(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-04-01
(54)【発明の名称】ローラ・クランプのロック機構
(51)【国際特許分類】
A61M 39/28 20060101AFI20220325BHJP
A61M 5/14 20060101ALI20220325BHJP
【FI】
A61M39/28 120
A61M5/14 500
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021559789
(86)(22)【出願日】2020-04-07
(85)【翻訳文提出日】2021-11-19
(86)【国際出願番号】 US2020027104
(87)【国際公開番号】W WO2020210258
(87)【国際公開日】2020-10-15
(32)【優先日】2019-04-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】505403186
【氏名又は名称】ケアフュージョン 303、インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000855
【氏名又は名称】特許業務法人浅村特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】パク、ジャニス
(72)【発明者】
【氏名】アンダーウッド、ウェスリー
(72)【発明者】
【氏名】デカルブ、ショーン
【テーマコード(参考)】
4C066
【Fターム(参考)】
4C066AA07
4C066BB01
4C066CC01
4C066DD01
4C066JJ10
4C066QQ26
(57)【要約】
本明細書にはローラ・クランプが記載されている。ローラ・クランプは、ハウジングと、ローラ・ホイールと、ロック装置とを備えている。ハウジングは、第1の壁及び第2の壁を含み、第1の壁及び第2の壁は、それらの間に長手方向チャネルを規定するように離間され、ハウジングは、配管が長手方向チャネルを通過できるように構成された上部開口部及び下部開口部を含む。ローラ・ホイールは、少なくとも部分的に長手方向チャネル内に配置され、配管と係合するように構成され、ローラ・ホイールは、ローラ・ホイールの外面から延在する複数の歯を含み、チャネルに対するローラ・ホイールの長手方向位置が、配管を通る流量を調整する。ロック装置は、ハウジング及びローラ・ホイールに解放可能に係合され、ロック装置は、ローラ・ホイールが長手方向位置から移動することを防止する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ローラ・クランプであって、
第1の壁及び第2の壁を含むハウジングであって、前記第1の壁及び前記第2の壁は、それらの間に長手方向チャネルを規定するように離間されており、前記ハウジングは、前記長手方向チャネルを配管が通過できるように構成された上部開口部及び下部開口部を含む、ハウジングと、
前記長手方向チャネル内に少なくとも部分的に配置され、前記配管と係合するように構成されたローラ・ホイールであって、前記ローラ・ホイールは、前記ローラ・ホイールの外面から延在する複数の歯を含み、前記チャネルに対する前記ローラ・ホイールの長手方向位置が、前記配管を通る流量を調整する、ローラ・ホイールと、
前記ハウジング及び前記ローラ・ホイールに解放可能に係合するロック装置であって、前記ロック装置は、前記ローラ・ホイールが前記長手方向位置から移動することを防止する、ロック装置と、
を備えている、ローラ・クランプ。
【請求項2】
前記ロック装置はアクセス・ドアを含み、前記アクセス・ドアと前記ハウジングとが協調して前記ローラ・ホイールを閉位置に包む、請求項1に記載のローラ・クランプ。
【請求項3】
前記アクセス・ドアは、前記ローラ・ホイールの一部を前記閉位置で受け入れるように構成された凹部を規定する、請求項2に記載のローラ・クランプ。
【請求項4】
前記凹部は、複数の嵌合歯を含み、前記複数の嵌合歯は、前記ローラ・ホイールの前記複数の歯のうちの少なくとも1つと係合して、前記ローラ・ホイールの移動を防止するように構成されている、請求項3に記載のローラ・クランプ。
【請求項5】
前記アクセス・ドアは、前記アクセス・ドアを前記ハウジングに解放可能に結合するラッチを備えている、請求項2に記載のローラ・クランプ。
【請求項6】
前記ラッチはスナップ機構を備えている、請求項5に記載のローラ・クランプ。
【請求項7】
前記ロック装置は、前記ハウジングにスライド可能に係合するロック・タブを含み、前記ロック・タブは、ロック・タブ・ウィンドウを規定し、前記ロック・タブは前記ローラ・ホイールと長手方向に位置合わせされており、前記ローラ・ホイールの一部が前記チャネルから前記ロック・タブ・ウィンドウを通って延在することを可能にする、請求項1に記載のローラ・クランプ。
【請求項8】
前記ロック・タブは、前記ローラ・ホイールが前記長手方向位置から移動することを防止するために、前記ハウジングにロックされている、請求項7に記載のローラ・クランプ。
【請求項9】
前記ロック・タブは、前記ハウジングから延在する戻り止めと係合する、請求項8に記載のローラ・クランプ。
【請求項10】
前記ロック装置は、固定装置を含み、前記固定装置は、複数のロック歯を含み、前記ロック歯は、前記ハウジングと、前記ローラ・ホイールの前記複数の歯のうちの少なくとも1つと係合して、前記ローラ・ホイールの移動を防止する、請求項1に記載のローラ・クランプ。
【請求項11】
前記複数のロック歯は、前記ハウジングの複数のハウジング歯のうちの少なくとも1つと係合する、請求項10に記載のローラ・クランプ。
【請求項12】
前記ローラ・ホイールは、前記ローラ・ホイールの前記外面を規定する軸方向リップを含む、請求項10に記載のローラ・クランプ。
【請求項13】
前記固定装置は、第1の固定装置壁及び第2の固定装置壁を更に含み、前記第1の固定装置壁及び前記第2の固定装置壁は、前記ローラ・ホイールの前記軸方向リップを超えて延在している、請求項12に記載のローラ・クランプ。
【請求項14】
前記第1の固定装置壁はキー溝を規定する、請求項13に記載のローラ・クランプ。
【請求項15】
前記ロック装置は、前記ハウジングの前記第1の壁から延在する複数のロック歯を含み、前記複数のロック歯は、前記ローラ・ホイールのピンと係合して前記長手方向位置からの前記ローラ・ホイールの移動を防止するように構成されている、請求項1に記載のローラ・クランプ。
【請求項16】
前記第1の壁及び前記第2の壁は、前記ローラ・ホイールが前記長手方向位置から移動することを防止しながら、前記ローラ・ホイールに接触するように付勢されており、前記ロック装置は、前記ローラ・ホイールから離れて延在する前記第1の壁の第1の壁延長部と、前記ローラ・ホイールから離れて延在する前記第2の壁の第2の壁延長部とを含み、前記第1の壁延長部及び前記第2の壁延長部を圧縮することにより、前記第1の壁及び前記第2の壁が前記ローラ・ホイールから離れるように促され、前記ローラ・ホイールが前記長手方向位置から移動できるようになる、請求項1に記載のローラ・クランプ。
【請求項17】
前記ロック装置は、スライダを含み、前記スライダは、前記ローラ・ホイールに係合し、前記ローラ・ホイールを前記第1の壁に対して付勢するように構成された付勢アームを含む、請求項1に記載のローラ・クランプ。
【請求項18】
ローラ・クランプであって、
第1の壁及び第2の壁を含むハウジングであって、前記第1の壁及び前記第2の壁は、それらの間に長手方向チャネルを規定するように離間されており、前記ハウジングは、前記長手方向チャネルを配管が通過できるように構成された上部開口部及び下部開口部を含む、ハウジングと、
前記長手方向チャネル内に少なくとも部分的に配置され、前記配管と係合するように構成されたローラ・ホイールであって、前記ローラ・ホイールは、前記ローラ・ホイールの外面から延在する複数の歯を含み、前記チャネルに対する前記ローラ・ホイールの長手方向位置が、前記配管を通る流量を調整する、ローラ・ホイールと、
前記ハウジングに結合されたアクセス・ドアであって、前記アクセス・ドアは、複数の嵌合歯を含み、前記複数の嵌合歯は、前記アクセス・ドアが閉位置にあるときに前記ローラ・ホイールの移動を防止するために、前記ローラ・ホイールの前記複数の歯のうちの少なくとも1つと係合するように構成されている、アクセス・ドアと、
を備えている、ローラ・クランプ。
【請求項19】
配管を通る流量を調整するための方法であって、
ローラ・クランプを介して前記配管を提供するステップと、
前記ローラ・クランプのローラ・ホイールの長手方向位置を調整して、前記配管を通る前記流量を調整するステップと、
前記ローラ・クランプのハウジングに係合したロック装置で前記ローラ・ホイールを覆うステップと、
を含む、方法。
【請求項20】
前記ローラ・ホイールを前記ハウジングに解放可能に結合して前記ローラ・ホイールの移動を防止するために、前記ローラ・ホイールを前記ロック装置と係合させるステップ
を更に含む、請求項19に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、一般に、ローラ・クランプ、特に、ロック機構を備えたローラ・クランプに関する。
【背景技術】
【0002】
医学的治療は、しばしば、一般に「IVセット」と呼ばれる柔軟な配管とフィッティングの配置であるが、流体源、例えば、IVバッグに接続された静脈内(intravenous:IV)カテーテルを使用する患者への医療用流体(例えば、生理食塩水又は液体薬物)の注入を含む。多くの場合、配管を通る流量は、患者への注入速度を制御するために調整される。配管を通る流量を調整するための装置は、希望の流量でロックされていない可能性がある。
【0003】
従って、一部の用途では、注入速度が不注意に、又は許可されていない人員によって変更され得る。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
開示された主題は、ロック機構を備えたローラ・クランプに関する。特定の実施例では、ローラ・クランプであって、第1の壁及び第2の壁を含むハウジングであって、第1の壁及び第2の壁は、それらの間に長手方向チャネルを規定するように離間されており、ハウジングは、長手方向チャネルを配管が通過できるように構成された上部開口部及び下部開口部を含む、ハウジングと、長手方向チャネル内に少なくとも部分的に配置され、配管と係合するように構成されたローラ・ホイールであって、ローラ・ホイールは、ローラ・ホイールの外面から延在する複数の歯を含み、チャネルに対するローラ・ホイールの長手方向位置が、配管を通る流量を調整する、ローラ・ホイールと、ハウジング及びローラ・ホイールに解放可能に係合するロック装置であって、ロック装置は、ローラ・ホイールが長手方向位置から移動することを防止する、ロック装置と、を備えている、ローラ・クランプ、が開示されている。
【0005】
特定の実施例では、ローラ・クランプであって、第1の壁及び第2の壁を含むハウジングであって、第1の壁及び第2の壁は、それらの間に長手方向チャネルを規定するように離間されており、ハウジングは、長手方向チャネルを配管が通過できるように構成された上部開口部及び下部開口部を含む、ハウジングと、長手方向チャネル内に少なくとも部分的に配置され、配管と係合するように構成されたローラ・ホイールであって、ローラ・ホイールは、ローラ・ホイールの外面から延在する複数の歯を含み、チャネルに対するローラ・ホイールの長手方向位置が、配管を通る流量を調整する、ローラ・ホイールと、ハウジングに結合されたアクセス・ドアであって、アクセス・ドアは、複数の嵌合歯を含み、複数の嵌合歯は、アクセス・ドアが閉位置にあるときにローラ・ホイールの移動を防止するために、ローラ・ホイールの複数の歯のうちの少なくとも1つと係合するように構成されている、アクセス・ドアと、を備えている、ローラ・クランプ、が開示されている。
【0006】
特定の実施例では、配管を通る流量を調整するための方法が開示されており、方法は、ローラ・クランプを介して配管を提供するステップと、ローラ・クランプのローラ・ホイールの長手方向位置を調整して、配管を通る流量を調整するステップと、ローラ・クランプのハウジングに係合したロック装置でローラ・ホイールを覆うステップと、を含む。
【0007】
対象技術の様々な構成が、本開示から当業者に容易に明らかになることが理解され、対象技術の様々な構成が、例示として示され、説明される。理解されるように、対象技術は、他の異なる構成が可能であり、その幾つかの詳細は、全て対象技術の範囲から逸脱することなく、他の様々な点で変更することができる。従って、概要、図面、及び詳細な説明は、本質的に例示的なものと見なされるべきであり、限定的なものと見なされるべきではない。
【0008】
更なる理解を提供するために含まれ、本明細書に組み込まれ、その一部を構成する添付の図面は、開示された実施例を示し、説明と共に、開示された実施例の原理を説明するのに役立つ。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】本開示の様々な態様によるローラ・クランプの斜視図である。
【
図2】本開示の様々な態様によるローラ・クランプの斜視図である。
【
図3】本開示の様々な態様によるローラ・クランプの斜視図である。
【
図4A】本開示の様々な態様によるローラ・クランプの側面図である。
【
図4B】本開示の様々な態様による、
図4Aのローラ・クランプと共に使用するためのローラ・ホイールの側面図である。
【
図4C】本開示の様々な態様による、
図4Aのローラ・クランプと共に使用するための固定装置の断面図である。
【
図5】本開示の様々な態様によるローラ・クランプの部分断面図である。
【
図6】本開示の様々な態様によるローラ・クランプの部分断面図である。
【
図7】本開示の様々な態様によるローラ・クランプの部分断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
開示されたローラ・クランプは、ハウジング、ローラ・ホイール、及びロック装置を組み込んでいる。ロック装置は、ハウジングとローラ・ホイールを解放可能に係合させて、ローラ・ホイールの意図しない又は許可されていない移動を防止することができる。ローラ・ホイールの意図しない又は許可されていない移動を防止することにより、注入の流量を、予期しないドリフトや注入速度の変化なしに制御することができる。
【0011】
以下に記載される詳細な説明は、対象技術の様々な構成の説明として意図されており、対象技術が実施され得る唯一の構成を表すことを意図するものではない。詳細な説明には、対象技術を完全に理解するための具体的な詳細が含まれている。しかしながら、対象技術がこれらの具体的な詳細なしで実施され得ることは当業者には明らかであろう。場合によっては、対象技術の概念が曖昧にならないように、よく知られている構造と構成要素がブロック図の形式で表示される。同様の構成要素には、理解し易いように同じ要素番号が付されている。参照番号には、共通の要素の個別の例を示すために接尾辞が追加されている場合があるが、接尾辞のない同じ番号によって一般的に参照される。
【0012】
以下の説明は、開示されたローラ・クランプを使用した医療用流体の投与中の流量の制御及び維持に関するものであるが、この説明は使用の実例に過ぎず、特許請求の範囲を限定するものではないことを理解されたい。開示されたローラ・クランプの様々な態様は、流量の意図しない又は許可されていない変更を許可せずに流体の流量を制御することが望ましい任意の用途で使用することができる。
【0013】
開示されたローラ・クランプは、特定の従来のローラ・クランプに関して発見された幾つかの課題を克服する。特定の従来のローラ・クランプに関する1つの課題は、ローラ・クランプが、患者及び/又は臨床医からの偶然の接触によって不注意に調整される可能性があることである。更に、ローラ・クランプは、患者を含む許可されていない人員によって意図的に調整され得る。ローラ・クランプの不注意な又は許可されていない調整は、投与される医療用流体の流量を変化させ、それによって注入療法の効果を損なうか、又は患者に害を及ぼす可能性があるため、従来のローラ・クランプの使用は望ましくない。
【0014】
従って、本開示によれば、ローラ・クランプの潜在的な偶発的又は許可されていない調整を排除又は実質的に低減する、本明細書に記載のローラ・クランプを提供することが有利である。開示されたローラ・クランプは、投与された医療用流体の流量の許可された調整を可能にする一方で、流量の不注意な又は許可されていない調整を防止するロック装置を提供する。
【0015】
次に、医療用流体の流量の不注意な又は許可されていない調整を防止するローラ・クランプの実例について説明する。
【0016】
図1は、本開示の様々な態様による、ローラ・クランプ100の斜視図である。図示の実例では、ローラ・クランプ100は、配管10を通る流体の流れの速度を制御することができる。
【0017】
幾つかの用途では、配管10は、医療用流体の投与又は注入中に、IVバッグなどの流体源から患者に医療用流体を運ぶことができる。図示のように、配管10は、ローラ・クランプ100を通過することができる。
【0018】
例えば、配管10は、ハウジング102の上部開口部108を通過し、チャネル106の長手方向の長さに沿って延在し、下部開口部109を通ってローラ・クランプ100を出ることができる。操作中、臨床医は、配管10の断面プロファイルを変化させることができる、ローラ・クランプ100のチャネル106内に配置された配管10の部分に対する圧縮力又は圧着力の量を選択的に変化させることによって、配管10を通る流体の流れの速度を制御するようにローラ・クランプ100を調整することができる。
【0019】
幾つかの用途では、ローラ・ホイール110は、長手方向チャネル106内で移動及び/又は回転して、配管10に加えられる圧縮力又は圧着力の量を調整し、配管10を通る流量を調整することができる。図示の実例では、ローラ・ホイール110は、ハウジング102の壁104に形成された1つ又は複数の傾斜した又は勾配付けしたトラック又はガイドに沿って移動可能である。幾つかの実施例では、ローラ・ホイール110は、係合を容易にするために1つ又は複数の歯又は溝112を含む。
【0020】
従って、操作中、ローラ・ホイール110が長手方向チャネル106内で長手方向に移動するとき、ハウジング102に対するローラ・ホイール110の長手方向位置を変更することによって、配管10に加えられる圧縮力の量を増加又は減少させることができる。例えば、臨床医がローラ・ホイール110をハウジング102の下部開口部109に向かって動かすと、ローラ・ホイール110は、配管10に対する圧縮力又は圧着力を増加させ、配管10を通る流体の流れを減少させることができる。必要に応じて、ローラ・ホイール110が最下部位置に配置されている場合、ローラ・ホイール110は、配管10を完全に圧縮又は圧着して、配管10を通る流体の流れを防止することができる。同様に、ローラ・ホイール110がハウジング102の上部開口部108に向かって移動すると、ローラ・ホイール110は、配管10に対する圧縮力又は圧着力を減少させ、配管10を通る流体の流れを増加させることができる。必要に応じて、ローラ・ホイール110が最上部の位置に配置されている場合、ローラ・ホイール110は、配管10に圧縮力又は圧着力を与えなくてもよい。理解できるように、ローラ・ホイール110の長手方向位置と配管10に加えられる圧縮力の量との間の関係は、上記の実例から逸脱する可能性がある。例えば、配管10に加えられる圧縮力の量は、ローラ・ホイール110が上向き若しくは下向きに、又は長手方向チャネル106に沿った所望の位置に向かって移動若しくは回転するにつれて増加又は減少し得る。
【0021】
従って、操作中、臨床医は、ローラ・ホイール110の長手方向位置を調整して、配管10を通る流量を調整することができる。しかしながら、ローラ・ホイール110の長手方向位置、従って、配管10を通る流量は、偶発的な接触によって不注意に調整されたり、許可されていない人員によって調整されたりする可能性がある。
【0022】
図示のように、ローラ・クランプ100は、ローラ・ホイール110の長手方向位置の不注意な又は許可されていない調整を防止するためのロック装置を含むことができる。幾つかの実施例では、ロック装置は、ローラ・ホイール110及び/又はハウジング102と係合して、ハウジングに対するローラ・ホイール110の移動を防止することができる。幾つかの実施例では、ロック装置は、ローラ・ホイール110を覆い又は包み、ローラ・ホイール110への不正アクセスを防止及び/又は阻止することができる。
【0023】
例えば、ローラ・クランプ100は、ローラ・ホイール110を包み、ローラ・ホイール110の不注意な及び/又は許可されていない調整を防止するためのアクセス・ドア120を含むことができる。ローラ・クランプ100を用いて配管10の流量を設定した後、アクセス・ドア120を閉位置に移動して、ローラ・ホイール110を包むことができる。必要に応じて、アクセス・ドア120は、ハウジング102の壁104のラッチ機能126に係合するラッチ124を有することができる。ラッチ124は、ラッチ機能126とスナップ係合するスナップ機構であり得る。同様に、アクセス・ドア120は、臨床医がローラ・クランプ100を調整するために開かれ得る。
【0024】
幾つかの実施例では、アクセス・ドア120は、ヒンジ122を介してハウジング102に取り付けられている。ヒンジ122は、製造を簡素化するためにリビング・ヒンジとして形成することができる。
【0025】
必要に応じて、アクセス・ドア120は、ローラ・ホイール110に接触することなくアクセス・ドア120を閉じることを可能にするために、凹んだ部分127を含むことができる。有利なことに、幾つかの用途では、凹んだ部分127により、ローラ・ホイール110によって配管10に加えられる圧縮力の量を変えることなく、アクセス・ドア120を閉じることができる。
【0026】
図2は、本開示の様々な態様による、ローラ・クランプ200の斜視図である。図示の実施例では、ローラ・クランプ200は、ローラ・クランプ100に関して前述した特徴と同様の特徴を含む。特に断りのない限り、同様の特徴は、同様の参照番号で参照され得、対応する説明を参照し得る。
【0027】
幾つかの実施例では、アクセス・ドア220は、ローラ・ホイール210を設定された長手方向位置に保持するために、閉位置でローラ・ホイール210の溝212と係合又はインターロックするための嵌合歯228を含むことができる。閉位置では、1つ又は複数の嵌合歯228は、ローラ・ホイール210の1つ又は複数の溝212と噛み合って、ローラ・ホイール210の長手方向及び/又は回転方向の移動を防止し、ローラ・ホイール210の不注意な及び/又は許可されていない調整を更に防止することができる。
【0028】
図3は、本開示の様々な態様による、ローラ・クランプ300の斜視図である。図示の実施例では、ローラ・クランプ300は、ローラ・クランプ100に関して前述した特徴と同様の特徴を含む。特に断りのない限り、同様の特徴は、同様の参照番号で参照され得、対応する説明を参照し得る。
【0029】
図示のように、ローラ・クランプ300は、臨床医がローラ・ホイール310を調整及びロックして、ローラ・ホイール310の不注意な及び/又は許可されていない調整を防止することを可能にするロック・タブ320を含む。ロック・タブ320は、ローラ・ホイール310の周りに配置され、ロック解除位置にあるときにハウジング302に沿って長手方向にスライドするように構成される。
【0030】
操作中、臨床医は、ロック・タブ320のウィンドウ322を介してローラ・ホイール310にアクセスすることができる。ロック解除位置では、臨床医は、ローラ・ホイール310及び周囲のロック・タブ320を所望の長手方向位置に動かして、所望の流体流量を提供することができる。
【0031】
ローラ・クランプ300で配管の流量を設定した後、ロック・タブ320をロック位置に動かして、ローラ・ホイール310の長手方向の移動を防止することができる。幾つかの実施例では、臨床医又は他の使用は、ロック・タブ320をハウジング302に押し込んで、ローラ・ホイール310の位置をロックすることができる。必要に応じて、ロック・タブ320を引っ張ってロック位置に移動させることができる。幾つかの実施例では、ロック・タブ320は、ロック・タブ320及びローラ・ホイール310が長手方向に移動することを防止するために、ロック位置でハウジング302に形成された1つ又は複数の戻り止めと係合することができる。同様に、ロック・タブ320は、臨床医がローラ・ホイール310を調整することを可能にするために、ハウジング302から外すことができる。
【0032】
図4Aは、本開示の様々な態様による、ローラ・クランプ400の側面図である。図示の実施例では、ローラ・クランプ400は、ローラ・クランプ100に関して前述した特徴と同様の特徴を含む。特に断りのない限り、同様の特徴は、同様の参照番号で参照され得、対応する説明を参照し得る。
【0033】
図示のように、ローラ・クランプ400は、臨床医がローラ・ホイール410を調整及びロックして、ローラ・ホイール410の不注意な及び/又は許可されていない調整を防止することを可能にする固定装置420を含む。固定装置420を設置する前に、臨床医は、ローラ・ホイール410を所望の長手方向位置に動かして、所望の流体流量を提供することができる。
【0034】
ローラ・クランプ400で配管の流量を設定した後、固定装置420を設置して、ローラ・ホイール410及びハウジング402と係合させることができる。
図4Bは、本開示の様々な態様による、
図4Aのローラ・クランプ400と共に使用するためのローラ・ホイール410の側面図である。
図4Cは、本開示の様々な態様による、
図4Aのローラ・クランプ400と共に使用するための固定装置420の断面図である。
図4A~
図4Cを参照すると、固定装置420は、ハウジング402及びローラ・ホイール410に係合して、ローラ・ホイール410の移動を防止することができる。
【0035】
図示のように、固定装置420は、ローラ・ホイール410の露出部分を部分的に包むことができる。幾つかの実施例では、固定装置420は、ローラ・ホイール410のプロファイルを補完する半円形のプロファイルを有することができる。幾つかの実施例では、固定装置420の曲面421は、ローラ・ホイール410の溝412と係合するための1つ又は複数のロック歯422を含むことができる。
【0036】
幾つかの実施例では、ハウジング402は、長手方向チャネル406に隣接するハウジング402から延在するハウジング歯405を含むことができる。必要に応じて、固定装置420は、ハウジング402から延在するハウジング歯405と係合するための二次ロック歯423を更に含むことができる。図示のように、ロック歯422及び/又はロック歯423の係合は、ローラ・ホイール410をハウジング402にロックして、ローラ・ホイール410の長手方向の移動を防止し、ローラ・ホイールへの不正アクセスを防止することができる。
【0037】
更に、固定装置420をローラ・クランプ400に保持するために、壁428は、リテーナ424がローラ・ホイール410の軸方向リップ414のエッジと係合することを可能にするために、固定装置420の軸方向の移動を防止し、ロック歯422及びロック歯423を係合状態に保ちながら、ローラ・ホイール410の軸方向リップ414上に延在することができる。幾つかの実施例では、固定装置420の壁428及び/又はリテーナ424は、弾性的に変形して、固定装置420がローラ・ホイール410の軸方向リップ414上にスナップ・フィットすることを可能にすることができる。
【0038】
必要に応じて、取り外しを容易にするために、固定装置420の壁428は、キー溝426を含み、キーの挿入を可能にして、リテーナ424をローラ・ホイール410から外すことができる。キーを挿入すると、壁428を弾性的に変形させて、リテーナ424をローラ・ホイール410から外すことができる。幾つかの実施例では、キー溝426は、相補的なキーのみが固定装置420を取り外すことを可能にするように成形又はキーイングすることができる。固定装置420を取り外すと、臨床医は、必要に応じてローラ・ホイール410を調整することができる。
【0039】
図5は、本開示の様々な態様による、ローラ・クランプの部分断面図である。図示の実施例では、ローラ・クランプ500は、ローラ・クランプ100に関して前述した特徴と同様の特徴を含む。特に断りのない限り、同様の特徴は、同様の参照番号で参照され得、対応する説明を参照し得る。
【0040】
図示のように、ローラ・クランプ500は、臨床医がローラ・ホイール510を調整及びロックして、ローラ・ホイール510の不注意な及び/又は許可されていない調整を防止することを可能にするロック歯520を含む。図示の実例では、ロック歯520は、ハウジング502の壁504から延在する。幾つかの実施例では、ハウジング502は、ハウジング502の両方の壁504から延在するロック歯520を含むことができる。
【0041】
操作中、臨床医は、ローラ・ホイール510を押し下げて、ピン516をロック歯520から外すことができる。外されると、臨床医は、ローラ・ホイール510を所望の長手方向位置に動かして、所望の流体流量を提供することができる。
【0042】
ローラ・クランプ500で配管10の流量を設定した後、ローラ・ホイール510を解放して、2つのロック歯520の間にピン516を係合させ、ローラ・ホイール510が長手方向に動くことを防止することができる。幾つかの実施例では、ピン516は、ロック歯520と摩擦的に係合することができる。
【0043】
図6は、本開示の様々な態様による、ローラ・クランプ600の部分断面図である。図示の実施例では、ローラ・クランプ600は、ローラ・クランプ100に関して前述した特徴と同様の特徴を含む。特に断りのない限り、同様の特徴は、同様の参照番号で参照され得、対応する説明を参照し得る。
【0044】
図示のように、ローラ・クランプ600は、臨床医がローラ・ホイール610を調整及びロックして、ローラ・ホイール610の不注意な及び/又は許可されていない調整を防止することを可能にする、弾性的に付勢された壁604を含む。図示の実例では、壁延長部620は、それぞれの壁604から延在して、臨床医が壁604を離すように促すことを可能にする。壁604は、互いに弾性的に結合され、ローラ・ホイール610に接触するように付勢され得る。
【0045】
操作中、臨床医は、壁延長部620を互いに向かって圧迫又は圧縮して、壁604をローラ・ホイール610から切り離すように壁604を離すように促すことができる。壁604が離れるように促されている間、臨床医は、ローラ・ホイール610を所望の長手方向位置に動かして、所望の流体流量を提供することができる。
【0046】
ローラ・クランプ600で配管10の流量を設定した後、壁延長部620を解放することができ、付勢された壁604がローラ・ホイール610と係合することを可能にし、ローラ・ホイール610が長手方向に動くことを防止する。
【0047】
図7は、本開示の様々な態様による、ローラ・クランプ700の部分断面図である。図示の実施例では、ローラ・クランプ700は、ローラ・クランプ100に関して前述した特徴と同様の特徴を含む。特に断りのない限り、同様の特徴は、同様の参照番号で参照され得、対応する説明を参照し得る。
【0048】
図示のように、ローラ・クランプ700は、臨床医がローラ・ホイール710を調整及びロックして、ローラ・ホイール610の不注意な及び/又は許可されていない調整を防止することを可能にするスライダ720を含む。図示の実例では、スライダ720は、ローラ・ホイール710をハウジングの壁704に向かって押し付けるように延在する付勢アーム724を含む。
【0049】
操作中、臨床医は、付勢アーム724をローラ・ホイール710から離れるように偏向させることによって、付勢アーム724をローラ・ホイール710から外すことができる。或いは、臨床医は、スライダ720をローラ・ホイール710から離れるようにスライドさせることができる。付勢アーム724をローラ・ホイール710から外した後、臨床医は、ローラ・ホイール710を所望の長手方向位置に動かして、所望の流体流量を提供することができる。
【0050】
ローラ・ホイール710で配管10の流量を設定した後、付勢アーム724を解放して、ローラ・ホイール710と係合させることができ、或いは、スライダ720を位置合わせして、ローラ・ホイール610が長手方向に動くことを防止しながら付勢アーム724をローラ・ホイール710に対して係合させることができる。
【0051】
本開示は、当業者が本明細書に記載の様々な態様を実施できるようにするために提供されている。本開示は、対象技術の様々な実例を提供するものであり、対象技術はこれらの実例に限定されない。これらの態様に対する様々な修正は、当業者には容易に明らかであり、本明細書で定義される一般的な原理は、他の態様に適用することができる。
【0052】
単数形の要素への言及は、特に明記されていない限り、「1つだけ」を意味するのではなく、「1つ以上」を意味する。特に明記されていない限り、「一部」という用語は1つ又は複数を指す。男性の代名詞(例えば、彼)には、女性及び中性の性別(例えば、彼女及びその)が含まれ、その逆も同様である。見出し及び小見出しは、もしあれば、便宜のためにのみ使用され、本発明を限定するものではない。
【0053】
「例示的」という言葉は、本明細書では「実例又は例示として役立つ」ことを意味するために使用される。本明細書で「例示的」として説明される任意の態様又は設計は、必ずしも他の態様又は設計よりも好ましい又は有利であると解釈されるべきではない。一態様では、本明細書に記載の様々な代替構成及び操作は、少なくとも同等であると見なすことができる。
【0054】
「態様」などの句は、そのような態様が対象技術に不可欠であること、又はそのような態様が対象技術の全ての構成に適用されることを意味するものではない。ある態様に関する開示は、全ての構成、又は1つ若しくは複数の構成に適用され得る。態様は、1つ又は複数の実例を提供し得る。態様などの句は、1つ又は複数の態様を指す場合があり、その逆もある。「実施例」などの句は、そのような実施例が対象技術に不可欠であること、又はそのような実施例が対象技術の全ての構成に適用されることを意味するものではない。一実施例に関する開示は、全ての実施例、又は1つ若しくは複数の実施例に適用され得る。一実施例は、1つ又は複数の実例を提供し得る。そのような実施例という句は、1つ又は複数の実施例を指す場合があり、逆もまた同様である。「構成」などの句は、そのような構成が対象技術に不可欠であること、又はそのような構成が対象技術の全ての構成に適用されることを意味するものではない。構成に関する開示は、全ての構成、又は1つ若しくは複数の構成に適用され得る。構成は、1つ又は複数の実例を提供し得る。そのような構成という句は、1つ又は複数の構成を指す場合があり、その逆もあり得る。
【0055】
一態様では、特に明記しない限り、以下の特許請求の範囲を含む、本明細書に記載されている全ての測定値、値、定格、位置、大きさ、サイズ、及び他の仕様は概算であり、正確ではない。一態様では、それらは、それらが関連する機能及びそれらが関連する技術において慣習的であるものと一致する合理的な範囲を有することを意図している。
【0056】
一態様では、「結合された」などの用語は、直接結合されていることを指す場合がある。別の態様では、「結合された」などの用語は、間接的に結合されていることを指す場合がある。
【0057】
本開示で使用される場合、「上」、「下」、「前部」、「後部」などの用語は、通常の重力基準系ではなく、任意の基準系を指すものとして理解されるべきである。従って、上面、下面、前面、及び背面は、重力基準系において上向き、下向き、対角線、又は水平方向に延在し得る。
【0058】
様々な品目は、対象技術の範囲から逸脱することなく、全て異なって配置されてもよい(例えば、異なった順序で配置されたり、異なった方法で分割されたりする)。当業者に知られている、又は後に知られるようになる、本開示を通して記載される様々な態様の要素との全ての構造的及び機能的同等物は、参照により本明細書に明示的に組み込まれ、特許請求の範囲に含まれることが意図される。更に、本明細書に開示されるものは、そのような開示が特許請求の範囲に明示的に記載されているかどうかにかかわらず、公衆に捧げられることを意図するものではない。要素が「のための手段」という句を使用して明示的に引用されていない限り、又は方法クレームの場合、要素が「のためのステップ」という句を使用して引用されていない限り、米国特許法第112条、第6段落の規定に基づいてクレーム要素を解釈することはできない。更に、「含む」、「有する」などの用語が使用される限り、そのような用語は、「備える」という用語がクレーム内の過渡的単語として使用される場合に解釈されるのと同様の方法で包括的であることを意図する。
【0059】
本開示の発明の名称、背景、概要、図面の簡単な説明、及び要約は、本明細書に組み込まれ、限定的な説明としてではなく、開示の例示的な実例として提供される。これらは、特許請求の範囲や意味を制限するために使用されることはないことを理解した上で提出される。更に、詳細な説明では、説明が例示的な実例を提供し、開示を合理化する目的で、様々な特徴が様々な実施例で一緒にグループ化されていることが分かる。この開示方法は、特許請求された主題が各請求項に明示的に記載されているよりも多くの特徴を必要とするという意図を反映していると解釈されるべきではない。むしろ、以下の特許請求の範囲が反映するように、本発明の主題は、単一の開示された構成又は操作の全ての特徴よりも少ないものにある。以下の特許請求の範囲は、詳細な説明に組み込まれ、各請求項は、個別に特許請求された主題として独立している。
【0060】
特許請求の範囲は、本明細書に記載されている側面に限定されることを意図しないが、特許請求の範囲の文言と一致する全範囲を与えられ、全ての法的同等物を包含するものとする。それにもかかわらず、クレームの何れも、米国特許法第101、102、又は103条、の要件を満たさない主題を包含することを意図しておらず、又はそれらをそのように解釈してはならない。
【国際調査報告】