1の領域)にローカルのネットワークを含んでもよく、健康データ管理システム100は、無線ネットワーク110内に展開されてもよい。一実施形態では、病院は、ベンダの顧客として登録される地点であってもよい。病院・ベンダシステムの例示的ベンダは、データ分析サービス(例えば、データ分析サービス114)を含んでもよい。
【0036】
一実施形態では、健康データ管理システム100は、無線ネットワーク110上で単一のファイルとして配信される仮想アプライアンスとして、病院ネットワーク内に展開されてもよい。例えば、病院のサイト管理者が、ベンダユーザインターフェースから健康データ管理システム100を含有するファイルをダウンロードしてもよい。ダウンロードは、病院コンピューティングデバイス(CTワークステーション102、CTスキャナ104、患者査定システム106等)がDICOM研究を仮想マシン(例えば、健康データ管理システム100)に移動させることを可能にし得る。一実施形態では、サイト管理者はまた、病院をベンダの顧客として登録し、したがって、健康データ管理システム100をベンダのネットワーク(例えば、データ分析サービス114のネットワーク111)にも接続する。これらのプロセスは、
図8A-8Cにおいてより詳細に説明される。
【0037】
例示的実施形態では、健康データ管理システム100は、病院コンピューティングデバイス(CTワークステーション102、CTスキャナ104、および患者査定システム106等)にクエリを行い、そのようなコンピューティングデバイスから1つ以上のDICOMオブジェクトをプルしてもよい。例示的実施形態では、DICOMオブジェクトは、患者プライバシー情報、DICOMオブジェクトのファイルに実施されるべき分析の優先レベル、行われるべき症例研究/分析のタイプ、患者スキャン/画像等を含んでもよい。代替として、または加えて、病院コンピューティングデバイスは、DICOMオブジェクトを供給または保存するウェブサーバに接続されてもよい。そのような場合において、健康データ管理システム100は、サーバから1つ以上のDICOMオブジェクトをプルしてもよい。さらに別の実施形態では、DICOMオブジェクトは、健康データ管理システム100によって提供されるウェブインターフェースを使用して、(例えば、データ分析サービス114に)アップロードされてもよい。要するに、健康データ管理システム100は、第1の領域のネットワーク(例えば、病院のネットワーク110)を介して、健康データファイルを受信し、(例えば、ネットワーク111を経由して)種々の方法を使用して、健康データファイルを第2の領域におけるデータ分析サービス114にアップロードしてもよい。前述で説明されたように、健康データ管理システム100は、(例えば、健康データファイルから患者プライバシー情報を除去することによって)第1の領域から外にファイルをアップロードする前に健康データファイルを匿名化してもよい。
【0038】
一実施形態では、管理サービス112は、データ分析サービス114のサブスクリプション/顧客を管理してもよい。例えば、管理サービス112は、匿名健康データを分析するベンダの1つ以上の顧客を登録してもよい。例えば、管理サービス112は、データ分析サービス114によって提供されるサービスを有することを所望する見込み顧客(例えば、病院)から要求を受信してもよい。1つのシナリオでは、管理サービス112は、匿名健康データを管理および記憶するための1つ以上のクラウドプラットフォームとしての役割を果たしてもよい。管理サービス112は、匿名健康データをデータ分析サービス114に提供するためのインターフェースを病院に提供してもよい。一実施形態では、インターフェースは、病院で発生された健康データを匿名健康データに変換し、データを適切なデータ分析ウェブサービスにルーティングし得る、健康データ管理システム100であってもよい。
【0039】
一実施形態では、管理サービス112はさらに、健康データファイルがデータ分析サービス114によって分析される順序を管理してもよい。一実施形態では、順序は、ファイルが発生され、アップロードされた順序、および/またはファイルのそれぞれと関連付けられる優先レベルに基づいてもよい。管理サービス112はさらに、分析された匿名健康データに関して報告を発生させ、管理し、記憶してもよい。例えば、管理サービス112は、DICOMオブジェクトが生じた顧客(例えば、病院)に応じて、発生される報告を変動させてもよい。例えば、種々の顧客が、登録の間に種々の設定を構成してもよい。報告は、登録時に決定付けられる設定に基づいて発生されてもよい。一実施形態では、健康データ管理システム100および/または管理サービス112は、匿名健康データファイルおよび/または報告を管理してもよい。
【0040】
データ分析サービス114は、ウェブサービスを備え、匿名健康データを分析するための1つ以上のクラウドプラットフォームとしての役割を果たしてもよい。加えて、データ分析サービス114は、結果を算出し、結果報告(例えば、3Dモデル、PDF等)を発生させ、分析および結果を病院ユーザに提示してもよい。例えば、データ分析サービス114の1つ以上のウェブサービスは、病院コンピューティングデバイスの心臓CTスキャンからの受信された匿名健康データを使用して、冠動脈内の血流を算出してもよい。1つ以上のウェブサービスは、PDF報告とともに、算出された血流予備量比値を示す、冠動脈の双方向3Dモデルを提供してもよい。
【0041】
一実施形態では、患者プライバシー情報ウェブサービス116は、患者プライバシー情報を管理および記憶するための1つ以上のクラウドプラットフォームとしての役割を果たしてもよい。患者プライバシー情報ウェブサービス116は、患者プライバシー情報をデータ分析サービス114からの完了した報告とペアリングしてもよい。例えば、健康データ管理システム100は、患者プライバシー情報ウェブサービス116を使用して、データベース内に患者プライバシー情報を記憶してもよい。このように、患者プライバシー情報は、データ分析サービス114から隔離されてもよい。一実施形態では、患者プライバシー情報ウェブサービス116は、報告を、患者プライバシー情報ウェブサービス116の、またはそれによってアクセス可能なデータベースの記憶された患者プライバシー情報とペアリングすることによって、データ分析サービス114からの匿名報告を再識別してもよい。一実施形態では、患者プライバシー情報ウェブサービス116は、健康データが発生された領域(例えば、ネットワーク110)からのみアクセス可能であり得る。別の実施形態では、患者プライバシー情報ウェブサービス116は、(例えば、ネットワーク111を経由して)識別情報を完了した報告に提供するように、健康データ管理システム100によってプロンプトされてもよい。ある場合には、患者プライバシー情報ウェブサービス116は、患者プライバシー情報を欠いている識別情報を提供してもよい。
【0042】
ネットワーク110およびネットワーク111は、インターネット、コンテンツ配布ネットワーク、または任意の他の有線、無線、および/または電話またはローカルネットワークを含んでもよい。一実施形態では、健康データ管理システム100、CTスキャナ104、CTワークステーション102、患者査定システム106、およびHL7エンジン108は、ネットワーク110を介して相互と通信してもよい。例えば、健康データ管理システム100は、ネットワーク110を経由して、CTスキャナ104、CTワークステーション102、または患者査定システム106から健康データ(例えば、DICOMオブジェクト)を受信してもよい。健康データ管理システム100はさらに、ネットワーク110を経由して、完了した報告、完了した報告の通知、または報告を完了することの妨害(例えば、健康データ品質問題)をCTスキャナ104、CTワークステーション102、または患者査定システム106に伝送してもよい。健康データ管理システム100はさらに、データ分析サービス114からの報告が患者プライバシー情報とペアリングされ得るように、ネットワーク110またはネットワーク111を経由して、完了した報告を患者プライバシー情報ウェブサービス116にプッシュしてもよい。
【0043】
健康データ管理システム100はまた、無線ネットワーク111を経由して、管理サービス112およびデータ分析サービス114と通信するように構成されてもよい。例えば、健康データ管理システム100は、分析のために未加工健康データをデータ分析サービス114にアップロードしてもよい。健康データ管理システム100はまた、管理サービス112と通信し、分析のステータスまたは進捗を示すデータログを受信してもよい。さらに、健康データ管理システム100および/または管理サービス112は、ネットワーク111を介して、データ分析サービス114から分析報告(例えば、PDF結果)を受信またはプッシュし、報告をネットワーク110の一部である種々のインターフェースに伝達してもよい。管理サービス112およびデータ分析サービス114はまた、無線ネットワーク111を経由して通信してもよい。
【0044】
図2は、本開示の例示的実施形態による、
図1の健康データ管理システム100と患者プライバシークラウドプラットフォーム(例えば、患者プライバシー情報ウェブサービス116)との間の相互作用の例示的詳細図を描写する。データを記憶するように構築される任意のプラットフォームまたはサービスが、患者プライバシークラウドプラットフォームとして採用されてもよい。PHIデータを含む、患者プライバシー情報の記憶は、本開示の一例示的実施形態である。
【0045】
一実施形態では、ユーザ202が、病院コンピューティングデバイス(例えば、CTワークステーション、CTスキャナ、患者査定システム等)からDICOMオブジェクトをアップロードしてもよい。いったん健康データ管理システム100がアップロードされたDICOMオブジェクトを受信すると、健康データ管理システム100は、DICOMオブジェクトから患者プライバシー情報(例えば、PHIデータ)を抽出してもよい。患者プライバシー情報は、ステートレス動作を許容し得るサービスを使用して、領域特有のクラウドプラットフォーム(例えば、患者プライバシー情報ウェブサービス116)に送信されてもよい。例えば、患者プライバシー情報は、表現状態転送(REST)アプリケーションプログラミングインターフェース(API)206を介して、患者プライバシー情報ウェブサービス116に送信されてもよい。API206は、データ分析サービス114に対応し得、API206は、第1の(例えば、病院)領域にインストールされてもよい。1つのシナリオでは、健康データ管理システム100から患者プライバシー情報ウェブサービス116への患者プライバシー情報転送は、ハイパーテキスト転送プロトコル(HTTP)を使用して実施されてもよい。
【0046】
一実施形態では、患者プライバシー情報ウェブサービス116は、データベース(例えば、領域特有の関係データベース212)を含む、またはそれと通信してもよい。例えば、患者プライバシー情報ウェブサービス116は、領域特有の関係データベース212内に記憶された患者プライバシー情報を受信する、転送する、またはそれにアクセスしてもよい。関係データベースは、情報の記憶された項目の間の関係を認識するように構造化される、領域特有のデータベースを含んでもよい。一実施形態では、領域特有の関係データベース212は、健康データ管理システム100によってDICOMオブジェクトから抽出される患者プライバシー情報を記憶してもよい。患者プライバシー情報は、関係データベース212内に保管され、暗号化されてもよい。例示的実施形態では、関係データベース212は、新しいオブジェクト(例えば、受信された患者プライバシー情報)が記憶またはアクセスされるときに暗号化を提供してもよい。
【0047】
一実施形態では、
図2に図示されるコンポーネントの全ては、第1の領域(例えば、病院ネットワーク)内に、またはサポートサービスネットワークの一部として、存在してもよい。故に、(例えば、関係データベース212の)データは、病院コンピューティングデバイス(例えば、DICOMをアプロードするためにユーザ202によって使用されるデバイス)が位置する、第1の領域内に留まってもよい。一実施形態では、患者プライバシー情報は、それが記憶された領域外でアクセスされ得ない。例えば、日本で症例を提出し、異なる地理的領域に赴くユーザは、患者プライバシー情報を読み出すことができないであろう。
【0048】
病院ユーザ214は、ウェブアプリケーション208と相互作用し、アップロードされたオブジェクトファイルを精査し、症例処理のステータスを精査し、症例処理のデータ分析優先順位を更新する等をしてもよい。換言すると、病院ユーザ214は、ウェブアプリケーション208またはウェブインターフェースを使用して、患者プライバシー情報および/またはデータ分析サービス114からの分析されたデータへのアクセスを有してもよい。一実施形態では、病院ユーザ214は、データ分析サービス114の症例処理のステータスを精査してもよい。例えば、健康データ管理システム100またはウェブアプリケーション208は、ユーザ214が症例処理のステータスを精査し得るように、そのIPアドレスに基づいて、病院ユーザ214を管理サービス112または患者プライバシー情報ウェブサービス116の終点にルーティングしてもよい。
【0049】
一実施形態では、データ分析サービス114の顧客サポート人員216および生成ユーザ218は、患者プライバシー情報または患者プライバシー情報の記憶されたバージョンへのアクセスを有してもよい。顧客サポート人員216および/または生成ユーザ218は、データ分析サービス114と関連付けられ得る一方、データ分析サービス114の分析への直接影響またはアクセスを有していない。一実施形態では、顧客サポート人員216は、その使用のために独占的に整備され得る仮想プライベートネットワーク(VPN)サービスを活用することによって、個別に各領域にログインする能力を提供し得る、顧客サービスインターフェースを提示されてもよい。VPNサービスは、顧客サポートが第1の領域から患者プライバシー情報にアクセスしていないときでさえも、具体的領域の患者プライバシー情報へのアクセスを顧客サポート人員に拡張してもよい。顧客サービスインターフェースは、ウェブアプリケーション208の一部であってもよい。一実施形態では、生成ユーザ218は、生成ユーザインターフェースを介して、分析されたデータの報告にアクセスする、またはそれを編集してもよい。生成ユーザインターフェースは、ウェブアプリケーション208の一部であってもよく、これは、分析の任意の中間報告または生成物を精査する、正当性を立証する、または編集するためのインターフェースを生成ユーザ218に提供してもよい。
【0050】
一実施形態では、健康データ管理システム100は、データ分析のためにDICOMオブジェクト(患者プライバシー情報が欠けている)をクラウドプラットフォーム(例えば、データ分析サービス114)に送信してもよい。管理サービス112は、データ分析サービス114によって実施される算出を読み出し、双方向ビュー、3Dモデル、またはPDF報告ファイルを発生させ、結果ファイルをデータベースの中に記憶してもよい。
【0051】
いったん症例が処理される(または健康データ分析が完了する)と、データ報告が、発生されてもよく、報告は、関係データベース212内に記憶された患者プライバシー情報とペアリングされてもよい。例えば、健康データ管理システム100は、データ分析サービス114から受信される匿名報告と関連付けられる、患者プライバシー情報を識別してもよい。例示的実施形態では、関係データベース212からの患者プライバシー情報が、API206を使用して読み出されてもよい。
【0052】
図3は、本開示の例示的実施形態による、
図1の健康データ管理システム100のコンポーネントを描写する。各健康データ管理システム100は、下記にさらに詳細に説明されるようなコンポーネントのアセンブリを含んでもよい。健康データ管理システム100は、
図3に示されるように、サービスクラスプロバイダ(SCP)サービス310、結果トランスポートサービス312、アップロードサービス314、監視サービス316、ログ処理サービス(例えば、ログシッパーサービス318)、および領域特有の結果サービス320等の複数のウェブサービスから成ってもよい。
【0053】
例示的実施形態では、サービスクラスプロバイダ(SCP)サービス310は、CTスキャナ104、患者査定システム106、またはCTワークステーション102からのDICOMオブジェクトが受信され得る、健康データ管理システム100の一部であってもよい。SCPサービス310は、Linux(登録商標)サービスとして実装され、例えば、ネットワーク110における健康データ管理システム100のインストール後に立ち上げられてもよい。さらに別の実施形態では、SCPサービス310は、セキュアなHTTPを通して管理サービス112と統合されてもよい。
【0054】
一実施形態では、SCPサービス310は、DICOMファイルの発生または作成のインジケーションに関して、病院コンピューティングデバイス(例えば、CTスキャナ104、患者査定システム106、またはCTワークステーション102)からの1つ以上の構成されたDICOMポートを監視してもよい。いったんSCPサービス310が病院コンピューティングデバイスによるDICOMファイルの作成のインジケーションを受信すると、SCPサービス310は、1つ以上のDICOMオブジェクトを受信するための症例ファイルの作成を開始してもよい。例えば、SCPサービス310は、管理サービス112を用いて新しい症例および一意の症例識別子を作成してもよく、新しい症例は、一意の症例識別子を使用して(管理サービス112によって)識別されてもよい。
【0055】
一実施形態では、SCPサービス310は、単一の症例研究と関連付けられる画像を含有する、複数のDICOMオブジェクトを受信してもよい。SCPサービス310は、複数のDICOMオブジェクトを伴う単一の症例研究を発生させてもよい。一実施形態では、SCPサービス310は、並行して1つ以上の病院コンピューティングデバイスからDICOMオブジェクトを受信するように構成されてもよく、SCPサービス310は、各病院コンピューティングデバイスのDICOMオブジェクトに関して症例ファイルを発生させてもよい。例えば、SCPサービス310は、病院コンピューティングデバイス「A」から受信されるDICOMオブジェクトのセットに関する1つの症例ファイル、および異なる病院コンピューティングデバイス「B」から受信されるDICOMオブジェクトのセットに関する別個の第2の症例ファイルを発生させてもよい。上記の例示的実施形態では、SCPサービス310は、受信されたDICOMオブジェクトを構成されたDICOMデータベース内に一時的に記憶してもよい。
【0056】
一実施形態では、SCPサービス310は、受信されたDICOMオブジェクトと関連付けられる、1つ以上のタグを解析してもよい。例えば、SCPサービス310は、受信されたDICOMオブジェクトを匿名化してもよい。例えば、SCPサービス310は、受信されたDICOMオブジェクトから患者プライバシー情報(例えば、PHI)を抽出し、(例えば、患者プライバシーデータを所定の文字列と置換することによって)抽出された患者プライバシーデータを非特定化し、受信されたDICOMオブジェクトに対応する患者プライバシーデータの記憶をプロンプトしてもよい。一実施形態では、DICOMオブジェクトは、患者プライバシーデータ(例えば、PHI)を含まない、一意の症例識別子と関連付けられてもよい。データ分析サービス114および/または管理サービス112は、一意の症例識別子を使用して、DICOMオブジェクトを追跡してもよい。別の実施形態では、受信されたDICOMオブジェクトと関連付けられる1つ以上のタグを解析するステップは、サービスプロバイダ、時間、日付、保険証券、またはDICOMオブジェクトと関連付けられる任意の注釈に関連するタグを識別するステップを含んでもよい。SCPサービス310はさらに、タグに基づいてDICOMオブジェクトを処理してもよい。例えば、SCPサービス310は、保険証券、時間、日付、または医師に関連するタグと関連付けられる、請求機能を提供または促進してもよい。別の実施例として、SCPサービス310は、(例えば、画像入手からの)注釈に基づいて、DICOMオブジェクトに1つ以上の動作を実施してもよい。操作は、画質の査定、DICOMオブジェクトを向上させるための再構築、画質を改良するためにDICOMオブジェクトからファイルを除去または破棄すること等を含んでもよい。
【0057】
一実施形態では、SCPサービス310は、1つ以上の匿名DICOMオブジェクトを1つの症例ファイルに圧縮し、症例ファイルをデータ分析サービス114にアップロードしてもよい。匿名DICOMオブジェクトはまた、非圧縮状態でデータ分析サービス114にアップロードされてもよい。さらに別の実施形態では、健康データ管理システム100は、アップロードサービス314を使用し、データをデータ分析サービス114にアップロードしてもよい。例えば、SCPサービス310は、症例ファイルのための全てのDICOMファイルが受信されるときに、アップロードサービス314をプロンプトしてもよく、アップロードサービス314は、所与の症例ファイルのDICOMオブジェクトを圧縮し、分析のために圧縮された症例ファイルをデータ分析サービス114にアップロードしてもよい。一実施形態では、症例ファイルは、健康データ管理システム100のインストールに応じて、または(例えば、CTスキャナ104、患者査定システム106、またはCTワークステーション102の)病院をデータ分析サービス114の顧客またはサブスクライバとして識別することに応じて、事前設定され得る、データ分析サービス114にアップロードされてもよい。
【0058】
例示的実施形態では、成功したアップロードに続く構成された時間後、SCPサービス310は、記憶装置からDICOMオブジェクトファイルを削除してもよい。削除のための構成された時間は、例示的アップロード設定ではゼロであってもよい。SCPサービス310は、DICOMオブジェクトを伴うアップロードされた症例研究の最新状態を反映する、ファイルシステムディレクトリを維持してもよい。ファイルシステムディレクトリは、受信されている新しい症例、アップロードプロセス(またはアップロードの進捗)、および症例関連エラー(例えば、アップロードに関する問題、またはアップロードを妨げ得るファイルに関する問題)を記録してもよい。アップロードに関する問題は、コネクティビティ、ネットワーク、負荷問題を含み得る。ファイルに関する問題は、不適切なファイルサイズ、不十分な画質、要求される分析のための不適切なファイルタイプ等を含み得る。適切なファイルを決定付け得る規格は、データ分析サービス114に特有であり得る。さらに、規格は、健康データ管理システム100のインストールの間に構成されてもよい。
【0059】
一実施形態では、SCPサービス310はさらに、病院コンピューティングデバイスを用いた一連の動作に従事してもよい。例えば、SCPサービス310は、病院コンピューティングデバイスと関連付けられるサービスクラスユーザ(SCU)クライアントと通信してもよい。例示的実施形態では、SCPサービス310は、DICOMオブジェクトを受信するための接続を提供することに先立って、病院コンピューティングデバイスSCUクライアントの身元の正当性を立証してもよい。一実施形態では、SCPサービス310は、撮像デバイスに加えて、複数の病院コンピューティングデバイスと通信してもよい。SCPサービス310は、病院コンピューティングデバイスのそれぞれに一意である、または病院コンピューティングデバイスのタイプに一意である、動作のセットを実施してもよい。例えば、SCPサービス310は、医療撮像デバイスのための動作のセット、および監視デバイスまたは臨床試験デバイスのための動作の異なるセットに従事してもよい。例えば、医療撮像デバイスのための動作は、画像ファイルサイズまたはタイプの立証、1つ以上のファイル形式への画像ファイルの変換、撮像プロセスの完了の検証等を含んでもよい。監視デバイスのための動作は、データを受信するための時間間隔を含んでもよい。臨床試験デバイスのための動作は、試験タイプのカテゴリ化、分析のためにデータを1つ以上のウェブサービスまたは設備にルーティングするための設定等を含んでもよい。動作は、ネットワーク110上の健康データ管理システム100のインストール時に事前設定されてもよい。一実施形態では、健康データ管理システム100は、1つ以上の病院コンピューティングデバイスと関連付けられる動作のデフォルトセットを含んでもよい。
【0060】
例示的実施形態では、結果トランスポートサービス312は、結果報告(結果サービス320によって発生される)を、事前構成された宛先、例えば、病院ウェブインターフェースにプッシュしてもよい。結果トランスポートサービス312は、(病院)ウェブアプリケーションを介して、ユーザによる構成のために利用可能であり得る。例示的実施形態では、結果トランスポートサービス312は、結果のプッシュが健康データ管理システム100の構成において「有効化される」場合のみ、アクティブ化してもよい。例えば、結果トランスポートサービス312は、「完了」状態の症例に関して、およびPDF結果報告/文書に関して、管理サービス112のバックエンドまたは完了した分析結果のデータベースにポーリングしてもよい。一実施形態では、結果トランスポートサービス312は、病院ウェブアプリケーションのユーザによって所望される言語設定/フィールドを含み得る、完了した報告(例えば、PDF報告)をダウンロードする、または発生させてもよい。一実施形態では、結果トランスポートサービス312は、DICOMカプセル化PDFオブジェクトとして、またはHL7メッセージとしてのいずれかの構成に基づいて、PDF文書をラップし、オブジェクトを適切な事前構成された宛先のウェブサービスにプッシュしてもよい。
【0061】
ログシッパサービス318は、健康データ管理システム100の動作の周期的ログを提供してもよい。一実施形態では、認可ユーザまたは関係者が、(例えば、遠隔コマンドを介して)ログ発送を要求し得る。そのような要求に応答して、ログシッパサービス318は、ログファイルを圧縮し、管理サービス112にアップロードしてもよい。例示的実施形態では、監視サービス316は、ログファイルを管理サービス112に転送する時間であるときに、ログシッパサービス318をプロンプトしてもよい。ログシッパサービス318は、システムおよびアプリケーションログファイルを含有するファイルを圧縮してもよい。そのようなファイルは、管理サービス112に送信することに先立って、データベース内に記憶されてもよい。
【0062】
監視サービス316は、健康データ管理システム100のためのシステムアップグレードを提供してもよい。例えば、監視サービス316は、事前設定された時間間隔においてアプリケーションプログラミングインターフェース(API)(例えば、
図2のAPI206)にコンタクトし、健康データ管理システム100のより新しいバージョンが利用可能であるかどうかを確認してもよい。時間間隔は、事前構成された更新時間窓を含んでもよい。より新しいバージョンが検出される場合、健康データ管理システム100は、適切なファイルをダウンロードし、それらの完全性の正当性を立証し、ファイルをそれらの意図された宛先に送信し、健康データ管理システム100の更新されたバージョンのインストールについてSCPサービス310に通知してもよい。SCPサービス310は、新しい接続を容認することを停止し、既存のジョブが終了することを待機し、自己終了してもよい。いったんSCPサービス310がもはや起動しなくなると、監視サービス316は、健康データ管理システム100をリブートし、健康データ管理システム100の新しいバージョンを始動させてもよい。
【0063】
監視サービス316はさらに、健康データ管理システム100のステータスをAPI(例えば、
図2のAPI206)に送信してもよい。ステータスは、SCPサービス310のステータス、病院コンピューティングデバイスとのアクティブな接続の数、および保留中のDICOMオブジェクトまたは症例の数を含んでもよい。監視サービス316は、健康データ管理システム100のリブートが生じるまで、自動更新の間にステータスを報告し続けてもよい。
【0064】
監視サービス316は、認定ユーザによって呼び出される遠隔コマンドをサポートしてもよい。これらのコマンドは、顧客サポートポータルを介して、サポートユーザから発行されてもよい。顧客サポートポータルは、システムのステータス報告に応答して、コマンドを健康データ管理システム100に送信してもよい。監視サービス316は、遠隔コマンドを実行する目的だけのための限定された権利を用いて具体的に作成される、ユーザのコンテキストの下でコマンドを実行してもよい。遠隔コマンドが、任意の出力を生成する場合、出力は、コマンドの結果とともに顧客サポートポータルに返送されてもよい。
【0065】
領域特有の結果サービス320は、結果報告を発生させてもよい。いくつかの実施形態では、結果が、領域に特有の形式、グラフィック、またはコンテンツを伴って発生されてもよい。健康データ管理システム100は、それがインターフェースをとる領域毎の結果サービス320、または(例えば、病院、医療提供者、または地理的領域のネットワークを伴うシナリオでは)1つ以上の領域のための結果サービス320を設定する、またはそれにコンタクトしてもよい。結果サービス320は、その個別の領域に関して1つ以上の事前決定された結果設定(例えば、結果形式、グラフィック、コンテンツ等)を記憶してもよい。ある場合には、結果サービス320は、結果トランスポートサービス312による読み出しまで、1つ以上の結果報告を記憶してもよい。健康データ管理システム100および/または結果サービス320は、患者プライバシーデータを読み出し、それを完了した医療分析とペアリングし、最終結果報告を作成してもよい。
【0066】
図4は、健康データ管理システム100を使用して、健康データを管理する方法400の例示的シーケンスフローを描写する。例示的実施形態では、SCPサービス310は、病院コンピューティングデバイス(例えば、CTスキャナ104、患者査定システム106、CTワークステーション102等)による、1つ以上のDICOMオブジェクトの可用性またはアップロードを検出してもよい。前述で議論されたように、SCPサービス310は、1つ以上の病院コンピューティングデバイスにポーリングし、DICOMオブジェクトが発生されるときを検出してもよい。病院コンピューティングデバイスが、DICOMファイルを発生させる、または作成するとき、SCPサービス310は、DICOMファイルを検出してもよい(例えば、ステップ401)。一実施形態では、ステップ403は、SCPサービス310が単一の症例研究に関して一意の症例を発生させるステップを含んでもよい。一意の症例は、(例えば、データ分析サービス114による)症例研究のために検出されたDICOMオブジェクトを準備してもよい。一実施形態では、SCPサービス310はさらに、症例に関して一意の症例識別子を発生させてもよい。
【0067】
一実施形態では、SCPサービス310はまた、DICOMオブジェクトの正当性を立証してもよい。例えば、DICOMオブジェクトの正当性を立証ステップは、データ分析サービス114による分析を受け得るDICOMオブジェクトのための所定の画質基準を決定または受信するステップを含んでもよい。SCPサービス310は、受信されたDICOMオブジェクトが所定の基準を満たすかどうかを決定してもよい。DICOMオブジェクトが、基準を満たす場合、SCPサービス310は、方法400の他のステップを進めてもよい。DICOMオブジェクトが、基準を満たさない場合、SCPサービス310は、DICOMオブジェクトを再発生させる、またはデータを再提出するように病院のデバイスに通知してもよい。SCPサービス310はさらに、DICOMオブジェクトが立証に合格しなかった理由を提供してもよい。
【0068】
例示的実施形態では、DICOMオブジェクトは、患者プライバシー情報(例えば、PHIデータ)を含んでもよい。SCPサービス310は、DICOMオブジェクトからPHIデータを抽出し、DICOMオブジェクトを非特定化してもよい。例えば、SCPサービス310は、DICOMオブジェクトからPHIデータを抽出し、PHIデータを所定の文字列および/または一意の症例識別子と置換してもよい。加えて、SCPサービス310は、PHIデータを暗号化してもよい。PHIデータは、領域特有の患者プライバシー情報ウェブサービス116によって記憶されてもよい(例えば、ステップ405)。一実施形態では、症例のPHIデータは、PHIデータが症例の一意の症例識別子と関連付けられるように、記憶されてもよい。
【0069】
上記の図示される実施形態では、SCPサービス310は、単一の症例研究と関連付けられるDICOMオブジェクトを検出してもよい。例えば、SCPサービス310は、複数のDICOMオブジェクトが1つの症例研究と関連付けられることを検出してもよい。SCPサービス310は、症例研究のために複数のDICOMオブジェクトを集約してもよい(例えば、ステップ407)。SCPサービス310はさらに、単一の症例研究と関連付けられる集約されたDICOMオブジェクトを圧縮してもよい(例えば、ステップ409)。アップロードサービス314は、症例研究のために圧縮されたDICOMオブジェクトを受信してもよい。アップロードサービス314はさらに、単一の症例研究と関連付けられる1つ以上の圧縮されたDICOMオブジェクトをデータ分析サービス114にアップロードしてもよい(例えば、ステップ411)。一実施形態では、各症例研究は、それと関連付けられる優先レベルを有してもよい。アップロードサービス314は、DICOMオブジェクトの優先レベルに従って、圧縮されたDICOMオブジェクトをデータ分析サービス114にプッシュしてもよい。例えば、より高い優先レベルを伴うDICOMオブジェクトが、より低い優先レベルを伴うDICOMオブジェクトの前にデータ分析サービス114にプッシュされてもよい。優先レベルは、DICOMオブジェクトが発生されるときに医療従事者によって決定付けられてもよい。代替として、または加えて、優先レベルは、DICOMオブジェクトが受信される病院コンピューティングデバイスに基づいて、SCPサービス310に基づいて、分析を実施するデータ分析サービス114に基づいて等、設定されてもよい。優先レベルはまた、方法400の1つ以上の段階/ステップにおいて改変されてもよい。一実施形態では、データ分析サービス114は、一連の算出および画像処理を実施し、1つ以上のDICOMオブジェクトを分析してもよい(例えば、ステップ413)。
【0070】
例示的実施形態では、管理サービス112は、データ分析サービス114から1つ以上の分析されたDICOMオブジェクトを受信してもよい(例えば、ステップ415)。管理サービス112は、データ分析サービス114によって実施されるデータ分析を検証してもよい。管理サービス112は、データ分析の全てのコンポーネントが完了し、結果報告を完了するために十分であることを検証してもよい。管理サービス112または結果サービス320はさらに、結果報告を発生させてもよい(例えば、ステップ417)。代替実施形態では、管理サービス112は、分析されたDICOMオブジェクトを分析技術者に利用可能にしてもよい。技術者はさらに、分析を検証し、結果報告を発生させるための要求を提出してもよい。代替として、または加えて、技術者はさらに、結果報告の分析を編集してもよい。例えば、管理サービス112は、技術者が分析を検証するための1つ以上のプロンプトを提供してもよい。1つのシナリオでは、管理サービス112は、技術者が選択するための種々の報告オプションを発生させてもよい。オプションは、技術者が提供されたオプションの組み合わせを選択し、分析されたDICOMデータの報告を仕上げ得る、1つ以上のピン、表示、ビュー、チャート、比較等を含んでもよい。
【0071】
結果トランスポートサービス312は、管理サービス112から結果報告を受信してもよい(例えば、ステップ419)。結果報告は、分析結果のPDF、種々の表示またはビューを伴う双方向モデル等を含んでもよい。一実施形態では、モデルは、ユーザが分析の異なる部分を見るために操作し得る、3D解剖学的モデルを含んでもよい。例えば、分析が、3D解剖学的モデルを通して血流モデルを発生させてもよい。画像再構築および解剖学的モデルを使用する診断分析の種々の実施形態が、例えば、2012年11月20日に発行され、「Method and System for Patient-Specific Modeling of Blood Flow」と題された、米国特許第8,315,812号(参照することによってその全体として組み込まれる)に開示される。報告は、表面モデル、グラフ、チャート、色分け、インジケータ、双方向ディスプレイ、アラート、信号、または任意の公知のグラフィックオブジェクトを含んでもよい。グラフィック表現および表示の種々の実施形態が、例えば、2014年4月22日に発行され、「Method and System for Providing Information from a Patient-Specific Model of Blood Flow」と題された、米国特許第8,706,457号(参照することによってその全体として組み込まれる)に開示される。一実施形態では、結果トランスポートサービス312は、結果データベースに結果報告を記憶してもよい(例えば、ステップ421)。報告はそれぞれ、関連付けられる一意の症例識別子を含んでもよい。
【0072】
例示的実施形態では、SCPサービス310または管理サービス112は、結果報告を読み出す要求を受信してもよく、応答して、結果報告が、結果トランスポートサービス312によって伝達されてもよい(例えば、ステップ423)。要求は、(例えば、RESTful API206を使用して)ウェブインターフェースによって伝達されてもよい。一実施形態では、要求は、一意の症例識別子を含んでもよい。
【0073】
例示的実施形態では、SCPサービス310は、患者プライバシーデータを読み出された結果報告と関連付けてもよい。例えば、SCPサービス310は、報告の一意の症例識別子を検出し、一意の症例識別子に対応する患者プライバシーデータを決定してもよい。1つのそのようなシナリオでは、結果サービス320またはSCPサービス310は、一意の症例識別子を患者プライバシー情報ウェブサービス116に伝送し、一意の症例識別子に対応する、患者プライバシー情報ウェブサービス116からの記憶されたPHIデータを要求してもよい(例えば、ステップ425)。患者プライバシー情報ウェブサービス116は、関係データベース322から一意の症例識別子に関して暗号化されたPHIデータを読み出し、PHIデータをSCPサービス310に送信してもよい。SCPサービス310はさらに、PHIデータを解読し、解読されたPHIデータを用いて読み出された結果報告を更新してもよい(例えば、ステップ427)。SCPサービス310は、結果報告を、ユーザが報告にアクセスし得るデバイスまたはインターフェースにプッシュしてもよい(例えば、ステップ429)。上記の実施形態は、患者プライバシー情報をPHIデータとして説明するが、実施形態は、任意の形態の患者プライバシー情報に適用され得る。
【0074】
図5は、本開示の例示的実施形態による、健康データを管理する例示的方法のフロー
図500である。動作510では、健康データが、病院コンピューティングデバイスから健康データ管理システム100において受信されてもよい。動作510における健康データは、医用デジタル画像および通信(Digital Imaging and Communications in Medicine;DICOM)形式であってもよい。病院コンピューティングデバイスは、
図1に示されるように、CTスキャナ104、患者査定システム106、またはCTワークステーション102を含んでもよい。
【0075】
例示的実施形態では、健康データ管理システム100は、動作512の通りに、受信された健康データ(例えば、DICOMオブジェクト)に関して一意の症例識別子を発生させてもよい。動作514では、健康データ管理システム100は、健康データ(例えば、DICOMオブジェクト)の正当性を立証してもよい。例えば、DICOMオブジェクトは、DICOMオブジェクトにDICOM画像が欠落している場合、DICOM画像サイズが定義された範囲外である場合、またはDICOM画像が定義された品質要件を満たさない場合、無効であり得る。代替実施形態では、健康データ管理システム100は、受信されたDICOMオブジェクトが無効であると決定することの結果として、メッセージを病院コンピューティングデバイスに送信してもよい。例えば、健康データ管理システム100は、DICOMオブジェクトの再送信をプロンプトする、および/または受信されたDICOMオブジェクトが無効であり、別のDICOMオブジェクトが発生されるべきであるという通知を提供してもよい。
【0076】
動作516では、健康データ管理システム100は、正当性を立証されたDICOMオブジェクトから患者プライバシー情報を取り除いてもよい。例示的患者プライバシー情報は、DICOMオブジェクトを患者にリンクし得る情報、例えば、患者の氏名、生年月日、電話番号、住所、Eメールアドレス、社会保障番号等を含んでもよい。例示的実施形態では、健康データ管理システム100はさらに、一方向暗号機能を使用して、患者プライバシー情報のそれぞれを非特定化することによって、抽出された患者プライバシー情報を暗号化してもよい(例えば、動作518)。
【0077】
動作520では、健康データ管理システム100は、領域特有のウェブサービスの宛先ネットワークアドレスを識別し、暗号化された患者プライバシー情報を送信してもよい。例示的実施形態では、領域特有のウェブサービスを識別するために、健康データ管理システム100は、受信されたDICOMオブジェクトと関連付けられる病院コンピューティングデバイスのネットワークパラメータをウェブアプリケーションファイアウォール(WAF)サービスに提供し、病院コンピューティングデバイスを地理特定してもよい。WAFサービスは、健康データ管理システム100を場所特有のアプリケーションプログラミングインターフェース(API)にリダイレクトしてもよい。健康データ管理システム100は、場所特有のAPIにアクセスし、患者プライバシーデータを管理および記憶するための領域特有のウェブサービス(例えば、患者プライバシー情報ウェブサービス116)のネットワークアドレスを読み出してもよい。動作522では、健康データ管理システム100は、患者プライバシー情報を(例えば、動作520の)領域特有のウェブサービスの識別された宛先ネットワークアドレスに送信してもよい。例示的実施形態では、健康データ管理システム100は、一意の症例識別子とともに、暗号化された患者情報を識別された場所特有のウェブサービスに送信してもよい。
【0078】
図6は、本開示の例示的実施形態による、分析のために匿名化されたデータをクラウドプラットフォームに転送するステップをさらに描写する、フローチャート600である。動作610では、健康データ管理システム100は、患者プライバシー情報を取り除かれたDICOMオブジェクトを受信してもよい。健康データ管理システム100は、匿名DICOMオブジェクト(患者プライバシー情報を伴わない)を更新し、一意の症例識別子を含んでもよい(例えば、動作612)。例えば、DICOMオブジェクトは、一意の症例識別子を含むように更新され得る、ヘッダを有してもよい。(代替実施形態では、一意の症例識別子は、DICOMオブジェクト自体の一部としてではなく、単に、DICOMオブジェクトとともにデータ分析サービス114に送信されてもよい。)動作614および616では、健康データ管理システム100は、DICOMオブジェクトを圧縮し、圧縮されたDICOMオブジェクトをデータ分析サービス114に送信してもよい。一実施形態では、圧縮されたDICOMオブジェクトは、REST HTTPプロトコルを使用して送信されてもよい。
【0079】
図7は、本開示の例示的実施形態による、分析された健康データの結果報告を受信することのフローチャート700である。方法フローチャート700は、健康データ管理システム100、データ分析サービス114、または
図1に示されるコンポーネントの任意の組み合わせによって実施されてもよい。例示的実施形態では、ユーザ(例えば、病院技術者)が、症例に関して報告を要求し得る。例えば、ユーザは、ウェブアプリケーション(例えば、オンラインポータル)にアクセスし、一意の症例識別子を提供してもよい。ウェブアプリケーションは、要求を健康データ管理システム100に伝達してもよい。動作710の通りに、健康データ管理システム100は、HTTPプロトコルを通してユーザから結果報告に対する要求を受信してもよく、要求は、一意の症例識別子を提供し得る。
【0080】
一実施形態では、完了した報告が、データベース内に記憶されてもよい。完了した報告は、一意の症例識別子を含んでもよい。一実施形態では、ステップ712は、受信された一意の症例識別子に対応する結果報告を読み出すステップを含んでもよい。一実施形態では、ステップ714は、完了した報告と関連付けられる患者プライバシー情報を識別するステップを含んでもよい。例えば、ステップ714は、患者プライバシー情報データサービス(例えば、患者プライバシー情報ウェブサービス116)に一意の症例識別子を提供するステップを含んでもよい。ステップ716は、一意の症例識別子と関連付けられる患者プライバシー情報を受信するステップを含んでもよい。患者プライバシー情報は、暗号化されてもよい。一実施例では、ユーザが、患者プライバシー情報の一部であり得る患者情報を含む、要求を提供し得る。データベースは、患者情報と関連付けられる一意の症例識別子を識別してもよく、一意の症例識別子と関連付けられる報告が、読み出されてもよい。報告は、次いで、対応する患者プライバシー情報と関連付けられてもよい。一実施形態では、ステップ718は、受信された患者プライバシー情報を解読するステップを含んでもよく、ステップ720は、結果報告を更新し、解読された患者プライバシー情報を含むステップを含んでもよい。
【0081】
ステップ722は、更新された結果報告を要求エンティティにプッシュするステップを含んでもよい。更新された結果報告は、標準HTTPプロトコルおよびウェブインターフェースを使用して、要求エンティティに送信されてもよい(例えば、ステップ722)。代替実施形態では、結果報告が、結果報告が完了したときに病院コンピューティングシステム(例えば、患者査定システム106またはCTワークステーション102)にプッシュされてもよい。例えば、健康データ管理システム100は、報告文書がまだ配信されていない、「完了」状態時の症例に関して管理サービス112をチェックしてもよい。(「完了」状態は、分析が完了しており、報告がすでに発生されているか、または報告が分析結果に基づいて発生され得るかのいずれかであることを示し得る。)全ての配信されていない「完了」症例に関して、健康データ管理システム100は、事前構成された報告または報告設定(例えば、病院または要求エンティティによって設定されるような好ましい報告形式またはスタイル)をダウンロードしてもよい。結果サービス320は、DICOMカプセル化PDFオブジェクトとして、またはHL7メッセージとしてのいずれかの構成に基づいて、PDF文書をラップし、オブジェクト(DICOM/HL7)を適切な事前構成された宛先にプッシュしてもよい。構成は、
図8A-8Cにおいてさらに詳細に説明される。例えば、健康データ報告を病院コンピューティングデバイス、病院電子記録サーバ、および/または事前構成された宛先ネットワークアドレスのうちの少なくとも1つにプッシュすることを伴うシナリオでは、HL7標準メッセージが、少なくとも1つの病院コンピューティングデバイス、病院電子記録サーバ、および事前構成された宛先ネットワークアドレスに送信されてもよい。HL7標準メッセージは、報告へのユニフォームリソースロケータ(URL)を含有してもよい。
【0082】
一実施形態では、健康データ管理システム100は、報告を受信し、カプセル化PDF DICOMオブジェクトとして記憶する、SCPサービスとして作用してもよい。健康データ管理システム100は、次いで、受信側が報告を受信するためのプッシュコマンドをさらに発行してもよい。健康データ管理システム100が、報告をHL7エンジン/ブローカにプッシュするように構成される場合、健康データ管理システム100は、報告をHL7メッセージとしてエンジン/ブローカまたは要求エンティティ(例えば、病院)に送信する、HL7クライアントとして作用してもよい。一実施形態では、健康データ管理システム100はさらに、完了した報告と関連付けられるメタデータ、例えば、保険情報、保険制度の補償範囲、報告完了時間、報告優先順位、前の分析に対する分析の関係等を識別してもよい。そのようなメタデータは、要求エンティティによる完了した報告の使用を知らせるように集約されてもよい。
【0083】
図8Aは、本開示の例示的実施形態による、顧客ネットワーク内の健康データ管理システム100の展開を示す、例示的フローチャート800である。例示的実施形態では、顧客は、診療所または病院を含んでもよく、顧客ネットワークは、診療所または病院内で動作するネットワークを含んでもよい。健康データ管理システム100は、診療所/病院マシン上に展開されてもよい。一実施形態では、管理サービス112は、健康データ管理システム100をダウンロードする要求を受信してもよい(例えば、ステップ802)。例えば、サイト管理者が、病院をベンダの顧客として登録するように、ウェブインターフェースを経由してデータ分析ベンダの管理サービス112に要求を送信してもよい。管理サービス112は、ダウンロード要求に応答して、インストール(例えば、オープン仮想アプライアンスまたはアプリケーション(OVA))ファイルを提供してもよい(例えば、ステップ804)。例示的実施形態では、健康データ管理システム100インフラストラクチャを確立するために、OVA(オープン仮想アプライアンスまたはアプリケーション)ファイルが、病院コンピューティングデバイス上にインストールされてもよい。OVAファイルは、仮想マシン(VMware)クライアントを使用して、病院コンピューティングデバイス上の仮想環境の中に展開されてもよい。OVAファイルは、オペレーティングシステム(例えば、カスタマイズされたCentOS Linux(登録商標)配布)、健康データ管理システム100ソフトウェア、および仮想ハードウェアのための構成詳細(例えば、RAMおよびCPU留保および記憶要件、NIC(ネットワークインターフェースカード)設定等)等のコンポーネントを含有してもよい。
【0084】
管理サービス112はさらに、健康データ管理システム100のアクティブ化に対する要求に応答して、デバイス識別および健康データ管理システム100のためのアクティブ化キーをサイト管理者に提供してもよい(例えば、ステップ806および808)。一実施形態では、管理サービス112は、ウェブインターフェースを介して、デバイス識別および/またはアクティブ化キーを提供してもよい。
【0085】
一実施形態では、OVAファイルは、病院システム内に展開されてもよく、健康データ管理システム100は、新しい仮想マシンとしてブートされてもよい。健康データ管理システム100は、健康データ管理システム100に関するネットワークパラメータ、DICOM設定、通信ポートを構成するため、および管理サービス112からのデバイス識別およびアクティブ化キーを読み出すために、サイト管理者によってアクセス可能なコンソールを含んでもよい。代替実施形態では、アクティブ化キーは、健康データ管理システム100を構成しながら入力されるように、サイト管理者にEメールされてもよい。例示的実施形態では、OVAファイルを展開した後、サイト管理者は、仮想マシンに関するネットワークパラメータ、DICOMアプリケーションエンティティ(AE)タイトル、およびCTスキャナ104、CTワークステーション102、および患者査定システム106がDICOM研究を健康データ管理システム100に移動させることを可能にするための通信ポートを構成してもよい(例えば、ステップ810)。一実施形態では、管理サービス112は、病院において健康データ管理システムインフラストラクチャを確立し得る、構成のための設定を提供してもよい。
【0086】
一実施形態では、サイト管理者は、健康データ管理システム100 DICOMアプリケーションエンティティ(AE)タイトルおよび通信ポートを伴って、CTスキャナ104、CTワークステーション102、および患者査定システム106を構成してもよい。一実施形態では、管理サービス112は、構成が完了しており、CTスキャナ104、CTワークステーション102、および患者査定システム106が、DICOM研究を健康データ管理システム100に移動させ得るという通知を受信してもよい(例えば、ステップ812)。
【0087】
例示的実施形態では、病院臨床医または管理者が、ウェブインターフェースを使用して、DICOMオブジェクトのための優先順位を入力してもよい(例えば、ステップ814)。代替実施形態では、優先順位は、病院内の病院デバイス、DICOMオブジェクトソースCTスキャナ104、CTワークステーション102、または患者査定システム106の場所に従って、自動的に設定されてもよい。優先順位は、HTTPプロトコルを使用して、管理サービス112に送信されてもよい。管理サービス112は、DICOMオブジェクトまたは症例研究の優先順位を記憶および維持し、さらに、優先順位に従った順序または緊急性で結果報告を提供してもよい。
【0088】
図8Bは、健康データ管理システム100をインストールするためのデータフロー810を描写する。ステップ1に示されるように、病院サイト管理者816は、健康データ管理システム100を含有するOVAファイルをダウンロードすることを要求し得る。要求は、(例えば、データ分析サービス114のための管理サービス112の)ウェブインターフェース820において受信されてもよい。病院サイト管理者816はさらに、インストールプロセスの一部として、デバイス識別およびアクティブ化キーを要求し得る(ステップ2)。管理サービス112は、ウェブインターフェース820を介して、OVAファイル、デバイス識別、およびアクティブ化キーを提供してもよい。
【0089】
一実施形態では(例えば、ステップ3)、病院サイト管理者816は、仮想マシンサーバ(例えば、仮想サーバ818)上にOVAファイルを展開してもよい。例示的実施形態では、ステップ4は、仮想マシンホスト上に健康データ管理システム仮想アプライアンス822を展開するステップを含んでもよい。一実施形態では、展開は、病院サイト管理者816が、仮想マシンクライアント在庫メニューから仮想アプライアンス822を選択し、仮想アプライアンス822を始動させ、仮想アプライアンスマシンコンソールビューを開始するステップを含んでもよい。病院サイト管理者816はさらに、健康データ管理システム仮想アプライアンス822/健康データ管理システム100が、CTスキャナ104、CTワークステーション102、または患者査定システム106から健康データを受信することを可能にするように、健康データ管理システム仮想アプライアンス822を構成してもよい(例えば、ステップ5)。
【0090】
例示的実施形態では、健康データ管理システム100は、Linux(登録商標) 64ビットオペレーティングシステム上でホストされてもよい。始動に応じて、構成メニューが、Linux(登録商標)コンソール上に表示されてもよい。コンソールのユーザのアクセスは、健康データ管理システム100の誤用およびリバースエンジニアリングに対する保護を提供するためのメニューを含んでもよい。メニューは、ユーザが、デバイスに関するホスト名およびネットワークパラメータ、およびそのDICOMアプリケーションエンティティ(AE)タイトルおよび通信ポートを構成することを可能にし得る。
【0091】
図8Cは、いったん健康データ管理システム100が病院コンピューティングデバイスからファイルを受信するように構成された、例示的ウェブインターフェース830を示す。例えば、インターフェース830は、患者831に対応する情報と、受信されたファイル(例えば、CT DICOMオブジェクト)833についての情報とを含んでもよい。インターフェース830はさらに、分析のステータス835(例えば、分析が処理している、完了した、または記憶されている(例えば、「全ての症例」において)かどうか)を表す情報を含んでもよい。ステータス835はまた、特に留意するべき(例えば、「注目」)分析または報告を含んでもよい。これらの分析または報告は、より深い研究に関して、または将来の参考に関して、医療専門家のためにフラグを付けられてもよい。
【0092】
したがって、本開示は、患者プライバシーデータを守りながら、異なる地理的領域内の患者の健康データを分析、記憶、および管理するためのシステムおよび方法を含む。本開示はさらに、匿名健康データを病院の領域外の分析クラウドプラットフォームに送信し、分析結果報告を受信するためのシステムおよび方法を含む。故に、データ分析が、1つの領域から別の領域へのプライバシーデータの転送を回避しながら、領域を横断して提供され得る。
【0093】
説明される実施形態のうちのいずれかは、例えば、領域内で保たれ得るデータの変形例を含むように修正されてもよい。開示されるシステムおよび方法は、循環への任意の範囲の変化をモデル化および査定するように修正されてもよい。技術のプログラム側面は、典型的には、あるタイプの機械可読媒体上で搬送される、またはそれで具現化される実行可能コードおよび/または関連付けられるデータの形態の「製品」または「製造品」と考えられ得る。「記憶」タイプ媒体は、ソフトウェアプログラミングのために任意の時間に非一過性の記憶を提供し得る、種々の半導体メモリ、テープドライブ、ディスクドライブ、および同等物等のコンピュータ、プロセッサ、または同等物、またはその関連付けられるモジュールの有形メモリのうちのいずれかまたは全てを含む。
【0094】
健康データ管理システム100は、任意のタイプまたは組み合わせのコンピューティングシステム、例えば、ハンドヘルドデバイス、パーソナルコンピュータ、サーバ、クラスタ化されたコンピューティングマシン、および/またはクラウドコンピューティングシステムを含み得ることを理解されたい。一実施形態では、健康データ管理システム100は、メモリ、中心処理ユニット(「CPU」)、および/またはユーザインターフェースを含む、ハードウェアのアセンブリを備えてもよい。メモリは、フロッピー(登録商標)ディスク、ハードディスク、または磁気テープを含む、磁気記憶装置、ソリッドステートディスク(SSD)またはフラッシュメモリ等の半導体記憶装置、光ディスク記憶装置、または磁気光学ディスク記憶装置等の物理的記憶媒体で具現化される、任意のタイプのRAMまたはROMを含んでもよい。CPUは、メモリ内に記憶された命令に従ってデータを処理するための1つ以上のプロセッサを含んでもよい。
【0095】
一実施形態では、ユーザが、1つ以上の有線または無線デバイスを使用して、DICOMオブジェクトをアップロードし、結果報告を読み出してもよい。デバイスは、ネットワークを経由して、ウェブサイトおよびマルチメディアコンテンツ等のデータを収集、送信、および/または受信するように構成される、任意のタイプの電子デバイスを含んでもよい。デバイスは、医療デバイス、例えば、医療撮像デバイス、医療モニタ等を含んでもよい。デバイスはまた、通信ネットワーク内に配置される、1つ以上のモバイルデバイス、スマートフォン、携帯情報端末(「PDA」)、タブレットコンピュータ、または任意の他の種類のタッチスクリーン対応デバイス、パーソナルコンピュータ、ラップトップ、および/またはサーバを含んでもよい。デバイスはそれぞれ、ウェブサーバのうちの1つ以上のものから受信される、電子コンテンツを受信および表示するためにインストールされる、ウェブブラウザおよび/またはモバイルブラウザを有してもよい。デバイスは、ウェブまたはモバイルブラウザ、および任意のタイプのアプリケーション、例えば、モバイルアプリケーションを実行するように構成される、オペレーティングシステムを有し得る、クライアントデバイスを含んでもよい。一実施形態では、種々のデバイスは、ネットワークを経由して、データまたは分析された報告を通信するようにネットワークアダプタを伴って構成されてもよい。代替として、または加えて、種々のデバイスは、ローカル接続を経由して、データを伝送する、または分析されたデータを受信するように構成されてもよい。
【0096】
1つ以上のクラウドベースのウェブサービスと関連付けられる1つ以上のプロセッサの機能は、単一の専用プロセッサによって、または複数のプロセッサによって提供されてもよい。さらに、プロセッサは、限定ではないが、デジタル信号プロセッサ(DSP)ハードウェア、またはソフトウェアを実行することが可能な任意の他のハードウェアを含んでもよい。
【0097】
ソフトウェアの全てまたは一部は、随時、インターネットまたは種々の他の電気通信ネットワークを通して通信されてもよい。そのような通信は、例えば、1つのコンピュータまたはプロセッサから別のものの中へ、例えば、モバイル通信ネットワークの管理サーバまたはホストコンピュータからサーバのコンピュータプラットフォームの中へ、および/またはサーバからモバイルデバイスへのソフトウェアのロードを可能にし得る。したがって、ソフトウェア要素を担い得る別のタイプの媒体は、ローカルデバイスの間の物理的インターフェースを横断して、有線および光学地上通信線ネットワークを通して、および種々のエアリンクを経由して使用されるような、光学、電気、および電磁波を含む。有線または無線リンク、光学リンク、または同等物等のそのような波を搬送する物理的要素はまた、ソフトウェアを担う媒体と見なされ得る。本明細書で使用されるように、非一過性の有形「記憶」媒体に制限されない限り、コンピュータまたは機械「可読媒体」等の用語は、実行のために命令をプロセッサに提供することに関与する、任意の媒体を指す。
【0098】
本発明の他の実施形態も、本明細書に開示される本発明の明細書および実践の考慮から当業者に明白となるであろう。明細書および実施例は、例示的にすぎないと見なされ、本発明の真の範囲および精神は、以下の請求項によって示されることが意図される。
【国際調査報告】